○石井
説明員 先ほど租税、
補給金削減等の問題に関しまして、いろいろ
数字をあげて、生計費が楽にならないじやないかというようなお話でございましたが、この点に関しましては、
安本、
物価庁、
大蔵省とも十分協議し検討いたしまして、その影響を判定いたしておるのでございます。もちろんこの判定に関しましては、シヤウプ勧告によりまする税制の全般的にわたる問題がございますが、さしあたり来年の三月までの確定した問題について検討をいたしておるのであります。地方税に関しましては、まだ確定いたしておりませんので、その影響は現在の
ところわか
つておりません。ただ私
どもの
立場といたしまして、できるだけ労務者の生計が楽になりますように、租税負担の軽減、あるいはまた
補給金に関しましても、影響がなるべく少いようにというような
立場から、従来いろいろ
意見を申し上げまして、その影響を判定しますとともに、これの緩和方につきまして、
事務当局としてできるだけの
努力をいたしておるような次第でございます。
まずこの三月までの
状況の推定を申し上げますと、いろいろ階層別にかわ
つて参りますが、所得税の源泉徴収額の改正による現行税の税引収入に対する税負担の軽減率というものが、年額五万円程度の独身者にいたしますと、〇・八%の軽減になります。八万円程度の独身者になりますと一・一四%、夫婦者で一・九五%、それから十二万円程度の収入になりますと、夫婦者で二・三八%、それから夫婦、子供一人がありますと三・五%、夫婦に子供二人ありますと四・五参%、それから十三万円程度のものになりますと、夫婦だけで二・一一%、それから子供一人の場合に三・五二%、子供が二人ありますと四・五一%、こういうような税負担の軽減になります。
それからまたいろいろ
間接税の改正あるいはまた廃止によりまして、
相当生計費負担の軽減が見込まれるわけであります。それを五万円程度の独身者に見てみますと二・〇九%、八万円の独身者にしますと二・二三%、夫婦で二・〇八%、十万円の夫婦で二・三%、それから夫婦に子供が一人ありますと二・二七%、十二万円程度でありますと、夫婦が二・三二%、夫婦、子供一人で二・三七%、夫婦、子供二人で二・二七%、十五万円になりますと夫婦で二・四六%、夫婦、子供が一人で二・四五%、夫婦、子供が二人で二・三七%。
それから
補給金の削減によりまして、主食あるいはその他の生計費の負担増加が見込まれます。これは
一般のやみまたは自由価格の
下落を見ませんで、
公定価格だけのもので見ますと、五万円の独身者で二・八五%、八万円の独身者で二・五四%、夫婦者で三・二七%、十万円になりますと、夫婦で二・九%、夫婦、子供一人で三・四七%、十二万円になりますと、夫婦で二・五九%、夫婦、子供一人で三・六%、夫婦、子供二人で三・五三%、十五万円でありますと、夫婦で二・三二%、夫婦、子供一人でありますと、二・六九%、夫婦、子供二人で三・九%。結局五万円の独身者で〇・〇四%の
負担軽減になります。八万円の人でありますと、独身者で〇・八三%、夫婦で〇・七六%、十万円になりますと、夫婦で一・九一%、夫婦、子供一人で一・九四%、十二万円の夫婦で二・一一%、夫婦、子供一人で二・八一%、夫婦、子供二人で三・二七%、十五万円は夫婦で二・二五%、夫婦、子供一人で三・二八%、夫婦、子供二人で三・七九%。これは自由価格の
下落というものを見ておりません。それから来年四月からのいろいろ税負担の
関係というものは、これからまたかわ
つて来るだろうと思
つております。こういうような
状況で、来年の三月までは下の方にはちよつと薄いのでありますけれ
ども、上の方には
相当の軽減になるということになります。
次にこういうように階層別に見ますと、あるいは平均収入家族に、C・P・Sにつきましては、割合負担の軽減になりますが、工業平均の
賃金取得者、あるいはそれ以下の者には負担の軽減が薄いわけであります。私
どもとしましては、これらの
生活の安定のために、いろいろこの税負担その他の
関係につきまして検討を加え、でき得る限り税負担の軽減になりますような
事務的な検討をしておるわけであります。なおまたこれに
関係いたしまして、労需物資につきましても、先ほどお話のありましたごとく、できるだけ労務川物資を確保いたしまして、
労働能率の増進ももとより、また生計費の裏づけになりますように
努力いたしておる次第でございます。価格の問題に関しましては、労需物資につきまして、できるだけ価格の低いように、いろいろ検討をいたしておるのでございますが、
公定価格はなかなかこれを引下げるわけにも行きませんので、中間のマージンその他の経費の節減というような
方法で、できるだけ安く労需物資が配給されるように
努力いたしております。また品質の問題に関しましても、主食は米麦を主食とし、また衣料品につきましては、全面的に綿を配給するようなことを考慮いたしまして、そういうふうに
努力いたしておるのであります。従来労務用物資の品質が悪か
つたというようなことがございましたが、今後は
相当当よくな
つて行くと考えております。