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1949-11-25 第6回国会 衆議院 考査特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十五日(金曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 小玉 治行君    理事 高木 松吉君 理事 内藤  隆君    理事 吉武 惠市君 理事 猪俣 浩三君    理事 木村  榮君 理事 石田 一松君       安部 俊吾君    菅家 喜六君       佐々木秀世君    加藤 鐐造君       坂本 泰良君    橋本 金一君       横田甚太郎君    山崎 岩男君       小林  進君    浦口 鐵男君  委員外出席者         証     人         (物価庁第二部         主要食品課長) 明石 長助君         証     人         (会計検査院第         一局出資検査第         二課長)    小林 雄全君         証     人         (日本容器株式         会社叺部長)  瀧澤 榮一君 十一月二十五日  委員長赤松勇君辞任につき、その補欠として坂  本泰良君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  油糧公団をめぐる不正事件について調査を進めます。本件につきましては理事諸君の御了承を得まして、二十五日に物価庁第二部主要食品課長明石長助君、会計検査院出資検査第二課長小林雄全君、元脱脂糧穀販売業会事務主任瀧澤榮一君、油脂資源増産全国協議会会長三宅正一君、二十六日に元水産油脂協議会会長本郷慰興男君、元油糧配給公団総裁西川英三君、帝国油糧株式会社社長周東英雄君、以上の諸君にそれぞれ本委員会出頭を求める手続をいたしておいたのでありますが、以上七名の諸君を本委員会証人として決定いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なきものと認めまして、それでは証人として決定いたしました。     —————————————
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではこれより公団をめぐる不正事件のうち、油糧配給公団関係の分について証人より証言を求めることといたします。  ただいまお見えになつておる証人は、明石長助さん、小林雄全さん、瀧澤榮一さん、以上三名ですな。あらかじめ文書をもつて了承願つておきましたが、委員会において正式に証人として証書を求めることに決定いたしましたから、御承知願います。  それではこれより公団をめぐる不正事件について証言を求めることといたします。証言を求むる前に各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祭祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  それでは明石さん、代表して宣誓書を御朗読ください。     〔証人明石長助君各証人を代表して朗読〕     宣誓書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは皆さん署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求める順序は明石さん、小林さん、瀧澤さん、かようにしますから、明石さん以外の方はしばらく元のところでお控え願います。     —————————————
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なお委員赤松勇君は本日委員を辞任いたし、その補欠として坂本泰良君が選任されましたので、この際御報告いたしておきます。     —————————————
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 明石長助さんですね。
  9. 明石長助

    明石証人 はい。
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証人物価庁主要食品課長をしておいでのようですが、いつからおやりですか。
  11. 明石長助

    明石証人 昭和二十二年十月三日に就任いたしまして、それ以来ずつと今まで現職についております。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主要食品課というのはどういう仕事を担任しておられますか。
  13. 明石長助

    明石証人 米麦等主要食糧価格設定酒類価格設定、飼料の価格設定、大体以上であります。
  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これらのものの価格査定はどういう手続によつて行われておりますか。大体筋書きでよろしいですが……
  15. 明石長助

    明石証人 私の課で課員の起案いたしましたものを私が決裁いたしまして、それを私の直属の上官でございます第二部長決裁を得まして、次長まで決裁を得まして、普通一般のことは次長限りで決裁が行われますが、重要なことは物価庁長官を兼務しておられます安本長官決裁を受けることになつております。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その課員査定については、大体どういうことを標準にして価格を出されるのですか。
  17. 明石長助

    明石証人 私のところで所管しております物資は農産物が大部分でございます。農産物につきましては、農家購入品価格との均衡をはかる意味におきまして、農家購入品値上り倍率を調べまして、それによりまして農家の販売いたします価格をきめるのでございますが、農産物の政府の販売する価格、あるいはそれ以後の価格につきましては、運賃保管料その他をすべてマル公で評価いたしまして、最終の価格まで計算するわけであります。農産物以外の物、特に酒類等につきましては、生産に要しまするいろいろの原価要素につきまして、やはりマル公計算いたしまして価格を決定いたすわけでございます。
  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、まず買入れ価格がきまつて、それから運賃保管料等計算の上で販売価格をきめるということになるわけですね。
  19. 明石長助

    明石証人 はい。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆油糧配給公団販売価格査定の中に、大豆増産奨励金という名前で、大豆六十キロについて六円十五銭、本年は二円になつたそうですが、そういうものが含まれているのは、これは間違いありませんね。
  21. 明石長助

    明石証人 間違いありません。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは今あなたのおつしやつたように、購入品価格その他経費等以外にそれを別に見積つたわけですね。
  23. 明石長助

    明石証人 そうです。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こういうことは、何かほかにもそういう例があるのですか。
  25. 明石長助

    明石証人 あまりほかに例がないと思います。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これだけですか。
  27. 明石長助

    明石証人 はい。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、その価格というものは、大豆を販売した際に購入者から販売代金として受取るものでしようね。
  29. 明石長助

    明石証人 そうでございます。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは公団ですから、公団でそれを販売しますと、公団販売代金として入るわけでしよう。
  31. 明石長助

    明石証人 そうでございます。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが油糧配給公団では、これを販売代金の中から差引いて別途に積み立てておいたそうですが、そういうことは御承知ですか。
  33. 明石長助

    明石証人 聞いております。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 得意先前受金勘定とかという名前で出ておつたそうですがね。
  35. 明石長助

    明石証人 そこまでは知りません。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしてその別途に積み立てておいたものを、大豆協会というものがあつて、その要求があればその協会に交付されておつたそうですがこの点も御承知ですか。
  37. 明石長助

    明石証人 はい。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは価格査定の際に大豆奨励金として価格の中に入れるまでは、これは入れられたのですから、よしあしは別として、まあいいと思いますが、そのときには、そういうことで入つたら、別に積み立てておけということを何かあなたの方で指示でもされたことがあるのですか。
  39. 明石長助

    明石証人 別段指示はいたしておりませんが、大豆協会大豆協会事業に関する経費として、必要な経費といたしまして、ただいま仰せになりました六円十五銭、あるいは今度の二円を織り込んでおるわけでございます。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その積み立てておるということは別途に——それはどういうことでできるのですか。
  41. 明石長助

    明石証人 私ども承知しております範囲におきましては、大豆協会油糧公団の受取りましたマージンの中から交付するというように承知しております。
  42. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 マージンの中から……
  43. 明石長助

    明石証人 大豆協会販売価格といたしまして収得いたしました金額の中から、ただいまの織り込みましたものを大豆協会に交付する、こういう……
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたの方でそういうことを指示したのですか。
  45. 明石長助

    明石証人 口頭でそういうことを言つております。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一体これは特例だと言うんだが、この大豆限つてこういうことを認めた根拠はどこにあるのですか。
  47. 明石長助

    明石証人 私、先ほど申し上げましたように、赴任して参りましたのは二十二年でございますが、大豆協会経費としての増産奨励金につきましては、昭和二十一年からございまして、終戰後国民蛋白資源が非常に不足している折柄、どうしも国内大豆増産をはからねばならぬという趣旨からいたしまして、その当時の大豆販売統制機関でありました帝国油糧統制株式会社販売価格の中に、やはり同じような増産奨励金生産者価格の一%ということで織り込んでおつたのでございます。私参りまして、二十二年産の大豆販売価格を決定するに当りまして、やはり同じ問題が出て参りまして、大豆協会から農林省を通じて、従来そういう経費が織り込んであるのでありますが、このたびもやはり同じような意味で一%を織込んでほしいという話があつたのでございます。いろいろその経費の使われております使用の内容をお聞きしたりいたしますと、目下の事情といたしましてはやむを得ない措置と思いまして、やはり同じように織り込んで参つたのであります。ただ一%ということにいたしますと相当の金額に上りますので、協会予算といたしましてどれだけ必要であるかという事業予算農林省の方からいただきまして、その予算金額と、今後一箇年間の取扱数量を勘案いたしまして、その数量で割りました單価、その当時は四円十銭だと思いますが、四円十銭を織り込んだのであります。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会からそういうことを申し込んだんですか。また農林省からもそういう必要があるということを言つたんですか。
  49. 明石長助

    明石証人 協会からも農林省からも両方……
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省からも言つた。織り込んで受取つて、そうしてそれを大豆奨励に持つて行くということはいいと思いますが、大豆代金なんですからね。しかも公団にならぬ前の帝国油糧ならば、これは株式会社ですから別段……公団というものは国家機関ですね、これは十分御承知でしようね。国家機関が入つたものを別途にかつて積立てたり出すということはさしつかえないのですか。
  51. 明石長助

    明石証人 農林省が必要と思われまして私の方に要望して参つたのでありまして、農林省の監督のもとに、公団協会事業のため支出するということはさしつかえないと思います。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その予算外であつてもか。
  53. 明石長助

  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団というものは国家機関ですからね。
  55. 明石長助

    明石証人 公団予算に入つていないのでございますか。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出すという予算にはないでしよう。これは予算外でしよう。それだから、別途に積立てているんでしよう。そういうことをあなた方さしつかえないものと思つておりますか。
  57. 明石長助

    明石証人 農林省が必要と認めておられるのでございまして、そういうふうでさしつかえないと思つておりました。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今どうですか。これは離れて抽象的に聞きましよう。国家機関の收入支出予算にとるべきものであるということは、あなたも御承知でしような。
  59. 明石長助

    明石証人 承知しております。
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団国家機関であるということは間違いないね。しからば予算にあるもの以外の収入支出もないわけでしよう。収入はあつてもいい。それは一応國庫に入るわけでしよう。入れば、出すときには予算がなくては出ないものでしよう。それは間違いないね。
  61. 明石長助

    明石証人 はい。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかるに、この金だけがそういう予算がなくともかつてによけておいて出せるという論拠がどこにあるかという、それを聞きたい。
  63. 明石長助

    明石証人 予算に全然載つていないとしますと、問題があると思います。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 すると、その次は、農林省からそういうものを出していいと言い、かつ物価庁までがそういうものは増産に必要なんだから、かつてに出してもいいんだと言われる、その根拠はどこにあるかを聞きたい。
  65. 明石長助

    明石証人 私どもといたしましては、かつてに出してもいいと申し上げているわけではないのでありまして、価格上織り込んだのでございまして、そのあと支出につきましては、農林省責任でやるべきものじやないかと思います。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしあなた方は、さつきからそういうふうに別途に積立てておいて出してもいいと承認したと言われる。
  67. 明石長助

    明石証人 私申し上げましたのは、大豆協会事業費として必要な金だという意味で織り込んだ。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいい、織り込んだのはいい。織り込んでも、大豆代金なんだから、一応国庫収入になるわけでしよう。公団販売代金だからね。
  69. 明石長助

    明石証人 ……
  70. 大橋武夫

    大橋委員 それは合法的に支出されるものとして、君の方は計算に入れたと言うの。
  71. 明石長助

    明石証人 そういうように思います。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから大豆奨励金として出すということは、奨励金なんだからいいでしようけれども予算なしにかつてに入つたものを積立てておいて、そうしてすきなように出してやるということは、国家機関として直接出してやるということはできない。
  73. 明石長助

    明石証人 私は予算に入つていたものと思つておりました。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど言うように、別途に積立てておいた、これは知つている。それを出していいとあなたの方で言つたかと言うたら、そういうふうに了承したと、こう言う。
  75. 明石長助

    明石証人 別途に積立ててあるというか、そういう収入科目としてあると思いました。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一得意先前受勘定というのをあなたが知らぬというのはどういうなんですか。
  77. 明石長助

    明石証人 そういう言葉はちよつと……
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体そういうことは前受でも何でもない。りつば代金なんだ。織り込んで代金なつたんでしよう。価格となつているんでしよう。販売価格販売価格ならそれだけは販売代金です。代金国庫収入しなければならない。それから奨励金だからといつて予算で取つて、そうして出すのは、これはいいでしよう、これこれのものはいるからというので………それをやらないで、入つたらさつとよけておいて……よけておいたら出ているかどうか、かりに何に使つてもしようがないということになるのでしよう。よけておいたら予算以外の支出になるから。そういうことをあなたの方で承認されたということは、どういう根拠をもつて承認されたのか、それがきよう聞かんとする眼目なんです。
  79. 明石長助

    明石証人 私どういう経理をしているか、全然承知しなかつたのでありますが……
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よけておいて出してもいいと言つたんでしよう。
  81. 明石長助

    明石証人 よけておいて出してもいいということではありませんで、大豆協会事業費として使うことを前提にしまして織り込んだのです。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算以外の支出として出すことを。
  83. 明石長助

    明石証人 予算以外——予算というのははつきりしないのでございますが……
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし国家の金を使うときには、国家支出予算以外に出すべからざるものであることは、官吏である以上はわかつておるでしよう。
  85. 明石長助

    明石証人 そういう性質に関しては、収入支出予算に立つておるのじやないかと思つております。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算に立つておるのだつたら、別途積み立てる必要はないじやないですか。それを物価庁了承を得てやつたと言うから、だれの了承を得たのか聞いてみると、明石課長了承を得たとみな言つておるのですよ。
  87. 明石長助

    明石証人 農林省から要求がありまして、農林省責任といいますか、農林省が監督して支出するわけでございますので、さしつかえないと思つております。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方は、物価をきめてやるところなので、この中に奨励金がこれだけ入つておるということは言われてもよいが、それを別途に出してもよいという権限物価庁にあるのか。
  89. 明石長助

    明石証人 別途に出してよいということを申し上げておるわけではありまん。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなことを承認する権限があるのかね、物価庁に……
  91. 明石長助

    明石証人 権限は、ございません。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう意味だね、承認したのは……
  93. 明石長助

    明石証人 大豆増産奨励金として織り込んだのでありまして、その後の支出につきましては、私どもとしては関与できないわけでございます。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうしてそれを承認したのですか——問題はあなたの方で承認したかしないかが問題なんだ。承認したとすればどういう根拠でしたか、こういうことになるんだ。
  95. 明石長助

    明石証人 予算外支出するということを、私ども承認する権限はございませんから、そういう意味承認はしておりません。
  96. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう承認をしたのだ。
  97. 明石長助

    明石証人 大豆協会事業として織り込んだということを連絡してあるだけでございます。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いありませんか。
  99. 明石長助

    明石証人 間違いございません。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 向うはあなたの承認を得たと言うのですが、そういうことがあるのかないのか……
  101. 明石長助

    明石証人 予算外にそういうものを支出するということについて、承認を与えたことはございません。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私もそうだろうと思うけれども向うはみなあなたの承認を得たと言うから……それは間違いないかね。それは重大なことだよ。
  103. 明石長助

    明石証人 織り込んであるということを連絡してあるだけです。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしあなたはさつきそういうことを承認しましたと言うたでしよう。そういうことはないのですか。
  105. 明石長助

    明石証人 ありません。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは重大なポイントですから……それではないとしておきますが、これについて会計検査院で問題になつておることをお聞きになつたでしよう。
  107. 明石長助

    明石証人 去年問題になりましたことを聞きました。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは公団にならぬ前と、なつてからとは、質問いたします性質がかわるのだから、この点も区別しなければならないのですが、それで会計検査院で問題になつたときに、あなたの方にはこんな質問はなかつたのですか。
  109. 明石長助

    明石証人 ありません。あとで本庁の方から聞きました。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方には直接にはなかつた
  111. 明石長助

    明石証人 ありません。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは承認を与えないということにしておきますよ。他に重大な影響がありますから、繰返して申しておきます。そういう意味承認を与えたことはない。
  113. 明石長助

    明石証人 予算外支出をやることを承認したかというのですか。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算外ということはやめましよう。別途積立てをして、それを大豆協会に出してよろしいということを承認したのですか。
  115. 明石長助

    明石証人 そういうことも承認いたしておりません。大豆協会経費として織り込んだということを連絡しておるのでありまして、その金が大豆協会経費に使われるということは、十分に承知しておるわけであります。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次は大口分解硬化用油脂公団販売価格は、一般分解硬化用油脂販売価格よりか十六・五キロについて四十二円または四十八円高くなつてつたというが、そういうことは御承知ありませんか。
  117. 明石長助

    明石証人 油の関係は実は私の課の所管外でございまして、分解硬化油のことが問題になつておるということは聞きましたが、あまり詳しい内容は存じておりません。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは大口の方の取扱いのマージン関係になるらしいですね。
  119. 明石長助

    明石証人 はい。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これもあなたの方は全然関係はないのですか。
  121. 明石長助

    明石証人 私の方に工業食品課というのがございまして、油は工業食品課所管になつております。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 課長はだれですか。
  123. 明石長助

    明石証人 山本英喜といいます。昨日事務局の方から御連絡くださいましたのですが、実は課長は出張しておりまして、ただいまおらぬのです。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことを聞いておりませんでしたか。あなた直接聞いただけでも……
  125. 明石長助

    明石証人 昨日事務局の方から電話をいただきましたので、どういうことなんだということをちよつと聞いただけでございますが、今まで全然そういうことを聞いておりません。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やはりこれも販売価格として渡しておるのですね。マージンは、どうあろうと、公団が売つた以上は販売価格です。これも同じく得意先前受金として、別途積立てとしていろいろな方面へ出しておる、そういう事実は今まで聞いておらなかつたのですか。それがまた先ほど言うたと同じことになつてあと会計検査院の問題になつて、相当聞きただされておつたということは聞きませんか。
  127. 明石長助

    明石証人 聞いておりました。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは同じ性質のものだ。先ほども聞いたのですが、ほかにも何かこういう方法でやらしておるようなことはありませんか。
  129. 明石長助

    明石証人 価格に織り込んでやつておるということはあまり聞いておりません。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格に織り込んだのはさつき奨励金だけです。これはマージン料公団がとつたとき、そのマージン料をとつたらかつてにやつていいというようなこと、何かあなたの所管のうちでそういうことはありませんか。
  131. 明石長助

    明石証人 私の所管ではございません。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あんた方の方で関係しておることで、会計検査院で問題になれば、われわれも問題にしなければならないのですが、ほかにそういうことで何か心当りのものはありませんか。
  133. 明石長助

    明石証人 ございません。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかに何かありますか。
  135. 高木松吉

    高木(松)委員 大体わかつたのですが、わからないところが、一番重要な点であつて、これを聞きたいのだが、一体物価庁価格を決定するときに、何か基準でもあるのですか。どこからでも申し出て来れば、それをただちに価格の中に織り込むようなことになつておるのですか
  136. 明石長助

    明石証人 運賃とか保管料とかいうものにつきましては、これは当然基準がございまして、それによつてつておるのでございますが、ただいま申し上げましたように、大豆協会増産奨励金というようなものにつきましては、これは私の知つております範囲では、唯一例外だと思います。
  137. 高木松吉

    高木(松)委員 唯一例外だと言うが、そういう例外は、どの省からでもいつて来れば、価格をきめるときにその例外を用いるのですか。
  138. 明石長助

    明石証人 いや、そういうことはありません。
  139. 高木松吉

    高木(松)委員 その例外を認める法的根拠というものはあるのですか。
  140. 明石長助

    明石証人 ございません。
  141. 高木松吉

    高木(松)委員 ないのにかつてにできるのですか。
  142. 明石長助

    明石証人 先ほどから申し上げましたように、二十一年以来ずつと慣例的に認めておりまして……
  143. 高木松吉

    高木(松)委員 しかしあなたは国家の役人として、前にやつていたのは帝国油糧株式会社、いわゆる民間の会社でしよう。その当時のことと、公団という国家機関であるものとの切りかえのある場合においては、それ相当あなた方は法的根拠を探究して、権威ある価格設定をしなければならぬと思うのだが、そのときにそれは考えなかつたのですか。
  144. 明石長助

    明石証人 私といたしましては、農林省から要求がございまして、農林省で監督して使うということでございますから……
  145. 高木松吉

    高木(松)委員 使う方はわかりましたが、そうすると、農林省から要求があれば、あなたの方はうのみにするので、そのほんとうの決定権は農林省にあるのだね。そこで違法を行つたときの責任というものが起きて来るのですから、農林省がそういうふうに要求して来れば、あなたの方ではそういうものを価格の中に構成せしめて、価格を決定しなければならぬ立場にあるのですか。
  146. 明石長助

    明石証人 農林省が適法に支出し得るものと認めまして、農林省から要求が参りまして、しかも増産奨励金の使途が、その当時の事情あるいは今日のわが国の事情といたしまして、やむを得ないものであると感じましたので……
  147. 高木松吉

    高木(松)委員 そうすると、当時増産の必要であつたものは大豆に限りませんね。日本の国状からいえば、米麦みんなそうでしよう。そういうものについて、今のような奨励金というものを価格に入れてくれろといつたときに、あなた方が正当性を認めてただちに価格に入れるというのか、それとも農林省でそういうことをいつて来れば、うのみにしてあなたの方でやるべき義務があるのか、どつちなんですか。
  148. 明石長助

    明石証人 義務はございません。
  149. 高木松吉

    高木(松)委員 そうすると、あなた方独自の立場でその正当性を判断して、あなたの責任価格を構成することになりますね。
  150. 明石長助

    明石証人 価格の織込みについては……
  151. 高木松吉

    高木(松)委員 そこでそれでは私は聞きたいのだが、一体大豆協会というものは何者であるか、あなた当時御承知つたのですか。
  152. 明石長助

    明石証人 知つております。
  153. 高木松吉

    高木(松)委員 これは民間の任意団体で、組合ともいえないし、法人でもなければ何でもないものですね。そういうところへ、農林省がいわゆる価格の中に増産奨励金を織り込んでくれろといつて来たときに、それに検討を加えて、あなたの方では、こういうことでやるべきものでないというふうに、けるべき筋合いのものではないですか、今考えてどうですか。
  154. 明石長助

    明石証人 私率直に申し上げますと、本来かような性質経費国家予算に計上されまして、それを農林省が補助金として支出するのが至当であろうと思つております。
  155. 高木松吉

    高木(松)委員 その当時あなたはそういう疑義を起さなかつたのですか。
  156. 明石長助

    明石証人 当時農林省にも、そういうことを申し上げたのでありますが、農林省としましては、終戦以来毎年今の奨励金予算化につきまして努力して参つたのでございますが、なかなか実現できない。しかし必ず近い将来に実現するように努力するから、それまでの臨時的な措置として、ぜひ認めてほしい、こういうことでございますので、やむを得ないこととしてやつてつたわけであります。
  157. 高木松吉

    高木(松)委員 われわれの聞かんとするところは、そこなんですよ。そういう臨時的処置を法的根拠なしにやつていいのかどうか、やるということになると国家予算は乱れ、法律は蹂躙されるような結果になるので、あなた方役人はどこまでも予算法律とによつて行動しなければならぬ。そこであなたは、今大豆増産奨励金はその当時どうしても必要だつたと言うのですが、そんな必要なものであるならば、国家が認むべきものである。しかも国家がこれを認めずにおるということは、それ相当の理由があつてそうあるべきものでしよう。それをあなた方が独断でそういうことをやることは違法じやありませんか。
  158. 明石長助

    明石証人 価格に織り込むことについて違法だとは考えておりません。適当な措置ではあると思つてつたのでございますが……
  159. 高木松吉

    高木(松)委員 今もそう考えておりますか。
  160. 明石長助

    明石証人 今もできるならば予算でやるべきものだと思つております。
  161. 高木松吉

    高木(松)委員 予算でやるべきものを、あなた方が予算外でやることが適法と考えておりますか。せんじ詰めれば、何でもあなた方の主観において考えて、これは必要だと思えば、物価庁物価の中に織り込んでどんどん何でもできるのですか。そういうやり方をするから、この油糧公団の大問題が起きてしまうのです。結果からいうと、やり方がまずいから、こういうことになる。法的にいえば、違法なことをやつたから、こういうことになるとわれわれは考えるのだが、その点どうですか。
  162. 明石長助

    明石証人 正当論から申しますと、必要経費以外は織り込むべきではないと思つております。経費査定につきましては、相当検討して、厳重な査定をしているわけでございまして、ただいま申し上げましたような増産奨励金を織り込むというようなことにつきましては、相当愼重にやらねばならぬと考えております。
  163. 高木松吉

    高木(松)委員 愼重にやらねばならぬか、予算の組み方、法的根拠からいつて、あなたは物価の中に増産奨励金を組み入れたことを適法と考えておりますか、不適法と考えていますか。
  164. 明石長助

    明石証人 不適法とは考えておりません。
  165. 高木松吉

    高木(松)委員 適法の根拠はどこにあるのですか。
  166. 明石長助

    明石証人 価格の形成につきまして、どうせねばならぬという法的根拠はない。
  167. 高木松吉

    高木(松)委員 あなた方はかつてにできることになるのですか。
  168. 明石長助

    明石証人 かつてと申しましても、われわれ行政官として、もちろん制約があると思います。
  169. 高木松吉

    高木(松)委員 そこからあなたのお考えをはつきりさせたい。そこで押問答になつてどうにもならぬのですが、一体大豆協会などという任意組合に、そういう価格の中に増産奨励金を組み入れて、これらに使わせるということは、穏当な処置でしようか。その前提となつた価格に織り込んだ法的根拠は別として、そういう任意団体に、しかもあれだけの金を使うのに事務員一人ぐらいの大豆協会に、そういうものを使わせることは、穏当でしようか。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会内容について調べられたことはありますか。
  171. 明石長助

    明石証人 あまりございませんが、予算のときに内容を聞いておりました。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会というものはあるけれども、首脳部は公団そのもの、事務も公団がとつている。だから、公団受取つて出したというけれども、出したものも受取つたものもみな同一のものだ。そういう事実は調べられなかつたですか。
  173. 明石長助

    明石証人 役員、職員が兼務しているということは聞きました。
  174. 高木松吉

    高木(松)委員 長く押問答してもしようがないが、一体この責任問題をわれわれ調べて行くと、大豆協会公団に塗り、公団農林省に塗り、農林省物価庁に塗りつけている。あなたはこれを平たく考えて、どこに責任があると思うのですか。あなたの方に責任があるとすれば、どういう責任があるのですか。どうもお互いにあいまいに塗りつこしているから、はつきりしたものをわれわれはつかめないのです。
  175. 明石長助

    明石証人 私としてはかように考えております。価格に織り込んだことは事実でありますので、織り込んだ経費支出するについては、農林省責任ではないかと思います。適法に支出し得る前提で私ども考えておつたのであります。
  176. 高木松吉

    高木(松)委員 そうするとその支出の面に対して、あなたの方ではどの程度まで調査する権限があるのですか。
  177. 明石長助

    明石証人 織り込んだ経費が適当であつたかどうか。つまりあまりに甘きに過ぎなかつたか。あるいは辛きに過ぎなかつたかというような点で、原価監査をする権限は持つております。
  178. 高木松吉

    高木(松)委員 私が聞かんとするのは、要するに価格に織り込むことをあなたがやつたわけですね。あなたのお話によると、織り込んだその金は農林省責任において使うべきものだ。こういうことですね。
  179. 明石長助

    明石証人 はあ。
  180. 高木松吉

    高木(松)委員 そうすると価格に織り込む点に違法があれば、あなた方の責任ですね。
  181. 明石長助

    明石証人 はあ。
  182. 高木松吉

    高木(松)委員 それから使うことについて乱雑であつたり、不当であつたりいろいろすれば、農林省責任だ、こうおつしやるのですか。
  183. 明石長助

    明石証人 そういうふうに思います。
  184. 高木松吉

    高木(松)委員 間違いありませんね。
  185. 明石長助

    明石証人 はい。
  186. 高木松吉

    高木(松)委員 そうすると、乱雑に使われたりいろいろして、使う方法や使途に対しては農林省責任を持つておるわけですね。
  187. 明石長助

    明石証人 そうです。
  188. 高木松吉

    高木(松)委員 あなたの方はただ価格をつくつてやるという責任しかない。こういうことですね。それさえはつきりすれば、これから農林省の方をはつきりさせなければいかぬと思う。間違いありませんね。
  189. 明石長助

    明石証人 はあ。
  190. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 去年まで六円十五銭だつたが、ことし二円になつたのはどういうわけですか。
  191. 明石長助

    明石証人 去年六円十五銭を織り込んだときに予想しておつた大豆の国内産の集荷数、あるいは大豆の輸入見込み数量が、相当見込み以上に——ことに輸入大豆についてそうでありますが、輸入数量がふえましたので、この四月に販売価格を改訂する機会がございましたので、よく数量を検討してみますと、その当時われわれが考えておりました予算以上になるということでございましたので、二月にいたしたわけでございます。
  192. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 量がふえたから二円にしても、去年と同じような予算がとれるということがわかつたのですね。
  193. 明石長助

    明石証人 そうです。
  194. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 量がふえたことだけが原因ですね。
  195. 明石長助

    明石証人 はあ。
  196. 小玉治行

    ○小玉委員 中途から参つたので、あるいは重複するかもしれませんが、大豆奨励金価格に織り込む。そうしてそれが最終販売価格として油糧公団から消費者に売られるということはおわかりですね。
  197. 明石長助

    明石証人 はあ。
  198. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで大豆の最終販売価格によつて売られた大豆代金、これは公団が売主、消費者が買主として公団の所得になるわけですが、そこで所得の帰属ですが、それはあなたが物価をきめる際には、そうして得たところの金は全部油糧公団の所属に帰するというようなお考えでしようか。
  199. 明石長助

    明石証人 そういうふうになると思います。
  200. 小玉治行

    ○小玉委員 油糧公団の金と言えば、すなわち国家の金——国家の代行機関だからそうなりますね。それはあなたもそういうふうに御解釈でしよう。
  201. 明石長助

    明石証人 そうです。
  202. 小玉治行

    ○小玉委員 そこでその大豆代金のうち、すなわち国家の所得に帰属したところの大豆代金の中から、大豆協会にこれを支出することは、国家の金を支出するという関係になるということは、あなたも御理参解なさるわけでございますか。
  203. 明石長助

    明石証人 そうです。
  204. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで国家の金を支出することになれば、そこに何らか法的根拠を必要とするのじやないかと私は考える。その点はどうお考えになるか。
  205. 明石長助

    明石証人 適法に支出せねばならぬと思います。
  206. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで本件の大豆協会大豆奨励金支出した関係は、あなたは適法とおつしやつたが、いかなる法的根拠に基いて言つたわけですか。その関係は……
  207. 明石長助

    明石証人 公団経費の使途につきましては、農林省が監督することになつておりまして、農林省が適法に支出し得るという見解でありますので、私どもの方もそれでさしつかえないと思つてつたわけです。
  208. 小玉治行

    ○小玉委員 具体的にいかなる法的根拠で出したかということはわかりませんですか。
  209. 明石長助

    明石証人 承知しておりません。
  210. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで物価を形成する際にその金が大豆協会に行く、六円十五銭あるいは二円というものが大豆協会なる民間団体に行くことを認識されて物価を形成されたのですか。
  211. 明石長助

    明石証人 当然認識いたしました。
  212. 小玉治行

    ○小玉委員 そういうふうな物価を形成する際、大豆奨励金が含んでおるということは、大体この前も聞いたのですが、最終決定権というか、最終販売価格を決定する責任者というものはどこにあるのですか。
  213. 明石長助

    明石証人 販売価格を決定いたしますのは物価庁です。
  214. 小玉治行

    ○小玉委員 具体的に言つて人的にはどうなりますか。
  215. 明石長助

    明石証人 先ほどもお答えいたしたのでありますが、物価庁長官責任でありますが、普通の販売価格の告示につきましては、次長会議決裁になつております。
  216. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私も一つだけ伺いたい。先ほどから大豆奨励金として使う金を価格に織り込んだ、それはほかの価格にはないのであつて大豆だけだ、それは農林省要求に応じてあなたはきめられた、こう言いますが、先般農林省の油脂課長の答弁によると、これはただ農林省が参考資料として六十キロに対して六円十五銭とか二円とかいうものを出すだけであつて農林省が決して強要しておるのじやないというようなことで、最後の価格をきめるのは物価庁明石さん——あなたですね。あなたの判断においてきめられるのだということを言つておりましたが、その通りでございますか。
  217. 明石長助

    明石証人 何も私ども農林省要求に従わねばならぬ義務はございません。ただ参考に言つておられるということで、私承知いたしておらぬのでございますが、もちろん協会の方からも私どもの方に要請があるのでございます。それにつきましては農林省で裏づけいたしまして、ぜひ農林省としても織り込んでほしい、こういう話がありまして私どもの方としましても、その仕事の性質、あるいは従来の慣例等も考えまして、それで織り込んでおるわけでございます。
  218. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それで大豆協会からもお願いがあつたということでございますが、他の物価に例もないものをあなたがきめることに、私らは非常に疑念を持つものですが、そこで農林省からもお願いがあつた大豆協会からも要請された、その要請の程度ですが、あなたがいろいろな人から頼まれて、増産奨励金というものは国家が当然、予算として組むべきものであるということを、あなたは御認識なさつておるようです。価格の中へ織り込むことが適当でないことも感ぜられておるだろうと思う。それをきめなくてはならぬというに至つた周囲のあなたに対するいろいろな請願、陳情、あるいは要望等があつただろうと思いますが、どういう人たちがあなたにそれをお願いに来たか、御記憶がありますか。
  219. 明石長助

    明石証人 協会としまして私に依頼に来られたのは、協会の常任理事だと思いますが、野村さん、それから農林省から私に直接いつも話に来られるのは、油脂課長の中原さんであります。
  220. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると野村さんとか、油脂課長から特別な懇請があつたので、あなたとしてはこれは国家予算で出すべきであるが、やむを得ないということを、個人的な友誼関係できめたということに解釈してよろしうございましようか。
  221. 明石長助

    明石証人 個人的な判断からだけではございませんで、先ほどから申し上げておりますように、従来から慣例的に認められておつたのでありまして、それをむしろ私どもは、今後できるだけこういうものは消費者に負担さすべきではないという見地から、だんだん金額は減らして行くべきだ、あるいは予算に組みかえて全然ないのが理想的だろう、そういう見地で油脂課長なんかと話をしておりました。
  222. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 あなたはそうおつしやられますけれども、結局慣例といつても慣例で出していたそのものは、何ら法的根拠のないものに出しておる。こういうものは価格に織り込むべきものでないということは、あなたのお考えの中にあるのです。今までの証言を聞いておると、それをも認めなくてはならなかつたというのは、要するに今の常任理事の野村さんや、あるいは油脂課長に頼まれたということできめたという以外にわれわれは解釈できないのです、なぜならば、増産奨励金などというものは、決して大豆だけではない。先ほどから皆さんおつしやる通り、すべての重要生産物に対しては、国家は財源が許すならばすべて奨励金というものは出さなければならなかつた。それが国家の財政上の見地から、おそらくはそういうものが必要であるとわかりつつも、今まで認められなかつたのだ。それを価格の中に認めたということは、あなたは大豆増産奨励のために必要だから認めた。しかもそれを別途会計にして使うということをわかつていて認めたということですから、特殊の扱いなのです。その特殊の扱いをした意味を私が質問したら、大豆協会の常任理事の野村さんや油脂課長から懇請されたということで、あなたはこれは万やむを得ないということできめたという以外に解釈しようがないじやないですか。これは議論ではありませんが、そのほかに何か理由がありますか。
  223. 明石長助

    明石証人 私の個人的な見解で、価格を特に例外的のものを織り込んで形成するということはできないわけでございまして、従来そういう取扱いをしておるということは、物価庁の首脳部、あるいは農林省の首脳部の了解さされての上だと思つております。
  224. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 たいがい物価をきめる根幹をなすのは、あなたの地位にあると思うのです。あと次長承認を得るとか、あるいは長官の承認を得るとかいうものもありますが、大体あなたのもとで企画されたものが通つて行く、こう私は承知するのです。そのあなたが、従来やつていたからというようなただ漠とした観念で、そうしてこれもしかたがないというような考えで認めたのか、それともその場合、先ほどからあなたが言つておるように、これは当然認めてやるべきであつたというあなたの個人的のかたい信念からきめたのか、そのときの心境をお聞かせ願いたいと思う。
  225. 明石長助

    明石証人 先ほどから申し上げておりますように、本来望ましいものでないと思うのでありますが、やむを得ない措置だと思つてやりました。
  226. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 やむを得ないというその言葉の中に、どの点がやむを得ないのか、増産奨励金のために使われる必要性のある金だからやむを得ないのか、それとも従来やつていたものだからやむを得ないのか、あるいは懇請されたからやむを得ないのか、その点やむを得ない内容について、はつきりしたところをお聞せ願いたい。
  227. 明石長助

    明石証人 私現職につきましてから、いろいろ今までの経過を伺つたこと、それからその費途が増産奨励のための金だというようないろいろな点から、やむを得ない措置だと思つております。
  228. 大橋武夫

    大橋委員 この増産奨励金を織り込まれる際に、予算をごらんになつて、それによつて計算されたということですが、それはどういう予算をごらんになつたのですか。
  229. 明石長助

    明石証人 協会でつくられた予算であります。
  230. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると政府の予算にないということは、むろん御承知つただろうし、協会予算に組んだならば、協会にどうしてもこれは公団から金を渡さなければならぬ、その公団予算がどうなつておるかということは全然お考えにならなかつたのですか。
  231. 明石長助

    明石証人 公団予算がどうなつておるかは承知しておりません。
  232. 大橋武夫

    大橋委員 そうして公団予算が現在ないということは御承知になつておられますか。大豆協会支出する予算というものは、公団予算の中にはないということは現在御承知になつておりますか。
  233. 明石長助

    明石証人 公団予算にどういうふうに扱われておるかは全然知りません。
  234. 大橋武夫

    大橋委員 もし公団から大豆協会に対する支出が不当であるということになりますと、もはや今後公団から大豆協会にはこういう金は交付されないことになるのですが、そうすると大豆価格の中にこれを織り込んでおくことは数字が合わなくなる。従つて物価庁としては、当然会計検査院においてこの問題が指摘されたならば、はたしてこれは正当であるかどうであるかということを調査されて、そうして不当であるということになつたならば、それを織り込んだものをはずして行く、当然大豆価格を改訂するというところまで行かれるということは、これは官吏としての当然の職責であろうと思いますが、これをどう思われますか。
  235. 明石長助

    明石証人 本当であるということであれば、当然はずして行かなければならぬと思います。
  236. 大橋武夫

    大橋委員 あなたはそれでは会計検査院の検査において、これが不当であるということを指摘されたということを承知されたのは、いつですか。
  237. 明石長助

    明石証人 ことしの春ごろであります。
  238. 大橋武夫

    大橋委員 それから今まで何をしておられましたか。
  239. 明石長助

    明石証人 会計検査院の照会に対しまして、農林省が回答しておりますが、その書類等を見たりいたしまして、なお横討すべき余地があるのではないかと思つておりました。
  240. 大橋武夫

    大橋委員 農林省の回答はどういう趣旨でしたか。
  241. 明石長助

    明石証人 農林省の回答は、当然国が予算支出すべき性質のものであるが、国家予算で通るまでの臨時的な措置としてやつて行くのであつて公団の業務としてできると思う、こういうような回答でございました。
  242. 大橋武夫

    大橋委員 それであなたはそれに同意されておるのですか。予算なしに公団支出することが適当であると思つておられますか。
  243. 明石長助

    明石証人 先ほどから申し上げておりますように、予算がどうなつておるか、私は実は全然知らなかつたのでございまして、そういうことでございますれば……
  244. 大橋武夫

    大橋委員 どうもあなたのお話は私ふに落ちないのですが、一体会計検査院がこれを不当であると指摘した理由は、どういう理由ですか。
  245. 明石長助

    明石証人 公団の業務の範囲外だというのじやないかと思います。
  246. 大橋武夫

    大橋委員 公団の業務の範囲外だというのは、つまり公団予算もないのに支出するから、業務の範囲外としていけないことになる。それがすでに会計検査院において指摘せられておれば、当然物価庁としては、そういう他に例のないようなものを物価の中に織り込んでおりながら、それに対して何ら研究もして見ないというようなことは、いささか怠慢じやないかと私は思うのですが、どうお考えになります。
  247. 明石長助

    明石証人 今後よく検討して参りたいと思います。
  248. 大橋武夫

    大橋委員 今後じやなくて、もう今日ただいま検討してください。あしたにもすぐ大豆価格を改訂するということは、あなた方としての当然職務上の責任だと思いますが、いかがですか。
  249. 明石長助

    明石証人 本年産の大豆価格が現在きまりませんで、今度の価格に織り込むかどうかについては、私どもも検討し、また農林省ともよく打合せて、その上で決定いたしたいと思います。
  250. 大橋武夫

    大橋委員 そうして農林省において要求されれば、また今年もこういうものを織り込んで、和田君以下の大豆協会諸君を喜ばせる。こういうことをやられますか、それともこういうことは今年は絶対にやらないと考えておられますか、はつきりしたところを伺いない。
  251. 明石長助

    明石証人 検査院の意見等を伺いまして、もしどうしても不当な措置であるということでありますれば、農林省から要求がありましても、織り込まないようにしたいと思います。
  252. 大橋武夫

    大橋委員 しかし検査院の意見は春ごろだから、もう今までにわかつているはずだ。わかつていないところが、職務怠慢だと私は今申し上げたのです。一体あなた今この忙しい世の中に、半年も何もしないで、今ごろになつてようやく検査院の言う通り、不当かどうかということでは困るじやないですか。この点ははつきりお考えを願いたい点だと思います。
  253. 明石長助

    明石証人 検査院の意見も断定的な意見でないように承知しております。
  254. 大橋武夫

    大橋委員 ああそうですか。よろしゆうございます。
  255. 橋本金一

    ○橋本(金)委員 どうも先ほどから伺つておると、委員長のお尋ねに対して、そのたびにお答えが一々異なつて来ておりまして、はつきりした結論に入らないのです。実は最初委員長のお尋ねのときに、すでにこの問題は二十一年ごろからこの慣例であつて、自分が就任して以来は不適当である、こういうようにお考えになつておられるのに、これが何ら改正されていない。さらにまた今の御質問に対するお答えを聞いておると、会計検査院の検査を受けたのが春であつて、今後も検討を要するというようなお言葉があつたわけでございます。そこで私は、係官としての信念というものを実際疑わざるを得ない。第一予算編成の当時並びに価格の決定の当時におきまして、すでに奨励金という名目は明らかになつておる。奨励金そのものの意味はわかつておりますが、かりそめにも任意組合にである協会がその奨励金をいかにして支出して行くか、どういう用途にまわされるかということは、あなた方では十分に先を検討してかからなければならない。その当時すでに理非の判別はできておるはずである。それをいたずらに慣例であるとか、あるいはまた自分の気がつかなかつたところは、ようやく会計検査院の検査後においてわかつておるとか、今後さらに検討をしてこれを改正しようというに至りましては、あまり無責任もはなはだしい。今一つ、かりに農林省からこれがまわされて来たといたしましても、かような面に接する場合においては、ただ数字のバランスを合せるとか、名目によつて、あるいは一片の理由によつて、あるいは情実によつて決定をされるようにあなたたちは慣例として今日までやつておいでになるのか。いま少し何ものか詳細な根拠があつて、こういうような方法を認めておいでになるのか。証人の本心が私は承りたいと思います。同時に官吏としてのあまり信念の乏しいのを遺憾と思いますから、なお一応あなたとしての、かような場合に処するところの心構えを聞かせていただきたい。同時に今までそれぞれの質問に対する答えが一々矛盾しておりまして、ただ今日の証人の立場を免れんとしての、口を合せるに過ぎない。もう少し系統的に、この出発点からここに至つたところの御説明を願いたい。
  256. 明石長助

    明石証人 私といたしましては、農林省を信頼してやつて来ただけであります。
  257. 橋本金一

    ○橋本(金)委員 しかしあなたは二十一年度以来の慣例であるから、何ものかそこの不備な点を改正しなければならないという暗示を、さいぜん委員長にお答えになつておる。信頼をしてやつたものを、なおあなたはそうお考えになる。ここに非常な矛盾がかえつて生じて来る。こういう組織、予算の編成方法、価格設定方法において誤つておるということにお気づきにならなければならない。信用すればするだけ、そこの矛盾を早く認識しなければならないはずです。にもかかわらず、何がゆえに今日までこのまま放任してあつたか、その点を承りたい。
  258. 明石長助

    明石証人 適法かどうかという判定が私どもにもつきかねますし、検査院と農林省との間で、まだそれの応答がある最中でありますので、はつきりした上で処置いたしたい、こう思つておる次第であります。私どもも十分検討はいたしております。
  259. 橋本金一

    ○橋本(金)委員 これは問題にならぬ。あなたが決定をしかねるならば、あなたにはそれぞれの上司があり、主管責任者、最後の責任者があるはず、あなたに国家はそれだけの一切の責任は与えておらないはず、それを口実ににして、自分一人によつては決定しかねておるというならば、あなたが不備であるとお認めになつた点を、いずれかの機会にこれを是正すべく立案したとか、あるいはまた上司に伺いを立てたとか、あるいはその不備の改正を要求したとか、何かいたしましたか。
  260. 明石長助

    明石証人 上司ともよりより問題になつておりますことを相談はいたしております。今後どうすべきかという事項は……
  261. 橋本金一

    ○橋本(金)委員 なおこれについて伺いますが、上司と相談をしたと言われるならば、すでに結論は出ておるはずです。あなたは自分一人でこれを決定づけかねるというお言葉であつたが、上司と相談をしておいでになるならば、結論はすでに出ておるはずです。いかなる相談をせられて、何のたれがしという上司がどういう意見を持つてつたかということを、一応聞いておおきたいと思う。
  262. 明石長助

    明石証人 上司も大体私がただいままで申し上げましたような意見でございます。私個人の意見のようなことを先ほどから申し上げておるのでございますが、個人の意見だけではございません。
  263. 橋本金一

    ○橋本(金)委員 そういう問題が、先ほど佐々木委員から言われたように、何者かに裏づけされておるように一々うかがえる。いろいろな情実であるとか何かによつて、あなたたちの立場というものを忘れて、左右されておらないかという疑惑がかえつて生ずると同時に、そういう信念のない結果が、むしろいろいろな他に犯罪を及ぼすような問題が今日生じて来なければならないことになるのであります。これを指導し、これを監督し、常にその局に当つておる者としては、特に考えなければならないことである。一々質問に対して言葉が異なるということにおいては、あるいはまた自身に与えられた職務権限の認識が足らないようなことにおいては、私どもはだれを信頼してこのように重大な問題をまかしておくかを、実際考えざるを得ないのであります。まだ他に御質問がありますから、私はこれで打切りますが、今少しく注意して、自己の職分に忠実にやつてもらいたいということを、希望しておきます。
  264. 横田甚太郎

    ○横田委員 大豆の値段は何種類あるのですか。やみの値段は別にして、ひとつお教え願いたい。
  265. 明石長助

    明石証人 大豆生産者価格が一つ、それから政府が公団に売渡すのでありますから、政府の売渡し価格、政府の売渡し先は油糧公団でありますから、今度は油糧公団販売価格がございます。
  266. 横田甚太郎

    ○横田委員 三種類ですね。そこでわかつたのですが、この間まで聞いておりましたところによりますと、これははつきりしていないのですが、大豆生産者価格と消費者価格が問題になつた。いわゆる公団収買価格というむずかしいことなんですが、これは先ほどあなたも言明されたのですが、この点が明らかになつていないのです。この収買価格と消費者への販売価格、これの違いを大体年度別に言つてもらいたいのです。
  267. 明石長助

    明石証人 書類を見てもよろしゆうございますか。
  268. 横田甚太郎

    ○横田委員 ええ、どうぞ——資料はこつちにもありますが、これが間違つておるといけないと思いましたから……それはあとで答えてもろうこととして、すると公団の収買価格は一体どういう性格のものですか。
  269. 明石長助

    明石証人 政府から買う価格です。
  270. 横田甚太郎

    ○横田委員 生産者価格から……
  271. 明石長助

    明石証人 いや、生産者価格は政府に供出する価格です。政府売渡し価格と言いますのは、政府が油糧公団に販売する価格です。それが油糧公団の収買価格になるのです。  それから油糧公団販売価格というのは、油糧公団から搾油業者に渡す価格です。
  272. 横田甚太郎

    ○横田委員 増産奨励命が四円十五銭から六円五十銭になつて、本年は二円になつておりますが、こういうふうに値段をかえて行くというのは、一体だれが要求して来るのですか。たとえて申しますと、増産奨励費は、大豆協会がそこまでやつたとは申しませんが、簡單に極言すれば、大豆協会に費用が、いるから、大豆奨励金が組まれるというようにとられる。そうしますと、四円十五銭から六円五十銭になつて、ことしが二円でよろしいということを向うから言つて来るのですか。それともあなたの方で二円で十分まかなうとお考えになるのですか。
  273. 明石長助

    明石証人 予算を出して参りまして、それに農林省の裏づけをして持つて参るのでありますが、私どもといたしましては、今年一箇年の取扱い数量を想定いたしまして、その数量で割つて出したのがただいま申しましたような單価でございます。
  274. 横田甚太郎

    ○横田委員 大豆価格決定の基準ですね。それは一体どういうふうになつておるのですか、米なんかの場合には、パリテイー計算があるように——それはややこしいんだつたら、あとでよろしい。
  275. 明石長助

    明石証人 簡單に申し上げますと、大豆生産者価格は、米の生産者価格とのパリテイーと申しますか、米価一〇〇の場合、大豆は九六、そういう米価に対する比率よりきめております。  それから政府の売渡し価格は、生産者から大豆の供出を受けまして、それに食糧管理局の人件費、事務費、あるいは指定業者の手数料、保管料、そういうものを組み込みまして、政府の売渡し価格が出るわけです。それから油糧公団販売価格は、政府から油糧公団大豆を買いまして、油糧公団が油脂を保管し、搾油業者に渡すまでのいろいろな経費を加算するわけでございまして、そのほかに油糧公団自体の人件費、事務費を加算いたしまして、それになお増産奨励金まで見込んでおります。
  276. 横田甚太郎

    ○横田委員 増産の必要なのは、大豆だけではない。米も必要なんです。こういうような場合に、もしも大豆増産奨励金という制度が許されれば、農業会は今までの米の値段ではいけない、何とか増産奨励金をくれ、そういう要求農林省に伝わつてつて、それがあなた方の方に行つた場合、それを受付けなければならぬりくつも成立つのです。私たちは大豆奨励金の出し方並びに目的自体に問題があると思うのです。あなた方自身といたしましては、大豆増産奨励金制度をつくつて、こういうような金の取り方をし、それを価格の中に織り込む。これは悪いと思いますか、いいと思いますか。これは間違いと思つておられるか、間違つたことを知りつつやられたのか、それとも知らずにやられたのか。その点もう一回はつきり言つてもらいたい。
  277. 明石長助

    明石証人 適当ではないが、やむを得ないものと考えております。
  278. 横田甚太郎

    ○横田委員 大豆の場合だけやむを得ないのですか、大豆協会に対してやむを得ないのですか。
  279. 明石長助

    明石証人 大豆についてやむを得ないと思います。
  280. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは佐々木委員もお尋ねになつたとき言われたが、必要経費とは一体何か、必要経費ということは、大豆協会を経営するがための必要経費ではないでしようね。それはどうなんですか。
  281. 明石長助

    明石証人 そうじやありません。
  282. 吉武恵市

    ○吉武委員 大分各委員からお尋ねがありましたから、私はくどいことは避けますが、あなたの今の御答弁を聞いていると、あまりにものを簡單にお考えになつていると思うのですが、先ほど高木君その他からお話がありましたように、公定価格をおきめになるということは、生産者にとつても大きな問題であり、また消費者にとつても非常な大きな問題なのであります。それを今大豆の公定価格をきめられるのに、あまりに簡單に、私は取扱われているような感がするのです。私は時間がありませんからあまり申し上げませんが、あなたは二つの点において、考慮されたことがあるだろうと思うのです。  第一の点は、今大豆の公定価格の中に増産奨励金を織り込んだことであります。これは今あなたが穏当ではない、やむを得ないと考えると言われておりまするから、これ以上私はお尋ねしようとは思いませんけれども、大体政府の予算に掲げられるものであるけれども、ないから認めたと言われるけれども、その点も政府の予算になければ、政府はやむを得ず今日の財政において認めないのですから、それをあなたの方の、同じ政府部内の物価庁でそれを公定価格の中で認められるということは、やむを得ないでは私は済まぬと思う。そんなことで簡單にこれが織り込めるはずはないわけであります。しかしこれはあなたも穏当でないということをお認めになつているようでありますから、これ以上私は追究しようと思いませんが、かりにやむを得ずこの増産奨励金を公定価格の中に織り込んだとしても、これの支出については、よほど従つて考慮されなければならなかつたのじやないかと思います。私がお聞きしたいのは、この増産奨励金を何がゆえに大豆協会に交付しなければならぬとあなたはお認めになつて、公定価格にお入れになつたか、その点について御説明願います。
  283. 明石長助

    明石証人 増産施設をやります団体といたしまして、大豆協会昭和二十一年に設立されておるのでございまして、増産奨励金は、その大豆協会経費として充てるのが適当だとこう思います。
  284. 吉武恵市

    ○吉武委員 それではお聞きしますが、何ゆえに公団みずからがやることがあなたは惡いと思つておられるのか、今までの帝国油糧という統制会社が、みずからこの増産奨励金使つて、そうして増産に努めたが、公団になつてそれがやれなくなつた。それではどうして公団におやりにならないで、大豆協会におやりになつたか。そのときお考えになつたでしよう。
  285. 明石長助

    明石証人 公団自体の業務としては、業務の範囲外になるのではないかと思いました。
  286. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、そのときはおそらくこの問題は大議論になつただろうと思いますが、公団にはできぬ。できぬから大豆協会におやりになつた。こういうことでお認めになつたのですか。公団の業務としてはできないから、従つてこれをほかの何か適当な団体はないかということで、大豆協会にやらせることを前提として公定価格の中に織り込んだ、こういうことですか。
  287. 明石長助

    明石証人 公団としてはそれぞれ本来の仕事があるので、なかなかそこまではできないということで、大豆協会がやるというふうになつたのです。
  288. 吉武恵市

    ○吉武委員 ところがあなたは、大豆協会にやらせるというときに、大豆協会予算もとりよせて見たと言われたが、われわれは数日来これを取調べてみると、大豆協会というのは、会長に和田博雄君が一人すわつて、そうして給仕一人しかいない、あとの者は公団の職員がみなやつている。これはあなたは先ほどどなたかの質問に対して、公団の職員が兼務でやつているということは知つておりましたと言われたから、あなたは知らぬとは言えないでしよう。そうすると、公団は本来の仕事があつて適当でないから、大豆協会にやらせると言いながら、その大豆協会の実体は公団の職員がやつているということを知りながら、あなたはこれをお認めになるということは、あなたはこの事実そのものが初めから穏当でないということを了承しながら、ただ元からやつてつたからということでお認めになつたんじやないか、どうですか、そのときに大豆協会がやるのがよいのだという信念のもとにお認めになつたのか、それともこれはあまり思わしくない、大豆協会がほんとうにやるとは言つているけれども、やつていない、公団の職員が兼務でやつていることである、穏当ではないが、しかし慣例だからしかたがないというのでおやりになつたのか。初めから大豆協会があなたは正しいと思つておやりになつたのか。
  289. 明石長助

    明石証人 初めは私は、大豆協会は別個の人がやつている団体だと思つてつたのですが、最近兼務してやつているということを聞きまして、協会の人にもそれはおかしいではないかということを私申し上げておるのでございます。
  290. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、あなたは公定価格の中に織り込まれた当時、大豆協会というものはどんな組織であり、どんな仕事をしておつたかということを、お取調べになつたはずだと思う。ただ書類だけ持つて来て、予算を見て、公定価格の中に入れたというような、そういうおそまつなことで公定価格をおきめになるはずはないと思う。ただそのときには気がつかなかつた
  291. 明石長助

    明石証人 協会についてはよく気がつきませんでした。
  292. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、今日ではもう大豆協会の幽霊会社みたような、頭としつぽしかないような業態にこれだけの金を交付することは穏当でないということを、あなたはお認めになりますね。
  293. 明石長助

    明石証人 協会の組織は、もう少し改善すべきではないかと思います。
  294. 吉武恵市

    ○吉武委員 改善すべきか、そういうものに交付すべきでないというふうにお考えになるわけでしよう。
  295. 明石長助

    明石証人 今のままのような団体でやつたらいかぬと思います。
  296. 浦口鉄男

    ○浦口委員 明石さんが課長として、大豆協会とこの増産奨励金の六円十五銭をおきめになつたときは、大豆協会の必要経費を基礎にして算出した、こういうことをおつしやる。ところがその大豆協会からの要求は、実は従来からの生産者価格に対する一%を認めてほしい、こういう要求があつたというお話がありました。ところがあなたはそれを一%が非常に多過ぎると思つたというお話をなさつたのでありますが、この多過ぎるという意見は、どういう根拠から多過ぎるとお認めになつたのでですか。
  297. 明石長助

    明石証人 増産奨励金は、増産のために必要な事業経費でございますので、ただ單に全然仕事と関係なく一%というふうにきめまして、それがきまつてから事業の計画を立てるというのはおかしいと思いまして、どういう事業をやるために、どういう経費が必要だと、そういうことからいたしまして、織り込むべき金額をきめるべきだと、こう思つたのであります。
  298. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それでは大豆協会ができたのは二十一年の三月でありまして、そのときに増産奨励金がきまつたのでありますが、そうするとその当時のきめ方が非常にずさんであつたということは、一応お認めになるわけですな。
  299. 明石長助

    明石証人 私が来るまでのことは存ぜないのでありますが、ただ一%というようなことでやつてつたとすれば、けつこうなことではないと思うのであります。
  300. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 じや済みました。どうぞ……  小林雄全さんですね。
  301. 小林雄全

    小林証人 さようです。
  302. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは会計検査院出資検査第二課長ですか。
  303. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  304. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからおやりになつていますか。
  305. 小林雄全

    小林証人 二十二年の三月八日でございます。
  306. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十二年の三月八日から今日までですか。
  307. 小林雄全

    小林証人 はい。
  308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで出資検査第二課では、油糧配給公団の経理監査を行つておりますか。
  309. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  310. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方の担当ですね。
  311. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  312. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年度の油糧配給公団の経理監査は行いましたか。
  313. 小林雄全

    小林証人 二十三年度分をこの間終りました。
  314. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十二年度はほとんどなかつた。三年度だけですね。
  315. 小林雄全

    小林証人 二十二年はわずか四十日ばかりでございます。
  316. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年のを実際に監査したのですね。
  317. 小林進

    小林委員 はい。
  318. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその油糧配給公団のうちで、大豆増産奨励金というものを、大豆販売価格として受取つたもののうちから、奨励金だといつて別途に積み立てて、これをかつて大豆協会というものへ交付しておつたということですが、そういう事実はありますか。
  319. 小林雄全

    小林証人 あります。
  320. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それに対してあなた方はどういう御見解でしたか。
  321. 小林雄全

    小林証人 それに対しまして、二十二年度のわずかばかりの決算でございますが、その決算の承認の際に、大豆増産奨励積立金というものが二百二十万円ございまして、その内容を伺いますと、これはほとんど政府が増産施策をせねばならないような性質の金でございますので、当然政府におきまして財政法上の点から考え合せまして、予算に計上して、そして合規の経理処理をして、なおかつ出資先を明確にして経理するのが妥当でないかという見解をもちまして、二十三年の十一月、食品局長に対しまして照会をした次第でございます。
  322. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年のうちにもう注意をしたのですね。
  323. 小林雄全

    小林証人 はい。それで二十三年の十一月末日付をもつて、食品局長からその回答をいただきました。その回答の要旨は、大豆増産奨励施策費は検査院の言われる通り、当然国の予算に計上してやらねばならないものであることは了承しておるが、従来予算に出しましても、予算がなかなか通過いたさない実情にありまして、一方食糧施策の点から、現実の増産関係を放任するわけに行きませんものですから、大豆の消費者価格の中に織り込みまして、便宜的の処理をいたしましてこれを大豆協会にやらしめておる。しかし二十四年度におきましては、予算に計上すべく策定をしておる。また検査院といたしましては、油糧配給公団法の十五條から考えますと、油糧配給公団にこの経理業務に当らせるということは、十五條の業務外ではないかという点も質問したわけでございます。それに対しまして、油糧公団は一手買取りの性絡上、集金的な業務の面のみに対しまして、これは附帯業務と認めるという食品局長からの回答がございました。これに対しまして上司の方にその回答を出しまして、上司の方から、政府も予算に計上して合規の経理処理に向うというならば、二十四年度予算の計上の状況とをしばらく見合せよ、回答の趣旨は二十四年度の予算計上の状況と経理処理の是正状況の結果をまつて処置しようということで、検査院の方といたしましては、その回答の処置をしばらく見送つていた次第でございます。ところが二十四年に至りまして見ましたところが、二十四年度の予算への計上は遂に至らずいたしまして、従来のような便宜的な経理処理が継続いたしておりまするのみならず、大豆増産奨励、または分解、硬化油用というようなものの積立金が相当多額に上つて参りましたので、検査院の検査第一局長名をもちまして、本年の八月四日付で、かような経理処理を継続することは、合規の会計経理とは認めがたいばかりでなく、左記の会計経理がとかく不明朗に陥るおそれもあるから、すみやかにひとつこれは合規の会計経理に改めてほしい。これに対するところの御意見なり、あるいは今後の措置方針はいかようになさるつもりであるかという照会を、本年の八月四日付で今度は食糧庁長官に対しまして発した次第でございます。ところがその回答が、たびたび督促はいたしているのでございますが、いまだに回答がございませんので、その回答の着き次第、本件の経理処置に対しまするところの院内の判定機関の御判定をいただく手続は、回答を待つて二十三事業年度の油糧配給公団の合規の決済承認と同時に手続をいたしたい、こういう考えでただいまいる次第でございます。
  324. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもやむを得ない措置だと言われるが、価格の中へ織り込んだまではやむを得ないかもしれぬが、価格の中へ織り込んであれば、ここにこういうものがあるのだから、これを奨励費として出してくださいと言うたら、予算に入りそうなものではないか、公団支出予算に出せばいいのだ。それがどうもおかしい。なるほど予算がないから価格に織り込むまでは聞こえるが、織り込めば公団の売掛代金だから国庫収入でしよう。それを出すことについて、どうも予算のないものを出せるというその見解は、やむを得ぬと言われることが、どうしても合点が行かぬのです。
  325. 小林雄全

    小林証人 検査院といたしましては、むしろ国の一般予算に計上いたしまして、そして大豆協会なりその他の国体にこれをやらしめるというふうにしていただきますれば、院法の権限に基きまして、その金を受けて使う国体の収支まで検査ができるわけでありまして、そういうふうな処置に進んでいただきたい、こういう意図のもとに照会を出しているわけであります。
  326. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそれに違いないでしよう、予算外支出を認めることになるのですから。そうすれば、あなたの方で昭和二十二年度の分をやられたとすれば、そのときにもつと厳重にやらるべきものじやなかつたのですか。
  327. 小林雄全

    小林証人 二十二年度といたしましては、金額も少額でございましたし、それから二十三年度、前年度を通じまして処置をしたいというつもりで、実は二十二年度の決算承認ができましたのが、およそ八月ごろと存じますが、その後に照会を発した次第でございます。
  328. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで、やむを得ない処置だと言うなら、どうせよといわれるのですか。やむを得ない処置だと言うて来たから……
  329. 小林雄全

    小林証人 公団から参りましたときには、すみやかに政府の方でもつて合規の経理処理をするようなふうにぜひ改めてほしいということで、検査院は……
  330. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昨年の八月ですね。
  331. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  332. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう意味ですか。具体的に言うと、どうすればよかつたのですか。
  333. 小林雄全

    小林証人 昨年の八月の照会といたしましては、すみやかに予算にこれを計上いたしまして、そして公団といたしましては、主務官庁の認可を正規に得まして、そして会計経理といたしましては、便宜的な処理でないというようなふうに処置をしていただきたい、こういうふうに申し出ておつたわけであります。
  334. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが、やらなかつたのですか。
  335. 小林雄全

    小林証人 やつておりません。
  336. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすれば、今日は断固としてさようなことはいかぬと言わなければならぬ時期じやないですか。照会ぐらいじや済まぬじやないですか。もう去年に注意してあるのだから……
  337. 小林雄全

    小林証人 その点につきまして、二十三年度の問題といたしては、食糧庁からの回答によりまして、そして院内の手続機関を経まして、検査官会議の結果を待つて、検査院の意思を御決定願いたい、こういうつもりでやつてつた次第であります。
  338. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつのことですか。
  339. 小林雄全

    小林証人 それは二十三年度の承認がまだいたしておりませんですから、その承認と合せて、かようにいたしたいと存じておつたわけであります。
  340. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 合規の手続をとれと、こう言つたら、とらぬことをやつておるのだから、とつていないとすれば、あなた方としては断固たる処置をとらなければならない。また今年もやむを得ないと言つて、もう一ぺん合規の手続をとれというのですか。
  341. 小林雄全

    小林証人 二十三年度の問題といたしましては、ただいまも申し上げましたように、食糧庁からの回答によりまして、そして検査官の会議を経て、検査院の意思を決定する手続をとるようにいたしたいというつもりで、主管局長の指示を仰いでやつているわけであります。
  342. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや、まだどうするともきまらぬですか。
  343. 小林雄全

    小林証人 ただいまのところは、まだ決定に至るまでの手続には運んでおらないわけであります。
  344. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうするかわからないのですね。
  345. 小林雄全

    小林証人 私ども課長といたしましては、この問題がどういうふうに検査院で決定されるかという点につきましては、上司の方に決定権がございますので、事務当局といたしましては、ちよつとまだわからないような状態でいるわけでございますが、もちろん不当ということは考えられているわけであります。
  346. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもあなた方はいつもそう言われるが、それは決定は上司にありましようが、あなたは監査の責任者です。その責任者として意見があるはずです。上司の判断をまつ意見の起案者です。そうして見れば、昨年注意したにもかかわらず同じことをやつておれば、これは容赦ならぬと言つて、あなたとしては出て来なければならぬ。そのあなたの意見を私は聞いているので、最後の決定は上司にあるでしようが、あなたはどういう考えを持つてどういうことをやられたか、これを私は聞いている。
  347. 小林雄全

    小林証人 予算に計上できない以上は、現在の扱いといたしましては、妥当でないと考えております。
  348. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しからば、上司に対してかようなことは容赦ならぬのだ、断固たる処置をとつてもらわなければならぬと言うのがほんとうだと思うが、これはどうですか。
  349. 小林雄全

    小林証人 それは前に申し上げましたように、二十三年度の承認の事務と一緒に、その決議の手続はいたしたいと考えているわけであります。
  350. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうなるかわからぬが、上司にいいかげんのことを言うておるのか、それとも断固たる処置をやらなければならぬと言うているのか、それを私は聞いている。どつちですか。
  351. 小林雄全

    小林証人 私といたしましては、これは財政法から考えまして、違法とまでは参りませんでも、不当な経理であるという信念は持つております。
  352. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 違法でないですか、公団国家機関ですよ。国家機関予算にないものをかつてに出して、第一留保しているのでしよう。あなたが調べられたら、得意先前受金という名前で留保している、そのこと自体はどうですか。それは適法かね。
  353. 小林雄全

    小林証人 公団といたしましては政府の指示によつて大豆増産奨励のために、消費者価格の中のこれだけは事業固有のものとして使えないものであるからということを言われておりますので、決算上としてはかような整理をしているのでありまして、この点は政府の指示がありますので、公団といたしましては、やむを得ないのではないかという感じを持つているわけであります。
  354. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一応国庫収入になつたものを国庫に入れないで、公団がかつてに残しておいても、それはいいのですか。国家収入を別途に積立ててあつて、拂い出しをするときには、法律に従わなければできぬものとわれわれは心得ているが、それはわれわれの間違いかね。
  355. 小林雄全

    小林証人 それはまさにその通りでございます。
  356. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その通りやつていないじやないですか。それがさしつかえないとあなた方が考えられるということは、どうも合点が行かないのです。農林省の方に言わせると、注意はありましたが、回答して済みましたと言うておりますよ。
  357. 小林雄全

    小林証人 それは検査院は、農林省の回答を了承したわけではないのであります。
  358. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが今言うように、そういうように価格に入つているものはよけてもいいと思つているなら、農林省の言うことにはむりはない、あなたがそんな考え……
  359. 小林雄全

    小林証人 それは公団の決算上の処理としての点を申し上げたわけであります。
  360. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなことを許せますか。第一予算がとれぬと言うけれども、ぼくらは合点が行かない。ちやんとそういうふうに入つているのだから、このように入れば、これはここへ向けてもらいますと言えば、予算はとれんならぬと思つている。初め織り込まないで予算を出そうとするのは、これはなかなか容易じやない。いやしくも織り込んだ以上は収入がある、その収入があるからこういうふうに出しますと言うたら、認めなければならぬと思う。それをやらないで、別途に残しておいて、それから先はすべての監査なしにかつてに出せるという、さようなことが国家の金でできるものだつたら、たいへんなことだと思うがどうですか。
  361. 小林雄全

    小林証人 それはすベて主務官庁の認可事項になつておりますので、私どもといたしましては、主務官庁がその出すことを嚴重に、しかも間違いないようなふうに監督されて出されて行くということを考え合せまして、公団といたしましては、会計経理の面からして、正当にその金を出しまして、そしてあとの監督は行政官庁が十分の監督をされて行くという建前に考えております。ただいま申し上げたような考えで、むしろ政府の方の一般会計予算の方に計上すべきではなかろうかという点を、実は強調しておつた次第であります。
  362. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは初めから出してやればそれでよいのだが、大豆奨励金というもりは織り込んであるんだから、それだけ収入があるわけだ。収入があるから、この収入日当で大豆奨励費として出してもらいたいと言つて公団予算に組めばそれでいいんだ。それをやらないで、かつてにその金をのけるという法律上の根拠がどこにあるのですか。そういうものを別途積立てにするという法律上の根拠がありますか。
  363. 小林雄全

    小林証人 それはありません。
  364. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ないものをやつたら不法じやないか。それが不法じやないと言われるならば、その理由を聞きたい。
  365. 小林雄全

    小林証人 それは大豆増産奨励費の使い方につきまして、公団といたしましては、農林省の方の指示に基きましてやつております。ただいま申し上げましたような考えで検査にあたつてつたわけでございますが、私ども先ほど来申し上げますようなふうに、農林省の方で一歩進んで予算化していただいて、予算の上で、明らかに公団を通せずに別途予算増産施策をやつていただきたい。こういう線で行つたのであります。
  366. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは理想だ。そうでなくとも、公団支出にすればそれでいいんだ。それがないでしよう。それがなくて公団がかつてにそういうものをのける。そうして公団農林省指示をどれだけ受けておるか知らぬが、公団の気ままに出し得る。こういうところに何ら法律根拠がないとわれわれは考えるのです。
  367. 小林雄全

    小林証人 法律根拠はまさしくございませんが、私どもといたしましては、監督官庁の指示によりまして、その指示範囲内で公団は制約を受けているという気持で、実は見ておつたわけであります。
  368. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 監督官庁が言えば、予算にない国庫の金を出してもいいのですか。
  369. 小林雄全

    小林証人 それが先ほど申し上げますように、そういうことは国の行政事務を行う上におきまして、法律を逸脱して別途に資金を保有するというような形になりますから、これはすみやかに予算化するなり、もし別途にそういう資金を必要とするならば、立法上の根拠を持ちまして、会計経理に進んでいただきたいというのが……
  370. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど不法ではない、不当だと言われるが、不当じやない、不法でしよう。
  371. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  372. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 不法なものは容赦ならぬでしよう。どうもあなた方からそういう言葉を聞くに至つては、われわれはまつたく合点が行かない。私がここでつつ込んだら、初めてあなたはさようでございますと言う。これじや向うはかつてなことをやるのはあたりまえじやないですか。第一それが公団から出て、大豆協会でどう使われておるか、検査なさつたのですか。
  373. 小林雄全

    小林証人 それは先ほど申し上げますように、検査院に権限がないものでございますから、それで早く予算化して国の歳出として支出を願いたい。
  374. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団から出ておるものを調べられないのですか。はたして公団が正当に使つておるかどうかを調べる権限はないのですか。
  375. 小林雄全

    小林証人 公団支出に対しましては検査いたしますが、相手方の団体の収支に対しましては、できないことになります。
  376. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 じや公団支出を聞きましよう。適法と認めましたか。大豆協会に出ておるのは——今留保したのは問題にしましたが、今度は公団から出しておるものを……
  377. 小林雄全

    小林証人 これは主務官庁の指示によつて出しているものというふうに考えておつたわけであります。
  378. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 指示があれば、公団予算にないものをかつてに出してもいいのですか。
  379. 小林雄全

    小林証人 そこで指示の問題になりますが、その点は私どもといたしましては、前に申し上げますように、予算なりあるいは法律なりに基いて、農林省の方でそういう経理方法にすみやかに持つてつていただきたい。
  380. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算はないのでしよう。予算のないものを出してよいのですか。
  381. 小林雄全

    小林証人 その場合、ただいま私の申し上げますのは、予算化しでそういう合法的な経理処理にしていただきますれば、終始明るい経理処理、になるから、早く改善の方途を講じていただきたいということで政府に迫つたのであります。
  382. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それよりか、予算にないものを出してはいかぬと言えそうなものですが、それをどうして言えませんか。
  383. 小林雄全

    小林証人 ……
  384. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何か言いにくいことがあるのですか。
  385. 小林雄全

    小林証人 言いにくいことはございませんが……
  386. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そう言うのがほんとうですか、どうですか。
  387. 小林雄全

    小林証人 ……
  388. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何もあなたは困らぬでもよいのですよ。ぼくらの言うのがむりならぬりだと言つて聞かせてもらいたい。りくつはそういうわけでしよう。
  389. 小林雄全

    小林証人 私どもは、根本はやはり大豆増産奨励費というものは、予算化して行かなければいけないのだということが基礎理念でございまして、公団大豆増産奨励費を出します場合には、主務官庁の認可を伴つて出しておるものであるというふうに考えまして、二十三年度まで来たわけでございますが、この経理はもちろん正当の経理処理ではないということは確信しておるわけです。
  390. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからさらに聞きたいのは、大豆協会というものはどういう性質のものであるか、お調べになりましたか。
  391. 小林雄全

    小林証人 大豆協会は任意団体であるということだけを聞いております。
  392. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが実際は公団の者が仕事をしておりますね。
  393. 小林雄全

    小林証人 実際は地方においてはそういう形が現われておるわけであります。
  394. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 地方ではなく、本部もそうでしよう。会長に和田という人が一人入つておるのと、事務員一人おるそうだ。あとは全部公団の者が入つておる。これを別途のものと認めましたか。公団が出したと言つて、実質においては公団自身が使つておる。この点はどうでしたか。
  395. 小林雄全

    小林証人 その点は公団大豆協会に対しまして出した先は、先ほど申し上げましたように、私どもの方としては松査し得なかつたわけであります。
  396. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、大豆協会公団との関係はどう見ますか。名前はかわつておるけれども、実質は一つです。帳面上出しておるだけで、公団その、ものが使つておるのですが、この点はどうですか。
  397. 小林雄全

    小林証人 その点は、私ども現在公団経理の証拠書類になる表面の帳簿しか見ていなかつたものですから、わかりません。
  398. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あらためて調べてもらいましよう、何でもないことですから……あなた方が調べてくれなければ、ほかに調べるものはありません。そのための会計検査院です。何も考査委員会は日本中のものを調べるわけには行きません。
  399. 小林雄全

    小林証人 私ども全国六ブロックの各支部を、全部まだ検査が行き届いておらないような状態でございますので、今後の検査におきましていたします。
  400. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次は油糧配給公団で分解、硬化用油脂価格差金というものを收入しておつたそうですね。これをお調べになりましたか。
  401. 小林雄全

    小林証人 見たことがございます。
  402. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはやはり公団の手数料としての純然たる收益ですね。
  403. 小林雄全

    小林証人 そういうことになります。
  404. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその公団の收益を、またさつきの奨励金と同じように、得意先前受金として別途積み立てたそうですね。
  405. 小林雄全

    小林証人 はい。
  406. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これも奨励金と同一の性質のものでしようか。
  407. 小林雄全

    小林証人 これも先ほど来申し上げたように、私どもとしては、大きな国の予算の面から見て、まつた予算外の経理をしているものであつて、正常の経理仕様でないということで、食糧庁長官に対して是正方を照会しているわけでございます。
  408. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これも同様に許すべからざるものと思いますが、その通りでしよう。
  409. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  410. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それなら断固としてやつてもらわなければならぬ。
  411. 小林雄全

    小林証人 はい。
  412. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まだこのほかにこういうものはありませんでしたか。
  413. 小林雄全

    小林証人 私ども検査の上承知した範囲では、分解油、硬化油、大豆増産奨励費、それから二十三年度においては、菜種の増産関係公団自身の損費でやつていたものがございまして、これも改めなければならぬと思つております。
  414. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 損費とは。
  415. 小林雄全

    小林証人 公団自身のマージンの中で奨励金を出しているのが若干あつたのであります。
  416. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 菜種の増産奨励費ですか。
  417. 小林雄全

    小林証人 これも正常なものでないから、改めるべきであるということで、この面は表面上改まつております。
  418. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは手数料としてあつたのを、また向けてやつたのですか。
  419. 小林雄全

    小林証人 これは公団自身の経費の中から、菜種の増産奨励費に相当する経費を若干自己負担しているわけです。
  420. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 收入は、差金で、特別收入したわけではないのですね。
  421. 小林雄全

    小林証人 そうではありません。
  422. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、別途積立というものはないわけですね。ただ予算にないものを出しているということ事だけが問題になるわけですね。
  423. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  424. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ついでですが、油糧配給公団以外の公団について、あなたの方で検査をやられましたか。
  425. 小林雄全

    小林証人 五公団全部やつております。
  426. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかの公団でもこういうことをやつていたのじやないですか。
  427. 小林雄全

    小林証人 ほかの公団でそういうように差金を積み立てているという、油糧公団のような性質を持つているものはありません。
  428. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 かつてに出したものは……
  429. 小林雄全

    小林証人 かつてに出したのもありません。
  430. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧公団を調べますと、こんなものはおれのところばかりでなしに、どこの公団でもやつている。どうしておれのところばかり調べるのかということを、たびたび言うそうだが……
  431. 小林雄全

    小林証人 価格形成の点において、油糧公団のような価格形成をしているところはありません。それで私どもは、油糧公団の経営組織というものが非常に複雑性を持つておりまして、価格の決定にあたつても、油脂原料の関係上、経理両と物の動きの面の間に仮勘定を起し易い経理関係でありますので、油糧公団の経理の内容については、非常に注意を抑つてつているわけでございます。
  432. 菅家喜六

    ○菅家委員 証人にお尋ねしますが、率直にお答えを願いたいのですが、証人は今日この委員会証人として出られる前に、日にちははつきりいたしませんが、油糧公団の何人からか電話がかかつて来て、お打合せをした事実があるそうですね。その真相をはつきりお述べ願いたい。
  433. 小林雄全

    小林証人 特にこのために打合せたということはないわけでございます。積立金に対するその後の状況についてお尋ねしたことがございます。
  434. 菅家喜六

    ○菅家委員 何日に、どこで、だれと、どういうお話をなさつたというはつきりしたことを承らないと、ただいままでの委員長より証人に対する質問のお答えでは、私どもは納得が行かない。しかもそういう事実を私は知つているし、すつかり打合せ済みであなたがここに来ているというので、ますます疑念を起させるのであつて、これは捨ておけない事実だと考えるのであります。だから偽証問題などを起さないように、真相をはつきり言つてください、こちらでもわかつておりますが、なお証人の口からはつきり聞きたいのです。もし間違われると偽証問題が起きますから、何月何日にだれが来て、それに対して自分はどう言つたという真相を知らしていただけばよいのです。別に追求するわけではないのです。
  435. 小林雄全

    小林証人 その点についてお答えいたしますが、積立金の問題について、本村経理部長が今日役所に来られまして、そうして現在高がどのくらいになつておるかということについてお尋ねいたしました。
  436. 菅家喜六

    ○菅家委員 それだけでございますか。
  437. 小林雄全

    小林証人 はい。
  438. 菅家喜六

    ○菅家委員 考査委員会においてこういう質問があつたのであるが、それに対する取扱いはどうだという質問は何かなかつたのですか。数日来ずつとこの問題について考査委員会は取調べをし、真相糾明に当つている。それを総合して、考査委員会ではこういう考えを持つているが、これに対する会計検査院の解釈はどうか。またこういうことを言つているが、これに対してこういうことを言つてくれないかという頼みは、あなたに対してありませんでしたか。
  439. 小林雄全

    小林証人 それは絶対にありません。
  440. 菅家喜六

    ○菅家委員 今日木村経理部長があなたをたずねられただけで、それ以外には電話その他の連絡はございませんか。念を押しておきますが……
  441. 小林雄全

    小林証人 ありませんでした。
  442. 菅家喜六

    ○菅家委員 それではもう一つ率直に伺うが、今日まであなたは公団の職員と会食をされたことはございませんか。
  443. 小林雄全

    小林証人 油糧公団の皆さんとは、油糧公団の検査に行つたことはございます。
  444. 菅家喜六

    ○菅家委員 いや検査でなしに会食です。何か協議会とか、相談会とか、その他の検査に行かれたときに、油糧公団の人にごちそうになつたことはございませんかと言うのです。
  445. 小林雄全

    小林証人 それはございません。
  446. 菅家喜六

    ○菅家委員 数年来ございませんね。
  447. 小林雄全

    小林証人 数年来といいましても、私は昭和こ十二年からでございますが、地方などへ参りましたときには、あちらさんの方からは、旅館などでぜひ一緒に御飯を食べさしてくれというようなことを言われたことはございますが、上司の方の厳達もございまして、極力回避しておりましたが、遂に回避でき得ずして、食事を共にしたということはございます。
  448. 菅家喜六

    ○菅家委員 その程度のことはどこの官庁にもあることであつて、食事を共にしてくれというだけであるから、別にとがめることはないと思いますが、それ以外に東京において一席設けるというような、特殊の関係があるというようなことを私どもは耳にしているのです。
  449. 小林雄全

    小林証人 私はありません。
  450. 菅家喜六

    ○菅家委員 なければけつこうですが、なぜそういう無礼な御質問を申し上げるかというと、先ほど来の委員長のお尋ねに対する会計検査院課長としてのあなたの答弁は、あまりに緩慢というか、これではわれわれ国民一般は、会計検査院というものを信用できなくなる。この点は先ほど委員長から尋ねられているから重複いたしますので、その点はお尋ねいたしませんが、大豆増産費その他の督励費などのほかに、この公団予算外支出をいたしておりますね。これはおわかりになつたでしよう。
  451. 小林雄全

    小林証人 はい。自分としましては検査上はなはだ遺憾に感じておる次第であります。
  452. 菅家喜六

    ○菅家委員 しかもその出納証書を出せと言つたところが、木村という経理部長はこれを燒いてしまつた。受取書は皆燒いてしまつた、帳面はない、しかも大豆協会に出した経理は皆公団でやつているというこのだらしない経理をしているときに、最後は全部われわれ国民にその負担がかかつて来る。そのときにわれわれが信頼するのは、あなたの方の会計検査院なんです。会計検査院という嚴たるものがあつて会計の検査をするならば、こういうことはあるまいと感ずる。その衝に当つているあなたが、先ほどからあいまいな証言があつたので驚き入つたのであります。  そこでもう一点お聞きしたい。私は聞き落したので、あるいは委員長の質問にあつたかと思いますが、あなたの出資検査第二課長という職務はどういうことなんですか。
  453. 小林雄全

    小林証人 これは検査院の権限といたしましては、課長は決定権はないわけでございまして、自分に与えられた検査の事務遂行上、不当不法またはその他計算上におきまするところの誤謬、脱漏というものがありましたときには、案といたしまして上司に出しまして、上司の決裁を得てことごとく処理して行く、こういうことになつておりまして、課長におきますところの対外的の決定権はないわけでございます。
  454. 菅家喜六

    ○菅家委員 そうすると、不当、不法、誤謬というような、公団の経理監査をされた場合に、そういうことを発見されたときに、上司に御相談になりましたか。
  455. 小林雄全

    小林証人 一々報告をいたしております。
  456. 菅家喜六

    ○菅家委員 それはどういうふうに結末がついたのでありますか。
  457. 小林雄全

    小林証人 それはただいま申し上げました、正規の予算の経理をしておらないという問題に対しましては、直上局長の御決裁を得まして、外部に対して照会を発しております。それからなお二十三年度の決算上におきまして、いろいろ不当と認められる事項のあります分につきましては、ただいま承認案といたしまして起案中でございますが、起案の上主管局長、あるいは事務総長の決裁を得まして、検査官会議にまわすことになるわけであります。
  458. 菅家喜六

    ○菅家委員 これ以上は……私は機構を簡單に聞いておきますが、行政官庁の指示があつたからといつて、不良なるものを出したというものを、そういう任にある会計検査院のあなたのところに今まで放つて置かれたことは、まことに遺憾にたえない。こんなことではすべての国家の経理は乱れてしまうと思うんです。会計検査院でよほどしつかりやつていただかないと、ただ主務官庁がこれを指示したから、信用していいだろうというような考え方に検査院になられてはたいへんだと思います。しかも予算外支出をして帳簿もない、すべてのものを燒き拂つたというような不祥事件が起きて来るのであります。すべてこれらの金はわれわれ国民の負担になつて来るということも考えられて、あなたの方の検査はもう少し嚴格に、嚴正にひとつつてもらいたいと思うんです。それだけで打切ります。
  459. 大橋武夫

    大橋委員 この油糧配給公団の分解硬化川油脂価格差益金、これはどういう形で公団の帳簿に記載してありましたか。
  460. 小林雄全

    小林証人 これは一旦商品勘定に立てまして、その商品勘定からすぐに得意先前受金に一括して入れておるわけであります。
  461. 大橋武夫

    大橋委員 商品勘定から得意先前受金
  462. 小林雄全

    小林証人 はい。
  463. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると商品勘定から得意先前受金に入れるときの手続は、どういう手続になつておりますか。
  464. 小林雄全

    小林証人 それは売買勘定の方には分解硬化油でございますと、その事柄によりまして四十二円または四十七円というものを控除したものを売買勘定に持つて行きまして、その他の部分を得意先前受金の勘定の方に伝票制で送つておる。
  465. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとそれはただ帳簿上の操作ですね。
  466. 小林雄全

    小林証人 さようであります。
  467. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとそういう帳簿上の操作によつて、本来は資産であるべきものが仮勘定に振りかえられておるわけですね。
  468. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  469. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとそれだけ公団の資産は減つていますね。
  470. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  471. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、それに相当する財産というものを何人かによつてとられておるわけですね、公団としては……
  472. 小林雄全

    小林証人 御説の通りでございまして、分解硬化油に対しまする物価庁の控除條件がないといたしますならば、当然販売收入として上りまして、一方諸がかりを引いた差額というものは、当期の剰余金として上るべき性質のものでございますので、ただいまのような経理処理をいたしました結果は、御説のような結果になると存じます。
  473. 大橋武夫

    大橋委員 そういうのを普通刑法上ではどう言いますか。公団の管理をする人が、公団の財産をかつてにとつてなくしてしまう、そういうことをするのを普通何と言いますか。
  474. 小林雄全

    小林証人 それは横領というようなことも考えられると思います。
  475. 大橋武夫

    大橋委員 つまり業務上の横領ですね。そうするとあなたは会計検査院の官吏とされまして、会計検査院法の三十三條「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない。」とありますが、あなたは会計検査院課長として会計検査院法三十三條の職権を発動するようにされる職務上の義務がおありになりますね。
  476. 小林雄全

    小林証人 その点ちよつと御説明をさしていただきますが、私といたしましては、分解硬化油の別途積立状況というものを、物価庁長官の認可條件によりまして、公団が別途に積立てておるというところに検査の考えをおきまして、かように考えて参つて来なかつたわけであります。
  477. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとあなたのお考えによりますと、刑法で職務上の横領罪となつておるが、物価庁長官法律によらずに、かつてにそれは業務上の横領ではないという権限を与えられておる、こういうことですか。
  478. 小林雄全

    小林証人 さようではないのでございます。
  479. 大橋武夫

    大橋委員 横領に関する刑法の條項というものは法律でなければその除外側を設けることはできないということは、あなたも官吏として御存じでしようね。法律を改正するには法律が必要だ、そうすると、この油糧配給公団の帳簿をごまかす行為というものは明らかに刑法の横領罪だ、これに対してこれは横領でないということのためには、どうしても法律がなければならぬ、あるいは法律根拠がなければならぬ。ところが物価庁長官がかつてにその許可の條件、価格をきめるときの條件にそういうことをいくら書いたところで、それは横領罪でなくするという要件とは言えませんね、これはお認めになりますか。
  480. 小林雄全

    小林証人 はなはだふつつかながら、自分はそこまで深くこの問題を考えておりませんものでありましたから……
  481. 大橋武夫

    大橋委員 それではもう一つ、大豆協会大豆増産奨励金、これは帳簿上の操作はどういうふうにいたしてありますか。
  482. 小林雄全

    小林証人 これも先ほど来申し上げましたと同様に、一旦販売勘定の中で、価格形成上の相当額だけを一応裸にいたしまして、そうしてこれを大豆増産の積立金という形におきまして、やはり得意先前受金勘定に指定してございます。
  483. 大橋武夫

    大橋委員 そうしてそれは本来得意先前受金、すなわち仮受金として整理すべきものですか、簿記の上から言つて帳簿上……
  484. 小林雄全

    小林証人 それはただいままで申し上げました特別の便宜的な経理処理がない場合におきましては、かような勘定に立つべきものではないと考えております。
  485. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、それはほんとうの收入科目に立てるべきであつて、仮受金に立てるべきものではないのですね。
  486. 小林雄全

    小林証人 はい。
  487. 大橋武夫

    大橋委員 それを仮受金に立てておるのは不当だ、こう言われるのですが、あなた方がこれをたいへん不当だとか、違法だとか言われたそうですけれども、それはどういう点をとらえて不当であり、違法であるということを言われたのですか。
  488. 小林雄全

    小林証人 それは先ほどのお答えにもどりますが、国といたしまして、予算に計上してやるべきものを、公団の経理を通じまして、公団の決算の貸借対照表に別途積立金の形に残しておくということは、原則的にいけないのじやないかと考えておりました。
  489. 大橋武夫

    大橋委員 別途積立金に積むのが悪いとあなたはおつしやるけれども、別途積立金というものが、ほんとうの積立金科目なら別に悪くはないのでしよう。それは支出できない金なのであつて、積立金に積むことが悪いのではなくて、その積立金を予算科目がないにもかかわらず、それを不当に支出したというところが悪いのでしよう。そうですね。
  490. 小林雄全

    小林証人 はい。
  491. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、支出行為が悪いのでしよう。そうしてもし積立金に積み立てたのが悪いとすれば、これは仮受金という本来公団の財産でない科目に積立てたということが悪いのですね。
  492. 小林雄全

    小林証人 はい。
  493. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これは公団に受けるべき金を、公団でないものに受けたというわけですね。
  494. 小林雄全

    小林証人 結局私考えるのにそういうことになります。
  495. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これもやはり刑法に照らすと、これは明らかに本来公団の所属に属すべき財産を、理事者が自己の支配に置いたという行為であつて、これは明らかに業務上横領を構成すると言わなければならない。この点についてもやはり会計検査院法三十三條の問題があると私は思います。これについては、あなたの方としては早速三十三條の手続をとられる意思がありますか。
  496. 小林雄全

    小林証人 その点につきましては、はなはだ未熟でございますが、御趣旨のほどを上司の方に伝えまして、お言葉のほどを考えさせていただきたいと存じます。
  497. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、今のところ判断がつかないというのですね。あなた方は一体会計検査をされる場合に、やはり会計事務を処理するについて、犯罪が成立しているか、いないかということは検査されないのですか。
  498. 小林雄全

    小林証人 それはただいまのお言葉にありましたように、会計検査院法三十三條の通告の義務がございます。もちろんその点に及ばなくてはいけないのでございますが、この大豆増産奨励金または分解硬化油の点につきましては、行政面の判断を取入れておつたものでございますから、ただいま申し上げますような点まで私考えていなかつたわけでございます。
  499. 大橋武夫

    大橋委員 行政面からの判断と言いますと、どういう点ですか。
  500. 小林雄全

    小林証人 公団といたしましては、分解硬化油または大豆増産奨励費の使い方につきまして、農林省の食品局長でございますか、農林省の方の認可を得ておりまして、その面から経理しておる、支出しておるというような判断を取入れておりましたものでございますから、そういう点を考えまして……
  501. 大橋武夫

    大橋委員 しかしその農林省の認可というものは、さつきの物価庁の條件と同じことであつて法律で業務上横領ときまつたものを、いくら農林大臣が認可してみたところで、それは横領が横領でなくなるということはない。それはお認めになるでしようね。そうすると、今日仮受金として積んである金は幾らありますか。大体でようございます。
  502. 小林雄全

    小林証人 現在約八百万円くらいと存じております。
  503. 大橋武夫

    大橋委員 それに対してあなた方は、それは不当支出がある、また今私が申し上げたところでは、それは横領の結果、剰余金として保存されておる。そういうものに対しては、会計検査院は政府の資産を保護するためにどういう措置をとられるべき筋合いのものですか。
  504. 小林雄全

    小林証人 これは当然に公団のいかなる形の勘定においても、公団が収支の上に生じました剰余金あるいは別途命令による積立金というものは、完全に、適正にこれは收支または保管いたしまして、公団法なりあるいは公団法に基く政令の趣旨によりまして、国に納めなければならないという点を頭に置きまして、検査すべきであると考えます。
  505. 大橋武夫

    大橋委員 それを国のために納めさせるには、今日までどういう努力をされておりますか。検査院当局としては……
  506. 小林雄全

    小林証人 それは先ほど来申しましたように、変態的な経理のものに対しましては、合法的にすみやかに政府に措置をとつていただいて、その上で公団の経理というものをまつたくすりきりした收支経理に見得るようなものにしていただきまして、なお事業收支上の諸がかりその他の点に対しましては、適当な吸入であり、支出であると、いうことについて私どもきわめなければならぬということで、微力ながら努力して参つたのであります。
  507. 大橋武夫

    大橋委員 その効果が少しも上つていないのが今日の状態ですね。その次に公団において大豆増産奨励金は必ず大豆協会に渡されておる——それから最近は全部使つてしまつたのですか、まだ残りがありますか。
  508. 小林雄全

    小林証人 最近は残つております。
  509. 大橋武夫

    大橋委員 これだけは今後の支出を停止されておる。それはあなたの方から処置したわけですか。
  510. 小林雄全

    小林証人 私の方からこれを処置するということはいたしておりません。
  511. 大橋武夫

    大橋委員 何かそういう場合に、会計検査院で直接に資産経理について指図するとか、国家の財産の亡失を予防するという処置は、会計検査院法にはないのですか。
  512. 小林雄全

    小林証人 それは制度が悪く、法令上の改善を要するという場合においては、改善意見書として政府に対して出すべき規定があるわけであります。
  513. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、政府に言う以外に、直接その財産を押えるという権限は、会計検査院にはありませんね。
  514. 小林雄全

    小林証人 公団の経営財産に対しまして抑えるということは、できないと思います。
  515. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると三十三條でやる以外にない、こういうわけですね。そうして三十三條で早速おやりになる。こういうわけですね。
  516. 小林雄全

    小林証人 その点はちよつと上司に対してお言葉のほどを伝えます。
  517. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとあなたの判断ではわからないのですか。犯罪かどうかわからないのですか。犯罪があつても、上司の意見を聞かなければ通告ができないというのですか。
  518. 小林雄全

    小林証人 それは検査院では、検査官会議というものがございまして、検査院が決定するのは検査官会議にかけなければなりませんので、その関係で申し上げられないのであります。
  519. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとあなた自身としては、早速三十三條の規定によつて検査官会議にかける、そういうわけですね。
  520. 小林雄全

    小林証人 その点もちよつと——この問題に対しましては先ほど御説明申し上げましたように、特例な面がございますので……
  521. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると特例ということはどういうことが特例であるか伺わなければならぬのでありますが、どういう点が特例ですか。何かこれは犯罪にならないという特別な理由がありますか。それについて気のついたことがあつたら、おつしやつていただきたい。実は私たちも今勉強中なんですから……今まで言われた物価庁の長官が許可したとか、農林大臣が許可したということは、これはこの横領を一応合理化するような見せかけをつけるために、物価庁の人々なり、あるいは安本の人々なり、または農林省の人たちが一緒に横領について相談にあずかつているということ、それだけつまり共同謀議にあずかつた人が多い。油糧公団の人ばかりではなく、農林省の人も、それから物価庁の人も、その事情を知つておるとすれば、これは横領罪をやるための共同の相談にあずかつておる、こういうことになるだけであつて、相談にあずかつておるから横領罪は成立たないというりくつにはちよつとなりにくいように私は思う。その点についてどういうお考えでしようか。これは違法であり、不当であるということはあなたも承認しておられる。それ以上これは犯罪行為じやないか、横領行為じやないかということを私は言つておるのですが、私としましてはその点について、何かこういう事情でこれは横領にならないとか、あるいは刑法の違法性阻却の事由があるから、横領行為は成立していないというような点があつたら、それを指摘していただいたら、たいへん私どもも調査上都合がいいと思う。
  522. 小林雄全

    小林証人 私ははなはだ相済みませんでございますか、経理面におきまする不当という面だけをもつて判断しておつたわけでございますが……
  523. 大橋武夫

    大橋委員 わかりました。そうすると、そこまでは考え及ばなかつた。しかし今指摘されたから、さつそく考えて、不当と認めたら処置をとりたい、こういうふうに伺つておきます。
  524. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと何か昭和二十三年十二月算日付で、農林省の食品局長からあなたの方の検査第一局長池田直あてでこのことについての回答がありますが、この内容は知つておりますか。
  525. 小林雄全

    小林証人 はい。
  526. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ここにこういう驚くべきことが書いてあるが、最後に「公団経理における大豆奨励金取立ての代行事務に限り油糧配給公団法第十五條の四の附帶事業とみなし得るものとして、特になお大笠増産施策は農林省が監督する。」こういうように書いてある。これはあなたの方でこういうものを認めたのですか。向うが言うて来るのはかつてだが、その通りだと認めておりますか。
  527. 小林雄全

    小林証人 その点は取立て業務というのはちよつと何でございますが、最初に私の方といたしましては、こういう経理をさせることは、公団の業務外ではないかということにいたしまして、照会したのでございますが、その結果につきましては、なお当時といたしましては、検討するということで進んで来たわけであります。
  528. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 奨励費というものは、なるほど奨励費として価格をきめるために織り込んだことは間違いない、大豆価格であることは間違いないでしよう。
  529. 小林雄全

    小林証人 はい。
  530. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆販売価格であることは間違いないでしよう。
  531. 小林雄全

    小林証人 はい。
  532. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 奨励金の取立て代行ということはあり得ないことでしよう。
  533. 小林雄全

    小林証人 それは私どもといたしましては、大豆増産奨励引当て金の経理事務というふうに、実は置きかえて判断しておつたわけであります。別途積立て経理の経理業務というふうに考えておつたわけであります。
  534. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だけれども販売価格である以上は、販売価格の中に入つちやつておるから、別のものではないでしよう。
  535. 小林雄全

    小林証人 さようでございます。
  536. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが問題なんだけれども、こんなことをあなた方その通りだと言つて認めたのではないでしようか、どうです。
  537. 小林雄全

    小林証人 その通りという認め方はいたしておりません。
  538. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 驚くべきことを書いて出しておる……
  539. 吉武恵市

    ○吉武委員 証人にちよつとお尋ねしたいのですが、会計検査院でこの公団の検査に行かれたのは、いつなんですか。
  540. 小林雄全

    小林証人 油糧公団ですか。
  541. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうです。
  542. 小林雄全

    小林証人 油糧公団の検査をいたしましたのは、本年の二月ごろ前期の決算を検査いたしまして、それから後期の決算といたしましては、つい二週間ほど前に検査いたしました。
  543. 吉武恵市

    ○吉武委員 そうすると、前期を本年の二月に検査されたときに、今の奨励金の積立金の状況、それから分解硬化用油脂の価格差積立金の状況はどういうふうになつておりますか。
  544. 小林雄全

    小林証人 それは現在の状況は、今ちよつとここに数字は持ち合しておりません。
  545. 吉武恵市

    ○吉武委員 どれくらい支出して、どれくらい残つておりますか。
  546. 小林雄全

    小林証人 前期の残高は二、三百万円程度ではなかつたかと存じておりますが、なお計数の点は帰りましたら、はつきりいたします。
  547. 吉武恵市

    ○吉武委員 私が今お尋ねしたのはどういうことかというと、先般公団の経理部長の木村君を調べたとき、公団の特別積立金の書類を要求したときに、これは昨年の暮れに燒いてしまつたというふうに言つているのですが、これはあなたのお調べになつたときは燒いてなかつたですか。
  548. 小林雄全

    小林証人 実は二月の検査にはほかの者が参りまして、検査の結果を私報告を受けているのでございます。そして調書の上で報告を受けているのが、かような次第でございます。
  549. 吉武恵市

    ○吉武委員 あなたは直接行かなかつた
  550. 小林雄全

    小林証人 はい。
  551. 吉武恵市

    ○吉武委員 これは重大な問題ですから、ひとつお帰りになりまして、たれが実際に行つた——その調べたときの書類はあなたのところにあるでしような。
  552. 小林雄全

    小林証人 ございます。
  553. 吉武恵市

    ○吉武委員 それをひとつお調べ願いたい。  それからこれはくどくなりますけれども先ほども今回の公団大豆協会支出した奨励金の取扱いは、收入の面においても、支出の面においても違法であるということは、あなたお認めになりますね。先ほど違法ではないけれども、妥当ではないと言つておられたが、委員長のお話で、最後にやはり不正であるということは御了承になつたわけですね。
  554. 小林雄全

    小林証人 私個人といたしまして、正規の会計経理の建前からいいますと、さように見ております。
  555. 吉武恵市

    ○吉武委員 違法ですね。  そこであなたは先ほど委員長なり、その他の委員の質問に対してお答えになつている点は、その違法を認めて、その違法の将来に対する取扱いについてだけしか触れられない。これは一般予算に計上されるのを適当と思う。これはあなたがそういう趣旨をお忠告になることも、会計検査院の責務として当然のことですが、先ほど大橋君が言つたように、違法行為をやつた不正行為に対する御処置は、あなた一つもお触れにならない。これは自分は帰つてから相談をするということですが、会計検査院の仕事というものは、将来に対する処置を御指示になるばかりでなしに、不正が行われたならば、その不正行為者に対する処置というものも、当然お考えにならなければならぬのでありますから、御考慮願いたいと思います。
  556. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 私は質問なんかしないつもりでおりましたし、あなたに法律の議論をふつかけてみたところがこれはしようがないと思う。しかし大橋君が妙な議論を言うているから一言言うのでありますが、一体横領罪なんというものを持ち出すのは不謹愼だということを、私はこの前の委員会でも言うたのです。それを耳にしたのか、大橋君はしきりに横領罪、横領罪と言うておる。それは法律に基かざる支出であるので、不法であつたかもしれぬ。しかし、さればといつてただちにそれが事刑法上の犯罪になると、一概に言い切れるものではない。それは刑法学の一ページを読んだ人ならすぐわかる。それには犯罪意思がなければならぬ。農林省の認可のもとにやつてつたことで、どこに犯罪意思があるか。横領には犯罪意思がなければならぬ。予算の組立てと違つたやり方であるという認識はあつたかもしれぬが、横領の意思があつてつたのではないことは幼稚園の生徒でもわかる。すべて犯罪意思が、なければ刑法の犯罪を構成せぬということは一年生だつてわかつておる。それを横領罪、横領罪と言われて、あなたがそれに押しまくられたような形ですが、とんでもないことです。大橋君は法律家でないから、あえて私たちはとがめぬけれども(「弁護士だよ」と呼ぶ者あり)あんな法律家はないですよ。(笑声)あんなことは横領罪と言うことはできないけれども、その勢いに押されて、あなたは横領罪だと認めて、かえつて告発するかどうかを諮るような言質を大橋君に与えたのではないかと思われるから言うのであるが、あなたは一体横領罪であると考えるかどうか。あなたは長らく会計検査をやつておいでになるが、予算外支出をしたらただちにそれが横領罪だというような観念で今まで臨んでおられたのかどうか、それをお尋ねする。
  557. 小林雄全

    小林証人 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、行政庁の指示に基きまして、やつておることでございますので、これがただちに横領とかいうような院法三十三條の通告の問題になるというところまでは考えを及ぼさなかつたということを申し上げた次第であります。
  558. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では済みました。  この際お諮りいたします。本日瀧澤榮一君、三宅正一君より証言を求めることになつておりますが、本会議との関係もありますので、後日証言を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  559. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それではさようとりはからいます。  本日はこれを、もつて散会いたします。     午後四時三十五分散会