運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-12-01 第6回国会 衆議院 農林委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月一日(木曜日)     午後四時二十一分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君   理事 八木 一郎君 理事 藥師神岩太郎君    理事 山村治郎君 理事 小林 運美君    理事 竹村奈良一君       足立 篤郎君    安部 俊吾君       宇野秀次郎君    遠藤 三郎君       小渕 光平君    河野 謙三君       中村  清君    原田 雪松君       平野 三郎君    渕  通義君       村上 清治君    守島 伍郎君       山本 久雄君    渡邊 良夫君       足鹿  覺君    石井 繁丸君       上林與市郎君    佐々木更三君       大森 玉木君    坂口 主税君       深澤 義守君    横田甚太郎君       小平  忠君  出席政府委員         農林政務次官  坂本  實君  委員外出席者         農林事務官   藤田  巖君         農林事務官   矢野 外生君         専  門  員 岩隅  博君         専  門  員 藤井  信君 十二月一日  委員井上良二君、田中織之進君、山口武秀君、  田中伊三次君及び保利茂君辞任につき、その補  欠として上林與市郎君、佐々木更三君、深澤義  守君、中垣國男君及び寺島隆太郎君が議長の指  名で委員に選任された。     ————————————— 十二月一日  油糧配給公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第五九号)  肥料配給公団令の一部を改正する法律案内閣  提出第六〇号) の審査を本委員会付託された。     ————————————— 本日の会議に伏した事件  小委員補欠選任  油糧配給公団法の一部を改正する法律案内閣  提出第五九号)  肥料配給公団令の一部を改正する法律案内閣  提出第六〇号)     —————————————
  2. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これより会議を開きます。  議事に入る前に、議案が付託になりましたから御報告申し上げます。本日内閣提出により、油糧配給公団法の一部を改正する法律案及び肥料配給公団令の一部を改正する法律案がそれぞれ本委員会付託となりました。以上御報告申し上げます。  次に去る十一月二十八日委員大森玉木君は委員を辞任せられ、その補欠として同日村瀬宣親君が議長により委員に指名されました。また去る二十九日委員村瀬宣親君が辞任せられ、その補欠として同日議長において大森玉木君が委員に指名されました。また遠藤三郎君は本日小委員を辞任いたしました。委員及び小委員を辞任せられました大森玉木君及び遠藤三郎君は、肥料に関する小委員でありましたので、これにより小委員補欠選挙を行わねばなりません。これは先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小笠原八十美

    小笠原委員長 御異議なしと認めます。  それでは    大森 玉木君  山村治郎君をそれぞれ肥料に関する小委員に指名いたします。     —————————————
  4. 小笠原八十美

    小笠原委員長 この際お諮りいたします。本日付託になりました油糧配給公団法の一部を改正する法律案及び肥料配給公団令の一部を改正する法律案議題とし、その審査に入るに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小笠原八十美

    小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは油糧配給公団法の一部を改正する法律案及び肥料配給公団令の一部を改正する法律案一括議題として、その審査に入ります。まず政府提案理由説明を求めます。坂本政府委員
  6. 坂本實

    坂本政府委員 ただいま議題となりました両法案について、その提出理由の御説明を申し上げます。  まず油糧配給公団法の一部を改正する法律案につきまして、その理由を御説明申し上げます。  政府は今回油糧配給公団基本金を十億一千六百万円増加するため、ここに油糧配給公団法の一部改正法案提出し、ご審議を煩わすこととしたのでありますが、以下その理由を御説明申し上げます。  油糧配給公団は、設立当初の基本金は一千万円でありましたが、昭和二十四年五月三十一日食料品配給公団法の一部を改正する等の法律に基いて、第五国会において十五億円の基本金増額を御承認願いました。これは油糧配給公団貿易特別会計に対する輸入油糧の買取り資金の決済に充当するためであります。今回の油糧配給公団基本金増額については、本年度中において油脂原料並びに油脂価格が改訂され、商品販売及び収買金額増加し、またその取扱い数量も増大したため、商品販売を最大限に見込んでも、なお年度初めに比較すれば、年度末において手持ち商品等資産勘定は約二十五億円に達する見込みであります。このような多額の所用資金は従来金融でまかなつて来ましたが、さらに公団業務運営を円滑、健全にするため、基本金を二十五億二千六百万円に増額いたしたいと考えます、これに要する金額十億一千六百万円を一般会計から支出するよう補正予算案に計上して、別に御審議を願つておる次第であります。  以上はなはだ簡単でありますが、提案理由説明を終ります。本法案につきましては、種々の手続上国会提出が遅延し、まことに申訳なく存じますが、何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。  次に肥料配給公団令の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由の御説明を申し上げます。  肥料配給公団運転資金は、従来預金部資金からの借入金でまかなわれることになつておりましたが、このうち常時在庫に必要な資金は、借入金によらず、基本金をもつて充てることが公団経理健全性を保つのに適当であり、かつ過去の実績より見て、公団に二十六日位は常時在庫として持ち得るだけの金額基本金として増額いたしたいと考え、今回同公団基本金五千万円を三十二億七千八百万円増額して、三十三億二千八百万円とすることといたしたいのであります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
  7. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これにて政府提案理由説明は終りました。  引続き両案の質疑に移ります。足鹿覺君。
  8. 足鹿覺

    足鹿委員 ただいまの提案の御説明でやや明らかになつたのでありますが、現在のこの基金の運用事情をもう少し詳しく知りたいのであります。それに関する資料等がありましたら、御提出願いたいと思います。
  9. 小笠原八十美

    小笠原委員長 資料はありますか。
  10. 藤田巖

    藤田説明員 用意してあります資料を御配布いたします。
  11. 小笠原八十美

    小笠原委員長 足鹿君に御相談申し上げますが、資料資料として、質疑の方の継続はいかがです。
  12. 足鹿覺

    足鹿委員 それをちよつと拝見しないと……。
  13. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは、竹村さんの方を先にいたしたらどうです。
  14. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしてください。
  15. 竹村奈良一

    竹村委員 本日資料をいただきましたけれども資料のことについて、これは審議をする上においても問題になると思いますが、大体政府は常にわれわれの要求いたしました資料を、なかなか出して来ない。しかも当然初めから出すべきものでも、今足鹿君の要求によつてようやく配るというようなことでは、審議をするについて非常にさしつかえるのでありますが、これに対して委員長から、われわれが要求した資料については可及的すみやかに出すよう、特に政府に対して注意を与えられんことをお願いしておく次第であります。  続いて肥料公団の面からちよつとお聞きしたいのですが、現在の公団経理ということについて、政府はどこまで責任を持つておられるかどうか、その点をお伺いしたいのであります。
  16. 小笠原八十美

    小笠原委員長 この資料は何の方の資料ですか。
  17. 藤田巖

    藤田説明員 昭和二十四年度計画とございます長いのは肥料でございます。それから二枚になつておりますのは油糧でございます。
  18. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは今の竹村君の質疑に対して、政府責任関係を明らかにしてください。
  19. 藤田巖

    藤田説明員 公団関係につきましては、肥料公団公団令の規定に基きまして、農林大臣主務大臣に相なつております。  なおその資金経理等関係につきましては、主務大臣がこれをまず監督し、安本長官において必要な事項はこれを承認する、こういうふうな建前になつておりまして、その制度によつて必要な監督を行つておるわけであります。
  20. 竹村奈良一

    竹村委員 必要な監督を行つておると言われますけれども、実際において必要な監督が行われておらないように私は考えるのであります。これはもうこんな所で繰返す必要もないほど周知の事実なのです。     〔委員長退席松浦委員長代理着席〕 たとえば肥料についても、今この委員会において小委員会を設けて、調査をやつているという事実、たとえて申しますと、運賃の問題でございますけれども、大運送、小運送運賃に対して当然未払いができるのでありますが、この件については、未払い運賃というものを非常に厖大に計上しておる。このことは経済調査庁においてはつきり調査されておる。経済調査庁調査によりますと、五億六十一万円とか何とかいうものが多く計上されておるということが明らかにされておるわけであります。しかし安本その他はまだ現在調査中だと言つておる。こういうようなことについて、大体農林大臣はほんとうに責任を持つて監督しておるのかどうか、しかもそういう問題がはつきりした場合において、どういう責任をおとりになるのか、これは坂本政務次官にお聞きしたいのですが、その点はつきりしてもらいたいと思います。
  21. 坂本實

    坂本政府委員 公団経理に対しまする監督につきましては、平素から十分な注意を払つておる次第であります。ただいま竹村委員から御指摘になりましたように、最近におきましてとかくの問題があるのでありまして、特に本委員会においても、これらの問題の究明のために小委員会をおつくり願つておるのであります。公団会計につきまして十分御研究を願い、また政府を督励していただきますことは、まことにけつこうなことだと存じております。もちろんその結果不正の事実がもしありといたしまするならば、十分われわれといたしましては責任のある処理をいたさなければならない、かように考えておる次第であります。  なお本法案につきましては、経理上の問題あるいはまた公団運営の問題にも関連をいたしまして、種々意見もあろうかと思うのでありますが、一応事務的な問題でございますので、御審議を願いまして、すみやかに御協賛願いたい、かように考えている次第であります。
  22. 竹村奈良一

    竹村委員 次官はごく簡単に考えておられるが、これはもう予算通つたから事務的なものだ、簡単なものだとおつしやる、政府の方においてはそうかもしれぬけれども、われわれの見るところでは、事実において、大体政府の見られるがごとき経理を行つているものに対して、少なくとも国民血税になるところの金を、そうむやみに何十億、何十億というようにここにそそぎ込めない、これは常識だと思います。少なくとも経理十分監督のもとに行われて、そして不正の事実がないとするのであつたならばいいのでありますけれども、実際問題は不正があるということがはつきりしている。はつきりしているということについて、せつかく調査して何とかいたしますということだけで、なおその上国民血税になる多くの金を資本金につぎ込んでいる。従来大体政府のやつておられる、政府から支出しますところの、たとえば公団に対する出資金とか、あるいは特別会計というようなものは、実際おろそかになり勝ちなのであります。その事実は薪炭特別会計の問題を見られてもわかると思いますが、今になつて突然あの厖大な五十四億とか五十五億というようなものが赤字で、しかもそれを国庫からまた負担するのだというようなことが、一番しまいになつて言われて来ている、つまりこういうことはともかく国の金だから、予算さへうまく通ればまあまあいいのだというような考えでこれを扱うから、こんなものは事務的なものだというような考えがでると思います。そうじやないので、こういうものに対してこそ、徹底的に究明をやつて、そして不正があるとするならば、やはりこの不正を行つておりますところの責任者、あるいはまたそれを監督する立場のものがはつきり責任をとつて国民の前にその責任を明らかにしたとき、初めて国の金を出しても国民が納得できると思います。それが一つもなされていないのでありますが、たとえば肥料公団の問題についても、あるいは不正であるとか、不正でないとか、今調査中と言われますけれどもはつきり申し上げますと、これは政務次官も十分御承知のことだと思います。十分聞いておられることだと思いますけれども、大体現在明らかにされているのは、五億六十一万円というものが、つまり運賃に対するところの未払いを多くかけて、それだけ払わなくてもいいものを、払うところがあるのだというような形で、ともかく計上された。これに対しては、政務次官としては、大体それは不正であると考えておられるのか、不正でないと考えておられるか、この点だけひとつはつきりしていただきたいと思います。
  23. 坂本實

    坂本政府委員 ただいま竹村委員からお述べになりました公団運送費に関する支出の経理やり方につきましては、いろいろ論議もあろうかと思います。もちろんわれわれはそれをうやむやにするという意思は毛頭ございません。従つて不正の点が明らかになりますならば、それによつて処断するということを申し上げている次第であります。
  24. 小平忠

    小平(忠)委員 ただいま政府提案理由説明によりますと、すでにこの一部改正につきましての基本金の変更につきましては、本国会におきまして審議された補正予算、これはすでに通過せんとしておる。それが本来から言いますと、この改正案がさきに提案されて、それを審議可決の上予算という関係に行くのが順序だと思うのでありますが、予定から行きますと、すでにもう本国会会期は昨日で終つている。それを昨日会期を三日間延長したから続行されただけで、その予定から行きますと、会期終つた今日急遽この一部改正を出して来ている。先ほど提案理由説明によりますと、種々理由によりまして提出が遅れたという説明がありましたが、その種々理由とはいいかなる理由であつたかということが第一点、忌憚なくお答え願います。  さらにただいま足鹿委員から要求をいたしまして、初めて資料提出願つたわけですが、その中で私一点伺いたい点は、肥料関係の面でありますが、ここに資金計画はただいま御提出になりましたが、肥料公団の現在の貸借関係、これがどうなつておるか、出来得ますならば、ただいま貸借対照表を御提出願えればたいへん幸いだと思います。
  25. 藤田巖

    藤田説明員 まことにごもつともな御質問でございまして、会期がすでに非常に切迫しております際この法案提出いたしました点は、提案に対する事務上の準備が非常に遅れて参つておりましたわけであります。この点ははなはだ申訳なく恐縮に存じております。  それから肥料公団貸借対照表でございますが、御承知通り二十三年度までは一年二期にわかつて決算をいたしておりました。昭和二十三年度つまり本年の三月までの分につきましては、これはすでに提出をいたしておりますが、その後の二十四年度分につきましては、まだ現在作成中でございまして、現在九月の資産表を今つくつておるわけであります。ただ公団において作成中でありますので、まとまつておりません。
  26. 小平忠

    小平(忠)委員 第一点でありますが、事務上の準備という御説明ですけれども、私はあえてそれ以上の追究はいたしませんが、このような簡単な改正点で、何も事務上の準備はないと私は思う。まつたくこれは忘れておられたのなら忘れていたとはつきりおつしやつていただければ、あとで気がついたんだとわかるように御説明願えればいいのですが、こういう簡単な問題について、ただ事務上の問題だとか、あるいはいろいろ事情があつたというのでは、われわれは納得できないのです。その点をでき得たらわかるように御説明願えれば幸いだと思います。それが第一点、その点はそれ以上私は追究いたしません。  第二点ですが、現在まだ九月末現在の貸借関係を整備中であるとおつしやいました。御承知のように肥料公団経理関係については、九月末現在のものをつくつておるというような現実から見て、いかにこの経理内容がまつた国民のすべてが、また関係者がわからないというような段階に来ておつたことを遺憾に思う。すでにこの肥料公団についても、あるいは油糧の場合でも、民事党自体がこれをすみやかに廃止をするという段階に進められておる。これは昨年来からの直接肥料を扱うところのまたはそれを使うところの全農民意思であります。この基本金増加につきましても、これは今になつてこういう必要はないという議論はあると思いますけれども公団というものが存続する上においては、基本金増加は私は必要と思う。こういう段階において非常に疑惑の目をもつて見られている今日においては、少くもその経理内容資金関係貸借関係が明らかに提示せられてこそ、この法律案改正を承認せられるのであつて、その点については、ただいま農政局長は九月現在の分についてもまだ作成中であるというお話でありますが、私はこの問題は明らかに御提示願わなければ、さらに詳しいお伺いはできないのであります。その点でき得るなば九月末の状態でもけつこうですから、進捗の段階中間報告でも御提示願えれば幸いだと思います。
  27. 藤田巖

    藤田説明員 第一の御質問の点は私ども本案提出につきまして非常に不注意の点がございました点、まことに恐縮に存じます。  それから第二でありますが、これは決して貸借対照表ができておりながら、これの提出を拒否しているのではありません。御承知通り公団は本年度に入りまして一年一期になつて参りましたので、ただ資産表を九月末現在でつくるのでありますが、御承知通り公団支部出張所、こういうふうに末端までございまして、九月末現在の数字、各出張所の分の数字を正確にまとめる、出張所の分を支所でまとめ、さらに支部においてまとめ、本部に来るようにいたしまして、さらにそれについての照合をいたしますというようなことになりますと、やはりこれまでの関係で参りますと、三箇月ないし四箇月かかるわけであります。そういうような事柄で、また実際問題として、公団でもまだ作成ができておりません。これはまた公団資産表作成が終つたら、適当の機会に私どもといたしましては、本委員会に御提示いたしまして御説明いたすことは、決していとつているわけではないので、その点は御了承願いたい。
  28. 小平忠

    小平(忠)委員 私はさらに関連しまして、この機会農政局長のお考えをお伺いいたしたいと思います。政府当局におきましても、この肥料公団については解消する準備を進められているということを承つておるのでありますが、現在いろいろな悪条件のもとにも、農民生産増強に非常に努力をいたしておるわけである。その場合に、一方では価格の面で再生産もでき得ないような低価格できめられておる。一方にはこの生産に必要な資材については、非常に複雑なるルートを経て、それも適期配給されないというような現状であります。これはなぜこうなるかというと、すでに議論され批判された公団内容がまことに複雑であつて、それが肥料等においては適期配給されないというような現実の問題があるわけであります。現在の全国農民の希望というものは、戦後農業会が解体をして、ここに全国市町村農業協同組合ができ上がつた農業協同組合は、市町村からさらに郡あるいは県、全国団体と一応の系統つたものを持つているわけであります。中央から地方に至る系統組織を通じて、一元的に配給するならば適期配給され、中間の経費も節減されるという意見がありまして、これにきまして、私は特に現在いろいろな面であるいは一つの品目についても、農業団体が独占するということについては、いろいろ論議がありますけれども、しかし肥料のごときはこれは農民だけが使用するものであり、そういうものについて、それが天くだり的な、あるいは官僚的なものでなく、真に農民意思によつて自主的につくられたこの農業協同組合の手によつて、一元的に配給されるということに、何ら矛盾はないと思う。私は、その点について農政局長は、さらに明年度いかなるお考えを持つておられるか。この機会忌憚のない御意見を承りたい。
  29. 藤田巖

    藤田説明員 肥料公団の存廃問題が現在残つておるわけでありまして、そのやり方について、私どもとしても十分研究をいたしておるわけであります。ただ肥料のごときものは農家専用資材であるから、農業団体をして一元的に扱わしめてはどうかという御意見でございますが、これはお気持はよくわかるのでありますが、われわれが将来考えておるものは、やはり御承知独占禁止関係もございまして、どの団体に一元化せしめるということを、法律をもつて強制するということは適当ではないと考えております。もちろん将来必ず農業団体もこの肥料配給に携わることになるわけであろうと考えるのであります。現在も末端においては、すでに大部分が協同組合でやつておるわけであります。ただ機構といたしましては、やはり複数をとりまして、各種の異なつたものがそれぞれの長所を発揮しあつて、要は農家に最もサービスするところが、農家が購入する先になるということによりまして、自ずと農協団体がその本来の長所を発揮して、事実問題としての他のものよりたくさん扱う。実際において農業団体が扱うことが農家にとつて有利であるということを実証することによつて農業団体の役割を大きくする、そういう方向に持つて参ることが適当であろうと思つております。
  30. 小平忠

    小平委員 私は特に現在大きな転換期というか、非常に重大な段階に突入いたしておるこの日本農業危機、そういう面から見て、日本農林行政を扱う農林省、特にその中でも実際に直接な最も大事な農政局長としての御回答に対して、私はまことに不満であります。なぜならば、本年の春に衣料の取扱い問題においても、当時の商工省衣料課長あるいは局長態度はどうであつたか。少くとも商工行政において、商工業者の利益のために断固闘うのだというあの態度こそ、真に商工業者を擁護してやることこそ、国民の、いわゆる国家の官吏、公務員としての立場においては当然公平なものをもつてしなければならないと私は思う。その担当面においては真剣に取組んで行くという態度こそ大事である。もちろんこの面についてはいろいろ問題がありますけれども、そういう態度がとられておらない。特に農林行政については米価の問題、あるいはその他のあらゆる問題にしても、大蔵省あるいは安本の官僚に握られておるこの実態を考えるとき、私は少くとも農林省第一線で、特に局長あるいは部長課長級においては、真に全国農民の公僕となつて、第一線で活躍するという態度があつてこそ——あつてもなおかつ占領下においてはむずかしい問題が多々あるのであります。特に今の肥料問題については、もちろん農政局長のお考えは公平でありましようが、私はもつと積極的な意見を聞きたい。少くとも特に農民の取扱う肥料について、これはむしろ農民だけの意思により、自主的につくつたこの農業協同組合をして、一元的に取扱うという考え方をもつておる。しかしなかなかその面においては、独禁法との関係があるからむずかしいと思うが、そういうことによつて努力するという回答を、実は私はいただきたい。その面について、しかも今後肥料公団油糧公団の存廃問題で、いろいろ論議が闘わされており、いろいろな問題がありましようが、この多難なる農林行政を扱う農政局長においては、特にそういう点を、もつと積極的に私は推進していただきたいということを御希望申し上げたいのであります。  それで最後に一点お伺いしたい点は、この肥料公団基本金を、御承知のように坂本政務次官説明理由によりまして、一応基本金増額を必要とするという法律案の改訂をここに二、三あげたのでありますが、少くとも一般会計から繰入れてこの基本金増額するという反面においては、たとい肥料公団が明年、あるいは将来廃止されるとしても、それまでのところこの運営資金においても、あるいはその他の諸経費、事業の運営においても、もつと節約をし、公正妥当なる運営をしてもらわなければならぬ。そういう見地からただいまの政務次官説明は、非常に概略的な、この増額を必要とするというだけの説明でありましたが、私はもう少しつつ込んで、わかりやすく、少くとも政府側の説明が速記録となつて現われた場合に、だれが見てもわかるような説明を願いたい。そういう点を私は最後に藤田農政局長にお伺いしたい。
  31. 藤田巖

    藤田説明員 お手元に配付した資料で御説明をいたした方が適当かと思いますが、昭和二十四年度資金計画は、御承知のように肥料公団は硫安、石灰窒素、過燐酸石灰、硝安、カリ、その他各種のものを扱つておるわけでありまして、相当厖大な商品を購入するのに非常に厖大資金がいるのでありまして、昭和二十四年度計画で参りますと、大体四百五十九億ぐらいの金が商品の買入れに必要であるわけでありまして、従つてこれを従来は借入金という形でまかなつておつたわけであります。基本金は現在五千万円でございますが、従来の基本金は器具什器等といつたものに充当されるだけでありまして、いわゆる運営資金はすべて借入金による、こういう考え方できたわけであります。従つてそういう考え方でやつて参りますと、四、五、六、七、八、九とございますが、ここらは商品関係で大体まかなえるわけでございますが、十月に相なりますとここに二十二億の借入金がいる。それから十一月は三十二億、十二月は四十一億、それから一月は八十三億、二月は七十三億、こういうふうに借入金が必要になつてくるわけであります。従つて今回基本金といたしまして三月分として三十二億七千八百万円になりました関係からいたしまして、その分だけが節約をされることと相なるわけでありますが、なお借入金の残高五十億というものがやはりこれを借入れしなければならない、そういうふうに相なつております。従つて借入金でございますれば利子も相当なものでありますが、基本金になる場合には利子の計上は見込まなくて済むというふうに相なる関係上、公団資金の堅実化という面においても、非常に、希望を持つております。今回この三十二億をどういう基礎として出したかという点を、先ほど提案理由説明政務次官から十分御説明がございましたが、肥料公団の二十四年度借入金が約四百五十九億、ざつと四百六十億でありますが、公団借入から代金を回収いたしますまでに、どうしても従来平均四十日ぐらいかかるわけであります。本部から支部、支所、出張所、そうして指定業者に売るというようなことで、代金を回収いたしますまでにどうしても四十五日はかかるというように考えております。しかしながら買入れから支拂いまでに大体十五日の余裕があるわけであります。結局残余の三十日のストつク分だけ資金が必要であるわけでありますが、この三十日が回収事務を合理化することによりまして、四日間の短縮が可能であるというように計算いたしまして、先ほど御説明になりましたその準ランニング・ストつクの期間を年間平均二十六日と算定いたしたわけであります。従つて二十六日分の資金さえあれば回収が完全に文字通り行われるということになれば、その金でまわつて行くというような計算をいたして、これをはじき出したものが三十二億七千八百万円ということに相なるわけであります。それを今回基本金として増額することに相なつたわけであります。
  32. 松浦東介

    松浦委員長代理 それでは坂本政務次官が参られましたから、順を前に返します。足鹿君。
  33. 足鹿覺

    足鹿委員 お尋ね申し上げたいのでありますが、まず油糧資料をいただいたのでありますけれども、こういうものをただちによく分析検討することもできません。二枚目の二十四年度油糧計画についてお尋ねを申し上げたいと思います。  まず最初に油糧の国内の買取りの率また輸入の率はどういうふうになつておりますか。国内及び国外から輸入するもの、その比率はどういうような比率になつておりますか。私の特にお伺いしたいのは、油脂原料、植物油脂、この二つについて例示的に御説明願いたい。
  34. 矢野外生

    ○矢野説明員 御説明申し上げます。本年度におきましては、国内産の油糧を五万一千五百五十トン、買上げてございます。輸入は油脂に換算いたしまして六万七千四百八トンというものが外国から入ります。油脂全体として原料につきましては今ちよつと調べておりませんから、あとで御報告申し上げます。
  35. 足鹿覺

    足鹿委員 大体国内生産と輸入の率は、輸入の方が非常に多いようでございます。大体国内の、特に植物油脂原料等については、政府のこれらの原料の確保については、非常に遺憾な点があると私は思います。特に一例を申し上げますならば、農家生産をしておる一番大きな油脂原料としては、現在代表的なもので菜種であることは御存じの通りであります。また昨年の十一月に菜種の取扱い等に大きな変化を見たことも御存じの通りであります。そのためにその集荷上におけるいろいろな矛盾が出て参りまして、農家は自分がつくりながら、村の協同組合が共同搾油すら実際上できないような憂き目を見たことも、御存じの通りであります。爾来それが若干改められつつあるというふうに聞いておりますが、来年度においては、輸入食糧等も相当大きなものが予想されておる今日でもありますから、食糧の問題とこの油糧の面を比べて見ますると、国外からの輸入が国内生産よりもずつと上まわつておる。これを国内において農民が実際に油脂原料を増産し得るような方策を農林省がお考えになるならば、油糧も増産できるし、輸入もこれによつて減少することができます。国内油糧原料の確保については、どういう増産なり、集荷なりの処理方針を現在お考えなつておりますか、その点についてお尋ねをいたしたい。     〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
  36. 矢野外生

    ○矢野説明員 ただいま申されました通り油脂資源が非常に逼迫しておりまして、国内油脂の増産をはからねばならぬことは、私たちも常に考えております。ただいま例に引かれました菜種につきましても、従来は御説の通りいろいろ矛盾がございましたが、今回菜種の供出制度につきましてもかえまして、従来は全量の供出制度をとつておりましたのを、今後は麦等の代替供出をする、いわゆる適地適作主義によりまして、小麦にいい所は小麦を、菜種にいい所は菜種をつくるけれども、それをもつて麦の供出にかえるということで、制度をかえまして、耕作農民に対して菜種増産についての今までのむりを除いていきたいというように考えております。
  37. 足鹿覺

    足鹿委員 どういうふうにおかえになつたか、御説明がなかつたようでありますが、私の伝え聞いておりますところによりますと、一応菜種の供出を完了した余剰の分について、これを主食の代替供出としてお認めになつていくという御方針のように聞いておりますが、事実そうでありますか。
  38. 矢野外生

    ○矢野説明員 お答えいたします。その通りでございます。一応の供出量というものを定めまして、それ以上の超過分につきましては、麦との代替を認めるということにいたしております。
  39. 足鹿覺

    足鹿委員 いろいろこれには問題があると思うのでありますが、余剰の分を代替供出として認めるというようなことでは、実際問題として、農家の菜種増産の意欲を振起するということは手ぬるいと思います。当然これはもう少し当局はお考えになりまして、農家の自由意思と申しますか、麦の割当を受けましても、麦のできない土地がある。しかし菜種ならばできる土地がある。でありますから、もう少しこれは御方針をおかえになつて、菜種でもつて従来の麦の供出にかえて行くような、あるいはその他の主食にかえて菜種で供出して行くように、もつと代替供出の本質をおかえになる必要があると思うのであります。そういたしますと、ほんとうに農家は菜種を本気に増産をし、喜んで供出して行く態勢ができ上がつて行くと思う。これをおやりにならずに、菜種に供出割当をやつておいて、余つた分を麦等の代替供出をするというようなことでは、私はほんとうの油脂資源の増産奨励にはならないと思う。これはもう少しお考えをよく練つていただきたい。今すぐというわけにはいかぬと思いますが、これは根本的な問題であります。すでに麦等は外国からの輸入でほとんどまかない得る状態が近きに迫つておる。何も苦しんでさようなところに制限のわくを置かれる必要は毛頭ないと私は思う。もつと思い切つてこの油脂資源の増産にあたるような政策を樹立してもらいたいと思います。それからこれくらい多くの油脂原料を外国から輸入しておいでになる。ところが国内の油脂資源に対する価格の決定方法が、菜種にしてみましても、若干の引上げをおやりになりましたが、私は非常に低過ぎると思う。実際に菜種を生産しておる農家生産費の調査をいたしてみましても、今のような菜種の買上げ価格は、国内のほんとうの油脂資源の増産にはならないと私は思うのであります。この国内油脂資源の中心をなしておる菜種等の価格の決定の基準というものを、どこに置いてなさつておりますか、それを一応お伺いいたしたい。
  40. 矢野外生

    ○矢野説明員 菜種の価格決定は大豆その他と同じようなパリテイー計算によりましてやつております。
  41. 山村新治郎

    山村委員 ただいまの矢野説明員の御説明によりますと、菜種の供出を割当てたあとの分を麦との代替を認めるというような御説明を承つたのでありますが、数日前に農林大臣が、はつきりとこの農林委員会におきまして、大豆以外の雑穀はなるべく早く統制を解除する方針であるということを言われたのであります。特に問題になりました例の食確法並びにいもの統制解除によりまして、そのあとの畑につくるところのものは、適地適作主義を尊重するということも言われておるのであります。私は菜種は雑穀のうちにもちろん入ると思うのでありますが、そうすると、この大臣の方針と相当食い違いが出て来るのではないかと思うのであります。農林省において一貫した方針を立てられて、むしろ菜種は供出をしたあとは自由にしぼらせるような方針にするのがほんとうであつて、その本質の供出数量というものについては、これは麦で供出しようがあるいは菜種で供出しようが、どつちでもよろしいというような適地適作の方針を立てられるのが本当じやないかと思うのでありますが、いささか大臣の御説明と食い違いがありましたので、一応重ねてお伺いする次第であります。
  42. 矢野外生

    ○矢野説明員 ただいまの御意見については、適地適作主義につきましては私どもも十分考えております。何といたしましても油脂資源が非常の逼迫しておりますので、地産よりも確保というような面が非常に要請されるという点から、菜種の一定基準の供出目標というものを最初に立てられまして、それ以上のものについては麦との代替供出で進んで行く、従いまして麦の不適作地には菜種をつくつて麦の供出量をカバーして十分代替して行けるということで、従来よりも適地適作主義の線を進めております。
  43. 山村新治郎

    山村委員 どうも御説明では納得行かないものがあります。しかし係官であります矢野さんに、それ以上お願いすることはむりだと思いますから、どうか政務次官は、菜種をつくつた者が、供出のほかに、これを麦との見返りとして供出しなければならぬということになりますと、雑穀の統制を解除するという方針と根本的に非常に矛盾してきますから、ぜひこの関係を御調整をお願いしたいと思います。希望として申し上げます。
  44. 藤田巖

    藤田説明員 ただいまの問題は農政局との関係がございますので、説明を補足しておきたいとあります。この菜種は食確法の主要食糧農作物の中には入つておりません。現在は菜種は食確法に基づく割当供出ではなくて、別に法規にはよらないのでありますけれども一つの通牒による割当制度をやつておるわけでおります。それで結局従来は全量供出ということになつておりまして、すべてをとられて油とかすが還元される、こうなつておつたのでありますが、これが非常に農家の方面から反対も強かつたのであります。そこで今回は、大体生産高の約六割二分というものを供出する。それから残りの三割七分というものが大体自家保有と申しますか、自由に処分していいというような制度になつたのであります。もう少し数字的に申しますと、二十五年度生産目標が、大体九十二万俵くらいであります。九十二万俵のうちで供出しなければならぬ数量が五十七万俵であります。その残りは自由なわけであります。そうして、しかも供出の作付面積から考えましても、反当収量が大体七斗四升三合というふうになつております。これを実際の菜種の生産される数量から見ますると、相当内輪になつております。もつと増産されるはずだと思つております。従つて何と申しますか、自家保有として残される分が相当多くなるわけであります。従つて一定の数量を供出いたしました残りが、相当たくさんあるわけであります。それによつて今の麦との代替供出もできるということになつて、非常によくなる。なお御質問の点は、今後だんだん切りかえをやつて行かなければならないわけでありますが、そういう点は、私の方から食糧庁によく相談して、できるだけ農家の希望を考慮して進めて行きたいと思います。
  45. 足鹿覺

    足鹿委員 次にお尋ねしたいのは、販売差益金の問題ですが、非常に大きい販売差益金が事業計画の面からここに計上されております。その販売差益金は、大体どういうような差額が余つてこういうものになるか、何か一つの植物油脂なら油脂というものを対象として、もう少し内容を、大網でもよろしいのでありますが、お伺いしたい。
  46. 小笠原八十美

    小笠原委員長 めんどうなら、あとで書面でお答えしてはどうですか。
  47. 矢野外生

    ○矢野説明員 後刻書面でお答えいたします。
  48. 足鹿覺

    足鹿委員 先刻の質問に対してでありますが、菜種の買い上げ価格はパリテイーの方式をとつたというお話でありますが、その算定要領は、どういうパリテイーの算定要領にのつとるのもでありますか、お伺いしたい。
  49. 矢野外生

    ○矢野説明員 細かい数字を持つておりませんが、実は米価との比率によりまして、これを算定いたしたわけであります。
  50. 足鹿覺

    足鹿委員 米価との比率はよろしいのでありますが、その算定要領は、米価決定の、いわゆる指数算定でおやりになつておりますか、菜種に関しては独自の算定要領でおやりになつておるのでありますかということであります。
  51. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  52. 小笠原八十美

    小笠原委員長 速記を始めてください。
  53. 足鹿覺

    足鹿委員 そういう細かい問題は、私どももいきなりこの資料をぶつけられたのでありまして、なかなかただちに判断ができない問題もありまして、概要でけつこうであります。いわゆる米価決定の要領と同じ方式でおやりになつたか、それとも別の算定要領でおやりになつたかぐらいのことは、これは当然明らかなはずであります。それを承つておきたいと思います。
  54. 矢野外生

    ○矢野説明員 菜種の価格の決定は、昭和十四年の米価を一〇〇といたしまして、その当時における菜種の比率が九十でございますれば、その比率を今回の米価のきまつたもに対してかけて、菜種の価格を決めて行くという意味のパリテイーであります。
  55. 足鹿覺

    足鹿委員 私は冒頭に申し上げましたように、国内油脂資源をほんとうにあなた方が増産なさろうとするならば、先刻申し上げましたような、いわゆる麦との代替供出といいましても、先刻藤田農政局長は、三三%と六七%であるから、七石八斗といえば相当余裕があるようにおつしやつておりますが、実際において余裕がないと私は思います。実際私どもは、こういうことについて農家に接しておりまして、それで余裕があるというような前提に局長は立つておいでになりますが、これは実際問題としてむりだと思います。従つてほんとうに国内油脂資源を増産されようとするならば、先刻私が申し上げましたように、もう麦の問題については、あまり大きな心配はいらない。麦の供出面積で菜種をつくらして、全量の代替供出をせしめていく、そういう方向をおとりになることが一点。  今一つは、価格が非常に低廉である。ここにこの国内油脂資源のほんとうの増産ができない根拠が私はあると思う。そういう意味から申し上げますと、パリテイーの基礎になる米価の基準年度昭和一四年度にとつたということでありますが、他の算定の要領は、米価を御決定になつた農業パリテイーの行き方と同様であります。この点が違つておるだけで、他は同じ様式でおやりになつておるのでありますが、米価においてもパリテイーでおやりになつてはおるけれども、実際においては生産費というものがある程度勘案されなければ、ほんとうに現在の農家を満足せしめるような価格にはならないことは、御存じの通りであります。そこでもう少し、この菜種そのものが中心となつておる国内油脂資源の増産をして行こうとお考えになるならば、菜種の買入れ価格というものを、もう少し当局が御考慮にならないと、ほんとうの油脂資源の増産ということは、私は困難であると思う。一四年の米価を基準としたパリテイー方式でいいとお考えなつておりますが、——いわゆる現在の菜種の買入れ価格は妥当なものであるとお考えなつておるようでありますが、私はさようなものではないと考える。もつとこれは買入れ価格を引上げる。あるいは菜種かすをもつと廉価に農家へ還元する方法とか、いろいろな方法をもつと具体的に再検討をなさる必要があると私は思う。これは別に今御答弁をいただかなくてもけつこうでありますが、国内油脂資源の増産方針及びこれの具体策というものを、私はこの機会にもつと当局が練つて、そうして実情に即応した案を実施されることを強く希望いたしたいと思います。こまかいことにつきましては、委員長のはからいで、明日懇談会等の機会があるようでありますから、明日また申し上げたり、伺つたりすることにいたしまして、一応私の質問を打ち切りたいと思います。
  56. 竹村奈良一

    竹村委員 簡単にお伺いいたします。輸入手続でありますけれども肥料公団が、大体現在五億何ぼか、払わんでもよいものが払うようにして、余裕を持つておる。これは私は当然農民に返すべきものだと思いますけれども、前に農政局長は、大体大蔵省に吸收するのだという話でありましたが、これに対して財務次官は、これは農民に返すものであると言われておる。一々返すわけではないが、次の肥料代金をそれだけの分を値下げするとか何とか、そういう措置をとるものだと思いますけれども政務次官はいつたいどういうふうに考えておられますか。
  57. 坂本實

    坂本政府委員 公団会計につきましては、たとえばその経理内容についてはさらに研究の余地があろうと思いますが、もし不当な支出が計算されておつたといたしましても、これをただちに農家に払いもどすというようなことはできがたいのではないかと考えるわけであります。
  58. 竹村奈良一

    竹村委員 肥料は今度値上げされると聞くのですが、大体どれだけ値上げされるか、ちよつと聞かしていただきたい。
  59. 藤田巖

    藤田説明員 肥料は十二月まではすえ置きでございまして、一月に現在の価格の二割増、それから三月にその価格の一割五分、つまり春肥については三割五分上がることになります。それから秋肥につきましては大体三割五分ないし四割程度、これがさらに値上がりする。でありますから総計いたしまして秋肥の最後には現在の価格の七割ないし七割五分程度が上がる、こういうふうな結果に相なります。
  60. 竹村奈良一

    竹村委員 重大な問題でありますけれども、上げる期日を、十二月なら十二月末日を区切りにして、そうして一月なら一月から上げられる場合に、今まで先渡しして、先にもらつたものは安い値段でもらつて、そうしてその時期にもらつたものが高い値段でもらうことになるのでありますが、こういう場合に政府は一体どうされるか。同じ春肥でも、高い値段で買つたものと安い値段で買つたものとがある。従つて米価を決定されるのに、政府は常にパリテイーでやると言つておるが、その場合にパリテイーのとり方をどうされるか。従つてまた高い値段と安い値段で受けた農民に対する処置はどうされるか。それはしようがないと考えておられるか。それを聞かしていただきたい。
  61. 藤田巖

    藤田説明員 お説の通り価格が上がりますその期間には、そういう問題が起こるわけでありまして、従つてどもといたしましては、各地方及び個々の各農家に公平に、一定の公平な率で、安いものは安く行くような方法をとらなければならぬということで、でこぼこの起こらないように、現在十分注意をいたしまして、地方とも打合わせをいたしまして、やらして行く、そういうふうに考えております。従つてたとえばある農家はたくさん安く買つた、ある農家は高く買つた、こういうふうなでこぼこがないように、公平に行き渡るようにしたいということでやつております。
  62. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 ちよつと関連して。でこぼこがないようにということで十分考慮されていることはよく承知しております。しかし実績がどうなつておるかということを、お調べにならなければいかぬ。あなたたちの計画の中で、ある県には八六%も八七%も行つて、ある県にはわずかに十何パーセントというような、極端なでこぼこが現在行われておる。そういう事実は肥料公団からの報告でわかつておる。余すところあと一箇月しかない。それではたしてそのでこぼこを是正できますか。こういうことについてもう少し慎重にやらぬと、今竹村君からのお話のように、これはさつきの話のように、一月一日から二割上るということは、農家にとつてたいへんなことだ。この前の委員会で申し上げたが、個々の農家にそれぞれ絶対に不公平があつてはならない。まして県別に不公平があつてはいかぬ、郡別に不公平があつてはいかぬ、町村別に不公平があつてはいかぬ、個々の農家さえも不公平があつてはならないという大きな問題であります。それをすべて一月一日から切りかえるということをきめておきながら、その線に持つて行く準備がきわめて怠慢であると私は思う。私が承知しておる範囲ではそうです。これについて農政局長承知しておられると思いますが、もし承知しておられないといたしますならば、さつそくあした配給の実績をとつてお調べにならんことを、私はこの際要望しておきます。
  63. 藤田巖

    藤田説明員 この前も河野委員からそのお話がございまして、さつそく私どもといたしましては、公団も呼びまして十分に注意をいたしたわけでございます。従つて現在秋肥の分につきましては、すでに全部各地方とも公平に、下まで行つております。それから春肥の前渡しの分につきましては、これもそういうふうなことがあつてはならぬということで、一定の率はみんな公平に送ることのできるようにということでやつておりまして、若干現在お話のようなでこぼこ——輸送上の技術上の問題からのでこぼこはありますが、これは十二月には全部のものが、公平にやるようにやらしておりますから、御懸念の点は今度はないと思つております。
  64. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 数字をしばらくごらんになつていないと思うのですが、これはすぐにごらんになつて——私は好意的の注意を申し上げるのです。もしこれが一月一日の切りかえのときにでこぼこが起こりますと、全国の農民団体はたいへんなことになる。これは直摘非常に大きな利害問題が起こつて来るのです。でありますから甘く考えないで、もつと慎重に、しかも真剣にさつそく善処されて、この切りかえにおいて各農村にめんどうな問題が起こらないように、特に私は信頼する農政局長に、この機会に善意な御忠告を申し上げておきます。
  65. 藤田巖

    藤田説明員 この点はこの前も河野委員からお話がございまして、私も非常に注意をしております。一昨昨日に配給主任官会議をやりました趣旨も、実はその点をよく徹底させたいということで集めたのであります。従つて、なお最近のものについては詳細調べてみますが、私がこれまで注意をし、調べておる結果では、相当でこぼこは是正されている。現在では運賃その他の関係ではむりをしておりますけれども、思い切つて遠くの方へも運ぶという計画に切りかえましてやつておるわけであります。なおこの点は十分注意をいたして、遺憾のないように処置いたしたいと思います。
  66. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕
  67. 竹村奈良一

    竹村委員 値段の問題については今いろいろ答弁がありましたので了承いたしますが、しかし一点だけ政務次官からはつきりしてもらいたい。農政局長はもちろん不均衡のない要に善処すると言つておられる。これは非常にけつこうです。了承いたしました。しかし善処された結果、何かの間違いで、各府県間に非常な不均衡ができた場合は、その分に対して政府は調整する責任を持つてもらいたいと思うのですが、坂本次官からはつきり持つということを答弁願いたい。
  68. 坂本實

    坂本政府委員 配給上の不均衡が各府県間に起こつたといたしまして、これをどうするかということでありますが、ただいま農政局長からも、現段階におきます見通しについてお話を申し上げたのでありますが、極力でこぼこのできないように、最善を尽くすことにいたします。従つて今お話のように多少のずれと申しますか、出入りはあるかと思いますが、これに対する措置については、ただいまのところ具体的な案を持ち合わせておらないのであります。これはさらにいま一つ研究はしてみますが、なかなか困難な問題だ、かように考えます。
  69. 竹村奈良一

    竹村委員 それではもう一点ほどお伺いしたいのでございますが、肥料の値上げにあたつて、従来たとえばかます等におきましても、六円も計上しておられますが、実際は二円七十八銭から三円くらいしかかからない。そういうようなことを考慮して値上げされたのかどうか、あるいはそういう高い値段でむりに農民に負担をさせられておるのかどうかという点、もう一つは、大体最近の農家は非常に金詰まりで困つている。従つて肥料を渡す場合に現金でなければ渡さないというようなことでは、農家配給を受けるのに非常に困難をするわけであります。こういうふうに資本金をふやされたときには、現金でなければ渡さぬとか、前金でなければ渡さぬとかいうことをやめて、ある程度は、たとえば米ができるまで貸すとか、何か農家に金が入るまで余裕をもつて肥料を貸す方策を考えておられるかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。
  70. 藤田巖

    藤田説明員 御承知通り肥料については厖大は補給金が出ておりますので、今回値上げをいたしますのも、補給金を節約しなければならないというような観点から実は起こつた問題であります。大体二十数億の補給金を肥料関係で節約しなければならぬということから、生産費の切下げを行うことにいたしまして、最低限度、春肥については三割五分、これはやむを得なかろう、こういうことになつたわけであります。  それから農家の金詰まりから、御趣旨はおそらく掛売りのようなことが認められないか、こういうことだと思いますが、これは公団経理関係で、現金取引というふうなことが原則になつておりますので、むずかしいと思うわけであります。そういうふうな意味合いでも、今度のこのような基本金増加が認められますれば、農家の必要とする時期まで公団が持つてつてやる。つまり従来は非常に金詰まりが苦しいために、早く渡さなければならぬというふうな公団経理があつたわけでありますが、今度は楽になれば、できるだけ農家の施肥期まで公団が持つ、そして施肥期に農家に渡す、こういうようなやり方ができるようにしたいと考えております。
  71. 小平忠

    小平(忠)委員 先ほどの理事会の申合わせといたしまして、本日質疑を打切るということであります。その点は理事会の申し合わせによることといたしまして、ただ本件のごときは四時にこれを急遽出されて、わずか一時間や二時間ということについては少しく討論がある。というのは、少くとも討論は終結の問題でありまして、討論に入るまでにまぎらわしき点をなくする、結局質疑を十分にしまして、そしていい、悪いをきめてから討論に入るという見地から、私はいろいろ具体的な問題をお伺いしたいのであります。ただいまさらに開かれた理事会の申合わせによりまして、重要な点だけということでありますから、私は最後に坂本政務次官にお伺いしたい点は、この改正によりまして油糧公団基本金十億一千六百万円の増加肥料公団においては三十二億七千八百万円の増加一般会計から繰入れて、基本金増額をはかろうということであります。特に日本の国家財政の苦しい中から、そういつた方法をとるという一面においては、特に両公団のたとえ廃止をするにいたしましても、それまでの経理その他の運営には万全を期さなければならぬと思う。しかし昨年から両公団の廃止問題については強い要求がある。これについて基本的な問題として、特に政務次官におかれては、この両公団を廃止する意思ありやいなや、もし廃止するとしたならばいつごろ廃止することをお考えなつているか、この点をお尋ねいたします。
  72. 坂本實

    坂本政府委員 この法案を皆様に御審議願うのでありますが、皆様方の審議権に対して十分尊重いたしているのでありまして、政府といたしましては、あらゆる角度からひとつ審査を願いたい、かように考えている次第であります。ただ会期は切迫いたしておりまするので、いろいろ委員各位には御不満がおありだろうということにつきましては、重々恐縮に存じております。  それから今お話の公団の整理方針についてでございますが、いろいろ実は研究をいたしているのでありますが、まだ結論的には成案を得ているわけでありませんが、油糧公団につきましては一応その取扱い物資の整理はいたしまするが、存続はやむを得ないのではなかろうかとも考えております。なおまた油糧公団につきましては、いろいろ御意見もあるのでありまして、いわゆる春肥とか、秋肥とかいうような配給の時期というものもありますので、そういつたことから考えたらどうかという考え方もありますし、あるいは三月の末日をもちまして一応存続期間が切れますから、そこで打切つてはどうかという問題もあります。しかしただいいまのところまだ最後的な結論に到達いたしておりませんのでただいま申し上げかねるのでありますが、いずれにいたしましても、通常国会におきましてはいろいろまだやり方の御審議を願わなければならぬことだと考えている次第であります。
  73. 小平忠

    小平(忠)委員 現段階においては、存続問題については、はつきり申し上げられないという御発言ですが、もちろんそういう事情もありましようが、しからば特に農政通であられる坂本政務次官立場ということを、一応離れると言えば語弊がありますけれども政務次官としてのお考えは、これを廃止するお考えありやないや、最後にもう一点お伺いいたします。
  74. 坂本實

    坂本政府委員 いわゆる公団によります統制形式につきましては、従来とかくの批判もあるのでありまして、また私の所属いたしておりまする民自党におきましても、いわゆる自由経済へ復帰するということにつきましては、かねがねの党の政策でもございまするし、私もまたかようなものは、需給の面から見まして、さしつかえない、大体の見通しがつきますならば、一日も早く統制はやめたがよろしい、こう思つております。ただ御承知のように、今まで非常に厖大事務をやつておりまする公団でもありまするから、これをただ無方針に打切ることも困難かと思いますので、先ほど申しましたような観点から、いろいろ研究をいたしておる次第であります。
  75. 小平忠

    小平(忠)委員 私これで打切りますが、先ほども政務次官ちようど退席されましたので、藤田農政局長に対しましてこの廃止の問題について私が強く要望申し上げておきましたが、ただいま特に民主自由党の與党政府として廃止することが望ましいという回答をいただいたことは、私はうれしく思います。どうか今日の段階において、この両公団現実問題としてあらゆる面で非常に支障を来しておるので、これは全国農民の切実な要望でありますから、そういう立場から、今後ともただいまの御意見に向つて善処されんことを希望として申し上げておきます。
  76. 深澤義守

    深澤委員 こまかいところは小委員会の方でやつてもらいますから、骨子だけを申し上げます。  まず第二国会からも問題になつておつたのでありますが、少なくとも予算法案は並行審議でなければならないということが、第五国会から認められておるのでありますが、予算の方は本会議を通過いたしまして、衆議院へまわつておるのです。今になりまして法案が出たということは、まことにわれわれとして了解に苦しむのであります。藤田農政局長から、これは不注意によつたものであるというような弁解があつたのでございますが、一体その不注意とはいかなる内容であるか、忘れておつたのか、それともいろいろな手続上の準備ができなかつたのか、どちらであるか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  77. 藤田巖

    藤田説明員 ともかく出すことが非常に遅れましたことは、申訳がないと考えております。
  78. 深澤義守

    深澤委員 その点はおきまして、それではもう一つ肥料公団経理の問題であります。これはすでに五億六百万円の問題については、事務当局は認められておるのでありますが、もう一度この席上において、農政局長にお伺いいたします。これは二十三年度決算における、余剰金というような性格において認められておるのかどうか、その点をひとつお伺いいたしたいと思います。
  79. 藤田巖

    藤田説明員 余剰金という性質で認められておるかという問題が、ちよつとはつきりいたさないのでありますが、つまり本来ならば、この金は余剰金として出るべきものではないか、こういう趣旨に解しますが、もちろん私ども考え方といたしましても、五億というものを運賃の未拂い分として計上する金額としては少し多過ぎる、かように考えておる次第であります。
  80. 深澤義守

    深澤委員 今の御説明によりまして、本来ならこれは余剰金となるべき性格のものであるという御説明でありますが、余剰金ということになりますれば、少なくともその年度計画を、一箇月以内に換算によつてこれを国庫に納付しなければならないということで、肥料配給公団の余剰金を国庫に納付させる件ということで農林省省令だつたかで出ております。これはよしそういう計算上の誤りにおいて余剰金に繰入れなかつたという事務上の間違いがあつたということを認めましても、少なくともその金は当然国庫に納付しなければならない金である、かように考えるのであります。もちろんわれわれ農民の方といたしましては、これは農民に還元すべきであるという主張をわれわれは捨てないのであります。しかしながらともかくもそれだけの金は余剰金として、あるいはどういう形においてか、国庫に納付しなければならないということなのであります。それを決算上において大きな間違いを起したかどうかしらないが、とにかく政府に納付できなかつたという事情については、これは肥料公団の組織自体が重大な責任を負わなければならぬと考えております。従いまして、この問題について農林当局としてはどういう責任をとらせるのか、どういうお考えがあるのか、その点をひとつ……。
  81. 藤田巖

    藤田説明員 お話の通り、私どもといたしましても、五億の金が多すぎる。こういう場合にはその大部分を二十三年度下期の余剰金として政府に納付させるか、あるいはもう一つの方法といたしましては、昭和二十四年度の決算の際に、それが当然余剰金として出るように指導するか、両方でありますが、現在の私ども考え方といたしましては、前によつてやりたい。しかしこの点はまだ安定本部で承認いたしておりませんので、私どもとしては安定本部に対しまして、これは二十三年度下半期の余剰金として、もう一ぺん決算のし直しをさせるというようなやり方にしたいということで、申入れをいたしておるわけであります。
  82. 深澤義守

    深澤委員 最後に、今の件につきましては、少なくとも公団経理の上に大問題があるのであります。他の公団経理に対してもとかくの非難があるのでありますが、そういう粛正については、野党、与党を問わず、われわれ国民の代表としてこれは希望しておるわけであります。従つてこれは一殺多生の意味においても、この問題については厳重なる効果を現わすように御処分を願いたいとわれわれは希望するのであります。さらにもう一つの問題は、肥料公団基本金額が五千万円から一躍三十三億二千八百万円という実に飛躍的の増額をいたすのであります。この点についても十分国民に納得させる必要があると思うわけであります。なお肥料公団が、先ほどの坂本財務次官の御説明によつて、これが三月三十一日の期限において廃止されることが希望されておるようでありますが、ややともすればこういう公団の廃止のどさくさまぎれに、いろいろのスキやンダルの出る危険性等が多分にあるのでありますが、この資金計画と見ますと、十月に一躍二十二億七千三百万円というこのマイナスが出て来ておるのであります。この点は認証手形等の関係だろうと思いますが、急激にこういう二十二億七千三百万円という損失が十月に出て来たという原因はどこにあるか。この点をひとつ……。
  83. 藤田巖

    藤田説明員 これは御承知通り、秋肥は十月ごろになりますと、むしろ売れなくてストつクになる月なのであります。つまり十月、十一月、十二月、一月、二月、三月となりますと、ストつクがだんだん重なつて参りまして、従つて公団の手持在庫が増えるわけでありますので、そういう関係なつております。
  84. 深澤義守

    深澤委員 時間も迫つたようでありますから、とにかくわれわれはこれは希望として申し上げますが、公団廃止の予定がこの年度末に期限の消滅すると同時に、そういうことがあるとするならば、政府当局はこの公団廃止に伴つていろいろのスキやンダルの出ないような、厳重なご準備を今から今から願いたい、こういうことを希望いたしまして、一応私の質問は打切ります。
  85. 横田甚太郎

    ○横田委員 ただいま考査委員会にかかつて、また裁判にかかつている。それを調べてみますと、帳簿が証拠になつて、その帳簿を焼いておつたというところの公団がある。それはどこですか。
  86. 矢野外生

    ○矢野説明員 お説の通りただいま問題になつている油糧公団であります。
  87. 横田甚太郎

    ○横田委員 次にその公団の総裁は松田さんで、副総裁は西川さんですか。
  88. 矢野外生

    ○矢野説明員 現在は二人ともかわつております。
  89. 横田甚太郎

    ○横田委員 それからその公団はおもに人件費が出て来なかつた。ほかのやり方でやつてつたところが、公団はやれと言われた。公団はやつてみると、前の従業員の給与が公団の規定によつては出せない、だから不正をやつたというのが一つの原因になつておると思うのですが、人件費の点においては十分解決がついておりましようか。
  90. 矢野外生

    ○矢野説明員 人件費の点につきましては、今回の補正予算にも人員の増加を願いまして、全部は解決いたしておりませんが、大体定員が百何十名か認められました。
  91. 横田甚太郎

    ○横田委員 全部解決ついておらないのだつたら、解決ついておらない点はひつからんで行くのがいつもなんですが、それはやめます。  それから公団扱い金は大体国庫に入れなければならぬものを、大豆増産奨励金の名前において国庫に入れない癖がついておりましたが、その悪い癖は直つておるでしようか。民自党の大橋さんに言わせますと、これは明らかに横領罪に該当すると言つて、かんかんになつて怒つておられるが、その点の悪い癖がまだ残つておるかどうか、その点をお伺いいたします。
  92. 矢野外生

    ○矢野説明員 これにつきましては、油糧公団法の十五條の四号でございますが、その解釈で附帯業務と考えておりますが、附帯業務ということになれば、横領罪という問題は起こらぬものだと考えております。
  93. 横田甚太郎

    ○横田委員 これもあつさりとそのまま聞き流しまして、次にこうなつておるのです。考査委員会事務局には有名な明禮さんがおられまして、これは民自党の傾向が非常に強い人であると言われておるので、共産党からごちやごちや言つているが、なかなかその点はややこしいのです。その事務局ではこういうようなことを言つている。「関係官庁の同意のもとに半ば公然と行われ、会計検査院も適切の断を下さず、放置のまま今日依然継続され、しかも不法に使用され、また使用されようとしている金が約一億円に達する、速かに適切な処置が講ぜらるべきものと思料せらる」となつておる。それで考査委員会は断を下すように急いでおるが、言を左右にして断を下さぬのです。第一回の証人を呼びまして、やれやれと思つて和田さんで打切りました。ところがさらに七人を呼ばなければならない、民自党から周東さんを呼ばなければならない。周東さんや三宅さんにはあまり関係がないらしい。私どもは非常に困つておるのですが、なかなか断を下し得ない。油かすをしぼつておるようなもので困つておる。だから悪い悪いという油糧公団やり方が、どういうように改められたかという点を聞かしてもらつたら、私は打切ります。
  94. 矢野外生

    ○矢野説明員 大豆協会に出ました金が二通りありまして、大口として分解硬化油の方の金を出すことになつておりましたが、これは出すことをやめております。それから増産奨励金の問題につきましては、来年度からはこれをやめてはどうかというふうなことで今研究しております。
  95. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ほかに質疑はありませんか。——別に質疑もないようでありますから、これにて質議は終りました。  本日はこの程度にとどめまして、次回は明二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時六分散会