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1949-11-30 第6回国会 参議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月三十日(水曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国有鉄道運賃法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○国際観光ホテル整備法案衆議院提  出) ○道路運送法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○連合委員会開会の件   —————————————    午前十時四十二分開会
  2. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより会議を開きます。国有鉄道運賃改正法案質疑に入ります。
  3. 内村清次

    内村清次君 私質疑に入ります前に、実は希望意見といたしまして申上げたいことがあります。これは決して委員長はこの委員会進行に当りまして非常に熱心であられることにつきましては私達も同感でありまするが、通運事業法審議に当りまして、又その以前におきまする日本国有鉄道法の一部を改正する法案審議に当りましても、実はこの案の重要性考えまして参議院規則によつて公聽会要求もいたしたのでありまするが、この点につきまして通運事業法に対しまして、公聽会の点も各委員に諮られた上、これは認められなかつたわけでありますけれども、ただ私が今申述べようといたしますことは、昨日質疑の打切、及び討論に入ります際における議事進行について、今少しく希望を述べて置きたいことは、昨日私もこの通運事業法重大性に鑑みまして、修正案を提出したことは、これは昨日皆さん方よく御存知のことでありまするが、参議院規則の四十六條には「議案を修正しようとする委員は、予め修正案委員長に提出しなければならない。」四十七條には「委員長は、委員会に諮り、質疑又は討論の時間を予め制限することができる。」とかように規定してあるのでありまして、こういう條項から見てみますると修正案を出しましたならば、その修正案に対しまして質疑又は討論をやらせて頂きたい。若しもこれに対するところの質疑及び討論の必要なく採決がある場合におきましても、やはりこれだけのことはして頂きませんと、次に若しも修正案が可決になりました際におきましては、又それに対するとこの態度も必要でありまして、その点につきましても委員としての職責を盡さなくちやなりませんが、議会がただ討論打切りと同時に各委員意見を聞かれるだけでは、この修正案に対する本当の規定に明示されましたような質疑が行われたか、或いは又これに対して討論が行われたかというような重要なことができないのでありまして、この点につきましての御処置につきましても、今後考えて頂きたいということと、それから四十二條におきましては、「委員は、議題について、自由に質疑し、及び意見を述べることができる。」とかように書いてありまして、又「委員から発言を求めたときは、その要求の順序によつて委員長がこれを許可する。」というようになつておりまして、いわゆる議題につきましては自由なる質疑が許されてあるのでありますが、実は昨日の委員長は、もう質疑の点につきましては十分させたから、もう発言の方は許さないというようなお言葉もあつたようでありまして、かような状態におきましては、委員の自由な質疑は、これで制限されることになるわけでありますからして、この点につきましても今後の議事進行に当りましての点について御留意をお願いしたいのであります。而も討論がありまして、そうしてその討論の終結になるかならないかということは、実は委員会を本当に民主的に行うといたしましたならば、四十八條の規定によりまして、「委員は、質疑終局動議及び討論終局動議を提出することができる。」とこういうふうになつておりますからして、できれば委員長は各委員に対しまして、もう質疑はないものと認めますが、というお諮りはしておられるようでありますけれどもが、併し昨日のようにまだ私達も相当質疑はしたかつたよう状況もありまするから、この点はできれば各委員の方がその空気を見られて、そうして質疑終局動議及び討論終局動議を提出されるというような方向委員会が行きますれば、非常に議事進行も円満に行くのではないかとも存じまするからして、この点につきまして、委員長におきましてはかような状態でこの運営がスムースに行きますように取扱われることを希望いたしたいのであります。
  4. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 委員長としてお答えいたします。まあ委員長としては、極めて公平に質疑に対して各委員発言を制限したことはありませんし、又私もそういう意思は絶対に持つておりません。そこでまあ打明けて申上げますならば、今内村委員のおつしやる通り、委員各位から質疑打切り動議が出て、委員長からこれを採決すべき筈でありましたが、まあ大体においてその質疑は殆んど終了したというような委員長の見解から、ちよつと委員長が二役をやつたような形になつて誠に相済みません。今後におきましてはできるだけ一つ只今内村君のお話のように、質疑についても十分盡しますし、又委員各位発言に対してもできるだけ尊重してやろうと考えております。  それから先日の修正意見に対する案が出ましたかが、その場合において内村君が修正意見討論において大体に盡されたことでありまするから、それで更に又この修正意見をお述べになるということが、二重になるじやないかという意味におきまして、修正に対する委員の賛否を問うた次第であります。その点はどうぞ惡しからず御了承下さい。今後におきましては今申上げましたように、あらゆる法案に対する審議は十分に盡したい。この方針を以て行きたいと考えます。
  5. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 国鉄運賃値上げに対しまして、よく世間から言われるのでありまするが、どうも国鉄赤字が出ると直ぐ運賃値上げでそれをカバーする、国鉄自体努力は足らんのじやないかというようなことをしばしば聞くのであります。昨日の公聽会でも中小企業の方の代表の方からも、我々は非常に合理化努力しておるが、どうも鉄道の方の努力が足らんような意味発言があつたように聞いたのです。私は国鉄自体相当いろいろな方面努力しておられるということを知つておるのであります。世間ではどうもこの点を誤解しておるといいますか、十分分つておらんような気がする。国鉄として、こういう点に対して努力しておる。こういう節約もやつておる、ああいうこともやつておるというようなことが、若し数字的にお説明を承われば結構だと思います。
  6. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 国有鉄道企業でございます以上、経営合理化いたしまして、その財政を健全化して、收支の均衡を図る。そういうことは当然申すまでもないことでありまして、絶えずその線に副つて努力をいたしておるのでございますが、特にこうした運賃値上げというふうな問題がありますると、その問題が尚大きな問題としてとり上げられる点でありまして、その点につきましては十分に努力をいたしておりますことを、この運賃値上げの問題が論議されるに先立つて当然我々といたしましても、その内容承知して頂く必要があると思います。只今質問に対しましては、そうした点についてできるだけよく知つて頂くようにしたいと思うのでありますが、この二十四年度予算を眺めますと、昭和二十四年度予算は、予算の編成の当時から非常に内容におきましては緊縮をされた、非常に愼ましいと申しますが、そうした意味では徹民的に節約をされた予算であります。  それを一例を申上げますと、ごく大雑把に申上げますと、昭和二十三年の予算と、それから昭和二十四年度のこの予算とを比較して見ますと、昭和二十三年度予算人件費、或いは物件費につきまして、これを二十四年度と同じベース、例えば人件費につきましては、二十四年度基本給ベースに直してこれを換算いたし、或いは物件費といたしましては、二十四年度物価値上り、二十四年度にとりました物件費計算いたしまして、べースで換算をいたしまして、そうして二十三年度と、二十四年度予算とを比較いたして見ますと、二十四年度予算では約二十三年度に比べて、全体で二一%の節約経営費でいたしておる予算、そういう姿に相成つております。  予算においてすでにそういうふうな数字が挙げられるのでございますが、そうした予算を組む前提といたしまして、いろいろ二十四年度においてとりました方法としましては、具体的には委託業務国鉄還元をいたしました。御存じの今まで日通に出しておつた仕事国鉄還元をいたす。或いはいろいろな、修繕態勢の刷新と我々申しておりますが、特に車輌修繕を従来の民間の会社に出しておつた、これを全面的に国有鉄道工機部直営に切替いたしました。或いは契約方式を従来と変えまして、一般競争入札契約一般公開競争入札というものを実施いたしまして、これは或いは物品購入にいたしましても、或いはいろいろな施設の工事にいたしましても、実施いたしております。或いは先般の行政整理におきまして、約九万五千の人員整理し、いろいろそうした具体的な例が挙げられると思うのでありますが、これによつてこの相当予算を組みます当初からそうしたことを予定しての非常に緊縮した予算でございます。  それから荷その後の物価値上り物価改訂に伴う値上り、或いは整理に伴いまする退職資金予算の不足の部分を補うため、いろいろそうした当初予定しない出費が、相当支出がございますので、更に予算実行につきましても、或いはこの石炭費節約、或いは更に先程申上げました業務委託によつて節約、或いは修繕費節約、そうした点についても、更に予算実行において節約をいたした部分がございます。そうした点、或いはいろいろ細かい問題を挙げるときりがないのでございますが、或いは駅の作業にいたしましても、駅の作業について人の配置換、或いは仕事をいたします仕事のやり方の変更をする。いろいろな面について沢山の細かい点が挙げられると思うのでございますが、業務を運営して行きます上において、実際に利用者に迷惑の掛らない仕事十分仕事としてやる。併し内部的に能率を上げるという意味においての努力はいろいろいたしておる次第でございます。尚それの数字につきましては、尚補足的に御説明を申上げることにいたします。
  7. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 只今監督局長から概略説明申上げました数字についてごく簡単に申上げたいと思います。本年度、二十四年度予算が約二一%、平年度換算にいたしますと、昨年度から見ると減少しておる、かような極めで切りつめた予算でやつておることが、経営合理化を行なつている一つ数字といえるのであります。その現象の中の主なる部分はどんなところがあるかと申しますと、大体業務直営によりまして本年度におきましては、約二十五億の節約になると思うのであります。これは今まで日本通運へ小口荷物の受託、積卸し作業、或いは貨車の入換え作業等を委託しておりましたが、これを全部……、而も定員法で十二万人に定員を落されまして、十二万人の定員内で賄つて直営をいたしておる次第であります。又交通交社への乗車券売買手数料の交付もこれを止めました。そうして合せて両方合せまして約二十五億程度節約をいたしております。それから車輌修繕につきましては、外部へ出しておりましたのを全面的に廃止いたしまして、これを全部国鉄の内部におきまして直営することにいたしました節約額が、これもやはり概略二十五億程度であると思うのであります。その外にいろいろな旅費であるとか、超過勤務手当であるとか、或いは図書費雑消耗品等について極端な節約をいたしておるのであります。荷この上に、この予算が実施されました上に一段と合理化を図つたものは、先程の御説明の中にございました石炭費であります。これは当初の予想の七百五十五万トンという計画に対しまして、約百万トン減つた六百五十六万トンで以て、一応大体百万トンの数量減少を見ようという大体の見込みになつております。勿論これは石炭節約にいろいろ苦心をいたしましたことの外に、最近におきまして炭質向上したという原因もございますし、又一面旅客輸送状況とも睨み合せまして、列車キロ縮減したというような点もございます。それから配炭公団廃止による公団手数料減少、或いは国鉄用炭輸送方法を陸送に切替えましたことによる費用の減というような、いろいろな関係がございますが、これらを総計いたしますと、大体炭質向上消費節約による節減列車キロ縮減配炭公団手数料廃止等によります合理化によりまして、大体六十三億程の金額にいたしまして減少になつておるのであります。併しながら一面炭質向上いたしました結果として石炭の単価が上りました分もございますが、これが大体二十二億程度でございます。それで差引いたしまして大体四十一億程度石炭費において本年度縮減ができる、又している、する見込みでございます。その外に業務委託費につきましては予算上約二十億円以上の節約でございましたが、更にこれを実行いたしました結果、この委託業務の切替を予定より早める、その他の方法によりましてこれも実行上におきましても、更に二億円以上の節約をいたしておるわけであります。そういうような節約額があるならば、それを以て運賃値上の分を幾らかでも減らしたらどうかということもあろうかと思うのでありますが、これにつきましては、これも局長説明にもございましたように、予算外支出がございまして、第一が退職手当増加、或いは基本給計算が非常に地域配分にいたしましても、平均家族数にいたしましても、平均年齢等にいたしましても非常に低目に査定されていた。それが実際と非常に合わない点が出て参つたというようなことの補正をいたさなければならない。或いは物価につきましても、御承知のように鋼材、或いは繊維製品、特に被服につきまして相当値上りを余儀なくされた。ガソリン、タイヤ等につきましてもそうでございまするが、そういう点がございますので、これらの値上りに要します財源にこれを充てまして、こういう今までならば、かような赤字がありましたらそれだけを支出増といたしまして、これに伴うところの財源運賃値上げ、或いは公債、借入金というような形でお願いいたしましたが、これからはすべて自分の賄いでやつて行く。自分の中のやり繰りでやつて行く。それには只今申上げましたような、各方面につきまして格段の合理化をする。その外に收入面の補足といたしましても、雑收入増加に努める。各種料金の設定、或いは値上げ、或いはこれらの増收方策につきまして格段の努力をいたしておるわけでございます。広告等につきましても総額といたしましては僅かではございまするが、併しかような方面からもできるだけの收入増加いたしまして、運賃に及ぼす影響を少からしめようという努力は皆様もお目に留つたかと思うのであります。又中にはこの増收方策につきまして、当初一生懸命になつた余り、世評上兎角言われるというような虞れが出ました程、現場におきましても苦心しておるようでございまするが、かような点も御了解願いまして、合理化という点については、基本的に申しますけば先ず二割以上の圧縮を予算的に受けた上に、更に先程申上げましたような、四十億乃至五十億というような実際上の節減を加えておる。又工事とか物品購入等につきましては、公開入札制を布いておりまして、些かも一厘でも廉く、一文でも廉く、そうして手に入れる方法を講しております。これらは公開入札の制度も年度半ばから実施いたしましたので確実な見込は立つておりませんが、大体約物品工事におきまして本年度におきましても十五、六億程度節約はできるかと、かように考えておる次第であります。
  8. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 只今の御説明で大要了解いたしましたが、先般国営自動車の拂下げ問題が起りましてから、非常に自動車区に勤務しておる連中に刺激を與えた。拂下げ反対の問題で経営については非常に現場の方で努力されたように聞いておりますが、その結果收支が非常に改善されて、今まで赤字経営の所が大分よくなつたというような声も聞くのでありますが、誠に結構なことだと思うのでありますが、從業員の努力熱意によつて相当この例から見ましても改善の余地があるように思うのであります。来年度予算も大体見通しが付いておるようでありますが、来年度に対して何か経費節減し得る特段の御計画があるならばお伺いしたいと思います。
  9. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 来年度につきまして特に採り上げまして申し上げる点はないと思うのでありますが、只今説明を申し上げました線を更に押し進めて行きまして、尚細い点につきまして更に工夫検討を重ねて行きたいと、こういうことに盡きると思うのであります。御承知のように、非常に全国に亘る厖大な、且つ多数の人員を擁する組織でございますから、各現場現場それぞれの箇所の一つ一つの地味な労力の集積が、或いは全体の緻密な、而も非常に地味な計画が少しづつ実現されて大きな結果を招来すると思うのでありますが、只今説明申し上げましたような方向に更に一歩進めて参る、大体こういうふうに考えられると思うのでありますが、更に来年度といたしましては、約八千人を予定いたしておるのでありますが、欠員の補充をいたして参る、こういう点が、現在予算をいろいろ折衝いたしておるのでありますが、その一つとして考えられております。
  10. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 来年度予算輸送原価といいますか、というものは多少いじつておられるのですか、本年度と同じ原価で行うというのですか。
  11. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 輸送原価につきましては、お手許に差上げてございます表の十四表にございまするが、大体本年度見込みから申しますると、旅客の方は一人キロ当り本年度が六十三銭になつております。それが来年度見込みは六十八銭六厘、又貨物の方は一トンキロ当り本年度が二円十三銭九厘、それが来年度は二円三十六銭五厘という見込みであります。この見込み只今関係方面と折衝しております予算数字によつて一応推計したわけでございます。多少上つておりまするが、この原因は主として本年度におきます鋼材等値上りが途中から響いて参つたのでありまして、来年度は全部働くという点もございます。その外に減価償却費本年度におきましては帳簿価格しか見ておりません。来年度相当工事用財源といたしまして、多額の減価償却費を現在予定しておりますので、その結果として原価といたしましてはこの程度増加を生じて参つたと思うのであります。根本的な人件費ベース、或いは物件費の中の大宗を占めております石炭費というものにつきましては、殆んど本年度と同じ数量によつて計算をいたしております。
  12. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 大体何ですか、貨物運賃を八割上げるとして、御承知のように現在のところではつまり原価比較をして、四十八ですか、明年度八割上げるとして原価比較をして何%になるという数字が出ておりますか。
  13. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 大体八、八%くらいです。
  14. 板谷順助

    委員長板谷順助君) そうすると十二%というものが、政策運賃、それは外の方で償うというわけですか。
  15. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) その点でございますが、その点は原価考えようでございまして、例えば旅客貨物との振り合い、戰前でもそうだつたのでございますが、大体貨物の方は或る程度儲けを低目に考えるという考え方、こういう考え方戰前日本国鉄一つ特異性であつたのでございますが、今度の場合も例えば減価償却工事用財源とか、或いは間接費の中の或る部分などは、全部旅客運賃の方でしよつて貰つてもいいのじやないかというような考え方をすれば、貨物も八割上げれば大体に原価も償つて行けるのじやないかと思います。要するに只今計算いたしましたあらゆる諸経費を、全然均等にかけましてそういう恰好になるのであります。日本鉄道沿革実績から見ましても、この程度旅客貨物の差があつて然るべきである、大体運賃收入全体に対します割合を見ますと、丁度今度八割値上げいたしますと、旅客が五%になりまして、まず昭和十一年頃の数字とほぼ同樣になる。そういう点から考え原価計算の上から申しますと、八八%ということになりますが、一応一二%だけはどうしても上げなきやならんのだというふうにも考えられないじやないかというような感じを持つておるのでございます。
  16. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 外に御質疑はありませんか。
  17. 内村清次

    内村清次君 この貨物運賃の値上で当局の方では三%の利用減だと、こう認めておられますが、昨日あたりトラツク協会からの話を聞いてみると、二百五十万トンくらいの増送を見込まれておるというようなことで、短距離輸送の方は運率向上トラック協会の方では希望を持たれておつたようでありまして、この三%の利用減というものは、勿論経済界の変動でいろいろ違つて参る予想ですが、当局といたしましてはこれを低目に見積つたのであるか、或いは想定といたしまして高目に見積られたのであるか、その点一つ
  18. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 貨物運賃改正による輸送量の三%減少と申しますのは、これは今低目だ高目だとお話ございまするが、御承知のように海運の方につきましては、或る程度大量貨物につきましては、資料もございまするのですが、トラックにつきましては具体的な資料がございます。従いましてどの程度正確にトラツクに転化するかという推定は甚だ遺憾ながら私の方といたしましても申上げ兼ねるのでございます。併しながら一体どのくらい転化するだろうかという見込もなしに計算を立てるわけには参りませんので、現在我々の持つておりまする資料で検討いたしました結果、大体三%程度というのは過大見積りでもなく且つ、過小見積りでもない。これが大体正確な数字であろう。かように考えておる次第でございます。
  19. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 海運の方の人を呼びますか……。
  20. 内村清次

    内村清次君 どうぞ。それから今年度補正予算におきまして、三十億入れてあるのであつて、結局鉄道赤字は一応カバーをする。この運賃値上げでカバーするというような見積りで、来年度におきましては相当黒字的な予想でありまするがですね、そういうような即ち急激に率を向上して、急激に独立採算制の方に持つて行こうというような考え方、これはどういう点から来ておるのでしようか。これが政府の結局政策から来ておるのですかどうですか。
  21. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) それは国全体の政策から来ておると、こういうふうに簡單に申上げられるかと思います。
  22. 内村清次

    内村清次君 今の鉄道の方では見返資金の方から約二十六億ぐらい又貸附があつたようですね今日の新聞で……、それについて……。
  23. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 只今のお尋ねはこういうことでございます。本年の工事予算財源として見返資金から百五十億円受入れをすることを大体予定しておるのであります。それを月割りといたしまして、毎月許可をとつておるのであります。それを今日の新聞に出ておるのは、本年度の分が予算に盛つております分の貸附けの確保を必要とする分でございます。
  24. 内村清次

    内村清次君 ああ、そうですか。そうしますとですね。暫次鉄道の、即ち復興及び建設事業に対しても、見返資金財源の充当で暫次復興の点も考えておる。日本の将来、復興考えておるということが一つと、それから一つはやるべき、例えば電化工事あたりの点につきましても、これは質問の中に一つつて置いて下さい。電化工事状態、又その見通しにつきましても質問の中に入れて置いて貰いたいと思います。そういうような建設面にかかる点を見返資金の中から求めておられるというような考え方ですね。こういうような考え方から考えて見ても、やはりこの運賃政策というものは、相当物価にも関係するのだということに重点を置いて考えて行かれておるのであるか、先程足羽政府委員から得たような、いろいろとにかく鉄道の方は独立採算制でやつて、できれば、それから黒字を出して、そうしてその黒字の消化によつて総ての合理化、又乗客サービスをやつて行こう。或いは又建設面に振り向けて行こうかというお考えか。そういうような考え方を……。この点が確かに影響する点が大きいと思いますから、一つお尋ねいたしておきます。
  25. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 従来建設改良というふうに申しておりましたいわゆる工事勘定に属するものにつきましては、これを全部自己資金で賄うという考え方は、必ずしも貫く必要はないのでありまして、或いは自己資金で賄う部分と、それから外部からの借入れによつて賄う部分とが内容によつて違うのでありますが、相当程度に調和を保つて行わるべきものだ、こういうふうに考えております。今年度工事勘定の財源は大体見返資金によつてつた。他に減価償却の引当金として、約十三億ばかりの工事の金を計上いたしておるのでありますが来年度予算におきましては、以上申上げましたような点について御説明申上げますと、まだ交渉中でありまして、まだ確定もいたしておりませんのではつきりいたさんのでありますが、約百五十億の減価償却引当金というものが工事勘定の財源として一応考えられる、それ以外に剰余金が約四十九億程生ずるという予算考え方になつておりますが、それも工事勘定の財源といたし、尚その以外に見返資金から借入れまして、そうして工事勘定のやはり財源にいたすように目下いろいろ折衝中でございます。
  26. 内村清次

    内村清次君 鉄道もこの黒字、即ち貨物運賃の値上によるところの経理面の幅と、それから来年度におきましての相当黒字見込んで旅客運賃の、即ち賃率の引下げや又その他の問題について、いわゆる定期券の割引の引下げ、こういう点を考えて、それについても申しておられたようですが、どうも発表は、予算委員会で総理大臣が発表したのは間違いだというようなお考えをいつも言われるのですが、一つ明確にして置きたいと思いますが、どういうふうな構想を持つておられるのですか。
  27. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 旅客運賃の値下の問題につきましては、今まで経過を御説明申上げましたように、運輸審議会の答申がございまして、九割運賃を上げて、そうしてその中で約三十億ばかりの財源を以て旅客運賃の調整をしたらよかろう。こういう運輸審議会の答申があつたのであります。内容的に申しますと、一二等運賃の引下げであります。従来一二等運賃は、現在のところは三等の三倍、六倍になつておるのですが、これを二倍四倍と一応改正したいと、こういうまあ考え方であります。それから遠距離の逓減をする。これは現在二区管制区間、二地帶制を取つてつたのでありますが、これを四地帶制にして、遠距離に対する逓減を増して行くと、こういう考え方であります。それから荷定期乗車券に対して、現在の一ケ月定期の率の三ケ月六ケ月の定期乗車券を設けて、それぞれ一ケ月定期乗車券の率の一割及び一割五分引にすると、こういう大体の考え方であつたのでありますが、併しそれは九割上がるということに見合つて考え方でありまして、それが八割になつたものでありますから、八割値上げになりますと、財源の点でどうしてもそういう方策が取れない。そこで近い将来に通行税の改正があることと我々は期待しておりますが、その通行税の改正があります際にそれと見合にして今申しました運輸審議会の旅客運賃の逓減にしたらよかろう。こういう線に副つて考えて行きたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
  28. 内村清次

    内村清次君 そうしますと前提は通行税の改正を前提とされるのであつて、大体この旅客運賃の逓減問題につきましても、これは見通しとしては大体いつ頃からやられる計画ですか。
  29. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) それは来年度からになると思います。次の議会に税法の改定が出ると思いますので、それを大体来年から実施できるようになるものとこう考えております。いずれ又この通常議会にその点の運賃法の改正として御審議を願うような経過になるのではないかと考えております。
  30. 内村清次

    内村清次君 それでは海運の問題についてちよつと、これは日本石炭協会からの陳情の点ですが、一体こういうような即ち状態になるかということをお尋ねするわけですが。この船舶運営会が存続して運賃統制をやつておる。そこで九月十五日から実施されますところの航路別運賃、これは室蘭から川崎間の運賃として四百二十円になると思う。で現行を八百十六円に改訂すると丁度これが九四%に値上げになる。それから小樽・川崎間の航路別運賃が四百八十円を千十七円に改訂する。そうすると一一三%の値上げになる。こうやつてこの賃率が上つて行くと、室蘭積みにこの石炭が集中するというような傾向が多くなるが、それでは小樽の荷受設備というのが遊ぶというようなことになるというような点でこの陳情が出ておるようですが、一体こういうような状態になるかどうかですね、この点について御説明一つ
  31. 荒木茂久二

    政府委員(荒木茂久二君) これは海運局長が来るはずでございましたけれども、丁度CPSに呼ばれておりますから、私から……。今お話になつ数字と我々の方で想定しております数字とは若干の食い違いがあるようでありますが、室蘭から東京までの現行運賃は四百二十円で、改訂運賃を八百四十円、一・九六の値上げになることになつております。今のは丁度川崎になつておりまするが、丁度私資料を持つておりますのは東京までの資料しか持つておりません。それから小樽からの数字につきまして、丁度ここへ出しておりませんけれども、今おつしやつた数字と大差ない数字になると思いますが、御承知のように、前は海運につきましてはブロック運賃で、採算、原価というものとの関連を断切りましてブロツク運賃でやつておりましたけれども、御承知のように九月から航路別運賃で、或る程度原価主義を加味して来たわけでありますし、それから今度やろうと思いますのも、やはり航路別原価主義で今までのブロツク・システムでなくなりますので、自然そのおつしやつたような結果に相成るわけでございますが、どうしても室蘭の方から出て来るのと小樽側から出て来るのとにつきましては、航路が変つて来ますので、運賃を採算主義、原価主義によつて計算するということになりますと、自然そういうことになつて来ざるを得ないのだろうと思います。今まで御承知のようにブロックシステム、統制主義によりまして経済の自然の流れが歪められておつたのが、むしろ自然な姿に帰つて来るものじやなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  32. 内村清次

    内村清次君 そうすると、只今のお説明によりますと、一応この陳情の点と、今運輸省が考えておる点においては食い違いがあつて、運輸省自体が考えておるのが正常化しておるというようなお考え方ですか。
  33. 荒木茂久二

    政府委員(荒木茂久二君) 陳情の御趣旨はそういうことでございますけれども、運輸省といたしましては、運賃というものが原価を中心として考えるという建前から行くと、自然そういう傾向になつて来ると、こういうふうに考えております。
  34. 板谷順助

    委員長板谷順助君) その点は私からも一言申上げて置きますが、船舶の運賃が将来自由になつたらこれは別問題でありますが、現在のところでは小樽がつまり空知方面の炭鑛を中心に厖大な積込の設備をしておる。然るに航路別の運賃となると、室蘭と京浜間が一トン四百三十円、それから小樽となるというと四百九十円、留萌となると田百円、釧路五百二十円、こういうことになると、折角厖大な設備をしたにも拘わらず遊ぶと、こういう結果になる。そこで現在のつまり運営会の組織でやつておる間は、どうもそういう区別を付けるということについては、折角そこで厖大な設備があるにも拘わらず甚だ不都合だと、こういう陳情なんですね。
  35. 内村清次

    内村清次君 そうです。
  36. 村上義一

    ○村上義一君 一昨日もちよつとお尋ねしましたのですが、尚一、二伺つて置きたいと思うのですが、前刻も内村議員からお尋ねが出たんですが、大体利用減が三%というお見込のようであります。この内容ですね。若しできるなら、ここでお分りになつておりますなら海運の方へどれだけ転移するか。又自動車にどれだけ転移するか。値上げによる減少一昨日もいろいろと業者の御意見によれば、数種類の企業は到底経営は持続することができないと、こういうふうに経済的立地條件に恵まれておらん状態に置かれておる一部の工場とか、或いは山林というものは事業を経営することができないというような御意見があつたのであります。まあこれが真実なりとせば多少その方面では減少すると思う。とにかくこの転移が自動車及び海運別にして、そのトン数と、又そういうものの平均輸送キロをどんなふうに観察しておられるか伺いたいと思います。
  37. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 海運へどれ程転化するか、又自動車にどれ程転化するか、具体的な数量を示せというお話でございまするが、大体私共も海運への転化につきましては石炭、鉄鋼及び鋼製品、これらのものが九州、本州間におきましては、大体現在陸送によつておると認められておりまする近畿、関西、中京向けの輸送量の半分は、まあ鋼製品等につきまして、鉄鋼等につきましては、或いは関東方面向けまでも入れまして、場合によつては八十%ぐらい出ていいのではなかろうか、かように考えております。北海道と本州の間におきましては、これは石炭につきましては、殆んど全部が現在いわゆる関東或いは東北方面に参つております石炭の全部、コークスも同様でございますが、コークスは八十%近く転移するのではないか、それから本州と九州相互間、或いは北海道相互間の只今申上げました主として海陸輸送の対象となつておる貨物運賃も少し細かな品目を見ますと、原木であるとか、或いはセメントであるとか、魚介類、藁加工品、或いは種馬鈴薯というようなものが、これも大体まあ月間三万トン種度の転移になる、かような考え方をいたしておるのでございますが、そういうようなものを通計いたしまして考えますと、大体海運におきましては現在運んでおりますものの転移も考えて、月二十万トン前後になりはしないかと、かように考えております。海運の方のお調べによりますと、月三十万トン程度見込の転移数量があるというようなお話でございますが、これは国鉄の事業用炭が全部、現在陸運送になつておりますので、この点に対しまして今後どういう輸送方法を探るかによつて、多少数字も変つて来るかと思うのであります。この点を当初予定いたしておりますところの転化数量からは別に私共は考えておる次第であります。  自動車につきましては、これは大体現在五十キロぐらいの貨物石炭を除きますと国鉄全体の貨物の十六%程度出るのであります。同じ五十キロぐらいの貨物にいたしましても、相当大量に一時に出参るものについては、相当貨物輸送鉄道輸送によるべきものもございます。またそれ以外の貨物につきましては、例えば引越荷物のようなものを考えますと、これは相当長距離走りましても、トラツク輸送の方が有利であります。かように貨物の種類につきまして、いろいろ差異がございますが、それからトラツク輸送につきましても、東京或いは名古屋大阪等の、大都市附近のトラツク輸送力はそれ以外のトラツク輸送力とは違うのでございまして、そういう関東地区、近畿地区というようなところの貨物トラツクに対するところの転化と、他の地区におきまする転化とは、距離においても相当の違いはございまするので、これについて品目別に詳細なことはできませんでございまするが、大体現在国鉄によつて輸送されております五十キロ未満の貨物は、国鉄の発送トン数の大体約一割ぐらいではないかとかように考えられております。従いましてそういうトラツクの対象となりまするものは、月間百万トンぐらいが、そういう地区的な要素を考えまして全体の数字の中から見ますと、そういうふうになりはしないか、そうしますと大体今回の運賃改正によりまして、先ずその二〇%これは全体といたしましてはすでに相当転化の実績が挙つておりまするので、先ず今度の改正において二割が転化されるという考え方からいたしますと、月二十万トン程度、そういうようなことから考えますと、大体年間におきまして、四五百万程度輸送量減少になるのであります。大体来年度輸送総量を一億二千万トンのべースにおいて考えますると、三%の減少は彼此四百万トンに該当するわけでございまして、從つてそのうち約半分が貨物海運、半分がトラツクというような転化の模様ではないかという推定でございます。併しながらこれは生産の増加ということを考えておらない考え方でございます。この生産増加に対しまする分が相当考えなければならん現在、今年度におきましてはいろいろのいわゆるドツジライン、均衡予算関係上、一応生産の停滯というようなことで、有効需用の減少なども見られるのでありますが、私共は日本の経済がかような下降のままに進んで行くとは思えないのでございます。併し又実際の問題といたしましても、本年度の末期に至りましては貨物輸送の需要なども上半期と違つて強調を見せております。逐次日本経済の建直りと共に、生産の増加も期待されるように考えられるわけでございまするので、従つてその増加に対する分などを考慮に入れますると、大体五%、六%ぐらいの減少という言い方ができるかと思うのであります。而し予算に組みましたのは、現在から三%というような意味で組んで、只今申上げましたような大体推定の裏付けができておるのでございます。從つていろいろの一般から御意見は、そういう点も別にいたしまして、予算に組まれた数字の基礎でなくて、大凡その御見当で三百万とか、四百万とかいうお話があるのじやないかと思うのであります。この点予算見積りました減少率と、実際の転化率というものは多少違つても差支えないのだということは御了承願えるのではないかと思うのであります。
  38. 早川愼一

    ○早川愼一君 前回旅客運賃改正が国会に提案されて実施されたのでありますが、当時貨物は据置で旅客運賃だけを値上げするということで、いろいろ論議があつたのでありますが、その際旅客運賃値上げの結果、当局見込では約五%の利用減というような計算であつたと記憶しておりまするが、その後の旅客運賃收入状況は大体どういうような傾向を取つておりますか。
  39. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 御手許に差上げてございます資料で、大体旅客運賃收入は、本予算に対しまして只今見込は八十七億足りないと、かような数字になつておるのであります。これはどうしてさような結果を生じたかということでございまするが、交付予算のときに計算いたしました数字はこれは只今御話がございましたが一〇%の利用減を生んだのでございます。一〇%の利用減見込みましたにも拘わらず、まだかような收入減少を来したということでございまするが、これは一つ大きな原因は、非常に一人当りの乘車量が減少したということが大きな原因ではないかと思います。  それからいま一つは、運賃改正後、丁度いろいろ実施されました今年度予算等の関係で、各方面におきまして企業合理化が徹底されて参りました結果、一時旺盛であつたものが停滯した影響が、特に遠距離旅客に顯著に現われて参つたのではないかと思うのであります。大体上半期の九月までの実績をとりまして、そうして十月の二十日までの実績をとつて、それに基きまして本年の十月の輸送人員を想定いたしまして、それを今度は十一年度から二十年度までの平均の月別の波動の指数を基準として当嵌めて、輸送人員を大体計算いたしたのであります。その人員計算によりますると、大体鉄道旅客輸送人員は、二十八億人程度とならざるを得ないような数字になつたのであります。又定期外平均乘車キロを計算いたしますと、大体二十九キロ九というような結果になつております。これは大体今までの輸送人員は、一人当りの平均乘車量は、一昨年までは、四十キロを全部越えておつたのでありますが、昨年七月の運賃改正以後四十キロを少しく割りまして、三十七、八キロ程度に下つてつたのでありますが、それが三十キロを割るというような具体的な数字となつて現われて参りましたので、特に人員の減り方よりも、更に人キロの減り方の方が多いというような結果を生じましたために、大体予定收入に対しまして、只今見込みでは八十七億程度減少を来しておると、かように見込まざるを得ないような状態であります。
  40. 早川愼一

    ○早川愼一君 そこでお尋ねしたいのですが、今回の貨物運賃値上げによつて三%の影響を見込まれておりますが、若し生産がこのままの状況で行けばもつと余計見込まなければならん。つまり今お話しになつたようないわゆるトン・キロにおいてはもつと減つて来ると、いわゆる長距離の貨物が減る。そういうところから見ますというと、三%では行かないのではないかと、こういうふうな印象を受けるのですが、その点はどういう御見解ですか。
  41. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 先程御説明申上げましたように、これはつまり本年度輸送量を基礎にいたしまして考えたときに三%ということでございまして、実際かくあるべき輸送量から見ますると、或いは五%なり六%というような数字になるのではないかと思うのであります。その辺のところは、予算を作りましたために、予算上三%という見方をいたしましたために、御納得が頂けない点があろうかと思うのであります。実際におきましては、例えば来年度貨物輸送量を、生産指数或いはエネルギー指数等から計算いたしまして、又輸送キロの点は、お言葉のように逐次戰前の平常の状態に戻るという考え方で、将来に亘りまして一トン当りの輸送キロは逓減して行くという両方の観点から計算いたしました数字は、一億三千六百万トン乃至九百万トンの数字になるかと思うのであります。そういうような観点から考えますると、確かに三彩以上の減少だということが言えるかと思うのであります。併し予算数字といたしましては、現行の数量を基礎にいたしまして三%減るんだと、こういう計算をいたしたわけでございます。
  42. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 早川君、御発言中でありますが、通運事業法案が十二時までに本議場に入つて呉れということでありますから、暫時休憩をいたしまして、午後一時から再開いたします。    午前十一時五十八分休憩    —————・—————    午後一時三十五分開会
  43. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより引続き会議を開きます。  先ず国際観光ホテル法案につきまして、これは議員提出でありまするので、衆議院の観光委員長の栗山さんから一応、一つ説明を願います。
  44. 栗山長次郎

    ○衆議院議員(栗山長次郎君) 御指名により委員各位のお許しを得まして、提出責任者であります衆議院の観光事業方策樹立特別委員会委員長といたしまして、かいつまんだ経過、及び只今委員長から審議議題に供されました、国際観光ホテル整備法案の、立案の趣旨につきまして御説明をさせて頂きます。  衆議院の観光特別委員会は、五月にできまして観光事業を振興するためには、いかようなる條件、要綱によりこれを調査し立案し、企画したらばよかろうかという調査要綱なるものを作り、逐次深さを増して調べたのでありまするが、調査をいたしますに当りまして、観光事業に関係のある、各行政機関から資料の提出を求めましたところ、主としてそれは運輸省及び運輸省に関係の深い全日本観光連盟、それから交通公社、ホテル協会、観光旅館連盟等から大部分資料が出て参りましたので、私共の委員会としては調査、及び立案に大変な便宜を得たわけでございます。  それを申上げますのは皆様におかせられましても、更に掘下げての資料をお求めの際には私共の所持しております資料は、殆んど全部運輸省にありますことを申上げて置きますことが、御審議上御便利だと存じまして申上げる次第でございます。  只今申上げましたように、全般に亘つて調査を進めてみましたところ、皆様すでに御案内と存じますが、このホテル、総称して外客宿泊施設、この点が再発足の段階にあります我が国の国際観光事業としての、最大隘路であるということに突き当つたのでございまして、それではとにもかくにもホテルから地に足がつくようにして行こう。ホテルを振興して行き、逐次外のものを取り上げて参議院の方々とも協力して振興を図ろうということで、この国際観光ホテル整備法案として纏めましたものを取り上げたわけでございますが、御案内の通り観光事業は国際収支の均衡を図ります上の重大なる仕事でありますが、それだけに各国が競うてこの事業の振興を図つております関係上、我が国の現在の設備を以てしては、到底いわゆる国際競争に伍して進んで行くことができませんので、先づ或る程度まで理想的に参りませんといたしましても、或る程度まで宿泊施設の標準を上げて行かなければならん。今のままでは日本に来訪しました多くの人達の所感を聽きますと、これでは再び来る気がしない。又友人知巳に日本の観光を勧める気がしないというのが多くの人の述懐でありますので、或る程度まで標準、基準を上げて行くということが一つと、それから現在は自由に営業しておりますホテルというのは十ぐらいきり全国にございませんで、收容人員数から行きましても六百名程度でありますから、第二点はもつと宿泊キヤパシテイを増さなければならん。この二つでございますので、基準といたしましては、恐らく御手許に法案がおありのことと存じますけれども、別表第一に掲げるがごとき基準を、可成り方々の意見を汲んで一応設けたのでございます。  それからホテルだけでは外客の宿泊施設としてなかなか間に合う程度までに早急には行くまいという現実の要請に鑑みまして、別表第三に掲げますごとく、日本旅館中環境よく、場所がよく比較的優秀なものを外人向けに改装することを奨励する意味において別表第三に掲げました日本旅館の改装に際しての基準を掲げましたのでございます。かような基準に達するホテル若しくは日本旅館は現在のところ極めて少くないのでありますが、これを多からしめるということが、本法案の目途とするところでございまして、かような基準に達するものが現在あれば、これは現在自由意志により登録することができるという定めにし、登録をいたしましたならば、日本旅館、それからホテル及び第二の日本旅館共に助成をしよう、又さような基準に合うものを新設する場合には、更に助成の度を高めようということでございます。助成の方途といたしましては、既存のものでこの基準に達するものにつきましては、第八條に盛つてありますように、耐用年数を若干現在よりも短縮することによつて幾分の助成を期そう既存のものでこの標準に達するものの受ける助成方法というものは、第八條にございます耐用年数を新たなる限度に改めることによつて若干生ずる利益と申しますか、恩恵と申しますかあるわけであります。耐用年数につきましては別表第二を御参照頂きたいのでありますが、この表などにつきましても、どこをどう間違つたか、司令部の某々方面あたりには、一番しまいに出ておる五年というだけを報告して、特にこの法案について悪い印象を流布しておるようなもののあります遺憾さを昨日体験したのでありますが、鉄筋コンクリートの建物を現在は査定八十年となつておりますものを、四十年にする、以下それに準じて現行制度よりも若干ずつ短縮いたして行きますということでありますが、それは法人税の軽減という結果にはなりますが、現在この問題としては米国あたりにおきまして、鉄筋コンクリートのホテル用の建物の耐用年数は査定三十年であります。ニユーヨークあたりのあの頑固な岩の上に建られたものでさえさようなものでありますのに、地震国であります日本の建物、殊に陳腐化の速度の早いホテル用の建物が八十年ということは、まだそうした建物に経験のなかつた時代に定められた制度をそのまま現在も踏襲しておるのでありまして、私共はいろいろな建物を実地調査をしまして、四十年というように抑えたわけであります。何かそれに準じて大体実際に即した年数をそこに挙げたつもりでございます。新たに建てられましたものにつきましては、建築が終りました年から五ケ年間家屋税及び同附加税を半分にするということによつて、若干の助成にしようという点を探つたのでございます。この点につきまして、一番問題が衆議院の審議中にもあつたのであります。  申し遅れましたが、衆議院で立案をいたしました当初要綱を作りましたのは、三ケ月以上前のことであります。要綱ができるごとにこれを開放して、どなたにでも御批評を下さるように、又御意見を開陳する機会を絶えず開放的に開いておつたのみならず、業者の方と関係者の代表、役所の方々が審議中、いつでも御出席になつて意見を開陳なさるように取計つたものでありまして、縦から横から各方面の批判の加わつておることを申し添えて置きたいと存じます。  さような機会におきましても家屋税が問題になつたことがございます。殊に家屋税の減額について問題になりましたのは大蔵委員会であります。その根元は大蔵省にあつたと存じますが、私共の眼前に展開された御意見は大蔵委員会からでありましたが、かようなことがあつたものでありますから、衆議院の中におきましては、大蔵、地方行政、厚生、運輸、通産まで加わつて、末だ例を見ない五つの常任委員会と当該委員会との連合審査会を開いて、十分なる議論を展開して貰つたわけでありますが、その際議論されましたことは、只今説明申上げております家屋税の減額について、特に民間の注意を惹きました点は、これを実施するごとによつて課税の公正を害する懸念はないかという点であります。つまり在来の業者に対しては家屋税の減額という恩典はない。新たにできたものだけあるので、同じ宿泊施設を業とする者でも、一つは税の軽減がある、他は全くないということ、これは税の公共の原則に反するではないかという御議論でありました。私共傾聽いたしたのでありますが、調査をいたしますというと、国が必要と認める産業の助成上、税の軽減をいたしております場合は沢山あるのであります。それも長所になりますが、又国策を振興いたします上に、国が必要と認めた場合には、税によつて助成をいたしておる例も沢山あります。それから操業早々であつて、担税力が稀薄であるものをこれは助成しなければならんというので、減税をしておる例もありますので、只今申上げましたこの点につきましては、当該委員会としてはこれでよろしいのだという結論に達しております。今一つの家屋税に対する見解、議論は、地方財政をこれによつて圧迫するのではないかという論点でございます。併し本法案の定むるところは、家屋税を五ケ年間半減する対象は新規にこの規準によつてやられるホテルだけでありますから、現在あるものから徴収されておる家屋税には増減はないのであります。そこの地元にプラスになつた建物に対して課けられる家屋税について、五ケ年という限定をおいての減税でありますから、現在地方で収納しておる家屋税には増減がないという点から圧迫にはならん、のみならずたとえ半分でもプラスになる、五年後には全部取れるということで、家屋税收入という観点から申せば、プラスにこそなれ、減額にはならんから、圧迫という論は成り立たんということで、その点は解決を見た次第でございまして、序でながら申しますが、この税の額減によつて助成をすることの善し惡しについては、これを日本側から特に注意を喚起したものと想像される節において、関係方面の御意見が大分あるようであります。私共は敢てこれを採択いたしましたゆえんのものは、助成をいたしますと、助成の方法として取り得るものは補助金を支給するか、税の減免による、この二つきり国としてはないのでございますが、補助金によりますことは、御案内の通り現在弊害が百出しておりますので、この補助金の制度を、新たに作られる法案に採用することは、関係いたしました委員の、誰一人として賛成するところとはならなかつたのであります。補助金の弊害については皆さん知悉されておられますから、ここに憎まれ口は利きませんでございますけれども、さようなわけで、私共は補助金をやめて、僅かではありますけれども、ここに減税の方途による助成を考えたわけでございますが、大したことではないのじやないかという御議論もございました。併し日本が国策上、国として、たとえ僅かであつてもこういう具体的な事項を挙げて外客の宿泊施設を助成するのだということの、海外に與える影響は大きいと存ずるのであります。一般の海外の人たちには、直接には響きますまいけれども、飛行機会社にいたしましても、船会社にいたしましても、トーマスクツクにいたしましても、日本が外客誘致について何をするかということについて注目をいたしておりますので、これは対外的に政治的なる意味を多分に有効に含むと考え、その辺にもこの立法の効用とでも申すべきものを私共は考えたわけでございます。  審議中しばしば参議院の関係の方々と非公式に内審査をいたし得ましたことも私共の誠に幸いと存じているところでありまして、かように、各派両院協力して下調べのできましたことは、新らしい角度からの立法としていろいろ御意見はあるにいたしましても、今申上げましたような趣旨、又方法によつて、外客誘致上一番の隘路である宿泊施設の拡充ができまするならば、国際観光事業の振興上、具体的な措置として大いなる効めがあろうと存じている次第でございます。その他の規定は、当然なければならん規定ではございますが、骨子は只今申上げましたようなところにあることを御了承賜わりたく存じます。  尚冒頭に申上げましたように、運輸省及び運輸省の関係外郭団体に資料は十分ございますから、必要の場合には私共にお申し下さるなり、そちらの方面に直接御下命あらんことを申添えますと共に、立案に際しまして、衆議院の法制局、鮫島第三部長以下係りの人が非常に協力をし、又創意を加えて下さいましたので、立法技術上の点に関しまして御質問等がございましたならば、第三部長以下にお質しを願いたく存じます。さような次第でございますすので、衆議院の観光特別委員会提出法案としてこちらとも内々の協同内審査はいたしておりますけれども、何とぞよろしく御審議賜わりまして、私共の微衷をお汲み下され、本案の成立にお力添え賜わりたくお願い申上げます。
  45. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 本委員会といたしましては、一応提案の理由は承つて置きます。衆議院の議員提出でありますから、いずれ本案の審議に入つた際には、重ねて又御出席を要求するかも知れませんから、予め御承知置きを願つて置きたい、又通産委員長からも申出でがありますからこれはその際一つお話願うことに御承知を願つて置きます。
  46. 栗山長次郎

    ○衆議院議員(栗山長次郎君) 失礼いたしました。
  47. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 只今運賃改正法案審議中でありまするけれども、村上君より運輸大臣、本多国務大臣両君の同時の出席を要求されておりまするので、恐らくこれは道路運送法案に関する問題かと思われますけれども、この中間に村上君の発言を許してよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それではどうぞ。
  49. 村上義一

    ○村上義一君 本法案は極めて簡單なものでありまするが、併し内容はすこぶる重大であつて、且複雑怪奇といつても過言ではないような内容を持つておるように思うのでありまして、道監事務所は運輸省設置法案によりまして八月一日に廃止されまして、全国に九つの陸運局を設けると同時に、十七府県に陸運局の分室を設置せられたのでございますが、然るに政府は政令なり省令という政府限りでやり得るものを以て十月三十一日限り三月間で分室を廃止して、本月の一日から各府県に知事直轄の陸運事務所という、まあ府県の外局的機関を設置せられたのでございます。元来地方自治強化の見地から、中央の出先機関を地方に移すという政府の御方針は、原則としてこれを是認さるべきものであると思うのであります。即ち出先機関の行政事務が国家事務に非ずして、地方事務の性質を有する場合に許さるべきものであると思うのであります。私は本多国務大臣にお伺いしたいのでありまするが、交通行政は地方事務の性質のものとお考えになつておるのであるか、或いは又国として総合行政をなすべき性質のものとお考えになつておりますか、先ずその点をお伺いしたいと思うのでありま宝
  50. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 專門的な点につきましては詳しくは私は分りませんけれども、道監の、地方に事務を委讓いたしましたのは、あの道監で処理しております程度の交通行政に関する事務は、地方にこれを委讓してよかろうということで委讓しただけでありまして、国全体の交通行政等を地方に委讓してしまうとか、地方にやらした方が適当であるとかいうようなことについては只今考えておらないのであります。
  51. 村上義一

    ○村上義一君 只今誠に婉曲な御説明であつて、ちよつと捕捉に困難なのでありますが、この自動車交通というものは、とにかく一府県で総べての問題を解決するというものでないことはもう申上げるまでもありませんが、交通には従つて公益性を、広い区域が不可分の関係に本質として持つておるということは申上げるまでもない次第であります。一例を申せば、今までの道監事務所で処理しておりました資材の問題だけをとりましても、ガソリンだとか、チューブとか、タイヤの配給、要するに資材の配給というような面から考えますと、房州の鮮魚を東京へ持つて来ると、市川の先と手前とを区別して配給をやるということはもう不可能であります、更に長野のりんごを東京へ持つて来るという場合に、これは数府県に分れるものであります。公益性の点を考えましても、亦自動車輸送の普遍性と申しまするか、各種の産業に対して密接な関連があり、又文化というものにも不可分な密接な関連があるのでありまして、従つてそれらとの関連性を持つた行政事務になるということも明瞭であります。従つて今までに政令及び省令でお手配に政府がなりましたのでも、それに鑑みましても、まあ一例を申せば職員の身分と、要するに国家公務員たる、やはり身分を持たして地方事務官、地方技官というようにしておられる、吏員としていない、又委任する形式から見ましても、地方自治体には委讓せずして、知事たる機関に委任しておられると認めるのでありますが、そういつたような点から申しましても、この交通の問題は交通行政の一環として考えて行かなくてはならんと思うのであります。どうも私は交通のこの道監における只今資材配給の行政事務について一例を申したのでありまするが、どうしても統合的な行政をなすべき性質のものであると思うのであります。即ち国の行政事務であると思うのであります。又そういう前提の下に知事という機関に御委任になつておるのじやないかと実は推察するめですが如何でございましよう。
  52. 板谷順助

    委員長板谷順助君) ちよつとお待ち下さい。村上さんの発言中でありますが、まだその外に両大臣が揃つておるこの機会に質問したい方があるようでありますから、いつそこの運賃改正法案質疑を後廻しにいたしまして、この際道路運送法案を上程して質疑に移つたらどうかと思いますが如何でございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  53. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それじやそういうことに決定いたします。
  54. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 只今村上委員からお話になりましたその精神通りでなければならんと考えております。ただそうでなければならんのでありますが、その精神を以て運営するにしても、府県に委任してやらせて支障の起らないと思われる程度のものを委任をするというわけで、道監の行政事務を今回委任することになつたのでありますが、併しこれは全体的な交通行政の一環でありますので、その準備についても、どこまでも運輸大臣がこれを指導監督する権限を持ち、方針に反した場合にはそれを是正するの権限までお持ちになつてやられる建前になつておるのでありまして、交通行政か全国的に考えなければならんという、そのお考えはその通り政府も、考えております。従つて今回の道監の行政事務の委讓もその精神を失わないようにいたしたいということで行なつておるわけであります。
  55. 村上義一

    ○村上義一君 今回知事に権限を委讓せられたのでありますが。その政令で委讓せられた、この政令を制定せられた根拠について、私は若干疑義を持つのであります。この政令制定の根拠は何におよりになりましたか伺いたいと思います。
  56. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 道路運送法に関する部分は、これは道路運送法のその條文に根拠を置き、それ以外の資材割当の物調法に関する部分は物調法の規定に根拠を置いておるものと考えております。
  57. 村上義一

    ○村上義一君 恐らくそうであろうと拜察しておつたのであります。従つてその第四條の三項を根拠とせられたのじやないかと思うのであります。これについて私疑義を持つのであります。で第四條におきまして、権限委任規定を第二項と第三項とに書分けて決めておるのであります。即ち第二項は「政令の定めるところにより、」こう書いてあります。三項には「政令の定める場合を除いて、」と書分けておるのであります。で第四條の三項で政令で定める場合を除いてと制限しておりますのは、その除いた部分だけは運輸省に権限を保留せしむるためだと解するのが正しい、又素直な読み方だと思うのであります。除いた権限を更に別のものに委任するということは許されないことではないか、こういうふうに解釈するのですが、その点は如何でございましよう。
  58. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) これは條文に書いてあります通り、私共は卒直に解しております。政令を以て定めた場合を除きこれを更に政令を以て定めれば、それはその通りになるものである、こういうふうに解釈しておるのでありますが、いろいろこの候文を設けられたときの沿革、或いはその人の考え方によつてお話のようなふうにお考えになる方もあるやに聞いておりましたけれども、私共といたしましては、この法律の條文の通り政令を以て定めた場合を除いて、この通りに解釈を実は、これは法制意見長官等の意見も聽しまして決定いたした次第であります。
  59. 村上義一

    ○村上義一君 只今の問題は見解の相違ということになると思いまするが、これはまあこれで止めて置きまして、少し方面を変えてお尋ね申上げたいと思うのであります。道監事務所の廃止問題は、民間からの請願陳情の数、誠に未曾有であつたと思うのであります。とにかくまあ第五国会におきましては、大きな問題の一つとしまして、全会期を通じて愼重に取扱われた次第であります。政府も道監の廃止、特にこの行政事務を中央機関に移すことは、事務の性質から見ても、又民間の利便の点から考えても不適当であるとせられ、運輸省設置法の五十四條だと記憶しまするが、所要の地に陸運局分室を設置することができる、その名称なり、位置なり、管轄区域なり、事務の範囲なり、又内部組織なりについては、省令で決めるということが原案になつております。そうしてその当時大臣も政府委員も、陸運行政の広域性の阻害、大運送の一貫性の欠如というようなことになつてはいかんということを理由として、分室設置の必要あることを強調せられたのであります。荷分室のあり方についても、その当時いろいろ質疑応答を重ねられたのであります。その際政府は、将来は実情に応じて善処するが、先ず差当つては、九つの陸運局所在地以外に、十七の府県に分室を設ける方針であるという説明をせられて、その十七ケ所について内示があつたのであります。そうしてまあこの設置法でありましたか、にも最近の国会において、分室設置の承認を得ることを要すると規定してあります。今後の恒久的な方針の決定については、国会の発言権は当時保留せられてあつたのであります。そういう状態でこの問題が一応第五国会で、政府の原案通りに決定したのであります。その後政府は急にやり方を変更せられて、どういう意図によつてか、只今の五十四條の実施の直後に、態度を急変して、まあ私のこれは見解の相違でありますが、法の体系を混乱せしめようと、又行政秩序を不必要に煩雑ならしめようと敢て意に介せず、この一日から分室を廃止せられた。そうして府県に外局的の機関である陸運事務所を設置せられた。又同時に省令、政令というものを実施せられまして、陸運局長の権限を知事たる機関に委任せられた。その結果としては、今月の一日以来陸運行政は完全に二分せられておるのであります。又事務所の職員の身分につきましても、経費につきましても、内部組織につきましても、とにかく首尾一貫しない。極めて複雑な、又怪奇なといつてもよいような制度になつてしまつたのであります。それで実はお伺い申したいのでありますが、こういう措置を政府が取られて、そうしてそのことによつて、この陸運行政事務が円滑を欠く、不能なことになる、又民間に少からざる不利不便を與えておるということをお考えにならないかどうか。先ずこの点をお尋ねしたいのであります。そうして第二点としましては、こういう調子で進んで行きますと、近き将来に自動車行政は全部地方自治体に移行するのじやないかということを考えられるのでありますが、果してそういうお考えをお持ちであるかどうかこの際伺つて置きたいと思います。
  60. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 分室を設置することになつていたのが、まあその分室設置は一応したのでありますが、廃止して知事に委任するということになつた経緯についての御質問のようで、痛い点があつたようでありますが、実はこれにつきましては、運輸委員会からの御意見の申出もあり、政府といたしましても、特にこの仕事関係しております私といたしましては、愼重に研究もいたしましたし、苦慮もいたしだのであります。ところが御承知のように七月末を以て道路運送事務所は廃止しなければならない。その後に残るとすれば分室という名前で残し、数も幾つにしたらいいかという問題が起きたわけでありますが、分室を廃止するということは、これは根本方針でありまして、道路運送法自体にもこれは明記されておるところであります。そこで分室を置くということになると、必要なところには置くという意味でありまして、この必要なところには置くという意味は、元あつた道監の数だけ置くという意味ではなく、この数を縮少して、そうして公益の機関で処理し得るような仕事は、公益の機関で処理するというふうにして、残る部分をやる分室と考えていましたために、数も成るべく減らしたい、その数の問題のときには十七ケ所くらいという意見も出ておつたのであります。そういうことで研究して見ましたが、いざこれを実施するという段になつて政府として閣議で検討して見ますと、隣の県には残つても、隣の県の方がなくなつてしまうとか、なかなか取捨選択が困難であるばかりでなく、なくなつた県の人達は隣の県の事務所にまで通わなければならんということになりまして、機構縮少の措置には賛成ですが、ここを利用する国民の方々に非常な不便を掛けることになるのであつて、これがどうしても適当な案という結論に到達いたさなかつたのであります。そこでどういうふうにやるべきか。これは廃止するという方針になつており、当分の間分室を置くことができるということになつておるのであるから、ここでこの問題を根本的に解決する考えに立つて、やはり廃止して、各県にこれを委任して、そうして各県に事務所を作らしてやらせるということにすれば、不便もなく、支障もなからちという結論になりまして、実は今日のごとくなつたのでありますが、これを実現するにつきましては、八月の一日からこれがどちらかにならなければならん関頭に立つておけましたので、七月の末に実はさような方針を閣議で決定をいたしておつたのでございます。その後に運輸委員会からの御意見が出て参りまして、陸運局の分室はそのまま設置しておかなければならんという趣旨の御意見であつたと思いますが、これについてはどうしても政府が機構を縮小して行きたい。その縮小ができないために、地方に委讓する外ないというようなことになつておりましたために、全面的にその御意見に先に、前以て決定しておりました方針を覆えしてしまうということがどうしてもできなかつたのであります。その代り御趣旨はやはりかくのごとき事業は国家機関がやるべきもので、又運輸大臣が監督すべきものであるというような趣旨であろうと思いましたので、その趣旨だけは通るようにいたしたいと考えまして、この委讓した事務に携わる県の職員はこれは国家公務員とする、そうして特にこれが分散しないように、県知事直属の事務所を設ける。更にここで扱わせる仕事について、運輸大臣がこれを監督し、指導し、更に不当な措置に対してはこれを是正するというような権限も持つというようなことで、運輸委員会の方で、国の機関にやらせなければならんとお示しになりました御趣旨も、できるだけこの実行の面において御趣旨を汲み入れて行きたいと考えまして、今のような点に留意して、結局全面的に御趣旨に副うことはできませんでしたが、閣議で前以て決定しておりました、七月の末に決定しておりました方針通り、分室は十一月一日を以て廃止いたしまして、県にこれを委任するということになつたわけでございます。この間誠にお話申上げるのも、この運輸委員会においては私も心苦しいのでございますが、政府の方針がすでに決定して、ああいう方向で進んでいたときでありまするし、更に又その少数の分室、つまり分室の数を減して置くということが、如何に困難であるかということも一つ是非御了承願いたいと思います。  更に将来自動車事業のようなものを、各府県に移管してしまう考えでもあるのではないかというような御質問のようでありましたが、これはさつきも申上げました通りに、広域の道監陸運局というものは残るのでありまして、そこで今日保留してやつている程度のことはやはり国の機関でやつて行く方針でございます。ただ各府県に委任しても、支障がないと思われるもの、そういう仕事は今日のごとく委任してやつて行く方が便利であろう、却つてその土地の人達も少数の分室等を利用するよりは便利であろう、こういうことでやつておるわけでありまして、決して国の自動車行政を地方に全面的に委讓するとか、或いは公益機関のやつている交通行政を更にこれを割つて地方に委讓するとかということは、只今のところ考えておらないのでございます。誠に話し方が下手で御了解になりましたかどうか、更に御質問をお願いいたします。
  61. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 村上さんちよつとお待ち下さい。今本多国務大臣の御答弁の中に運輸委員会は御承知のように一旦国会において十七の分室が決つた以上は、これを変更することはいかんという決議は申し入れてありますけれども、その後閣議の決定に対して、この委員会に対して何らその話合いも、申し出もなかつたということだけは御承知を願いたいと思います。ただ閣議で以て前にお決めになつたかも知らんが、この委員会としては、やはり從来通りの方針によつてこの決議に基いて、今日まで進んで来たわけでありますから、その点がどうもちよつと今の御答弁中に了解しかねる点がありますから、それだけ一言申上げて置きます。
  62. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 只今委員長のお話でございますが、これは委員長の方でも、そういう連絡があつて然るべきだとお考えになるのは御無理もないことと存じます。実はこの問題について相当論議もありましたし、新聞等にも出ておりましたので、直接、間接は御了承下さつたことと存じますけれども、この決定をするについて、運輸委員長等に連絡を申上げなかつたということは誠に遺憾の点であつた考えます。これは私といたしまして…。
  63. 村上義一

    ○村上義一君 今本多国務大臣からのお話を承わりました。理解のできない点もありますが、その点は多くは意見の相違ということになるようであります。  次に移つて伺いたいと思うのであります。大体只今委員長が指摘せられた点に触れた問題でありまするが、私はまあ内容については暫く別としまして、この政府限りでやり得る省令とか、政令とかというようなものをこの本月一日から実施せられまして、そうして陸運行政の一部分はすでに知事に委任してしまつておられるのだ、そういう制度に今日なつておる。そうして更に陸運局長の今日持つておる権限を更に委任するために、この国会に本法案が提出せられた、こういうことである。それで私は伺いたいのでありまするが、政府のこういう措置は、国会の審議権に不当な圧力を功えるものじやないかという疑問を持つのであります。国会の意思を圧迫する虞れがあるように思うのであります。つまり政府限りででき得る省令や政令をすでに実施してしまつて、不可分な陸運行政の一部分をすでに知事に委任してしまう。残りはどうしても委任せざるを得ない。実情これを委任しなければ国民は非常な不便を感ずることになることは、これはもう当然であります。又行政部内の非常な複雑さ、又不円滑ということにも相成ることは火を贈るよりも明らかであります。そういう立場に国会を追い込んで置いて、今法律案をお出しになるということは、国会の審議権に不当な圧力を加えられるものだと解釈できるように思うのであります。この点についての御意見一つ伺いたいと思います。
  64. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 誠にそういうふうに若しお感じになるとすれば、非常に心苦しく感ずる次第でございますが、政府といたしては、政府限りででき得ることは一日も早く実行したい。併しその仕事と、法律を改正しなければ委讓できない仕事が密接な関係があつてこれを同時にするが適当であるというようなものについては、勿論考慮しなければならんと思いますが、この場合、政府限りで、政令ででき得るものを実施すれば実施もできるし、更に又それに少しは関連のある他の事項を法律を改正して委任するとしても、これは若し国会が委任されるという意思ならば、そういう御決定が願えるならば、そう遠くなく実現できるという見通しもありましたので、実はできることだけを先にやつた次第でございます。十一月一日といたしましたのも、最初の国会が予定されておりましたのも、も少し早いようにも考えておりましたので、国会で若しこれを委任されるという趣旨ならば、そう道路運送管理法の改正も日の間隔は余りない、こういうふうな見通しでやつたのでありますが、これは併し道路運送管理法を改正しなければ委任できない事項でありますから、この点について御決定がなければどうにもならないことでありますけれども、それにしても政府としてはでき得る限りのことは、急いで実現したいという考えでやつただけでありまして決してそんなに国会の審議権を何と言われましたか、圧迫するとか、そういう考えは毛頭ないのでございまして、これは是非早くやりたいという熱意だけでありますから、どうか御了承願います。
  65. 村上義一

    ○村上義一君 今御説明がありましたが、尚特にこの委員会は本件に関する政府の進み方、先刻もお話のように新聞にいろいろニユースとして現われた、そのいろいろなことを拝見しまして、非常に驚いて、休会中であるに拘わりませず、急遽委員会を開いて、政府の御説明を願つたのであり、そうしてそれに基いて愼重検討をした結果、この委員会の決議を以て政府に強く当時反省を促した次第であります。その決議の全文を、短いものですから一応朗読して見まするが、「運輸省陸運局分室の設置は第五国会において運輸省設置法で決められ、且つ同法附則において次期国会の承認を要することになつておる。然るに国会閉会中閣議了解事項を以て陸運局分室の所掌事務を地方に移讓し、分室の実質的廃止の措置を講ぜんとするは国会議決の趣旨に反するものと認める。よつて右地方移譲に関する政令の実施は次期国会まで留保し、分室の措置については国会の了解を経られんことを要望する。」こういう決議がありました。この趣旨は丁寧に両大臣の方へ通じてあるのであります。然るに聞こういう決議又要望をも無視して今お述べになりましたような不当な措置を強行せられたと言わざるを得ないのであります。これについてはよくよくの事由が政府にあつたに違いないと想像せられるのであります。今迄にも早く措置をとることに非常に熱意を持つたのだとか、或いは機構の縮小ということが政府の一般方針であつて、これについて苦慮した。又その当時新聞でもちよつと拝見したのですが、この問題についてはオール・オア・ノツトであるという議論が強いということ伺いました。いろいろの事情はあつたと思いまするが、これ程までに第五国会において運輸省設置法で、明らかに次期国会において分室設置の承認を求めるということになつておりまするし、尚こういう決議をして晦く要望をしておるにも拘わりませず敢て断行されたということについては、よくよくのそこに事由があつたと拝察するのであります。従つてそれについて一つ詳しい御説明をお願いしたいという点が一点。  それからこの法案の実質内容、又政府の措置が我々に不可解であると考えておる委員も、相当多数あるように私は見受けるのであります。従いまして、若し今回御提出になつておるこの法案が万一参議院で否決されたという場合は、政府はどういう措置をお取りになるお考えか。これ亦参考に一つつて置きたいと思うのであります。  この二点について一つお話を伺いたいと思います。
  66. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) この道路運送法をこの前の国会で改正いたしましたその国会の決議について、多少私共の解釈と違う点があるのではなかろうかと感じましたので、そこをお話し申上げて第一点の御答弁に代えたいと思いますが、実は必要がある場所には当分の間分室を置くことができる、この規定につきまして、これは私共といたしましては、でき得ることならば縮小したいという方針でありますから、置かないで済むならば置きたくないというのが根本方針であります。併し非常な不便があつてはいけないから、置くが、その数も、必要な場合はというのは、成るべく附けなくてもいいというようなことを我々は考えておるわけであります。その置くことができるというのは、置かないこともできる、置くこともできるし、置かない場合もあり得る、こういうふうに考えておりましたので、根本的にもう置かないというような処置を取る場合には、国会の決議の趣旨に反するものではない。こう解釈いたしておりまして、ただ併しどうしても国家機関でやるべきであるという趣旨につきましては、仕事の性質上、これは尊重しなければならないことでありますので、その趣旨には副うように、最善の監督とか、国家公務員であるとか、或いは直轄事務所を作るとかという点でこれは考慮をいたしたのでありまして、この点は決して国会の御決議の趣旨を無視する考えもありませんし、無規したとも実は考えておらないのであります。その点について、我々とまあ考え方に少し違いがあつたところから生じたことではなかろうかと思います。いずれにいたしましても、分室を存置しておけと言われる趣旨の御意見に対して、全面的に副い得なかつたことは必苦しく存じておりますが、只今のような事情でございますから、どうか一つこの点御了承を願いたいと存じます。これはこの政令によつて移讓しました事務と関連のある仕事でもございまするし、道路運送法のどういう点に改正が出ておるか知りませんが、この委任する事務はそういうところにもありまするし、是非一つこれは政府の提案いたしております通り御決定願うことを期待し、お願いする立場にあるのでありまして、否決された場合にどうなるかということまでは実は申上げかねるし、又考えてもおらないのでありますけれども、否決された場合が万一あるとすれば、政令で定めた部分だけこれをその通り府県でやつて行くということになると思いますが、どうかさようなことにならないように御理解をもつて是非御審議をお願いいたしたいと思います。
  67. 村上義一

    ○村上義一君 第二問についてはお話がありましたが、第一問について尚重ねて伺いたいのでありますが、運輸省設置法の五十四條には分室を置くことを得となつておりますことはお話の通りであります。従つて置くことを得というのは置かなくても宜しいということはもとより当然であります。併し設置法審議に当りまして、これは置くことを得という正十四條の條文によつて政府はどういうふうに動かれるかという質問に対しては、とに角将来は実情の推移如何に鑑がみて善処しなければならんが、差当りは十七ケ所を置くという御説明もあり、そうして又先刻も申しましたように十七ケ所はこれこれの場所だという、これは委員会の席上でなかつたと記憶いたします。大臣が政令の意味説明したので承知いたしたのでありますが、とにも角にも内示の方は別としまして、十七ケ所差当り置くということは、委員会の席でも政府委員から御説明を承つた次第であります。私の言う意味が今本多国務大臣は誤解をしておるのじやないかというふうなお話があつたように伺うのでありますが、その分室を置いた場合には、例えば十七ケ所でも或いは五ケ所でも、或いは各府県でありましても分室を置いた場合には、次期の国会の承認を要するというふうになつておるのであります。従つて一旦十七ケ所に置かれたと思うのであります。そうして次期国会にこれについて承認を求められることは、もとより法の示す通りであります。併しながらその次期の国会までに廃止せられる、つまり十月三十日までに廃止せられたという実情であります。これについて承認を要するという必要がないと多分政府はお考えになつておるだろうと思うのであります。この点については如何でございましようか。
  68. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) 十七ケ所ぐらい置いたらどうかという分室の数、更に又置くとすればどこどこというようないろいろその候補地、むしろ置くというよりも残すものはどこどこだというような意味において、運輸大臣も案を持つておられましたし、運輸大臣とも私は相談し、閣議でも十分これは研究をして見たのでございますが、最前申上げました事情から、どうしても間引をして残すというようなこと、これが各県に対して不便不公平という点において、どうしても実施が困難であるというような事情から、最前申上げました経緯を経てここへ来たわけであります。従いまして十七ケ所とか、二十ケ所とかという分室は置いたことはない、今までの監理事務所をそつくりそのまま分室として置いたわけであります。それを一度置いたならば次の国会で承認を求めるべきではないかと仰せられますが、この点につきましては全く私共も研究をいたしたのであります。併し結局その承認を求めるということは、存続の條件にもなつておるのだから、承認が得られない場合には廃止するということになつておるのでありますから、廃止してしまつたものについて承認を存続條件とも考えられますので、それまでも承認を得る必要はないではないか、こういう解釈になりまして、承認は間に合わしたわけであります。(「無茶だよ、実際」と呼ぶ者あり)
  69. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 村上さん、今の問題は重大問題でありますがね、大体法文の上から行けば十七の分室を置くことを得とはなつているけれども、その当時の私が委員長として扱つた関係におきましては、いろいろ協定の結果、十七の分室を置くということは、これは方針として決まつておるわけで、置くことを得という法文であつても、いろいろあなたの方と折衝になつたかどうか分らんが、運輸大臣としては分室を置くことはこの議会で言明しておる。だからして置くことを得るのだから、置いても置かんでもいいということは僕は詭弁だと思うな。それはあの当時に最早や確定しておるのです。併し十七室を置くということについては、全国に問題があつて、必ず争いがあるだろう、或いは又知事会議においてどうしても地方に移譲したいというだろう、その後の変化については今村上君のお話しになるように、我々が決議案を出したように、国会の了解を得なければならん。その手続も運ばずしてただ法の解釈としてそういうことをお述べになるのは委員会を悪化させますよ。
  70. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 全然他意はないのでありまして、私共本当に当時も何とかして分室を整理できないかということを、一心に考えていたくらいでありまして、私共はどうしてもこれで分室を置かなければならんという條文には考えておらなかつたのであります。この過程においても、置くにしても成るべく最少の数にするとか、そこまで行かないうちに根本的な解決もできないだろう。実は私はしばしばその通りに考えておりました。從つて十七くらい置いたらどうか、二十くらい置いたらどうかという意見もありましたけれども、分室を置くということはそれはどこでとも決まつた話は聽いていないのであります。これは閣議でも少数置くとすれば、非常に困難であるという話は蒸し返し蒸し返しいたしましたが、置いたらどうかというような点には一回も話は行きませんでした。置くとすれば全部置かなければ駄目だ、如何にしても残すことはできないということになりまして、結局今度のようなことになつたわけであります。それからその一遍置いたものは次の国会で承認を得なければならんという問題でありますが、これもそういうふうに言われますとその通りでありますけれども、併しそれは承認を得られない場合には廃止しなければならん。存続しようと思えば承認を得なければならんという解釈にもなりますので、私共これはどうしたものかと考えまして、法制局にも研究して頂きましたところ、結局法制局としても廃止する場合には、改めて事後の承認を頂く必要はないであろうという意見になりましたので、こういう措置にいたした次第でございます。どうか全然他意のない何ら考えてどうしたというわけではありません。実は私はその行政機構の縮小ということを考えておりまするので、できるだけ縮小したいという一念で実は進めて来ただけでありまして、法律に、作るというようなことを言つて作らなかつたということは、私にはないわけでございます。
  71. 板谷順助

    委員長板谷順助君) あなたの御誠意はよく分つておりますけれども、今村上さんの御質問によつて、これを否決した場合においてはどうなるかと、すでに政令を以て一部実施しておるのでありますから、無論その通過を希望されるでありましようけれども、否決した場合においてどういう支障が起るかどうかということは答弁があつて然るべきだと思うのです。否決した後においてどういう支障が起るか、若し何かあるならばお答え頂きたいと思います。
  72. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) 否決されるというと、自動車行政が二分されまして非常に困ると思うのであります。どうぞそういうことのないようにお願いいたします。
  73. 村上義一

    ○村上義一君 もう一つまあいろいろ御説明を伺つたのでありますが、とに角この現状は何といつても法の体系を混乱に陷れるということは、今こういう行政事務を全然二つにされておるということを見ても明瞭である。又先刻来だんだん国会の決議なり、或いは委員会の決議なりとに角国会の予期に反した事態に逢着しておるのであります。こういうことにしてまでも省令、政令を急いで実施せられたということはこれ又現実の問題であります。どうもそこにわずか今日と言えば一ケ月足らずでありますが、まず一ケ月でありますが、一ケ月を待つことができなかつたという理由が私にどうも理解できないのである。いま少しこの一ケ月間待つて、法律、政令、省令を併行して実施すべきものだと私は思うのであります。法律が先で政令、省令が後になるのがこれは定石であります。まあその点不備だと思いますが、とに角先に、省令なり、政令が実施されたという事態でありまして、この一ケ月を待ち得ないということは、よくよくそこにあれがあると思う。この点についてどちらの大臣でも結構でございますから、御説明を願いたいと思います。
  74. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) これは最前も申上げた通りでありまして法律の改正は国会の方で決定しなければならないものでございますから、それに拠らずしてでき得ることはやるという、方針でありますが、一日も早くこれを実行したいというわけで言つたわけであります。最前村上さんから御意見がありましたように、万一この法律案が決定を見ないという場合には、どうなるかという問題さえあるのでありますから、できるだけのことをやつて置くということに、まあこれは私が今考えたことでありますけれども、そういうことにも結局なるわけでありまして、でき得る限りのことを成るべく早くやつて置く。そしてこれに関連することは是非国会の御了解を願つて余り日を隔てないで、実現したい、こういう趣旨でやつたわけであります。その日が余り隔たないということにつきましては、最前申上げました通りに、この国会の召集の時期等も少し一月ばかりずれておりますが、丁度それくらいがずれたということになろうと思いますけれども、そういう趣旨でありまして、全然これが一体不可分で切離せないということになつておれば、これは不可能でありますけれども、何とかできるものであるし、これは同じような、そう日を隔てないで一緒に出来るものであるという考えでやつたのであります。一日も早く実現したいという心持以外の何もないのであります。
  75. 村上義一

    ○村上義一君 只今お話を伺つたことは、ますます私として理解できないのでありますが、今のお話によりますと、若し法律が本国会において通過しないというようなことが、万一あるとするならば、尚更できることだけは早くやつておかなければならないというようなお話がありましたが、これはどうも私としては異なることを伺うと思うのであります。とに角今行政が東部において実施されて、西部において実施されないという割れ方ならば、これは大きる弊害はないと思うのでありますが、一つの場所において二分せられるということは、非常に不便があると思うのです。又円滑なることはできる筈はないのであります。又形式の問題でありますが、法の体系を混乱したままで、若し法律が通るときには、法の体系が混乱したままで進むということになるのであります。とに角こういうことになるということ対して、本多国務大臣は一向意に解しておられんように伺つたのでありますが、これは私の聞誤りかも知れませんが、もう一応この点を伺いたいと思うのであります。
  76. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) この場合には只今運輸大臣から言われました通り、自動車行政が二分されるというような弊害がございますので、私が法律を俟たずして実行できることは急いで実行したいという考えでやつたという、これが妥当でなかつたかと思います。この場合にはこれはぜひ法律案を御決定願うということを非常に期待を持つているわけでありまして、そうしてこれが検査と資材配給というようなものが二分しないように行くことを勿論期待いたしております。期待いたしておりますが、これは国会の決定を見なければならんことであるし、村上さんが最前言われました通り若し決定なかつたときには、それではそれを区分してはやらない考えであるか、こういうことになると思いますが、これは不可能なことではないと思いますので、予めこれはやつておいた次第でございます。
  77. 内村清次

    内村清次君 私は只今まで村上委員質問されましたふしぶしは、実は私胸を一つ一つ打つ問題でありまして、同時に又私が今まで質問をしようというような考えを持つておりましたことが殆んど全部質問されておるのであります。又その質問の御要旨につきましても、私の考えておるものでございます。この道路運送法が、これが恐らく審議されましたときにおきましては、終戰後の我が国の自動車行政を一元化して、そうして各地方々々に、その地方の状況に応じて均霑した発達をさせて行こうというこれは一致した、本当にこの委員会では一致した意見の下に、この道路運送法案が可決したわけです。その後の情勢につきましても、やはり一元的に考えたから、その行政の剥奪を細心を以てこれを見守つて来たわけであります。今回政府がとられました法的措置につきましても、只今の、当時の主管であられた本多国務相の御答弁を聞きましても、まだ二、三点腑に落ちない点があるわけであります。勿論この点は大体、大骨といたしましては、先程申しましたように村上委員から質疑があつたのでありますが、ただ本多国務相のお言葉の内容を聞いておりました点において、国務相は十七の分室ではその後の情勢として、どうしても一般の希望がこれでは足らない、で、政府の方でもこれは各県にやはりこの分室を置かなくちやならないような情勢に立ち至つたからして、いわゆるそれは地方委讓の形において委讓したというような言葉があつたのですが、若しそうであるといたしましたならば、これは運輸省設置法の附則の又十八において、やむを得ない必要があるときは運輸大臣は地方自治法第百五十大條第四項の規定に拘わらず国会の承認を得ないで陸運局の設置をすることができる。とこう書いてある。であつたならばその機構というものを尊重されたならば、これはこの十八項によりますと全国に分室を置かれても然るべきである、併しながら五十四條のときにおきまして、いわゆる分室を置くことを得ということがあります関係と、当時の国会におきまして十七分室を置く、又委員会の決定もそういうような十七分室を希望しておつたという決議の点もお考えになるとするならば、その後の情勢を変化されまして附則十九の項で、若しも各県に置く分室の必要があるとしたならば置いて、それから国会にかけて、そうしてその国会の意思によつてこれを否定する場合のときにおいては、当然運輸大臣は当該陸運局の分室を遅滯なく廃止せねばならないという行為に從つて廃止するというわけでありますか、どこまでもやはり国会にそれを一旦は同意を得るというような手続方法が必要であつたと私は思うのですが、この点につきまして今一つ御答弁をお願いしたい。
  78. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) これは最前答弁申上げました通りでありまして、分室を置くことを得というのは、置かない場合も法律上認められているという解釈をとりますことと、それから次の国会に至らずして廃止されるというような場合は、廃止されたものの承認を得る必要があるかという問題について、條文をずつと読んで行きますとそういうように解釈もできますので私共も心配いたしまして、專門的に研究して貰つたのでございますが、これは承認を求めなくてもよかろうということになつたわけでありまして、どうか一つ、そういう事情でございますから御了承願いたいと思います。
  79. 内村清次

    内村清次君 今最後の承認を得んでもよかろうというようなことは、これはすでに十月三十日にあなた方も承認を御決定しておられる筈であります。こういうことは先程来お話があつたように、国会の意志を尊重しないという前提の下にお考えなつたことであつて、どこまでも政府の御方針をどうこうするという御態度でお考えなつたことであつて、これは法的に條文をずつと読んで行かれたならば、これはどの法律学者が見ましても、やはり一応はそういうような手続を取つて国会の承認を求めて行かなくちやならないということに、これはなる筈だと私は思うのであります。ただ無暗にあなた方の御意思を強行するためには、それはもう省令で以て実際委員会の決議なんか無視してしまつて、そうして省令でやられたのであろうか、やられたなのであるならば、もうすべて廃止しておるのだから、それは国会に何も承認するのでなくして、ただ道路運送法の第四條あたりを御改正になる法律案を出しさえすれば、即ち国会がどうするかということの法律案を出されてやられればそれでいいことでありましようが、併しどこまでも設置法の條文を忠実に守るとしたならば、やはりそういうような手続が必要ではないか、同時に又本多国務大臣は先程言いましたように、十七では足りない全国的に置かなくちやならないという情勢になつたようなお考えであつたならば、当然この法律案というものが活きて来ると私は思います。この点一つお伺いします。
  80. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 全部の道路運送監理事務所を分室に認めましたときには、今のお話の通りに全面的に廃止するという方針を決定して認めたのであります。それはなぜそういうことになりましたかと申しますと、七月一ぱいで直ちに廃止するということは、いろいろの手続上困難がありますために、地方と打合せましたりする関係がありまして、三月ぐらいの期間は準備期間として必要である、それが事務に支障があれば、ここに分室を置くことができるということになつておるから、この分室ということで法律に抵触しないで、とにかく従来通り事務を執らして置こう、そうして全面的に地方へこれを廃止して事務は委任しろということを決めて実はかかつたものであります。
  81. 内村清次

    内村清次君 それで全面的に廃止をしてしまうというお気持ちがあるとすれば、これは何の必要があつて全部地方へ移讓しなくちやならないか、こういう問題が出て参ります。而も又現在の状態としてあなた方のやられた政令であれば、現在の状態といたしましても、やはり人員面におきましては、地方事務官というようなところで国家機関の一員として考えておられ、そのために閣議でも了解事項を取つておられ、こういうような状態であつたとしたならば、やはりこれは分室としてその後も置くのであるか、それから地方分室として各県に置くことも同じことであると思う、ただ問題は権限の大きな一部を地方の知事に委されるというようなことが結局違う問題であつて、そのものの精神であつたならば、何も知事に委せんでも運輸大臣の直轄事務として取つていいのじやないか、かように私は思うのですがどうですか。
  82. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) これは中央機関の廃止、地方に委讓する全般的に共通する問題でありますが、やはり今後の行政の行き方としては、府県の総合運営ということを相当重点を置いて考え、これと中央の指揮監督とが調和して行くようにするということ、にその総合運営によつて、又能率的にも経済的にも、将来進み得るであろうというところに大きな期待を持つておるわけであります。今度の道監の例、通産局出張所の例も、まだそこの理想を十分達しておらないのでありますけれども、これはそういう立派な府県の総合行政が築かれて行く前提になるものだろうと考えております。政府はそのために、根本方針といたしまして、この出先機関を成るべく地方に移讓するという方針を立てて進んでおるわけであります。
  83. 内村清次

    内村清次君 地方に移讓すべきか、或いはこれを運輸省直轄として置くべきかという、又地方移讓の問題につきましての、所管につきましては、これはおのおの立場が違つて意見の一致は見ないと思いますが、ただ問題は、運輸大臣が、若しこの法案が通らなかつた場合のときには、運輸行政というものは、二分されて困るというような御発言もあつたようですが、この点につきまして、先ず第一点、運輸大臣はどういう点で二分されて行くか、どういう点が困るのか。
  84. 大屋晋三

    ○國務大臣(大屋晋三君) 残つた部分も重要な行政の部分ですから、細かいことは政府委員に答弁させますが、とにかく二分されるということが、根本的に不都合であり、完全な運営は、二分されましてはできないと思います。而して残つた部分はどういう行政部門になるかということが、若し御質問の趣旨でございますれば、政府委員から答弁させます。
  85. 内村清次

    内村清次君 この点はあとで政府委員から、二分された機構の状態一つ説明をお願いしまして、運輸大臣は、これは衆議院の運輸委員会におきましては、この問題については、心境の変化一点張りでおられたようでありまするが、この政府から出されましたこの経過の状態を見て見ましても、運輸省といたしまして、大体の基本の考えも窺われますが、こういうような、即ち基本的な考えを以て進まれたのに対して、運輸大臣は、いつの閣議においてどういうような状態で、これを全般的に廃止をするというような点に御同意されたか、その点どうです。
  86. 大屋晋三

    ○國務大臣(大屋晋三君) 経過は、只今本多国務大臣が、村上さんの御質疑に対しまする答弁のその通りなのであります。さてここで運輸大臣がこれに対して最初の考えと決定が違うのでありまするから、どういう考えを抱いてそういうことになつたかということを申上げて見まするならば、運輸大臣は、最初からこの自動車行政事務は、運輸省直轄でやるべきが当然であるという信念を持つておりまして、その信念に従いまして、閣議でいろいろ協議をいたしました結果、種々の曲折がありまして運輸大臣の希望の全般が、閣議の承認を得られませんでしたが、ともかく運輸大臣直轄の国家行政をやるという形で、分室をまあ十七ぐらいは置き得るという形で処理しようということに、一応の決定を見ておりましたのでありまするが、その後詳しいことは、本多国務大臣の仰せの通りなのでありますが、更にこの十七分室を置いて、この行政を処理いたして行くということに対して、いろいろな議論が閣議で行われまして、結局これは地方に移讓する方が、全部の地方に一つずつ役所が設けられて、十七という少数の数で、つまり国家機関においてやるという形よりもむしろ各府県に一つずつ置いて、而もその形は知事の直属の機関を置いて、これに充当してやる方がより便宜であるという考え方になりまして、更にその上に運輸大臣の根本の考え方は、すべてのいわゆる省令でやりますることも然り、尚又政令で発布して取り決めをいたしましたことも、且つ又今回法案を提出いたしました事柄も、挙げて一括して、これを省令の分はさて置きまして、省令の発布も、時期的には、今回政令ですべて処理をいたしました分並びに目下御審議を願つておる分も併せて全部法律を以てこれを処理する方が妥当であるという見解を運輸大臣は持ち、且つ法律によつてこれが通過いたした場合には、更に省令を法律の実施有効の期日と睨み合せて省令を出してこれを処理する、一連の関係を全部さような時期に法律がパスして実施されるときにやつた方がいいという考え方を持つておりましたのですが、この運輸大臣の意見が閣議においては否決されまして、省令で出すものは省令で出し、政令で出すものは政令で出し、法律で行けるものは法律で出すように三分してやるが然るべきであるという決定が閣議においていたされましたので、運輸大臣も内閣の国務大臣の一人でありますので、多数の閣議の決定に待つた次第でございます。
  87. 内村清次

    内村清次君 只今までに概略の御説明がありましたが、まだ重要な点について承つておりませんが、閣議決定は、最後に地方に移讓する、法的に差支えないというような決定は、十月二十一日の閣議というふうに政府資料ではなつておりましたが、これまでにはもうすでに運輸大臣は省令を相当出しておられまして、いわゆるそういうような準備工作をやつておられたようでありますが、その点から見て見ますると、運輸大臣のそういうような心境の変化というものは、一体いつ頃現われたかという問題ですね、その時期は……。
  88. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) それはちよつと内村君のお考え違いじやないかと思うのですが、要するに閣議で決定をいたしまして、只今私が申上げました点が決定をいたしまして、省令で出すものは省令、政令で出すものは政令、法律に残すものは法律ということが然るべきであるという結論が閣議でいたされました後で、それぞれ処理をいたしたように私は考えております。
  89. 内村清次

    内村清次君 これは経過報告に書いてありますように、三月及び五月の末においてはガソリン、タイヤ、チユーブその他の統制物資についてはこれはやらない、併し地方の自治の完成のために出先機関の止むを得ないものを除いて全面的に整理する、ただこれだけの問題であつて、そうして品その後大月、七月の情勢におきましても、やはり分室は一応全部置いて、その後全部存続するものがあるならば、これを全部知事の指揮下に入れることを決定するというような点が、その頃話が出ているような経過になつているのですが、そうして見ますると、最後に即ち十月二十一日に閣議において、法務総裁が政令の公布は差支えないというような発言があつた、こういうようなことになつて、最後の決定は十月二十一日頃になつたと思います。法務総裁がどういうような発言をされたか存じませんが、そういうような経過に承つております。
  90. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) その出した資料の経過がどういうように記載をしてあるか存じませんが、要するに運輸大臣が地方に移讓すべくという閣議の決定がありました前に政令を発布したとか、或いは省令を発布したとかいうようなことは断じてないと思つております。話が、閣議で結論が出ました上で、それでは政令で扱うものは政令、省令で扱うものは省令で出そうということに大臣が命令をしてやらせました。その前からそういうものが出て、閣議決定が後だということは断じてありません。
  91. 内村清次

    内村清次君 問題は、設置法のときにも、これは大臣から直接我々も耳にしたことであつたのですが、問題は、国会の空気としては地方移讓は反対的空気があるからこれはやらない、併し内閣自体の方針としては地方移讓の空気があるからというので、大臣が処置に迷つておられたことはよく分つている。併しながらこの経過報告にもありまするように、段々と地方移讓の手続を進めるように大臣の心が変つて、やはり一つ一つそれをやつておられる。最後にこれは移讓するという手続上の完了したのが十月二十一日のようになつております。これは法的に明確に……。
  92. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) それは内村さん、そういうことは断じてありません。書き方がどう書いてあるか私は知りませんが、大臣はその書類に目を通しませんが、要するに大臣は、最初は只今申上げました通り、断じて運輸大臣の管轄で分室制度で行きたいと思つておりましたのですが、いろいろな経緯を経まして、要するに省令で、いいものは省令……。省令で地方に移讓できるものは省令でやるべし、政令で行くものは政令で行くという結論が出ましたので、先ずその結論に從いまして最初の初志を飜しまして、その閣議の決定の線に從いましたので、その前に或いは事務下僚がいろいろなことを勘案いたしまして、そういうことをいろいろ準備しておつたというようなことがあつたかどうか、私は存じませんが、大臣の心境は、断じて前からそういうものを準備させて、和戰両様でこういう場合にはこう、こういう場合にはこうというようなことは断じてない。一方的に所信を貫こうと思つたのでありますか、閣議の決定の線がさように出ましたから、その閣議の決定を見た上で省令と、政令で発布するということになつたのでありまして、その点は前から地方移讓があるかも知れないから、大臣が優柔不断で首鼠両端を持しておつたというような態度は断じて取つておらなかつた
  93. 内村清次

    内村清次君 大臣は、これは国会の始まりますのは、十月頃から段々新聞にも出ておりましたし、閣議においても話があつたと存じておりますが、大臣としては、国会まで、これは一つ法律的な疑義もある、相当自分としては最初の根本方針からしては、どうも余り好ましからんけれども、各大臣殊に本多国務相あたりが非常に御熱心であるからいたし方ないとして、併し法的にはやはり一応は国会の承認を経なくちやならんから、それまで待てというような御発言があつたかどうですか。
  94. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) それはあつたどころではない。再三再四運輸大臣は、政令においてはそれは出すのが不可じやないかという意見を出しまして、再三再四やりましたが、それでも尚決定ができません。その間に冷却期間を十数日置いて更に又練り返して、練りに練つて、練りましたが、遂に運輸大臣の意思と閣議決定の意思が相反した次第であります。
  95. 板谷順助

    委員長板谷順助君) その問題はその程度でどうですか。
  96. 内村清次

    内村清次君 そうすると大臣は、この自動車行政というものは即ち国家事務であるという御判定は如何ですか。
  97. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) 正に国家事務であると私も考えております。
  98. 内村清次

    内村清次君 これは地方に移讓された分も国家事務と認めてよろしうございますか。
  99. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) ガソリン、チユーブ、タイヤの配給その他の点は、重要なものは無論国家事務であると考えております。
  100. 内村清次

    内村清次君 移讓される場合のときに、こういうようなシヤウプ勧告にもありますように、そういうような体系をしつくり、何か委員会を作つてそうして体系を作れという勧告の案文であつたと思いますが、この点につきましてはどういうような処置を探られておりますか。
  101. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) GHQからガリオア、イロアで救恤を受けている物資に対しましては、国家機関において嚴正且つ公正に処理すべしという基本原則がございますので、飽くまでその線に從つて国家機関がこれを直接に処理いたすというふうに考えておりましたのですが、併しいろいろな研究の結果、地方に移讓し且つ知事という機関に直轄で直属の係を以てやらせるということで、その観念を貫徹して行けるというふうに解釈いたしまして、さような処置を採つた次第であります。
  102. 内村清次

    内村清次君 本多国務相、この点についての御答弁を……。
  103. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) シヤウプ勧告に基きまする地方行政調査委員会議というものができまして、国、府県、市町村の三団体にそれぞれ適正事務の限界を定めて分担させるというような結論が出ました場合には、或いは今日の委任事務というものが三団体の中の府県或いは市町村の自体の事務と認められるようなことになる場合もあろうかと存じております。併し只今講じておりまするが、この段階におきましては、運輸大臣の言う通りこれは国家事務でございます。
  104. 内村清次

    内村清次君 最後に一つお伺いしたいのですが、今運輸省直轄で分室に勤務しているところの從業員の人達が非常に不安を持つている点でありますが、この点につきましては閣議了解案として示されているようであります。併しながらこの点はただ閣議の了解案でありまして、了解されたものではありましようが、ただこれだけでは今從事員の人達は不安がつている。例えば地方行政に任されたところのものが地方の吏員になる、いわゆる地方公務員制度ができますれば地方公務員になりますが、それに移行することだけでも、これはいろいろな今日までの国家の公務員としての諸待遇が剥奪されて行くというような関係もありまして、その点に対するところの国鉄に対する一つの執着心といいますか、それが非常に願いことが一つと、同時に又地方に参りまして、地方の吏員の待遇というようなことになりましたときには一応の了解事項はありましてもやはり地方條例その他におきましてのその地方地方の状況によつて自分の身分の保障というものがどうも確実でないというような点で非常に心配しておるようでございますが、ただ私はそれではそういう点もあろうから、それはしつかりした閣議の了解をしておこうと言われても、ただ一回の閣議の了解では将来の身分というものは保障できないのであります。こういう点をどういうふうに考えておられますか、その点一つ伺いたいと思います。
  105. 本多市郎

    ○国務大臣(本多市郎君) お話の通り閣議了解事項といたしまして、不利益を受けないようにこれは処置して行く方針でありますが、実施方法につきましてはそれぞれ府県にもこういう方針であるからということを連絡を取り、了解を得てやつて行くことにいたしております。併しながらこの官庁の機構が永久不変のものとは考えられませんので、殊に資材割当事務などは、統制廃止に伴つて自然消滅する運命にあるとも見ることができるのでありますから、そうした場合これを国に適任者を残す場合には国の事務官にして、地方に入れる場合には地方事務官にして、今までの身分にふさわしい地位が獲得できるようにということも、閣議了解にいたして知事の方にも連絡をとつておるような次第でございます。そういうことで行きまして、シヤウプ勧告に基き今回の地方行政調査委員会議等の決定、更にその勧告に基いて国会の意見等によつて多少変つて行くことはあろうかと思いますけれども、でき得る限り恩給面についても今までの地位が不利益にならんようにと考えております。
  106. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 本多国務大臣にお伺いいたします。先刻村上議員の御質問に対して、国務大臣の御答弁は法文には設置することを得ということだからして法制局との連絡もとつて見たが、それは設置しないことができるのだという反面の解釈もあるから、それで何らそのことには相談もしなかつたし、国会の意思を予め調べる必要はないのだというような、如何にも法律論といいますか、一つも政治性のないような御答弁であつた。理窟はそれで通るのかも知らんけれども、あのときの事情を参議院の運輸委員会から、先刻村上議員もここで読上げたような決議をして、それを十分了承して、而も運輸大臣もよく御納得だと私は思つておるのであります。そういう事情にあるのに、何かこういうことで先刻村上議員の了解によると、政令で押して行く、省令で押して行く。そうして結局外濠を皆んな埋めてしまつてつて、それからこの法律を許可しなければ仕事ができないのだ、人民は困るのだというようなところまで追い込んで行つたというように、こちらは思えるというような所までこの問題を持つて来る前に、参議院の決議というようなものを十分了承しておられるのだから、国会が開かれるという事も、大体臨時国会はあの頃に何日頃にやるのだということもお分りになつてつたので、時日においては多少延びるということになつておりますけれども、にも拘らず参議院の運輸委員会希望といいますか決議というようなものは千も万も知つてつて、私の立場では兎に角縮少するのが本位なのだ、縮少することを考えておつたのだからそれに行くのだという御説明では、結局法律論で持つてつて、ここまで行くのは俺の予定の行動だからそれでやればいい、国会はそれに從つて来なければ、結局その責は国会にあつて、国民なり業者なりが困つていたつてそれは国会の責任じやないか。否定をするなら否決をしてみろと言わんばかりの御答弁のようにしか私には取れないのであります。恐らくそういう御意思ではなかろうかと思いますが、もう少しそういう点で腹を割つた事情を打明けた答弁を願えれば願いたい、かように思います。
  107. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 実は、これを決定いたします際閣議においてもいろいろ議論もやはりあつたのでありまして、いろいろ公務員等につきましても申上げました條件が納得されました上で実施期日等が決定したような次第でありまして、実は内割つて話せと言われますと、私の立場といたしましては、これを閣議以外に更に拡大して御相談を願うというようなことになれば、ますますこれはまとまりにくくなつたのではないかということを考えていた点は確かにあつたと思います。いずれにいたしましても運輸委員会等の意見がはつきりしている問題につきましては、それを閣議の意向、連絡をとるなりして、こういうふうに決めるつもりでありますということについて御相談等を申上げなかつた点は、誠に心苦しく感じておりますので、今後は御趣旨に従つて十分注意いたしたいと思いますから御了承願います。
  108. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 先ず最初に運輸大臣にお尋ねしたいと思いますが、先程村上先生から本多国務相に質問がありまして、本多国務相に若しこの法案が否決せられました場合にはどうするかという御質問があつて、これに対して御答弁があつたのであります。運輸大臣も若しこの法案が否決された場合に、実際上においてどういうような影響があり、どういうふうに善処できるかという具体的な点について御答弁を願いたいと思います。  次にこれもやはり村上先生が本多国務相に御質問なつたそうでありますが、昭和二十四年九月二十三日本委員会において決議いたしましたものを運輸大臣にもお渡ししてあると思うのでありますが、御受取りになつておるならば、運輸大臣はこの本委員会の決議に対して閣議その他においてどういうような態度をとられたか、善処するという努力をされたかどうかということを先ずお伺いしたいと思うのであります。
  109. 大屋晋三

    ○國務大臣(大屋晋三君) 前段の御質問は先程内村さんの御質問にお答えいたした通りであります。細かいことは政府委員から答弁いたさせます。要するに大変困ると思つております。第二段の問題は、その決議文は私も受領いたしましたし、総理の代りに増田官房長官もそれを受領いたしまして、閣議にこういうような決議が運輸委員会から出ておるということは紹介し、これを話題に上せております。
  110. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 本多国務相にお尋ねしたいと思います。村上先生との間において詳細な論議が盡されたようにも見えるのでありますが、尚私共何か知らんその間に割り切れないものを感ずるのであります。詳細なことは、村上先生の御質問を引用させて頂きますが、参議院においては運輸委員会において大事に大事をとつて、九月の十三日にはこういうような決議をして、そうして本多国務相、運輸大臣に……、仮にこういう決議がなくてもこういう点は十分に考えられなければならんのであります。然るにも拘わらずこの決議までお受取りになつていながら、全く国会の意思を無視するような態度に出られたということは、私共如何にしても了解ができないのであります。本多国務相の御答弁は誠に感熱鄭重を極めたかに見える、併しその内面に腹蔵するものに私は非常に遺憾なものを感ぜざるを得んのであります。国会というものの今日の日本国における地位ということについては申上げるまでもないのでありまするが、すでに政令を実施して、政令においてできるものは実施して、一連の関連のある本法律案を後にする、而もこれをどうしても通さなければならん、通して見せる、言葉を代えますればどうしても通すのだというような、若し通らないときはどうだというようなことを考えないで、とに角これを強引に通して見せるというような気持がお言葉の中に含まれておると私は考える、これは政府の答弁としては甚だ遺憾だと考えるのであります。なるほど民自党内閣は衆議院においては絶対多数をお持ちになつておる、だから衆議院は或いはそういうふうに行くかも知れないが、参議院までも自由に自分の意思通りになるというお考えは潜越ではないか、我々はその法案について愼重に審議を重ねておる、又政府が国会に出された法律案というものは、政府自身としてはこれをどこまでもお通しになるという熱意をお持ちになることは当然であります。併しながらその反面においてやはりこの法律は、或いは国会の審議を参議院において否決されるかも知れない、全般的に否決される運命にあるかも知れないということもお考えにならなければいかんじやないか。こういうような思い上つた考えを持たれるということは、正に私は国会無視である、参議院を無視した態度であると言わなければならんと思う。政治というものは高い理念の下に謙虚な気持でやらなければならんということは常に感じておる。それを民自党の内閣の出方を見ると、ややもすれば高圧的に出られておられると思うのでありますが、これは誤りである、政治を毒する考えであると思うのでありますが、詳しくはもう時間もありませんから申しませんが、こういう気持を私が持つておるのであるが、その点について一つ腹蔵なきお考えを承つて見たいと思います。
  111. 本多市郎

    ○國務大臣(本多市郎君) 本案につきまして通して見せるなどというような気持を又持てる筈もありませんし、そういう考えは持つておりません。通して見せるというような考えを持つ方法もないわけであります。どこまでもこれは一体として移讓した方が行政運営の上においても更によいと思いますので、是非通して頂きたいと考えております。今日こういう関係にある事務でございますので、これは必ず御了解願えることと期待しておるのみでございまして、その通らなかつた場合にはどう考えるかということにつきましては、これはこの際その答弁は御遠慮申上げて置きたいと思いますので、どうか一つお通し下さるようにお願いいたします。
  112. 板谷順助

    委員長板谷順助君) ちよつと両大臣を至急に外の委員会から呼びに来ておりまするので、本案に対する質疑はこの程度で止めておいて、更に適当の機会に継続することとして、運賃改正法案質疑に移りたいと思いますが、如何ですか。
  113. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 それではこの法案は国会として重大問題でありますので、今日はこれ以上やらずに、各自会派に持ち帰つて相談して愼重を期した上で……。
  114. 板谷順助

    委員長板谷順助君) そういう意味で申上げておるわけで、結局これで打切るわけではありません。それじやそういうことを御了解願つてよろしゆうございますか。それでは諸君に申上げますが、身体障害者福祉法案につきまして、これは厚生委員会に付託をされましたところが、厚生委員会かち合同審議をしたいという申出がありまするので、今日は到底駄目だから、それで明日どうかということを言つて来ておりますが、どう計らいましようか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  115. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それじや適当な時間をこちらから申出るということにして、それじや運賃法案に対する質疑を継続いたします。
  116. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 大臣の御出席を願いたいと思います。
  117. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 大臣は今何か御用で行つてるそうですが、外の政府委員の方でよろしければ御質疑を願いたいと思います。どうか一つ質疑をやつて下さい。大臣は間もなく来るそうですから。その外政府委員に対する御質疑がありましたら………。
  118. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 私は数回に亘つて大臣並びに政府委員に、この法律案について質問を継続しておるのでありますが、大体において、質問の要旨は十分にお分りになつておることと思います。極く簡單にもう一遍申上げますが、例を木材に取つて申上げますが。木材のみではない、木材に類するような石炭、それから亜炭というようなものも含むわけでありますが、ここでは木材について例を取つて申上げて見たいと思うのであります。  先船運輸大臣は、木材の運賃の比率について御答弁があつたのでありますが、私共と些か違うのであります。仮りに違わないといたしましても、あの比率というものは平均キロであります。つまり三百キロ以内のものを示されたのでありまして、その他のキロについては月下調査資料を御提出下さるようにお願いしてあるのであります。木材は、現在においても非常に不況な状態に追い込まれております、マル公を二、三割下廻つて取扱われておる。生産県においては、相当に手持ちを持つておる。私共の南九州の鹿児島においても、百万石くらいのものを持つてつて、この売込みに、今東京方面にそれぞれ関係のものが参つておりますという状況でありますが、この間に、法案が通つて、このまま実施されるということになりますると、殆んどこの山代がただになる、木代というものがただになり、尚更に足を出すということになるのであります。これでは全く製材業というものは潰れなければならない。先般本委員会貨物運賃値上げ反対に関する陳情の方々が見えたのでありますが、この反対陳情の構成団体というものは、全国木材連合会、全国森林組合連合会、日本販売農業協同組合連合会、その他十二団体であります。そうしてこの委員会に来られて直接陳情を行われたのはその代表者の四団体でありまするが、全国木材組合連合会長の松浦氏から詳細に陳情の趣旨を述べられた通りであります。殆んど現在三八%の生産者というものが転廃業をやつておる現運賃でいつても恐らく本年の未までには更にそのぐらいの転廃業があるだろう。ところが只今八割値上げの案が実施せられるということになると、殆んど全滅だ。全国二十万の業者、これに從業員の家族を含めて千二百万人という労務者というものが殆んど職を追われるということになる。一面敗戰国の復興を阻害し、その他森林の造成、或いは治山、治水等にも影響があるということを非常に熱心に御陳情になつたのでありますが、全くその通りであります。でありまするので、私共陳情の趣旨を十分に納得したわけでありますが、併しここで予算と関連を持つところのこの法案を否決するかどうかということについては、これは我々議員として十分に考えなければならんのであります。そこで何かここに窮通の途を考えて頂くことが妥当であると思いまして、この前村上先生からもお話がありましたが、私共の考えといたしましては、先ず等級を下げて頂くということ先ほど申しました容積が広い木材、石炭というようなもの、その他いろいろありましようが、そういうものについて等級を下げて貰う。衆議院のお話によりますると、現在木材は六級になつております。この六級を仮に百といたしますると、十一級に下げると五六%になるということであります。そういたしますると、等級を下げて貰いますと、結局八割値上げをしても、そう影響はないということになるのであります。その他又遠距離逓減の方法等もあろうかと考えまするが、これらの点について、政府当局の、特に運輸大臣の腹蔵ない御意見をお伺いしたい。このままどこまでも独立採算性の建前で割引もしない、等級も変えないということになると、遺憾ながら我々はこの法案には賛成できない、私は民主党でありますが、民主党の決議といたしましても、これは考慮を拂わんということになると、結局残念ながらこれに反対しなければならんという空気になつております。そういうことになりますると、非常に予算の上にも影響を来たすこととなりまするので、私はやはり、これは窮通の道として等級を変える、而も早急に等級を変える、等級を変えるまでに、若し多少の時日があるならば、この法案実施と同時に遠距離逓減の方法考えてやるということでなければならんと思います。政府はこの鉄道独立採算制の建前からどうしてもそういうことは困難であらうというお考えもあるかも知れない、ところがこの運賃値上げが実施されるということになりますると、実際においてこれは運送はできない。木材にしても、その他のものにしてもできないということになる。元も子もなくなるという勘定になるのであります。遠距離逓減によつて運賃の等級を下げるということになりますと、少くとも今日の運賃收入というものは息ができる。これをそういうことも考えないで強行するということになれば出ないということになる。これは見易き道理だと考えるのであります。一つこの点について運輸大臣の誠意ある御答弁を願いたい。私共全く真心を以てこの質問を申上げておるので、それができなければ、遺憾ながらどうしても自分の党においても、この問題を十分に考えなければならんというところまで来ておるという私共の苦衷も一つお察し願いたいと思います。
  119. 大屋晋三

    ○國務大臣(大屋晋三君) 前之園君にお答え申上げます。只今あなたの本法案による運賃値上をいたしました場合に起るであろういろいろな影響、特に木材を例示いたしましての御意見には誠に同感の意を表する次第であります。なかんずく特に御指摘に相成りました御質問のこの等級表の点につきましては、お説の通り民間の各方面の専門家を以て現在の等級表が実は相当前に制定いたされましております関係上、かれこれの釣合いというような点につきまして現在アンバランスになつておるものもございますのは事実でありますので、各方面のエキスパートに、一つこの等級表の調整を審議いたして貰うようなことにいたしまして、その結果を来年度、即ち来る四月一日からその結果に従いまして新等級表を以てこれが実施をいたしたいと、さように考えておる次第であります。尚又この木材その他の重要なもので、今回の八割値上の措置によりまして、著しく影響があるというような種類のものにつきましては、何らかの措置を講じまして、その影響の軽減に努めたい、而してこの措置は四月一日に至るまでの……。本年度直ちに一月一日から三月三十一日に至る間におきまして全体的には本法案八割の値上を御可決願いまして、そのうちに木材その他の品目につきましては、特別の考慮を拂いたいと考えておりますので、さように御了承を願いたいと考えております。
  120. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 等級の改正について、委員会をお設けになるというようなことは、誠に当を得たことだが、一体いつ頃それをやるおつもりであるか。
  121. 大屋晋三

    ○國務大臣(大屋晋三君) それは本法案が可決願えましたならば、直ちに人選に著手をいたしまして、その結論が来年度の四月一日から実行できるように、間に合うようにその審議を整備いたしたいと考えております。
  122. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 大体運輸大臣の御答弁で分りましたが、私共の強く要望いたします、これは村上先生と私が発言いたしておりますけれども、委員の方の大部分の御意思でもあるように考えるのであります。それでありまするから質問の趣旨をよくお汲み下さいまして、少なくとも木材その他の容積のかさばるものに関しましては、大幅の遠距離逓減その他の御考慮をお願いしたい。尚又この等級表の改正に当りましても、当然只今申上げましたようなものについては、等級を下げて行くという方向に向つてお進めを願いたい、無論それぞれの専門の方々がお集まりになることと思うのでありまするけれども運輸当局の意思として強くそれをお考え願いたいということを、私は最後にお願い申上げて置く次第であります。
  123. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) 御趣旨了承いたしました。
  124. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 外に御質問がありましたら御質問下さい。
  125. 内村清次

    内村清次君 鈴木君はちよつといないようですが、併し………。
  126. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 今呼びにやりました。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  127. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは速記を始めて下さい。それでは本案に対する大体の質問が終了したものと看なしてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは各派の態度を決める必要がありますから、暫時休憩いたしまして五時半から再開することにいたします。    午後四時十四分休憩    —————・—————    午後五時三十八分開会
  129. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより休憩前に引続き会議を開きます。
  130. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 いろいろ質問したいことがあるのですが、大体答弁の重複の点もあるかと思いまするからあらかじめその点をお断りして置いて御質問申上げます。先ず第一に申上げたいのは、この赤字算出の根拠です。赤字算出の根拠に当りまして、私共が月額調査表によつて調査しまするときにおきますと、当局から出されておる八月を限度としての收入見込月額の表が理解の行かない点がありますので、この点を先ず第一点に御説明願いたいと思います。
  131. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 赤字算出の件につきまして、赤字と申しましても今度の場合におきまする赤字は、これは支出増加いたしました赤字ではございません。勿論予定以外に支出増加いたしました分が相当あるのでございまするが、その点につきましては別に経費節減を行つて、これに対応しておりますことはすでに御説明申上げたところでございまするが、その外石炭寒冷地手当の約十億、これは別途補正予算を以ちまして支出増の項目として挙げております。併しながらその反面、これに相応いたすほぼ見合います金額を、石炭費において節約いたしておりまするので、支出総額といたしましては、当初予算に若干極く微少な減があるだけでありまして、殆んど当初予算支出は変りございません。從いまして赤字と申しますのは、一に收入が予定に達しないということでございます。予めこの点を御了承願つて置いて御説明申上げます。收入につきましては旅客收入が当初予算におきましては七百八十一億一千八百万円でございます。でこれに対しまして今回補正予算として旅客收入修正いたしました額は六百九十三万九千百万円でございます。その間八十七億二千六百万円の減少貨物運賃はこれは当初予算が三百三十五億九千六百万円でございます。これに対しまして補正予算におきましては、三百九十三億七千六百万円になつております。貨物收入につきましては、五十七億八千万円の増加でございます。この増加の中五十四億六千九百万円は、一月一日より貨物運賃を八〇%値上げする、即ち只今審議を願つております運賃法案改正の結果としての見込みでございます。残りの三億一千万円は、これは当初予算に比して現行賃率におきまして見込み得たところの増加でございます。この増加は何故に当初よりも増加したかということでございまするが、これは一に貨物の平均輸送キロが、当初予定いたしましたキロよりも延びている、縫いましてトン数においては若干減少いたしておりまするが、トン・キロにおきましては、増加しておるという点が原因でございます。  その次に雑收入でございまするが、これは当初予算におきまして、三十四億八千八百万円を計上しておりまするが、補正予算におきましては、三十二億七千七百万円、二億一千万円の大体減になつております。これを合計いたしますると、結局現行の賃率のままで起きますところの收入減の見込みが、八十六億二千六百万円になるわけでございます。この大部分が結局旅客收入で生じた、こういうことになるのでございます。然らば旅客收入收入見込みは何によつて算定したかということでございまするがこれは旅客收入のうち九月までの上半期の分は全部分つておりまするから、これは実績によりましてこの点は最早見込み違いというような問題は起つておりません。  上半期の実績は定期におきまして、三十二億六百万円、定期外におきまして二百五十一億三千九百万円というのが、ほぼ確定した数字になつております。問題は結局この下半期でございます。十月以降の分について如何なる想定をしたかということでございまするが、十月以降につきましては、この予算を編成いたしました、極く最近までの十月二十日までのこれは取扱い收入の実績を見たわけでございます。十月二十日までの取扱い收入はこれは各鉄道局より二、三日遅れまして実際の数字が上つて参りまするから、この取扱い收入の基礎となつております乗車人員、各駅の乗車人員の報告を取つたのでございます。併しながら、この乗車人員は純粋に国鉄收入となる輸送人員と多少異なつております。御承知のように共同使用駅におきましては、社線に乗つて社線で降りてしまう社線オンリーの旅客の切符も発売いたしております。これらの取扱い收入は一応收入といたしまして、人員並びに收入が上つて参りまするから、それはその誤差があるわけであります。この誤差は、大体におきまして多年の経験によつて、多年の実績に基きまして大体一定の比率を掛けて推定の場合は引き直すことにいたしております。この十月二十日までの輸送人員の推定を出しまして、そうしてそれを十月一日平均を取りましてこの一日平均を以て十月一杯の全体の数字と仮定したわけでございます。そこで今度は十月以降の推定でございまするが、御承知のように旅客というものは月別にその波がある。そして例えば四月五月は非常に旅客が多い、六月、七月は梅雨、或いは農繁期という関係で落ちて参ります。又八月は旅客の非常に出盛る時期でありまして九月が落ち、今度は十月に又多少出廻る、こういうようなことで、月別の波動がございます。この波動を昭和十一年から二十年までの数字を以てその実績に基く平均指数を出します。そうしてその平均指数を十月を百とおきまして、十月以降の指数を出しまして、それに只今の十月の実績を当嵌めまして、各月の実績を算定いたしました。これは戰争前の姿でございまして、而も多少旅客の統制その他異常な原因もありまして、その平均波動を使うということについても、全然それにより難い点もあるかも知れない。そこで今度は昨年度の上半期と下半期との割合を見たのであります。これは一番近い年度の上半期と下平期の割合も、これも相当参考になりますし又昨年の輸送事情等に鑑みますると、大体におきましてそれを本年に併せ考えて差支えないんじやないかという点も併せ見まして、この二つの方式によりまして、十月以降の運輸数量、乗車人員を推定いたしましてその両者の和の平均をとつて旅客人員を決定いたしたわけでございます。  で、今度その人員に対しまして、一人平均幾らになるかということでございます。これは御承知のように本年五月の運賃改正以降非常に平均乗車キロが短縮して参りました、従いましてそれを元に考えなければならないと思うのでございます。そこで八月から十月までの実績によつてこれを計算いたしました。それが大体二十九キロ四分でございます。補正予算の材料には二十九キロ九分となつておるかと思うのでありますが、この五分の差は八月までの分、とくに四月におきますところの旧運賃時代の足の長いのが加つた結果、年度全体といたしまして五分だけ差かあるんでございます。十月以降の推定材料といたしましては、二十九キロ四分を使つておるわけでございます。それに対して今度は一人キロ当りの收入でございますが、これは六月から八月までの運賃値上げ後の安定した状態で、五月は御承知のように値上げ直後でございまして、いわゆる四月中に旅行の買溜めと申しますか、先に旅行したりなんかするという関係がありまして余り平均した数字とは見られませんので、六月から八月までの実績によつて一銭三厘八毛というものをとつたのでございます。こういう結果に基いて計算いたしますと、下半期がこれが定期におきましては四十六億五千九百万円、定期外におきましては二百六十三億一千四百万円ということになりまして上半期の実績と合せました合計が先程申上げました六百三十九億九千百万円となるわけでございます。只今私が申上げましたのは鉄道関係数字を申上げましたので、その数字はちよつとここに計算すれば出まするが表には出ておりませんが、只今申上げました六百三十九億は鉄道以外に自動車船舶、手小荷物、郵便物の料金が入つておるのでございます。自動車、船舶、手小荷物、郵便というようなものにつきましては金額も僅かでございますし、多少の情勢の変化によりまして收入減少がありましても、特にこの大きな全体の数字に響く程のものではございません。主として旅客の特に定期以外の数字が一番問題になるだろうと思います。その点につきまして只今特に詳しく御説明申上げた次第でございます。
  132. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 引続いて質問したいのでありまするが、そういたしますると一応当局で今説明になられたのはそのような状態でありますけれども、ただここで資料として出されていないので、恐らく慣例としてやられていると思うのですが、この実行予算実行計画の場合には、局長会議なり、課長会議なりを招集して、結局各局に配付をすると思うのです。このときの計画内容を少し聽きますると、実は今説明をなされた通りのように我々はちよつと受取れない点が多分にあるわけですが、こうした点とは少しも違つていないということをはつきり言うことができるわけですか。
  133. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 実行予算国鉄におきましても交付予算の範囲内におきまして、運用操作上、適宜これを決めて現場に落すわけであると思います例えば支出面におきましても、一定の予定されました支出年度内に起るというような見通しがありまする場合には、その分を保留いたしまして、そうして各局にはその残つた分を渡す、又收入にいたしましても交付予算收入が固いところであるといたしましても、又各局の企業努力と申しますか、増收意欲を増加させるために一定の努力目標を附けて、少くともこの程度收入を上げろというような指示を出すこともあるかと存じております。併し実行予算は飽くまで企業内部のことでございまして、本当の予算として間違いのない收支見込といたしまして御審議を願う点につきましては、只今申上げた通りでございます。
  134. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 その努力目標に向つて努力目標が十分達成されつつある。而も当局が発表しているものよりも、より実收額を推計より上げつつあるというような点について、いろいろ数字の面で聽いておるのでありますが、その点について何か……。
  135. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 補正予算を作りますには、その作るときまでに最も近く得られました数字、実績を得られるだけ得まして作つたのでございまして、従いまして只今質問のありましたようなことはないと存じております。
  136. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 では次にお伺いしたいのはこの一番初めですね。この間のあの賃金べースの裁定のときに、いつか調停委員会でしたか、仲裁委員会で四十億の金を出したということをたしか当局で言われたわけでありますが、この四十億というものはどういうところから出したのですか。
  137. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 御質問の四十億と申しますのは、おそらく基本給につきまして約十六億の予算上の誤差がある、当初予算基本給は非常に実際に支給している額よりも少い、又整理後の地域別人員構成、年齢構成或いは平均家族数等においても多少の見込違いがある。でその点で約十六億というものが違つておる。それから退職手当がこれも御承知の通り約二十二億五千万円ほど足りなかつた。この二つの費目を合わせまして約四十億に近い三十八億、その外にいわゆる物価の昂騰、鋼材及び繊維製品等の値上りによります予定以外の支出をしなければならん点がある、この四十億を捻出いたしますために主として石炭消費節約消費節約と申しまして、技倆上の努力による節約も多少ございます。それもございまするが、一番大きなものは御承知のように本年度のカロリー上昇による消費節約、それから公団廃止等に伴います諸経費、中間経費節約できた、こういういろいろの要素で約四十一億程の予算節減をなしたわけでございます。この関係につきましては、先程の委員会にたしか飯田委員からの御質問に対しまして、数字を詳細お答えいたしたと思うのです。そのことを仲裁委員会、或いは調停委員会で以て国鉄の方から提示しておるのではないか、かように考えましたのであります。
  138. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 それでは先種御説明なつたかも知れませんが、一応ちよつとその点に触れてお尋ねしたいのは、公団廃止なつた結果、諸掛り、経費というものが相当浮いて来ておるわけですね。六百五十円から諸掛りがかかつてつたのですが、こうしたものは全然なくなつたということになるわけですか。
  139. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 数字を後ほど申上げますが、全部なくなつたわけではございませんで、或る程度販売者のマージンというものは認めております。一人につき四百十五円の節約ということに計画いたしております。これは尤も下半期、公団廃止以後の分でございます。
  140. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 最初お尋ねするべき性質のものかもしれませんが、お尋ねしたいのは賃金を上げた結果、その物価の中に占める割合はこの数字の中に出ておるのでありますけれども、曾て旅客運賃を上げた当時の時代と違いまして、今日の実情におきましては、これは直ちに物価に影響するという面はインフレ時代とは少しは違つて来ると思うのでありますけれども、いわゆる生産者に非常に横這い的に掛つて行くというような点についての、数字はまだ提出されておらないようですが、そうした点についても何か数字は出して貰えるのですか。
  141. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 御質問の趣旨を、或いは誤解しておるかとも存じまするが、おつしやるように、運賃値上げすれば、消費者が負担するか、生産者が負担するが、或いは流通過程におきまして、中間取扱業者、卸業者なり、販売業者なりが負担するか、いろいろの形があると思うのです。従いまして私共の方で、お手許に差上げました数字は、運賃が掛らない前の、いわゆる生産者価格と申しますか、それに対するパーセントをお示ししておるのでございまして、消費者価格の中に入つておるパーセントではございません。從つて、その程度の、御覧願いますどころのパーセントが、結局全部生産者が負担するといたしましてその程度である。況んや、これがある場合におきましては中間業者の間に、流通過程において吸收される。そして或いは場合によりましては、原材料のごときは、ある程度消費者に、消費者価格となつて、吸收されることもあると思うのです。併しながらこれは結局国民経済に入つて来るまでには、第二次製品、第三次製品というような高次製品の形に変つてつて参るのでありまして、その際におきましては、相当いろいろの生産過程を経るし、又販売過程も経るのでありますけれども、その間におけるいわゆる企業上の努力によりまして、殆んど吸收することができるのじやあないか、もし消費者において負担するというわけに行かないという筋合のものは、そういうふうになるのではないか、まあ大体かように私共考えておる次第であります。
  142. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 ちよつと質問の点も、私の言葉も足りなかつたのですが、一面考えて頂きたかつたのは、御承知のように今、有効需要の関係で、非常に何といいますか、消費者関係でなく、業者としての、業者圧迫になる、商工業業者の圧迫になるという点が非常に強いと思うのです。それは消費価格というだけでなくして生産者を……、もしくはそのものをいろいろの面で圧迫するというようになるように考える。つまり有効需要が国民の需要に応じてどんどんやつておるときであれば、それはただ生産者を通じて、直ちに物価ということになるのでありますけれども、そうでなくして有効需要として限定されておるような今の時態においては、いわゆる商工業者に対しまする、業者に対する別の面での圧迫が加わる、こうした点を相当考慮に入れているのかどうか、そういうことも質問に含めておつたつもりでおるのですが、このような点についてはどういうようなお考えを持つてつたのでありますか、
  143. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) 各種品目の生産なり、配給統制が逐次撤廃されて参りますと、どうしてもここに自由競争と申しますか、企業努力による競争によりまして、良質の商品を安価に生産し、販売する業者が有利となりまして、そうでないものが不利となつて来るのは、誠に止むを得ないところであると考えております。この鉄道運賃値上りにつきましても、先程申上げましたようなパーセントから申しますと、この企業者の御努力によつてある部分は生産者に、ある部分は販売業者に、又ある場合には消費者価格の中に織込まれて、而も最終的には国民経済に左程の影響もなく吸收できる、かように考えておるのでございますので、国有鉄道運賃を以ちましてすべての商工業者が立つて行くように競争しなければならないという筋合いのものではないかと思うのでございます。殊に鉄道自体が一つ企業でございまして、これを適正な、而も適正よりもやや低く目の貨物運賃にまで引上げることによつて、この企業の独立を維持して行くということは、これは先ず第一にやらなければいかん、鉄道が先にへばつてしまつては、如何に各種産業に対しまして、これを補強する、増強する、助成するといつても、何の役にもたたないことになるんじやないかと考える次第であります。
  144. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 いろいろこの資料の中にありますのでこの前、旅客運賃値上のときにむしろ当局が失敗しました。利用減に対するパーセントを扱つたことにありますが、今回は貨物としては大体三%出しておるようであります。これに対しては自信をもつて出されたとは思いますけれども、それに対する或る程度の根拠ですね。
  145. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) この点につきましても、先程の委員会におきまして詳細御説明申上げたのでございまするが、私共も輸送量減少ということにつきましては、二通りの観点があると思うのでございまして、一つは経済事情がどうなつて行くかということでございまして、一般的な経済事情が下向いて、生産が全体的に減少して来る、有効需要も減つて来る、そういうような情勢下にございますると、その意味におきましてこれは貨物の動きが少くなる。この場合は運賃が値上になろうとなるまいと私はほぼ変りないと思うのであります。今一つの問題は結局運賃の賃率が上つたことによりまして、特に海運なり、或いは近距離の貨物におきましてはトラックなり、そういう併行なる競争といいますか、併行の運輸機関に荷物が転換して行くということが、利用減の大きな問題ではないかと思うのであります。旅客輸送利用減の誤算をだしました原因につきましては、これは誠に申訳けないのでありますが、第一の点の経済情勢の変化と申しますか、そういう点についての見通しが極めて当時といたしましては困難のために、甚だ申訳けない結果になつたんだと思うのであります。この貨物利用減につきましては旅客と違いまして、結局生産がどうなるかによつて決定する。動くべき貨物がある、輸送を要請いたすべきものがあるかどうかが大きな問題であると思うのであります。その点についてこの本年度のいわゆる均衡予算に基きますデイスインフレ的の傾向は、或る意味日本経済に対する荒療治でございます。この荒療治が一応今年の上半期におきまして、最も痛いところを、時期を過した、今後はこの手術の回復によつて経済が安定して行くというようなふうに私共は信じたいのでございますし、又そうなくてはならんと思うのであります。そういうふうに見て参りますると、来年度、今後の貨物の動きを要請いたします量というものは、これは全体的には減るということは考えられる。むしろ、多少増加して行くのではないか、こういうふうに考えるのであります。この点は下半期になりましてからの国鉄貨物輸送の要請、在貨状況を見まして、相当上昇になつて来ておりますので、この傾向が続くのではないかと思うのであります。そういう前提の下に立つて利用減考えまするのは、やはり海運と、トラツクの転移を考えるべきではないかと考えます。その海運と、トラツクとの転移を賃率の比較によつて検討いたしまして、まあ海運につきましては大宗物資であります石炭、鉄骨、鋼材、これは具体的の調査をすることができるのでありますが、トラツクにつきましては五六百の近距離貨物でございますので、極めて漠然たる推定、概数的の推定しかできません。両々相侠つて少くとも月二十万トン程度づつ、結局年間にいたしますと四百万トン内外の転換があるのではないか、これは大体一億三千万トン、ペースと考えますときに、約三%に当る。かような推定をいたしておる次第でございます。
  146. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 質問が重なるかと思うのですが、いろいろこの交通新聞が何か出ておつたようでありますが、貨物のこのような運賃値上げの結果、いろいろ個々の物資について非常に都合が惡い結果が起きて来るだろうというので、何か当局では考えているようなことを……、等級別に考えているようなことを言つてつたのですが、この点についてはすでに御考慮拂つておるのでありますか。
  147. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) その点につきましては、先程の委員会におきまして、前之園委員の御質問に大臣が御自分で御答弁になつているのであります。その趣旨を要約してもう一遍申上げますると、現在の貨物の等級につきましては、これはまあ大体において各品目の均衡を見て作つてあるのであるが、併しこれは何分にも戰争前から作つているのであつて、今日の情勢では多少バランスを失しているものもある、從つてこの運賃値上げの八割上げを御承認願いまして、早速部外の極めて有能なる專門家の方々にお願いをいたしまして、十分調査研究して、そうして最も合理的な新等級表を作りたい、これは来年度から実施することにいたしたい、尚それまでつまり一月から三月までの間におきまして、木材その他の二、三物資につきまして、この貨物運賃値上りによつて或る程度の打撃があることは事実であると思われるような、而も国民経済上欠くべからざる物資につきまして、何らかの措置を講じて、多少の運賃値上げに対します影響を緩和いたしたい、こういう意味の答弁があつたのでありますが、それを繰返して申上げてお答えにいたします。
  148. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それは君、さつき大臣の答弁はですね、この運賃法案が通過すれば直ちに民間の專門家を集めて、委員会を作つて改正に着手する、こう言つておりました。
  149. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) そういうことです。そのできたのを来年の四月から実施したい、その一月から三月の間はそれができませんから、その場合の暫定措置として、木材その他のものについて暫定措置も考える、こういう意味でございます。
  150. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 大臣は、できるだけ大幅に遠距離逓減を考えるかという質問に対して、そうする、こういう御答弁でございましたが……。
  151. 板谷順助

    委員長板谷順助君) そう言つておりました。
  152. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 これは前に質問したことなんですが、旅客運賃のことなんですが、旅客運賃は四月一日から改正する意思である、その内容は遠距離逓減をもう少し強化する、現在は二階段であるが、これを四階段に変える、そうするとつまりこれが実施されて、東京、鹿児島間が三等で千八十円になる、二等は三等の二倍、一等は三等の三倍にする計画であるという答弁をされたのですが、現在においてもこういう線で研究を進めておられるかどうかということを確認して置きたいと思います。
  153. 石井昭正

    政府委員石井昭正君) お言葉のように旅客運賃改正は今回は、本年度財源的に不可能でございますので、明年度通行税が一部廃止される、その結果、通行税を財源とするということによりまして、これは鉄道收入とは関係ないのでございますが、結局一般税收入減少でございますが、旅客に対しましては実質上の運賃の値下げになるということになりますので、その財源によつて、運輸審議会で答申がありました線に副つてやりたい。併しながらこの財源見通しが運輸審議会の答申と多少差がございますから、その辺は今後の研究によつてどう調整するかということでございますが、大体只今質問にありました方針でやつて参る予定でございます。ただ一等が三等の三倍とおつしやいましたが、この運輸審議会の答申は四倍でございます。
  154. 板谷順助

    委員長板谷順助君) よろしうございますか。外に御発議がなければ、これにて質問は終了したとみなしてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それじやそういうことにいたしまして、暫時休憩いたします。    午後六時十六分休憩    —————・—————    午後六時三十九分開会
  156. 板谷順助

    委員員(板谷順助君) それでは引続き会議を開きます。質疑は全部終了いたしたものと見なしまして、御異議ないものと認めまして、これより討論に入ります。先ず日本国有鉄道運賃改正法案議題といたしまして、御意見のおありの方は順次御発言を願います。
  157. 内村清次

    内村清次君 私は日本社会党を代表いたしまして、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対しまして、反対を表明するものであります。反対理由の第一は、国有鉄道及び海運事業は公共企業としての特性を持つものでありまして、運賃物価政策の重要な基礎を持つものであることは論を俟たないところであります。よつて貨物運賃は十分に経済政策物価との調整を考慮して決められなければならないのであります。勿論国鉄並びに海運運賃政府説明によるまでもなく、運送原価よりも遥かに低廉でありまして、国鉄赤字の主なる原因はここにあることは認めるものであります。併しながら運賃は先程申しました物価政策の基礎でありますから、運賃値上の影響するところは又多大なものがあるのであります。故に輸送原価負担能力の外に、広く一国の経済政策から考慮せらるべきであることを強調せねばなりません。このたびの鉄道運賃八割値上が目下デフレ不況に悩んでおりまする国内産業と、民生に多大の打撃を與える点をよく考慮に入れなければなりません。即ち運賃値上は当然公定価格の値上りを伴いまして、米価、ガス、電気料金その他公債の値上りに更に拍車を掛けることは必然的なことであります。一方給與ベースは改訂されず、倒産に瀕しておりまする中小企業、労働者大衆の生活の上に多大の影響を與えることは最も憂慮せねばならないところであります。それと同時にこの運賃値上を公債値上りに吸収いたしましても、一般産業は目下デフレ不況の下にありまして、有効需要は更になく、致命的な打撃を受けることは申すまでもないのであります。先般公聴会におきましても、切々たるこの窮状を訴えられましたるにつきましても、考えを及ぼさなければならないと思います。特に全国二百二十五万の林業関係、木材業を初めといたしまして、鉱石、砂利、バラス、亜炭、各農水産物関係等は、広汎な一般産業は全く衰退の危機にすら追込まれておるのであります。このように一般産業に大きな打撃を與える点におきまして、私は八割値上には反対せざるを得ないのであります。  理由の第二点は、日本の経済の現状から見まして、国鉄の独立採算はむしろ漸を追うて行うことが適切であると信ずるものであります。即ち国鉄の経理面から見まして、運賃値上は避けがたいものといたしましても、一国経済への打撃を軽減するためには、これを漸進的に計画的に行なうべきでありまして、特に今日の不況の下におきましては、運賃値上が却つて国鉄利用減となりまして、先の旅客運賃六割の値上の際におきましたるごとく、收入不定の事態さえ予想せられるのであります。  以上述べましたる主要な理由によりまして、日本経済の安定一平常化と睨み合せまして、計画的、漸進的な値上を主張するものであります。以上の理由を以ちまして、反対理由に代える次第でございます。
  158. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 外に御意見はございませんか。
  159. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 私もこの運賃値法案に対しましては反対する一人であります。理由といたしましては、ただ簡單に申上げますれば、先ず第一に申上げたいのは、今までも同じように、このような重要な法案、而もこの法案は御承知のようにこの前の六月の運賃値上のときに貨物運賃値上げするという一つ計画はあつた筈であります。御承知のようにその後七月、八月又今月までの間に幾度かすでに計画はされてあつた筈であります。関係当局ともその点については十分話合はつきつつあつたと想定できるにも拘わらず、御承知のように、会期切迫のときに審議期間というものをろくに與えずに、この問題を審議しようとする、このような行き方を今まで常日頃政府が取つておるというところに私が先ず反対しなければならない。なぜならば、こうしたようなことを我々参議院といたしまして、今まで認めておつて来たために、過日の定員法におけるところのような状態が起きたということも考慮に入るわけであります。どうか今後政府としてはこうしたやり方を絶対に避けて貰いたい。そうして又参議院の委員諸君においても、こうした点につきましては、そうした政府に反省を與えるだけの意見も開陳され、又態度も示して頂きたい。こういうことを私は委員諸氏にもお願いしたいのであります。これが先ず反対理由の第一であります。二つといたしまして御承知のように、公共企業体の運営は、最近に移行されたとは雖も、まだその後何らこれを合理化すれば八十億程度財源につきましては、出るということの目算も立つわけであります。然るに拘わらず、これを民主的な合理化の方には何ら考慮を拂わずいたしまして、いつも收入赤字が出れば、それを直ぐ大衆に転嫁する。或いは転嫁するというような方針をとつて来ておるようであります。その点を今後避けて貰いたい。それともう一つは、今運賃を上げるについては、なぜ反対しなければならないか。先程内村委員からも言われましたように、御承知のように、当局が三%の利用減を認めている。これの推定をとつている。その利用減を認めるということ、このことは、すでにデイスインフレを叫んでいる政府政策が、デフレにならざるを得ないということの見込からこうしたことをやつていると思うのであります。それにも拘わらず、施政方針の演説等においては、デイスインフレを盛んに叫びながら、こうした運賃値上げを、上げるときには、尚政府はどうしても利用減を起さざるを得ないだろうという推定の下に立つて赤字をここに算定するというような行き方に対して、私は反省して貰いたい。このような点を以て先ず反対の第二とするわけであります。  それで第三といたしましては、御承知のように、いろいろの当局から示されてありますところの資料によりますれば、資料の表面で見るときにおきましては、たしかに今後の推定、物価に影響するところの状態は、軽く見積られているようでありますが、インフレ時代の時の物価の影響と、デフレになりましたときの影響の型とは、全部、型そのものが違つて来るわけであります。仮に例えて言うならば、曾ての旅客運賃改正した十一年に比較して、あのときに今日の二・三%の物価に対する影響であつたといわれているにも拘わらず、今回四・一%を出しておられる。併しながらこれが二・三%を出したときの社会情勢と、それから今日の情勢とは全然比較にならない、ただ運輸自体のみを考えて言うならば、そのパーセンテージ自体は適正と、正当といえるも知れないが、物価のいろいろの面において影響するその運賃を今日考慮するに当りまして、当時の情勢と今日の情勢とを何ら考慮に入れずに、運賃を算定している。これをパーセンテージがこの程度であるというようなことを言われておることにおいても、我々は納得できないのであります。  いろいろまだ反対の理由も、機微に亘つてございますが、いずれそれは本会議でよく申上げることといたしまして、以上の点について、私は先ず反対の理由といたしまして、この運賃値上げに対しては、海陸運輸共に運賃値上に対しまして反対を表明するものであります。
  160. 飯田精太郎

    飯田精太郎君 私は緑風会を代表しまして本法案に賛成をするものであります。貨物運賃の値上につきましては、去る五月の旅客運賃値上の際に我我はむしろ原価を半分以上割つている貨物運賃の値上の方を先にすべきだというように主張して来たのでありますが、いろいろな物価に影響するとか何とかいう事情で旅客運賃の値上を実施されまして貨物運賃は触れなかつたのでありますが、その後経済事情その他の変化につれまして、今回貨物運賃値上げせざるを得なくなつたということは誠に遺憾であります。この貨物運賃の値上が一般大衆に対して非常な重大な影響のあるということを考えますると、できればこの値上案と同時に貨物等級表の是正を出して貰いたかつたのであります。インフレにより物価が非常に不均衡に騰貴しております現在の貨物運賃等級表というものは、現状から非常にかけ離れた不適当なものになつておりまして、今回この八割の値上によりまして、事業によつては成り立たなくなるものが相当あるように思われるのであります。從いまして我我としてはこの案に、国鉄独立採算制の点から、又国の予算收支関係から止むを得ず賛成するのでありますが、一般の影響に対してできるだけ公平な負担をするように、この際貨物運賃等級表を速かに改正して貰いたいということを強く希望するのであります。次のような要求事項を附して本案に賛成したいと思うのであります。要求事項といたしまして、一、日本国有鉄道貨物運賃等級表は貨物運賃改正に当り併せて検討するを適当と認むるので、政府昭和二十五年四月一日より新貨物運賃等級表による貨物運賃を実施し得るよう、速かに各方面の專門家を以て構成する審議会を設け貨物運賃等級表の調整をなすよう措置を講ずること。二、日本国有鉄道貨物運賃改正により木材、原木、その他著しく影響のあるものについて、政府昭和二十五年一月一日より前項新等級表の実施せらるるまでの期間その影響を緩和し得る暫定的措置を講ずること。この要求事項を附して賛成いたします。
  161. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 私は民主党を代表いたしまして本法律案に賛成するものであります。但し只今緑風会の飯田先生から要求事項を附して賛成するという御発言がありましたが、私も同様であります。重ねて申しませんが、同様の要求事項を附して賛成するものであると御承知を願いたいのであります。  尚第二項にありまする木材、原木等、その他影響の著しいものについては、運輸大臣が私の質問に対して、一月一日から適当なる措置を講ずる、という御答弁を信用いたしまして、確実に適当な措置を講ぜられるものということを確信して賛成するものであります。以上。
  162. 加藤常太郎

    ○加藤常太郎君 国有鉄道運賃法の一部改正する法律案に対しまして、民主自由党を代表いたしまして賛成の意を表したいと思います。  簡單に賛成の理由を申上げますと、この法律案を実施する場合は、今各委員から述べられた通り確かに現在の日本の経済状態から見て、我が国の物価に及ぼす影響は大なるものがあり、又国民一般の経済力負担の過重といろ点も確かにあると思いますが、一方鉄道独立採算制並びに鉄道收支均衡を図る点から見まして、現在の日本国有鉄道経営状態から見て万止むを得ざる措置と察せられます。万一この法律案を実施しなければ日本国有鉄道が壊滅に瀕し、延いては日本の産業の崩壊ともなりますので、止むを得ずこの法律案に対しまして我が党といたしましては、現在のこの法律案に賛成の意を表する次第であります。今緑風会並びに民主党各委員からの附帯事項に対しましては、我が党も同様の希望を運輸大臣に対しまして希望いたします。
  163. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 外に御意見はありませんか……。御意見がなければ討論は終局したものとみなします。  採決に入るに先立ちまして委員長として大臣に答弁を要求いたしますが、只今賛成の諸君は要求事項を附しての賛成であります。これに対して大臣から御答弁を願いたい。
  164. 大屋晋三

    ○国務大臣(大屋晋三君) 要求事項の趣旨を了承いたしました。
  165. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより採決に入ります。  日本国有鉄、道運賃法の一部を改正する法律案を原案通り賛成の諸君の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  166. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 多数。可決すべきものと決定いたしました。尚委員長の口頭報告の内容につきましては、慣例によりまして委員長に御一任願うことにして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  167. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 御異議ないと認めます。それから本案を可とされた方の御署名を願います。   多数意見者署名      飯田精太郎  加藤常太郎      高田  寛  早川 愼一      大隅 憲二 前之園喜一郎      村上 義一
  168. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 尚この際委員長として一言御挨拶を申上げますが、本案のごとき重要なる法案に対しまして、各位が長い間御審議下さいましたその御苦労に対して深く感謝をいたします。  尚明日午前十時よりいろいろ案が輻湊しておりますから委員会開会いたしたいと思います。どうぞ御承知置きを願います。本日はこれにて散会いたします。    午後六時五十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     板谷 順助君    理事            小泉 秀吉君            飯田精太郎君    委員            内村 清次君            大隅 憲二君            加藤常太郎君            入交 太藏君           前之園喜一郎君            小野  哲君            高田  寛君            早川 愼一君            村上 義一君            鈴木 清一君   衆議院議員    観光事業振興方    策樹立特別委員    長       栗山長次郎君   国務大臣    運 輸 大 臣 大屋 晋三君    国 務 大 臣 本多 市郎君   政府委員    運輸事務官    (大臣官房長) 荒木茂久二君    運輸事務官    (大臣官房観光    部長)     間嶋大治郎君    運輸事務官    (鉄道監督局    長)      足羽 則之君    運輸事務官    (鉄道監督局国    有鉄道部長)  石井 昭正君