運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-28 第6回国会 衆議院 地方行政委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜日)     午前十一時一分介開議  出席委員    委員長 中島 守利君    理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君    理事 川本 末治君 理事 菅家 喜六君    理事 野村專太郎君 理事 藤田 義光君    理事 大石ヨシエ君       吉田吉太郎君    龍野喜一郎君       大矢 省三君    門司  亮君       床次 徳二君    谷口善太郎君       鈴木 幹雄君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 池田 勇人君        国 務 大 臣 木村小左衞門君  出席政府委員         地方自治政務次         官       小野  哲君         地方自治庁次長 遠山信一郎君         (地方自治庁連         絡行政部長)  鈴木 俊一君         (主計局長)         大蔵事務官   河野 一之君  委員外出席者         議     員 千賀 康治君         総理府事務官  奧野 誠亮君         専  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 十一月二十六日  委員小西英雄辞任につき、その補欠として鹿  野彦吉君議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員鹿野彦吉君辞任につき、この補欠として淵  上房太郎君が議長指名委員に選出された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方配布税法特例に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第三六号)   請願  一 自治体警察交員に対する退職蔵手当支給に    関する請願川本末治紹介)(第八号)  二 法令制定地方事構を配慮の請願山本猛    夫君紹介)(第二号)  三 地方配付税配付率復活請願山本猛夫    君紹介)(第一二号)  四 同(倉石忠雄紹介)(第一三二号)  五 町村吏員恩給組合に対する国庫補助請願    外四十二件(川本末治紹介)(第二七    号)  六 同(倉石忠雄紹介)(第二八号)  七 同(砂間一良紹介)(第一二八号)  八 同(江崎真澄紹介)(第一二九号)  九 琴浦町警察署に対する特別捜査費国庫負担    の請願星島二郎紹介)(第六四号) 一〇 京都府衛生部存置に関する請願大石ヨシ    エ君紹介)(第一一二号) 一一 警察法の一部を改正する請願外一件(前田    種男紹介)(第一一三号) 一二 府県衛生部存置請願宮原幸三郎君紹    介)(第一二〇) 一三 町村吏員恩給組合に対する国庫補助請願    外一件(佐竹晴記紹介)(第一七二号) 一四 地方税法の一部改正に関する請願石原圓    吉君紹介)(第二四〇号) 一五 地方自治法の一部改正に関する請願石原    圓吉紹介)(第二四一号) 一六 同(石原圓吉紹介事)(第二四二号) 一七 住民税賦課期日及事び課税方法改正の請    願(石原圓吉紹介)(第二四八号) 一八 養ほう(蜂)業者に対する地方独立税免    除の請願柳田博紹介)(第二五四号) 一九 消防団員災害補償制度制定請願石原    圓吉紹介)(第三六八号) 二〇 市町村事独立税税目拡充に関する請願(    石原圓吉紹介)(第三六九号) 二一 地方起債大幅許可償還期限延長並びに    利率引下げ請願石原圓吉紹介)(第    三七〇号) 二二 地方自治法の一部改正に関する請願石圓    吉君紹介)(第三七一号) 二三 地方配付税配付率復活請願石原圓吉君    紹介)(第三七二号) 二四 同(吉川久衛紹介)(第三九九号) 二五 町村吏員恩給組合に対する国庫補助請願    (吉川久衛紹介)(第四〇二号) 二六 町村吏員恩給組合に対する国庫補助請願    外一件(吉川久衛紹介(第四二一号) 二七 同(岡村利右衞門紹介)(第四二二号) 二八 局外一件(河野金昇紹介)(第四二三    号) 二九 同外九件(早稻田柳右エ門紹介)(第四    二四号) 三〇 同外十八件(早稻田柳右エ門紹介)(第    四九二号) 三一 同外五件(川本末治紹介)(第四九三    号) 三二 同外二十二件(早稻田柳右エ門紹介)(    第六九四号) 三三 同(米原昶君外二名紹介)(第七七一号) 三四 同(岡田春夫君紹介)(第七七二号) 三五 同(坂本泰良紹介)(第八〇〇号) 三六 同(井出一太郎紹介)(第八〇一号) 三七 同(田島ひで君外二名紹介)(第八八一    号) 三九 地方配付税配付率復活請願吉川久衛君    紹介)(第四二七号) 三九 同(井出一太郎紹介)(第八〇二号) 四〇 廣島市警察吏員増加に関する請願川西清    君紹介)(第四三九号) 四一 府県衛生部存置請願川本末治紹介)    (第四四〇号) 四二 接收土地家屋に対する地租家屋税減免の請    願(守島伍郎君外一名紹介)(第四八四    号) 四三 地方自治法の一部改正に関する請願江崎    眞澄紹介)(第五〇〇号) 四四 同(川本末治紹介)(第八三九号) 四五 自治体警察吏員退職手当金支給に関する    請願志田義信紹介)(第六〇二号) 四六 東京都特別区の自主的財政制事度確立に関    する請願野村專太郎紹介)(第六二五    号) 四七 地方税制改革に関する請願江崎真澄君紹    介)(第五〇五号) 四八 同(岩川與助紹介)(第六三三号) 四九 浴場業者に対する事業税免除請願(佐藤    榮作君外二名紹介)(第六七六号) 五〇 地方配付税制度政善に関する請願米原昶    君外二名紹介)(第七七三号) 五一 入場税軽減に関する請願野村專太郎君紹    介)(第七六〇号)五二 医業等に対する特別所得税撤廃請願(洲    通義君外二名紹介)(第八一四号) 五三 山間地方許可認可手続簡易化に関する    請願八百板正紹介)(第八五九号) 五四 警察法の一部改正に関する請願外一件(大    矢省三紹介)(第八八三号) 五五 地方税法の一部改正に関する請願江崎眞    澄君紹介)(第五〇六号) 五六 戰災火都市復興事業費起債復活に関する    請願江崎真澄紹介)(第五二二号) 五七 自治体消防機構の強化に関する請願江崎    眞澄紹介)(第五一九号) 五八 砂川、新十津川間町村道地方費道に昇格    の請願篠田弘作紹介)(第九〇六号) 五九 町村吏員恩給組合に対する国庫補助金の請    願(立花敏男君外一名紹介)(第九四六    号) 六〇 同(田島ひで君外二名紹介)(第九四七    号) 六一 同外三十三件(井之口政雄君外一名紹介)    (第一一一九号) 六二 遊興飲食税免税点設定に関する請願(山    本猛夫君紹介)(第九七八号) 六三 原始産業に対する事業税撤廃請願洲通    義君外四名紹介)(第一〇一〇号) 六四 治安維持に関する請願加藤充紹介)(    第一〇二一号) 六六 地方議会事務局法制化に関する請願(立    花敏男紹介)(第一〇三七号) 六七 同(田島ひで紹介)(第一一九五号) 六八 同(谷口善太郎紹介)(第一一九七号) 六九 地方議会事務局法制化並びに予算独立に    関する請願田中堯平君紹介)(第二九三    号) 七〇 同(谷口善太郎紹介)(第一一九四号) 七一 国有林野所在市町村交付金の引上げに関す    る請願松田鉄藏君外五名紹介)(第事二    二九号) 七二 碧南市の起債認可に関する請願千賀康治    君外一名紹介)(第一一四六号) 七三 地方公共団体従業員地方公務員法適    用除外請願川上貫一君外一名紹介)(    第一一八二号) 七四 東京都特別区の自主的財政制度確立に関す    る請願徳田球一紹介事)(第一二〇四    号) 七五 地方自治法の一部改正に関する請願柄津    登志子君紹介)(第二一〇五号) 七六 同(谷口善太郎君外一名紹介)(第二一〇    六号) 七七 同(立花敏男紹介)(第一二〇七号) 七八 地方公務員法案の一部修正に関する請願(    門司亮紹介)(第二二八号)     —————————————
  2. 中島守利

    中島委員長 これより会議を開きます。  地方配付税法特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第三六号を議題といたします。  本案に対しましては、大体質疑は終了いたしたのであります。二、三留保されていたのがありますが、その部分あとにまわしまして、大蔵大臣質疑を保留されておる分だけ、この際許すことにいたします。通告順床次君。
  3. 床次徳二

    床次委員 大蔵大臣に一骨御質問申し上げたいのです。大蔵大臣は今回の予算によりまして、わが国の健全財政を主張いたしておるようでありますが、御承知通り予想いたしましたところの地方配付税配付を半減せられたのみならず、各方面災害その他の支出が多いのでありまして、国と比べますと著しくその健全性を害したと、私ども見ておるのであります。また実際市町村民負担状態を見ますと、現在の所得難の際において、著しくその生活を脅かされておるというのが、現状ではないかと思うのであります。この点に関しまして、大蔵大臣は、あえて地方財政が健全であると考えられておるかどうか、これについて承りたいと思うのであります。この点に関しましては、政府におきましてすみやかにより地方財源を涵養し、一日もすみやかにシャウプ勧告の趣旨に従つて、單にシャウプ勧告案制度実施するばかりでなく、それ以上に政府といたしまして地方財政をゆたかにする方法を講ずべきではないかというふうに考えるのでありますが、これに対して大蔵大臣の所感を承りたいと思います。
  4. 池田勇人

    池田國務大臣 就任以来中央、地方を通じまする財政確立をいたすべく努力いたして参つたのであ事ります。大体国の財政につきましては、その見通しもついて参つたのでありますが、地方までも非常に健全なるものにするべく、まだ十分なる施策を行つておらないのであります。従いまして、シャウプ勧告案にもありますあの線にのつとりまして、地方財政確立事をはかりたいと考えております。何分にも国の方では国債路費その傭いわゆる赤字財政はしないのでありますが、地方の方は御承知通り地方債を初めから二百三十三億予定いたしておりますし、お話のような災害等関係がありますので、今年度においてなお七十七億の地方債を発行することに大体いたしたのでございます。こういう状態でありまして、なかなか国ほどにはただいまのところ行つておりませんが、シャウプ勧告案によりまして、あの線に沿つてつていけば、相当健全性を加えて来ると思います。
  5. 中島守利

  6. 藤田義光

    藤田委員 二、三点簡單にお伺いしたいと思いますが、第一の点は、今回計上されました九十億の配付税のうちに、昭和二十二年、〇・八箇月分の給與として貸しつけました総計十八億円の二十四年度償還金の問題でございますが、この問題に関しまして予算的な面に関しましては、水田政務次官から先般伺いましたのでありますが、ぜひともこの事大蔵大臣におかれましては、財政的及び財政法に基く法律措置をともに考究されまして、本年度内に十八億の貸付金配付税増額あるいは補助金というような名目で、地方公共団体配付されるということを、この際御考慮願いたいと思います。実は第五特別国会におきまして、この春の総選挙地方公共団体が総額一億七千万円の選挙費負担しておつたのでありますが、その問題に関しまして、第五特別国会の本委員会におきまして、大蔵当局の責任ある御回答をお願いいたしましたところ、さつそく誠意をもつて考慮されまして、今回の予算に一億七千万円がはつきり現われております。かくのごとき非常に実行力ある大蔵当局の実力を、われわれは拝見しておりますので、この際十八億の貸付金に関しましても、ぜひとも予算措置をされ、法律的な案を練られまして、通常国会において、地方公共団体の熱望がかないますように、善処をお願いしたいと思います。この点に関しましてまず御回答をお願いします。
  7. 池田勇人

    池田國務大臣 はつきり申し上げますが、貸したお金は返すのが原則でございます。それを返さなくてもいいという法律的、予算的措置をいたしますことは、ただいまのところ考えておりません。
  8. 藤田義光

    藤田委員 借金の踏倒しというふうに誤解されたようでございますが、実はこの〇・八箇月分の臨時支給当時の情勢は、よく御承知の遜りでございまして、国がこの方針を決定したがために、地方公共団体において、急に負担が激増したのであります。これは、地方財政法第二條の建前からいたしましても、国家の施策によりまして、地方負担がそれだけ増加したのであります。しかも本年当初の配付税額が非常に減りましたために、地方公共団体は困窮の極に達しております。この点に関しましては十分御存じのところでありまして、この際九十億の配付税の中に、いろいろな既定出費が予定されております関係上、ぜひとも最小限十八億円を御考慮願うという條件のもとに、われわれはこの配付税法の一部改正法律案に全面的に賛成をするのもやぶさかでないという気持でおります。御即答を求めるのはあるいはむりかもしれませんが、十分御考慮願えるかどうか、いま一度御答弁をお願いしたいと思います。
  9. 池田勇人

    池田國務大臣 臨時賞與の跡始末という、そのこと自体に予算的措置法律的措置を講ずることはできないという考えでおりますが、しかし地方財政の窮迫は私も十分知つておりますので、配付税として将來考慮することは適当であると考えますが、しかし貸付金利子配付税で直接にどうこうという問題ではありません。地方財政全体として、国の方で考えて行かなければならぬ問題だと思います。
  10. 藤田義光

    藤田委員 私の表現がまずいために御明答を願えなかつたのですが、ただいまの御答弁によりまして、貸付金そのもの肩がわりを国費から予定することはできないが、配付税増額ということは考慮できるという御答弁と解釈いたしまして、一応満足いたしました。  次は御存じ通り預金部地方資金運用規定がございます。これは先般水田政務次官及び主計局長にもお尋ねしたのでありますが、この際大蔵大臣簡單にお伺いしたいと思います。この規定によりますと、起債償還年限は、五年間すえ置きまして十五年ないし二十五年という規定なつておりますが、この預金部資金運用審議会暫定措置によりまして、現在三年ないし十年になつております。しかもすえ置き期間はほとんどない。それから利子が九分三厘ないし六厘という非常に高率になつおります。ために、有意義なる公共事業、あるいは災害復旧事業、その他一般事業を行うに必要な起債をいたしましても、この高い利子償還年限の短いために、非常な支障を来しております。ぜひともこの規定本来の姿に引きもどされまして、償還年限を引延ばし、利子について再検討をお願いしたいと思います。これは大臣よく御存じと思いますが、先般の全国総務部長会議におきましても、熱烈なる要望が地方側から出ております。われわれしろうとの見透しによりましても、大臣の御決断一つによりまして、この規定を本然の姿に引きもどすことは、案外容易ではないかというふうに考えております。また預金部資金は現在相当余裕がある。最近の統計によりますと、二百数十億余つているというようなことも拜聽いたしております今日、ぜひとも地方公共団体のために、かかる方面から側面的に地方財政の改善を断行していただきたいというふうに考えておりますが、この点に関しまして、大臣の御意見を拜聽したいと思います。
  11. 池田勇人

    池田國務大臣 償還期限の問題につきましては、検討してみたいと思います。利子の問題につきましては、御承知通り九分あまりの貸付金利をとることは、いかにも高いようでございますが、今の状況から申しますると、昨年度におきましての四十九億円、今年度においては三十七億円、来年度預金部資金が非常にふえて参りましても、なお二、三億円の赤字補給をしなければならぬ状況であるのであります。われわれといたしましては、できるだけ合理化をはかりまして、経費を節約し、しかしてまた預金部資金をできるだけ有効に使うようにしまして、金利を下げるべく努力いたしております。まず預金部赤字をなくして、しかる後に余裕を見つけて金利引下げをしたいという考えで進んでおります。大体私の見通しとしましては、預金部資金相当部分を占めておりまする三分五厘の国債を、ほかの市中銀行国債よりも早く償還しまして、そうしてやつて行けば金利低下に非常に役立つのではないか。こういうふうな考えのもとに繰入金をなくし、そうして金利低下に持つて行きたいという方向に進んでおります。
  12. 門司亮

    門司委員 この前よく調べてないというようなお話があつたのでありますが、起債認可についてのことであります。起債認可の中で、特に砂防費関係した起債認可が非常に少くて、当初計画が行われなかつた率が一番多いように聞いておるのですが、そうした理由がどこにあつたかということを、こまかい話でありますが、特にそれだけが目立つように考えられますので、お伺いいたします。
  13. 池田勇人

    池田國務大臣 地方起債の中で砂防費が非常に少なかつたその理由いかんということでありますが、私は今その理由を知つておりませんので、適当の機会に適当の人からお答えさすことにいたします。
  14. 中島守利

    中島委員長 谷口君が大蔵大臣に何か質問があるように昨日おつしやつておりましたが、この際許します。
  15. 谷口善太郎

    谷口委員 特例法に関しましては、予算通つたあと大臣が二人顔を並べておられますが、帰つてもらつてもいいのですが、二点だけ聞いておきます。  地方起債七十億は許すかのごとく、許さぬかのごとくに私ども了解しているのですが、これをはつきり許されることになつたのかどうか。これが一つ。それから六・三制の問題でありますが、今度十五億出していただくことになりました。聞くところによりますと、来年度四十五億ほど予定されるようでありますので、合計六十億となりますが、実際は六・三制の完全実施をやるためには、十一万教室はつくらなければならぬ。現在までに三万四千教室分予算措置ができておつて国補助があつた。しかしそのほかに二万二千四百ほどの教室を各地方団体がつくりましてそれだけでも約百三十億以上の金を要しておる。半分だけ国庫で出してもらいましても、六十五億以上のものがいるわけでありますが、そういう状況にある。もし今年度補正予算で十五億、来年度で四十五億、合計六十億で打切るということになると、この六・三制だけでも非常に大きな穴があく。これに対して大臣はどういうようにお考えなつていらつしやるか、どう処置されるかということも、一応聞いておきたいと思います。
  16. 池田勇人

    池田國務大臣 本年度災害が非常に多かつた等関係上、先ほど申し上げたように、地方起債を七十七億円ふやすことに大体きまりました。六・三制の経費の問題につきましては、お話通り補正予算で十五億、来年度公共事業費の中から四十五億を予定いたしております。合計六十億では六・三制の完全実施には非常に足らぬじやないかというお話でありまするが、まことにその通りであります。完全に実施いたしますためには、千億円を要すると言われておるのでありますが、今の財政状況からそれを急に出すだけの余裕はございません。従いまして、補正予算並びに来年度予算を加えましての六十億円は、当座のほんとうに必要やむを得ないものだけに限られると思うのであります。これをやりまして将来はどうするかという問題につきましては、財政状況と見合いながら考えて行きたいと思つております。
  17. 谷口善太郎

    谷口委員 そうしますと、今予定されておりまする六十億というものは、まつた当座やむを得ない必要なものを限つてつてあとのことは、大蔵当局といたしましても、財政上のことを見合いまして、何とか処置しなければならないというお考えを持つていらつしやると、了解してよろしゆうございますか。
  18. 池田勇人

    池田國務大臣 その通りです。
  19. 中島守利

    中島委員長 昨日留保になつておりました床次君からの御質疑に対する政府答弁を願います。
  20. 奧野誠亮

    奧野説明員 第一の問題は配付税の九十億円の増額の結果、繰入率がどうかわるかという御質問つたと思います。所得税法人税の本年度収入見込額が当初の予算額のままでありますと、約一九%であります。今回の補正予算で多少減額なつておりますので、その減額になりました所得税法人税収入見込額基礎にしますと、約二一%であります。  第二は、配付税増加分において災害地方団体財政状況を十分しんしやくするかという御質問であります。さきの五百七十七億円の地方配付税配分額を決定いたします際に、各地方団体からの報告を基礎にしまして、災害地方団体に対しましては、相当増額いたしたわけでありますけれども、その後にもまた災害相当起きておるようであります。従つて今九十億円の増額分配分額の決定に関連いたしまして、各地方団体にその後の災害によりますところの減収額、その他の増加経費を照会いたしております。これを基礎にいたしまして九十億円のうち府県に対しましては第五種配付税額において、市町村に対しましては特別配付税額において十分考慮しなければならないと考えております。  第三の御質問は、平衡交付金制度をとる結果、地方配付税制度下における地方団体財政状況と、どうかわるかという御質問つたと記憶いたします。御承知のように平衡交付金制度では、相似た地方団体を数個のブロックにわけまして、そのブロック別に客観的な基準をとりながら、一体普通の財政運営をやつて行く場合にはどれくらいの経費がかかるであろうかということを測定するわけであります。人口をとるとか、学校の生徒、児童数をとるとか、あるいは学級数をとるとか、あるいは面積をとりますとかいうことをしながら、所要経費を算定するわけであります。別にその団体の標準的な歳入も測定いたします。その差額を完全に埋め合せることを目途として、平衡交付金を配分するわけであります。言いかえれば地方団体間の均等化の徹底を、この平衡交付金を基本にしてはかるわけであります。従来の地方配付税でありますと、地方団体間に財政調整的に、この財源を配分するというふうなことを考えておつたわけであります。従いまして約半分を地方団体財政需要の多寡により、言いかえれば経費のたくさんかかる団体に対しましては、割合よけい行くように配分するわけであります。また半分は財政力に逆比例的に配分する。収入の少い団体には割合よけい行くように配分額を決定して参つたわけであります。この平衡交付金制度地方配付税制度は、両方ともねらいを異にしておりますし、また現実の配分方法も異つております結果、今ただちに完全な平衡交付金制度を適用いたしますと、従来の財政状況とは個々の地方団体において、相当な変化を生ずるだろうと思います。大まかな言い方をしますと、貧弱な従来の地方団体は、相当財政的に緩和されて参ります反面、従来楽な運営をしておりました地方団体は、相当収入は減少を来して参ると思うのであります。しかしながらもとより財政に激変を来すことは穏当ではありませんので、実施にあたりましては従来の財政収入を大幅に減額されるような団体につきましては、ある程度その分を埋め合せるような式の配分方法を考慮して行かなければならない。そうして徐除に完全なる平衡交付金制度に切りかえて行くように持つて行きたい、こういう考え方をいたしております。
  21. 床次徳二

    床次委員 ただいまの最後の点でありまするが、今後農村等におきましては、所得税減額の結果、非常に配付税がふえるのではないか、平衡交付金交付がふえるのではないか。都市においてはだんだん減るだろうと見積られますが、かなりこれが大きい差があるのではないか、別な言葉をもつて言いますと、今まで配付税を出しておりましたのは、平衡交付金と目的は違つておる。しかし客観的に見ますると、地方の貧弱な農村はそれだけよけい負担をしておるということは争われないかと思うのです。これはできるだけすみやかに是正する必要がある。一時に是正すると財政上に悪影響を與えることはもとよりでありますが、しかしなるべくすみやかにこれを是正することの方が、地方農村の負担を緩和する、公平化するという意味においても、むしろいいんじやないかと考えておるのであります。従つて将来におきましては、すみやかにそういう是正の段階をとらるべきが必要だと思うのでありますが、場合によつたならば、現在の配付税自体も補正の分におきましても、すでにそれを考慮することもあるいは必要じやないか、そういうことを考えられたかどうかを承つてみたい。
  22. 奧野誠亮

    奧野説明員 私の今申し上げました激変を避けたいと申しますのは、財源が急激に減る団体につきましては、これを緩和するように措置したい。しかし今まで非常に窮迫いたしておりましたところの地方団体で、急激によるなる団体があると思います。こういうよくなる方につきましても徐々によくなるようにしようということを考えておるわけじやございません。よくなる団体はよくすべき当然の理由があるわけでありますから、これをそのまま早くよくなるように持つて行かなければならないと思います。  それから先ほど門司さんのお尋ねになりました砂防に関する起債の問題でありますが、御承知のように健全財政を貫きます関係上、今年の地方債の発行総額は、極端に圧縮せられたわけであります。その関係におきまして、各費目とも十分な起債の割当ができなかつたと思うのであります。しかし割当にあたりましては、もとより各地方団体から事業別の順位をつけて起債発行額の申入れをとるわけであります。それを基本にして各地方団体別は起債資金を割当てたわけであります。しかもまた割当てた起債資金を、公共事業費なら、それを一応道路については幾ら、砂防については幾らというようなことを基本にはしたわけでありますけれども、その地方団体において割振りを、公共事業費の中でかえようと希望いたします場合には、原則として自由に変更を認めたわけであります。従つて故意に砂防に関する起債を少額に予定したというわけじやないのであります。しかし御意見の点もありますし、また砂防事業は特に承要な仕事でもありますので、今後におきましては十分御意見の点を参酌しながら善処して行きたいと思います。
  23. 床次徳二

    床次委員 ちよつと追加して御質問いたしたいのでありますが、将来平衡交付金を完全に理論通り実施するというふうになつた場合、現在から段階がかなりはげしいのでありますが、どれくらいの時間を経過すれば、そういう状態になり得るのだろうか、あるいは明年度予算の審議の際お尋ねすべき問題だとも思うのでありますが、もし大体の見当がおつきでありますれば、この程度をもつて考慮してみたら、大体理想のところに到達するというような時間的な感じがおわかりでありますればお尋ねいたしたい。
  24. 奧野誠亮

    奧野説明員 歳入が激変する団体の激変の仕方を緩和しなければならぬが、それは大体一、二年でいいんじやないかというふうな考え方をしております。従つて一、二年後には完全な平衡交付金制度を採用したという考え方を持つております。
  25. 谷口善太郎

    谷口委員 土曜日に木村国務大臣にぜひ聞いておきたいことを、委員長から許可を得ておりましたが……
  26. 中島守利

    中島委員長 それではこの際発言を許します。谷口君。
  27. 谷口善太郎

    谷口委員 先ほど申し上げましたように補正予算通つたあとでありまして、いまさらこれを論議してもう少しよくするというような方向への質問は、もう言つたところが仕方がないと思います。ただ木村さんは、私ども地方行政委員会の者から見ますと、内輪の人でありますから、内輪の話合いとして、いろいろ今後のために事情を二、三聞いておきたいことがあるのであります。これは本案の説明書にも書いてございます通り地方財政が非常に困つていて、これだけではどうにもできないのであるけれども、まあまあとにかくこれだけというような、そういう御趣旨でありますが、私どもは木村国務大臣もわれわれも地方財政が困つて、今度の補正予算にも、もつとたくさんの配付税地方配付できるような体制に整えたいということを、両方お互いにそう思つておるわけで、おそらく自治庁の方でもこの点について大蔵当局と猛烈な折衝をなされたに違いないと私どもは思つておる。ただどういうふうに折衝されたか、あるいはまたその折衝する根拠になつた地方財政の困り方に対する自治庁、特に自治委員会の中での御認識、そこでの事情を内輪な話として、打明けて私どもに聞かせておいてほしい。と申しますのは、この説明書には、来年度から平衡交付金制度が創設されることになつておるというようなことを書いてありますが、これはなつたわけではないのでありまして、そうなりそうだ。シヤウプ勧告案によりまして、そういう方向が示されているというにすぎないのでありまして、はたして交付制度を国会が採用するかどうかは未知の問題であります。従つて地方に対する国の財政負担となるこの配付税の問題、これが交付制度になろうとどうしようと、今後は非常に大きな問題として私ども解決して行かなければならぬ問題でありますので、こういうときにやはり一番ものをいうのは、大蔵当局と直接に地方団体を代表して折衝される当局の決意、あるいは地方団体に対する御認識いかんにかかるわけでありますから、それが今日までどう現われたかを私どもは打明けたことを知りたいのであります。
  28. 木村小左衞門

    ○木村國務大臣 谷口君にお答えいたしますが、御説にありました通り、もう大体予算も本会議を通過しておるのでありますので、この際速記を停止して、懇談会の形で申し上げたいと思いますが……
  29. 中島守利

    中島委員長 それではちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕
  30. 中島守利

    中島委員長 速記を始めて。
  31. 谷口善太郎

    谷口委員 たいへん打明けたお話を承りまして、その間の事情を私どもよく知つたわけでありますが、こういう状況でいつも地方財政の問題が処理されて行くということになりますと、私どもとしましても、また自治庁としましても、ゆゆしき大事だと思うのであります。かつてにきめてこつちの発言の余地のないような状況で押しつけて来るというやり方、大蔵当局はもちろんいろいろな事情があるのでありましようけれども、私どもは実際は地方状況が十分に自治庁の方から開陳されて、その事情をよく考慮して、そうして、九十億というものを考え出されたのだろうと思つてつたのでありますが、そうではなく、地方の事情がまつたく考慮されていないで、たつた数時間の事務当局の折衝にすぎなかつたというようなことは、これはもつてのほかだと事私は思うのであります。この法案の説明の中にも書いてあります通りに、「この程度の地方配付税増額をもつてしても、窮迫の極にある地方財政にとつては、とうていその十分なる需要をまかなうに足りないのでありますが、不足分は、歳出の節約によつて相殺するごとく指導する方針でございます。」というように説明されておるのであります。足りないことはわかつてつて、それを地方財政の歳出で相殺するように指導されるということになりますと、もう一層地方財政にとりましては、大きな圧迫が加わつて行くことは明らかであります。こういう点につきまして、今度は自治庁が大蔵当局からひどい目にあわされておりますが、地方自治体に向う場合には、おそろしく権威を発揮するのが、今までの実情から見て私どもも承知しておるところでありますから、こういう指導方針でやられますと、地方財政はますます苦しくなり、地方自治体としてもおそろしい窮地に陷るわけでありますが、それらに対して今後ほんとうに指導できるお見通しかどうか。これの打明けたところをひとつ聞いておきたいと思います。
  32. 木村小左衞門

    ○木村國務大臣 速記をやめていただきたいのですが……
  33. 中島守利

    中島委員長 速記をやめて……     〔速記中止〕
  34. 中島守利

    中島委員長 速記を始めて。これをもつて本案に対する質疑は終了いたしました。  これより討論に入ります。これを許します。龍野君。
  35. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 私は民主自由党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。  この地方配付税の問題は、前国会におきましても中心になつておつた問題でありますが、その当時におきまして、あらゆる角度からこれを検討いたしまして、各委員ともこれに対してはなはだしき不満を持つてつたことは、われわれの記憶に新たなるところであります。しかしながらその当時における国家財政の事情、あるいは政治上の事情、あるいはその他の諸般の事情によりまして、われわれはあの配付税減額案をやむなく承認いたしたのでありますが、わが党といたしましては、あれに対して決して満足しておつたわけではない。従いまして本会議における予算案の討議の際にも、わが党を代表いたしまして小峯柳多君は、この配付税の補正については、すみやかに適当なる方策をとられんことを要望しておつたのであります。この要望、国会方面の空気にこたえまして、このたび配付税増額を提案されたわけでありますが、その額は九十億、この額をもつてしてもとうていわれわれは満足する額とは言えないのであります。ことにその九十億の内容をしさいに検討してみますれば、その中には義務的支出に属するものが相当ある、これでは財政難にあえいでおるところの地方自治体の財政の緩和になる面は、予想よりも少いのではないかというような懸念も持たれるのであります。しかしながら先般来政府御当局の御説明並びにただいま懇談の機会に木村国務大臣よりの御説明を承りまして、これまたわれわれといたしましては、そのやむを得ない事情を了察せざるを得ないのであります。ことに木村国務大臣の御努力に対しまして、われわれはこれを多とせざるを得ないのでありまして、そういう意味におきまして、本案にわれわれは賛成いたしたいと存ずるのであります。シヤウプ勧告にもあります通りに、民主政治の確立は、地方自治制の確立にある。しかもその地方自治制の確立は、地方財政確立にあるのだということはすでにシヤウプ氏も喝破しておる通りであります。来るべき通常国会におきましては、平衡交付金制度確立され、その際にも本委員会のこの空気を十分反映されんことを私は要望いたしますと同時に、また来るべき通常国会において、地方税制の全般がわたる改正が提案されるであろうと思うのでありますが、その際に地方自治体に対して彈力性ある財源交付を、われわれは期待いたしておるのであります。こういう期待を持ちまして、本案に賛成をいたす次第でございます。
  36. 中島守利

  37. 門司亮

    門司委員 本案に対しまして、日本社会党といたしましては、反対の意思表示をしたいと思うのであります。理由といたしましては、そもそもこの法案が最初通常国会にこれと同じ意味の配付税に関します減額の案が出て参りましたときに、私どもは強力に反対をいたしたのでありまして、大体そのときの理由とほとんど同じ理由でありますが、ただここに九十億の予算がふえた。地方配付税をふやすといつても、これで決して地方財政が十分やつて行けるというのではないのでありまして、地方財政の窮迫せる事実は、政府が十分認めておる。この額はこの際大体百五十億ぐらいなければとうてい困難であるということをみずから認めておきながら、ここにやはり九十億ぐらいしか増額することができなかつた。と同時に地方財政は非常に窮迫しているだろうが、しかしそれは歳出の面を極力抑えて、そうしてこれを何とか相殺することにする。しかもそういう指導をするということが、政府当局の説明書の中に書いてあるのでございますが、ここに私どもは、地方自治体に対する政府当局の観念が、非常に間違つた考え方を持つておるということを、指摘せざるを得ないのであります。財政的に窮乏いたしておりまする地方公共団体に対して、十分なる財政を付與しないでおいて、そうして地方団体は今の苦しい実情の中から決して不用な支出はいたさない、私どもみな必要な支出であろうと考えておりますその支出を、なお制約をいたしまして、そうして不足分はこれによつて相殺する。そういう指導をするということは、明らかに地方公共団体の自由性を、再び官僚組織のもとに抑圧する危険性が含まれておることをそこに見逃すことができないのであります。特にシヤウプ勧告の中にも、日本の民主化のために地方公共団体の自立性、自主性が重要視されておるのであります。今日財政的に十分な活動のできないようにして、そうして再び官僚統制のもとに地方行政が行われるという危険性が十分感じられるますので、遺憾ながらかくのごとき少数の額をふやしていただいたことに対して、賛成しがたいのであります。  なおつけ加えて申し上げておきたいと思いますることは、地方財政は、交付金並びに起債関係が、多分に地方の自主性の上に、また自律性の上に重要視されておるのでありますが、政府としてはただこれだけでは足りないから、起債を何とかして七十七億ぐらいのものをふやしたいという意向だけでありまして、当然配付すべきものを配付しないで、借金になる分はふやしてやろうという考えだけでは、私どもはこれを承諾するわけには参らぬのであります。  以上簡單でございますが、反対の理由を申し述べまして、私の発言を終ります。
  38. 中島守利

    中島委員長 藤事由義光君。
  39. 藤田義光

    藤田委員 私は民主野党派を代表いたしまして、本法案に條件を付して賛成いたしたいと存じます。  すなわち第五特別国会におきましては、地方公共団体地方配付税は半減されまして、六・三制、自治警察の出費に悩んでおりました地方公共団体は、累次の災害を加えた緊急重要な各費目の財政難を軸心といたしまして、急激に赤字財政に突入して参つたのであります。しかも当時シヤウプ博士の来朝による税制制度の改革、配付税の再検討その他により、臨時国会におきましては、地方財政の飛躍的改善をひとしく期待されておつたのであります。しかるにこの改正法律案によりましても、事務的あるいは科学的に計算されました最小限度百五十億ないし二百億円の要求に対し、わずかに九十億円というさんたんたる配付税増額にとどまつたのでありまして、われわれは地方行政万般の最高立法機関の一員といたしまして、地方自治体の現状に対して、党派を超越して遺憾に存ずるのであります。しかし本予算の実現に対し、木村国務大臣は閣議におきまして、職を賭して徹底的に奮闘されたと拜聽いたしております。また政務次官以下、財政部長及び財政課長を中心とする事務当局の晝夜をわかたぬ御努力は、かねて見聞知悉いたしております。一方国家財政にのみ汲々たると言うもあえて過言でない大蔵当局の態度は、シヤウプ勧告にも背反し、九月上旬のマツカーサーの声明に明示されました地方財政強化の方針に逆行し、国政全般の運営上、前途まことに寒心にたえないのでありまするが、私は自治体当局の誠意、御努力と、大蔵大臣の、十八億円の貸付金については、配付税等において考慮するという言質を信頼いたしまして、少くともこの十八億円の地方貸付を最小限度に、配付税の再検討をお願いすることを條件といたしまして、本法律案に賛成いたしたいと存じます。
  40. 中島守利

  41. 谷口善太郎

    谷口委員 共産党は本案に反対であります。  反対の理由の第一は、もし私どもが本案に賛成し、これを通しますならば、第五国会での地方配付税特例に関する法律案を通したときの約束を、国民に対して破ることになるのであります。あのときには政府当局も、またわれわれの考え方も、あのときに半額に減額されました配付税を、補正予算において地方の要求に沿うようにかえるということが、以心伝心の間に、一つ條件なつておつたところであります。大蔵当局もその後価格調整費などの節約によつて剰余金が出れば、国民負担の軽減と地方予算交付金に限りこれを出すということを、しばしば明言しておつたのでありますが、それがまつたくそういう方向に向かない。むしろ地方団体が自然にその出費を増加せしめたその穴埋めさえできないような額が、計上されるということにつきましては、最初にこの特例を通したときの私どもの考え方とは、まつたく違うのであります。そういう点で第一に私どもは賛成できないのであります。  第二は、実際この九十億の増額がありましても、地方財政の逼迫の状況は、とうていこれでもつてはやつて行けないのであります。これは政府当局も認めていられるのでありますし、本委員会のすべての者が、声を大きくしてこれを叫んでおるところであります。政府当局の御説明によりますと、との九十億の中で、すでに三十数億のものがもう拂わなければならないところがきまつている費目である。また大蔵当局は、例の地方の公務員の臨時手当として出しました十八億——これは配付税では差引くとは言つておりませんし、差引かないことを私どもは希望しておるわけでありますが、しかし決してこの十八億は当分返す必要はないと言つてはいないのでありまして、この大蔵当局のやり方は、私どもは必ず何らかの形で、地方を圧迫する結果になると思うのであります。つまり十八億を取上げることが予想されるのであります。そうしますと、この増額されました配付税の九十億の中で、実際において地方団体が自由に使える金額は、三十億ないし四十億にすぎないのでありまして、他方非常にたくさんな出費を来しております現状にそぐわない。つまり一言で言いますと、この配付税九十億をふやしましても、地方財政は何らのたしにはならない。地方財政の窮迫が打開されない。地方財政がますます混乱に陷ると思うのでありまして、その実際の面から申しましても、これではとうてい間に合わぬのであります。こういうことが指摘できるのであります。これが反対する第二の点であります。  第三の点は、この九十億を決定されるに至りました政府部内での状況でありますが、これは今聞きますところによりましても、御承知通り大蔵当局は決して地方の実情がこういう実情にあるから、従つてこれだけ配付税増額しなければならない。あるいはこれだけでいいという見地からなされたのではなくて、まつたく国の財政の都合だけで、そういう一方的な立場から、地方状況を何ら十分に知ることなく、その実情に沿うことなく、かつてにきめられた。このやり方につきましては、私どもは今後は、先ほども申し上げました通り地方財政全体について国の財政との関係を調整し、新しい制度確立しなければならないような情勢の中におるわれわれとしましては、こういう政府当局のやり方に対しまして、これを認めておくならば、これを俗な言葉で言えば、くせになる。私どもはシヤウプ勧告案によりまして、地方自治体に地方自治を確立するためには、もつと有力な財源を與えなければならないということを、あの勧告によつて私どもは知つているわけであります。あの勧告がありました後に感じたのですが、今政府当局でも地方財政に対して相当の認識を深めているということを、木村国務大臣がおつしやつているのでありますが、あれはまつたく現在の政府に対する一つの順門の一針だつたと私は思います。地方の自治を促進するために、地方財政をゆたかにしなければならないということは、本委員会ですべての委員が声を大きくして叫んで来たのでありますが、常にそれからそつぽを向いておる。それに対してゆたかにしなければならないという一つの勧告が出たことは、現在の政府に対する頂門の一針であつたと私は思うのであります。そういう勧告ではありますが、あの勧告の中に示されておりまする地方財政交付金の一つの目安、方針、あるいはその内容という点につきましては、日本の実情に沿わない、まことにうのみができないようなものがたくさんあります。従つて地方財政をゆたかにするというその点では私どもは一致するのでありますが、いかにしてやるかという点につきましては、今後非常に大きな問題があるので、このときに今までのような政府のやり方をうのみにしているというような態度でおりましては、実際に地方財政をゆたかにする、ほんとうに実行のできるそういう道を発見することはとうていできない。従つて政府当局の地方団体に対するこういうやり方を、私どもがうのみにしておれば、今後この改革案を実際に解決して行く上において、とうていたんたんたる道が開けない。そういう点で今の政府地方団体財政に対するやり方に一つの警告を発するという意味で、これをうのみにしないという態度が必要であろうかと思うのであります。  簡單でありますが、以上の理由から、私どもは本案に反対いたします。
  42. 中島守利

    中島委員長 鈴木幹雄君。
  43. 鈴木幹雄

    鈴木(幹)委員 私は民主党の連立派を代表いたしまして、賛成の意見を開陳いたしたいと思います。  本改正法律案によるところの九十億の増加につきましては、すでに各党から述べられました通り、決して満足するものではないのであります。今日地方財政が窮乏をいたし、非常に困窮の渕に立つておりまする現状を直視いたしましたときに、さきの国会におきまして地方配付税を約半額に減額いたしましたことが、今日の窮状を招いた大きな原因であるのであります。今回これに対しまして九十億の増加をいたしまして、この地方財政の緩和をはからんとする趣旨でございますが、自治庁当局の説明にありますところの今後さらに二、三百億の増加をもつてしましても、十分なりとは言いがたいという言明に徴しましても、九十億の増加によりまして満足することはできないのであります。しかしながら今日の国家財政の現状と、わが国の国政上の環境を考えますときに、満足を全部の者に與えることができないということは、これは言をまたないところであります。地方配付税の増加に関しましても、九十億で必ずしも十分なりと言いがたいことは前述の通りでありまするが、以上の点を勘案いたしまするとき、私は今回の改正法律案に賛成をいたすという立場をとらなければならぬと思うわけであります。この機会に私は二、三点希望を申し上げたいと思います。  第一点は今回の九十億の増額についての当局の労苦に対しましては、感謝の意を表するのでありますが、不十分なことは、これは当局も認めておられるところであろうと思います。今年度もあますところ十二、一、二、三の四箇月であります。この間におきましても補正予算の機会もあろうかと存じます。あるいはまた地方起債のわくの増加に努められる機会もあろうかとも存じます。あるいはまた起債の償還にあたりましての、元金利子に対するところの国家補給ということも考えられる余地があろうかと存じます。実質的に地方財政余裕を持たすべき、措置と機会をとらえまして、御努力を願いたいということが第一点であります。  第二点は地方自治の確立地方自治体の発展ということが、日本民主化の大きな目標でなければならぬ。過去におきましても、終戰後四年間の努力は、地方行政の面におきまして、ひたすらにこれに向つて邁進をせられました当局の御苦心に対しましては、敬意を表するのでありますが、私の見るところをもつていたしますならば、地方自治の確立の骨格はできました。しかしながらこれに魂を入れるところのものが二つ欠けておるのではないか、一つは国家事務と地方事務の配分調整をいたしまして、この費用負担を明確にしなければならぬということ、一つは申すまでもなくこの裏づけとなるべきところの地方財政確立というものが、今日特になすべかりし地方財政改正の機会に恵まれずして、今日に至つたのであります。幸いにと申しますか、今回シヤウプ勧告を機会といたしまして、地方財政を今こそ確立しなければならぬ時期に際会いたしておる。来る通常国会にはこれに関する改正案が提案せられ、またこれに関連をいたしまして、国家の予算も組まれ、不日国会に提出せられると思います。私はこの機会を逸しては地方財政確立につきまして、非常に大きな機会を失することになると思うのであります。このことは今日の実情から見まして、容易ならざる道ではありましよう。しかしながら今までの地方財政が国家財政の従属的立場をとつておることを早く放棄して、国家財政もとより重要でありますが、同時に地方財政もまた劣らざる重要性を持つというのが、日本財政一つの大きな解決点でなければならないと思うのであります。私はその意味におきまして、政府におかれまして、今日のこの困難な時代の中から、地方財政確立のために、この際こそ基礎を固めるような措置を、強力に推進していただきたいという意味を申し述べまして、私は賛成する次第であります。
  44. 中島守利

    中島委員長 これをもつて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  45. 中島守利

    中島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。  なお衆議院規則第八十六條による報告書作成等の件は、委員長に一任されることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めます。さよう決します。     —————————————
  47. 中島守利

    中島委員長 これより請願の審査に入ります。紹介議員その他の都会によりまして、日程の順序は随時変更することにいたしたいと思います。     —————————————
  48. 中島守利

    中島委員長 まず町村吏員恩給組合に対する国庫補助請願は日程第五より第八、日程第一三、日程第二五より第三七及び日程第五九より六一は同一趣旨でありますので、これらを一括して議題といたします。まず紹介議員の説明を聽取いたします。  この国庫補助請願は今年の配付税の方の関係で、配付税のうちにこれが包含されておりますので、当然この請願の希望は達成されているわけでありますから、これを採択して政府に送付するということには御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 中島守利

    中島委員長 異議なければ本請願二十一件は採択することに決定し、内閣に送付いたすことにいたします。     —————————————
  50. 中島守利

    中島委員長 日程を変更しまして第七二、碧南市の起債認可に関する請願、これを議題といたします。紹介議員の説明を求めます。千賀君。
  51. 千賀康治

    千賀康治君 碧南市は愛知県のうちでも新しい市でありまして、大浜、新川、旭というようなほんとうの農村部落にひとしいような部落の寄合世帶であります。現在は新興の意気を持つて衣ヶ浦を抱きまする港湾の一つとして、発展をしようとしておりまするが、何にいたしましても農村の進化したものでありまして、辻便所一つあるわけではなし、市という名はありましても文化的施設は、ことごとく昔のままでおりますので、形体を少しでも進歩的に改めて参りまするのには、大きなものはこの際は遠慮するといたしましても、相当に小さい施設が次々というますが、この請願はそういう施設に国庫から補助のいただけるものはいただきたいし、小さい施設などは大体地方負担でやるにいたしましても、起債認可していただきたいという請願であります。どうか御採択のほどをお願いいたします。
  52. 中島守利

    中島委員長 なお政府から……
  53. 小野哲

    ○小野(哲)政府委員 ただいま碧南市の起債の問題で紹介議員からも御説明ございましたが、政府といたしましては、かねて本委員会で御審議がございました際に御答弁を申し上げておりましたように、起債の総額につきましても拡張の段階にただいま到達しつつあるような状況でございますので、総合的に全体として勘案をいたさなければならないことは、御承知通りでございます。従いましてその際に碧南市の問題も取上げまして、総合的な勘案の際に検討を加えたい、かように考えておりますので、御承知を願いたいと思います。
  54. 中島守利

    中島委員長 本請願はこれを採択して内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  56. 中島守利

    中島委員長 日程第一八を議題にいたします。「養ほう(蜂)」業者に対する地方独立税免除の請願紹介議員の説明を求めます。
  57. 龍野喜一郎

    ○龍野委員 紹介議員にかわりまして、私よりその趣旨を申し上げてみたいと思います。この請願の趣旨は、転地養蜂業が農作物の増収に非常な利益を與えておることは、皆様御承知通りでありますが、その養蜂業者に課せられておりますところの税が、国税及び地方税にわたり幾種類もある。その上に納税先も全国十数箇所にまたがつて査定課税されておるというような現状でありまして、この発達を助長しなければならぬ。生産事業がそのために非常に阻害されておりまして、この養蜂事業に専念できないというので、地方独立税をこの際免税してもらいたいというのが本請願の趣旨であります。
  58. 中島守利

    中島委員長 政府の御意見を……
  59. 小野哲

    ○小野(哲)政府委員 ただいまの請願に関しまして、政府の見解を申し上げたいと存じます。  養蜂業の点でございますが、地方財政が窮迫しておる関係上、これらについて独立税を設定したいという傾向にありますことは、やむを得ざる点でなかろうかと存ずるのでございます。なおまた養蜂業自体を経営して行きます場合におきましても、地方から、養蜂業者としても何がしかの受益者としての立場に置かれておるとも考えられるのでございます。さような意味合いにおきまして、政府としてはこの種独税立を設定することをとりやめさせるということを強く主張いたしますことは、いかがかと存ずるのでございますが、来年度におきましてはシヤウプ勧告書に基きまして、地方税制全般についての再検討を加えなければならない状態に立至つておりますので、法定外独立税等の問題につきましても、これがある程度整理をいたさなければならない点があるのではなかろうか、かように存じますので、さような機会に法定外独立税の関係におきましても検討を加えて行きたい、かような所存でございます。
  60. 中島守利

    中島委員長 本案は採択の、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  62. 中島守利

    中島委員長 次は第六五、六六、六七、六八、地方議会事務局法制化に関する請願、第六九、七〇、地方議会事務局法制化並びに予算独立に関する請願、ちようど六五から七〇までを一括して議題にしたいと思います。紹介者の説明を求めます。
  63. 谷口善太郎

    谷口委員 これは一括して共産党の方から出ておるわけですが、簡單に申し上げますと、六五から六八までは、地方議会事務局法制化に関する請願であります。それから六九以下はその法制化と同時に、予算の独立に対する請願であります。一括をいたしまして、これは地方自治法改正の中で取扱われる問題ではないかと私どもは思つておるのです、従つて内容の説明は省略いたしますが、全市町村からこういう請願が来ておりますので、各党へも来ておると思う。ただ共産党がおせつかいのようなことで請願として紹介しただけであります。内容は申しません。当然採択していただいていいことだと思いまするので、よろしくどうぞお願いいたします。
  64. 中島守利

    中島委員長 六五から七〇号に至る請願は、これを採択し、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  66. 中島守利

    中島委員長 日程第一、自治体警察吏員に対する退職手当支給に関する請願、これと四五とは同一趣旨による請願でありますから、これは一括議題といたしたいと存じます。紹介者の説明を求めます。
  67. 川本末治

    川本委員 本請願の要旨は、警察法の施行によつて警察機構が改革され、自治体職員となつたものは一応府県から身分が離脱したため、退職手当が支給されることになつたが、国警本部における人事装備課長会議においてこれらのものに対しては、最終退職時に府県在職年数を通算して、退職手当を支給されることとなつたにかかわらず、現在に至るもなんらの指示なく、いまだ未支給のままになつている。このようなことは、全国自治体吏員の士気に関する重大問題である。ついては、すみやかに退職手当を支給されたいというのであります。ぜひこの際政府において御採択あらんことを請願いたします。
  68. 小野哲

    ○小野(哲)政府委員 ただいまの請願につきましては、警察関係の連帶支弁金において処置し得るものは処置して行きたいと、かように考えておるのでありますが、警察制度改正に伴いまして、請願の問題もあるようでございますので、これらとにらみ合せまして、実情に即するように研究をいたしておる次第でございます。
  69. 中島守利

    中島委員長 日程第一及び四五の二つの請願は採択の上内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  71. 中島守利

    中島委員長 第四六、七四、東京都特別区の自主的財政制度確立に関する請願、これを議題にいたします。紹介議員の説明を求めます。
  72. 野村專太郎

    ○野村委員 本請願に対しては自治庁もこれを認めております。また今回のシヤウプ勧告の線にも沿つておりますので、もつともだと思いますので、これを採択されんことを望みます。
  73. 中島守利

    中島委員長 第四六、第七四、この二件は採択の上内閣は送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 中島守利

    中島委員長 御異議がなければ、さように決します。     —————————————
  75. 中島守利

    中島委員長 次に請願第三、四、二三、二四、三八、三九、五〇、以上七件の請願は大体同様の趣旨によるものであります。すなわち地方配付税配付率復活請願、この請願の趣旨は地方配付税改正によつて地方分與税の配付率がきわめて低められたために、地方公共団体の支出の増加にかかわらず、事実上これら財源だけではとうていまかなうことができない。よつて配付税配付率を復元されたいという趣旨であります。これについてはこまかい議論ありませんので、大体に採択してさしつかえないだろうと思いますが、これを採択して内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さように決します。     —————————————
  77. 中島守利

    中島委員長 日程第一〇、京都府衛生部存置に関する請願大石ヨシエ代議士の紹介であります。本案に対しては衛生部の存置は当然であると考えます。自治庁においても変更するような考えを持つておらないと見て、これを採択し、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 中島守利

    中島委員長 それではさよう決します。     —————————————
  79. 中島守利

    中島委員長 次は第一二、四一、この二つを合せて議題にいたします。府県衛生部存置請願、ただいまの第一〇と同じ趣旨でありますから、これも採択の上、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  81. 中島守利

    中島委員長 日程第二、法令制定地方事情を配慮の請願。  この請願の要旨は、現在法令を制定するにあたつては、五大都市を対象として行われている傾向にあるが、それでは、地方事情に沿わない点が多く、たとえば、飲食営業臨時規整法において、同一の場所にあつては飲食営業の二種類以上を許可されないことになつているが、これでは、地方にあつては、とうてい営業が成り立たない。ついては、法令の制定にあたつては、地方事情を配慮されたい。こういう意味であります。  これは妥当なる議論だと思いますから、採択の上内閣に送付することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 中島守利

    中島委員長 御異議がなければさように決します。     —————————————
  83. 中島守利

    中島委員長 日程第九、琴浦町警察署に対する特別捜査費国庫負担請願。  この請願の要旨は、今回岡山県地方検察庁の指揮のもとに琴浦自治警察署を本部として密輸事件の捜査を開始しているが、現在までこの事件に要した経費は百万円以上に及び、今後なお三万円の経費を要する見込みでとうてい現下の地方自治体の財政ではその負担にたえられないところである。ついては、これが特別捜査費を国庫負担とされたいというので、これは妥当なるりくつであると思いますので採択して内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  85. 中島守利

    中島委員長 次は日程第一一、警察法の一部を改正する請願外一件。  この請願の要旨は、警察法を左記の事項につき改正されたいというのである。(一)市町村財政の極度に窮乏している現在、自治体警察は、その管理上重大なる危機にあつているから、同法第四十二條に「但し、特別の場合には国庫補助を受けることができる」と規定すること(二)国家地方警察及び自治体警察の警察官は、他の都道府県公安委員会から援助の要求があつた場合には、援助の要求をした都道府県公安委員会または市町村公安委員会の管理のもとに、その職権を行うことができると規定すること(三)都道府県警察長と都道府県内の市町村警察長とは相互に緊密で積極的な連絡を保たなければならないと規定すること(四)自治体警察吏員全員の配分の調整をはかること(五)警察電話の独立統一を実現することというので、  本請願の要旨は大体むりな要旨ではなく相当理由があると思つております。これを採択して内閣に送付することにいたしたいと思いますが御異議ありませんか。   [「賛成」「反対」と呼ぶ者あり]
  86. 門司亮

    門司委員 ちよつと意見があるのですが、その中の警察電話の独立でありますが、出ております案によると自治警察電話の施設は郵政省に移される、こういう法案が出ております。従つてその請願の趣旨と政府のやろうとすることは、反対の方向に進んでいるのではないかというふうに考えられるのでありますが、この点どういうふうに委員長考えなつておりますか、非常にむずかしい問題であります。
  87. 中島守利

    中島委員長 これは私ども理想としては、警察電話というものはやはり独立して統一した方がいいと思うが、しかしこれは今の政府の行き方とはまつたく違つた議論を持つておる。
  88. 門司亮

    門司委員 その意見を聞いてみたい。
  89. 中島守利

    中島委員長 これはここにおいでになる委員諸君の中でも、警察電話は統一した方がいいという議論と、それからいわゆる電通省の方へ持つて行ちても仕方がないだろうという意見と二つあるかもしれない。私は警察電話は統一した方がよろしいと思つております。
  90. 野村專太郎

    ○野村委員 政府考えとかわつても、人民の声としてこの請願を採択しておくことには異議はない。
  91. 門司亮

    門司委員 採択するのは異議はないが、当局のお考えを伺いたい。
  92. 中島守利

    中島委員長 採択して内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  93. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさよに決します。     —————————————
  94. 中島守利

    中島委員長 日程第一四、地方税法の一部改正に関する請願。  この請願の要旨は、市民税の異議申立て及びその決定は地方税法第二十一條の規定により市長の権限に属しているが、個人の課税額は市議会の議決で決定したものについても異議の申立てが生じた場合は、当然議決権が與えられるものと信ずる。ついては、議会が議決したものの異議申立ての処理は、市長は議会に諮つてこれを決定するよう地方税法第二十一條を改正されたいというのであります。政府の御意見を求めます。
  95. 小野哲

    ○小野(哲)政府委員 ただいまの請願についての政府の見解を申し上げたいと思います。議会の議決を要する場合において、特に地方税のそういう問題におきましては、自治庁としてはやはり地方議会を尊重して、その意見を聞きとるということが必要と思うのでございますが、しかしこれは法制化するということは、いかがなものであろうかと、かように考えておる次第であります。
  96. 中島守利

    中島委員長 本案は採択の上、内閣に送付することにいたしたいと考えますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  97. 中島守利

    中島委員長 日程第一五、地方自治法の一部改正に関する請願、日程第一六、地方自治法の一部改正に関する請願。  この請願の要旨は、同時選挙は、現行法規では、合理的選挙方法とはいえず、たとえば昭和二十三年秋県の議会の議員及び教育委員の同時選挙の実例に照しても、投票者の記載欄の記入をあやまり、多大の支障を来たしている。また開票事務については、実に目に余るものがある。ついては、同時選挙方法を今後も続けるならば、選挙民が比較的わかりやすく、事務の簡素にできるよう、すみやかに地方自治法の一部を改正されたいというのである。  十六の要旨は、昭和二十三年七月法律第百七十九号附則第二條中、第二項の「三分の一」とあるを「二分の一」に第五項の有効投票の「過半数」とあるを「三分の二以上」に、また投票総数が有権者数の「四分の三」以上なければ無効とすると改正され、本改正法律施行前において従前の第二條第五項により帰属投票を行つたものについては、改正後の法定数がないものは無効とするか、または、再投票される道を講ぜられたいというのでありますが、本案も採択して内閣に送付することにして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 中島守利

    中島委員長 御異議がなければさよう決します。     —————————————
  99. 中島守利

    中島委員長 日程第一七、住民税の賦課期日及び課税方法改正請願。  本請願の要旨は、住民税の賦課期日の八月一日は、事業税その他と重複し徴税上困難をきわめているから、住民税の賦課期日を六月一日と改正し、また住民税の調査に多数吏員を従事させているが、これは課税内容に無理があるから、賦課方法の簡素化をはかられたいというのであります。
  100. 小野哲

    ○小野(哲)政府委員 ただいまの請願に関しましては、政府としては地方税の改正にあたりまして考慮いたしたいと存じております。
  101. 中島守利

    中島委員長 本案も採択して内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさよう決します。     —————————————
  103. 中島守利

    中島委員長 日程第一九、消防団員災害補償制度制定請願。  本請願の要旨は、消防団員が、公務に従事中、災害をこうむつた場合、これに対する補償が現在完全に行われていないから、適当な制度を設けられたいというのであります。本案も採択しまして、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者のあり〕
  104. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさよう決します。     —————————————
  105. 中島守利

    中島委員長 日程第二〇、市町村独立税の税目拡充に関する請願。  本請願の要旨は、市町村税として課すことができる税目は地方税法により九種に限定され、その賦課に当つては、法定外独立税として課さねばならぬため、相当愼重を要することとなる。ついては、課税上適当とする税種のすべてはこれを法定種目として列挙し、これが選択は市町村の任意として課税の弾力性を維持するよう地方税法改正されたいというのであります。本案も採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさよう決します。     —————————————
  107. 中島守利

    中島委員長 日程第二一、地方起債大幅許可償還期限並びに利率引下げ請願。  本請願の要旨は、地方財源枯渇の現状において、地方公共団体の事業は、ほとんど国、県費補助及び起債によるほかはないが、近来預金部を始めとし融資額はとみにその幅を縮少し、利率を引上げかつ償還期間を短縮したため、地方自治体財政は破綻の直前にある。ついては、起債大幅許可償還期限の延長並びに利率引下げの方途を講ぜられたいというのであります。本案はこれを採択し、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさよう決します。     —————————————
  109. 中島守利

    中島委員長 日程第二二、地方自治法の一部改正に関する請願。  本請願の要旨は、地方自治法第五章第二節のうち、解散及び解職の請求は、有権者総数の三分の一以上の連署を要することに規定してあるが、これを二分の一以上と改正されたいというのであります。これも採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  110. 中島守利

    中島委員長 御異議なけれ、はさよう決します。     —————————————
  111. 中島守利

    中島委員長 日程第四〇、広島市警察吏員の定員増加に関する請願川西清
  112. 川西清

    川西委員 本請願の要旨は、広島市警察吏員の定員は、現在五百七十八名であるが、警察法施行令に基き、昭和二十一年四百五十名増員され、その後削減され現在に及んでいるが、最近該市は人口の増加著しくその上特殊都市としての重要性にかんがみ、広島市を特別市として警察吏員の定員を八百八十八名に増員されたいというのであります。何とぞ採択されんことをお願いいたします。
  113. 中島守利

    中島委員長 ただいまの請願は採択の上、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めてさよう決します。
  115. 中島守利

    中島委員長 日程第四二、接収土地家屋に対する地租家屋税減免請願。  本請願の要旨は、福岡地区における土地家屋接収は、所有者の承諾なしに一方的に決定されたにかかわらず、課税上の対象としては、所有権を自由に行使できる他の一般土地家屋と少しもかわるところはない。ついては、昨年来当局に接収土地家屋の地租家屋税減免方を陳情しているが、該税減免の措置を講ぜられたいというのであります。
  116. 奧野誠亮

    奧野説明員 問題の所在は、そういうふうに土地や家屋を接収した場合には、政府として被接収者に支拂うべき地代ないし家賃をなるたけ早い機会に、また地租や家屋税の増税に並行して、増額交付するように努力しなければならないと思います。
  117. 中島守利

    中島委員長 ただいまの請願は採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさよう決します。     —————————————
  119. 中島守利

    中島委員長 日程第四三、地方自治法の一部改正に関する請願。  本請願の要旨は、地方自治法第百九十六條第一項では、監査委員は普通地方団体の長が議会の同意をえて、議員及び学識経験を有するものから選任しなければならないと規定しているが、議員から選任するものについては、議会において互選で行うよう同伝を改正されたいというのであります。これは妥当でありましようから、採択の上内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  121. 中島守利

    中島委員長 日程第四四は川本君が紹介議員でありますが、これも四三と同様でありますから採択し、内閣に送付することに決します。     —————————————
  122. 中島守利

    中島委員長 日程第四七、地方税制改正に関する請願。  本請願の要旨は、シャウプ勧告案によれば、入場税、事業税、遊興飲食税等は廃止されることとなるが、都市においては重要な財源であり、その廃止は都市財政の歳入欠陥となり、重大なる影響をもらすものであるにかんがみ、これらを市町村の独立税として移譲されたいというのであります。本案は要するにシャウプ勧告案による入場税、事業税、遊興飲食税は、全部大体において都道府県税になるわけでありますが、それを市町村税に譲つてもらいたいという請願でありまして、シヤウプ勧告案とは全然反対の請願であります。これは採択して内閣に送付することにしてもさしつかえないと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 中島守利

    中島委員長 御異議がなければさように決します。     —————————————
  124. 中島守利

    中島委員長 四八、地方税制改革に関する請願。  本請願の要旨は、シヤウプ勧告に基いて地方自治の確立のため、地方財政の根本的な改革が行われるにあたり、次の項について要望するというのである。(一)住民税は個人ばかりでなく現行通り法人にも賦課すること。(二)災害復旧費は地方経営にかかる公共事業全部にわたり、シヤウプ勧告通り全額国庫負担とすること。(三)平衡交付金は千五百億円に増額されたいこと。(四)地方税中雑税は市町村七十億円、都道府県五十億円として、都道府県市町村間に適当にわけて課税するようシヤウプ勧告にあるにかかわらず、課税の困難を理由に都道府県に七十数億円、市町村に四十数億円を與えることをしないで市町村に七十億円を與えることにしてもらいたい、こういう大変めんどうな請願なのでありますが、これも採択して内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 中島守利

    中島委員長 御異議がなければさように決します。     —————————————
  126. 中島守利

    中島委員長 四九、浴場業者に対する業税免除に関する請願。  本請願の要旨は、浴場業者は利潤の追求もできず、公衆の保健上大きい寄與をしているが、これに対して一般営業者と同等の税を負担させ、加えて不動産税の増徴も必至であるように思われるのは不当である。ついては今般の税制改革にあたつて、浴場に対する事業税を免除されたいというのであります。これは採択しまして、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。     —————————————
  128. 中島守利

    中島委員長 五一、入場税軽減に関する請願。  シャウプ勧告によると、入場税は十割と示されているが、映画、演劇等が真の文化財として向上発展し、また健全な大衆娯楽として育成されるには十割以上の軽減が必要であり、興行経営上も七割五分以下が最も妥当と見られる。ついては勧告案以上の軽減をはかられ、かつ税率改正を十二月一日より実施されたいというのであります。本案は採択し、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさように決します。     —————————————
  130. 中島守利

    中島委員長 五二、医業等に対する特別所得税撤廃請願。  本請願の要旨は、医師、歯科医師、獣医、助産婦等の衛生業務に従事するものに対して課税される附加価値税(特別所得税)は、業務の性質上当然他の営利事業と区別しこれを廃すべきであるが、このままでは斯業の維持に困難を来たし国民保健の向上振興にも悪影響を及ぼすから、特別所得税を全廃されたいというのであります。これは採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  132. 中島守利

    中島委員長 五三、山間地方許可認可手続簡易化に関する請願。  本請願の要旨は、各種許可認可の手続等は全国一律に大都市を標準として、山間地方の小規模の各種出願に対してはほとんど不必要と思われる事項の記入または図面の添付を求められている。よつて、「山間地方においてはあらかじめ地方長官において適当と認める簡易規定を設けることができる」との例外規定を設けられたいというのであります。これも妥当なる議論であると思います。採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さように決します。     —————————————
  134. 中島守利

    中島委員長 五四、警察法の一部改正に関する請願。  本請願の要旨は、現警察法は国家地方警察と自治体警察との連絡運営上幾多の疑点不備があり、安全なる業務の遂行ができない。ついては国家警察に比して不備の点多き自治警察の改善をはかり、両者の緊密不離の活動ができるように警察制度の一部を改正せられたいというのであります。これも妥当な請願だと思いますから、これを採択し、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  136. 中島守利

    中島委員長 五五、地方税法の一部改正に関する請願。  本請願の要旨は、今回地方税法改正により、電気、ガス会社に対しその収益金の百分の一が課税されるが、そのため電気及びガス会社側では、消費者に負担させるため、料金の引上改訂を決定したが、不当であるから地方税法の一部を改正されたいというのであります。これも妥当な請願だと思いますから、これを採択し、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 中島守利

    中島委員長 ではさように決します。     —————————————
  138. 中島守利

    中島委員長 五六、戦災都市復興事業費の起債復活に関する請願。  本請願の要旨は、戦災都市財政窮乏のため、復興都市事業の地元負担金には、起債をもつて充当していたが、そのとりやめにより事業遂行に多大の支障となつている。ついては該事業費の起債をすみやかに復活されたいというのであります。この趣旨も妥当と思いますから、採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 中島守利

    中島委員長 さよう決します。     —————————————
  140. 中島守利

    中島委員長 五七、自治体消防機構の強化に関する請願。  本請願の要旨は、自治体消防設置のため、その整備拡充を支持されているが、財政の裏づけなくしては、消防強化は期することができない現状であるから、消防組織法第二十五條の補助金の項を急速に明文化されたいというのであります。これも妥当な案でありますから、採択の上、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 中島守利

    中島委員長 さように決します。     —————————————
  142. 中島守利

    中島委員長 五八、砂川、新十津川間町村道地方費道に昇格の請願。  本請願の要旨は、砂川町北本町より石狩川渡舟を経て、新十津川村字下徳富に至たる両町村道は、近年緊密な関係を有し、諸物資の交流、交通量の増大等により、その維持について町村財政窮乏のため多大の支障を来たしている。ついては、該区間町村道を地方費道に昇格、実施されたいというのであります。これは採択して、内閣に送付すれば、内閣で適当な処置をとると思いますので、採択の上内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 中島守利

    中島委員長 それではさよう決定いたします。     —————————————
  144. 中島守利

    中島委員長 六二、遊興飲食税免税点設定に関する請願。  本請願の要旨は、従来飲食税は、外食券食堂に限り非課税であり、他は二割の課税があり、明年度改正案も従来と大差なきようであるが、これはまつたく無謀な大衆課税であるから、外食券食堂及び純喫茶店においての食事は、百円までは免税とするよう免税点を設定されたいというのであります。
  145. 谷口善太郎

    谷口委員 この問題ははつきりしておかないといけないと思います。「外食券食堂及び純喫茶店においての食事は、百円まで免税する事、すなわち酒類をも提供し得る料亭、料理店等は除外して可なりと信ずる」と書いてあります。この点をはつきりしておいていただきたい。
  146. 中島守利

    中島委員長 ただいまの谷口君の意見も加えて、これを採択の上、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定します。     —————————————
  148. 中島守利

    中島委員長 次は六三、原始産業に対する事業税撤廃請願。  本請願の要旨は、シヤウプ勧告による税制改革案の趣旨によつて、現行第二種事業税の課税客体たる漁業及び林産等の他の原始産業に対しても、農業同様全面的に事業税の廃止を措置されたいというのであります。これも妥当な請願であると思いますから、採択の上内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認め、さよう決します。     —————————————
  150. 中島守利

    中島委員長 第六四、治安維持に関する請願、これは趣旨がわかりませんから、あとまわしにいたします。日程七五、七六、七七は同一の趣旨で、地方自治法の一部改正に関する請願であります。以上三件を議題に供します。
  151. 谷口善太郎

    谷口委員 これはすでに採択になつております六五以下の地方議会の事務局の法制化の問題であります。
  152. 中島守利

    中島委員長 これは採択の上、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認め、さように決しました。     —————————————
  154. 中島守利

  155. 谷口善太郎

    谷口委員 これは土木工事だとか、清掃作業、衛生、消毒、港湾作業というような人夫、雑務に携わつておる者は、單純な労務を提供するものであつて、行政上の責任はないから、これは労働組合法その他いろいろな関係から除外して、一般労務者にしてもらいたいというのであります。
  156. 中島守利

    中島委員長 地方公共団体従業員地方公務員法適用除外請願は、今谷口君が説明されましたように、清掃人夫であるとか、あるいは特殊な労働関係に従事する者は、地方公務員法から除外してもらいたいというのであつて、妥当な意見だと思いますから、これを採択の上、内閣に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  157. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。     —————————————
  158. 中島守利

    中島委員長 次は七一、国有林野所在市町村交付金の引上げに関する請願であります。これは国有林野はまつたく無税でありますので、国有林肝の多いところは非常に困つておるから、物価の関係市町村交付金をもつとよけいもらいたい。今までも金はくれているのですが、わずかの金であるから、それを引上げてもらいたいというのであります。これも妥当な請願でありますから、これを採択して、内閣に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 中島守利

    中島委員長 御異議なければさように決します。     —————————————
  160. 中島守利

    中島委員長 六四の治安維持に関する請願というのはこういう請願であります。  去る八日吉田総理大臣は施政方針演説の中におきまして、国内治安維持の問題について「過激なる思想を誘致し、国家を破壊と混乱におとし入れんとする、暴力的破壊的な一部分子が治安を乱している」と独断し、政府の無策と反人民的暴政による全人民の生活防衛のための反政府闘争を、暴徒として弾圧すると、はつきり言明して居るのであります。しかも、政府警察法改正し、警察をしてかつての軍隊化をねらい、実質的には消防官までも警察官と同じく人民弾圧に動員しようとし、終戦前の警察政治にもどりつつあるのが現状であります。私共は日本の民主主義化の徹底と、平和擁護のために政府のかかる弾圧政策に反対し、真に人民の生活を安定するための政策を行うことを強調するものであります。  貴国会におかれまして、かかる政府の警察国家的弾圧に対し、反対の決議をされ、現在政府のとりつつある多くの弾圧をただちに中止するよう指示されるよう請願いたします。    請願人   全国官庁労働組合連合会    中央執行委員長 佐藤 安政  これが治安維持に関する請願の要旨であります。本件は請願としては趣旨が私ども穏当ならずと考えますので、採択すべからずということに決定いたしたいと考えます。採択すべからずということに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決します。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十分散会