○齋藤(邦)
政府委員 私から最近におきまする
失業の
状況並びに先般の
国会以来、
失業につきまして
労働省としてと
つて参りました
措置等につきまして、簡単に御説明申し上げます。
まず最初に現在の
失業の
状況でございますが、これにつきましては、先般の
国会でも申し上げましたように、現在の
失業者がどのくらいいるかという問題につきましては、きわめて困難な問題でありますが、これにつきましては一、二の
資料がありますので、その
資料に基きまして御説明申し上げたいと思います。まず
失業の最も有権的な
推定といたして行
つておりますものに、
内閣統計局の
労働力調査なるものがあるのでございます。この
内閣の
労働力調査によります
失業者数を申し上げますれば、大体において四十万台を動いているのであります。この
労働力調査によりますると、本年の四月の
失業者数は四十三万であ
つたのでありますが、それが五月に四十四万、六月に三十六万、七月に三十八万、八月に三十五万、九月にちよつと上りまして四十七万という
数字に相
なつております。これはいわゆる
調査前一週間に就業しなかつた
完全失業者の
数字であるのでございます。なおこの
失業者九月四十七万という
数字は、完全なる
失業者の
数字でありまして、
内閣統計局の行
つております
労働力調査には、そのほかに
追加労働を希望するという
統計があるのでございます。この
追加労働と申しますのは、ある一定の時間
相当就業はしておりますけれども、さらに働きたい。
追加労働を希望するという者の
調査であるのでありまして、これが
一つの
失業の
様相を判定する上の
資料になるかと存ずるのでありますが、それを申しますと、
追加労働の
希望者は本年の五月に四十八万、八月には下りまして二百六十九万という
数字に相
なつておるのであります。この
追加労働希望者のうちで、現に三十五時間以上働いておりながら、さらに
追加労働を希望するというものから申し上げますと、三十五時間以上働きながら
追加労働を希望します者が、五月で二百六十六万人、八月で百五十五万人という
数字に
なつております。しかしながらこの三十五時間以上働いておりながら、さらに
追加労働を希望するのでありますので、これは
失業という懸念には入らないのでありまして、純粋の
家計国民生計の問題かと考えておるのであります。そこで三十五時間未満働いておりながら、さらに追加して、三十五時間以上働きたい。こういうものが、やはり雇用の面から申しますと、
一つの問題かと存ずるのであります。この
数字は五月で百十八万、八月で八十七万でありまして、約百万台を上下いたしておるような状態であります。この三十四時間以上働いておりながら、三十五時間以上働きたいという
追加労働の百万
程度の人がおるということ。この
数字は、必ずしも世間でいわゆる
潜在失業というふうなものではないと思いますけれども、一面こうした
様相のものがこの
労働市場におるということが、やはり
失業問題から申しますれば考えてみなければならぬ問題かと存じておる次第であります。しかしいずれにいたしましても
内閣統計局によりまする
失業者の
数字は、厳密な
意味において
——この厳密な
意味と申しますのは、
失業の定義につきましては、日本でもさまざま言われておりますけれどもこれは
世界共通の定義において調べたものでありまして、その
労働力調査によりまする
失業は、あくまで四、五十万
程度というのが現在の
失業の
数字ではないだろうかと存じておる次第であります。
次に、
失業の
統計を見ます上のもう
一つの
参考資料といたしましては、
公共職業安定所の
窓口に現われておりまする
様相であるのであります。この
様相を最近の五月以降について申し上げますれば、五月以降の
職業紹介の
状況は、
求人数は逐次
減つて参つております。これはもとより
企業整備等のあつた
関係もありますし、それから
有効需要が減少したこともありまして
求人数は減少の一途をたど
つてお
つたのでありますが、九月から
有効求人は多少ふえて参
つております。しかしそれにいたしましても、
求人数は五月に二十七万
程度ありましたものが、九月においては十八万であるのであります。これに対して
求職の方は、
新規求職は逐次ふえてはおりますけれども、
新規求職者よりも特に目立ちますものは、
求職者の再来がきわめて多く
なつて来ておるということであるのでもります。特に今年の二月、三月以来、逐次
企業整備が行われて参
つております
関係上、
失業保険の金をもらいながら、
職業の
紹介を申込みに来る者の数がきわめてふえておるのであります。五月と九月の比較を申し上げますれば、
常傭労働者の
再来者は、五月十四万のものが九月三十六万というふうに、約三倍近くふえて参
つておるのであります。これに対して、
先ほど申し上げましたように求人の減少と相まちまして、
就職の
関係はきわめて少く
なつて来ております。大体
就職は八万台を今日動いております。これは
常傭でありますが、毎月
常傭といたしましては、八万
程度の
就職を見ております。従いまして
常傭労働者におきましては、いわゆる未
就職者に終るものが、九月で申し上げれば約六十方であります。
日雇い労働者の未
就職者は九月八十三万であるのであります。これに対しまして、九月の
公共職業安定所の
窓口に現われておる未
就職者の数は、
日雇い、
常傭合せて六十九万、約七十万に
なつております。五月に比較いたしますと、五月は四十二万でありますので、二十七万、約三十万
程度未
就職者の数がふえておるのであります。この姿から
失業の数はどのくらいあるだろうかということでありますが、これもまたきわめて
推定困難な問題であります。御
承知のように
公共職業安定所を利用する
方々は、必ずしも
失業者には限
つておりません。また一方
失業者はすべて
安定所を利用しておるものとも言えないのでありますので、この未
就職者総数が
失業者だとも申せない
状況であるのであります。しかしいずれにせよ、
公共職業安定所の
窓口に現われております未
就職者の数は、五月の四十万から九月の約七十万にふえておる。こういう
状況に
なつております。
次に、
失業の
数字を調べます上の、もう
一つの
参考資料といたしまして考えられますのは、
失業保険の最近における
受給者の数の問題であるのでございます。
失業保険の
受給者の数は、本年二月以降の
企業整備のあおりを食いまして、逐次ふえて参
つております。
受給者の実人員で申し上げますれば、本年の一月に
失業保険金をもらいまして、その
最低生活をいたしておりました者の数は、わずかに三万五千
程度であ
つたのでありますが、それが逐次ふえまして、本年の四月になりますと六万人になり、さらに七月、八月、九月の
企業整備の
頂点時になりますと、その
企業整備の月から一箇月ほどずれて現れて参ることになりますが、七月が十五万、八月が二十方、九月が二十七万、十月には約三十万に近い数が、
失業保険の
受給者として現われて参
つておるのであります。従いまして
失業保険金の額といたしましても、本年一月にわずかに六千万円を
給付いたしておりましたものが、本年の七月に約四億、八月に六億、九月に約八億、十月に十億近い金額に相
なつて来ておるのであります。すなわち十月に
失業保険の
受給者が十万人おつたということ、こういう
数字に相なるのてあります。従いまして以上の
内閣の
労働力調査並びに
安定所の
窓口に現われておりまする
需給調査の
状況失業保険の受給の
給付の
状況等を考えてみますれば、
下半期当初における
わが国完全失業者の
数字は、五、六十万
程度と
推定するのが適当ではないだろうかと存じております。しかしその五、六十万のほかに、
内閣統計局の行
つておりまするところの
追加労働希望の者が約百万
程度おるということ、しかしこの百万は
——世間で
潜在失業者が数百万あるというような説をなす
方々があるのでありすすが、そういう尨大な
潜在失業者があるとは私ども考えておらない。要するに
追加労働希望者約百万人を
——この百万は必ずしも
潜在失業者ではないかもしれませんけれども、やはり経済の
状況その他によりまして、
失業という問題を中心に、ある
程度考えなければならぬ問題かと存じておる次第であります。
大体以上が最近におきまする
失業者の
推定でありますが、次にこの
失業者は
下半期において相当ふえるだろうかという問題であります。これにつきまして現在私どもの手元でいろいろな
資料に基きまして研究をしてみますと、本
年度の
下半期に、ある
程度の
離職者の増加を見ることは予想されます。まず第一に
進駐軍関係の労務者でありますが、これは
予算等の
関係もありまして明年の三月までに約三万人が解雇されることに相
なつております。それから次に問題になりますのは、民間の
企業整備は、七、八、九月を
頂点といたしまして、その大半を終了するような形に一応今のところは向いております。七、八、九月でありますが、特に七月が
頂点であるのでありまして、七月から逐次減
つて来ております。いずれにせよ、七、八、九を
頂点といたしまして、今日でもやはり
企業整備はある
程度行われておりますが、山は越したのではないだろうかと考えております。そしてこの
民間企業による解雇されました
方々は、
先ほども申し上げましたように、十月までに約三十万人に近い人々が
失業保険を受けて、六箇月
間生活の一応の、
——最低生活とは申しましても、一応の安定を得ておりますので、問題はこの
企業整備による
離職者が、六箇月の
期間が切れたときにどうするかという、ことが、
下半期の問題になろうかと考えるのであります。
失業保険の
期間が六箇月で切れます者の数は、第三・
四半期で約五万五千人くらいと予想いたしております。第四・
四半期で約十二万五千人が
失業保険の
給付期間が切れるので、合計いたしまして本年
下半期中に、十八万人の人々が
失業保険の
給付期間が切れるということに相なります。
次は
行政整理の問題でありますが、これはすでに御
承知のように終了いたしておりまして、その就業の成績はきわめて良好であるのであります。すなわち官公庁、公社、
地方公共団体をひつくるめまして二十万人に達しませんが、大体二十万
程度の
行政整理が行われております。その二十万人の約三〇%は、すでに病気あるいは
自然引退等によりまして、
就職を全然希望いたしておりません。すなわち
労働市場外の者であります。その残り七〇%が
就職を希望する、いわゆる
労働市場におけるところの
労働を希望することになるのであります。その七〇%の
就職希望者のうちの、さらにその七〇%がほぼ今日まですでに
就職を見ております。従いまして、残
つておりますのは、
行政整理におきましては、二十万解雇いたされながらも、現在のところ
失業状態にあるのではないかと考えられます者は、四万人
程度であるのであります。
一つの例を引いて
国鉄関係で申し上げますれば、九月末の調べによりますと、
国鉄関係の
離職者総数が九万四千三百十二人で、そのうち
就職を希望する者が五万七千二百九十四人であ
つたのであります。この五万七千二百九十四人の
就職希望者のうち、すでに九月末において三万六千八百三十人が
就職をいたしておる状態であります。従
つて差引きますると、
国鉄関係約十万人の
離職者のうち、
就職してないと考えられます者は約二万一千という
数字に相
なつております。この
就職につきましては、
公共職業安定所の
就職あつせんの努力、並びに
鉄道関係の
外郭団体等の協力によりまして、大体におきまして、わずか二箇月足らずの間に、未
就職に終
つております数は、二万という
数字であります。この
数字は逐月減少して来るものと考えております。しかしながら、いずれにせよ、九月末を
基準として考えますれば、二十万の
行政整理に対して、約四万人
程度が残
つておるのではないかと考えておるのでありまして、年末になりますれば、さらに減少して行くものと考えております。
その次に問題になりますのは、いわゆる
補給金の削減あるいは諸種の統制の緩和、あるいはまた引揚者、あるいは東京で問題に
なつております
露店商の
問題等がふりますけれども、これを大まかに
推定いたしてみましても、この面からは、十万人を越すような
離職者はまず出ないと
推定をいたしております。
かようなわけでありまして、本年
下半期に新たに離職とか
失業という
状況に入りますのが、三十五万人
程度であります。しかしながらこの三十五万人は、
先ほども申し上げたように、全部が全部
失業者になるものとは考えておりません。たとえば
石炭配給公団というものの廃止に伴いましても、大半はやはりそれぞれ前職に復帰したり、あるいは配給の業務に従事するということもありますので、全部が全部
失業になるものとは予想されておりませんけれども、三十五万人
程度の
離職者が出るということを頭に入れて、今日までいろいろ企画をいたしておるような
状況であります。要するに現在の
完全失業者の総数は五、六十万
程度、それに
下半期に三十五万人
程度の
離職者が出る、こういう大体の現況であります。
こうした
状況に対しまして、
失業対策といたしまして、今日までと
つて参りましたうちの大体のやり方につきまして、簡単に御説明を申し上げます。まず第一に、特に民間の
企業整備に対処いたしましては、先般の第五
国会におきまして改正されました
失業保険法を円滑に
実施し、運用するということに力を入れて参
つておりまして、今日までのところ
失業保険の
状況は、大体において健全なる歩みを続けておるものと一応考えております。
保険料の収納の
状況もきわめて良好でありまして、本年の四月から九月までの
保険料決定額が四十二億に対しまして、約九九・八%という良好な
保険料の収納を見ておりまして、約四十二億の
保険料を徴収いたしておるのであります。これに対しまして、
保険の
給付は、
先ほどもちよつと申しましたように、本年四月以降逐月ふえて参
つておりまして、本年四月以降十月末までに支給いたしました
給付総金額約三十億であります。大体において
失業保険の
状況は以上のように円滑に動いておるのであります。さらに
失業保険につきましては、先般の第五
国会におきまして、
失業保険法の改正によりまして、
日雇失業保険制度が
実施されることに相
なつておりまして、これは一月から
失業保険の
給付が始まることに
なつております。
日雇い失業の問題につきましては、きわめて有効な結果が上るものと期待いたしておるのであります。
次に問題は、
公共事業並びに
失業対策事業の運用の
状況でありますが、
公共事業におきましては、本年の四月、五月、六月ときわめて
公共事業の
実施が遅れておりまして、特に東京を中心とする大都市において
相当公共事業の
実施が遅れておりましたので、特に
日雇い労働者のあぶれが、
公共職業安定所の
窓口に相当深刻に現われて参りまして
公共事業よりもまず
失業対策事業で救済すべきだというふうに、非常に
情勢が悪化して参
つて来ております。そこで私どもの方といたしましては、
公共事業の
実施が遅れておりますので、
公共事業の
実施を促進いたしますると同時に、
日雇い失業者にと
つての最後の手段であります
緊急失業対策法による
失業対策事業を
実施することにいたしたのであります。第一・
四半期におきまして約一万七千人
程度の
失業対策事業を
実施して参
つたのであります。その当時
日雇い労働者のあぶれは、
全国におきまして四月、五月といたしましては、五万人
程度の
日雇い労働者のあぶれがあ
つたのでありまして、その三分の一を
失業対策事業で救済するという態勢を整備して参
つたのであります。しかるにその後
公共事業の
実施がやはり依然第二・
四半期に至りましても遅れましたので、御
承知の
緊急失業対策事業の
予算八億八百万円を繰上げ
支出することを考究いたしまして、これを
実施するため努力をいたして参りましたところ、九月に至りまして、
失業対策事業の繰上げ
支出が認められることとなりましたので、大体において九月の十五日から
実施いたしまして一万七千人就労しておりましたものを、さらに三万に増加いたしまして、さらに十一月に至りまして繰上げ
支出を徹底することによりまして、
全国約四万人の
失業者を吸収することにいたしております。特に第三・
四半期におきましては、
災害復旧の繰上げ
支出の
問題等もありまして、また
公共事業の費用が相当流れて参りまして、第三・
四半期における
公共事業の
就労実数は五十七万余という実数に
なつております。それに
失業対策事業約四万、合計六十一万というもりが
日雇いを中心としてこの
官庁関係の
雇用量として増大しておるような次第であります。従いまして九月の
全国の
日雇いのあぶれの約八万人に対しまして、
公共事業並びに
失業対策事業によりまして、一応の救済すべき努力を払
つて来てお
つたのであります。それと同時にと
つて参りましたのは
——緊急失業対策法よる
公共事業の
吸収率の規定が問題であ
つたのであります。本年五月に
緊急失業対策法が制定されましたあとに、ただちに
公共事業における
失業者の
吸収率というものを定めて、
安定所の
窓口に現われております
失業者を、
公共事業に優先的に就労あつせんをしてお
つたのでありますけれども、この当時、
失業者吸収率を定めでおりました
種目は、わずかに三十五
種目の
事業種目であり、
そり吸収率もわずかに二〇%
程度であ
つたのでありまして、
公共事業に
失業者を吸収する数はわずかなのであ
つたのであります。わずかに二万五千人を
公共事業に
失業者を吸収するということであるのでありますが、本年十一月に至りまして、
公共事業における
失業者吸収率を全面的に改訂することにいたしたのであります。従来三十五
種目でありました
公共事業の
事業種目を、約その倍の六十六
種目に拡充すると同時に、
吸収率の平均二〇%を約四〇%に高めることといたしました。これによ
つて本年度の
公共事業に約十万人の
失業者を優先して雇用せしめるという措置を、本年の十一月に完了いたしまして、それによ
つて実施いたしておるような次第であります。大体以上が今日まで、前の
国会以後と
つて参りました措置であります。
なお次に将来
下半期におきます
失業の問題につきまして、と
つております内容につきまして、時間もありませんので、簡単に申し上げたいと思
つております。本年
下半期の
離職者が
先ほど申し上げましたように二十五万人出るあろうというような
情勢も勘案いたしまして、従来の
予算だけで足りない面も相当ありますので、今回の
補正予算に相当な額が
失業対策的な
意味において計上せられております。
まず第一に申し上げたいことは
公共事業費であります。
公共事業費として百六億が本
年度の
補正予算に組まれております。内訳は
災害復旧費に八十五億、
一般公共事業に六億六千万、六・三制の
建築費として十五億、
合計公共事業費として百六億六千万円が組まれております。この百六億にあります
雇用量は三箇月間でありまして、三十五万人ないし四十万人の
雇用量であるのであります。
次に
失業対策事業費であります。この
失業対策事業費の先般の
国会できまりました八億八百万円の金は、第三・
四半期で全部
支出済みに相なることになりますので、第四・
四半期の分といたしまして、八億五千万円を計上いたされております。この八億五千万円によりまして、就労する
労働者は約八万二千人
程度であります。そういたしますと、現在
日雇い失業者の最の手段として残されております
失業対策事業に最近働いておりますのは、
全国四万人でありますが、これがさらに倍以上のものになるのであります。この
失業対策事業の経費が八億五千万円であります。
さらにもう
一つ、
失業保険特別会計へ約
一般会計より八億五千万円が繰入れられておりまして、
補正予算に計上いたされております。この八億五千万円の内容は、
一般失業保険と
日雇失業保険と二つの内容に
なつておるのであります。
一般失業保険から申し上げますれば、本
年度の当初
予算におきましては、政府の
一般会計への繰入れはわずかに二十億であ
つたのでありますが、最近におきまする
失業保険の
給付額が増加することに伴いまして、これだけでは足りないような
情勢になりましたので、さらに二十億にプラスして、八億を
一般失業保険への繰入れをいたすことにいたしたのであります。そういたしますると大体二十八億の本
年度の繰入れとなりまして、
保険金の
給付といたしまして予想いたされまするものが、八十四億になるのであります。大体八十四億となりまするならば、今の
情勢から申しますれば、本
年度における
失業保険の
保険金としては十分ではないだろうかと考えておる次第であります。
日雇失業保険でありますが、これは
先ほども申し上げましたように、本年十一月から
実施せられておりまして、明年一月から
日雇失業保険の
給付が始まることになります。
日雇失業保険の
給付の繰入れ分といたしまして、約三箇月分九千万円が見込まれております。その他
安定所の事業費等を入れまして八億五千八百万円がこの
失業保険のための
一般会計よりの繰入れということに相
なつておるのであります。従いまして以上申し上げました
公共事業費百六億六千万円、
失業対策事業費八億五千万円、
失業保険特別会計への繰入れ八億五千八百万円、合計百二十三億六千八百万円が今回の
補正予算の中に計上せられておりまして、これが
失業対策的な
予算として運用されるものと期待いたしておるのであります。
なおこれに関連いたしまして
下半期における
失業者の吸収の問題でありますが、これは先般
労働大臣から本会議におきまして申し上げました通り、民間雇用、あるいは見送り資金の面、
失業保険、
公共事業、
失業対策事業等の問題をひつくるめまして、大体上半期に比べて
下半期における新規
雇用量、並びに救済能力の増大の
状況は、百十五万ないし百三十五万と相
なつております。見返り資金の問題につきましては、多少ペンデイングな問題もありますので、かりに見返り資金が全然ないものといたしましても、約九十万人ないし百万人という新規
雇用量、並びに救済し得る能力というものが、ここにあることであります。見返り資金の問題はペンデイングでありまして、かりに大体政府の予定しておりました通りのもので参りますと、見返り資金だけの雇用並に十五万ないし三十万ということになりますが、これが全然ないものとしても、九十万ないし百万ということに一応相なるのでありまして、
下半期の吸収計画としては、さような
状況で考えておる次第であります。時間もありませんので、現在の
失業の
状況並びに
下半期の見通し等につきまして、簡単に御説明申し上げた次第でございます。