○愛知
政府委員 お答えいたします。金融制度の改革につきましては、御承知と思いますが、昨年の八月に
関係方面から非公式に金融機構の改正の試案というものが提示されましたが、これは
日本的の実情に沿うように金融機構を改正するための
一つの参考
意見として提示されたものでございます。その後いろいろと研究をいたしておりますが、最近の一応の結論といたしましては、
日本の金融制度全般を、全面的に外国の例に従
つて改編するというようなことは適当でなかろうという
考え方に大体な
つて参
つております。これを具体的に申しますならば、たとえば連邦準備制度というようなものを、
日本にそのまま当てはめて行くということは、適当ではなかろうというような
考え方にかわ
つて来ておるように
考えるわけであります。しかしながら現在の
日本の金融機構には、
日本の実情に即しまして適正な改編を加えることは、別途に必要な点が
相当あると思うのであります。そういう感覚で現在あらためていろいろと検討をしております。その中間的な結論といたしましては、まず銀行でありますが、この銀行というものは預金を吸收することを主とする、それから融資の面につきましては、できるだけ資産の構成に流動性を持たせまして、いわば短期の商業
資金をまかなうことをも
つて、その主たる使命とするというようなことになると思うのでありますが、一面それでは長期の設備
資金その他の調達に十分でありませんから、その面に関しましては、たとえば
日本興業銀行を中心にさらにこれを育成することであるとか、あるいは
日本の実情に即しますようなモルゲージ・バンクとでも申しますか、不動産金融機関あるいは不動産銀行とかいうものを、今後育成して参りたいというように
考えておるわけであります。なおその他農林中央金庫、商工中央金庫というようなものにつきましても、昨年の夏ごろの
考え方といたしましては、こういうものの
本質をも
考え直さなければならぬのではなかろうかというような
意見もないではなか
つたのでありますが、今日のところでは、そういうような問題につきましては、大体現状を中心にして所要の変更を加えるというように
考えておるわけであります。
それから最後に三点をおあげになりましたが、しからば銀行法の改正において融資の制限をどう
考えておるかという
お話でございますが、この点は現に研究中でありまして、これらの点も、一人の貸出し先に対する制限を非常にきゆうくつにするというようなことを、今ただちに実行することについては、ある程度
考えなければならぬ点もあるのではなかろうかと
思つておりますが、この点は私ども事務当局の現在の
気持としては、それらの問題をも含めました銀行法の改正案というものを、次期通常国会に提案いたしたいと思いまして、準備をしております。それから次の支拂い準備制度でございますが、これは先ほどもちよつと申し上げたように、連邦支拂い準備制度を中心にされておるものでありますが、先ほど申しました
通り、何も外国の例をそのまま当てはめるということは適当でもないと思いますので、現在の私ども事務当局の
考え方といたしましては、これを取上げるにしても、その時期は尚早であるというふうに
考えております。それから投資の分類その他についての
考え方でございますが、これは今のところまだはつきりとした研究はできていないような状況で、鋭意勉強いたしておるというような状況であります。