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1949-11-10 第6回国会 衆議院 水産委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十日(木曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 夏堀源三郎君 理事 林  好次君    理事 砂間 一良君 理事 小松 勇次君    理事 早川  崇君       押谷 富三君    川端 佳夫君       田渕 光一君    玉置 信一君       冨永格五郎君    永田  節君       長谷川四郎君    奧村又十郎君       水野彦治郎君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  石井 昭正君  委員外出席者         農林事務官   奥田  孝君         農 林 技 官 林  眞治君         專  門  員 齊藤 一郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  鮮魚運賃に関する件  漁港に関する件     ―――――――――――――
  2. 石原圓吉

    石原委員長 これより会議を開きます。  まず鮮魚運賃に関する件を議題といたします。運輸省より鉄道監督官国鉄部長が御出席であります。夏堀君。
  3. 夏堀源三郎

    夏堀委員 鉄道運賃は、新聞紙の伝うるところによると、八割値上げということを発表しております。八割値上げが実現するということになりますると、鮮魚運賃影響するところが非常に大きいのであります。主食運賃と比較して鮮魚運賃は非常に高い。これは鮮度保持関係、また延着をできるだけ防ぐという関係から、特別の措置をとつておることと思いますが、これまでの鮮魚取扱い方法としては、普通列車に高い運賃拂つた上に、なお指定列車ということによつて、大体五割ぐらいでしようが、五割ぐらいの高い運賃拂つているようであります。現行運賃に五割を支拂うことでさえも容易ではないのであつて、これになお八割の値上げということになると、結果において十七割の値増ということになる。これを一歩讓つて三割ぐらいということになつても、結果においては十三割ぐらいの値増となる。これは魚の価格にも関係を持つて来るのであつて資材の面においても何の裏づけもなく、むしろ資材はリンクを廃止して、全体の平等割ということになつているようでありますが、そうしたように、すべての裏づけがなく、価格の面においても何の裏づけなくして、この運賃値上げを断行するということになれば、鮮魚限つて八割では済まないのであつて、結局十七割ということになりますから、それが全体に及ぼす影響は非常に大きいのであります。これに対して政府は何か対策があるかどうか、これをお伺いいたします。
  4. 冨永格五郎

    冨永委員 今夏堀委員から、大体要領を盡されて質問されたのでございますが、これを具体的に申し上げますと、主食とみなされる米麦は九級になつており、野菜とかいもは十級、生活必需品とみなされている薪炭は十一級となつているのです。現在統制供出の面から考えれば、鮮魚冷凍は大体主食並でいいじやないかと、われわれは当然考えるけれども、現在は六級に扱われて、特にはなはだしいものになると五級に扱われ、あるいは四級、三級のものもあるのですけれども、今夏堀委員から言われた通り鮮魚になると、ほとんど夏場は全部が全部と言つていいくらい指定列車になりますから、今五割というお話が出た通りに扱われる関係上、現在ですらとうていその負担に耐えられない。これは何とかしなければならぬと考えられている際に、今度貨物運賃値上りになるということでは、鮮魚を運ぶという点において非常な恐慌を来すおそれが多分にあるわけであります。しかも北海道方面からになると、キロ運賃換算率を見ますと、まだ正確に結論を持つているわけではありませんが、私ども換算から考えますと、長距離は非常に割が高くなつているというふうにも考えられるわけであります。従つて夏堀委員から質問のあつた点に対する裏づけを、どうお考えになつているかという点と、それから鮮魚に関する運輸省関係考え方が、根本的に是正を願える余地があるかどうか、このような問題について伺いたいと思います。
  5. 石井昭正

    石井政府委員 ただいま鮮魚運賃についての御質問でありますが、御承知通り今回鉄道貨物運賃値上げを計画しておりまして、まだ正式には何割上げるかということはきまつておりませんけれども、ただいまお話がございましたように、大体八割くらいの値上げという結論になるのではないかと私ども考えておる次第でございます。八割値上げになりまして、貨物運賃がどういうことになるかと申しますと、皆様も十分御承知のことと思うのでございますが、これでようやく鉄道貨物運賃原価をカバーすることができるかと申しますと、まだそこまでは行き足らないのでございます。少くとも原価をカバーいたしますには、もう一歩上げなければならないのでございますが、しかしながらいわゆる貨物運賃経済上に及ぼす重要性にかんがみましても、また今まで戦争前におきまして、国鉄がとつておりました、旅客運賃の方において多少收益がある、貨物の方は損をしない程度でやつて行くというようなことから考えましても、まずこの際は八割あるいは九割、その程度でしんぼうしなければならないのじやないかという感じかしております。全体的に申しますと、ようやく原価が償い得るか得られないかという程度でございまして、ただいまの運賃は非常に安いのでございます。物によりましては、送るときに附加的に生じますところの直接の経費すらまかなえないような賃率になつておるのでありまして、六級あるいは七級以下になりますと、遠短離の運賃で計算いたしますと、送れば送るほど損をするということは必ずしも誇張でない、直接経費だけすらまかない得ないというような状態なんでございまして、全般的に貨物運賃水準を上げなければならない。しからずんば国鉄独立採算と申しますか、ただいまのドツジ・ラインの線に沿いますところの收支の均衡をはかるということがむずかしいことにつきましては、御了解願えるのではないかと思うのであります。  さてそのうちにあります鮮魚の問題でございますが、ただいまお話のございましたように、鮮魚は六級でございます。六級がほかの物資に比較して高いというようなお話もあるのでございますが、一応貨物運賃等級を定めますときには、やはり経済政策あるいは社会政策の点も加味しなければならないのでございますが、まず基本的には価格に対します運賃割合をもつて等級をきめて参りまして、重量当り価格の高いものほど高級な運賃を課するのは、鉄道運賃の当級の構成上当然のことかと思うのであります。そういうふうに計算いたしますと、鮮魚は大体四級にはまるべき品物なんでございます。しかしながらこれに対して先ほどお話がありましたように、食料品、特に主食に準ずるような意味合いからして、六級というのは、四級から二級下げて、割合にすると二〇%ないし三五%の割引をしているという結果になつているのでございます。これを実際の数字について考えますると、鮮魚価格は、昭和十一年では一トン当り二百八十二円五十銭になつているのでございますが、ただいまの価格は四万六千二百五十円になつております。大体百六十三倍という程度になつております。鮮魚運賃か、昭和十一年には一トン当り平均輸送キロで言いますと、六円四十八銭でございました。ただいまでは三百四十二円、五十三倍程度になつておるのであります。これから考えましても八割程度値上げでございますれば、必ずしもごしんぼう願えないことはないのではないかということでございます。しかしながらこの貨物等級につきましては、戰後におきましてはいろいろ経済上の構造も違つて参りましたし、必ずしも戰前等級そのままの格付が正しいということにもなりかねるということは、十分承知いたしております。しかしながらこの等級を修正いたしますのは、経済安定期を目指して合理的に修正いたさなければならぬということで、そういう点についての研究をただいまやつておりまして、関係方面とも逐次打衝いたしておりますか、今回の値上げに際しましては、一応賃率水準の引上げを御承認いただきました上で、実際に及ぼす影響等研究させていただきまして、その上で等級修正等考えるべきではなかろうか、かように考えておるのであります。特に鮮魚につきまして、ただいまお話がございましたように、列車指定料金の問題があるのでございますが、列車指定現行割増しでございまして、非常に高いというお話でございます。これは戰前に比較いたしますと、割合が高くなつておりますので、ごもつともなお話だと思うのでありますが、しかしながら現在の急送品輸送につきましては、御承知のように、指定列車が到着すべき時刻にその貨物が到着しないことによります延着責任を、全部負わなければならないことになつております。その関係で、ある品物につきましては、いろいろの輸送上の都合で遅れました場合に、相当多額賠償金拂つておる。御承知のように、最近では貨物運賃値上りの仕方が、先ほど申し上げましたように物価の値上りの仕方に比べまして非常に低いのでございまして、全体で申しますれば、昭和十一年におきましては四・六一兆でございましたが、ただいまでは二・三%になつておる。鮮魚について見ましても、昭和十一年におきましては二・三%でございましたが、ただいまでは〇・九%となつておるわけでございます。そういうふうにごく低い割合でございますのに、一旦延着事故が起りました際におきましては、その価格を全部弁償しなければならないという危険負担をいたしておるわけでございます。昨年におきましては、これは鮮魚でございませんが、他の品物につきまして、列車指定割増料金よりも、全体といたしまして多額弁償をしたというような事実になつております。こういうわけでございますので、企業の立場から見ると、必ずしも現在の五割増し運賃が高過ぎると言うわけにも参りかねるのではないかと思うのでございます。しかしながら今度上げますれば、当然その割合一緒に上るということは、なお耐えられないのだというお話もごもつともでございますので、この点につきましては、いろいろ具体的に国鉄の方にも連絡いたしまして、その割増しの率を下げるということについての研究はいたさせておりますが、まだはつきりした結論は出ておりません。ただ国鉄の方としましては、割増し料率を下げるならば、何とか賠償責任を少し軽くしてもらいたいというようなことを申しておりますが、はたしてどちらがほんとうに荷主の御利益になるかということも考えなければならないのではないかと考えておるのでございます。そのほか鮮魚運賃につきましては、いろいろかねてから多数の御陳情も承つておりまして、まことにごもつともな点もあるやに存じておりまするが、これらは至急今後賃率改正を御承認いただきましたあとにおきまして、ただちに研究の上、もし御要望に沿うべきものあらば沿わなければならないのではないか、こういうふうに考えておるのでございまするが、今回の値上げにつきましては、一応非常に低位にあります貨物運賃のレベルを上げて行くことを、まず前提として御承認を願いたい、かよううに考えておる次第でございます。
  6. 夏堀源三郎

    夏堀委員 全体に対する運賃値上げということに対してはやむを得ない事情でありましよう。けれども私の申述べることは、鮮魚についての五割の値上げをして列車指定の高い割増賃を拂うことが不合理であるということを指摘しておるのであつて、たとえば甲の者は五割増し列車指定運賃を拂うことによつて、正確にその荷物一定の場所に着荷するのだということになりますが、そうすると乙の者は必らずまた、いや甲の荷物一定の時間に着いて、列車指定をしないために、自分のものは遅れて着くということになると、特に統制が撤廃になつたあかつきには、非常に損をしなければならぬことははつきりしておるのである。全部が列車指定をすることになりますと、先ほど私が申し上げたように八割どころではなく、事実上十七割の値上げになるのだということになる。だから全体の荷物が八割上つても、鮮魚限つては十七割の値上げになるのだということは、耐えられないことだ。これに対する対策があるかどうかということをお伺いしたわけで、何もやむを得ない事情による運賃値上げに対して反対しておるのじやないのだ。これに対する対策がなければならぬと思うのである。それをお伺いしておるのである。いかがでしようか。
  7. 石井昭正

    石井政府委員 ただいまお尋ね鮮魚列車指定料金の問題でございますが、ただいま御答弁申しました中で触れましたように、この五割増し割増率を三割程度に引下げるということについて、ただいま研究中でございます。  それからもう一つ急送列車が足りないということがあつてせつかく急送を希望されてもできないということがあつてはたいへん申訳がないし、また鮮魚という食料品の特質にかんがみまして、輸送上の設備と申しますか、能力というものの改善は、ぜひいたさなければならないつもりでございます。
  8. 夏堀源三郎

    夏堀委員 五割を三割に指定列車の点は考慮するということですが、三割にしても十三割強の値上げになる。結果においては八割の値上げではなくて、鮮魚限つては全部十三割強になるのだということを、むしろはつきり言つた方がわかりやすいかもしれません。それは漁業者負担に帰すべきことでありますので、とうていそれでは耐えられない、こういうことになります。私がこれに対する対策として要望したい点は、鮮魚列車を一本増発することがいいのではないかと思う。特に北海道東北の方は非常に延着が多いのでありますから、北海道東北方面に対して時間の短縮方法をとる、これはやはり一本増発することが一番手取り早いのじやないか、こう私は考えております。関西方面割合延着がないそうであります。これは複線の関係でありましよう。同じ日本漁業者であつて関西方面輸送に携つておるものは、非常にうまく行つて、いわゆる三割の指定列車を得ましても、それも拂わなくてもいいのだということになれば、同じ十三割の負担を負わなくてもいいのだという結果になる。これを是正するためには、東北は車線でありますから、これを補うために鮮魚列車を一本増発することを考慮してもらいたい、これを要望する次第であります。こういう点に対しでどういうようなお考えを持つておるか、お伺いしたいのであります。
  9. 石井昭正

    石井政府委員 ただいまお話の、鮮魚輸送列車輸送力を増す、特に東北北海道方面について増すということにつきましては、もとより現在の鉄道といたしまして、運賃の方におきましては値上げをさしていただいて経費が相償われるようになりますれば、サービスの方に努力いたさなければならぬ。ことに貨物輸送サービスといたしましては、生鮮魚介類というものに対しまして、最優先的に條件のいい列車指定して、生産地から消費地まで最短時間で届くということについて、全力をあげなければならぬと考えておる次第でございます。ただいまの御要望の点につきましては、具体的に調査いたしまして、できるだけ御要望に沿うようにいたしたいと考えております。
  10. 冨永格五郎

    冨永委員 今の答弁に積荷の指定列車の五割を三割とするように努力するという点に対しましては了承するものでありますが、結局鮮魚冷凍指定列車積みになるというのは、ほとんど絶対的な條件でありますから、先に夏堀委員からもお話がありました通り、安くしてくれても十三割になるということになりますから、先ほどの答弁の中に、諸般の情勢から見て六級が妥当だと考えているというお話でありましたけれども、しかし米麦が九級であり、野菜が十級である点から見て、鮮魚か結局において六級になるということは必ずしも当然とは考えられないのです。そういう意味合いから鮮魚冷凍をやはり米麦の九級、野菜類の十級というような面でお考えを願える余地はないか。そういうように考えますならば、三割指定でもつて大体の処に落ちつく見通しがつくのじやないかと考えるのですが、さつきの夏堀委員からの質問に対する答弁のうち、若干取上げて以上お尋ねを申し上げたいと思います。
  11. 石井昭正

    石井政府委員 ただいまお尋ねのございました等級改正につきましては、先ほど申し上げましたように、全貨物についていろいろな御要望がございます。またこの全体といたしまして、貨物運賃收入等級改正によつて影響をこうむるということは、結局運賃の値下げということに相なるのでございまするが、そうでなくして、上げるべき等級を上げる、下げるべき等級を下げるという研究はいたしておりますが、何分にもたくさんの品目と関係するところが多いのでございまして、今回の改正にただちに間に合いかねますが、今回改正したあとにおきまして至急研究いたしたいと考え、またその考え方をもつてただいま関係方面とも具体的な研究一緒にいたしておるのでございます。等級自体の問題につきましては、しばらく御猶予を願いたいと思つております。
  12. 玉置信一

    玉置(信)委員 私のお伺いせんとすることは、大体お二人の質問で盡きておりますが、さらに一般貨物というお話が出ましたので、ここで根本的な問題についてお伺いしてみたいと思います。鮮魚国民栄養給源として主食と同じだというわけで、政府においても今まで重要視し、あらゆる方面において、非常なきゆうくつな中にも業者はそれぞれ供給の任務を果していたわであります。従つて国鉄独立採算制の立て方はよく了解できるわけですが、主食に準ずべき鮮魚取扱いについて、国鉄としてはどういうふうな考えを持つておられるか。この重要なる主食に準ずべき鮮魚取扱いの根本的な考え方を、お伺してみたいと思います。
  13. 石井昭正

    石井政府委員 ただいま御質問がございましたが、御承知通り国鉄公共企業体になりまして、独立採算制でもつて事業をやらなければならぬという点について、従来の戰争前の国有鉄道違つた考え方で経営するという、まことにやむを得ない点があることは認めないわけには行かないと思うのでございます。わが国の国有鉄道は、御承知通り主としてヨーロツパの諸国にその考え方を準じておるのでございますが、アメリカ鉄道につきましては全部私有会社でございまして、官業にはなつておらないのであります。そういうところからいろいろ考え方の食い違いがございまして、国有鉄道におきまして、社会政策的、あるいは経済政策的な運賃措置をするということについては、その必要がないのではないか。そういうものはむしろ一般政府経費とすべきではないか。たとえば一例を申し上げますと、学生に対しまして旅客運賃割引をする、そういうことによつて学生に対して何らか特別にサービスの悪い車にでも乘せるのかというとそういうことではなくて、非常にこれは父兄負担がかかるから、安くして一般父兄負担を軽くしなければいけないのだからという説明をいたしましても、なかなか納得が行かないのでございます。話はわかるがそれは国家政策である。むしろ文部省で予算をとつて、そういうたくさんの子弟を学校に通わせておる者の補助をすべきではないか。それを鉄道運賃でやるというのはおかしいという議論がしばしば聞かれるのでございます。私どもは、かような考え方日本国有鉄道に適用されるものとは考えておりませんが、一面そういう議論も相当ございます。また同時に現在の予算上赤が出たら国家が補償するということに行きかねる。自分收入経費をまかなつて行かなければならないというようなことがございますので、いろいろな点におきましてお話のような経済政策、あるいは社会政策に相応した措置をとりたいということもやまやまでございますが、一面自己の経済上のバランス、財政上のバランスも見て参らなければならぬのではないか、かように考えるのであります。ことさらに、私は鮮魚につきまして、その食品としての重要性国民経済並びに国民の体位、栄養等に及ぼす影響等につきまして、何ら関心を持つていないわけではございませんが、しかしながら、ただいまの運賃上の建前といたしましては、それだからといつて現在運賃を値下げする、あるいは値上げするのをやめるといふわけには参りかねるのではないかと思うのでございます。ただ先ほどお答え申し上げました通り、できるだけ鮮度の新しいうちに消費者の手にわたつて、本来の鮮魚輸送目的が到達せられるように努力することは、これは輸送機関として当然の責務でございますし、またそういう点において十分サービスの向上をはかるべきだ、かように考える次第でございます。
  14. 川村善八郎

    川村委員 先ほど石井政府委員の御答弁の中に、鉄道独立採算制という意味から、貨物運賃が安いから、どうしても値上げをしなければならぬということで、これはもちろんわれわれはよくわかるのでございます。しかしながら現在の鉄道といたしまして、その独立採算の上から行きますと、これはいろいろな考え方があるでありましよう。機構の改革やら、その他人員の整理やら、また鉄道の延長やら、いろいろ政策がありましよう。これを私は論じません。ただ、あなたが申されました、鮮魚価格というものは、百六十何倍になつておる、それから運賃値上げというものは五十三倍になつてつて、比較がとれないのだ、それだから八割くらいの運賃値上げしても、忍ばなければならぬのではないかということでありますが、それは私は非常に穏当を欠く言葉だと考えるのであります。なぜならば、日本魚業は一年一年沖に行かなければ魚はとれなくなつた。沖へ行くということは、燃油が多く使われる。それから、さらに日本魚業資材というものは、ほとんどが重要資材である以上は、他の国に依存しなければならぬ。つまりアメリカに依存しなければならぬ。あるいはその勢力範囲に依存しなければならぬという事情であります。それらの価格が非常に上つたのと、いわゆる近海では無業ができなくなつたという、この二つの面から、現在百六十倍以上の価格でも引合わないという魚業者経済実態であります。でありまするから、魚の価格上つたから運賃を上げても忍んでもらわなければならぬということは、必ずしも私は理論でない、かように考えるのであります。そこで指定列車のことでありますが、この指定列車の五割ということは高いと言うけれども弁償から考えますと、それ以上に弁償して、かえつて損になつておるのだということでありますが、これは鉄道の怠慢から起きたことであつて、私はそれはあなた方のしうちが惡いのだ、私はこう言いたいのであります。特に昨年倍以上の弁償をしておるということを私が聞かされましたときに、一体青森で何をやつたか。六百車以上も青森に滯貨しておる。それからさらに北海道には千二百車以上も滯貨しておる。そうしたようなことから、あなた方の方で、いわゆる目的地に着荷させることが遅れたので弁償されたのであつて、これはあなた方の責任であるので、当然のことだと私は考えるのであります。そこで一歩私がこれを讓つて、あなたの先ほどの御答弁のように、サービスをよくして、すなわち鉄道輸送力増して、そうしてこれを緩和したならば、延着ということはおそらくないのであります。夏堀委員が申されましたように、増発するとか、あるいは鉄道員諸君が、日本食糧事情から、どうしてもこの鮮魚蛋白質給源を求めなければならぬとするならば、われわれ国民全体の栄養は、一にかかつて輸送にあるのだ、こうした国家的大きな見地に立つて努力するならば、あえて私は指定列車というものを設けなくても、当然あるキロ数はある時間において到着すべき責任を持つてやらなければならぬものではなかろうかと、私はかように考えております。従つて私らは、あなた方に五割の指定列車運賃拂つて、そうして鉄道の方でもそれ以上に負担をしなければならぬということであれば、やつたとつたりで、何にもならぬことである。これが腐るというと、国家の損失であり、栄養欠除になる。こういうことを考えますときに、あなたのお心が、われわれが努力すれば、そうした指定列車がなくとも、結局鉄道收支というものは、いわゆる弁償がなくなるのだということであれば、決して鉄道の損失にもならなければ、荷主にも損失をかけないということになるのではなかろうかと考えますので、私はこの際、これは一にかかつてあなた方鉄道の方のサービスいかんによることであるから、それらを十分今度の政策に織り込んで、指定列車の全廃をして、運賃の軽減をすることと、さらに生産者の経済の上において有利になるように、もう一つ大きく言いますならば、日本国民栄養を確保するためには、できるだけ価格を安く、多く食べさせるということをお考えになれば、自然今度の八割の値上という問題も、みんなが納得するところに行くのではなかろうかと考えるのであります。すなわち五割というものをここで切つてしまえば、あとつた三割であります。その三割くらいの食品の値上であれば、われわれはこれは了承しなければならぬと考えておりますので、この点に御留意なさつて、そうしてあなた方の計画というものを十分にお立てになつて、われわれの要望を満されんことを、特にこの際強く要望しておきます。  さらにもう一つは、統制課長にお尋ねしますが、たとい指定列車の五割というものがなくなつて、そして八割値上をされたとするならば、差引して鮮魚というものは三割の運賃値上になるのだが、そういう場合に価格の引上が可能であるかどうかということであります。今日御承知のように、価格は上げてもらわなければならぬというので、各方両から陳情されているのが実態であります。そこでその価格を上げましても、われわれの鮮魚が全部消化しきれるかどうか、言いかえるならば、マル公を上げた時分に、購買力が十分にあつて、われわれのその要望を満すことができるかどうかということであります。もし要望が満されないで、いつもマル公を下まわつているというのならば、一日も早く統制を撤廃した方がよいのだと考えるのでありますが、この点につきまして統制課長の御答弁を願いたいのであります。  なほ、大体夏堀委員並びに玉置委員冨永委員に対する答弁があつたのでありますが、もう一歩進んで、私の申し上げたことについて、何かあなたにお考えがありまするならば、ひとつ答弁を願いたいと思います。
  15. 石井昭正

    石井政府委員 ございませんです。
  16. 川端佳夫

    ○川端委員 ちよつと輸送のことについて、ただいま各委員からいろいろお話がございましたのですが、私が参るまでに御答弁があつたのかもわかりませんけれども、実は生鮮魚介類の扱いが今研究されておるさなかであるというお話でありますから、結論といたしましては、主食米麦と同格に扱つてもらうというようなことはできがたいかもわかりませんけれども生鮮魚介類と蔬菜類は同格に扱われるべきであるというような考え方を持つておるのでありますが、この点をよくお考えを願いたいという希望を申し上げると同時に、先ほどのお話を聞いておりますと、生鮮魚介類と蔬菜類の扱いが差別ができておるという、その理由はどういう点からそういう差別待遇になつておるかということを、ちよつとお伺いしておきたいと思います。
  17. 石井昭正

    石井政府委員 魚介類と蔬菜類との差別でございまするが、これは実は私はつきりしたお答えかできかねるのでありますが、私が考えますのは、必ずしも差別しておるのではなくて、貨物等級の中には、ただいまの等級は容積を換算して、容積品に対しましては一ぱい積めないから、従いましてその分だけある程度等級を下げておるというような操作をしております。これは戰争中非常に等級表を簡單にして、未熟な従事員でも簡單に計算できるようにしなければならないという点からやつておるのでありまして、戰争前には減トンという扱いでそういう不合理を是正していたのでございます。おそらく蔬菜類につきましては、そういう容積関係の問題も含まれておるのではないか、これはまあ私思いつきではつきりそうだと申し上げかねるのはたいへん申訳ないのでありますか、そう考える次第であります。
  18. 玉置信一

    玉置(信)委員 延着事故の賠償問題ですが、これは経営の合理化等によつて、こうした制度は将来廃止すべきものと私考えます。これに対して先ほど川村委員の申された、事故の発生原因や滯貨の実情等より見ても、サービスの点を考慮すれば廃止できる性質のものであると思いますが、これに対するお考えはどうかということが第一点、それから昨年相当賠償されておるというお話でございましたが、この延着事故の原因がどこにあるか、それから賠償したその額はどれだけあるかというような、統計の書類をひとつ提出していただきたい。そしてその書類によつて、また適当の機会に当局においでを願つて、はつきりそれに基いて質疑を続けたいと思うのでありますが、以上お願いいたします。
  19. 石井昭正

    石井政府委員 ただいまの御質問の要旨は、つまり列車指定制度をやめてしまつたらどうか、あるいは割増しをとるのをやめてはどうかという御趣旨と拜聽してよろしゆうございますか。その点につきましては、御承知のように、急送を希望いたします貨物は、必ずしも鮮魚ばかりでなくして、あるいは果実類あるいは蔬菜類、いろいろございます。全部が全部急送列車を御希望通りつけかねるような状態ではないか。従つてやはりある程度現状をもちましては料金を頂戴して、そのかわり速達の責任を負う建前をとらざるを得ないのではないか、しかしながらお話のように、どんどん輸送力が回復して参りまして十分に御希望にこたえ得る程度になりますれば、当然指定制度というものは意味がなくなるというふうには考えておりますが、現状といたしましてはまだそこまで及びかねているのではないかと思うのでございます。  それから資料の御要求でございましたが、私先ほど申し上げましたのは、ある品目について料金よりも非常に多い賠償金拂つた実例があるということを申し上げたのでございまして、具体的にはこれは四国のみかんのことなのでございます。全般的に御要求の資料が、調査できておりますかどうかちよつとお受合いしかねるのでございます。わかる程度でよろしいというお許しがいただけますならば、至急調査をまとめましてお届けいたしたいと考えている次第であります。
  20. 夏堀源三郎

    夏堀委員 川村委員質問にお答え願います。
  21. 奥田孝

    ○奥田説明員 鉄道運賃値上げになりました場合は、当然魚のマル公は上げらるべきだとわれわれは考えております。そういう趣旨で物価庁にも話まして、物価庁といたしましては、その間の準備は進めているということを聞いております。たださつき御指摘がありましたように、現在の魚の消費都市における卸売価格の動きなどを見ますと、運賃値上げした場合に、それだけマル公を上げたということだけで、問題は解決しないような面があるわけでありまして、そこが一番大きな問題ではないかとわれわれは考えております。そういう点から水産庁といたしましても、運賃値上げの問題につきましては、先日末たびたび国鉄当局とも意見の交換をしているわけであります。水産庁といたしましては、国鉄独立採算制という建前から、この際運賃のある程度値上げは魚についてもやむを得ないと考えますが、魚の特殊事情からいたしまして、できるだけその負担を軽めでもらうように、国鉄の方に要望している次第であります。ある程度運賃値上げはやむを得ないにいたしましても、そのかわりサービスの改善を十分にやつていただくということが、また必要なわけでありまして、この点につきましてもあわせて国鉄当局に要望をしている次第であります。このサービス改善の内容といたしましては、一番大きな問題は、先ほど来夏堀さん初め委員の方から御指摘ありました指定料金の問題であります。この問題については、サービス改善の内容として一番重要な問題でありまして、この指定料金の扱いいかんによりましては、魚に対する運賃値上りは非常に大きなものになるわけであります。その点については、今後なお運輸省並びに国鉄当局と折衝をいたしまして、できるだけ水産関係の実情に沿うような措置をとつていただきたいと思つております。なおそのほか清掃料金の問題、あるいは冷蔵車の整備の問題とか、そういうサービス改善につきましてもよくお話合いをして行きたい、かように考えている次第であります。  それでマル公を上げることによりまして、購買力の関係からいたしまして、有効需要がそのマル公に追つつかないようなものについては、統制をはずすかというような御質問がございましたが、私どもその点はなおよく研究してみないとはつきりお答えできませんが、私が今考えるところによりますと、これだけの理由で統制を撤廃するのはちよつと困難ではないか。かように考えております。  なお御参考までに、今後八割値上げとなりますると、運賃がどの程度値上げになるかという点について、一応計算した結果を申し上げますると、現在の定置の平均卸売価格を百四十円といたしまして、運賃が八割値上げになりますると卸売価格を貫当り約三円程度値上げせねばならぬというような結果が出ております。御参考までにちよつと申し上げます。
  22. 玉置信一

    玉置(信)委員 国鉄に要求申し上げる先ほどのデーターですが、これはできるだけということでありましたが、どうかせいぜい各貨物についての損害賠償の金額、それからさらに先ほど川村委員から指摘されておりました滯貨の原因、北海道青森等において滯貨したその原因はどこにあるかということを、詳細に説明した資料を出していただきたい。かように考えます。
  23. 砂間一良

    ○砂間委員 私は第一に貨物運賃値上げに反対です。これは若干意見になりますけれども国鉄の赤字を補填するというようなことは、ほかの方面でも幾らもできることであつて、この運賃値上げをしなくつても十分やつて行けると思う。そつちの方の努力をやらなくて、すぐ運賃値上げというようなことを考えている今の政府の行き方はけしからぬと思う。この運賃値上げしますとすく物価に響いて来る。魚の場合なんかですと、生産者の漁民の手取りは何らふえなくて、中間の輸送費のために消費者価格が上る。現在すでに大衆の購買力は非常に減退しておりまして、現在でさえもマル公を割つているようなものもあるわけなんですが、それを運賃値上げするためにまたこの価格を上げなければならぬというふうなことになれば、これがますます売れが惡くなつて行く。こういうふうな意味からしまして、運賃値上げには原則として絶対反対であります。多少サービスを改善するとか、事故をなくするというようなことはありましても、そんなことは国鉄としましては当然やらなければならないことで、これまで事故のために、あるいは延着のために生産者や何かに非常に迷惑をかけて来たとすれば、そういうふうな損害については十分補償するし、今後そういうふうなことは絶対にないようにしてもらいたい。  それから第二段といたしましては、どうしても運賃値上げかやむを得ない場合には、生鮮魚介の輸送については、これは等級をもつと上げまして、主食並に、米麦並にやつていただきたい。そして実際にこの運賃値上げによつて魚価に響かないような措置をとつていただきたい。この第二の点につきまして、そういうふうに生鮮魚介の等級を上げる用意があるかどうかという点につきまして、お伺いしたいと思います。
  24. 石井昭正

    石井政府委員 等級改正につきましては、先ほど来たびたび御答弁申し上げておりますように、現在各品目についていろいろ等級の修正の御要望もあり、また戰後の経済上の事情に応じて、しなければならない点も出ておりますので、十分研究はいたしておりますが、凡百の物資、貨物につきまして改正をいたさなければならないので、これは運賃改正を行いまして、引続きすぐ検討することにしたい。かように考えております。
  25. 砂間一良

    ○砂間委員 引続きではなくて、運賃値上げをやる前に十分検討されまして、値上げと同時に、少くとも生鮮魚介の価格に響かないようにやつていただきたい。そう思うわけであります。この点を要望いたしておきます。
  26. 石原圓吉

    石原委員長 まだありますか。
  27. 玉置信一

    玉置(信)委員 先ほど統制課長のお話では魚価を上げるということについては、物価庁も相当関心を持ち、その線に進みつつあるというお答えでありましたが、はたしてこの客観情勢あるいは消費者の購買力等の現状から見まして、その見通しがあるかどうか。この点についてはつきりお答え願いたいと思います。
  28. 奥田孝

    ○奥田説明員 マル公を上げることによりまして、購買力がこれについて行かないものもあるいはあるかと思いますけれども、やはりコストが上ればそれだけマル公を上げるということは、当然ではないかというぐあいに考えております。この点につきましての関係方面の意向等については、まだよく私聞いておりません。
  29. 夏堀源三郎

    夏堀委員 大体先ほど私が申し上げたように、結論として鮮魚列車一本の増発、これが一番いいことだと考えております。先ほどの御答弁の中に考慮中ということでありましたが、この時期は一体いつごろになるのか。運賃値上げ後ただちにそれをやるというのか。またしばらくの時間を置くということもあると思います。繰返して申し上げますが、八割の値上げは十七割になるのだということをお忘れにならぬよう。鮮魚は八割の値上げでない、実は全部で十七割の値上げになるということを、現実の問題としてお忘れにならぬように願いたい。それは耐えられない。これに対する対策はどうかというと、これは鮮魚列車を一本増発することが一番いいと思います。この点に対してなおこれからいろいろ御研究、御調査にもなりましようが、追つてこの問題に対しての中間の報告を、適当の機会に本委員会にお願いしたいと思います。これで私の質問を打切ります。
  30. 石原圓吉

    石原委員長 運賃問題はこの程度に止めたいと思います。  銀行局長が今大蔵省を出たそうで、間もなく来ると思います。それまでに漁港課長が見えておられますから、この方をどうぞ。玉置君。
  31. 玉置信一

    玉置(信)委員 漁港の予算について漁港課長にお伺いしたいと思うのです。政府における予算編成の面について、最近ドツジ氏がおいでになつていろいろと折衝過程にあり、大体結論に到達しつつあるやに聞いておるのですが、仄聞するところによりますと、先ほど来水産庁において要求しておりまする予算の線が、さらにくずれかけておるようでありまして、もしそうだとすれば、今日の漁港築設、あるいはこれに伴う水産政策の上に、非常な齟齬を来しはせぬかということを心配いたしておるのでありますが、この機会に予算の折衝の経過、及び見通しについて、一応先にお伺いしておきたいと思います。それによつて質疑を試みたいと存じます。
  32. 林眞治

    ○林説明員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。漁港の関係予算といいますか、水産関係の公共事業費の予算につきましては、すでに数回にわたりましていろいろ御懇談申し上げましたので、大体は御存じかと思いますが、最近お話のございましたように、ドツジ・ラインに沿いまして、いろいろ変動があつたようでございます。その内容につきましては、私どもも実は的確なことを知り得ません。いろいろな方面から承つておりますことについて申し上げたいと存じます。一応御承知のように、安定本部におきましてとりまとめをいたしました案は、公共事業費につきまして総額において千二十億、その場合におきまして、漁港の修築につきましては、八億ということに一応決定したわけであります。この八億につきましても、当然われわれとしては十分なる不満を持つておりました。従つていろいろと委員会の方、及び関係のいろいろな方面からも御盡力、御後援を願いまして、予算の増額につきましては努力はいたしたのでありまするが、一応八億にきまつたわけであります。それにつきまして、公共事業費全般の問題として、政府から関係方面に交渉が行われたのであります。聞くところによりますれば、総額におきましても相当な圧縮を受けるのではないか、これは本年度の補正予算の問題とからんでおるようであります。補正予算につきましても、多少の圧縮を受け、同時に二十五年度予算におきましては、公共事業費関係におきまして、相当な圧縮を受けるのじやないかというようなお話を聞いておりました。その場合に、水産の関係につきまして幾らに圧縮されるかということは、交渉の途中にはあつたかと思いまするが、私どもとしてははつきり示された数字は知りません。あるいは一億五千万円程度減額するとか、ないしはそれ以上にもなるのじやないかということはありましたがこの数字につきましては、的確に示された数字はございません。まだそこまで行つておりませんので、はつきりしておりません。  なおその後の模様について聞いておりますところによれば、これもまアほんとうに聞及ぶ程度ではありますが、公共事業費の予算につきまして、その後の折衝の結果やや好転しておるのではないかというようなことも実は聞いておるわけであります。その場合に、一千億に帰ることになるのか、ないしは九百あるいは九百何十億というようなことになるのか、その点はまだ私どもは存じておりません。ただ最初にお話を聞きました八百億あるいはそれ以内に圧縮されるのではないかということよりは、よくなるというようなふうには聞いております。従いまして、その場合に、水産関係におきまして、当初の予定されました八億に帰りますかどうか、われわれとしては、そういう場合にはぜひ帰すべく努力はしておりますが、まだただいままでの私どもが知り得ましたところは、的確にはわかつてはおりません。大体の様子はそういうふうになつております。
  33. 玉置信一

    玉置(信)委員 大体私の情報を得ていることと合つております。そこではつきりした本ぎまりになる時期は、いつごろになりますか。それによつてどもの方としては相当な考えを持つて善処しなければならぬじやないか、かように実は決意を持つておるわけであります。その見通しについてひとつ伺いたい。
  34. 林眞治

    ○林説明員 これは私どもとしては、非常にむずかしい問題でございまして、はたしていつごろになるかということは、ちよつと想像がつかないのであります。私個人として考えます場合には大体近いうちに大よその総額はきまるのじやないかと考えられる。公共事業費の大まかな内容、ごくこまかいところは別といたしまして、たとえば災害復旧費のわくをどうするか、一般公共事業費のうちの港湾とか、漁港とか道路とかいつたところまでのわくをどうするか、こういうことは、早ければ二、三日うちぐらいには何とかきまるのじやないかというふうにも考えるのでございます。しかしどうも私どもの方でそこまでは関係しておりませんので、的確な時期につきましては、何ともお答えいたしかねるわけなのです。
  35. 玉置信一

    玉置(信)委員 私の聞くところによりますと、港湾費のごときは三分の一ぐらいに圧縮されるのじやないか、港湾漁港ともに新規事業は一切認めないということになりそうだというようなことを、実はほのかに聞いておるのでありますが、課長の方では、そういうことについてどういう情報を得ておられますか。もしその情報を得たお話ができることでしたら伺いたい。
  36. 林眞治

    ○林説明員 今の港湾関係及び水産関係等におきまして相当圧縮を受けることになりそうだということは、たしかに一時ありました。それは、つまり先ほど申し上げましたように、総額か減額される場合非常に風当りが強かつた、こういうことであつたろうと想像されるのであります。それもしかし、はたして幾らまで圧縮するという内容までは、正式には知つておらないのでございますが、いろいろ想像しますれば、そういつたふうに非常に風当りが強かつた思うのです。ただだんだん元の線に返ります場合に、はたして当初計画されました線に箇々の問題が入つて来るか、でこぼこができるかどうか、こういつた問題が存しておりますので、その点に向つて、私どもは目下努力しておるわけなんです。それから新規事業の問題につきましては、原則論はあくまで強行しておるようであります。これはりくつの上から申しますれば当然のことだと思うのでありますが、しかし特別な理由によりまして必要と認められるものについては、一歩も原則論をくずさないということでもないと思います。これは事業によりまして、あるいは事業の現況によりまして、特例のものについては多少考えて行かなければならぬのではなかろうか。私どももその点につきましては、極力これを主張いたしまして、水産業の現状なり、あるいは漁港の現況なりというものから、原則論はまげられないとしましても、ある程度のことは認めてもらいませんと、現状を打解することができないような事態になりますので、極力その点について折衝をいたしております。もた結果といたしまして、相当困難は伴うだろうという予想はしておりますけれどもできるだけの努力はしたいと考えております。
  37. 夏堀源三郎

    夏堀委員 動公共事業費の中で、漁港予算は申すまでもなく一番少額であつた。これに対しては各方面でも非常に同情の目をもつて見ておる、こういう空気であつた。その後また情勢はかわつたかもしれません。これは農林大臣に会つた際にも、公共事業費全体に対する総額は少かつたけれども、八億の線を割ることはどうしても押えなければならぬので、水産庁の方面とも連絡をして、絶対に確保するということであつた。なお八億の線は絶対確保する。そのほかに失業対策費の方のわくから幾らかもらうというような方法を、これは当然やらなければならぬと私は思うが、その点についてどのようなお考えを持つておるか伺いたい。
  38. 林眞治

    ○林説明員 夏堀委員お話通り予算そのものは非常に少額でございます。これはわれわれとしても、当初計画いたしましたものから見ますれば、相当圧縮を受けておりますし、今日に至りますまで、われわれもできるだけの努力をいたしまして、またいろいろな方面から特別に御支援もいただきまして、ようやくにして八億の程度なつたわけであります。かりに八億という線になるとして、これをもつてやり得まする事業も、われわれが初めに計画いたしました二十五年度の事業から見ますれば、相当小さいものになります。従いまして失業対策の問題とも関連を持つて来るわけであります。これは失業対策費としてやるものの條件と申しますか、いろいろな問題はあると思いますが、いずれにしましても、漁港修築の関係におきまして、失業対策費として当然取上げるべきものがただいま相当あると思います。これらにつきまして、いろいろ事務的には交渉いたしております。ただ失業対策費の問題につきましては、まだ予算面上におきましては、内容的にタッチしておりませんが、ただいままでは失業対策費一本として考えられております。聞くところによりますれば、これもある額については、ある関係にひもがついておるのではないかというような話もあるのであります。いずれにしましても全然ないではないようでありますので、この点につきましては、できるだけ失業対策費としましても、われわれの関係も織り込んでもらうように今後十分努力して行きたいと考えております。
  39. 砂間一良

    ○砂間委員 私は、水産庁はどうも予算の点につきまして腰が弱いと思うのです。漁港が漁業の基地であつて、非常に重要だということはあらためて言う必要もないのですが、方々まわつて見ますと、実際漁港はひどく荒れております。たとえば静岡県の燒津あたりは荒浜で、いつからか掛つておりますが、あんな状態ではいつまで経つても完成はしません。ことに近年は台風なんかの被害によつていたんでいるところかたくさんあり、今のようなやり方ではだんだん荒れて行くばかりでありまして、これではとても漁業の発展など期し得ないのであります。こういう点は実情を見まして、一日も早く完成するよう当局としても予算どもつと腰を強く要求していただきたいと思います。  それからさらにこの機会にあわせて希望しておきたいのですが、今の内閣は民主自由党の内閣でありますから、民主自由党の議員諸君が、民自党の党議としてこの方面にもつと力を入れてくださるならば、予算の問題なんか私は簡單に解決すると思います。こういう点民自党の議員諸君、及び民主党の連立派の議員諸君は、党へ持ち帰つて、もつと腰を強く予算の増額や漁港の修築等についてがんばつていただきたいと思います。
  40. 小松勇次

    ○小松委員 この機会にちよつとお尋ねしておきたいと思います。  ただいま来年度予算は八億だというようなお話がありましたが、この八億のうち新規事業にどのくらいまわるのか。八億というのは全然新規事業の予算であるか、今までの継続事業分がどういうぐあいにこれに含まれているか、その内容を承りたいのです。  それから、実際に地方の要望しておられる漁港を完成するのにはどのくらいの予算を要するのか、そういう点も伺いたい。  それから漁港に対しまして、往々に運輸省と水産庁といろいろの関係がありまして、ある漁港は水産庁が仕事をし、あるものに対しては運輸省かこれを扱つておるというような現実の問題があるのであります。しかもまたこれらの漁港に対する補助率が、水産庁と運輸省と相違しており、非常に地方の人は惑わされておるのであります。こういう点に対して、水産庁は今までどういうような手を打つて来たか、今後どういうぐあいにして行くお考えであるか伺いたい。  それから災害に対してであります。災害の復旧に対しては、水産庁においても非常にお骨折りくだすつておるようでありますが、今まで災害が非常に多くなつて来たというのは、やはり工事が、中途半端で、完成しておらなかつた際に、荒波を受けて一層その災害の程度増したというような実例が多いのであります。今回の災害の復旧に対しましては、なるべく一年間にこれを完成するというような御方針で進んでいただきたいということを私は希望するのであります。同時にまた水産の発展を期するためには、今までの船だまりであり、あるいは漁港であつても、災害によつてこれが壊滅したというような場合には、多少なりともその位置を変更するとか、あるいは模様がえをするというようにして、水産の発展を期する方向に進んで行くことが、私は当然のことだろうと思います。そういう点につきましても、災害復旧であるが上に、昔のままの姿の復旧であつてはならないというかたい御方針で、新しい行き方で今後進んでいただきたいと私は希望するのでありますが、それらに対して、水産庁はどういう御方針であるかその点を伺いたい。
  41. 冨永格五郎

    冨永委員 今小松委員からいろいろ要項にわけて質問がありましたが、私もこれに関連して質問申し上げたいと思います。  今年度の予算で、水産庁におかれまして、請願その他の関係もあり、また北海道方面からの予定計画もあつたりして、それらを取上げて、一応国費をもつて漁港の新築、修築をすることにしてやつたのが、その後の予算関係で大きく削られたために、それらが結局着手することができなくなつた結果、地方的なことを申し上げるようですが、北海道庁としては、これを地方費と受益者負担で今年、工事をいたしたことが相当数あるわけであります。これらは結局数千万円の経費のいるところへ、数百万円程度の仕事をしたわけでありますが、これは国費をもつて着手しておりません関係から見て、先ほどのいわゆる新規事業は、特別な事情がない限りいかぬという点に触れて、本年もやはり国費をもつて考えられない状態になるのか、あるいは少くもこれらを継続事業としてお取上げになつて、国費で考えてくださるのかどうか。御承知通り、釈迦に説法のようなことを申し上げるようですが、海のことである限りにおいて、必要な工事の一割ぐらいをして、それが本年継続できないようなことであり、また来年継続できないようなことであれば、ほとんどしなかつたと同じであるというように、何もならなくなるという危険を伴うのでありますが、これらを国費をもつて、継続事業としてお考えになられるのか、あるいはこれらは新規だ。地方でやつたのはかつてだ。こういうふうにお考えになるのか。そ点について伺いたいと思います。意見を申し上げるようですが、これは当然継続事業としてお取上げを願えるべきものであり、また予算獲得の技術の面からいつても、新しい予算を組む場合には、やはり相当こうした面も取上げ、かたがた来年必ず継続事業として織り込めるという見通しのものは、一応地方に指示して、それらのものの着手をまずさせておくようにして行くことでなければ、いつの時代になつてもなかなか漁港、船入澗の新築、條築というものは、実現困難になるのではないか。こうした面に対する予算獲得の技術上の問題になりますが、これも小松委員質問に関連して、あわせて御答弁願いたいと思います。
  42. 林眞治

    ○林説明員 まず小松委員の御質問に対しましてお答え申し上げたいと思います。八億の問題は、先ほど申し上げたように、これはまだ実際問題としては決定しておるわけではございませんので、仮にということになるわけでございますが、大体漁港の修築費の予算をいかに使うかということは、これはいろいろの考え方がございます。ただいまの新規事業云々という問題は別にいたしましても、いろいろな効果の点その他から考えまするならば、実質的な継続事業というものを早く完成して、有効に使うことも当然必要になつて来ると思います。これは富永さんの御指摘になつたようにも考えるのであります。そこで八億の問題につきましては、これは当然大部分は継続費に―ということはございませんが、とにかく継続的に工事をやつておりまする漁港にまわすようになつて来ると思います。新規に幾らやるかという問題につきましては、これはまだ決定はいたしておりません。一応経済安定本部におきまして考えておりまする数字は、十五港程度になつております。この問題につきましては、まだ予算わくそのものが決定を見ませんので、内容までははつきりきまつておりませんが、ただいままでのところ、安定本部としては一応そういう案を持つております。  それから補助率の問題がございましたが、補助率は小松さんの御指摘になりました修築工事については、差はございません。災害関係についてはございまするが、修築におきましては同率になつております。いろいろ所管の問題についても御質問があつたと思いますが、その内容につきましては、大体漁港として修築すべきものは水産庁でやつておりまして、運輸省関係でやつておりまするものについても、当然これは港というものから考えまして、漁船の出入、あるいは漁獲の陸揚げ、その他の関係が全然ないということはございませんので、そういつた性格の入つて来るものもありまするが、その他の一般の商港的性格の比較的多いものを大体取上げております。あるいは一般の船の避難上必要だというものは、大体運輸省において補助を出して施行いたしております。漁港的性格の補助は水産庁において補助を出してやつております。こういうことの協定と申しますか、方針でやつておるわけであります。個々の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、一つの港を画然とするということはなかなかむずかしい問題もあります。実質上、早く御希望を実現するために、いろいろな――多少外見から見まして、どつちかというような問題も出て来るかもしれませんが、そういう点については、小松さんもいろいろ御存じだろうと思います。  それから災害の問題につきましては、これは緊急な問題だから、一年計画でとにかくやり上げたらどうか。これはごもつともなお話でございまして、われわれも水産庁として計画します場合には、そういうことで計画をして、要求はしてあります。おりまするが、全体の災害復旧の問題につきまして、二箇年ないし三箇年、あるいは四箇年というふうに、予算の都合上引いて来たわけです。現に来年度、二十五年度予算につきましても、われわれの方は、水産関係におきましては、今までの実績か比較的進んでおるわけであります。二十五年度におきまして、過去のいわゆる過年度災害につきましては、大体全部完了したいということで考えておりましたのですが、他の方面におきましては二十五年度の予算を用いまして――全体の過年度災害の復旧のはつきりした数字は知りませんが、約半分くらいしか進捗しないというような方面もあるように聞いております。そういつた関係からして、経済安定本部で全体の計画をいたします場合にも、われわれの方については相当計画を延期するように要請しております。これは災害費全体の問題になるわけであります。できる限り早期に解決したい、復旧したいということは、常に私ども考えておりまして、予算のわくの問題とも関連して参りますが、ぜひ御指摘のような点に近づけて参りたいと考えております。それから補助率は、災害につきましては前々からいろいろ御相談もし、また問題となつておりますので、御存じと思いますけれども、現在のところ差があるわけです。これはただいま問題になつております災害復旧に関する全額国費負担という問題が出て参りましたのに関連して、これからいろいろ問題が起つて来る。その点につきましては的確な案はできてないようでありまするが、いわゆる災害土木費補助に関しまする古い法律があるのでありますが、その関係から除外されておりまして、農林省関係のものは補助率が一般に惡いのです。これをこの機会に、せひ私どもとしては是正するように努力したいと思うのであります。この点につきましては、特に常任委員会の方々にも、今後よろしく御支援をお願いしたいと思います。  それから位置変更のような問題があつたのですが、これは原則として当然そういうことになると思います。ただ特別の場合には、当然考えなければならぬことがありまするが、その場合にもやはりいろいろな内容的條件がございます。水産の立場においてこれを必要とするならば、それは考えなくてはならない。ですからこれは個々の問題におきましていろいろ問題があると思います。ほかの面で必要があるにしても、水産的に考えればそうまでないという場合には、これはひとつ個々の問題として考えたい。  それから地方の要望の問題でございますが、これは相当厖大な数字に相なつておるわけであります。しかし私どもとして考えます場合には、一箇年間の工事施行能力という問題もありまするし、またいろいろ予算上の実質上の問題もありますので、そのままはちよつとどうかと思います。二十五年におきまするわれわれが実行したいとして考えましたものによりますれば、大体二十七億くらいはとつたわけです。その後だんだん予算の全体の問題がかようなことになつて来ましたので、その場合におきましても、私ども最低の線として考えておりますものは、約十二億―これは災害復旧はもちろん除いて改良費の問題でございます。災害は別に、これは受けただけは当然返さなければならない問題でございますから、一箇年でやるとすれば少くとも十七、八億の金が要るということになります。ただいま申し上げましたように、現在におきましては、私どもとしては十二億という線は最低だと考えております。改良費につきましては、もちろん予算が許しますならば、工事施行能力その他から考えまして二十七億というものは当然やりたいと考えております。  それから冨永委員の御指摘になりました次年度、つまり来年くらいにやるものは、何か援助を与えてやつたらどうかというようなことがあつたと思いますが、これは御承知のように、ただいま全部予算措置が單年度予算になつております。以前は継続費つまり予算外契約を締結しまして、継続費の予算にしておりましたので違つておりましたが、ただいま全部單年度という関係になつております関係上、来年に予想されるものを今年度において何か約束するということはちよつと困難だろうと考えられます。それから私ちよつと了解の仕方が違つておるかもしれませんが、道費でもつてつているものを、次の年には国費を出してやつて継続事業としてやつたらどうか、こういうようなお話ではなかつたかと思いますが、これは道費補助をもつてつておられますものは、比較的小規模な計画でやつておられるのが多い。それで特に北海道におきましては、ただいまのところ開発を要すべき問題が非常に多いのであります。従つて比較的小規模で道費補助をもつて始められているものは、それを継続させて、そういう問題をわれわれとしては解決して参つた方がよいのではないかと考えております。
  43. 小松勇次

    ○小松委員 よく了承しましたが、この際委員長を通じて特にお骨折りを願いたいことは、この災害復旧の補助率の問題であります。災害復旧に対して、全額国庫負担で工事を施行していただくならばけつこうでありますけれども、それは今日の場合ちよつと困難なように承つております。さすればこの補助率に対しましては、今御説明もあつたごとく、農林省関係の工事に対して補助率が他の関係省との問に相違がある。ことにこの漁港のごときに対しましては、運輸省では七割の補助をする。水産庁は五割ないし六割の補助であるというような非常な相違があります。こういう点は、この際委員会においてこれを是正するような方向に持つて行かねばならぬと、私は考えておるのであります。どうかひとつ委員長もこの点についてお骨折り願いたいと思います。その他いろいろ個々の問題もありましたが、それはまた別に席をあらためてお尋ねすることにいたします。
  44. 川村善八郎

    川村委員 私はただ一点お伺いします。本年度予算の操作と漁港の工事の完璧を期する上におきまして、新設というものと継続というものを見解をあらためたらどうか、特に継続事業という問題に対しては、私はかような意見を持つておるのであります。漁港を一つ修築するには、第一次計画は何箇年でやるとかいうようなことは、おのずから計画は立ちます。しかし漁港は将来において、これはかようにしなければならぬというおのずから第二次の計画が立つものと思いますがその問は諸種の事情で中が途切れる場合があると考えております。中が切れた場合――いわゆる工事の第一次計画が終了して、第二次計画の場合に中が期間的に途切れた場合は、私はこれは継続事業であるという見解を持つておるのであります。それから新設というのは、何もないところに新築するというほんとうに新しいものであつて、あるところに防波堤を出すとか、あるいはそれをいささか拡充するといつたようなものは、私は継続の漁港として取扱うべきであるということを考えるのであります。現在の国家の財政からいつても、新規事業はできうるだけ圧縮せよという建前でやつているのでありますから、新規を一箇年に五十も六十も要求しても、わずかに十か十五くらいしか認めないとなりますと、百年経つても漁港の完成を見ることができません。従つていわゆる新規でなく、拡充しなければならぬ、また漁港はできたけれども、どうも口のつけぐあいが惡かつたために、一本の防波堤を出さなければならぬということは、継続事業として見て行くことにしまして、新規でないという見解に改めれば、相当大幅な継続事業というものができて来るのではないかと思いますが、この点を、もしどこまでも今までのようなお考えで、新たなもの、つまりあるものに新たな防波堤を一本出す場合も、新規であるというような御見解であるかどうか、もしそういうことでありましたならば、これは改めた方がよいのではないかという意見を持つておりますので、一応漁港課長の御見解を質したいと思います。
  45. 林眞治

    ○林説明員 ただいまの川村委員お話は、まことにわれわれも同感でございます。ただ港というものは、御承知のように港に完成なしという言葉がございます。また港は生き物であるとも言われております。従つて当然修築工事につきましては、相当の年月をもつて継続的にやるべきものである。実質的にはただいまでもさようになつております。そこで予算面上いわゆる新規と言つているのは、現在のところではそういう意味ではないのであります。先ほども申し上げましたように、ただいまのところ予算は全部單年度予算ということになつております。戰前においては、いわゆる予算外契約をもつて継続して施行して来ておりました。従つてその点は、われわれ事業をする者の立場から言えば、非常にやりよかつたが、ただいまは全部單年度予算になつております。いわゆる新規とか既定とかいう問題になると、前年度予算の数ということがはつきりしております。そのうちたとえば竣工したものがありますれば、それだけ差引いたものが実質的な事業の継続であつて予算はやはり新予算になるわけであります。そこでそれがはつきりしております関係上、その手から新たに手をつけて参りたいというものは、いわゆる新規事業というふうになるわけであります。内容は、考え方によりますと当然継続になるわけであります。予算の内容的な説明においては、われわれとしても当然純な新設という問題と事業内容における継続的な問題、あるいは拡張の問題、改良の問題、あるいは修理の問題もあります。そういう問題とは区別して説明し、考えてはおりまするが、予算面上におきましては、あくまで單年度予算という建前上、やむを得ない現状になつておるわけであります。これは予算技術の点になつて来ると思いますが、御指摘の点もくみまして今後できる、だけ努力して行きたいと思つております。
  46. 永田節

    ○永田委員 先ほどの林さんの御説明の中に、私の聞き違いかもしれませんか、漁港八億の場合、安定本部の案として新規に十五港ということを伺つたのでありますが、ほんとうですか。
  47. 林眞治

    ○林説明員 大体今の案はそういうふうになつております。
  48. 永田節

    ○永田委員 十五港の安本案というものがもし示されているとしたならば、その順位がおわかりでしたならば、御発表願いたいと思います。
  49. 林眞治

    ○林説明員 十五港ということは、大体予算上の経済安定本部の一応の案でございまして、新規につきまして数を幾らにするか、ないしはこれに対する金をどの程度見るかは、今後なお交渉の余地があると考えます。またわれわれもぜひ交渉したいと思う点もあるわけであります。これは今年、つまり二十四年をもつて竣工するものが大体三十港現実にあるわけであります。それで経済安定本部におきましても、新規事業を抑制するというような観点から、その半数程度を特に認めて行こうということで、大体の数字が出ているわけであります。内容はまだはつきりはしておりませんか、先ほど申しましたような希望をもつて、今後もわれわれは多少の交渉はしたいと考えております。
  50. 永田節

    ○永田委員 私は動議を提出したいと思います。先ほども小松委員から御質問がありましたように、他の省の予算の獲得の面と、水産庁――特に漁港の予算のパーセンテージにおいては、非常に差額が多い。仄聞するところによりますと、関係筋の方では、それは大蔵省の方で削つたからやつたのだと言う。大蔵省の方に聞けば、それは関係方面で削つたのだと言うということも聞いておりますので、本委員会に大蔵大臣、安本長官、農林大臣の一応の御出席を願つてとつくりとひとつ研究をしてみたいと思います。
  51. 石原圓吉

    石原委員長 了承しました。さような手配をいたしてみます。  漁港関係はこの程度にとどめたいと思いますが、その前に一言私よりも発言をしたいのであります。漁港の修築につきましては、新規のものをできるだけ多数につくらねばいかぬという説と、これまで継続事業になつているものを完成してしまわないといかぬという説と、両方あるようであります。これは日本全国の漁港を勘案し、施設するところの水産庁の漁港課において信念のあるところの方針がなければならぬと思うのであります。かりに予算がよけいとれるから、間口だけ広げて、要求だけどんどん手をつけて行く。手をつけたものは何年経つても完成できぬをいうことになれば、完成できるまでは中途半端な漁港は利用ができない。そのための損害は私は重大なものであると思うのであります。であるから、漁港を修築するならば、着手するときに、何年目には完成する、必ず完成せしめるという一つの根拠を定めた計画でなければならぬと思うのであります。そうでなければ、着手ばかりしていつ完成するかわからぬ、中途半端なものが全国的にできたら、一体どうするのか、こういう点につきまして、漁港課長はどういう御方針を持つておるのか、これを承つておきたいのであります。
  52. 林眞治

    ○林説明員 ただいまの委員長からのお話にお答えを申し上げたいと思います。新規と継続、つまり工事中のものを早く仕上げるという問題と、新しく着手して行くという問題は、当然一定予算の限度におきましてはかち合つて来る問題なのであります。そこでわれわれとして、純技術的見地から考えますならば、当然これは、工事を現在やつておりまするものを重点的に考えまして、早く完成させる、その効果を現わすということが最も大切なことだと思います。従つてまたその方針によりまして、実施もいたして来ております。もちろんこれは予算のわくによるわけであります。それと、御承知通りに、国の分担いたしまする額以外に、都道府県ないしはいわゆる地元と称しておりまする市町村漁業協同組合、そういつた関係負担という問題もございます。従つて一年間の工事費というものか、工事能力あるいは負担の点等から、大体港についてきまつて来ると思います。その限度におきましては、なるべくその額を減額しないようにやつて参りたい。原則としまして、それをはみ出したような予算を獲得いたしまして、これをもつて新しく着手して行くようなものに振り向けて参りたい、こういう方針で考えたいと思つております。
  53. 石原圓吉

    石原委員長 まだその点は不徹底でありますけれども、この際私は希望を述べておきます。もし継続事業でやりつつある漁港が、地元負担その他の関係において、予定の通りに進行しない場合は、ある期間をつけて、あとは打切るというくらいの毅然たる方針が、水産庁においてはなければいかぬと思うのであります。そうして必ず予定の通りに、不可抗力でない限りは、完成するものはさせて行く。完成して初めて漁港の機能を発揮するのであつて、完成しなかつたならば、そのものはただ投資しただけであつて、何ら川をなさない。そのようなものが全国的に多数にできたならば、私は生産の阻害だと思う。それであるからまして、そこには断固たる方針をもつて、もし継続事業であつても、地元負担をしない場合は、ある予告を与えて、打切つてしまう。そうして完成するものは予定通り完成せしめて、新規と継続との並行を、確実に合理的にやることを特に私は希望いたしておきます。
  54. 砂間一良

    ○砂間委員 私は瀬戸内海派遣委員の人選を選考し直していただきたいという動議を提出したいと思います。きようの運営委員会におきましても、実は委員の構成が、六名のうちで五名が民主自由党の委員であつて、民主党から一人というふうな構成になつているという点で、たいへんもめたらしいのでありますが、実は先日の水産常任委員会の開かれる前にも、私はぜひその人選に入れでもらいたいということを、委員長に申出てあつたのであります。その当日も、会議の開かれる前に委員会室へ参つたのでありますが、何かその日には民主自由党の方々が、首相官邸でお晝の招待を受けるか何かの問題がありまして、二時からでなければ会議か開かれないという都合を、專門委員の方が言つておりましたので、それで一時間ばかり遅れて行つたのですが、遅れて行つてみると、理事会も開いて、委員会でも正式に決定していたというようなことになつていまして何だかペテンにかけられたような気持がしておるのであります。ともかく、その間の事情は別といたしましても、派遣委員の人選があまりに一党に片寄つておる。六名の委員のうち五名も民主自由党で占めておるというような人選の仕方は、はなはだ公平でない。この点につきまして、きようのこの会議で人選をし直していただきたい。それは、きようの運営委員会の方でも、そういうふうな強い要望があつたようでありますので、その動議を提出いたします。
  55. 石原圓吉

    石原委員長 はなはだどうも委員長は、砂間君の御発言に対して不可解であります。何か委員長初め委員会がペテンにかけたというようなお言葉がありましたが、この問題は公報で一定会議の時刻を予告して、そうしてその集まつて来たときにきめたのであつて、そのきめるまでに御出席がなくしてあとからさようなことを申されるということは、はなはだ不都合であります。さような御希望があるならば、予定の時間通りに御出席になつて、そのときにおきめになるなり、御相談に乘つていただいたらよかつたと思うのであります。この問題は再議に付するわけには行きません。(「そんなことはない、いない人でも選考している」と呼ぶ者あり)希望者が六人きまつた中で、やめる人があれば、それは補充しなければならぬ。  ちよつと御報告いたします。去る四日議長に申請いたしました委員派遣に関する件は、ただいま御承認になりましたので、念のために御報告をいたします。  なお、お諮りいたします。本日の主題は水産金融の問題であります。これは一昨日より大蔵省に対して、銀行局長、主計局長等の出席を求めておいたのでありまして、出席するという回答はありましたが、いまだ出席をしないのであります。これは、いわゆる大蔵省が水産問題に対して理解のないことを表明するもものであります。ゆえに、これに対しては相当の態度をきめて、そうして大蔵当局に対して折衝の必要があると思うのであります。本日は安本の財政金融局の方、並びに水産庁の漁政課長等もお見えになつておりまするけれども、ただいま申し上げるような理由でありまするから、本日は午後本会議もありまするし、この程度でとどめたいと思ます。  これをもつて散会いたします。     午後零時四十九分散会