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1949-11-14 第6回国会 衆議院 大蔵委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十四日(月曜日)     午後一時四十八分開議  出席委員    委員長代理理 小峯 柳多君    理事 北澤 直吉君 理事 小山 長規君    理事 島村 一郎君 理事 前尾繁三郎君    理事 川島 金次君 理事 林  百郎君       岡野 清豪君    佐久間 徹君       高間 松吉君    苫米地英俊君       中野 武雄君    西村 直己君       三宅 則義君    田中織之進君       松尾トシ子君    河田 賢治君  出席政府委員         大蔵政務次官  水田三喜男君         大蔵事務官         (日本専売公社         管理官)    冠木 四郎君         大蔵事務官         (主計局法規         課長)     佐藤 一郎君  委員外主席者         專  門  員 黒田 久太君         專  門  員 椎木 文也君     ————————————— 本日の会議に付した事件  旧軍関係債権処理に関する法律案内閣提出  第一七号)  国の所有に属する物品売拂代金納付に関す  る法律の一部を改正する法律案内閣提出第二  八号)(予)     —————————————
  2. 小峯柳多

    小峯委員長代理 これより会議を開きます。  まず昨十二日予備審査のため付託されました国の所有に属する物品売拂代金納付に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたしまして、政府当局提案理由説明を聽取いたします。
  3. 水田三喜男

    水田政府委員 国の所有に属する物品売拂代金納付に関する法律の一部を改正する法律案提出理由を、御説明申し上げます。  今回改正しようといたします点は三点でありまして、その第一点は、国の所有に属する物品に関し、その売拂代金延納特約をすることができる場合につきまして、これをさらに明確にするために従来の規定を統合整理いたし、国が商取引上の慣行等従つて売拂代金納付前に物品引渡しを行う必要がある場合と、その他の場合とに区分して規定しようとする点であります。  第二の点は、延納特約をする場合において、特別の必要があるときは利息を付さないこともできることとしようとする点であります。すなわち従来延納特約をする場合で、利息を付することを要しないこととしたのは、国の内部または相互の間の売拂いの場合に限定されていたため、多少厳格に失するきらいがありましたので、この際その点を是正して、取引の円滑をはかろうとするものであります。  第三点は、この法律適用が従来国に限られていたのに対しまして、これをさらに法令による公団日本専売公社及び日本国有鉄道が、その所有に属する動産を売り拂う際におきまして、売拂い代金納付及びその延納特約をする場合にも、準用させようとすることであります。  以上の理由によりまして、この法律案提出した次第でございます。何とぞ御審議のほどをお願いいたします。
  4. 小峯柳多

    小峯委員長代理 ただいま説明を聽取しました議案につきまして質疑を行います。なお軍関係債権処理に関する法律案も、並行して質疑を行いたいと思います。  この際御報告申し上げますが、軍関係債権処理に関する法律案に関する資料につきましては、政府当局において鋭意作成中でありますから、大方木曜日ぐらいまでにはそろうつもりでありますことを、御報告申し上げておきます。  両案を並行して審議いたしますから、質疑をお願いいたします。
  5. 北澤直吉

    北澤委員 ただいま御説明がありました国の所有に属する物品売拂代金納付に関する法律の一部を改正する法律案についてでありますが、国の所有に属する物品でありまして、さしあたり売り拂うことを予定し、あるいは考えておられる物品の内訳がございましたら、資料としてお出し願いたい。たとえば特別調達庁あたりで、進駐軍使用ということで買い込んだものが、進駐軍使用から解除されて、大分たまつておるものがある。あるいは産業復興公団にもそういうものがありまして、これも至急処分したいという考えのようであります。そういうふうに政府もしくは公団あるいは専売公社国有鉄道、こういう方面所有に属する物品で、ただいまのところ売拂い考えておるものの内容を、ひとつ説明願いたいと思います。
  6. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ちよつとお伺いいたしますが、本年度内の計画でよろしゆうございますね。—できるだけ急いで作成したいと思います。
  7. 小峯柳多

    小峯委員長代理 ほかに御発言はございませんか。
  8. 北澤直吉

    北澤委員 旧軍関係債権処理に関する法律案に関しまして御質問申し上げますが、この法案は一体どういう意図のもとに出されておるのかということが、明確にならなければならないと思いますが、提案理由説明にあります八千八百件、金額にいたしまして十六億四千万円、この債権に関してのみ適用される法律であるか。あるいは今後起り得べき、あるいはまた今までも当然債権として取立てる必要のものであつて、まだ明確になつていない、未調定であるというものまでも含めて、この法律適用するのか。その点についてお伺いしたいと思います。
  9. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 お答えいたします。ただいまお話のございました、その十六億円というものを対象にいたしておる考えであります。ただ現在においては、最近のわかり得る限りのものを調べておるつもりでございまするが、万一調停が全然行われていないもので、なお残つておるものがあるというような場合には、それも当然、この冒頭に掲げておりますような性質の債権でありますならば、同様な扱いをするつもりであります。
  10. 北澤直吉

    北澤委員 終戰後におきまして、国民の非常に遺憾としておる問題は、終戰直後において五百億のあの厖大な終戰処理費が、まつたく数箇月の間に非常に畧奪あるいは詐欺というような状態において処分されたというようなこと、さらに終戰当時におきまして二千四百億にも相当するところの、国民の血と涙の結晶である軍需品が、非常に不当に処理されまして、その結果といたしまして、戰後インフレが高進し、さらに国民生活の上に非常に一時的なやみ成金が出るかと思えば、一方戰争犠牲者として、非常な悲惨な境涯に陷れられたという、非常に国民生活の上に差別が出た根本原因が、この臨軍費の処分の問題と、軍需物資処分の問題であるとわれわれは考えるのであります。従つてこれを公正明確に、政府取立てるべき債権債権として、厳重にこれを取立てることによつて終戰以来国民の胸の中にある不満と申しましようか、あるいは当時やりました措置に対する疑惑というものを解くべき、一つの大きな任務のある法案であると考えるのであります。従つてもちろん政府当局も今まで努力せられまして、この八千八百件、あるいは金額にいたしまして十六億何千万円、こういうものに局限されて来たようには考えられるのでありますが、しかしその他になお不明確なものが相当にあるのではないかと、われわれは考えるのであります。いずれ資料提出を願いまして具体的に検討しなければ、それが明確にはなつて参りませんが、この際われわれは、この法案審議の心構えといたしましては、そうした国民が非常に腹の中に持つておる不満疑惑というものを解くという意味において、今後この法案審議しなければならぬというぐあいに考えるのであります。そういう意味において、資料の点が明確にならないと、よくわからないのでありますが、この債権取立ては、われわれは嚴重にやるべきであると考えます。ところが、この債権取立て内容を検討いたしますると、第一條を見ますると、納期を延期する、あるいは分割納付をする、そういうような特約をすることができるというようなぐあいに債権取立てを非常に緩和しておる。さらに裁判所等調停勧告によりまして、特別の譲歩をすることができるというようなことが第二條にある。さらに第三條においては、五箇年間を経過した不明確な債権については、これを免除することができるというようなぐあいに政府債権免除するというような方向へのみ努力が集中される。そうでなくて、むしろ終戰当時拂い下げたものによつて、彼らは相当莫大な利益を獲得しておるということは間違いないのでありますから、政府はなぜこの債権を厳重に取立て方向に、この法案を運用するような内容を持つていないのか。緩和するような方向へ持つてつているのかというのが第一点であります。この点われわれは不満でありますが、どういう理由でこういう債権を緩和するというような意図を持つておられるのか。その点を伺いたいと思います。
  11. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 この法律体裁上ただいまのような感じをお持ちになる点は、あるいはもつともかと存じますが、実はこの法律の一番の眼目はどこにあるかと申しますと、一番最後にありますところのいわゆる国税滯納処分と同じやり方で、この国の私法上の債権取立てることができるということが、実はこの法律としての一番の主たるねらいであります。従いまして私どもといたしましては、むしろこの法律は、債権処理とありますが、取立てを促進するということを眼目考えております。ただ復員局で現在扱つております現場の経験に徴しますと、その滯納処分を必要するということのほかに、いろいろこまかい案件につきまして、現在いわゆる処理に困つておるものがございます。それらのものをどう解決するかというので、実は第一條、第二條以下の緩和規定が先に入つた形になつておるわけでありますが、第一條につきましても、その條文をごらん願うとおわかりになると思うのでありますが、これは收納上国が有利であると認められたときに限つております。それで終戰直後各種の経済的な條件の変化によつて一時打撃をこうむつておる。しかしながらもう少しかすに時間をもつてするならば、相当その企業というものは有利になつて行く見込みがある。そういうようなものにつきましては、これはむしろ延納を認めた方がいいじやないかということも考えられるので、この條文を置いたわけであります。従いまして私ども気持といたしましては、もちろんただむやみに延納をはかるという気持で、これを運用する考えはございません。ごく限られた場合に延納を認める、こういうふうにしたいと思つております。  それから第二條につきましても、実はこれはこの法律対象になるところの債権のうち、相当部分のものはいわゆる特別経理会社、あるいは閉鎖機関に指定を受けておるわけであります。それらのものにつきましてはそれぞれの法律応急措置令でありますとか、あるいは閉鎖機関令によりまして処理せられておりますが、それらの場合にはいわゆる企業再建整備計画の認可によりまして、旧債権というものを適当な形で、場合によつて免除ということ、切り捨てということを考えておるわけであります。ところがそれらの法律適用を受けないものについては、しからば全然和解調停というか、場合によれば任務免除をする場合を考える必要がないかといいますと、やはりその後のいろいろな條件で、終戰前の各企業というものは状況が大分かわつております。従つてどうしても和解調停によつて事を運ぶほかに、円滑に行かないと思われる案件相当たまつておるのであります。しかしながら何分にも現在までは、それらのよりどころとなるような基本的な規定というものが欠けておつたわけであります。それで和解調停をいたせば、みすみす相当早いうちにある程度のものがとれるというものを目の前に控えながら、復員局としてはそれをみんな案件として今日までためて来ておるものが相当あるのであります。そういうものを頭に置きましてこの規定を置いたわけであります。  それから第三條の債務免除につきましては、昨日も御質問相当にあつたわけでありますが、私がそのときに申し上げましたごとく、これについては広く適用する考えは全然ない。兵隊の家族渡し給与等過誤拂いのものが相当にあります。そういうもので現在の住所、居所の不明なもの、こういいうものはいつまでほうつておいても、ただ処理を遅らせるだけであるというものがありますので、そういうものに限つて免除をするようにしたいという考え方で、この規定を置いたわけであります。しかしながら先ほども申しましたように、この法律の一番の眼目最後滯納処分規定適用できるという点に、中心を置いているわけでありますから、條文順序体裁等からただいまのような感じをお持ちになつたことと思ますが、政府といたしまして提案いたしました根本気持はそういうことでありますので、御了承を願いたいと思います。
  12. 北澤直吉

    北澤委員 この旧軍関係政府債権の問題については、すでに会計監査院も年報において報告をいたしておりますが、いずれもこの前金拂い概算拂いというようなものの内容は、非常にわれわれとしては納得のできない、不当なる状況において前拂い概算拂い、等が行われておるのであります。従つてつたくこれに関する限りは宥恕すべき債権というようなものは、ほとんどないのではないかというぐあいに考えるのであります。おそらくこの軍関係関係いたしました債務者は、その後においても戰時成金として、あるいは戰後成金として相当利得を得ておることは間違いないのであります。従つてわれわれの常識からするならば、結局当時の債権のごときは、今日これを取立てる場合におきましては物価の上昇にスライドいたしまして、当然この債権をふくらまして取立てるべきが妥当である。それが真に国民利益を擁護する政府の態度でなければならないと考えるのであります。従つて物価指数にスライドしてこの債権取立てるということを、政府はお考えになつておるかどうか。この点をひとつ伺いたい。
  13. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 戰時利得の問題につきましては、終戰直後から政府といたしましては各種措置を講じまして、それからの戦時利得を打切るなり吐き出させるなりの方法を、すでに進行しておるわけであります。それで実は昨日の質問にもございますように、むしろそういう手段が断行せられて後、逆に政府が借りておるものは打切つてしまう。ところが貸しておるものほ取るだけ取るというようなことはむしろ苛酷ではないか。あるいはまた実際問題といたしまして、それらの戰時補償税等も十分取立て能力がないのに、さらにこういう債権を追つかけて取ることができるかどうかという、むしろ反対の面からする質問がありましたくらいでありまして、私どもといたしましては戰時利得については他の手段によつて十分やつておわり、現在国庫の立場からいたしましてこの際に残つておるところの国の債権を早く処理したい、こういう事務的な観点からこの法律を出しておるわけであります。申すまでもありませんが、もしも不当な利得であるということが明らかである以上は、当然これを追究しなければなりません。かつまた再々申し上げましたように、この法律の運用におきましても、免除ということは特別なものを考えておるのでありまして、大きな法人であるとかあるいは個人等につきましては、極力最後までこれを追究するという考えを持つております。
  14. 北澤直吉

    北澤委員 これ以上抽象論を続けましてもこれは解決できませんから、いずれ資料の御提出を願いまして、具体的に検討するということで留保いたしますが、なお本日提案理由説明されました国の所有に属する物品売拂代金納付に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、この法律の範囲を公団日本専売公社及び日本国有鉄道というものに拡大せられたという根拠を、ひとつお尋ねいたします。     —————————————
  15. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 御承知のように日本専売公社日本国有鉄道は、ごく最近まで国の特別会計でございまして、その当時にありましては延納に関する規定適用を受けておつたわけであります。ただ従来は政府対象にした規定でございますので、今度公社になりました際に、それらの公社につきましても従来通りこの適用があるということを、明らかにしておるわけであります。
  16. 北澤直吉

    北澤委員 これは資料の御要求が他の同僚委員からもございましたようでありますが、一体公団あるいは日本専売公社日本国有鉄道等にこの売拂いをするべき動産がどのくらい結局予定されておるのか、こういう点について概畧でもよろしゆうございますから、お聞きしたいと思います。
  17. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 今その数字的説明を申し上げるほど実は用意ができておりませんので、資料によつて差上げたいと思います。
  18. 川島金次

    川島委員 物品売拂代金の点について二、三お尋ねしたいと思います。この法案審議するにあたつて、私ども寡聞にして存じていない点が二、三ありますので、ざつくばらんにお伺いしておきたいのですが、第一條の二にありまする国が販売する目的で取得し、生産し、または製造した物品、これを売り拂う場合に、取引上の慣行売拂い代金納付前に物品の引渡を行うことを必要とするやむを得ない事由、この二つの事柄がここに明記されてありますが、従来の国の財産を売り拂う場合に、取引上の慣行延納して来たもの、あるいはまた売拂い代金納付前に物品引渡しを行うという具体的な事実は、どういう場合にそういうことが行われて来たかということをまず聞かしてもらいたい。
  19. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 御説明いたします。御承知のように従来でも国には国の立場として、企業特別会計とかいうような二種の一般民間産業と対比するような資格において、国が各種経営をやつておりますが、そういう際にそれらの特別会計等物品を売り拂う場合がしばしばございます。たとえばアルコール専売法に基きまして、アルコールを売り渡すということがあるわけでありますが、これらの実際の取引実情を見ますと、一月とか、二月とか、延納を認めておるという実情でございます。それから最近最も大きいのは過渡的ではございますが、政府貿易、いわゆる国が直接国営貿易をやつております関係で、あたかも貿易庁のような立場に立つて民間拂下げをするという必要が起つてつておるのであります。これらの場合にはどうしても実際の問題としまして、延納を認める必要が多くあるのでございまして、そういう点を考えておるのでございます。
  20. 川島金次

    川島委員 次にもう一つ承つておきます。これも二ページの二にあることですが、「物品管理上の都合により、これを急速に売り拂う必要がある場合」これはどうもよくわからぬのですが、従来もそういうことがあつたでしようし、今後もあることを予定しておるでしようが、たとえばどういうようなときがこれに該当するのか、これをひとつ示していただきたい。
  21. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これはちよつと言葉がはつきりいたしておりませんが、つまり国むりに民間業者にいわば押しつけてけて売るような場合があるのであります。たとえば貿易特別会計鉄鉱石を輸入する。ところが日本製鉄株式会社では、製鉄計画というものが一応立つておるのでありまして、それ以上の鉄鉱石は必要でないのであります。ところが船繰りの都合等でもつて、一度にどつと外国から船で鉱石が入つて来るという場合がございます。そういたしますと、国としても処理の、都合上、それをある程度民間会社に一種のいやいや持たせるというような必要が起つて来る場合がございます。その他そういうようなこちらがむしろ相手の好むと好まざるとにかかわらず、押しつけるような例はたくさんございますので、そういう場合を考えておるわけであります。
  22. 川島金次

    川島委員 かりにそういう場合にも、次の第三條第二項にありまする担保もしくは利息というものを、これに適用して行く形になるのですか。
  23. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 そうであります。
  24. 川島金次

    川島委員 これは横道に入つたようでありますが、そういう急速の事情によつて政府生産計画のない製造工場に売渡しを急ぐ場合に、それにもかかわらずむりに引取つてもらうために担保を提供する、利息を付する。そういう場合に実際的にそういう当該会社が、担保を提供するということに実際の商習慣上できるかどうか。これはできるのですか。
  25. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 ちよつと説明が足りませんでしたが、この適用があると申しましたのは、従来利息は絶対に免除してならぬことになつてつたのでありますが、ただいまのような場合にはむりでありますので、第三條の二項で利息免除することができるというような規定を特におくようにしたわけであります。原則としてはとるわけでありますが、そういう場合にはむりのない場合だけに限ります。
  26. 河田賢治

    河田委員 国の所有に属する物品売拂代金納付に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、担保をとるというのは大体どのくらいとつておりますか。
  27. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 どのくらいと申しますのは、割合でございますか—それはまあいろいろな場合がございますが、たとえばアルコールの場合にはたしか七割くらいでありましようか。国債でもつてつておりました。
  28. 北澤直吉

    北澤委員 旧軍関係債権の方ですが、その第一條に、「主務大臣は、收納上有利であると認められる場合に限り、三年をこえない期限をもつて、その納付期限を延期」することができるというのでありますが、その有利であると認められる場合というのは、どういう場合を予想されておるのか。その点を……
  29. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 現在は全然支拂い能力がございませんが、かりに半年なり一年たてば、その会社経営が有利になつて来ると予想せられるような場合であります。
  30. 北澤直吉

    北澤委員 そうすると結局それまでは、政府はそういう場合にはすべて延期するというお考えを持つておられますか。
  31. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 これは予測でありますから、非常に確定的ではございませんが、できるだけ政府といたしましては取立てるべきものは取立てたい、こういう気持でおりますが、明らかにそういうことが予想されますときには、そうすべきだと考えております。
  32. 北澤直吉

    北澤委員 そうすると本法の眼目である国税徴收法も、この場合に適用するということと矛盾するように私は考えるのでありますが、つまり国税徴收法税金と同じように、本債権取立てるのであるということになつて参りまして、債権取立てが強行に行われるのでありますが、こういうときに有利な場合においては延期することができるというようなことになりますと、国税徴收法適用するということになつても、何ら効果を奏しないというように考えられるのでありますが、その点はどうですか。
  33. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 延納をきめまして、そうして一定の期限まで延納を認める。その期限予定通りに拂わない場合には、この滯納処分規定によりまして強行的に取立てる、こういうことになるわけであります。
  34. 北澤直吉

    北澤委員 この国税徴收法適用すると同時に、現在一般納税者に対して政府が勇敢に適用しておりますところの国税犯則取締法と並行しで実行しなければ、その効果を奏することはできないというように解釈しているのでありますが、この国税犯則取締法の方は、一体これを適用する御意思があるのかどうか。
  35. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 適用する予定はございません。
  36. 北澤直吉

    北澤委員 われわれの見解といたしますれば、現在政府は徴税の方面におきましては、非常に高額な更正決定一般国民大衆に押しつけまして、ちまたに悲劇が起るような状態において徴收をやつておるにもかかわらず、当然政府終戰直後取立てるべき債権を、今日まで取立てることができずにおる債権に対しては、一般税金よりも非常にゆるやかな取立て考えておるというようなことは、不公平もはなはだしいと思うのであります。従つてわれわれの意見といたしますれば、国税徴收法適用することはもちろんのこと、同時に国税犯則取締法適用いたしまして、厳重に取立てることによつて初めて国の債権取立て目的が達せられると思うのでありますが、重ねてわれわれはこの国税徴収法と同時に、国税犯則取締法もこの債権取立て適用するのが、当然であるというぐあいに要求したいと思うのですが、この点もう一ぺんお伺いしておきます。
  37. 佐藤一郎

    佐藤(一)政府委員 この法律対象となります債権税金とが、どちらが取立てを強行するに値するか。その実質的な議論はいろいろあろう思います。しかしながら法律立場といたしましては、この債権はあくまで私法上の債権でございます。言いかえれば国が私法人と同じような立場で結んだ契約に基くところの債権でございます。従いまして、国税のごとく特別な権力的な基礎に立つて取立てるものとは、おのずからその処理を異にさせなければならないという、憲法の一般的な考え方によりまして考えております。
  38. 小峯柳多

    小峯委員長代理 ほかに御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後二時二十三分散会