○藥師神
委員 小
委員会に付託になりました
肥料公団の経理に関する問題でありますが、その後
会議を開きまして、
経済調査庁の方の課長の出席を願いまして、いろいろ懇談的に質疑応答をしたわけでありますが、大体問題にな
つているのは、
決算期に支
拂いの完了しない運賃、つまり未
拂い勘定でありますが、この未
拂い勘定は
決算をする場合には未
拂いの内訳明細書を添付することにな
つておるのであります。その未
拂いの内訳明細書以外に、約五億円余りのものが、水増しで未
拂い勘定に計上されてあるという
ところに問題があるわけであります。
調査庁の方の意見をいろいろ聞いてみましたけれども、これはま
つたくその
通り認めておるわけでありますが、遠慮深い意見でありまして、それより以上にこまかい点を聞くことができなか
つたのでありまして、将来どうするかという
問題等については、積極的な意見を聞くことができなか
つたのであります。本日名古屋支部の支部長、それから大阪の近畿の部長、それから門司の支部長、この三名の方に出てもらいまして、そうして懇談的にいろいろ
委員から質問があり、御答弁があ
つたわけであります。それを要約して申し上げますと、今申しましたごとく、未
拂い勘定に対しては、その内訳の明細書を添付しなければならない。大体この
決算の資料を携えて支部から上京したのが五月の末ごろだという意見は一致しておるようでありますが、名古屋支部の方では、これを携えて鈴木という人が
決算書を持
つて上京した。
ところがその上に一億数千万円の水増しをしろという本部の指令に基いて、そうして支部の未
拂い勘定の、つまり明細書なるものをやりかえた、こういうのであります。それでこの
内容については、どういう
方面にこの金を使う意図であ
つたかというような中身は一切知らないが、とにかく命令だからや
つたんだ。その書類の上で変更したけれども、しかしそれに対しては
自分は確信は持
つていないちようど共同便所へ入るときに、荷物を預か
つてくれというので、中身にわからないで預か
つていたが、便所から出て来たから返したにすぎないというような、こういう非常に示唆に富んだ意見が吐かれたわけであります。近畿支部の部長の意見は、やはり名古屋支部と同じように、本部の指令によ
つてやるんだ、けれども
自分はあまり
内容は知らないということでありました。それから門司の支部長も、大体において名古屋支部の支部長の意見と大差はないのであります。それで結局判明したことは、支部では今言
つたように未
拂いの内訳明細書をつけることが正当なのであ
つて、それをつけて行
つた。しかしこの三つの支部において大体支拂
つてみると、未
拂いとして正規に立てて行
つた以外に、千二百万円ばかりのものが余分に拂われておる。
ところがこれは中には運賃の率がまだ請負者との間に決定してない。それを引下げろというような交渉のために請求書が未
提出のために、つまりこの
決算から落していた。それで門司の方で二百数十万円、名古屋で四百何ぼ、大阪で六百何ぼあるわけであります。大体はそういうような調べだけれども、そこに漏れがあ
つたというわけであります。それはつまり既定の未拂勘定として立てて行
つた以外に、千二百万円ばかり行
つておる
ところが問題にな
つておるのは、それ以外に五億何がしというものが本部の命令によ
つて、三つの支部に水増しで計上されておる。それに対して、それに匹敵するような内訳明細書の架空なものをつく
つたということが名古屋支部の意見であります。門司支部の方の意見は、これはちよつと違うのでありますが、もとより架空ではありますけれども、これは二重帳簿でもなく、明細書もなく、その他として記録をしたというのが門司支部長の意見であります。多少違いはしますけれども、大体においては共通性を持
つていて、大同小異なものと見るわけでありますが、結局は不当な処置だということだけははつきり申し上げることができると思うわけであります。ただ問題は、こういうふうな全然かけ離れた莫大な金が、どういう意図のもとに本部の命令によ
つて、こういうふうに
決算に計上されたかということがわれわれにはわからぬわけであります。わからぬわけでありますが、こうい経理の仕方は、実に根本的に誤
つておるということだけは断定ができ得ると思うわけであります。
従つてこの小
委員会としては、これについて
政府に対してこの
委員会の名において決議をいたしまして、そうして善後処置について
政府に警告を発するということに協議がまとま
つたわけであります。それで時間があればこれをガリ版にして
委員諸氏にもみな配るはずでしたけれども、時間がありませんから原稿だけで承認を得たいと思うわけであります。
まず草案の要点をここで申し上げてみますと、
肥料配給公団の経理に関する決議案
昭和二十三年度下半期においで約五億円の運賃等未拂勘定を過当に見續り計上した事実は、不当な処置であると認める。よ
つて本
委員会は本件に関して左のごとく決議する。
一、
政府は本件並びに過去における同様事実の有無に関し、すみやかに
調査を完了し、十二月二十日までに
農林委員会に対し報告すべし。
二、
政府は本件に関する
関係者の
責任を明らかにし善処すること。
三、約四億九千万円の未拂勘定残は、国庫に納付せしめ、これを農民に還元する特別の
措置を講ずること。
四、かかる巨額の剰余金を生ぜしめた根本原因たる運賃の査定をすみやかに改訂する処置を講ずること。大体今草案で読み上げたのは、本
委員会において決議として、ひとつ
政府に善処方をせられたい。なお前記諸項目の実施方につきましては、それぞれ
関係各省に対して
委員会の決議に基いて善処方を要望せられますとともに、特に
肥料公団に関する小
委員会を永続設置せられて、
肥料問題の
審議に当らしめられるよう、御処置あらんことを
農林委員長に対してお願いする次第であります。この
意味は単に
肥料公団の経理問題のみではありませんので、
肥料価格の改訂あるいは春肥が全国的に均等に配給されているか、あるいは一方に偏してでこぼこにな
つているのかという点が、非常に大きいのではないかと見られる点がありまするし、その他建設的な面においても、もつとこの小
委員会において
検討する必要ありと、こういうふうに皆の意見が一致しておるわけでありますから、次の通常議会においてもやはり小
委員会を設置して、これらの点をもつと真剣に
検討し得るように、
委員長の御配慮をお願いする次第であります。
以上はなはだ簡単でありますが、小
委員会の経過及び結論を御報告申し上げた次第であります。