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1949-12-01 第6回国会 衆議院 文部委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月一日(木曜日)     午後二時四分開議  出席委員    委員長 原   彪君    理事 岡延右エ門君 理事 高木  章君    理事 圓谷 光衞君 理事 水谷  昇君    理事 若林 義孝君 理事 松本 七郎君    理事 稻葉  修君 理事 今野 武雄君    理事 小林 信一君       甲木  保君    佐藤 重遠君       千賀 康治君    渡部 義通君  出席政府委員         (大学学術局長)         文部事務官   劔木 亨弘君         (調査普及局長)         文部事務官   辻田  力君  委員外出席者         議     員 田中 角榮君         議     員 眞鍋  勝君         文部事務官   森田  孝君         文部事務官   稻田 清助君         文部事務官   内藤誉三郎君         文部事務官   西崎  惠君        專  門  員 横田重左衞門君 十一月三十日  委員小川原政信君辞任につき、その補欠として  柏原義則君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請願  一 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願今井耕紹介)(第四二号)  二 同(今野武雄君外一名紹介)(第七二号)  三 同(羽田野事次郎紹介)(第七三号)  四 同(内藤友明君外二名紹介)(第七四号)  五 同(有田喜一紹介)(第七五号)  六 同(原健三郎紹介)(第七六号)  七 同(小山長規紹介)(第七七号)  八 同(松澤兼人紹介)(第七八号)  九 同(竹尾弌君紹介)(第七九号) 一〇 同(倉石忠雄紹介)(第八〇号) 一一 同(佐藤榮作紹介)(第八一号) 一二 同外一件(尾関義一紹介)(第八二号) 一三 同(田中豊紹介)(第八三号) 一四 同(松井豊吉紹介)(第八四号) 一五 同(前田正男紹介)(第八五号) 一六 同外四十二件(高橋定一紹介)(第八六    号) 一七 同外三件(佐々木盛雄紹介)(第八七    号) 一八 同外五件(岡田五郎紹介)(第八八号) 一九 同外七件(受田新吉紹介)(第八九号) 二〇 同外十一件(青柳一郎紹介)(第九〇    号) 二一 同外二十七件(佐久間徹紹介)(第九一    号) 二二 同外四十四件(周東英雄紹介)(第九二    号) 二三 同外六十六件(吉武惠市君紹介)(第九三    号) 二四 同外一件(小高熹郎君紹介)(第九五号) 二五 同(石井繁丸紹介)(第九七号) 二六 育英制度強化に関する請願原健三郎君紹    介)(第四四号) 二七 戰災私立学校復興援助に関する請願江崎    眞澄紹介)(第六六号) 二八 習字教育振興に関する請願有田二郎君紹    介)(第九四号) 二九 安城高等学校区変更に関する請願中野四    郎君紹介)(第九六号) 三〇 科学研究費増額請願(小金義照紹介)    (第九九号) 三一 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願仲内憲治紹介)(第一三三号) 三二 同(有田喜一紹介)(第一三四号) 三三 同(福田喜東紹介)(第一三五号) 三四 同外六件(青柳一郎紹介)(第一三六    号) 三五 同(山手滿男紹介)(第一三七号) 三六 同外一件(多田勇紹介)(第一三八号) 三七 同外三件(原健三郎紹介)(第一三九    号) 三八 同(小玉治行紹介)(第一四〇号) 三九 同(高木松吉紹介)(第一四一号) 四〇 同外五件(今澄勇紹介)(第二二四号) 四一 同(中野四郎君外五名紹介)(第二二七    号) 四二 同(周東英雄紹介)(第二二九号) 四三 同(橋本登美三郎君外十一名紹介)(第二    三〇号) 四四 同外一件(川野芳滿君外四名紹介)(第二    三一号) 四五 同(庄司一郎君外五名紹介)(第二三三    号) 四六 同(川端佳夫紹介)(第二三四号) 四七 同(小峯柳多君外一名紹介)(第二三五    号) 四八 同(永田節紹介)(第二三六号) 四九 旧大村海軍航空隊事跡国立学校設置の請    願(岡延右エ門紹介)(第一五号) 五〇 文化財保護法案改正に関する請願外一件    (淺香忠雄紹介)(第一五一号) 五一 暦法審議会設置請願眞鍋勝君外一名紹    介)(第一八〇号) 五二 国宝阿彌陀堂修理費国庫補助請願庄司    一郎紹介)(第二一四号) 五三 姫路城改修並びに保護施諸実施請願(堀    川恭平紹介)(第二一五号) 五四 戰災私立学校国庫貸付金制度復活請願    (福田昌子紹介)(第二二二号) 五五 宮崎大学に法、文、経各学部設置請願(    川野芳滿君外四名紹介)(第二二三号) 五六 新制中学校建設費助成に関する請願(石原    圓吉紹介)(第二四五号) 五七 教育職員免許法改正に関する請願圓谷    光衞紹介)(第三六四号) 五八 新制中学校事建設費助成に関する請願)(    川野充滿紹介)(第三七六号) 五九 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願鈴木善幸紹介)(第四〇〇号) 六〇 同(首藤新八君外六各紹介)(第四〇一    号) 六一 同(吉川久衛紹介)(第四〇八号) 六二 同(吉田吉太郎紹介)(第四一一号) 六三 同(原健三郎紹介)(第四一二号)六四 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関す    る請願吉川久衛紹介)(第四一五号) 六五 同外一件(青柳一郎紹介)(第四一六    号) 六六 同外三十四件(受田新吉紹介)(第四一    七号) 六七 同(田島ひで君外二名紹介)(第四一八    号) 六八 同(土倉宗明君外五名紹介)(第四八五    号) 六九 同外三件(鈴木善幸紹介)(第四八六    号) 七〇 同外三件(周東英雄紹介)(第四八七    号) 七一 同(佐藤榮作紹介)(第四八八号) 七二 同(田中織之進君紹介)(第四八九号) 七三 同(長野長廣君外一名紹介)(第四九〇    号) 七四 同(高木松吉紹介)(第四九一号) 七五 同(首藤新八紹介)(第五五八号) 七六 同(寺島隆太郎紹介)(第五六一号) 七七 同(澁谷雄太郎紹介)(第五六二号) 七八 同(村上勇紹介)(第五六三号) 七九 同(水田三喜男紹介)(第五六四号) 八〇 同(山本猛夫紹介)(第五六五号) 八一 同外二件(青柳一郎紹介)(第五六六    号) 八二 同(吉武惠市君紹介)(第五六七号) 八三 同(田中堯平君外二名紹介)(第五六八    号) 八四 同(山崎猛君外九名紹介)(第五六九号) 八五 同外二件(青柳一郎紹介)(第六五九    号) 八六 同(今野武雄君外一名紹介)(第六六〇    号) 八七 同(渡部義通君外一名紹介)(第六六一    号) 八八 同(田中堯平君外一名紹介)(第六六二    号) 八九 同(玉井祐吉君外七名紹介)(第六八六    号) 九〇 同(菅家喜六紹介)(第六八七号) 九一 同外一件(渡部義通君外一名紹介)(第六    八八号) 九二 同外一件(今野武雄君外一名紹介)(第六    八九号) 九三 同(竹尾弌君紹介)(第七一四号) 九四 同外九件(金光義邦君外六名紹介)(第七    一五号) 九五 同(青柳一郎紹介)(第七二九号) 九六 (風早八十二君外二名紹介)(第七三一    号) 九七 同外一件(上村進君外二名紹介)(第七三    二号) 九八 同外一件(今野武雄君外一名紹介)(第七    三三号) 九九 同外一件(渡部義通君外一名紹介)(第七    三四号) 一〇〇 同(池田峯雄君外二名紹介)(第七三五    号) 一〇一 同(加藤充紹介)(第七三六号) 一〇二 同(江崎一治君外二名紹介)(第七三七    号) 一〇三 同(田代文久君外二名紹介)(第七三八    号) 一〇四 同(伊藤憲一君外二名紹介)(第七三九    号) 一〇五 同(井之口政雄君外二名紹介)(第七四    〇号) 一〇六 同(河田賢治君外二名紹介)(第七四一    号) 一〇七 同(砂間一良君外一名紹介)(第七四二    号) 一〇八 同(聽濤克巳君外三名紹介)(第七四三    号) 一〇九 同(田島ひで君外二名紹介)(第七四四    号) 一一〇 同(志賀義雄君外二名紹介)(第七四五    号) 一一一 同(林百郎君外三名紹介)(第七四六    号) 一一二 同(米原昶紹介)(第七四八号) 一一三 同(西村英一紹介)(第七四九号) 一一四 同(平川篤雄紹介)(第七五〇号) 一一五 同(吉武惠市君紹介)(第七五一号) 一一六 同外十五件(坂本實紹介)(第七五二    号) 一一七 同(竹尾弌君外一名紹介)(第七五三    号) 一一八 同(澁谷雄太郎紹介)(第七八三号) 一一九 同(河原伊三郎紹介)(第七八四号) 一二〇 同(坂本泰良紹介)(第七八五号) 一二一 同(松尾トシ子紹介)(第七八六号) 一二二 同(井出一太郎紹介)(第七八七号) 一二三 同(廣川弘禪君紹介)(第八六四号) 一二四 同外十三件(佐藤榮作紹介)(第八六    五号) 一二五 同(受田新吉紹介)(第八六六号) 一二六 同外三件(今野武雄君外一名紹介)(第    八六七号) 一二七 同外五件(渡部義通君外一名紹介)(第    八六八号) 一二八 同(米原昶君外一名紹介)(第八六九    号) 一二九 同(井之口政雄君外二名紹介)(第八七    〇号) 一三〇 同(伊藤憲一君外二名紹介)(第八七一    号) 一三一 同(江崎一治君外二名紹介)(第八七二    号) 一三二 同(加藤充君外二名紹介)(第八七三    号) 一三三 同(横田甚太郎君外二名紹介)(第八七    四号) 一三四 同外一件(若林義孝君外四名紹介)(第    八七五号) 一三五 同(犬養健君外一名紹介)(第八七六    号) 一三六 同(中原健次紹介)(第八七七号) 一三七 科学研究費増額請願長野長廣君外五    名紹介)(第四七四号) 一三八 新制中学校建設費助成に関する請願(江    崎眞澄紹介)(第五一一号) 一三九 税制改革に伴う教育費の措置に関する請    願(鈴木善幸紹介)(第五四一号) 一四〇 阿伏兎観音大悲閣保存に関する請願(高    橋等君外一名紹介)(第六〇一号) 一四一 新制中学校建設費全額国庫負担請願(    山本猛夫紹介)(第六一八号) 一四二 実業教育費国庫補助復活請願長野長    廣君外一名紹介)(第六一九号) 一四三 東京大学農学部演習林荒廃地復旧に関    する請願江崎真澄紹介)(第六四九    号) 一四四 国立大学夜間課程開設請願福井勇    君紹介)(第七〇四号) 一四五 国宝月輪寺薬師堂保存に関する請願(青    柳一郎君外一名紹介)(第七五九号) 一四六 神崎神社国宝指定並びに保存経費国    庫補助請願稻田直道紹介)(第八四    二号) 一四七 新制中学校建設費助成に関する請願(坪    内八郎君紹介)(第九一九号) 一四八 同(門脇勝太郎紹介)(第一一五五    号) 一四九 樋合島の新制中学生徒通学費国庫補助の    請願原田雪松紹介)(第九二五号) 一五〇 教育予算増額並びに定員定額制廃止に関    する請願上林與市郎紹介)(第九四八    号) 一五一 同(前田正男君外三名紹介)(第九四九    号) 一五二 同外二十五件(今野武雄君外一名紹介)    (第九五〇号)一五三 同外三件(渡部義通紹介)(第九五一    号) 一五四 同外七件(柄澤としこ紹介)(第九五    二号) 一五五 同外一件(坂本實紹介)(第九五三    号) 一五六 同(池見茂隆紹介)(第九五四号) 一五七 同(河野謙三紹介)(第九五五号) 一五八 同(苅田アサノ君外二名紹介)(第一一    〇一号) 一五九 同(鈴木善幸紹介)(第一一〇二号) 一六〇 同(今村忠助紹介)(第一一〇三号) 一六一 同(今野武雄君外三名紹介)(第一一〇    四号) 一六二 同(大石ヨシエ紹介)(第一一〇五    号) 一六三 同(鈴木義男君外一名紹介)(第一一〇    六号) 一六四 大村市に国立学校設置請願岡延右エ    門君外一名紹介)(第九九三号) 一六五 嚴島大鳥居修理費国庫補助請願山本    久雄君外五名紹介)(第一〇〇七号) 一六六 奈良県に国立美術研究所設置請願(前    田正男君外三名紹介)(第一〇二五号) 一六七 育英資金予算増額請願今野武雄君外    一名紹介)(第一〇七九号) 一六八 同(松本七郎君外二名紹介)(第一〇八    〇号) 一六九 比婆山の巨石遺跡を史跡に指定請願(    稻田直道紹介)(第一〇八三号) 一七〇 私立学校法案の撤回に関する請願(川崎    秀二君紹介)(第一一三六号)   陳情書  一 六・三制予算並びに教員定数に関する陳情    書外三百四十八件    (第一四号)  二 新制中学校舍建設許可申請に関する陳情    書(第    二一号)  三 六・三制完全実施のため国庫補助継続の陳    情書(    第三八号)  四 戰災私学復興に関する陳情書    (第七七号)  五 六・三制予算並びに教員定数に関する陳情    書外百六十九件    (第一一四    号)  六 姫路城修理促進等に関する陳情書    (第一七四号)  七 教員定員定額に関する陳情書    (第一八九号)  八 教育予算増額陳情書外七十一件    (第一九二号)  九 教員定員定額に関する陳情書    (第一九五号) 一〇 教育予算増額陳情書    (第二三〇号) 一一 六・三制完全実施のため全額国庫負担の陳    情書(第二三九    号) 一二 文化財保護に対し国庫補助増額陳情書    (第二五九号)     ―――――――――――――
  2. 原彪

    原委員長 これより会議を開きます。  この際委員長より御報告申し上げたいことがあります。本日教育委員会法の一部を改正する法律案の一部修正に関する要望が、建設委員長より提出されております。建設委員会理事田中角榮君が御出席なつておりますので、その趣旨を御説明願います。
  3. 田中角榮

    田中角榮君 文部委員会に付託になつております教育委員会法の一部を改正する法律案の一部修正に関しまして、建設委員会でも多少の意見がありまして、先日当文部委員会との間に連合審査会をお開きを願つたのであります。建設委員会要望に対しまして、当委員会としていろいろ御便宜をはからいくださいましたことに対しましては、厚く御礼を申し上げます。当日から二回にわたり委員会を開きました結果、本法律案の一部修正に対しまして、これから読み上げまする修正をぜひともお取上げ願いたい。こういうふうに決定いたしましたので、よろしく御審議の上、なるべく建設委員会要望をお入れになつて御審議くださらんことを、全員を代表いたしましてお願いをいたしたいと思います。  次に要望事項を朗読いたします。    「教育委員会法の一部を改正する法律案」の一部修正に関する要望  「教育委員会法の一部を改正する法律案」の一部を次のように修正せられんことを要望する。  1 「「第四十四條第一項中「(会計及び土木建築に関する部課を除く。)」を削る。」」を「「第四十四條第一項中「会計及び」を削る。」」に改める。  2 第四十九條関係中「「同條第八号中「実施指導」を「実施」に、」」を「「同條第八号中「実施指導」を「実施工事の設計、契約及び監督を除く)」に、」」に改める。     理由 今次改正案により教育委員会土木建築部課を設け、自らその工事実施する場合は、次のような弊害が考えられる。   1 行政組織簡素化に逆行する。   2 建設行政の一元化に逆行する。   3 不必要な人員の増大を来し、地方財政負担を重くするばかりでなく、地方によつて学校建築が定常的に行われないために、更に冗員を生ずる結果となる。  なお本修正により教育委員会がその自主性を阻害される慮れは更にない。  右本委員会の決議に基きここに申入れる。   昭和二十四年十二月一日      建設委員長 淺利 三朗    文部委員長 原  彪殿  以上であります。よろしく御審議を願いたいと思います。
  4. 原彪

    原委員長 以上が建設委員長より提出された要望であります。本委員会としましては、本委員会自主性を尊重しつつ、教育委員会法の一部を改正する法律案審査に関してこの御要望を尊重いたしまして、審査をいたしたいと存じます。  なお本要望趣旨に関しましては、本委員会としても先日来より十分御意見が述べられておりまして、この法案審査に際して検討を加えて参つたのであります。従いまして、あらためてこの要望に対して修正案をつくるなり、あるいは特別に審査をする必要はないと存じますが、御意見はいかがでございましよう。
  5. 渡部義通

    渡部委員 これについてはわれわれの方にも意見はありますし、今日あげられた建設委員会からの修正要望理由が、大体四項目あつたと思うのでありますが、立案者たる文部当局から、この四つの理由について、どういうふうに考えておるかを聞きたいと思います。
  6. 原彪

    原委員長 渡部君のただいまのお申出は、政府委員が後ほど参りましてから、御返事申し上げることにいたしたいと思います。
  7. 松本七郎

    松本(七)委員 この取扱いについては、委員長のお言葉ではもう十分検討したと言われておりますが、なるほどこの間の政府改正案原案について、この箇所については質疑を終了しておりますが、建設委員会との連合審査会では、われわれまだ十分な意見を吐いてはおりません。建設委員会側趣旨は、あのときに十分承りましたので、この修正要望事項についてはあらためてこの委員会でもつて、もつと検討する必要があると思います。そういう意味で先ほど渡部委員からも言われた文部省の意向も聞く必要がありましようしわれわれの方でもまだ意見がありますので、もう少し審議されんことを望みます。
  8. 原彪

    原委員長 大体この法案につきましては、先日来よりほとんど質疑は終了の程度まで来ておりまして、委員長の手元まで各党より修正案をすでにお出しになつております。この修正案につきましては、松本君の方よりは、この部分についての修正はなかつたように思います。それでただいまの松本君の御発言に対して、私はそのように思つておるのでありますが、いかがでございましようか。
  9. 松本七郎

    松本(七)委員 私の方から出した修正については、政府原案でいいというので、修正を申し入れてないのであります。この要望によると政府原案についての修正ですから、それについては、当然われわれには意見があるわけです。ですから、あらためてこういう修正要望が出て来た以上は、これを文部委員会として修正案として出すかどうかについて、愼重にあらためて審議する必要があると思います。
  10. 原彪

    原委員長 それでは松本君の御趣旨通りとりはかろうことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 原彪

    原委員長 御異議なしと認めまして、さようにいたします。  教育委員会法の一部改正に関する法律案はあとまわしにいたしまして、請願日程に入りたいと思います。     —————————————
  12. 原彪

    原委員長 請願審査に入ります。日程第五一より順次紹介説明並びに政府意見を徴することといたします。  日程第五一、暦法審議会設置に関する請願眞鍋勝君外一名紹介文書表番号第一八〇号、紹介議員説明を求めます。
  13. 圓谷光衞

    圓谷委員 かわつて説明いたします。  本請願要旨は、現行の暦はわが国季節及び農事その他民生と不調和な点が多いから、これを改正するため、暦法審議会設置し、東西暦法、ことに世界暦及び本邦中正暦等を愼重調査し、将来の暦法改正の準備に遺憾のないようにせられたいというのであります。
  14. 森田孝

    森田説明員 暦法のことにつきましては、請願趣旨も十分に研究いたさなければならぬと考えておりますので、文部省としては、さようにするとも申し上げかねるのでありますが、研究すべき問題であると考えております。     —————————————
  15. 原彪

  16. 若林義孝

    若林委員 紹介議員庄司君にかわつて私から御説明申し上げます。  本請願要旨は、宮城県伊具郡西根村所在の高藏寺国宝阿彌陀堂は、昭和十二年国庫補助をもつて屋根ふきかえを行い、その後一部応急修理を施したが、屋根の腐朽が全面に及び、緊急ふきかえを要する状態となつた。そして修理費四十五万円を要するが、とうてい寺でこれを全額負担することは不可能であるから、そのうち九万円は地元関係者によつて負担するから、残余の三十六万円を国庫から補助されたいというのであります。
  17. 原彪

    原委員長 政府意見を求めます。
  18. 西崎惠

    西崎説明員 国宝阿彌陀堂の施設については、近く国立博物館專門家を派遣して実地調査をいたしまして、どの程度緊急に屋板のぶきかえが必要であるかということを、調査の上で決定いたしたいと思います。請願趣旨もございますので、御趣旨に沿うように大いに努力いたしたいと思います。
  19. 圓谷光衞

    圓谷委員 暦法審議会設置に関する請願紹介議員眞鍋議員がおいででありまして、もう少し詳しく説明をさせていただきたいということであ事リますので、お取上げ願いたいと思います。
  20. 原彪

    原委員長 それでは眞鍋勝君。
  21. 眞鍋勝

    眞鍋勝君 すでに圓谷君から説明があつたのでしようが、請願人が私の県でありまして、この請願人の父君が熱心にこれを研究いたしました関係で、私に説明のお許しをいただきましたから、念のためもう一度申し上げます。  請願要旨は、すでに申されたと思いますが、要旨とするところは、政府はすみやかに民主的組織による暦法審議会を設け、東西暦法、ことに世界暦及び本邦中正暦等を愼重調査し、もつて来るべき暦法改正に遺憾なきを期するよう措置せられたいというのが要旨でありますが、明治維新の際、わが国文明諸国に伍するため改暦の方針を決定し、明治五年に、改暦詔書によつて改正を断行いたしました。閏年に関しでは明治三十一年の勅令追加があつたのでありますが、当時はいまだ国会の制度がなかつたために、改正につき何ら民意に問うことはなかつたのであります。爾来七十七年を経たる今日、現行暦はなおいまだ十分に行われていない、すなわち正月、お盆その他多くの民間行事が、旧暦または一月遅れによつて行われておるような現状であります。しかしこれは單なる旧慣墨守ではなく、現行暦わが国季節及び農事その他の民生と、不調和の点が多いからであります。また欧米諸国におきましても、現行暦の欠点を認め、ことに米国の世界暦協会は、輓近わが国の一部にも呼びかけ、改暦を早急実現せんとしているのであります。でありますから、改暦の問題は遠からず必至の情勢にあります。わが国といたしましては、講和條約締結に引続き、暦法改正が行われるのが望ましいのであります。しかしながら、暦法改正は何分重大な問題でありますから、研究研究を積み、審査審査を重ねることが必要でありまして、決して軽々に断行すべきものではないのであります。また專門家のみによつて決すべきではなく、広く社会全般輿論にまつべきであります。  さきに国際連盟交通部暦法改正問題を取上げた当時、各国とも改歴輿論がいまだまとまつていないことがわかり、連盟各国暦法改正に関する国内委員会設置を勧誘いたしました。しかしてこれが設置を見ましたのは、仏、伊、米、蘭の四箇国でありました。  暦法改正問題は国際協調をはかると同時に、国内委員会を設けて、国内の輿論をまとめる必要があります。でありますから、政府はすみやかに民主的組織、すなわち学者、官吏、政治家のほか、民間より暦研究家、農業、漁業、商工業、金融界、勤労者等各方面の実際家を網羅いたしまして暦法審議会を設け、広く東西暦法、ことに世界暦及び本邦中正暦等を愼重審議し、改正の目標を暦の恒久性と、あわせて季節、産業、国民の実生活に置き、暦法改正の準備に遺漏なきよう措置することが、きわめて緊要と認められるのであります。  大体現行暦は、西暦一五八三年、ローマ法王グリゴリオ十三世により定められたもので、その欠点は、一、年始が無意味なること、二、各月の長さが不均等なること、三、暦日と週日との関係が一定しないことで、これらを改良せんとする案は、十八世紀以来多数に上つておるのであります。国際連盟に集まつた案は合計百八十五であります。また故平山清次博士はその著「暦法及時法」に、改良案三十八種を載せておりますが、その中にあるジハルト案は世界暦のことで、工藤案は中正暦をさしておるのであります。  世界暦というのは、ドイツ人のジハルトが一九〇三年に提案したもので、これを米人のアケリス女史が一九三〇年に世界暦の名称を付し、世界暦法協会を設立いたしましてこれが宣伝に努め、遂に世界的に有行になつたのであります。  それで今申し上げます中正暦というのは徳島県の工藤茂三郎——請願人の父でありますが、明治三十年、西暦一八九七年に創作したもので、明治四十二年、第二十五議会に暦法改正の件の請願が通過し、政府において調査中でありましたが、そのまま今日に至つております。次に明治四十三年、第二十六議会に補助費下付の請願が通過いたしましたが、政府において下付不実行に終りました。大正十四年、西暦一九二五年に故新渡戸博士により国際連盟に提出せられたこともあります。また昭和二十四年第五国会に、暦法改正に関する請願を提出したような滑革もあります。  以上申しましたこの中正暦を、政府におきましてはいずれ暦法改正の問題も起ろうと存じますので、請願要旨を採択せられまして、何とか適当の措置を講ぜられんことをお願いする次第であります。     —————————————
  22. 原彪

    原委員長 次日程第五三、姫路城改修並びに保護施設実施請願、文書表第二一五号、堀川恭平紹介
  23. 若林義孝

    若林委員 紹介者にかわりまして、本請願要旨を御説明いたしたいと思います。  本請願は姫路市長の石見元秀君から提出されておるものでありまして、その要旨は、姫路城は、昭和三年史蹟に、また昭和六年国宝として指定せられ、その歴史的、文化的価値はいまさら言うまでもないのでありますが、幸いにして戰災を免れ、その国宝としての価値をさらに増大しておるのであります。しかるに今や各所に破損を生じ、その構成も崩壊に瀕しつつある状態でありまして、しかも防火設備、避雷針などの保護施設は皆無でありまして、法隆寺金堂の事例もあり、まことに寒心にたえないのであります。ついては姫路城の補修並びに保護施設を国費をもつて施行されたいというのであります。  文化財保護に関心を持つ機運がきわめて濃厚になつて来た今日でありまして、幸いにその中に姫路城の改修並びに保護施設の充実を挿入せられまして、格段の御配慮を煩わしたいというのであります。
  24. 西崎惠

    西崎説明員 姫路城国宝としまして非常に重要なものであることは、申すまでもないことでありまして、文部省は直営の工事といたしまして、昭和九年以来逐次修理いたして参りましたが、本年度はこれにまわすべき経費がございませんでしたので、わずかに防火施設といたしまして、五十万円で貯水池をつくるべく、ただいま着工の準備をいたしておるのであります。しかしながら、明年度におきましては、大体事務当局の見当といたしましては、一千万円くらいをこれに充てまして、修理に着手いたしたい、かように考えております。     —————————————
  25. 原彪

    原委員長 日程第五五、宮崎大学に法、文、経各学部設置請願川野芳滿君外四名紹介、文書表第二二三号。
  26. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願趣旨は、宮崎大学は国立大学として学芸、農、工、水の各学部の構成のもとに発足することになつたのでありますが、法学、文学、経済学部の併置を見ないことは、最も遺憾とするところであります。教育の本体は、言うまでもなく個人の円満なる常識を向上するにあつて、いわゆる技術屋の育成であつてはならないことは言うまでもありますまい。以上の三学部を併置するには、現在の宮崎大学は、單に若干の校舍の増築と、それから講師陣の整備によつて可能であるのでありますから、さように併置実現のために県民の希望をいれてくださいというのがその要旨であります。どうか御採択くださらんことを希望いたします。
  27. 原彪

    原委員長 政府側の意見を求めます。
  28. 劔木亨弘

    劔木政府委員 御請願趣旨につきましては、十分研究したいと思いますが、ただ国立新制大学は、本年度発足したばかりでございまして、教授陣容なり、施設等につきましても、すでに発足した大学の充実を第一の急務といたすのであります。もう一つは法、文、経の学部が各地方に分散いたしますことは、望ましいことではございますが、一面教授等の関係で、非常に困難な点もございますので、この点は将来の問題としまして、十分研究をいたしたいと考えております。
  29. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 ついでですから、紹介議員としての卑見をごく簡單につけ加えておきたいと思うのであります。宮崎県は、皆様御承知ではありましようが、非常に国内開発の余裕の豊富な土地であります。現在においては、すでに台湾を失い、朝鮮を失つた祖国は、国内的に大々的な増産施設をもつて国民を養わなければならぬことは、言うまでもないのでありまして、たとえば北海道とか東北に比べますと、その能力の点において非常に余力があるのでありますが、従来非常に放棄されておつたような観があるのであります。しかし言うまでもなく気候は快適であり、土地は豊饒でありまして、相当な国民を入れることも可能でありますし、生活も楽なのであります。ですから、いたずらに中央大都市に学生が集まり、困難な生活と闘いながら学問をするよりも、むしろ新開地ともいうべき宮崎県のようなところに就学せしめれば、お互いに都合がよかろうと思うのであります。ですから、あまり従来の形にとらわれずに、文部省側におかれましても、特段の考慮をお拂いくださることを希望する次第でございます。
  30. 若林義孝

    若林委員 この請願に関しまして、私文部委員の一人といたしまして、宮崎地方に足を踏み入れたときの感じといたしましては、今佐藤委員から申し述べられました感を深くする一人であります。またわが国として、ほとんど歴史をかなぐり捨てて行こうとするときでありますけれども、現実に宮崎の地理的な自然の風物に接したとき、教育の土地として他にまさるとも劣らないいろいろな資料を持つておると思うのでありまして、こういうところに重点を置かれて、初めて学問の神聖なり、自由なりが保たれやすいのではないかと思うのであります。また俗悪と申せば、語弊がありますけれども、そういう弊に陷りやすいところに教育の重点を持つて行くよりも、こういうほんとうに自然な、清浄な気分に打たれる中でこそ、初めてうるわしい学問の都ができるように思うのでありまして、私は発足のときにあたりまして、文部当局もこういう点に目を注がれまして、宮崎大学の拡大に一段の助力を希望する次第であります。
  31. 原彪

    原委員長 こんなことは委員長として申し上げるのはどうかと思うのでありますが、請願はこの委員会に対する請願でありまして、政府に対する請願ではないのであります。この委員会ではその請願を採択したものを行政府である文部当局に迫るのでありまして、文部当局はこの委員会で採択されたものは、民意を尊重し十分考慮されるのでありまするからして、私から申し上げることもどうかと思うのでありますが……
  32. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 たいへんしつこくて恐縮ですが、ついでに簡単にもう一言申し上げておきたいと思います。委員長の今の御発言は、別段私どもの請願を否定されている趣旨ではなかろうと思いますので、これをすみやかに御採択あらんことをお願いいたします。
  33. 原彪

    原委員長 佐藤君のただいまのお話ですが、誤解しているわけではありませんから、さよう御了承願いたいと思います。     —————————————
  34. 原彪

    原委員長 日程第五六、新制中学校建設費助成に関する請願、石原圓吉紹介文書表番号第二四五号、日程第五八、文書表番号三七六、日程一三八、文書表番号五一一、日程第一四文書表番号六一八、日程第一四七、文書表番号九一九、日程第一四八、文書表番号一一五五、以上六件は同一趣旨請願でありますので、一括議題といたします。紹介議員説明を願います。
  35. 水谷昇

    ○水谷(昇)委員 この請願は、請願者は宇治山田市会議長小久保久吉君、紹介議員は石原圓吉君でありますが、御出席がありませんから、私から本請願要旨を申し上げます。  公共事業並びに地方債は、相当縮減されるように聞くが、新制中学校の建築は、いまだ完成の城に達せず、目下着心建築を見つつある現状にかんがみ、これに対する国庫補助金、並びに起債は、他の業を繰延べても継続助成されたいというのが、本請願要旨であります。どうぞよろしく願います。
  36. 原彪

    原委員長 政府意見を求めます。
  37. 森田孝

    森田説明員 御請願の御趣旨は、まことにごもつともでありますので、文部省におきましても、今後新制中学校の建築が完成するまで、財政の許す限り国庫補助並びに起債を得るように努力して参りたいと存じております。     —————————————
  38. 原彪

    原委員長 日程一三九、税制改革に伴う教育費の措置に関する請願文書表番号第五四一、紹介議員鈴木善幸君。
  39. 渡部義通

    渡部委員 紹介議員にかわつて説明いたします。  この請願は、岩手県の教育長山中五郎氏から提出されたものであつて請願趣旨は、従来政府教育費に対する国庫負担の配分は、きわめて地方の実情に即さないうらみがあり、シヤウプ勧告による税制改革に伴い、昭和二十五年度における教育費国庫負担金は、政府平衡資金中に繰入れられるが、地方の実情を考慮し、適当な方途を講ぜられたいというのであります。  若干附言いたしますと、従来の教育費に対する国庫負担の配分方法が、教員定数その他の一定の基準に従つて、一率的になされて来た結果、地方においては非常に不公平な形で現われて来る。このことは、今度の定員定額制の問題が、各地方から非常に大きい不満や、困難な事情にあるという申出があつた事実によつても、証明されるところなのであります。こういう実情は、單に一般教育費に関するだけでなく、六・三制校舍建築補助費に対しても、同様なことが地方から陳情されて来ておるのであります。このような不公平な事実を解消して、各地方における教育費が、国庫の公平な分配に浴し得るような状態をつくり出すことが、きわめて重要な実情になつておりますところから、今度の税制改革に伴う政府の平衡資金が実現された時機に際して今申し上げた事柄を解消して実情に応じて公平な分配をしていただきたいという趣旨に、紹介議員としては非常に賛成なのであります。本委員会としては愼重に審議されて、その趣旨が実現されるようにしていただきたいと考えます。
  40. 原彪

    原委員長 政府側の意見を求めます。
  41. 内藤誉三郎

    ○内藤説明員 ただいまの請願におきまして、国庫負担金が地方の実情に即せずに、一率にきめられたということが述べられたのでありますが、この点についてはちよつと釈明を申し上げたいと思うのであります。実は定員定額制になりましたが、従来義務教育の負担金につきましては、地方負担いたしました実際の現員現給に基きまして、国はその半額をいかなる場合でも負担して参りました。このたび昨年の七月、義務教育費国庫負担法の一部が改正されまして、国庫負担する限界を定められたので、そこで定員定額と相なつたわけであります。この定員定額を定める場合には、従来の実績がありまして、その実績に基いて配分してありますので、各府県の実情に一応合つていると私どもは考えておるのであります。ただ定員定額のわくが、昨年よりはドツジ予算の結果、非常にきゆうくつになりまして、全体のわくが狭いので、各府県にいろいろと困難な問題を生じておると思うのであります。今度のシヤウプ勧告による平衡交付金の中で、教育費をいかに確保するかという問題が、この請願趣旨と思うのでありますが、私どもはできるだけ標準教育費を定めまして、新しい構想のもとに必要最小限の教育費を確保するように、各県の地方の実情に応じた標準教育費の算定に努力し、その標準教育費を確保するように努めたいと考えております。     —————————————
  42. 原彪

    原委員長 日程一四〇、阿伏兎観音大悲閣保存に関する請願、文書表第六〇一号
  43. 若林義孝

    若林委員 紹介議員の一人といたしまして、請願趣旨説明をいたしたいと思います。  この請願は広島県沼隈郡千年村の毛利賢良君からの請願でありまして、その要旨は、瀬戸内海随一の絶景でありますところの阿伏兎観音堂は、桃山時代の建造物でありまして、国宝級の文化財であることは、自他ともに許しておるものでありますが、この観音大悲閣が、目下白ありに侵され、また暴風雨に洗れれて、今にもくずれ落ちんとしておるのであります。これが修理は緊急を要するにもかかわりませず、県費の支出を受けることができないので、重要美術品の指定を受け、国費をもつて修築し、もつて日本文化財の保存と国際観光施設に資せられたいと思うのであります。何とぞ格段の御配慮をもちまして、御審議の上御採択をせられたいと思います。
  44. 西崎惠

    西崎説明員 本件はまだ実地調査をやつておりませんので、はたして阿伏兎観音が重要美術品ないしは国宝に値するかどうかということが不明であります。請願趣旨もござしいますので、適当の機会に実地調査をいたしまして、十分研究いたしたいと思います。
  45. 水谷昇

    ○水谷(昇)委員 これは私が昨年の秋、たまたま中国地方の学術視察に参りましたときに、舟の中からこの観音堂を拝んだのでありますが、すこぶる景勝の土地にあり、その建築が、ここにも書いてあるような、とてもりつぱな建物のように、舟の中から見たのであります。「日本文化財保存と国際観光施設に資せられたい」という希望が述べてありますが、突に景勝の土地であリ、またりつぱな建物であるということを、私はよそながらながめて来たのでありますから、紹介議員若林君の説明に補足をいたしまして、この際これだけ申し上げておきます。     —————————————
  46. 原彪

  47. 水谷昇

    ○水谷(昇)委員 実業教育費国庫補助復活請願請願者は上原種美氏であります。この人は三重県の元農林專門学校の校長をしておつた人であります。紹介議員長野長廣君、苫米地英俊君でありますが、紹介議員にかわつて説明申し上げます。  産業を復興して生産の増進と貿易の進展をはかるための基盤であるべき実業教育は、多年国庫補助を受けていましたが、今回補助金の全画的に削除されましたことは、まことに遺憾であります。ついてば実業教育費に対し、国庫補助をされたいというのであります。  なお私は実業教育について一言つけ加えて申し述べたいことは、学制改革によりまして、中等程度の実業学校が、普通の中学校と合併いたしまして、ただいま高等学校になつておるのであります。従つて普通の高等学校と実業学校との教育が、同一の校舍の中で行われておりまするが、たとえば農学校で申しますと、一つの校舎で、農学部の学生は肥たごをになつて実習をやつておる。一方は普通の高等学校でありますから、そういうことをいたしません。こういう点から農学部の学生が非常に勉強することをきらつて、志望者がたいへん少くなつて来たような傾向があるのであります。他府県のことは存じませんが、三重県のごときは、そういう弊害がありますので、これは特に実業教育のために考慮をしてもらわなければならぬ問題であると思います。従つて実業教育に対する国庫の補助ということを、この請願と同様に、ひとつ私からも希望するものであります。この点について御意見を伺つておきたいと思います。
  48. 西崎惠

    西崎説明員 実業教育についての国庫補助につきましては、相当古い歴史を持つのでありまして、わが国の実業振興に相当の貢献をして参つたわけでありますが、この請願にもございますように、今回全般的な補助金の削減とともに、これが削減をされましたことは、私どもといたしまいしても、きわめて遺憾に考えておるところでございます。この実業教育の国庫補助の復活につきましては、今後とも大いに努力して参りたいと考えます。同時に他面平衡資金として中央より交付されますものにおきましても、その中で特に実業教育につきましては、相当率をよくして考えて行くということを、十分考究いたしたいと思つております。  なお新しい高等学校のあり方につきまして、総合高等学校等において、実業教育その他職業教育がだんだん軽視されて行きはしないかという御心配につきましては、私どもも相当考慮を要する問題があると思うのでありまして、ただいまそういう問題につきましては、十分対策を考究中でございます。     —————————————
  49. 原彪

    原委員長 日程第一四三、東京大学農学部演習林荒廃地復旧に関する請願、文書表第六四九号。
  50. 小林信一

    ○小林(信)委員 紹介議員にかわつて要旨を申し上げます。  本請願は愛知県丹羽郡城東村の中央にある東京大学農学部演習林の約七十町歩の荒廃地は、地質悪く、降雨の都度土砂が流出し、用排水路と道路の決壊、さらに溜池等の埋没により、多大の被害を受けておる実情であります。ついてはこの復旧をすみやかに実施されたいというのであります。よろしくお願いいたします。
  51. 原彪

    原委員長 政府意見を求めます。
  52. 劔木亨弘

    劔木政府委員 愛知県にあります東京大学の演習林の荒廃につきましては、十分実地を調査いたしまして、対策を考究いたしたいと考えております。
  53. 千賀康治

    ○千賀委員 私はどうも今の請願がふに落ちないのであります。私は愛知県で承りまして、これに関係しておる私の今の任務を申せば、愛知県の森林組合連合会の会長をいたしております。そんなことで、私は森林の方を守る役目の方にまわつておるのですが、森林を荒廃させるものは、言わずもがな木が伐採いたしまして、不完全な開墾をすることであるということは、これはもう世間の定評になつております。ところが学校の演習林が荒廃しておるということでありますが、演習林はおそらく各樹種を栽培されてあつて、それの成長が研究されつつあるので、民間林に比べたならば、むしろ長い間斧鉞が入らずに林相が守られておるはずのものであると思います。これを現在ことごとしく荒廃だといつて、その対策を要求されておることは、非常に私はふに落ちません。むしろ森林は、手をつけないことが森林が一番守るものであつて、長く手をつけられないものが荒廃という字で表現されることは、非常に私はふしぎだと思います。大学の演習林にそんな深刻な濫伐が起つておるということを文部当局はお聞きになつておるか、どうでしようか。
  54. 劔木亨弘

    劔木政府委員 お説のように、学校の演習林といたしましては、十分森林の樹齢等によりまして研究いたして参りますので、そう極端な伐採が行われるとは考えておりませんので、この御請願につきましても、実は実地に調査をいたして見ませんと、私の方は、はたしてそういう必要があるかどうか、荒廃というようなことがあるかどうかわからないのであります。さきにも申し上げましたように、十分に実地を調査いたした上で、御答弁いたしたいと思います。     —————————————
  55. 原彪

    原委員長 日程第一四四、国立大学夜間課程開設請願文書表番号、第七〇四号、福井勇紹介紹介議員説明を求めます。
  56. 松本七郎

    松本(七)委員 紹介議員にかわりまして請願要旨を御説明申し上げます。  請願者は東京都の鈴木佐市氏で、勤労階級の子弟は、晝間就職の関係から、夜間の官公立大学がほとんどありませんで、月謝の高い私立の夜間学校で勉強しておりますが、経済的負担も非常に多く、しかも晝間課程に比較して軽んじられておる実情であります。これは有能な青年学徒の道をふさぐものでありますから、ぜひ国立大学に夜間課程を開設して、勤労者に対する真の機会均等を得せしめたいというのであります。何とぞ委員の御賛同によりまして御採択を願いたいと思います。
  57. 原彪

    原委員長 これに対する政府説明を求めます。
  58. 劔木亨弘

    劔木政府委員 国立大学に夜間学部の課程を開設いたしますことは、文部省といたしましても、非常に必要な問題であると考えまして、実は終戦後その必要を感じまして、計画をいたして参つて来ておるのでございますが、いろいろ人員の制限等から今日まで実現を見ないのはきわめて残念に思つておるのでございます。しかし明年度におきましては、ごくわずかではございますが、一、二の大学に夜間学部を設けることを計画いたしておるのでございまして、将来財政の許す限り、私どもといたしましては国立大学に夜間課程を開設して行きたいと考えております。
  59. 渡部義通

    渡部委員 この請願趣旨を一層はつきりさせたいと思うのですが、今各大学では、アルバイト学生が非常に多く、しかも晝間の大部分をそれに費さなければならぬというような実情が非常に多くなつて来ておる。一方勤労者の方では学術に対する研究心が非常に高まつて来ておるが、しかし今ここで述べられたように、これもまたその道がふさがれておる。こういう関係からしまして、夜間大学の設置が、今までよりは非常に広汎な大衆的な要望なつておる点を確認せられてもぜひともこういう請願を採択されんことを希望いたします。     —————————————
  60. 原彪

    原委員長 日程第一四五、国宝月輪寺薬師堂保存に関する請願文書表番号第七五九号、青柳一郎君外一名紹介紹介議員説明を求めます。
  61. 松本七郎

    松本(七)委員 紹介議員にかわつて請願要旨を御説明いたします。  本請願要旨は、山口県佐波郡島地村所在の月輪寺薬師堂は、先ごろ国宝指定された重要文化財であるが、従来幾度か応急修理を加えているが、長年月を経ているので腐朽損傷はなはだしく、建物は傾斜し、国宝としての森嚴を欠くおそれがある。ついては、現地調査の上、根本的修理を施行されたいというのであります。
  62. 西崎惠

    西崎説明員 月輪寺の薬師堂は、御承知のように今年国宝指定されたのでありますが、大分建物全体が傾斜しておるようでありまして、根本的の修理を要するのではないかと思うのであります。そこで本年度内に專門家を派遣いたしまして、十分調査いたしました上で、善処いたしたいと思つておるのでありますが、ただお含みおき願いたいのは、この修理費は半額補助をするというのが建前になつておりますので、全額の補助というようなことは、特別の事情がないとできないのでありまして、根本的に修理を要するということになりました際には、相当額かかるということになります。もちろん事情の許す限り、早急に必要があればやりたいということになると思いますが、その際にも半額の補助が建前であるということを御了承願いたいと思います。     —————————————
  63. 原彪

    原委員長 日程第一四六、神崎神社国宝指定並びに保存経費国庫補助請願文書表番号第八四二号、稻田直道紹介紹介議員説明を求めます。
  64. 圓谷光衞

    圓谷委員 紹介議員にかわつて説明申し上げます。  本請願要旨は、神崎神社は風光明媚の立公園伯耆大山の東口にあり、祭神は素戔鳴尊であつて、十万の信徒は鳥取、岡山の二県を初め、中国全円にまたがつている。古来牛馬にゆかりのある神社なので、参詣者は増加の一路をたどつている。本殿には、精緻豊麗な彫刻が施され、これほどの社殿彫刻は近畿地方にもその例を見ないが、太平洋戦争以来保存修理の手届かず荒廃されつつあるので、国宝指定され、万全の保護を期されたいというのであります。
  65. 西崎惠

    西崎説明員 神崎神社に関しましては、すでに專門家調査いたしまして、私の方にも報告が参つておるのでありますが、その本殿は嘉永の建築でありまして、本殿そのものよりも、各部に施されておりますところの彫刻が、その当時のものといたしましては、非常に優秀奇拔なものであるという報告が参つております。しかしながらこれを国宝ないしは重要美術品に指定いたしますることにつきましては、御承知のようにただいまこの指定事務は停止されておりますので、近く文化財保護法案が議会に提出されまして、それが成立したあかつきにおきまして、再びこの事務が開始されますときに、十分研究の上善処いたしたいと思つております。
  66. 原彪

    原委員長 それでは、ただいまは国宝指定については、事務は停止しておるわけでございますか。
  67. 西崎惠

    西崎説明員 さようでございます。
  68. 原彪

    原委員長 委員調査官派遣も中止しておりますか。
  69. 西崎惠

    西崎説明員 いや、それはやつております。
  70. 原彪

    原委員長 指定だけを中止しておるわけですね。
  71. 西崎惠

    西崎説明員 そうでございます。     —————————————
  72. 原彪

    原委員長 日程一四九、樋合島の新制中学生徒通学費国庫補助請願文書表番号、第九二五号。
  73. 高木章

    高木(章)委員 請願者は熊本県天草郡今津村長、西本初記君という人であります。原田雪松君の紹介でありますが、原田君がちようど出席されておりませんから、私がかわつて紹介いたします。  本請願要旨は、樋合島は、今津の九州本土と海上一里余を隔てております。その海を隔ててさらに陸路三十丁あまりの通学距離にある学校についてのことでありますが、六・三制実施以前には、高等科の通学生は三十数名であつたものですから、艪船で大して支障はなかつたが、しかるに現在は通学生徒数が八十名に達しておるので、発動機船を建造しなければならなくなつた。しかるところ天草の一貧村では、とてもその経費の負担に耐えられないから、どうか国庫で補助をされたいというのが、その趣旨でございます。しかるべく御採択をお願いいたします。
  74. 劔木亨弘

    劔木政府委員 新制中学の施設費の補助は、御承知のように、六・三制に基きます生徒用の机、こしかけ等だけでございます。ただいまのところ、今請願にございました通学用の汽船、あるいはスタール・バスというものに対しては、これらの道がないのでございます。しかし事は十分私どもといたしましても、必要性を認められますので、将来の問題としては、十分考究したいと考えますが、ただこの請願のような場合におきましては、一面八十名くらいの生徒がおりますれば、分教場のようなものをつくりましてその分教場につきましては十分考慮の道もございますので、そういうこともやはり一つの考え方ではないかと考えられます。念のためでございますが……
  75. 若林義孝

    若林委員 この請願に関連をするのですが、私がよく似たものを出してあるのでございます。これは値下げという問題でありますので、運輸委員会にかかつておりまするが、しかし文部委員会としても、考慮しなければならぬ問題だと思うのであります。これに関連がありますから、ちよつとそのことをお聞きを願いたいと思うのであります。  新制中学を建てますときに、各村々でやるよりも、交通の便利なところならばというわけで、いわゆる組合立の中学をこしらえたのでありますが、その当時は、汽車の通学費用というものが、問題にならないほどのときに建てたのでありまするが、今日のごとく通学費が——汽車賃が、ほかの物価と同じようにどんどん上げられた。現在これが非常な負担なつて参りまして、一人当り一年五千円を要するというようなことになるのでありまして、もしそういうことになるならば、分校を設置することが必要だ、分立をしてもいいというくらいまでになつているのでありますが、これはここだけの問題でなしに、全国的に汽車賃によつてこういう負担が各父兄に加わつて来ていることが多々あると考えるのであります。本委員会といたしまして、私は時期を見まして、あるいは早急にスタール・バスを出して、父兄にはそういう通学費ごとき負担を持たさないで義務教育だけをやらそうという理想を掲げるといたしますならば、何らかの形で運輸委員会に対して本委員会の名をもつてこれに対する意思表示をして行けばよいかと思う事柄でありますので、今の請願に関連をいたしまして、私紹介をいたしましたのは岡山県和気郡山田村、塩田村に関するところの通学に関しての請願であります。
  76. 圓谷光衞

    圓谷委員 今若林君の申された学童の汽車賃については、全国的に困つているので、これは義務教育である限りは、ほんとうは無賃でもいいくらいに私ども思つているのです。これは文部委員会で運輸委員会の方に申し込んで、義務教育の児童に対する汽車賃の軽減というようなものを将来、通常国会でもいいと思いますが、その際これを一つおとりはからい願いたいと思います。文部省としては、その点についてどんな考えを持つておりますか。
  77. 劔木亨弘

    劔木政府委員 通学費の問題につきましては、文部省といたしましても、重要な問題と考えているのでありまして、私はこれをそういうふうにおとりはからい願えればと思つております。
  78. 原彪

    原委員長 それでは通常国会にでも申入れするなり、あるいは文部委員会として決議にまとめるなり、通常国会に入りましてから、御相談の上決定いたしたいと思います。     —————————————
  79. 原彪

    原委員長 日程一六五、嚴島大鳥居修理費国庫補助請願紹介議員山本久雄君外五名、文書表一〇〇七号。
  80. 若林義孝

    若林委員 この国宝大鳥居修理補助金下付の請願は、御承知の通り周回七里の一孤島である嚴島は、史跡名勝地、天然記念物、国宝建造物と文化財保存の上にすべての指定文部省から受けているのでありますが、これは古来神靈しずまります神島として、宗教的信仰の対象たる特異な島であるがためでありまして、みどりの波に浮く朱殿の嚴島神社がその中心をなしていることは、言をまたないのであります。こうして現在国際的観光地として、富士山と安藝の宮島の名は人口に膾炙しているところのものでありますが、星霜七百年を経ました古い建造物は、腐朽損傷もはなはだしいのでありまして、維持また容易ではないのであります。特に宮島の象徴でありますところの海中の大鳥居の基礎は風波にさらわれ、また朱は色あせまして見る影もない。このまま放置すれば倒壊のおそれさえあるのでありまして、これが修理に腐心しておるのでありますが、神社の計画によりますと、時価で約三百六十万円を要するのであります。しかし国家の保護を離れた神社といたしましては、日々の経営にさえ十分でない現状でありましてとうてい独力をもつては修理、維持ができぬのであります。右の工費に対してぜひとも国宝建造物修理補助金の交付を得まして、早急に万全の対策を講じたいと念願するというのが、右請願趣旨であります。  目下観光事業というものが相当重要視されております今日、また平和日本を象徴する富士と並び称せられまするこの宮島の景色は、おそらく講和條約を有利に導く平和日本の精神を知らすシンボルとして私は見のがすことのできないものだと考えますので、何とぞこの点を御留意せられまして、本請願をぜひとも御採択あらんことを希望するものであります。
  81. 西崎惠

    西崎説明員 嚴島神社の大鳥居が、非常にいたんでおりますことは、よく存じておるのでありまして、文部省といたしましては、できるだけすみやかにこれの修理をいたしたいと考えておるのであります。本年度は予算がございませんが、できれば来年度でも予算の都合のつき次第、早急に修理のことに当りたい、かように考えております。     —————————————
  82. 原彪

    原委員長 日程一六六、奈良県に国立美術研究所設置請願文書表番号一〇二五号。  本請願は、われわれ文部委員会が通常国会に文化財保護法を提出せんとしておりますので、それとにらみ合せて、本請願趣旨を入れて、本法案で進めて行つたらどうでございましようか。     〔「賛成」「請願趣旨だけ説明させなければ……」と呼ぶ者あり〕
  83. 原彪

    原委員長 それでは……
  84. 小林信一

    ○小林(信)委員 紹介議員にかわつて申し上げます。  本請願要旨は、奈良県は日本古美術の宝庫であり、十三世紀にわたる諸様式を網羅せる国宝木造建築物三百五十を有し、世界的観光地である。この優秀な古美術の研究調査に便宜を與え、さらに新しい国民文化の創造によ、つて、世界文化の向上に寄與するために、国立美術研究所を奈良市に設立されたいというのであります。これは請願者は奈良県の県会議長でありますが、御審議の上御採択願いたいと思います。
  85. 西崎惠

    西崎説明員 奈良県という、国宝古美術等が非常に多いところに、美術研究所が設置されることは、非常に望ましいことだと思いますが、これを国立とするということは、予算その他いろいろの事情がありまして、今ただちにこれを実現するということは、相当困難があると思うのであります。しかしながら今文化財保護法が研究されておりますので、これと関連をもちまして、なお十分研究をいたして行きたいと考えております。     —————————————
  86. 原彪

    原委員長 日程一六七、育英資金予算増額請願文書表番号第一〇七九号、日程一六八、同、文書表番号第一〇八〇号を一括議題といたします。
  87. 渡部義通

    渡部委員 紹介議員として説明を申し上げます。この請願は、早稻田大学の自治会の鈴木雄君から提出されたものでありまして、要旨は、育英資金の予算は昨年の二割程度しか出ていない。早稻田大学学生においても、申込者が非常に多いのでありますが、獎学金のほとんどは旧制大学に割り当てられて、新制大学にはわずかしか用意されていない。ついては、本年度補正予算中に、育英予算を大幅に組み入れて、本、年度申込者のすべてに当てはまるだけの金額を計上されたいというのであります。これは單に早稻田大学の学生間に問題になつているだけでありませんで、全国の学生間の問題になつていることは、委員諸氏が学生諸君に会われたときに、すべて同様の趣旨のことを聞いておられることと存じますが、ぜひともこういう問題を、真剣に委員会としては取り上げて解決しなければならないと考える次第であります。ただここに補正予算の中に細み入れろというような要求は、今日すでに補正予算が通過してしまつた後においては、困難なことになるのではありましようが、この場合、私どもはこの請願等の取扱いについて、委員会として考えてみなければなら即問題があるんじやないかと考える次第であります。すでにこれは十一月十二日に受理されておるものでありまして、補正予算の通過以前の受理でありましたのに、こういう真剣な要求が提出されておりながら、それ前に全然取扱われていないというような事柄が、單にこの問題だけではなくて、ほかの問題にも非常に多いのであります。委員会といたしましては、この請願書が出たような場合には、ただちにそういう請願書を取上げて、委員会法案審議の間に、あるいは審議のあとに、その日その日にこういう問題を解決すべきではないか、こういうふうに考える次第でありまして、これは今後の請願の取扱いに関する希望を、あわせて述べておく次第であります。
  88. 劔木亨弘

    劔木政府委員 ただいまの御請願趣旨にありました早稻田の場合につきまして、旧制大学の方に大体割り当てられて、新制の方はほとんどないというようなことが御請願の中にあつたのでありますが、昭和二十四年度すなわち本年度におきましては、御承知のように非常に人員が削減されておりまして、大学については、全部で六千名しかありませんでしたので、志願者につきましては、今までは七〇%ないし八〇%は引かれましたのが、本年度におきましては約三十パーセントでございまして、この率は旧制大学におきましても、新制大学におきましても、ほぼ同様であります。早稻田の場合におきましては、今年度の旧制につきましては、百八十三名志望者がありまして、採用は六十九で三七%、新制につきましては志望者が千四百六名で採用が三百六十八名、二六%で、その採用につきましては、率は多少旧制の方が多いのてありますけれども、これは出願する場合に、旧制の方を合せて出願されておるものも相当あるそうでございまして、大体その率は同様であると考えております。  なおつけ加えて、二十五年度につきましては、できるだけこれを増額して参りたいと思いまして、ただいまのところは、本年度が六千名でありましたのを、大体四万二千名ぐらいを計画いたしておるのでございます。
  89. 原彪

    原委員長 日程第一六九、比婆山の巨石遺跡を史跡に指定請願、文書表番一〇八三号。
  90. 圓谷光衞

    圓谷委員 請願者は鳥取県西伯郡賀野村長岡田瀧雄外六十九名でありまして、本請願要旨は、鳥取県西伯郡下の比婆山にある巨石は、古代文化の発祥地としての、先史以来の貴重な巨石文化遺蹟として、すでに学界に取上げられているが、現在個人所有に属し、荒廃に帰するおそれがある。ついては太古文化の原形を永遠に保存するため、急速に史跡に指定せられたいというのでありますが、当局の御意見を伺いたいと思います。
  91. 西崎惠

    西崎説明員 比婆山の巨石を史跡に指定してくれという御請願であります。これはこの巨石がいわゆる「いわさか」の跡であるというのでありますが、この「いわさか」の跡かどうかということは、非常に愼重に研究を要する問題でありまして、はたしてまさに史跡として取扱うべき性質のものであるかどうかということも疑問を持つのであります。現在「いわさか」の跡の巨石として史跡になつておるものはや一箇所もありません。従つて本件の巨石をただちに史跡として指定するということは相当困難が伴うと思いますが、今後大いに研究してみたいと思います。なお御請願の御趣旨もございますので、現地につきましては、機会があれば実地の調査をいたしまして愼重に研究いたしたいと思います。
  92. 原彪

    原委員長 日程第一七〇、私立学校法案の撤回に関する請願文書表番号第一一三六号。
  93. 渡部義通

    渡部委員 紹介者がおられませんので、かわつて説明いたします。  これはすでに通過した後に、本委員会請願されたものでありますが、この趣旨は、私立学校法案は、私学の自由性と独立性とを侵害した官僚統制強化の一方的法案であつて、このような法案は、一部文部官僚によつて起草さるべきものでない。従つて法案は撤回して、関係団体による、民主的な討議に付せられたいというのであります。  こういう要求は、早稻田大学のみではなくて、各私立大学の自治会をほとんど網羅したところの、関東においては私立大学校案関東地方協議会という大きな学生の動きとなつて現われ、また関西においても同じような動きがあり、私立学校教授団の中にも同じような動きが非常に強かつたのであります。しかるにこういう動きがその審議過程においても十分に反映したわけでもないのであり、ことに立案過程においてはそれが反映しなかつたのであります。すでに本会を通過して法律となつ法案を撤回するという請願趣旨は、すでに解消したことになるわけでありますが、しかしその本質的な点、つまり広汎な学生や教授たちの要望や要求としては、今度通過したところのこの種の法案には反対であつたということを、われわれは確認して、そうして民自党からも付帶條件が付せられたように、この法案がさらに大学校との関連において再び取上げられるような場合には、同様の要望趣旨が徹底され、取上げられることを希望して私の紹介説明といたします。
  94. 原彪

    原委員長 これで請願紹介説明並びに政府意見は終了いたしました。  暫時休憩いたします。     午後三時三十六分休憩      ————◇—————     午後五時三十九分開議
  95. 原彪

    原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  休憩より議題となつておりまする請願について、審査を終了したのでありまするが、御質疑があるようですからこれを許します。若林君。
  96. 若林義孝

    若林委員 本日の日程の第一から以下ずつと教育予算増額並びに定員定額制廃止に関する請願というのがあるのであります。むろん本委員会といたしましては教育予算の増額ということには、言葉の言い表し方にはいろいろありますけれども。おそらく文部当局においても、またわれわれ委員会におきましても、党派を超越いたしまして、この増額に献身の努力を拂つて来ておるのでありまして、この請願はこの面におけるところの趣旨には、全幅的にこれを是認し、われわれも協力をするつもりであるのでありますが、次の定員定額制廃止というこの事柄に関しましては、一応の考え方がわかれて来るのであります。この教育予算というものの配分は、いわゆる定員定額という一つの目安のもとにおいてわけられておるのでありますが、もしその制度自身を廃止するという意味でありますならば、将来教育予算というものをどういうように配分して行くか、何を目安にしてやるかということについて、大いに困難を感ずるのであります。あるいはこれを地方の実情に照してみるときにも、これが全面的に理想的な配分の仕方の制度であるとは言い切れませんけれども、少くとも現段階におきましては、定員定額というこの制度によつて、教育予算が配分をせられることが至当であろうと、私たちは思うのであります。  もう一つの考え方の定員定額という制度を廃止する意味には、理想といたしまする定員定額を一応一・八と見、一・五と見ておりますのを、今年度の予算におきましては一・七、一・三五となつて、この教育予算というものが配分をされたのであります。この一・七、一・三五という制度自身を廃止して、一・八、一・五というものに復活する定員定額制ならば、これを別箇のものと考えるという意味に解釈をするならば、つまりこの請願は一・八を望み、一・五を希望するために現段階における一・七、一・三五を廃止してもらいたい、こういう意味に解しますならばこの請願は採択し得ると考えるのでありますが、一応ここで文部当局の御意見を伺いまして後、ひとつ委員各位にお諮りを願いたいと思います。
  97. 稻田清助

    ○稻田説明員 ただいまの御質問でありますが、御承知のように、明年度予算においては、義務教育費国庫補助は削除される見込みでございます。従いまして、現在の義務教育費国庫負担法も廃止しなければならぬかと考えております。そういう意味合いにおきまして、現在の義務教育費国庫負担法に基く政令によつてきめられておりますところのいわゆる定員定額は、廃止になるべきものだと考えております。しかしながら一方、ただいまのお話もありましたように、新たな制度であります平衡交付金交付という問題に関連いたしまして、新たに法律の根拠をもつて地方の教育に関する基準を制定しなければならぬかと考えております。すなわち地方の学校に関しまする定員及び定額の基準は、何らかの方法によつて定むべきものかと考えております。従いまして、この請願が、今日のいわゆる義務教育費国庫負担法に基く政令の定員定額を廃止するという意味であれば、おそらくそういうことに相なるだろうと思います。もつと広く何か義務教育に関する学校の定員及び定額に関する基準を新たにつくるかどうかということについては、これはまた一つ別の問題として考えられるのじやないかと思います。
  98. 若林義孝

    若林委員 それではこれは現段階におけるところの一・三五、一・七という意味の定員定額制の廃止である、こう解釈することによつて採択せられるならばさしつかえない、こう思います。
  99. 松本七郎

    松本(七)委員 先ほどの若林さんの質問に対して、政府の答弁によると、むしろそうでなく、比率がどうなるか、そういう基準を将来定めることは別個に考えるけれども、ここで言つている定員定額制というのは、今度平衡交付金制度にかわれば当然できなくなる。だから、今の定員定額制の廃止の趣旨ならば、その通りになるという政府の答弁ですから、無條件に採択してよいことになる。これは制度そのものがなくなるのだから当然のことです。
  100. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 それでは先ほどの若林さんの定員定額制に関する発言を、その通りの條件にして御採択あらんことを望みます。     〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 原彪

    原委員長 ただいまの岡君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 原彪

    原委員長 それではさよう決しました。
  103. 今野武雄

    今野委員 稻田説明員にこの際お伺いしたいのでありますが、聞くところによりますと、文部省では今後のこの平衡交付金を渡すときの條件をいろいろ考えているというお話で、その際生徒一人当り幾らというふうな基準で考えているというようなことを伺つたのでありますが、もしそうだとすれば、財政の貧弱な町村または府県において教育が、非常に困難しはしないかというようなことも憂えられるわけであります、そういう点については一体どんなふうにお考えになつているのでしようか、もしおさしつかえなかつたら……
  104. 稻田清助

    ○稻田説明員 まだ案といたしましても、最終案を決定せられておりませんので、御説明申し上げる段階にはなつていないのでございますけれども、ただいままでの考え方、根本の方針といたしましては、シヤウプ使節団の勧告にもありまするように、なるべく教育費は生徒一人当りに基準を立てたいと考えております。しかしながら教員の俸給費につきましては、あるいは今日の状況において、なお各市町村ごとに教育委員会も置かれていないような状況でありますので、当分の間都道府県費の支弁にする方がよろしいのではないかとも考えております。そういたしました場合におきましては、教員俸給費をほかの学校の各種の費用とは、負担者が違つて来るようなわけでございますから、従つて教員俸給費に対しましては、必ずしも児童、生徒一人当りの計算を立てないでもよろしいのではないかというふうにも考えております。御質問のように学級数の大きい小さいで、非常にその辺違うところがございますので、俸給費の計算につきましては、必ずしも生徒一人当りの均一の方針はとらないで、学級の大きさ等も十分考慮いたしまして基準を立てたいと考えております。
  105. 今野武雄

    今野委員 ありがとう存じました。それからもう一つお伺いしたいのでありますが、それはさきに朝鮮人の学校が解散または改組を命ぜられまして、設立に至らないというものが多数にあるわけでございます。山口県の下関市その他において、あるいはPTA、あるいは学校長の会議などにおいて、そういう朝鮮人の子弟を受入れることは非常に困難であるという陳情文部省などに参つているということでありまするが、あの受入れ態勢の現状について、一体どうなつているのか。文部省にて御承知の限り、はつきりさせていただきたい。  それからもう一つは、文部省からああいうような方針を出しておられるのですが、これは大阪の地方裁判所で取上げた問題ですけれども、本来私立学校に関する権限は知事が持つているはずである。それをどうして文部省がああいうような指令を與えるかということに対して多少の疑義があるようであります。文部省としてはそういう指令を與えたことはないというふうに言われるかもしれませんけれども、事実においては、そういうふうになつているのですが、これは一体どういう権限に基いてやつたのか、この点もちよつとお知らせ願いたい。
  106. 稻田清助

    ○稻田説明員 前段の御説明でありまするが、各府県の状況を承知いたしたいと思いまして、照会はいたしております。ただ大方の府県が、また当者との間にいろいろ話を進めつつあるような状況でありまして、全部落着いたしましたという報告には、まだ、どの府県からも、接していないのでございます。なるべく早く状況をつかみたいと考えております。ただ私どもといたしましては、学校教育法の精神にのつとりまして日本人一般子弟と何ら差別なく、普通の学校、普通の教室に收容いたしますことを原則として指示いたしているわけであります。学力その他によりまして特殊の取扱いを生ずる場合は、例外として扱つていいということを示しまして、それに基いて各地方とも御考慮になつている現状であると考えております。  第二の問題はこれは私といたしましては、ちよつと所管外でありますので、政府委員から御答弁申し上げた方がよろしいとは思いますけれども、一応私承知しておりますところから申しますると、学校教育法の学校閉鎖の條項によりまして法令または法令に基く処分に違反した場合に閉鎖を命ずるというような点から、閉鎖を命じたものであると存じます。所轄庁はお話のように府県でありますので、知が知事の権限において閉鎖を命ずる、文部省はただ一般基準を示したにすぎないというふうに考えられるのでございます。
  107. 今野武雄

    今野委員 その点については、稻田説明員のおつしやる通りです。政府委員あるいは大臣から後ほどお伺いしたいと考えております。
  108. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 今の委員会請願を採択する委員会であると思います。もとより文部委員会に付託された請願の案件でおりますから、教育全般に広義においては関連しているのでありますけれども、本日は請願の採択の方をどんどん進行さしていただきたいと思います。そういう広義にわたるところの教育全般の質疑はやめていただいて、直接的に請願関係のある件だけにとどめていただきたいと思います。
  109. 原彪

    原委員長 ただいまの岡君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 原彪

    原委員長 御異議がないようですから、さよう決します。
  111. 松本七郎

    松本(七)委員 稻田局長にちよつと伺います。先ほどの定員定額制の問題です。これを今度義務教育費国庫負担という制度がなくなつて、平衡交付金制度に移ることになるわけですが、大体この前の御答弁にも、相当額が今度は計上される、二百四十七億円か、場合によつては二百五十億になるという話も聞くのですが、地方では非常に期待しているわけです。ところが地方では来年度の予算をそろそろ組みかかり、中央ではそういう動きであるので、今の一・三五と一・七かそれぞれ上るということを教育関係者はよく知つておる。地方にその話をして、こういうことになるのだから、その予算を予定して組んでくれと言つても、地方では口頭でそういうことを言われても、文部省がそういうことを言つて来ないので、なかなか組み切れずにおる。文部省として何らかそういことを文書でもつて、予算を組みやすくしていただけるような方法を講じていただけるかどうか。その点を伺いたい。
  112. 稻田清助

    ○稻田政府委員 ただいまのお話につきましては、地方からも同樣な希望がありまして、文部省といたしましても、地方自治庁と目下いろいろ協議をいたしております。まだ予算もはつきりきまらない時期でありますので、予算確定を見ました上におきまして、何らか地方において、予算を組むのに支障のないような方法を講じたいと考えております。
  113. 原彪

    原委員長 本日の請願日程百七十件を、一括議題といたします。この際お諮りいたします。  日程第一七〇の請願は不採択すべきものとし、日程第二九、及び第一六九の請願審査未了とし、その他の請願会議に付するを要するものとして採択すべきものと決し、採択の上は内閣に送付するを要すると決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 原彪

    原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。     —————————————
  115. 原彪

    原委員長 次に陳情書日程全部を一括議題に供します。陳情書に関しましては、すでに文書表をもつて御精査のことと存じますので、本委員会としては審査をこの程度にとどめたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 原彪

    原委員長 御異議なければさよう決しました。
  117. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員 本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  118. 原彪

    原委員長 ただいまの岡君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
  119. 原彪

    原委員長 それでは採択いたします。同君の動議に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  120. 原彪

    原委員長 起立多数。これをもつて散会いたします。     午後六時五分散会