○
賀屋説明員 小峯
委員の御
質問に補足的にお答えをいたしたいと思います。さきに青木長官がどの
程度の御
答弁をされましたか存じませんので、多少重復する点もあるかと存じますが、その点はあしからず御
了承願いたいと思います。
御
質問は三月十五日発足いたしまして以来の外資
委員会の活動の状況と、それに伴いまして外資導入の実績がどの
程度に上
つておるかということ、並びに今後の外資導入の見通しはどうであるかという点にあるように承るのであります。そこで外資
委員会が三月十五日発足いたしまして以来約七箇月の間におきまして、御
承知の外資
委員会の職務といたしまして持
つております二つの種類の仕事、一つは
外国人が日本の国内におきしまして一定の財産権を取得する場合におきまして、外資
委員会の認可を要するということにな
つておりますが、その許可の仕事が一つであります。もう一つは
外国人が日本におきまして
事業活動をいたします場合には、司令部の許可が必要であ
つたのでありますが、その司令部が許可をいたします際に、はたしてその
事業活動は、日本の経済に適するかどうか、こういう点につきまして日本
政府の
意見を求めて参ります場合に、この外資
委員会で回答を司令部側に出す仕事をや
つて参
つたのであります。この
外国人の
事業活動につきましての仕事は、今度多少かわりまして、先月の二十一日に司令部から覚書が参りまして、従来何でもかでも司令部が
事業活動について許可を與えておりましたのを、一定の
事業を除きましては、許可はいらないことにいたしました。ただ銀行、保険、通信、運輸その他の自由職業とい
つた限られた業種について、今まで司令部が許可しておりましたのを、日本
政府に許可の権限を讓
つて参
つたのであります。従いまして、今後そうい
つた限られた業種につきましては、日本
政府が許可をすることになりました。従来の
意見の回答というやり方が多少かわ
つて参るわけであります。この両方を通じまして、外資
委員会が処理いたしました件数は、非常に数が多いのでありまして、そのこまかい数字については、すでに長官から御
答弁があ
つたことと思います。ところが、これら外資
委員会が処理いたします案件は、すべて直接あるいは間接に外資導入に関連するというものではないのでありまして、たとえて申し上げますれば、
事業活動で非常に数の多いのは、
外国人が外国の消費物資を国内に持
つて参りまして、国内に参
つております
外国人に対して、外貨でこの消費物資、たとえば酒、タバコその他食料、衣料、そうい
つたものを販売する商業的な活動が非常に多いのであります。これはどちらかといえば外資導入にはならない例なのであります。そのほかただいまでの制度では出版
関係の
事業を営みます場合には、やはり許可が必要であ
つたのでありますが、これも海外の情報を国内に頒布するというだけのものでありまして、経済的の外資導入とは言えないのであります。そうい
つた関係で外資
委員会の取扱います案件のすべてが外資導入そのものではないのでありますが、逆に外資が導入されます場合には、ただいま申しました
事業活動あるいは財産権の取得という、どちらかの面でほとんど例外なく外資
委員会が扱うことになろうかと思います。そこでただいままでに外資
委員会が扱いました案件の中で、多少日本の経済に役立
つておるような事例として、どういうものがあるかということになるわけでありますが、結論的に申し上げますと、まだ遺憾ながらそのケースは非常に数が少いのであります。長官から御
説明があ
つたと思いますが、その中で多少とも日本の経済に役立つケースといたしまして目ぼしいものを拾
つてみますと、石油業
関係、ゴム工業
関係、化学薬品
関係、造船業の
関係その他機械に関する
関係というたものについて、それぞれ一、二件ないし三件
程度あるのであります。具体的な会社の提携は、あまり具体的になり過ぎまして、この席で
お話するのが適当であるかどうか疑問に存じますが、
新聞にもすでにたびたび出ておりまして御
承知のことと思いますが、石油につきましては、カルテックス石油会社と日本石油との提携、スタンダード・オイル・カンパニーと東亜燃料との
関係、タイド・ウオーター会社と三菱石油との
関係、それから造船
関係ではスイスのズルツアーという優秀な舶用エンジンをつくる会社がありますが、そこと三菱工業とか播磨造船とい
つたような会社との提携
関係があるのであります。そのほか化学薬品では非常にポピュラーなものといたしましては、DDTの特許の実施計画に関する提携がガイギという会社と日本側の
——これは相手が非常に多いのでありまして、保土谷化学その他二十数社との提携があります。そうい
つたような提携
関係がございますが、その
内容はいろいろありまして、場合によ
つては株も持ちますし、資本参加もして参りますし、あるいはただいまの造船
事業の場合、薬品工業の場合におきましては、外国の優秀な特許の実施権を日本側の会社に與えまして、一定のロイヤルティの支拂いを受けるとい
つた契約が大部分を占めておるのであります。今日までに外資
委員会が扱いました案件の中で、経済的な効果の上りそうな提携は、そうい
つた種類のものなどであります。
今後の外資導入の見通しという問題でございますが、これは実は非常にむずかしい問題でありまして、相手方のある問題でありますから、こちらがいくら希望いたしましても、向う側が乘
つて来ない以上は、どうにもいたしかたがないわけでおります。まあ日本側といたしましては、長官からも御
説明があ
つたと思いますが、すでに受入れ態勢として実施いたしました事項も数多くありますが、今後もたとえば税法の改正の点、それから貿易為替に関する管理機構の確立、そうい
つた点につきまして所要の措置が講ぜられることと思われるのであります。外資の導入につきまして、よく話を聞いてみますと、一番障害とな
つておりますのは、どうも元本並びに利子、利潤の外貨送金の問題だろうと思うのであります。
従つてこうい
つた点につきましての措置が今後とられますれば、将来の外資導入についても
相当明るい見通しを立てても誤りではないのではないか、かように
考えておる次第であります。
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