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1949-11-22 第6回国会 衆議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十二日(火曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 中島 守利君    理事 大泉 寛三君 理事 川本 末治君    理事 野村專太郎君 理事 藤田 義光君    理事 立花 敏男君 理事 田中  豊君    理事 大石ヨシエ君       生田 和平君    大内 一郎君       河原伊三郎君    淵上房太郎君       吉田吉太郎君    龍野喜一郎君       大矢 省三君    門司  亮君       床次 徳二君    鈴木 幹雄君       竹山祐太郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 本多 市郎君  出席政府委員         地方自治政務次         官       小野  哲君         地方自治庁次長 遠山信一郎君         (地方自治庁連         絡行政部長)         総理府事務官  鈴木 俊一君  委員外出席者         専  門  員 有松  昇君         専  門  員 長橋 茂男君 十一月二十二日  委員井出一太郎君辞任につき、その補欠として  竹山祐太郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 十一月十九日  町村吏員恩給組合に対する国庫補助請願(立  花敏男君外一名紹介)(第九四六号)  同(田島ひで君外二名紹介)(第九四七号)  同外三十三件(井之口政雄君外一名紹介)(第  一一一九号)  遊興飲食税免税点設定に関する請願山本猛  夫君紹介)(第九七八号)  原始産業に対する事業税撤廃請願渕通義君  外四名紹介)(第一〇一〇号)  治安維持に関する請願加藤充紹介)(第一  〇二一号)  地方議会事務局法制化に関する請願立花敏  男君紹介)(第一〇三七号)  同(田島ひで紹介)(第一一九五号)  同(田代文久紹介)(第一一九六号)  同(谷口善太郎紹介)(第一一九七号)  地方議会事務局法制化並びに予算独立に関す  る請願田中堯平君紹介)(第一一九三号)  同(谷口善太郎紹介)(第一一九四号)  国有林野所在市町村交付金の引上げに関する請  願(松田鐵藏君外三名紹介)(第一一二九号)  碧南市の起債認可に関する請願千賀康治君外  一名紹介)(第一一四六号)  地方公共団体従業員地方公務員法適用除外  の請願川上貫一君外一名紹介)(第一一八二  号)  東京都特別区の自主的財政制度確立に関する請  願(徳田球一紹介)(第一二〇四号)  地方自治法の一部改正に関する請願柄澤登志  子君紹介)(第一二〇五号)  同(谷口善太郎君外一名紹介)(第一二〇六  号)  同(立花敏男紹介)(第一二〇七号)  地方公務員法案の一部修正に関する請願門司  亮君紹介)(第一二一八号) の審査を本委員会に付託された。 同日  都市吏員研修所設置に関する陳情書  (第二三四号)  市営庶民住宅建設に対する起債額に関する陳情  書(第二三五号)  公安委員選任資格範囲拡張等に関する陳情書  (第二三八号)  委任事務経費に対し財政対策確立等陳情書  (第二四〇号)  地方自治法の一部を改正する法律案に関する陳  情書(第二五二  号)  県農地部存置陳情書外七件  (第二五  八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  地方自治法の一部を改正する法律案内閣提出  第二七号)  地方行政調査委員会議設置法案内閣提出第三  七号)     ―――――――――――――
  2. 中島守利

    中島委員長 これより会議を開きま法案審査に先立ちまして、この際特にお諮りいたしたいと存じます。すなわち電気通信委員会におきまして、目下警察用電話等の処理に関する法律案審査いたしておりますが、本案については当委員会と関連もあり、また当委員会において深き関心を有する問題でありますので、電気通信委員会連合審査会を開会いたしたいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中島守利

    中島委員長 御異議がなければさよう決します。なお連合審査会の日時につきましては、電気通信委員長と協議いたしまして、公報をもつて御通知申し上げます。     —————————————
  4. 中島守利

    中島委員長 これより地方自治法の一部を改正する法律案議題といたします。本案につきましてはすでに一応質疑を終了いたしたのでありますが、門司君の質疑は留保されております。  この際委員長より政府に対して質疑をいたしたいと考えます。昨日の東京新聞に「自治の後退」と題して、附則二條に関連する委員諸君修正案に対して、自治庁反対であるという意思表示をしてあります。この問題は、自治庁のこれまでの経緯から見まして、大体わかつておりますから、かえつて委員会質問することが政府当局に私は御迷惑のように感じて、この問題の究極の質疑を差控えるようにいたしておつたのであります。しかるに本委員会審議中の修正事項に対して、政府反対意思表示をするというのは、はなはだ奇怪事と言わなければならぬと思う。もしそういう意思でありますならば、私ども深くそれに対して論戰を試みたいと思うのであります。この際政府当局より責任ある御答弁を願いたいと思います。
  5. 小野哲

    小野政府委員 ただいま委員長から、地方自治法附則二條市町村の分離に関して、地方自治庁が本委員会の御審議の御意向に対して、反対意思を表明しておる点につきまして、御質問があつたのでありますが、地方自治庁といたしましては、この問題に関しまして、特に本委員会で御審議の途上にある問題に関して、反対意思表示をいたした事実はございません。特に附則二條の取扱いにつきましては、微妙なる問題でございますので、地方自治庁といたしましては、十分に愼重態度を持つて対処いたしておるような次第でございます。この問題につきましては、国会において十分に御審議をいただきまして、その御決定にまちたい、こういう考えを持つておりますので、ただいま委員長からの御質問に対しまして、私ども考えをはつきり申し上げて、御了解を願いたいと存じます。     —————————————
  6. 中島守利

    中島委員長 この際お諮りいたします。本多国務大臣が御出席になりましたので、地方行政調査委員会議設置法案議題として、質疑を続行いたしたいと考えますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 中島守利

    中島委員長 御異議がないと認めまして、日程を変更いたします。これに対して委員諸君意向を尊重いたしまして、委員長より質疑いたしたいと思います。今回政府より提出になりました地方行政調査委員会議、これは私ども非常に重要な会議と認めるものであります。この会議がすみやかに設置されまして、国と都道府県市町村との間の事務の分配その他について明確な調査ができますと、国の行政地方行政の面において、非常に大きな効果をもたらすものと承知いたしております。なるべくこの委員会が完全なるものであり、すみやかにこの委員会事務進行を熱望するものであります。しかるにこの法案を見ますと、組織は非常に大きな組織になつておりまして、専門調査員あり、連絡方法もあります。しかるにこれに関係する吏員の数がわずかに六人ということになるのであります。こういう重大な調査であり、調査の項目なども非常に多いのでありまして、また事務的にも煩瑣な事務を、とらなければならないと思うのであります。かような事柄に対して職員の数があまりに少ないのではないか。なるほど行政整理の直後でありまして、政府としてはその点に対して相当な考慮を拂つておるものと考えますが、この委員会議は臨時的であり、また非常に急速を要する会議でありますから、政府としては職員の数を増加して、すみやかにこれを進行するようにする御意向はないか。仄聞するところによりますと、明年度においては二十名に増員するということでありますが、私は少くも今年度の一、二月ごろには増員を行い、さらに明年度においては相当数増加をしまして、一日も早くこの問題の回答を得ることが、私は目下日本国情における必要事ではないかと思うのであります。この点に関する政府の所信を伺いたいのであります。
  8. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいまお話のありました地方行政調査委員会議設置につきましては、その重要性から見て、まつたくこれは画期的な大事業であると考えております。特に行政管理立場にあります管理庁の私どもといたしましては、この委員会期待すること大なるものがあるのでありまして、その結果必ずや国、都道府県市町村の分担が明瞭になりまして、行政機構簡素明確化が実現されることを期待いたしておる次第でございます。この調査委員会議は、当初は地方自治庁がその事務を担当するという建前で進行しておりましたために、定員の点につきましても非常に少数になつてつたのでありますが、これが独立して行政委員会になることになりました関係から、でき得る限り自治庁からの手伝いと申しましようか、そういうことはしていただこうと思いますけれども、そこに専属の職員を相当要するということは考えられるのでございます。この点につきましては、定員を担当する私どもといたしましても、でき得る限りの心配はいたしておるのでありまして、いかに定員をふやしましても、大蔵関係において予算が伴わなければ、から定員になることでもありますので、大蔵省とも協議をいたしまして、支障のないようにぜひ決定しなければならないと目下研究中であります。政府といたしましては、一般的には御承知通り定員法によつて行政整理をやつたばかりでありますので、この臨時国会においては、定員増加というような修正は、やらない方針で進んで参つたのでありますけれども、わく内においてでき得る限りの措置は講じたのでございます。なおまた委員長からお示しの通り、来年度を待たずして、どうしても支障がある場合には、どういうふうにくふうして行くかということにつきましては、でき得る限りの処置を講じたいと存じております。
  9. 中島守利

    中島委員長 なおそれに続いて私ども伺いたいと思いますが、この法案に対して、定員をもし本委員会において修正した場合には、今御説の通り大蔵省予算が伴わなければから定員になつてしまう、こういうことになるわけでありますが、しかし委員会議としては、少くも二十人の定員がなければこの事務の執行はできないのじやないか。なるほど今本多国務大臣からの御説明によれば、差繰つて兼務的にこの事務を手伝わせる方法もあるように見えるのでありますが、しかし自治庁の現状を見ますと、地方税法あるいはまた地方自治法等関係において、非常に職員の少いところに事務が煩雑なのであります。言いかえますれば、財政部のごときは目下調査中でありますが、地方税の根本の改革のために現在の財政部員で、これが実現できるかということを私ども心配しておる状況であります。そういう実情でありまするから、この委員会議に、自治庁職員をもつてこれを補うということは、まつたく困難ではないかと思う。今の官制上他の役所では多少の手のすいておるところもあるかもしれないが、この仕事に対して他庁から応援するということは困難ではないかと思うのであります。その点についてなお一応本多国務大臣の御意向を拝聴したいと思います。
  10. 本多市郎

    本多国務大臣 自治庁におきましても、もちろん事務多忙でありまして、過員があるとは考えられませんけれども年度内のところは、ただいま提案いたしておりまする調査委員会議職員にどうしても兼務のような方法で、自治庁から応援と申しましようか、こういうことで処置して行つていただきたいと考えておるのでございます。これは政府といたしましても、来年度の定員につきましては、ただいま検討中でありますが、年度内はそういうことで自治庁とも相談いたしまして、大体やつてつてもらえるであろうということで決定いたした次第でございまして、まことに御同情ある御意見ではございますが、どうぞ御了承をお願いいたしたいと存じます。
  11. 中島守利

    中島委員長 何か本多国務大臣に御質問がありますか。立花君。
  12. 立花敏男

    立花委員 この問題は委員長から各委員意見を代表して、御質問が行われたようにお聞きいたしました。私ども共産党といたしましては、人員の問題に入るのはまだ時期が早いのじやないかと考えております。何となれば、法案全体の審議もまだ十分やつておりませんし、特に調査事項内容あるいは調査方法などに関しましても、非常に重大な問題があると存じますので、人数の問題に入るのは少し時期が早いのじやないか。その前に私本多さんにお伺いいたしたいのは、どういうメンバーをこの調査員あるいは事務員に充てようとされておるのかという問題なりあります。これは失業救済の一助にはなるかもしれませんが、実際はこういう中央官僚機構だけをいくらふやしましても、実際の地方実情調査というものは非常にできにくいのじやないか。私どもはむしろそれよりも、こういう中央官僚機構屋上屋を架したような形でふやしますよりも、実際地方第一線に立つて働いておる者の中からの意見をくみ出して来る。しかも町村あるいは市あるいは府県においては、各全国的な組織を持つております。しかもこれが第一線においての切実な要求なり行政に関する切実な希望なりを持つておるはずなんです。この現在持つておる具体的な熱烈な要求をそのまままとめ上げて来る。そういう方法をおとりになれば、中央における行政組織をいたずらにふやすような形をとらなくても、実質的には調査内容があがつて来るのじやないか。それをただ中央においてまとめ、あるいは必要があれば、このツヤウプ勧告による委員会に反映さすという方法をとりさえすればよいので、なまじ中央でできた調査委員会がすぐ全国を調査するというような建前で行きましたら、いくら人をふやしましても、これはできない相談じやないかと考えられますので、そういう根本的な問題をもう少し御検討になつて、御決定になつてから人数の問題に入るのが、当然当然だとぼくは思うのであります。その点に関しまして本多さんの御意見を承つてみたいと思うのであります。
  13. 本多市郎

    本多国務大臣 委員会の構成のことにも触れておられる質問でありますので、政府委員から答弁いたさせます。
  14. 小野哲

    小野政府委員 ただいま立花さんから目下提案されております地方行政調査委員会議運営に関して、御質問があつたのでございますが、私から答弁いたしたいと思うのでございます。この調査委員会議は、立花さんも仰せのごとくに、シヤウプ報告書に基きまして、これを忠実に尊重して、国と地方団体相互間の事務配分の調整をはかるという目的のもとに設置いたしたい、かような考えを持つておるのでございますが、この場合においてこれが運営に必要な要員の問題は、この法律案をさらに御審議の上で、決定さるべきものである、こういう御意見、まことにごもつともであろうと存じます。しかしながら考えてみまするのに、この事務配分仕事は、もちろん地方公共団体を初め各方面の盛り上る意見を十分に参酌いたしますことは当然でございます。しかしながら事務配分仕事は、一面専門的な知識なり経験なりを要する部面が、多分に多かろうと思うのであります。従いまして五人の、この調査委員会議運営にふさわしい人材を選任する、こういう建前になつておりますとともに、この五人の委員のブレインとして専門調査員も設ける道を開いておりまするし、また関係行政機関あるいは関係地方公共団体職員連絡者として指名する道も開いておりまして、この委員会において十分かつ愼重審議をして行くという建前をとつております関係上、これに必要なる人員をできるだけ十分に配置するということは、当然な結論として出て来る問題であろうと存じます。従いまして政府といたしましては、国会がその御審議に当りまして、前後をおつけになりますことは御自由ではございますけれども、先ほど委員長からいろいろ御質問がございましたように、この調査委員会議重要性にかんがみまして、人員の問題にまでお触れくださるということは、私どもといたしましてはむしろ御厚意に対して感謝をいたしておるような次第でございます。従いまして本多国務大臣からも、御答弁がございましたように、政府といたしましてもこの仕事重要性にかんがみまして、せつかく運営の上に支障のないように努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  15. 立花敏男

    立花委員 人員の点に触れるのはけつこうだと思うのですが、人員の点に触れるまでの審議が、まだ行われていないということを申し上げておるのでございます。同時に人員の点に触れるには、やはりその前にどういう運営をやるかということを、十分に審議しなければならないということになるだろうと思うのです。実は次官の言われましたように、地方意向をしんしやくすると申されるのは当然だと思います。しかし私どもは、ツヤウプ勧告の趣旨からいたしましても、しんしやくするではいけないのじやないか。しんしやくというような今までの官僚的な態度でなしに、実際ツヤウプ勧告によつて地方自治を拡充する。行政的にも財政的にも現在の地方自治団体に名目的に第一線としての責任なり、仕事をさせて行くという立場からいたしますと、やはりそこから出て参ります意見を、自主的に組織して行くという方法がとられるべきでありまして、中央でできた官僚機構地方意向をしんしやくするというような態度では、考え方が違うのじやないか、運営仕事も大分違つて来るのじやないかと考えます。そういう点をやはりもう一度考え直して、この問題はどうせ地方制度改正の問題になるのですが、地方制度改正意見そのものを、地方自治体自体から生み出させる。従つてそれに必要な調査、いろんな統計などに関しましても、やはり中央でやるのでなしに、実際に地方自治団体の中から、そういうものを生み出させて行くという方向で運営なさる。そういう点から人員の問題にも考えを及ぼして行くというふうにいたしませんで、そういうものを抜きにして人員の問題を考えますと、非常に違つて来るだろうと思います。そういうところを私は考慮してもらいたいと思うのです。たとえば次官のお言葉では、専門的知識あるいは専門的経験ということを申されましたが、中央でお集めになる専門調員あるいはその他の方々、あるいは事務の方にいたしましても、もちろんかつて経験なり、あるいは学問的な知識なりはお持合せであるかもしれませんが、実際地方地方民第一線で接触して、その中からの具体的な問題を持つておる者とは、おのずからその知識なり、経験なりが違うだろうと思います。そういうことをお考え合せになつて、やはり人員の面を考えて行くということにしていただかないと、いたずらにそういう面から離れて人数なり人間の問題を考えても、非常に浮いたことになるのではないか。結果としてでき上るものが、かつて地方財政委員会あるいは現在の地方自治委員会のような、まつたく官僚組織のこぶあるいは盲腸みたいな何にもならないものができるのではなかろうかと、私は考えますので、そういう根本的な問題をもう少し基本的に、民主的にして、地方自治団体の下から改正案なり調査をやらすという、根本的な考え方で、もう少し審議していただいて、人数の問題に触れていただきたいと思います。
  16. 中島守利

    中島委員長 ただいま立花委員の御発言で、審議の順序についての御意見があつたようであります。私は本多国務大臣が御出席になりましたから、全体の審議の参考になると考えまして、本多国務大臣質疑をしたわけであります。しかし結論に達して初めて定員の問題が、ここに論議されるべきものであるという御議論はごもつともでありますが、少くとも定員が少いということは、大体の委員の空気であります。そのため本多国務大臣がお見えになりましたから、便宜その点を詳細質疑いたしたわけでありますから、さよう立花君においても御了承願いたいと思います。
  17. 大泉寛三

    大泉委員 せつかく大臣がお見えになつていらつしやいますから、私どもの所管に属する地方行政の大変革を前にして、一言お伺いしておきたいと思います。ただいま委員長から地方行政調査委員会議設置に対して、まず輪郭の御質問がありましたが、私も委員長の御心配になられ、また期待されることを当然と思います。何といつてもこれは人がやるのでありますから、まず人の問題を先に考えなければならぬ。ことに日本地方行政が今まであまりにも中央依存であつた。これを地方分権立場から地方自治拡充強化、そうしていかに国民は今まで中央あるいは地方の負担に耐えて来たか、こうした立場から考えてみたときに、中央行政に携わつておる人のみが、改革の衝に当るべきではない。これは国民立場からこれを改革に導いて行かなければならない。シヤウプ博士日本地方行政を見られて御勧告になつております。日本国民はともかくこれまでの行政になれきつておる国民である、自分の体臭は自分でわからないが、他人にはよくわかる。これはどうしても局外の第三者の立場から、いわゆる側面からこれを観察して初めて正しい姿が私は見えると思う。こういうのでこの勧告なつたと思うのであります。ともかく日本の発展は中央を中心として、今日までのあの強力な力にまで持つて行つた。こうしたことを一ぺんにとにかく改革せねばならない国情になつておるときに、まず地方自治行政というものは根本的に改革しなければならない。今まで行政方面のみに重点を置いて来たが、今日のあらゆる方面の進歩発達したときに、まだそのままの行政区域を守つておるとか、あるいは行政方針を堅持するとかいうことになつておることは、これは改革の時期にも立つておりましようけれども、やはり日本経済立国で行かなければならぬとするならば、経済単位で行かなければならぬ。あるいはまた産業本位で行かなければならぬというように、行政単位はやはり経済重点に置くとか、あるいは住民の福利を重点に置くというように、改革の目標はおのおのあると思う。ただここでわずかな人数でもつて調査研究をして、将来に完全なものを残し得なかつた、つまり立案し得なかつたとなつては、これはとんでもない失策になりますから、やはり広範囲に大所高所からこれを検討して、愼重を期すべきであると私は思うのであります。こういう構想から委員長におかれましても、相当陣容を整え、また予算面においてもそう事欠かないように御心配になられた御質問であろうと思うのであります。この点は本多国務大臣も十分お考えになつておられると思いますけれども、御答弁の中に大蔵省の問題も関連するということですが、これほど重大な問題である以上は、相当大きな決心をもつてこれに当らなければならぬと思うのであります。ここで御質問申し上げたいのは、どういう構想地方自治改革をなされるか、この輪郭がわかつて初めて人員も定まつて来ますし、またお話になつておられます兼任もして行かれる。これは地方の協力を求められることでありましようから、兼任必ずしも悪くはないと思いますけれども、先ほども申し上げた通り、いわゆる行政携つた人のみが、この改革に当るべきではないと私は思うのであります。この点援助的であれば別に経費も伴わない地方庁の人材の選択もできると思うのでありますから、この調査輪郭についてまずお伺いをし、そしてその地方行政の大変革に対して、大きな構想を持つていただきたいという一つの希望的な期待を持つて質問申し上げる次第であります。
  18. 本多市郎

    本多国務大臣 地方行政調査委員会議に対する御期待は、全然同感でございます。御承知通り今日までの中央地方行政は、その担当の行政事務範囲がまことに複雑でありまして、ことに終戰後中央より地方に対しまして直接の出先機関をつくりまして、一層地方行政というものを複雑にしているように感じられるのであります。こうしたものを国の相当事務、府県の担当事務市町村の担当事務というふうに区別いたしまして、そうしてその責任を明らかにし、それに要する財源というようなものの裏づけも、確立されましたならば、必ずや事務の能率も上り、また事務の進行状況にいたしましても、自然とその進行状況が明確にされて来るだろうと存じます。今日まで政府におきましては、ただいまお話のありました通り、でき得る限り民主化のためには地方分権の方向に進むべきであるという考えをもつて出先機関の整理等にも力を注いで参つたのでありますけれども、いかんせんいま少しく根本的な改革を断行するという段になりますと、かくのごとく強力な立案機関を設けて行くということが、ツヤウプ博士の勧告通り適切であるということを感じておる次第でございます。その調査委員会議委員の中には、五人の方が委員になられますが、そのほかに専門調査員、連絡員等も整備されることでありますので、あらゆる方面意見は、そこに現われて来ることと思います。またそれに伴う事務局の事務要員のことについて、委員長から御質問があつたのでございますが、これにつきましても委員長にお答えいたしました通り、遺憾のないように努力して行きたいと存じます。
  19. 門司亮

    門司委員 私はこの前の委員会でお聞きしておいたのでありますが、要領を得ませんので、幸い大臣もおいでになつておりますので質問しておきたいのであります。それはこの委員会議ができますと、これと本多国務大臣の所管になつております行政制度審議会との関係であります。これは同じような仕事をしておるものではないかと私は考えておる。それとさらに、自治庁にあります自治委員会というように、今度大きな機関が三つできることになると思いますが、これの事務的な関連はどういうふうになるのか。なお突き進んで聞きますならば、この組織ができたら内閣審議会というものはおやめになるのか、これをまず先にお伺いしておきたいと思います。
  20. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいま内閣に設けられております行政制度審議会と申しますのは、国の行政機関についての機構を改革する調査をやつてもらつておるのでありますが、しかし関連して参りますので、これが地方の機関にも関連があることはお話通りであります。その調査研究という点においては重複するかと思いますが、御承知のように審議会は法律上の権限のない審議会でありますし、ただいまの複雑な事務を三段階に截然と立案するというような機関には、適当ではなかろうかと考えております。そういう立案機関として今回設けられます調査委員会議は、まことに適切なものであると思つておるのでございます。それではこの調査委員会議ができれば審議会は廃するかという御質問でありますが、これは前もつて申し上げました通り国の行政機関をいかに改革しようかというだけのものでありまして、原則的な使命は違つておるのであります。しかし関連性はございます。この審議会につきましては、でき得る限り早く今日までの研究に基く答申をしていただきまして、これはなるべく早く廃止するという方針でございます。
  21. 門司亮

    門司委員 言葉じりをつかまえるようで恐縮でございますが、なるほど今の政府にあります内閣の行政制度審議会というものは、総理大臣の諮問機関でありまして、法律的な根拠を何ら持つていないことはお話通りであります。われわれもそう承知しておるのでありますが、ただこれは国の関係を持つておる、これは地方関係を持つておるということと、さらにこれが関連性というような話でありますが、現在の内閣審議会というものは、総理庁の一つの機関のような動き方をしておるのじやないかという考え方をしておるのであります。それは大臣も御承知のように、たとえば港が地方自治体の管理に移されるというような、向うのサゼツシヨンがありますならば、それの主体性をどういう形で受取るかというような場合には、これはたしか内閣の行政審議会が答申したと考えております。これなどは明らかに国の一つの関連性を持つ地方行政であつたということで、総理庁にそういう問題が持ち込まれたのではないか。現在の法律の建前で行つたならば、当然運輸省の管轄内であるべきものが総理庁に来ておる。そういうふうに考えて参りますと、単なる関連性があるということだけではなくして、実際上は地方行政のすべてのもののうち各省に所属しかねるような疑問のあるものについては、大体総理庁の諮問機関によつていろいろのことが考えられておるのじやないかと考えておるのであります。従つてこういう明確なものができたらばぜひ私はそういうものは廃止していただきたい。私がそう申し上げるのは、政府行政整理をおやりになつておいでになりますが、内閣のもとに総理大臣の諮問機関として一つの行政審議会があり、さらにこういう機関を設けて単にこれは六人の人間しか収容しないということが書いてありますが、これは一体たれがふえるかということであります。もし政府がほんとうに人員整理をするという腹でありますならば、こういう屋上屋を重ねて官僚の勢力を温存するようなものは、すみやかに廃止になつた方がよいと思う。この点は廃止する意思はないというようなお考えのようでありますので、これ以上追究はいたしませんが、私ども意向としてはそういう官僚の勢力温存みたような屋上屋を重ねるようなものはただちに廃止してもらいたい。  それからさらに、これは先ほどあなたからもお話があり、この前の委員会でも大体の空気でありましたが、人員の少いということは事実でありまして、私はこの人員の少いということについて前の委員会でどなたかのお話の中に、今政府行政整理を行つておるときであるから、いたずらに人間をふやすことはどうかと思うというような意見があつたように聞いておりますが、もしこういうことが政府にあるとすれば大きな間違いだと思う。不必要なものは整理することはけつこうでありましようけれども、どうしてもやらなければならない、ことにこういう大規模な日本行政整理、長い間明治、大正、昭和にかけてできなかつたような大仕事を、今日やろうという御構想をお持ちにならなければならぬときに、単に今の時代に迎合して、行政整理をやつておるときだから必要な機関ではあるが、それをふやしてはいけないというようなお考え方であるとするならば、今の行政整理が首切りのための首切りであつて、真の行政整理ではないということを、この際言いたくなるのであります。従つてこういう中途はんぱと言うよりもむしろわれわれが審議することについて張合いのないような、あつてもなくてもよいような六人くらいの者で、あとは非常勤で二十人くらいで何をするかというような、単に機構だけを設けて、これが屋上屋のような形になつているということについて、私どもは先ほどから申し上げているような意見を持つているのであります。  次にお伺いしたいと思いますことは、この委員会の次の構想であります。これは人員との関係で、むしろ木村さんに聞いた方がよいと思いますが、人員関係について、その方に関係しておいでになります大臣としては、どういうふうにお考えになつているかについてお伺いします。
  22. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいまの御質問の中にありましたように、行政整理のために、絶対必要なところでも増員を認めないのだというようなことがあるとすれば、まことに不合理な話でありまして、そういう考えは持つておらないのであります。この地方行政調査委員会議は御承知のような委員でできて、その事務を担当する事務局でありまして、これはどうしても従来よりこの地方問題に関係を有しておられる自治庁がこれに当らなければならぬということを考えて参つたのであります。自治庁の方にこの委員会議の世話をさせるというときには、実は定員増加はなかつたのであります。自治庁自体の定員でやつてもらうつもりでおつたのですが、わかれるということになりまして、少数の定員を定め、さらに年度内は兼務で自治庁の方からこの事務を見るというふうにして、それでまず支障なくやつて行けるということで、さようにきまつたわけでありまして、決して私どもは名目か何かにとらわれて、不合理なことをむりしてやろうという考えで、やつているものではないのでございます。
  23. 藤田義光

    ○藤田委員 簡単に二、三お伺いしたいと思いますが、第一の点はこの調査委員会議事務局として、自治庁では鋭意研究されました結果、五十名を必要とするという前提のもとに、大蔵省予算要求されたと拝聴いたしております。これに対して現在決定を見ておりますのは、わずかに六十名である。五十名なくてはどうしてもこの委員会議の運用は不可能であるという認定のもとに要求されたのが、十分の一というさんたんたる現状でございます。大蔵省はいかなる必要に基いて、かかる予算の削減をやつたのか。この間に処しまして、定員をつかさどつておられます本多さんはどういう態度をとられたか。その間の事情を国務大臣として簡単にお答え願いたいと思います。
  24. 本多市郎

    本多国務大臣 ただいま申し上げました通りに、行政整理の名目にとらわれて、特に定員増加を認めないという趣旨ではないのでありますけれども、国費の節減という見地から、さらにまた現内閣の縮減して行きたいという方針から、その範囲までは研究の結果、行けるものなら行くというのがただいまの方針であります。最初自治庁において打合せのときには、それ以上の数を考えておられたことは、私も知つておりますけれども事務内容、性質上どういうふうにしてやり繰つて行くかということを、いろいろ相談し、研究いたしました結果、これで年度内は都合してやつて行けるという結論に落ちついたわけでございます。
  25. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいま本多さんから六名でどうにか都合して行けるという御答弁がありましたので、この点に関しては、いずれ所管大臣から後刻お伺いすることにしたいと思います。やや釈迦に説法のきらいがありますが、私は、現内閣の方針として定員を縮減する緊縮政策で行くという趣旨であることは一応了といたしますが、必要な役所に必要な定員を確保するということと、その緊縮政策を実施するということは別個の問題でありまして、この点は定員を管掌される本多さんに、十分認識していただかぬと、国政の円滑な運営支障を来すということをおそれるのでございます。  次にお伺いしたいのは、先ほどの御答弁でもちよつと触れられましたが、現在政府におきましては、新定員を練つておるというようなことを言われたのでありますが、これは二十五年度からの新しい定員考えておられますのか、あるいは二十四年度内にも定員の変更があるのかどうか、この点に関してお答え願いたいと思います。
  26. 本多市郎

    本多国務大臣 方針といたしましては、年度内定員増加はやらない方針でありますが、しかしただいまの地方行政調査委員会議のような新しい機構の場合、あるいはまたどうしてもやらなければならないという事情が生じました場合は、年度内といえども認めるのであります。さらに来年度につきましては、実はその実情調査いたしておりますので、その結果定員法改正案を提案する考えで、今日では進んでおります。これはやむを得ざる増の面もありますが、一面統制事務の減少に伴いまして、相当定員を減少しなければならぬという必要からも出て来るわけでありまして、そうした面についてただいま調査中であります。
  27. 藤田義光

    ○藤田委員 年度内にも必要に応じては増員するかもしれぬという御答弁でありますが、その点に関しまして、今回の補正予算予算措置をとられておりますかどうか、お伺いしたいと思います。
  28. 本多市郎

    本多国務大臣 これは予算の詳細でありますので、どういうふうに予算に盛り込まれておるかというところまでは、私は正確に存じませんが、たとえば今回の地方行政調査委員会議のように、六名認められておるものもあると思います。なおまたどうしても必要だとい場合には、そこに直接に割当てられている予算以外から流用してでも、ぜひ必要なものをやつて行かなければならぬ場合も出て来ようと思いますが、これは、その具体的な必要に応じて処理して行きたいと思います。
  29. 藤田義光

    ○藤田委員 最後にもう一点お伺いしたいのですが、今度の設置法案の第三條によりますと、従来の国の固有事務も当然この委員会議審査の対象になると思います。その審査の結果によりまして、必然的に中央官庁の人員整理という問題が出て来るだろうと思います。その定員を管掌される国務大臣は、その範囲内におきましては、この委員会議に発言権を持たれるのかどうか。それから先ほど門司委員質問をいたしました行政制度審議会におきまして、同様の問題を管掌している部面は、この委員会議と重複する面が出て参りますが、その件に関しましては、委員会議を優先せしめる予定であるのかどうか。委員会議審議会との法律的な差違は十分わかつておりますが、現実に、たとえば第三條によりまして、厚生行政あるいは文部行政等に相当大きな再編成の必要が紀きて来るだろうと思います。これは本多さんの言われる、いわゆる純然たる行政制度審議会の審議事項でもあり、またこの委員会議審議事項と重複することになりますが、その面ではどういうふうに運営されて行きますか。簡単にお願いいたします。
  30. 本多市郎

    本多国務大臣 この調査委員会議によりまして、国の事務地方事務ということになりました場合、その調査委員会議から定員についてまでも勧告せられるものかどうかわかりませんが、その場合、もちろんその事務量に応ずる定員の縮減というものを中央では行つて行くことになると考えます。もしその定員配分についてまで勧告がありましたときは、その勧告を尊重いたして内閣は決定いたしたいと存じます。
  31. 床次徳二

    ○床次委員 本多国務大臣のお立場から御意見を二つばかり承りたいと存じます。  第一はこの調査会議は民主化を徹底するために、特に設けられたものであると存じます。今日まで地方自治が発展しなかつたことは、国が第一優先的に自分立場でもつて事務を執行し、その次に府県が行い、最後に市町村立場考えられるいうような状態にあつたためであることが指摘せられておりますが、この会議におきなしてでき得る限りその間の調整を行いまして、地方自治を発展せしめたいというのがこの法案の趣旨であつて、わざわざ特にこういう特例の委員会議をつくられたように伺つておるのであります。右に関しまして、ただいま申し上げた国、府県、あるいは町村、この三者がそれぞれの立場を主張するのであります。国にこういう機関がありました場合は、やはり政府中心にものを考えて、県なり市町村立場を考慮することが少くなるのではないか。中央政府中心の考え方になりやすい。従つてできる限りそういうことのないように、国、府県、市町村というものを第三者の立場で、大所高所に立ちまして、この三つの関係事務の調整をはかり、研究調査をするのがこの委員会議の任務であると思います。シヤウプ博士勧告もその意味でありまして、従つてこの委員会国会に設けろということを勧告しておる。私はさように読んでおる。前回シヤウプ博士報告書国会設置するというのでありまして、内閣に設置するというのは誤訳であるということも申し上げたのでありますが、これは單なる誤訳ではなく、本来の精神がそうあるべきであるから、かように国会に置くように勧告せられておるのだ。従つて事務の配当をいたします場合も、政府中心にものを考えてはいけないのだということを、常に念頭に置いて考えるべきであるというように思うのであります。この点本多国務大臣はいかように考えておられるか。従来の行政審議会その他は政府中心でもつて行政のあり方を考えてよかつたのです。それでけつこうだつたと思うのでありますが、この委員会議に関しましてはさような立場は許されない。ほんとうに国民立場から、国、府県、市町村という立場をおのおの生かして行く。特に地方行政地方自治というものを完全に民主化しなければならぬという立場から、これを見て行かなければならぬ。そういう使命のあることを考えて、この委員会議設置法を見るべきだと思いますが、本多国務大臣の御意見を伺いたいと存じます。  第二の問題といたしましては、先般の委員会のときに承つたのでありますが、行政整理その他この委員会議結論をまちまして、実施するというお話でありますが、大体この委員会議なるものが、どれくらいの期間かかつて結論を出すのかという問題であります。あるいは一年あるいは一年半ぐらい、二年近くなるのではないかというような御答弁のように思いますが、しかし結論がかように長くかかるということになると、行政機関の整備という問題も、それだけ遅れて参るのだと存じます。今回地方自治法改正にあたりまして、地方出先機関の整理が二つばかりありますが、また整理しなければならぬ、当面において整理してしかるべきものもたくさんあると思うのであります。この委員会議結論をまつてやるようになりましては、実は必要な仕事がさらに遅れるということを私ども憂えるのでございます。従つてこの機会にお伺いしたいのは、この委員会議におきまして、どれぐらいの早さでもつて一応行政機関の整理、またこれに伴う出先機関の整理等の問題の結論を得るように努力されるのかどうか。またその結論が出るまで政府出先機関の整理、その他の行政整理を持つておるのかどうか。この点に関しまして大臣のお考えを承りたいと思います。
  32. 本多市郎

    本多国務大臣 今回の地方行政調査委員会議設置されます趣旨はお話通りだと考えております。すなわち国家の事務地方に委任してやらせるというような形は、結局中央のひもつ行政のようになりますし、まことに責任も明確でないばかりではなく、その財源等についても非常にまぎらわしくなつて来る次第でありますから、ここでその行政事務の性質が、国が担当するのが適切であるか、府県が適切であるか、市町村が適当であるかということを研究いたしまして、その分担が決定いたしましたならば、今までのような国の事務地方公共団体が委任されてやつておつのであるというような考え方でなく、三者おのおの自分行政事務と申しましようか、国なり、府県なり、市町村なり、それ自体の行政事務であるという立場に立つて行政事務運営するようにしたいというのが趣向であると考えまするし、私どももそれを期待いたしております。  この調査委員会議が終了するまでは、中央行政機構改革等は手をつけないのかという意味の御質問だつたと思いますが、これはお話通り相当の日子を要することと思います。政府といたしましては慎重に、またすみやかなる御決定期待はいたしておりますけれども、厖大な調査も要することでありますから、相当の日子がかかります。その間におきましても、政府といたしましては、中央の機構につきましては常に研究を続けまして、お話の出発機関の委譲とか整理とかいうものも、その結論をまたなければやらないという態度でなく、続けてやつて行きたいと思つております。
  33. 床次徳二

    ○床次委員 ただいま第一点について大臣の御答弁を承りましたが、当然この調査委員会議なるものは、私はむしろ国会に附属せしめる機関として、そうして国家に答申せしめるという建前をとるべきものではないか。かように私大臣の御答弁からも考えるのであります。もしもこれを内閣に設置し、内閣に報告せしめる、また内閣を経由して国会勧告せしめるというような形でありますと、やはり中央政府中央政府に便利なような考え方をするのではないか。そういう結論になりやすくなる。なるべく国、府県、市町村というものの一つ一つにとられない立場から結論を出すべしという建前からいいますと、国会にこれを置いた方がよいというようなことに自然ならざるを得ないのですが、大臣のお考えを重ねて承りたいと思います。
  34. 本多市郎

    本多国務大臣 これは調査委員会議の自主性か、独自性の問題だろうと思いますが、その事務政府の方でいたしましても、必ずやその委員の方々はただいまお話のような国家的見地に立つて審議されることであろうと思いますし、またその審議の結果が、内閣にも国会にも勧告されるわけでありますから、むしろ内閣において仕事を進めて行く方がかえつて審議等が便利であり、早いのではないかという感がいたします。
  35. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 本多国務大臣に私はお尋ねしたしと思います。地方行政調査委員ということは、要するところ声なき声を聞くためにこうしまものをおつくりになつたのだろうと私は思います。ことに地方自治というものは、非常に非民主主義化したと考えます。そこでただいまわが国に国立輿論調査研究所というものがございまして、この仕事と国立輿論研究所とが軍複しないか、その点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  36. 本多市郎

    本多国務大臣 これはどういう面についてのお考えであるか存じませんが、いかなる機関といえども輿論を尊重して行かなければならぬということは当然でありますが、この調査委員会は、御承知のごとく地方行政の分担を、三段階の機関のいずれに属せしむるが適当であるかということを調査をして立案せられるのでありますから、そのことに関する限りは国民の輿論をいうことも、もちろん考慮に入れて立案されるものと存じます。しかし国民世論調査全体の仕事といたしましては、さらに各方面の輿論を調査いたしましておりますので、全面的に重複するというようなことにもならないと存じます。
  37. 大石ヨシエ

    ○大石(ヨ)委員 私の聞きたいのは、国立輿論調査研究所は、この地方行政方面のことを相当してやつておる仕事があるのですが、もしそれがあるとすれば、これと重複する、その点を大臣にお尋ねしたいと思います。
  38. 本多市郎

    本多国務大臣 地方行政面の輿論の調査をやつておるといたしますと、むしろその輿論調査所よりこの調査委員会会議に資料を提出いたしまして、反映して行くことになると存じます。
  39. 大泉寛三

    大泉委員 大臣のお忙しいところなんですが、今の経済調査庁を行政整理の対象にする御意思があるかどうか。これは現在のように統制が次から次へとはずされて、だんだん自分行政面が狭められており、また将来これを全然廃止されるというような状態のときに、国民生活に合致しないような行政国民にしいられておるような感がいたしますので、せつかくお見えになつていらつしやるこの機会にお伺いしたいと思います。
  40. 本多市郎

    本多国務大臣 経済調査庁は発足の当初から統制の法規が守られておるか、またその統制の法規に従つて物が流通しておるかどうかということを調査し、監督するような役目を持つて発足したもののようでありますが、だんだん統制事務が縮小いたして参りますにつれて、そうした方面仕事は減少しつつあるのであります。さらにまたそうした方面事務の減少に伴つて経済調査庁の調査事務も統制関係という範囲から、だんだん行政査察というような方面に移行しつつあるような状況でありまして、この経済調査庁をどうするかということについては、今研究中であります。これは廃止したいという意向も持つておるのでありますが、しかしせつかく調査行政査察等の事務に堪能なものでありますので、これをどういうふうにするかということで研究中でありますが、いずれにいたしましても、発足が経済統制に発足しておることでありますから、この趣旨の仕事はなくなつて行く、それをどういうふうに処理するかというようなことについて、まだ決定はいたしておりませんけれども研究中であることを申し上げておきます。
  41. 中島守利

    中島委員長 大体本多国務大臣に対する質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  42. 中島守利

    中島委員長 地方自治法の一部を改正する法律案議題といたします。門司君の質疑が留保になつておりますから、これに対して政府答弁をお願いいたします。
  43. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 それでは前会の門司委員のお尋ねの点につきましてお答えします。前会のお尋ねの趣旨は、府県知事等が訓令を出していろいろ職員の身分なり、行為なりについて制限を設けるというようなことは、はたしていいものであるかどうか、また政府定員定額について教育職員に通知を出しますと、その中には必ずしもそうせよという趣旨がなくても、それがすぐ訓令化して、そういうふうな趣旨を、そのまま実現して行くというようなやり方をもつてつておるが、こういうやり方は不適当ではないか、こういうような二点のお尋ねでおつたように記憶いたしておるのであります。  第一の、訓令の法的効力あるいは性格等についての問題でありますが、これは先般もお答え申し上げましたように、職員の任免権を持つておりますものとして、その任免権の行使に限られました範囲におきまして、必要なる準則を訓令というような形において出しますことは、これは名前は必ずしも適当であるかどうかわかりませんが、その名前で出しますことはさしつかえない。また同時に職務上の指揮監督権を持つております限度におきまして、その職務上の指揮監督権の準則になるようなものを訓令という形において出すことも、これも法律上はさしつかえないということになるわけであります。ただその任免権に基きまする権限の範囲、あるいは職務上の指揮監督権に関します権限の範囲が、どの限度まで及ぶかというようなことは、これはそれぞれ個々具体の場合について、当つてみなければならぬと思うのであります。もしもそれが法の予想しておる限界を越えておるものでありまするならば、これはやはりそのような訓令は少くとも不適当である、場合によつては違法であるというようなことになろうと思うのであります。  それから教員の定員定額等につきまして、中央地方に対して勧告をする、あるいは助言をするというような趣旨の通知を、訓令というような形でただちにそのまま実現化するというようなことは、どうであるかという点でございますが、これはやはり個々の具体的内容につきまして、第一点に関して申し上げました原則に従つて判断しなければならないと思うのであります。従いまして、一般抽象論といたしましては、今の限界を越えましたものを出すということでありますならば、これはまた適法を欠く、あるいは適当を欠くということになるであろう、こう考える次第であります。
  44. 門司亮

    門司委員 大体想像しておつたようなきわめて常識的な御答弁であると思うのであります。常識的な御答弁のようにスムースに行けば、大した問題は起らぬのでありますが、その訓令は往往にいたしまして、先般の委員会でも再々申し上げましたようなことがあるのであります。従つて、それによつて迷惑をいたしますものは地方の住民なり、あるいは地方職員なりであると思うのであります。これに対して、もしそれに触れた場合、これの罰則はおそらくつけられないと思いますが、しかし一応訓令を出した以上、それに違反すると目されるものについては、何らかの処置に出でられるであろうということは想像にかたくないのであります。従つて非常に非常識的な人があつて、その人が非常識な訓令を出して、それに従わないからといつて処罰をされるような場合が必ずあると私は思う。もしなければよいのでありますが、恐らく私はそういうものが出て来ると思う。もともと自主権の侵害になるようなことは絶対にできないのでありますが、行き過ぎに対する何らかの処置をするというようなことが、自治庁においてできなければ、それらの訓令を受けた者が、これに対してみずからの正しい権利を十分主張し得る考え方と言うか、ある程度の制度をこの際もうける必要があるのではないかと考えるのであります。たとえば静岡県の例を申し上げましても、静岡県知事が政治活動を禁止するという訓令を出す。それに違反した行為のある者はただちに首を切るというような場合、首を切られた者が不法であるからといつて行政訴訟をするというようなこと、あるいは今設けられようとする苦情処理委員会、あるいは人事委員会のようなものに、それを持ち出して来るというようなことではなくして、もともと法律的に何らの根拠のないものであるので、それの取消し等については、勤めておる職員諸君の権限が十分主張し得る処置をとる必要があるのじやないかと考えられるのであります。それはこの委員会では少し言い過ぎるかと思いますが、実際の面では、各都道府県あるいは市町村にそういうことがないとは言えないのであります。最近急にと言つてよいほど官僚化して参りましたので、地方行政の方に働いております幾多の地方公務員は、これらの問題で相当苦しめられておるのではないかと見受けられる節が多分にあるのであります。それらの点について、自治庁に何かお考えがありますれば、この際承つておきたいと思います。
  45. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいま知事の訓令権の行使等につきまして、適法の限界を逸脱いたしました場合に、何か適当な処置はないかというお尋ねのようでございますが、この点に関しましては、関係地方団体等から文書あるいは口頭等によりまして、地方自治庁当局の法律の解釈はどうであるかというような照会がございました場合には、地方自治庁といたしましては、この点はこういうふうに解釈をする。それが法の趣旨なり運用の精神にあうだろうというようなことは、事実上連絡をいたしております。ただ地方自治庁建前といたしましては、こうせよ、ああせよということは言い得ない立場にございますし、またそういうことは地方自治の本旨にもとると思いますので、そのようなことは申しておりませんが、連絡のありました場合には、今申しましたよう見解を表明いたしておるような次第であります。もしも関係当事者間において意見が合わなかつた場合には、違反を理由といたしまして、権利を侵害せられたということで、現行法におきましても行政訴訟は必ずできるわけでありますが、この点に関しましても、地方公務員法がすみやかに制定施行になりますならば、苦情処理の問題は少くとも行政機関によりまして、第一次的に、実情に即するような解決が簡単にできる方法が認められることになるであろうと存ぜられるのでありまして、地方公務員法の制定せられるまでの一つの欠陥として、やはり政府としても思わしくない点と思つておる次第であります。
  46. 門司亮

    門司委員 私はその問題については当局の御意思がほぼわかつたような気がいたしますので申し上げません。ただこの機会に委員長にお願い申し上げておきたいと思いますことは、大臣の出席のことであります。大臣の出席要求いたしましてから、今回でもう三回に相なつておると思うのであります。きようはおそらく大臣がおいでになると考えておりましたが、おいでになりません。従つてども委員—これは全体だと思いますが、大臣から聞くことが、委員会の性質上、あるいは委員会と言うよりもむしろ聞いている問題の性質上、必要だというふうに感じておりましても、おいでにならなければやむを得ず他の人からこれ聴取して、一応の審議を進めるという形に相なつて参りますと、これは実際上の問題として議員の審議権が非常に制約される形に相なると思うのであります。そうしてこの委員会に責任のある大臣が一回も顔をお出しにならないで、委員会の事項が議決されてしまうという下見識なことであつてはならないと思うのであります。従つてどうか委員長から大臣に対しまして、出られるものなら出られる、病気なら病気だということの明確なる御指示を願いたい。私は新聞をたてにとるわけではありませんが、新聞紙上では大臣は相当御活躍のように見受けられるので、病気だということを信ずるわけにも行きません。私は大臣の人格を信じまして、仮病だとは決して申し上げませんが、その点を十分委員長として御考慮を願いたいと思います。
  47. 中島守利

    中島委員長 お答え申し上げます。門司君の御要求はごもつともであります。木村国務大臣は、過日来は病気でありましたが、昨日あたりから外出できるようになりましたことは事実であります。本日は大臣が出席するはずでありましたが、やむを得ぬ公務がありまして、きのうわざわざ私を委員室におたずねくださいまして、きようはどうしても出られない用があるので、どうしたものだろうかという御相談にあずかつたのであります。この次には必ず出席いたしますから、どうぞさよう御承知を願いたいということであります。
  48. 立花敏男

    立花委員 自治法に関しまして、緊急にちよつと質問したいと思います。実際上自治法の脱法行為が各府県に行われております。その事実は非常に重大だと思いますのでお尋ねしたいのですが、問題は知事室のことです。聞くところによると、自治庁では最初の改正案には知事室をつくるという考えが盛られておつたように承つております。また同時に、この案の中には署名活動に対して街頭の署名を禁止する。あるいは農地改革が完了したという建前から、農地部の委員設置の規定、そういうものが含まれておつたのであります。この一連の事実は、先ほど門司委員からも御指摘のありましたように、最近地方行政が非常に官僚化して来ている一つの現われだと思う。特に知事室の設置の問題などは、非常に重要な問題でありまして、地方行政の知事への集中という点から見まして、地方行政の官僚化が極度に現われた問題だと思いますが、それを今度提出になりました案には削られております。ところが実は青森県におきましては、すでに九月二十日に知事室がつくられております。あるいは東京都にもつくられたかに新聞に発表されておる。こういう問題に対して自治庁としてどういう態度をおとりになるか、青森県におきましては、総務部の中に知事室を置きまして、これは違法ではないと言つておりますが、百五十八條を見ますと明らかにこれは違法だと考えられます。われわれはこういう地方自治団体理事者が、いたずらに言を構えまして自治法の違反を違反でないとして、実質上の知事室をつくつておる事実に対する御見解、またこれに対する今後の措置をお尋ねいたしたいと思います。
  49. 小野哲

    小野政府委員 ただいま立花さんから地方団体、特に都道府県における局部の問題についての御質問がございましたが、御説のように地方自治法におきましては、第百五十八條におきましてぜひ置かなければならない局部をあげておりまするほかに、あるいは地方団体の事務の遂行に必要なる限度において置き得る道も開かれておるのでございます。この場合においてあるいは知事室を設けたりするようなことが違法ではないかというお考えのようでございますが、また今回の地方自治法の一部改正法律案において、当初知事室を置き得るような道を開いておつたのを、置かないことになつた点についての御質疑があつたようにも考えられるのでございます。地方団体における局部特に都道府県における局部の設置の問題につきましては、この法律案を提案いたしますにあたりましては、地方自治委員会議において十分な御審議を願つたのでございます。われわれは自治委員会議の御意向を十分に尊重いたしまして提案をいたすことと相なつたのでありますが、これらの部局を設けるということについて、御承知のごとく地方自治権の拡充に伴つて地方事務分量もふえて参りますし、また必要に応じては法律に定められておらない場合におきましても、当該地方議会の議決によりまして、これを設けるというふうな方法を事実上とつておるところもあるように見受けられるのでございます。知事室は扱い上はただいま御指摘になりました総務部に設置するというふうな問題につきましては、法的には第百五十八條に総務部の中で他の所管に属しない事項として、分課の一つとして設けているものでございまして、予算の上から申しましても、総務部所管となつておるように聞いておるのでございます。なおこの改正法律案の立案にあたりまして事務当局といたしまして種々研究をいたした点もございますので、これらの点につきましては鈴木行政部長からお答えをいたしたいと存じます。
  50. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 知事室の関係でございますが、当初知事室を置くという案をいろいろ考えましたにつきましては、府県知事の方々の中にも、そういうものがほしいという御意見が相当ございました。かたがた実際問題といたしましても、他のいずれかの部局に所管すると申しますよりも、いわば知事のブレーンになるような立場のものとして、知事に対して意見を反映する。知事が決定すべき意見を持ちまする際にいわば知事のほんとうの相談役というようなことで、何か内部的なそういうプレーン—企画的、審議室的なものを置くということが、実際上の問題として行われておつたようでございまして、そういうものをいま少し法制化しようというのが、実際上の問題であります。また地方の総合開発というような問題がございまして、そういう問題につきましても何かそういう総体的なことをやるところでやつた方がいいというようなことから、事実問題として、そういうところに適材をあげてやつておつたというようなところもありまして、こういうふうな案を考えたのでありますが、ただいま政務次官の御答弁にありましたように、都道府県の部局をあまりにも現在以上にこまかく法定をするということは、やはり自治の本旨から申しましても適当でないので、そういうようなことはこれをやめたわけでございまして、現在実際各府県で行つておる方法を、現状のままに置いてこれを法律上も容認するような形にして置いた方がいいのではないかということで、そういう原案を撤回したような形に相なつた次第でございます。
  51. 立花敏男

    立花委員 そういう建前で、政府が原案を撤回なさつた知事室が、実質上青森県では、すでに九月二十日につくられ、東京都にもつくられておる。しかもその内容から申しますと、これは向うから書類を送つてつておりますが、鈴木部長のおつしやいましたような単なる知事のブレーンというようなものでなしに、その内容は秘書課、人事課、弘報文書課、渉外課、調査課、そういうような多数の課を含んでおりますところの一つの完全なる部局が総務部の中につくられておるというような状態でありまして、これはあくまでも原案を撤回になつ政府の御意図とはまつたく反した方向ではないかと考えております。しかもこれが知事室として知事個人の権限、知事個人に直属した形になつておりまして、これが私どもから見ますと、非常に地方の官僚化と申しますか、官僚化の中でも特に個人としての知事の権限の強化ということになりまして、非常に地方行政の民主化、自治化とは反する方向に行くのではないかと思いますが、すでにこの問題は青森県でも訴訟事件になつておりますが、この問題は全国に—さいぜんの部長のお言葉でも、知事の中にもこういう権限を與えろという要求があつたというふうに聞いておりますが、この問題を看過されますと、全国的に波及するおそれがあると思います。すでに東京都でもこの問題が起つているのでございまして、この問題を至急調査されまして、適当なる御処置をお願いいたしたいと思いますが、これに関連いたしまして、次官の御答弁を承りたいと思います。
  52. 藤田義光

    ○藤田委員 ちよつと関連して……。ただいま立花委員からいろいろ知事室の問題について御質問がありましたが、実は私の所属いたしております熊本県におきましても、県庁に県民室というのがあります。鈴木部長の御答弁にありました通り、総合開発の事務を中心に担当いたしまして、非常な実績をあげております。立花委員のいろいろ杞愛された点は、少くとも熊本県に関しては全然ございません。非常に地方の民主化に役立つております。調査要求もございましたが、そういう県もあるという前提のもとに、もし調査なさるならば遺漏なきを期していただきたいと思います。
  53. 小野哲

    小野政府委員 立花さんの御質問に対してお答えをいたしたいと存じますが、一般的に申しまして、地方団体、言いかえれば、特にただいま御指摘になりましたように、都通府県の局部の問題をどう扱うか、こういう問題があろうかと思うのであります。特に地方自治体の自主性を尊重いたしまして、地方自治体が地方自治の本旨にかなつて十分に働けますようにいたしますことを前提といたしましては、これら局部の問題は、当該地方公共団体において最も活動に適する組織をつくり上げるということが望ましいことであろうと思うのでございます。地方自治法において、都道府県等の局部が法律によつて制定されておりますことにつきましては、私の記憶では、前会でございましたか、地方自治法の一部改正が行われました際にも、衆参両院において相当御論議があつたようにも考えられるのでございます。従いまして政府といたしましては、これら国会の御論議の結果に基きまして、都道府県の局部につきましては法定をするということに相なつたものと記憶いたしておるのでございます。従いまして、もし先ほど申しました一般論を推し進めて参ります場合におきましては、あるいは地方の団体の局部につきまして法定をすることが、いかがなものであろうかという根本問題にもなるのではなかろうかと存ずるのでございます。さような意味におきまして、地方自治庁といたしましては、二面国会における御審議を十分尊重いたしまして、その御決定に応じて、執行機関としての職責を果したいという考えを持つておりますと同時に、地方団体、特に都道府県等におきまして局部を設けますような際において、もしこれらの都道府県から地方自治庁に対して意見の照会等がございました場合におきましては、適切な助言をいたすことにやぶさかではないのでございます。ただ現在設けております、ただいま問題になつております知事室等につきまして、地方自治庁が積極的にその改廃等について指示をいたしますことは、いかがなものであろうか、かように考える次第でございます。なお私の答弁にさらに敷衍をいたします点につきましては、鈴木部長からお答えをいたしたいと存じます。
  54. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 単純に法律的に違法であるかどうかという点でございますが、知事室を総務部の中の一つの室として設ける、名前は知事室でございまするが、やはりこれは法律上の性格といたしましては、他の庶務課、地方課と並びますところの一つの分課ということになりますので、いかなる分課を設けるかは、法律上も知事がこれを自己の権限として行い得るようになつておりますから、かつこうはいささか妙な点もございまするが、総務部の中に知事室を置く、そうして総務部所管の中の適当な権限をこれに行わしめるということは、純粋に法律論だけから申しますと、違法であるということにはなつて来ないと思うのであります。総務部をはずしまして、まつたく知事直属の知事室を設けて、そこに法律上はつきりと総務部所管になつております人事のことでありまするとか、その他のことを所管させるということになりますと、これは違法ということになりますが、総務部の中の知事室ということでありまして、かつ総務部長を通すということでありまするならば、これはその限りでは違法でないというふうに考える次第であります。
  55. 立花敏男

    立花委員 問題は二つあると思うのであります。さいぜん政府委員がお答えになりましたように、知事室を置くという案を初めお持ちになつておりましたのを、自治委員会審議なんかを経まして、知事室を置かないということにきめた。それを実際置いておるという問題。それから形式の問題でございますが、総務部に知事室を置いてあるからいいんだというお答えでございますが、総務部に置いてあろうと、知事直属にして置こうと知事室があることに間違いはない。しかもその知事室は、決して鈴木君の言われるような一つの課の仕事をしておるのではなしに、さいぜん言いましたように、秘書課も、人事課も、調査課も、文書課も、渉外課も、全部含まれておるというような知事室が、ただ知事に直属させずに、総務部にあるという形で脱法をやつておるということは、これは明らかであろうと思うのであります。しかも百五十八條によりますと「都道府県知事は、その権限に属する事務を分掌させるため、局部の下に必要な分課を設けることができる。」と書いてありまして、決してこの分課は、今言いましたような数課を含めます知事室を含んでおるのではないと考えます。こういう意味で、法律上から申しましても、決してこれは合法的とは言えないと思うのであります。私は決してこの知事室の取消しの指令を出せとか、そういうことを自治庁に言つておるのではありませんので、こういう問題をどういうふうにお考えになるか。これは全国的に波及する問題だし、地方自治庁として知事室を置かないとお定めになつ方針と、違うのじやないかということを指摘いたしまして、そのお考えを聞いて置きまして、すぐに取消せとか、そういう問題を私提議しておるのではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。
  56. 中島守利

    中島委員長 地方自治法の一部を改正する法律案質疑は大体終了いたしたことといたしたいと考えます。なおこの法案に対する討論の際に簡単な質疑はお許しいたしたいと考えます。前会において、本日本法案の討論に入ることを私は御承認を得たのでありますが、時間もありませんし、本日はこの程度にいたしておきたいと考えます。なおこの法案の取扱い方について散会後理事会を聞きたいと思いますから、どうぞ理事の諸君は、お残りを願いたいと思います。  次に消防法の問題で御相談いたしたいと考えます。消防法に対しては相当に改正する点があるのではないかと思つております。私も十分調査をいたしておりますが、現在の消防法においては欠陥があると思うのでありまして、これは前の消防法自体が国会の提案に属するものでございまして、今回もこの改正に対しましては国会自体において研究しまして、そうして提案したいと考えるのでありますが、会期がありませんので、この臨時国会においてはこれをやめまして、常会の初頭において小委員会をつくりまして、この法案研究をいたしたいと考えます。さように取扱いまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と、呼ぶ者あり〕
  57. 中島守利

    中島委員長 次に本会の次会の開会については、御承知通り会期は明日で終るわけでありますが、まだ会期延長の議決は得ておりません。委員長考えとしましては、会期が延長されますれば、二十四日の午後一時から開会したいと思います。いずれ正式には公報をもつて開会の御通知を申し上げることにいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十分散会