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1949-11-24 第6回国会 衆議院 図書館運営委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十四日(木曜日)     午前十一時四十五分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 水谷  昇君       千賀 康治君    圓谷 光衞君       受田 新吉君    北村徳太郎委員外出席者         国立国会図書館         長       金森徳次郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国立国会図書館運営に関する件     —————————————
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 これより会議を開きます。  図書館運営に関する件について質疑を続行いたします。千賀委員
  3. 千賀康治

    千賀委員 図書館運営に関しまして参議院衆議院、また図書館の当局と衆議院との間に、相当に摩擦が引続いてあつたということは前から承つております。それを正確に私が認識しておるかどうか、これはわかりませんが、その一端は私もよく伺つてつたのであります。館長の御説明を聞いておりますと、館長認識に大きな錯誤があるから、それで過去におけるいろいろなトラブルが持ち上つて来たのじやないかとさえ思われます。というのは副館長の問題でありますが、現在の副館長は、衆議院におきましては以前役員が制定されるころに、大体各派反対意見を持つてつたと聞いております。ところが当時参議院におきましては、強力のその副館長を推薦せられた。その結果といたしましては、現在の館長である金森さんの英断によつて参議院側意見が採用せられ、衆議院側意見は、各派意見であつたのにかかわらず、これが敗北に帰したということであります。爾来この問題はいかにも台風一過の形であるように外見は見えましても、当時これには一切かかわり合つておらなかつたどもでさえも、時折耳に入る通りに、地下燃焼は依然として絶えることはありません。参議院意見衆議院意見とが対立しては自分がやりにくいから、できれば衆参両院委員会は、一致して一本の意見を出してくれたらやりいいのだがという、館長の述懐があつたのでございますが、これは聰明な金森さんとして認識が遣うのじやないかと思います。あくまで衆議院先議権があり、また参議院がこれに同調せざるときは、適法の決議のやり直しによつて参議院反対決議もこれを無視して法律化することができるという建前になつております。もちろんかようなことは知つておるのだとおつしやると思いますけれども両院委員会が別々に対立をいたして意見を出しましても、やはり軽重の差はこの比率をもつて常に取扱われなければなりません。またこの比率をもつて取扱うという決心さえあれば、両院決議対立をいたしましても、一切ここには御迷惑はないはずであります。かような点について常に等分にお考えになる、これが過去においていろいろなトラブルが持ち上り、それが現在までもまだ燃焼を続けておるという原因になるようにも思います。この点につきまして館長はあくまでも対等の取扱い、等分のウエイトによつて取扱つて行こうという御意思であるのか、やはり私が申し上げたように、根本的な衆参両院の任務及び目方によつてお取扱いになつて行こうとするのか、この点どうお考えになるか。ことに館長はわが憲法の草案をつくりますのには中心中の中心、重要中の最重要の位置におつてやられた方であります。このお方の憲法運用に対する意見と、現実にその渦中に入つてつておるわれわれの意見とが、ここで相違するということでありましては、非常にゆゆしい問題であると思います。これはわれわれの考えが非か、是か、御高説を得ることができればなおさらけつこうだと私は思います。
  4. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 ただいま仰せになりました両院の御意見の相抵触する場合にどうなるかということは、もとより憲法国会法に定まつておるところでありまして、それに従つて最後の法律的な解決がつくということには、一点の疑いがないと信じております。しかしそれは法律的の場合にそうでございますけれども、実際に法律的なところまで行かないいろいろな場合は、その間にいろいろ実状に従つて、ほどよくといいますか、でき得る限りすベての御希望を調和さして行くということも考えることが、正当だろうと思つておりまして、私どもはその線に沿つて、いつも法律的なところまで持つて行かないで、その前のところで、なるべくほどよくやつておるということで、考えておつたのでありますが、その考え方の実行面において、まずいところがあつたかもしれませんので、いろいろの御批判を受けておりますが、ただいまお示しになりました問題は、それだけの問題よりももう少し込み入つだ事情を持つておりまして、私今日その前後のいきさつを、こういう公の場所において事こまかに申し上げるだけの覚悟を、今のとこ持つていない。というのは、多少それが不適当な場面を持ち出すかもしれないと考えておるからでありますが、実際は当時私のとりましたような方法でなかつたならば、外国との間の、非常に大きな精神的のもつれも生じたのではなかろうか、こういうふうに考えておつたのであります。そして他の反面から申しますと、私のとりましたような方法をとつて行つても、実質の上に支障を生ずることはないとその当時考えておりました。これは御批判の問題になりますが……だから、この道をとりますことによつて、実質的にははつきりした支障はない。そして外国との関係、そのほか両院相互の間のいろいろなめんどうな関係も、無事に行くのではなかろうかというような総合的な見地から、私は自分の方針をきめたわけであります。今日といたしましても、やはりその当時に立ち返つて考えてみまして、これよりほかにおそらくはとるべき方法はなかつたと、みずから考えておる次第であります。
  5. 千賀康治

    千賀委員 当時私の先輩である中村嘉壽氏が、図書館運営委員長であつたのでございますが、私も中村君からはいろいろその心境について伺つておりました。当時私はこうした今の地位のように、館長意見をどこまででも聞き得る地位でなかつたので、いわば中村氏の片口を聞いておつたという程度でありますから、はたして中村氏の考えがよかつたか悪かつたかということは、ここではつきりいたしませんけれども片口を聞くだけで、私の感情がいろいろ起つたところからいえば、相当に私は憤慨もしておつたのでございます。中村氏の——死んだ人ではないのですが、骨を拾うという意味からいいましても、私は図書館委員に偶然にも党から推薦をせられたことを、一つの興味くしきえにしというようなものを私は考えながら、大いに興味をもつていそしましていただけるわけでございます。あまりこの人事に関することは、速記もついておるところで、この上申し上げたくないと思いますけれども、私の過去においていろいろ植えつけられた考え、過去においてこの問題について、片口——横口かもしれませんが、私として定まつたアイデアが正しいか、間違つておるか、これをあくまで私は自己検討をする機会を得たいと思います。願わくば別の機会でもいいのでありますから、十二分にこの点を検討する機会を与えていただきたいと思います。私はこれで発言を終ります。
  6. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  7. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 では速記を始めて下さい。  この際お諮りいたします。今般両院専門員の格付けが定まつて参たようで、さうしますと図書館の方の専門調査員も、従来の待遇及び資格から申しまして、当然之と同等に扱われるベきであると思いますので、その旨給与実施本部の方へ申し入れたいと思いますが、如何でしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それでは本案は委員長におまかせ願うことといたしましてさよう取はからいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十五分散会