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1949-12-02 第6回国会 衆議院 人事委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)     午前十一時五十九分開議  出席委員    委員長 星島 二郎君    理事 池見 茂隆君 理事 小平 久雄君    理事 玉置  實君 理事 藤枝 泉介君    理事 吉武 惠市君 理事 赤松  勇君    理事 中曽根康弘君 理事 逢澤  寛君    理事 加藤  充君       高橋 權六君    橋本 龍伍君       松澤 兼人君    園田  直君       土橋 一吉君  出席政府委員         人  事  官 山下 興家君         (法制局長)         人事院事務官  岡部 史郎君         (給與局長)         人事院事務官  瀧本 忠男君  委員外出席者         大蔵事務官   中西 泰男君         專  門  員 安倍 三郎君         專  門  員 中御門經民君     ————————————— 十二月二日  特別職職員給與に関する法律案内閣提出  第一八号)(参議院送付) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  特別職職員給與に関する法律案内閣提出  第一八号)(参議院送付)  国家公務員職階制に関する法律案内閣提出  第二九号)     —————————————
  2. 星島二郎

    ○星島委員長 これより人事委員会を開会いたします。  ただいまより国家公務員職階制に関する法律案議題といたしまして、質疑を継続いたします。土橋君。
  3. 土橋一吉

    土橋委員 ただいま委員長職階制の問題の審議を進められることを宣告せられましたが、その問題の前に、私は本委員会皆さん方に特にこの点を十分御考慮願いたいと思うのであります。それは昨日赤松君から給與ベース改訂に関する決議案趣旨弁明がいたされました。なお人事院給與ベース改訂勧告に関する決議案も、昨日は趣旨弁明があつたようであります。そこで本委員会議題と相なつておりますところの特別職職員給與に関する法律案国家公務員職階制に関する法律案等が今審議中でありまするが、特にこの決議案は、全国の公務員諸君並びに一般民間企業労働者にとりましては、非常に重要なる問題であるのであります。そこでこの問題は、運営委員会においてもいろいろ討議されて、本委員会へ付託に相なつ決議案であるのであります。昨日の本会議においても、運営委員会に付託せられた各種決議案はすでに討議せられて、可決確定を見ているのであります。ところが本委員会においてはきわめて緩慢な運行の過程において、昨日給與ベース改訂に関する決議案趣旨弁明がありましたので、当然本日各党におかれても、この給與ベース改訂に関する決議案についての態度が、御決定に相なつていると私は思うのであります。そこで今も委員長からお話がありましたように、参議院で通過いたしました法律案が、まだ正式に本委員会へ上程されておりませんので、この二つ決議案につきましては、ぜひとも各党の正式の御意見を御発表になりまして、すみやかなる御採択なり、あるいはこの決議案について、各党態度を表明せられまして、そうして討論に移し、さらに採決等を御敢行になりまして、この決議案に対する本委員会態度を、明確に表明していただくことが最も至当ではないかと考えておりまするので、私はここに議題となつておりまするところの二法案と、さらにこの改訂に関する質疑は一応これを中止いたしまして、この二法案決議に対する態度を御決定になるようにお願いしたいと思うのであります。なおこの件につきまして、いろいろ委員各位に御意見があるならば、私はこれを緊急動議として、ただちに御採択せられんことをお願いしたいと思うのであります。
  4. 星島二郎

    ○星島委員長 土橋委員の御動議はごもつともと思うのでありますが、昨日及び一昨日の理事会におきましても、これは事重大な問題でもあるから各党派に諮らねばならぬということになり、民主自由党におきましても、今日の役員会が午後一時から開かれますので、あるいは相談するようになるかと思うのであります。しかしまだその機会を得ておりませんので、党議をまとめました上で、愼重にこれに対処したいという申出がありましたので、そういうふうにはからいたいということで、昨日はおわかれいたしたような次第でありますから、もうしばらく御猶予願つて、これを扱いたいと思う次第であります。
  5. 土橋一吉

    土橋委員 ただいまの委員長お話によりますと、民主自由党の方では、本日の代議士会において態度決定して審議したいという御主張があるようでありますが、少くとも給與ベース改訂に関する決議案は、先月の二十四日に本委員会に付託せられまして、すでに一週間をけみしておるのであります。従つて民主自由党代議士各位も、この給與ース改訂については、十分御意見もお持ちになつておるだろうし、当然審議を進められておると思うのであります。ところがもう明日で会期も終らんとしている本日に至りまして、今委員長から民主自由党態度を御報告に相なつたのでありますが、そういう態度を表明いたされるならば、給典ベース改訂に関しては、民主自由党態度はきわめて冷やかであると、われわれは考えざるを得ないのであります。そういうことを本委員会において御発言になりましたことは、民主自由党のためにまことに私は遺憾に存ずるのであります。従いまして、この給與ベース改訂に関する決議案並び労働者農民党から出されておりまする人事院給與ベース改訂に関する決議案は、すみやかに討論いたされまして、可否いずれの決定でありましようとも、ある一党のいろいろな党内事情によつてそれが遷延せられるというような惡例は、本委員会においては残すべきではないと、私は確信をいたしておるのであります。すでに先ほど私が申し述べましたように、昨日の本会議におきましても、各種決議案が五件も可決決定をいたしておるのであります。第六臨時国会の終了を明日に控えておるにもかかわらず、今日に至りましてなおかつ民主自由党においては、この内容について御審議になつていないというような態度が表明せられましたことは、まことに私は遺憾の意を表せざるを得ないのであります。従いまして、民主自由党から御出席になつておりまする委員各位は、その旨を十分体せられまして、本日ただちに討論に付され、その結論を得られんことを私はお願いしたいと思うのであります。それは先刻も私が申し上げましたように、この動議に対しまして委員長の御採択を願いまして、動議に対する討論なり、あるいは態度を御決定願いまして、その上でわれわれはさらに今の委員長の御報告を承つて論議を進めて行きたいと考えておるのでございます。
  6. 吉武恵市

    吉武委員 この給與ベース改訂に関する決議案の問題及び人事院給與ベースに関するところの勧告の問題は、きわめて重要でありますので、われわれ民自党といたしましても、決してこれに消極的であるわけではなく、これに重大なる関心を持つているのであります。従つて今ここでただちにこれを決定するということには私どもは反対であります。これはもつ当局意見も徴し、そうしてわれわれが愼重考えた上で、いすれかに決定すべきであると思います。
  7. 星島二郎

    ○星島委員長 土橋君のお話動議と見れば、すぐここで動議に対する可否を問わなければなりませんが、大体議事運営理事会にまかされまして話し合つて来ているわけでありまして、それだけを多数、少数できめるのもはなはだ遺憾でありますので、いずれ後ほど休憩中に話し合つて、お諮りした上で決定したいと思います。昨日提案されまして、まだ各党派意見も聞いておらぬことでありますから、さように扱うことに、ひとつお許しを願いたいと思うのであります。
  8. 土橋一吉

    土橋委員 ただいま委員長は奇怪千万なことを仰せになりましたが、少くとも緊急動議を提出すれば、動議についての主旨弁明、あるいは動議についての賛否討論をいたしまして、この動議を本委員会において取上げるやいなやについて御採択になつて、しかるべきであると思うのであります。動議に対しまして、委員長の主観的な御所見をお述べになることは自由でありますが、そのようなことによつて緊急動議に対してこれを阻止するような態度は、まことに遺憾であります。私が提議いたしました緊急動議に対して、ただいま吉武委員討論のような形式で申されておりますが、やはり議会におきまする議事の進行に関する規約あるいは約束というものは、十分御尊重に相なりまして、この緊急動議をただちに採択せられ、結論を得るように御配慮願いたいと思うのであります。もし委員長理事会等申合せによつて、これを後ほど諮りたいというようなことならば、緊急動議の本質に対して、十分な御意見をお持ちではあろうと思うのでありますが、私はまことに遺憾でありますので、ただちに緊急動議に対する御採択を本委員会においておとりくださらんことを切望するものであります。
  9. 星島二郎

    ○星島委員長 お答えします。従来重要な法案につきましては、各党派議がまとまつた上で討論に付し、あるいは採択するということが議会政治の運用だつたと思います。そうしてまたどの党派におきましても、まだ議がまとまつていないのにただちに討論に付し、採択するということは少し早いじやないかと思うのであります。その話をしているわけでありますが、もし土橋君がそういう理事会申合せも無視して、どうしても今日やれという御動議であるならば、委員長としては、それを皆さんにお諮りした上で、決定するほかはありません。
  10. 土橋一吉

    土橋委員 委員長の御説明のように、一応理事会は尊重せらるべきものであることも、私は十分承知いたしておるのであります。しかしながらこの両決議案は、昨日突如として本委員会に付託せられてあるものならば、委員長仰せもごもつともであると存ずるのであります。ところがすでに本決議案は、運営委員会においても相当期間たなざらしいたされまして、そうしてこれがいろいろ論議の結果、委員会審議省略によつて会議へ上程することは、その時宜を得ないということを、民主自由党諸君運営委員会において御主張に相なつたのであります。従いまして、この刷りものというものは、すでに運営委員会において十分この内容が現われているのに、なおかつそれが三日の日にちを経まして、本委員会に付託せられましたのが先月の二十四日であります。従いまして、今日はもう十二月の二日でありますので、その間において、少くとも大多数を持つておられます民主自由党の方において、この給與ベース改訂に関する態度決定できないとか、あるいは給與ベース人事院をして改訂せしめ、勧告せしめるについての態度がまだ決定になつていないというようなことは、なるほど表面的には了解できるのでありますが本質的には、少くとも政府を持つておられる民主自由党態度としては、まことに遺憾なものがあると思うのであります。従いまして私は、委員長仰せなつたような、また理事会で今話しておるような、そういう形式的なことによつて決議案を遷延するというような態度は、少くとも全人民大衆を代表している本委員会といたしましては、まことに私は不行き届きな話でありまして、すみやかに本委員会決議をもちまして、この問題について先ほど私が提議いたしました決議案について、可否決定せられ、これを採択せられんことを私は要望するのでおります。少くともただいま吉武委員からもお話がありましたように、政府を持つておられる民主自由党で、この内容について結論を持つていないというようなことは、われわれの党においても考えられないことであります。しかるにこれは重要であるから、愼重に討議をしたいというような吉武委員お話もありますが、第六臨時国会延期延期を重ねまして、明日終了するのであります。従いまして、そういう明日終了するものを、本委員会において、もしかけないとするならば、明日で本国会は終了するのであります。そういう、まことにだれが考えるといたしましても、不都合なる態度を、もし民主自由党の方でお考えなつたとするならば、まことにこの問題は遺憾でありますので、私はすでに政府を持つておられる民主自由党態度というものは決定せられ、当然の基本的な方向というものは決定に相なつておると思うのであります。従いまして、本委員会において、ただいまの動議採択せられないというような不都合なことがあつてはなりませんので、私はただちに動議議事の普通の規則なり、日程に従いまして、取上げられまして、これに対する可否決定せられ、討論をせられんことを要望するのであります。
  11. 星島二郎

    ○星島委員長 それではまず、土橋君より新しく動議が出ましたから、きよう国家公務員職階制に関する法律案を今議題といたしておりますが、これをただちに、土橋君の要求されるがごとく議題として進行するがよろしいか、また昨日理事会等で話が出ましたように、各党派意見をまとめて、愼重にこれをやる、かように決定した方がよろしいか、それは委員の多数、少数によりまして決定するほかございません。そこで土橋君の動議に対しまして、御賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立
  12. 星島二郎

    ○星島委員長 起立少数。よつてこれは否決されました。  そこで、最初の通り、国家公務員職階制に関する法律案議題といたしまして、質疑を継続いたします。
  13. 吉武恵市

    吉武委員 私は、ただいま議題になつておりまする公務員職階制の問題につきまして、人事院の御見解をもう少し承りたいのであります。  公務員法の第二十九條の第一項の問題でありますが、これはこの前にもお尋ねをしたのですけれども、あまりはつきりしておらない。そこで私は、ここにうたわれておるところの職階制というものは、どんなものであるかという実体をはつきりと把握いたしませんければ、あいまいなる対象を相手にいたしまして、ここできめるわけには行かないと思うのであります。私は、人事院から交付になつておりまする、「国家公務員職階制」というパンフレットを見ますると、どうも職階制とは職種分類いたしました内容そのもの職階制と言つておるのではないかと思うのでありますが、どうも人事院の御説明を聞いてみると、職階制は、それをつくるまでの一つプラン職階制と呼んでおられるようにも見えるのであります。その点がはつきりいたしませんと、われわれが今後の審議をする上において非常に困るわけであります。  そこで、私はまず、当局が示されているパンフレットのこの図解についてお尋ねをいたしたいのであります。これは第八ページから図解説明されております。この第一図からだんだんと職階制分類やり方が書いてございまして、そうして最後に、第五図として、かような職階制ができるように私どもは了承しておるのであります。そうしますると、各職群にわかれ、それがさらに各職種にわけられ、そうしてその職種がまた各官職につき職級にわけられておる。これは各職群ごとにできておりまするが、それがあらゆる職群に通じて、全体の職級グレードと申しまするかが考慮されて、第五図のごときになつて、初めて職階制が完成しているものと見るのであります。そうしますると、第二十九條の第一項にいう職階制とは、すなわち各職群から職級に至り、そうして各職群間の職級バランスというものを考慮した内容そのもの職階制でなければならないのではないか。それをつくるところの一つプラン——今日人事院から示されておりまする職階制法律を読んでみますると、それは職階制をつくるプリンシブル、やり方態度というものが示されておる。これは私は職階制をつくる上においては重要なことであり、その内容については一応私どもも了承するのでありまするけれども、この法律内容は、それをつくる一つ計画であつて職階制そのものではないように了承するのでありますが、一体どういうふうな御解釈になつておるものか。これは言葉意義の問題でありまするので、ちよつとはつきりとお聞きしたいのであります。
  14. 山下興家

    山下(興)政府委員 ただいまの吉武委員からの御質問にお答えいたします。  まず最初に、職階制は何かということを考えます前に、職階制実施とは何かということをお考えを願いたいのであります。私ども考えておりますのは、最後の第五図は、職階制実施が完了した形であると解釈しておるのであります。職階制自身プランであるが、それで職級をつくります場合、すなわち職種と、それからグレードを入れまして、すなわち職級まで持つて行くのが実施でありまして、そのわく職階制、そういうふうに私どもは思つておるのであります。それでアメリカ職階制というのと比べてみますと、アメリカ職階制を見ますと、グレードが入つておるのであります。給與がまざつておるのでありますが、あれはわれわれの言う職階制とは少し違うのであります。アメリカのは、給與とわれわれの職階制とがからみ合つたかつこうであるのでありますが、それを二つに離しまして、職種職級までの間をわれわれの一つ職階制としまして、これからできます給與準則がすなわち給與の問題、その給與とここでいう職階制とが合わさりますと、アメリカのいわゆる職階制となるのであります。それですから、この法律の第二條にうたつてあります「分類整理する計画」という、その文字通りに私ども考えておるのでありまして、公務員法の三十條に職階制実施のことが書いてあります。「職階制は、実施することができるものから、逐次これを実施する。」その実施をするにはどうすればよろしいかというと、職級を定める。その職級明細書をこしらえるということが、すなわち実施であります。そこのところは、少しこんがらかり過ぎてめんどうなのでありますが、私どもはそう考えております。
  15. 吉武恵市

    吉武委員 そうしますと、今の御説明によれば、人事院ではこの図解に示されている第四図までが職階制、五図は職階制ではないと言うのですか。つまり職種というものをただ分類しただけが職階制、私どもは第五図に示されたように、これを職級にわけた、その職級が各職種の間におけるバランス考えてでき上つたものが職階制だ。アメリカ職階制の中に給與が含まれておると言われますけれども、それは含まれているのが職階制、そこで初めて職階制をつくる意義があるのである。それを離れて、ただ職種というものを分類するだけでしたら、従来の統計つて分類していることであつて分類だけだつたら何の役にも立たぬ。この職種というものを各職階にわけて、そうして各職種ごとにそのグレードをきめて、一定のわくの中に収める。それでこそ初めて、試験をする場合においても、お互いの間のバランス考えられ、そうして給與考える上においてもバランス考えられる。ただ職種分類するだけで、各職種がかつて次第に別々にただ中を分類するというのだつたら、従来の統計一つも違わない、この点をもう少し御説明を願いたい。
  16. 山下興家

    山下(興)政府委員 これは職階制実施されましてでき上つた姿は、今吉武さんがおつしやつたようなかつこうになるのであります。しかし実施というのは、すなわち官職をその一つ一つのたなに入れるためにこしらえるかつこうなのです。それが職階制でありまして、この職階制は一応でき上つて、それを今度は実施しよう、実施という言葉は、そうすると最後までを職階制と言われますと職階制実施という意味がはつきりしなくなるだろうと思うのでありますけれども実施というのと職階制というのは、違うように私は考えております。
  17. 中曽根康弘

    中曽根委員 職種自体も出てないのか。
  18. 山下興家

    山下(興)政府委員 職種よりもまず職群をきめまして、それから職種をきめまして、職種から責任の重要性によつてきめたものがすなわち職級なのであります。それだけの仕事をするのが実施でありまして、職階制ではないのであります。職階制計画であつて、そこへそういうものを持つて行つて、なお官職をたなの中に入れて行くのが実施なのであります。
  19. 吉武恵市

    吉武委員 どうも私はこのことを聞いてみると、言葉が少し過ぎるかもしれませんが、詭弁のような感じがするのです。それでは図解についてお尋ねをいたしますが、一体第五図は職階制とは言わないのですか。この図解で言えば、どこまでの図解職階制になるのですか。
  20. 山下興家

    山下(興)政府委員 第五図はでき上つた——実施された後の職階制考えております。
  21. 吉武恵市

    吉武委員 そうすると、実施される前の職階制はどれまでですか。
  22. 山下興家

    山下(興)政府委員 それは職階制職種をきめるだけ——職種をきめ、それから職群をきめるものが実施であつて計画それ自身である。ちようどこの法律に書いてあるそれ自身職階制なのでございます。計画でございます。それはアメリカではお金が入つておりましたけれども、その金をあれから取去りますと——ちようどアメリカ職階制から金だけを取去つてしまいますとこういうかつこうができ上る。但しアメリカのは、大きな職種のうちに四つ分類ができておりまして、その分類を先だつて十月三十日に取去つてしまつたのでございます。それでそれがすなわちこのかつこうにできておる。最新のアメリカ職階制の中から給與の部分を取去りますと、今度の法律そのままができ上つて来るのであります。
  23. 吉武恵市

    吉武委員 そうすると、もう一度お尋ねします。アメリカの例をまず聞いてもけつこうですが、アメリカの例の職階制というのは、あなた方のお示しなつたこの図では、どの図解アメリカ職階制考えておるのですか。どの図解もいわゆる職階制に該当しないのですか。パンフレットとしてお示しになつておりますから、この図解について——これが一番わかりやすいと思うのです。ただ文字でもつていろいろなことを言つておりますと非常にあいまいにぼけてしまいますから、この図解でお示しをいただけばわれわれの頭にはつきり入る。アメリカ職階制というのは、この図解のどれまでがそうなのか。それともアメリカ職階制というのは、この図解のどれにも該当しないのか、これをひとつお示し願いたい。
  24. 山下興家

    山下(興)政府委員 この図面は、十分に私は知りませんけれども、私の考えでは、こういうふうにすること自体実施であると思う。こういうふうに分類してだんだんと進んで行くこと自体実施であつて職階制というのは、ここに書いてある計画である。これは実施の経路を示してあるものと思う。
  25. 吉武恵市

    吉武委員 あなたのお言葉にもありますように、それは職階制計画であつて職階制そのものではないのじやありませんか。職階制そのもの計画というのではなくて、あなたのお言葉では、職階制計画と言われているその計画をあなた方が今言われておるのであり、またこの法律にうたわれておるのもその計画をうたわれておる。職階制そのものは、その計画に基いて職種分類した内容職階制でなくちやならぬ。
  26. 山下興家

    山下(興)政府委員 私はそう思わないのであります。計画であつて、その計画実施した最後実施された職階制である。
  27. 吉武恵市

    吉武委員 それでは普通職階制という言葉法律にうたわれておりますが、おそらく私ばかりではない、だれも職階制を、そういう職階制をつくる計画だとは解釈しにくい。もう少しこれはこの法律そのもの説明が加わらなければ、このままでそういうような御解釈をなさいましても、私どもはどうも了承しにくいと思います。
  28. 藤枝泉介

    藤枝委員 ただいまの吉武委員の御質問に関連いたしまして、それでは公務員法の方から伺つてみたいのでありますが、二十九條の第一項は「職階制は、法律でこれを定める。」と書いてあります。そうして第四項には「前三項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。」とあります。そうしますと、今山下人事官のお言葉では、職階制というものはプランだとおつしやるのです。それではこの二十九條の一項と四項をどうお読みになるのですか。職階制というものは今吉武委員から言われたようなこの図解の四図か五図か、そういつたものであつて、それをつくる計画はまず第四項によつて国会に提出して、その承認を得」て、そうしてその計画従つてさらにできた職階制法律で定める。これは日本語で読めばそうとしか考えられないのでありますが、人事官の御意見を承りたい。
  29. 山下興家

    山下(興)政府委員 ただいまの御質問でございますが、その第三項に関する計画というのは、職階制というもののもう一つ計画でありまして、職階制それ自身実施をする計画であるのです。しかしそういう職階制をこしらえるということの計画が、もう一つあるわけです。
  30. 藤枝泉介

    藤枝委員 それはいつ国会承認を得たのですか。
  31. 山下興家

    山下(興)政府委員 それはこの前の新給與実施に関する法律で定めましたあの十五級のものを、あれを計画とみなしたわけでございます。
  32. 藤枝泉介

    藤枝委員 それは変なお話を聞くのでありまして、国家公務員法の第二十九條の第五項に、新給與実施に関する法律職階制と一応みなすということが書いてあるのでありまして、二十九條の一項と四項を合せて読めば今人事官の言われるように、計画の、またその計画が四項のいわゆる「前三項に関する計画」だということには、とうてい読めないのであります。これは私が自分の主観をまじえて言つておるのではなくて、人事院よりお出しになつパンフレットからお読みになつて、そうなんであります。たとえば三十一ページの一番下には「職級職級明細書のない職階制はありえない。」と書いて、三十二ページの9の「格付」というところに「職階制国会承認され、法律なつたならば、次には各官職職階制を適用し、各官職を最もふさわしい職級に編入する。このことを格付するという。」と書いてあるのでありまして、そういうことから考えまして、職階制というのは先ほど吉武委員の言われたような図解の中の四図か五図か、その辺のところになつておらなければならぬと思うのでありますが、その点いかがでしようか。
  33. 山下興家

    山下(興)政府委員 ただいまのお話の「職級職級明細書のない職階制はありえない。」ということは、職階制実施されてしまいますと、それはどうなるかというと、職級をつくり職級明細書をつくつて初めてでき上るのでございますから、でき上つた職階制職級職級明細書のないものはあり得ないということでございます。そうでありませんと、この職階制実施ということが、はつきりしなくなるんじやないかと思います。
  34. 藤枝泉介

    藤枝委員 職階制実施ということは、官職職階制にあてはめて、どこかのグレードに格付することが実施なんでして、職階制実施というものはそれだと私ども考えます。それではもう一度伺いますが、職級職級明細書ができたものが、今人事官の言われる実施された職階制だということでありますけれども職階制というものは一体実施されたものが職階制なんですか。それともほかに職階制ということが何か二つの意味に言われるのでありますか。
  35. 山下興家

    山下(興)政府委員 それは第二條に書いてありますように計画なのでございます。分類整理する計画がすなわち職階制でありまして、それから職級というものをつくりまして、その官職職級に格付をするという操作がすなわち実施でございます。
  36. 藤枝泉介

    藤枝委員 そうすると官職を格付するその前のあてはめるものは何とおつしやるのですか。
  37. 山下興家

    山下(興)政府委員 職階制がありまして、それから職群をつくりまして、それから今度は職種ができまして、それからその職種の中で、責任の軽重によつて職級ができます。その職級に持つて行つて、今の官職を格付をする。それだけの操作がずつと出て来るのが実施だと私は考えております。
  38. 藤枝泉介

    藤枝委員 職種がきまり、職級がきまつたものを、人事院では何とお考えになつておるのでありますか、それは職階制ではないとおつしやるのですか。
  39. 山下興家

    山下(興)政府委員 それは実施の中途にある状態であります。実施はどこに来るかというと、実施は結局職級にあるのですから、その職級を見つけるために職群もあり、職種もでき、それから職級までできる。しかし職級はつつても、それに今度は官職を格付しなければ意味がないのでありますから、その官職を格付してしまつたら、そこで職階制が成立つ。
  40. 藤枝泉介

    藤枝委員 それは職階制なんですか。
  41. 山下興家

    山下(興)政府委員 職階制実施された状態にある。
  42. 藤枝泉介

    藤枝委員 私のお尋ねしておるのは、その格付する一歩手前のものは、職階制とお読みにならないのですかと申し上げておるのであります。
  43. 山下興家

    山下(興)政府委員 最初法律に書いてあります通りの計画が、すなわち職階制、その職階制から実施までの途中はあるのです。
  44. 藤枝泉介

    藤枝委員 どうも違つたベースで人事官と私どもとが議論をしておるようになるのでありますが、先ほども申しましたように、国家公務員法第二十九條の一項と四項とを読めば、職階制というものはその格付をする前の段階、官職を格付し得る形になつたものが職階制であり、そういつた職階制をつくるプランを第四項であらかじめ国会承認を得て、そうしてそのプラン従つて職種をきめ、職級をきめて官職を格付する一歩手前になつたものが職階制としかどうしても読めないのでありますが、その点をもう一度、それならば一体二十九條の第四項の国会承認というもの、プラン承認というものは、どういうものをお考えになつておるのですか、その点をお伺いいたします。
  45. 山下興家

    山下(興)政府委員 私は職階制は、今度出しました法律案そのもの、はつきりそれだけだと思うのであります。たとえば第二條に、職階制というものは官職を職務の種類と複雑と責任の度に応じて、この法律に定める原則及び方法に従つて分類整理する計画だということがうたつてあるのであります。但しそれから今度は国家公務員法第二十九條によりましても、職階制実施職級を定めることである。職級を定めるのはすなわち職級明細書をこしらえることである。そうしてそれによつて官職を格付をするということが、国家公務員法の三十一條にうたつてある。それですからこの出しましたものが法律になり、それを実施する手段としては、人事院規則によつてほかの操作をして行く、すなわち職種を定める、職群も定める、それからその等級もまた定める。こういうことはみな人事院規則でやるのだということが、国家公務員法に書いてあると思うのでございます。
  46. 藤枝泉介

    藤枝委員 そうしますと浅井人事院総裁が、この法律の提案の説明の中にも「ここに国家公務員職階制に関する法律案を提出し、あわせて、その計画に関し国会の御承認を求める次第であります。」こう言われておるのであります。従いまして法律案とそれ以外に計画がなければならないと思うのでありますが、国家公務員法第二十九條第四項の「前三項に関する計画は、」とあり、しかも第一項には「職階制は、法律で定める。」とあるが、これに対する計画というものは、どういうものをお考えになつておりますか。それを伺いたい。     〔委員長退席、玉置(實)委員長代理着席〕
  47. 山下興家

    山下(興)政府委員 国家公務員法第二十九條の四項に「前三項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。」とあり、すぐ次に「政府職員の新給與実施に関する法律第九條の規定による職務の分類は、これを本條その他の條項に規定された計画であつて、」とあつて計画の意味がはつきりされておると思うのであります。それは結局新給與実施本部で、新給與実施に関する法律によりまして、御承知のように十五級にわけまして、その十五級がすつかり定義されておるわけでありますが、それと私は了解しております。
  48. 藤枝泉介

    藤枝委員 その問題じやないのです。「前三項に関する計画」というのは、一体何を言つておられるのですか。ことに先ほども申しましたように、淺井人事院総裁の提案理由の説明の中にも「人事院職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理すべきことを定め、さらに同條第四項におきまして、これらに関しまする計画国会に提出してその承認を得ることとしているのであります。」と言われております。「前三項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。」という、その「前三項に関する計画」、ことにそのうちの第一項に関する計画というものは、人事院ではどういうものを、その計画だとお考えになつておるのですか。
  49. 岡部史郎

    ○岡部(史)政府委員 私からかわつて申し上げたいと思います。この二十九條の第一項と第四項の関係につきましては、この職階法案趣旨弁明書におきましても、明らかに申し上げました通り、また先日淺井総裁からも詳しく御説明があつたわけでありますが、実は第一項と第四項との関係は沿革的に解釈する必要がある次第であります。「職階制は、法律で定める。」と第一項に書いてございますが、それに関連いたしまして、第四項におきましては、前三項に関する計画は、この法律実施前に国会に提出して、その承認を得なければならない。こうあるわけでありまして、その立法の趣旨経過というものを調べ、明らかにいたしますると、第一職階制法律国会の意思をもつて定める。しかしながらこの職階制法律で設けるのには相当長年月がかかるだろう。それでありますから、実はこの法律ができ上る前に、簡単な計画要綱というものはでき上るだろう。大体その要綱について国会に対して法律案の前に国会承認を得べきであるというのが、その当時の第四項に関する立法理由と考えられるのであります。しかもこの法律実施前、すなわち昭和二十三年七月一日前にそのような計画を出さなければならぬというように規定されておるわけでありますが、しかしその計画というものはなかなかでき上らないわけであります。たまたま先ほど山下人事官から御説明がありました通り、新給與実施法の職務の級の分類をもつて、その計画と一応見なしまして、その責めをふさいだわけであります。その結果「この法律実施前に」という字句が削られまして「前三項に関する計画は、国会に提出して、その承認を得なければならない。」というように修正されるに至つたわけであります。  さらに考えて見なければならぬことは、実は職階制という新しい日本語の意味でありますが、これは職階制というような新しい熟語を使つておりますが、その実質におきましては、これは官職分類計画であるのであります。そういう意味におきまして、このたび官職分類計画に関して、これを国会に提案する際におきまして、第四項が要求しております「前三項に関する計画」というものは、とりもなおさず官職分類に関する計画そのものであるわけであります。そういうわけで官職分類計画に関する法律としての職階制に関する法律案国会に提案して、その御制定をお願いすると同時に、これは第四項が要求する計画そのものであるという見解におきまして、この法律案を提案した次第であります。
  50. 藤枝泉介

    藤枝委員 角度をかえて御質問いたしましよう。人事院職階制という言葉——プランという言葉に少しこだわりすぎておるのじやないかと思うのです。英語でどう言われるか知らぬけれども職階制というものは、職種職級がきまつたものの職階制だと思うのです。ただそれを職種職級まで決定したものを法律でやることは、非常にかわりやすい官職についてめんどうである、あるいは不便であるから、すなわち職階制そのものは、職種職級がきまつたものが職階制なのであるけれども、それはひとつ人事院にまかせてほしいのだという意味なのじやないかと思うのであります。職階制計画なのだというところにこだわつておられるから、非常に何かベースの違つたところで議論をしておるように見えるのでありまして、職階制職種職級がきまつたものも職階制であるのじやないですか。
  51. 山下興家

    山下(興)政府委員 私どもはそう思つておらないのであります。これはアメリカであろうが、どこであろうが、職階制実施せられておりますところで、法律職級までもきめ、格付までもきめておるところはありません。格づけはないにしましても、職種アメリカの例で言いましたように、四つしかわかれておりません。サービスと言つておりますが、それもぐあいが悪いからやめた、職種をきめるところもない、職群をきめるところもない、いわんや職級までも法律できめておるところはどこにもないのでございます。それでその職階制という言葉が少しあやしいように思われるかもしれませんけれども、これは人事院としましては用語の定義を下す権限を持つておるのでありまして、それによつてここに職階制というものの定義を第二條で下したわけであります。
  52. 藤枝泉介

    藤枝委員 どうもまた違つた立場で議論しているようになるのですが、職階制というものは職種職級もきまつたものも職階制じやないですか。ただそういうものを法律でつくるのは非常に不便だ。だからその計画だけをきめて、あとは人事院人事院の全智能をしぼつてやるのだ。こういう意味なんで、職階制というものの定義を下す権限は、人事院が持つておられるかもしれませんけれども、この職階制というものを計画計画だとこだわり過ぎるところに、われわれと人事院との見解が常に平行線になつているのではないか。大体この職階制というものは、やはり職種職級のきまつたものも職階制じやないのですか。
  53. 山下興家

    山下(興)政府委員 職階制ではありますが、完成された、実施された職階制でございます。
  54. 藤枝泉介

    藤枝委員 完成されたか不完成かは別問題として、やはり職階制なんであるが、しかしそこまで法律できめるのは非常に固定されてしまうから、そうでなく、その計画だけを定めて、あとはひとつ人事院の智能にまかしていただきたいという意味なんではないのですか。
  55. 山下興家

    山下(興)政府委員 職階制という名称でえらくこんがらがりましたが、実際その計画があつて、それを実施するのが、この人事院規則でやるよりほかにやり方がないのでありまして、これは外国の例からいつても、やり方がないものですから、そういう目的をきめたわけです。
  56. 藤枝泉介

    藤枝委員 やり方がないのじやなくて、法律で実際は定めなければいかぬ。しかし法律で定めて固定されると日々変動の多い官職について、どうも時勢に適応しないような場合もできるから、そこで巾を広げて、人事院規則にまかせてもらいたいという意味なんで、職階制そのものは、やはり法律でほんとうはきめるべきものだと、われわれは思うのですが、そうじやないのですか。
  57. 吉武恵市

    吉武委員 ちよつと関連して……。これは先ほどから大分議論がありましたが、言葉の使い方と言いますか、考え方が非常に違つておるようですが、繰返してはなはだ恐縮ですが、今あなたが言われました職階制の格付、これはもちろんしなければなりませんが、いわゆる実施とは格付をするんだ、その格付というのは、現実にこういう官職におる人を、あなた方がつくられた職階制わくのどこに入るかということを具体的にきめることが格付じやないのですか。それが格付であり、実施なんです。現実にあなたならあなたが職階制のどこの職種に、あるいはどこの職級に当てはまるかということをやることが実施であり、それが絡付だ。あなた方のように各職種分類してつくつて行く。抽象的なものです。これをつくることは、職階制をつくる過程である。あなたの言葉で言うならば、いわゆるそれまでが職階制のでき上つたものだと言われる。そのでき上つたものが職階制であり、そのでき上つたわくの中へ現実の、この人はどこへ当てはまり、現在やつているこういう階級におる、あるいは官職におる者が、その中のどこに当てはまる。これを各個人別にとつた明細書に従つて、その内容を見て、それは今つくつた職級のどこに入るんだということをおきめになることが、その実施であり格付である。われわれは具体的な人がどこの職種に入るということまで、この法律でうたつて、もらいたいとは思いません。そんなことはできるはずがない。これは人事院がなさるべきことである。しかしながらその当てはめるわくをつくること、これが制度である。それを法律できめるということ、この職階制法律で定めるということ——あなたは言葉の上で逃げられているので、あるいはほんとうにそうお信じになつているのかしれませんけれども言葉の上で逃げられるのだつたらこれはいけない。もし惡ければ法律をかえてかかるという態度をおとりにならなければいけない。法律できめておることの解釈を、ただ言葉の上でお逃げになるということはよろしくない。
  58. 山下興家

    山下(興)政府委員 私は逃げているつもりは一つもないのでありまして、正味そう思つておるのであります。格付も実施の一部分ではありますけれども、そこへ入るわけ、場所、すなわち職級をこしらえること自体も、実施なんでございます。その職級をつくるのにいろいろな職種やなんかもきめなくちやならぬし、いろいろな研究がいるわけです。それでその職級がきまりましたら、そこへ持つて来て官職を入れる。これだけ全部が実施だと私は思つておるのであります。
  59. 玉置實

    ○玉置(實)委員長代理 一応お諮りいたします。午前中の御審議はこの程度にいたしまして、午後二時に再開いたしたいと思います。  これで休憩いたします。     午後零時五十六分休憩      ————◇—————     午後三時二十五分開議
  60. 星島二郎

    ○星島委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際お知らせしておくことがございます。予備審査のため本委員会に付託となつておりました特別職職員給與に関する法律案は、本日参議院の本会議を通過し、衆議院に送付せられ、ただいま本委員会に正式に付託せられました。  この際一言申し上げておきますが、本案は初めに提出された政府案を、参議院の大蔵委員会において、ただいま配付いたしました案の通りに修正可決され、参議院の本会議におきまして、大蔵委員会決定通りに議決されたのであります。従いまして当衆議院の人事委員会に本付託となりました案は、現在予備審査をいたしておりまする案に、ただいま配付いたしました参議院の大蔵委員会で可決されました修正案を挿入いたしたものが、原案として付託せられたのであります。ゆえに参議院の大蔵委員会における修正個所についての賛否の討議は、当委員会に本付託となりました法案の第十一條、第十二條及び第十三條について行えばよいのでありまして、参議院より送付されました案はただいま印刷中でありまして、配付はやや遅れると思いますので、とりあえず参議院の大蔵委員会の修正案を、御参考までに配付いたした次第であります。法案の印刷物が配付せられるまでは、予備審査のため付託となつておりました案文に、参議院の大蔵委員会で修正されました案文を挿入して御審査を願いたいと思います。  ただいまから特別職職員給與に関する法律案内閣提出第一八号、参議院送付)を議題といたします。まず参議院における修正箇所につきまして政府当局より説明を聽取いたしたいと思います。中西説明員。
  61. 中西泰男

    ○中西説明員 御説明いたします。まず第十一條の点につきましては、昭和二十二年の法律第百七十一号との関係が若干疑義があるという点から、特に但書といたしまして、同法律によるところの一般職種別賃金の額を越えることはできないというふうに但書が加えられたものと存ずるわけであります。  次の第十二條につきましては、食糧配給公団の職員はその他の一般公団の職員と同様に、現在ここに修正に相なりましたような方法でもつて給與が定められているわけであります。その点を特に特別職職員として明瞭ならしめまするという意味で、現状通りを法文化せられたもの、そのように修正されたものと拝承いたしておるわけであります。  第十三條の但書中括孤内を削りましたのは、單に法文の形式上の整理というふうに存ずるわけであります。
  62. 星島二郎

    ○星島委員長 次に本案を議題といたして質疑を継続いたしたいと思います。  すでに本委員会におきましては、予備審査といたしまして大体の質疑は終了いたしておりますので、この際お諮りいたしたいと思います。  本案に関する質疑はこれを終了いたしたことといたしまして、ただちに本案を議題といたしまして、討論を行いたいと思います。御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 星島二郎

    ○星島委員長 御異議ないものと認めます。  討論は通告順によつてこれを許します。藤枝泉介君。
  64. 藤枝泉介

    藤枝委員 ただいま議題となりました、特別職職員給與に関する法律案は、いわゆる参議院修正案を含めてでありますが、この法案は、国家公務員法に定められました特別職の全部を網羅いたしまして、給與の体系を整えた法律でありますので、しかもその内容は、現在特別職のこれらの職員が支給を受けておりまする金額を、その内容としておるような次第でありますので、この法案全体に対しまして賛成をいたす次第でございます。
  65. 星島二郎

    ○星島委員長 松澤兼人君。
  66. 松澤兼人

    ○松澤委員 参議院の修正を除きます他の部分につきましては、大体において賛成でありますが、ただ一言希望的な意見を申し上げますならば、法案の別表にあります衆議院及び参議院の事務総長の俸給月額が、三万四百円ということにきまつております。社会党といたしましては、議員の歳費が二万八千八百円ということになつておるのでありまして、この不均衡について多少の疑義があるのであります。その点は詳しくは御説明申し上げなくともおわかりと思うのでありますが、議員が国権の最高機雷を構成しまして、あらゆる法律、予算等の審議に当つているのでありますが、そのきわめて重要な地位に対しましては、われわれ身命を賭しても努めなければならないと思うのでありますが、現在のような状態におきましては、国政を円満に遂行する上からいいましても、現在の歳費が必ずしも十分であると言えないのであります。従つて、両院事務総長の給與が高過ぎるという意味ではありませんが、議員の歳費の問題は別個に考慮すべきである、また政府に対しましても、考慮してほしいという希望があるのであります。  次に参議院において修正になりました十一條及び十二條の問題であります。これは当委員会におきましても、ほぼこれと同様の意見を持つており、ことに十二條の点につきましては、委員会が全員一致をもつて委員長に十二條の修正の手続をとつていただくように決定しておつたのであります。幸いに参議院から十二條のほかに十一條の修正が添付されて参つたのでありまして、この修正には全面的に賛成であります。それぞれこれらの職員は特殊の勤務状況によつて特別職となつているのでありまして、これを一様に政府職員の一般職として取扱うことは、いろいろ問題があると思うのであります。従つて参議院における修正が、まことに時宜を得たものであるという意味において、賛成を申し上げたいと存ずるのであります。  最後に、これも希望的な意見を申し上げたいのでありますが、第一條の二十四号、それから二十五号、二十六号、これらの職員は、いずれも特別職であるのでありますが、従来の慣例から申しましても、あるいは法律的な立場から申しましても、政府職員に準じている待遇を受けているということは明確であります。政府政府職員の年末手当あるいは税金の年末調整の分割納付、その他これに類するいろいろの措置を講ぜられることをしばしば言明せられておりますし、また超過勤務手当の未支拂い分を、この年末に支給するということを言明されているようであります。従つてもし一般職の政府職員が、こういつた政府の措置の恩恵を受ける場合には、今申しました第一條の二十四号、二十五号、二十六号の職員にも、政府職員の受けるそういう越年のあたたかい措置を受けさせていただきたいということを希望申し上げまして、参議院の修正及び政府提出の原案に賛成するわけであります。
  67. 星島二郎

    ○星島委員長 加藤充君。
  68. 加藤充

    ○加藤(充)委員 本法案にかかげられました特別職の設置並びにその選任の方法、またそれに対する俸給額のきめ方、及びその額については、すでにそれらの基本となつ法案審議の際に、わが党は反対の態度をとつてつたものであります。従いましてわが党といたしましては、このまとめられました本法案についても、同じく反対であるという基本的な、根本的な態度をかえるわけには参らないのであります。元来予算の緊縮のために、行政の簡素化であるとか、整理だとかやられました。その政府の方針と、特別高級官吏を増設するということとは、それ自体矛盾することだと信じますし、必ずしもその給與と、その給與を與えられる官職職員の仕事の内容から見まするならば、それほどの高額のものを、しかも固定的に渡すというようなことをする必要のないものもありまするし、また社会党の赤松君から言われましたのですが、これを政府職員給與に準じて一括して、不適当なものまでも特別職としてむりに加えているというようなやり方も、この中に出て参つておるのでございます。  それで最後に申し上げたいことは、結局この六千三百円のいわゆる低ベース、低賃金に比べますならば、ここに特別職として與えられまする給與の額は、以上申し上げました点から見ましても、高額なものであり過ぎるものがあるのであります。そしてまたその任免方法が至つて非民主的に任免されるというようなこととからみ合いまして、いわゆる日本の官吏制度やあるいはそういうようなものの中から最も除去されなければならないところの猟官的な弊害、あるいは政党政派のためにする任免と、むだな扶持的な給與というものが行われやすい点をここに指摘いたしまして、財政緊縮というようなことを言う熱意と方針は、こういうふうな雑多な特別職の高級の官職の整理ということから始められなければ、首尾一貫しないかと確信いたします。  以上のような理由をもちまして、この法案に反対をいたす次第であります。
  69. 星島二郎

    ○星島委員長 逢澤寛君。
  70. 逢澤寛

    ○逢澤委員 民主党はただいま提案になつております問題については、本委員会におきましても事前に考えておつたことでもありますし、参議院における適切なる検討を了といたしまして、本案に賛成いたします。
  71. 星島二郎

    ○星島委員長 これにて討論は終局いたしました。  ただいまより本案を議題といたしまして採決を行います。本案に賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  72. 星島二郎

    ○星島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。衆議院規則第八十六條によりまする本案に関する委員会報告書は、先例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 星島二郎

    ○星島委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長に御一任をいただくことにきめました。     —————————————
  74. 星島二郎

    ○星島委員長 引続き国家公務員職階制に関する法律案議題といたして質疑を継続いたします。
  75. 橋本龍伍

    ○橋本(龍)委員 午前中二十九條の解釈政府委員に御答弁を伺つたのですが、私は少し観点をかえて、ちよつと同じ問題で確かめておきたい問題があるのでございます。私も二十九條の解釈については藤枝委員質問されたと同じ意見であります。ただ人事院の力で職階制というものは計画であるという御答弁がありましたが、これは私も実は職階制というのは計画だと思つております。それはつまり人事院の方で説明をされたように、あらゆる官職分類して職種職級にわけられておる。それがすなわちあらゆる官職をわけるために格付をするための計画であるには違いない。しかし考え方として山下人事官の方から御説明がありました現実にある官職分類するための計画でなく、もう一段前の計画であるということがわからぬのであります。それで前々からお話も出ておるのでありますが、人事院から出されておるパンフレツト、このパンフレットはただのパンフレットでなく、この審議の初めに政府委員説明をする際に、このパンフレットを開いてくれということを言われて、これをもとに説明をされたくらいで、権威のあるものとわれわれは了解していた。速記にもあるはずであります。その三十二ページにもちやんと書いてありますように、「職階制国会承認され、法律なつたならば、次には各官職職階制を適用し、各官職を最もふさわしい職級に編入する。このことを格付するという。」とはつきり書いてありまして、このパンフレットが間違いだから訂正するというならば別でありますが、これははつきりと格付が職階制なるものによつてできるというつまり職種職級をわけたものを職階制ということをはつきり書いてある。私はこういうふうな点に関しまする私の見解をここで修正する気はありませんが、午前に引続いて同じようなことを伺つてもしようがないので、ひとつ伺いたいのです。前々から政府委員の御答弁によりますると、このパンフレツトの三十二ページにあるような職種職級にわけたところの職階制、すなわち格付がそれによつてできる職階制というふうなものを、このパンフレット通りに国会承認して、法律とするということは非常に困るのだ。時々刻々かえなければならぬということを言われるのでありますが、これがわからないのであります。つまりパンフレットの十三ぺ—ジにありまする第五図、これがわれわれの理解する職階制であり、かつこのパンフレットの三十二ページにあげてある職階制でありまするが、なおまたやはりパンフレットの五ページのところにも、「職階制は、国家公務員法第二十九條にあるように仕事の種類および複雑と責任の度つまり簡單にいえば、職務と責任を基準として、あらゆる官職分類整理したもの」と書いてあります。こういうふうな意味における職階制というものをつくれ、そこで職種職級がきまるわけである。これを法律できめると時々刻々かえなければならないから困るという理由を、もう少し御説明願いたいと思います。私の理解するところでは、例をあげて申しまするのに、たとえばある官庁で、今までは乗用自動車とトラックだけあつた。今度馬力を雇うという場合には、新たな職種を設定しなければなりません。そういうふうな今までなかつたものがあるというふうな場合には、それが閉会中にきめる必要があるならば、人事院においてかりにきめて、次の国会承認を得るというのでさしつかえないわけであります。また今まであつた職種が用がなくなつたら、もうとつて置けばよろしいのでありまして、どうもパンフレットの三十二ページにあるように、一たび人事院考えられて、それからあとでどうも困るという理由がどうしてもわからないので、どうして困るかということを実質的に伺いたい。
  76. 山下興家

    山下(興)政府委員 ただいま橋本さんからのお話がありましたが、「国家公務員職階制」というパンフレットの三十二ページにあります格付は、私が午前中に申しましたような気持で、これをお読みくださつても、ちつともふしぎなことはないのであります。これは国家公務員法の第三十條は「職階制実施」ということになつております。それから三十一條に「官職の格付」ということがあります。格付と実施ということは何を意味するかと申しますと、職階制というものを法律でおきめ願う。それに今度実施が伴うということであります。実施とは何かと申しますと、格付以外を考えますと、職級をつくるということ以外にまずないだろうと思うのでありますが、職級をつくりますのが実施であり、と同時にこの職級に格付すべきものということが、実施の定義の中に入つておるのでございます。それですから、そういう格付ではないもの、あるいは職級まできめたものを職階制といたしますと、三十條が読めなくなるわけであります。それからパンフレットの十三ページにありますものは、これは給與とからみ合つたところでありまして、結局現在の職階制が確立いたしまして、それから後、今度は給與準則ができますが、その給與準則ができますと、職階制をからみ合して行きますと、ちようど第五図のようなかつこうができ上るわけであります。その給與準則は、将来ここで法律としてまた御審議願わなければならないのでございます。
  77. 橋本龍伍

    ○橋本(龍)委員 ただいまの御答弁は、私の伺つたことの答弁になつておらないわけでありますが、ただいまの三十條の解釈等については、私は山下さんの解釈はおかしいと思う。なおあとで申し上げることがありますが、まず私がさきにお伺いした点についての端的な御答弁を願いたいのであります。つまり私ども考え方というものは、どうしても正当であるということが人事院の文書にちやんと書いてあるのでありますが、第五図に書かれた職階制、つまり職種をわけて、その下に一級とか、二級とか、三級というふうにわけておる。それに従つて格付が行われるわけであります。職階制ができておつて、何局の何課の何係の主任というのは、この職階制職種の何に当るかという適用ができるわけであります。それが第五図にあるような職階制法律できめると、非常に困るのだという理由を承りたい。
  78. 山下興家

    山下(興)政府委員 今の橋本さんのおつしやるところによりますと、格付までも法律できめるということのようでございますが……(「違う」と呼ぶ者あり)それでは職級までも法律できめるということに解釈してよろしゆうございますか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうすると、職級をきめましても、これは一人々々の官職について、その困難さだとか、仕事だとかについて、こまかくわけて職級というものができるのでございます。それは時々刻々移りかわる状態にある。これは大きく考えますと、ある一つの組織ができたと、か、あるいは組織がかわつたとかいうときには、それは大きくかわるのであります。しかし一つの場所で同じ部屋で働いております人間でも、ある男がやつておる仕事の性質と、次の男がやつておる仕事の性質が多少違つて来ますと、すなわち情勢がかわる。そうすると、結局職級も違つて来なければならない。そういうこまかなことはとうていこういうところで審議することができない性質でございまして、われわれは職級をきめます時分には、人事院が単独にこれをきめては危険でございますから、各省に職階担当官というものがございます。それがこまかく研究いたします。そうしてそれを持ち寄りまして、始終職階担当官が職務分析をして、職級明細書というものをこまかく書き上げるのでございます。そうしてそれがお互いに議論をし合つてきめて行くので、これはあらかじめ公表いたしまして、みんなの批判をできるだけたくさん仰いで、それによつて職級明細書というものができ、職級が確立変更して行くわけであります。それを一々これが法律であるとして、一字一句かえられないということになりますと、どうしても情勢に適合できないのでございます。それで午前中に申しましたように、アメリカでは、そういう私どものような五百幾つの職種考えるのではなく、たつた四つの職種として、大きく四つ割にしましても、なかなかそれが実行不可能であつたから、今度は法律の中から四つの職種を取りのけた状態でございます。これは諸外国の実例を見ましても、とうていそれは法律としては動かないものということに考えております。
  79. 橋本龍伍

    ○橋本(龍)委員 私はアメリカ職階制について伺つておるのではなくて、日本の職階制について伺つておるのであります。私の申し上げておる職階制ということは、くどいようでございますが、人事院説明された、つまり速記録をとつて引用して説明をされたものの解釈よりは、一歩も出ていないということを繰返して申し上げます。それでなおくどいようでありますが、お伺いしたいのでありますが、三十二ページに格付のことが書いてありまして、国会承認を得て職階制ができて、それから格付に入るわけであります。各省の官職はなるほどいろいろなものが確かにあります。このパンフレツトに書いてある職階制が、法律上からたくさんある官職を見て最もふさわしい職級に編入する、すなわち格付です。このこと自身は決して法律でやれということを申しておるのではないので、ここに書いてある格付は行政行為でありましよう。格付する前に職種職級でわけたもの、それを法律できめることがどうして困るかわからないのであります。各種官職というものは動きます。同じ部屋の中である種の仕事をやつていた者が別の仕事をすれば、また仕事の内容がかわるということを、時々刻々というのは言い過ぎだと思う。もちろんかわりましよう。しかしそれはかわつたところに従つて、最もふさわしい職種としてどこにつつ込むかということが問題になるのではないかと思うのであります。ただまつた職種自身がないということになつた場合には、これは問題はございましようけれども、私が先に申し上げたように、今まで規定していない新しい職種ができたような場合には、次の国会においてあとで承認を得るということでよろしいわけであります。三十二ページに書いてある職階制は時々刻々にかわると思う。それを法律できめるという意味がどうもわからない。なお重ねて伺いたいと思います。
  80. 山下興家

    山下(興)政府委員 三十二ページの格付というところで、職階制国会承認されて法律なつたならばということを、一応今回提出いたしました原案が、これが職階制ということにお考えつたといたします。そうすると、そう次には何をするかというと、格付と書いてありますが、その間にたくさんの仕事が省略してあるのであります。それはどういうことかというと、まず職群という大きな分類、今では三十ぐらいにわける。それから今度は職種にわかれる。これがいくつにわかれるのであります。その一つは次の職種について今度は責任の重大さによつてまたこれが四つなり、五つなりに分類される。そこで初めて職級というものができまして、それからそれに適当した官職をその職級へ持つて行くのでありますから、職級といいましても、その間が非常にたくさんある。それは全部実施の面でできることになる。そういうもので非常にたくさんあるということ、そうしてそれは大体アメリカの例を言うと、またしかられるかもしれませんが、アメリカは結局先輩でありますから、例として申し上げますと、大体五百人ないし千人に対して一人の職階担当官がおりまして、それが專門に朝から晩まで職務を分析しておりまして、それが会合してどんどんきめて行かないと、全体の動きを追うて行くことができないほど忙しいものなのでございます。それですから法律が今きまつて、それを動かせぬということになりますと、実際に働けないことになるのであります。これは人事院があまりに独断だとお考えになるかもしれませんが、この仕事というものは、その実態を書くというものだけなのであります。これによつて人事院がその仕事をかえるとかなんとかというのではなく、今やつておる仕事を事こまかに書き上げて、一つの職位に対して四ページも五ページも書いている仕事なのであります。その一職位の人間が千人以上になるわけでございますから、なかなかその仕事というものは、動的な仕事であるということを、お考え願いたいのであります。
  81. 星島二郎

    ○星島委員長 今本会議で懲罰事犯が起きて、みんなの出席を要するという通知がありましたから、明日継続することにして、本日はこれにて散会いたします。     午後四時二分散会