○
大西(正)
委員 実は休会中の九月二十日に、
福井県の
武生というところにおきまして、
裁判所並びに
検察庁の
庁舎が焼けたという
事件が発生をいたしました。この
事件が
新聞に
報道されたのでありますが、その
新聞の
報道によりますと、その
出火の
原因をさつ
そく検察庁におきまして
調査をいたしましたが、これが失火であるという証拠が出て来なくて、むしろ
放火ではないかという
疑いが濃厚であるようであります。しかもこの
放火は、その
武生の町におけるところの
暴力団が計画的に
放火をしたのではないかという
疑いが濃厚であるようであります。と申しますのは、
ちようど火の出ました九月二十日の翌日、九月二十一日にこの土地の
暴力団の団員と認められますところの
伊原という
人間と、そのほかもう一人の
人間が、あるいは恐喝あるいは
公務執行妨害によつて起訴されまして、その
公判が九月二十一日に開かれることに
なつてお
つたようであります。その前日に、その
公判を開くべき
裁判所の
庁舎が焼けてしま
つたという
事件でありまして、その間に、
新聞の
報道によりますと、
出火をいたしました九月二十日の前日であります九月十九日に、そこの
自治体警察の
重屋という
刑事課長そのほか五名の
警察官が料亭に呼ばれまして、そうして
暴力団の一味と見られる
者たちと
飲食を共にいたしておるのであります。しかも翌日の午後二時まで
飲食を続けたという事実があるようであります。そうしてまたその
出火をいたしました四、五日後におきまして、そこの
自治体警察の当時の
署長であるところの
野邊という
署長が、先ほど申し上げました
被告人であるところの
伊原と一緒に
飲食をいたしまして、町を歩いてお
つたというふうな事実もあるようであります。それからまた
新聞の
報道でありますが、今月の七日ごろらしいのでありますが、先ほど申し上げました
重屋という
刑事課長そのほか五名の者とやはり
飲食を共にしておる。さらに
出火の数日後であります九月二十三日に、先ほど申し上げました
伊原という
被告人が
自治体警察ヘビールを運び込んで、そうして署内において
刑事課長その他に対してこれをふるまつておるというふうな事実が存在をいたしておるようであります。そこでこういうことのために、この
出火の
原因の
捜査についても非常な齟齬を来しておるのではないかというふうなことも想像されるのであります。また当時の
新聞に出ました
福井地方の検事正の談話によりますと、思いのほかに
警察が
腐敗をいたしておる。徹底的に摘発し、洗いたいということが出ておるのでありますが、
警察の
腐敗がどの程度に達しておるものかどうかわかりませんが、これによりまして
警察とそうしてまた
検察側との間の連絡というものが、本件においてたまたま出たわけでありますが、その間に
捜査上全国的に考えまして、
警察と
検察庁との関係などというようなことにつきましても、相当問題を含んでおるのではないかと想像されるのであります。従いましてこの
事件につきまして、当
委員会として現地に出張いたしまして、事案を
調査する必要があるのではないかと考えるのでありまして、この点もお諮りを願いたいと、かように存ずる次第であります。