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1949-10-29 第6回国会 参議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十九日(土曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  委員氏名    委員長     板谷 順助君    理事      小泉 秀吉君    理事      飯田精太郎君    理事      丹羽 五郎君            内村 清次君            植竹 春彦君            大隅 憲二君           橋本萬右衞門君            入交 太藏君           前之園喜一郎君            小野  哲君            高田  寛君            村上 義一君            結城 安次君            鈴木 清一君   —————————————   委員の異動 十月二十五日(火曜日)委員橋本萬右 衞門君辞任につき、その補欠として加 藤常太郎君を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国有鉄道法施行に関する調査の  件 ○観光事業に関する調査の件 ○調査報告書に関する件 ○本委員会の運営に関する件 ○陸運局分室措置に関する件 ○運賃改正に関する件 ○税制改革運輸交通産業に及ぼす影  響に関する件   —————————————
  2. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これより会議を開きます。先ず第一に休会中における継続調査事項につきまして專門員から報告をいたさせます。
  3. 古谷善亮

    專門員古谷善亮君) 継続調査事項一つであります日本国有鉄道法施行に関する調査の件につきましては、日本国有鉄道法施行に関して五月二十日に継続調査承認を得て、国会閉会中四回委員会を開き、政府当局を招致し、日本国有鉄道法施行状態、特に鉄道事業の高能率に役立つような公共企業体の会計を規律する法律案起草進行状態につき詳細に説明を聽取し且つこれを審議調査した。その結果政府側は第三国会において日本国有鉄道法審議の際における国会要望事項趣旨を尊重し、法律案起草に着手しておつたよう見受けるが、日本国有鉄道が新企業体としての責任体制を確立し、独立採算制の下に高能率を発揮せしむる為には、更に研究を要する余地があると思われましたので、これらの点につきましては当局の一層の研究努力を要求いたした次第であります。  次に観光事業に関する調査の件でありますが、運輸委員会は毎国会観光小委員会を設け、国際親普及び文化の向上並びに外貨の獲得のため必要な努力を続けて来たが、第五国会においては観光事業の振興に関する決議を行い、政府に対し適切なる措置を要求すると共に、五月二十日に継続調査の承諾を得、閉会中も両調査を続行し観光小委員会を開くこと四回、一に外客受入れのため真に緊急に必要なる施設、二番目に外客の斡旋、三番目に外客接遇、四番目に外客誘致宣伝及び第五番目には観光機関についての基本調査を行ないまして、政府及び日本銀行当局者を招致し右決議案に対する政府措置を質すと共に、観光道路整備及びホテル建設並びに改造に要する資金計画見返り資金運用大蔵省預金部資金運用及び日本銀行、市中銀行よりの融資問題等政府方針を聽取し検討を加え、その実現に努力いたしました。その結果次年度において若干観光道路予算化及びホテル建設並びに改造に要する資金融資順位引上げ等につきましてはやや曙光を認めましたが、他は未だ実現困難の状態にあります。併しすでに外客来訪本格的段階に立至つた今日その受入体制整備及び外客誘致宣伝強化は最も急を要する問題でありますので、次期国会においても引続き調査検討を継続したい考えであります。以上は調査の要綱であります。
  4. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 只今申述べましたる継続調査につきましては本院に報告せねばならんことであります。これはどう取計いますか。委員長にお委せを願うならばそのように計りたいと思います。
  5. 丹羽五郎

    丹羽五郎君 委員長にお願いいたします。
  6. 板谷順助

    委員長板谷順助君) よろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それではそういうことに決定いたします。それから多数意見者署名が必要でありますから調査報告書に多数意見者の御署名を願います。    多数意見者署名      小泉 秀吉  飯田精太郎      丹羽 五郎  内村 清次      大隅 憲二  入交 太藏     前之園喜一郎  小野  哲      高田  寛  村上 義一      結城 安次   —————————————
  8. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それからこの際諸君にお諮りいたしたいと思ひますことは、先の理事会においても大体の方針を打合せたのでありまするが、臨時国会並びに通常国会運輸省から提出される法案が約十一あります。このうち閣議決定をしたのは四件ありましで、勿論関係方面了解を得たのかどうか分りませんが、これにつきましては、委員諸君の中でできるだけ專門的の方がそれぞれ責任を分担して貰つて、予め一つ調査願うというように進んで行つた方が、審議するのに便宜ではないか、こう考えておりまするので、御異議がなければそれぞれ、希望事項のお申出を願えれば、別に小委員会を設けるという程度まで行きませんけれども、その計らいによつて審議進行を早めたい、こういうふうに考えておりますが、如何でございましよう。
  9. 内村清次

    内村清次君 その四件と言いますのはどれですか。
  10. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 閣議決定の四件は、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案船舶法の一部を改正する法律案通運事業法案日本通運株式会社法を廃止する法律案、この四件です。ちよつと速記を止めて……    〔速記中止
  11. 板谷順助

    委員長板谷順助君) では速記をつけて下さい。  それから次に陸運局分室措置に関するその後の経過はどうなつていますか、一つ説明して頂きたい。
  12. 牛島辰彌

    説明員牛島辰彌君) 私から陸運局分室のその後の経過につきまして御報告申上げたいと思います。  九月の十三日に当委員会におきまして、政令等によりまして陸運局分室事務地方庁に移讓するということは、国会閉会中であるから国会開会まで待つようにという御決議がございました。運輸大臣に対しましてもその点のお伝えがあつたわけでございます。政府におきましては、その後十月の二十一日の閣議におきまして、その問題につきまして事務手続を八月一日の閣議決定の線によりまして急速に進めるということに相成つたのであります。従いまして、その閣議決定において決められております通り政令或いは省令等によりまして地方庁に移讓し得る事務、すなわちガソリン、タイヤーその他の資材物調法関係事務省令によりまして、又車輌の検査であるとか登録というような事務政令を以てこれを地方庁に移讓することにいたしました。道路運送法改正によりまして、運送事業許認可等事務を若干分室において行なつておりますが、これは法律改正をいたすことによりまして移讓するということに決められまして、その事務を進めるということになり、更に二十五日の閣議におきまして、道路運送法改正法と、道路運送法施行令改正政令というものが決定に相成つております。政令等施行は昨日施行いたしましたが、十一月公布いたしまして十一月一日からこれらの事務地方庁に移讓されるということに相成つております。これに伴いまして地方自治庁受入れ体制からいたしますと、やはり政令を以ちまして知事直属陸運事務局を置くということに相成りました。その位置であるとか名称、分課等知事が規則を以て定め、現在の陸運局分室とほぼ同じ形で移管されるということに相成つております。政令移行事務移讓伴つて地方庁に移る地方事務官或いは地方技官という官名に変更さたる人員の総員は一千八十四名だと記憶いたしております。身分地方事務官又は地方技官となりますが、その人事権運輸大臣が行なうことに相成つております。法律改正によりまして許認可等事務が移讓されますと、更に約七百名くらいになるかと思いますが、これらの人員地方庁に移讓されるということになるかと思います。陸運局分室は十月三十一日を以て廃止することに相成りますので、十一月一日以降改正法律施行の日迄の間は、便宜上現在の陸運局事務所駐在員の形式で許認可等事務を執ることにいたさせまして、一般公衆に不便をかけないようにいたしたい、こう考えております。こういう結果に相成りましたが、二十五日の閣議におきましては、更に今回の措置に伴いまして閣議了解一つしておるわけであります。それは今回のシヤウプ勧告案によりますと、将来国家財政地方財政の間に明確な一線を劃さなければならなくなるわけでございまして、そういう場合におきまして甚だ変態的な地方事務官地方技官というような国家公務員地方庁におるということになりますと、この点が更に検討を要すべき点と相成ります。従いましてその場合におきまして今回移管されたところの職員に対しましての措置につきまして閣議了解をいたしておるのであります。即ち将来移管されました事務検討の結果国家事務であるということになりますれば、或いは又国家事務として行政をやりました方が適当であるということになりますれば、運輸事務官或いは技官ということに振替え得られる。それから又地方事務であるということになりますれば、これは地方吏員ということにしなければならなくなると思うのであります。そういう場合におきましても、たとえ地方東員になるという結論が出ましても、これらの職員はすでに国家公務員としまして、行政整理をやつた結果の人々でありますから、地方においての行政整理が行なわれましても、これと無関係として取扱つて行くということ、その他待遇等につきましても、現在の既得権を尊重いたしますように、別途細目を協定するというような閣議了解を取つております。現在事務は進みまして、省令等も本日公布する手筈を定めておりますが、自治庁関係事務所長、その他の人選を只今いたしておるのでございます。現在までの経過は只今申上げたようなことになつております。
  13. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 何かお尋ねありませんか。  念のために私から伺つて置きますが、先の国会において、十七の分室を置くということは、すでに本院におきましても決議なつた次第であります。その後政令を出すというような話を聞きましたために、これは穏やかでない、要するに将来国会との摩擦が起きるということは、できるだけお互いが避けねばならんということから、政令を出すことを止めたらどうだということで、この委員会においても決議の結果通告した筈であります。然るに今承わるというと、或いは政令そのもの違反でないかも知多ないが、国会を無視した、私は形のように思われますが、今お話政令の範囲も大体分りました、分りましたが、これは別にあなた方の方では違反でないというお考えであるかどうかということと、又今後道路運送法改正について、法律案をお出しになるということであるが、その内容がどの程度であるか、それを先す承つて置きます。
  14. 牛島辰彌

    説明員牛島辰彌君) お答えいたします。今回の政令が、道路運送法の第四條によりまして、権限のある官庁を指定しておるわけでありますが、これを法律改正によらずして、政令によつて権限委讓ができるかできないかということにつきましては、法律的にはいろいろの疑義もあろうかと存じます。政府におきましては、閣議におきましてこの点は政令によつて委讓がでさるという結論に到達したわけであります。道路運送法改正は、今回提出いたします法案内容は、軽車輛関係荷牛馬車、でありますが許認可等り準備でございまして、大体陸運局も、分室における事務の三分の一くらいのように相当しておるのじやないかと思われます。法案としましては、将来許認可等事務地方庁委讓するということと、都道府県知事が行いました措置につきまして、運輸大臣が、こ與に対し、取消し、或いは停止をするというような規定の二條から成つておるわけであります。道路運送行政といたしまして、許認可等事務と、資材その他の事務とは、やはり一体であることが望ましい、こういうふうに考えられます。
  15. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 如何ですか。
  16. 内村清次

    内村清次君 私はこの道路運送法意見がありますが、このいわゆる陸運局分室地方委讓ということは、根本的におきまして、委員会におきましても、全会一致で反対した問題であるし、先程委員長が言われましたような、いわゆる政令の発行につきましても、これも委員会で止めておるという事態であつた委員会自体はこの道路運送関係におけるところの自動車発達というものが一元化されて、全国的に或る水準に達するまでは、どうしてもこれは一元的に助長させなければなりない。而も亦そのうちに含まれているところの資材関係につきましても、相当統制して業界発達を促進させなくちやならんという関係もあり、今直ちにその水準に達しておらないのに、地方にこれを全面的に委讓してしまうということは、これは地方の自治体におきまして、非常にばらばらな、即ち状態が起きて来る。交通問題については地方では相当困難をしている。これは市町村民が非常に困難をしているに拘わらず、そういう実態をやはり助長して行かなくちやなちんということは、この点については根本的にこの委員会でも承認されて、道路運送法をまもつて行こうという空気でありまするが、それがいつかはなしに一つ一つ閣議決定だという名目で骨抜になつているという実態ですが、これは事務当局の方で、いわゆるこれを扱つている運輸省等事務当局におきましても強い反対意見があつた筈だ。これは国の達識あるところの地方の、即ち現在分室関係人達は、やはり人事の問題につきましても、業務の遂行の問題にも、これは本当に反対している。そういう実態を知りながらいわゆる今局長は閣議決定だから止むを得ず自分達はその閣議決定の線においてやつて行かなければならんというような非常に弱い考えでおらるるようですが、こういうよりなことが法令的にも今委員長が質問されましたような疑義があるのです。これはのちの機会に相当私は論議したいと思うのですが、疑義がありながらそれに従つて行かなければならんというような点について、私達は事務当局り本当の熱意が、一元的に発達させて行こうというような熱意の点について私は疑うわけです。同時に又委員会空気を、国会自体空気を付度しておつないような感じがいたしますのですが、そういうようなことであつたならば、これは国家事務の一元化というものは、将来において非常に自分達は危惧するわけです。内閣が変つて来れば、直ちにそれが内閣の即ちイデオロギーによつてすべて国家の再建の土台が、ぐらついてしまうというようなことになつて参りますと、国民感じの点におきましても、亦総体的に国の再興について非常に危惧があると思いますが、こういうような点について事務当局はどういうような今後措置をとつて行こうとするか、それを伺つて置きたいと思います。
  17. 牛島辰彌

    説明員牛島辰彌君) 今の問題は、只今お話がございましたように、今年初頭からの問題でございまして、陸運局分室に勤務している者、或いは陸運行政に携わる運輸省の者といたしましても一般業界の者といたしましても反対している。地方庁移讓につきましては賛意を表していないということは仰せの通りであります。併しながら前国会におきまして、運輸省設置法改正し、各都道府県分室を置くと、各都道府県と申しますか、改正いたしまして分室を置き得る規定を設けまして、その分室を置きました場合には、次期国会にこれの承認を求める。承認を得られない場合には分室を廃止するということに相成つたのでありますが、その後実際に分室を置くという段になりまして、先程簡単に申上げました八月一日の閣議決定というものができまして、各都道府県に置かれたわけです。その閣議決定によりますと十月三十一日までの間分室を置くということがあるわけでございまして、これを政府といたしまして最もこの閣議決定趣旨に忠実に実行をいたすということに相成つたわけでございまして、これが対国会の問題となりますと、どうも事務当局といたしまして、ここで御答弁を申上げるというわけにはちよつと行きかねる点も多々あると思うのであります。私共陸運行政に携つておる者といたしますれば、本年初頭以来の考えに少しも変化はいたしておりません。併しながらこの地方庁関係と申しますか、この方面におきましては、私共と見解を異にいたしまして、やはり地方庁事務が移讓されることを地方自治強化の名の下に、非常に強く要望しておるということも事実でございまして、各都道府県知事府県県会方々というような方々の強い主張もあつたかに聞いております。現に国会におきましてもそういう御主張も相当耳にいたしておるのでございまして、その点につきまして今回のような八月一日の閣議決定の線を実施するということに相成つたことを私共事務当局としましては、甚だ割切れない気持がいたしておる次第であります。
  18. 内村清次

    内村清次君 この道路運送法がこの委員会にかけられまして、これが可決するまでの間においては、委員方々はいわゆるこの法案によつて、そうしてそのいわゆる自動車業発達について本当に一致した熱意の下にこの法案を可決されたわけですから、その間つまり三ケ年の間において、やはり一つ発展過程というものが中央の統制によつてできておる。現在においては相当発展をしておる状態ですが、又この問題が地方移讓に話がなつて来ているというのは、現場は本当は混乱をしておる。これはあなた方がよくその衝に当つておられるから分つておられるが、これは人的方面におきましても、この業界自体の問題についても非常に混乱している。で地方移讓がこれは理論的にも或いはこの内閣の精神からしても、地方分権的な問題を発達させて行くということについても、一つのこれはやはり議論もありましよう。実際も亦それに伴うようなことも民主政治の今日としてありましよう。ありましようが、まだ現在地方においてはこれは全体的にそれを受け入れるだけの即ち体制というものができておらないところに混乱が起きておる。而もそれに携つておるところの人達国民サービス機関として、本当に模範的にこれに盡そうという熱意伴つて、業者の人達からも相当今までの即ち事務ですね。いわゆる自動車事務が前に地方にあつたときの状態とは本当に変つたものでなくして慕われておる。こういうふうに職員自体も現今の民主々義の状態を認識してやつておられるのです。それがもう現在混乱しておる。而も身分の点については、今回の行政整理とこれはひつ括めて導管関係においても行政整理が見られておるが、更にこれを地方移讓にして、そうして今あなたは閣議諒解が得られたとただ言つてそれをせられるけれども、これは又外の状態と同じですが、やはりそれは地方ではそういうことは構いなしに、やはり即ち地方分室に置かれる人達身分というものは全く不安定の状態です。そこにまあ人心の動揺というものが来ておるわけです。あなた方が閣議諒解を得たからして、だから今回の地方行政整理に対しては無関係だというようなことを言つて、一月かかり二月かかつて、結局やつておるということは、全く国家的にも、社会不安の今日の状態から言つても、取るべき措置でないと思う。これはどうしてもこの委員会におきましても、勿論本案の審議においてお互い態度は決するものだと思いますが、併し現在までの委員会空気はまさしく一体となつてこれは道管の方に持つて行こうというような空気でありますからして、この点については各委員というものは、相当今までの態度を変えずに行かれることだと私は信じております。この点についてもやはり事務当局において少し確固たる何と言いますか、覚悟で対処して頂きたいと思います。国家的見地からこの点を私は希望いたして置きます。
  19. 牛島辰彌

    説明員牛島辰彌君) 自分が非常に不安定だというようなお話がございましたが、この点について実際に移讓される人々に不安を起すといけないと思いますから一応この点だけ申上げて置きたいと思います。只今地方事務官地方技官と十月一日からなりますが、この地方事務官地方技官というものは国家公務員として運転大臣が全部人事権を持つておるのですから、この点は地方庁において行政整理ということがありましても、これはもう当然無関係であります。この点は心配はございません。ただ来年度以降におきまして、物調法関係で、物の統制が解除されて参りますと、統制資材関係に従事しております者につきましては、これは全部の各省を通じましての問題として、統制が緩和されるにつれての人の減ということは考えられると思います。ただ私申上げました閣議諒解は、将来シヤウプ勧告案の線に添いまして、地方財政国家財政との間に一線が明確にされるというような事態が参りましたときに、地方事務官或いは地方技官になつておる者が、万一稟議になるというようなことを想定して、閣議諒解を取つてありますから、この点は地方庁に今回地方移讓される人々に取りましても心配はないということを申上げておきたいと思います。
  20. 板谷順助

    委員長板谷順助君) どうですか村上さん。事務当局意見を求められてもこれは無理だから、何か委員会として御意見があるならば……
  21. 村上義一

    村上義一君 いま発言をお許し下さつたので……この問題は多々愼重考えなければならん点を包蔵しておると思うのです。その内容につきましても、今内村議員のお説の点、又その他についても幾多検討を要する点があると思うのです。又手続の点におきましても、ここに今御配付になりました法律案を以て移讓するという点については、手続上正当であると思うのでありますが、他に政令を以て移讓するという点がある筈であります。この点については法律上果して適法なりや否やということについて尚問題があると思うのであります。更に政治的に見まして、この問題が全国で十七ケ所分室を設けるということで、そうしてそれらの面においては具体的の決定は、愼重政府において検討の上決定するというようになつております。まあできる限りこれを拡張する、もとより拡張ということは、個々の分室については少数精鋭主義を取つて経費の節約その他に資するということはもとよりであるが、一分室で数府県を統轄するということについては非常な不便があるじやないか。たとえ小規模であつても、各府県に設置することが必要じやないかという議論も、本委員会においても、又他の方面においても熱心な御意見があつたように記憶しております。そういうことであつたのを、確か記憶するところによりますと、八月一日に分室を設置せられ、十月一杯でこれを政府は又廃止されるということは、政治的に見て頗るどうかと思われる次第であります。問この点につきましては、先刻内村議員お話のごとく、いろいろな点において問題が包蔵されておると思うのであります。今日は委員長只今お話のごとく国務大臣も見えておらないので、事務当局にいろいろこの問題を述べるということは適当でないと私は思いますので、他日に意見を、自分としても尚研究を要する次第でありますので、暫く保留して置きたいと思います。
  22. 板谷順助

    委員長板谷順助君) この問題は応承つて置く程度に止めて置きましよう。  次に運賃改正のその後の経過一つ報告願います。
  23. 紙田千鶴雄

    説明員紙田千鶴雄君) 運賃改正のその後の経過につきまして、簡単にお話を申上げたいと思います。  御承知のごとく運輸審議会におきましては、国鉄から申請されましたところの貨物運賃を八割値上げをいたしたいという案を審議いたされまして、貨物運賃はこれを九割値上げをいたしますことは海陸輸送の調整というふうな観点から、又国鉄のペイ・ベーシスの観点から考えまして妥当である。  又併せまして二十四年度の経済の変化に基きまするところの收入の減少を補填いたすというためにもこれが役立つのである。こういうふうな点を考えまして貨物運賃の九割の値上ということを考え結論が、中間的な方針というものが出ておるのであります。併しながらその九割の値上げの妥当といたしますその答申の中におきましては、旅客の運賃が水増し調整を要するところの点のあることを同時に考慮をされておるのでございまして、貨物運賃値上げによりまして得ますところの増收の一部分を割きまして、そういつた旅客関係の遠距離の逓減の関係を或る程度考慮いたしまして、又従来一、二等の運賃が三等の運賃に対しまして倍率が少し高過ぎるとこういつた点も多少の調整を加えました。尚又その他にも定期舞の割引率につきましても多少の調整を考慮いたす等の内容も答申になつておるのであります。運輸省といたしましては、この運輸審議会の答申というものを現在の段階から、諸般の情勢を考慮いたしまして妥当と考えたのでございまして、目下その意に沿いまして実現方につきまして鋭意努力をいたしておるような状況にあるのでございます。  簡単でございますが、現在までの経過は大体かような状態でございます。
  24. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 旅客運賃の問題について具体的にどういうふうな答申があつたかということを承わりたい、貨物の方は九割ということですが、具体的に数字を一つお示し願いたい。
  25. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それは例えば、貨物運賃を九割上げる、旅客運賃を二等は三等の二倍、一等は四倍というようなことを、どういう数字が出るかということをこの委員会一つ書類を出して貰いたい、それでなければ分らないから……
  26. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 大体答申の結論だけでよろしいのですが。
  27. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) 大体の細かい数字は後かち配付申上げることにいたしまして、答申の内容としております旅客運賃の値下げは、大体トータルの額におきまして三十億ちよつと切れる金額でございます。第一番の遠距離逓減でございますが、御承知の通り現在は百五十キロを境にいたしまして、百五十一キロ以上と百五十キロまでと二段階になつておりますが、それを四段階にするわけでございます。それで逐次逓減率を殖やして行く、こういうことになつております。例えば私の記憶が多分正確で間違いないと思いますが、今数字をちよつと持つて来ておりませんが、例えば鹿児島まで行きますと、現在ですと千六百二十円であつたと思いますが、それが今度の審議会の答申の通りにいたしますと千八十円、確か五百四十円の値下げになる、こういうことでございます。大阪辺でありますと、まだ距離がそうございませんので、二十円ぐらいしか浮きません。遠距離になりますと非常に安くなる、こういうことに相成つております。  それから二番目の一、二等倍率の引下げでございますが、これは御承知のように、戦前におきましては二等が三等の二倍、一等が三等の三倍、こういうことになつておりましたが、戦争中に上級車に乗るというようなことは、香ばしくないといつたような意味合からして、一、四、六という恰好になつておりましたのを、今度は二等を三等の二倍、一等を四倍、こういうことにする。  それから定期の問題でございますが、定期の問題に関しましてはいろいろ問題がございますが、御承知のように五月一日以後施行いたしましたものは、一ケ月定期を買いましても、三ケ月定期を買いましても、六ケ月定期を買いましても、割引率は全部フラツトで、同じでございますが、それを今度は三ケ月定期の額を、一ケ月定期の額を三倍したものの八割五分、六ケ月定期でありますと、一ケ月定期を六倍したものの八割、こういうことにしろ、こういう答申でございます。
  28. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 四段階というと、どういうふうに切るわけでありますか。
  29. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) 遠距離逓減です。一番最後が千で切るのでございます。その間のところ百五十と五百と千でございます。だから百五十までと、五百までと、千までと、千をオーバーとするものと……
  30. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 今朝の新聞を見ると、閣議決定で、貨物運賃九割は決まつたようなことが書いてある。まだ決まらんというようなことも書いてある。それから又安本が六割五分とかいうことを言つているが、その後の交渉はどうなつておりますか。
  31. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) それではちよつと速記を止めて下さい。
  32. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 速記を止めて。    〔速記中止
  33. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 速記を始めて。
  34. 大隅憲二

    大隅憲二君 旅客運賃のことですが、二等の定期券は発行するかしないか、若し発行せぬとしたならば、何かこれに対する方法を考えているか、こういうことをお伺いしたいと思います。
  35. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) その点は実は私、詳細に存じておらないのでございますが、後程関係者を呼びまして正確なところを御答え申上げたいと思います。
  36. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 次に税金問題についてシャウプ勧告案……説明員のどなたか状況を御説明願います。
  37. 荒木茂久二

    説明員(荒木茂久二君) 税制改革に関しまして、政府としてどういうふうなことで参るかということが、まだ確定いたしておりませんのでありますが、一応シヤウプ勧告案を読みまして、運輸関係産業においてどういう影響があるだろうかということを、一応シャウプ勧告案を基として考えまして、それで運輸省として、それに対する対策を考えまして、国内の関係方面に配付いたしまして、運輸産業に対する課税の不当な状態が起きないように、努力いたしておるわけであります。大体問題となり得る点を簡単に申上げますと、国有鉄道に対する課税の問題でございますが、この国有鉄道に対する課税といたしましては、原則として先に委員会で御決定を願つておりますものによりますと、国税はこれを課さない。地方税も特に日本国有鉄道法規定してございます鉱産税とか、木材取引税とか、遊興飲食税、遊興飲食税割といつた、そういつた消費税的なものを除いては課税しないと、こういう方針になつておるわけでございますが、シャウプミッシヨンの勧告、その他の関係からして問題になり得ると思われますものは、不動産税と附加価値税でございます。不動産税につきましても、附加価値税につきましても、国有鉄道の公共企業の性質というようなこと、その他の点から考えまして、これは課税すべきものではないと思うのでございますが、その額を計算してみますと、相当尨大な額になりますので、そうなりますと課税した額だけはそのまま運賃値上げということによつて賄わなければ、現在の国有鉄道の経理状態から尨大な税金は拂い得ないと、こういう状態になるわけでございます。大分折衝をいたしておりまするが、まだこれが課税しないということに確定されたということにはなつていないような状態でございます。  次は関係産業のことでございますか、我々として一応意見を申述べておりますのを大小のものを取混ぜまして、御説明申上げますと、先ず第一に法人税でございますが、この海運関係で船舶安全法の規定によりまして、船舶は定期的に強制検査を受けることになつておりますが、このために業者の表する費用を毎年度積立てておるのであります。この積立てでおる金を益金こしますと、これが課税の客体になりますので、これを損金とじて課税対象にしないようにして貰いたい。もう一つはこれと同じような意味合いにおきまして、自動車運送事業におきまして、三万キロ走るような整備をするわけでがざいます。それに要する準備金についても、船舶定期検査に扱うのと同じような扱い方をして貰いたい。こういう希望を持つておるわけでございます。二番目は海運の関係でございますが、海運は御承知のように景気変動が非常に激しいものでございますから、償却が当然なさるべきですが、景気重心いときは償却できませんので、償却が繰越になるわけです。そうすると繰越されたときにおきます償却金が、普通の償却金の額より多くなるのでありますが、その繰越償却を損金として課税の対象にしないようにして貰いたい。三番目は代船取得を條件とする保險差益に対する免税期間を現在は二年となつておりますが、五年に延長して貰いたいということです。  次は、第二番目は、資産再評価の関係でありますが、資産再評価につきましては皆さん御承知のように、非常にいろいろ各業種によりまして差異があるわけでございますが、陸運海運を通じまして、交通事業におきましては非常に大きな固定資産を持つておるわけでございます。而もそれが運賃を交通事業においては上げられないという制約を受けまして収益率が非常に少ないわけでございます。従つてそれをシヤウプ案の通りに再評価をいたしまして、それに六%の税率を掛けて三年分納ということになりますと、地方鉄道軌道を初め果してそれで事業が継続ができるかどうかというような危殆に瀕するような状態に陷りますので、我々といたしましては、先ず企業別に企業の実態に即応した課税率を定めて貰いたい。三年分納ということでなしにもう少し分納期限を延期して貰いたい。  それから不動産の稼働するまでは再評価を延期して貰いたい。又実際に使つていない未稼働の状態にあるものに対しては再評価を延期して貰いたい。原価償却済資産の再評価は残存価値以上に評価換えをしないようにして貰いたい。  四番目は、最高限度までの再評価を強制せず、且つ、固定資産の性質に対応した倍率を定めること。それからこれは大体認められておるようでありますが、陳腐化資産については特別の考慮を拂つて貰いたい。分納延期をやつて貰うと同時に株式、社債等による物納を認めて貰いたい。再評価につきましてはいろいろ実情が違いますので、再評価に関する委員会を作ります場合には業種別にやつて貰いたい。それに対しては海運なら海運、地方鉄道軌道なら軌道というように、その事業の実態のよく分つておりますところの人なり、所管官庁の者が必ず委員になつて十分運輸省所管事業の実情を酌み取つてその実情をよく認識した上でよく措置をして貰いたい。こういう希望でございます。  以上国税でございますが、次は地方税であります。御承知のように国税の面よりも地方税の面に最も大きな問題が存しておるわけであります。その中で先ず問題になりますのは事業税でございますが、事業税において附加価値として考えられますものが、交通事業におきましては一度に尨大な固定資産を作りまして、そうしてそれに材料費を購入するというようなことが極めて少なくて、いわゆる労力がそのサーヴイスの内容をなすというようなサーヴイス業にありましては、非常に不公平な過重な課税になるわけでございます。例えば紡績事業でありますならば、紡績の原棉を買つてそれに加工いたしまして売るわけでございますが、その原綿の代金はこれは控除されるわけでありますが、運輸業にありましてはそういつた材料に該当するものがございませんで、專らサーヴイスという価値を生み出すものが労力によるのでございます。その労力を控除しない、こういうことでございますから、いわゆる地方鉄道軌道というようなサーヴイス業において最も苛酷になつて来ると思うのでございます。この点を十分に考えて事業税を賦課するようにして貰いたい。これが最もシリアスな陸運界と言わず、海運界と言わず最も事業税がシリアスなものとして議論されております。  二番目は不動産税でありますが、この不動産税につきましても、尨大な土地を要する陸上交通事業におきまして、この不動産税が今度のような重い倍率になりますと大変なことに相成る、わけでございます。御承知のように地方鉄道軌道におきましては、現在軌道敷になつておるものについては地租は免税になつておりますが、そういつた制度は踏襲して貰いたい、こういうことを要望しておるわけでございます。  尚、船舶税でございますが、これも地方税になるわけでございますが、これも船籍港を如何に移すかというようなこと、その他技術上も非常に困難な問題がございますので、この船舶税を国税として独立せしめる、税率を制限して貰いたい、こういうことを要望しておる次第であります。  その他遊興飲食税に関し、揮発油税、自動車取得税、道路橋梁損傷負担金、その他いろいろな問題がございますが、主な点はそういう点でございます。特に我々が交通事業に対して心を悩ましておりますのは地方税たる事業税と不動産税でございます。この点につきましてはどうか運輸上の実態をよく御存しの皆さん万におかれましても、御援助をお願いしたいと念願しておる次第であります。
  38. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 只今私鉄経営者協会の専務理事である上林君、企画部長の藤川君がおいでになつて、私鉄の今の税制改革について陳情したいというお話がございましたから、この会を閉じまして懇談の席において一応聽たことにしてはどうかと思いますが、宜しうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     板谷 順助君    理事            小泉 秀吉君            飯田精太郎君            丹羽 五郎君    委員            内村 清次君            大隅 憲二君            入交 太藏君           前之園喜一郎君            小野  哲君            高田  寛君            村上 義一君            結城 安次君   政府委員    運輸事務官    (海運局長)  岡田 修一君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸事務官    (官房長)   荒木茂久二君    運輸事務官    (鉄道監督局国    有鉄道部財政課    長)      紙田千鶴雄君    運輸事務官    (自動車局長) 牛島 辰彌君