○田中(織)
委員 先ほど関連して御
質問申し上げたのでありますが、農林大臣は今度の
一般会計から薪炭
特別会計に繰入れる五十四億七千万円は赤字補填ではない。
政府の持
つている
債務の
償還をするための
一般会計からの繰入れだ、借入れのような意味のものだというように御答弁にな
つているのでありますが、
政府のこの
提案の
説明にもありますように、二十三年度以前において生じた損失額、これは赤字で三十四億あります。その上にさらに残務整理によ
つて生ずることが予想せられるところの現物不足その他の目引き、減耗率というようなものを入れたものが、寄せ合せまして五十五億円になるというのでありまして、これらは明らかに赤字なのであります。
従つてその赤字を補填することになる。これは農林大臣がいかに強弁されようとも、そういうことは小学校の生徒でもわかるようなはつきりしたものなのであります。
従つて私はもつと具体的に
数字をあげて大臣にお伺いいたしたいのでありますが、私らが先般の第五国会の閉会中の
予算委員会におきまして、そこにおいでになる
林野庁長官からもいろいろ伺
つたのでありますが、その結果われわれが大づかみに理解できることは、七月三十日に
特別会計の運用を停止するときには、すでにここにもありますように、約三十四億円の赤字が出ている。その上に薪炭の生産者に対する未拂金が十八億円、これに見合うものとしましては、卸賣業者に対する賣掛金か約二十億未
回収の分がある。それから薪炭
特別会計の手持ちの薪炭の償却の残
つておる分が約二十億。こういうように申されておるのでありますが、この賣掛代金の二十億の未
回収分の
回収と、現在における薪炭
特別会計の手持ちの薪炭を処分して入
つたものだけが、
政府として
回収できるところのいわゆる
債務に対する見返りの
債権的な性質を持
つたものであるというふうに、理解できるのであります。すでに二十三年度以前に発生しましたところの三十四億、嚴密にいえば薪炭の現物不足が十四億円、二十三年度の冬期大都市備蓄分の保管減耗手直し料が十億円、昨年十二月長尺薪の値下りによる損失が三億四千万円、増産輸送増強やむを得ず支出したところの
経費五億五千万円で、三十三億五千万円というのが二十三年度以前に発生した赤字なんです。このほかにさらに、この打切り以後薪炭
特別会計のために、月々少くとも一億五千万円がいるということをわれわれ聞いておる。
従つてこれを清算するまでの間を十箇月といたしましても十五億の金がいる。さらに
特別会計の打切りによる手持ち薪炭の値下り等により生ずる損失二十億を入れますと、この繰入れ額のほとんど全部が赤字の補填になるということは、この
数字からも私は明らかだと思うのであります。
回収できるところのものが卸賣業者に対して約二十億、これは帳簿価格では二十億くらいになるかもしれませんが、実際確実に換価し得るものは十億円だということは、先般の
予算委員会で
林野庁長官ははつきり答弁されておるはずです。そうすれば三十億しか見合うものがないところにも
つて行
つて、五十四億七千万円という
一般会計からの繰入れをやることになれば、かりにそうした三十億というものが完全に
回収できるといたしましても、残りの二十四億七千万円というものは明らかに赤字補填じやないですか。
従つてその赤字の原因を究明せずに、それを国民の血税の中から補填するという行き方に対して、私は責任ある
政府の態度とは見受けられないのでありますが、大臣はその点についてどういう考えを持
つておられるか。もう一度ここで伺いたいのであります。