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今野委員 では指名によりまして、六・三制の完全実施に関する
決議の実行に関する
決議案の趣旨弁明をいたします。
最初に
決議文を読み上げます。
六・三制の完全実施に関する
決議の実行に関する
決議案
教育振興の基本制度である六・三制は現在未曽有の危機に直面し、全国的に深刻な不安と混乱を惹起している。
政府は、この現状とその将来に及ぼす影響を考慮し、前
国会において本院で満場一致可決した「六・三
制完全実施に関する
決議」の主旨を実行するため、本
国会会期中に、六・三
制完全実施のための有効適切かつ強力な
予算的
措置を講じ、全国民の要望に応えるべきである。
右
決議する。
以下趣旨を申し上げます。六・三制の完全実施が重要な問題であることは、申すまでもありません。それでこの前の第五
国会においても、満場一致で完全実施に関する
決議案を採択したわけでございます。ところが今度政府は、追加
予算として十五億、次の
予算としましては二十五億とかあるいは四十五億とかいろいろと説がございますが、ともかく四十億ないし六十億
程度の
予算を計上して、事によるとそのままそれだけで
予算が打切られるのではないかというふうにも
考えられておるわけであります。文部当局の
説明を聞きましても、あるいは
予算説明書などを見ましても、四十億あれば必要な最小限度だけはともかく整う、こういうことがうた
つてあるのでございます。
しかしながら現実に申しますと、この二十四年度の当初
予算が打切られたために、非常にたくさんの地方財政の犠牲が出ておる。その資料を
文部省に求めましたところが、それに基いて勘定してみますると、二十二年度、二十三年度において建てました新制中学のうち、非公共事業にな
つておるものが二万二千四百教室あるのであります。これに対する補助額を勘定してみますると、半額国庫補助といたしまして大体六十七億のものが補助を受けてないことになるわけであります。このことは、非常な苦労をして熱心に
学校を建てた、その結果個人的な借金まで負
つたような人たもあるわけでありまするが、そういう
公共団体や個人を犠牲にし、たいへんな目にあわせておるわけであります。
のみならず、現在の中
学校の生徒数を見ますると、大体四百九十万、これに必要な教室を勘定してみると、およそ十一万教室でありまするが、
予算措置の講ぜられた教室数は三万三、四千にしかすぎません。そういたしますと現在各地において新制中学が独立校舎としてどこでも建てられておる、またそういうことが積極的に進められておる、こういうような現状において
考えますと、ほとんどその残りのものが補助なしに建てられることになるわけでございます。そこへも
つて来て十五億円というものがここに出て参りましても、わずかに四、五千の教室ができるにすぎない。それではとうてい焼け石に水であります。
そこで第一には二十二年度、三年度に建てた——二十四年度の
予算でも
つて補助をするというようなはつきりした約束ではなくても、そういうような
建前で建てたもの、そういうようなものに対して補助を急速に與えること、これによ
つて政治の信用というものを回復しなければならないと思うのであります。
それから第二には、現在非常にたくさんのものが不足しておるのだが、そういう教室を急速に建てて、そうして六・三制を完全に実施する。そういう
二つのことをぜひともや
つて行かなければいけない。
これが六・三制の完全実施に関する
決議の実行に関する
決議案をあらためてここで
提出する理由であります。
簡單でありますが、これで趣旨弁明を終ります。
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