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1949-10-29 第6回国会 衆議院 大蔵委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十九日(土曜日)     午前十時二十九分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 大上  司君 理事 北澤 直吉君    理事 小峯 柳多君 理事 島村 一郎君    理事 前尾繁三郎君 理事 荒木萬壽夫君    理事 林  百郎君       江田斗米吉君    岡野 清豪君       佐久間 徹君    高間 松吉君       塚田十一郎君    苫米地英俊君       西村 直己君    三宅 則義君       田中織之進君    河田 賢治君       深澤 義守君    中野 四郎君  出席政府委員         (主計局法規課         長)         大蔵事務官   佐藤 一郎君  委員外出席者         大蔵事務官   伊藤 八郎君         專  門  員 黒田 久太君         專  門  員 椎木 文也君 十月二十九日  委員森幸太郎君辞任につき、その補欠として江  田斗米吉君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 十月二十八日  旧軍関係債権の処理に関する法律案内閣提出  第一七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  食糧輸入税免除する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第六号)(参議院送付)     —————————————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  食糧輸入税免除する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。小峯柳多君。
  3. 小峯柳多

    小峯委員 総司令部渉外局の発表で、十二月一日から輸出を、一月一日から輸入民間に移管するというようなことを承知しておるのでありますが、従つて貿易の手続の態様も画期的にわかつて来るだろうと思います。こういう情勢になつております。食糧輸入税免除の問題でありますが、この機会関税のことを少し伺つておきたいのであります。参考書類でいただいております二十三年中の食糧免税額でございますが、二十三年中に、免税額でなく、現実に徴收した関税数字をお示し願いたいと思います。
  4. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ただいまのお尋ねにお答えいたします。二十三年度中の免税額は、六億六千六百万円でございます。
  5. 小峯柳多

    小峯委員 私は免税でなく、現実に徴收した額を伺いたいのであります。
  6. 伊藤八郎

    伊藤説明員 徴收しました額は、一億五千万円強でございます。
  7. 小峯柳多

    小峯委員 二十四年度の現在まで判明した数字について、今の関係をお聞かせいただきたい。
  8. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ただいままで詳しく集計いたしましたのは、上半期の分となつておりますが、関税收入は二億七千万円強になつておりまして、免税額は、お手元に差上げたかと思いますが、一億二千万円弱になつております。
  9. 小峯柳多

    小峯委員 今の数字で伺いましても、二十三年中はほとんど免税の方が圧倒的に多いのであります。二十四年度でよほど改善されておりますが、以上の数字から判断いたしましても、まだ日本関税というものが、非常にちんばを引いておるということは明らかであろうと思います。そこで最初に申し上げましたように、貿易のやり方がかわり、民間貿易というものが近く再開されるといたしますと、それに応じて関税に対する心構えというか、計画などがあるだろうと思います。と申しますのは、今までの関税が、一つには戰時経済というものを背景にした関税というものが、だんだんかわつて来ておると思いますし、また他の面では物価が非常に高くなつておりますから、今までの従量税というものがほとんど意味を失つておるだろうと思います。そこで民間貿易再開に備えて、当局関税改正に関する方針、構想があつたら伺いたいと思います。
  10. 伊藤八郎

    伊藤説明員 まことにごもつともなお尋ねであります。少々技術的にわたりますけれども、詳しく申し上げます。ただいま御指摘になりましたように、従量税は円の価格下落によりまして、非常に円の価値がうすくなつておることは御承知通りであります。大体日本関税は大きくわけまして、大正十五年に一般改正をいたしておりますが、御承知のように、贅沢品等輸入税に関する法律というものがその前に大正十三年に設定されておりまして、従いましてこれに関係する品目だけは、大正十五年の改正には触れられなかつたわけであります。そのまま安い税率を眠らしておいて、従価十割をかけておるというのが現状であります。その他の品目大正十五年に改正いたしまして、それぞれ従価、従量に配分いたしております。しかし昭和七年に金輸出再禁止に伴いまして、わが方の為替下落いたしましたのに伴いまして、そのときは大体外割三割五分で為替下落したと算定いたしまして、従景税は三割五分だけを賦課いたしまして、元の従価率に合うように改正いたしたのであります。従価税の方はそのままにいたしてあるのであります。最近の情勢は、御承知のように一ドル三百六十円に相なりましたので、とても三割五分くらいを賦課したのでは意味のないほど、従量税従価に換算しますと低くなつておるのであります。一方諸外国におきまする関税傾向としましては、できる限り関税を低下いたしまして、国際間の通商を円滑にしようという傾向になつておることは、皆さん承知通りでありまして、よく簡單にガットと言つておりますが、関税協定をいたしておる国で、そのガットに入つておる国が三十三箇国になつております。その三十三箇国というのは、世界のおもなる大商業国でありまして、世界通商貿易額の大体七割以上をそれらの国の間の貿易で占めておるのであります。その通商協定によりまして関税を引下げておる品物は、その中の大体七割ないし八割を引下げておりますので、結局全世界商品貿易額の半分はお互いに引下げられておるという数字に相なつております。その間わが国といたしましても、貿易を振興するためには、わが方においてもぜひそれに入れていただきたいのであります。しかしながら先ほど申し上げましたようなわが国関税率の形態から見ますと、一方において従価十割という非常に飛び抜けて高い税率と、従量税率という為替下落に基いて非常に低くなつた税率とありまして、ただいま小峯委員から御指摘通りに非常に跛行状態を呈しておるのであります。諸外国に與えます感触といたしましては、従価十割は非常に悪い感触を與えておるのであります。でありますから、この間においてわが国におきましても、諸外国通商関税に対する態度等十分参考にいたしまして、わが方もなるべくすみやかに合理的な水準までにこれを訂正いたしまして、その合理的水準のもとにおいて国際関税協定参加を許されることを期待いたしまして、われわれといたしましては実は長い間、それについて各省関係官と協議いたしておる次第でありまして、なるべくすみやかに成案を得まして皆様方に御審議をお願いいたしたいと、ただいま鋭意研究中でございます。
  11. 小峯柳多

    小峯委員 ただいま関税改正方向だけは伺つたのでありますが、今のお話をせんじ詰めますと、ぜいたく品関税はこれを改めてみたい、それから従量税貨幣価値関係で非常に不合理になつておるから、これを改めたいという二つの方向だと承知してよいのでございますか。
  12. 伊藤八郎

    伊藤説明員 おつしやる通りでございます。
  13. 小峯柳多

    小峯委員 今の方向で御準備なさつておると承知しますが、どういう機関で、あるいはどういう省でどういう方法でもつてその準備をなさつておるか。その準備の進みぐあい、それが成案を得る見込みの時期を伺つておきたいと思います。
  14. 伊藤八郎

    伊藤説明員 御承知のように、これは元の憲法下におきましては、関税率調査委員会というものが各階層の方から結成されておつたのであります。最近におきまして関税率審議委員会というふうになりまして、各階層の方を委員にお願いするように、ただいま人事院等要請いたしておるわけであります。その下に幹事会というものが従来はございましたけれども、幹事会はその官制の関係上なくなつたのでありますが、実際には各省関係官に大蔵省に参集願いまして、具体的に一々検討いたしておる次第であります。目標といたしましては、なるべくみやかなる機会をねらつておるのであります。従つてはつきりしたことはまだ申し上げる時期ではありませんが、できるだけすみやかな機会にということになつておるのであります。
  15. 小峯柳多

    小峯委員 準備の進め方も大体見当がつきましたが、ガット加入の問題であります。国際協定加入の問題は、講和会議とも関係があると思いますが、あるいは技術的に講和会議の前でもガット加入ができると考えますか。その点の御意見を伺いたい。
  16. 川野芳滿

    川野委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  17. 川野芳滿

    川野委員長 速記を始め事てください。
  18. 小峯柳多

    小峯委員 関税の問題は、御承知のような日本経済の今までの状態で、非常に端へ寄つてつたと思いますが、今度はこれがまた脚光を浴びるようになるのであります。しばらくこの問題が端へ寄つておりましただけに、いろいろの点で国際的に一応立ち遅れだつたり、観測の違つている点もあろうかと思いますので、どうかこの機会国際的の動き、ことに日本のこれからの経済政策ともにらみ合せて、遺漏のない関税計画を立てておかれますように強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
  19. 川野芳滿

    川野委員長 次は深澤義守君。
  20. 深澤義守

    深澤委員 食糧関係の問題は留保いたしまして、関税関係に限りまして御質問申し上げます。今まで免除されておりますところのこの各種品目に対する関税税率でございますが、その点まだわれわれは十分承知していないのでありますが、これはいかようになつておりますか。お伺いします。
  21. 伊藤八郎

    伊藤説明員 お手元に御参考に差上げました免税食糧品のリストとその輸入額免税額とを差上げてあると思いますが、米、麦、大麦小麦、粟、高梁とうもろこし豆類というようなものは、先ほど私が申し上げましたように非常に安い従量税率に相なつております。それからものによりましては従価税に相なつているものもありますが、それらを一括しまして本法案によつて免税取扱いをいたしている次第であります。従いまして免税額は去年一箇年において六億六千六百万円と申し上げ、ことしは多少減つて一億七千万円くらいかと申し上げましたが、安い従量税率でもそのくらいの金額に上つたということは、相当数量が多いということを現わしている次第であります。本年度上半期だけで一億二、三千万円かと思います。
  22. 深澤義守

    深澤委員 非常に種類が多岐にわたつておりますので、一つ一つは非常に複雑であろうと思うのでありますが、この主要食糧に対しても従量税で行つておられると思うのですが、これに対する税率は幾らになつておりますか。
  23. 伊藤八郎

    伊藤説明員 米は百斤について一円の関税率に、先ほど申し上げましたように三割五分の附加税がついて、一円三十五銭ということに相なつております。それから大麦は百斤について八十一銭、小麦は百万について二円五十銭、粟は百斤について六十七銭、高梁は百斤について一円、とうもろこしは百斤について一円七十銭、それからそばは百斤について六十七銭、豆類は大豆が百行九十四銭、あすきが百斤七十四銭、かように大体なつておるわけであります。
  24. 深澤義守

    深澤委員 それからこの法案改正の中に、茶並びに重炭酸ソーダに関しましては、輸入税をとるということになつておりますが、これはどういう理由でこういうことをされるのか。ほかの商品と区別して輸入税をとるという根拠をひとつ……。
  25. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ちよつと速記を……。
  26. 川野芳滿

    川野委員長 速記をやめてください。     〔速記中止
  27. 川野芳滿

    川野委員長 速記を始めてください。
  28. 深澤義守

    深澤委員 この輸入税免除という問題につきましても、これはやはり互惠的立場において行わるべきことが必要であるとわれわれ考えものであります。ところが最近におけるアメリカ貿易事情を調べますと、わが日本からアメリカ輸出いたしますところの陶磁器とかガラスとか、あるいは綿花による製品とか雑貨等につきましては、かえつて最近関税の率が上昇しておるということが発表されておるわけであります。こういうことは非常に国際貿易における関係互惠的でない。一方的であるというぐあいにわれわれは解釈するのであります。こういう点について政府当局はどういうぐあいにお考えになつておられますか。
  29. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ただいまお尋ねの点は非常に重要な点でございまして、先ほど私が小峯先生お尋ねに対してお答え申し上げました通りに、まだ日本国際関税協定参加を許されておりませんために、最惠国待遇を受けておりません。従いましてアメリカ関税率は、ただいまご指摘陶磁器等は六割ないし七割、最高七割でございます。互惠協定参加の国、従つて英国産のボーン・チャイナ等の高級の陶磁器は三割の適用を受けておるかと思います。従いましてその間日本産品が不利であることはまさしくその通りであります。しかしこれはいかんせん関税協定参加しておらない関係上、アメリカ互惠通商協定法適用を受けられない関係にあるのであります。アメリカ等においてはまだ日本相当好意を持つて、税関における取扱いはやや緩和されておるということも承つておるのでありますが、ポンド地域におきましてはきわめて嚴格にその関税協定適用を受けず、なおかつ英国間の特惠関係の設定がございますので、日本産品は相当苦労があるかと思います。従いまして輸出振興の一面の対策といたしまして、本邦においてもできるだけすみやかに関税率の合理的な水準を設定いたしまして、その設定された水準のもとに、関税協商に臨んで、そうして一日も早く最惠国待遇を受けるということが、やはり輸出振興対策の一環であるかと考えておるのであります。なおただいま免税しておる品物については期限を付しておるのでありますが、やはりわれわれとしましては今後も一箇年という期限をつけておきまして、最も適当なる機会には期限満了とともに—もしもこの間に関税率改正いたしまして、今免税いたしている眠つている低い関税率に、適当なる関税率をあてはめて眠らしておいて、このスリーピングがさめたときには自動的にかわるという方法でもとらなければ、前に申し上げたような点がございまして、一つ二つ回復するのに二週間もかかるようでは非常に困るかと思つているのであります。その間いろいろくふうを要する点があろうかと考えております。
  30. 深澤義守

    深澤委員 陶磁器あるいはガラス等関税問題は、結局国際関税協定加入しなければ問題が解決しないというように、悠長に考えている時期ではないと考えます。われわれは国会閉会中に愛知あるいは岐阜等陶磁器関係生産地をよくまわつたのであります。まつたく今日製品のストックに悲鳴をあげているというのが今日の実情であります。そういうような立場から、政府国際関税協定に入る前に、向うに対して強力にこういう問題の解決をはかるべきではないかと、われわれは考えるわけであります。なお国際小麦協定問題のいろいろな食糧上の関係につきましては、農林当局がおいでになりましたときにお伺いいたしたいと思いますが、今度日本国際小麦協定参加することによりまして、今後四箇年の間、一定の量を一定価格において義務的に輸入する結果になるわけであります。この場合におきまして、今度貿易民間貿易というような制度になるのでありますが、この国際小麦協定によつて輸入される一定小麦処置を、民間貿易なつた場合においてはどういうぐあいに処置されて行くことになるか。その点をお伺いいたしたい。
  31. 伊藤八郎

    伊藤説明員 これは私ども仕事関係上、課長ないし私のひまのあるたびに会議参加して聞いているのでありますが、通産省が中心になつて、ただいま貿易輸入の方をやつているのであります。本朝の新聞にも出ているところが大体さようかと思つておりますが、私から申し上げて、もしもその間に多少の齟齬でもあるといけませんから、通産省の方から申し上げます。
  32. 深澤義守

    深澤委員 もう一つ、本年度食糧に関する輸入補給金の問題についてはいかがですか。
  33. 伊藤八郎

    伊藤説明員 これは主計局もしくは安本の方から聞いていただきたいと思います。
  34. 林百郎

    ○林(百)委員 輸入食糧免税の根本的な精神ですが、一体これは輸入を円滑にして日本食糧事情を救うという意味なのか。あるいはアメリカの方の食糧日本輸入したいから、アメリカの方の要請自分の方の輸出物資については税金をかけないようにしてくれというのか。どつちの事情が主になつておるか。もし輸入によつて日本食糧問題を、ある程度危機を切抜けるというなら、もう今の段階ではいもなんかも統制撤廃する、それから米券制度まで設けて、供出後の米を自由販売にするというところまで来ておるわけです。たしか輸入食糧免税の点をこの前の国会できめたときには、二十三年度年度限りということで、とりあえずこういう応急措置を講ずるというように、われわれは聞いておつたのであります。これをまた継続される根本的な理由は一体どちらに重点があるのか。アメリカの方でそういう要請があるのか。あるいは日本農林省関係で、どうしても日本の農業の現状からいつて向うから食糧輸入する必要があるからこういう特別な処置をするのか。その理由はどちらにあるのか。
  35. 伊藤八郎

    伊藤説明員 これはいわゆる交渉的な意味を持つために免税にしたのではないと私は考えております。もともとこの措置法律にするまでは、食糧管理法に基く政令をもちまして免除をいたしておつたのでありますが、二十二年以降一箇年限り、同じ趣旨をもちまして食糧管理法に基く政令にかわる法律をもつて免除をお願いいたしておるのでありまして、アメリカとの交渉でないことははつきりいたしております。
  36. 林百郎

    ○林(百)委員 実は御存じの通り日本国際小麦協定に参画しまして、これから大体三、四年先までの輸入小麦の量、小麦価格まで決定されておるわけです。ところが実際の実情としては、小麦協定に参画しているアメリカにしても、あるいはアルゼンチンにしても、大体小麦などは非常に豊作になつて、今実際の価格協定価格より下つて来ておるわけなんです。実際下つて来ておる価格にもかかわらず、協定でもつて一定値段でてこをかけられておる。そういう価格で引続きこれを買わなければならないという事情になつておる。なお小麦協定に参画していることだけで、われわれとしは相当の犠牲を拂つておると思うのです。その上さらに免税という措置を講ぜられる。それほどわれわれは気をつかわなければならないのかどうかという点です。その点はどうなつておりますか。
  37. 伊藤八郎

    伊藤説明員 これは先ほども申し上げました通りに、外国に利権を與えるという意味において免除しておるのではないと私は思うのでありまして、日本国独自の、自分のために自分関税をかけないという措置に出ておるものと考えております。
  38. 林百郎

    ○林(百)委員 その点が大切なのです。だから日本の国の立場から言えば免税しなくてもいいんじやないかと思われるのです。今言つた小麦協定に入つておるだけで大きな犠牲を拂つているし、相当実際の価格は下つておるにもかかわらず、小麦協定値段をてこ入れされた形で輸入しておるわけですから、それになお免税というような措置をなぜ講じなければならぬか。日本の国の立場から言つたならば、むしろ免税しなくてもいいじやないかというようにわれわれは考えるのです。言いにくいならば言いにくいでもけつこうです。むりにあなたを苦しめるために聞いておるんじやないのですから……。
  39. 伊藤八郎

    伊藤説明員 これはいずれ食糧管理局の方の小麦価格操作に関連のある問題だろうと思いますから、さように御了承願います。
  40. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで私がなぜそういう結論を出して来ますかというと、日本アメリカとの間の関税関係ですが、たとえば日本から出す陶磁器関係では一九四〇年から一九四六年にわたつて二六%から三九%に上つておる。それからタバコのごときは二七%から六〇%に上げられておる。生糸も四八%から五二%に上げられておるということで、一九四〇年から一九四六年にわたつては四割、五割、はなはだしいのは十割もの関税がどんどん上げられておるのです。こちらから向う様に売るものはどんどん関税が上げられて壁にぶつつかつておる。向うからこつちに売るものは何らの壁もなくして、自由に流れるようにするということですね。これはやはり敗戰国だと言えば敗戰国でやむを得ないかしれませんが、こういう国際的な関係考えてみれば、日本の国の立場から言えば、食糧税金免除する必要も何もないんじやないか。ことにアメリカの方でこちらから輸入するものについてどんどん四割、五割の税金をかけておる点については、日本は将来皆さんの方も何とかこの点をお互い交渉し、互惠的立場にするように交渉する意思があるのかどうか。その辺もお聞きしたいと思います。実は陶磁器にしても生糸にしても向うに買つてもらえないために余つておる。私長野県出身でよくわかるのですが、せめてこの関税くらいでも下げてもらえば、もう少し向うに流れて行くと思いますが、その点どういうふうにお考えになりますか。
  41. 伊藤八郎

    伊藤説明員 先ほども申し上げましたように、わが方においても一応関税率を合理的に整備いたしまして、そのもとにおいて向うさんとも話合いして、こちらも引く余地があるならば引いて、向うさんも引いていただく。国際関税協定に入りますと、アメリカは大体半減いたしておりますから、陶磁器等も現在の税率の半減になるかと思います。御指摘の三割の陶磁器は、食卓用の安いものが三割でございまして、ボーン・チャイナ式になりますと六割となつておるのでありまして、それをおのおの高級品は三割、下級品は二割ないし一割五分に下ると思いますので、これは一日もすみやかにわが方も態勢を整えて、交渉に入つてその実効を上げたい、かように思つておるのであります。今度はローシルクアメリカでは無税であります。ローシルク輸出が困難なのか、また別の條件からかと考えます。
  42. 林百郎

    ○林(百)委員 今の点ですが、生糸絹製品については一九四〇年から一九四六年で四八%から五二%の関税がかけられておる。これは財政経済の六月号にちやんとあるのですが、事実はどうなんですか。
  43. 伊藤八郎

    伊藤説明員 絹織物は関税がかかつておりますが、原料のシルク無税と私承知いたしております。
  44. 川野芳滿

    川野委員長 食糧関係政府委員がお見えになりませんから、食糧輸入税免除する法律の一部を改正する法律案審議は本日はこの程度にいたします。  なお昨日二法案が本委員会に付託になりましたが、大臣並びに政務官がお見えになりませんので、説明次会に聞くことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時十分散会