○
高橋(衞)
政府委員 先ほど来今年度の
申告の指導等につきまして、必ず昨年の七割以上のことをお願いしておるという
お話でありましたが、私
どものところに集ま
つた大体の数字はそんなに
行つておりません。平均いたしまして昨年の実績に対して、大体五割以下の数字にしかな
つておりません。
従つてある業態、ある個人につきましては一割、二割または昨年よりも少くな
つておる分もございます。また
お話の
通り昨年の比較におきましては、倍以上にな
つておるという分もあるのであります。これはもつぱら今年度におきまし七は、昨年度に比較しまして
相当に
調査が徹底して参りましたので、実際に
帳簿につきまして、またはその他の資料につきまして
調査いたしました結果が、そういうような数字とな
つて参
つたのであります。
税法の命ずるところに
従つて、正確に
調査をしたと申し上げるよりほかないかと思うのであります。
なおただいま御指摘の、すでに
納税済みのものに対して呼び出しをかけましたり、あるいはまたはなはだしきに至
つては差押えをするというような事例が、最近まで間々ありましたことにつきましては、それは率直にその事実を認めざるを得ないと思うのであります。私
どもとしてまことに遺憾にたえないと
考えておるところであります。御
承知の
通り終戰後特に現在の
申告納税制度になりましてから、
納税義務者の数が画期的に増加いたしました。それにつきまして
税務官吏の数もある
程度増員をいたしましたが、しかしながらその増員をされたところの新しい
税務官吏は、事務にはなはだふなれであります。しかも採用にあたりまして非常に急ぎました結果といたしまして、必ずしも素質の優秀な者を入れることができなか
つたのであります。そういうような
関係からいたしまして、内部の事務の整理が非常に不整頓でありました。そのようないろいろな事情が相競合いたしまして、そういうような非常に遺憾な事態を招来いたしましたので、こういうような事態を一日も早く絶滅を期したいと
考えまして、今日まで非常な努力を続けておるのであります。たとえば仕事のやり方につきましても、今年度の春から大
部分の税務署につきましては、内部事務と外部事務とを区分をいたしまして、内部事務につきましてはできるだけ流れ作業式な記帳の
方法をとるというようなことによりまして、その整理の不整頓をなくするという努力をいたしました。また
一つの原因は従来銀行とか郵便局に納められる際の納付書の紙質が、非常に惡か
つたというようなために、納付済み通知書が税務署に参りました際に、その半分が切れておりましたりしたために、またこれも非常にやむを得ない点でありますが、
納税義務者の名前とか住所とか、所轄の税務署が非常に不明瞭であ
つたりしますために、整理のしようがないというものがある
程度あ
つたのでありますが、こういう点も本年度は紙質も改善いたしますし、また
納税義務者の方におかれましても、漸次すみとかインクとかで正確に書いていただけるようにな
つて参りましたので、そういうような数も激減して参りました。
従つて今後はそういうような
ケースはどんどんなくな
つて行くとは思うのでありますが、しかしながらいずれにいたしましてもこういうような事態がなお存在するということは、きわめて遺憾とするところであります。私
どもといたしまして実はそういうような扱いをするところの
税務官吏は、はなはだおもしろくないと
考えまして、先般本庁に苦情相談所を設けまして、
税務官吏自体の親切でない者、または
納税者に対して適当でない応待をした者等につきましては、直接本庁の方に
お話を願いまして、はなはだしい者はどんどん処分をして行くという
考え方をしておるのであります。どうぞそういうような面におきましても
国民各位の御協力を得まして、今後
税務行政を
納税者に迷惑をかけることがないように持
つて行きたいと
考えます。