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宮幡政府委員 配炭公団廃止に伴いまする
炭鉱金融の問題は、実に重大なことでありまして關内
委員の御
指摘にありました中小炭坑の金繰りということにつきましては、非常な苦慮をいたして参りました。当初は大体設備資金、運転資金という確然たる区別はいたしませんでしたけれども、まず
配炭公団廃止に伴うつなぎ資金的なものとしまして、中小
炭鉱に対しまして十八、億程度の融資をいたしたい、かように
考えまして、その
方法についていろいろ
研究いたしました。
もつともこれに先だちまして、もし有効需要等を超過いたします
石炭の生産があるようであつたならば、これはぜひ一応
政府で買取る保護
政策もいたして行きたいと思いまして、現実の問題として
関係方面と交渉もいたしたのであります。これは現在の
事情においては絶対に許すべからざるものであるというようなことで引き退いたわけであります。
次には金融の方途によるべきであるので、いろいろこの金融につきましても、最初は少くとも復金の貸出し機能は停止しておりますが、回收につとめておるし、復金が存在いたします以上、その金融業務として保障をするのも妥当であろう、こういう観点からこれに対しまして復興金融金庫が保障いたしまする融資をしよう、こういうことで
金額は先ほど申しました十八億程度を目途といたしまして交渉いたしました。これはまさにそれによ
つて実現しようといたしました場合に、残念ながら
関係筋から復興金融金庫の機能の完全停止を命ぜられまして、またこれと並行しまして預金部資金の
運用というようなことも
考えましたが、これは少々むりな構想がありました。もう
一つはここで
ちよつと申し上げかねますが、特段な国内手続によりまして、せひこの融資をいたしたいと思いまして、これも
努力いたしましたが、やはりその効果を收めることができない、そこで結局は最後に残りますものは何と申しましようか、コンマーシヤル・ベースの範囲で、オープン・マーヶット・オペレーシヨンの操作によりまして、これでも
つて金繰りをつける以外に
方法がない、こういうことで關内
委員も若干御存知のように、いろいろと苦心を拂いまして、ただいまでは興業銀行を通じまして、四億少々が資金として実際に貸出されておる。このわくを確定的な文書で、こういうきめで、あるいはこういう
規定でということはありませんが、十二億程度の資金が流れて行くようにいたしておるのでありますが、これがやはりただいまの金融統制がなくなりまして、しかも金融に関する法規が整備されてない段階におきますると、どうしてもコンマーシヤル・べースによります市中銀行利用ということになりますと、金融の受入れ態勢がおもになります。いわゆる借りる力がある、借せられる力がある、ところが金融というものは借りられるところ、借せられるところというならば、あつせんも何もありません。事実上は借りられないというところに流れる道、それにはこれらの補助をしなければならぬ。それが許されないということで非常な行き悩みにな
つて、これは中小炭坑に対しまして、きわめてお気の毒だと思います。そこでただいまは一々の件につきまして、大体了解事項にな
つております興銀からの融資十二億を目安といたしまして、一々ごあつせん申し上げる
方法で、この欠陥を何とか最小限度にとどめようと
努力いたしておるわけでありまして、現実の問題で配給残がただいま資源庁の方にどれだけの報告があるか、私の方といたしましては休山いたしたというのは、報告をまだ受けておらないわけでありますが、事業家はそれぞれ新たなる自由競争出発の中におきまして、御苦心をなさ
つておることとは想像いたしております。そこでぜひとも機会あるごとにこの問題をとらえまして、
検討を怠らないつもりでありますので、具体的問題について御相談をいたしまして、日銀とのあつせんその他の資金わくもございますので、その範囲内におきましてぜひ金融の道をつけて、こういうことにさしていただきたいと思います。いろいろなことを
考えまして、ぐちを申すようになりますが、この措置につきましてもいろいろな計画を立てましたものが一次、二次、三次、四次と数えて参りますと、おおむね十段階くらいの
努力を拂いましたが、残念ながら成功の域に達しません。はなはだ当局自身としても遺憾にたえないところであります。
事情はさような状況でありますので御
了承いただきたいと思うのであります。