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1949-11-28 第6回国会 衆議院 電気通信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜日)     午後一時二十三分開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 飯塚 定輔君 理事 高塩 三郎君   理事 中村 純一君 理事 橋本登美三郎君    理事 松本 善壽君 理事 受田 新吉君    理事 椎熊 三郎君 理事 江崎 一治君       淺香 忠雄君    降旗 徳弥君       田島 ひで君  出席国務大臣         電気通信大臣  小澤佐重喜君  出席政府委員         (警備部長)         国家地方警察本         部長      樺山 俊夫君         電気通信政務次         官      尾形六郎兵衞君         電気通信監   山下知二郎君         (経理局長)         電気通信事務官 肥爪 龜三君         (業務局周知調         査部長)         電気通信事務官 花岡  薫君  委員外出席者         国家地方警察官 渡部武三郎君         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 十一月二十八日  警察用電話処理に関する法律案内閣提出四  〇号)(参議院送付) の審査を本委員会付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  警察用電話等処理に関する法律案内閣提出  第四〇号)(参議院送付)  電気通信行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより会議を開きます。  先般来本委員会におきまして予備審査を行つて参りました警察用電話処理に関する法律案は、今朝参議院修正議決の上、本院に送付され、先ほど本委員会にこの送付案付託になりましたりで、お知らせいたします。従いましてただいまから議題といたします法律案参議院送付案でありまして、当然これが原案でありますから、念のため申し上げます。なお参議院送付案は、時間の関係上、印刷配付されておりませんが、単に字句上の修正でありますので、委員長からお知らせいたします。すなわち第八条及び第九条にあります電気通信設備とあるのを、有線電気通信設備修正いたしておるのであります。念のためお知らせいたしました。     ―――――――――――――
  3. 辻寛一

    辻委員長 これより本日付託になりました警察用電話等処理に関する法律案議題として審査を進めます。質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。江崎君。
  4. 江崎一治

    江崎(一)委員 本法案の第二条第二項の但書以下の説明を伺います。
  5. 花岡薫

    花岡政府委員 お答えいたします。第二条第二項は、譲り受け施設に対しまする代金のことを決定した条文でございます。但書におきましては、代価支払いの例外を規定しておるのでございます。その範囲は、いわゆる市内にある警察通信施設は、譲り受けはするけれどもそり代価は支払わない、こういうことであります。その理由は、市内電話施設につきましては、電気通信省電話に関する法令によりまして、電気通信省施設をもつてこれを設備しまするものに対しては、設備料をいただくこととなつております。その設備料をこの警察電話につきましては新しく買収して、自分が施設をしたと同じ状態にありますので、それを支払つてもらうことになるのでありますが、そり額相当の大きな額になりますので、むしろこれは警察側だけから譲り受けて、その代金払つて、その代金と同等、あるいはそれ以上の設備料を支払つてもらうという、無用の現金の授受を省略した方がよろしいだろうということで、関係者が協議いたしまして、相互支払いを相殺して無料にしておく、こういうことにいたしたのであります。
  6. 江崎一治

    江崎(一)委員 そうすると所有権はやはり電通省に移ることになるのですね。
  7. 花岡薫

    花岡政府委員 電通省に移ることになります。
  8. 江崎一治

    江崎(一)委員 本法案と第五国会通りましたところの法律七十五号の関係説明していただきたい。
  9. 花岡薫

    花岡政府委員 警察法の実施に伴いまして、都道府県から自治体あるいは国の方へ警察行政が移りますために、通信施設につきましても、あるいは自治体あるいは国へその施設を譲渡する必要に迫られたのでございまして、法律七十五号はそれらの通信施設のうち交換施設、それから司令警察施設、こういつたようなものを国に譲り渡したのであります。その他の通信施設につきましては別に法律によつりて規定する、かようになつておるのであります。ところがこの代価につきましては、前会はどういう議論が出ておつたか存じませんが、同じ警察系統設備であるので、おそらく無償ということになつておるだろうと存じますが、これはやはり有償原則でございまして、私ども電気通信省施設に入りますのは、特に特別会計移管されます関係もございまして、この木則従つて有償で譲渡を受け、但しただいま由しました通信施設につきましては、特殊の事情がございますので、無償ということになつておるわけでございます。
  10. 江崎一治

    江崎(一)委員 この法律第七十五号のものが無償で、今度のものが有償ということの理由が、まだはつきりしないのであります。もう一回説明していただきたい。
  11. 花岡薫

    花岡政府委員 無償の方の理由はここで私ども十分な発言ができませんが、やはりこれに政府部内におきましても、会計範囲が違うものは一応有償ということになつております。たとえば私ども電信電話局をつくりますために、その敷地を物色する。その敷地がたとえば大蔵省所有敷地であります場合には、やはり相当代価支払いまして、通信特別会計の方に移管を受けております。それと同じでございまして、特に相手が地方公共団体でございますので、これを無償にするという方の理由は、私ちよつと申し上げかねますが、原則は当然有償ではなかろうかと存じます。
  12. 江崎一治

    江崎(一)委員 無償にしたということについて、電通大臣から説明していただきたい。
  13. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 この問題は参議院の方でもいろいろ御質疑があつたのですが、大体国家警察の方の所管でありますから、明確にはわかりませんけれども国務大臣として関係しておりますので申し上げまするが、要するに地方自治体予算が不足を生ずれば、一応国庫が補助するという建前になつておるのが、日本の現在の制度であります。ところが国家警察地方財産無償でもらつても、結論においては、補助はみんな特別会計り方から出すから、これは無償でもいいじやないかというのが、結局この案の方を無償にしたようなわけでありまして、それから今度の問題はどうかといいますと、なるほど国家警察電信通信省も同じ国家でありますが、御承知のように特別経済でありまして、特別経済を実施している管庁は、経済上から見ると、独立したいわゆる経済主体を持つておるのだというように、同じ政府財産でも観念的にそう考えておりますりで、一般予算特別会計との間では、ちようど他人間の財産のような扱いをしておるが、今までの制度経理方法なのです。そういうような意味で、経済主体がかわつた場合においては、これは独立採算制をやつておるのだから、その経済主体が違つたものとして、ちようど所有者の人格が異なつていると同じような扱いをしているのが、今度は有償であるというようなことになつたのでありまして、ことに地方経済は御承知通り非常に緊迫状況にあるので、この場合には地方経済に幾分なりともあれしようという見地から、こちらは有償ということになつております。
  14. 江崎一治

    江崎(一)委員 一般警察電話というものは、その設備が非常に劣悪です。これを電気通信省移管しまして、警察電話を進駐軍に次いで優先的にいい施設を使うことになりますと、一般電話サービスに非常な重大なる影響があり、これはたいへんな問題です。それを去年の七月に、国家公案委員会と時の通信大臣の話合いで、そうした仮移管をした。このことについて、この前の地方行政電通連合委員会で、谷口委員小澤大臣質問をした。そのときに大臣は、これは所有権が移転されておらぬのだから、別に特別なことをやつたと思われない、こういうふうに回答しておられる。これはとんでもない話だと思うので、日本食糧が足らぬというわけで、食糧を輸入するために、ひとつ四国を抵当に置こうということになりますと、これはたいへんですよ。日本有所権があるんだということで、全部そういうような形にして売つてしまつてあと国会の承認を得るなんということは、これは大ごとですよ。それと同じことだ。そういう点においては、小澤大臣答弁国会無視しているので、その点、非常に不満に思う。その点ひとつ御問答を願いたい。
  15. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 仮移管をするについては、関係方面の強い要請つたのであります。しかしながら関係方面の強い要請があつたから、われわれは責任を負わぬという趣旨ではありません。要請があつても、政府としては独自の立場で責任を負うのであります。さらに一般行政事務をどういうふうに区別するかという問題になつて来ますと、従来の制度では、とにかく行政事務政府に帰属しておるのであつて、そこで行政事務のある仕事を何省でやるとか、何々省の所管であるとかということは、原則として特別の法律規定がなければ、内閣総理大臣がこれを総括あんばいして、事務の円滑を期しておるのであります。従つてこの問題も、少くとも国家警察でやつている仕事を、また電気通信省にさせるというようなことは、両行政機関の間で異議がなければ、こういう例はたくさんあると思うのであります。従つて組織法とか、特別の法律の明文上とか、法律規定がなければできぬ問題は、これは憲法上、立法府の国有の権限でありますけれども、その権限に属しない。すなわち行政事務の一部と同じことを内閣の都合によつて、たとえば国家警察に属する仕事電気通信省がやつた方がより便宜だ。よりサービスがいいというような場合には、そういうことをやつた例が、この問題に限らず相当あると思うのであります。しがしながらこの法律案が後日出て、そうして国会審議を終えた結果、この法律案が否決されるということになりますれば、その行政事務に対しても国会が反対なんだから、すなわち仮調印されたその事項も反対なんだから、そういうような場合には、国会意思というものは、もうはつきりこうした移管事務ということを認めないことになる。もしこの法案が否決されれば、これは国会意思はつきりしたのであるから、その場合には一応元にもどすことが適当だと思うのであります。そういう意味で、行政事務の中には、この問題ばかりでなく、総理大臣権限内において同じ問題を、たとえば運輸省が扱つてつたの通信省扱い、水産庁で扱つたものを農林省が扱うようなことは、始終あると思うのであります。要は国会最高機関でありますから、国会意思が、今申し上げた通りこの法律は絶対いかぬ、従つて仮調印は絶対いかぬという趣旨はつきりしますれば、われわれとして国会意思に従うことは、一つもやぶさかではないのであります。そういう意味で、仮調印ということをも、早く警察電話復旧復興が必要であるということであり、それが国民のためになるということになりますれば、一応そうした措置は今までもやつて来ましたし、また今後もやれるのではないかと思います。
  16. 江崎一治

    江崎(一)委員 一つ所有権をやらないまでも、大体こういつたものを仮調印移管することになりますと、いまさら国会で否決されたからといつて、元にもどすことができる場合とできぬ場合とがあります。これはある場合にはできるかもしれない。あるものによつてはできぬ場合がたくさんある。こういうことが国会無視してやれるということが、今の制度の現状なんだ。これははなはだまずいことだ。特にそういう国会無視であるとか、基本的人権無視という形で、今の制度はつきり出ておる。たとえばいつでしたか、この前請願審議したとき、電波法案撤回請願が出て来た。そのときり小沢大臣答弁は、この法案審議が出たときに考えたらいい問題だから、この請願撤回した方がよかろうというお話であつたけれども憲法で保障されたいわわゆる国民基本的人権をまつた無視しておると思うのです。今の国会無視とこの基本的人権無視、これは政府の非常に悪い点で、吉田総理大臣以下、国民大衆に対して土下坐しておわびしてもらわなければならぬと思う。
  17. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 江崎君はたいへんに間違つておると思うのです。私が先般請願の問題で撤回した方がよがろうと言つたのは、大臣として言うのではない。同じ議員の同僚だから私は言うのだということを特につけ加えて申し上げるのだが、大臣としてはこんなことはよけいなことだと思う。しかしながらおよそ請願というものは、不能のことを請願したつて、これはできない問題であります。全然ない法案撤回しろというのであれば、国会意思できめるということは、国民自身の威信に関する問題です。少しも基本人権を押えたのでも何でもなければ、そんな出していないものを撤回しろというてもできないことです。だから一応撤回しろと言われるならば、政府が提案してから撤回するのがあたりまえであつて撤回以前には、この請願は成立たないというのが私の言い分です。これは一つ法律論であつて基本人権どうこうという考えは毛頭ないのであります。ただいまの問題でも、いろいろ違つた見地に立つておられるようであるけれども、われわれといたしましては、行政運用にあたつては、いやしくも国民のためにすみやかにこうすることが一番いいのだというのであれば、特別に法律違反でない限りは、どんどんいいことを早くやつてこそ、初めて行政の円満が期せられるものだと思います。そういう意味で今の問題で、扱いその他憲法上において認められておるところの行政措置としての形をとつたことが、少しも国会無視したものでも何でもない。むしろ尊重すればこそ、こういうような法案で慎重にやつておる。こういう考えであります。
  18. 江崎一治

    江崎(一)委員 今この電波法撤回請願について、まだ電波法案は出ておらないのだと言われたけれども、この電波法案はこの臨時国会に提出されるといわれておつたのです。だからそれに対してそういう法案が出ると困るものだから、一般国民からの請願が穏当な方法で出ておる。この委員会電波法案が出ておらないうちに、これをどうこうということは間違いかもしれぬ。しかし小沢大臣が言われるように、出ておらぬのだからこんなものは撤回すべきだという考え方自体が、遺憾だと思う。ものの考え方ですよ。
  19. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 それはたとえば既提出のものに対する請願というのだつたら、あなたの言う通りになる。あなたのは撤回しろというのでしよう。撤回しろという国会の快哉をされても、政府が提出しないものを撤回できないじやないですか。これは簡単なりくつなんですよ。別に人権どうこうとかいうことでなくて、提出しないものを考えても考えられぬ。政府に不能のことを国会が要望したつて、それは不可能じやありませんか。そうして不能なことを要求したら、かえつて笑われることになる。私も国会人であるから、国会人のよしみをもつて特に親切に話したのであつて、あなたとけんかするつもりでも何でもない。ただこの問題は国務大臣として言うのではなく、同じ国会人である私と江崎君との間で話をするのであつて、こういうものが出て、かえつて笑われるようなことになつては困るから、このまま本会議に行くことのないようにしたい。こういう考え方であつたので、ああいう発言の仕方がいけないというのであれば、私は国務大臣としてやるのじやない。同僚としていろいろ江崎君に親切みをうつちやればいいのだから、いつでも取消します。
  20. 江崎一治

    江崎(一)委員 一応これでやめておきます。
  21. 田島ひで

    田島(ひ)委員 警察用電気通信施設整備強化について、この説明書の中に、臨時物資需給調整法に基く経済安定本部訓令による電気通信施設利用の適当な調整を期するためにとありますが、臨時物資需給調整法というのをごめんどうでも、ずつと一応ここでお読みになるなり、御説明いただくなりしていただきたいと思います。
  22. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 この訓令はあいにく持合せがございませんから、後刻訓令内容を摘記いたしまして差し上げます。
  23. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大体のことでよろしゆうございますが、おわかりになりませんか。
  24. 花岡薫

    花岡政府委員 この臨時物資需給調整法に基く経済安定本部訓令でございますが、これはなるべく資材経済的利用をはかるということが主眼でありまして、警察関係を特に目標に書かれたものではございません。従いまして電線の共架、送電線弱電線を、われわれの使用いたします電信電話の線と同じ柱に添架すれば、それだけ経済ではないかという精神を汲んだものでありまして、その同じ精神から資材の節約というような見地が出て来るのでありまして、その意味でここで参照しておるのでございます。
  25. 江崎一治

    江崎(一)委員 この法案の第三条の二項の評価審議会構成メンバー政府の一方的な意図で独裁的に左右されると思いますが、この構成はよくないと思うのです。その点どういうお考えですか。
  26. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 この構成員につきましては、慎重に私ども関係者側と協議いたしたのでありまして、引取ります電気通信側もわずか二人のメンバーしか出さない。そして提供される方の関係者側の人数につきましても、それに相当数字を出しまして、十分に実態に応じて調査します。必ずしもただいまのような御説のごときことはないと思います。
  27. 江崎一治

    江崎(一)委員 そうしますと第一号の電気通信省職員、これも政府の直接関係者である。第二号の大蔵省職員も一人、これもそう、第三番目及び第四番目も、これは昔内務省といつたこういう関係の人です。こう考えて来ると、政府の一方的な意図でどうでもなる委員会だと思うのですが、どうですか。
  28. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 どうでもなるということを仰せられますが、お答えちよつと困るのでございます。われわれどうにもしようとは思つていないのでございます。実際にあります姿というものの評価は、公正に書かれてございますから、数がすベてを左右するのではなく、実態がほんとうの数字を出してくれるものであり、あります姿につきましては十分に調査をしておりますから、それを手かげんで安くすることもできないし、高くすることもできない。これは数字上の問題でございますから、ただいまのような御懸念は毛頭ないことを信じております。
  29. 江崎一治

    江崎(一)委員 どうにでもなるというのは、政府の一方的な意図によつて、独裁的にどうにでもかきまわせる。評価ができるということです。このメンバーではどうしてもそういうことになると思うのですが、どうですか。
  30. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 政府の一方的な意思でもつてということの御指摘でございますが、再々申し上げますように、あるものを隠してみたり、あるいは実態にはずれた非常なけちをつけた評価をするという意思は、毛頭ないのでございますから、数が多いとか少いというような問題よりも、その実態はつきりつかんでおる方々が集まつて審査してもらえば、決してけたをはずれたような評価には相ならぬものだと固く信じておりますから、御了承願います。
  31. 田島ひで

    田島(ひ)委員 警察電話設備の非常に荒廃しておるのは、御承知だと思います。具体的か資料どもどもはいただきたいと思つておりますが、たとえば電柱なんかも、私は専門でありませんのでよくわかりませんが、クレオソートなんか入りていなければ、電柱として腐敗しますから、完全なものでないと思いますが、クレオソートの入つていない電柱相当あると言われておりますが、そういう電柱が何パーセントぐらいあるか。またそのような施設荒廃状態について、政山村でおわかりになつておる資料をここで御説明いただきたいと思います。
  32. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 御説のように私ども電柱クレオソート、または丹、あるいマレニット注入柱を使つております。これは不注入柱でありますと、非常に腐朽が早いりであります。ところが警察関係市外線では相当注入柱が使われておるようでございます。手元の調べによりますと、注入電柱の約半数、つまりこの調べによりますと、注入電柱が約五十万本ばかりございますが、その半数の二十四万木が不注入柱というような姿に使われておるようでございます。もとより注入柱も今申し上げますように、その倍数は使われておりますが、この柱それ自身相当い柱が使つてあるやに聞き及んでおります。できるだけこういうものを完全なものにとりかえる。あるいは電気通保省専用線に切りかえまして、通信の能率をよくしようというのが、本法案考えでございます。
  33. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大体全体の経過年数といいますか、どのくらいたつておりますか。それから回線数はどのくらいのものがあるか、それを説明願いたい。
  34. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 使用年数は、個々別々非常にまちまちになつておりますから、この席でにはつきりいたしかねるのでございます。  それから回線は、市外専用回線が延長十万七千キロございます。それから回線数市外電話が四千八百、市内電話が約八千八百でございます。
  35. 田島ひで

    田島(ひ)委員 経過年数がわからないとおつしやいますのは、おわかりにならないのか、ここで説明できないと申されますのか。どちらですか。
  36. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 それは本省の方には全部調べておりますから、いつできたもので、いる建設したということはわかつております。この席に資料を持ち合せませんからわからぬと申し上げたのであります。
  37. 田島ひで

    田島(ひ)委員 とにかく一応電通省がこの警察電話移管を受けまして、財産を買うことになつておりますから、そういうこまかい資料を私の方にいただきたいと思いますから、その点をお願いいたします。  移管について二十三年のうちに相当調査をなさつたと思いますが、それらの経費はどのくらいかかつて、その費用は何から支弁なさつたか御説明いただきたい。
  38. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 もちろん八月一日仮移管をしたので、その前に予算を組んでおるわけもございませんから、本省予算を差繰つております。今のお尋ねの金額は幾らかという点につきましては、これまたここに資料を持ち合せませんので、大体の数字のことも今お答えいたしかねるのであります。
  39. 江崎一治

    江崎(一)委員 警察電話の全国的な配線状況資料をいただきたいと思います。  それからもう一つ警察電話一般の回路に対して占める比率は、どのくらいになつておるか知らせていただきたい。
  40. 飯塚定輔

    飯塚委員 政府委員ちよつと申し上げますが、今の同僚からの質問は、去年の県と国との関係の場合には、それが済んでいるから、回線の数量もおわかりになるだろうと思いますが、これから契約するのでありますから、将来に属することで、あるいは直接御調査になつていないかもしれません。だからそれは実際に売買する場合の調査に基くことと思いますから、もし今直接おわかりにならなければ、将来に資料を出していただくということにして、それにこだわつておる必要はないのじやないかと思いますが、その点ちよつと御注意というか、申し上げておきます。
  41. 田島ひで

    田島(ひ)委員 お答えいただけないのはあとでいただいてもよろしゆうございますから、私の先ほどの質問に対しても後ほどお答えをいただきたいと思います。  なお費用の問題でお尋ねいたしますが、二十四年度の警察電話保守費の支出はどのくらいですか。おわかりになつておられないならば、後ほどいただけばいいと思います。  それから専用料金、つまり警察電話一般施設からの収入がどれくらいあるか。その見込みを、おわかりになつたらあとお答えいただきたいと思います。それからその警察電話専用料金支払いがどういうふうになつておるか、これはおわかりだろうと思います。よくちやんと払われているか、払われていないか。これに大臣でなくて、むしろ政府委員の方がおわかりになると思います。
  42. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 本年度の保守費につきましてのお尋ねでございますが、保守費運用費とのバランスは、私ちよつと今記憶していないのですが、保守費だけにつきましては大体六億余り、七億弱だつたと記憶しております。
  43. 花岡薫

    花岡政府委員 ただいまの田島さんのたくさんの御質問がありましたのに対しまして、概略御了解願う程度に御説明したいと思います。回線の状況はどうかという御質問ですが、これは非常に厖大な全国の通信網でございますので、精密な各地方別の通信網の地図は持つておりますが、時々刻々非現行になりますので、現行の詳しいものはございませんから、およその説明を申し上げます。回線の長さから言いますと、全国の電話回線の長さは大体八十万キロくらいございますが、警察の回飲の長さは先刻通信監から申しました通り、約十万キロということになつております。但しこの回線の比較だけいたしましても、回線の質、機械施設回線の経過地、こういう非常に重要な要素におきまして、一般の公衆の通信網とは非常な違いがございますので、ただこれを数字的に比較するということは、大して比較検討の材料になりません。たとえば電気通信省施設は非常に精密な搬送機械によつて経済的に施設されておりますが、警察の方は搬送施設を使う場合は非常に例外でございますのみならず、搬送施設を使いましても、その搬送の通信力は非常に低い。たとえば十回線に対して一つの搬送回線を用いるといつたような、非常に簡略な施設を用いております。従いまして回線の延長、回線の数を数字的に比較したたけでは、何らの比較対象にならないのではないかと思つております。回線施設は大体国家地方警察本部から管区地方警察本部、それから管区本部からさらに県の本部、県の本部から警察署、警察署からその周辺の派出所、こういう通信網でございまして、これを想像していただきますれば、大体回線網はおわかり願えるのではないかと思います。今までの警察通信の実情と、ただいまの電気通信省施設の実力からいたしまして、まだ全国に施設を要するにかかわらず、その通信施設が行われていないという機関が多数ありまして、またこれから十分整備強化をしなければならない現況でございますので、通信網は従つてまだ不十分であることを免れないのであります。  それから料金のことについてお尋ねがございましたが、現在の警察電話の使用料は、昨年成立いたしました電信電話料金法に基いて、専用料金を支払つていただいているのであります。その専用料金は、一般電話専用料金よりは低額になつております。これは少しく低額過ぎるきらいがありますので、次の国会に御審議を得まして、修正したいという考えを持つているのでございますが、現在の警察専用料金は、距離に応じまして料金の額が異なつておりますので、一口には言えませんが、たとえば八十キロ未満の回線に対しまする専用料は、一日二十通話であるものとして計算されております。これが非常に低額でありますので、今後は一率に平均しまして五十三通話程度の、現在新聞通信方面に提供いたしておりまする専用料金と、同額程度に引上げをしたいと考えております。従いまして現在の警察通信料から来ます電気通信省の収入は、その支出に対して少しく赤中になつておりますが、これは現在の料金法のもとにおきましてはただちに修正ができませんので、次の国会を待つて料金の修正をしなければならぬのであります。保守の実費に対しましては、赤字の状態になつております。その額は一年を通算して申し上げますと、保守の代金は約十億円かかりまして、その半額程度の収入になりますけれども、この状態を長く継続することはできないので、急いで料金を修正をしなければならぬと存ずるのであります。
  44. 田島ひで

    田島(ひ)委員 ただいま料金の点で了解いたしましたが、その専用料金支払いがどうなつておりますか。その点詳しくお伺いしたいと思います。料金の支払い相当滞納しておると私見ておるのであります。具体的に申し上げてもいいと思いますが、その点政府はどういふうにこの滞納状態を見ておられますか。
  45. 花岡薫

    花岡政府委員 料金の滞納につきましては、警察に限らず、一般政府関係の機関の支払いが滞りがちであります。これは会計手続そのほか現金の動きが、民間の使用者のように自由に動かないのが一つの原因であろうと思います。警察の場合は、そのほかに地方自治体などの利害関係が介在しておりますので、その内部的の計算の手続のいろいろとめんどうなことがあると思いますが、これは御指摘を受けるまでもなく、先般来多少の滞納の傾向がありますので、なるべくそういうことのないように国家警察本部と相談をいたしております。
  46. 田島ひで

    田島(ひ)委員 これにあと大臣にも御質問したいと思つておりますが、一般の人が滞納をすると、電話をすぐとめてしまうです。一例を申し上げますと、高知県の国警本部では、何でも二十三年度分の繰越しと二十四年度分の一期分、合計三百四十万円が滞納になつておる。これはたまたま共産党のあの地区の人々が、最近中小企業家が非常に行詰まつて電話料が納められない。その調査をいたしておりましたところ、偶然こういう事実がわかつた。そうしますと今度は松山の方でも、やはり電話関係二百万円くらいの滞納があると聞いております。これは偶然わかつた例でありますが、もし全国的にこれを調べましたならば、莫大なものじやないか。こういうのを政府はどう処置をとつておるか。民間に滞納があつたらすぐ電話を切られてしまいますが、その辺の御説明を願いたい。
  47. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 滞納の点につきましては、私ども事業上非常に影響を来しますから、これに対しては深甚なる関心を持つております。従いまして当初私ども考えでは、警察関係であつても今のような理不尽な滞納に対しては相当断固たることを考えたい。かように一応の意思は持つております。この法文にもありますように、第九条の但書で、そういうような事態がある場合におきましては、できるだけすみやかに予算措置を講じてもらわなければならぬ。この予算措置が講ぜられない場合においては、われわれとしては中断もやむを得ない。こういう態度をとつているわけでございますが、国家治安上の問題がございますからもちろん私どもはみだりに中断するようなことは考えておりませんが、警察側において深甚なる御関心を持たれて、この線を十分に確保してもらう限り、中断はいたしませんが、滞納に対しましては決して督促の手をゆるめない考えでおります。
  48. 田島ひで

    田島(ひ)委員 あとの御質問大臣にいたしたいと思います。
  49. 受田新吉

    ○受田委員 国警本部の政府委員お尋ねしたいのでありますが、この法律案を通過せしめた場合において、従来警察が握つていた専用電話所有権が、国家へ移転するという立場から、警察独自の使命を有する名般の情報その他の交換の上に、たとえばその電話の試験をすると称して、交換事務に当つている人たちが、一般電話と同じ立場で、試験のために警察の秘密を聞き取るというような事態が頻繁に起りはしないか。国全体の警察事務を遂行する上において、遺憾の点が考えられはしないかという点について、一応御意見を伺いたい。
  50. 樺山俊夫

    ○樺山政府委員 ただいまの点でございますが、警察が従来自分の手で維持管理しております場合と、国警の施設電気通信省に移ります場合と比較いたしまして、機密の保持の点についての御質問と思いますが、全般的に申しますと通信の秘密と申しますか、これの保持は、どこがどう持つておりましようとも、根本的に非常にむずかしいことでありまして、ただ機密の点だけから申しますれば、国家警察が従来のごとくすベての施設を維持管理するという建前でありました方が、比較してみますと、幾らかは機密保持の点で有利ではないかと考えられますけれども、国警の施設電気通信省に移りました場合に、いろいろな電気通信省側の御注意によりまして、あるいは私ども使つて参ります立場からのいろいろのくふうによりまして、この点はいろいろ考えておりまして、大体絶体の機密ということは御承知通りむずかしいと思いまするが、相当適度まで機密の保持ができるように考えております。
  51. 受田新吉

    ○受田委員 ただいま田島委員からお尋ねになられました中に、この使用料金を支払いできない場合において、国がその電話の専用取消し、停止をした場合に、国警の方では警察事務がいかに遂行されることになりますか。それをちよつとお伺いいたしたいと思います。
  52. 樺山俊夫

    ○樺山政府委員 電話専用料金の問題でございますが、大体専用料金は御承知通りきまつておりまして、それに必要な料金は予算で組んでいただく建前になつております。従いまして会計上の取扱いの手数によりまして、ある程度遅れらということはあり得ると思いますけれども、全体といたしまして、予算の不足のために専用料金が払えないという事態はあり得まいと考えます。従つて多少遅れることは、手続上の問題としてあり得ましても、それが電話をとめるまでに遅れるということは、現在の取扱い上から申しましても考えられないのではないかと思います。
  53. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、第九条第二項但書にある「但し、専用に関する料金の支払の遅滞があつた場合においては、国家公安委員会又は市町村公安委員会若しくは特別区公安委員会は、料金支払のために必要な措置をとらない限り、専用の取消又は停止を承認しなればならない。」という、この条項は考えられないということになるのでありますか。
  54. 樺山俊夫

    ○樺山政府委員 さような事態になりますと、警察事務を執行いたします上に非常に大きな障害になることは、申し上げるまでもないのでございます。従いましてさような事態が起らないように、私どもといたしましては最大の協力を払わなければならねと考えております。
  55. 受田新吉

    ○受田委員 そうするとこの条項があつて、専用の取消し、停止を承認した場合は、考えられないことになるという法律をつくる必要はないということになるのではないか。こういう想定のもとに法文を並べるということは、立法上まずいことではありませんか。これを電通省政府委員の方にちよつとお尋ねしたい。
  56. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 もとよりこういう事柄は、起り得ないと想像はできますけれども、先ほど田島さんからも御指摘がありましたように、二年越し滞納されておるものもございますから、そういうことのために、専用料金を払わなくても、通信それ自身は確保しておかなければならぬことが、ずつと連続して来るということに、事業上非常に耐えられないことであります。ですから、あつては困ります。あつては困るから、ないようにする。ないようにするのだから、法律はいらぬのではないか。この御観点は少しわれわれ側としては不安に感じます。ですから、どうしましてもある程度の、それだけの責任を持つていただかなければならぬ。責任を持つていただくことをはつきりさせておるわけでございます。
  57. 受田新吉

    ○受田委員 そういう場合には、この文句を「専用ら取消又は停止を承認しなければならない。」といような形にしないで、何々するように努めなければならないというような規定に切りかえる必要がありませんか。これによりますと、専用の取消しまたは停止を承認しなければならない場合があることになるのですが、あることになれば、警察事務は遂行できないと、今国警の方でにおつしやるのだが、そういう事務ができないことを法律規定してはいけない。今まではこれが警察に所属しておる、地方公共団体に所属しておる場合には、これは警察事務に支障がなかつた。料金の支払いなどでも、都内のことであるから何とかなつた。しかしこれを電通省特別会計に切りかえられたがために、警察事務遂行に支障を来すような事態の起るということは、立法上われわれとして非常に考えなければならぬ問題だと思いますが、これは電通大臣お答えを願いたいと思います。
  58. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 受田君にお答えいたします。今お話のように第九条の末項の事項があるということは、ただちに国家治安の総元締の警察の運営に支障がありますから、われわれの想像ではほとんどこういう適用の時期がないと考えております。しかしながらおよそ法律を立て、あるいは契約をする場合においては、全然予想できないことでも、一応こういうことは禁止するという、一つの訓示的な意味においても、法律の条項が必要だと思うのであります。率い官庁間のことでありますから、そういう規定はいらぬけれども、たとえば私上の契約につきましても、とてもいい仲で金を貸した場合に、その人はまつたく間違いないのだというようなことを考えておつても、その期限が切れた場合にはこうなるという約定が入ると同じように、またそういう条項があればこそ、一つの契約の目標がはつきりいたしますから、そういう事態の生じないようにお互いが盡す。法律は実際に適用する面と、それからその規範になる。お互いが守らなければならぬ規範というものを尊重する面との、二つの効果があると思うのであります。受田君の言われるには、事実そういうことがあつてはたいへんだし、だからそういう約款はいらないのじやないか、そういう条項はいらないじやないかと言いますけれども、そういう条項があればこそ、かえつてそういう事態が生じない場合があるのでありまして、そういう面をも法律規定はねらつておるのじやないか。やはり法律の規範というものをはつりきりしておきまして、その規範にどうしてもお互いが従うのだという心構え、これが結局そういう事態が発生しない一つの大きな原因にもなるような場合でありまして、三段論法的に言うと、そういう事態が絶対ないというならば、そんなものはよけいのものじやないかというお話は、ごもつともであります。そういう議論を私は否定するものではありませんけれども、こうしなくてはならぬという一つの規範がありまして、かりにそういう事態が想像できない場合でも、そういう規範をこしらえることによつて、なおそういう事態がとどめられる。未然に防げるという場合が相当あるだろうと思いまして、そういう趣旨で受田君の考え方を全部承認しながらも、やはりあつた方かいいのではないか、こういう考えを持つております。
  59. 受田新吉

    ○受田委員 法律の適用については、末端においてとかく誤られるおそれがあるということは、法文を率直に解釈する末端官吏が多いことです。従つてこの条項を置いておくと、末端で事務をとつているこの電通の官吏が、特に警察の当局の連中と相反目するような場合に、こういう法律によつて、この法律の第九条第二項の但書によつて、本日より停止するということをやられた場合に、どういうことになるか。これは法律をつくる場合に、禁止事項をいたずらに設けて、国民を拘束するよりは、何々しなければならないという期待的要請をして行く方が、立法技術の上からは、今後の国民を指導して行く立場からはいいではないか。いやしくも地方公共団体が今までやつてつたときには、こういうことはなかつたのに、国家事務になつて来ると、急に警察業務に支障を起こすような法律を条文の中に規定して、そうしてこれを禁止するというようなことは、立法者として、われわれとして特に考えるべき問題ではないか。そういうことは実際あり得ないことであるが、しかしそういうことは、禁止事項として、一応立法技術ではやらなければならないのだというような精神を、立法者が持つていることはまずいのであつて、私としては指導的な立場で、警察電話が今度電通省移管されても、これについては料金の支払いなどが停滞することがないようにしなけれげばならないというような形に法文を切りかえる方が、これは新しい民主的国家の立場から、いかに縛りつけるかというような法文を書くよりは、そこはやわらかく指導的にやつて行く方がいいのではないかと思いますが、大臣として御再考を願いたい。
  60. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 受田君のお考えと私の考えと、そう違わないと思うのです。つまり受田君のは一つの罰則に該当する運用の停止、そこまで行かぬでも、これを禁止する条文さえあればいいのだというお説でありまして、これはごもつともであります。ことに相手が同じ管庁であつて、同じ政府の部内で罰金をとるぞとまで行かぬでも、そういうことをしなくてはいかぬという、一つの規範だけでいいのではないかということになれば、その理論が接近して来るのでありますが、     〔委員長退席、中村委員長代理着席〕 しかし先ほど申し上げましたように、たとえばこういう料金はいつ払つてもいいのだというような感じになり、また払わなくても最後の手段はどうにもできないのだからというようなことがあつても困るという意味で――それはもちろんないのでありますが、それで厳重に料金を払つてもらいたいということが、こういう点に現われておるのでありまして、もちろんその実際の適用はないにいたしましても、建前としては一応厳重に、料金の支払い相当大きな国家警察責任なんだという建前にとつてもらわぬと、ある意味において、電気通信事業は公共事業体であると同時に、採算制を考えなければならぬ一つ管庁でありますので、今申し上げた通り運用に際しては、たとえば地方の一課長とかあるいは係長ぐらいで、これをとめるようなことはありません。少くとも大臣がこれを認めた場合でなければとめないというように、権限は自分が保留しておりますけれども、そういうような方法で運営して行つても、受田君の心配されるような、ずつと下級の官庁で、お互いの感情から電話をとめたりして、警察の業務を妨げたりすることのないように、こういうものをとめるのは大臣権限でありますから、大臣まで来なければとめることができないような扱いをする方針でありますから、従つて今受田君の心配されておる点も、実際問題にはそう心配ないのじやないかと思います。しかしそれの罰則まで設けぬでも、これを禁止しておけばいいのじやないかという議論は、相当傾聴に値する議論でありますが、私どもといたしましては、実際にやりて行く場合にはそこまで設けておつても、そう大したことはないじやないかというような、五十歩百歩の理論のように考えられますが、そういうような意味でひとつ御了解いただきたいと思います。
  61. 受田新吉

    ○受田委員 しからば国警の方にお尋ねするのですが、専用の取消し、停止を承認しなければならない事態が起つたときに、国警にいかなる警察業務の遂行を行われますか。これについて当時政府と国警とが話合いをされたときに、この法律をつくる想定があつたかどうか。この条文についてはいかなる用意をしておられるかどうかについても、本部の御意志を伺いたい。
  62. 樺山俊夫

    ○樺山政府委員 専用が停止される場合のことでございますが、私ども国家警察といたしましては、先ほど申し上げておりまするように、専用料金に該当いたしまする予算は、国会において御承認いただいております。会計事務の手続上多少遅れることはございますが、かような事態に立ち至ることは絶対にないと思つております。それと仮定の問題にお答えできかねると思いますが、警察は御承知通りに有線電話を中心にして通信をいたしておりますが、その他にもいろいろ通信の連絡の補助的なものがありまして、それらを総合的に活用いたしまして、現在通信いたしております。かたがた私どもの推測といたしましては、警察に関する限りさような御懸念はないじやないかと考えております。
  63. 受田新吉

    ○受田委員 これが簡単に済めばそれでいいようなものでありますが、今の公安委員会の方においても、料金を払わないということは、もはや地方公共団体から予算をとつておるのだから心配はないのだ。こういう専門の取消し、停止などを承認された場合という場合は、仮定である。法律で仮定ということはないはずです。専用の取消しまたは停止を承認しなければならないということは、仮定ではなくて、この法律ではもう実現することがはつきりしているように、法文の上から解釈できるのです。こうなると国家警察はこれを仮定と称し、政府もこういうことはあり得ないというように考えておる。末端においても、規則その他によりて下級管庁が失敗せぬように、現実に即しないことがないようにするとはいろいろ言うておられるのですが。そういう仮定的か条項をこれに入れることばどうですか。法文の上にまずいことではありませんか。国警本部としては、取消しまたは停止をされることは仮定である。法律では仮定ではなないことを規定してあるのです。仮定でないことを規定しておいて、そうして国警本部は仮免と称している。この矛盾をいま一度、法案の提出責任者の、政府最高首脳部でいらつしやる電通大臣の御意見を伺いたいのです。
  64. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 仮定という言葉の問題になつて来ますが、およその法律なり、契約が施行されます約款というものは、原則としては、いつ何日金を支払うなら支払う、利息は幾らということだけで十分なのであります。ところがもし払えなかつた場合においては損害金を払うという、仮定といえば仮定の約款があるのであります。というのは、当時者同志では、契約当時、あるいは法律を制定当時には、全然そういうことがない場合にも、かりにあつた場合にどうしようという意味から、こうした制裁的な法規が出て来ると思うのです。今受田君の言われる通り、こういうことはあつては困るし、またないというつもりであつても、かりにあつた場合には困るから、こういう条項を入れておくのでありまして、私どもの方では、警察の方の信念として、かりにもそういうことはないと答えるということは、警察のいわゆるこの法律を誠実に行う真意、信念を発表したものであると思うのであります。警察行政からいえば、支払う方の側からいえば、かりにもそんなことはないと強い信念を持つておるという意味の、今の答弁だと私は思います。私の方から言うと、かりにどういう信念を持つていても、かりにそういうことが起きた場合には困るから、そのかりの場合も制定しておかないと困るということはあり得ることでありまして、私どももそういう事態を起すことは万々ないと思つておりますけれども、一方私の方の責任だけ果しておつて、払う側が責任を果さない場合がかりにあつた場合には困るからというので、私どもの方でかりの場合が、こつちにはかりでないという信念の強い表現であつて、かりにもないということはなおけつこうなことでありまして、しかし私の方ではかりにもないと言つたところで、かりにもあつた場合には困るというこり条項でありますから、仮説というか何というか知りませんが、すベての約款がそうじやないかと思う。金貸しの例も申し上げた通りでありまして、制裁法規でも、すべて罰則が設けられた場合には、すべてある意味においては、かりにそういうことがあつた場合のことを、念のためにこういう契約をしておくのが、法律あるいは契約の実態であると思うのです。もちろんこういう事態を望むものでもありませんけれども、もしあつた場合ということは、念には念を入れるということにおいて、やはりあつた方がよろしいのじやないか。もちろんこの運用にあたつては、かりにもそんなことがないように努力するというところが、私ども考え方でございまして、受田さんの言わんとすることもよくわかるのです。ことにこの法律は、当事者両方が管庁ですから、そういうからの仮定として、そんなむづかしいことを書かぬでもいいじやないかという議論もありますけれども、一応電気通信省から言いますと、大きな金は出したが、料金はもらえない。しかもこつちは独立採算制で計算をやつておるが、金を払つてもらえないということは、相当窮境に陥るおそれがあります。何の場合でもかりそめにでもないようにするという、念に念を入れたこの条項なのであります。
  65. 受田新吉

    ○受田委員 大臣は先般この法律案が提出されるときの提案理由説明の最後において「繰返して申し上げるまでもなく、この法案の目的とするところは、警察通信施設整備強化と、通信資材経済的使用、すなわち警察通信設備電気通信省の手により整備した上、警察通信のためによりよきサービスを提供する」ということをわざわざ言つておられるのです。ところが警察電話の専用の取消しまたは停止をするということは、サービスでなくして、厳正なる罰則を規定して、警察通信業務の上に偉大なる禁足を加えることになるのであつて、あなたがおつしやつた提案理由とこの法律の文句とは、明らかに矛盾することを感じ、また先ほど来、こういうことはあつてもいいのであつてというような、少し弱い意見を示しておられて、この規定はなければならぬという信念を持つておられない。こういう規定があつた方がいいと思う。かりな場合も考えられた方がいいと思うというような、生ぬるい意思をもつておられるようですが、この際これを撤回されて、そんななまぬるい意思でなく、少し幅を持つとともに、電通大臣としてこの際ひとつ思い切つて新しい角度から、法律の条文を考え直してもらいたい。その点をひとつ承りたいと思います。
  66. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 受田君はどう考えるか知りませんが、私の提案理由説明と、ただいまの説明は毛頭矛盾していないと考えております。というのは、私の方でサービスする。その面において警察方は反対給付の問題で、反対給付が行われぬ場合にはなおそういうことをするというのは、そうした場合に私の方で料金を払わぬ場合はどうこうということは書いてありません。書いてありませんが、その大きなねらいは、私の方で保守建設をやつて警察電話運用をやるというのが主眼であります。その付随的な問題として、料金支払いという問題が起る。料金支払いという問題があるから、期日に払わなかつた場合にはどうという問題があるのでありまして、必ずしも私は提案の趣旨とは少しも矛盾しておらぬと考えております。なお私がこれを存置する気持において、少し弱いものがあるということを言われたが、私は少しも弱くないと考えている。むしろ受田君の気持をある程度いれることが、私は受田君の質問に対する答弁としてよいのだろうと考えております。腹の中では決してそんな気持は持つておりません。
  67. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 今の受田委員の御意見もつともですが、この条項にありますように、専用の取消しまたは停止をすることができないというような、非常に強い義務的な規定あとを受けて、もしこういうような場合においてはという消極的な規定であつて、必ずしも受田委員の言うような強い意味で、警察電話の運営に対して障害を与えるような規定ではないと思います。同時にまた現在すでに実施している契約が、どうなつておるかということと関連があると思います。たとえば国家公安委員会、市町村公安委員会、特別区公安委員会、こういうものの別々の契約は実際上できないのじやないか。あるいは国家公安委員会が代行して特別に電通省と契約しておるのじやかいかと思います。現実も問題としては国家公安委員会、市町村公安委員会、あるいは特別区公安委員会というように、別個に電通省と契約をとりかわしておるのじやないかと思います。それについて相当大きな問題が起つて来ると思いますが、どういうことになつておりますか。
  68. 花岡薫

    花岡政府委員 警察専用の主体は、やはり公安委員会でございます。公安委員会の名義で……。     〔中村委員長代理退席、委員長着席〕
  69. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 公安委員会には国家公安委員会と市町村公安委員会と特別区公安員会と三つありますが、その中で国家公安委員会が代行して実際上やつておるのじやないかと思いますが、それによつて料金問題の関係はどうなりますか。
  70. 花岡薫

    花岡政府委員 昨年の協定は、国家公安委員会が代表してやつております。
  71. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 料金の問題ですが、料金の支払い義務はだれがなつておるのですか。
  72. 花岡薫

    花岡政府委員 その点はひとつ警察側にお聞き願いたいと思います。
  73. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 この問題が明確にならなければあとでけつこうですが、私の大体承知しておるところでは、国家公安委員会が市町村公安委員会及び特別区公安委員会を代表して、一括して契約していると聞いております。そうなりますと実際上の料金は、国家公安委員会が各市町村公安委員会あるいは特別区公安委員会に対して分担しております。この分担の方法はいろいろ市町村財政の関係もあつて、必ずしも回線数、距離数によつてきめることができないという状態にあるため、大体従来の実績を中心にして、あるいは市町村の財政などを考慮して、この料金を市町村自治体警察予算の中に入れております。そういう関係上、市町村自治体が実際上の予算の分担をしておりますが、契約の主体が国家公安委員会ということになりますと、予算関係がありますから、県または国家の場合においてはこの問題は予算処理して参りまして、支障は起りませんが、市町村においては予算措置が必ずしもスムーズにできるとは限らない。あるいは市町村自体に解散問題が起るとか、あるいは何らかの形でもつて市町村が円満に予算の遂行ができない事態も実際起つて来る。その場合においては、納付時期がある意味においては遅れて来る場合ができると思う。そういう場合において国家公安委員会が市町村公安委員会、あるいは特別区公安委員会に対して、責任を持つてこうしてやるのだという措置によつて通話を停止しないあるいは専用を停止しないということになればよいのですが、実際上はそういつた事態も起つて来ると思う。従つて消極的な規定ではあるが、こういう規定を設ける必要がある。要するに電信通信省が消極的な義務を持つと同時に、一方公安委員会がこれに対して反対義務を背負うという、消極的な意味から必要だと思うのですが、この点大臣の見解を承りたい。
  74. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 今まで受田君とも議論した通り、いろいろ協議の程度が強いとか弱いとかいうことがございましたが、大体橋本君の言うことと同様です。
  75. 松本善壽

    ○松本(善)委員 同僚議員の橋本君からお話があつたわけですが、私は会計という立場からこの規定がなければならぬと考えるものであります。なぜかなれば、一般の方々に対しては、いわゆる料金を支払わないということによつて停止ということがあるのでありますが、ただ警察という問題について考えて見ますときにおいて、原則論的にこういうような、たとえば取消し、あるいは停止しないというような規定を設けるということは、会計の公平という原則から逸脱したものでありまして、こういう規定は当然あるべきが私は妥当だと信じております。かつまた同僚職員の橋本君からも発言があつたように、国家公安委員会または市町村公安委員会、もしくは特別区公安委員会も、ありまするので、この内容をつぶさに検討いたしますと、私たちといたしましては当然こういうような規定がなければならぬと思う。すなわち会計の大原則からいつて一般の人たちに対して停止をやる。警察だからといつて一定の料金を支払わないものに対して、これを認めるというような、こういう片手落ちな会計法規はあるべきではないのでありまして、あくまで経済というものは公平な原則に立つことが妥当であるのであります。従いましてこの条項は当然なければならないと考えておるものであります。
  76. 受田新吉

    ○受田委員 あまりこれのみに時間をとるのも考えものでありますが、重大な問題であるので最後に一言申し上げておきたいと思います。ただいま橋本君よりもお話がありましたごとく、国家公安委員会、市町村公安員会もしくは特別区公安委員会というふうに、どこに責任の主体があるのか、はつきりしないような政府筋の意向のようで、政府委員としてもここで責任のある答弁のできないような立場に立つておるようです。こういう不安定なままで、この法律案が本日提案されたということは、よほど注意を要することだと思いますので、政府筋でももう少し用意周到に、特にこの委員会は本日討論の上採決に入るという空気にあるようですから、何らかもう少し明らかにする措置を急速にとつていただきたいということ、それから橋本君のお話の内容に、自治体警察などにおいて、いわゆる市町村公安委員会などの場合、その市町村の財政が行き詰つて、破綻に瀕する場合がある、そういう場合には当然自治体警察そのものが電話が利用できないことになるわけですが、こういう場合において、そういう場合は仮定であるから、これはまだ考えられていないというのではなしに、仮定の場合における措置として、警察事務をいかにして遂行するかについて、先ほどあやふやな御答弁があつたので、いま一ぺん国家公安委員会政府委員の方から御答弁願いたい。
  77. 樺山俊夫

    ○樺山政府委員 先ほど御質問のありました点については、国家公安委員会自治体警察の公安委員会との専用料金の負担区分の問題でございますが、法文にあります市町村公安委員会並びに特別区公安委員会、これを一括して自治体公安委員会と便宜呼びまするならば、市外電話につきましては、一応国家警察が全部専用料金を負担しております。市内電話につきましては、それぞれの関係自治体の公安委員会専用料金を負担しております。それから市外の電話につきまして、一定の比率によりまして、国家警察の方で払います分と、自治体警察の方で払います分とは、負担の区分がわかれております。経費の負担区分につきまして申し上げておきます。  それからただいまの御質問につきまして、申し上げるまでもなく警察電話がとまりまして通話できないということは、警察通話のみならず、警察業務の全般から申しまして、非常に大きな問題でございます。私ども電通当局とも十分連絡を緊密にいたしまして、さようなことの起らないように努力して参りたいと思います。  なお先ほど申し上げました点を敷衍いたしますならば、警察通信は有線電話を基幹として行つておりますが、それ以外にいろいろな補助的な手段といたしましても、有線以外の無線の関係につきましても、あるいはまた一般の公衆電話関係につきましても、それぞれ補助的な手段をいろいろ研究いたしまして使つております。それらとあわせ考えまして、いかなる場合にも警察通信がとまらないようにということで、くふうしてやつておるわけであります。
  78. 受田新吉

    ○受田委員 そうであれば第八条の規定は、これは国警に対しても自治体警察に対しても非常に親切な規定でありまして、警察のための通信業務が中断しないようにというこの親切な規定があることによつて、第九条の強行法規が一応救われると思うのです。すういう点について、第八条の規定があるゆえに第九条を緩和するという意味において、私一応の質疑を打切りたい。同時に国家警察もしくは自治体警察は、この際その警察事務が中断しないように全力を振うということを、ひとつかたくお約束できるならば――われわれが法律をつくるのであつて政府法律をつくるのでない。政府がこれを提出したのであつて国会審議するのである。われわれが主体でありますから、双方の御意見を拝聴して、その御用意があるならば、一応この条項を了承したいと思います。
  79. 樺山俊夫

    ○樺山政府委員 ただいまのお説はまことにごもつともでございまして、私どもといたしましては、警察通信がとまりますことは、警察事務の遂行上非常に大きな障害であります。従いまして全力を盡してさようなことがないように、十分努力をいたしたいと思います。
  80. 松本善壽

    ○松本(善)委員 ただいまのは警察用有線関係のものであつて、樺山政府委員からお話もあつたように、私の福島県でありますると、実際に無線をもつて連絡をやつているのであります。有線というものもその一つであるという考え方からいたしますれば、受田君が懸念されるようなことは毛頭ないのでありまして、また料金を支払うことができないというこの状態も、おそらく普通の状態では考えられないのであつて、こういうような適用される状態というものがあつても、数えられるほどしかないだろうと思われるのであります。従いまして私はこの点については、当然第九条の規定は存置すべきなりと確信しておるのであります。
  81. 辻寛一

    辻委員長 本会議関係がありますので、暫時休憩いたしまして、三時半から開会いたしたいと思います。  暫時休憩いたします。     午後二時五十五分休憩      ――――◇―――――          午後五時十四分開議
  82. 辻寛一

    辻委員長 これより休憩前に引続き会議を開きます。  警察用電話等処理に関する法律案議題として、質疑を続行いたします。
  83. 田島ひで

    田島(ひ)委員 先ほどの質問に引継きまして、料金の問題について少し大臣お尋ねいたしたいと思います。先ほど受田委員からいろいろ御質問がありましたが、警察電話の料金の滞納が、先ほど申しましたように非常に多い。特に今度この法案によつて警察電話移管になりますと、採算の面から電話移管によつて生じます費用の維持は、施設の使用料金でこれをまかなうと思いますが、はたしてそれでまかなつて行けるかどうか。採算の点からやつて行けるかどうか。この点を第一にお尋ねいたしたいと思います。  それから二十五年度の損益勘定予算の中で、警察電話施設運用は、独立採算制ではたしてやつて行けるかどうか。この二つをまずお尋ねしたいと思います。
  84. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 警察電話の建設並びに保守は、いつかもお答えしました通り、その料金と建設費用との一つ独立採算制でやつて行きたいと考えております。しかしながらこれは独立採算制と申しましても、厳格な意味独立採算制ではございませんで、電気通信事業全般としてのごく小さい範囲独立採算制ということになりますから、法制的な、あるいは国会審議を受ける上においての独立採算制ではございませんが、大体気持はそうした上に置いて、この工事をやつて行こうというのが、こちらのねらいであります。従つて現状非常に警察電話は普及しておりますので、一般市内電話とは格段の相違がございますが、さしあたり建設費というものは相当いるだろうと思いますが、これを料金が入つてからということになりますと、なお損害の程度が大きくなつて、そうはできない。保守しておけば相当軽い費用でできるにもかかわらず、また一年も二年も延ばすと、全然新しくしなければならぬことになりますので、そういうような場合には、現在の建設費全般において、多少独立採算制から貸すということになりましよう。そういうものも見合せて、将来ある時期において独立採算がとれるような方法でやつて行きたいと考えております。従つて質問のように、一時的に期間を見ますというと、独立採算じやないという時期もありましようけれども、長い目で見た場合においては、結局独立採算制という形に運用して行きたいと考えております。  それから料金の問題でありまするが、現在の料金は相当低額でありまするが、これを大体二倍ぐらいに上げることも協定がついておりますので、その金額が入ることになりますれば、今申し上げた程度の長い範囲での独立採算制はやつて行けるのではないかと、こう考えております。
  85. 田島ひで

    田島(ひ)委員 先ほど政府委員お尋ねいたしましたが、料金の滞納が非常に多い。これは私が一例をあげましたが、全国的に相当調べになつておられると思いますから、その状態をここで御返答いただけましたら、一応お知らせいただきたいと思います。
  86. 花岡薫

    花岡政府委員 ただいま地方別の数字を持つておりませんが、滞納のあることは御指摘の通りであります。従いまして大分以前から国警の方と連絡いたしまして、滞納をなくするように相談をしておりますので、この滞納問題は間もなく解消すると思つております。
  87. 田島ひで

    田島(ひ)委員 今度の法案移管理由といたしましては、大体通信警察の現有施設の総合利用をはかるためだということが御説明にありましたが、ただいまの大臣お答えにもありましたように、警察の使用料金で、独立採算でやつて行けないというようなお答えから見ましても、なお現在非常に老巧しておりますところのこの警察施設電通省が引受けますと、電通省自身の独立採算の点からいいましても、現在の通信施設が非常に荒廃しておるときに、これを引受けてやるということは、電通事業にとつての大きな負担ではないか。特に電通事業が現在は一応、先日の大臣の御説明では、戦災によるところの荒廃は大部分は復旧したというような御説明でございましたが、数の上では確かに復旧しております。しかし質の上では非常に低下している。これは私が具体的に説明申し上げるまでもなく、なかなか話中が多い。話中に切断するとか、あるいはせつかく通じました電話でも、音が低くて通じないとか、ちよつとした雨のために、その辺一帯に電話が通じなくなるとか、あるいは先日のキチイー台風程度の災害ですら、東京都内では六割からも不通になつたというような、質の点では非常に荒廃しておる。戦争中から戦後にかけての状態では、ほとんど保守の面では電通事業が危機に瀕しておると言つてもよいのではないか。こういうようなときに、特に関係筋の指示があるとは申されますが、この老巧した警察電話――その一例を引きますと、私が千葉の工事局に参つたときのことだつたと思いますが、警察電話状態は非常に悪い。ある山の中の線が通じなくなつて、工事に行つて直して来た。どうしても電話が通じないからというので、調べに行くと、電線がなわで縛つてつた。これはおとぎ話のような話でありますけれども、そのような施設相当あるのであります。そのようなものを、現在この老朽した戦後の電通事業が引受けなければならないという理由がどこにあるか。関係筋の指示だというけれども政府自身の立場でこれをやつておられると申されるならば、私はむしろこれを移管されるよりも、地方自治体に変更される方がよいのではないかと思われますが、その点いかがですか。
  88. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 この問題は、田島さんじやなかつたかもしれませんが、他の委員の方にもたびたびお答え申し上げました通り、なるぼど小さく電気通信独立採算制という点から考えまするならば、お話のようなことも考えられるのであります。しかしながら、かりに電気通信省が引受けなくとも、やはり警察電話は治安の維持上から敗善を要し、あるいは保守をしなければならぬことははつきりしておるりでありまして、その保守をする際に、設備の少い、あるいは技術の優秀ならざる人によつて保守されるよりも、設備の完備とまでは行かぬけれども、比較して優秀な、しかも経験の積んだ職員によつて保守されれば、それだけ経費の面においても、また技術の面においても、敗善のぐあいが非常によくなることは、簡単に了解できると思うのであります。そういうふうに考えてみますと、なるほど電気通信省独立採算制、あるいは採算という点から考えますと、お話のようなことにもなりますけれども国家全般そして考えてみまして、どの警察電話は老巧である、腐朽しておる。これをどうしても保持しなければならぬという必要度が同じものであるとするならば、今申し上げる通り技術も比較的優秀であり、しかもそれに対する設備もある程度完備されたこの電気通信省の手でやつてやる方が、同じ経費でよい結果を得るのではないか。こうした点が私どものこの法案を提案した理由でありまして、もちろん田島さんの御意見のような考え方もできるのであります。その場合は、国家というよりは、電気通信省だけを考えますと、そういうことになつておりますし、さらに警察電話保守の問題でも、さしあたり来年度においても、やはり料金の収入目途とした八億程度のものを、警察電話の復旧にかけることになつておりますので、さしあたりの問題におきましては、や仕り独立採算制になつております。従つてこれにより電気通信省市内電話への復興、復旧、あるいは建設、保守について、警察電話を引受けたために、これだけマイナスになるという点に、さしあたりないのであります。ただ私が先ほど申し上げました点は、長い間には、あるいは食い込む場合があるかもしれないけれども、最後の場合には、これは取返すのだ。こういうようなお話をしたのであつて、今年度も来年度も一応独立採算制で、極力そういうような範囲警察電話の保守、建設をやつて行きたい、こう考えております。
  89. 田島ひで

    田島(ひ)委員 私はこの移管の問題につきまして、もうすでに昨年八月から実施されておりまするが、今日まで通信関係予算的な面からいいましても、非常な負担が来ておる。そのために特に予算的な十分な措置、つまり資材だとか、あるいは人員の確保が計上なされておりまするならば、もちろん警察電話移管を頭から反対するわけじやございませんが、昨年以来のいろいろな仕事の上で、非常に負担が従業員の上にかけられて来ておる。ことに定員法によつて人員が少くなつて来ておる。工事関係の人員の不足は、これは政府当局も認めておられると思いまするが、超過勤務が非常に多い。先日超過勤務手当の問題で大臣に御質問いたしましたときには、政府が命じた超過勤務に対する手当は出しておる。あるいは適法なものについてはこれを払つておるというお答えでありましたが、一体適法というのはどういうのを適法というか。人員が足りなくて、仕事がうんと余つておる。そのためにいやでも応でも残つてやらなけれげならぬ。その超過勤務が非常に多い。これに対して払つていない。これをどうしてくれるかということを現場の人から私は訴えられております。この点に対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
  90. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 超過勤務手当の問題ですか、これを適法というようなことを私は申し上げたことはないように記憶しておりまするが、言葉はどうでも、要するに超過勤務の支払い方法いかんという御質問でありまするから、お答えいたしまするが、現在で支払い遅延のないというのは、大体所属長が、この人は何時間だけ超過勤務してもらいたいといつて、一定の手続をした者に対しては、支払い漏れはございません。こういう趣旨でございます。従つて本人が、仕事が少し残つたから、きようは残つて行こうというので、課長にも、上長にも了解を得ずにやつた場合には、あるいは支払済みになつていないかもしれませんけれども、その監督者が命令して、そうして二時間でも三時間でも超過勤務をしてこの仕事をやつてくれといつたような場合には、それに対して支払い漏れはございません。またそれに該当するだけの予算のわく内でこういうことをやつておりますから、今生じたようなことは結局において起らないはずであります。
  91. 田島ひで

    田島(ひ)委員 超過勤務手当の問題で、もう一つお尋ねしたいことがあるのです。大臣お答えは、政府の御答弁としては満点かもしれませんけれども、実質的に実際は人員が足りなくて、仕事がやつて行けないのです。一一上役の許可を得て何とかというのではなくて、いやでもおうでも残らざるを得ない状態にあるのです。これは人員不足の点でわかると思う。この点、大蔵省に提出されましたたしか予算中に、警察電話保守費中、非常に少くなつている一般保守一人当り千三百円に対しまして、警察電話移管にあたりましての費用が、月百八十四円という少額になつておるということを聞いておるのであります。一番要求しております警察電話の設置のためのこの労務の勤務手当に対しまして、このように少いということは、一般保守を食い込む結果にもなる。こういう点からもお答え願いたい。
  92. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 ただいま申し上げました通り、たとえば職員も、この警察電話電気通信省移管されるために、特別の定員をとつて、そうしてその新しい定員に基いて保守、建設をやりましたから、この警察電話を引受けたために、まず経済的にも電気通信省の従来の事業に影響がないとともに、定員的にも、元の定員が足らぬということは別問題でありますが、警察電話を引受けたために、さらに元の定員が加わるということはないわけであります。定員においても独立採算制、また予算においても独立採算制という建前で進んで参りますから、これを受取つたために、特に職員諸君のいわゆる労務が過重になるということはないわけであります。
  93. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大臣はしきりに仕事が過重になることはないと言われますが、木を見て森や見ざる例もありますから、私がつつついて見たところで、そういうお答えしか得られないかもしれませんが、現に私が方々調べて歩きましたところでは、実に仕事が多くなつておる。この点、私はほんとうを言いますならば、電通関係の今後の見通し、安本における五箇年計画の、あの通信事業に対する計画は挫折いたしております。政府自身さきの第一国会におきまして、全員一致で通しましたところの通信復興に対する決議案の答申書を私は見せていただきましたが、その党でもいろいろ具体的な点で私どもは異議がある点でございますので、できるならばそういう点に対する今後の通信行政に対して、どういう見通しを持つておられますか。これは非常に大きな問題で、ここでは一言もお答えできないかもしれませんが、電通、郵政関係でそういう案や方針を立てておられるか、その点を承りたい。
  94. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 電気通信事業に関する基本的な考え方といたしましては、まず料金が最低程度の料金であつて、しかもこの通信が正確に迅速に安全に通信が可能であつて、ことさら、現段階における経済情勢においては、独立採算制を堅持する。こうした目標が電気通信省の今日の一番大きな目標だと思います。従いまして私どもはこの目標を基本にして行きまするが、本来この電気通信省及び電話などというものは、日本の現在の状態で、はたして現在の経済あるいは政治、文化面から見て、適当な姿であるかどうか。すなわち戦前の百八十万箇という姿を、それを復旧しただけで満足すべきかどうかということを検討してみますと、たとえば米国では四世帯に一本の電話日本は七十三世帯というふうに、非常に密度が違うのであります。結局これを二十五に一つぐらいにいたしますと、日本電話は三百万個ぐらい必要じやないか。三百万個必要だということになると、あと二百万個建設しなければなりません。この二百万個を建設するには、どれだけの資材がいるか、どれだけの資金がいるかということをだんだん計算して参りますと、ここにおのずから将来に対する見通しも、ちようど田島委員が言つたような五年ぐらいの年限は、どうしてもかかるという結論になるのであります。しかしながら現在のような経済状態でありましては、今年こうでも、来年の経済事情によつてまた変更といつたような情勢にある、現在の経済情勢では、かりに五箇年計画を安本で考えたようなもの、あるいは十箇年計画というものを立ててみましても、それは一つの標準というだけでありまして、現実には必ずしもその通り実行されないのだと思います。従つてどもはそこに大きな三百万個というような電話をねらいつつ、しかもサービスを落さずに、現在の経営形態において許す範囲内の建設資金を得ながら、また減価償却をしながら、日本電信電話の復興をはかつて行きたいと考えておるのでありまして、安本の計画が世間に発表されぬから、将来に対する希望、将来の対する計画がないのだというわけには参らぬのでありまして、私どもはこの理想である三百万個の電話というものを、できるだけ近い年次において完成したい。しかしそれではどれだけするかということは、その当時の経済情勢と政治の客観情勢とから、おのずからきまつて参るのでありまして、大きな目標は大体私どもは頭に浮かべておきながら、現実の問題をできるだけすみやかにやろうというような考えを持つておる次第であります。
  95. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大臣お答えは、建設面のお答えが多くございましたが、私は電話事業を今後建設面で数をふやすより、むしろ現在ある電話をいかにして保持して行くか。ただいま保守の面で相当困難に面しておるのじやないか。おそらくこれを正常にもどしますためには、数千億からの費用がいるのしやないか。こういうふうに見ております。こまかい具体的な点は申し上げませんが、最近私は詳しくは見ませんでしたが、新聞に電話事業か何かの民営ということがちよつと出ておりました。そういう点もやはり政府として、今後この電話事業を引受けてやつて行く見通しがないから、民営の方を望んでおられるのか、その点をちよつとお伺いいたしたい。
  96. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 この電信電話事業を民営にしたらどうかというような漠とした意見は、政府部内にもあります。しかしながらわれわれといたしましては、少くともこの電信電話事業というものは、どうすれば国民の要望する通信機関になるかということを、先に考えなければならぬのであります。たとえば民営などという議論は、一つの政治の勘であります。ところがこの政治の勘だけで、国会に対して自分たちの勘をしいるわけには行きませんし、なお国民に対してしいるわけに行かないのであります。私こちはこういう勘があつたら、どこまでも理論的な、またこういうふうな民営にすることによつて国民諸君にサービス面におきましても、保守拡張の面においても、大きな効果があるのだという、具体的な理論と実際の裏づけがあつた場合に、初めてそういうことを政府として提案するかもしれませんが、現在の範囲内においては、ただちに民営にすることがどうであるとかいう結論を得ておりません。従つて今は研究程度の問題でありまして、今民営にするとか、あるいは電気通信省を廃してコーポレーションにするとかいうような考えは、毛頭持つておりません。要は具体的な研究の結果、民営にするとこういう方向によつて資金が入つて来る。こうこういう方法によつてサービスがよくなる。あるいは公共企業体という形にすれば、民営にしたよりはこれだけの長所があるのだというような一つのりくつが、国会に出しましても、国民に示しましても、なるほどと納得が行くような見通しがつくまでは、政府の方針はきめておりません。但し私どもは先ほど申し上げました通り、どこまでも国民大衆の満足するような電信電話にしたいという念願は持つておりますから、あらゆる角度から研究して、民営にしたらどうか、公共企業体どうか、現在の官庁経営ではどうかということは、常に検討を継けつつあります。
  97. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大臣もたいへんけつこうな念願を持つておられますが、民営はとにかくといたしまして、おそらく現在の電通事業を盛り立てて行きますのには、政府としては外資でも入れてやつて行かなければ、やつて行けないじやないか。外資導入を望んでいるかもしれませんが、私は現在の電通関係荒廃状態から行くと、減価償却とかいろいろな点を考えまして、おそらく外資も入り得ないほどの荒廃状態だ。これを根本的に建て直すためには、政府として安本だけにまかせることなく、電通省といたしまして何らかの方法で、この電通事業の今後の復旧と同時に、せめて戦前の形でわれわれの電話が通ずるようにするための、方策を立てる必要があるのではないか。こう思いますが、その点について伺いたい。
  98. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 根本的な電信電話復興とか、あるいは拡張という問題は別でありますが、戦前の姿までのサービス、あるいは戦前の姿までの拡張という問題は、私に二十五年度予算の建設費約三百億というものが実現されますれば、大体来年度中には戦前に近いサービスができるのではないか。また国民諸君の期待に沿うこともできるりではないか。こういうふうに考えております。なお現在三割程度が関東方面の専用になつておりますので、そういう点がもしまた復帰いたしますと、ぐつと戦前よりいい姿になるのではないか。しかしこれだけでは満足できませんから、先ほど申しましたような長期的な、ほんとうに理想に達するような電気通信設備を、こいねがつているような次第であります。
  99. 田島ひで

    田島(ひ)委員 私の質問はたいへんこの法案と離れておりますが、それについて質問いたしたいと思いますので、法案の御質問がありましたら私はそのあとに譲つて、やはり電通事業に関する問題でありますから、質問さしていただきたいと思います。
  100. 辻寛一

    辻委員長 本案に関する御質問はございますか。
  101. 江崎一治

    江崎(一)委員 歴代の内閣のもとで、今までずつと通信行政は非常に紊乱をきわめておつたのであります。これはこの警察電話移管ということにも関係がありますので、この点についてお伺いしたいと思います。会計検査院の報告によりますと、昭和二十二年度におきまして、札幌通信局管内におきまして、特殊物件払下代金の未徴収が、大体九件で百二十九万円あります。それから長野通信局で十一件七十七万円、広島通信局では二十四件三百八十三万二千円余り、それから熊本通信局で百四件二千三百二万三千円余り、こういつたような未回収の代金がそのままになつているのですが、その後これはどうなつたか。その点について御回答をいただきたいと思います。
  102. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 お話の特殊物件につきましては、終戦直後に一応軍の方から、これは無償でくれるというような形であつたのを、後になりましてこれは無償ではいかぬ、有償でなければいかぬというような意味から、自然こんがらかつて後始末が遅れております。電気通信省といたしましては極力これに対する、つまり支払金の滞納に対して、督促をいたしまして、漸次入金して、ただいま江崎君のお示しの金額とは多少違うようでありますが、漸次毎月減少しつつあります。しかしながらせんだつてアカハタ新聞か何かに、いろいろなことを書いてありましたから、これではいかぬと思いまして、私はこの問題は訴訟を提起いたしまして、そしてわれわれの立場をはつきりして、アカハタ紙に答えようと考えております。
  103. 江崎一治

    江崎(一)委員 今の点につきましては、後ほどまた詳しいデーターをつけまして、お伺いしたいと思いますけれども、そのほかにも最近小澤さんの責任のもとに起つたところのいろいろの問題がある。その一つといたしまして、航空保安庁において起きましたところの不正問題であります。これは二十一年度からずつと幽霊職員をつくつている。大体金額にして六百万円くらいの金の横領をやつている。そしてこの間の定員法の首切りのときに、こり幽霊職員を八名首切つている。そしてこういう悪いことをした連中を首切らない。しかもこれがまた検察庁でうやむやになつている。こういうような合計の紊乱している状態におきましては、今後このたくさんの建設資金を要するところの警察電話移管ということに対して、非常に心細い感じがするわけであります。その点にいて御回答をいただきたい。
  104. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 航空保安庁の問題も、アカハタ新聞の号外か何かに出ましたので、私は初めてその事実を知りましたが、この問題は遠く二十一年度ごろからの問題で、元来この航空保安庁は、運輸省から来たのだそうです。運輸省から移管されて、通信省に入つたのでありますが、その当時運輸省では、職員に通勤バスをやつている。ところが運輸省から通信省移管されると、バスがない。何とかこの交通費を出せという組合からの強い要求がありまして、そうして当時の長官が、それでは交通費の幾分を何とかしてやろうというような意味で、予算上の物件費の中からその金額を出しておつたそうです。ところがその後給与法が制定され、どういう名目をもつてするも、この法律以外の給与を出してはいかぬということになつたから、私が就任する前、すなわち昨年十二月限り、この金は出していなかつたのであります。これは執行委員諸君から要求されて出したのであるが、それを出してはいかぬというから、それではみんなから払いもとしてもらえばいいというので、今どんどん払いもとしてもらつております。それで非常に職員諸君は困つているそうでありますが、横領ということは一人も一文もございません。ただ物件費からただいまの交通費を出したということが、合計二、三百万になるそうでありますが、これは漸次戻入されつつありますから、何人もこれによつて利得されておりません。これは職員諸君に対する窮乏を思いやつた結果、そういう措置をとつたのであろうと思うのでありまして、その措置をとつたことがいけないうことであるならば、みんなとりもどそうというので努力しております。
  105. 江崎一治

    江崎(一)委員 警察電話関係におきまして、ことし能代管理所の管下におきまして、ありキチイー台風のときに電柱が実際は倒れておらなかつたのに、人夫を使つてこれを人為的に倒して、そしてこれは台風によつて倒れたと称して、これを写真にとつて、この修理の予算を請求したというような事件があるのです。これは小澤大臣御存じないかと思いまして参考のために、特にこういう不正の問題については、今後この警察電話移管に関して、注意してもらわなければならない問題であると思いますので、申し上げておきます。
  106. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 不正問題に対しては、私は極力徹底的な措置を講ずるように考えております。もしそういう具体的な問題がありますれば、私どもとして調べて、調べた結果不正ということになれば、断固たる処置をとるつもりであります。
  107. 江崎一治

    江崎(一)委員 今申し上げた三件について、詳細な政府側の資料をいただきたいと思います。そういう要求をします。
  108. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 二、三本案について政府側の御意見を伺いたいと思います。第四条に、大体代価をきめる場合においては、評価審議会いものが設定せられることになつておりますが、その基準についても第四条で大体原則をきめているようであります。そのうちの、第四条の第一項目の中の創設費の費用の問題ですが、第二項の方は明らかに統制価格もしくはそのときの価格と明記してありますけれども設備費についてはこれがどうにも解釈できるようになつているのですが、たとえばこの法律施行の日における創設費というものが、実際上に建設いたしましたときの創設費を意味するのか。それともこの法律が施行された日をもつて創設費を時価に換算して、それから耐用年限その他を減額するのか。その点が明確でないので、まず第一にお聞きします。
  109. 山下知二郎

    山下(知)政府委員 これは法律施行の日におきまして、創設したならば幾らになるかということから計算し始め、それから評価額をきめる。それから利用程度の参酌をし、最後に定める。ですから施行日における創設費と見ていただきたいと思います。
  110. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 第二点は、将来の問題になりますので、あるいは希望ということになりましようが、今回の警察電話電通省が引受ける事情については、一つには当局の奨励もあり、要請もあり、第二には電気通信設備の総合利用、こういう点にあるのでありまして、保守費にいたしましても、専用電話保守費といたしましては、電線などは共通する場合も相当に多かろうと思う。電線ばかりの専用ではなくして、電柱その他の設備のいわゆる改修、保守の場合におきましても、総合的にやる場合が出て来ますので、この点先ほど来からの政府委員のお話を聞きますと、独立採算制の建前から、使用料の点についてもできるだけ将来値上げをしたい。こういう見解のようでありますが、こういうような総合使用という建前から見て、実際上の保守費というものが、必ずしもそれに限定せられないのではないか。他の分まで入つて来るような場合が出て来はしないか。そういう点を参酌して、将来使用料の算定の場合においては、特にこの点を考えて、できるだけ地方財政のことも考慮に入れてもらいたい。同時にまた今後この代価を決定する場合におきましても、第四条における二項目だけで、はたして適正なものができるかどうかということを、われわれは心配するのであります。ことに地方財政のきゆうくつなる折柄でありまするから、電気通信省としては財源の許す限り、できるだけの代価を支払わなければならぬと考えるのでありまするが、これ以外に、単に評価審議会にまかせずして、何らかの方法で参考意見をとるような具体的なお考えがあるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
  111. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 この委員会構成以外に、法制的見地としては特別な人の発言権はないのであります。しかしながらわれわれがおよそ政治をやる場合におきまして、地方行政自治体経済面における困窮ということは、目下の重大問題でありまするので、これは私どもばかりでなく、出て来る委員も、価額の決定に議論が集中されるのではないかと思つております。現にでき得ることならば、価額を両省で決定して、そうして法律案として出したい。こういう考えでありましたが、やはり自治体の財政上の窮乏というような点で、相当の見解の相違がありますので、しかたなく委員会制度を設けた次第でありまして、勢い今橋本君の言われるような線が強く要請されておるために、この価格が具体的に決定されないような事情でありまするから、この委員会が成立いたしました場合においても、おそらく会員がこの橋本君の考えのあるところを、この委員会において主張し、結果においてそうしたことが相当加味されるのではないかと考えております。
  112. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 大体以上でけつこうであります。
  113. 受田新吉

    ○受田委員 電通大臣に第三条の審議会なるものの構成メンバー、これに対する構想をお伺いしたいと思います。たとえば電通省職員はどの局長とどの長官を持つて行くとか、大体そういう構想がおありと思うのでありますが、これをおまかせする以上は、構想を見せなければいかぬと思う。
  114. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 それは大体考えておりまする線は、多少変更になるかも知れませんが、この法案の提案をする際に考えておつたのは、電気通信省の二名というものは、電気通信省施設局長、同じく経理局長大蔵省では管財局長、国家公安委員会委員一名は、これは国家公安委員長にお願いしてしかるべき人を人選してもらつて、事実上その人の推薦した者を用いたいと思つております。国家地方警察本部総務部長地方自治委員一名、これも自治委員会に推薦方をお願いして、適当なる人を推薦してもらいたいと思つております。それから地方自治庁の財政部長、以上が現在考えておる委員の選考予定であります。
  115. 受田新吉

    ○受田委員 第四条の大体の代価が、二十五年度の予算にどのくらい盛られようとしているか。これも構想でよろしゆうございますが、ひとつ伺つておきたいと思います。
  116. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 大体従来の構想では、建設資金の全予定を見送り資金から二百億、それから減価償却から七十三億、終戦処理費から十二億というので、二百八十五億くらいの建設資金を考えておつたのであります。ところが今度ドツジ博士の来朝によつて、多少狂いが来るじやないか。こういう関係からはつきりしたことは申されませんけれども、大体一億から一億五千万円程度が、これに充てる費用に組まれるのじやないかと思います。
  117. 受田新吉

    ○受田委員 ただいまの二百八十五億を考えておられるという内容の、ごく一部がこれに充てられるということになるようでありますが、私はもう一つさらにこの法律の結果を大さくさせるために、全国の市町村には少くとも、たとい山間僻地といえども一個の電話は必ず必要である。現在のような憲法上の規定に基き、あるいは諸種の法規によつて、犯罪捜査に非常に苦労をしておる段階において、一方で法網をくぐる諸君も相当あるわけだから、その各町村に一個の電話がないということは、非常に不合理である。それは警察電話にも使うし、民用の電話にもする。つまり警察目的と民間の需要とあわせて持つような電話を、各市町村に施設する必要があると思う。私の方の山口県においても、ほとんど山間部には電話がなく、駐在巡査のごときはまつたくぶさたをしておりまして、犯人の逃亡を目前に見ながら、それに対する措置ができない。民間の人も協力する道がない。こういう現状ではきわめて遺憾であるし、一方では現行犯にあらざる誤られたる人が、基本的人権の   をされるという結果も起つて来る。こういう点でまじめな意味警察電話の効用を大ならしめるために、ここに国家地方公共団体から電話を購入したこの機会に、その権利と義務の関係を明らかにして、積極的に電話の増設をはかり、ここにある警察通信目的を達成する効果を偉大ならしめるように、あわせて考えておかれる必要がある。これに対して大臣は先般、電話の敷設を相当計画しているが、まだ三百万個の計画実現にははなはだ遠いものがあるという御説であつたが、各市町村に一個の電話を設けて、この法律の効果を大ならしめると同時に、民間需要を大きくさせるという点について、ちよつと御意見を伺いたいと思います。
  118. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 受田君のお考えはきわめて適切なものと私は考えております。現に郵政省所管ではありますけれども、全国にまだ千八百の郵便局のない村があつたのであります。そこで私は、これは公平の原則から言つても非常にまずいことであるし、しかも通信事業の文化性というような点から考えると、これは少くとも一村に一つの郵便局は必要だ。こう考えてみたところはいいが、いざとなつて従来のような特定局を設けますと、人件費から庁舎費用を合せますと、年に二十万円ないし三十万円の損害なのであります。一方独立採算制というものが要請されておりますから、非常に私は苦しんだのでありますが、簡易郵便局法が皆さんの御審議を得て、前回の国会で通過いたし、これが実行に移つておりますが、すでに四百以上の簡易郵便局が設置されて、しかも協同組合の援助を得て、まで千八百の無郵便局の村がありましたのが、四百だけ減つておるような別状でございます。そこでこれを漸次拡大いたしまして、少くともどこの村にも郵便局は一つあるという建前で進もうと思つておりまするし、また各村におきましても非常にこれを歓迎いたしまして、逐次申込みが増大し、施設が完備しつつあるのであります。このときに私どもは簡易郵便局のそばへ、簡易電話所というものを設けまして、そして簡易郵便局ばかりではなく、電話、電報の扱いもこういうところでやることが適当だというふうに考えておりますので、漸次この簡易郵便局の設置されたとこりへ、簡易電話所を設けるような方針を立てて、現に行つております。ただ何しろ二里も三里も電柱をつないで、そこへ莫大な建設費をかけて、その上りはどうかというと、一日に二本か三本の利用、あるいは十本くらいの利用では、計算には合いませんが、幸いに都会で利益が多少ありまするから、その方の利益を町村にわけて、そうして独立採算制を維持しながら、ただいまの辺鄙な各町村にも電信、電話の恩典と、郵便局の恩典に浴せしめようというのが私の念願であります。要するにどの程度にやるかということは、財政とにらみ合せまして、できるだけすみやかにそうした方向に進みたいと考えております。
  119. 受田新吉

    ○受田委員 以上で根本的な質疑を一応私からは終りたいと思うのですが、最後にちよつとこれは他の委員会との関連事項でありますので伺つておきたいのですが、昨日地方行政委員会において満場一致をもつて採択された請願に、警察法の一部を改正する請願があります。これは第二三号でありまするが請願者は東京都特別区公安委員会長の小畑君外二十二名でありますが、この中にははつきりと警察電話の独立統一を実現することという項目があるのです。これが地方行政委員会で満場一致採択されている。こういうことは委員会の立場が違うのだからいいというようなものであるが、国家警察の立場から、関係の方はこの問題をいかにお考えになられるか。同時にこうした地方行政委員会とこの電通委員会の二つが、一方ではこういうふうに電通省移管しようとするし、一方は警察電話の独立統一をはかろうとする点について、政府の要路者である大臣は、こういう場合にこの間からいろいろ請願の問題について卓見を述べておられましたが、この場合にはいかにこれを取扱うべきかについて、大臣に御意見を伺いたいと思います。
  120. 渡部武三郎

    ○渡部説明員 ただいまお話の警察電話独立の問題でございますが、これはいろいろ社会の中でもそういうふうな声がございますし、また警察部内でもそういう意見を持つている人がないわけでもございませんが、今まで電通省といろいろ話し合いました結果、公安委員会及び国家警察の方針としましては、統合するというような方向に方針がきまりまして、こういうふうな法案が出て参つたのであります。
  121. 受田新吉

    ○受田委員 今の問題ですが、独立統一を実現することについて、地方行政委員会へ東京都特別区の公安委員長請願しておられるのです。それに対して請願が採択されているのです。だからこれに対しては国家公安委員会としては、こういうものについては請願をされるような形をとつておられるのか。もしくは電通省がこういうことになつたのだから、こういうものはもう出すなと言つたのを、特別区の公安委員長が出しているのか。この問題は一方電通委員会ではこの法律審議し、一方は警察電話の独立統一をはかつて行けという問題が起るのですが、各委員会によつてあまりに相違したことが行われては困ると思うのです。この点などは公安委員会がこういう取扱いをするにあたつて、必ず地方行政委員会説明されたと思うのですが、この矛盾を解決しておかないと、われわれ立法者としては二つの性格が、個々に互いに認められるということは、非常に不合理だと思いますので……。
  122. 渡部武三郎

    ○渡部説明員 ただいまお話の、国家公安委員会としましてそういう請願を慫慂しているかという点でございますが、そういうふうな慫慂を特別にしておるというようなことはないと聞いております。
  123. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 その請願は不幸にしてまだ見ておりませんで、受田君のお話で初めてわかつたのですが、およそ建設、保守というような問題に、かりに電通省でやりましても、実際の運用は別に一般電話へ混入してやるのじやなく、従来と運用の仕方は少しも変らないのです。従つて交換する人も国家警察の人が交換するので、普通の地方の交換局に入るのではないのです。今までの設備はそのままにして、その建設と保守だけを私どもの方でやるのであつて運用においては従来と少しも変つておりません。でありますから、おそらく独立統一ということは、どういうことを意味するのかわかりませんが、これは決して一般電話へ混入して、警察電話一般電話と同じにするという法案ではございません。運用は従来通り警察電話の特異性に見られた運用がされており、ただそれに対する設備の建設あるいは設備の保持というものだけを、特別の技術を持つている電気通信省でやつてあげる。そして料金をとるというような状態で、その請願趣旨はよくわかりませんけれども、こういう点までも統一しろという趣旨なのか。あるいは現在そうなつているのにそういう請願を出すとすれば、この法律とはおよそ反対の方向で出しておるのかもしれませんが、この問題は私の方でもむりに進んでやつたのでなくて、むしろ国警の方と私の方とよく相談し合つてつておるので、一部にそういう議論があつても、国家警察あるいは自治警察全般としては、この法案に協力いたしておるのでありますが、特に請願がそういうふうに出ますれば、またその請願を拝見した上において、適当な措置を講じたいと思つております。
  124. 飯塚定輔

    飯塚委員 大臣に特にお願いしておきますが、先ほども田島委員からお話があつたように、警察電話を受継いだことによつて、従業員がオーバー・ワークにならないよう、特に居残りやなんかについて、給与の面においていろいろ問題があることと思うのであります。それはこの前の通信委員会のときに、大臣からしばしばお答えがあつたように、福利厚生の面において十分御留意くだされんことを、特にこの際お願いしておきます。
  125. 辻寛一

    辻委員長 ほかに御質疑はありませんか。なければ本案に対する質疑はこれをもつて終了いたしたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 辻寛一

    辻委員長 それでは終了いたします。ちよつと速記をやめて。     〔速記中止〕 ○速記を始めてください。それでは本案に対する討議採決は、明日午後一時より会議を開き、これを行います。     ―――――――――――――
  127. 辻寛一

    辻委員長 なおこの場合、電気通信行政一般に関する質疑の御希望がありますので、特にこの際許します。田島君。
  128. 田島ひで

    田島(ひ)委員 先ほどの質問に対する継続になりますが、先日私は政府の方に質問書を出しておきまして、そのお答えを実はいただきたいと思つてつたのでありますが、この委員会でお願いしておきたいことは、先ほど申しましたように電通事業の荒廃が非常にひどい。予算的の面でも、建設予算が二十四年度には非常削減されておる。四十九億の赤字を埋めるために、郵便料金の値上げをやつたり、あるいは行政整理によつて――これはたしかわずか三億円くらいの予算の節減になると思うのでありますが、そのために多くの人々を馘首し、整理いたしまして、今日年末の路頭に迷わせておるような状態になつておりますが、私の御質問いたしたいと思います点は、実は終戦後ずつと引継いだ問題です。これは今の政府だけの責任お答えいただきたいという問題ではございませんが、終戦後陸軍や海軍が持つておりました特殊物件の払下げに関する問題であります。これはあの当時相当厖大なものがありまして、その厖大なものの中から、通信関係通信器材が相当払い下げられております。これは今の相場にすれば五千億に達するといわれておりまするが、それは別といたしまして、たしかこの問題は昭和二十三年三月の第九十二議会で問題になつたと思います。その当時の一松通信大臣は、終戦直後といたしまして数千億円からのものがあつたと言つておられます。こういう記録が残つております。私はこの問題は非常に重大だと思う。この特殊物件がどのように払い下げられて、どのように処分されたか。もしこれだけの重大な国家財産がありまするならば、今日逓信通信関係の復旧には大きな役に立つ。わずか三億円の予算の節約のために、多くの人々を路頭に迷わせるというようなこともなくて済みますし、あるいは大衆の負担になるところの郵便料の値上げなんかはしなくても済んでおる。その点で、私は次にこれを箇条にして御質問いたしたいと思いまするから、今日でなくてもけつこうですから、これに対するお答えをいただきたいと思います。  第一の点は、終戦によつて通信省が陸海軍から譲り渡しを受けた通信器材は、どのくらいあつたかという点でございます。先ほど申しましたように、時価で五千億円だといわれております。これは別にいたしましても、一松通信大臣はつきりと、終戦直後に数億円に近いものがあつたと申しておられますが、この点をお伺いいたしたい。  第二の点は、この器材が払い下げられますときに、どういうような業者に払い下げられたか。この詳細な資料を御提出いただきたいと思います。たしか特定の業者に大半が払い下げられたということがいわれております。  第三は、どのような方法でこれが払い下げられたか、お伺いいたしたいと思います。この点につきましても、昭和二十四年五月発行の監察指示事項集というものの中には、通信監察局すら、払下げの対象といたしまして、資材を有効に活用し得る工場、あるいは作業場、研究室等を持つ繊維の製造業者、または学校とせねばならないというようなことが書かれておりますが、実際には転売によつて、利益を目的としたブローカーあたりが、この払下げを受けているということを聞いております。こういう点のお調べができておるかどうか。この点をお伺いしたい。  第四は、払下げ資材の中には――これはもつとも政府の御責任ではありませんけれども、輸出用として払い下げられたものが相当あると言われておりまするが、実際には輸出された形勢がない。こういうものはどこに処分されたか。この点も政府の方ではその後歴代――今の政府自身責任ではないかもしれませんけれども、それに対するお調べなりの処置をとつておられるかどうか。  第五に、価格の問題でございますが、これがどのような価格で払い下げられたか。非常にたくさんの資材でございまして、その中には無償で払い下げられたものが多いようにいわれております。取引価格はだれがきめたのか。また公定価格の、実際は三分の一から、ひどいのになりますと十分の一というような点で払い下げられているということを聞いております。この点をお伺いしたい。  第六の点は、代金の未徴収、これが非常に多い。この代金の未徴収を今日までほつておかれたものかどうか。どのくらいの未徴収額があるものか。こういう点は政府の方でもお調べになつておられると思いまするから、一応お伺いいたしたいと思います。  最後に私は、この事件が全通の労働組合、そのほかたしか全官公の労働組合問題などでも問題になつたと思います。そのときに小澤大臣があわてられたかどうかしりませんが、大急ぎである一つの商会だけを訴えられております。なぜ一つの商会だけに限つて訴えられたのであるか。ほかの商会をもつと取調べることなく、これを徹底的に究明することなく、そういう処置をとられた。この問題はおそらく今の政府だけの責任ではないかもしれませんが、国家財産としては莫大なものになり、これだけのものを有効に生かしたならば、今日通信関係、電気関係の復旧はもちろんのこと、それから従業員の生活の保障、安定というようなことも、十分できると思います。こういう点で、今後政府として、またわれわれ電通委員としても徹底的に調査いたし、何らかの方法によつてこれを究明いたしまして、これを処置して行かなければならない重大な問題だと思いますが、以上の点を、今日ここでお答えいただけないかもわかりませんが、詳細にお答えいただきたいと思います。この点を申し上げるために、実は特別の御質問を申し上げた次第であります。
  129. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 ただいまの一項目から六項目かにわたる詳細なことは、全部はつきりいたしておりますから、書面で詳細に報告いたします。  一言申し上げておきたいことは、何か私がたいへんあわてて訴訟を起したとか起さないということは、全通新聞かアカハタ新聞の記事としては出ておつたようですが、決してあわてたり何かして訴訟を起したというようなことは全然ありませんから、その点だけ誤解のないように願います。
  130. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大臣が起訴されておることは事実なんですか。三洋商会というものを大臣の名で起訴されたというのは事実ですか。
  131. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 起訴を早くするように命じております。事務当局では、毎月入つております。それが入らなくなつて損だというので、どうも訴訟を起さざるを得ないと思つたのです。今田島さんの言つたように、私があわてたとか隠すとかいうように思われても困りますから、共産党のために訴訟を起しなさいと言つております。私は何もあわててもいないし、何もしない。帳簿を見れば一部始終はつきりしておりますから、どれだけのものがどういう値段でどこに渡つて、今の未払いが幾らかということは、はつきり書面であなたの方に送ります。全通の組合でも何回か会つて、そういうものを見せておりますし、その点についてあわても何もしませんから、その点は御了解を願います。
  132. 田島ひで

    田島(ひ)委員 大体このお答えは、ただいまの資料をいただきました上で、なおほかにもいろいろこまかい不正をたくさん知つておりますから、これもあわせて、今後何らかの機会に徹底的に究明さしていただきたい。また電通委員会としても、委員全員がぜひこの問題に目を向けられんことを望みまして、私の質問を終わります。
  133. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 先ほどの江崎君の問題も同じですが、不正なことがあつたらどんどん申し込んで下さい。私は断固として処置いたします。
  134. 辻寛一

    辻委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十六分散会