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1949-12-03 第6回国会 衆議院 人事委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月三日(土曜日)     午前十一時四十五分開議  出席委員    委員長 星島 二郎君    理事 小平 久雄君 理事 玉置  實君    理事 藤枝 泉介君 理事 吉武 惠市君    理事 中曽根康弘君 理事 加藤  充君    理事 木村 俊夫君       岡西 明貞君    高橋 權六君       柳津 義男君    松澤 兼人君       土橋 一吉君  出席政府委員         (法制局長)         人事院事務官  岡部 史郎君         (給與局長)         人事院事務官  瀧本 忠男君  委員外出席者         議     員 菊池 義郎君         議     員 江崎 一治君         議     員 中原 健次君         大蔵事務官   小嶋 一郎君         建設事務官   大津留 温君         專  門  員 安倍 三郎君         專  門  員 中御門經民君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請願  一 妻木町の地域給引上げに関する請願加藤    鐐造君紹介)(第四八号)  二 特殊勤務手当支給に関する請願赤松勇君    紹介)(第六一号)  三 同(加藤充紹介)(第九八号)  四 国家公務員政治的行為に関する規則撤回    の請願加藤充紹介)(第三三六号)  五 生郷村の勤務地手当地域給乙地域に引上    げの請願佐々木盛雄紹介)(第六七五    号)  六 政令第二百六十四号の一部改正に関する請    願(河田賢治君外二名紹介)(第七一〇    号)  七 同(中原健次郎紹介)(第七二一号)  八 伊豆七島の勤務地手当地域給特地域に引    上げの請願菊池義郎紹介)(第九二一    号)  九 人事院に訴願中のかく首者生活保障に関    する請願加藤充紹介)(第一〇一九    号) 一〇 公務員給與に関する請願加藤充紹介)    (第一〇二三号) 一一 人事院規則の一部改正に関する請願江崎    一治君外三名紹介)(第一〇九四号) 一二 年末補給金支給に関する請願江崎一治君    外三名紹介)(第一〇九五号) 一三 公務員給與改訂に関する請願江崎一治    君外五名紹介)(第一〇九六号) 一四 寒冷地積雪地給及び石炭手当支給促進に    関する請願江崎一治君外五名紹介)(第    一〇九七号) 一五 公務員給與改訂に関する請願加藤充君    紹介)(第一〇九九号) 一六 寒冷地手当支給促進に関する請願松澤兼    人君外五名紹介)(第一一〇〇号) 一七 政令第二百六十四号の一部改正に関する請    願(小川平二紹介)(第一一二三号) 一八 同(井出一太郎紹介)(第一一二四号) 一九 同(田万廣文君外一名紹介)(第一一二五    号) 二〇 超過勤務手当完全支給に関する請願伊藤    憲一君外一名紹介)(第一一六五号) 二一 国家公務員交通費支給請願伊藤憲一    君外二名紹介)(第一一六六号) 二二 職員団体の取扱に対する人事院の処置に関    する請願外二件(加藤充君外四名紹介)(    第一一八六号) 二三 公務員組合組合員資格に関する請願外二    件(江崎一治君外二名紹介)(第一一八七    号) 二四 公務員給與改訂に関する請願伊藤憲一    君外二名紹介)(第一一八九号) 二五 寒冷地給石炭手当支給に関する請願(岡    田春夫君外二名紹介)(第一一九〇号)   陳情書  一 大阪府における勤務地手当地域差改正の    陳情書(第一    四〇号)     ―――――――――――――
  2. 星島二郎

    ○星島委員長 これより人事委員会を開会いたします。  この際土橋君より発言を求められておりますから、これをお許しいたします。土橋君。
  3. 土橋一吉

    土橋委員 一昨日の本委員会におきましても、給與ース改訂に関する決議案、並びに人事院給與ース改訂勧告に関する決議案が、審議されたのでありますが、これは前者の方におきましては先月二十四日に付託され、後者の方は三十日の日に本委員会付託せられまして、昨日は委員長お話にもありまするように、民主自由党の方においては、午後の代議士会において意見をまとめていただきたい、このような御発言があつたのでありますが、本日をもつて第六臨時国会が終了するのでありまするから、私はとりあえず本決議案については緊急動議を提出いたしまして御採択願つた上で、さらに討論等をかわしたい、このように主張したのでありますが、昨日の委員会におきましては一応緊急動議採択が否決になりましたので、本日はあらためて私は両決議案が本委員会の満場の皆さんの御賛成を得まして、これが本日の本会議に上程せられて、国会決議といたしまして、政府給與ース改訂に関する決議がぜひとも行われるように、強く要望しておきたいのであります。  なお聞くところによりますと、人事院は明日人事院としての国家公務員給與に関する勧告を出されるとか聞いているのでありますが、いずれにいたしましても、本委員会におきましては、人事院国家公務員法規定に従いまして、少くとも年に一回、国会及び内閣に勧告せられるのでありますが、そのような他動的なものをまつまでもなく、本委員会現実国家公務員諸君給與が、現段階におきましては、きわめて低いのでありまするので、こういう点を十分勘案いたしまして、また民間給與が、最近におきましては、人事院勧告等をめぐりまして、きわめて低い賃金におかれておるのであります。これは人事院勧告というものが、国家公務員法規定によりまして出るというようなことがてことなりまして、民間のあらゆる労働者につきましては、非常に給與が低いのみならず、最近の吉田政府の政策によりましては、各会社等におきましても、実質賃金の切下げが行われておるのみならず、現実給與が引下げられておるというようなこともあるのであります。また昨日の午後三時ごろであつたかと記憶いたしまするが、公共企業体労働関係におきまする国鉄労働組合の九千七百円給與と、年末賞與に関する紛争について、仲裁案が示されておるのであります。この仲裁案内容を見まするならば、第一、第三、第四項とわかれておりますが、第一項において、仲裁委員会意見として、現実職員が待遇を切下げられておるということを明確に証明されており、第二項においても、総額四十五億円を支給すべきである、こういう内容のことが勧告されているのにかんがみて、本委員会も、人事院勧告まつまでもなく、このような客観情勢にありますので、この決議案については、あらゆる状況を十分勘案の上、本委員会で御採択願うように、切にお願いしたいと思います。趣旨弁明はすでに一昨日行われておるようでありますので、ただちに討論願いまして、昨日委員長が約束されました民主自由党の基本的な態度もお示し願い、十分討論をして、これを満場一致でもつて採択せられるように要望したいと思うのであります。  なお人事院に対する給與ベース改訂勧告に関する決議案につきましても、前者と同様に、私は本委員会におかれまして、各委員の絶大なる御賛成を得まして、本会議においてこれが本院の決議として、政府なりあるいは関係方面に、十分御了承願うような手順になることを非常に希望しておりますので、委員皆さん方にどうか御賛成を願いたい、かように考えておる次第でございます。
  4. 星島二郎

    ○星島委員長 土橋委員にお伺いします。あなたは動議としてお出しになるのですか。
  5. 土橋一吉

    土橋委員 私はただいま動議としては出しておりませんが、きのうの経過にかんがみまして、民主自由党の方では、午後の代議士会等において、態度を御決定に相なつたと私は信じておりますので、一応そういう点について御説明願つて、さらにこれをどうしても本委員会において取上げられないということでありまするならば緊急動議を提出いたし、すみやかに本案に対する討論お願いをし、そうして本委員会がこれを採択するやいなやを御決定願いたい、このように考えておる次第でございます。
  6. 星島二郎

    ○星島委員長 まだ各派からまとまつた意見を聞いておりませんので、今日ただちにこれを取上げて、従来やり来つたように、理事会で円満に議を進めるという運びになつておりませんのは、はなはだ遺憾であります。しかしここで御動議を出されることは自由でありますけれども……。
  7. 土橋一吉

    土橋委員 たしか速記録にもあると存じまするが、昨日の委員長お話によりますると、民主自由党の方では、本日の午後にこの議案については態度決定したいから、もう少し民主自由党態度を待つて、この緊急動議の問題を考慮されたいというようなことであつたのでございます。しかし第六臨時国会も今日をもつて終るのでございますから、昨日委員長仰せになりましたように、民主自由党はもう態度を御決定に相なつておると思うのであります。各派意見といたしましては、給與ベース改訂に関する決議案については、社会党趣旨弁明をされておるのでございますし、また民主党野党派の方におかれましても、昨日は中曽根委員起立して御賛成をされておるのであります。日本共産党におきましても、もちろん全面的にこれを支持し、賛意を表しております。労働者農民党なり他派の方々は、この席上にただいまおられませんが、あとは新政治協議会と、民主自由党だけであると思うのであります。従つてすみやかに各会派態度をお示し願いまして、そうしてこの議案を本委員会において議題に上せまして、十分御討論を盡していただきたい、このように考えておる次第でございます。もし委員長が、今仰せなつたように、各会派態度かまだきまらぬということならば、この案につきましては緊急動議を提出したい、かように考えておる次第でございます。
  8. 星島二郎

    ○星島委員長 民主自由党の方といたしましては、私昨日代議士会役員会に臨むチヤンスを失いまして、まだまとまつておりません。しかしながら、大体委員諸君におまかせしてありますから、委員諸君よりこの問題に対する意見を聽取できぬわけではないのであります。非常にお急ぎならば、そういう扱いをいたしますけれども、できますならばこういう重要な問題は、各派の意向をまとめた上で討論採決いたしたいと思います。
  9. 土橋一吉

    土橋委員 ただいま委員長はまことに遺憾なことを仰せになります。この決議案は十一月の二十四日に本委員会付託なつたもので、時間的に見ましても、ただいまは十二月三日と記憶いたしておりますので、もうすでに十日もけみしておりますような決議案です。しかも特に重要な内容を持つ決議案につきまして、民主自由党の方におかれまして、これに対する結論が出ておらないというようなことは私は了解できません。この決議案運営委員会議題になりましたのは、日にちは明確に承知いたしておりませんが、たしか十二月の二十日ごろであつたと記憶しておるのであります。そういたしますると、もうこの決議案は各委員諸君ボツクスに入つておるはずであります。運営委員会でもいろいろ御討論がありまして、委員会を省略いたしまして、本会議にこれを上程するということであつたのでありますが、民主自由党の方からいろいろのお話もありまして、野党各派におきましては、まことに遺憾な現象ではありましたが、本委員会にこれを付託することにした。こういう経過を持つておるのであります。従いまして、民主自由党の方でも、この給與ベース改訂に関する決議内容は、当然御承知に相なつており、どういうような方法政府を鞭撻するかというようなことにつきましても、十分検討されていることと思います。それが今日に至りましても、本臨時国会が本日をもつて終了する段階に至りましてもなお態度決定されないということは、九十万に近い国家公務員給與に関しまして、民主自由党は徹底的にサボタージュを断行されておる、この問題に対しては十分誠意を示されておらぬと私は言いたいのであります。従いまして、そういうような態度でありまするならば、ただいま申し述べました公共企業体労働関係におきまする、国鉄五十数万に余る労働階級諸君に対するあの仲裁案につきましても、われわれは政府誠意をお開きしたいと思うのでありまするが、現在の段階においては、労働委員会において審議するか、あるいは人事委員会において十分討論をするかというようなことにつきましては、いろいろ議論もございましようが、この問題はすみやかに労働委員会人事委員会その他関係委員会合同審査をいたしまして、この仲裁案についても徹底的に討議する必要があると、われわれは考えておるのであります。今朝来国政調査に関しまして、次の通常国会においてもいろいろ問題をあげようというようなお話も出ておるくらいでありまして、これは職階に関する試験の問題等も入つておりましようが、給與に関する誠意を示すのは、ただいますが最もよい時期だと考えておるのであります。こういう重大な時期におきまして、今委員長お話になりますようなことで日子を遷延し、さらに通常国会に持ち込んでも、なおかつこの問題は十分なる効果を奏しないということでありましては、私は日本一般勤労階級給與の基本的な問題を人事委員会がいかに決議するかということは、勤労者の重大な関心事であるのみならず、現在の勤労階級生活の窮乏は、私が申し上げなくてもあらゆる機会にこれは説明されておるのであります。従いまして、本委員会はこの窮状を察し、特に政府物価政策なり、あるいは来るべき貨物運賃値上げ、あるいは電燈料値上げ、あるいは価格調整費の削減というようなことによりまする物価高騰等を考えまして、当然本委員会が積極的に、人事院勧告あるいはその他の調停案まつまでもなく、この問題を真剣に討議せられることが必要であると思うのであります。もし民主自由党の方におかれまして、この問題についてはきわめて消極的で、その態度を保留するというお考えでありまするならば、私は日本勤労階級の敵はまさに民主自由党のこの態度、この給與ベース引上げについての考え方にあると考え、これについて非常に遺憾の意を表するのみならず、私は将来大問題を招来するものと思うのであります。こういう観点におかれましても、どうか最も賢明な諸君の集つておりまする民主自由党におかれましては、すみかにこの問題について公務員諸君給與をよくすると同時に、公共企業体関係労働者諸君民間一般労働者諸君、あるいは地方公務員諸君のために、この問題を真剣に討議せられて、皆さんの全面的な御賛成の上に、本決議案が本会議に上程せられまして、有終の美を收めるように、私は委員長お願いをしたいと思うのでありますが、委員諸君にもぜひ御賛成くださるよう、お願い申し上げる次第であります。
  10. 星島二郎

    ○星島委員長 御批評は御自由でありますが、先般理事会におきまして、人事院総裁官房長官意見を聞いた上で、そうして各党派に相談しよう、かように話かきまりまして、お諮りをした次第でありますが、そういう関係でまた各派議がまとまつておりませんので、もし皆様がどうしてもただちに決定をしようというならば、皆様の御自由であります。
  11. 加藤充

    加藤(充)委員 今委員長の御説明のところに了解しにくい点があるのであります。詳しくは申しませんが、一昨日提案趣旨弁明が、それぞれ提案者からなされまして、その後に続いて例によつて例のごとくごくあつさりではありまするけれども、増田官房長官やあるいは淺井人事院総裁のそれに対する意見が表白されたのであります。いろいろ質疑を重ねて、もつとはつきりさせる余地は客観的にありますけれども、それは政府側の答弁といたしましては、それで問題の生質上それ以上の追究は無用の沙汰であるという程度にまで、はつきりさせられたことは、各委員とも了承のはずだと思うのであります。従いまして政府側の、ないしは人事院側の見解ははつきりしたのである。問題は本委員会がそれに対してどういう態度をとるか、上程された決議案についてどういう採決をやるかということだけが残つておるのであります。しかも一日の日に上程されましたときに、もうすでに問題の本質は当委員会としては明らかなのでありまして委員長も問題が重大なだけということを言われましたが、重大なということがはつきりしているほど、従来の質疑において明確にされたことであります。しかも委員長はその際にこれは各党意見も、はつきりきめなければならぬということから、一日の採決を見送りまして、きのうやられることだと思つておりましたところ、きのうの午後まで民自党態度はつきりきまらないということで、本日までまた延び延びに相なつたのであります。共同提案の形になつておりまするからして、社会党労農党、そうして私どもの共産党、それらは明白でありまするし、同時にきのうの土橋君の討議に対する採決の形から見まするならば、民主野党派中曽根君の行動によつて民主野党派態度は明白に看取されるのであります。従つて各党派意見がまとまらないというのは、民自党といわゆる連立民主党の二派と、新政治協議会の問題だけでありますが、委員が参加しておりますところでは、この際至急態度はつきりさせなければならないし、繰返しませんけれども、きのうあたり会議を通過いたしました、肥料公団なんかのあの提案ぶり、あれは問題が重大であるということは、客観的な実情から見て言えないのでありますけれども、緊急に押し切つてやみからやみへ上程されて本会議を通過したということもあるし、これは問題が重大であるだけに、会期が今日終るというこのときに、民主党のそういう態度は了解に苦しむところであり、その魂胆は言われなくてもわかつておりまするが、こういうふうなときに、しかも勤労者の歳末を控えて根本的な問題になつておるときに、その委託を受けたところの国会が、民自党中心にしてサボタージュをして、食わず着ずにも年を越せという残忍な態度勤労者中心とした人民に向つて民自党並びに今日態度を表明されない各党派が、取つていると断じてさしつかえないと思うのであります。従いまして、私はこの際問答無用ですから、はつきり態度をきめて、これを採決されんことを強く希望いたします。
  12. 星島二郎

    ○星島委員長 加藤君、それは御動議として言われるのでございますか。これを採決せよという動議ですか。
  13. 加藤充

    加藤(充)委員 議事進行です。ごたごた言つても、委員長説明では今までの経過を客観的に報告されていないから、そういう問答のやりとりをする必要はないから、さつそくそういう応答は切り捨てて、議事を進行されるように希望するわけです。
  14. 星島二郎

    ○星島委員長 ただいまの土橋君及び加藤君の御発言は、当委員会付託となつております決議案二件を議題として討論採決を行いたいとの動議と承りましたので、この動議について採決いたしましよう。ただいまの土橋君及び加藤君の御動議賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  15. 星島二郎

    ○星島委員長 起立少数であります。よつて土橋君の動議は否決されました。     —————————————
  16. 星島二郎

    ○星島委員長 ただいまより本委員会付託となつております請願審査を行います。この際請願審査方法につきましてお諮りいたしますが、本委員会付託されました請願は、本日の請願日程にありまする通り全部で二十五件でありますが、まず請願紹介議員またはその代理者より紹介説明を聽取した後、政府側意見をただし、それについて質疑または御意見があれば承るというような方式で審査を行い、請願についての可否の決定は後刻一括して行いたいと思いますが、この取扱いに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 星島二郎

    ○星島委員長 御異議なしと認めます。  それでは請願審査に移りますが、紹介議員その他の都合によりまして日程の順序を随時変更して審査いたしたいと思いますから、御了承願います。     —————————————
  18. 星島二郎

    ○星島委員長 まず日程第一を議題とし、紹介議員説明を聽取いたします。松津君。
  19. 松澤兼人

    松澤委員 地域手当の問題はなかなかむずかしい問題があることはよく了承しております。ここで請願をしております岐阜妻木町の地域給引上げの問題は、その附近が窯業が盛んで生活費が非常に高いにもかかわらず、約十位以上附近に比べて妻木町が低いというのであります。附近実情妻木町の実情とは何ら本質においてかわらない物価及び生活の水準を持つているから、ぜひとも隣りの下石町と同一な取扱いにしていただきたい。こういうわけであります。岐阜県の地域給連絡協議会では、妻木町の一部を下石町に編入するということで実際上はほとんど解決しているのでありますが、こういう暫定的なやり方では不十分でありますので、今後当然隣村の下石町と同一の取扱い妻木町に與えていただきたいという請願趣旨であります。よろしく御採択あらんことをお願いいたします。
  20. 星島二郎

    ○星島委員長 政府側の御意見を伺います。
  21. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 ただいまの地域給の問題でございまするが、近く給典ベース勧告が行われますので、それに伴つて給與実施法に基きまして、全面的に地域給改訂ということをわれわれの方から御勧告申し上げる予定でございますから、そのときに御審議願いたいと存じます。     —————————————
  22. 星島二郎

    ○星島委員長 それでは次に第八の伊豆七島の勤務地手当地域給特地域引上げ請願議題といたします。紹介議員菊池義郎君。
  23. 菊池義郎

    菊池義郎君 これは前に第五国会委員会に出しまして、御採択願つて通過いたしました請願でございますが、東京都下の七つの島に駐在しておりますところの各官庁職員特地手当がそのままでありまして、これを引上げていたたきたいとの請願でございます。すでに同じ東京都下におきまして、三多摩の方は持地手当引上げられておりますが、島に行つている人たち手当が依然としてそのままになつております。東京都の職員たちはみな特地手当がございますが、この七島の人たちにはない。そういう不合理があります。三多摩にあつて島だけにないというふうな不合理な点をお含みおき願いたいと思います。島は非常に土地がやせておりまして、百姓が非常に困窮しております。それに航路独占航路でありますので、運賃が非常に高いために東京から参ります食料品その他が暴騰しております。それで向う官庁職員が非常に困つておる次第でありますが、土地がやせておるところにもつて来て、富士火山あたりから尾を引いた列島になつておりますが、今まで飛行場にされまして至るところ砂が地上五寸、一尺くらいずつと引かれまして、耕作地がほとんどなくなつておる。その上南方のサイパン、テニヤン、トラック、ロタ、パラオ、ポナペ、こういうところからの引揚者がずつと入り込んで参りましたために、さらに百姓は困窮しております。そういうところで生活しておりますところの官吏諸君でありまして、向うの特有の恩惠に浴するということは、とうていできないような次第であります。運賃は高いが農産物が少いので、米でも何でも内地からとらなければならぬので、あらゆる方面からして非常に生活が圧迫されておるような次第であります。それらの点をお含み願いまして、どうか一日も早くこの特地手当を給付してくださいますようにお願い申し上げたいと思います。本件はさきの国会委員会採択されたのでありまして、その結果人事院から東京都に依頼いたしまして、ずつと七島の官吏生活調べが済んでおります。調べに来られた人たちが、異口同者になるほどこれではとうてい生活はできぬということを、はつきり言つておるのでありますから、どうぞよろしく善処なさるようお願い申し上げたいと思います。
  24. 星島二郎

    ○星島委員長 政府の御意見を伺います。
  25. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 ただいまの伊豆七島の問題でございますが、この問題も先ほどの妻木町の地域給引上げと同様に、近く地域給の全般にわたりましての改正を立案いたしておる次第でありますので、いずれ近く御勧告申し上げますからもその際に御審議を願いたいと考えております。
  26. 星島二郎

    ○星島委員長 御質問はありませんか。
  27. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 私は先日から九州を国政調査でまわりまして、いろいろの労組の方、その他の方々に接して聞いておつたことが事実であることを確かめて参つたのであります。特にサンマー・タイムが行われておるのでありますが、これは東京と九州におきましては夜明けが一時間差かあります。ま’た日暮れも一時間くらい差がありまして、九州あたりでこの時間を励行されることになると、出勤する本人たちの苦労というものは、実に筆舌に盡すことのできないほどの苦労があります。また出勤するのに非常に遠路のところを交通機関もなく出て来るためには、非常に早起きをしなければならないのであります。今日寒冷地に対してはお手当もいただくように、われわれは盡力を申し上げたのでございますが、暑地の手当、こういうことは今日言うべきことではないかもしれませんが、こういう方面に対しても考慮すべきではないか。早く起きるということが一日か二日ならばよろしいのでありますけれども、何といつても毎日々々のことであります。非常に心労し、能率上非常に支障を来たしていることが多多あるのであります。まして長距離の通勤者のごときは、電車あるいは列車内における混雑、ラッシュアワーのごときに至つてはいすに寄りかかることもできないで、立ちづくめで数時間を要して出勤しておる。それだけですら労力を費し、出勤して事務に従事するときにはもうほとんど疲れ切つておるのであります。帰りにおいてもまたその通りであります。出勤するところの本人もそうでありますが、家族のものはどうであるかと申しますと、それ以上に早起きをして炊事の準備に労力を費すのでありまして、特にいなかのごときは電燈などが非常にきゆうくつでありまして、一群大切な炊事時間に停電されて困難を来しておるのであります。そのためにろうそくのごときをともしまして、その結果が火事の原因になるというようなことが非常に多いのであります。でありますから、このサンマー・タイムを九州方面だけでも除いていただくようなお考えはないか。もしそれを実行して行かなければならないならば、六月ごろから八月ごろくらいの非常に日の長い時日のみに実行するような方法をしていただきたいという感じを持つておるものであります。皆さんからありがたい御同情のお話がありましたが、あながち賃金べースを上昇せしめるのみが、私は親切でないと思うのであります。賃金ベースどころではない。病気になつた結果、療養費に要する費用は大したものであります。そういう観点から出勤時間についての改良あるいは廃止というようなことに意を用いていただくことができるか。特にアメリカ人ですら東京都内の各所に行くのに夏時間というものはあまりよろしくないようなことを言つておるのであります。そういうところから、私は来るべき勤務時間を改正することについて、当局はどういうお考えを持つておられるか、承りたいと思うものであります。
  28. 星島二郎

    ○星島委員長 高橋君にお諮りいたします。が、サンマー・タイムの問題はよほど大きい問題でありますから別なときにこれを扱つていただきたい。直接この請願関係ありませんから……
  29. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 請願は一部であつて、これはずいぶん大きい問題です。
  30. 星島二郎

    ○星島委員長 何かその御答弁がありますか。
  31. 岡部史郎

    ○岡部(史)政府委員 簡單にお答え申し上げますが、根本は実は夏時刻法の問題だと存じております。この夏時刻法のもとにおきまして、現在職員の勤務時間は四十四時間となつております。四十四時間を各勤務日に割当てることは、それぞれ総理庁令に一般的にはゆだねられておるわけであります。しかしわが国のような南北に長い地域におきましては、日没と日出の時間が地域によりまして非常に違うことも、高橋さんの仰せの通りであります。その間におきまして地方の実情に応じまして、勤務時間の四十四時間は総体においては変更いたしませんが、それを何時から始めて何時に終るかということは、地方の実情に応じて定める余地が残つておるわけであります。現に北海道におきましては、これも九州とは反対の事情があるわけでありますが、そういう事情のために、現在においても勤務時間を朝九時より六時までというように、特に例外を設ける、あるいはその反対に八時から四時半までとするというように例外を設けていることもございますので、そういうようなやりくりによりまして、九州地方の職員のために便宜をはかろうということは、現在の制度のもとにおいても可能でございます。それは考慮の余地があることでございますから、仰せ趣旨に従いまして考慮すべき問題だろうと存じます。
  32. 高橋權六

    ○高橋(權)委員 私は今当局から御答弁くださいましたようなことが、北海道において実現いたしておることであつたならば、私ら兄弟たち九州の人間でもみなお国のためには大いに盡しておるのでありますから、北海道にできることを今まで九州に行わせなかつたということは、当局があまりにも不親切であつたと思うのであります。事実先日の国政調査にはどなたもいらつしやらない。私ただ一人であつたから、党派を論ぜず労組の人は、共産党社会党民主党といろいろな党派に属する労働者の方にお目にかかつたが、私、年寄りであつたためでありましようか、ひとつもやかましくない。土橋さんのような、加藤さんのように、実に熱心に研究なさつた方も、あのじいやが来ておるからという意味からかしらぬけれども、おとなしく談笑裡に接していただいてお話はしましたが、そういう党についてはほんとうに感じたのでありますから、政府当局は、来年のサンマ一・タイムがだんだん近づいて参つておりますから、あとで言つても遅いことになりますから、来年度のサンマー・タイムの実施には実情に適応したようにしていただきたい。また寒冷地手当のことよりも、そういうことを望んでおる方が多いのでありますから、出勤する本人のみならず、家族の者の心労に御同情くだざいまして、一日もその実行の早からんことをお願いして、私の質問は打切つておきます。     —————————————
  33. 星島二郎

    ○星島委員長 この請願の六、七、一七、一八、一九、これは政令第二百六十四号の一部改正に関する請願であります。一括して議題にいたしまして、紹介議員の小原健次君が御出席ですから、簡單に御説明願いたい。
  34. 中原健次

    中原健次君 これは二十五年度のいわゆる総合均衡予算の実施に伴いましてとりはからわれました一つの特別措置でありますが、この政令二百六十四号を内容的に見ますと、一般の退職手当に関する問題であります。これはこの政令の目途といたしておりますいわゆる一つの社会保障の精神にのつとるべきはずのものでございまして、それを目途とした政令であることは申すまでもないのであります。ところでこの政令規定いたしました内容につきまして、必ずしもその目途といたしましたものに沿うていないのではなかろうがと思われる点が数箇所あるわけでありまして、この点についてぜひとも人事委員会委員各位の御誠意をたまわりまして、これが御採択を懇請申し上げたいと思うのであります。むだなことは控えまして、その請願の要旨となるべき改正の要望の数点につきまして、この場合御説明を申し上げておきたいと思うのであります。  まず第一番には本政令の第三條でありますが、第三條はすなわち退職金の取扱いの基礎をきめたものであります。これが十年以上、あるいは十年以下と二つに区別されておるわけでありますが、本来この退職手当なるものは、きわめて少額の手当でございますので、わざわざこれを二つにわけて取扱う必要はないのでなかろうか。むしろこれは一本で御配慮を願いたいということが第一点であります。従いまして第三條の本文につましては、このようなおとりはからいを願いたい。すなわち第三條、「第四條に掲げる事由以外の事由により退職した者に対する退職手当の額はその者の俸給日額一年につき三十日の割合により計算した日数を乗じて得た額とする」、こういうふうに改正していただきたいと思うのであります。  なお第二項、第三項につきましては、恩給あるいは共済組合退職給付を受けましたものに対する取扱いがつけ加えられておるわけでありますが、この両者に対しましては、それぞれ基礎控除と申しますか、いわゆる差引をするということになつておるのでありますが、これも先ほど申しますように、大して大きな退職手当でないのでありますので、恩給あるいは共済組合退職給付を受けましたものに対しまして、そういう差引をするというような扱い方は、せつかくいただきました退職手当がそのために大きな影響を受けるわけでありまして、この点も御理解いただきまして、二項三項はこれを削つてもらいたい。  ことに恩給の場合そうでありますが、共済純分の退職給付に関します場合は、特に高率の掛金をいたしておるわけであります。そういう高率の掛金をいたしておりまして、給付を受けましたときに、その受けました者に対してこの一般退職手当の方が差引を受けるということになりますと、はなはだ迷惑を感ずる点が多いのでありまして、この点はぜひ御理解をいただきたいと思います。  次は第四條でありますが、これもやはり十年以下と十年以上を区別いたしておる点でありますが、とれをこのように改正していただきたい。すなわち第四條一項に「左に掲げる事由により退職した者に対する退職手当の額はその者の俸給日額に前條の規定により計算した日数に勤続一年につき十日の割合で計算した日数を加えた日数を乗じて得た額とする。」こういうふうに改正していただきたい。  それから第六條、これは「第三條及び第四條の俸給日額は職員の退職又は死亡当時における俸給月額の二十五分の一に相当する額とする。(俸給か日額で定められている者はその一日分)」  第四條の第三項の二はこれを削つていただきます。そうして第八條の第一項に改正案を挿入していただきたい。すなわち第八條の第一項を削除いたしまして、そのあとへ挿入する、こうしりことであります。すなわち「退職手当の支給を受けた者については本規定による支給を受けた者については本規定による支給額より過去に於いて受けた支給額に相当する分を控除する。」  それから第十九條はこれを削つていただきたいというのが、本一般退職手当に関する一部改正請願いたしまする内容であります。  何とぞ皆さんの積極的な御指示と御意見を承りまして、この請願趣旨を御採択を願いますはうに、お願いいたします。
  35. 小嶋一郎

    ○小嶋説明員 政令第二百六十四号につきましては、その件名の示します通り昭和二十四年度の退職手当の臨時措置でありますので、これを恒久的な立法化をいたしますために目下準備を進めております。来年度からは法律をもつて制定いたしたいと思つております。従つて今度の通常国会に法律案として提出いたしたいと思つておりますので、その際現在の政令にあります中で、種々改正を要すべき点につきましては、これを改正いたしまして、改正案として出したいと思つております。ただ今お話のありました中で、いろいろ数項目ございましたが、最初の十年以下と十年以上、この二本にわけないで、一本にしたらどうかということにつきましては、退職手当というものは退職後における生活費に充てるという意味のほかに、勤続に対する報償という意味も含まれておりますので、これはこの政令の出る前にありました閣議決定におきましては、五段階にわかれておつたのでありますが、これをこの政令におきまして二段階くらいにしたわけでありまして、先ほど申し上げましたような報償といつたような意味もございますので、全然一本にしてしまうのはどうかと考えております。  それから恩給共済組合の組織をやめるということにつきましては、この政令がポツダム宣言の受諾に伴いまして発する命令によつてつくり、総司令部の覚書に基いてできたのでありまして、覚書におきまして退職時における給與、恩給、共済組合、退職手当その他種々ありますのを総合調整して、一本にしろという内容になつておりますので、この差引をやると言いますか、総合調整をしないということは、ちよつとむずかしいのではないかと思つております。  なお十九條とおつしやいましたが、実は十九條というのはないのでございます。  その他につきましてははく検討をしました上で、今度の改正法律案に盛り込みたいと思つております。
  36. 中原健次

    中原健次君 先ほど私が改正要旨の点について申し上げました第十九條というのは間違いでありまして、第九條に改めていただきたいと思います。  なおただいま御読切かございましたが、この給與の支給の率は、非常に低位なところに置かれておるわけでありまして、少くともこの最低が一年に対して三十日の生活の保障するということは、これは動かすことのできない基準ではないかと考えておるわけであります。従いまして、現行の十年以下に対して一年につき十六日というような低率でありましては、せつかくの保障が意味をなさぬのでありまして、この点はしかるべき考慮をいただきまして、ぜひとも最低線の確保ということをこの場合おとりはからいが願えるように希望いたしておきます。
  37. 中曽根康弘

    中曽根委員 先ほどの松澤さんの質問と関連いたすのでございますが、地域給の問題は全国の公務員が非常に関心を持つておる問題ですが、一体いつごろ本院に対して勧告が発表されるか、十二月何日ころになりますか、お尋ねいたしたい。
  38. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 給與ベース勧告と同時に改めます地域給の地域区分であるとか、あるいは地域区分に対する率というようなものは、同時に勧告いたすのでありますが、しかしながら具体的な地域の割当ということは、数日遅れる見込みであります。  中曽程委員 給與ベース勧告はいつごろになりますか。
  39. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 その点につきましては、総裁が先日数日中ということをお述べになつたのでありますが、さように御承知を願います。     —————————————
  40. 星島二郎

    ○星島委員長 次は日程第一〇、公務員給與に関する請願、文書表第一〇二三号、紹介議員加藤充君。日程第一三、公務員給與改訂に関する請願、文書表第一〇九六号、紹介議員江崎一治君ほか五名。日程第一五、公務員給與改訂に関する請願、文書表第一〇九九号、紹介議員加藤充君。日程第二四、公務員給與改訂に関する請願、文書表第一一八九号。伊藤憲一君ほか二名紹介。以上を一括して議題といたします。紹介議員江崎一治君。
  41. 江崎一治

    江崎一治君 請願者は全逓の山口寛治君でありますが、この請願の要旨は六千三百七円べースは昨年の七月の物価を基準に算出したものでありまして、本年の八月にはすでに物価は二五%上昇しておるのでありますが、このために公務員生活はまさに破綻に瀕しておる状態である。従いまして政府は早急に給與ベース引上げを実行されたいというのであります。この問題につきましては国家公務員の給料が低いために、非常に大きな不正の問題あるいは公金横領というような不祥事件が続出しておるのでありますが、この原因はまさに給與ぺースの低いところにある。政府は至急にこの点につきまして考慮されて、一刻も早く給與べースの引上げを実行されることを希望したいのであります。     —————————————
  42. 星島二郎

    ○星島委員長 日程二、三、特殊勤務手当支給に関する請願議題にいたします。
  43. 松澤兼人

    松澤委員 赤松議員が紹介議員となつておるのでありますが、私かわつて請願趣旨を御説明申し上げます。  この請願趣旨は建設省の職員のうちで、危險作業、防災作業、不健康地作業などの作業に従事している職員は、他のこれと同じような作業に従事している者には特殊勤務手当があるのに、事務取扱いの粗漏から適用を受けておらない結果になりましたので、建設省関係職員にも、他の同じ作業をやつている人々と同じように、特殊勤務手当を支給していただきたい。こういう趣旨であります。具体的に申しますと、たとえば潜水作業でありますとか、あるいは関門トンネルの掘繋作業及び坑内の作業、あるいは一般のトンネルの掘盤及び坑内作業、あるいは高圧電線の取扱い、爆発物、火薬類の取扱い、非常に重量の重い物件を取扱う作業、あるいは地上十メートル以上の高所における作業といつたようなものが、その具体的な例でありますし、そのほかこれに類似する作業があるのであります。さらに防災作業、それからつつが虫の害の多い所における河川の作業及び鉱毒の害のある河川における作業、こういうものが具体的にあげられているのであります。  最初申しました関門トンネルの掘撃作業及びトンネル内の作業などは、国鉄の同じ関門トンネルの中の作業におきましては特殊勤務手当が支給されているのでありますが、同じような性質の作業に従事している建設省の職員には、特殊勤務手当が支給されていない。これなどは明らかに事務取扱いの粗漏から、当然特殊勤務手当を支給しなければならなかつたにかかわらず、それをしなかつたことから起つて来る事実でありまして、官庁の事務取扱いが、その粗漏を認めながら現在に至るまで、これが是正されておらないということははなはだしく不均衡であると考えるのであります。しかも新給與法におきまして、給與の体系というものが比較的合理的にできているにかかわらず、依然としてそれ以前の手続上の不備から脱落してしまつた建設省の危險作業に対して、特殊勤務手当が支拂われておらないということは、まことに人事院としても重大な責任があると思うのでありまして、この点すみやかに是正されまして、他の官庁職員と同じように、特殊勤務手当を支給していただきたいと存ずるのであります。以上が請願趣旨であります。
  44. 星島二郎

    ○星島委員長 政府の御意見を聞きます。大津留建設事務官
  45. 大津留温

    ○大津留説明員 ただいまの請願趣旨には、建設省といたしましてはまつたく賛成でございます。同じような作業に従事しながら建設省の職員だけが、特殊勤務手当を受けないということは、まことに不合理でございまして、一刻もすみやかに支給を受けるように改正しでいただきたいと思つております。そこでその趣旨を本年の三月以来数次にわたりまして、人事院の方にお願いしているのでございます。人事院の方はいろいろな調査、その他御審議中と承つておりますが、その御事情は人事院の方から御説明いただきたいと思つております。
  46. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 ただいまの請願の御趣旨は、まつたくごもつともであるとわれわれは考えております。いろいろ困難な事情があるのでございますが、われわれといたしましては十分今後努力いたしたいと考えます。     —————————————
  47. 星島二郎

    ○星島委員長 日程第一一、人事院規則の一部改正に関する請願、文書表第一〇九四号、日程第一二、年末補給金支給に関する請願、文書表第一〇九五号、日程第一三、公務員給與改訂に関する請願、文書表第一〇九六号、日程第一四、寒冷地積雪地給及び石炭手当支給促進に関する請願、文書表第一〇九七号、日程第二三、公務員組合組合員資格に関する請願外二件、文書表第一一八七号は大体人事院規則の一部改正に関する請願と思いますので、一括して議題にいたします。紹介議員江崎一治君の御説明を願います。
  48. 江崎一治

    江崎一治君 この請願の要旨は人事院規則の一四の二、これは職員団体の登録であります。  それから一四の七、これは政治的行為の禁止、こういうことはまつたく国家公務員の民主的な組織を破壊するということ、それから日本の民主主義を逆行させる、こういうような基本的な人権を無規するような規則でありますために、これをぜひ撤廃してもらいたいというのが、その趣旨であります。  その次は最近人事院がその任務を完全にさぼつておる。そういう点につきまして、国家公務員法第二十八條による給與の増減の勧告についても、人事院はさつぱりその任務を果しておらないということ。この点についてぜひ人事院がこの問題を取上げて、早く政府勧告してもらいたいと思うということも、盛り込んでおるわけであります。この給與べースの改訂勧告につきまして、ことしの八月十三百に共産党国会議員団の名をもちまして、淺井人事院総裁に対しまして、給與ベース改訂に関する申入れをしたのでありますが、そのときに淺井総裁は、これに対して理由があるということで、今にも政府に対して勧告をするというような回答をしたのでありますが、いまだにこれを実行しておらぬのであります。この点につきまして、さつそく人事院総裁政府勧告することを、私からも要望する次第であります。
  49. 岡部史郎

    ○岡部(史)政府委員 ただいま御説明のありました請願趣旨の第一点、すなわち人事院規則、御例示になりました十四の二及び十四の七は、いずれも国家公務員法を実施するために、必要適切な規則と存じておりまするので、人事院といたしましてはこれを撤回する意思はございません。また給與べースの勧告につきましては、たびたびこの席上でも申し上げておりまする通り、すみやかに勧告する予定でございます。御了承いただきたいと思います。
  50. 加藤充

    加藤(充)委員 職員組合の登録の問題なのですが、これは請願の中にもそれぞれ表われておると思うのですが、大体あのような登録についての條件が非常に煩瑣であつて、性急の時機にはやりきれないというようなこともありまするが、はたせるかなことしの十一月十九日に、あの登録許可の要件について、たいへん嚴重な人事院みずからがおきめになつた規則の中に重点を置かれた、條件を具備しない、全逓の労働組合の人たちの登録が、條件付的に許可せられた。その條件を一定の期間内に具備すべき旨の條件をつけて許可されたことを、私も確かめたのですが、そのはからいについてその後どうなつたか、この際お聞きしたいと思います。
  51. 岡部史郎

    ○岡部(史)政府委員 人事院といたしましては、職員団体国家公務員法及び人事院規則に基きまして、適法な手続によりまして、登録を申し出て参ります場合におきましては、これを登録いたすことになつておるわけであります。現在のところ條件付に登録するということは、私ども考えておりません。ただその後の調査の結果によりまして、登録手続に違法な点がございましたら、その登録は停止する。あるいはその登録を取消すというような措置をとることはございます。
  52. 加藤充

    加藤(充)委員 あの点は人事院がみずからきめた一人一票の秘密の記名投票というような問題について、たいへん嚴重な制約を許可の條件につけておりながら、その点についてまさしく條件を具備しないものを許可したのであつて、淺井総裁はこれはたいへんだ。それではこの條件が具備されなければ、取消さなければいけないと言つたのですけれども、その條件を追完すべきところの期間も、それに付せられておらなかつた。まつたくみずからがきめた規則を、自分の認定で左右するというようなことが人事院にあつては、人事院規則をみずから踏みにじることに相なると思うのであります。これはついでだから注意までに申し上げますが、きのうの質疑の中でも、人事院は規則などに出て来る術語の定義をなさる権限はおありになるけれども、いわゆる法律問題、職階制とは何ぞやというような問題については、公務員法の二十九條一項との関係から見て、これは明らかに法律問題であつて人事院の一方的な解釈、一方的な見解で左右されてはたまらないのでありますが、そういう点で人事院は、あのときの話では人事院がおつくりになつておる職階制というものは、アメリカの職階制とも違う。またわれわれの概念とも違う。あるいはまた二十九條の法律的な判断から違うものを、これは職階制だとみずから人事院が御解釈になつて、円木語までかつてにおつくりになるような危險を、あの答弁の中から私は感じたのであります。これ以上責めませんが、人事院の規則を自分のためにしてかつてに独断で解釈し、かつてに独断で国家公務員法を踏みにじるというようなことのないように、嚴重にやつていただきたい。どうせこの問題はあとからまた人事院の方に交渉しますから、私はこれで発言を終ります。     —————————————
  53. 星島二郎

    ○星島委員長 次に日程一四、一六、二五は寒冷地手当の問題でありますから、これを一括して議題にいたします。松澤君。
  54. 松澤兼人

    松澤委員 寒冷地手当の問題は、私のほかにも他に請願がある。すでに補正予算が通過いたしまして、政府はその支給に関する政令も出しておりまして、支給の期日を十二月一日とするということになつておりますので、すでに実際上はこの請願趣旨が達成されたということになります。それ以前でありますならば、十分にまた請願趣旨も申し上げたいと思いますが、今はすでに済んだことでありますので、これを差控えます。  ただ一つ希望かあるのであります。法律は第五国会において通過いたしましたが、いろいろ予算的な措置のために非常に延引いたしましたことは、まことに政府に対して遺憾の意を表明せぜるを得ないのであります。ところで来年度予算の中には、おそらく寒冷地石炭手当の問題は、予算化されておると考えておりますが、来年再び今年のような不手際をやらないように、必要な時期に石炭手当なり、あるいは寒冷地手当なりを支給できるように、政府の十分なる御注意を促したい。こう思う次第であります。
  55. 星島二郎

    ○星島委員長 それでは日程第四、国家公務員政治的行為に関する規則撤回請願議題といたします。簡単に、紹介加藤君。
  56. 加藤充

    加藤(充)委員 これは国家公務員政治的行為に関する規則、人事院規則の十四の七、こういう問題か非常に非民主的なものであり、同時に人事院の一方的な見解に基くものであり、ひいては国家公務員法の百二條の問題から見ても逸脱しておるものだから、これを撤回してほしい。こういうのが請願趣旨であります。それで淺井総裁も総裁談話の中に、たびたび日本ビューロクラシイの規定を適用するということを言われておりまするし、このたびの勧告の問題につきましても、政府側勧告に応じなかつた場合はどうするか、人事院の覚悟はどうだというようなことを質疑しますると、結局輿論と国会の支持に期待することが大である、こういうことを言われておるのであります。また一面において、問答の中で明らかになつたのですが、どうもいろいろな点で高級官僚の中には、少くとも人事院は試験を施行しなければならない必要を認めておる。そういう点でどうも不十分なものがあるというのであります。従いまして給與の問題から考えましても、その他業務運営の面から見ましても、そういうふうな事柄に対して当然輿論の支持を期待する人事院は、国家公務員法に覇束されておる職員の連中が、また組合が、まずまつ先にそういうふうなことについて輿論の一部となり、また進んで輿論を支持するということになり、あるいは上級の上司がどうも事務運営についてよくない、好ましくないというような事柄から見て、それに対していろいろな批判をし、あるいはそれを当然民主的な権利としていろいろな行動に出る。それがたまたま国家公務員の性格上政治に向けられ、政府に向けられ、あるいは上級官僚に向けられるというようなことからして、政治活動の一切の行為が禁止されたのでは、人事院みずからが、輿論の支持を期待すると言つたその舌をみずから噛むことに相なると思うのであります。  それからもう一つ。人事院はよくアメリカの方の例を引きますが、私どもあまり調べてもおりませんが、アメリカの職員組合、いわゆる官公労組の人人の、そういう組合では、大体において組合の幹部諸君は、決してその職員であることを要しないので、そういうような面から見ても、アメリカあたりでは団体が、労働組合として、あるいは職員組合として相当な政治活動ができる。一面においては政治活動の禁止だ何だかんだということが言われておるようでありますが、実質はそういうような実情で、公務員がいろいろな活動が大らかにできる、組合としてもできるというようなことが言われておるのでありまするが、そういう点から見ましても、やはり私は政治活動の禁止の人事院規則は、大きくポツダム宣言や憲法を云々するまでもなく、百二條の国家公務員法規定の中にも矛盾する。そういうものをかつて人事院が必要だと認めて、法を無視しておることは明らかでありますから、こういう点をさつそく是正、撤回されることを望みたい。最近試験問題に発端しましたようなものも、人事院かかつてにおやりになる、やり方は人事院のかつてだというようなことになると、巷間また当委員会でも問題になりましたように、今や白紙委任を受取つた人事院のきわめて好ましからざる專断横行の傾向は顯著なる事実でありますので、この際あわせて自省自粛されて、撤回すべきものは撤回されんことを要望いたす次第であります。
  57. 岡部史郎

    ○岡部(史)政府委員 請願の御趣旨は、だんだんよく承つたわけでありまするが、人事院といたしましてはこの規則撤回につきましての御趣旨には御同意いたしかねます。御了承をお願いいたします。     —————————————
  58. 星島二郎

    ○星島委員長 本日の請願日程中残余の分につきましては、その趣旨は文書表によつて十分了承いたしておりますから、紹介議員説明聽取は省略し、ただちに本日の請願日程全部につきまして、委員会の意思を決定いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 星島二郎

    ○星島委員長 御異議なしと認めます。それではただいまより請願の採否を決定いたします。
  60. 藤枝泉介

    ○藤枝委員 ただいま議題になつております請願につきまして、そのうち第一ないし第三、第五ないし第八、第一四、第一六なし第二〇及び第二五の各請願はいずれも採択の上、内閣に送付することと決定いたし、残余の請願につきましては、採否の決定はいずれもこれを延期せられるように望みます。
  61. 星島二郎

    ○星島委員長 ただいまの藤枝君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 星島二郎

    ○星島委員長 御異議なしと認めます。よつて日程第一ないし第三、第五ないし第八、第一四、第一六ないし第二〇、及び第二五の各請願はいずれも採択の上、内閣に送付することに決定いたしました。  なお残余の請願につきましては、採否の決定はいずれもこれを延期いたします。     —————————————
  63. 星島二郎

    ○星島委員長 次に本委員会に送付となつておりまする陳情書一件につきましてお諮りいたします。この陳情書は国民の偽らざる声でありますので、当委員会において了承しておくことといたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 星島二郎

    ○星島委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。  本日はこの程度で散会いたします。     午後一時十分散会