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1949-10-26 第6回国会 衆議院 本会議 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十六日(水曜日)  議事日程 第二号     午後一時開議  第一 衆議院規則改正案議院運営委員長提出)  第二 常任委員選任  第三 常任委員長選挙         ————— ○本日の会議に付した事件  日程第一 衆議院規則改正案議院運営委員長提出)  日程第二 常任委員選任  日程第三 常任委員長選挙  選挙法改正に関する特別委員会設置の件(議長発議)  海外胞引揚に関する特別委員会災害地対策特別委員会及び政府支拂促進に関する特別委員会設置動議山本猛夫提出)  観光事業進行方策樹立特別委員会設置動議山本猛夫提出)  考査特別委員会設置動議山本猛夫提出)     午後四時二十三分開議
  2. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第一は委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。  日程第一、衆議院規則改正案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。前議院運営委員長大村清一君。     〔大村清一登壇
  5. 大村清一

    大村清一君 ただいま議題となりました衆議院規則改正案につきまして提案の理由を説明いたします。  本案は、国会法改正に伴う常任委員会の規定の改正であります。すなわち、委員会の名称及びその数を改め、各省設置法の施行に伴い所管事項を若干整理いたしました。常任委員会委員数につきましては、現在予算図書館運営を除いた他の常任委員会はいずれも二十五人でありますが、従来における委員会運営の実績に徴しまして、その委員数を三十五人、三十人、二十五人、二十人の四種類といたし、審査及び調査の繁閑の度合いを勘案いたしまして、それぞれ員数を定めたものであります。  本案はきわめて簡單な改正でありまして、国会法の一部を改正する法律案とともに閉会中議院運営委員会において五回にわたり慎重審議の結果、ここにこの成案を得た次第であります。なお配布されました印刷物中議院運営委員会員数は二十五人となつておりますが、これは三十人に御訂正を願います。何とぞ諸君の御賛成を望みます。(拍手
  6. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  8. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 日程第二、常任委員選任を行います。衆議院規則第三十七條により、議長において、常任委員を指名いたします。委員の氏名は参事をして報告いたさせます。     〔参事朗読〕  内閣委員   青木  正君  池田正之輔君    井上 知治君  江花  靜君    小川原政信君  佐藤 榮作君    鈴木 明良君  奈良 治二君    丹羽 彪吉君  根元龍太郎君    牧野 寛索君  柳澤 義男君    鈴木 義男君  松岡 駒吉君    苫米地義三君  木村  榮君    保利  茂君  小林  進君    船田 享二君  中原 健二君  人事委員    池見 茂隆君  今泉 貞雄君    小平 久雄君  高橋 權六君    田中 萬逸君  玉置  實君    橋本 龍伍君  廣川 弘禪君    藤井 平治君  藤枝 泉介君    星島 二郎君  水田三喜男君    赤松  勇君  松澤 兼人君    千葉 三郎君  中曽根康弘君    加藤  充君  土橋 一吉君    逢澤  寛君  木村 俊夫君  地方行政委員    生田 和平君  大泉 寛三君    大内 一郎君  川西  清君    河原伊三郎君  川本 末治君    菅家 喜六君  清水 逸平君    中島 守利君  野村專太郎君    淵上房太郎君  森下  孝君    吉田吉太郎君  龍野喜一郎君    大矢 省三君  久保田鶴松君    門司  亮君  床次 徳二君    藤田 義光君  立花 敏男君    谷口善太郎君  鈴木 幹雄君    圖司 安正君  井出一太郎君    大石ヨシエ君  法務委員    角田 幸吉君  鍛冶 良作君    北川 定務君  小玉 治行君    佐瀬 昌三君  高橋 英吉君    田嶋 好文君  花村 四郎君    古島 義英君  松木  弘君    眞鍋  勝君  武藤 嘉一君    山口 好一君  吉田 省三君    猪俣 浩三君  石川金次郎君    田万 廣文君  小野  孝君    上村  進君  梨木作次郎君    大西 正男君  吉田  安君    佐竹 晴記君  三木 武夫君    世耕 弘一君  外務委員    岡崎 勝男君  菊池 義郎君    栗山長次郎君  近藤 鶴代君    坂田 英一君  佐々木盛雄君    塩田賀四郎君  竹尾  弌君    仲内 憲治君  中山 マサ君    益谷 秀次君  増田甲子七君    鈴木茂三郎君  戸叶 里子君    並木 芳雄君  野坂 參三君    犬養  健君  松本 瀧藏君    玉井 祐吉君  北  二郎君  大蔵委員    大上  司君  岡野 清豪君    鹿野 彦吉君  川野 芳滿君    北澤 直吉君  小峯 柳多君    小山 長規君  佐久間 徹君    島村 一郎君  鈴木 正文君    高間 松吉君  田中 啓一君    塚田十一郎君  苫米地英俊君    中野 武雄君  西村 直己君    前尾繁三郎君  三宅 則義君    森 幸太郎君  山口六郎次君    川島 金次君  田中織之進君    中崎  敏君  松尾トシ子君    荒木萬壽夫君  橋本 金一君    宮腰 喜助君  河田 賢治君    林  百郎君  深澤 義守君  坪川 信三君  早稻田柳右エ門君    内藤 友明君  中村 寅太君    中野 四郎君  文部委員    伊藤 郷一君  岡延右エ門君    柏原 義則君  甲木  保君    木村 公平君  佐藤 重遠君    千賀 康治君  高木  章君    圓谷 光衞君  水谷  昇君    若林 義孝君  松本 七郎君    森戸 辰男君  稻葉  修君    中島 茂喜君  今野 武雄君    渡部 義通君  長野 長廣君    原   彪君  小林 信一君   厚生委員    青柳 一郎君  天野 公義君    大石 武一君  岡西 明貞君    高橋  等君  田中 重彌君    中川 俊思君  幡谷仙次郎君    松永 佛骨君  丸山 直友君    亘  四郎君  岡  良一君    堤 ツルヨ君  金塚  孝君    川崎 秀二君  伊藤 憲一君    苅田アサノ君  橘  直治君    堀川 恭平君  金子與重郎君   農林委員    足立 篤郎君  安部 俊吾君    宇野秀次郎君  遠藤 三郎君   小笠原八十美君  河野 謙三君    中村  清君  野原 正勝君    原田 雪松君  平澤 長吉君    平野 三郎君  渕  通義君    松浦 東介君  村上 清治君    守島 伍郎君  八木 一郎君   藥師神岩太郎君  山村新治郎君    山本 久雄君  渡邊 良夫君    足鹿  覺君  石井 繁丸君    井上 良二君  佐々木更三君    大森 玉木君  小林 運美君    坂口 主税君  竹村奈良一君    山口 武秀君  横田甚太郎君    寺島隆太郎君  寺本  齋君    中垣 國男君  吉川 久衛君    小平  忠君   水産委員    石原 圓吉君  押谷 富三君    小高 熹郎君  川端 佳夫君    川村善八郎君  五島 秀次君    鈴木 善幸君  高木 松吉君    田口長治郎君  田渕 光一君    玉置 信一君  冨永格五郎君    永田  節君  夏堀源三郎君    二階堂 進君  平井 義一君    松田 鐵藏君  足立 梅市君    佐竹 新市君  園田  直君    長谷川四郎君  林  好次君    砂間 一良君  中西伊之助君    奧村又十郎君  小松 勇次君    岡田 勢一君  早川  崇君    水野彦治郎君  黒田 寿男君   通商産業委員    阿左美廣治君  有田 二郎君    井上信貴男君  今村長太郎君    岩川 與助君  大野 伴睦君    門脇勝太郎君  神田  博君    小金 義照君  小西 英雄君    澁谷雄太郎君  首藤 新八君    關内 正一君  高木吉之助君    田中 彰治君  中村 幸八君    福田 篤泰君  福田  一君    前田 正男君  村上  勇君    今澄  勇君  加藤 鐐造君    坂本 泰良君  山口シヅエ君    有田 喜一君  高橋清治郎君    柳原 三郎君  川上 貫一君    田代 文久君  徳田 球一君    田中伊三次君  田中  豊君    永井 要造君  河野 金昇君    山手 滿男君   運輸委員    稻田 直道君  大澤嘉平治君   岡田 五郎君  岡村利右衞門君    尾崎 末吉君  尾関 義一君    片岡伊三郎君  黒澤富次郎君    小西 寅松君  關谷 勝利君    高橋 定一君  土倉 宗明君    坪内 八郎君  畠山 鶴吉君    前田  郁君  松本 一郎君    滿尾 君亮君  松井 政吉君    三宅 正一君  米窪 滿亮君    河本 敏夫君  佐伯 宗義君    清藤 唯七君  柄澤登志子君    田中 堯平君  大西 禎夫君    山崎 岩男君  飯田 義茂君    木下  榮君  石野 久男君   郵政委員    石原  登君  宇田  恒君    大和田義榮君  風間 啓吉君    加藤隆太郎君  白井 佐吉君    鈴木 仙八君  田中  元君    長尾 達生君  原 健三郎君    樋貝 詮三君  平島 良一君    淺沼稻次郎君  西村 榮一君    福田 繁芳君  井之口政雄君    山本 利壽君  平川 篤雄君    松本太郎君  尾崎 行雄君   電気通信委員    淺香 忠雄君  飯塚 定輔君    庄司 一郎君  高塩 三郎君    多武良哲三君  中馬 辰猪君    辻  寛一君  中村 純一君   橋本登美三郎君  福永 一臣君    降旗 徳弥君  松本 善壽君    受田 新吉君  土井 直作君    椎熊 三郎君  江崎 一治君    田島 ひで君  中村 又一君    今井  耕君  河口 陽一君   労働委員    麻生太賀吉君  大橋 武夫君    小淵 光平君  金原 舜二君    倉石 忠雄君  佐藤 親弘君    篠田 弘作君  塚原 俊郎君    福永 喜東君  福永 健司君    船越  弘君  松野 頼三君    三浦寅之助君  吉武 惠市君    青野 武一君  福田 昌子君    前田 種男君  芦田  均君    小川 半次君  春日 正一君    聽濤 克巳君  島田 末信君    石田 一松君  衞藤  速君    竹山祐太郎君     〔議長退席、副議長着席〕   建設委員    淺利 三朗君  今村 忠助君    内海 安吉君  江崎 真澄君    大西  弘君  越智  茂君    坂本  實君  瀬戸山三男君    高田 弥市君  田中 角榮君    飛嶋  繁君  内藤  隆君    西村 英一君  松井 豊吉君    三池  信君  宮原幸三郎君    山本 猛夫君  上林與市郎君    前田榮之助君  八百板 正君    畠山 重勇君  増田 連也君    村瀬 宣親君  池田 峯雄君    高田 富之君  天野  久君    久野 忠治君  笹森 順造君    寺崎  覺君  松谷天光光君   経済安定委員    井手 光治君  小川 平二君   小野瀬忠兵衞君  志田 義信君    周東 英雄君  多田  勇君    永井 英修君  林  讓治君    福井  勇君  細田 榮藏君    本多 市郎君  南  好雄君    宮幡  靖君  森   曉君    勝間田清一君  成田 知巳君    笹山茂太郎君  森山 欽司君    米原  昶君  金光 義邦君    田中不破三君  高倉 定助君    羽田野次郎君  岡田 春夫君    浦口 鉄男君   予算委員    青木 孝義君  淺香 忠雄君    天野 公義君  池田正之輔君    井手 光治君  植原悦二郎君   大上  司君  岡村利右衞門君    尾崎 末吉君  角田 幸吉君    上林山榮吉君  小金 義照君    小平 久雄君  小峯 柳多君    坂田 道太君  佐藤 榮作君    庄司 一郎君  周東 英雄君    高橋  等君  田中 啓一君    玉置  實君  塚田十一郎君    苫米地英俊君  西村 英一君    西村 久之君  丹羽 彪吉君    根本龍太郎君  松浦 東介君    松本 一郎君  稻村 順三君    勝間田清一君  西村 榮一君    水谷長三郎君  武藤運十郎君    小野  孝君  川崎 秀二君    中曽根康弘君  福田 繁芳君    風早八十二君  志賀 義雄君    野坂 參三君  深澤 義守君    奧村又十郎君  小坂善太郎君    圖司 安正君  山本 利壽君    今井  耕君  平川 篤雄君    松本太郎君  黒田 寿男君    世耕 弘一君   決算委員    柏原 義則君  川端 佳夫君    塩田賀四郎君  高塩 三郎君    田中 角榮君  中馬 辰猪君    中川 俊思君  永田  節君    二階堂 進君  福田 喜東君    藤枝 泉介君  本間 俊一君    松田 鐵藏君  田中織之進君    前田榮之助君  有田 喜一君    中島 茂喜君  風早八十二君    東井三代次君  金子與重郎君   議院運営委員    石田 博英君  今村 忠助君    江崎 真澄君  大石 武一君    大橋 武夫君  大村 清一君    岡延右エ門君  岡西 明貞君    倉石 忠雄君  佐々木秀世君    田中  元君  田渕 光一君    塚原 俊郎君  福永 一臣君    福永 健司君  山本 猛夫君    淺沼稻次郎君  土井 直作君    松井 政吉君  椎熊 三郎君    園田  直君  長谷川四郎君    神山 茂夫君  土橋 一吉君    坪川 信三君  寺本  齋君    河口 陽一君  竹山祐太郎君    玉井 祐吉君  中野 四郎君   懲罰委員    池田 勇人君  江田斗米吉君    大西  弘君  小澤佐重喜君    佐々木秀世君  高木 松吉君    内藤  隆君  松木  弘君   山口喜久一郎君  山崎  猛君    吉田  茂君  猪俣 浩三君    佐々木更三君  志賀健次郎君    徳田 球一君  林  百郎君    大西 正男君 木村左衞門君    笹森 順造君  浦口 鉄男君   図書館運営委員    石田 博英君  尾関 義一君    木村 公平君  篠田 弘作君    橋本 龍伍君  水谷  昇君    森戸 辰男君  北村徳太郎君  伊藤 憲一君  早稻田柳右エ門君      ————◇—————
  9. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第三、常任委員長選挙を行います。         —————
  10. 山本猛夫

    山本猛夫君 常任委員長選挙は、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  11. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて議長は各常任委員長を指名いたします。  内閣委員長     鈴木 明良君  人事委員長     星島 二郎君  地方行政委員長   中島 守利君  法務委員長     花村 四郎君  外務委員長     岡崎 勝男君  大蔵委員長     川野 芳滿君  文部委員長     原   彪君  厚生委員長     堀川 恭平君  農林委員長    小笠原八十美君  水産委員長     石原 圓吉君  通商産業委員長   大野 伴睦君  運輸委員長     稻田 直道君  郵政委員長     石原  登君  電気通信委員長   辻  寛一君  労働委員長     倉石 忠雄君  建設委員長     淺利 三朗君  経済安定委員長  小野瀬忠兵衞君  予算委員長     植原悦二郎君  決算委員長     本間 俊一君  議院運営委員長   大村 清一君  懲罰委員長     松木  弘君  図書館運営委員長  早稻田柳右エ門君 以上御指名申し上げます。      ————◇—————
  13. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) お諮りいたします。本会期におきましても、前会期同様、選挙法改正に関する特別委員会を設けることといたし、その委員の数は三十一名とし、性質権限等昭和二十四年五月十四日本院決議した通りといたし、委員会費用については月平均二十万円を超えない範囲で支出し得ることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。      ————◇—————
  15. 山本猛夫

    山本猛夫君 特別委員会設置動議提出いたします。すなわち、海外胞引揚げに関する調査をなすため委員三十名よりなる特別委員会災害地対策樹立のため委員四十五名よりなる特別委員会政府支拂いの促進をはかるため委員三十名よりなる特別委員会の三特別委員会を設置せられんことを望みます。
  16. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。      ————◇—————
  18. 山本猛夫

    山本猛夫君 特別委員会設置動議提出いたします。すなわち、観光事業振興方策を樹立するため委員三十名よりなる特別委員会を設置せられんことを望みます。
  19. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 山本君の動議を採決いたします。山本君の動議賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  20. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて動議のごとく決しました。      ————◇—————
  21. 山本猛夫

    山本猛夫君 特別委員会設置動議提出いたします。すなわち、本会期においても前会期同様考査特別委員会を設け、その委員会の構成、性質権限等昭和二十四年三月二十九日本院決議した通りといたし、委員会費用については第七回国会召集の日まで月平均百五十万円を超えない範囲で支出し得ることとせられんことを望みます。
  22. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 山本君から考査特別委員会設置動議提出せられましたが、本件につきまして討論の通告があります。これを許します。猪俣浩三君。     〔猪俣浩三登壇
  23. 猪俣浩三

    猪俣浩三君 日本社会党を代表いたしまして、考査特別委員会設置に反対の意思を表明いたします。  考査特別委員会は第五回国会において決定されたのでありまするが、四月中理事会を召集いたしまして、この活動の方針を決定したのであります。     〔副議長退席議長着席〕  それには、決議にありまする通り不当財委時代事件と、新たに日本再建に障害を與えたものの調査及び日本再建に、功労のあつた物を表彰する、こういうことで一部、二部、三部、四部、不当財委時代取扱いました隠退蔵物資関係を一部とし、人間の関係を二部、それから再建阻害を三部、表彰を四部といたしまして、この振合いをどうするかということを慎重審議いたしました結果、その筋のサゼスチョンもありまして、この不当財委時代の取調べの活動を合せて六〇%、第三部は三〇%、表彰は一〇%、こういう割合で活動しようということを決定いたしまして、これを委員会にかけまして確認せられたのであります。  さような次第で委員会活動は始められたのでありまするが、不当財委時代の幾多の大事件が伏在いたしておりまするので、われわれはまずこれを整理することから始めたいと考えておつたのでありまするが、現在に至るまで、この大事件についてはすつかりたな上げされてしまつて、何ら調べておらぬ。たとえば、最も代表的なものといたしましては復金融資の問題であります。この復金融資の問題こそは、実に国民の膏血をしぼりました税金によりましてこの銀行をまかない、一部の特権階級がこの金を借用の形で借り出し、一銭も拂つていないのがざらにある。一体この事件は、ある調査員の話によると、不正融資は、四千件以上に上つているというのである。実に政界及び財界におきまする、道徳的見地から見ましても、経済撹乱的見地から見ましても、これこそこの考査委員会が、いの一番に徹底的に調査すべき重大じけんであると思うにかかわらず、現在まで何ら手をつけていない。  その他いわゆる繊維関係事件、あるいは東北振興会社事件、あるいは蚕糸統制会事件、なおまた皮革事件というのがあります。隠退蔵物資である皮革事件、しかもこの事件には民自党の代議士も関係ありと称せられておるのでありますが、(拍手)かような事件こそは、民自党のためにも国会の威信のためにも徹底的に調査すべきであるにかかわらず、今日まで何ら調査をしておりません。かような次第でありまして、いわゆるわれわれが六〇%の精力を注ぐべき不当財委時代事件というものは、すつかりたな上げせられまして、取上げられたものは、浦和だの中野税務署汚職事件、あるいは鉄道弘済会の拂下げ事件、こんな貧弱なものは復金融資事件に比べたら月とすつぽんくらい値打が違う。こういう事件ばかり一生懸命やつておる。結局において、今までやりましたいわゆる二部に属すると思われる事件は、この税務署汚職事件、鉄道不用品の拂下げ事件、この二つくらい、あと全部非日活動的な活動をやつておられる。  われわれは、この委員会が設定せられました際に、非日活動的の印象を與えておることにつきまして質疑応答を重ねたはずである。提案者は決してさような色彩を持つ委員会ではないということ、超党派的の委員会であるということを力説せられたのでありますが、結果を見ますると、どうもだんだん非日活動的な色彩が増して来ておる。最もその顯著なるものは、熱海におきまするところの国鉄労組大会決議であります。これは不当のストをも含む実力行使という言葉があつたという、これを考査委員会対象といたしまして、執拗なるお調べがあつた。  一体われわれは思想の自由を有し、言論の自由を有し、集会の自由を有する。これは憲法の最も重大なる基本的人権であることは申すまでもないことである。集会の自由により、労組がかかる大会の宣言をした、それは思想表現にすぎないのであります。思想表現以外に何ら異なるところはない。思想表現そのものである。何らそこに暴行を行つたわけでも何でもない。ある労働組合が、自分たちの首のすつ飛ばんとする際に、彼らが集まりまして多少元気のよい決議をするということは、人情ある者ならわかることである。首が飛ぶ、路頭に迷わんとする者ができる際に多少元気のよい決議をすることが何であるか。かような集会に基きまするところの思想の表明であるこの決議そのものを取上げまして考査委員会考査対象にするということは、まるで戰時中治安維持法なるものがあつて検事がそのお先棒をかついでおつた、今やまさに考査委員会検事のかわりをせんといたしておる状態であります。(拍手)かようなことで、非日活動的な色彩がだんだんと濃厚になつてきたことに対しましては、われわれは断固として反対する。  なお、党派によりまして取上げる問題にどうも軽重をつけるくせがある。たとえば、日本共産党からは四月三十日に配給米の不当割当事件というものを持ち出しておる。これは農民党でありましたが、北君からも出ておるのであります。この二つが併合されまして、四月三十日に理事会を通過したにかかわらず、五月二十八日になりましても何ら調査をしておらない。五月二十八日になりまして、北委員から早く調査員を派遣して調査しろという要求を理事会に出しておるほどであります。しかるにかかわらず、同じ五月二十八日に民自党側から出ましたところの石川県下における隠田事件、これは共産党のある某氏が勢力を振つて田を隠した、こういう事件でありまするが、これは六月二十五日には、はるばる石川県から数名の農民その他を呼び出して、親切丁寧、徹底的に調べ始めておる。それのみならず、八月の暑いさ中に、わざわざ委員長初め大挙石川県下まで調査に行つておるのでありまするが、この北委員及び神山委員から提出されましたるところの不当割当問題につきましては、八月七日に、調査しないことになつて打切られたということであります。かようにいたしまして、早く出ておりまするものはあとまわしにし、あとから出たものも、與党の勢いをかりまして、さつと調べ上げるというところに、私どもははなはだ不明朗なるものを感ずるのでありまして、(拍手)この考査特別委員会設置に関する決議の第一項には「本院に、三十人の委員からなる超党派的の考査特別委員会を設置する。」と、こうある。これは実に超党派的であるかどうか、思い半ばに過ぎるものがある。(拍手)  私も初めて考査委員会なるものに出席いたしまして、そのありさまのまことに勇壮果敢なのには驚いた次第であります。最も党派心の強いような人たちが選手になつているのじやないかと思われる。そうして非常な応酬戰であります。私に言わせますれば、まことに低級なる応酬を繰返し、証人の証言に際し聞きとれないことがしばしばありまして、それでなお足らずして、いわゆる督戰隊と称するような方々さえ顔を見せてアジつているようなこともなきにしもあらずと思われるような状態である。(拍手)かようにいたしまして、まことにこれは政党間の醜い争いの修羅場と相なつているような状態であると思う。  なお、この点につきまして遺憾に存ずることは、たとえば石川県その他の方から純朴なる農民がはるばる国会の証人として出て参りまして、鞠躬如として、彼らは実に直立不動の姿勢でこの証人に出ている。この証人を前にいたしまして、なんというありさまであるか。この国会の権威を失墜することはなはだしきものがあると私は考える。かように党派心のみ多いところのこういう委員会におきまして、超党派的どころか、まつたく党派そのものの争いを見るような委員会で、はたして真実の発見ができるか。考査委員会は事の曲直をきめる、真実の発見、裁判と同じ効用を持つものであります。すなわち、考査委員は裁判官のような心情をもつて、裁判官のような態度をもつて事の真実の発見に努力しなければならぬ次第であると思うのでありますが、まるでこれでは逆である。証人の証言も聞きとれないこんな喧騒裡に、そうして党派心の争いばかりという、こういう喧騒裡に、はたして真実の発見ができるのであるか。私はできないと考えられるのであるます。  かような意味におきまして、今までのやり方そのものが、私どもの危惧したように、どうも一党一派にひつついて行くような委員会、しかも非目的な色彩がだんだん濃厚になつて来る委員会、しかもその委員会が喧騒をきわめ、真実の発見どころか、わけがわからぬような、けんかばかりやつている委員会、こんなところで重大なることは決定できないと思う。ゆえに、かような考査委員会に百五十万円も出して、またこのけんか場を見せるというようなことは、私どもは感心しないのでありまするがゆえにこの点におきまして私どもは反対をいたす次第であります。(拍手
  24. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 篠田弘作君。     〔篠田弘作登壇
  25. 篠田弘作

    篠田弘作君 私は、民主自由党を代表いたしまして、考査特別委員会の存置に対し賛成討論をいたしたいと存じます。  ただいま社会党の猪俣君から反対演説がありましたが、これはまつたく根拠薄弱であり、結論的に言うならば、まつたくなつちやいないという以外に私は表現を知らないのであります。(拍手)従来いわれておりますところの共産党の反対論拠、あるいはただいま申されましたところの反対論拠というものを要約いたしてみますと、まず第一に、本委員会が非日活動委員会的な色彩を持つている、不当財委的な仕事を一つもやつておらぬではないか、こういうような意見であります。しかし、猪俣君が自分みずから委員として処理されているように、本委員会においても、われわれがはたして非目的な活動をやつたことがあるか。こういうようなことは絶対にないばかりでなく、われわれとしては、そういうことは考えたことすらもないと申し上げたいのであります。  不当財委の取調べにつきましては、先ほど申されましたように、まず第一に官公吏汚職に対するところの税務署の不正事件、あるいはまた運輸省の拂下げ事件、そういうものをやつたばかりでなく、現在取調べ中のものが数件あるのであります。ただいま猪俣君の言われましたところの皮革事件、これは本委員会の申合せによりまして、事務局において下調べを終り委員会にかけるということを理事会で決定した後でなければ公表しないということを各派の代表において申合せをしているのであります。しかるに猪俣君は、自分自身が責任あるところの大政党の代表者でありながら、このいわゆる申合せを裏切り、これを公表し、しかもまだ取調べ中に属して何らその真相がはつきりしておらない問題にもかかわらず、同僚議員の中に容疑者があるなどということを放言するのは、みずから国会の尊嚴を傷つけるものであるといわなければならないと私は考えます。(拍手)こういう事柄は、はたして民主主義的な政治家のなすべきことであるか、よく御反省を願いたいと思うのであります。  大体、日本再建に重大なるところに悪影響を與えるものを調査し、その責任の所在を明らかにするということは、敗戰日本の再建にとつて重要欠くべからざる問題であります。しかるに、その調査を恐れ、あるいはまたその調査を拒否せんとする者こそ、みずからが日本再建に重大なる悪影響を與えておるということを裏書きするものである。これはいわゆる問うに落ちずして語るに落ちるものであるといわなければならないと私は思うのであります。  第二の反対論拠は、ただいま猪俣君が言われましたように、これは超党派的な機関であるにもかかわらず、一党の機関のなつておる。一党とは何をさすか。彼らはいわゆる民自党である、こういうふうに言うだろう。しかしながら、このくらいばかげた論拠は私はないと思うのであります。これはまつたく彼らのひがみであり、彼らの劣等感以外の何ものでもないということを私は申し上げたいのである。(拍手)われわれ委員は、七月、八月の酷暑の中を数十回にわたつて委員会を開催したのであります。その審議がまつたく超党派的な立場であつたということは、国民のひとしく認めるところであります。しかるに共産党や社会党の諸君がこれを超党派的でないと言うならば、彼らの行動がみずから超党派的でなかつたということを告白するものであるといわなければならないのである。(拍手)われわれは、国家再建にとつて重大なる弊害を與えるものは、あくまでも公平無私の立場において、左右そのいずれを問わずこれを嚴重に調査し、そしてその真相を国民の前にさらけ出し、国民の批判の訴えるということは、最も民主的な方法であると確信するものであります。(拍手)  第三の、ただいまの反対論拠を聞いてみますと、理事会の申合せによつて、その調査事項の割合を、隠退蔵物資三割、不当財委三割、国家再建に重大なる悪影響を與えたもの三割——ただいま猪俣君は間違えて言われましたけれども、国家再建の功労あるもの一割ということになつておるのである。ところが、その調査する事項がいわゆる国家再建に重大なる悪影響を與えたるものに片寄つておる、こういうふうに言われるのであります。しかし、最近のごときは続々として国家再建に悪影響を與えるような事件が突発して来ておる。そして社会不安が非常に増大しており、国民が安んじて電車にも乗れない、あるいはまた汽車にも乗れないという現状が続々と出て来ておるときに、これを放任しておくということは、はたして国会の責任上、あるいは考査委員会の責任上許されることであるかどうか。もし諸君がそういうことをやつてもらいたくないならば、諸君がもつと自分たちの行動なり、あるいはまたその煽動あんりを慎むべきであると私は考えるのである。(拍手)  現に、去る七月から九月までに私たちの手元において調べました、日本再建にとつて重大なる悪影響を及ぼしたものとして調査した、いわゆる国電スト、あるいは国鉄労組中央委員会における熱海の実力行使決議、これはただいま猪俣君が、われわれ基本的な人権がある、こういうふうに言つておる。しかし、基本的人権があるならば、八千万国民の基本的人権は全部尊重されておる。また憲法がこれを保障している。しかるに、憲法によつて保障されないところの、法律以外の実力行為をやろうとするから調査委員会において取調べるのである。決して法治国の国民としての法律の範囲内における決議や行動を考査特別委員会が取上げているのではないのであります。また福島県平市におけるところの警察占拠の騒擾事件、あるいは広島県における日鋼製作所の事件、その一つを取上げてみても、これを放任してさしつかえないというものは一つもないのである。これは国民がその真相を国民の前にはつきりさせてもらいたいということを全部希望している。  また従来こういう問題があつたばかりでなく、現在まだ調査中の問題として、三鷹の事件であるとか、あるいは松川の列車転覆事件があります。これらも将来大いに嚴重に調査しなければならないところの問題である。われわれの聞くところによれば、こういつたようないわゆる社会不安を醸成するところのいろいろなる事件というものは、共産党の画策する八月暴力革命の前提であり、かつその下部組織の実力行使であるということを聞いているのである。(拍手)もちろん共産党においては死力を盡して反対するであろうけれども、今日の国民の常識がはたして共産党の言うことを是認するかしないかということが大きな問題であると私は考えておるのであります。  最も奇怪にたえないことは、共産党が最近三鷹事件、下山事件の真相というパンフレツトを出した。また演説会においていろいろその事件の真相を発表している。しかるにこの事件は、検察庁において、あるいはまた裁判所において取調べ中の事件でありまして、その真相をはつきりつかんでいるところの国民はないはずである。しかるに共産党だけが、いまだ公表もされない事件の真相をはつきりつかんでいるということは、何らかそこに特別なる関係があるということを私は裏書きするものであると思うのである。(拍手)こういう点について、国民はひとしく、これらの人々に対して不審の念を持つている。そういう国民の不審というものを明らかにして、そして国民の前にほんとうに正しい——もし共産党がやつておらないならば、共産党はやつておらないということを調べることが本特別委員会の任務である。であるから、諸君がみずから一生懸命になつて反対するということは、諸君の劣等感もしくは諸君自身が何事かを告白する以外の何ものでもないと思うのである。  こういう立場において、私は考査特別委員会が第五回国会通りに存続せられんことを希望し、かつ賛成をいたしまして、私の賛成演説を終ります。(拍手
  26. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 神山茂夫君。     〔神山茂夫君登壇
  27. 神山茂夫

    ○神山茂夫君 共産党を代表しまして、考査特別委員会の設置に対して反対の討論をいたします。  三月二十九日に、本会で考査特別委員会の設置が決定されました。この決定を見る前に、本壇上に立つて提案者である石田博英君はいろいろな詭弁を述べたのでありますが、そのときに問題になつた一つは、私たち共産党は社会党及び労農党と協力いたしまして、考査特別委員会の設置ではなくて不当財委の設置を提案したのであります。これが否決されまして、石田君の提案に基いて考査特別委員会が設置されたのでありまするが、考査委員会の設置そのものは、すでに民主自民党が絶対多数をとつて以来吉田君が先頭に立つてつておりますところの、非日活動委員会的なものをつくろうという計画的な宣伝と計画的なねらいとの一つの産物であつたのであります。従つて私たちは、この考査特別委員会の設置のときにあたりまして、この考査特別委員会が日本のフアツシヨ化の一つの道具になるであろうということを最も力を込めて強調したのであります。  しかも、この考査特別委員会がその決議文の中で言つておりますように、日本の再建を阻害する行為と言われておるものは、これは石田君が今でもよく記憶していると思うのでありますが、たとえば賃金の不拂いとか、あるいは供出を阻害する行為とか、あるいは納税を阻害する行為というその行為だけにとどまらず、これを起したような政府の責任を追及するということを、この席上において、あの石田君は言明しておるのであります。(拍手)しかも、こういうことを口で言いながら、その心底において非日委員会的な活動をねらつておつたということは、満天下周知の事実なのであります。しかも、これだけでは若干てれくさいので、はじめから日本の再建に貢献するような行為があつたならばこれを表彰するといつて、美しいことを言つたおのであります。これが絶対多数によつて通つた。  ところが、この決議案が通つて、これを鍛冶委員長がその筋に持つて行つたところ、すでに猪俣委員の言いましたように、サゼスチョンが出ている。(「どこのだ」)と呼ぶ者あり)言つてやろうか。御希望がありますので、この点は申し上げてもいいのでありますが、言はれてはお困りの委員長があそこにいますので申し上げません。関係当局のサゼスチョンがあつたことは事実だ。  しかし、この事実が、最もはつきりしておるのは、四月七日付のニツポン・タイムスであります。ニツポン・タイムスの社説には、ごまかしの考査特別委員会と、はつきり書いてある。この考査特別委員会というのが、不当財委そのものをすりかえて、日本民主化に最大の貢献をした不当財委を握りつぶして、非日委員会化への道具であるということをちやんと書いてある。この事実の上に基いて‥‥(発言する者あり)興奮するな。静かにしろ。今猪俣君が指摘しましたように、理事会及び委員会においては、旧不当財委的な活動に六〇%、さらに再建を阻害する行為に三〇%、表彰に該当する行為に一〇%、こう割振りをした事実は、わかつていると高木君が言つたように、わかつておるはずだ。  ところが、実際にこれを行うにあたつて、皆さんが今猪俣君の言葉によつてはつきりわかるように、非常に一方的な解釈をしているということは、事実そのものが立証しているのであります。この事実をまずはつきりさせるものは、日本の再建を阻害する行為の最大のものは何であつたか。それは諸君、賃金の遅配や欠配であり、さらに政府支拂促進の特別委員会をつくらなければならなかつたような、あの金詰まりに関連するところの賃金の遅配と欠配であつた。これこそ日本の再建を阻害する第一のものであつた。これに対して、わが党が調査要求を出したが、どうした。また第二に、農民の供出を阻害するような原因をつくつたものは不当な供出の割当であつた。その最たるものは、先ほども猪俣君のいわれましたように、われわれと北君とが協力して出しましたところの埼玉県における不当供出の割当であります。この調査を要求した。これに対して何をしたか。何もしていない。納税を阻害する行為のうち一番大きな問題は何であつたか。これは日本の税制そのものが不当であるということが明らかになつている。それにもかかわらず、こういう問題には大きな努力は拂わずに、諸君の知つておられますように、あの浦和事件中野税務署事件をわずかに取上げただけであります。しかも、これは官吏の汚職事件そのものとして調査したにもかかわらず、その結論の中には、情勢の発展とにらみ合せて、巧みに反共産主義的な宣伝を織り込んでいる。こういうことの中にも、すでにこの委員会の正体は現われておるのであるます。しかも後になつて、その日時の点は略しますが、これらの問題全部を打切るような方向によつて、ことに賃金不拂いの問題、不当供出の問題については、まつたく一方的な、片寄つた調査だけをして押し切つている。この点こそ日本の再建を阻害する最大の行為である。諸君が調べたければ、まさにこれらの行為こそ調査すべきだつたのであります。この点特に強調しておきたい。  さらに、今この点について篠田君が劣等感云々と言つておりますが、若干優越感に過ぎている。日本の再建を阻害する行為というものは、今言つた点に最も重点があるばかりでなく、先ほども言はれましたように、十数件にわたり当然取調べる事件があり、ことに前の委員会からの引継ぎの事件があつたにもかかわらず、この調査に全力をあげなかつた、あるいはこれに精力を注がなかつたということは、ここに来て篠田君自身が委員長の意思を代弁しているのとよく似ている。まつたくその通りです。今までの事件そのものについては、ほとんど重点を置いていないのが現実なのであります。  こういうふうな事実のうちに、一方には六月十五日、廣川弘禪君の声明によつて、国電スト、それから熱海決議、それから平の事件、さらに広島日鋼事件のごとき調査が始まつたのであります。ここで手続上の問題はおくとしましても、六月十五日に、広川君は鍛冶委員長その他に諮ることなく、一方的に考査特別委員会においてこれらのものを調査すると言つた。そうして、その言明を終るやいなや、一方では鍛冶委員長を呼びつけ、一方では調査員そのものを使つて実際調査を始めている。理事会も知らず、いわんや委員会も知らない間にこういうことを現にやつているのであります。従つて、六月二十日になつて委員長談という形によつて、廣川弘禪君の指示とは無関係であるということを言明せざるを得ない実情になつているではないか。こういう陰謀の道具になつているということは明らかな事実であります。  しかもこの運営に至つては、これは今猪俣君が言われ、後に石田委員からも言われると思うのでありますが、民主自民党の絶対多数を百パーセント以上に利用した、非常に一方的な運営になつており、その中においては、少数派に対する発言の制限、暴言は無数にあつた。さらには暴行までやつている。私は同僚議員であるので、今名前をあげることは避けますけれども、一委員のごときは同僚議員に対して暴力を振つている。こういうことが日常茶飯事になつているではないか。(拍手)また証人に対しては、猪俣君が言われましたように、一方的な尋問をするだけではなくて、たとえば鈴木証人に対しては八時間にわたり尋問をしている。井上唯雄君は、その間一室に監禁されて飯も食わされておらない。しかも、この証人のうちで、委員会の、ことに多数派の諸君の尋問に対して少しでも証言をしぶつたり、あるいは一方的な尋問に対して質問などしようものなら、これを告発している。こういうふうな事実さえあるのであります。  さらに問題は(発言する者あり)椎熊君、聞きも見もしないくせに、だまつてすつ込んでいろ。しかも、一方的な報告ばかりやつているということは、すでに諸君が御承知でありますが、四つの事件、すなわち国電スト、それから熱海事件、それから平事件、広島日鋼事件、この四つの事件に関する報告のごときは、討論が終るや、その一晩のうちにできている。速記録はできていず、事務当局は関知しないのに、どこからか報告が出て来ている。これを、民自党委員十六名が寄つて、十六名だけで可決している。こういう一方的な運営をしているこの委員会が、どうして超党派的と言えるのか。(拍手)これを目してわれわれが民自党の私物というのが言い過ぎとすれば、吉田君か廣川君の精神に従つた一方的な運営をしているということは明らかではないか。  さらに、今までこうして一方的にやつておいて、最近は完全なサボ状態に入つている。私は、この点について鍛冶委員長に対して再三申入れをしているのだが、最後まで何ら実際的な処理をされておらない。そうして、前第五国会の閉会中の審査の期限が切れる一昨日の十二時まで何事もしていないというのが現状なのであります。こういうふうな事実を考えます場合、この超党派的な委員会を、民主自由党が、ある場合には自分たちの利益のために一方的に運営し、また他の場合には一方的にサボると言われても、弁明の余地はないと思うのであります。これらの一方的な運営は、最近行われておりますところの諸事件に関連して、警察法の改正、あるいは消防と警察との協力、あるいは農地改革の打切りというふうな声明を一方的に出して、また現に第五国会における食料確保臨時措置法のあの不当なる継続審議をここで多数で押し切つた、あの一方的な運営とよく似ているのでありますが、参議院における五月二十三日の暴行事件といわれるものに関連しまして、除名を一方的に強行しようとしている。しかも、不当な手続によつて強行しようとしている。こういうような事件とも関連している考査特別委員会は、現在民自党が中心になつて、政府が先頭になつて行いつつあるところの、国内全体の反動的な、フアシスト的な方向の道具になつている。ここに大きな意味があるのであります。全体として私たちがこれらの事情を見ますならば、最近における政治全体の右翼化、極端右翼、ウルトラ・コンサヴアテイヴ——おきらいでありましようが、この国際的な輿論がいうところの極右的なせ維持のほんとうの傀儡になつておる。  しかも諸君、ここで私たちが考えなければならないことは、すでに警察法改正の問題に対する樋貝君や増田官房長官の言明にもかかわらず、最近やれないではないか。また農地改革を打ち切ると言つたが、これもマツカーサー元帥の声明によつてできなくなつたではないか。現に本日の新聞にも報道されておりますように、吉田君それ自体が共産党に対する対策はないというふうに言明せざるを得ないような情勢になつておる。  この情勢の変化に対応して、永井博士表彰の問題などが出ておるのであります。永井博士表彰の問題は、すでに諸君が御承知のように、一体日本に表彰なんていうものがあるのかという皮肉さえ言われておる。その表彰を一〇%にしておいて、何とかかつこうをつけなければならない。そこで、あの気の毒な永井博士をここにひつぱつて来て、民自党の行き詰まつたこの最近の状態を切り抜け、特に考査委員会における面子の丸つぶれをごまかすところの道具にしておる。これが諸君の善良な意図にかかわりなく、客観的に演じておる役割であるということ、ここにほんとうの真相があるのであります。  しかも私は、ここではつきり言いたいのでありますが、先ほど篠田君がここに立つて、社会不安はことごとく共産党が起したのだと大きなことを言つておる。しかし、篠田委員にしましても、あるいは鍛冶委員長にしても、その他の委員諸君にしましても、また同僚議員諸君にしましても、たとえば国電ストのほんとうの原因は何であつたか、あるいは平事件の真の原因は何であつたか、あるいは広島日鋼事件の真の原因は何であつたか、これを真にまじめに考えるならば、この事件の根拠は、あの第五国会においてはつきりと予算及び法案の形で決定された、すなわち民自党の政策の結果、日本の民族資本が崩壊した。鉱山が荒れ果てた。この結果労働者階級に対する賃金引下げ、首切りとなつておる。この上に出ておるということを、われわれははつきり指摘せざるを得ない。どうだ、こう言つたら黙つたではないか。ここが痛かつたのだろう。  こういう事実を私たちが考えます場合、考査特別委員会の設置ということは、すでに私が述べましたような事実そのものにおいて、考査特別委員会が非常に反動的な、フアツシヨ的な政治の道具になつておるだけでなく、三月二十九日、本委員会において決定された決議の精神に反しておる。また関係当局のサゼスチョンというものを蹂躪するところの、まつたく非日委員会的な機関に化しておるということは、また天下が知つておる事実であります。従つて、われわれはこの考査特別委員会の設置に対して心から反対せざるを得ない。もしも諸君にして良心があるならば、もしもこういうものが必要であるならば、不当財委的なものこそ設置さるべきであるということを強調したのであります。このことは民自党諸君の最も好まないところであろうと思う。なぜかならば、これらの活動によつて最も手痛いのは、現在の政府とその與党の諸君であるということは、これまた天下周知の事実であります。(拍手)従つて、私は最後に一言して終ります。考査特別委員会の設置のねらいはどこにあるのか。まさしく非日委員会を強化し、日本の政治をフアツシヨ化し、人民生活を弾圧する道具であるということ、従つてわれわれは徹底的に反対いたします。(拍手
  28. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 石田一松君。     〔石田一松君登壇
  29. 石田一松

    石田一松君 私は、新政治協議会を代表いたしまして、強い希望条件を付して、ただいま山本君の提案された考査特別委員会を設置する動議賛成をする討論を申し上げるのであります。すでに皆さんが御存じのごとく、第四国会まで存続されました、しかも閉会中も特に本院の院議をもつてその審議を進めておりましたところの隠退蔵物資等に関する特別委員会、あるいはまた不当財産取引調査特別委員会なるものの存在的価値というものは、日本が敗戰後真に民主化しつつあるということを世界各国に具体的に宣明した、最も有効な働きをしたものの一つがこれらの委員会であつたということであります。しかも、われわれ国民がみずから国民の中に腹蔵しておるところのそれぞれの政治悪、社会悪をみずからの手によつてえぐりとつて行くというこの勇敢な自己反省、この特別委員会の持つておる性格は、実にわが国の民主化にとつてはまことにおおきな存在であつたはずであります。(拍手)  しかるに、先般の総選挙後、民主自由党の絶対多数が確立いたしまして、第五国会が召集される以前、選挙当時から、現在の吉田総理大臣は、しばしば口に不当財産取引調査委員会のごときものは次の国会では設置しないということを非公式に声明しておられたのであります。しかも、民主自由党のおもなる幹部の方々も、こういうことを新聞で生命しておられました。その反面において、吉田現総理大臣は、アメリカにおける非米活動調査委員会のごときもの、すなわち非日活動調査委員会のごときものを次の第五国会には設けたいということを強く希望することを新聞に発表されておりました。にもかかわらず、世界の輿論は現在の日本の非日活動調査委員会などを設けることに反対し、しかも世界の輿論は、第四国会まで存続しましたところの不当財産取引調査特別委員会の存在意義を認めて、世界の各新聞記者からは、なぜ第五国会で不当財産取引調査委員会を設けないかという疑惑の声が放たれたのであります。そこにおいて、現内閣あるいは與党の諸君の間においても、この影響を相当考慮されたものと見えて、突如として運営委員会に、去る第五国会まで存置されましたいわゆる考査特別委員会なるものが提案されたのであります。しかも、これは不当財産委員会が当時持つていた性格のほかに、ただいままでの討論者がしばしば述べましたような特殊な性格を持つ、すなわち日本の再建に著しい阻害、妨害を與えたその行為を調査する、しかも一方日本の再建に著しき貢献のあつた者を表彰する、とこれらの明かなる事実が加わつて来たのであります。  私は、この委員会が第五国会あるいは閉会中になしたそれらの行為に対して、しかも反省しなければならない行為に対して、ただいま社会党の猪俣君、共産党の神山君が反対の理由として述べられたすべての事実を、ここに是認するものであります。(拍手)間違いありません。是認をいたしますが、しかし共産党の諸君も社会党の諸君もよく反省していただきたいことは、隠退蔵物資等に関する特別委員会並びに第四国会までの不当財産取引調査特別委員会までの、すなわち共産党、社会党のその積極的な意欲、しかも共産党の書記長をやつておられる徳田球一君あたりが、この第四国会まで存置された不当財産取引調査委員会においていかに活躍なさつたか、いかにこれを利用して党勢の拡張をなさつたかということであります。それほど存在の必要を認めておられたのに、第五国会において、たまたまこの與党のやる運営の方法が間違つていたからというので、これに反対し、これらの委員会を存置しないという理由は、反対する理由にはちつともなりません。もし諸君が、事実日本に存在する政治悪、社会悪を徹底的にえぐりとろうとする意欲があるならば、進んでこの委員会の設置に賛成して、しかもみずからこの中に多くの委員を送り込んで、積極的にわれわれがこの中であくまでもわれわれの意思を貫く、この意思こそが必要なのであります。自分たちの党に都合のいい存在である場合には大いにこれを活用し、しかも自分たちの方に少しばかり不利になつて来ると、もうこういうものはいらないという態度こそ、これは不届きな、超党派的でない、間違つたことである。(拍手)  私たちは、この観点に立つて堂々とこの委員会の設置を主張し、賛成し、しかもこの委員会に臨んでは、事実超党派的に行つた。過去のごとく與党の多数の威力をかつて——ただいま神山君の言つた暴力を用いた議員があつた。私はその暴力を用いられた者の一人でありますが、しかし、これをここに問題としようとするのでありませんが、そうしたことを今後なされないように、私はここに四つの強い希望條件を付しまして本案賛成いたします。  その一は、真に超党派的な存在として活動すべきこと、二は、少なくとも多数党の数の威力を悪用してこの特別委員会を政府あるいは與党の機関のごとく国民に錯覚を起させるような行動をなさないこと、三には、非日活動調査委員会的な性格を持つた行動をなさないこと、四には、考査特別委員会の今後各事件調査の結論として積極的に立法的措置を講ずるように、具体的な資料を本会議提出をして、考査特別委員会調査審議したその結果に基いて本院で法律の立案がなされるというがごとき積極的働きをなすこと、以上四つの点を強く希望いたしまして本設置案の賛成討論を終るものであります。(拍手
  30. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしすした。  採決いたします。山本提出動議賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  31. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて動議のごとく決しました。  ただいま議決されました六特別委員会委員は追つて指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。      午後五時三十五分散会