○飯山
政府委員 ただいま小高
委員並びに二階堂
委員の関連しております御
質問に対してお答えいたします。
まず小高
委員の世界経済の動きと関連させて、
水産貿易についての根本策を講ずべきではないかという御
意見に対しましては、私
どもま
つたく同感であります。アメリカにおける
かんてんの代用品につきましては、私
どももこれを
承知いたしましたので、実は調査研究部長がアメリカの方に去る七日に出張いたしました。その際にアメリカにおけるこれらの実情を調査して来るようにということを、事実は申しつけたのでありますが、多分一月の初めには帰ることと思いますので、何らかの具体的な
状況が御
報告できるのではないか。但し現在におきましては、司令部に要望いたしましたけれ
ども、現在
資料を得られません。しかしながらアメリカの
事情を、仄聞しますと、向うで
日本の原藻を非常に要求するというような事態ができておるのであります。これはアメリカにおけるいわゆる冷凍の利用によ
つて、これを機械的に製造するというので、実は本年の夏ごろも約五百トンくらいの原藻の輸入を希望して来たという実例もあるのであります。しかしながら原藻を
輸出するということは、
日本の加工業の上から見ましても、また
日本の経済の上から見ましても、これはとるべき策ではないのでありまして、われわれとしてできる事だけ国内においてこれを加工して、そしてこれを
輸出するというような
考えのもとに、滞貨はいたしてお
つたのでありますが、原藻
輸出を事実は控えた、こういう
事情もあるのであります。これは一部私の想像を加えまして正確ではありませんが、ナイロンが生糸にかわるということで、その当時非常に
日本の生糸
業者は脅威を受けたのでありますが、最近のアメリカにおける生糸の
事情を聞きますと、相当旺盛な需要があるのだ、つまりナイロンとは別な用途というものが、生糸に開かれているのだということを伺いまして、私
どもも
かんてんの代用がいかなるものであるか、内容を
承知しませんので、はつきりしたことは申されませんが、これは
日本の製造
方法なりの改善によりまして、やはり販路は獲得維持できるのではないか。また維持できるように、われわれとしてはくふうすべきである。かような
考えを持
つておるわけであります。なお国内においてこれが需要を喚起するということも講ずべきでありますが、内地では御
承知のように、購買力の低減と申しますか、これを急に国内消費に充てるということはなかなか困難だと思います。しかし
外国における消費
事情の研究と同時に、国内消費に対しても、何らかのくふうをすべきであるということは
考えておりますけれ
ども、これも遺憾ながら具体的に御
報告がいたしかねるのであります。
それからなお、二階堂
委員の滞貨に対する
金融施策い
かん、こういうことでありますが、これはひとり
水産貿易品ばかりでなく、一般の
貿易品に対する滞貨の
資金関係については、
通産省においても相当考究され、また
日本銀行の政策
委員会に対しましても要望いたしておるのでありますが、御
承知のように、現在は
金融の方針と申しますか、これが従来のように長期の
資金を融資するということが、非常に困難な
事情にな
つておるのであります。従
つてわれわれとしましては、例になら
つて、加工品に対する手形の制度というようなものを実は研究いたしております。しかしこれは今具体的に内容を詳細に説明するほどに至
つておりませんが、とにかく何か加工品に対する、手形—
貿易品には
貿易手形がありますけれ
ども、これは
貿易が行われて初めて融通されるのでありますので、加工品の方は、名称もはつきりしませんが、とにかく水産製品に対する融資の制度として、手形制度を何とか確立いたしたい、かような
考えで今進んでおります。その他遺憾ながら具体的に融資の道というものが立
つておらぬようなわけであります。