○
宮幡政府委員 今澄委員のお配慮の点は、これは商慣習と申しますか、当然起るべき事態であります。もうやめる、店じまいということになると足元をつけ込まれる、これはきわめて適切な言葉であります。その
傾向につきましては、これは必ずしもないとは申し上げられません。各種の物品につきましてバイヤーあたりから、きわめて安い
値段をつけられる。それならばみんな買おうというような
状況に
なつて来ることも、しばしば起
つております。ただその場合にこれを牽制する、と言
つては妙な言葉になりますが、
貿易が近い将来自由になり、
輸出もおおむね自由に
なつた場合に、
国内のその
品物を
生産なす
つた方々が、これをみだりに
外国市場に放出せられましては、自己の
産業の圧迫になるという立場から、進んで買いもどし等をしてくださいまして、独自の立場で商談をあらためて成立させて、
輸出していただくということに特段の御配慮を願
つて行けば、非常に通産省としてもやりよい面があるのでありますが、
国内においても残念ながらいわゆるおひより見というので、だれかがもし買わなか
つたら買おう、たとえばこれに対して公売
手続をや
つたり、あるいは評価の協議会等にかけましてもみなひより見でおる。いよいよバイヤーがそれではこれが最高の
値段である、また
国内価格と見合せてもこの辺がよかろうということに落ちつきますと、あわてて
業者がもう少し高く買うからこつちへ売
つてくれと言う。こういうような
状態が真相であります。これは特に委員各位の御協力を願いまして、
国内の
計画生産あるいはその他の過程におきまして、現在
輸出品として滞貨の形にあるものがうりさばかれますときには、ぜひともそれについて自己の
産業を保護するという意味から、重大な関心をお持ち願うように御配慮いただきたい、かように
考えております。公告いたしましても、展示会をやりましても、公売をやりましても容易に手出ししない。しかしてバイヤーが安く持
つて行こうとすると、それでは困るからこちらへ売れ、かようなことになりまして、まだ
輸出が先着順に受付けるという段階に
なつておりませんから、相当これらについても干渉がましい
手続までとりまして、なるべく一銭でも高く、あるいは1セントでも高く、かような気持で、ただいま
個々の問題について配慮いたしておるような始末で、御懸念の点は十分注意しなければならない点だと思います。御注意に
従つてさような間違いの起らないように、嚴密な注意を拂
つて進行して参りたい。ただ公団の廃止につきましても、これは公団の仕事に押されて、公団というものは整理さるべきであります。行政整理の問題につきましても、私は常にこの説を省内にとなえております。統制が解かれますと、だんだんいらなくなる方がふえて参ることは事実でありますが、仕事の量がどう
なつたかということも勘案して、定員等も考慮すべきである。こういう点から
考えまして、公団の方の仕事の進捗
状況、時の
状況によりまして、ただいまから予想して何年何月、暦によ
つてこれを打切らなければならない、かようなきゆうくつな
考えは通産省としては持
つておりません。