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1949-11-18 第6回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十八日(金曜日)     午後一時三十二分開議  出席委員    委員長 鈴木 明良君    理事 青木  正君 理事 江花  靜君    理事 小川原政信君 理事 丹羽 彪吉君    理事 鈴木 義男君 理事 苫米地義三君    理事 木村  榮君 理事 船田 享二君       奈良 治二君    黒田 寿男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 本多 市郎君  出席政府委員         行政管理政務次         官       一松 政二君         行政管理庁次長 大野木克彦君  委員外出席者         專  門  員 龜卦川 浩君         專  門  員 小關 紹夫君     ————————————— 十一月十七日  恩給法臨時特例改正に関する請願大橋武夫君  紹介)(第四一九号)  同(塩田賀四郎紹介)(第四二〇号)  同(福井勇紹介)(第四九四号)  同(千葉三郎君外一名紹介)(第五六〇号)  同(關谷勝利君外七名紹介)(第五七〇号)  同(千賀康治君外一名紹介)(第五七一号)  同(坂田英一君外一名紹介)(第五七二号)  同(有田喜一紹介)(第五七三号)  同(山本猛夫紹介)(第五七八号)  同(佐々木更三君紹介)(第六〇八号)  同(安部俊吾君外四名紹介)(第六〇九号)  同(瀬戸山三男君外一名紹介)(第六一〇  号)  同(志田義信紹介)(第六一一号)  同(神田博君外十名紹介)(第六一二号)  同(江崎真澄紹介)(第六六五号)  同(岡田五郎紹介)(第六六六号)  同(川野芳滿紹介)(第六六七号)  同(佐藤榮作君外二名紹介)(第六六八号)  同(周東英雄君外二名紹介)(第六六九号)  同(山本利壽紹介)(第六九二号)  同(島田末信紹介)(第六九三号)  同(中馬辰猪君外二名紹介)(第七一三号)  同外一件(三池信君外二名紹介)(第七一六  号)  同(大上司紹介)(第七八八号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第七八九号)  同(圖司安正君外三名紹介)(第七九〇号)  同(稻田直道紹介)(第七九一号)  同(松浦東介君外五名紹介)(第七九二号)  同外一件(田中織之進君紹介)(第七九三号)  恩給法の一部改正に関する請願並木芳雄君紹  介)(第四九五号)  同(松岡駒吉紹介)(第六二三号)  同(中島守利紹介)(第七九四号)  同(門司亮紹介)(第七九五号)  水産省設置に関する請願外一件(小高熹郎君紹  介)(第七八二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  行政整理に関する報告聽取  行政審議会整理に関する件   請願  一 恩給増額請願福井勇紹介)(第三八    三号)  二 中央出先機関全廃促進請願川野芳滿君    紹介)(第三八七号)  三 恩給法臨時特例改正に関する請願(片岡    伊三郎君紹介)(第四〇三号)  四 同(三宅則義紹介)(第四〇四号)  五 同(鍛冶良作君外一名紹介)八第四〇五    号)  六 同(岩本信行君外九名紹介)(第四〇六    号)     —————————————
  2. 鈴木明良

    鈴木委員長 これより会議を開きます。  本日の日程は、行政審議会整理に関する件、行政整理に関する報告聽取の件及び請願審査であります。まず過般施行せられました行政整理に関する報告政府より求めたいと思います。国務大臣本多市郎君。
  3. 本多市郎

    本多国務大臣 前国会で御決定いただきました定員法による行政整理は、九月末日をもつて最初方針通りに完了いたしたのでございます。御承知のように定員においては約二十四万の縮減をいたしましたが、実員整理は欠員が相当ありましたことと、配置転換が全面的には不可能な性質のものもありましたために、実員退職者は約十六万二千人になつております。なお数について詳細必要でありましたならば、政府委員から説明させたいと存じますが、この機会に微力な私が無事この難事業を完遂し得ましたことを厚く御礼を申し上げます。
  4. 鈴木明良

    鈴木委員長 御質疑はございませんか。
  5. 青木正

    青木(正)委員 ただいま本多国務大臣から、先般行われました行政整理の御報告を承つたのでありますが、これに関連いたしまして、若干の点をこの機会にお伺いしたいと思うのであります。  まず第一点といたしまして、前回行政整理は御承知のごとく現業二割、非現業三割という基準でありまして、もちろん事務繁閑により、それに適当の考慮を加えて行われたのであります。しかしながらあの当時いろいろ政府からも、またわれわれも申し述べたのでありましたが、本来行政整理がああいつた天引式なもので正しく行われるかどうかという点につきましては、相当疑問があるのでありまして、当時政府におきまして、もちろん事務繁閑に対し考慮を加えたものの、大ざつぱに言えば、やはり天引整理が行われたものと私は存じます。従いましてその後の官庁事務運営方法等から見まして、ある部面においては多少の行き過ぎた点もあるかとも思いますし、またある部面におきましては、なお整理の不十分という点もあると思うのでありますが、こういう見地からいたしまして、私ども前回行政整理行政整理といたしまして、さらに進んで、根本的にもう一度再検討を加える必要があるのではないか。ことに御承知のごとく、その後いろいろな統制事務が逐次整理されて参つたのであります。その統制事務整理に伴う行政整理という面も、だんだんと出て来ると思います。こういう両方の観点からいたしまして、政府において次いで第二回目の行政整理を行う御意思がありますやいなや。またそういう御準備をなすつていらつしやるかどうか、また行うとすればその時期はいつごろのお見込みか、まずその点を第一点として伺つておきたいと思うのであります。
  6. 本多市郎

    本多国務大臣 お話のごとく、先般の行政整理が必ずしも完全無欠であつたとは言いがたいと思いますので、その点に対する研究調査はさらに続けておるのでありまして、これも結論が出ましたならば、今度の通常国会には是正すべき点があれば是正したいと思つてせつかく努力中であります。なお今後の行政整理につきましては、ただいまお話のありました統制事務の減少に伴う機構人員縮減ということは、ぜひやつて行きたいと考えております。さらに行政制度審議会でもただいま研究中でありまして、根本的な機構改革の問題についても、さらに合理的な結論が得られましたならば、それを実現して行くように努力いたしたいと考えております。ただ第二次の行政整理としてやるかどうかという点につきましては、先般のような一般的な行政整理という計画は、ただいま持つておらないのでありますけれども、ただいまもお話のありました通り、でき得る限り機構人員縮減して行きたいというのが政府方針でありますので、事務合理化簡素化のなし得られる限度において常時努力を続け、また結論を得られた点からこれを実行して行きたいと考えております。
  7. 青木正

    青木(正)委員 ただいまのお話で大体のことはわかつたのでありますが、行政制度審議会の方の結論は、大体通常国会にお問に合いになるお見込みかどうか、その点を承つておきたいと思うのであります。  それからさらに進みまして、これも行政制度審議会の方の問題と思うのでありますが、大臣もおつしやつたように、統制事務整理に関連して、機構改革も相当大幅に行う必要があるのじやないかと思われるのであります。先般の国会におきまして各省設置法が一応できたのでありますが、あの各省設置法につきましても、行政制度審議会模様いかんによつては、さらに全面的に再検討を加える必要も起つて来るのではないかということも考えられるのでありまして、そういつた点についての政府のお考えを伺いたいと思います。
  8. 本多市郎

    本多国務大臣 行政制度審議会の答申は、通常国会前になされることを政府は期待いたしまして、でき得る限りこれをせわする管理庁としても、御協力を申し上げておる次第であります。さらに各省設置法機構を全面的に再検討をして、根本的な機構改革意思はないかというお話でありますが、この点について行政制度審議会結論も得た上で、考慮いたしたいと考えておるのでございます。
  9. 青木正

    青木(正)委員 中央の問題はその程度といたしまして、次に地方関係でありますが、都道府県並びに市町村における行政整理については、大体中央から基準を示して、それによつてやつたことと思うのであります。その地方における整理概況政府委員の方からでも御説明願いたいと思います。
  10. 本多市郎

    本多国務大臣 地方行政整理は、政府からこれを強制する法律上の根拠もありませんし、またそうすべきものでもないと考えまして、でき得る限り政府基準に準じてやつてくれるように協力を求めましたが、中には今回の行政整理に積極的でなかつたと思われるものもありまして、さらに政府は今後もそういう趣旨で推進して行きたいと考えております。その結果、最初庶幾しただけの数の整理は、実現されておらないように考えておりますが、その数については政府委員からお答えを申し上げます。
  11. 大野木克彦

    大野木政府委員 市町村の方はよくわからないのでございますが、大体都道府県におきましては、今回整理された数は、多少の移動はあるかもしれませんが、全体で概況七千五百十八人実際整理されたように出ております。定員としては、全体で旧定員都道府県合せて二十七万八千二百四十九人で、新定員が二十三万八千五百四十九人、約四万人ばかりが定員において落されております。正確に申しますと、その差が三万九千七百人であります。
  12. 青木正

    青木(正)委員 政府委員ちよつと承りたいのでありますが、これはいつ現在になつておりますか。たとえば私埼玉県でありますが、埼玉はたしか十月県会定員をきめておると思うのであります。おそらくまだ全部整理が済まないために、今出ている数が七千人という数字になつておるのではないかと思うのであります。その点をちよつと御説明願いたい。
  13. 大野木克彦

    大野木政府委員 これは十月一日現在の報告によつたのでありますが、埼玉県においては、旧定員は……。
  14. 青木正

    青木(正)委員 整理未済の県があるという意味ですか。全部が一応整理はできておるということでございますか。
  15. 大野木克彦

    大野木政府委員 合同の整理は一応九月三十日までに終るということを予定されておりますので、これは十月一日現在でありますが、なお若干未報告のところが七県ばかりございます。
  16. 青木正

    青木(正)委員 この点は中央でおわかりにくいと思いますが、市町村の方の点は不明だというお話でありましたけれども市町村の方の吏員について、たとえば埼玉県の方は、人口二千について吏員十二名でありましたか、千人以上は幾らというような一応の基準を示しまして、それによつて市町村吏員数を調整するようにやつておるのであります。こういうことは全国的におやりになつておるのかどうか。またあるいは私の県限りで、府県の長においてそういう基準を示したものであろうか。その点をちよつとお尋ねいたします。
  17. 大野木克彦

    大野木政府委員 先ほど大臣からお述べになりましたように、中央といたしましてはただ一応の方針を示したのであつてあとはそれぞれ各府県においてやつているかと思います。
  18. 青木正

    青木(正)委員 今度は出先機関の問題でありますが、地方出先機関は当時いろいろ分局を設けるとか分室にするとか、その身分については官吏として、その長は地方庁監督下に置くというようなお話があつたのでありますが、出先機関整理につきましては、従前から地方庁において相当熱心な希望もあつたようないきさつもありますけれども、その後どうなつておるか、この点もあわせてお聞きいたします。
  19. 本多市郎

    本多国務大臣 出先機関をでき得る限り整理し、さらに適当なものは地方に委譲するという方針をもつて設置法を御決定願つたのでありますが、この設置法を御決定いただきましたときにきまつただけのものは、その通りに解決いたしておるのであります。またその当時分室を設けて暫定的に残すというので懸案になつておりましたのが、運輸省道路運送監理事務所と通産省の通産局出張所であります。このこ二つは一時分室を設けたのでありますが、その後研究いたしました結果、やはり最初方針通り地方に委譲するという方向へ努力すべきであるという意見に基きまして、分室廃止して、地方都道府県にこれを移管いたしたのであります。これが実現いたしましたのは十一月一日からでありまして、今日においてはこの二つ機関都道府県知事のもとに統一的にその事務が行われております。但しこれに携わつておりました職員については、官吏たる身分によつてこれを処理せしめることになつておりますので、身分お話通りでありますが、この二つ機関はただいま申し上げましたように処理されております。
  20. 青木正

    青木(正)委員 地方出先機関に関しましては、前にもいろいろ御意見があつたのでありますが、非常に出先機関が多いために、実際に地方の方々はかえつて迷惑を受けているという点もありましたし、また都道府県等におきましても、行政上やりにくい点があるというようなこともあつたのでありますが、私どもの調べたところによりますと、また相当地方出先機関は多いように考えるのであります。出先機関の数並びにその出先機関に働いている職員の数、及びその出先機関の所要の経費というようなことについて、政府委員でおわかりであれば、お答え願いたいと思います。
  21. 大野木克彦

    大野木政府委員 ちよつとただいまその資料を持つておりませんので、調べまして御報告申し上げます。
  22. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいまお話の残存する出先機関について、さらに廃止あるいは地方へ委譲すべきではないかという御意見につきましては、政府もまつたく同じ方針をもつてただいま調査中でございます。
  23. 青木正

    青木(正)委員 私どもの手元にあります資料によりますと、出先機関がとにかく非常に数が多いのでありまして、四万幾つというような数になつておる。その中にはもちろん存置せねばならぬ機関もあるのでありますが、中には統制事務廃止等によつて相当整理の可能なる機関もあると思うのでありまして、その点はさらに一段の御検討をお願いしたいと思うのであります。  なおいろいろ行政整理あと模様について私ども承るところによりますと、まず役所の方が整理によつておやめになる、または機構簡素化される。ところがそれにかわるのに、法律によらない官制も何もない委員会であるとか、あるいは外郭機関を設けて、そうしてその退職した役所の方がそこへ納まるというような傾向もなきにしもあらずという話も承つておるのであります。これはあるいは次の議題になつて来るかとも思うのでありますが、この委員会とか審議会、そういつたものの現在あります数等がおわかりになりましたらお聞かせ願いたい。
  24. 本多市郎

    本多国務大臣 行政整理による退職者を吸收する目的で審議会調査会等が設けられたということは、まだ私のところでは判明いたしておりません。そういうふうなことはなかろうかと思いますが、審議会等が現在どれくらいあるかと申しますと、ただいま調査して判明いたしておりますところでは、審議会審査会協議会調査会等の名前のついたものが、法律上認められているものあるいは法律根拠を持たないもの等をひつくるめまして二百九十八になつているかと思います。それらの委員の数は約七千であります。これに要する運営費用が約一億と考えておりますが、その数の詳細は政府委員から説明いたさせます。
  25. 大野木克彦

    大野木政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、審議会等の現在あります数は二百九十八でございます。これを法律によりますものとしからざるものとにわけますと、設置法等によりましたものが二百三十九、それから閣議省議等法律によりませんものが五十九でございます。それから委員の数は全体で七千四十一人であります。
  26. 青木正

    青木(正)委員 費用は……。
  27. 大野木克彦

    大野木政府委員 費用総計は約一億でございます。と申しますのは、委員会だけというのもあり、またほかにまじつているのもございまして、詳細はちよつとすぐに判明いたしかねますが、大体のところ、約一億であります。
  28. 木村榮

    木村(榮)委員 行政整理が完全に行われたと御報告をなさつたわけでありますが、その後の状況を見ますと、たとえば九月十日の時事新聞報道によれば、各省が二十五年度予算において総計八万三千の増員を要求して来た。それに対して池田大蔵大臣は自粛を要望いたしまして、ここに書いてあるのを見ますと、外務、大蔵両省を除いたほかの各省からは猛烈な増員要求があつて、たとえば通商産業省の方は今回の二千百人の整理に対し、明年度は約七千人の増員を要求している。農林省整理人員四千三百一人に対して、二千三百人の、特に食糧関係の方面の増員を要求している。こういつたような報道をしておる。ところが一方本多国務大臣お話だと、ことしの十月十六日の朝日新聞報道では、定例閣議審議終つた明年度一般会計によつては、各省人員の増減は差引合せて二千人の増加となつてつて、これは国税庁関係にも増員が見込まれておるといつたふうなことを言い、またこれを裏書きするように十月十九日の時事新聞報道によれば、池田大蔵大臣国税庁関係では千五百名の増員を考えている。こういうふうに言つているかと思いますと、吉田総理大臣は、十月二十日の読売新聞報道によれば、定員法は厳守しろ、かえではいかぬ。こういつたようなことが報道されている。こういうものを私たちが見ますと、一体定員法によつて整理されたあと行政上のいろいろな問題に定員法によつて行政整理というものが、ほんとう各省行政を円滑化し、国民大衆に大きな利益を與えるためにやられた点よりも、むしろ政治的な意図でやられた点が多いのではないかといつたような疑いを持たざるを得ないわけですが、一体こういう各新聞記事報道はうそであるか、あるいはこれがほんとうとすれば内部的にはきわめて不統一ではないか、こういうふうに考えますが、その辺はどのように御解釈になつておりますか。
  29. 本多市郎

    本多国務大臣 政府機構人員縮減という方針を持つているのでありまして、そうした方針に基いて、さらに研究を進めておるのであります。来年度の定員等についての結論については今調査中でありますので、通常国会には御報告できようと思います。新聞にいろいろ出ているということでありますが、その新聞報道一つ一つについてここに御説明申し上げられませんけれども、やはりさらに縮減方針を進めて行くということに御了承願いたいと思います。
  30. 木村榮

    木村(榮)委員 それでは政府の考えている行政整理というのは、絶対ふやすことではなくて減らすことだ、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
  31. 本多市郎

    本多国務大臣 これは合理化して行くと御了承願いたいと存じます。でありますからぜひ必要な職員をむりやりに縮減するとか、あるいはぜひ必要な新規増員を絶対に認めないというのではありません。しかしでき得る限り、また国力に相応する機構人員に持つて行くためには、縮減して行くという方針が適当であると考えております。
  32. 木村榮

    木村(榮)委員 そこでお尋ねいたしますが、たとえば明年度予算の大綱を見ますと、公共事業費といつたようなものは、昨年度から見ては大幅に上つておる。そこで失業対策をきめて、たとえば災害復旧問題、あるいはまた農地復旧の問題が問題になると思う。当然これは農林省関係あるいは建設省の関係とか、その他各省関係があることと思いますが、そういつた面においては、予算上に大きくかわつて来た関係上、人間も今までのような定員ではなかなかやつて行けない面も出ると思うのですが、そういつた面は御考慮されておるわけなのですか。
  33. 本多市郎

    本多国務大臣 これは予算の金額が大きくなつたから、必ずそれに比例して人員をふやすという性質のものばかりではなかろうと思いますので、合理的に配置されて、そして支障なくやつて行けるように調査して決定いたしたいと考えております。
  34. 木村榮

    木村(榮)委員 そこで政府の方で出しております税務署官吏増員というのは、池田大蔵大臣の御意見本多国務大臣の御意見もこれは一致していますが、本多国務大臣お話では二千人、池田さんは千五百人と言つております。またどつちにしても首切りの大将の方がよけい言つておるくらいなのすから減ることはないと思いますが、一体税務署だけをふやすということになると、今度はシヤウプ勧告案税制機構簡素化され、所得税も減税して国民の負担は軽くなるといつたようなことが盛んに言われますが、税制簡素化されて、しかも来年度は円滑に行くということになれば、税務署官吏は減少するのが当然の現象であつて、ふえるというのは常識に言つてどうしてもおかしいと思うのですが、一体なぜ税務署機構だけは千五百人も増員しなければならないことになるのか。
  35. 本多市郎

    本多国務大臣 国税庁職員を増加するということを言つたことも覚えがありません。お話通りでき得る限り縮減できるところはさらに縮限して行きたいと考えております。
  36. 木村榮

    木村(榮)委員 それではその点では池田大蔵大臣本多国務大臣とは意見が対立している、こういうふうに解釈してさしつかえないと思いますが、そこでたとえば政治的な意図では一つもやつていないということを政府はたびたび言明されておりますが、一例をあげますと、これは静岡県の湊病院という肺結核患者療養所なのですが、ここでは首切りが行われた。しかもその中ではレントゲン技術者が三名—三名といつても全部です。これが首切られておる。しかもこれが全部共産党所属である。ところが驚いた院長は、患者がこしらえております自治会の代表や、あるいはまたこの病院事務系統の方と厚生省に行つて、さようなことをしてもらつて結核療養所レントゲン技術者が二名もいないというようなことでは問題にならないじやないかということで陳情に行つたところが、たいへんひどくしかられてとうとう帰つた。尾行までつけて帰つて来たということが報告されております。しかも今度はこれに対して患者がさようなことでは困るといつて反対をいたしましたところが、十三名の結核患者がまたなおつてもいないのに、お前たちは反対した、けしからぬというので強制退院さしたといつたようなことが現に起つておるわけなのです。だから本多国務大臣は御存じではないかもわからぬが、末端においてはこのようなことがたくさん起つておる。特に全国国立療養所などを見ますと、百三十七名のものが首切られて、そのうち九十名は共産党員である。これが第一次。第二次には四十六名が首切られまして、全部が共産党員である。しかも第一次に首切られた九十名の者もあとの者もほとんど組合のためにいろいろな活動をしたということである。事務系統人たちや技官やあるいは看護婦といつたようなものもやつておるのですが、こういう問題に関して現に現われた点は、もしこれが不当な労働行為であつたというような場合は撤回される御意思はございませんか。
  37. 本多市郎

    本多国務大臣 不当だという事実があれば、これは是正しなければならぬと思いますが、各省人員配置については、それぞれの職種による合理的な構成をいたしまして、支障のない態勢のもとに人員を定め整理したのでございますから、ただいまお話のようなことは起るはずはないと考えております。
  38. 木村榮

    木村(榮)委員 これは一々申し上げましても非常にたくさん例があるので、たとえば全逓の中に特に工事関係が多いと思いますが、鉄道にもある。国鉄の方にも首切つたあとがうまく行かぬというので、今度は首切つた連中を臨時雇いにして雇つているというような例がたくさんある。これはむろん定員法のうちには抵触しませんが、実際は昔と同じ前の形態で、公務員ではなく臨時雇いというかつこうで、実際公務員でやつたことと同じ仕事を現にやつている例が全国にたくさんある。そういつたことを考えますと、首切りそのものが決してほんとう行政簡素化し、そういつた面費用を節減いたしまして、国家財政のために貢献さすというような面ではないと思うのでありますが、その裏づけとなつて最初私が申し上げたようなことで、今ごろの政府の言うこと、新聞が書いておることはみなうそだというようなことにだんだんなつてしまいます。至つて今の新聞は権威がなくなつてしまつたから、問題ないといえばそれまでですが、日本の国民の大部分の新聞を読む者は、まだまだ新聞に書いておることはみなうそだというようなことは思つていないと思うのですが、そういうことを考えますと、結局うまいことを言われても、今度の行政整理というものは、きわめてでたらめな点を末端においては暴露していると思うのですが、こういつた責任は、少くともその一番大もとであつた本多国務大臣が、この際明確に御答弁なさつて、今日新聞記者のお方もたくさんおいでになつておると思いますが、うそを書いてもらわぬように、うそだということになつているのですが、この点をはつきり明確にしていただかないと、これは新聞社の権威のために、この首切りの問題に対して言つておかないと……。
  39. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいま御質問の中で、整理はしたけれども臨時雇い上げの者が非常に多くなつて、国家的に経済的ではないという御意見がありましたが、これは臨時雇い上げと申しましても、それぞれ予算上の制約があることでありまして、そのために特に予算を増加したということもございません。定員法は御承知通り、常時勤務する者を定員とし、時期的に特に人手を要するような場合、臨時雇い上げをもつてつてつて行くという制度が認められておるのでありますから、そうした性質の仕事には、時期的に臨時雇い上げの者も増加する場合もあろうと思います。ただしかしこれがもしも整理した人たちに同情のあまり、臨時雇い上げを多くし過ぎたとか、あるいはまた常時勤務する国家公務員にぜひともやらせなければならない性質の仕事を、臨時雇い上げの人間にやらせるというような、仕事上のむりから臨時雇い上げがふえておるというようなことでありましたならば、定員法の精神に反することでありますから、そうしたことは調査いたしまして是正して行きたいと考えております。新聞報道が正確であることは政府としても希望するところでございます。
  40. 木村榮

    木村(榮)委員 この地方公共一体の公務員整理については、政府はさつき一定の方針を立てておるとおつしやつておりますが、そのように解釈してさしつかえございませんか。
  41. 本多市郎

    本多国務大臣 方針と申しますと、法律上拘束するような意味の方針ともとれるかと思いますが、各地方公共団体に対しまして、政府行政整理基準に準じて整理行つてもらいたいということの協力を求めた次第でございます。
  42. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、方針ではなくて勧告、勧奨という方向と解釈していいわけですか。奨励したということになるわけですね。
  43. 本多市郎

    本多国務大臣 さようでございます。
  44. 木村榮

    木村(榮)委員 それでもし奨励いたしましても、県庁あるいは市役所なんかにおいて一人も首切りの犠牲者が出なかつたというような場合はどうなるのですか。出さぬと処罰されるのですか。処罰まではしますまいが……。
  45. 本多市郎

    本多国務大臣 これは法律をもつて政府方針に準ずるように強制することは、自治制に対する行き過ぎた干渉になるということも考えまして、これに協力してやつてくれるようにということをこちらから求めたのであります。その結果やらなければどうなるか、別に処罰する方法はありませんが、しかし今日の地方自治体の財政状況から考えまして、政府はこれに協力を求めて行くことは適当であると思いますので、やつてくれないところにはさらにやつてくれるように推進して行きたいと思つております。
  46. 木村榮

    木村(榮)委員 そこでその勧奨もけつこうだと思いますが、とんでもない勧奨をやつてもらうとたいへん困る。これは私の県の島根県の県庁で起つたことなんです。財務課の職員が十六名おります中の四名首切られました。その四名のうち三名は相当長年の間県庁の財務関係の仕事をやつておりまして、この人間が財務課におらぬと、なかなかおまく行かないというような人間なんです。それを首切つた。切るということに対しては財務課の課長も反対をいたしまして、私は首切つてもらつては困るということを総務部長の方に申し入れたが、総務部長はいや至上命令で切らなければならないということで切つてしまつた。たまたまその切られた三名とも共産党員であつた。ところが切つてしまつたはいいけれども、さつそく県で県民税とかいろいろな税をとらなければならぬ。また昭和二十五年度の県の予算を組まなければならない。税金もいろいろやらなければならぬ大事なときですから困つてしまつた。それで一箇月間も表面上は月給をもらわないという建前にして毎日出る。そうして表面上は手伝つてもらうということで、財務課のほかの者が金を出して、まあ事務の引継ぎを教えてもらうということになつておるわけです。現にそういうことをやつておる。まさかみんなが出すのじやないでしようが、何しろそういう現象が末端機構に起つておるのですが、これは相当大きく問題になつて来まして、今労働委員会に提訴いたしまして、労働委員会でもこれは労働関係法の違反であるというので、現在労働委員会の問題として調査しておるわけです。こういつたことがどんどんあるわけなんです。一体勧奨なさる方針はどのような文書でお出しなさるのですか、各省別に強力な省令とかなんとかいうものをお出しなさるのですか、それとも書簡的な程度のものなんですか。どのようになつておりますか。
  47. 本多市郎

    本多国務大臣 政府としては公共団体の吏員の問題で退職を求めたことはありません。そこはよく御了解を願いたいと存じます。協力を求めました方法は、政府で決定いたしました方針を示して、これに準じて行政整理協力をしてくれるようにという文書をもつて協力を求めたのであります。
  48. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、末端機構においては文書で協力を求めたものだから、何ら法的な根拠はないわけですね。
  49. 本多市郎

    本多国務大臣 法律上強制したものではありません。
  50. 木村榮

    木村(榮)委員 小澤逓信大臣—今度は名前がかわつておりますが、あの小澤さんのお話だと、郵政省関係でも電通省関係でも、今度の行政整理をやつた結果、その後においての状況を判断いたしまして、再採用ということを考えておるといつたようなことを御発表なさつていますが、特に現業の多い郵政省関係、電通省関係そのほか農林関係、それからまた国有鉄道関係といつたようなものは、相当再採用、並びに新しい年度におけるところのこの前通通いたしました定員法を修正しなければならない段階に来ておると思いますが、その点は御考慮なさつているのですか。
  51. 本多市郎

    本多国務大臣 再採用の問題と定員法改正の問題は別かと思いますが、退職した者の中で適任者があつて定員の範囲内において欠員の補充等に充てるということを、任命権者の逓信大臣が考えられるということは、さしつかえなかろうと思います。さらに逓信関係において、定員法を改めて増員する必要がありはしないかというお話かと存じますが、この点につきましては調査中でございます。
  52. 木村榮

    木村(榮)委員 さつき御報告なさつたように、今度の定員法において約二十万近い人たちが実際には首を切られておるわけなのですが、大体この方たちが法によつて定められた失業手当というものを受取つて、これがなくなつて来る時期は、来年正月から二月、あるいは三月まででするそういたしますと、相当これは生活上大きな問題であつて、再採用の形とかあるいはまたその他の企業体にどんどん吸收されて行けば、またけつこうなことだと思いますけれども、そういつた点で大きな社会的な悲劇を生む時期が、首切り直後にあるのではなくて、来年の二、三月ごろになればいよいよその問題が深刻な問題になつて来るというふうに私たちは見ておるわけです。これに対して政府は特に今度の定員法によつて首切つた君たちには、何かそういつた点で特別な考慮を拂つてやるというような御考慮は、今のところないのでありますか。
  53. 本多市郎

    本多国務大臣 失業対策のために定員を増加するという考えはございません。
  54. 木村榮

    木村(榮)委員 これはこの前の委員会でも私たちが論議いたしましたように、非常に特殊な形態だと思います。あの場合は国家公務員法も無視され、その他いろいろ法的に保護された点が無視されて、特殊な首切りをやつたわけであります。でありますからこれに対し、特に保護方法を考えなければならない。あのときは鈴木労働大臣の話だと、いや失業保険法によつて保護されて行く。その後輸出産業の方に大体全部吸收する方針だから、決して社会的に大きな不安を與えることはない、こういつた御答弁であつた。もしそういうようなことであれば、当然政府としては何かの措置をとらなければならないと考えておる。そういつた答弁を本多さんは言われなかつたかもしれないけれども鈴木労働大臣ははつきり言われた。ところが現に輸出産業に吸收すると言われましても、その逆に中小工場などはどんどんぶつ倒れて失業者もどんどん出る。私の町は小さいいなかの町で、昭和初年の大恐慌のときといえども、職業紹介所みたいなところに職を求めに行つた者はなかつた。ところが現在は毎朝二百人ないし三百人の人間が、朝の三時前からそこに長蛇の列をつくつて、就業票をもらうために順番を待つている。そしてその就業票をもらうとそれによつて一日七十五円の金がもらえるのでありますが、その就業票はきよう使うのではなくて、あしたのやつだ。しかもその就業票がおかしなことにプレミアム付で困つている者に売られて行くといつたような悲惨な現象まで呈している。いなかの町では二百人から三百人くらいの職工をかかえていれば一番大きい工場ということになるが、私の町の一番大きい中村造船所という二百五十人も職工を使つている工場でさえも、つい十日ほど前ですが、百五十人くらいの人間が首切られている。半分以上やられてしまつたわけだ。こういうような悲惨な状況のもとにある。従つて政府が言われる就業するであろうなどということはナンセンスだ。私はこの冬から来年の春にかけて、非常に大きな悲劇が日本の各家庭において生れる危険性があると思う。これに対して当初私たちがこの定員法のときに問題として論議したように、少くとも今度の定員法によつて首切られた者はいろいろと法で保護されるということであつたが、全然保護からオミットされて首切られたままであるから、少くとも現状においては再採用というのではなくして、何かの御処置を優先的にとられなければならぬと思いますが、その点について御考慮はないかどうか、伺います。
  55. 本多市郎

    本多国務大臣 今回の行政整理のために退職し、失業した人々に対しましては、いろいろ関係各省で就職のあつせん等をいたしておるのであります。それで今回の行政整理で退職し、失業した人たちだけを全然その他の失業者と別扱いにして、優先的に就職等をさせる、再採用等によつて再就職させることを考えていないかどうかというお話でありますが、これについては一般失業者を公共事業等の場合に優先的にその同割かを吸收しなければならないという方法で、労働対策について進めておるわけでありまして、ただいまのところ、特に今回の行政整理で退職した人たちに対して、別扱いにしてやるという方針は持つておりません。
  56. 木村榮

    木村(榮)委員 特に行政管理庁長官である本多国務大臣のお考えをお聞きいたしますのは、何もあなた方にうんとつつ込んでやろうといつたけちな根情で言つておるのではなく、真剣にやつているのである。そのことについては鈴木労働大臣に出ていただけばよくわかります。と申しますのは、鈴木労働大臣が五月二十日でしたか、いつでしたか、わが党の土橋君の質問に対して、委員会においてこの十七万の知識階級の失業者に対して、特に考慮するということをはつきり言つているわけです。しかし今は失業保険だけでどうにかこうにか最低生活はやつていると思いますが、さつきも再三申し上げましたように、いよいよ失業保険法による保護がなくなつたときには大きな問題となる。この十七万人の知識階級の失業者に対しての問題は、特に鈴木労働大臣もこれを問題にしておるわけですから、この点はこの際行政整理がうまく行つたということで本多国務大臣は御報告なさるのではなく、この十七万の首切つた彼らにも生活の根拠を與え、しかも日本の経済復興のために、また自分たちの生活を確立するために、決して不安定なあるいは困窮したみじめな生活をさせていない、だからこそ行政整理はうまく行つたのだという御報告を承るのが最も妥当なことだと思う。そういう点で今回定員法によつて首切られました十七万の方々に対しては、特別な措置を私としては定員法審議した関係上特に要望しておく次第であります。だから決して失業保険法でやるとか、失業対策の一環としてやるとかいうような抽象論ではなしに、私は特にこの問題について御考慮願いたいと思つております。その点を御考慮なさつてほんとうに国務大臣が御報告なさつたように、行政整理はきわめて円滑に行つたということが、率直にそのまま受取れるように御処置されんことを要望したいと思います。
  57. 江花靜

    ○江花委員 この際本多国務大臣に対しまして、一言申し上げたいと思います。昔のような官僚主義の時代ならばともかくとしまして、こういういろいろ労働関係その他がやかましいときにおきまして、責任大臣とされまして、これだけの整理を断行されたことに対しましては、深く敬意と感謝の念を持つておるものであります。一言この際私の希望を申しますが、主管大臣の御意見も拝聽できるならば、拝聽してみたいと思うのであります。将来なるべく画一的な、一般的な現業二割、非現業三割というような整理はやめていただきたい。そうして今後実際に統制が撤廃されたならば、統制事務関係しておつた職員を全部整理するなり、あるいはまた事情によつてはそのうちの相当部分を整理するというような考えで進めていただいたらどうか。こういうふうに考えております。なぜかと申しますと、各役所によつて一般的に二割、三割という大がけをかけるようなやり方では、事務の繁簡を来すということになりますので、これはぜひ整理していいところを整理し、整理しなくたつていいところは、整理しないということを御考慮願いたい。たとえばわが民自党の政策もそうでありますが、また政策でなくても同じ一つのことをやるのに世話人ばかり多くて、むしろせわされる人がせわする人よりも少いというあり方、これは決していい政治ではありません。その見地から行政事務に携わる職員は、なるべく必要にして十分な限度にする。剰員というものは全然置かないという方針行つてもらいたいのであります。ただ各行政事務の系統がわかれておりますために、いろいろ技術の困難もあつて二割、三割ということで整理をされると思いますが、そうしますと、今申しました通り事務上どうしてもある程度職員が必要なところもむりに切らなければならぬ。そうかと思うと極端な場合、全然廃止していいようなところも二割でとめる。こんなふうなきらいがあります。将来は統制の撤廃とか、あるいは状況の推移によりまして、事務の繁簡を勘案し、積極的どんどんやつていただきたい。こういう考え方であります。  第二は地方庁の問題でありますが、地方庁に対しましてやたらと立法して、地方庁を拘束することはなるべく避けた方がよいというふうに私どもは考えておりますが、法律であるなしにかかわらず、やはり国の政策でありますから、地方庁もなるべくそれに即応してやつていただくように御指導を願いたい、こういう考えを持つております。ただ元来日本の今までの行政機構というものが、どちらかといいますと、頭でつかちで福助のようなかつこうになつている機構ができておりましたので、町村の役場なんかへ参ります。と、一人の人がほとんどたいへんな事務を、また性質の全然違うような事務までも一人の人で負担するために、統計調査とか—統計のごときは特にそうでありますが、非常にずさんなものができる。そのずさんなものを基礎にして国の政治を行うということになりますから、国の政治も非常に実情にそぐわないようなことをやつたことは、米の実收高その他ついても、いろいろな供出者の悪意というようなこともありましようけれども、私はそういう点も従来はあつたと思います。それでありますからして、地方庁の、ことに市町村のごときは、整理を二割、三割という率で勧奨するということは、どうかという考えを持つているわけであります。県の県史については第一級の地方庁については、私はまだ相当に整理の余地があるのではないかと思つておりますが、市町村におきましては、むしろ整理の余地がなくて、増員とまで行かなくても、減らすというようなことは考えられないのじやないかという感じを持つております。統制事務の撤廃とか、職員の能率の向上とか、そういうものによりまして、整理は大いに断行して、そうしてまた失業救済その他のことはその方でしつかり考える。こういうことでやつていただくことはもちろん当然でありますが、私の希望といいますか、そういう考えを持つております。もし御意見をお聞きできるならば、主務大臣のお考えをお漏らしいただきたいと思います。
  58. 本多市郎

    本多国務大臣 行政整理方針としまして、ただいまお話になりました点は全然同感であります。今後は部局別に十分実情を調査いたしまして、合理的な職員配置ということに努めて行きたいと考えております。また地方整理につきましては、法律をもつて強制するということは行き過ぎではないかとは考えておりますが、よく実情に沿うところまでは協力してもらえるように話をつけて行きたいと思つております。地方行政整理はなぜ必要であるかということは、その地方自治体の財政状況、さらにその地方自治体のの事務人員関係を、十分自治体自体が研究してもらえればわかる事柄でありますから、よく実情に沿うところまで、できるだけ御協力願うように進めて行きたいと思います。     —————————————
  59. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に質疑がなければ次に移りたいと思います。先ほど行政審議会の人数、予算、そういう説明があつたようですが、その整理に関する件を議題といたしたいと思います。まず政府の説明を求めます。
  60. 本多市郎

    本多国務大臣 審議会等整理方針といたしまして、皆様のお手元に閣議で決定いたしました方針をお上げいたしておるのでありますが、戰後の行政のやり方が、審議会審査会、あるいは協議会調査会というような会議的な機関を設置して、それにたよるという風潮を生じましたために、非常に数が多くなりまして、その数三百に近く、さらに委員においては七千人、経費も一億円を要するということになつておるのでありますが、これが民主的のようには解せられますけれども、また一面責任ある国家公務員として、事務を処理するという念が薄れて行く弊害も認められるのでありまして、こうした点から、それを担当する公務員の職務に対する責任を擁立するという意味と、さらに事務を能率化し、簡捷化するという意味と、さらに国費節減というような観点から、できるだけこれを整理いたしたいと考えておるのであります。その整理方針といたしましては、まずどうしても残さなければならない機関として考えられますものは、試験あるいは裁定等をやるような性質のものは残さなければならぬ、また評価または鑑定というようなことをやる性質のもの、こういうふうなものでただちに廃止しがたいものがあろうと思うのであります。こういうものはまず残さざるを得ないであろうと考えております。そのかわり役人、官吏のみをもつて各省間の打合せというようなものに類したものは、これは廃止すべきである。また民間の意見をただ聽取する、公聽会にかわるような性質のものは、この際廃止すべきではないか、さらにまた、同じような性質のものがたくさんありますので、そうしたものを統合いたしたい。これはさいぜんも申し上げた通りに、法律根拠のあるもの、ないものを問わず、さらに行政機関として認められております委員会等につきましても、研究を加えまして、できれば数を減少するとともに、全部を通じての委員の数も減らして行きたい、こういう方針をもつてただいま調査中でございます。
  61. 鈴木明良

    鈴木委員長 御質疑はございませんか。
  62. 青木正

    青木(正)委員 目下調査中のことに属しますので、はつきりしたことは申されないと思うのですが、大体審議会の数についてどのくらい、人員についてどのくらいの整理が可能なりや、お見込みがございますか。
  63. 本多市郎

    本多国務大臣 これは政府としてまだ決定していないことでありますから、私一人の希望的意見になつてしまうかと存じますが、少くとも半分以下にはいたしたいと考えております。
  64. 江花靜

    ○江花委員 御配付になりました整理基準の一番末尾の方にあります経費の問題でありますが、審議会廃止した場合に、協議会、公聽会等にそれをかわらせるような場合に、最小限度の経費を残しておく、こういうことであります。これはすでに配付の中の会議費というようなもので—これも一様にはなかなか言われないでしようが、まかなえないかどうか、また残すとすれば、今までの審議会予算に現われておつたうちの会議費というようなものだけを残されるつもりであるか、ちよつとお伺いしたい。
  65. 本多市郎

    本多国務大臣 大体お話通りになると考えております。たとえば委員の出張旅費とか手当とかいうものは除外して、公聽会あるいは各省の首脳の協議会等をやりますための会議費という程度のものが残ることになると考えております。     —————————————
  66. 鈴木明良

    鈴木委員長 他に質疑がなければ請願審査に移ります。恩給に関する請願審査は去る十六日の委員会において行いましたからこれを省略いたします。     —————————————
  67. 鈴木明良

    鈴木委員長 請願日程第二の中央出先機関全廃促進請願を議題といたします。紹介議員がおられませんので、便宜他の委員にかわつて御説明願います。
  68. 青木正

    青木(正)委員 紹介議員の川野芳滿君が欠席しておりますから、私から簡単に請願の趣旨を申し上げます。  元来中央出先機関地方に設置されましたのは、国家事務の統一処理を目的としたのでありますけれども中央集権、各省割拠の弊害があるばかりでなく、かえつて国家地方行政の円滑と適正敏活な処理を害する傾向もあるのでありまして、地方自治の本旨にそむくような傾向も少くないのであります。従いまして地方行政の民主化の見地から見まして、また地方自治の健全な発達をはかるためにも、国政事務は大幅に地方自治体に移していただきたいというのが本請願の趣意であります。何とぞ御審議の上採択あらんことを希望いたします。
  69. 鈴木明良

    鈴木委員長 この際政府意見を求めます。
  70. 一松政二

    ○一松政府委員 出先機関整理につきましては、政府におきましても本請願の趣旨と全然同一の考えを持つておりますので、私はこの請願の趣旨には政府として何ら異議のないことを申し上げたいと思います。
  71. 木村榮

    木村(榮)委員 私はちよつと中座いたしまして、どなたかお話なつたかと思いますが、これは委員長にお願いしたいのです。審議会とか協議会ですが、国家行政組織法によつてできています法的なものや、あるいは法外的なものも含めて二百何ぼという報告最初つたのですが、あの委員の顔触れを表にしてお出し願いたいと思います。と申しますのは、たとえば人権擁護委員会というような方からは、相当便宜他の委員にかわつて御説明願いま現在の社会情勢を考えまして、予算の増額あるいはまた人員め増加というような要望もあつたように漏れ承つておりますので、そういうようなことも勘案いたしまして、一体あの国家行政組織法をきめます場合にも、審議会協議会といつたようなものはやめた方がいいという意見も相当あつて、大部議論があつた。その後今日に至つておりますが、やはりその後の委員会はなるほど反対はしてみたが、現在はこういつたものがあつて行政関係の方の得にもなれば、国民大衆のいろいろ利益にもなるというようなことになれば、何でもかんでも廃止しなければならぬということはおかしい。しかし無用の長物化することはやめなければならぬ。それでそれぞれの性格、構成されておるメンバー並びにたとえば住宅対策審議会といつたものは金融、産業、学界、言論とか、労働、建築その他住宅に入る者の代表の構成がうまくなされているかいないか、こういつた点を私たちといたしましては調査してみる必要があると思いますので、この際そういつた資料をお出し願いたいと思います。
  72. 鈴木明良

    鈴木委員長 さようとりはからいます。
  73. 木村榮

    木村(榮)委員 もう一つ米価審議会ですが、あれは法的な根拠によつてできたものですか。
  74. 一松政二

    ○一松政府委員 法律によつて設置されているものではありません。
  75. 木村榮

    木村(榮)委員 米価審議会だけは国家行政組織法とは全然関係なしにできたものとなつているわけですね。
  76. 一松政二

    ○一松政府委員 現在のところではそういうふうになつております。しかし審議会協議会で法的根拠を持たずにそういつた名称を使つているものはほかにもあります。
  77. 木村榮

    木村(榮)委員 それはむろんそうですが、しかし国家行政組織法からいえば、そういつたものはすべて予算上の措置が伴わなければならないことになつておりますから、従つて米価審議会の場合には、予算の措置は全然伴つていないということを前提にしないと、これは法律根拠を持つた審議会ではないと言えぬわけですから、そういつたものを含めての表を出してもらいたい。そうしませんと国家行政組織法によつて予算的措置は伴わぬことになつておりますので、予算上の措置を伴わない審議会協議会といつたものは全然運営できないと思います。だからそういつたものはどんな方法でその会議運営を経理の面からはやつているかということを明確化しなければならないと思いますので、その点あわせて御説明願いたいと思います。
  78. 鈴木明良

    鈴木委員長  ただいまの木村君の御要求については委員長においてとりはからいます。  他に質疑がなければ本日はこれにて散会いたします。次会は来る二十二日火曜日午後一時より開会いたします。     午後二時四十六分散会