○増田国務大臣 この
法律にある百分の五以上の俸給を引上げなくてはならぬという点につきましては、
人事院がたとえば
CPIが百分の五上れば、ウエージが百分の五上るというふうに
考えていらつしやるかどうか、そこはわかりません。あるいは百分の七上
つた場合は百分の五となるか、必ずしもこれは一方の五が他の五にならなければならぬということはないと
思いますが、その点は一応省略して
考えますと、私
どもは名実ともに賃金
ベースが設定されたのが、今年の四月である。十二月に予算上は設定されておりますけれ
ども、いわゆる旧拂いでございまして、その総額は赤松さんも御
承知のごとく当時の補正予算二百六十五億円以上は出してはいかぬ。こういうことでございましたから、泉山案の設定せんとしておりましたところの五千三百三十円と、金額において少しもかわるところはありません。スタンダードにおいてかわらないだけでなしに、金額においても少しもかわらない。十一月はそれだけを拙い、一月には一円もら
つたり、人によ
つては十五銭しかもらわぬという者も出て、結局は四月までは実質的に賃金
ベースは設定されなか
つたというふうに
考えます。私の申し上げるのはそこから来る次第であります。そうして四月には御
承知のごとく形においても実質においてもすべて六千三百七円
ベースが設定された次第であります。そのときから見ますと今日は
CPIがだんだん下りつつあります。しかも政府の各般の施策によ
つて減税あるいは取引高税の撤廃による
物価の値下りというようなこと、あるいは厚生施設というような各般の施策によりまして、
CPIの低下にともな
つて、またそれにプラスいたしまして実質賃金を上げて参りたい。こう
考えておる次第でございまして、むしろ四月がGPIは一番高か
つたのでございますから、賃金
ベースの変更を要求するならば、新しく名実ともに設定されんとする六千三百七円案なんかではだめである。これこそまさにこのときにおいて改正すべきであるというふうに声を大にして叫ぶべきではないか。こういうふうな
考えをいたしております。しかしながらこれは別問題でございますが、今やだんだんいわゆる低
物価政策、あるいは安定政策によ
つて物価を低くしようとしておる状況でございます。また赤松さんよく御案内の通り、一般産業労働賃金がくぎづけか、あるいは下るという傾向にもあるときでございまして、もとより非常な隔たりがあることは私
どもはよろしくないと思
つております。しかとそういう傾向にもある次第でございますから、この際は名目賃金は上げたくない。そのかわり実質賃金は何とかあらゆる
方法を講じまして考慮いたしたいと
考えておる次第でございます。それが先般来総理が、あるいはボーナスのことを考究せよと言い、あるいは宿舎のことを
考えろ、あるいは交通費のことを
考えろ、あるいは超過勤務のことを
考えろというようなことで、せつかく政府が一生懸命努力いたしております。
公務員が昭和五三九年に比べると、実質賃金が六十数パーセントであるということは事実でございますから、できるだけ早く昭和五一九年に達したい。また達しなければお気の毒であると、こういう心持のもとに努力しておる次第でございます。