○
山口(好)
委員 裁判官の
報酬等に関する
法律でありますが、時節柄、またベースがかわ
つておりまする
関係で、この改正が行われますことについては、少しも反対はいたさないのであります。ただ従来報酬の問題になりますと、とかく
裁判所関係と
法務庁
関係と均衡を失するというような
考え方もありまして、摩擦がいささか生ずるのではないか、これはわが国の司法
関係の職務の上に、ひいてはわが国の治安維持の上に悪影響を及ぼすのではないか、こういうふうにも
考えられるのであります。しかし大体において、
裁判官の俸給は一般行政官よりも適当なところにおいて、上位に置くというような原則がしかれておりまするから、これまたわれわれは了承いたすのであります。しかし実際の現状としましては、愼重な
態度をも
つて検討研究をいたさなければならない面が、先ほどから申し上げましたようにあると思うのであります。
裁判所におかれましては、今回の
裁判官の報酬の昇給につきまして、
あとで御
意見が出されましたが、それによりますれば、下級
裁判官、すなわち十四級の一号以下、これのみの昇給であ
つて、上級、すなわち十五級以上は五千三百三十円ベースにすえ置かれておる。これは
裁判官の
報酬等に関する
法律第十條に違反するものであ
つて不当である。上級
裁判官も六千三百七円ベースにするか、しからざれば十五級の一号の上に、特号級、すなわち二万六千円、こういうものを設けてもらいたいというような御
意見でありまして、その
修正案をこの
委員会でや
つてもらいたいというふうな申出があるのでありまして、これにつきましては前会にも他の
委員から御
意見がありまして、できればそうしてあげなければならないというふうにわれわれもともに
考えます。しかし上級
裁判官の一律的な昇給は、すでに十分に上の方は待遇をされておるので、おそらくそういう
理由で
関係方面も今回は許可してくれなか
つたものである。現在この点につきましては、また
関係方面に
裁判所方面からいろいろ折衝をなさ
つておるようでありますが、とにかく今度の
法案が出ます前におきましての交渉においては、許可がなか
つたわけであります。それは結局すでに上の方は十分に待遇をされておる、こういうような
理由であつだと思われるのであります。一般の行政官の俸給でありますが、これは六千三百七円ベースになりましても、十五級の一号は二方三千六百二十円、これはどういうような人が受けておる俸給であろうかと
調べてみますると、東京大学の南原総長級の一、二の人であります。それから一般の各省の次官の俸給はと
調べてみますると、一万九千九百四十円であります。
裁判官の方を見ますると、五千三百三十円ベースであ
つても、一号はすでに二万四千円であります。この二万四千円をと
つておる方々を
調べてみますると、相当数あるのでございます。南原総長のような人が二万三千六百二十円でありまして、
裁判所関係の方では二万四千円の上をと
つておりまするような方が相当数ございます。これは一般の行政官あるいは検察庁のいろいろな職員、こういうものがと
つておりまする俸給から見ますると、
裁判所の上の方の俸給というものは、相当高くな
つておるということが具体的に証明されるわけなのであります。でありまするから、私はこの
裁判官の俸給を、やはり六千三百七円べースに上の方も上げて行くということについては、決して不賛成ではないのでありますが、現在の段階といたしましては、よく検討いたしまして、愼重に世の中の不平の起きないように、下の方の人が著しく低いのにかかわらず、それと同じような年限を勤めた
裁判官が著しく高いというようなことは、世相上にも非常な影響を及ぼすのではないかと
考える。ことに煩瑣ないろいろ重要な事務を取扱
つております
裁判所の書記諸君が、今日非常に低い俸給でおりまする際でありますから、さような点も考慮いたしますると、これは一応よく
委員会といたしましても検討しまして、この際としましては、適切な
考え方をいたさなければならないのではないかと思います。この
意味において、
さきに
理事の
角田委員から
裁判所関係及び検察庁の方の
関係につきまして、在職年数と俸給との
関係、年齢と俸給との
関係というようなことについての
統計を
提出されるように要求がありまして、本日その一部がここに
提出されておるのでありますが、この検察庁
関係と
裁判所関係との在職年数及びその俸給額、これなどを検討いたしますると、やはり
検察官の方が在職年数は非常に長い、がしかし俸給の額から言うと、大分差があるというような点も見られるのであります。さらに私はそこでこの
裁判所関係と検察庁
関係及び一般の行政官の
関係におきまして、これの少しく詳しいところの
統計を
提出していただきたい。これを要求いたしたいのであります。すなわちこの
裁判所の
関係におきまして、一号の二万四千円を受けておられる方々がどれくらいおありになるか、またどういうような人が——具体的にだれそれということはさしさわりがございましようから、たとえば会計課長、人事課長がどれくらいか、二万四千円の俸給を受ける人がどういう地位の方で、何人ぐらいあるか、その次の二号、三号、四号、五号につきましても、さような
統計をひとつ御
提出願いたいと思うのでございます。さらに検察庁
関係につきましても、同様に特号というものを受けているのはどれくらいの人で、どういう経歴の、また在職年限どれくらいというようなことを
裁判所側におきましても、さような表示に
従つて御
提出願うし、また検察庁
関係におきましても、同様な地位の人が何人ぐらい特号を受けているか、また十五級という新設になりました次官級のものにつきましても、たとえば刑政長官はどれくらい——刑政長官を
調べますと、一万九千九百四十円ということにな
つておるようでありますが、こういうような地位の人が幾らというような点の十分わかりますように、どういうふうな人が何人ぐらいこの俸給をもら
つておるか、その経歴につきましても在職年限についても、かくかくというような、できるだけ要領を得ました詳細な
統計を御
提出を願いたいと思うのであります。これは私だけの
意見ではございませんで、
委員会といたしまして、やはりそうしたことを十分心得まして、現在の段階とし、現在の世相に照しまして、やはり
裁判所関係の俸給上の優位な地位というものを尊重しながら、正しく
決定いたして行きたいという念慮からこれを要求いたしたいと思います。さらに一般行政官につきましても、これは大蔵省の方へ
委員長からひとつ要求していただきたいと思います。ここに大蔵省の方が見えておらないようでありますが、一般の行政官につきまして、ただいまのような標準に
従つて、やはり上のどれくらいの人数、どういう地位にある
人たちがこれこれの俸給を受けておるというような
統計を、御
提出願いたいと思うのであります。それによ
つていろいろ検討いたしたいと思うのでありますが、
裁判所関係におきましてはおわかりでございましたら、現在としまして二万四千円もら
つておりまする方は、どんな地位の人でありますかお知らせ願いたいと思います。