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1949-12-02 第6回国会 参議院 運輸委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国際観光ホテル整備法案衆議院提  出) ○連合委員会開会の件 ○道路運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————    午前十時四十分開会
  2. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 只今より運輸委員会開会いたします。先ず国際観光ホテル整備法案議題といたします。速記を止めて。    午前十時四十一分速記中止    ——————————    午後零時十分速記開始
  3. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 速記を始めて。それではこれで休憩いたします。再会は午後一時三十分にいたします。    午後零時十一分休憩    ——————————    午後二時八分開会
  4. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより午前に引続きまして会議を開きます。  先程厚生委員長が参りまして、例の身体障害者福祉法案に対する運賃の問題につきまして、いろいろ衆議院側と交渉いたしました結果了解を得るに至らんそうであります。そこで明日午前十時から更に厚生運輸合同委員会を開きたいという申出がございました。同意してよろしうございますか。
  5. 内村清次

    内村清次君 その内容の点につきましては何もお話はなかつたわけですか。どういう内容で……。
  6. 板谷順助

    委員長板谷順助君) いや、それは合同委員会で言うつもりなんでしよう。ただ、いろいろ了解を得るには困難だ、こういう程度であります。そこで合同審査会を開きたいと、こういう意味なんだろうと思います。
  7. 内村清次

    内村清次君 委員長としては運輸委員会で先程も決つたことをおつしやつただけであつて、そうすると、向う厚生委員会の方ではそのことはもうすでに態度決定しておるから、それで合同委員会を更に開きたいというようなことがあつたわけですね。
  8. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それで委員長としましては、委員会に諮つた上で御返事をする、こう言つて置きました。
  9. 村上義一

    村上義一君 今内村君の御質問がありましたが、まあ向う協議会を開きました上でその内容を聽けることと思うし、そういう申出でがあつたとすれば、それに応じて行くより外ないと思うのです。
  10. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは合同審査会を開くことについて御異議がないものと認めまして、その旨向うへ行つてお伝えいたします。
  11. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは次に、ホテル問題は後にしまして、これより道路運送法案議題といたしまして、質疑に入ります。それから先般この法案不成立の場合においてはどういう影響があるかということを当局に詳細に答弁するように申入れてありましたが、今政府当局が出席しておりますから、それを承つて置きたいと思います。
  12. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 道路運送法の一部を改正する法律案が若しも不成立に終りますと、どういう影響を與えるかということでありますが、今回の改正によりまして、都道府県知事に委任される事務は概ね次のようなものであります。第一に事業計画変更の中におきまして、自動車認可、両数の変更であります。第二が運転系統変更運行回数変更等であります。第三に申上げますことが、営業所別の配車両数変更というような事務でございます。その外自家用自動車の貸渡し許可、その他使用の調整というような事務でございます。これらの自動車運送事業に対する事業計画中の認可事項自家用自動車の貸渡し使用許可等事項が、例を挙げますれば主なものでございます。その外これらのことに附帯いたしまして、輸送状況の調査、現状の把握というようなことをやらしておるわけでございまして、これらの事務自動車運送事業の免許に伴いまして日常起つて参ります事務でございます。その件数も相当多数であります。而もこれら自動車運送事業車両数認可等事務は、すでに政令、省令によりまして、都道府県知事に委任いたしました資材配給事務車両検査登録事務と非常に密接な関係がございまして、両者を切離しますと非常に不便な点が多いのでございます。車両認可の両数の変更、或いは車両登録というようなことが一致いたしておりませんと、二元的に知事陸運局長とで行政されますると、資材配給事務、或いは車両検査というようなときに非常な不都合が出て参ることになります。現在然らば十一月以降どうやつているかと申しますと、これらの事務に当るものが約全国七百五十人ばかりになりますが、これらは各陸運事務所に一応駐在させまして、この事務を暫定的に執らしてあります。陸運事務所長と密接な連繋を図りましてこれらの事務を取扱つておりますが、駐在員でありまする関係上、独立の権限は持つておりませんので、窓口事務はとにかくやつておりまするが、その決定はすべて陸運局本局において決定をするというようなことになりまして、非常に事務が渋滞いたす嫌いがございます。全部これらの事務を渋滞させないで本局において取扱うというのが、万一この法律改正ができませんと、陸運局におきましてすべてを取扱うというのが法律的には正しいわけでございますが、そういうことになりますと。実際に自動車運送事業者方々の不便。又自家用自動車をお持ちになつておる方の不便は非常に大きいものであると思います。従いましてこれらの資材行政事務、又車両検査、これらの只今申上げましたような事務は、一括して一元的に処理して行くことが非常に必要であろうと私共は考えておる次第でございます。
  13. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 只今本多国務大臣が自発的に御出席になつておりますが、若し御発言があるならばこの機会にお許しいたします。
  14. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) 前回の委員会におきまして事情をいろいろと申上げたつもりでございましたが、尚、更に詳しく事情を附加えて申上げまして、御期待通りに運ばなかつた点について、是非御了解をお願いいたしたいと思つて参つた次第でございます。  只今説明もありました通り道路運送法改正をいたしまして、これを同時に委譲するということが適当であると実は考えておつたのでございます。特に運輸委員会からそういう意見が述べられまして、同時にこれが委譲されるようにという心構えは持つてつたのでありますが、それがこういうふうに道路運送法改正が遅れることになりました理由は、この道路運送監理事務所移管については行政整理、特に人員整理を完了した上で引継ぎたいという方針でありましたので、十月一日から最初移管したらどうかという政府部内の意見でありました。然るに臨時国会召集が九月二十五日ぐらいということが予定されましたので、九月二十五日に開会する国会道路運送法改正を出したのでは、十月一日に同時に移管するようなことには困難であるということで、道路運送法改正ができる期間を見越しまして、十一月の一日ということにいたしたのでありますが、更にその後国会開会が遅れました等のために、道路運送法改正移管よりも遅れてしまつたということになつたのでありますが、それでは何故政府政令を出すのを延期しなかつたかということになつて来るのでありますが、実はそういう準備をいたしておりましたために各県、自治庁等におきましても、十一月一日からは移管があるものとしての準備を進めて参りました。そのためにこれは是非来るべき国会で御了承願うことにしまして、やはり既定方針通りこの際断行して置く外はなかろうという結論で実はこういうことになつた次第でございまして、誠にこの順序が御期待順序によることのできなかつた点につきましては、深く心苦しく感じておるのでございますが、どうか事情を御了承下さいまして、御審議下さるようにお願いいたします。
  15. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 本多国務大臣に対する御質疑があるならばこの際お申出を願います。大臣は外の委員会から呼びに来ておるそうでございますから……。
  16. 内村清次

    内村清次君 只今本多国務相事情説明ではまだ私納得のできない点が一二点あるのでありまするが、すでに十月の一日に地方委議決定をするというような空気に際しては、すでに地方においてはその受入態勢を整えておつたということでありまするが、この点と国会開会が大体九月二十五日頃から、そういう空気があつたのが段々国会開会が先きに延長されてしまつたというようなその点の食違いの点でありまして、先程の弁明によりますると、九月二十五日以降に国会開会せられるならばその国会を待つて、そうしてもうすでに十月の一日頃には地方態勢はその準備が大体完了しつつあつたから、国会に諮つた上でする気持であつたけれどもというような点が含まれておるように感ずる、それが今回の国会に諮らずに、十一月の一日にすでに地方へ移すことが完了されたという点につきましての申訳のように存じておりまするが、問題は十月のいわゆる中旬頃までもかかりましても、地方がすでにその受入態勢というものが確立しておるかどうかという点です。その点がこれは現実的な問題といたしましては、勿論県の議長会議、即ち県会議長会議はこれは十一月頃に大臣陳情をしたことはこれは事実であります。勿論知事会議もそういうようなお話があつたことはそうでありまするが、実際その陳情したところのその知事人達と、それからその外の即ち県におけるところの状態というものは、それはそう態勢が本当に完了しておつたというようなことは、これは我々はそれを直ちに受入れることは困難だと私は思います。その点はやはりどうしてもその間におきましては、やはり政府の方での即ちお考え方が強く動いておるというような点は、これは我々が直接この経過を見守つて来したものといたしましては、もう強く感じておつたわけでありまして、これは各方面とも接触しました関係からしましても、運輸省自体においては、この問題はこれは再三の閣議において困難性を訴えておつたことは私達は十分認めておるわけでありまするが、併しながらこれはやはり早くそのときの状態におきましても、国会空気はどうしても險惡であるからして、それで国会の即ち開催前に早く手続をして置かなくてはいかんというような、即ちもう言葉におきましても、行動におきましてもそういうような点を我々は常に耳にしておつたわけでありまして、この点はどうも只今の御説明とは少し食違つたように私は考えまして、又聽取りまして、この点においてどうもまだ納得行かない点があります。この点につきまして本当に率直なところを一つ御説明を願いまして、これは我々のみでなくして、そのときには御承知のごとくもう全国のこの関係の業者の人達も恐らくこれは大臣の所、運輸大臣の所へあたりも、もう机の上に山のような陳情が来ておつた事態もよく知つておられると思いますからして、こういうような点から考えまして、率直にその当時の状態を披瀝して頂きたい、かように思う次第であります。
  17. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) 今のお言葉の中で、十月の一日にすでにそれを予期して地方受入態勢ができていたかと言われます点は、それは十月の一日でございます。この問題に関する限り、運輸大臣とされましては、これを移管するとすれば法律による部分とどうしても同時でなければならないという強い主張を持つておられまして、政府内部心組みでは、人員整理の完了した十月一日を期してという考えでありました。この運送法改正が済んだ上で同時にやるべきものであるという運輸大臣意見もありまして、それならば十一月一日ならば大体国会審議も済む頃であろうということを見通して閣議決定をいたしました。その時分には最後的な決定でありましたために、それぞれ地方においても間違いなく移管されるものということを覚悟いたしまして、自治庁あたりもそれぞれ連絡を取りまして準備をさせておつたのでございます。それが国会開会が約一月ずれましたために、実は委讓の方が先になりまして、この改正が後ということになつた始末なんでございますが、この点は全く運輸大臣のお気持といたしましても、我々政府部内の者も、最初決定いたしましたときにはそういう考えでやつたものがずれた次第でございまして、誠に御期待になりました順序、又私共といたしましても希望いたしました順序を取り得なかつたことは心苦しく感じておる次第でございます。
  18. 内村清次

    内村清次君 ただ一点私はこれは外の問題にも関係ある問題ではありまするが、併しこれはいろいろ政府野党関係といたしまして、いわゆる早期国会開催を要望いたしまして、これは又当時衆参両議員といたしましても、憲法の六十三條、それから国会法の第三條によりまして、そうして成規手続議長を通じて内閣へ出したことは本多国務相は御承知の筈だと思いまするが、あの要求のときに、八月二十五日を限つて国会要求をしたわけでありますが、この国会の即ち要求に対しまして、増田官房長官議院運営委員会の御説明におきましては、これはやはりこの国会は十一月の一日頃までには、これは何とか開催しよう、勿論正式なものとしては九月中旬以降ということをずつと言つておられたが、プライベートなお話では十一月までに何とか開くことにしようというお話があつたこと事実であります。併し当時の情勢といたしまして、広川幹事長も十一月以降であるというようなお説も出ましたし、同時に又正式なところで開いて行くと、やはりその推移は十一月にかかるような推移になつたようでありまして、この点につきましては、十月一日頃に国務相国会開催されやしないかという予想をされたことは、どうも私は閣議の中心に参加しておられるところの国務相といたしましては、政府全体の態度が十一月頃には国会開催するというようなことは大体お決めになつて、当時の大蔵大臣お話から承りましても、シヤウプ勧告が十月二十五日にしか出て来なかつたというような事情からいたしましても、ましてやそうだと思いまするが、その点は如何でありますか。
  19. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) お話でございますが、実は野党各派からも速かに国会開催するようにという申出があり、政府部内におきましても、真險に早く議会を開くべきであるという議論はあつたのでございます。それがシヤウプ勧告予算等審議のために実は予期に反して遅れたわけでありまして、その当時九月下旬ぐらいには、まあ最初中旬と考えておりましたが開きたいということは本当に真險な政府部内の意見であつたのでございますが、それが新聞等では個人的な意見として九月には開けない、十一月だろうというようなことが出ておつたことは私も知つておりますが、九月中旬、少くとも下旬ぐらいには開かざるを得ない情勢であるというふうにも考えておつたのでありまして、その当時九月の下旬を見越したということは、これは政府の真險な審議の結果でありまして、それに更に一月の期間を取つて置けば大丈夫、これは道路運送法審議の方が先になり、その結果同時に委譲できることになるだろう、こういうふうに本当に期待しておつた次第でございます。
  20. 内村清次

    内村清次君 問題はいわゆる十一月の一日を以て政令を出しておられるようでありまするけれども、国会が十一月の五日に召集せられた、あと五日間お待ちになるというようなことであつて、若しもそれを待たれなかつたためにどういうような支障が起つて来たか、ただ本多国務相の言を以て言わしめますれば、地方態勢を完了しておつた認むるとおつしやるのですが、これを即ち全面的に切替えるような、こういうような即ち運輸省自体のお考えといたしましても、五日間或いは十日間お待ちになることがどれ程事務支障になつてつたのか。この点を一つ聞かして頂きたいと思います。
  21. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) これは最前も申上げました通りに、十一月一日移管ということにつきましては、自治庁を通じ地方公共団体にも受入れの態勢を取らして準備しておつたことでありまして、これを国会が延びたからこの政令の公布を延期すべきか否かということには苦慮いたしたのでございますが、これはそれぞれ公共団体におきましても準備して、ここまで政府方針を定めて来たことではありまするし、断行する外はないという結論に差した次第でありまして、事情只今申上げました通り運輸大臣とされましても、この審議が済んだ上で、道路運送法改正が済んだ上で同時に移管になるということを期待しておられたのでございます。私共も最初そういう心組でおりましたが、順々閣議決定が進行して行きますに連れて、開会がずれたために御期待順序に副い得なかつたということでございまして、何ら私共が議会よりも先に故意にやろうというような計画的にやつたものではなく、むしろその反対の道路運送法審議が済んでから一緒にやるということを計画もし、期待もしておつたのでございますが、こういう事情でずれた次第でございます。
  22. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 今の問題ならば、意見の喰い違いだな。
  23. 内村清次

    内村清次君 ただそこまで国務相が思召しがあつたといたしますると、これは御承知のごとく国会法によりまして十一月の五日は、二十日前に或いは臨時会はその召集に間に同うように、即ち召集手続というものが採られておりまして、これは当然政府が採られたのは、十月の二十二、三日だつたと私は思つております。そういうような事情があるといたしましたならば当然やはり十一月の五日まではお待ちになつてもよかつたのじやないか。同時に又私が先程お尋ねいたしましたのは、その五日間か十日間の間に、そのためにはどういうような支障が起るのであるか、実際的な、事務的におきましても、又は仕事の上におきましてもどういうような支障が起るか、その点についての大臣としての所見を伺いたかつたのであります。
  24. 本多市郎

    国務大臣本多市郎君) これは政府で一貫して待つておりまする成るべく地方委譲したいということと、それから委譲する方針順々に定めまして進んで来ております。これが若し非常に不確定な状態に長く置かれるということでありますと、準備した方面に相当まごつかせるという影響もあろうと思います。いずれにしましても、あと先にはなりましたが、この改正も是非して頂いてやるという考え方でありましたので、あと先にはなりましたけれども、政府としてはこれは是非委譲するという方針になつて只今申しましたように、地方関係で大体延ばすということが、誠にそれまでに連絡を取つて準備を進めて来た方面、その方面関係もありまして、問題はあと先にはなつたけれども、これは止むを得ないということで政令を出したのでございまして、この議会の期日の決する頃に再検討すべきではなかつたかという意味お話でありますが、実は八月一日に分室にするか、廃止してしまうかという方針を決めなければならん関頭に立つたわけでありまして、そのときに大体の方針を決め、それには條件がいろいろとありまして、それらの條件を調整するのに相当時間を要したのでありますが、いずれにしましてもこれを決めましたのが、当時においては九月の二十五日頃に議会が開かれるという見通しのときに決めて、それから準備をいたして来た次第でございます。
  25. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 前之園さん、道路運送法案について今本多国務大臣から行き違いを釈明されておりますが、お尋ねの……。
  26. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 もう分りました。
  27. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 本多国務大臣に対する御質疑は外にございませんか。それではよろしうございます。どうぞお帰り下さい。  それではその道路運送法案について、運輸大臣或いは政府当局が見えておりますから、御質疑がございましたならばこの際お願いいたします。
  28. 内村清次

    内村清次君 これは大臣或いは又政府職員の方でもよろしうございますが、今非常にいわゆる閣議決定の済んで、一応人事の取扱いについては決つておるようではありまするが、問題は移行後におきまするところの非常な職員の不安につきましては、これは前委員会でも申上げたわけでありまするが、この指定生産資材配給事務に従事しておるところの職員が、将来統制撤廃になつた際の職員処置、殊に地方委譲事務と共に地方事務官及び技官となつた者、これが都道府県知事に任せつきりでやられるのかどうかという点ですね、これは一応閣議決定にはなつておるような問題ですが、併し若し先程言つたような、即ち、統制資材というものが貸與されるそのときの処置は一体どういうふうな了解点があるか、又はどういうふうな制限をしておられるかどうか、その点を一つ伺いたいと思います。
  29. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 只今の御質問指定生産資材統制緩和につきまして、従つてこれに要する人件費が削減される。そのためにそれらの事務に従事しておりました職員が或いは整理されるのではないか。こういうお話ではないかと思いますが、明年度におきましては指定生産資材相当統制緩和になりますので、運輸省庁所管事務につきましても相当予算上は減つております。併し只今問題になつておりまするこの陸運事務所につきまして考えますと、指定生産資材と申しましても、ガソリン或いはタイヤ、チユーブ等ゴム製品部分が多い部分を占めておりますので、陸運事務所に関する限り統制明年度におきまして直ちに緩和される、又予算が非常に減るということは余り予想いたしておりません。併し若干の統制緩和は、他の物資につきまして行われるのでございますので、それらのものにつきましての予算減に伴いまするところの人事上の措置は必要だと思つております。併しこれは地方事務官地方技官になつております人につきましても、人事上は運輸大臣指揮下にある職員でございますので、地方長官にこの整理をお任せするわけではございませんので、運輸大臣におきまして、この統制緩和に伴うところの他の運輸技官運輸事務官と同様に考えまして、人事上の措置をとつて行きたい。こう考えております。
  30. 内村清次

    内村清次君 これも最近聞くところによりますと、そういうような、即ち政府のお考えはあることは、私もそうすべきではあるだろうと思いますが、併し地方陸運局の即ち現在の三千五百二十七名という定員に対しまして、来年度の予算では大蔵省ではすでに二千九百八十四名ぐらいに人員を削減するというような予算措置をしておるというような話を聞くのですが、そういたしますると、もうすでに来年度の、即ちまだ物資統制が何しておらないにも拘わらずもうすでに予算的問題において、人員が約六百名以上削減されている。こういうふうな状態がありますし、この点につきまして、先ずどういう状態でやつておるかを伺つて置きたい。
  31. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 明年度予算の作成は進んでおります。いずれ予算として来通常国会に提出されることと思いますが、只今組まれております予算の案によりましても、物調費関係人員は、統制緩和になりますことを見越しまして、相当数削減になります。又一般としての必要な事務に対する増員も若干は見込んでおります。従いまして約陸運局関係といたしまして四百名前後の人員減になるというふうになつております。まあ統制事務が緩和されますれば仕事がなくなるのですから、それだけの人は他に新らしい仕事がございますればその方面に振向いて行くということもありまするし、それでなければ人員は落ちて来ることになります。ただこの、申上げておる数字は陸運局全部でございますから、自動車関係だけではなしに地方鉄道軌道の監督も陸運局がやつておりますから、その方面人員も含まれております。
  32. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、来年の六百名前後の者が整理されて行くということですか、一体この地方事務官又は技官として地方委譲をせられた形の、即ちその人員は一体最初は何人だつたわけですか。
  33. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 今回委譲いたしました定員は千八十四名であります。
  34. 内村清次

    内村清次君 この千八十四名の方々は、全く本人の希望もあつたのですが、組織形態がそういうふうに変つてから他職の方から移つて、この自動車行政の方に勤めた人でありまするが、こういうような鉄道職員であつたものが、九〇%以上がこういうような人方です。これがそのためら現在ではいわゆる運輸省としての待遇をされておつたところの官舎合宿居住権につきましても、又医療機関、それから療養所などの福利施設利用、それから鉄道電報電話等利用、それから無賃乗車証等の発行停止、それから永年勤続、最もこれは重要な永年勤続表彰規定の適用の除外、こういうように恩典を皆剥奪されてそうして移譲されて行く。こういうふうな点を考えまして、更に今の御説明では四百人ばかりがもうすでに来年度において整理の対象になつている。将来これが撤廃されたときにおいては必要な人間は自分の方に或いは吸収してもいいが、そういう人達も又整理の対象になつて行くというようなことでは、これはあなたの方で閣議了解がこうやつてつて人事権については運輸大臣が持つて、そうして地方長官においては実はこれを一つ善処して貰いたいという了解程度では、趨勢的にこういうような状態になつている、その点につきましてそういうような今まで鉄道職員となして、而も又これに対しましては是非なりたいといつた希望の人達の心が、これはやはり当局の配置転換命令で行つた人達も相当あるし、行つた先で現在でも等しく国鉄職員であることを念願している。この気持は恐らく全部だろうと思います。こういうような次第で今まで職員が持つてつたところのこういうような特権はどういうふうにしてあなた方がこれを補つて、又保障してやられるかどうか。この点について一つ……。
  35. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 只今いろいろお話でございますが、只今お話は今回地方庁に事務委譲されまして、地方事務官技官になつたからいろいろの問題が起つたのではないかと思つております。これは国有鉄道から、国有鉄道と申しますか、運輸省の中にありました国有鉄道がコーポレーシヨンになりまして、公共企業体になつて、そのとき分離して一般の政府職員と公共企業体の職員と別れました。そのときにすでにいろいいの問題が起つたわけでございまして。地方事務官技官運輸事務官技官というように、今回地方庁に事務移管されたことによつてつた問題ではないと思うのでありまして、この点は例えば共済組合につきましては、やはり国鉄の共済組合に継続して入る。又乗車証等につきましても六月から十一月まではとにかく一般の運輸省職員と同じように持つておりまして、十二月一日から乗車証が一般の運輸省と同じく貰えなくなる。こういう点で既得権がなくなついとう点にお説の通りでありまして、これは運輸省職員政府職員全般に問題として考えるのでありまして、国有鉄道に永く勤務いたしておりまして、そういう方がこういう既得権が認められなくなつたということにつきまして、その個人的のいろいろの点につきましては誠に私もお気の毒にも考え、何とか打開の方法を考えなければいかんと考えておりますけれども、併し一般政府職員といたしますれば、一般の政府職員と同じような待遇を受けるべきであるという理論も成り立つことと思つておるのであります。併し地方事務官技官になりましても、特に一般の運輸省職員と異つた待遇をするというわけではございませんので、現在におきましては運輸省の所属の国家公務員であるという点については聊かも変つておらないという点を申上げたいと思います。
  36. 内村清次

    内村清次君 これは今のお説は例えば官舎の問題に関しましては、これは運輸省の分室であつた場合には運輸省直轄で予算も組まれて、官舎も相当できて行く趨勢にあるわけですね。併しながら今度は地方技官になつたときにおいてそういうような福利施設というものは誰が一体責任を持つてやるのですか、その費用は……。
  37. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 官舎につきましては、六月一日に国有鉄道と運輸省とに分かれましたときに、その当時国有鉄道の官舎に、国有鉄道特別会計の支弁になりますところの費用によつてできた官舎で運輸省職員が入つておりますが、現在においては政府職員が国有鉄道の官舎を借りておるという恰好になつております。今後若し政府職員として官舎を造るということになりますれば一般会計の予算に計上いたしまして、官舎を造るなり買うなりするということになるわけであります。
  38. 内村清次

    内村清次君 勿論それは政府職員には言われることでありますが、これは地方事務官技官になつたときには、これは地方自治体が考えて行く、やはり一応国有鉄道の官舎であつたけれども今回は政府職員、公務員となつたときにはあとの方で予算化して行こう、そういうような趨勢になることをずつと皆職員は待望しておつた、皆喜んで待つてつた。それがこの度地方事務官技官の方にやつてしまつて、結局国有鉄道から来た者は永年勤続の表彰規定にも預らない。地方事務官技官になつたときに……。こういう点も第一に剥奪されてしまつた。こういう点があなた方のお考えと……。実際今勤めておるところの職員気持というものがはつきり分らんのじやないかと思います。
  39. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 地方技官地方事務官と申しましてもやはり国家公務員でありまして、運輸事務官技官とは性質は違つておらないのであります。ただ地方という字で食つ付いておりますために如何にも地方の吏員のような感じがいたしますが、性質は国家公務員として運輸大臣の所管下の職員でございますから、その点は運輸省、或いは陸運局本局自体に勤務しておる人と何ら違つておる点はないのでありまして、只今いろいろお話のございました点の国有鉄道の公共企業体の職員と、国家公務員としての職員との待遇の差という点につきましては確かに若干はあると思います。併しこれは片方は国家公務員といたしまして国家公務員の給與を受けるようになつておりますし、片方は公共企業体の職員としましての給與を受けるというところに根本において分れておるのでありまして、この点は地方事務官なるが故に公共企業体の国有鉄道の職員と違つておるというわけではございませんので、その点は御了承を得たいと思います。又先程鉄道電報、或いは電話は使えないというようなことでございますが、これは国有鉄道の特別の用に供するためにできておりますための電報であり電話でありますから、一般の官庁において官庁の事務をとる上からいたしますれば、官庁、いわゆる逓信者の一般の電話を使う、電報を使うというのがこれが筋途でありまして、鉄道電報、或いはその他は官庁の用務と雖も使えないということに相成るわけでございます。
  40. 内村清次

    内村清次君 そうしますとですね。現在のこの分室が今二つ看板を掲げておる。而もその施設も殆んどこれは運輸省の地区自治体の監理事務所のときの建物に入つておる。吏員も、そこで殆んど勤務をしておる。そうしますると、これを先程のお話では若しも中止した場合のときにおいては非常に困るということは一応説明はありましたのですが、併しこの元に返す迄においては何ら支障がないのじやないのですか。元にですね、これを全部取消すということにすれば、現在の省令、或いは政令を取消して、そうしてその元に返すというようなことにすれば、何らその仕事に実態においては困らないということになりやしませんか。どうです、その点は……。
  41. 牛島辰彌

    政府委員牛島辰彌君) 私先程申上げましたのは、すでに省令或いは政令が出まして、事務の一部が府県知事に委託されておるこの際新たに……。新たと申しますか、今回御審議を願つております道路運送法の一部を改正することによりまして、法律的な事務移管した方が、今まで分室において行なつておりました事務を一括してやることになり、又一括してやるということが自動車の末端行政をやる上において、一般の事業者、或いは自動車を持つておられる方の便益から言いましても。又事務を本当に自動車行政の末端行政を最も効果的にやる上から必要だという点だけを申上げたわけでございます。
  42. 板谷順助

    委員長板谷順助君) よろしうございますか。外に御質疑ありませんか。……そうすると本案につきましては委員の方も全部揃つておりませんし、尚又質疑のある方もあると思いますので、この法案審議は明日に延期することについて、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それではそういうことにいたします。それからホテル法案につきましても、これも明日に延期ということに先程申上げて置いたわけですから……。
  44. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 ホテル法案につきましては、私もう少し……。第七條ですがね、家屋税の……。   —————————————
  45. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは道路運送法案は明日の延期することにいたします。今あなたのはホテル法案ですか、それではホテル法案について質疑を願います。
  46. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 この第七條の家屋税の減額の点について地方自治委員会に諮られたところが、地方自治委員会ではこれを全面的に否決せられたということでありますが、そういうようなことがあつたか、どうか。又この家屋税の減額について地方自治委員会はどういう意見を持つておるか。又主管大臣はどういう意見を持つておるかということを一応聞いてみたいと思います。そうして主管大臣と……。委員がおるんでしたね。参議院にも委員がおるんじやないかと思うのですが、地方自治委員の方を一つ……。これは地方自治委員は工合が悪いですかね。主管大臣だけでよろしいからその自治委員会の……。
  47. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) やはりあの法案の魅力と申しますというと、やはりそこいらのいわゆる税を減ずるというようなことがあの法案のいわゆる味噌じやないかと思いますので、私はこの法案法案としてものにするからには、やはりああいう恩典といいますか……がなければ、法案の価値が少いのじやないか、このように考えております。
  48. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 私今申上げたのは、地方自治庁といいますか、その主管の大臣に一つおいでを願いたい、こいうことなんです。
  49. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 前之園君に申上げますがね。地方自治の委員長から、この委員会に対して御出席になつて、その結果、どうも税を軽減するということについては反対の意思を表示して行かれました。それだけを一つ御承知置きを願いたいと思います。  それから尚この際この法案関係ありませんが、大臣の御意向を確かめて置きますが、身体傷害者福祉法案のこの條文のうちに、五十條に「国有鉄道運賃法の一部を次のように改正する。第五條の次に次の一條を加える。第五條の二、前三條の運賃は、政令の定める身体傷害者で介護者を同行しなければ乗車又は乗船することの困難な者が介護者を同行する場合には、当該身体傷害者及び介護者につきそれぞれ半額とする。こういう條文が入つておるのですが、あなたはまあ国鉄を監督している立場において、運輸大臣としてどういう見解をとつておられますか。
  50. 大屋晋三

    国務大臣(大屋晋三君) その点は運輸大臣といたしましては、鉄道運賃法の基本法律をそういう他の法律の條文を以て一部を変更し得るというようなこの法制の立て方は私は感心いたしません。従いまして運輸大臣の希望といたしましては、実質的にその不具者の附添いを要する人々に対して適当の運賃の割引をいたすことに吝かでないのでございますが、やはり法律の立法といたしましては基本法だけにいたしまして、そういう條文は感心をいたさないと考えております。
  51. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 何か外に御質問ありませんか。……それではどうか只今申上げました両法案、並びに今の身体傷害者福祉法案に対して、明日午前十時から厚生委員会合同審査会を開くのでありますが、それに臨む態度につきましては、先程申上げましたる通り、衆議院の方にこの條文を削除するということについていろいろ交渉したけれども、今更どうも削除ができない、こういう意味における厚生委員会から回答があつたのでありますが、この委員会としてはどういう態度で臨むか。まあ先に合同審査会におきましてはこの條文の削除方を要望したのでありますが、衆議院に交渉した結果、そういうまあ回答を得ております。併しその内容については合同審査会に更に話をするという先程の委員長の話でありますが、これはどう取扱いをしますか。今ここで委員会態度を決められないならば、合同審査会を開いたその結果によつて又御相談することにいたしますか。どういう方法を取りますか。
  52. 村上義一

    村上義一君 この問題につきましては只今運輸大臣お話もありました。私の見解としては昨日お答え……、決つた方針と変らない気持であります。
  53. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 如何ですか。
  54. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 私もやはり昨日来同じ意見でありますが、ただですね、身体障害者の福祉法案の五十條と国際観光ホテル整備法案の第七條です。いわゆる家屋税の減額と同じことだ、結局他の所管乃至法律に侵入して来るということになるので、この身体障害者福祉法案の五十條ですか、いけないということであればこの七條も同じ取扱いをするという建前でなければ私共賛成ができない。便宜主義は非常に困ると思います。そのことを一つはつきり申上げて置きます。
  55. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 他に御質問はありませんか。
  56. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 大体前之園さんの御意見と同じような意味のことをこの前お願いして置いたのでありますが、この身体障害のこと実質からいうと、物をやろうという……。私共法律論だけに止まつておるのですから、何かそこに救済の途ができればやることは決して吝かでないのでありますけれども、やはり法律の建前を論ずるということになると、やはり昨日来の理論を変えることができないということについて、委員長何して下さい。
  57. 板谷順助

    委員長板谷順助君) まあ大体先の委員会におきましてですね、今これを削除しなければいかんということが総会において大体皆さんの間に決つたわけでありまして、それをもう一遍衆議院に交渉して、厚生委員会としてはいろいろ話をしたらしいけれども、到底それはいかんという回答を受けたのでありまするが、併し明日合同審査会に臨むについてもその方針で進むことについて御異議ありませんか。—まあそのときの情勢によつて更に相談しますけれどもですね、大体その方針を以て臨むと……。
  58. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 私は只今申上げたように、国際観光ホテルの法案の第七條も同じ性質のものだから、別々に取扱われるということは又別に考え直さなければならない。それはやはり関連して考えて行くべきじやないかと思います。
  59. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それはお説の通りです。それじやその方針で臨みまして、合同審査会の結果又何か変つた問題ができましたならば改めて御相談をすると、こういうことにいたして置きます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 内村清次

    内村清次君 この問題は済みましたですね。
  61. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これはこれでよろしうございます。
  62. 内村清次

    内村清次君 では私緊急に御相談申上げなければならない事柄がありますが、私が御相談申上げることは、実は附則につきまして、秘密会を要求いたしたいような事件がございますが、その点一つ委員長において取上げて頂きまして、秘密会を開催して一つやりたいと思います。
  63. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 今日ですか。
  64. 内村清次

    内村清次君 今直ぐです。委員会の皆さんの……運輸大臣がおられれば結構だから……。
  65. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 運輸大臣に対する要求ですか。
  66. 内村清次

    内村清次君 いいえ、各派の委員の方々に対する要求ですが、実は問題に乘つて頂ければ尚結構です。
  67. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 如何ですか。内村君から秘密会の要求がありましたが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 板谷順助

    委員長板谷順助君) ではこれから秘密会に移りますが、これは懇談会にして本日はこれにて散会いたしまして、明日午前十時開会いたします。    午後三時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     板谷 順助君    理事            小泉 秀吉君            飯田精太郎君    委員            内村 清次君            大隅 憲二君            加藤常太郎君            入交 太藏君           前之園喜一郎君            小野  哲君            高田  寛君            村上 義一君            早川 愼一君            鈴木 清一君   衆議院議員    観光事業振興方    策樹立特別委員    長       栗山長次郎君   国務大臣    運 輸 大 臣 大屋 晋三君    国 務 大 臣 本多 市郎君   政府委員    運輸事務官    (大臣官房長) 荒木茂久二君    運輸事務官    (大臣官房観光    部長)     間嶋大治郎君    運輸事務官    (鉄道監督局    長)      足羽 則之君    運輸事務官    (鉄道監督局国    有鉄道部長)  石井 昭正君    運輸事務官    (自動車局長) 牛島 辰彌君