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1949-12-02 第6回国会 衆議院 水産委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)     午前十一時二十一分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 夏堀源三郎君 理事 平井 義一君    理事 松田 鐵藏君 理事 砂間 一良君    理事 小松 勇次君       小高 熹郎君    川端 佳夫君       田口長治郎君    玉置 信一君       冨永格五郎君    二階堂 進君       長谷川四郎君    中西伊之助君       奧村又十郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  委員外出席者         通商産業事務官 佐橋  滋君         専  門  員 小安 正三君         専  門  員 斎藤 一郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員会経過報告聽取  水産行政に関する件     —————————————
  2. 石原圓吉

    石原委員長 これより水産委員会を開会いたします。  会期も余すと亡ろ明日一日となりましたので、この際本委員会としては、去る十月二十七日承認されました国政調査に基いて設置し、それぞれ審議いたしました水産金融に関する小委員会報告を願います。夏堀君。
  3. 夏堀源三郎

    夏堀委員 水産金融小委員会におきましては、去る十月二十六日小委員会を開きまして、大蔵省水産庁、及び各銀行当局から参考人出席を求めまして、いろいろこの問題に対して検討したのであります。このたびこの漁業法案は大きな法律として上程され、これは可決になつたのでありますが、この実施に際して、その裏づけとなる金融が伴わなければ、この漁業法案はかえつて漁民を非常なる苦境に陷れるおそれが多分にありますので、この水産小委員会においてはこの点を非常に重要視いたしまして、これから申し上げまするいわゆる小委員会としてまとめました案文の中に、これも織り込んでありまするが、大体恒久策及び緊急対策としての面を織り込みまして、一応小委員会において政府に要望する決議案をつくつてみたのであります。ここに朗読申し上げます。    水産金融に関する件 日本水産界の現状は根本的な金融対策確立しない限り全面的不振を打開することはできない。よつてこの際早急に左記緊急措置を講ずるとともに、水産金融に関する恒久制度確立をはかることを強く政府に要求する。     記  一、すみやかに運用委員会連合会を設置し、漁業手形制度の普及並びに円滑なる発展をはかるとともに、水産業協同組合をしてこれが発展に積極的に協力せしむるよう措置すること。  二、水産物集出荷配給並びに加工金融に関し基金制度確立等適切なる措置を講じこれが円滑化をはかること。  三、機関修理等中期資金、代船建造並びに冷凍冷蔵施設建造等長期資金に関しては、国債、復金債日本銀行マーケツト・オペレーシヨン並びにこれらの償還金中に一定額水産用に利用し得るよう措置するとともに、見返り資金預金部資金等低利長期直接融資並びに間接融資、特に農林債券引受け等によりこれが円滑化をはかること。  四、漁業権証券に関しては、漁業生産力増強並びに民主化発展をはかるため、特にその大部分資金の窮迫に悩む働く漁民の所有に帰すべき事情にあるにかんがみ、これが円滑なら資金化に特段の措置を講じ、ひいてはこれにより水産金融に関する恒久制度並びに災害及び漁獲等補償制度の基盤たらしめ得るよう措置すること。  五、水産資金自給体制確立、特に水産業協同組合資金自給体制確立をはかるよう措置すること。  六、水産貿易金融については、水産物特殊性を十分勘案して適切なる措置を講ずること。 以上の六項目にわけて小委員会決議案として承認を得て、本委員会にただいまこれを説明申し上げた次第でございます。どうぞ本委員会においてもこれを御決議あらんことをお願いする次第であります。
  4. 石原圓吉

    石原委員長 ただいま夏堀金融小委員長の御発言に対して、これを本委員会決議とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認めましてさよう決します。  それでは次に漁港に関する小委員会平井委員長にお願いします。
  6. 平井義一

    平井委員 漁港小委員会といたしましては、十一月二日小委員会を開きまして昭和二十四年度の補正予算並びに二十五年度の漁港予算に関し、それぞれ政府当局に向つて要望する事項を協議したのであります。また十一月四日におきましても、同様漁港予算につきまして、委員会といたしましては、日本水産業界発展のためにぜひとも漁港予算の拡充をはかりたいということで、関係方面大蔵省方面、あるいは安本その他與党の幹部に対しまして強く要望いたしたのであります。その後におきまして、どうしても日本漁港の急速なる発展を見なければならぬという建前から、漁港法ともいうべき法案を提出すべく研究研究を重れて来たのでありますけれども、いまだ結論に達しないのであります。次の国会におきましてもこれが研究をしていただいて、すみやかに実現いたしたいと考えておる次第であります。これが漁港小委員会の希望であります。
  7. 石原圓吉

  8. 二階堂進

    二階堂委員 水産貿易に関する小委員会経過につきまして簡單に御報告いたします。  十一月十五日及び二十二日、二十四日、にわたりまして、水産貿易に関する小委員会を開きました。政府当局の方方にも来ていただきまして、水産貿易振興に対する根本対策樹立に関しまして、協議懇談をいたしたのでありますが、時間の関係並びに期日関係から、本会期中にはつきりした具体策樹立するまでに至らなかつたことは、まことに遺憾に考える次第であります。水産貿易重大性にかんがみまして、われわれとしては、これが積極的なる振興対策樹立を期したいと考えておる次第であります。なお水産貿易の将来に対する見通し、あるいは生産及び流通対策するいろいろな隘路の打開、あるいは水産加工方面の指導、育成といつたような、数々の問題が取残されておるわけであります。私小委員長といたしましてこれらの問題並びに隘路打開に関しまして、次期国会におきまして何らかの根本的な具体策樹立いたしまして、政府当局に進言いたし、もつて水産貿易の積極的なる振興をはかりたい、かように考えておる次第であります。これらの具体策樹立につきましては近く水産庁十川生産部長、通産省の岡部振興局長水野加工水産課長及び岡本農水産課長とともに懇談の機会を得まして、大体の水産貿易振興に対する具体策骨組をつくりたいと考えております。そしてこの骨組をこの委員会にお諮り願つて、肉をつけ、将来日本水産貿易振興を積極的にはかりたいと考えておる次第であります。  先ほど申し上げましたごとく、時間の関係並びに期間の短かかつた関係からいたしまして、本国会中に結論を得ることができなかつたことを、小委員長といたしまして、まことに遺憾に考えておる次第であります。  以上簡單でありますが小委員会経過を御報告申し上げた次第であります。
  9. 石原圓吉

  10. 川村善八郎

    河村委員 水産協同組合に関する問題は、すでに第四国会におきましてその通過を見まして、今実施しておるわけであります。各漁村の状況を見まするのに、この水産業協同組合法なるものは、非常に不備の点を見出しておるのであります。小委員会では去る十一帰二十七日に会議を開き、さらにこれを懇談に移して検討を加えたところ、幾多その不備な点を見出したのであります。しかしながらこの水産業協同組合法は、漁業法と並行して制定すべきであつたのでありますけれども、諸般の事情から水産業協同組合法だけが先に制定された関係上、その不備な点は十分あることは認めたのであります。去る二十八日に漁業法案衆議院を通過し、さらに三十日に参議院を通過して、いよいよ漁業法実施になることになつたのであります。しかしながらこの漁業協同組合法なるものは、漁業法と相マツチしなければならない関係上、日にちがなかつたために、この第六国会におきましては、その結論を得ることができなかつたのでありますが、大体この漁業法が制定実施されるに至りましたので、漁業協同組合法十分内容検討して、改正をしなければならない。それには第六国会期日は、余すところわずかであるから、第七通常国会において十分に検討を加え、改正をするということに相なつたのであります。  以上その経過と結果を申し上げる次第であります。
  11. 石原圓吉

    石原委員長 次に漁業法案及び同施行法案に関する小委員会経過及び結果について、その報告を聽取いたしたいと思います。鈴木委員長
  12. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 漁業法並びに同施行法案小委員会の御報告は、先般詳細に経過並びに結果を御報告申し上げましたので、このたびはそれをもつて報告にかえる次第であります。
  13. 石原圓吉

  14. 田口長治郎

    田口委員 私は水産資源維持に関する小委員会経過及び結果について簡單に御報告申し上げたいと思います。この問題は大体におきまして非常にむずかしい込み入つた仕事である。しかし日本水産業基礎確立する重要問題であるから、相当構想を練つて進むというような関係からいたしまして、小委員会もあまり開かないで、まず構想をつくるという意味におきまして、小委員長一人でいろいろ研究をしておりました。小委員会を開く回数が非常に少かつたことを遺憾と存ずる次第でございます。  小委員長見解によりますと、日本資源関係の問題は、積極的の方面と消極的の方面両面を強く取上げまして、この問題の解決に当ろう、こういうように考えておつたのでございます。この積極的の資源保護の問題は、いろいろ調査資料が不十分であるというようなことで今回はその問題を取入れることができませんで、主として消極的の方面だけを考えなければならぬ、こういうような問題にぶつかつたのであります。  第二の問題といたしましては、現在許可あるいは権利をもつて漁業をしておる業者許可取消しという問題につきましては、少くともこれほ権利でなくとも、現在の許可は実体的に財産権になつておる。この財産権取消すという場合におきましては、国家がその補償の任に当らなければ取消すことができない。こういうような観点に立ちまして、いろいろ皆さん方の御協力を得まして、まず以西底びきの取消に対する国実補償という問題について、予算化しようとしたわけでございまするけれども、いろいろな客観情勢その他これに類似した幾多の補償を要すると思われるものがあるというような観点からいたしまして、一つだけを補償するということがむずかしいような状態になつたのであります。そういう最も重大なる点がそういう関係になりました関係からいたしまして、少くとも以西底びきは今ただちに着手しなければならない立場にありますから、補償の問題はほかの方法で考えるといたしまして、これが遂行に必要なるところの法案というものにつきましては、まず業者共助ということによつて法案を成立させるよりほかに、方法はないという見地に立ちました。そうなりますと、一応以西底びき綱の整理を目標にした水産資源枯渇防止に関する臨事措置單行法を制定する。こういう観点に立つてその草案の構想及び起草ということに一応努力をしてみたわけでございますが、私ども構想といたしましては、第一に目的をはつきりいたしまして、第二の許可漁船定数農林大臣が命令で定めることができる。第三に定数がきまりますと、現在許可を受けておるものが定数よりも多くあるという場合におきまして、この多い部分農林大臣がこの法律によつて取消すことができる。もし整理をする船を指定する場合に、基準ということが必要であり、どういう基準によつて指定をするかという問題が必要でありますが、この基準をきめる。第二に指定された船に対しては業者が相互いに共済をする。この共済する事務整理団体がとる。それからこの整理団体の組織はこういうふうにしよう、整理団体業者から共助資金を取立てる、こういう場合におきましては農林大臣許可を得て、場合によつて強権徴收権もできる。それと、乗組員に対する、処置をどうするか。これらのことを運ぶについて、水産資源枯渇防止審議会をつくろう、これと相並行しまして、水産資源調査を徹底させなければならない。しかしこの單行法はきわめて一部の者に対して早急に制定するということを必要としたものでありますから、一応臨事措置法にして、そうしてそのうちに完全な法案等を制定しよう、こういうような仕組みにおいて考えてみたのでございますが、この私どもの考えました法案で、最もポイントをなしておりますものは補償の問題、それから整理団体の問題でありますが、この法案では取消す場合におきまして’国家補償しないということは憲法違反である、こういうような意見が有力に法務府から出て参りました。これはわれわれの見解とまつたく同じでございまして、将来業者のためにはなはだ喜ぶべき議論だと存ずるのでございまするけれども、この法案を成立させる上におきましては、まつたく致命的な議論でございました。業者相互共済ではいけない、すくなくともこの財産権取消す場合におきましては、国家補償して、しかる後に取消ができるんだ。こういうような意見法務府から強力に出て参つたのでございます。それからこの共助の場合におきまして、実際の事務をやります場合に、官庁でやるわけに行かない、あるいは業者一人々々でやるわけに行かないのでございまして、これはどうしても整理団体のようなものをつくらなければいけないのでございますが、公正取引委員会からは、この整理団体がかくのごとき仕事をすることは事業者団体法違反である、こういうような意見がまた出て参りました。この法案の二大骨子であります補償の問題と、それから整理団体の問題が、法務府と公正取引委員会、この両方面からそういうような意見がありましたために、この短かい今期におきましては、どうしてもこの法律案を提出するまでに至らないのであります。しかし以西底びきの整理あるいは以東底びきの整理問題、こういう問題につきましてはどうしても早急にやらなければならないということになつておりますから、われわれが今回通過させました漁業法改正案によつてやれるかやれないか、こういうことを研究中でございます。ただこの資源保護の問題は、ひとり以西底びき、以東底びきというような問題でなしに、現在の漁業状態からいたしまして、ほんとうに日本水産業基礎確立するために、われわれは消極あるいは積極的に、もう一歩この資源保護の問題を考えなければならぬ。こういう観点から、どうしても両面を包含した完全な單行法を将来必要とする次第でございます。  この問題につきましては、去る十一月二十七日に小委員会を開きまして、小委員としては引続き次の国会連続研究をしてみようということに委員全体の承認を得ておる次第でございます。水産委員会といたしましても、以上申し上げました通りでございますから、この点につきまして御承認をお願いしたいと存ずる次第でございます。はなはだ簡單でございまするけれども、今までの経過と結果について御報告申し上げます。
  15. 石原圓吉

    石原委員長 あとに残るのは、水産資材に関する小委員会報告でございます。  お諮りしたいのでありますが、ここに綿業課長が御出席でございまするが、この綿糸に関する問題は、長い間論議を盡しておりますけれども、決定的な結論がつかぬために、漁業者の困難は容易ならぬものがあるのでありまして、この際小委員会報告あとまわしにして、まず綿業課長の方に御質疑を願いたいと思いますが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 石原圓吉

    石原委員長 さよう決します。
  17. 奧村又十郎

    奧村委員 綿業課長にお尋ねを申し上げます。先般われわれの委員会において課長お越しを願いたいと思いまして、前日に電話でお願いをし、なおまた重ねて私も綿業課へ出まして、係の方におことずけを願つておきましたのですが、当日はお越しにならなかつたのであります。なぜお越しになれないかという理由も明らかにされなかつたのであります。われわれはこの委員会お越しになる場合については、衆議院規則によつて、議長の許可を得、国政調査許可を得て、法的手続をもつてお願いしてあるのであります。従つてもしお越しになれぬとするならば、これはよほどのことであつて、たとえて申すならば、渉外関係以外ならば当然お越しになるべきはずであると私は解釈しておる。お越しになれぬなら、その理由を明らかにしていただきたかつたのですが、この点は私はこれ以上つつ込んでお答弁をいただくつもりではありませんが、お越しになれなかつたことは残念であり、少くともその理由だけでも明らかにしていただきたかつた。われわれとしては十分の手続をふんであつた。もし今後お越しになれないということであるならばこれはやむを得ません。繊維局長なりあるいは次官なり大臣の方をお願いするわけであります。しかし事柄を大げさに取扱うと課長の方にもかえつて御迷惑かと思うて、われわれとしては穏便に話を進めておるのであります。場合によつては考査、その他の方法も考えられるのでありまして、今後お願いいたしまする場合には、どうか快よくお越しを願いたい、お越しになれぬ場合には、それの理由だけでも知らす誠意をお示し願いたいと思うのであります。  つきましてはお尋ね申し上げたいことは第三・四半期以後の受注生産制をとりましたことについて、それ以前のすなわち二、四半期以前の綿糸チケツト現物化の問題につきまして第五国会断続国会以来、われわれ水産委員会が取上げて、いろいろお伺いし、また当局に要望しておりました問題について、どうやら十一月十五日において最終チケツト整理もなさつたことでありまするから、もうすでに一切の数字的な整理はついておることと思うので、その経過及び今後の最終的結末見通しをお伺いいたしたいと思うのであります。なお重ねてつけ加えて申し上げたいと思いますのは、継続国会において、綿業課長がこの水産委員会において御言明になりましたごとく、メーカーにおいてチケつトが集まらずに綿糸保有手持ちとなつておる工場における現物を、現物で取上げるという御言明でありましたが、それをいかにして具体化されるかという点についても、あわせて御答弁を願いたいと思います。
  18. 佐橋滋

    佐橋説明員 この前の本委員会におきまして、第三・四半期から受注制をしきましたために、第二・四半期購入券現物化できないという問題がありまして、そのときに、ここで水産庁の方とわれわれの方と御答弁申し上げまして、まずメーカー保有糸というものを資材事務所で公示して、ここに品物があるから、ここに注文に行けというような方法をとつてみようというようなことと、最後にはこの保有糸を持つていて、注文を受けないところを取上げて、注文を受けておるが、保有糸はないという方にまわす措置を講じようということを申し上げたのであります。その後われわれとしては、大体その線に沿つて実行をいたして参りまして、結局最も根本的な方法としましては、第三・四半期から受注制でありますので、第二・四半期は従前の方法によりまして、保有糸を持つておるところへ水産業者購入券を持つて注文に行く、こういう二本建でありましたために、二・四半期分をおろそかにして、三・四半期注文を受けて品物を出して行くということにメーカーが努めるという結果でありましたので、われわれの方としましては、第二、四半期以前の割当やり方に変更を加えまして、三・四半期受注制を前の二・四半期以前のものにも適用するようなやり方にかえたのであります。と申しますのは、結局保有糸を持つてつて、二・四半期以前のチケツトが集まつていないというところは、三・四半期切符を集められても、その保有糸の限度内においては割当をしない、そういう手と、それから保有糸はなくて、二・四半期以前の注文券が殺到しておる、こういうところに対しましては、三・四中期割当と同時に、その注文を受けられた分に要する割当実施して行きたい、こういうことに切りかえたのであります。その後三・四半期から受注制のために、二・四半期のものが現物化しないという声はなくなつたのであります。ここでちよつと数字を申し上げますが、この保有糸と、それからこの注文を受けておる数量との間の食い違いがありまして、これを今水産庁の方と打合せをしておりまして、これについての処置を決定したい。こう考えておるのでありますが、何分相当大きな数字が現われておりますので、いまだに結論を出しかねております。しかしわれわれの方としては、メーカーの方が糸がなくて、三・四半期品物を出して行けないということがないように、現在三・四半期割当は五十万玉でありますが、そのうち三十五万玉の発券は了しておりまして、あと十五万玉のものを残しておるわけであります。それで八月末のメーカー手持ち糸というのが、われわれの方で調査しましたときには、百二十五万玉あつたわけであります。十一月十五日が最終日てありますので、十一月十五日までに当業者からの異議申立てを受けつけて、ここで最終的に確定しました在庫糸は百二十万玉であります。それで十一月十五日までに二・四半期注文を受けた数量というのは百三十一万玉になつたわけであります。八月末の在庫の中から十一月十五日までに品物が動いております。この数字が十九万玉になつております。結局差引きいたしますと、約三十万玉という数字が、発注量の方が現物よりも多い形になつておるのであります。これが二・四半期以前の発注券と糸との状況であります。  第三・四半期についてでありますが、これは現在まで五十万玉の割当が決定しておるわけでありますが、これにつきましての発注量は、五十一万六千玉という数字メーカーの方へえ発注されておるわけであります。これは発注券に基く数字でありますが、ここでも一万六千玉という数字が食い違つておるのであります。この数字食い違いといいますのは、たとえば三・四半期だけについて申し上げますと、安本の計画による割当に対しまして、発注券の方は一万六千玉よけいに出ておる。こういうことであります。これはおそらく偽造切符によるものか、あるいは資材事務所等における超過券があるのではないかということで、水産庁とこの数量の間違いについての打合せを現在実施しておるわけであります。二・四半期以前の三十万玉という相当厖大数字が食い違つておりますが、これは三・四半期についても言えますように、偽造チケツトが出ておるとか、あるいは超過発券があるのではないかという点が最も大きく取上げられるのではないかと思うのでありますが、終戰後現在までのこの割当制度最終的結論がここに全部集積して現われて来ておりますので、こういう大きな数字食い違いになつて来ておるのであります。この三十万玉の食い違いは、メーカー原料の未入荷分、あるいは事故その他による紛失分と想定されるもので、われわれの方ではつきりつかんでおりますのが約五万玉、それから現在の指定生産資材割当規則に基かない前の都道府県のいわゆるひもつき配給というものの食い違いが十万玉あります。あと十五万玉というのは、今のあるいは偽造チケツトか、オーバー発券かということになるわけでありますが、何せ三十万玉という相当厖大数字が食い違つておりますので、この旧原料調整ということに非常に困難を来しております。最もこの調整に困難を感じますのは、たとえばこれだけの数字を四・四半期、——三月等に持越して、けりをつけるというような手が最終的には考えられなければならぬのでありますが、この場合にも補給金問題等かありまして、もし補給金がなくなりますと、この綿糸値段自体が非常な違いが生じて来ますので、この調整ということが、そういう面でもきわめて困難に感ぜられますので、今水産庁の方と数量最終的に確認すると同時に、この施策についても打合せをしておる最中であります。
  19. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの御答弁によりまして、われわれは予想外に事態が非常に惡化しておることを察するのであります。ある意味において、本国会で一番失政として取上げられた薪炭特別会計のあの状態よりも、もつとひどい問題がここに伏在するということを、私はここに確信せざるを得ない。まず一つには、九月の三十日に綿業課からわれわれ委員会に発表された、チケツトの集計による全国メーカーの保有数量チケツト数量の計算の結果、約二十万玉が保有されておるという御報告を受けております。しかし十一月の十五日の結末においては、逆に三十万玉が不足しておる。差引きすれば五十万玉、あるいはこの中に五万玉というものはいわゆるチケツトの無効の分がありますから違うかもしれませんが、四十五万玉なるものが九月三十日とここに違いが出ておる。四十五万玉なるもののチケツトが、九月三十日の締切以後出たのかどうか、これをまず確めておかなければならぬと思うのであります。次に課長は、終戰以来のいろいろな問題がここに絡んで来たので、課長の責任でないようなお言葉であります。それは私も多少さようなことは承知しておりますが、しかしお尋ねしておきたいことは、一体このチケツト整理方法、この構想なるものは、六月三十日ごろにおきめになりまして、全国のメーカーをお集めになりましてこの打合すをなさつたはずであります。この方法をおやりになりますときに、メーカーの保有数量と、チケツトの出た数量とを大体見合して、保有とチケツトがにらみ合うという大幅な計画をもつて、その計画を立てられたはずであるが、今日までの経過によつて調べてみますと、その計画はほとんど立つておらない。従つてここにこういう三十万玉というような現物不足の問題が起つて来るわけであります。従つてこの点については、やはり現在の課長にその責任があるのである。なおただいま課長の言われたお言葉の中には、私はメーカーからの現物を引上げるということはしないということをお話になりましたが、この水産委員がこの耳で確かに聞いたのであつて、そういうお言葉であるならば、速記録を調べて課長の目の前にお差出しをいたします。そこに食言があります。なおわれわれはそういう責任追究よりも、もつと問題は、このオーバーした三十万玉のチケツト現物化を一体どうするかということです。課長の言われるのは、それは一つには保有のある工場からもしチケツトが今後来たならば、その保有の現物と差引くという御答弁であつた。しかしそれは事実行われない。なぜならば、あの整理においてチケツトの集らなかつたような工場は、簡單に言うならば、弱小不良のメーカーであつて、いわゆるチケツト欲しさのために、あるいは綿糸欲しさのために、ボロ機械をすえつけたような工場もある。あるいはやみ流しをした工場もある。そういう工場は、表をごらんになりましたら明らかにわかる通りに、初めからチケツトを集める誠意がなかつた。さようなものが今後新たにチケツトを集められるかということを考えてみられれば、そういう解決の方法は何ら当を得ておらないということがおわかりになろうと思うのであります。  第二番目に、オーバーしたメーカーに対するチケツトは、今後これは現物を與えるというお言葉であるが、しかし旧価格と新価格との開きがある、補給金の切れた分はどうするか。おそらく新価格は二倍余になり、メーカーは商工省の八月何日かに全国に出されたあの通牒によつてチケツトを集めておられる。旧価格で現物を出しておられるこのチケツトに対して、新価格の現物を渡したならば、このさやの負担は一体だれが受けられるか、これが一番重大な問題であろう思う。いろいろ問題はありますが、これらを考えてみますと、三十万玉の現物の不渡りということは、ある意味においてこれは漁業者にかかつて来るのでありますが、正直な優良なメーカー及び全国の漁業者に與える影響たるや、はなはだ重大なものであつて、おそらく薪炭特別会計以上の問題が伏在すると思うのでありまして、ただいまの御答弁では不満足であります。それからただいまの御答弁では非常に概括した言葉でありまして、九月三十日には明細な表でもつてお出しになつた、あの表から以後のつまり九月三十日以後十一月十五日までに、一体どれだけチケツトがふえたか、四十五万玉、五十万玉のチケツトが一体地からわいたか、天から降つたか、どうしてふえたのか、その点について、もつと明らかに計数的にお示しを願いたいと思います。
  20. 石原圓吉

    石原委員長 ちよつとお諮りいたします。ただいま農林大臣が御出席になられましたが、時間の関係上まず農林大臣に対する御質疑をお願いしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 石原圓吉

    石原委員長 それではさようにいたします。王置君。
  22. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 私はお忙しいところ農林大臣がわざわざ御出席をしていただいたのでありますから、本来ならば一問一答で御質疑を申し上げる方が、大臣もよくのみ込んでいただいて都合がよいと思うのですが、時間の関係上省略いたしまして、総括して御質問申し上げたいと思います。御承知のごとく漁業法は第五国会に提案されて以来、継続審議として本国会にまで審議され、そうして一昨日その修正案が本国会を通過いたしました。完全なものとは申されませんが、しかし、とにかくあの修正案をもつて国会を通過いたしたということは、わが国の漁業制度改革のために、将来真に漁村のあるいは漁業権の民主化をはかつて漁業生産力を増強させるという点に対して、私ども水産委員会こぞつて御同慶にたえないと思う次第であります。但しこの場合私一人の杞憂であるかもしれませんが、以下申し述べて、農林大臣の御所見をお伺いしたいと思うのであります。  申し上げるまでもなく、この漁業法は、一応全面的に各漁業権を消滅しまして、再分配を行うという点から、全国漁民が非常な関心を持つて——私ども全国を歩き、公聽会等の意見を聞いてみましても、漁民の希望するところにこの法案全体が修正されていないという点から、相当漁民の間には誤解を生じ、あるいは実施に至るまでの間において、いろいろ不安を持つて混乱を来すのではないかという心配があるのでございます。従つてこの漁業法実施する二年の間において、われわれ水産常任委員の個々の人々はもちろん、政府におかれても、特に漁民に対して漁業法の真の意味を徹底せしめ、滲透するということにしなければ、漁民は安心感をもつて将来自分の生業にいそしんで行くことができないのではないかと思うのであります。一例をあげてみますと、今回通過いたしました漁業法によりますと、漁業協同組合が優先順位をもつてすべて漁業権を得られるということになりますが、その漁業協同組合が運営する面におきましては、何といたしましても従来の漁業会と違いまして、理想的に民主化されてはおるものの、この運営の裏づけとなる資金の裏づけがされていないという点に、非常に運営上の混乱、行詰まりを来たすおそれがあるのであります。この点に対して、私はまず協同組合の経営の将来に対して心配があるのであります。この金融の問題につきましては、夏堀委員長小委員会を率いて、いろいろ検討を加え、先ごろ結論をみいだされて、これを決議されております。その他資材の問題でありますとかあるいは漁業権の問題につきましても、統制の問題につきましても、貿易の問題につきましても、それぞれ小委員会をつくられ、小委員長から報告をされて、本委員会としては、その総合したものをいずれ政府に要望されることでありましようが、その場合に私は特に農林大臣に要請をいたしておきたいことは、金融の問題につきまして、御承知のごとく、応急資金については漁業手形の設定がなされて、多少金融緩和の道が開いてはおりますが、まだ応急資金という面においては満足はできない状態にあることは、大臣におかれても御了承のことと存ずるのであります。恒久資金の対策については、まだ何ら触れておられないのであります。従いまして応急資金の問題について申し上げますと、せんだつて日本銀行、大蔵省、あるいは安本等の関係者を呼びまして、小委員会として夏堀委員長司会のもとに、いろいろと懇談をいたした末に、私からもマーケツト・オペレイシヨンによる中小企業設備資金貸付の問題についてただしたのでありますが、大蔵当局におきましては、これはまだ大蔵省としては考えていないということであります。しかし民間においては、すでにこのマーケツト・オペレイシヨンによる中小企業設備資金については、二十億程度のものが見返り資金のうちから融通の方法を考えられておるということを言われております。しかしまた通産省に当つてみたところが、通産省としては、この点に関しては相当考慮を拂つて、その措置を講ぜんとしておるというような話をしておるので、そこに相当食い違  いがあるわけであります。もちろんできるならば、こうした中小企業設備資金ができるということになるならば、わが水産業方面に対しては、何らかの措置ができるのじやないか、かように考えるわけであります。漁業手形をもう一歩前進されまして、もつと新しい方式を取入れて、すなわち見返り資金とか、あるいは預金部資金の流用、活用の道が開けないものであるか。さらに進んで、漁業生産と同様に不可分の関係のある加工水産資金の対策の問題について申し上げますれば、加工資金を得ることによつて、加工資金原料確保の面において漁業者にその資金が渡されるわけであります。従つて加工資金とは申すものの、別途のものでなくして、これが漁業生産と相通じまして、勢い漁業生産者の漁業金融を、少しでも円滑にゆたかにするという結果を招来して、この加工水産資金の対策ということも決してゆるがせにできない。むしろ喫緊を要する問題であると私は考えるのであります。こういうことに対して大臣はいかなるお考えを持つておられますか。  さらに一応この漁業法が施行されるためには、当然法によつて漁業証券が出されるのでありますが、この漁業証券を資金化して、この行詰まれる漁業資金の確保をなさしめることは、きわめて適切な方法ではないかと考えるのであります。これらに対して、農林大臣はいかなるお考えを持つておられますか。  特に強調いたしてみたいことは、この漁業法の通過にあたりまして、水産委員全員が考えたことは、この資源枯渇防止に関することであります。すなわち限られた水域において、かく多くの漁船が操業いたしている。勢い競うて各漁場に進出する関係上、知らず知らずの間につい侵すというようなことで、過去においてあまり芳ばしからざる結果を来したこともあるのでありますが、こうした漁場の取締りという面についてこの漁業法の面では、はつきり明示されることができなかつたわけでありまする。資源を維持し、繁殖の保護をはかることは、国内の漁民の経営の安定を維持する一方において、対外関係において非常な関係を及ぼすことは、政府当局においてもすでに御承知の通りであります。すなわち国際法に示された漁場の線、マツカーサー・ラインを完全に守つて日本漁民みずから自主的に漁業操業の上に違反を犯さないということによつて、国際的な信用を高めるわけであります。以西底びきの整理の問題のごときも、一応自主的の整理ということになつておりますが、これは私から申すまでもなく、政府当局が特に留意された点でありますが、この以西底びき網の整理ということが、先般連合国から示された漁区拡張に対する一つの重大なる要素となつているということを考えてみますときに、この資源枯渇防止に関する対策は、政府として最もこれを重く用いまして、何らかこの対策を新たに講じなければ、今後対外信用を高め、さらに第二次漁区の拡張をしていただく上においても、重大な関係があると思うのであります。これに対して、農林大臣は目下どういうような構想を描いておられるかどうか。以西底びき網等の整理に対する補償の問題については、法の面に、運用のできる妙味のあるところが、法文化されているとはいうものの、明確に書いてないのであります。こうしたことに対して、将来政府としてはいかなる対策をもつて臨まれるのであるかどうか。  さらに新たにこの制度が打立でられる上においては、先ほど申したように、重大な問題は資金の裏づけでありますが、さらに漁港のごときは……。
  23. 石原圓吉

    石原委員長 時間がないそうですから、要点だけをひとつ……。
  24. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 もう二、三分です。言うまでもなく、漁港は海の停車場であります。今年は御承知の通り、非常に災害等によつて漁港が破壊されているのでありますが、この漁港に対しても、もつと政府としては予算を確保いたしまして、漁港施設にも力を入れる、ということになりますと、漁業生産を高める意味においても、この漁業法実施の面において、漁民が不満ながらも、一方こうしたことにおいて緩和されることも考えられるわけでありますが、これに対してどういう考えを持つておられるか。  次は統制の問題でありますが、今日の魚価の状態、マル公の現状、消費者の購買力の低下の問題、その他いろいろの事情等も考えて、もはや全面的に統制をはずすべきでないかと思うのであります。同時に漁肥の統制のごときも、この際撤廃をいたすべきでないかと思うのでありますかが、いかに考えておられますか。  最後に行政機構の問題でありますが、先ほど来の奥村委員の質疑の内家等から考えまして、綿糸が通産省と農林省にまたがつているような関係から、その行政措置よろしきを得ないために、かかる欠陥を暴露いたしているのであります。これは決して各省がかわ張り争いをすべきときでないことは言うまでもない。これは当然農林省の所管にしておくべきものであると思う。同時に漁船のごときもしかり。かくのごとき各省のなわ張りによつて迷惑をこうむるものは生産者であるわけであります。私はこの際各省がそうした過去のなわ張りであるとか、あるいは行政上のいろいろな事務的な操作がどうであるということを一擲いたしまして、この際漁業用資材あるいは漁船のごときは、当然農林省の所管に置くべきであると思うのであります。これを要するに、農林大臣の政治力によつてこれを統一さるべきではないかと思います。できることならば、この場合行政機構の一大改革を行つて、すなわちできれば水産庁を水産省にまで昇格いたし、さしあたり水産大臣というものを置くことができないならば、農林大臣が兼任いたしましても、水産省というものに昇格することによつて、前段申し上げました万般の事柄、また第五国会以来水産常任委員会でいろいろな角度から、あらゆる問題を論議いたしております水産行政、水産施策全体の問題が解決されるのではないかとかように考えるのでありますが、これに対して農林大臣はいかなる考えを持つておりますか。  最後に私といたしましては、こうした問題を当然そこに持つて行くように、農林大臣の今後の絶大なる御努力を待望いたす次第であります。これに対する農林大臣の御意見を伺いたい。
  25. 森幸太郎

    ○森國務大臣 満足な答弁ができないかもしれませんが、御質問につきまして一応お答えいたしたいと思います。漁業法改正につきまして、いろいろ委員会等にも御意見がありました。また業者諸君の御意見も相当強きものがあつたように承つておるのでありますが、一応この新段階の漁業法を決定していただきまして、政府は御決議の趣旨に沿いまして法の執行の準備をし、遺憾なきを期したいと存じております。それにつきまして資金の問題でありまするが、ひとり水産業だけではありません。農業におきましても、林業におきましても、非常に資金が枯渇をいたしておりまして、しかも従来水産業に対する資金は、他に比して一層きゆうくつな状態であつたのであります。つきましては、農林省におきまして、中央農林金庫の設備内容を拡張いたしまして、現在はわずか四十億のわくでありますが、これを百六十億まで拡張いたしまして、農林水産の資金の活用に資したいと今計画を進めておるわけであります。なお水産業としましては、特に漁業手形の方を試験的に利用いたしたのでありますが、この手形も今日までの経過から見ますと、相当成績が上つておると考えますので、この問題につきましても、将来大いに考慮を拂つて行きたいと思うのであります。預金部資金の利用が非常に局限されておりまして、これが不可能な状態にあるのであります。しかし見返り資金の利用が今回相当認められるような傾向に向いておりますので、農業におきましても五十億ばかりこれを利用するという計画を立てておるわけでありますが、水産方面に対しましても、この面が将来利用し得られるの方途が講ぜられるのではないかと考えております。いずれにしましても、資金は今日まで特に水産業には信用程度が簿かつたと申しますか、きゆうくつになつておりますので、今後一層資金の面に考慮を拂いたいと、かように考えております。  なお漁業資源の枯渇の問題でありますが、今までは自由に相当広範囲に漁業ができましたが、マツカーサー・ラインに制約せられまして、ほとんど行くべきときに行けないというようなきゆうくつな状態であります。しかし今こういう敗戰国の占領されている日本といたしましては、やむを得ないこととは存じますが、一日も早くこのラインの制限を許されたいということは、国民全部の念願でありまして、それに対しましては、日本漁民が忠実にこのラインを守る、いわゆる国際條約に対してその與えられたる権限の中において、まじめに漁撈をするということが世界的に認められ、なるほど日本漁民は乏しい漁区におりながら、よく約束を守つて、まじめに働いているということが認められる場合においては、相当これは早い機会に拡張されるのではないかと思うのであります。現に先般東部においては拡張を受けましたが、ことに問題は以西底びき並びに北海方面であるのでありますが、以西底びきに対しましては、従来このラインを越えたのか越えなかつたのか、相当問題が起つたときに、判断をくだすことができなかつたのであります。それで政府におきましても、強き措置を司令部に要求いたしまして、その取締りなりあるいは賠償等のことを考えさすだけの材料をこちらに持つておらなかつたのであります。そこでいつまでもかようなことをいたしておつてはいけないというので、御承知のような処置をとりました。現在ではまじめに以西底びきの活動する範囲、マツカーサー・ラインを嚴格に守つてもらつておるのであむます。司令部におきましても、その状況はこのごろよく了解されたことと思つておりますが、この整理につきましては、資源愛護の意味において相当整理をいたしました。この整理をいたしましたにつきましては、委員会等の御要求を十分満足させることができ得ませんし、またこういうたとえば普通の工業が企業整備のために整理した、そういう場合に国家がこれを補償するというようなことは考えられないという見地から、相当問題が起つたことも御承知と思いますが、御承知の便法によりまして、不十分ではありますが、一応補償の道も立てたわけであります。今後においてもこれは法制化するか何らかの方法によりまして、こういう問題が起つたときに処置をいたしたい、かように考えているわけであります。  漁港の設備でありますが、漁港の必要なことは申すまでもないのであります。政府も相当漁港の改築を完成し、また新しく漁港の設備等もいたしたいという計画も持つているのでありますが、昨年は御承知の通わ非常な風水害のために思わさる公共事業費を要しまして、今の政府予算では一千億円昨年の倍額の公共事業費を予定いたしているのでありますが、ことに河川、道路等の復旧、土地の復旧等も相当の額に上つておりますので、漁港の復興あるいは新しく設ける漁港等の経費を予定通り獲得することが、はなはだ困難な事情にあるのであります。しかしながらできるだけ手をつけているものは早く完成し、また新しく要求されているものも全国に相当の数に上つているのでありまするが、一日も早くこの漁港の完成に努力いたしたいと、かように考えておるわけであります。なおいろいろの統制の問題でありますが、水産物の統制も御承知の十八品種に今つぼめて参つたのてありますが、これも近く——いつからということは申し上げられませんけれども、一日も早く統制を撤廃いたしたい、かように努力を続けているわけであります。何分今日水産物が重要な食糧の面にすわつておりまして、ただ米麦というだけでなしに、水産物というものが主要食糧と同じ立場にあるために、日本の食糧の量の不足している場合といたしましては、ある局部においては統制を継続せねばならぬ魚の種類もあろうと思うのでありますが、できるだけ統制の撤廃を急いでやりたいと考えております。なお行政機構の内部におきまして、通産省関係、農林省関係で、資材の面、あるいは漁船等の問題について、運輸省との関係等が問題にされておりますが、これは政府の責任によりまして、三つの省がやろうと、二つの省がやろうと、実際の漁業者が迷惑をこうむらなければ、政府の責任においてやるのでいいわけでありますが、もしこれが二つあるいは三つにわかれるために、業者に非常な迷惑を来すということになれば、国民の迷惑を知りながら行政機構を改めないということであつては、民主主義政治ではないのでありますから、これはよく関係省が協議いたしまして、国会でも強き要望もあつたわけでありますから、すみやかに善処いたしまして、適当な処置研究いたしたいと考えております。これは農機具の問題におきましても起つておる問題でありますが、通産省が意地を張るわけでもなければ、農林省が意地を張るわけでもありません。要は農民漁民の幸福で都合のよき政治をするということが政治の目的でありますから、皆さんのお話のような非常なる欠陷があるというこの事実にかんがみまして、できるだけ適当な処置をすみやかにとりたいと考えております。  なお水産省独立というような問題は、かつてから叫ばれておるのでありますが、今は行政機構を整理しようという段階になつておるのであります。将来すべてのものを一つの産業省に攻めてしまつたらどうかというようなことも考えられておるのでありまして、今水産庁を廃止して水産省に改めるという構想は、政府としては持つておりませんが、同じ水産庁ということでありましても、その内容の充実を考えまして、省に劣らない機構の整備をいたしたい。かように考えておるわけであります。
  26. 冨永格五郎

    ○冨永委員 先ほど落としましたが、沿岸漁民保護と申しますか、沿岸漁民の一番困つておるのは、御承知の通り補給等を打切られまして、先ほど奧村委員の質問の内容をかりて申しますと、綿糸、綿網がニ倍になるのではないかというお話がありましたが、そうなりますと、この沿岸漁民、特に零細漁民金融というものはほとんど成立たない状態に陥るわけでありまして漁村の経済がまつたく破壊されるおそれがあるのでありますが、重ねてこの漁業金融の面につきまして、農林大臣に特にお伺いし、その御盡力を願いたいと思うことは、農林中央金庫に漁業中央金庫——漁業というものを入れて、さらに金融機関を拡大強化されるところの御方針があるのか、それに御盡力願えないのかどうか。この点を特にお伺いしておきたいと思います。
  27. 森幸太郎

    ○森國務大臣 農林中央金庫の出納については、漁業方面にももちろん融通しておるのであります。農林中央金庫は農林業者の金庫でありまして、農業と林業という小さいものではなく………。
  28. 冨永格五郎

    ○冨永委員 独立してやらないのかどうか……。
  29. 森幸太郎

    ○森國務大臣 独立はいろいろの関係から許されません。一時水産金融金庫というものを考えましたが、中小金融金庫というものが考えられたこともありますが、それが許されませんので、農林中央金庫一本になつておるわけであります。
  30. 奧村又十郎

    奧村委員 綿業家のチケツト現物化の問題であります。非常に時間も遅れておりますし、問題がはなはだ重大でありますので、私はただ一点伺いたい。もう明らかになつておるのは、三十万玉のチケツトがオーバーしてそれに見合う現物がない。この現物を出すとすれば新価格の現物である。従つて一玉千円以上の補給金が切れておるから、約四、五億円という金は一体だれが負担するのか、この問題。それから九月三十日の締切り以後十一月十五日までに一体四十五万玉以上のチケツトが出たのか出ないのか。なぜ二月の間にそういう違い、見通し食い違いがあつたのか。これだけをお伺いして、なおあらためて委員会を開いて、徹底的な究明をお願いいたしたいと思います。
  31. 佐橋滋

    佐橋説明員 今の奧村委員貝の御質問に対してお答えいたします。九月末日現在から十一月の十五日に最終的に締め切つたまでに、四十五万玉以上のものが地からふいたように現われたのかという御質問でありますが、この前御説明いたしました九月末日現在におきましては、百二十四万九千九百三十八王の綿糸在庫メーカーが持つておつたわけであります。そのときの発注券の総量は九十七万一千百二十一王、未受注の在庫が二十七万八千八百十七玉、こういうふうに申し上げたのであります。その後十五日までにまさに五十三万玉以上の新しい発注が現われて来たのであります。これは御承知のように、農林省の発券されます資材の購入券につきましては、従来は期限がなかつたのでありまして、何年間も切符が生きておつたわけでありますが、最後に十一月十五日で有効期限が切れることになつたのでありまして、九月末日から十一月十五日まで有効期限があつたのが、これで最終的に打切られるというのであるいは漁業者が漁綱製造業者に対して、今まで所有して来たのを持ち出して来たということも考えられますが、確かに九月末日から十一月十五日までに、五十万玉以上のものは出て来ておるわけであります。
  32. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの二点だけについていま少し明らかにしておいていただきたいと思います。五十三万玉が九月三十日以後に出たと言われますが、といたしますと、大体一・四半期、二・四半期期のチケツトの大部分は九月三十日までに出ておるわけでありますが、その後に五十三万玉の厖大なチケツトが出ておるとすれば、昭和二十四年度の一・四半期二・四半期チケツトだけではなくて、それ以前のチケツトも相当出ておるわけであります。従つてこの五十三万玉の年度別、四半期別の数量をお示し願います。
  33. 佐橋滋

    佐橋説明員 御指摘のように相当前の切符も出ておりまして、今ここにあります現在までの発注量百三十一万一千玉に対する期別の数量は、二十三年度の第三・四半期が六万三千三十二玉、二十三年度の第四・四半期——二十四年一月から三月までが二十九万五千七百十一玉、それから二十四年度の第一・四半期及び第二・四半期の分が九十五万二千九百四玉、こういう数字になつております。計百三十一万一千六百四十七玉であります。
  34. 奧村又十郎

    奧村委員 ますますおかしな話になりますが、大体九月の三十日にしめ切つたときは、メーカーチケツトの手持ちの分は全部報告しろ、チケツト現物は出さずにせめて手持ちの分だけでも報告しろというので、調査した結果であるのであるからして、もうほとんどこれはメーカーにはなかつたはずである。漁業者に五十二万玉の古いチケツトが手持ちされておるということであるが、綿糸が次第に値上りになつておるのだから、古いチケツトを持ち越しておるなら漁業者が非常な損をこうむる、しかもあの当時現物にしなかつたならば、チケツトが不渡りになるということは漁業者に徹底されて、全国的に騒いだものである。それが三十五万玉というものの大部分漁業者にあるということは了承できない。そこでここに何か伏在すると思うので、追つて究明いたしたいと思います。  これは別として、その次に三十万玉の不渡りチケツトは、いかにしてメーカー現物化するか、補給金は御存じの通り切れております。メーカーは旧価格で漁業者に渡す。そうして新価格でメーカーが受けるとするならば、四、五億円の価格の値上り分はメーカーが負担するのであるか、あるいはメーカーからさかのぼつて漁業者からその金を出ざすのであるか、その御処置について承ります。
  35. 佐橋滋

    佐橋説明員 ただいまの点につきましては、今の三十万玉の数字が食い違つておることは、今まで説明した通りでありますが、これがはたしてどういう性質のものであるかということについて、これはわれわれの方としても、原因をはつきりさせない限り、この問題はちよつと処置がいたしかねますので、これがどの負担になるかということに対しては、ちよつと答弁はいたしかねるのでございます。
  36. 奧村又十郎

    奧村委員 通産省綿業課の八月ごろの各メーカーに対する通牒によりますれば、二・四半期前のチケツトを三・四半期と同様旧価格で現物化になるという意味の通牒が出ておりますから、メーカーはその通牒を信じておるはずであります。従つてメーカーにこの欠損は持たされぬはずだと思いますが、この点の御説明を承ります。
  37. 佐橋滋

    佐橋説明員 今の御質問ちよつとわかりかねますが、ただわれわれの方としましては、たとえば二・四半期前のもの、あるいは三・四半期のものにつきましては、旧価格でぼくの方は割当分だけの現物は出して行つておるわけであります。だからこの三十万玉というのは結局われわれがメーカーに対して割当てた数量よりもたくさんにチケツトがあるのだということなんであります。だからこれがどこが損をするかどうかということは、今ちよつと申し上げかねます。
  38. 奧村又十郎

    奧村委員 ただいまの課長のお言葉によりますと、チケツト綿業課の予想外に出ておつたから、その責任は綿業課にないというような口吻でありますが、しかし綿業課メーカーに出した通牒そのものは取消すことはできないはずです。このチケツト数量をあらかじめ見越されてのあの処置であつたはずであると思うのであります。しかしこれは議論になりますから、この点はこの程度でとめておきます。  課長にお尋ねすることはこの程度にいたしまして、ここまで明らかになつた重大問題であります。この根本は、われわれがすでに国会において漁網の生産及び配給の事務行政は、水産庁資材課において行うべしと議決したのを、なわ張り争いのためにここまで延ばして来たことに、一番大きな問題があると思う。われわれ水産委員会としては、徹底的にこれは究明すべきであると思います。綿糸チケツトのやみは全国的であつて、これはチケツトのやみとして最もはなはだしいもので、銀座チケツトとか何とか、あらゆるチケツトの問題がここにあると思いますから、徹底的に究明しますために、この水産委員会において特別の小委員会を設けて善処せられるよう希望いたします。
  39. 夏堀源三郎

    夏堀委員 本会議において問題となつた、議長不信任案にまで展開した委員長報告の内容について、私はこの機会において委員会としての立場から、その責任の所在を明らかにしておる必要があると思います。  私は民主自由党の委員として、かくのごときことを委員長に申し上げることはまことに断腸の思いでありますけれども、事非常に重大なる問題でありまするがために、私は涙を振つてここに委員長に、一応委員長の心境と今後の処置、そうして委員会においての責任の問題に対しで、これを明らかにしておく必要があると思います。  委員長が本会議報告する場合に、私情をはさんだ報告をされた、それはいかぬというように私は考えております。委員長は個人の資格においてそのようなことを申し述べられたことであるかどうか。そうしてあの報告の内容、なるほど委員長に一応おまかせするということに決議はしてありますけれども、それはいわゆる委員会において行われたすべての報告のことであつたのであつて委員長としての気分的私情をはさんだそれは含まれておらないのであります。よつてこの機会に委員会は、問題となつた、いわゆるあのようなことについては、私はまだその報告書は見ておりませんので詳細のことはわかりませんが、委員会としてはこの問題に対しては責任がないことであるということを明確にしておきたいと存じます。同時に委員長がこの問題に対していかなる処置をおとりになるのであるか。この問題は今後の重大問題になるおそれも多分にあると存じますので、委員長において適当にこの問題に対しては善処せられんことを、私は希望として申し上げておきたいと思います。
  40. 石原圓吉

    石原委員長 去る十一月二十八日の本会議におきまして、漁業法案及び同施行法案委員長報告の中に、その末尾において、漁民諸君の衷情は察するに余りあり、こう申し上げたのは、私の個人的な感情から申し上げたのでありまして、実に長い聞現地調査等を雪夜をわかたずやつた、その時分の感情から、まつたく漁民に気の毒であるという感じでこの発言をしたのでありまするが、これが責任は全然自分個人の責任であると思うのでありまして、委員諸君に対してはここにつつしんで私は謝意を表する次第であります。
  41. 松田鐵藏

    ○松田委員 私は集荷配給の小委員長の立場において、今議会中にこの小委員会を開くことが時間的にでき得なかつたのでありまして、責任上まことに重大なことと存じますが、この集荷配給に対する問題は、水産業界における直接的な利害を最も持つものでありまして、われわれが第五国会のうちから、水産物の統制をすみやかに撤廃すペしという議論当局に具申してあるのでありますが、その現われといたしまして、大幅の統制の撤廃が成立ちましたが、現在まだ十八品目による統制品があるのであります。幸いにして大幅の統制撤廃により、鮮魚は、また加工品は著しくその品質を向上いたしまして、価格は幾分高くなつておりますが、その実質から申しますと、むしろ鮮度のりつばなもの及びカロリーの多いということから行きまして、われわれはわれわれの主張である、消費者に対してはむしろ安いものを供給できておる、かように信じておるものであります。ところが十八品目の統制品においても、現在においてはこの統制を撤廃された魚類、水産加工品においての優秀なものに刺激されまして、統制品といえども相当の品質が改良されて来ておるのであります。ところがその価格は依然として現在のマル公でありまして、この点に対して生産者はまことに迷惑をしておるような次第であります。たとえて申し上げますと、いかは百十円というのが現在の価格でありまして、いかにも安い価格になつておるのであります。ゆえに生産者は、これからあらゆる資材の補給金がはずされて、そうしてわれわれが考えておる生産者の経済がまことに窮迫することを目先に考えて、一日も早くあらゆる物の統制を撤廃して、しかして鮮度の高い、りつぱな消費者の喜ばれるものを消費者に供給するのが、水産業界の最も重大な使命と考えておるのでありまして、当委員会においてもどうか当局に対して、現在の状況にかんがみ、一日も早く統制の全面的な撤廃を要求するようお願いしたいと存ずるものであります。委員長においてこの点に対しおとりはからいを願いたいと存じます。
  42. 石原圓吉

    石原委員長 松田小委員長報告は済みました。  次に水産資材に関する小委員会報告、小高小委員長
  43. 小高熹郎

    ○小高委員 資材の小委員会は十一月二十二日、通産省の綿業課長水産庁の資材課長出席を求めまして、大体において災害用資材のうち、綿糸布については補給金を出すのが当然であるという議論、及びただいま綿業課長からいろいろ答弁がありまして、奧村委員との間に議論になつております、二・四半期以前のチケツト現物化できないものをどうするか、この二つの意見が非常に強く出たのでありますが、それに対して小委員長としては、通産省の綿業課長に計数を明らかにして、近々中に回答してくれということを要求しおつたのが、延びのびになりまして、遂に今日に至つたのであります。さような経過でございますので、今後他の資材においては、小委員会において極力問題の解決に努力いたしたいと思うのでありますが、二・四半期以前のチケツト現物化、ただいま本委員会において問題となりましたこの件については、奧村委員からも希望があつたのでございますが、特に本委員会において、事重大と見て取上げていただきまして、委員長においてしかるべくおとりはからいが願いことを申し上げまして、小委員会報告といたしたいと思うのであります。
  44. 石原圓吉

    石原委員長 以上をもつて各小委員長各位の経過及び結果についての報告を聽取いたしましたが、それに対してはできる限り善処いたしたいと思いますが、なお各小委員長報告承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。何かこの際御意見はありませんか。
  46. 奧村又十郎

    奧村委員 私の先ほどの二・四半期以前の綿糸現物化に関する調査小委員会設置の動議について、まだ処置がついておりませんが、委員長の方でいかがなさいますか。
  47. 石原圓吉

    石原委員長 それは奧村委員の申出に沿うような処置をとりたいと思います。奧村君の繊維に関する先刻の動議に対して、さよう決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 石原圓吉

    石原委員長 御異議なしと認めまして、決定いたします。  他に御意見もないようでありますから、この際第六回国会水産委員会をとずるにあたりまして、一言ごあいさつを申し上げます。  本委員会は第五臨時国会漁業法案及び漁業法施行法案が提出されまして、この両法案はわが国の漁民の将来の生活の安定のために、まつたく重大なる法案でありまして、かつての農地法案よりより以上の重要性を帶びているものでありまして、そのために委員各位はおのおの非常な御多用にもかかわらず、全国各地の現地懇談会を催し、また中央において公聽会等を開きまして、熱心に御審議くださつたのでありまして、その間にいろいろ意見の衝突もあり、相反するところもありましたけれども、これはひとえに漁民を思うところの熱情のほとばしりでありまして、私自身も諸君の御意に合わない、御意見に反するような行動もあつたかとも思いまするが、これまた私個人の利益を土台としてでは絶対ないのでありまして、あくまでも日本漁民の生活の安定のために、将来の漁民の繁栄のために行動をいたした次第でありまして、その間に不都合な点、また不謹愼な点等があつたならば、それはどうか御了承くださいまして、御看過くださるように切にお願いを申し上げる次第であります。  漁業法案は一応きまりましたが、これに対して改善を要する点も多々あると思うのであります。それのみならず、この漁業法案の審議等のためによほど委員が時間をとられまして、そのために本日審議御報告を願つたところの水産金融の問題、漁港の問題、水産資材の問題、同資材補給金の問題、水産物統制の問題、水産貿易の問題、水産協同組合法一部改正の問題、水産資源維持の問題、水産行政機構改善の問題等、これらの問題に対して、なお努力をし得ない点も多々ありましたように感ずるのでありまして、これらの諸問題は、来る通常国会を通じて、できるだけ努力を拂つて、そうしてそれぞれ改善をはかり、実現を期することにせなければならぬと考える次第であります。  本日まで長い間、御配慮、御努力を願い、かつ私委員長としての徴力に御協力くだされましたことを、ここにつつしんでお礼を申し上げまして、本日の御挨拶にかえる次第であります。(拍手)  本日はこれをもつて散会いたします。     午後一時十三分散会