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1949-11-14 第6回国会 衆議院 郵政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十四日(月曜日)     午後一時四十九分開議  出席委員    委員長 石原  登君    理事 大和田義榮君 理事 風間 啓吉君    理事 加藤隆太郎君 理事 白井 佐吉君    理事 西村 榮一君 理事 福田 繁芳君    理事 井之口政雄君 理事 山本 利壽君    理事 松本六太郎君       天野 公義君    鈴木 仙八君       平川 篤雄君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小澤佐重喜君  出席政府委員         郵政政務次官  吉田  安君         (郵政局長)         郵政事務次官  浦島喜久衞君  委員外出席者         郵政事務次官  大野 勝三君         郵政事務官   金丸 徳重君         郵政事務官   中村 俊一君         專  門  員 稻田  穣君 十一月十一日  委員田中元君辞任につき、その補欠として天野  公義君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 十一月十日  川崎南河原郵便局復活請願白井佐吉君紹  介)(第三号)  電報配達要員に関する請願渡邊良夫紹介)  (第一〇号)  野方郵便局復活に関する請願花村四郎君外一  名紹介)(第三六号)  碧南市の通信施設拡充に関する請願中野四郎  君紹介)(第三八号)  五日市郵便局集配事務復活請願山本久雄  君紹介)(第五二号)  川合郵便局集配事務開始請願前田正男君  紹介)(第六五号)  下淵郵便局集配並びに電信電話事務開始の請  願(前田正男紹介)(第一二六号) 同月十二日  此花郵便局復興促進請願前田種男紹介)  (第一七七号)  川崎市鹿島田に特定郵便局設置請願白井佐  吉君紹介)(第二六八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  郵政行政に関する件     —————————————
  2. 石原登

    石原委員長 開会いたします。  これより郵政行政について当局より説明を聽取いたします。今回は特に明年度予算及び本年度補正予算説明と、郵政事業復興施策の大綱について説明を聞くことにいたします。まず予算説明より願います。
  3. 中村俊一

    中村説明員 それでは十四年度補正予算と二十五年度郵政特別会計予算を主といたしまして御説明申し上げます。お断りを申し上げておきますが、これから御説明を申し上げますのは、まだ予算として最終の決定を見ておらない面がございますので、いろいろないきさつがございますから、その経過を御説明申し上げるという意味もございますので、お含みおきを願いたいと思います。  お手元に差上げてございます二十四年度補正予算の表をごらん願いたいと思います。二十四年度補正予算は、歳入項目といたしまして、一般会計からの受入れが、四億一千二百七十一万七千円であります。次に電気通信事業特別会計からの受入れが八億であります。次に收入印紙收入が二十五億六千万円であります。四といたしまして、取引高税印紙收入が二十四億三千八百万円であります。失業保險印紙收入といたしまして一億八十九万円であります。歳入合計は六十三億一千百六十万七千円と相なつております。それに対しまして歳出石炭及び寒冷地手当支給に要する経費として四億一千三百七十一万七千円、電気通信省よりの委託業務運営に必要な経費といたしまして八億円、收入印紙收入一般会計へ繰入れるに必要な経費として二十五億六千万円、取引高税印紙收入一般会計へ繰入れるに必要な経費として二十四億三千八百万円、失業保險印紙收入失業保險特別会計に繰入れるに必要な経費として一億八十九万円、歳出合計六十三億一千百六十万七千円であります。これについて御説明を申し上げます。  歳入の第一番の一般会計からの受入れの四億一千何がしという金は、歳出の方をごらん願いますとわかりますように、一の石炭及び寒冷地手当支給に要する経費、これを一般会計から繰入れをしてもらう、こういうための繰入れであります。これは郵政会計が本年度歳入状況から、現在のところあまりおもわしくありませんので、本来ならば自分の会計の中を差繰りして出せば、それが一番よろしいのでありますが、どうもそれは困難のようであるという見通しのもとに、いろいろこれはこういうふうになりましたいきさつはございますが、とにかく一般会計からそれだけのものを郵政会計へ繰入れて、石炭及び寒冷地手当支給をしよう、こういう意味のものであります。  それから歳入の第二番目の電気通信事業特別会計より受入れ八億でありますが、これは御承知のように特定局におきまして電信電話業務は、電気通信省より委託を受けて経営しておるのであります。この委託を受けますための必要なる経費は、電気通信省から郵政会計へ繰入れをするのが建前になつておりますが、本年の六月に逓信省が二省に分割いたしました際の委託業務に対する繰入れの算定が、両省分割その他のことによりまして、こまかな点まで計算をする余裕のなかつたために、一応の見込みをもつて、二十四年度はこの委託業務経費を繰入れたのでありますが、その後実際に運営をいたしておりまして、実績その他からどうしても八億は不足である。こういうことが判明いたしましたので、これを電気通信事業特別会計から郵政事業特別会計不足分として繰入れる、こういう金であります。  それから三番目の收入印紙收入でありますが、この収入印紙収入は御承知のように郵便局收入印紙を発売いたしておりますが、この收入は一応郵政会計の中に歳入として入りまして、そのまま取扱い経費、だけを差引きまして、大蔵省一般会計へすぐ歳出として拂い出してしまう。いわば通り抜け勘定なのであります。この收入印紙收入というものが、歳入として上つて来るわけであります。  それから取引高税印紙收入は、本年四月でこれは打切りになる予定であつたのでありますが、皆さん御承知のような法律の関係等によりまして、四、五と、二箇月この取扱いをやつたわけであります。当初二十四年度予算を編成いたします当時には、四月から打切りということで予算を編成いたしましたために、四、五の分は全然見ておらなかつたわけであります。ところが実際は取扱いが継続されましたために、四、五の收入がそれだけ入つて参つたのであります。そのための收入でございます。この取引高税印紙收入も、三の印紙收入と同様に郵政会計收入として一度入りますが、そのまま大蔵省の方へ、一般会計の方へ素通りをするものでございます。  次に失業保險印紙收入でございますが、これは日雇い労務者失業保險保險料印紙支拂うことに今回相なりましたために、その保險印紙收入收入としてこれだけ上つて参るわけであります。この印紙收入も以上申し上げました二つの印紙收入と同様に、やはり郵政会計收入としては一度上つて参りますが、そのまま失業保險特別会計の方へ素通りして出て参るのであります。  以上が成人の会計でございます。これに対しまして歳出は、石炭及び寒冷地手当支給に要する経費が、歳入との見合いによりまして出て参るわけであります。それから電気通信省より委託を受けました委託業務運営に必要な経費は、八億を歳入として受入れまして、これをそのまま歳出として使用するわけであります。この八億の内訳をごく大きく申し上げますと、過般の行政整理によりまして、特定局電気通信委託を受けております面の整理人員として負担すべき退官退職手当、これが二億四千万円ほどあるわけであります。さらに先ほど申し上げましたように、分割当持は詳細なる算定が不可能でありましたために、電信電話委託を受けた分に対するいろいろな施設維持をやりますために必要なところの経費が、不足いたしておつたのでありますが、これが二億二千万円余ございます。さらにこの委託業務につきまして御説明申し上げておきますが、この委託事業経営に対する責任と指導と、あるいはまた計画等は、電気通信省の方でやるということになつておりますために、電報配達制度改正でありますとか、あるいは業務改善の各種の打合せ会であるとか、あるいはまた能率向上のための施設であるとか、あるいは職員の訓練計画であるとかいつた事柄は、電気通信省計画をいたしまして、それを郵政省と協議して行う、こういうことになつておりますために、今申し上げましたような制度改正、あるいは業務改善能率向上訓練といつたような会合を開くための旅費と申しますか、これが約三千万円であります。さらに特定局は総合的に事業運営されておるわけでありまして、一つの局舍の中で郵使も電信電話貯金保險も全部やつておる。この場合に電気通信の使用しております建物の修繕、それからその建物が借入れの建物でありました場合にはその借料を、それぞれ電気通信仕事をやつております部分に応じまして、負担をしてもらわなければならないわけでありますが、この負担分が約一億であります。それから共済組合交付金でございますが、二十四年度予算を編成いたしました後に、共済組合交付金の率並びに事務費変更になりまして、それだけ二十四年度予算としては変更増額になりました分だけ不足いたしておるのでありますが、この不足分電気通信負担分といたしまして九千六百万円余あるのであります。それらのものを合計いたしたものがこの八億と相なるわけであります。  次に歳出三の收入印紙收入一般会計へ繰入れに必要な経費二十五億六千万円は、先ほど説明申し上げた通り一応歳入にとりまして、そのまま一般会計の方へ素通りして行きますための歳出であります。従つて歳入金額歳出金額が一致しているわけであります。  以下四、五の取引高税印紙收入並びに失業保險印紙收入、これが收入印紙收入と同様に、二十四億三千万円及び一億というものが歳入と見合いまして、一般会計歳出として出て参るのであります。  以上が二十四年度郵政事業特別会計補正予算の御説明であります。  次は二十五年度郵政特別会計歳入歳出予算概要につきまして、御説明を申し上げます。ごくラフな刷りものをお配りしてございますが、これは甲号歳入歳出予算郵政省所管郵政業特別会計でございます。特に二十四年十月三十一日現在という括弧がつけてございますが、これは先ほども申し上げましたように、関係方面との折衝等によりまして、以下申し上げることもまだ確定したわけではございませんので、そのおつもりでお聞き取り願いたいと存じます。  歳入の部では、郵政事業特別会計歳入においては、業務收入において、切手收入が百三十億九千四百万円余、郵便收入におきまして四十一億四千万円余、為替貯金收入が十九億四千三百万円余、他会計からの受入れにおきまして二百二十五億五千五百万円余、雑收入におきまして十二億四千三百万円余、合計いたしまして四百二十九億七千七百万円余であります。これが郵政事業特別会計自体歳入でございます。  業務外受入れといたしまして、設備負担金が六億九千二百万円余、公債金受入れが十億二千万円余であります。この歳入の面で御説明をつけ加えておかなければなりませんものは、業務外受入れの一にございます設備負担金であります。この設備負担金は、郵便局のごとく郵便電信電話のほかに貯金保險が、それぞれ仕事を一緒にやつております部分建物分担金として、それぞれ他の特別会計負担をする金額であります。この一番大きなものは貯金及び保險でございます。それから公債金受入れは十億に発行差損金分を加えてございますが、元金は十億でございます。この十億は、郵政会計の現状からいたしまして、二十四年度は、この前大臣からも御説明がございましたように、いわゆる建設勘定建物建設にはすべて郵政会計計利益金、あるいはまた減価償却金、こういうものをもつて建物を建てておつたのでありますが、郵政会計といたしましては、それらのものをもつてしては、どうしても十分でないばかりでなく、歳入状況等から見まして、どうしても一時に支出する多額の金は、公債に財源を仰ぎたい、こういうことで見返り資金による公債をぜひ発行いたしたい、こういう額が十億なのであります。  次に事業外收入といたしまして、補正予算の部でも御説明を申し上げましたように、收入印紙收入、これが一応郵政会計收入として上つて参りますので、この收入が六十二億、それから失業保險印紙收入が七億二千六百万円余であります。  以上を合計いたしましたものが五百十六億一千六百万円余、これが全歳入であります。このうち特に郵政事業特別会計といたしまして、事業自体歳入として歳出に充てられる金は、二の業務外受入れというところまででございます。三の事業外收入は全部通り抜けでございますから、入りましてもそのまま一般会計へ出て行くわけであります。  次はこれに対する歳出でございます。郵政事業特別会計歳出において、事業費といたしまして業務費、これは総係費として必要な経費が八十九億七千五百万円余ございます。この総係費と申しますのは、御承知のように郵便為替貯金保險電気通信というような事業そのもの経費にはつきり使われるものでなくして、いわゆる共通的なもの、あるいは本省の経費であるとか、郵政局経費であるとか、あるいは現業においても厚生耐利というような、共通的な面に使われる経費であります。次は郵便費として必要な経費が百四十億七千三百万円余であります。次に為替貯金費として必要な経費が七十二億四千四百万円余、保險年金費として必要な経費が八十一億二千九百万円余、電気通信費として必要な経費が三十五億七千百万円余、局舍その他の施設費として必要な経費が二十一億五千四百万円余、利子及び債権取扱費として必要な経費が一億六千二百万円余、債入金の償還に必要な経費として二億、公債発行に伴う差損金として必要な経費二千万円余、計四百四十五億三千三百万円余であります。  これが事業本年の経費でございますが、このほかに業務外支出といたしまして保險年金特別会計への繰入れが二百万円余でございます。  さらに事業外支出として收入印紙收入一般会計に繰入れるため及び印紙の買いもどしに充てるための経費、これが六十二億、さらに、失業保險印紙收入一般会計に繰入れるため及び印紙の買いもどしに充てるための経費、これが七億二千六百万円余であります。  そのほか予備費といたしまして、予測しがたい経費予備として必要な経費として一億五千五百万円でありまして、合計いたしまして五百十六億千六百万円余であります。  この中で特にお断り申し上げたいと思いますのは、業務費の中のホの電気通信費として必要な経費という項目であります。これは先ほども申し上げましたように、特定局における電信電話業務を、電気通信省から委託を受けて経営しているわけでございまして、その特定局に対する電信電話取扱い経費でございます。  それから、額は小さいのでありますが、業務外支出保險年金特別会計への繰入れ二百万円余となつておりますが、これはどういうものかと申しますと、保險年金の証書の再発行であるとか、そういつたことのために入りましたところの收入が、一応郵政会計收入として入つて参りますが、それは保險年金特別会計收入になるべきものでありますので、そのまま郵政特別会計から保險年金特別会計に繰入れるものであります。さらに事業外支出收入印紙收入及び失業保險印紙收入は、先ほども申し上げましたように、いずれも郵政特別会計收入にはなりますが、そのまま一般会計及び失業保險特別会計に素通りして参る支出であります。  以上が、はなはだ簡単でありますが、二十五年度郵政持別会計歳入歳出概要でございます。これはいろいろな経過がございまして、まだ最終的な決定を見ておらないということを申し上げましたが、その面は主として郵便の面であります。郵便收入切手收入が主でありますが、この郵便收入歳入を百七十二億円余に二十五年度は見積つているのであります。ところがこの百七十二億余という歳入が少し過大であるという意見がございまして、この歳入があるいは十億程度は切られるのではないか、こういうような情報があるのであります。そういたしますと、同時に歳出面にそのまま響いて来るのでありまして、これらの点はまだ未定であります。  さらに先ほど見返り資金公債発行十億と申し上げましたが、これは当初二十五年度予算を策定いたします当時は、二十億というふうに計画をしていたのでありますが、これもいろいろな理由によりまして十億程度になるのではないか、こういう情勢であります。  それからこの予算に伴いますところの人員の面でありますが、これは大体におきまして、十月一日から施行いたしました新定員法の二十六万六百五十五名、それが基礎なつておるのでございます。  引続きまして、簡易生命保險及び郵便年金特別会計の、補正予算の分について御説明を申し上げます。  簡易生命保險及び郵便年金特別会計の二十四年度補正予算歳入といたしましては、保險料及び通用收入の増が四十一億三千百万円余であります。これに対しまして歳出保險還付金及び諾拂いもどし金の増が十二億七千六百万余、歳入歳出差引いたしまして、歳入超過が二十八億五千五百万円であります。これにつきまして御説明を申し上げます。  歳入の部の保險料及び運用收入の増の四十一債三千万円余は、二十四年度保險目標は最初十五億円で予算を編成したのでありますが、その後の保險会計の内容の改善等から、どうしても二十億はやらなければならぬ。こういうことに相なりまして、またそのために保險局の方で大いに努力したのでありますが、その結果二十億が達成できる、こういう見通しがついたわけであります。そのために二十億と十五億との差額五億というものの保險料及び運用收入の増、これが四十一億三千百万円であります。その内訳を申し上げますと、新規募集増加に伴う保險料收入増加が四十億六千万円余であります。それからそれに伴う積立金増加による運用收入増加が七千百万円余でございます。合計いたしまして四十一億三千百万円余になつております。それから歳出の面でありますが、保險還付金及び諸拂いもどし金の増加、これが十二億七千六百万円でありますが、これは御承知のように簡易保險金額引上げ等によりまして、その経営を合理化するために、従来の少額契約をできるだけ整理いたしまして、これに要する事務費の軽減をはかりたい。こういうことで進んでいるわけでありますが、その少額契約整理いたしますと、一応これは契約解除になるわけでありますので、その契約解除分に対する保險金還付が必要になつて来るのであります。その金額がここに載つております十二億七千六百万円であります。差引いたしまして二十八億五千五百万円の歳入超過を見るものでありまして、この二十八億五千五百万円は積立金に編入されるものであります。これが簡易生命保險及び郵便年金特別会計の、歳入歳出の御説明でございます。  最後に一般会計について申し上げます。一般会計は、ここに歳出として年金及び恩給支給に必要な軽費三億五千余万円というものが出ておりますが、これは今回の行政修理によりまして、退職者増加いたしましたために伴う文官恩給増加額であります。これは御承知のように、歳入の面は大蔵省一般会計歳入としてとり、郵便局窓口恩給支拂いをいたしますために、歳出の面だけがこれへ出て来るのでございます。以上であります。
  4. 金丸徳重

    金丸説明員 二十四年度補正予算につきましては、ただいま経理局長より詳細申し上げましたので、二十五年度保險年金事業予算といたしましてただいま折衝いたしております分につきまして、その大要を申し上げたいと存じます。二十五年度におきましては、簡易保險において新契約を月額十五億円募集いたす、年金におきまして—これは年額でありますが、八億の目標を立てております。それから旧契納維持その他につきましては、ただいま進行中であります。二十一年度以前の小口保險整理を、およそ千五百万件と見込みまして、残りの保險維持及び二十二、三、及び本年度目標二十億と立てて進んでおりますところの、新契約維持に努力いたしまして、保險料におきまして来年度におきましては、大体四百二十億の保險料受入れをいたしたいという計画で進めております。  また年金におきましても、先ほど申しましたような八億の新契約を獲得いたすことに、計画を立てまして進むつもりでございます。こういたしまして、本年度以前の積立金運用による利子收入をおよそ二十四億円、これはただいま大臣初め委員長などに御盡力願つております。積立金運用が再開されるまでといたしまして、現在の運用利率が相当高額になるという見込みのもとに、実は二十四億ばかりの運用利子收入を見込んでおるのでありますが、かくいたしまして利子收入及びその他の方面からの雑收入などを加えまして、四百五、六十億—正確な数字はいずれはつきりきまりましてから御報告いたすことになるのでありますが、そういう点で事業計画を進めておるのであります。そうしてこうした收入から得たものをもちまして、事業歳出計画を立てておるのでありますが、大体におきまして百二億ばかりの事業経費を使いまして、先ほど申し上げましたような四百二十億前後の保險料受入れをいたしたい。年金におきましても—年金におきまする経費はわずか数千万円でありますが、これによりまして八億の年金契約受入れをいたしまして、来年度におきましては結局においてある程度黒字を出しまして、次に計画いたしております契約者福祉施設の増進、もつとできますならば長期還付金制度の再開というところまで進んで参りたいと考えております。大体概要を申し上げました。
  5. 石原登

    石原委員長 ただいまの説明に対しまして御質疑はございませんか。
  6. 井之口政雄

    井之口委員 二十四年度補正予算の点でございますが、ここに初めて失業保險印紙收入が出て参ります。これはどういうふうな算定基礎によつて約一億円というものが見積られておるか。その算定基礎なつ人員とか、あるいはそちらの何か統計的なものがございましたら、その点を明らかにしてもらいたいと思います。これは日雇い労働者でございますが、今日の日雇い労働者の数は、われわれの見込みでは非常に大きなものであろうと思つておるが、それらの点から考えてみて、一億見当の査定が少なすぎるのではないか。もつとこれは行くものじやなかろうかというような疑問を持ちますので、その算定基礎を明らかにしていただきたいと思います。
  7. 中村俊一

    中村説明員 保險制度所管省は御承知のように労働省でございます。私どもの方の郵政特別会計では、郵政事業の一部といたしまして、郵便局窓口においてその收入印紙受入れるというだけの仕事をやるわけでありまして、收入印紙がどれだけ売れるかという算出の根拠につきましては、遺憾ながら私どもの方ではわからないのであります。
  8. 井之口政雄

    井之口委員 つまりこれくらいの印紙を準備しておいたならば、売り切れるだろうというような考えで、これが算定されておるとおつしやるのじやないですか。
  9. 中村俊一

    中村説明員 その点がまつたく私どもにはわからないので、これだけのものを売つてもらいたいという労働省の申入れによりまして、私どもの方が一応それを收入としてとりまして、そのまま労働省の方の失業保險特別会計の方に歳出としてあげる。私どもの方の歳入と相なりますものは、その取扱いに要する取扱費だけでございます。
  10. 井之口政雄

    井之口委員 それで大体よくわかりましたが、労働省からこれが出たとすれば、労働省において当然算定基礎なつたものがあると思いますが、われわれとしてもやはりそういうふうなものもしつかり知つていないと、ただ売ればこれぐらいのものは売れるたろうからというようなことで、予算を組んでおつたならば、あとになつてそういうことができなくなるということが出て来ますので、その算定基礎労働省から問い合せてとつてもらいたいと思います。  次に石炭及び寒冷地手当が約四億ぐらい出ておりますが、石炭の質等をそちらで十分見積つてつておるのでございますか。どんなふうになつておるのでございますか。
  11. 中村俊一

    中村説明員 算出の根拠でございますが、御承知のように石炭手当は法律によりまして、世帶主に対しては三トン、非世帶主に対しては一トン、こういうふうになつております。それから寒冷地手当につきましては、人事院の勧告によりまして、政令は出ておらないようでございますが、一つの基準が示されておるのでありまして、それによつてどもの方では寒冷地手当の分について、各級地別に人員を調査いたしまして、これに俸給並びに扶養手当を加えたものに、それぞれ〇・八、〇・六、〇・四、〇・二という率を乘じましたものをもつて寒冷地手当を算出いたしておるのであります。これは郵政省が單独でやつたのではございませんで、大蔵省の一般の基準によつてつておるわけでございます。それから石炭手当の方も各省共通の問題でございまして、炭価は大蔵省の方からのお示しによりまして、一トン三千三百二十一円九十銭、こういうふうに算定いたしております。
  12. 井之口政雄

    井之口委員 この金額は、もう大蔵省との間にやりくりできないように、きちんときまつておるのでございますか。なお郵政省の方から、これに対してもつと確実なる案を出して、折衝を重ねたというようなことがありましたら、その折衝のいきさつを聞かしていただきたい。
  13. 中村俊一

    中村説明員 炭価の点は大蔵省の基準によつてつたのでありまして、郵政省として單独の立場で調査いたしましたもの、いわゆる郵政省の意見と申しますか、郵政省算定する根拠は、人員の点だけでございます。
  14. 井之口政雄

    井之口委員 人員は幾らですか。
  15. 中村俊一

    中村説明員 寒冷地手当の分は四級地が二万二千四百三十人、三級地地が四万二千四百三十人、二級地一万二百六十二人、一級地が一万七千百六人であります。それから石炭手当の方でありますが、これは世帶主が一万二百三十四人、非世帶主が八千六百七十一人。これは私どもの人事部の方の人員調査によつてつたのでありますから、あるいは人員についてはいよいよ支給の場合には、いくらかの狂いは出て来るかもしれませんが、予算としてはこういうことできまつております。
  16. 井之口政雄

    井之口委員 今から調査の結果、この人員に抜き差し、あるいは予算の面において合理的にもつとふやすことが可能であるのですか、どうですか。
  17. 中村俊一

    中村説明員 実はこの石炭手当、寒冷地手当は、大蔵省からの繰入れでございますので、大蔵省の方の財源のいかんに左右されると思うのです。従つてきようここではつきり申し上げるわけには参りませんが、人員の点に、実際の人員とここに調査してあります人員との食い違いがあれば、これは私どもの方で調査ができるわけです。
  18. 井之口政雄

    井之口委員 なお独立採算制の堅持の点から、一般会計からのこうした繰入れということは、従来の方針を破るようなことになしはしませんか。
  19. 中村俊一

    中村説明員 一応そういう御議論も成り立つかと思いますが、この一般会計からの繰入れは、もらいつぱなしの繰入れではなくして、いわゆる借入れでございます。従つて一般の公債の借入れ、公債発行、あるいは借入金といつたようなものと、性質は同じだと思います。
  20. 井之口政雄

    井之口委員 なお借入れの場合に、共済基金からの借入れももくろんでおられるのじやないですか、どうですか。もし四億いくらの借入れといたしますと、それの返済等についてはどういう打合せになつておるのですか。
  21. 中村俊一

    中村説明員 この返済の條件等につきましては、まだきまつてございません。それから共済組合からの借入れについては、人事部長の方から御説明していただきたいと思います。
  22. 石原登

    石原委員長 人事部長は今参議院の方に行つておりますから、帰つて来てからお願いします。
  23. 井之口政雄

    井之口委員 その点はあとにいたします。  それでは先に進みまして、この電気通信省よりの委託業務運営に必要な経費をここで支出しておりますが、この施設維持費などが二億円もある。この施設維持費を実行するには工事部か何か持つていますか。郵政省の方で工事のいろいろな施設を特つておりますか。
  24. 中村俊一

    中村説明員 施設維持費と申しますのは、二十三年度までにそれぞれ必要なる施設の拡充とか、あるいは具体的に申し上げますと、通話事務の開始であるとか、あるいは電報の事務の取扱い開始であるとかいつたようなことを始めますと、その運用に二十四年度から人がいるわけであります。その既定の設備を維持するための経費でありまして、これは言いかえれば人がいるということであります。その人に伴う経費なのであります。先ほども御説明申し上げましたように、本年の六月から二省分割になりました際に、実は十分なこまかいところまで計算が行つておらなかつたので、概算で繰入れていただいたわけでありますが、その後これを実際に運用して参りますと、そういう点がはつきして参りまして、不足分を繰入れていただく、こういう趣旨であります。
  25. 井之口政雄

    井之口委員 それから二十四年度補正予算の簡易生命保險及び郵便年金の部でございますが、この保險料收入の新規目標を約二十億に置いておるということでございます。しかしこれはかなりむりをしたやり方であつて、各担当の従業員の方々がこのために非常に難儀している。皆負担額を強制的に押しつけられまして、一応自分の給料なり何なりをもつて保險契約を結ばれたかのように仮装してやつておる人が多いように、われわれは見受けるのであります。そういうようなむりなことをしておれば、当然新規にこれだけのものを一応達したかのごとく見えても、これを維持するのになかなか困難であります。次から次へ破壊されて来ると思うのすが、そういうような点を十分今日の経済関係とかいろいろなものとも照し合せてみますと、経済も各産業も皆、今の政府の方針によつて收縮されて、中には倒産するようなところもどしどし出ておる。こういう不景気の場合に、そうした厖大なる増加数を、見込むことが可能であるかどうか。この点について見通し程度を伺いたい。
  26. 金丸徳重

    金丸説明員 二十億の目標が相当今の経済事情から見て困難である。従つて現場の職員が非常に苦労をしているのではないかという点につきましては、私どももその通りに感じまして、実は先ほど経理局長より御説明がありましたように、当初は十五億の目標予算を立てて参つたのでありますが、どうしても收支償うようにするというような方針で、そうするためには二十億がどうしても必要だという計算になりました。しかしながらむりがあつてはいけないという非常な配慮から、支出予算におきましては二十億を組だのでありますが、歳入予算におきましては十五億の目標を立てた。とりあえずこれに向つて全般の努力を続けて、その実績によりまして次の計画を進めるべきであるというようなことからいたしまして、支出予算におきましては二十億目標による計画歳入面におきましては、十五億の目標達成による歳入額ということで、進んで参つたのであります。しかしながら非常に現場の方で努力をしてくれました結果、七、八、九の実績からいたしまして、まず二十億は行けそうだという確信を持つて参りました。先般の会議でも大臣から御報告がありましたように、もう十月末におきまして十七億余はとれておるわけでありまして、今後なお五、六箇月の時間をかけますれば、もつとも私どもといたしましては十二月初めには、この二十億目標は大丈夫であるという確信を持つておるのでありまして、その確信に基きまして、ただいまのような補正予算を御審請願つておるわけであります。もちろん現在の経済界の実情からいたしまして、決してこの目標が楽に左うちわで達成できるなどとは、毛頭考えておりません。私どもあらゆる努力を捧げて、この均衡予算保險会計の独立を期しておる次第でございます。
  27. 石原登

    石原委員長 この際委員長から委員諸君にお願いしたいと思いますが、実は先国会において衆、山両院をもつて決議されました郵便年金並びに簡易保險積立金運用の問題につきましては、その後郵政当局の非常な努力によりまして、かなり好転いたして来ているようでございます。それで九月の十六日にこの問題は閣議の決定となりまして、十月二十四日付をもつて郵政大臣並びに大蔵大臣連名をもつて、その筋にこれが要請をいたしているよな状態でございまして、これが国会の決議に基きまして、その方向に運営されるようになりますには、本委員会並びに参議院における郵政委員会の協力を最も必事要とするのではないかと考えております。そこで郵政委員長は、先般も地方行政委員長と同道いたしまして、この問題の解決に側面から協力いたしたいと考えまして、種々折衝いたしたのでありますが、これは私どもの努力いかんによつては、あるいは早期に解決せられるのではないかと考えますので、この問題につきしましては諸君の格段なる御協力を、切に要望いたしておきたいと思います。
  28. 井之口政雄

    井之口委員 大臣も、お見えになりましたので、二十四年度補正予算の点についてですが、吉田さんも名目上の賃金は上げられないけれども、実質上の賃金においては上げるように、何らかの方法をとりたいというふうなことも、施政演説の中に出ているようであります。それについてこのたび郵政省の方において、年末も差追つておりますし、いろいろな物価の高騰というふうなものも、どんどん進んで来ておるようでありますが、そういうものに対する実質上の何らかの生活の確保という問題をお考えになつたか。そういう点もこの補正予算の中に盛り込まれておるか。この点をひとつお伺いいたします。
  29. 小澤佐重喜

    ○小澤国務大臣 この補正予算の中には、具体的に従業員の実質賃金が向上するような施策は載つておりませんが、たとえば寒冷地手当とか石炭手当、あるいは政府としても決定してないので可能であるかどもかわかりませんが、たとえば半箇月とか一箇月分の年末調整金というものを考える場合においては、補正予算に関係なく、予算的措置を講じて、できるものならばやりたいと考えておりますが、この予算の中に具体的な問題は入つておりません。
  30. 井之口政雄

    井之口委員 今度一事会計でも、四億円の寒冷地手当石炭手当の組み込みが出ております。と同時に、さきの通知によりますれば、失業保險印紙收入の方が三億からあつて、大部分つたのでありますが、これが三分の一に減らされているような状態であつて、この辺の関係を見ますと、失業保險の方へ支出するような部面を減らして、こうした方面にまわされているのではなかろうかと思いますが、どうでしよう。
  31. 中村俊一

    中村説明員 失業保險の関係の收入は、先ほども申し上げました通り窓口で売れます印紙收入、それから一定の歩合の取扱費郵政省が認めまして、あとそのまま参りますので、その間に操作を全然いたさないのであります。
  32. 井之口政雄

    井之口委員 最初はこれを三億円に見積つていたのは、郵政省の方で見積つてつたのでございますか。労働省の方で見積つてつたのでございますか、それを一億に減らした……。
  33. 石原登

    石原委員長 井之口君、質問がはつきりしません。もう一度……。
  34. 井之口政雄

    井之口委員 失業保險印紙收入という部分が、一億そこそこになつております。ところがその前に一応通知を受けておつたものによりますと、三億円の予定になつておつたわけであります。この三億円になつておつたものを一億円に減らして、四億一千二百万円というものを新しく一般会計より受け入れます石炭手当及び寒冷地手当支給に要する経費に充てておるわけであります。こういう点を考えてみますと、どうも失業保險印紙收入に対して、郵政省の方では三億円に組んでみたり、一億円に組んでみたり、なかなか弾力性のあるいろいろな組み方をしておるように思われます。この点売れるだけしかとれないというようなものの、大体の見当は失業保險印紙收入としてこれだけがあるということを予定される以上は、そこに何らかの算定基礎がなければならぬと思うのであります。
  35. 中村俊一

    中村説明員 前の三億というものはまつたくの予定でありまして、労働省所管でありますところの失業保險印紙が幾ら売れるということは、郵政省では全然算定いたさないのであります。従つて前の三億というのも、その当時労働省がこの程度ということでお示しを願つたものをそのまま上げたのでありまして、それがいろいろなことで今度一億にはつきり確定したということで、これを一億にしたのでございます。
  36. 井之口政雄

    井之口委員 それではもし窓口でどんどん売れるような状態でありましたならば、三億以上にも発行されるような状態でありますか。
  37. 中村俊一

    中村説明員 この失業保險印紙は、実は私どもの方で作成するのではありませんで、労働省の方で作成して、それを私どもの方の窓口で売りさばくというだけであります。従つて失業保險料を納付する人が非常にふえて来るということになりますれば、それに対する処置は労働省の方でおやりになる。それだけのものは印紙を売ることは私どもの方でいつでも売る、こういうわけであります。
  38. 井之口政雄

    井之口委員 それではそれはそれでよいとして、二十五年度歳出予算の点についてちよつとお伺いいたします。二十五年度歳出予算で総係費として必要な経費が八十九億見積られております。去年と比較してみますと、去年は約八十三億見当だつたと思いますが、行政整理やいろいろな点から考えてみて、そう大して減つてないようであります。この算定はどうなつておりますか。
  39. 中村俊一

    中村説明員 二十四年度の総係費は八十二億で、二十五年度は八十九億であります。この内容は医療設備、共通管理費、こういうもので、実はこの共通管理費の面がふえておるのであります。これはどういうわけかと申しますと、先ほど説明申し上げましたように、電気通信からの委託業務、この部分で、二十四年度補正予算で相当の経費不足分として繰入れてもらうわけですが、これが人の問題として出て来るわけであります。この人のうち実際に電信電話運用をいたしておりますものと、さらにそれの管理、共通の仕事をしておりますものが、両方ふえるわけでありまして、その管理共通面の事仕がふえたものに対する総係費増加が、ここに現われて参つたのであります。
  40. 井之口政雄

    井之口委員 この去年の八十二億というのは郵政だけですか。電気通信の方も入れて八十二億ですか。今年は郵政だけ別にして八十九億にふえておるのですが、分離したためにますますふえて来るし、行政整理したためにますます必要経費がふえて来ておる。
  41. 中村俊一

    中村説明員 二十四年度は御承知のように四、五月の両月は、まだ逓信省として一本でありました。しかし先日大臣から御説明がありましたように、予算といたしましては、もう両省が分割するということの見通しがついておりましたので、最初から郵政勘定電気通信勘定という、二つの勘定逓信省予算をわけて組んであつたのであります。従つて二十四年度の八十二億何がしというものは、郵政勘定としての八十二億でありまして、電気通信と合せたものではありません。  そこで二十四年度、二十五年度の総係費の関係について御説明申し上げますと、二十四年度予算も二十五年度予算も、いずれも郵政関係だけでありますが、二十五年度にふえておるものの項目を拾つて申し上げますと、医療関係の医療施設費が、二四川年度よりも二十五年度が約一億六、七千万円ふえております。それから共通管理費、これが約一億近くふえております。そのかわり一方において減つたものもあります。そういうものを差引いたしまして、増加が出て参つておるのであります。この原因は、先ほど申し上げましたように補正予算を組んだ際に、二十四年度補正予算でふえた人間に伴う医療費なり、共通管理費なり、こういうものが二十五年度に持越しになりましてふえたわけであります。この二十四年度の中には補正予算を含んでございません。補正予算を二十四年度の分にプラスいたしますれば、ほとんど同額になります。
  42. 井之口政雄

    井之口委員 それにいたしましても、一万何人という人員整理し、かつ事務の簡素化ということも大臣がしばしばおつしやつた通りで、今度やつた行政整理の建前なのであります。そういうふうな点から考えてみますると、人間はずつと減つてつて、しかも人件費がふえておるということは、どうもその理由がはつきりしないのであります。医療費の点も別に今までもなかつたわけでもなし、今までもあつたものだし、これから一億円ふえるにしても、それでもまだ大きな差がある。去年のものよりもむしろすつと減らなければならぬようなものが、大ざつぱに概算的に計算して、われわれがうなずけるところなのでありますが、どうでしようか。
  43. 大野勝三

    ○大野説明員 途中から参りまして、お尋ねになりました前の方の御趣旨を十分つかんでおりませんので、あるいは見当違いのお答えになるかもしれませんが、ただいま伺いました御趣旨は一応ごもつともであります。そういうわけでありますから、たとえば総係費内訳のところをごらんになりますと、人件費などは個別的には減つておるのであります。しかしながら全体といたしまして、今度は厚生施設、なかんずく医療施設の拡充というところに重点を置きました関係上、たとえば病院、診療所等の設備を拡充し、專門科をふやす。科をふやすにつれまして、いろいろと施設費その他がふえる。またそれに伴う若干の人の増加もあります。そういうものを差引いたしますと、結局におきまして若干の総係費増加なつておるというのでございまして、人件費のみを比較いたしますならば—これは御必要ならばあとで資料をもつて説明してもよろしゆうございますが、整理しただけの人間の人件費は確かに減つておるのでございます。その点に間違いはございません。
  44. 井之口政雄

    井之口委員 その点の明細なる御報告をお願いしたいと思つております。それからさらに進めまして、今度は二十五年度におきましては公債の受入金が約十億見積られておりますが、これは例の見返り資金からの借入金だと察しております。この点はもう明瞭に大蔵大臣やその他と打合せが進んでおつて、確実にこれが実行されるのかどうか、この点をひとつ。
  45. 小澤佐重喜

    ○小澤国務大臣 この問題は前会にも申し上げました通り、内定はいたしておりますけれども、本決定にはなつておりませんから、あるいは変更されるかもしれませんということを、申し上げておいたような次第で、大体日本政府内では了解したのです。しかしながら関係方面との交渉で、あるいは困難かもしれません。しかしまだ最終的の決定はしておりませんで、きよう三時からこの問題を決定することになつております。
  46. 井之口政雄

    井之口委員 こうして受入れられる公債十億円というものが、主としてどういう方面に使われるか、その点をひとつ。
  47. 小澤佐重喜

    ○小澤国務大臣 それは郵便局の焼けたものを新しく建てたり、あるいは腐つたような建物を建て直したりするというりがおもであります。要するに郵政事業建設勘定の資金を増加するというのが、この十億円であります。
  48. 石原登

    石原委員長 井之口君に御相談いたしますが、三時からの閣議で、大臣に今出席を要求しておりますので、本日はこの予算案に対する審議は一応この程度打切りまして、次は郵便事業復興施策の問題について審議いたしたいと思いますが、いかがでありましようか。
  49. 井之口政雄

    井之口委員 ではもう一つ、だけ最後に大臣にお聞きしておきたい。その中から、先ほど郵政施設でも人件費に含んであるような状態ですからして、病院の拡充とか何とかいう方両に、おまわしになるような意思はございませんですかということと、もう一つは例の保險金の強制募集を従業員にやるような意思はないか。これはしかたがなければ、そうむりはせぬでもよろしいというぐらいに考えていられるか。ぜひとも二十億くらいのものはやらなければならぬというきついものであるか。大臣の決心のほどをお聞きしたい。
  50. 小澤佐重喜

    ○小澤国務大臣 この建設勘定は総合的に判断しまして、局舍の改築、局舍の新設、あるいは医療設備の施設、あらゆるものが含まれまして、この十億の具体的な問題は大体の筋は立つておりますけれども、一応予算がきまりますれば、事務的にこれを分割して、たとえば仙台地方局内に十も二十もある。しかし予算はその一五%しかないという場合には、そこに順番をつけて、一番ひどいもの、急を要するものから、順次やつて行きますから、今ただちにどの病院がどういうふうに改善されるかということは申されません。それから二十億の達成の問題ですが、今まででもそうでありますし、これからもそうでありますが、決して従業員にそういうことを強制するようなことは、毛頭考えておりません。従業員がみずから進んで、その業の発展、あるいは契約高の増加のため努力する。その結果が二十億になることを期待しておるのであつて、上からむりに十億にしなければどうとかいうことは、断じて過去にもありませんし、今後もありません。
  51. 石原登

    石原委員長 では予算案に対する審議は本日はこの程度打切りまして、続いて郵政事業復興施策の問題について審議を進めたいと思います。政府の説明を求めます。大野説明員。
  52. 大野勝三

    ○大野説明員 ただいま御審議いただくことになりました通信事業復興に関する大綱でございますが、先般お手元に通信事業復興促進に関する第五国会の決議に対する報告書をお届けいたしまして、ごらんを願つておるわけでございますので、便宜それを中心といたしまして、御説明申し上げたいと存じます。  過ぐる第五国会におきまして、参議院において、通信事業は終戰以来、政府がしばしば言明したにかかわらず、戰災による復旧ははかばかしく進んでないし、従つて施設もその機能を十分に発揮していない。すみやかに施設、資材、要員その他万般にわたつて、企業的な経営態勢を整備して、早くその本来の安全、迅速をモツトーとする通信サービスを、十分に果すような施策を講ずることとして、その具体的施策の大綱を報告してほしいという意味の要求の決議があつたのであります。もちろんこの決議のございますまでもなく、私どもとしては当然に、戰災によります通信施設の機能低下の状態を、一日も早く正常の状態にとりもどすべく、いろいろと努力を重ねて参つたのでございますが、かような決議をいただきますと、これは実に私どもにとつてはありがたい御激励の決議でもございますので、さつそくその線に沿いまして、省内にあらためて各主管局より專門家を集めまして、種々その復興の具体策を検討いたしておりまして、大体その結論となしましたものを、かような册子にまとめたものでございます。  この通信事業復興の計画を立てますにつきましては、もちろんこれは本年度あるいは来年度といつたような、短かい期間において目的を達成することは、とうてい至難でありますから、どうしてもある程度長期の計画とならざるを得ないのでございますが、御承知のような経済情勢、あるいは国際情勢、国内情勢から考えみまして、長期の計画を的確に見通しを立てつつ樹立いたしますことは、決して容易のわざではございません。これはもちろんそのときどきの情勢によりまして、端的に申しますれば、直接関係のあります予算事情のいかん等によりまして、相当の影響を受けますことは当然でございますれども、私どもがいろいろと努力をいたして参ります一つの目標としては、何かさような長期の計画がなくてはならぬ。かような意味におきましてこれを考えた次第でございます。  さてその施策の大綱の基本的な考え方でございますが、郵政事業は御承知のように、本年六月よりはつきりと電気通信事業と別の経営管理主体によつて、営まれることになりましたので、その点はきわめてすつきりして参つたのでありますが、しかしその内容を検討してみますと、郵便郵便為替、郵便貯金、あるいは国庫金の取扱い業務をやる。一方におきましては別個の特別会計なつております簡易保險及び郵便年金仕事があり、さらに電気通信事業は、事業の、主管省は別になりしたけれども、一万数千の全国に附置されております特定郵便局におきます電気通信業務は、これを電気通信省から郵政省委託を受けるという形になりまして、依然として郵政省において営んでおるというような関係がございますので、その内容は財政的に見ましても、また経営的に見ましても、非常に複雑なものを持つておるわけでございます。しかしながらこの複雑なものをそれぞればらばらに運営するということは、とうていできることではございませんし、また非常に非能率、不経済のもとでございますので、これを一本の郵政特別会計というものにくくりまして、まず郵政省仕事は総体的に、郵政特別会計という一本の綱でこれを統括をいたしまして、統一的に運営をして行くという建前に相なつておることは、皆様御承知の通りであります。そういうわけでございますから、この会計を通じまして一本に統括された内容の非常に複雑な仕事を持つております郵政事業を、有機的、総合的に運営して、長所をあくまでも発揮して、独立採算を維持しつつ、事業を発展させるというところに、まずその後興の基本方針を置こうというふうに考えたのでございます。  それから一つ一つの事業について考えて見ると、何と申しましても大きなものは郵便事業為替貯金事業、保険年金事業、この三つにわけられるわけでございます。これは実態的にわけると、そういうふうにわけられるのでございます。会計的に申しますれば、もちろん郵便事業郵政特別会計の骨であります。また為替貯金仕事は、一部は郵政会計固有の仕事でありますけれども会計的には大部分大蔵大臣所管の郵便貯金特別会計でございますが、その郵便貯金特別会計から実際の業務運営するに必要な経費郵政特別会計に繰入れ、それ以後は人物、一切郵政会計負担におきまして、これは郵政特別会計仕事として営むという形になつておるのであります。また保險年金仕事につきましても同様の関係でございまして、保險年金特別会計というものが別個にございますけれども、これは会計的にあるいは計算的に一つの特別会計なつておるのでありまして、事業運営の実際は、ただいま申しました為替貯金と同様の関係において、郵政特別会計に統合されておるという状態でございます。しかし仕事の実態そのものは、会計的にはさように一諸になつておりましても、これにはおのおの特質がございますので、実態的に申しますならば、郵便仕事と、為替貯金仕事と、保險年金仕事と、この三つがそれぞれその特質に即して、最も合理的に、また能率的に運営されて行かなければならないという関係にあるものでございます。  さようなわけでございますので、郵便事業につきましては、郵便のモツトーともいうべき、また郵便のサービスの生命ともいうべき、安全性、敏速性、確実性という三点を目標として、この目標達成の根幹といたしまして、経営面の刷新をはかり、また合理化、能率化をはかつて行くことが、どうしても復興の基本方針でなければならず、また為替貯金につきましては、その簡易、便利、確実な貯金及び送金の手段としての使命というものを、あくまでもはつきりさせるところに、復興の重点がおかれなければならないことは、申すまでもございません。また保險年金事業につきましては、これが保險年金という仕事を通じまして、一般の社会の人々に対しまして、簡易に利用できるところの生命保險年金というものを、なるべく安い保險料で提供しつつ、国民経済生活の安定と福祉の増進に資するということが、表面の理由であり、それをさらに裏づけるものとしては、経営の健全化ということ、あるいは経営の健全化に相伴いまして、サービスの向上、積立金の自主的運用といつたようなところを、復興達成の目標として計画を立てて行くようにいたしたいというのが、復興の基本的な考え方になつておるわけでございます。  次に郵政事業復興の施策でありますが、まず昭和二十四年度をかりに第一年と定めまして、将来五箇年間に、比較的国民経済の安定しておりました昭和五年ないし九年を標準にとりまして、その当時のサービスにもどすということを目標として、いろいろの計画を立てるということにいたしておるのでございます。それはここに書きました通り、事業施設の整備及び戰災の復旧を強力に推進するため、戰災局舍、狭塩局舍、老朽局舍の復旧整備、並びに事業用の諸設備、機械器具等の設備をはかる。それから郵便の正確性、安定性を向上するため、事故の予防を強化するとともに、規定の結束、つまり郵便局で取集めましたものをそれぞれ区分をいたしまして、必要な逓送便あるいは自動車便等にそれぞれ連絡をいたしまして、その連絡からさらに次の郵便局にそれが届き、郵便局から配逹にまわされるといつたような一連の流れ作業を、予定のスケジユール通りにやつて行く。そうしてその取扱いの間において事故のないようにして行くという点を、一層強化して行くということになつておるのであります。  それから郵便の速度を向上させますためには、郵便物を運ぶ施設を整備拡充して行くとともに、取集めをいたしましたり配達をいたします度数を、今少しふやす必要がありますので、前者の目的に沿いますためには、汽車便、自動車便、水路便等の便数をふやす。あるいはその線路を延長する。さらに集配施設を機械化する。機械化すると申しましても、御承知の通り郵便電気通信と違いまして、比較的人の労力による部面が多うございますので、機械化のおもなる点は、結局郵便物を運送する、あるいは取集め、配達するという面での機械化でございますので、これは主として車両の機械化、すなわち自転車から自動自転車あるいは、自動車の施設を、相当幅広くさらに取入れるといつた点に重点が置かれるわけであります。さようにいたしまして、大体考えております私ども目標では、まず集配度数の問題につきましては、六大都市、その他市制施行地、その他と三段階にわけますと、通常取集めの例をとつてみれば、昭和六年当時において六大都市が十度、その他市制施行地では八度、六大都市、市制施行地以外の都市では二度の取集めをいたしておりますが、二十四年度には四度、四度、二度となり、来年度においては六度、四度、二度とふやし、二十六年度においては六度、五度、二度といたしまして、二十八年度においては八度、六度、二度といたそうというのであります。それから配達におきましては、六年の当持においては六大都市、市制施か行地、その他の地域という三地域におきまして、四度、三度、二度でありましたものが、二十八年度においては三度、三度、二度までは持つて行こうというのであります。  それから郵便取扱機関の普及等につきましても、集配普通局は、六年当時におけるものよりも、戰災によつてなくなつて、現在廃止しておる局のうち、まだ未復旧のものを大体復旧するという建前で行くことにいたしまして、二十七年度までに大体三局ずつ復旧して行こうというのであります。もちろん郵便局ばかりでなく、その他の施設でもそうでありますが、戰災後におきましては、都市の人口状態、あるいは通信力の面から見まして、非常な変動がございましたので、必ずしも局舍なり通信施設を、戰争前と同じ状態に設けることが必要でない部面が確かにございました。従つて率直に申し上げますと、今日におきましては局舍等から見ますと、かりのバラツク建のものが大部分でございますけれども、必要な郵便機関というものは大体復旧いたしておるのでございます。しかしながら都市の復興その他は毎年急速に進んでおります。従つて人口の集中あるいは経済力の回復なども、それふぞれ年々かわつて来ております。その情勢に対応して、年々この程度郵便局郵便機関、窓口機関をふやして行こうというのが戰災郵便局復興の数字でございます。  かようにいたしまして、とにもかくにも郵便のサービスを向上して行くと同時に、独立採算制を初年度から徹底させるために、收入をふやす面につきましてもいろいろとくふうをいたしまして、先般御審議、御決定をいただきましたお年玉年賀郵便のごときも、まつたく独立採算制達成のための一つの試みであります。もちろん独立採算制を達成するということは、單に收支のバランスを合せるというだけのことではございませんで、郵便施設を拡充し、またサービスを向上いたすための必要な経費をみずからまかなうために、こういう増収対策を立てて行くものであることは申し上げるまでもございません。  なお郵便の復興というのは、單に将来の計画を述べただけではございません。もちろん将来のものは計画でございますが、今日までもだんだんと戰前の状態に復帰する措置はとつているのでございまして、その一例を申し上げますと、たとえば郵便におきましては、内容証明及び差出後に請求をする配達証明の取扱いなどは、昭和十九年の四月以降中止しておつたのでございますが、これは二十年十一月に再開をいたしました。また通貨価格表の取扱いは、十九年四月以降休止をいたしておりましたが、二十三年の一月から通貨保險扱いとして再開をいたしております。代金引換等も、十二年十一月以降休止いたしておりましたが、二十一年一月からこれを復活いたしました。年賀郵便先ほど申し上げました通り、昨年から復活になつたのでございますが、そのほか隣組等へ一括配達という戰時中のやり方は、全部今日では改められまして、戸別配達の原則になつております。ただ昨今まで何と申しましても郵便の速度が非常に落ちたという点が、御利用願う国民大衆の各位から非常な御不満を買つておつた点でございますが、この点も、今年八月から少くとも、主要都市間におきましては、速逹に限りましては特に特別速達の扱いをいたしまして、一定の予定所要到着日数には、必ずあて所に配逹されるというような制度などをやつてつたのでございますが、最近郵便のスピード・アツプという点につきまして、相当期待できるような條件も熟して参りましたので、一層これらの点は改善されるものと期待をいたしておるわけでございます。  なお郵便につきましては、一言外国郵便との関係を申し上げておきますが、戰争という一つのできごとによりまして、本来国際的性質を持つております郵便がまつたく孤立、立ち切られてしまいまして、非常にきゆうくつな思いをお互いにいたしておつたのでございますが、戰後いまだどこにも條約関係等はできておりませんのに、まつ先に郵便につきまして国際的な業務が再開されるに至りましたことは、皆様すでに御承知の通りであります。こまかく申しますと、いろいろのサービスに連れまして、漸次復旧いたしたのでございますが、昨年の七月には御承知の万国郵便條約、及び小包郵便に関する約定に正式に晴れて持参がかないまして、日本はやはり條約国の一員として、戰前と同じステータスにおいての條約加盟国ということになつたのでございまして、爾来全世界のどこへも、若干の制限はございますが、ほとんど戰前と同様な状態で外国郵便の交通が開かれましたことは、郵便事業の本質に基くこととは申しながら、非常に明るい復興の一部面ではないかと考える次第でございます。  郵便は大体その程度にとどめまして、次は為替貯金の復興施策でございますが、これはここにいろいろ書いてございますが、最近におきまして為替貯金事業の一つの大きな問題は、何と申しましても小口の貯金、非常に多数の品数、そして零細な預貯金の出し入れをいたします関係上、非常にコスト高になりまして、貯金事業自体の計算から見ますと、多額の赤字を生じておつたという点が、この為替貯金事業の一つの大きな癌でありました。しかしながらいろいろと経費の節減のできることは、極力節減をはかりますとともに、一層いろいろな点を合理化をいたしまして、要員のごときもずいぶん想い切つて落すような措置を講じまするとともに、業務の整備復旧等に一層の努力をいたしまして、今日では大体来年度以降あたりからは赤字をなくして、正常な運営ができるという見通しも立つたのでございますので、この綿を一層押し進めまして、将来少くとも五箇年間には相当の黒字を生む。そうしてほんとうに国民大衆の貯金としての本来の使命を、遺憾なく発揮できますようにという計画を立てたのでございます。経費節減の一例といたしまして、四ページに証券保管業務のことをAとして掲げてございますが、これなども実は戰争中、いろいろな国債あるいは貯蓄債券等を郵便局でお殖預かりをいたしておりました。その金額は二十数億になつておりまして、枚数にいたしますと一億三千万枚くらいの国債、証券などを預かつておりましたが、預かることによります收入はわずかに年四、五万円にすぎません。ところがそれを扱うために要する経費というものは、年額四億円を要する。まるでちようちんとつりがね以上の大サービスをやつておつたわけであります。しかしながら戰後はむしろ証券保管を依頼された方の側から、それをひとつすみやかに換金してほしいという要望が相当強うございましたし、一方私ども事業の方から申しますと、ただいま申しました通り非常な経費を要しながら、ほとんど收入のない。まつたくサービスだけであるこの証券保管業務を、一日も早く合理化する必要がございましたので、先般過ぐる国会でその法律が通過いたしまして、この二十四年九月から実施になりまして、全部これを整理し、郵政省の方で売却の措置をとりまして、それぞれ保管主の貯金に振込み、あるいは御要求によつては現金をすぐにもどして差上げるという措置を講じました。このために出ます経費の節減だけでも相当なものであることは、ただいまの説明で御了承願えるかと考えるのであります。そのほか、睡眠貯金整理とか、これもなかなか大きな問題でございますので、これらを大いに積極的にやりたいというのでございます。  次は保險年金事業の復興でございますが、保險年金事業につきましても、大体復興の重点は、先ほど基本の方針のところで申し述べました通り、一日も早く、安くて、ほんとうに合理的なサービスを提供すること、つまり安い保險料で有利な保險金支拂いできるような、そうしてほんとうの大衆保險としての実をあげるというところに、重点を置かなければならないのでありますが、遺憾ながら、戰争後は非常な経済変動によりまして、この保險特別会計は莫大な赤字を背負わなければならないようなことになりました。そのために、長年やつておりました長期還付金の制度ども、一時これをストツプせざるを得ないというような状態に立至つてつたのでありますが、今年度から赤字克服に大馬力をかけますとともに、この保險事業の利用層の大拡充をはかりまして、いわゆる二十億達成目標というものを立て、全員非常な努力をいたしました結果、一箇月分の保險料の合計額におきまして、すでに新規十七億を突破するというような成績をあげておりまして、予定の二十億達成も大体期待し得るという見通しのつく状態に相なつております。これができますと、来年度以降は、この九ページから十ページに表を掲げましたように、二十億から、来年度は十五億、二十六年度は十三億、二十七年度は十億、二十八年度は十億というふうに、漸次新規の契約を逓減いたしまして、それと同時に質の内容、あるいは維持、つまり失効、解約ということのないように、掛け続けていただくという点に重点を置いてやつて行くということにすれば、もう来年度からはけつこう赤字なしで、しかもただいま申しました長期還付金制度ども復活せられまして—長期還付金と申しますのは、御承知のことと思いますが、民間保險でいわゆる契約者に対する配当というものでございますが、これをぜひ復活いたしたい。そのほか保險期間を短かくするとか、伝染病その他の場合に非常に有利な扱いをするといつたような、大衆保險にふさわしいような制度は、すでに本年度から実施いたしておりますが、それに加えてだんだんとこういう点を充実いたして行きますとともに、被保險者の福祉施設、あるいは健康相談とか、健康の増進といつたような方面にも、一層施設を充実して行く考えでございます。  大体以上で郵便貯金保險年金の三事業についての、復興計画の大要を申し上げたのでございまして、あと御質問に応じまして、本日は各主管の局長も参つておりますので、御質問がありますれば、各主管局長の方からお答え申し上げることにいたしたいと存じます。
  53. 井之口政雄

    井之口委員 要員施策の点でございますが、まず第一にこの事業が機械事操作によつて運営される部面が非常に少くて、人力による部面が多いということを申されております。そうすると今申されましたように、復興事業のいろいろな計画を遂行するのには、どうしても人員増加をしなければやり切れなくなるということは、この点からも明らかになるのでありますが、それに対して二十四年度は、先ほども申しました通り人員の方に使う予算はよけい組んであるにもかかわらず、人員増加しないことになつている。しかるにいろいろな局の実際について見ますと、一ぺん一人の首を切つておいて、二人入れるというふうなことをやつているところがたくさんあるのであります。そういうやり方に対して郵政省の中央部において、下への監督が十分行き届いているかどうか、この点をひとつ聞いてみたいと思います。
  54. 大野勝三

    ○大野説明員 要員の点を省略いたしまして、まことに恐縮でございます。筋はまさに御説明の通りであります。現業の仕事でありますから、業務面がふえ、施設が拡充されますれば、それに応じて運営して行く人が伴つて行かなければならないことは当然でございます。そうかといつて将来必要なるべき要員を予想して、あらかじめプール的な人を持つておくというほどの余裕はございませんし、また事業の能率的な運営からも、許さるべきでないということは明白でございますから、必要な要員を確保する前に、不必要な要員を落すということも、同時に考えて行かなければならぬわけでございます。そういうわけで、大筋といたしましてはまさに御説の通りで、われわれとしては必要に応じて適切な方法を講じて行きたいというように考えている次第であります。
  55. 井之口政雄

    井之口委員 これは復興促進に対する決議に対しての御報告なのであります。そうすると人員の点については、今おつしやられたのがもつともだとすれば、これがもつともであるということをここに入れる。将来こうするつもりだ。こうすることによつて復興できるのだということをやはり入れておかなければ、実際の仕事はできなくなるのではなかろうかと思います。  次に給與制度ですが、給與制度で将来やろうとするものを見ますと、企業的経営の実効を確保するために、事業の成果を従業員の給與の方に反映せしめるがごとき給與制度を考慮する—考慮するというたつた、これだけになつております。これだけではまつたく何を意味するのか、われわれには判断しかねるのであります。郵便事業を復興させるのは、機械がやるのではない。人がやるのです。その働いている人のことをおろそかにして—今日それらの人が生きて行くのに、もうマル公の品物でも大分いろいろなものが引上げられようとしている。人事院でさえもベースの引上げをやろうとしている。こういうときに郵政省として、具体的な方針が何らないということは、はなはだ心外にたえぬのですが、どうでしようか。
  56. 大野勝三

    ○大野説明員 郵政省といたしまして具体的にいろいろ意見もございますが、御承知のようにこの刷りものは、政府の国会に対する回答という形式でございますが、そういうことでございました関係上、政府としての国会に対する積極的な回答は、今の投階ではこの程度より言えないのではないかというのが、打明けたところの話でございます。具体的なことは人事院の給與を担当されるところでも、いろいろお考えもございましようし、だんだんと当委員会からおしかりを受けながら、いろいろ具体策を練つて行きたいと考えておる次第でございます。
  57. 井之口政雄

    井之口委員 それでは裏表があるといたしまして、二つの問題について、先ほどなかなか納得が行かなかつた問題がある。それは例の失業保險印紙が三億円から一億円に減らされているが、どこを基準にして算定されているのか、この点がわからぬ。しかもこれは労働省において算定されたものであるというようなお話を承つたのでありますから、ひとつこの次に労働省の所管の係官の方に出ていただきまして、その辺をどういうふうに見積られたものか。明らかにしていただきたいと思う。  次にもう一つは、例の人件費が、本年よりも来年はもつとふえるという先ほど説明だが、どうも納得しかねる。その点の最も詳細なる内訳を発表していただけば、それによつて検討して、なるほどと納得するものなら納得する。今の政府は、行政整理をやれば人件費が削減されて、それだけ予算が少くなつて、国民全体としては負担が軽くなるというようなことを言つておるのですが、これから見たのではあべこべにふえて来ている。そうして医療の拡充をやろうとしたところで一億円、また共通管理をやるとしても、そんなものの簡素化がされてこそ行政整理だと思いますが、ますます複雑になつて、人間がよけいいるというようなことになつたならば、おかしなことである。人間がよけいにならないで、費用だけ多くなるとしたならば、どこへそれが行つておるのか。上役の方々がたくさんふえて、そういう人たちの給料が多くなるというようなことも、早合点して推量されないとも限らないのでありますから、その辺の詳細な点を発表していただきまして、なおあらためて検討してみたいと思います。
  58. 大和田義榮

    ○大和田委員 先ほどお話がありました懸案である郵便年金並びに簡易保険の運用の問題につきましては、郵政大臣を初めとして政府当局が非常に骨を折つて、今お発言のごとく大蔵、郵政大臣において、関係方面に書類を出したということは、まことに朗報であると存じます。それと相まちまして、委員長が側面的運動を継続しておるということは、まことに喜ばしきことであると思うのでありますが、いずれにいたしましても、郵政の独立採算制という建前から見ましても、あるいはまたサービスという観点からしましても、はたまた現在の経済の情勢から見ましても、産業資金の面にこれらのものを使うということになりますれば、それこそ一石三鳥の良策であるということは周知の事実であります。ゆえに今後とも委員長を初めとして、われわれ委員も必要がありますれば側面的に強力に運動いたしますから、一日も早くこれを実現するようにお願いしたいということが一つ。  いま一つは今まで未開拓であつたという貯金の問題でありますが、この貯金運用の問題も、せつかく骨折つても、地方にそれが融資されぬということになりますれば、これこそまた大きいことになると思いますので、これらのことにつきましても、諸般の事情によつて容易ではないことではあると思いますけれども、側面運動の場合におきまして、十分これらのことも打診いたしまして、新開拓をするということこそ、郵政事業進展のかぎであると思います。その辺のところも、ともに開拓するようなお考えで、お進み願いたいと思う次第であります。
  59. 石原登

    石原委員長 この際お諮りいたしたいと思います。郵便年金積立金と簡易保険の積立金の適用の問題につきましては、先ほど御報告申し上げました通り、政府においても十二分の努力をされておられるようでありまするが、当委員会といたしましても、本委員会の意向といたしまして、連合軍総司令部経済科学局長に対しまして、適当の懇請をいたしたいと考えます。この文案その他につきましては、委員長におまかせいただきたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 石原登

    石原委員長 それでは、さようとりはからうことにいたしたいと存じます。  残余の日程は次会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。なお次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後三時五十一分散会