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1949-11-21 第6回国会 衆議院 農林委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十一日(月曜日)     午後三時四分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君   理事 八木 一郎君 理事 藥師神岩太郎君    理事 山村新治郎君 理事 井上 良二君    理事 小林 運美君 理事 竹村奈良一君    理事 寺島隆太郎君 理事 吉川 久衛君       安部 俊吾君    宇野秀次郎君       遠藤 三郎君    河野 謙三君       中村  清君    原田 雪松君       平野 三郎君    渕  通義君       山本 久雄君    足鹿  覺君       石井 繁丸君    佐々木更三君       大森 玉木君    横田甚太郎君       中垣 國男君    委員外出席者        証     人        (無職)     本多 英男君        証     人        (林野庁長官)  三浦 辰雄君        証     人        (林野庁業務部        薪炭課長)    濱田  正君        專  門  員  岩隈  博君        專  門  員  藤井  信君     ――――――――――――― 十一月十九日  平村の木炭生産業助成に関する請願土倉宗明  君紹介)(第九二六号)  土地改良事業費及び災害耕地復旧費国庫補助増  額の請願河原伊三郎紹介)(第九二九号)  同(寺本齋君外一名紹介)(第九六三号)  同(坪内八郎君外二名紹介)(第九六四号)  林業金庫設置に関する請願前田正男君外三名  紹介)(第九三三号)  見沼代用水路改修費国庫補助請願青木正君  外一名紹介)(第九三八号)  吉井町地内の国有林拂下げ請願小峯柳多君  紹介)(第九七二号)  把ノ沢、高根村境間に林道開設請願増田甲  子七君紹介)(第九七三号)  いも類統制撤廃に関する請願金塚孝君紹  介)(第九七六号)  茨城県の土地改良事業費国庫補助請願金塚  孝君紹介)(第九七七号)  供出甘しよの政府買上げに関する請願坪内八  郎君外二名紹介)(第九九〇号)  主食供出に関する請願坪内八郎君外二名紹  介)(第九九一号)  病虫害防除用農薬費国庫負担に関する請願(坪  内八郎紹介)(第九九二号)  国営宮崎競馬再開促進請願渕通義君外四名  紹介)(第一〇〇八号)  漁業者用主食配給基準量改正請願山本利壽  君外二名紹介)(第一〇一三号)  農林中央金庫宮崎出張所を支所に昇格の請願(  渕通義君外四名紹介)(第一〇二七号)  宮原村地内林道開設費国庫補助請願大村清  一君紹介)(第一〇三二号)  あわ、ひえ、そば粉笠寺統制撤廃に関する請  願(山本猛夫紹介)(第一〇三三号)  四国地方国営競馬場設置請願島田末信君  紹介)(第一〇四〇号)  供米割当減額補正請願阿左美廣治紹介)  (第一〇六一号)  同(竹村奈良一君紹介)(第一〇六二号)  農地法不当適用排除に関する請願佐藤重遠  君紹介)(第一一三〇号)  開拓者保護に関する請願伊藤郷一君紹介)(  第一一三二号)  いも類高度完全利用製造工業化に関する請願  (八木一郎紹介)(第一一三四号)  巨椋池耕地排水施設完備に関する請願(中野  武雄君事紹介)(第一一二五号)  早期供出奨励金制度並びにいも統制撤廃等に  関する請願池田峯雄君外一名紹介)(第一二  〇〇号)  農業災害補償法の一部改正に関する請願(竹村  奈良一君外一名紹介)(第一二〇八号)  白石町に国立こうぞ綜合研究所開設請願(庄  司一郎紹介)(第一二一一号)  高知県下の国有林拂下げに関する請願長野長  廣君紹介)(第一二一四号) の審査を本委員会に付託された。 同日  食糧検査官人員整備に関する陳情書  (  第二四五号)  高田麦地内の耕地整理事業に対し国庫補助の陳  情書  (第二四七号)  農地改革打切り反対陳情書  (第二五四号)  食糧事務職員行政整理対象より除外の陳情書  (第二六九号)  開拓政策樹立に関する陳情書  (第二七  〇号)  松樹害虫防除対策に関する陳情書  (第二七一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  薪炭に関する件     ―――――――――――――
  2. 小笠原八十美

    小笠原委員長 これより会議を開きます。  去る十一月十七日農林委員会における森農林大臣の発言中、不適当な箇所について訂正方申入れがありますので、さようとりはからいたいと存じますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小笠原八十美

    小笠原委員長 御異議ないようでございますから、さようとりはからいます。  それでは薪炭に関する件を議題とし、調査を進めます。本日は去る十一月十六日の委員会におきまして、井上委員より提出いたされました動議によりまして、過日本委員会が取上げて参りました薪炭需給調節特別会計に関する赤字問題に関しまして、出頭を求めました証人より証言を求めることにいたします。  それでは証人とならるる方に申し上げます。  本日は、皆さん御苦労でした。本調査は、御承知のように憲法第六十二條に基き国事政に関する調査として、行うものでありまして、薪炭需給調節特別会計に関する赤字問題について、世に喧伝せられるような問題がはたしてあつたかどうか。もしあつたとすればその原因は何であるか、またその行政上の責任はどこにあるか等、委員会で問題となりましたことを調査いたしたいと思いますから、証人方々の良心的御協力を望んでやまない次第であります。  それではこれより証人方々証言を求めることといたしますが、証言を求める前に各証人に一言申し上げておきます。昭和二十二年十二月二十三日に公布になりました昭和二十二年法律第二百二十五号議院に於ける証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族又は証人とこれらの親族関係ありたるもの、及び証人の後見人または証人の後見を受けるものの刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項あるいは、これらのものの恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人宗教家または祷祀の職にあるものまたはこれらの職にあつたものについては、その職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて、尋問を受けたときに限られております。それ以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして、宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。それでは、本多さんに代表して、宣誓書の朗読をお願いいたします。御起立を願います。     〔証人本多英男君各証人を代表して宣誓
  4. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは、お手元にお配りしてある宣誓書署名捺印をお願いいたします。     〔各証人宣誓書署名捺印
  5. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それではこれより証言を求めることになりますが、   本タ 英男君  三浦 辰雄君   濱田  正君の順序で証言を求めることにいたします。さよう御承知を願います。では本多さん以外の方は別室においてお待ち願います。  それでは本多英男君から証言を求めます。御氏名を……。
  6. 本多英男

    本多証人 私本多英男でございます。
  7. 小笠原八十美

    小笠原委員長 御職業は。
  8. 本多英男

    本多証人 無職です。
  9. 小笠原八十美

  10. 本多英男

    本多証人 大田区田園調布四丁目十番地。
  11. 小笠原八十美

    小笠原委員長 現住所は。
  12. 本多英男

    本多証人 右に同じです。
  13. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人は全農林労働組合のいかなる地位に、いつまでついておられましたか。
  14. 本多英男

    本多証人 私は全農林中央執行委員として、今月の十五日だつた記憶しておりますが、大会がありまして、改選されるまで中央執行委員としてその任にありました。
  15. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人は現在いずれかの政党に所属しておられますか。
  16. 本多英男

    本多証人 私は日本共産党に所属しております。
  17. 小笠原八十美

    小笠原委員長 なお証人三重県における一千万円の空気木炭事件と題する謄写刷り文書を御存じですか。
  18. 本多英男

    本多証人 存じております。
  19. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それはこれと同じようなものでしようか。
  20. 本多英男

    本多証人 ほぼ同じたと思います。
  21. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ほぼと申しますと、どこか重要な点で違つておる点がありますか。
  22. 本多英男

    本多証人 今自分は原文を持つておりますが、読み合せをする時間がないので、ざつと目を通して、ほぼ同じだと考えた次第です。
  23. 小笠原八十美

    小笠原委員長 この発表の責任者はどなたですか。
  24. 本多英男

    本多証人 全農林の当時の委員長井上國雄君だと思います。形式的に……。
  25. 小笠原八十美

    小笠原委員長 この事件調査するに至つた動機を述べてください。
  26. 本多英男

    本多証人 薪炭特別会計につきましては、従来からとかくのうわさがあつたのであります。これは薪炭特別会計だけでなしに、特別会計一般に言われておつたと思います。そしてこのような国のお金が正当に使われることになしに、間違つた使われ方をするということは、日本の民主的な再建のために、決して喜ぶべきことではないという観点から、私たちは官庁の民主化並びに日本の民主的な再建の見地に立ちまして、あらゆる不正な事実について調査するという考え方を持つておりました。本件につきましても、その観点に立ちまして、不正を、正しい金の使い方、正しい行政の運営の仕方を確立して参るための、一つ方法として選んだのであります。
  27. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人はその文書内容について責任を負うことができますか。
  28. 本多英男

    本多証人 できます。
  29. 小笠原八十美

    小笠原委員長 右の文書前段に「調査員を派遣して調査した」と記載してありますが、どこのだれを、いつからいつまで、どこに派遣しましたか。調査方法を説明していただきたい。
  30. 本多英男

    本多証人 これは組合員三重県に派遣いたしまして調査させました。
  31. 小笠原八十美

    小笠原委員長 組合員と申しますと全農林労働組合組合員ですか。
  32. 本多英男

    本多証人 そうです。
  33. 小笠原八十美

    小笠原委員長 調査した期間については、いつからいつまで御調査なさつたのですか。
  34. 本多英男

    本多証人 今はつきり覚えておりません。
  35. 小笠原八十美

    小笠原委員長 大体のこともわかりませんか。
  36. 本多英男

    本多証人 九月だつたと思います。
  37. 小笠原八十美

    小笠原委員長 この文書の後段の方に「生原事務所長が一千万円支出を決意するに至つた事情を引続いて調査の結果」云々とありましたが、どういう方法調査した結果その事実を知るに至つたかを御説明していただきたい。
  38. 本多英男

    本多証人 これは全農林不正摘発委員会といたしまして、もつぱらどのようなことが行われておるかということを全能力をあげて調査した結果、このようなことが一つ結論として出て参つたわけであります。
  39. 小笠原八十美

    小笠原委員長 前段の第三項に「不正摘発委員会調査によれば、この十万俵の木炭は全然皆無であつて、完全に空気木炭に一千万円を支拂つていることは事実である」とありますが、この不正摘発委員会なるものはいかなる性質の団体であるか、言つていただきたいのであります。
  40. 本多英男

    本多証人 不正摘発委員会は、全農林労働組合の中に設けられてありますところの一つ委員会であります。
  41. 小笠原八十美

    小笠原委員長 その調査をなされた団体責任者はどなたですか。
  42. 本多英男

    本多証人 当時は井上國雄君であります。
  43. 小笠原八十美

    小笠原委員長 その調査の結果はこの文書で発表されたわけでありますか。
  44. 本多英男

    本多証人 そうであります。
  45. 小笠原八十美

    小笠原委員長 周東農林大臣三浦林野庁長官に四千万円の支出強要するために、数回にわたり経済安定本部内の一室で会合したとありますが、この事実はだれから聞いたものでありますか。
  46. 本多英男

    本多証人 これは調査によつて出て来た事実であります。
  47. 小笠原八十美

    小笠原委員長 調査内容はおわかりありませんか。
  48. 本多英男

    本多証人 調査内容は先ほど申しましたように、いろいろな方法でやつたはずであります。
  49. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと伺いますが、これはきわめて重要な問題であります。時はいつごろで、場所はどこでというくらいの内容はなければならぬと思いますが、そういうことは証人にはおわかりありませんか。
  50. 本多英男

    本多証人 方々から総合的に持つて来た材料を結論として出したので、そのような検事的な調べ方はいたしておらないわけであります。
  51. 小笠原八十美

    小笠原委員長 次に三浦長官生原氏に強要して一千万円を支出させたとありますが、その事実はだれから聞いたのでありますか。
  52. 本多英男

    本多証人 これも前と同様であります。
  53. 小笠原八十美

    小笠原委員長 同様と申しますれば、やはりただ漠然と聞いたというわけでありますか。
  54. 本多英男

    本多証人 そうです。そういうようないろいろなものを総合して、もつて結論とした結論であります。
  55. 小笠原八十美

    小笠原委員長 しかしちよつと伺いますが、こういう重要な問題ですし、相当の地位にある人の名誉に関する問題でもありますが、こういうことを御調査するには、的確か、あるいは的確に近いものの時とか、場所とか、行つて調査した人とか、その衝に当つた人内容まで証人にはおわかりありませんか。
  56. 本多英男

    本多証人 このようなことになりますと、だれもがいいかげんなことは言わないという良識に基いておるわけであります。
  57. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと意味がわかりませんが、どういう意味でありましよう。もう一度具体的なことを申していただきたい。
  58. 本多英男

    本多証人 お話になつておりますように、このようなことになりますと、いいかげんなことを人にはふれまわつて参らないというのは、これはあたりまえであります。確かさがなければこのようなことはなかなか言えないわけであります。それでありますから、こういつたような問題が出て参りますことは、相当確かであるというふうに考えるよりいたし方ない、そう存じております。
  59. 小笠原八十美

    小笠原委員長 そこで伺いますが、その確かであるというその確かを伺うのが今お尋ねするゆえんであります。
  60. 本多英男

    本多証人 それは先般の新聞紙上に出ておりましたが、三浦林野庁長官もおそらく何委員会かでお認めになつていらつしやるそうであります。
  61. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと証人に伺いますが、ここは別の委員会であります。他の委員会新聞紙上のことを伺つておるのではありません。あなたが調査をされたという文書に基いて、どこの根拠によつていかなる方法で、だれによつて調べになつたかという内容を伺つておるのであります。それを明確にしてもらいたい。
  62. 本多英男

    本多証人 それでありますから、先ほど委員長にお答え申しましたように、こういつたような問題について出て来るということは、非常に重要な問題でありますから、だれもがうそを軽々に言うようなことはあり得ないというのが一般的な良識だ、そういうふうに思います。
  63. 小笠原八十美

    小笠原委員長 いや、あなたから伺うのは、あなたがうそであるとか、どうだとかいうことを伺つておるのじやない。あなたの方で真実に申されておることはわかりますが、申されることの内容がわからぬのでありますから、三浦長官生原氏に強要して一千万円を支出させたという内容調べたその事実であります。それを明確にしていただきたいということをお尋ねしておるのでありますから、どういうものから報告を受けたか。それを言われなかつたら言われぬでもいいし、言うのだつたら、その内容を申してください。こう言うのです。一答えありませんか。
  64. 本多英男

    本多証人 前にお答えした通りであります。
  65. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは次を伺います。前農林政務次官北村一男氏が四千万円の残金三千万円を林野庁関係者にしばしば請求した事実がある。こう書いてありますが、その林野庁関係者は、だれとだれとがその関係者より直接聞いたものであるか、その内容をお知りならお答えを願いたい。
  66. 本多英男

    本多証人 それは存じません。
  67. 小笠原八十美

    小笠原委員長 そうすると、これはあなたのわからないことが別のだれかによつてこの文書に現われた、こう承知してよいのですか。あなたがこの事実をお知りにならないで……。
  68. 本多英男

    本多証人 林野庁関係者にしばしば請求した事実は存じております。
  69. 小笠原八十美

    小笠原委員長 だからその存じておるところを伺つておるのでありますが、だれとだれとがその関係者より直接聞いたわけであるか、その聞いた方々が……。
  70. 本多英男

    本多証人 北村政務次官はお背も大きいし、それからみなよく熟知しておるので、ほかの方がおいでなつたよりも、政務次官がわざわざ林野庁に足をお運びになれば、だれもが政務次官おいでになつたということはすぐわかるわけであります。
  71. 小笠原八十美

    小笠原委員長 いや、証人によくお尋ねしますが、北村次官農林省とか林野庁おいでになつたようなことを伺つておるのじやありません。おいでになつて四千万円の残金の三千万円を出すことを請求したというが、だれだれ、に請求したかというそ内容を承つておるのであります。
  72. 本多英男

    本多証人 これは薪炭特別会計に関することでありますので、薪炭課長に請求するよりほかにはいたし方ないので、薪炭課長に請求しております。
  73. 小笠原八十美

    小笠原委員長 次には現政務次官坂本實君がこの事件内容を熟知しておるもののごとくであると書いてありますが、どういう根拠に基いてこういう文書に現われたか、その内容を承りたい。
  74. 本多英男

    本多証人 これは坂本政務次官が本年春あちらに行かれました折に、生原さんが坂本政務次官に重大な問題について御相談申し上げようとしましたならば、坂本政務次官は、その問題はわかつているからと言つて、お聞きになる前におわかりになつたという問題は、三重県の木炭事務所についてはそうたくさんはないという点から言つて坂本政務次官はこの問題をあらかじめおわかりであつたろうということであります。
  75. 小笠原八十美

    小笠原委員長 委員の方で何か質問がありますか。
  76. 中村清

    中村(清)委員 簡單にこの点について二、三お尋ねしたい。この文書を見ますと、問題の中心人物山下重行なる者でございますが、山下重行氏はいかなる人物と思つておられるかということを私は伺いたい。というのは、私は実は三重県選出の民自党の代議士であります。この人は民自党関係は大してない男であります。私も二、三会つたことがありますが、まだ深い交渉は持つておりませんので、どういう人物か詳しくのみ込めないのですが、民自党との関係は少くともそう密接ではない。彼は聞くところによると、民自党の第二支部の副支部長ということを言つておるそうであります。三重県には民自党の第二支部というものはありません。従つて支部長というものはない。副支部長というのはどういうわけかわからない。なお党に参りまして聞きましても、党の本部には関係がないようであります。いかなるわけで民自党関係が多いように考えておられるか、その点を私は伺いたい。
  77. 本多英男

    本多証人 そうすると今のお話はここに書いてありますように、私どもも山下君が民自党のしつかりした関係者だというふうには言つておらないわけであります。そういうふうにもつぱら言われておる方であるというふうに書てある通りで、先生の御質問とまつたくここに書かれておる内容とは一致しておる、そういうふうに考えております。
  78. 中村清

    中村(清)委員 次に伺いたいと思いますことは、坂本政務次官三重県に参りまして「三重県における彼の言動よりして此の事件内容を熟知してゐるものの如くであつてしというように書いてある。坂本政務次官三重県に来られたときは、実は私も一緒におりまして、よく承知しておりますが、どういうわけでそういう点を熟知しているかのごとくであるというふうに言われるのか。この点を承りたい。
  79. 本多英男

    本多証人 その点については、先ほど農林委員長にお答え申し上げました通りであります。
  80. 中村清

    中村(清)委員 どうも先ほどの御答弁と言いますか、証人証言では、坂本次官が熟知しておるように考えられぬ。私はその点非常にあの答弁では、この文書内容と違うということを考えております。しかし水かけ論になるかもしれませんので、この点はこの程度にしておきまして、次にこの文書によりますと、三重林産燃料株式会社よりは未拂いということになつておりますが、たしかこれは支拂われておると思いますが、この点について文書は間違いがあると思いますが、この点を伺いたいと思います。
  81. 本多英男

    本多証人 未拂いであるという点でありますが、今中村先生は支拂われておるというふうにおつしやいましたけれども、これは最近になつて支拂われたかもしれない。一体いつ支拂われたか、それが問題、だろうと思つております。
  82. 小笠原八十美

    小笠原委員長 その当時は支那われていなかつたのですわ。
  83. 本多英男

    本多証人 そうです。
  84. 中村清

    中村(清)委員 その次にこの文書によりますると、強要ということが非常に書いてある。たとえば周東氏と三浦氏から強要を受けた。私はこの両人にかりに会つたといたしましても、一会つたかどうか知りませんが、会つて強要ということは容易に使うべき言葉ではないと思います。どういうわけで強要という言葉を使つたか。あるいはいくらか運動があるかもしれないが、どういうわけで強要というものを使つたか。
  85. 本多英男

    本多証人 直属上官から私たちがとてもやつていけないというようなことを強く要求される場合には、これはお断りをするか、さもなければやめさせられるかという事態に立つことがあるわけであります。そういうような場合において、私たち感じとして、そういつたことについては、強要というような感じを受けるわけであります。
  86. 中村清

    中村(清)委員 この問題は、当時の責任者は、やはり当局上級者にあるわけであります。従つて下部の意見の違う場合もいろいろあると思いますが、いやしくも長官であるものが強要される。そういうのつぴきならぬような要求されるということは、これは公人としてあり得ないと思います。これはあとから伺いたいと思つておりますが、本多証人に対しては、そういう感じを持つておるということを申し上げて、私の質問を打切ります。
  87. 安部俊吾

    安部委員 証人に伺います。調査員を派遣して、調査したでありましようが、どういう人を派遣したか。委員長質問に対して、はなはだ明確ならざる点がありますので、再び質問します。
  88. 本多英男

    本多証人 先ほど委員長にお答え申し上げましたように、組合員に、本年の九月だつた記憶しておりますが、行つてもらいまして、これについてできるだけの資料を集めてもらうという方法をとつたことを意味しております。
  89. 安部俊吾

    安部委員 いつ、どこで調査しましたか。
  90. 本多英男

    本多証人 そういうようなことについては、十分ここでお答えするだけのものを持つておりません。
  91. 安部俊吾

    安部委員 この文書については、あなたが全責任を負うと先ほどおつしやつたのですが、そういうような調査年月日も御記憶にならぬですか。
  92. 本多英男

    本多証人 それにつきましては、主要な大事なことが出て参りますれば、年月日を十分記憶しておる場合もあると思いますが、何せ当時組合の活動が、首切りの問題等もございまして、はげしかつたわけでありますので、私も十分そういつたようなことを現在承知しておらないのであります。申訳ないと思つております。
  93. 安部俊吾

    安部委員 個人の名誉に関する文書を発表したこの中に、はつきりした年月日もわからぬ、どういうような職責を持つて、どういうような人が調査したかということも御記憶にならぬで、全責任を負うということは、私ははなはだふに落ちぬと思いますが、それはあとで聞きます。  それから文書の「生原木炭事務所長が一千万円支出を決意するに至つた云々というこの点につきましても、委員長に対する答えを、はなはだ言を左右に託して明確な答弁がないようでありますが、これを具体的に御答弁を願いたいと思うのであります。
  94. 本多英男

    本多証人 具体的にと申しましても、私たちの方でいろいろな方法でもつてやるよりほかには、私たちは検事ではございませんし、また警察官でもないわけでございます。それで帳簿をめくつて調べる権限も実は持ち合せていない。そういうようなことから申しまして、検察庁等でもつていたしているようなふうに具体的に申し上げられないのは非常に残念でありますけれども、いろいろな方法でもつて人からも聞き、それからまた確かめるというようなことを、いろいろな人にやつてもらうよりほか仕方がないわけであります。
  95. 安部俊吾

    安部委員 いろいろな方法でいろいろな人から聞くというが、單にうわさを聞いたにすぎないのですか。あなたの調査というものは、はなはだ的確を欠いた、單にうわさを土台として、それによつてこれが調査をしたというような結論に達したのですか。
  96. 本多英男

    本多証人 うわさと申しますれば非常に不的確のような印象を受けまするけれども、そういつたような話がありまして、それを確かめて参りますれば、うわさがうわさでなくなる場合があるわけであります。と申しますのは、私は元の勤めが水産庁でありますから、私が調査するという部分はそう広汎ではないわけであります。それでありますから組合のいろいろな関係の人に頼んで、そしてだんだんに確かめて、その確実性を増して行くということであります。それでその結論として確実なものと認めて、この問題について責任を持つ。そういうことを申し上げたわけであります。
  97. 安部俊吾

    安部委員 あなたはただいま確かめた、いろいろな人が調査した、どんな人が行つて調査したのですか。どういう人が行つて確かめたのですか。どういうような証拠によつて確かめたのですか。それをはつきり言つてください。
  98. 本多英男

    本多証人 先ほどから申し上げてお、りますように、こういつたような問題を確かめて参ります、調査して参ります上について、私たちは権限がないのでございます。私はたとえば検察庁の検事でもなければ、警察官でもないわけでありますから……。
  99. 安部俊吾

    安部委員 聞いたことだけ答弁してください。よけいな弁解はいらぬ。
  100. 本多英男

    本多証人 それでありますから、この問題を調査するにあたつては、林野庁関係の人等を通じて調べるということであります。
  101. 安部俊吾

    安部委員 林野庁のだれだれを通して調べたのですか。
  102. 本多英男

    本多証人 私の名前は皆がよく知つているのですが、私は個人々々のお名前を十分聞いておりませんから、今全部を覚えておりませんけれども、たとえば佐藤義彌君などを使つて調べたということを覚えております。
  103. 安部俊吾

    安部委員 その人はどういう報告をしているのですか。
  104. 本多英男

    本多証人 大体そのようにして調べた結果、こういうようなことは確かである。
  105. 安部俊吾

    安部委員 それは何によつて確かであるということがわかつたのですか、立証できるのですか。
  106. 本多英男

    本多証人 それは私はむりだと思うのです……。
  107. 安部俊吾

    安部委員 確かめたということは、何かの証拠がなくては確かめることはできない。いやしくも個人の名誉に関することを発表する以上は、これは迷惑するのであります。そういうようなことになるのでありますから、少くとも責任を負つたあなたとして、人の名誉に関することを発表する以上は、根拠ある証拠によつて確かめなければならないが、どういうような根拠によつて、どういうような証拠によつて、あるいは帳簿の上において、あるいはりつぱな人の証拠によつて、それを確かめたかということを聞いているのでありますから、それを明確に答弁していただきたいと思います。
  108. 本多英男

    本多証人 それで先ほど途中で切つてしまつたわけでありますけれども、安部先生が弁解は聞きたくないとおつしやるけれども、やはりおわかりになつているように、私、検事でもなければ警察官でもないのだという身分を明らかにせざるを得ない。そういうことなしに何かをひつくり返したり何かすることはできないのでありますから、そういつたような証拠が私たちのところでもつて十分でないということであつても、私たちとしては自分たち調べた結果、これは確信が持てるという確信に基いてやつたということでお答えするよりほかありません。
  109. 安部俊吾

    安部委員 証人に再三繰返して聞くのでありますけれども、結局証拠によつて確かめるということは、はなはだ不正確であつて、これは單に自己の推論、あるいはそういうような想像によつて、こういうような結論が出たとしか私はとることができないのでありますが、これ以上その点は追究いたしません。周東農林大臣三浦林野庁長官に、四千万円を支出するにあたり、数回にわたり経済安定本部の一室で会合をした。この点をだれから聞いたのですか。これもはなはだどうも具体的に、はつきりした答弁はなかつたのでありますが、この点をさらに証人に伺います。だれがどういう場合に、安定本部のどの室で、一号室とか二号室とかあるでしよう、そこへ何日何時何分に、どういうような会合をしたか。それをまただれか第三者がおつて、そういうようなことを証言し得る人から聞いたかどうか、そういう点について聞きたい。
  110. 本多英男

    本多証人 安部先生が言われるほどはつきりしているとしたならば、私たちはそれを一等前に掲げまして、何時何分にどこのだれと、どういうように会つてどうだこうだということを書くわけでありますけれども、それほどはつきりしていないから、後段でそういうように書いているわけであります。
  111. 安部俊吾

    安部委員 ではこの点もあなたははつきりしないのですね。單にあなたの想像あるいは推定からして、そういうように判断して書いたわけですね。
  112. 本多英男

    本多証人 推定を確かめた上でもつて、これは確実であるということによつて書いたわけであります。
  113. 安部俊吾

    安部委員 それから三浦長官生原氏に一千万円支出させたというようなことも、さつきあなたから御答弁があつたように、はつきりした確証があつてそういうことがあつたということを、ここで宣誓のもとに答弁ができないのですね。それともはつきりしたことがありますか。
  114. 本多英男

    本多証人 生原木炭事務所長が、木炭供出されていないときに、一千万円の金をあらかじめ前渡金として出すということは、非常に重大な問題でありまして、こういつたようなことは生原個人がなし得る権限外であります。このようなことをなすとするならば、これは自分ではできなくて、長官に相談するより仕方がないことであります。もし長官に相談するとしたならば、長官はこれについて初めから関知しているということでしかないわけであります。
  115. 安部俊吾

    安部委員 それは一千万円を出したということの理由を聞いているのじやありません。はたして一千万円を出したということは事実であるかないか。それをどういうふうにして御調査になつて、確かめたかということを聞いているのです。
  116. 本多英男

    本多証人 それはさつき、この金はすでに返つているじやないかという点で明らかなように、返つているというのは前に出したから返つているのであつて、これはすでに出された金であるということは、ここに書かれている通り明らかであります。
  117. 安部俊吾

    安部委員 どなたからそういう話があつたのですか。返したということ……。
  118. 本多英男

    本多証人 それは中村先生からお話がありました。
  119. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと証人委員長から御注意申し上げますが、今安部委員のお尋ねしていることは、この文書を出した当時のことをお尋ねしているので、今この委員会で現われたことについて、あなたにお答えを願つているのじやないのだから、その当時出したということがどこでわかつたかということをお尋ねしているのですから、どうか見当違いにならぬようによく注意してください。
  120. 安部俊吾

    安部委員 この点は農林政務次官北村氏が、四千万円の残金三千万円を林野庁関係者にしばしば請求した事実がある。しばしばとは何回くらい請求したのですか。またどこでどういうふうに請求したか、この点を明確に御答弁願いたい。はなはだ不得要領であるし、それに関連してまた現政務次官坂本氏がというのは、これも單に知つておるということは、そういうような文書を読んだか、あるいはうわさに聞いたとか、あるいはいろいろなことを知つておるといつたにすぎないですね。そういうふうに解釈してよろしゆうございますか、その点もお答え願います。
  121. 本多英男

    本多証人 それでけつこうだと思います。坂本政務次官が言われたという点についてはあなた様のお話でけつこうだと思います。
  122. 山本久雄

    山本(久)委員 大体において今の安部委員質問の中に入つております。ただこの文書の末尾にあります、前農林政務次官北村一男氏が、四千万円の残金三千万円を林野庁関係者—この関係者ということについて、証人薪炭課長ということを申しましたが、これは現在の薪炭課長でありますか前の薪炭課長でありますか、名前をはつきり言つてください。
  123. 本多英男

    本多証人 薪炭課長はかわりまして、現在の薪炭課長がその当時就任しておつたはずであります。
  124. 山本久雄

    山本(久)委員 濱田薪炭課長と解していいのですね。
  125. 本多英男

    本多証人 よろしいのであります。
  126. 山村新治郎

    ○山村委員 証人に伺いますが、さつきからの各委員からの質問に対しまして、はつきりした答弁がなかつたようでありまするが、要するに周東農林大臣並びに三浦長官並びに北村政務次官坂本政務次官等の問題についてのあなたの発表は、何ら物的その他の確実な証拠がないということをお認めになりますか。
  127. 本多英男

    本多証人 物的な証拠がないという点は、私がしばしば、私たちには物的な証拠をとるだけのあれがないのだという点でお話ししている通りですから、あなた様のおつしやつた通りであります。
  128. 山村新治郎

    ○山村委員 そうすると、結局はあなた方はこれを空気木炭事件と称して発表しているようですが、何となくあなたがそう推定したというだけにとどまりますか。
  129. 本多英男

    本多証人 空気木炭がこういうふうにされているということは事実であります。推定しているのでなくて、木炭については事実であります。
  130. 山村新治郎

    ○山村委員 事実なりとせば何によつて事実と確定できますか。
  131. 本多英男

    本多証人 十万俵もの木炭は非常に厖大な木炭であります。これが供出されているかいないかということは、探せばすぐわかる問題であります。これは金塊や何かでしたら、金庫の底にしまうからなかなか見つからないと思います。
  132. 山村新治郎

    ○山村委員 木炭だけの問題でなく、各大臣や政務次官の言動についての事実は、やはり推定によつたとあなたは思われますか、事実だと発表しておりますが、事実だと何によつて確定したのですか。
  133. 本多英男

    本多証人 ですから物的な証拠によつて事実を認定していないという点は、先ほどから認めておる通りでありますけれども、これをただ單なるうわさをそのまま認めたというようなことを言つておるのではないのであります、から、その推定という言葉法律の上でどういう言葉なのか、私はあまり法律はよく存じませんのでいささか戸惑いいたしているわけでありますが、單なる推定というふうにお問い詰めいただいておるわけでありますが、單なる推定でなしに初め申し上げましたように、私たち調べて、その結果の結論であるという確信を持つて申し上げているわけであります。
  134. 山村新治郎

    ○山村委員 証人の何となく雲をつかむような答弁の中に、たつた一つ具体的問題が、さつき前農林政務次官の北村さんが濱田薪炭課長に請求したということが確認されたようでありますが、濱田薪炭課長に請求されたということを何によつて確認されましたか。
  135. 本多英男

    本多証人 それは先ほど申し上げましたように、濱田薪炭課長のところに北村政務次官が来られますれば、四、五月ごろ、その前後、というのは、私たちの春の争議が非常にいろいろ私たちの賃金ベースの問題等で問題になつて北村政務次官のお顔を皆が熟知しておるわけであります。
  136. 山村新治郎

    ○山村委員 それだけでありますか。
  137. 本多英男

    本多証人 それでありますから、ちようど年末闘争で北村政務次官のお顔を熟知しているわけでありまして、それから木炭事務所の問題につきましては、薪炭特別会計の改廃の問題もそうそう出かかつておるという当時でありまして、政務次官おいでになるということは、自分たちにとつて非常に大きな問題を何か含むというふうに考えざるを得ないというような点から、政務次官のこういつたようなお話を漏れ聞いたということがあるわけであります。
  138. 山村新治郎

    ○山村委員 あなたはさつきはつきりと北村政務次官濱田薪炭課長に請求したということを確認したようでありますが、それをただ北村政務次官林野庁に来たことを認めたということと連関させようということは、これはあまりにむりもはなはだしいと思うのでありますが、そうすると濱田薪炭課長に請求をした事実は、確認は何らないということでありますか、されないということでありますか。
  139. 本多英男

    本多証人 請求したということになるだろうと私は思うのであります。今私は北村政務次官おいでになつたということが請求したことだと答えたというようにおつしやいましたけれども、おいでになつてこれについてお話になつたということは請求したことになるであろう、そういうことであります。でありますからお話内容は、この問題である限りにおいて、これはこの問題に触れている。でありますから請求したというふうに書いてあるわけであります。
  140. 山村新治郎

    ○山村委員 そうすると請求しただろうと想像したわけでありますか。
  141. 本多英男

    本多証人 どうも私もぴんと来ないのでありますけれども、この問題について北村政務次官から濱田薪炭課長お話があれば、それは請求したというふうに自分たちは見るということであります。
  142. 野原正勝

    ○野原委員 証人に二、三の点を伺いますが、不正摘発委員会というものがあなたたち農林の中にあつたのですか。またあつたとすればそれはどういうような組織であつたか、それをお伺いいたします。
  143. 本多英男

    本多証人 不正摘発委員会は全農林労働組合の中にございました。そうしてこれは全農林労働組合一つの專門部の專門部会というような組織であつたわけです。
  144. 野原正勝

    ○野原委員 この委員会は何人で構成され、また專門部会とさつきあなたが申されましたが、專門部というものは、この薪炭関係とか林野関係とかい、うようなことを担当しておつたのかどうか、また特に林野庁関係の方を担当しておつたのは何人で、名前はだれとだれであつたかをお伺いいたします。
  145. 本多英男

    本多証人 前に一昨年でありましたか、そのころには野原さんがお話になつておるように、不正摘発委員会林野庁の協議会の方からそれぞれ出ておられたことがあつたわけでありますけれども、その後そのような組織ではなくてやつておるわけであります。それで不正摘発でありますから、不正摘発委員会におきまして薪炭部門であるとか、林野部門であるとか、もしくは水産部門であるとかいうふうにはわかれておらないわけであります。專門部と申しましたのは、他にございます文化部でございますとか、情報宣伝部でありますとか、そういうような部と同じように申したわけであります。それと同じように部の組織は持つていないわけであります。ですから專門部と同じような組織であつたと申し上げたと思つておりますが……。
  146. 野原正勝

    ○野原委員 さつきあなたは林野庁関係は佐藤義彌君などが特に調べた、こういうお話でありましたか、佐藤義彌君は、私もよくわかりませんが、今も林野庁におるのですか、またどういう身分の方ですか。
  147. 本多英男

    本多証人 今佐藤義彌君は林野庁にはおられません。それでたとえば小松君にも聞くこともありますし、いろいろな方に聞くことがあるわけであります。
  148. 野原正勝

    ○野原委員 そうなるとあなたは水産庁の方におつた方だそうで、詳しいことはあなた自身としてよくわからなかつたが、佐藤義彌君であるとか、小松君であるとかいうような方たちが、もつぱらこの問題を、專門調べた、こうおつしやるのですか。
  149. 本多英男

    本多証人 私が水産庁云々と申しましたのは、ちよつと謙遜の意味もありましたけれども、中央執行委員として選任して、あれは公務員法、人事院規則でありましたか、届出してそちらの方にかかりきりになつておりましたので、主として私がやつたわけであります。でありますから、たとえば日本シルクの問題につきましては私たちがやつたのでありますが、これも必ずしも蚕糸関係の人だけを使つてとか、蚕糸関係の人をどうしてとかいうことではないわけであります。
  150. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人はどうか質問の要点に答えるようにして、謙遜しないで答えるべきものは率直にそのまま御答弁願います。
  151. 野原正勝

    ○野原委員 そうするとこの不正摘発委員開のメンバーというものは、先ほどの委員長質問では、証人ははつきりしたことを申さなかつたわけでありますけれども、今伺つて見ると、あなたがほとんど全面的にそのことをやつてつたということで、かなり詳しいことをあなたは知つていなければならぬと思う。それから見るとあなたの先ほど来のいろいろな質問に答えての証言は、あなたがほんとうにそれをやつてよく知つておれば、当然説明のできそうなことも、われわれが聞いてみますと非常にあいまい模糊としておる。いわゆる空気のようなものだ。そういう点から見ると、どうも私ふに落ちないのでありますが、この中にしばしば、たとえば一千万円を拂つておることは事実であるとか、あるいはまた経済安定本部の一室で会合したことはこれも事実である。この事実はだれから聞いたかと言われてもよくわからない。あるいはまた三浦長官生原氏に強要して支出したとか、北村政務次官がしばしば林野庁関係者に請求をした事実、事実々々というふうなことを言つておるが、どうもこの事実なるものが、まことにわれわれ公正な立場から伺つておるとあいまい模糊として、しかも恐るべきそこに独断があるのでははいかと思う。ではほんとうにこれは事実だというはつきりした証拠がつかない限りにおいては、どうもあなた方のおつしやる事実という言葉内容というものは、うわさに聞いたこと、そういつたことが総合されて、自分たちで確かにそうだろう、そうだろうというのが最後にはそうだという結論を下して、こういつたような文書になつたと思わざるを得ないのですが、あなたがこういつたことをなさつたことと、またこれをほんとうにそうあなた自身が事実と信じておるかどうか、その点を伺つておきます。
  152. 本多英男

    本多証人 私たちが、農林省の行政についていろいろな不正がある。これは非常に残念でありますが、不正があるのは事実でありますし、また行政上好ましくない行政が行われるということも、また事案であるというのは御存じの通りであります。それでありますから、私たちは官庁を民主化して参る一つ方法として、また日本の民主的な再建をして行くための一つ方法として、このようなことをやつて行くというのが、今野原さんからお尋ねになつたところの第一点のお答えだと思つております。  それから第二の点についは確信を持つておる。そういうふうにお答えいたします。
  153. 野原正勝

    ○野原委員 どうも本多君の話を聞くと、あなた自身は確信を持つておると言つても、大多数の、いわゆる十目の見るところ十指の指さすところのお話を聞いて、だれもほんとうに確信であると思つた方は、おそらくこの委員会で一人もなかろうと思う。それほど不確実なものをもつて、あなた自身が確信だと言われる。これははなはだ恐るべき独断であると私は言いたいのであります。でありますから、あなたがもしこの事実に対して責任を持つならば、先ほど来しぱしば問題になつた、いつどこで、だれが何をしたかというこの問題、それをはつきりしない以上は、どうもただそのような事実があるらしいとか、背が高いからよく見えるとかいつたような、いろいろなことで、まことにこうした一千万円の空気木炭事件というような名前でもつてこれを天下に発表する。私はこの空気木炭ということを共産党諸君の空気事件とあえて言いたい。こういう空気木炭どころじやない、あなた方のおつしやつておることは空気事件だ、こう言いたいのだ。この点をあなたは私に先ほど責任を持つて確信を持つと言われるならば、あくまであなたが事実ということに対する事実をあげて説明してもらわぬ限りは、私は絶対にこれを事実なりということはできない。その点をはつきり申し上げておきたい。
  154. 井上良二

    井上(良)委員 ちよつと証人に伺いますが、第一は、この文書によると山下重行が昨年の暮れに「農林大臣周東英雄氏に、三重県大杉谷開発計画を申出で、四千万円の資金を獲得せんとした。」こうなつておりますが、この三重県の大杉谷の開発計画を申出でという内容は、どういうことですか。おわかりでしたら……。
  155. 本多英男

    本多証人 そのときお話なさつた開発の内容について、十分私は存じておりませんが、本年の五月に、山下さんは三重県の大杉谷の一部分である父ケ谷の国有林の拂下げを願い出ておることから見まして、これは一般的に申します国有林の開発を考えている、このように存じております。
  156. 井上良二

    井上(良)委員 その次に伺いたいのは「生原木炭事務所長が、一千万円の支出を決意するに至つた事実を引続いて調査した結果、正式に公文書による命令ではなかつたが、直属上官である林野庁長官三浦氏及び当時の林政部長清井氏の強要によるものであることが判明した。しかしてこの生原氏は、この間のいきさつを立証する証拠書類を持つていると言われている」こう書いてあるのですが、この生原氏がこの間のいきさつを立証する証拠書類を持つているというのは、あなた自身なり、またあなたの調査範囲において、生原氏から直接だれが聞いたかということが、おわかりでしたらお答えを願いたい。
  157. 本多英男

    本多証人 今二つ質問が私にあつたと思うのでありますが、第一点の、清井さんがこの中に出て参つたという点は、たとえば先般はつきり存在しておりますこの空気木炭事件が問題になりましたときに、今の食糧庁の総務部長である清井部長が、林野庁にわざわざ出向いて、薪炭課に手配しておるという点からいつても、これは確かであるというふうに私は確信しておるわけであります。  その次にお問いになりました問題については、だれがだれからということについて、私は存じておりません。
  158. 井上良二

    井上(良)委員 そうすると、この証拠書類を持つていると言われるのは、証拠書類を持つているやらおらぬのやら、はつきりわからぬわけですね。この点は非常に大事でございますから……。
  159. 本多英男

    本多証人 その点は、生原所長をお呼びいただいて、お聞きいただけばはつきりすると思つております。そして持つているところの証拠書類というのは、周東前大臣からの手紙であるとかその他の名刺であるとかいうものだということを聞いております。
  160. 井上良二

    井上(良)委員 くどいようですけれども、実はこれが非常に大事な問題でございまして、ここに証拠書類を持つていると書いてあり、また証人は、先ほどこの文書には絶対的な責任を持つているということを申されておる。そうしますと、生原氏がこの間のいきさつを立証する証拠書類を持つているということが、はつきり認定できませんと、証人の喚問ができません。やはりあなた方で、だれからそういう周東農林大臣紹介状とか何とかを持つておるかどうかということを聞いたということが明確になりませんと、これは單なる文書にすぎないことになつてしまいますから、その点を明らかに願いたいと思う。たとえば直接あなたが生原氏にそういうことを聞いたか、あるいはまたあなたの関係しておる団体のだれかが、この際名前を言えなければ言えないでいいですから、どこそこのだれから聞いたということを明らかに願いたい。  なおつけ加えて申し上げますが、どうも証人は、さいぜんからいろいろ委員長及び委員からの質問に対しての答弁は、かんじんなところになると、調査内容について明確でございません。これは審査する上に非常に大きな支障になるのであります。私はおそらく証人は、自分が元勤めておりました農林関係の同僚に、もしここでおれが名前を言つた場合には、その人の地位、名誉に重大な支障を来しはせぬかということを憂慮して言わぬのではないかと考えるのですが、そういうつもりで言わないのではないですか。この点も明らかにしてもらいたい。
  161. 本多英男

    本多証人 この点は私の答えがはつきりしないというふうに……。
  162. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人に御注意いたします。前段と後段とありますから、前段はこう、後段はこうと答えてください。
  163. 本多英男

    本多委員 委員長前段は今お話になつた方の御意見のように、私伺つてつたのですけれど……。
  164. 小笠原八十美

    小笠原委員長 いや、御意見ではありません。かりに今度生原氏を証人として呼ぶ上においても、あなたの方で確かな証拠を出し得るという事情とか、どこで確かめたということを、証人から聞かないうちは困るから、生原氏が証拠を持つておるという事情をあなたの方で確かめて言うのであるか、その点を明確にしてもらいたいという質問です。
  165. 本多英男

    本多証人 その点については、私人の名前を先ほど申し上げましたように、明らかにすることはできないのでありますけれども、先ほどはつきり申しましたように、生原さんがいろいろな証拠をお持ちになつているということを、私が確信して申し上げて、お答えしている通りであります。
  166. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人ちよつと委員長から伺いますが、あなたが証拠を持つておることを確信しておいて、特にその人の名前の証人とか、それを確信するに至つた事情の人を秘して言わないことになれば、偽証に該当するようなおそれがあるのでありますから、もしそれを御承知でしたら、明確にした方があなたの得でありますから、それを明確にしてください。
  167. 本多英男

    本多証人 ですけれども、いつどこでだれがどうしたかということは、むずかしいので……。
  168. 小笠原八十美

    小笠原委員長 いつどこにおいて、だれがどうとか……。
  169. 本多英男

    本多証人 お答え申し上げますが、私が先ほどからお答え申し上げているように、この問題については、自分たちがいろいろな人を使つて調べたので、その人を一々存じていないので、私がここで答えないというだけであります。ですから、たとえば佐藤義彌君等の名前は先ほど申し上げました通り、私は知つておるものについて言う。知らないものは……。
  170. 小笠原八十美

    小笠原委員長 では、だれもその名前は一人も知つておらぬ、こういうわけですね。
  171. 本多英男

    本多証人 ですから、今たとえば佐藤義彌君からも聞いたということであります。この件についてもしかりであります。
  172. 小笠原八十美

    小笠原委員長 後段の答えはなくていいのですか。
  173. 井上良二

    井上(良)委員 もう一ぺん伺いますが、これは証拠書類を持つておるという……。
  174. 小笠原八十美

    小笠原委員長 井上委員一つずつ質問してください。
  175. 井上良二

    井上(良)委員 証拠書類を持つておると言われているのですから、そうすると、これは生原氏にだれかが会わなければ、こうは言えぬわけです。持つておるだろうなあと、人のふところを想像するようなことは言えぬわけです。従つて生原氏にだれかが会つておるはずです。その会つた人を私は聞いておるのです。それが具体的になりませんと、生原氏をこの事件関係のある重要証拠書類を持つている人として、証人の喚問に重大なる関係があるから、そこで私が聞いておる。それが私が確めておきたいという点でありますが、それを一つ先きに聞きましようり。
  176. 本多英男

    本多証人 その点については、だれがいつ直接生原氏に会つたか、私は存じないのでありまするけれども、生原氏がこのような文書を持つているということについては、佐藤君から聞いたということを先ほどの答弁で申し上げたと思つております。
  177. 井上良二

    井上(良)委員 その他の問題についても、いろいろ証人は個々の問題になつて来ますと、調査の具体的内容はどうも明確にされません。これは要はやはりいろいろな人に会つておるだろう。ただそれが他の役人と関係があるから、もしここで具体的に名前をあげて、証人が言う場合には、ただちにその人の職務上に重大なる影響があるという考え方で、具体的な事実を言わぬのではないですか。
  178. 本多英男

    本多証人 いやそうじやありません。
  179. 井上良二

    井上(良)委員 それでよろしゆうございます。
  180. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと委員長から証人にお尋ねしますが、先刻の佐藤氏からということが重要な問題でありますが、佐藤何という方で、しかもそれを聞いたことが大体でもいいが、いつごろで、場所はどこであつたかということを明確にしておいていただきたい。
  181. 本多英男

    本多証人 今の委員長お話の佐藤義彌君は、全農林組合員の一人であります。それからこれを聞きましたのは多分、日ははつきり覚えておりませんが、十月前後だつたと思つております。
  182. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ことしですか昨年ですか。
  183. 本多英男

    本多証人 本年であります。
  184. 小笠原八十美

    小笠原委員長 場所は……。
  185. 本多英男

    本多証人 大体その程度で、十月初旬ごろであつたと思います。場所農林省であります。
  186. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それでは証人にさらに伺いますが、この文書なるものはいつごろできましたか。
  187. 本多英男

    本多証人 この文書を刷りましたのは、十月の末であつたと思います。
  188. 小笠原八十美

    小笠原委員長 わかりました。
  189. 石井繁丸

    ○石井委員 今まで何か不正摘発の仕事は、何らその証言根拠がないように言われておるのですが、その不正摘発委員会日本シルクの摘発をやつたりして、いろいろ実際的な仕事をやつておるわけでありますが、今までに何か不正摘発を具体的にやつた事実があるのですか。
  190. 本多英男

    本多証人 たとえば今あなた様がお話になりました日本シルクの問題と申しますか、それよりも平田局長の内容は汚職事件から発しておつたのでありまするが、その問題をやつたことがあります。
  191. 石井繁丸

    ○石井委員 あれが刑事事件になつたのは、その不正摘発委員会で摘発したに基いて、検挙になつておるのですか。
  192. 本多英男

    本多証人 私はそう存じております。
  193. 石井繁丸

    ○石井委員 そのほかにも何か具体的なことをやつたことがありますか。
  194. 本多英男

    本多証人 たとえばただいま問題になつておりますのは、栃木県の川治の近所にあります鶏項山と申します開拓地におきまして、開拓民がそこに瑞穂開拓団からわかれて入つておるわけでありまするが、そこで開拓民が当然使うことのできるはずであります営農資金、その他が不正に使われておるという点を明らかにしたことがあります。
  195. 石井繁丸

    ○石井委員 そうすると不正摘発委員会は、日本シルクの方と栃木県の鶏頂山の問題、こういうような具体的な摘発を今までにやつてつたので、相当に根拠ある活動をしておつて、空気的な、立場の不明瞭なものではない、実際的た活動をやつてつた委員会である、こう申せるわけですか。
  196. 本多英男

    本多証人 私はそのように申しておる次第でございます。
  197. 石井繁丸

    ○石井委員 そこでこれは証人が專門部会の主任であつたという立場からもやつてつたわけでございますか。
  198. 本多英男

    本多証人 必ずしもだれが主任というのではなく、この委員会で協議するのでありまするが、このような問題について、しばしば私がそのおもだつた役割をしたことがあります。
  199. 石井繁丸

    ○石井委員 そこでいろいろなことがある意味を持つて、各委員から証人証言は空文に過ぎないじやないか、こういうことが言われたけれども、いろいろ各農林関係の各官庁、各庁あるいは各局、こういう方面に対して、いろいろ不正事実その他が行われた、あるいは行われておる様子であると述べられておりますが、その委員会が全力をあげて各課の農林職員の人々や何かに事情を尋ねた、あるいはまたいろいろな点について調査等をやつて、この具体的な材料を確実にするように努めて結論を出した。一般に世間からうわさを聞いておるというふうな問題ではない。実際に農林省の職員の中において、いろいろ手をつけて、検事局の調べのように調書はとらないけれども、結論を出したので、その結論責任が持てるような結論を出した、こういうふうに言われるわけですか。
  200. 本多英男

    本多証人 今あなた様がお話になつたその通りであります。ただ先ほど野原さんがお話になつたのは、御意見だと思つたので、お答えしなかつた次第であります。
  201. 石井繁丸

    ○石井委員 そこで一点具体的な事実をお尋ねいたします。三重県の事件につきましても、先ほど木多証人組合員を派遣して、三軍県の方において具体的調査を行つた、こう申されるのでありますが、その通り相違ございませんか。
  202. 本多英男

    本多証人 その通りであります。
  203. 石井繁丸

    ○石井委員 だれを派遣して調査いたしましたか。
  204. 本多英男

    本多証人 組合員の服部君にか行つてもらいました。
  205. 石井繁丸

    ○石井委員 もう一ぺんその人の名前を確めておきますが、服部何というのですか。
  206. 本多英男

    本多証人 服部君と呼びつけておりますものですから、私、服部君の名前を存じませんが、これは本人をよく存じております。それでこの点は多分委員長が御質問になつた一等初めに私はお答えしたと思つております。
  207. 小笠原八十美

    小笠原委員長 服部さんという人の名前がわからなければ、その当時の職場がどこにあつて、年ごろは幾つぐらいの方ですか。
  208. 本多英男

    本多証人 服部君は組合の青年婦人部の委員でありました。年ごろは二十三、四の男であります。
  209. 石井繁丸

    ○石井委員 その服部という人は、三重県にどのくらいの期間出張して調べたのですか。
  210. 本多英男

    本多証人 三重県でもつてこの問題に專念したわけではないので、どのくらいの期間といつてお答えすることができないわけでありますが、服部君が行つて調べてくれたところのものは、大体このような木炭が出荷されていない模様であるということがわかつた程度であります。
  211. 石井繁丸

    ○石井委員 そうすると服部という青年部員をやつて三重県において実際に木炭があるかどうか現実に調査した。それから佐藤という人を使つて、そういうふうな金の支出があつたかどうかというふうな点等を総合いたしまして、また農林省の庁員、各方面の職員のうわさあるいは一等を総合して、三重県における一千万円の空気木炭事件が確実であるというような信念を持つて、この文書を発表するようになつたのですか。
  212. 本多英男

    本多証人 お話通りであります。
  213. 小笠原八十美

    小笠原委員長 石井委員の先刻のお尋ねは、金の授受ではありません。さつきの証言は、金を強要したということに対する証拠を持つていることを知つておるという意味でありますから……。
  214. 石井繁丸

    ○石井委員 私のは、三重県に行つて具体的に調査したかどうか。服部という者をやつた。金の点については、私は触れてないのであります。ただそういう木炭が出た点、並びに林野庁の課長その他の人と行つて、こういうふうな不正や何かの結論がくだせた、こういうことなんです。
  215. 横田甚太郎

    ○横田委員 ちよつと証人に伺います。証人はただいまも共産党員ですか。
  216. 本多英男

    本多証人 ただいまも共産党員であります。
  217. 横田甚太郎

    ○横田委員 私は共産党所属の議員ですが、証人がきよう来て証言しておられる態度は非常に不満であります。もちろん場なれがしておらないのでそうなるのでありましようが、もう少し落ちついてやつていただきたい。  第一に薪炭に不正がある。それはわかつておるのですが、国警さえも十数億の金をあれしておるのに、権力もなければ、同時に権利のないあなた方がわかるものではない。すなわちあなた方が労働組合におつて、こういうふうな不正事実があるとまで考え詰めて、こういうような文書を出されるようになつた動機を伺いたい。簡單に申しましたならば、これは不正摘発委員会がこの文書をつくられた中心になつておると言われる。その不正摘発委員会の構成、あるいは不正摘発委員会とは何かを、これからひとつ聞きたい。(「それは聞いた。」と呼ぶ者あり)それで満足したのですね。そういたしますれば、あなたが言つておられる不正の内容というのはどんなものであるか、不正の概念をもう一度聞きたい。
  218. 本多英男

    本多証人 私が非常にだらしのない態度をとつてつたというおしかりがあつたのですが、そういう失礼なところがあつたら申訳ないと思います。私が先ほど来申しておりますように、不正の概念でありますけれども、これは当然官庁行政としてなさるべき方法によつて仕事がなされないで、職権等を利用して会計等が紊乱するというものを含みます。また涜職等の問題をも含むわけであります。そのほか私たちが不正と考えておりますのは、職場における小さな業者からのつかい物であるとかいうようなものをも含めておるのでありますけれども、そういつたようなものについては、自分たちでもつて粛正することによつて、自分たちの態度、仕方を直して参るというような方法でやつてつております。
  219. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこで伺いたいのは、あなたは結論が多いのです。結論ではないのでありまして、これが不正と思う、あるいは涜職と思うという、その思うように至つた動機を聞きたいのです。  それからそれを言うにあたりまして、何もあなたの言われたことをそのままわれわれは信ずるのではない。ここは国権の最高機関である国会であります。いろいろな委員がおられるのですから、最も妥当な判断をするために、あなたが知つておられるところのものを大体吐いていただきたい。それをわれわれは判断するのです。だからあなたがこれを涜職罪だと思つておられるならば、この点においてこういうことがあつた、おぼろげながらでもよろしい、これはうわさならうわさを聞いた、あるいは既定事実なら、既定事実としてこういう事実があつた、私の考えようによつてはこれは涜職罪になるように思いますと言つてもらわぬと、いたずらに対立するだけである。だからあなたの言われる不正行為、こういうような文書にしなければならないうわさとか事実をいうものを、知つておられたら二、三伺いたい。
  220. 本多英男

    本多証人 その点につきましては、ない木炭について金を支拂つたということは、これは不正な会計の支拂いであると私は思つております。また支拂うために、ない木炭をあるように書いたのは、これは公文書偽造であると私は思つております。
  221. 横田甚太郎

    ○横田委員 ない木炭とは、一体どこの何を指すのですか。
  222. 本多英男

    本多証人 それは三重県の津の木炭事務所に出荷されていないところの十万俵の木炭であります。
  223. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこには出なくちやならないようになつてつたような証拠がありますか。
  224. 本多英男

    本多証人 木炭は、生産されましたならば、検収員によつて生産されたことが確認されるわけであります。それで検収員によつて生産が確認されなければ、その木炭があるとは言えないのであります。
  225. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは、木炭の代金として拂つた金というのは事実ですか。
  226. 本多英男

    本多証人 事実であります。
  227. 横田甚太郎

    ○横田委員 金額としては幾らですか。
  228. 本多英男

    本多証人 一千万円であります。
  229. 横田甚太郎

    ○横田委員 それはいつ頃、だれが拂いまして、それをあなたはどこで聞かれましたか。
  230. 本多英男

    本多証人 それは……。
  231. 横田甚太郎

    ○横田委員 もしあなたが、わからないのであつたらわからない、しかしこういうふうに考えて、それはあるように思つたというのならば、それをはつきり言つていただいたらいい。
  232. 本多英男

    本多証人 それは私たちの出しております文書で明らかでありますように、木炭事務所長は三月に三重県の林産燃料株式会社の支店長名義の山下重行氏に、十万俵の木炭代金として一千万円を支拂つたのであります。ところがこの木炭は全然皆無であつて、完全に空気木炭である。いわゆる空気木炭に一千万円を支拂つておるということであります。そうしてその後木炭事務所として、薪炭特別会計の破産に伴つて、右名儀上政府の手持ちになつているところの十万俵の空気木炭を、再び三重林産燃料株式会社に売りもどした形式をとつて、同会社に代金として一千万円を請求中というふうに文書をつくつておるということを聞いたのであります。
  233. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人に申し上げる。この内容は皆さんのお手元に配付してありますので、よくおわかりと思いますが、この内容の出た根拠はどこにあつたかということで横田委員から質問しておるのだから、その点をお答え願いたい。
  234. 本多英男

    本多証人 この空気木炭事件につきましては、非常に大きな事件なので、これは問題がありまして、うわさとして相当流布されておつたわけであります。それを聞きましてあちらこちらを確かめました結果として、このようなものが確実であるという確信を持ちましたので、今お手元におありになるという話でありますが、お手元の印刷物にいたしたわけであります。
  235. 小笠原八十美

    小笠原委員長 証人、何回も申し上げたが、その一番のかんじんな、あちらこちらを調査したというそのあちらこちらの内容を聞いておるのです。そのあちらこちらを明確にしていただきたいというわけです。
  236. 横田甚太郎

    ○横田委員 さつきから聞いていると、委員長が尋ねていることが答えにくいのであるならば、あなたが今言われました金を拂つた、しかも木炭代金を拂つた日にちもわかつておる。しかし実際炭はなかつたという証拠は何ですか。
  237. 本多英男

    本多証人 それは十万俵の木炭でありますならば、はつきりどこの倉庫に入つているか、また検収員もわかるはずであります。ところがそのような木炭が七月になつても生産されていないということなので、この点がはつきりしたわけであります。
  238. 横田甚太郎

    ○横田委員 それじや三重県検収員というのは一体何人おるのですか。そしてだれがするのですか。それをもし御存じだつたらお答えしていただきたい。
  239. 本多英男

    本多証人 その点は存じません。
  240. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは、検収員として行かれた人から聞かれたのではないのであるなら、金を拂つて木炭がないということを確認されたというのは、一体何をもつて言われているのですか。
  241. 本多英男

    本多証人 それは十万俵もの木炭でありますれば、どんどん生産されるに従いまして、十万俵の木炭をどんどん検収しなければならないわけであります。十万俵もの木炭であれば、生産されているかいないかということは明らかであります。それが山下さんが五月に大杉谷の一部であります父ケ谷の国有林の拂下げを申請しておるのでありますが、材積が厖大なるために、その拂下げが行われていないという結果から見ますれば、まだ木炭が全然生産されていないということも、これによつても裏づけできるということであります。
  242. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではお帰りになりましたら、この三重県の検収員なるものの名前をお調べになりまして、知らせていただきたい。その人をまた一応呼んでいただきまして、この人が受取つておるかどうかということを聞けばいい。
  243. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 私は証人のために特に一言申し上げたいと思います。  先ほど冒頭に、この文書について一切の責任を持つということをはつきり委員長並びにわれわれにお約束なすつた。しかるにその後の御答弁を聞いておりますと、このうちで、ある事実についてはやや確信があり、ある事実については、あまり確信がないという二つにも三つにも段階があるというように、私は今までの証人答弁で聞いておるのです。そこであらためて証人は、当初に言われましたように、この文書につきましては、一切の責任を持つかどうか。たとえば具体的にここに表れておりますこの関係人物等の言動につきましても、この通りであつて、これが事実であるということでなければ、この文書責任は持てないものですが、あなたは先ほどから確信ということを盛んにおつしやいましたが、かような場合には確信ということは使うべきではない。でありますから、私は念のために証人の立場を考えて、証人はこの全文について、あらためて一切の責任を持つかどうかということをお伺いしたいと思います。
  244. 本多英男

    本多証人 私の方の文書では、前文については、私は十分の責任を持てると確信しております。それから後半の問題につきましては、このように推定されておるということを文書でうたつておる通りであります。
  245. 小笠原八十美

    小笠原委員長 ちよつと証人に伺いますが、前段というのはどこまでのことを申すのですか。
  246. 本多英男

    本多証人 その文書に番号が打つてありますが、その日本数字の一、二、三、四、五であります。
  247. 小笠原八十美

    小笠原委員長 五までは責任持てる……。
  248. 本多英男

    本多証人 それが前後であります。それから後段につきましては推定として「ものの如くである」と書いてある通りであります。
  249. 小笠原八十美

    小笠原委員長 そうすると、どこから後段ですか。
  250. 本多英男

    本多証人 五は一つ行をかえております。「その後年原木炭事務所長が」云々というところから後段になるわけであります。
  251. 安部俊吾

    安部委員 証人に伺いますが、ただいま河野委員質問に対して、前段においては責任を持つが、ほかの方は推定であるというような明確な答弁がありましたが、では先ほどの委員長質問に対して、また私の質問に対してこの文書には全部責任を負うとおつしやつたのでありますが、その答弁を取消しになりますね。
  252. 本多英男

    本多証人 どうもその点が私はつきりしなかつた点で、態度も悪かつた点であろうと思うのでありますが、御覧いただきますように、後段については確定した事実としてここで認定していないわけであります。それで「うかがはれる」というようにして結んでおるわけであります。それでありますから初め委員長お話に対して、この文書について責任を持つと申しましたので、あなたの御質問と河野さんの御質問をわざわざ違えたというつもりではないわけであります。その点御了承願いたいと思います。
  253. 安部俊吾

    安部委員 ただ私の聞きたいのは、全責任を負うということを取消すか取消さぬかというのです。しかり、いなという答弁だけです。ほかの方の弁明はいりません。
  254. 本多英男

    本多証人 「背景がうかがはれる」とか、さもなければ「ものの如くである」というような意味において私は責任を持つと委員長に申し上げたのであります。
  255. 小笠原八十美

    小笠原委員長 委員長責任を持つというお答えは、この文書に対してあなたが責任を持たれるかと言つたら、責任を持つと答えたのですか。それに相違ありませんか。
  256. 本多英男

    本多証人 そうでございます。
  257. 小笠原八十美

    小笠原委員長 安部さんの言うことについては、それを取消す意思はない、こういうふうに聞いてよろしゆうございますか。委員長に対する答弁通りですか。ただ取消すか、取消さぬか、その二つのうち一つをお答えすればよいわけです。
  258. 本多英男

    本多証人 私はそういうふうに答えられないから申し上げておるので、この文書については責任を持つ、それじやいかなる責任を持つかと申しましたならば、後段についてはこれは「ものの如くである」というふうに結んでおるように責任を持つのだという点であります。
  259. 安部俊吾

    安部委員 証人は、確信を持つてこの文書を書いた、確信を持つてこの文書を発表したとしばしば答弁しておるのでありますが、先ほどの河野委員質問に対して、確信がないというように答弁されたと了解したのでありますが、この中にも公団の方におきましても調査の結果左の事実が判明した、これははつきり断言しておるのであります。こういう点につきまして、この文書に対して責任を負うか、負わぬか、いな、しかり、それだけ答えてもらえばいいのであります。どうも証人はしばしば質問の要点をはずして、他を顧みて言うような傾向があるのであります。その点をはつきしり御答弁願います。
  260. 本多英男

    本多証人 その点については、先ほどお問いになつていらつしやる中で、一つ一つの問題について具体的い答弁しておるわけであります。
  261. 安部俊吾

    安部委員 私の質問に対して少しも答弁しておらぬのであります。先ほどから具体的に答弁しておると言つておるけれども、答弁しておるところは一つもない。たとえば石井委員の、これは誘導尋問と私は思うのでありますが、各官庁の職員の氏名や職名を調査して、これを確かめたというのでありますが、その職員の名前も、あるいはどこでどういうふうに聞いたか、何日に聞いたかということもはつきりしないのであります。もしそういうことを言うならば、職員に責任を転嫁したようなふうに聞えるのでありますが、そういうことは断じて許すことはできないのであります。そういうような職員の氏名をあげなければ、証言を拒否したようなことになるのでありますが、証人は私の質問に対して、はつきりお答えを願いたいのであります。委員長質問に対して全部責任を負いますと言つたことを取消すか取消さんか、その点を御答弁願います。
  262. 本多英男

    本多証人 申訳ないのでありますが、たとえば私は名前を知つていて、それで申し上げていないということはしておらないわけであります。でありますから、知つている者の名前は申し上げた通りであります。  それから御質問のありましたところの、この文書について責任を持つかどうかというお話でありますが、この文書が書かれている通りでありますので、何々のようにうかがわれる、何々のごとくであるという意味において、私は委員長責任を持つと申し上げたのであります。
  263. 安部俊吾

    安部委員 それでは証人責任を持つと言つたことは取消さぬ、全部責任を持つ、こういうふうに言われるのです事ね。
  264. 本多英男

    本多証人 ……。
  265. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 さらに伺いますが、本日の証人の述べられたことと、この文書と非常に食い違いがあつた場合に、速記の方がほんとうであつて文書の方をお取消しになるか、それとも食い違つてつた場合には、文書が正しくて、きようの速記の方を取消すのか、どちらをあなたはとるべきであるか、これをはつきりしてもらいたい。
  266. 本多英男

    本多証人 どうもそう大して違うことでありませんので、私はむしろ私が申し上げておりますことよりも、文書の方が正しいと考えております。
  267. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 思うのでなくて、正しいのか正しくないか、どちらをとるべきかということを明確にしてもらいたい。
  268. 本多英男

    本多証人 あなた様のお話によりますと、この書面と私が述べておることと非常に食い違うというお話なのですが、私はそのようには考えていないわけであります。と申しますのは、うそを申し上げているわけではないのであ、りますからそう思つておるのでありますが、自分の速記をまだ全部見ておらないわけでありますので、そういうふうにおつしやられますならば、この書面を正しいとするよりほかには私は自信がないわけであります。
  269. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 そうしますと、先ほど公団は推定である、こういうことをおつしやいましたが、あなたは公団の事実に関して、しばしば確信を持つてお答えする、確信するという言葉を使つておられる。これは速記を見ればわかるが、公団の文書が推定ということでぼかしてあつて、一方あなたの本日の証言が確信を持つて言われているが、この食い違いをどういうふうにとつたらよいかということを、お聞きします。
  270. 本多英男

    本多証人 ありがとうございました。それでお話はわかるのでありますが、公団の問題について私が何か確信を持つてというように強調したといたしますならば、それはお手元にありますところの資料の程度において確信を持つているということでしかないわけであります。
  271. 大森玉木

    ○大森委員 私は簡單に本多証人に対してお尋ね申し上げたいのであります。「三重県における一千万円の空気木炭事件」これを見ましても、今日の時代において非常に官吏がいろいろな問題を起しているときに現われたのでありますから、もう少ししつかりした証拠を持つてなされたものと期待しておりましたところが、いろいろ各委員から質問いたされましたが、ただ一つとしてはつきりした証言をいたさない。これにはまことに私は失望いたした。あなた方の空気木炭事件というような大きな表題がおもしろいので、これを私は非常に好奇心を持つて見た。ところが現在の証人証言からずつと推して行きますと、どれをとつていいのかわからない。  次に私はお尋ねいたしたいのは、林野庁長官三浦氏が生原氏を強要して一千万円の支出をさしたというような問題、そしてそのあとには「山下重行氏は昨年末農林大臣周東英雄氏に、三重県大杉谷の開発計画を申し出で四千万円の資金を獲得せんとした。」そこでこれをわれわれは本政府をなしているところの民自党の大きな問題として取上げるべきかと考えて、実は先ほどからいかなる証言をなされるかと私は聞いておつたのであります。ところが文書に現わしてあるごとく、推定のような、こういうものを書いてやられることは、つまりわれわれは検事でもなければ、その機関を持つていないゆえに、この機関によつで調査をしてほしいというような意味ではないのですか。そういう点を私ははつきりとお尋ねしておきたい。われわれは調査できないから、何かの機関によつて調査してもらいたい、こういう公団の一つの話を聞いたのだというようなことを、ここに現わしたように承るのでありますが、この点はどうでありましようか。
  272. 本多英男

    本多証人 初めのお話空気木炭事件というのは、非常にふまじめな言葉のようなお話でありましたけれども、検収員が山にありましたままの、まきに切つていないのを、それをあたかも実在しているまきであるという場合には、これをからすまき、からすがとまつている木だからからすまきだというように言つているわけであります。それで空気木炭と言いますのも、から供出木炭空気木炭と呼びならわしておりますので、このような言葉を使つたのでありまして、一千万円のから供出木炭事件があつたということを、言葉をそのままに書いたので、私たちは決して奇をてらうという意味でしたのではないのであります。  次の御質問ちよつと忘れましたので……。
  273. 大森玉木

    ○大森委員 二番目の問題は、それでは申し上げるが、林野長官三浦生原強要して一千万円を支出させたということをここにうたつてある。この強要をいたしたということは、はつきりとどなたにお聞きになつたのか。先ほどからいろいろお聞きになつているから、重複するようでありますが、これを聞いてさらにあとにもう一言お聞きしておきたい。
  274. 本多英男

    本多証人 その点については、先ほどどなた様の御質問であつたかにお答えしたのでありますけれども、木炭事務所長が一千万円のから供出のものを支拂うことはできないのでありまして、これを拂うということになりますれば、上司に相談をしなければならないわけであります。そして上司に相談して、上司がこれを出すということはあり得ないのであります。それをなおかつ生原氏が出すということは、その裏には強要されたという事実があるのであるということなのであります。たとえば三重県の大杉谷の森林開発の問題でありまするけれども、これにいたしましても、相当の資金なしには奥地開発はできないのでありまするが、これが申請されているということは、一体いかなる資金によつてなされるかという点から見合せましても、その問題とこの問題とは関係が十分あり得る。でありまするから、この問題は事実であるというふうに私は考えているわけであります。そして私どもはもちろん本問題が、あなた様が言われておりますように、農林委員会におきましても、あらゆる部面でもつて十分調査していただくことを望んでいろわけであります。ひとつお取上げいただきたいと思つております。
  275. 大森玉木

    ○大森委員 私がお尋ねするのは、ここに「周東農林大臣は四千万円の支出山下に約束し、それを木炭会計より支出すべく決意した模様」であつた。あなたの言われるのは「模様」であつた。それでそれを林野長官に命令をした。林野長官は最初はこれになかなか賛成しなかつた。しかしながら数回にわたつて某所へ案内して、そうして一室で話をした。そして強要した。遂にその一千万円を出すことに決意した。こういうことを書いてあるのでありますが、あなたは、これらに対しては、「安定本部内の一室で」とあるのだから、大体おわかりになるでしよう。どういう一室であるか。それから「数回にわたつて某所」へ案内をした。こういうことで、遂にはやむを得なくて賛成することになつた三浦長官も賛成することになつた。こういうことになつておりますが、これはどうですか。あなたが安定本部の一室というのは、どこか。そしていつどういう人と会つたのか。こういう点をはつきりしておきたい。ここまで言う以上は「数回にわたつて」とまであるのでありますから、これを御存じないということになると、あなたの言われることは全部うそだということになります。そういうことではあなたせつかく書いたものは全部うそだ、空書だということになるとたいへんであります。これは何月何日、どこそこにおいて、何回強要したなら強要したということを、はつきりしておく必要がある。それなら私どもはこの問題に対しても双手をあげて賛成し、そして現内閣の問題、自由党の大問題として取上げる。しかしながらあなたの今言つていることには、そういうことは一つもない。私ども聞いておつて実に遺憾に思う。しかも共産党の党員であり、しかも執行委員であるというなら、いつもあなた方はそういう空白な事件を壁新聞に書きつけているから、こういうことを書くのだろうと思いますが、はつきりしなさい。
  276. 本多英男

    本多証人 私は共産党員としてこのことをしているのではありませんし、これは農林省の組合員としてやつているわけであります。議長が私の党籍はどうかとお聞かれになりましたので、私はたまたま答えただけでありまして、これは共産党と関係あることではないのでありまして、その点ははつきりしておかなければならないと思つております。  その次にこの問題は、三浦林野長官が、多分決算委員会であつたと思いますが、このから供出の事実があつたということをすでに認めているのでありまして、これが全部うそだということは、私は言えないのであります。それははつきりした事実であります。ただ最後にお話になりましたところの、某室は安本の何号室かという点、何時であるかという点については、わかつておりますればむしろ私はこれははつきり書くのであります。わかつていないために書いておらないのだということは、初めのころに申し上げた通りであります。しかしながらそうだからといつて、これが全部うそであるということには、すでに三浦長官がお認めになつているのであるから、ならないと私は存じております。
  277. 大森玉木

    ○大森委員 私はより以上聞きませんが、最後に一つ申し上げておきたい。この問題はもはや考査委員会でも調査している問題であるから、こういう者から事新しきがごとく、何か宣伝がましくこういうふうにやることはどうかと思う。やるなら私ははつきりした事実をつかみたい。そうでないと、先ほど共産党の横田君が言われたように、最高立法府、国の最高の機関であるところの国会が、こういうふうなことで一日暮してしまつては、何の価値があるかということになるので、この点を申し上げておきます。
  278. 小笠原八十美

    小笠原委員長 それではこれ以上本多証人に御質疑はありませんか、なければこれで終りました。御苦労さまでした。  三浦濱田証人に申し上げますが、時間も大分遅れましたので、明日午前十時より委員会を開き、証言を求むることに決定いたしましたので、はなはだ恐縮ですが、明日午前十時に本委員会に御出頭をお願いいたします。  次会は明二十二日午前十時より開会することにし、本日はこの程度において散会いたします。     午後五時十二分散会