運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-19 第6回国会 衆議院 考査特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十九日(土曜日)     午後二時一分開議    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 小玉 治行君    理事 高木 松吉君 理事 内藤  隆君    事理 吉武 惠市君 理事 猪俣 浩三君    理事 大森 玉木君 理事 木村  榮君    理事 小松 勇次君       安部 俊吾君    岡延右エ門君       菅家 喜六君    佐々木秀世君       篠田 弘作君    塚原 俊郎君       福田  一君    赤松  勇君       加藤 鐐造君    村瀬 宣親君       横田甚太郎君    山崎 岩男君       浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (大豆協会会         長)      和田 博雄君         証     人         (食糧庁食品部         油脂課長)   中原  雄君 十一月十九日  委員前田種男君辞任につき、その補欠として赤  松勇君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き、公団をめぐる不正事件について調査を進めます。
  3. 菅家喜六

    菅家委員 先般議事の審議上必要があるので、大豆協会帳簿、その他公団増産獎励費集荷督励費等の明細な証憑書類等を要求しておいたのでございます。まだそれが本委員会に渡らないのでありますが、どういうことになつておりますか。今日あたりまでに大豆協会帳簿その他のものがなければ、非常に審議上支障を来すと思うのであります。もしその手続をとつておられなかつたら、至急その手続のもとに、一日も早く提出されるように希望しておきます。
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この間証人にここで言いましたのと、調査部から正式に要求してあるのです。大豆協会では通常会費に関する帳簿はあるが、そのほかのものに対してはないというのだそうです。それ以上探そうとなれば、特別の方法をとるほかはないのです。
  5. 菅家喜六

    菅家委員 もう一つ公団予算外支出に関する証憑書類を燒いてしまつた。燒いてしまつても、それだけの支出をしたものはこれこれの案件ということはわかる。これは一日も早く——二日ぐらいの間にもらいたいということを言つたところ、証人は出すと言つたが、出ておりません。
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 明後日でももう一ぺん調査員をやつて……。
  7. 菅家喜六

    菅家委員 督促して、一日も早く委員会の方に御提出を願いたいと思います。
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さようとりはからいます。  これより油糧配給公団関係について証言を求めることにいたします。  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人虚僞の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  それでは和田さん、代表して宣誓書を朗読してください。     〔証人和田博雄君各証人を代表して朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  9. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは和田さん、中原さん、署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは和田さんを先に聞くことにしますから、中原さんはいま一度控室でお待ちを願います。  和田博雄さんですな。あなたは日本大豆協会会長をやつておいでになるようですが、いつからおやりです。
  11. 和田博雄

    和田証人 去年の六月だつたかと思います。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう関係でおやりになつたのです。
  13. 和田博雄

    和田証人 たしか去年の春だつたと思うのですが、大豆協会理事の方が来られまして、横山さん、大内君、西川君、あとだれか一人二人来たように思いますが、はつきり覚えておりません。日本経済ちよつと来まして、それで大豆協会会長をやつてくれという話がありましたので、お引受けいたしました。
  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ぜひあなたでなければならぬという、何か理由でも述べましたか。
  15. 和田博雄

    和田証人 はつきり記憶しませんが、とにかく大豆生産あるいは輸入、そういつた仕事をやつている協会ですから、それで和田さんにこの際お願いしたい、こういう話で、いろいろお話があつたように思いますが、どんなこまかい話だか、私にははつきりしておりません。しかしとにかくいろいろな人が来られて勧められたのです。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、大豆協会とはいかなる性格のものなんですか。法律的に申しますと。
  17. 和田博雄

    和田証人 法律論はあまり得意じやないのですが、社団法人つたと思います。
  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 社団法人というと……。公益法人じやないですか。
  19. 和田博雄

    和田証人 とにかく会員組織になつておる状態です。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 組合でしよう。いわゆる任意組合じやないですか。
  21. 和田博雄

    和田証人 組合ですか……。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから仕事内容は。
  23. 和田博雄

    和田証人 内容は、私の記憶では、生産獎励輸入促進だと思います。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もちろん名前の通り大豆に関するものでしようね。
  25. 和田博雄

    和田証人 もちろんそうです。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 協会仕事をするについての機構は、どういうことでありましたか。
  27. 和田博雄

    和田証人 機構は、たしか理事会がありまして、理事会が中心でいろいろな大きなことをきめてやつてつたようですが、職員がその他三、四人おつたように思います。それから專務的に、理事の中でそういう仕事をやつてつた
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから必要経費の出所及びそれに関する何かきまりがありましようか。
  29. 和田博雄

    和田証人 規約のことはよく知りませんが、とにかく毎年予算を組んで、会員から会費をとつて、それで仕事をしておつたようであります。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで職員として、もちろん監事もおりましたでしようね。
  31. 和田博雄

    和田証人 おりました。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからどういう仕事をする職員で、どういう人がなつてつたか、御記憶のある程度を……。
  33. 和田博雄

    和田証人 野村君がおもに仕事をやつておりました。それから門田君というのと戸矢崎君、そのほか女の子と運転手がおつたようであります。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村氏は專務理事か何かになつてつたのですか。
  35. 和田博雄

    和田証人 野村君が專務的仕事をやつておりました。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから門田は……。
  37. 和田博雄

    和田証人 門田理事になつていたか、そんなところはよく覚えておりません。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほか来て、ときとしてやつてつた理事はまだありませんか。
  39. 和田博雄

    和田証人 理事会のときには、理事がほとんど出ておりますから……。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 常任の仕事は……。
  41. 和田博雄

    和田証人 仕事はおもに野村君とあと二人でやつてつたようであります。
  42. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西川前副総裁は……。
  43. 和田博雄

    和田証人 西川君はあまり何しておりません。野村君の方がおもにやつておりました。
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それほど関係しておらぬですか。
  45. 和田博雄

    和田証人 西川君は関係しておりません。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西川理事であることは間違いありませんね。
  47. 和田博雄

    和田証人 間違いありません。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西川油糧公団の主脳者、いわゆる副総裁ですね。
  49. 和田博雄

    和田証人 はい。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから野村は、油糧公団部長か何かやつておりましたね。
  51. 和田博雄

    和田証人 大豆部長か何かやつておりました。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 門田公団役員ですね。
  53. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから戸矢崎もそうでしよう。
  55. 和田博雄

    和田証人 そうだと思います。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、この公団職員でない者は、今言われた中では、女の給仕運転手だけですか。
  57. 和田博雄

    和田証人 そうだと思います。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村という大豆部長をしておつた人は、あなたと前から特殊関係があつたのですか。
  59. 和田博雄

    和田証人 特殊な関係はありません。しかし野村君は、たしか農業会におりましたから、その関係で古くから私は知つてはおりましたけれども、特殊な関係は何もございません。
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西川公団の副総裁に推薦するについて、あなたは関係なさいましたか。
  61. 和田博雄

    和田証人 ございません。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今おつしやつた大豆協会の業務として、生産獎励というか、増産獎励というか、それから輸入促進等費用は、今言つたよう会員費用でやつたとすれば、会員から会費をとつて事業費はそれでやるつもりでできておるものでしような。
  63. 和田博雄

    和田証人 増産獎励は、私の会長になるたしか前からだつたと思いますが——あるいは会長になつたときにきまつてつたことだと思うのですが、それはたしか大豆価格の中に獎励金を加えて、そうしてその獎励金を出してもらつて、それで大豆協会仕事をしておつたように思います。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、増産獎励を、その金をもらつてやることが目的でできた協会なんですか。
  65. 和田博雄

    和田証人 大豆増産獎励という仕事をやるのが目的ですが、増産獎励をやるについての獎励金というものを、そういうような形で大豆協会がもらつてつてつた。こういうふうなものです。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで今おつしやつたその金は、大豆六十キロについて六円十五銭とかいうことになつてつたそうですが、それはどこからどうしてもらうことになるのですか。
  67. 和田博雄

    和田証人 私が大豆協会会長になつたときには、これはきまつてつたことだと思います。私の今知つておるのは、それはたしか大豆価格の中に織り込んだやつを公団が一応とつて公団から渡した。大豆協会がその仕事をやるについてその金がまわる。そういうふうに私は思つております。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団受取つて、それをさらに公団からもらうというのですね。
  69. 和田博雄

    和田証人 詳しいことはよく知りませんが、大豆価格の中に加わつておりまして、大豆統制物資ですから、公団が売るときにそれが入つておるわけです。その金は一応公団が受ける形になつてつたと思うのですが、それを大豆協会の方に渡しておる。そういうことになつたのだと思います。それは農林省なり物価庁なりできめて、そういう手続をやつたので、私はそういうことはよく知りません。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体二十三年度及び二十四年度に幾らほどとつておるか御承知ですか。
  71. 和田博雄

    和田証人 はつきりした記憶はありませんが、一千三、四百円じやなかつたですか。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 年にですね。
  73. 和田博雄

    和田証人 あるいはもつと小さかつたかもしれませんが、その点ははつきりしません。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで承るのですが、今あなたがおつしやつた大豆を売つた金公団が受けて、それから協会がもらうというわけですが、第一に問題になるのは、大豆を売つた金というのは、大豆売買代金でしようね。
  75. 和田博雄

    和田証人 それはそうです。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、公団の建前から申しまして、売買代金であれば、当然に国家に帰属すべきものと思うのですが、それをあなた方はどうお考えになつておりますか。
  77. 和田博雄

    和田証人 私はその手続はよく知りませんが、おそらく物価庁農林省できめて、そういう便宜な方法をとつたのだと思います。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 便宜な手続とおつしやるが、あなたは公団をつくられたよほどの関係者でもあるし、ことに当時は安定本部長官もしておられたと思う。大豆売買代金の一部が公団において特別に除かれるという、その法律上の構成を承りたいのです。
  79. 和田博雄

    和田証人 私はその法律上の構成等もよく知りませんし、私はその当時は安本長官もやつておりませんし、今私に個人的にどういう考えであるかということをお聞きになるならば、私の個人的な意見は申し上げられますが、証人としてそれをどうかと言われても、これはちよつと筋違いじやないかと思う。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが協会長としてこれを受けておられるのですから、法律上から受けるべからざるものを受けておられると思うから、それで法律上の構成を……。
  81. 和田博雄

    和田証人 私の個人の意見としては、行政上の措置としては、農林省物価庁とできめられておる以上はいいのだと思います。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじやもつと詳しく承りましよう。そうおつしやるなら、公団法第十九條には、「油糧配給公団は、経済安定本部総務長官承認を受けて、政令の定めるところにより、剩余金国庫に納付しなければならない。」これは御承知ですね。そうして政令として政令第九十三号第三條「この政令において、剩余金とは、毎期の損益計算において、左に掲げる区分別に、收入支出との差引勘定上生じた残余金の合計をいう。」そうしてここに二として事業損益勘定のイに收入、その中には売上收入、手数料、利子收入、こうなつております。今あなたのおつしやるように、公団で売つた大豆代金であれば、この法律に基いて、当然国家收入になるべきものと思うのですが、それが公団で特別に除いておかれて、公団から直接出るという法律上の根拠がわからないのです。
  83. 和田博雄

    和田証人 私は今から考えまして、おそらくこういうことだろうと思います。大豆協会が本来ならそういう売買事業をやつて、おれの金ならすぐその金をとつてよかつたと思う。しかし大豆協会というものは直接売買を今やつていない。そこでおそらく便宜上公団使つて、かりの名として、行政庁の方では、公団の手を通じて公団がその金を受取つて、そして本来の仕事である大豆協会大豆生産獎励に当るべきであろうと思う。この法律問題は、おそらくその当時やられた方々が、いろいろ御研究になつたと思うのです。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一度念を押しますが、公団が売れば、大豆代金であることは間違いありませんね。公団が売つたのですから。
  85. 和田博雄

    和田証人 大豆代金の中に含めておるのです。だから代金であることは間違いありません。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 含めておるというのはどういう意味ですか。それは大豆価格を定めるときに、米でも何でもパリティー計算をやるときに、こういうものもある、こういうものもあるといつてやるときの基礎には、そういうものは入つていたでしようが、現われて出て来たものは、代金という一つのものであろうと思うのです。それはどうですか。
  87. 和田博雄

    和田証人 それはお話通りです。おそらく増産獎励のための獎励金価格の中に含めて、一本の価格として売つているわけですから、一本の価格として大豆価格として出ておる。それは間違いありません。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうとすれば、一応国庫に出まして、あらためてこの通り大豆増産のための金が入つておるから、これだけは出してもらいたい、こう出るのが当然であろうと思うのですが、それをやらぬでもとれるという、その理由が私らにわからぬから、あなたおわかりですかと、こういうのです。
  89. 和田博雄

    和田証人 だから私はその点は、おそらくその当時やつた人が便宜でそういうようなことをやつたのだろう、こういうことを私は申し上げておるのです。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが受取るからには、法律上どうなんですか。
  91. 和田博雄

    和田証人 私が受取るのは協会として……。     〔発言する者多し〕
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 靜粛に願います。それでは今私の聞くような法律構成は知らずに、ただ受取つてつたというのですか。
  93. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではそう聞いておきます。     〔発言する者多し〕
  95. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 靜粛に願います。そこでその金はどういう方面へ使われましたか。
  96. 和田博雄

    和田証人 詳しいことは知りませんが、たとえば品種の改良であるとか、あるいはその他増産獎励のいろいろな仕事方面に出ておると思います。
  97. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこであなたはそうおつしやるが、二十三年、二十四年には、まだこのほかにも大きな何千万円の金が出ておるのですが、今言うように大豆協会專属事務員というものは、先ほど聞いたところでは、女給仕運転手だけのようですが、さような大きなことをこれだけの人間でやれましたか。
  98. 和田博雄

    和田証人 生産獎励仕事は三人がそういう仕事をやるのではなくて、生産獎励ということは、たとえば品種を改良するというようなことは、研究所に委託してやるわけです。その他の増産仕事にしても、皆農民のために講習会をやるとすれば、專門の人に頼んでやるのですから、これはやはり獎励金として、それだけの事務員でも増産獎励という仕事は私はできると思います。
  99. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 女給仕運転手だけで……。
  100. 和田博雄

    和田証人 ほかの人に頼んでやる、生産獎励仕事委託事業として、委託してやるのでありますから、大豆協会計画を立てて、計画従つてやるのですから……。
  101. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは計画したりする人はだれですか。
  102. 和田博雄

    和田証人 それは理事会で、今度の金はどういうふうに使おうかということを相談してやるのです。
  103. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 理事会では野村氏が主になつておりますね。
  104. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  105. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 門田使つてつたと、こういうことですね。
  106. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  107. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団代金の中から、それをどういうふうにして協会へ……。
  108. 和田博雄

    和田証人 私はそういうこまかい事務のことは知りません。
  109. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたたいへん大きな金ですが、金の出し入れに関することは……。
  110. 和田博雄

    和田証人 それは理事会で大体予算をきめるとき、今年はこれだけの何が来るということは相談を受けますが、実際の出し入れについては相談を受けず、事実上專務理事がやつております。
  111. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは專務理事について聞くが、專務理事野村君ですね。公団大豆部長ですか——その大豆部長公団の人ですから、公団受取つてつた金公団專務理事受取つて、そうしてそれが協会の金になるのですか。
  112. 和田博雄

    和田証人 私はその点はあまりよく知りませんが、公団の人が大豆協会仕事をやつて行くについては、おそらく農林省なんかの承認を得たのじやないかと思います。それでそういう構成になつたのだと私は思います。私が大豆協会会長になりましたときは、すでに構成ができ上つてつたのですから、その構成のでき上るときにおいて、どういう形になつていたかということは私は存じません。そういう形で運営されておつたということだけは、事実なんですから、それで私はそれを申し上げておる。
  113. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからあなたの御承知の運営の方法についてのことを聞いておるのです。公団から金を受取つて、出資するものは公団です。それをさらに協会として受取る者も公団の主脳部です。それで一体会計上さしつかえないものでしようか。
  114. 和田博雄

    和田証人 私はやはり野村君や部下を信用しておりますから、そういう形でも私は事務的にはやつて行けたと思つております。
  115. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ことに西川氏に至つては、公団責任者ですから、その公団責任者自分で出し人になつて、また協会責任者となつて自分受取人になるということは、われわれ法律知つておる者から言うと、さようなことは許せぬもののように思いますが、あなたはさようなことは、さしつかえないものとして認めておいでになりましたか。
  116. 和田博雄

    和田証人 私は別段それについてどうこう疑つてみたことはございません。
  117. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今私の言うたことをあなたはどう思いますか。そういうものはさしつかえないものですか。
  118. 和田博雄

    和田証人 公団の者が大豆協会役員なり職員を兼務しても、きちんとやつておる限りは、私はかまわないと思います。
  119. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それ以上あなたに言つても何だが、われわれはさようなことはいかぬように思います。あなたがそういうことはよいことだと認めておるのだと言うなら、やむを得ないでしよう。  さらに配給公団から大豆出荷獎励費を別に受取つておられたようでありますが、これはいかがです。
  120. 和田博雄

  121. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう金で、どうして受取つたのですか。
  122. 和田博雄

    和田証人 その関係は私は知りません。
  123. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 分解硬化用油脂価格差金というものが公団にあつたようですが、この点は御承知ですか。
  124. 和田博雄

    和田証人 私はその点は報告を受けておりません。
  125. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや出荷獎励金というものを受取つていたということだけは聞いておるのですね。
  126. 和田博雄

    和田証人 聞いております。
  127. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういうところからどうしてとつたか。
  128. 和田博雄

    和田証人 その関係はよく存じておりません。
  129. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじやあなたは会長として、どういう金でどうして入るのかわからないが、くれればけつこうだから受取つてつたというだけですか。
  130. 和田博雄

    和田証人 私は会長を引受けましても、たいていの仕事理事会でやるわけです。理事会で大きな予算を組むとか、そういうときには出てやりますが、こまかい、たとえば増産獎励金が入つたから、それをどういうふうにするとかいうことは、專務理事にまかせてありますから、そういう関係は私は仕事をせずに、仕事をしないというよりも、おもに向うにまかせてありますから、こまかいことは私は存じません。
  131. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算を組むときに出て審議されるのなら、どういう金で、どれだけ入るということは大体わかつてるわけでしよう。
  132. 和田博雄

    和田証人 会費なんかをどれだけとるか、それをどういうふうな所にどれだけ割当てるかというようなときに御相談を受けたので、出荷獎励金のことは私は存じておりません。
  133. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしあなたの方の協会收入の大なるものじやないですか。予算に組まない金ですか、その出荷獎励金というのは。
  134. 和田博雄

    和田証人 それは特別の——予算は組みますが、素通りの金ですから、大豆協会として何もそこに残つて来る金ではないです。
  135. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 けれども大豆協会受取つて大豆協会が出したことになつているでしよう。
  136. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  137. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは予算で組むのでしよう。
  138. 和田博雄

    和田証人 それはそうです。
  139. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときの金はどういう性質のものですか。
  140. 和田博雄

    和田証人 そういうこまかいことは私は——出荷獎励金がどういう形で……。
  141. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからこの働いておる人は油糧公団と兼務だとおつしやつたが、その人の手当給料はどういうふうになつておりますか。
  142. 和田博雄

    和田証人 よく知りません。
  143. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これこそ予算に組まるべきものじやないですか。
  144. 和田博雄

    和田証人 予算に組んでおつたか、どれだけもらつたか知りません。
  145. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 するとあなたは、この協会人件費については、内容はよく御承知ないというのですね。
  146. 和田博雄

    和田証人 予算面には組んでありますが、そういうこまかいことは知りません。
  147. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 人件費について御承知ないと言うが、あなたはどれだけの手当をもらつておりますか、あなたの手当は御承知でしよう。
  148. 和田博雄

    和田証人 私は十万円ばかりもらつております。
  149. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 半年五万円ずつですね。
  150. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  151. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがあなたは、二十三年の六月の半ばに御就任でしたな。
  152. 和田博雄

    和田証人 日にちはよく覚えておりませんが、そのようです。
  153. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところで二十三年の七月十七日に五万円受取つておいでになるようですが、半年で五万円というのに、六月半ばからじや、一箇月くらいなのに五万円受取つておられるのが、われわれにはふに落ちないですが、半年五万円というのとこれはどういう関係ですか。
  154. 和田博雄

    和田証人 半年に五万円、一年に十万円を、おそらく便宜上そのときくれたのだと思います。
  155. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから二十三年十二月二十七日に五万円、二十四年八月に五万円ということになつておるが、たいていこれは半年ずつ出ておるようですが……。
  156. 和田博雄

    和田証人 おそらく盆暮れに出すのだろうと思うのです。
  157. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとこれは半年ずつじやないのですか。そういうことに見えますが……。
  158. 和田博雄

    和田証人 一年十万円にしておいて、予算関係か何か知りませんが、切つて半年ずつもらつているのです。
  159. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一年十万円にしましても、六月やつて、一月たつかたたぬにその半分をもらうということは、ちよつと普通はないことなのですが、あなたの方はそれは普通なのですか。
  160. 和田博雄

    和田証人 一年働いて十万円もらうやつを、おそらく便宜上半分ずつわけたのだろうと思います。
  161. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 脱脂糧穀販売業会というのを御承知ですか。
  162. 和田博雄

    和田証人 名前を聞いたことがありますけれどもよく知りません。
  163. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは名前だけ御存じで、どういうことをするものであるか御承知ないですか。
  164. 和田博雄

    和田証人 知りません。
  165. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団仕事の代行をさせておつたという事実はいかがですか。
  166. 和田博雄

    和田証人 存じません。
  167. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこういう事実があるのです。これはこの間野村証人からも聞いてよくわかつているのですが、油糧配給公団がこの脱脂糧穀販売業会に大豆粉及び大豆ミールの配給業務を代行させた。そうして最初は代行料として大豆粉について一トン三十円でやらしておつた。ところがそのうちに指定販売業者価格というものがきまつて、指定販売業者価格のマージンが一トン九十円になつた。そうしたらとたんに代行料を三倍の九十円に上げまして、大豆ミールについてはトン二百円をあげて、四百六十万円あまり販売業会にもうけさせた、そういう事実は御承知ないですか。
  168. 和田博雄

    和田証人 存じません。
  169. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全然こういう收入についてもごらんになりませんか。
  170. 和田博雄

    和田証人 全然知りません。
  171. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで四百六十万円一ぺんに上げてやつてもうけさせたのだから、そのうち約三分の一ほどのものを返せというので、百二十万円もどしをとつて、それが大豆協会收入になつておるのですが、さようなことは御承知ありませんか。
  172. 和田博雄

    和田証人 存じません。
  173. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会で自動車を買つてあなたの乘用にしておるそうですが、その点は間違いありませんか。
  174. 和田博雄

    和田証人 間違いありません。
  175. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その自動車の金はどこから出たか知りませんか。
  176. 和田博雄

    和田証人 存じません。
  177. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 百二十万円で自動車を買つていると言つていますが、それも知らないのですね。
  178. 和田博雄

    和田証人 知りません。聞いたこともありません。今聞きました。
  179. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会長として收支について全然ごらんになつていないのですね。だんだんこまかくなりますが、日本容器株式会社というものを御承知ですか。
  180. 和田博雄

    和田証人 私はそういう会社の名前はあまりよく知りませんが、野村君が行つたというので初めて知つたのです。野村君から今度初めて聞きました。
  181. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういう会社ですか。
  182. 和田博雄

    和田証人 内容をよく知りませんが、容器を扱う会社だと思つております。
  183. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その日本容器というのは、ただ日本容器というのと、関西日本容器というのと二つあるようですが、日本容器に対して昭和二十四年五月に二十四万五千円、関西容器に対しては二十四万円を大豆協会から出資しておられるのですが、これも御承知ありませんか。
  184. 和田博雄

    和田証人 私は冒頭に申しましたように、こまかい大豆協会の運営のことについては、野村君にまかせておつたから存じません。
  185. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会の任務は、先ほどあなたから聞いたように、大豆増産獎励及び輸入促進にあると心得えるのですが、この日本容器に出資されたことは、この目的と全然関係ないように思いますが、何か関係があるのですか。大豆増産と広い意味でいえば何にでも関係あるというかもしれないが、大豆増産輸入促進に直接の関係があると思いますか。
  186. 和田博雄

    和田証人 目的には直接関係はないかもしれませんが、私はよく知らぬが、会の資金のその当時の運用ということでやつたのだろうと思います。
  187. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとその目的目的外なんです。では定款を読みましよう。「本会は脱脂大豆並びに大豆粉の輸入促進と国内大豆生産増強をはかるために、政府その他の関係機関に協力し、斯業の改良発達に寄與することを目的とする」とあります。大豆増産のために政府その他の機関に協力するのですが、これは政府その他の機関ですか。
  188. 和田博雄

    和田証人 容器会社というのは一体どういう定款になつておりますか、ちよつと見せてください。
  189. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは知らぬ。
  190. 和田博雄

    和田証人 それは私存じません。容器会社がどういうことをやつているか知らぬが、大豆生産獎励あるいは出荷その他のことに関係があるから、おそらくやつたのだろうと思う。あるという認定のもとにやつただろうと思いますが、私はよくわかりません。
  191. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはあると断言できますか。
  192. 和田博雄

    和田証人 こまかく調べてみないと、今あると断言することはできないと思います。その点はよくわかりません。
  193. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 目的以外のものであるか何か知らないで出すということに関して、会長たるものの責任が果されると思いますか。それでも御承知ないというならやむを得ないでしよう。さらに自動車維持費として二十三年度中、七月から三月まで二十三万五千三百七十円出でおりますが、これはどういう自動車の費用なんでしよう。
  194. 和田博雄

    和田証人 そういうことはみんな事務の方でやつていたので、私一々報告も聞いておりませんから……。
  195. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どの自動車であるか御承知ないのですか。この間野村氏が来たときには、何か公団の人が大豆協会仕事を兼務しておるのは、なるべく金を使わぬようにというので、それで兼務して、なるべく経費を出さぬためにやつたのだ、従つて公団におる者は無給だ、こういうことを言つたのですが、大体そういう方針ですか。
  196. 和田博雄

    和田証人 私はその当時のことを詳しく知りませんから、はつきりしたお答えはできませんが、おそらくそうだろうと思う。大豆協会もそうたくさんの人がいるわけではなくて、できるだけ経費を節約して、そうして仕事をやつて行きたい、こういう建前に立つておりますから……。
  197. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそう聞いておるにもかかわらず、西川常務に、やはり半年分の車馬賃として本年五万円出しておるのであります。これはどういう関係で出されたのですか。
  198. 和田博雄

    和田証人 それはやはり西川君が常務として、いろいろ仕事をやられたことについてだろうと私は思うのですが……。
  199. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし先ほどあなたから、大きなことに相談に乘つているか知らぬが、常務の西川はやつておらぬと、こう言われる。そこへ持つて来て、公団の者は兼務をしても金をとらぬのだという証言があつた。それにもかかわらず西川に五万円出されたことが、非常にわれわれとして理解に苦しむのですが、その点やはり西川だけは特別の者だつたのですか。
  200. 和田博雄

    和田証人 それはよく西川君に野村君も相談したこともあるだろうし、仕事としていろいろなことをやられたのだろうと思うので、おそらく常務としての報酬として與えられたんだろうと私は思います。
  201. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから西川、本村家族救援寄付として、二十四年六月二十二日に五万円、二十四年六月二十七日に十万円出ておりますが、これはどういう金でありますか。
  202. 和田博雄

    和田証人 それは金額の点についてはその通りか存じませんが、理事の人が集まりまして、そうして理事だけでなくて、油の業界の人も集まりまして、お互いに西川君があんなような事件にあつたので、家族も困るだろうから、従来のよしみで援助しようじやないか、こういう理事会の決議を大豆協会としてもやりましたから、その他油糧関係の人が集まり、相談をしたときに、お互いに会費を持とうじやないかということをきめて、その決定に従つて出したのだろうと思います。
  203. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 十五万円、これもやつぱり大豆協会の業務である大豆増産、もしくは輸入促進関係あるものとしてお出しになつたのですか。
  204. 和田博雄

    和田証人 私は、それはそういう意味でなくて、会の運営として出したのだろうと思います。
  205. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いろいろお世話になつたから……。ところが西川、本村という人は公団理事でしたね、副総裁と片方は経理部長でしたね。
  206. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  207. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは公団役員でありますから公務員ですね。そうでしよう。
  208. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  209. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう人にお世話になつたからといつて、出してよいものでしようか。
  210. 和田博雄

    和田証人 これはしかし油の方の関係から言つて、いろいろ従来大豆の方の協会のみならず、油の方の関係仕事をしてこられた人であるから、これがああいう事件になれば、われわれとしても御同情申し上げる、その同情が集まつて理事会の決議となつて、それでそういうことになつた
  211. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いくら同情したからといつて、公務員に今まで世話になつたからといつて金を出せば、当然涜職罪になると思うのですが、あなたはそういう考えはありませんか。
  212. 和田博雄

    和田証人 涜職には一体どういう関係があるのですか、公務員であつても、家族の人が困つているのを援助するためにやる、大豆協会理事の人が集まつて、お互いにお見舞を上げようじやないかという形でお見舞を上げたわけであつて、何も意味があるわけではないのですから……。
  213. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今までお世話になつたからといつて、家族にやるといつても、受取る者は西川、本村なんですから……。
  214. 和田博雄

    和田証人 今までも友達だから、理事の人も、こういうときにお互いに会としても後援しようじやないかというのでやつたので、何も涜職とか何とかということはありません。
  215. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたも長く官吏をしておられた方だが、それがわからぬとおつしやるならやむを得ません。それ以上言つてもいかぬでしようが、とくと考えていただきたいと思う。
  216. 菅家喜六

    菅家委員 証人にお尋ねいたしますが、ただいま委員長よりいろいろこまかい質問があつたのですが、何を聞きましても、大体会長はお知りにならぬ部分が多い、これも知らぬ、あれも知らぬという御答弁であります。お知りになつているのは会長の半期における手当五万円、一年十万円だけもらつたということだけははつきり証言された。その他予算を組むときは、自分は臨んだのであるけれども、細目のことはわからないという御証言である。そこでお尋ねしたいのでありますが、日本大豆協会の規約、これはまさかお知りにならぬとおつしやらないでしよう。
  217. 和田博雄

    和田証人 私は大豆協会会長を引受けましたが、規約を初めからしまいまで、別段目を通して読んだこともありませんが、大豆協会のやろうとしておる仕事輸入の促進であり生産の増強だ、こういう会だということを聞いておりますし、今会則を見たのですが、別にああいう組合せの組合であり、ほかの協会とそうかわつた定款でもなさそうですから、特別どうということはありません。
  218. 菅家喜六

    菅家委員 それでけつこうでありますが、ずいぶん簡単な規約でありまして、第十一條には、会長の職務権限をここにはつきり書いてあるのであります。この規約に基いて会員を募集し、会費を徴收し、会の運営をはかつて来たのでありますから、こまかいとおつしやるけれども、こまかくない問題をすべて知らないとおつしやるのであるが、そこでお知りにならないのをむりに聞くわけにも行きませんが、ただ一つはつきりと御記憶になつている報酬金の年十万円、これは二十三年度の所得税に申告になりましたか。
  219. 和田博雄

    和田証人 私の所得につきましては、私の方へ入りましたものは秘書官にまかせてやつておりますから、私にはわかりません。
  220. 菅家喜六

    菅家委員 秘書官にまかしているので、自分の所得の申告もおわかりにならないとおつしやるのですか。
  221. 和田博雄

    和田証人 申告はすべて自分で書かずに、秘書官にまかしておりますから、私にはわかりません。
  222. 菅家喜六

    菅家委員 秘書官にまかしても、御申告にならないということになれば、むろんあなたの責任になりますね。もしおわかりにならないとすれば申し上げますが、あなたは、二十三年度の大豆協会よりの所得十万円を御申告になつておらないで、脱税されておりますね。  もう一つお尋ねしたいのですが、日本治山治水協会から証人手当をいくらおもらいになつておりますか。
  223. 和田博雄

    和田証人 私はきようは油糧公団不正事件についての証人でありますので、ほかのことについては、私はお答えする必要はないと思います。
  224. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 関係あるとして委員が聞かれる以上は、お答えしてください。
  225. 菅家喜六

    菅家委員 関係がないから答えることができないとおつしやるのですか。
  226. 和田博雄

    和田証人 関係ありません。
  227. 菅家喜六

    菅家委員 証言を拒否されるつもりですか。
  228. 和田博雄

    和田証人 直接関係はありませんから……。
  229. 菅家喜六

    菅家委員 直接関係あるかないかということは、われわれの方で判断することです。われわれはこれに関係ありとして質問をしているのですから、関係がないといつて証言を拒否されるのならば、証言を拒否されてもけつこうです。     〔議場騒然〕
  230. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 靜粛に願います。  証人に申し上げまするが、委員の質問に対しては、別に制限する何ものもありません。ただ委員は、なるべくきよう調べる件事に関係のあるものをやつてもらうということは、お互いの約束でやつているのです。委員関係あるとして聞かれる以上は、委員長としてこれをとめるわけに行きませんから、答えていただきたいと思います。
  231. 和田博雄

    和田証人 その点はひとつ委員長からお話願えればよいと思いますが、たとえば公団不正事件について、私は大豆協会会長として呼ばれているわけであります。従つて大豆協会の所得であるとかいうことならば、私はお話できると思います。しかし……。     〔議場騒然〕
  232. 和田博雄

    和田証人 こういうことは私は直接関係はないと思います。そういう点について委員の方で関係あるとして聞かれた場合に、私はかりに証言を拒んだというか、証言する必要がないとお話をしなかつた場合には、どういうふうになるのですか。
  233. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前もつて仮定のことを言うわけに行きません。
  234. 和田博雄

    和田証人 しかしその点が非常に重要だと思います。関係がないから答弁を……。     〔議場騒然〕
  235. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 結局お答えをいただかなければ……。     〔議場騒然〕
  236. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 委員の質問中ですから靜粛に願います。菅家君質問してください。
  237. 菅家喜六

    菅家委員 私の考えでは、証人大豆協会の金の申告はしておらなかつた。秘書をしてこれをやらしておつたから、わからないとおつしやるので、重ねてお聞きしたのでありますが、御証言がなければ、しいて私はこの答弁は要求しません。はつきりわかつておりますから、御参考に申し上げますが、二十三年度にはあなたは八万円とつておられ、二十四年度には十二万円とつておられる。そのほかに日本開拓協会というものより十一万五千六百円を二十三年度の六月から二十四年の十月までに報酬としてとられているのであります。これは大豆協会関係する事柄である。あなたともあろう人が、一応これだけの金、三十万の報酬をとつておられて、それを申告されなかつた、これは脱税であります。今年度の申告を見ましても、税務署であなたのを調査してみると、それらのものはすべて六月末日までに申告がないのであります。これははなはだ遺憾でありますが、これ以上は意見になりますから申し上げません。われわれとしては、脱税はまつたく別個な考えを持つておりますから、これ以上お尋ねをいたさないのであります。  そこでもう一つお尋ねいたしたいのでありますが、先ほど来委員会の空気が大分險惡になつて参りましたが、私どもは決して御無礼な、不遜なことでしいて何かお尋ねをするという気持はございません。ただこの公団なるものが、種々の公団が社会の疑惑を受けて、ことごとく経理上に不正事件があるというので、今度の事件が取上げられたのであります。先ほど証人は、部下を信頼しているので、こまかい点は部下まかせであるとおつしやるのであるけれども、その部下がいかなる経理をされるかということをひとつ考え願いたいのであります。これは会長だけおられて、女子供一人だけの協会でありまして、おしかりを受けるかもしれませんが、私から言わせれば、これは幽霊協会であります。頭だけで足がない。しかもその経理は公団にまかせられている。その公団がいかなる経理をしているかと行つてみますと、これのおせわになつたからといつて西川、本村両家に十五万円金を出している。この本村経理部長予算外の支出といたしまして、二千二百八十万円の支出をしました。この証憑全部を西川総裁の権限によつて公団内においてこれを燒き捨てたと本委員会において証言いたしているのであります。社会がこれに対して疑惑を抱くのはむりじやないと私は思うのであります。かかるものに大豆協会がこれだけの多額の金をまかして、部下を信頼しておられる会長の心境を私は承りたいのであります。こういう点から、大豆協会に対しまして私どもも大いにその真相をただしたい。決してここでむりな証言を求めるとかいうような気持はないのであります。この真相を、知らぬ存ぜぬでなく、もう少しく真相を——この点はまつたく知らない、これはこういう事情であるということをお述べになるならば、あえて私どもはお尋ねをいたさないのであります。
  238. 和田博雄

    和田証人 私はやはり私の正しいと思つているところを今まで証言して参つたのでありまして、あえてとやかく言つているのではありません。私は仕事をやります上において、忙しいからだでありますから、大豆協会のこまかいことは、私は初めからタツチする気持でやつて来たのじやありません。また来られた方も、そういうことを私に期待されたものではないと思つております。またそういうことを言つた人もあるが、今どうこう言つても、過去のことですから申しませんが、しかし私は仕事をやつて行く上において、やはり自分の部下をどこまでも信頼してやるということは、私今まで公の仕事をやつて参りました場合にも、いつもそうであります。また部下の人たちを初めから疑つて仕事をしませんで、私の部下になりました以上は、ほとんど全部仕事をそれにまかすやり方でやつて来ているのであります。従つてもしも部下の者が不当なことをいたしまして、それが会長としてその監督上の責任があると言われれば、私はその部下の人が惡いことをした場合に、会長としての監督上の責任はいつでも拒否いたしません。今まで私は役人としましても、政治家としましても、そういう態度をとつて臨んでいるのだということだけ申し上げます。
  239. 菅家喜六

    菅家委員 それで了解いたしました。会長として何もかも知らぬとおつしやつているが、最後にこの大豆協会の全責任を負うという御証言でございますから、その点はそれでけつこうでありますが、大体私どもの感じから言いますと、西川総裁が本村経理部長使つて、表に現われました金額は二千二百八十万円という金であるが、これ以外に、今調査中でありますが、相当大きな金についてここに不正が行われていることが明らかになつて来たのであります。そうすると、われわれの疑惑の目は西川総裁、本村経理部長、そしてあなたを会長にまつり上げて、その間に金銭上のいきさつがあつたか、なかつたかという一応の疑いをかけるのは、私どもは決してむりなことではないと思うので、いろいろなことをお尋ねすることになつているのであります。  そこでもう一点お尋ねをして、他の委員が御質問ありましようから、私の質問は打切りたいと思います。こまかい点はおわかりにならない、それでけつこうでありますが、予算の上における最も大きな費目は、御承知になつていることと存じます。予算を組むそのときに理事会におかけになつておりますから、大体御承知になつておりましよう。  それからもう一点は、大豆協会帳簿がありましようか。
  240. 和田博雄

    和田証人 その点は私よく存じません。
  241. 菅家喜六

    菅家委員 帳簿があるかないかも知らない……。
  242. 和田博雄

    和田証人 存じません。  それから私もう一つ申し上げますが、今西川君が大豆協会のことについて何か不正なことをやられたというようにちよつと聞いたのですが、私は大豆協会について西川君がどうこうしたとは思つておりません。私もそういうようなことも存じませんし、また西川君も、もしもそうとられれば心外だろうと思います。西川君は大豆協会仕事を分担する者として、大豆協会仕事はおそらくまじめにやられたと信じておりますし、また事実そうだと思いますから、公団の事柄とそれから大豆協会の事柄とは、ひとつはつきりとそこのところをおわけになつてつていただきたいと私は思います。
  243. 菅家喜六

    菅家委員 もちろんわけます。私どもがそういうことを申し上げるのは、先ほど西川総裁証人として立たれて、大豆協会自分たちは無報酬でやつているのであつて、一厘一銭の金ももらつておらないと言いながら、ここに二十四年九月二十一日に五万円という金をとつておられる。——つい二、三日前にこの証人として来られて、自分は一厘一銭大豆協会かち報酬をもらつたことはないと証言しているので、帳簿を調べてみますと、五万円という金を大豆協会からとつているのであります。こういうことは正しいと私どもは考えるわけに行きません。やはり公団大豆協会というものは、その間に何らかの関係ありと見るのは、われわれは当然だと考えるのであります。これだけじやありません。そのほか増産獎励費にいたしましても、集荷督励費にいたしましても、これらの金の内容は、帳簿を備えつけておらない、会長帳簿があるかないかを知らないというような会長があるはずがないのであります。いくら大きな会長でも、自分協会帳簿があるかないか知らないということは、私は驚くべきことだと思う。そういうことでありますから、間違いが起きて来るのであります。昔は海軍大将とか陸軍大将とかが名目上の会長総裁になつたが、そういうことでは、この協会に間違いが起きて来るのは私どもは当然だと思います。そうすると、この大豆協会公団から入つて来た総額もおわかりにならないかどうか。
  244. 和田博雄

    和田証人 私今までたびたびお答えしたように、予算面の、たとえば増産獎励金が今年度はいくらあるかとかいうようなことはわかりますが、その帳簿で受拂いをどういう手続でやつているかというようなことは私知りません。私はほんとうに知らぬから知らぬと申し上げているのですから、そこのところはよろしく願います。
  245. 菅家喜六

    菅家委員 本証人の態度は、私はまことに不満である。
  246. 高木松吉

    ○高木(松)委員 和田さんは私どもの先輩だから敬意を表しながら、とにかくお尋ねしたいと思います。  大豆協会というものは何です。これはいかなる性質のもので、国家機関とどういう関係があり、そうしてどういう法的基礎に基いてかような国家の金を使うようになつておるのですか。
  247. 和田博雄

    和田証人 それはただいま委員長の質問にお答えした通りであります。
  248. 高木松吉

    ○高木(松)委員 今お答えになつた程度では国民は納得いたしません。あなたとしてそれ以上の説明はできませんか。
  249. 和田博雄

    和田証人 私委員長にお答えした通りであります。
  250. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうしますれば、一歩進んで会長の権限というものは、どういう関係のもので、どういう仕事をされるのですか。
  251. 和田博雄

    和田証人 定款には会長の権限がちやんと書いてありますが、やつて行く実際の仕事の面については、いろいろ幅があるし、重点があるだろうと私は思います。定款には、おそらく普通の定款とかわりないでしようが、会長は会務を総攬するとか何とかいうことで書いてあると思います。
  252. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでつつ込んでお尋ねいたしたいことは、大豆獎励金集荷督励費というものは、何人の負担においてあなた方はお使いになりましたか。
  253. 和田博雄

    和田証人 大豆獎励金の方は、大豆増産獎励するための金ですから、結局大豆の消費者が負担しておることになつておると思います。督励費の方は、今委員長にお答えしたように、機構はよく存じておりませんから……。
  254. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうするとその金は、あなた方として相当注意を拂つて大切に使用せられるべき金であることは御承知ですか。
  255. 和田博雄

    和田証人 獎励金は、それはもちろんお話のように注意して使い、かつその結果大豆生産増産になることが必要であろうと思います。その点については、大豆増産は二十三年、四年と非常にふえて来ておると思います。本来ならば大豆獎励金は大部分を政府の予算にちやんと組んで、政府としてほんとうに農業政策としてやるべきだ、それを今の段階において政府においては……。
  256. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その点は十分わかつておりますから、それ以上聞く必要はありません。そんなことを聞くつもりではありません。  そこで先ほど委員長から聞かれた日本容器に対する二十四万五千三百円、関西容器に対する同額の金、西川、本村家に対する救援金、それから中日貿易促進会、中目貿易通信広告料金、中日貿易促進会入会金というような金が、はたして大豆獎励の金として善良なるあなた方の立場において出費したものでありましようか。
  257. 和田博雄

    和田証人 その点ちよつと誤解なさつておるのではないかと私思うのです。大豆獎励金大豆獎励のために使つております。ほかの目的のためには使つておりません。今言つたように、中日貿易の金とか、それから木村君や何がしに見舞金として出した金は、大豆協会会員はちやんと会費を出しておりますから、その会費の中から出しておるのであります。ことに輸入促進ということがありますから、中日貿易の関係なんかは、結局中国から輸入するものをやはり促進する仕事になるのでありまして、貿易品としてはやはり大豆が主でありますから、会の目的として、そういう会員のためになつて行く金を出すことは、やはり当然できるのではないかと思います。
  258. 高木松吉

    ○高木(松)委員 先ほどあなたのお答えになつた中で、大体知らぬ存ぜぬが一本筋になつておるようにわれわれは承つたのだが、この点だけかように明瞭にお答えになつたのは、特にあなたがその当時さしずか何かされたからですか。
  259. 和田博雄

    和田証人 私が知らぬ存ぜぬと言つたことは、実際知らぬのですから……たとえば日本容器の内容がどうとかいうことは、知らぬから存ぜぬと申し上げたのです。今お話の点で、たとえば増産獎励金をそつちに使つたのではないかとおつしやるけれども、それはそうじやなくて、会費があるからそつちに使つたと言うのです。
  260. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それははつきりあなたはわかつておるのですか。
  261. 和田博雄

    和田証人 私は会の性質として、増産獎励金の性質として、そつちの方へ使うべきものではありませんから、大豆協会がそういう特別の獎励金を、今言つたような中日貿易の方にまわすということはやつてないと思います。
  262. 高木松吉

    ○高木(松)委員 私が聞きたいのそういうことを聞いたのではない。あなた自身が個別的に当つて、はつきりとその当時認識しておつたのかどうか。客観的にこういう原則があるから、そういう原則で行つたのであろうというような推測を聞いておるのではないから、その点誤解のないように願います。
  263. 和田博雄

    和田証人 今言つたようなことも、帳簿を一々当つたわけではありません。
  264. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたは早坂という人を秘書に使われておりますか。
  265. 和田博雄

    和田証人 使つております。
  266. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その人が大豆協会から何かちようだいしておることはありませんか。
  267. 和田博雄

    和田証人 それはおそらく大豆協会からもらつておることがあるかもしれません。
  268. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはどういう趣旨のものをもらつておるのですか。
  269. 和田博雄

    和田証人 私はそこまで関係しておりませんから……。おそらく專務の方でやらしておる連絡や、いろいろの連絡をとるので、お礼の意味で少しぐらいポケツト・マネーをくれているかもしれません。
  270. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたは大豆協会から自動車の提供を受けておるが、その自動車は大豆協会のために使つておるのですか。
  271. 和田博雄

    和田証人 私は会長でありますから、会長としてこれに乘つておりますけれども、私の乘らない間は公団の方へ行きまして、大豆協会使つております。
  272. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その自動車はどこに置いてありますか。
  273. 和田博雄

    和田証人 私のうちに置いてあります。
  274. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたの車庫ですか。
  275. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  276. 高木松吉

    ○高木(松)委員 以上でよろしうございます。
  277. 篠田弘作

    ○篠田委員 まず最初に証人におことわりしておきますが、これは油糧公団不正事件に関連して、大豆協会の中にも具体的な問題が起つておるので、その責任者としてあなたを招喚しておるのであつて、決してあなたを政治家であるとか、前大臣であるとかいう経緯のもとに招喚しておるのではありません。従つて委員に対して、大橋君、それは何だというような発言があるということは、あなたの御身分と、きようの証人の立場とをあなたは混同しておられるというふうに私には受取れるのでありますから、以後の質問に対しましては、いわゆる責任者、すなわち証人としてお答え願いたいのであります。  あなたは先ほど菅谷委員の質問に対しまして、公団の事柄と大豆協会の事柄は区別して聞いてもらいたい。公団には不正があるかもしれぬが、大豆協会には不正はないと信じておるというお話でありましたが、それならば不正のない大豆協会が、いろいろの会計上の書類を全部協会の内部で燒き捨てたということは、何を意味するものか。会長として答弁を願いたい。
  278. 和田博雄

    和田証人 私は燒き捨てたかどうかという事実は知りません。  それから大橋君に対して、もしも私の言つたことが非常に何でしたら、これはひとつ大橋君におわびします。私も若いので、やじられると、やはり少しかつとしますから、その点はひとつ……。
  279. 篠田弘作

    ○篠田委員 その次にお伺いしますが、あなたは会長としていろいろなことを今まで質問されておりますが、全然御存じないようであります。規則の上から言えば、あなたの方の定款には、会長は本会を代表して会務を総理するということがあるのでありますが、しかしそういう定款すらもあなたは見たことがないというふうに言つておられる。それでその他の問題についても、会計の問題であつても、証憑を燒き捨てた問題であつても、あるいはまた帳簿が存在するかしないか、社員が何人おるかという問題についても、金の出し入れの問題についてもあなたは何も御存じない。ただあなたの御存じであることは、先ほども言つたように、年に十万円の手当を、受けられたことと、大豆協会の車を自分の車庫に置いて乘つておられるということだけであります。そうするとあなたは何も中味がわからないで、ただレツテルとして中味にメチールが入つておるか何が入つておるかわからないで、ただあなたはジン・オプ・ウイスキーのレツテルになつていたと解釈してさしつかえないかどうか。
  280. 和田博雄

    和田証人 今まで聞かれましたことで、私が積極的にやつたことはやはりお聞きになつておらない。たとえば増産獎励のために、私が地方へ行つていろいろと講演してまわつたり、輸入促進のために、大豆協会会長としていろいろ動いたり、やはり会長としては、私は積極的に仕事はやつておるのです。しかし今あなたがおつしやるようなことについては、私はむしろ事務的なことと考えるから、專務理事にまかして今まで会を運営して来た。こう申し上げておるのです。ですからそういうことを十分御了承願います。
  281. 篠田弘作

    ○篠田委員 そうすると、証人は啓蒙的な面や政治的な面に動いた。しかし事務的な面については知らない。こう言われるのですね。
  282. 和田博雄

    和田証人 政治的と言いますか、大豆協会会長として、現にそういうこともやつております。たとえば大豆生産者の大会というようなものを開いて、大豆増産のためのいろいろなプログラムを立てたり、あるいは各方面に陳情するといつたようなこともやります。
  283. 篠田弘作

    ○篠田委員 協会の中は全然わからないが、頼まれたことについてはある程度の役割を果した、こういうことですか。
  284. 和田博雄

    和田証人 大豆協会仕事というものは、輸入促進にしても増産獎励にしても、実はそう生やさしい仕事ではないのです。しかし協会会長として、あなたの今おつしやつたように、積極的な仕事はやつておるということを御了承願いたい。
  285. 篠田弘作

    ○篠田委員 そうするとただレツテルの役目をしたのではないとおつしやるのですか。
  286. 和田博雄

    和田証人 まああなたのお考えのように……。
  287. 篠田弘作

    ○篠田委員 そうすると、あなたは現在の段階においても、大豆協会の中には不正はないと確信しておられるわけですか。
  288. 和田博雄

    和田証人 私は大豆協会の部下の連中が、実際まじめに今まで仕事をして来たと思つております。
  289. 篠田弘作

    ○篠田委員 それではそれだけで……
  290. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほどの帳簿の点ですが、帳簿は初めからなかつたのですか。
  291. 和田博雄

    和田証人 私はほんとうに帳簿を見たことがないから知りません。
  292. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 けれども何十万という大きな金の收支をつけてないということはどうも……。
  293. 和田博雄

    和田証人 それは事務局に聞いてもらわなければ……。
  294. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで私は聞くのだが、帳簿が実際あつたか、あるいはあつたのを燒いたのか……。
  295. 和田博雄

    和田証人 それは存じません。
  296. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆協会公団の方からまわした金は、大豆の最終販売価格に織り込んであつた。そうして公団に納めた金を大豆協会にまわしたということに相なつております。これは間違いございませんね。
  297. 和田博雄

    和田証人 そういうように私は理解しておりました。
  298. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしますと、この金は大豆協会に来る以前においては国家の金と申しますか、国庫に帰属すべき金という性質のものであるように、あなたは理解されておりますか。
  299. 和田博雄

    和田証人 そこのところは私委員長にお答えした通りに解釈していただきたいと思います。
  300. 小玉治行

    ○小玉委員 もう一度お聞きしたい。
  301. 和田博雄

    和田証人 それは大豆生産獎励大豆協会がやるについて、本来ならば国がちやんと予算でも組んでとれば、すぐ予算大豆協会にあてて来るのでしようけれども、そういう予算も何もないわけですから、おそらく獎励金の金をとるのに、さいわい公団というものがあるから、かりに公団の金を使つて通りにこちらへ来るようにしたというように、獎励金についてはいろいろ聞かれますから、私としてはそういうふうにやつたのではないかと解釈をいたしておるのであります。
  302. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしゆうございます。そこで大豆協会の性格は組合的のものだということですが、公の機関でもなければ、いわゆる地方公共団体あたりの公法人でもない、まつたく私の団体にすぎないわけですね。大豆協会社団法人でもなければ、財団法人でもなし、まつた任意組合の性格を持つているものですね。
  303. 和田博雄

    和田証人 そのようだと思います。
  304. 小玉治行

    ○小玉委員 そこでこの任意組合、まつたく私的団体である大豆協会に対して公団からまわつて行く金は、これはあなたは大臣もなされ、安本長官もなさつていたので、よくおわかりと思うが、国家の金であるとすれば、これはいかなる性格を有しておる金になるのですか。補助金とか、あるいは補給金とか、いろいろのものがありますね。それはいかなる性格を有しておるお金のように、あなたはお考えになつておりますか。
  305. 和田博雄

    和田証人 そこの出荷獎励金の性質が今言つたように……。
  306. 小玉治行

    ○小玉委員 増産獎励金
  307. 和田博雄

    和田証人 増産獎励金の性質が今言つたように、増産獎励なのですから、それは獎励金という性質から言えば、いわば獎励金だと思います。
  308. 小玉治行

    ○小玉委員 獎励金には補助金とか、価格差補給金とかありますね。
  309. 和田博雄

    和田証人 獎励金という形もありますからね。
  310. 小玉治行

    ○小玉委員 獎励金という形がある。それを国家が、私の団体にさような国費を支出しておる例が他にあるかどうか……。
  311. 和田博雄

    和田証人 さあ、それは私よく存じませんが、国家といえども一つ獎励金といつたようなものを、民間の団体で法人じやないけれども、一つの存在を持つておるものに、国が直接やつている例は、そこのところはよく知りませんが、性質として全然やれぬものだとは思いません。個人にだつてやれるわけですから……。
  312. 小玉治行

    ○小玉委員 その金だつて、結局あなたは大豆協会に来る前はいわゆる国家の公金であるということは、お認めになるだろうと思いますが、いかがですか。大豆販売価格の中に織り込んで公団に受入れた金、それがいわゆる公金であるということについては、いかにお考えになつておるか。
  313. 和田博雄

    和田証人 そこはやはり今度の増産獎励金の成立の過程をよほど調べてみないと、私はどういう性質のものとして一体そういうとりきめを農林省なり、物価庁がやつたか。そこのところは大分違つて来るのじやないかと思つております。
  314. 小玉治行

    ○小玉委員 だからお聞きしておるのだ。あなたは安本長官もすれば、農林大臣もなさつた関係もありますし、またそのほか大豆協会も……。
  315. 和田博雄

    和田証人 ちよつとお答えしますが、公金としてどういうふうに当時考えたか。そうでなくて、便宜的に公団の機関を使つて大豆協会でその金を出す。公金という形じやなくて、どういうのですか、補助的に出す。
  316. 小玉治行

    ○小玉委員 そこにからくりがあるのじやないですか。
  317. 和田博雄

    和田証人 からくりじやないと思います。この増産獎励金の法制的な性質いかんということを聞かれたから……。
  318. 小玉治行

    ○小玉委員 法制的性格いかんということをお聞きしている。
  319. 和田博雄

    和田証人 これはまあ私はやはり獎励金だと思いますが……。
  320. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしますと、国家の公金をそういう弁法によつて大豆協会に支給したというふうに、あなたはお考えになつておるのですか。
  321. 和田博雄

    和田証人 国家の公金と、そこのところを言い切つてしまうことが……。
  322. 小玉治行

    ○小玉委員 説明があればお聞きしたい。
  323. 和田博雄

    和田証人 私個人としてそこは疑問に思うのですが、私の意見を聞かれても公金と言い切つてしまえるかどうか。そこのところになると、行政的措置としてそういうことをやられておるのですから、公金と、言い切つてしまえるかどうか、多少私個人として疑問が残つております。
  324. 小玉治行

    ○小玉委員 それは最終の販売価格公団が取上げられた金が、公金でなくて何ですか。国家の会計法の正しい解釈から言つて国家の経理から言つて、公金でなければ何かをお聞きしたいのです。
  325. 和田博雄

    和田証人 国家收入金かどうかということですね。私の言うのは……。
  326. 小玉治行

    ○小玉委員 そこですがね。あなたは大豆協会会長になられてから、その成立に立会つて、農本省と物価庁行政措置としてやつたというが、その獎励金はいかなる性格のものであり、予算措置もそれでよろしいかどうか。国家の経理面もそれでよろしいかどうかということを研究したことがありますか。
  327. 和田博雄

    和田証人 私はそういうことは研究したことはありません。しかし私の考えとして、とにかく大豆であるとか、それからそういつた日本として足らない作物の生産獎励は、本来なら国が堂々と予算をとつてやるべきことだというふうに私は考えております。
  328. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしい。そこであなたは先ほどこの大豆の……。(「君の方でつくつたんじやないか。周東がつくつたんじやないか」と呼ぶ者あり)だれがつくつてもよろしいが、この補助金というか、獎励の事業は本来農林省でやるべきものである。それを大豆協会がやることになつておると言つて、いわゆる筋違いだと言わんばかりのことを言われておるのですが、何ゆえに農林省にこの仕事をやらせずに、大豆協会のごとき民間団体に年に何千万円という金を支出してやらせるようになつたのですか。その経緯を御承知ならお話願いたい。
  329. 和田博雄

    和田証人 その経緯は私は全然存じません。私が会長になりましたときは、大豆協会は前からありまして、そのときにはもう何もきまつてつたように存じております。そこで私は二十四年度につきましては、これは農林省の政策として、こういうものは堂々と組むべきじやないかということを私が申し上げて、それで農林省の方に早く予算を載せるなら載せるべきで、農政局として組むべきだということを申し上げておつたのであります。しかしどういう経過でそういうことになつたのかは、私はその当時会長ではありませんで、大豆協会会長は私が三代目か四代目で、そのことは伺つておりませんから、その点ひとつ……。
  330. 小玉治行

    ○小玉委員 そこであなたが大豆協会長になられて、さような疑問を持たれたとするならば、なおさらこれを徹底的に究明して、本道に引き直すべく努力さるべきじやないかと思うのですが、それをしなかつたのですか。
  331. 和田博雄

    和田証人 私は二十三年度はきまつたことでありましたので、それはその通り増産獎励のために使うように、これは理事会なり何なりできまつておることですから、その執行を野村君が中心となつてつたのですが、二十四年度の新しい問題については、農林省に対して予算を組めと言つて農林省はそのために予算農林省限りでは組んだように思うのです。そのときは私は農林大臣には直接会いませんですが、農林省の……。
  332. 小玉治行

    ○小玉委員 農林省のだれにそういう話をしたのですか。
  333. 和田博雄

    和田証人 農政局長に話しました。
  334. 小玉治行

    ○小玉委員 どなたです。
  335. 和田博雄

    和田証人 山添君ですが、農政局長に話して、二十四年度は予算に組んで、農林省限りでは通つたと思いますが、大蔵省で削られてしまつた、こういうかつこうになつております。
  336. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしゆうございます。そこであなたは会長としての仕事はずいぶんなさつた、こうおつしやつたのですが、もう少し具体的に、会長としてどういうような仕事をやられたか、講演をして歩いたということは承つた、各種の陳情についても骨折つたということは承つたのですが、そのほかに何かお仕事をなさつておりますか。
  337. 和田博雄

    和田証人 それは今言つたような、たとえば農林省大豆生産についての政策、増産計画——大豆協会では増産計画を立つておりますから、そういう増産計画、そういつたものについてわれわれとしては努力しました。  それから輸入促進については、これは何といつてもまだ本格的にたくさん来ておりませんから、輸入促進についてやはりその気運を動かして行くとか、いろいろ関係方面への折衝をやるとか、そういつたことを私はやりました。
  338. 小玉治行

    ○小玉委員 企画立案と、中日貿易については関係当局との折衝、陳情あるいは講演会、こうおつしやるのですね。講演会というのは何回ぐらいありましたか、あなたとしては講演会はどの方面に、いつごろから、何回ぐらいやられましたか。
  339. 和田博雄

    和田証人 そうですね。私は地方へ出るたびに、大豆増産獎励について、農家に対して将来日本としてはこういうふうに大豆転換策を早くしなければいかぬとか、大豆については増産の余地があるとかいうことを、何回もやつておる。何回でもしやべるたびに話しております。大豆協会として出て行つた場合はもちろんのこと、大豆協会として出て行かない場合でも、講演を聞きたいというときに私は言つております。
  340. 小玉治行

    ○小玉委員 回数、場所はわからぬというのですね。
  341. 和田博雄

    和田証人 そうであります。
  342. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで大豆協会はこの経費の中から多数の交通費、旅費というものを支出しておるようですが、あなたが出張される際に、大豆協会から出張旅費ないしは交通費として手当を受けられておつたですか。
  343. 和田博雄

    和田証人 もらつたこともあり、もらわぬこともあります。
  344. 小玉治行

    ○小玉委員 大体あなたの記憶で、あなたが会長につかれて今日まで……。
  345. 和田博雄

    和田証人 私がたしか北海道に行つたとき、それは北海道の大豆作をずつと見てまわりまして、大豆増産について行きましたとき、たしかもらいました。
  346. 小玉治行

    ○小玉委員 どのくらい……。
  347. 和田博雄

    和田証人 五万円くらいじやないかと思います。
  348. 小玉治行

    ○小玉委員 いつごろですか。
  349. 和田博雄

    和田証人 去年の夏。
  350. 小玉治行

    ○小玉委員 そのほかにありませんか。出張旅費、交通費はその都度々々幾らか……。
  351. 和田博雄

    和田証人 そのほかもらつておりません。
  352. 小玉治行

    ○小玉委員 五万円だけですね。
  353. 和田博雄

    和田証人 あと二回ぐらい——ほとんど私はもらつておりませんが、五万円はもらつております。
  354. 小玉治行

    ○小玉委員 それから大豆協会事務ですね。これはどこでとつておられたのですか。
  355. 和田博雄

    和田証人 事務は高島屋の八階だつたと思います。
  356. 小玉治行

    ○小玉委員 公団の一室ですね。
  357. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  358. 小玉治行

    ○小玉委員 そこであなたはどのくらいの出勤というか、行かれておつたのですか。
  359. 和田博雄

    和田証人 私は初めはほとんど行かなかつたのです。それは私忙しいものですから、こつちに報告に来てもらうことにしておる。ところが会員の連中が、やはりときどきぼくのいろいろな話を聞きたい、来たときに会つて行きたい。こう言うものですから、木曜日が比較的ひまなものですから、毎週木曜日には行くことにしておりまして、初めのうちは行きましたが、そのうちまた忙しくなつちやつたので、最近は行つておりません。
  360. 小玉治行

    ○小玉委員 最近は行つていない……。
  361. 和田博雄

    和田証人 ええ。
  362. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしますと、最近行くだけの用事もない、こういうわけでございますか。
  363. 和田博雄

    和田証人 用事がないというような……。
  364. 小玉治行

    ○小玉委員 事実具体的に……。
  365. 和田博雄

    和田証人 大きな問題があれば向うから報告に来てもらうのですが、私がこちらに来ておるので……。
  366. 小玉治行

    ○小玉委員 毎週向うに行つて……。
  367. 和田博雄

    和田証人 最近では一々何するまでもない、こつちの仕事をやつておる、こういうわけです。
  368. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしい。次は自動車問題ですが、自動車はあなたが大豆協会に来る際にすでにあつたのですか。あるいはあなたが会長になられてから自動車は買つたわけですか。
  369. 和田博雄

    和田証人 私がたしか来てから買つたのではないかと思います。
  370. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしてそれはあなたの近所に車庫を設けておつて、そうしてあなたが日常使われておるわけですか。
  371. 和田博雄

    和田証人 私のうちにたまたま車庫があるものですから、その車庫を貸しております。それはやはり私が乘つております。
  372. 小玉治行

    ○小玉委員 日常使つておられる……。運転手の給料は協会から出ておりますね。
  373. 和田博雄

    和田証人 それはよく知りませんが、おそらくそうだろうと思います。
  374. 小玉治行

    ○小玉委員 あなたは拂つていない、そういうわけですね。ただいまお聞きするところによれば、週に一回行つてつた。それから最近は用事があれば下部の者を呼んで仕事をするとおつしやつた。そうしますと、自動車を一台買つてあてがわなければならぬような必要は、多忙さにおいてないんじやないでしようか。
  375. 和田博雄

    和田証人 私は事務所に一々通わなくても、大豆協会会長といたしまして、やはり仕事はあるわけです。それは私が和田個人が存在している以上は、いろいろな資格で動いているわけです。だから事務所に一々通わなくても、会長として十分大きな役目を果しておると思います。
  376. 小玉治行

    ○小玉委員 自動車の買收価格というか、それはどれくらいであつたか御存じですね。
  377. 和田博雄

    和田証人 存じません。
  378. 小玉治行

    ○小玉委員 それからこの本村、西川事件を起した際に、十五万円の金を見舞金として上げた、これは理事会の決議でやつた、あなたもその決議には参加されておると承つたのですが、いつごろどこでそういう決議というか、相談は……。高島屋のあなたの事務所でやられたのですか。
  379. 和田博雄

    和田証人 人造バター会館だつたと思います。会議室を借りてやりました。
  380. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこですか。
  381. 和田博雄

    和田証人 高島屋の前です。そこか、高島屋の会議室だつたかと思います。たいがいそこで理事会をやります。
  382. 小玉治行

    ○小玉委員 どなたか発案されて皆賛成されたのですか。
  383. 和田博雄

    和田証人 理事会で一ぺんやろうじやないかということで……。
  384. 小玉治行

    ○小玉委員 そうすると、あなたとほかに理事の……。
  385. 和田博雄

    和田証人 理事の連中は全部出ました。
  386. 小玉治行

    ○小玉委員 あなたと理事の全部が出てこれを出すことにきまつた……。
  387. 和田博雄

    和田証人 大豆協会の在京理事は全部出たように思います。
  388. 小玉治行

    ○小玉委員 具体的に申しますと、あなたと……。
  389. 和田博雄

    和田証人 一々覚えておりませんが、大内君、横山君、その他あと大勢おります。在京の理事は……。
  390. 小玉治行

    ○小玉委員 時期は……。贈つたころですね。
  391. 和田博雄

    和田証人 いつだつたか正確には覚えておりませんが、それよりちよつと前だつたと思いますが、よくわかりません。
  392. 小玉治行

    ○小玉委員 金を贈つたちよつと前……。そこでその金は本村や西川事件を起して生活にも困つておるからして、その救援資金というか、お見舞金というか、そういう趣旨で贈られた、こうおつしやつたですね。
  393. 和田博雄

    和田証人 救援資金という趣旨だつたと思います。
  394. 小玉治行

    ○小玉委員 当時西川、本村は公団職員ではなかつたですか。あるいはだれかやめておつたですか。
  395. 和田博雄

    和田証人 どうなつていましたか、そこのところはよく知りませんが、あるいはやめておつたかもしれません。
  396. 小玉治行

    ○小玉委員 本村は現在も経理部長をやつておりますか。
  397. 和田博雄

    和田証人 それは私はよく知りません。
  398. 小玉治行

    ○小玉委員 あなたとしても、公団職員は公務員であるということは、その当時お知りになつてつたんですか。
  399. 和田博雄

    和田証人 知つております。
  400. 小玉治行

    ○小玉委員 公務員であるということは御存じであつた。そうすると、結局この本村、西川にそういう救援金を送るのも、要するにこれらの者が大豆協会におつて平素めんどうをみておつた、そういう見地から結局その救援金を贈るに至つたということは間違いないのですか。
  401. 和田博雄

    和田証人 そういうなんではなくて、とにかく救援ということです。
  402. 小玉治行

    ○小玉委員 しかしそれが今まで全然大豆協会に何の縁もゆかりもなくて……。ゆかりのある人だからやつたんですか。
  403. 和田博雄

    和田証人 大豆協会にもゆかりがあれば、われわれとしてもよく知つておる人なんですから、それで生活にも困ればいろいろ困るだろうというのでやつたわけなんです。
  404. 大橋武夫

    ○大橋委員 証人がお疲れのようでございますから、私は大豆獎励金の問題だけについてお伺いしたいと思います。大豆獎励金が初めて価格の中に織込まれましたのはいつごろか御記憶はございませんか。
  405. 和田博雄

    和田証人 よく覚えませんが、二十二年か三年かどつちか……。
  406. 大橋武夫

    ○大橋委員 当初大豆獎励金価格の中に織り込まれましたときは、いわゆる帝国油糧統制会社時代ではございませんですか。
  407. 和田博雄

    和田証人 そのように記憶しております。
  408. 大橋武夫

    ○大橋委員 そういたしますと、その大豆獎励金は統制会社の売上金となつて統制会社に入つて来て、そうして統制会社から支出をされておつた、こういうことになるわけでございますか。
  409. 和田博雄

    和田証人 そうだと思います。
  410. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうだとすると、政府の予算あるいは農林省予算、こういつたものには全然関係なしに、会社の個人的な経理として合法的に行われておつたわけですね。
  411. 和田博雄

    和田証人 そうであれば、あなたのおつしやる通りだと思います。
  412. 大橋武夫

    ○大橋委員 ところが二十三年度、春になりまして公団というものができた。それで公団の経費というものは、国会の議決を経たところの予算というものによつて支出をしなければならぬ。こういうことになつたことは、あなたは御存じでございますね。
  413. 和田博雄

    和田証人 それは公団ができたときに、公団法でちやんと……。
  414. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで二十三年の春、国会で決議されました二十四年度の政府の一般会計予算においても、また油糧公団昭和二十四年度の予算においても、この大豆獎励金大豆増産獎励のために支出をするという、公団または政府から支出をするという経費は、予算に載せられてないということをあなたは御承知でございますか。
  415. 和田博雄

    和田証人 それはどうなつてつたかよく見てないのですが……。
  416. 大橋武夫

    ○大橋委員 しかしこれは公団に本来入るべきものであるが、しかし必ずしもそうとも言えない、その辺のところは安本、農林の事務当局がうまくやつて大豆協会に交付してくれたものである、こういうお答えをされましたですね。
  417. 和田博雄

    和田証人 今あなたのおつしやつたように、帝国油糧でやつてつたやつが続いて来ておるわけです。それが公団になつて切りかえるときに、一体どういう形で切りかえたか、私はよく知らぬものですから、そこでその経緯をおそらく私が今皆さんから聞かれてこの知識で考えれば、おそらくそのときには役所の方としても、もしもそういうことが公団の方できちんときまつておれば、おそらくその問題は考えただろうと思います。だから何か申合せをすれば、何らかされたんだろうと思います。そのときできて来たものが、この法的な性格を聞かれて来るから、過渡的なものだという感じがするものですから、ちよつとそこが自分としてはどうもはつきり申し上げかねる、こうお答えしておるわけです。
  418. 大橋武夫

    ○大橋委員 それで今あなたは、この金はその当時農林、安本あたりの関係官吏が話合いでもつて便宜的にきめた。しかしそれがはたして合法的なものであつたかどうかということについては確信を持つておられない、こういうお答えでございますか。
  419. 和田博雄

    和田証人 それが違法であるかどうかという点でございましたが、それはちよつとわからぬのです。本来ならそういう獎励金というようなものは、繰返し繰返し申し上げておりますが、政府が予算に組むべきである。それは歴史的なもので来たもので、その法的性格なり何なりについて、あとから法律ができたからぴつたりとうまく合わぬということになつて来ておると思います。
  420. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで、今あなたは本来予算で組むべきものだということを仰せられましたが、予算で組むべきものを予算で組んでいないということは、そういうような経費を支出してはいけないのだということになるのじやないですか。
  421. 和田博雄

    和田証人 そこのところは私御意見を異にするのですが、やはり生産獎励という仕事は非常に大きな、大切な仕事でございますから、そういう場合に行政措置として、今まで帝国油糧などを通じてやつてつたのですから、そういう行政措置というものは、仕事そのものが重要であれば、続けて行くということが、やはり可能じやないかと思います。だからその仕事自体をやめてしまうべきじやないかというような考え方ではないのじやないかと私は思う。
  422. 大橋武夫

    ○大橋委員 しかしやはり予算というものによるべきものだという法律ができて、そうして一方でその予算が国会の議決を経てできておる。それによれば明らかにそういう支出は認められておらない。それを関係の官吏あるいは関係の業者が、国民の意思に関係なく、仲間同士だけで相談をすることによつて、そういう支出を合法化するということが、はたして認められるものでしようか。
  423. 和田博雄

    和田証人 私はその関係の役人がするのではなく、それは農林省なら農林省の方針としてやつたのだろうと思う。もしもそれをやつた問題についてでありますれば、それはそこの係の者がかつてにやつたのではなくて、やはり大豆獎励ということについての仕事を続けられたらどうこうということについては、おそらく役所としてはそういうことが正しいと思われておられたのだと思う。
  424. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、農林当局が農林省としてやればやれるものだというお考えですか。そういうことは法律においては予算を通すべきだ、そうしてその予算には載つておらぬ、それを農林省なり安本長官なりがやろうという省としての意見を決定すれば、それでやれるということになるでしようか。
  425. 和田博雄

    和田証人 私はそこのところが、法律があとからできたから、形式論理だけでは割切れないものがあると思う。おそらく農林省行政措置としてやつたことが不当であるかどうかという問題が起るかと思いますけれども、やつた仕事そのものについて、それは予算に形式的に組むべきものであるから、当然予算に組まなくちややつてはいかぬ、こういう結論は、生産獎励金という歴史から見て、獎励という仕事自体から見て、あの当時の大豆、ことにみそなども非常に逼迫しでおるときだから、行政庁としてはぜひ大豆をふやしたいと思つてやられたのだと思います。
  426. 大橋武夫

    ○大橋委員 行政庁として大豆をふやしたいというなら、合法的な手続をとるべきじやないかと思いますが、当時農林当局においてそういうふうな合法的な手続をとつておられないのです。とられない場合においては、その支出というものは明らかに不当なる支出とお考えになられませんか。
  427. 和田博雄

    和田証人 大豆協会としてはそういうものをいただいて出したわけですから、大豆協会がもらつて出したということは、不当であるかどうかという問題ではないと思う。ただあなたのおつしやるのは、公団だからどうこうということですが、その点はおそらく農林省として許可か何かは全然していない、タツチしていないということになれば、これはあるいは不当だということが言えるかもしれませんが、私はそこのところはちやんとやはりやつたのだろうと思います。
  428. 大橋武夫

    ○大橋委員 もう一度あらためてお伺いしますが、二十三年の春にはあなたは何をしておられましたか。
  429. 和田博雄

    和田証人 二十三年一月にやめましたから浪人中です。
  430. 大橋武夫

    ○大橋委員 実はこの問題につきまして、この委員会においては非常に問題になつておるのです。根本は予算にない経費を出すことは違法である、こういうふうに私どもは考える。あなたがそれは違法でないと言われるならば、違法でないという理由が、何かわれわれの気のついた以外にお気づきの点はないかと言いましたら、今おつしやるのに、これは経過的な便宜的な行政的な措置であつたろうと言う、こういう以外に理由はございませんか。
  431. 和田博雄

    和田証人 そこのところはよく調べたわけではございませんから、学問的にそう言われても明白な答弁はできませんけれども、私は今あなたたちの御質問になり、問題になつておると思うところを考えてみて、そういう歴史的なものであるから、おそらく政府としてもいろいろ措置をやられたのだと思うけれども、その獎励金予算で認められないので、従来のものを継続してやらせる便法をとつたのではないかということを申し上げておるのです。
  432. 大橋武夫

    ○大橋委員 大豆獎励金というものは、帝国油糧会社時代にこういう制度ができまして、そうして社会党の諸君の言つておられるように、わが党の周東君が帝国油糧の社長をしておられたその当時にでき上つた。そうしてその大豆獎励金は、会社の経費として大豆獎励のために支出することを法律上許されておつたのです。ところが公団発足に際しましては、もはや公団は今までの民間の一会社とは違う。その経費というものはすべて予算によつて拘束されることに相なつた。ところが二十四年度の予算においては、大豆増産獎励費用支出というものは予算上認められておらない。それでありますから予算上認められておらないのにもかかわらず、農林、安本の官吏諸君は、従来同様にこの費用支出しようという考えをされたのです。そこで彼らは相談いたしまして、この公団の金を横領いたしまして、これを今まで通り支出しようということをやつておる。そしてやつたものが、この公団になつたとき以後における大豆増産獎励費の使い方なんだ。これは明らかに横領なんであります。その大豆増産獎励金を横領する方法といたしましては、先ほど来和田君が言つておりますように、公団においては当然売上金勘定において記帳すべきものを、得意先仮勘定に記帳することによつて横領したのです。そうしてこの横領によつて得たところの贓物を、一味でありますところの大豆協会に收受せしめたわけであります。これを法律的に見ますと、これらの諸君の行為は、明らかに横領を目的としたところの共同謀議でありまして、そして大豆協会は贓物を收受いたしておる。これは贓物收受罪が成立するものと思うのでございます。この点につきまして、和田君のお考えをもう一度はつきり伺つておきたい。また弁解があつたらこの機会に伺つておきたいと思います。
  433. 和田博雄

    和田証人 今の大橋君のお話ですが、私は別に横領罪なり贓物罪が成立するものとも思いません。そういう横領とか贓物ということをそう簡單に言われることは、私は少くとも一政治家として、大豆協会という会を受持つておるものとして、きわめて遺憾の意を表します。私自身としては、この仕事をやられたその当時の人たちが横領をし、それをどうこうしようというような事柄でやられたのではなくして、当時非常に国民の生活に関係がある大豆なりの足らないときに、これを増産しよう。それも従来からやつてつたやり方を踏襲してやつたということに私は信じております。
  434. 大橋武夫

    ○大橋委員 ただいま私はこの問題について申し上げましたが、今の和田君のお答えによりますと、大豆協会の人たち、また公団関係の人たちは、大豆増産獎励という国家目的のためにこの金を使つておるので、決してこれを私に使つてはおらぬ、従つて横領というような犯罪にはならぬだろう、こう言われておりますけれども、それは横領した金を有益に使つたとこう言われるのであつて、これは單に情状酌量するかどうかという問題である。ことに大豆増産獎励金の一部はまだ使われていない部分がある。横領されて大豆協会の財産として、贓物として今隱匿せられておるものであります。その辺もよくお考えの上で御答弁を願いたい。
  435. 和田博雄

    和田証人 私は何べん繰返しましても、そういう何はない……。
  436. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 証人に二つだけお伺いしたいのですが、それをお伺いする前に、特別考査委の性格は、いまさら申し上げるまでもなく、いろいろな事実を事実として御証言を願うこと、それからこの考査委員会は、決して法廷や、裁判所ではございませんから、その喚問の仕方も国会議員として国に貢献するようないろいろなことを考え出すことも一つ方法であります。またいろいろな組織の上に欠陷があるならば、それを見出して、国家のためにこれを改正して行くことも当然われわれの任務であろうと私は考えます。今回の油糧公団不正事件によりまして、大豆協会会長であるあなたをお呼びしたことも、事実をお聞きすると同時に、またその組織の中に欠陷があるならば、それをわれわれの考え方において、よりよく国民のために改正をしたいという考えを私は持つているのでございます。  そこで特にお伺いしたいことは、先ほどから各委員が申し上げ、また大橋委員がいろいろと各般から大豆増産獎励資金に対して証人に聞かれておりますが、私といたしましても、大豆増産獎励資金というものの形に一つの疑義を持つておるのであります。もちろん証人は先ほどからこうした獎励資金というものは、当然国家予算において計上さるべきものであるという、その考えは私も同感であります。しかし国の財政上から考えまして、これが予算化されなかつたという事実は、あなたも御承知通りであります。そうしてその予算化されなかつたところの獎励金を、しからばどういう便法をとつてつたかと申しますと、農林省のお役人と物価庁の係官とによつて、その価格の中に織り込んで獎励資金を生み出した、こういう結果になつたのであります。それはいかなる場合におきましても、大豆増産するには獎励資金が必要だ。だから予算化されなくてもこれを便法で使つていいということは、立法国としてなすべき行為ではないと思います。たとえば魚の問題にいたしましても、北海道のにしんをとるためには、各港を充実しなければならぬ、それで国家予算を要求する、しかし財政上の関係からその港湾の拡張、改良設備等が十分に行かないので、思うような増産がやれないというような国家の状態にあるのであります。そうした状態にあるときに、立法化されないところのその予算を便法で生み出したというその事実は、証人も決してこれは妥当なものではないと考えるだろうと思いますが、先ほどから、必要であつたからやむを得ないじやないかというような御考えですが、その根本的なお考えをお聞きしたいのであります。
  437. 和田博雄

    和田証人 私はこの農産物の増産獎励ということを、あなたのおつしやるようにほんとうに理論的に考えれば、もしも政府がその獎励が必要があるならば、当然予算に組むか、または民間の業者が業者自身として、または農民が農民自身の金を集めてやるかどちらかであると私は思います。ただ政府がやるか民間だけで増産をやるかということだと思います。ただ今度の場合にいろいろお聞きされているのは、経過的のものを理想型に当てはめてどうこうと言われておるが、経過的に物の性質はどうかとこう言われるから、私は私の今までの考えを率直に申し上げておるのでありますが、あなたのおつしやるように、物を増産しようというのは民間で自力でやるか、政府自身でやるか、政府自身でやるならば堂々と農業政策の中に掲げてやるか、両方の道が正しい道と私は思います。
  438. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そこでひとつお聞きしたい。この大豆協会任意組合であることはその通りであります。任意組合でありますが、事実上の仕事は法制化された油糧公団が実際にやつていた。会長一人であと女事務員が一人だ。あとの実際の仕事油糧公団の各幹部がやつてつたということも、われわれは証言によつてわかつたのであります。そこで私はこう思うのであります。昭和二十二年度にできました食糧配給公団あるいは油糧公団、あるいは飼料公団等、当時和田さんが安本長官時代に私は農林常任委員をしておりまして、毎日委員会でこの公団法のことについて質問をいたしました。しかしその公団をつくるときに、私たちはまつこうから反対したものでありますが、和田さんはこの案員会に、日本の配給統制の方法はこれ以外にない、これが最善の方法であるという御答弁をなさつた速記録がここにたくさんあります。これを私は一々読み上げようとはいたしません。ただこうした最善の統制方法であるとしておつくりになりましたこの公団が発足いたしますと、油糧公団のみならず、ほかの公団等においても、不正事件が次から次へと出て来るというそれ自体は、公団をつくるそのときに十分に国会において審議が盡されなかつたということに、私は基因するじやないかと思うのであります。われわれといたしましても、せつかくの統制配給をやるならば十分なる意見を織り込んだ、将来ともにあやまちのない公団をつくりたい。こう考えて毎日あなた方と議論をしたのであります。しかるに当時の社会党内閣におきましては、十分なる審査をさせなかつた。こういうことは今後国会として幸いというか不幸といいますか、この油糧公団不正事件から発しまして、公団そのものに対する全般的な検討をしなくちやならぬとこう思うのであります。当時農林委員会委員長をしておりましたのが、あなたも御承知通り野溝さんであります。野溝さんがどういう形においてこの公団法を通過さしたかというところの速記録を読んでみますが、明らかであります。それはこうなんであります。昭和二十二年十二月九日であります。野溝委員長がこれを委員会に諮つた。採決をどういう方法でとつたか、「これより各案について採決いたします。食料品配給公団法案、油糧配給公団法案及び飼料配給公団法案の……」という声だけしか聞えなかつた。これはなぜかというと、論議が十分盡されていないのであります。そうして「起立を願います……(「異議あり」と呼び、その他発言する者多く聽取不能)」こう書いてあります。そうして全然聞きとれない。「起立を願います……多数(「異議あり」と呼びその他発言する者多く聽取不能)」とまた書いてあります。そうして「わからぬぞ」「そんな速記はたいへんだ」と叫んで、遂にこの採決が全然速記録に載つておりません。これは採決されたということが速記録に載つてない。こうしたただ喧々ごうごうたる中にこれを提案して、採決も十分やらないでこれを本会議にかけた。本会議にかけたときにはどういう形で行つているかと申しますと、田口助太郎君から発言がありまして、委員長はわれわれが発言したにもかかわらず、これにほとんど耳をかさずに立ち上り、速記もとれない状態であつたと思うのであります。それにもかかわりませず、單独に採決をとりました。しかしながらこの採決たるや実に違法であり、不当である、ほとんど成立していない状態だと思います。かりに成立いたしておりましたといたしましても、当時の状況はかえ玉が一人おりました。その人が手をあげて賛成しました。私は常任委員としてこれを見ていたのでありますが、さらに立つて手をあげた者三十五名の委員中わずかに六名、これは社会党の諸君も御承知通りであります。以下云々と書いてありますが、かかる重大なる公団法を国会において通過させるにあたりまして、わずかに六名の賛成者によつてこの公団法を通過させたということは、わが国国会の前古未曽有の横暴きわまるところの採決方法であつたのであります。和田さんはこの公団法成立のためには熱心に努力された方でありますが、こうした形において、速記録の通りにおいて、この公団法が採決されたという事実をあなたは御承知でありますか。それをお聞きしたいのであります。
  439. 和田博雄

    和田証人 私は参議院におりまして、そのときにはこちらに出ておりませんから、今あなたがお読みになつたような調子であつたかどうかということは存じません。
  440. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 参議院であつたからわからない、これはその通りでありましよう。しかしこうした形で公団法が通過されたのは——ここに速記録に書いてありますから、いずれお読み願えばわかりますが、私は決してこれにいろいろな言葉をつけ加えて読んでいるのではありません。こうした形で公団法が通つたということが事実であるとすれば、あなたはこの通り方に対して遺憾であるとお思いになりますか。
  441. 和田博雄

    和田証人 佐々木君にお答えいたしますが、公団の方式がいいか惡いかということと、それから今のような公団法の通過のときの状況、これはやはり一応おわけになつて考え願いたいと思います。公団法の方式がかりにいいか惡いかという点については、私今でも考えを持つておりますから、もしも御必要であれば申し上げますが……。
  442. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 今のような形でこの公団法が通つたのだということをあなたに知つてもらいたいのであります。だから通過するにあたつても十分審議しなければならないということ、そういうことがないと、疑惑の問題が起きて来るのであります。たとえば生産獎励金についても独断的にきめてしまう。あるいはまたそうした国家のいわゆる公金なるところの金の中からとつた大豆獎励金などというものも、これはあなたが会長としていられるならば、当然見なければならないものだと思うのです。あなたは知らないとおつしやいますが、知らないで済む金ではありません。二千九百五十五万円という金は決して些少な金ではないのであります。そうした莫大な金をこの価格の中に入れてとつているのだ。しかも私の考えでは、ほんとうに大豆増産するならば、こんなちつぽけな金ではどうにもならぬと思うのです。そうしてまたこういう委員会を開くことも、もちろん大豆増産獎励にはなるでしようが、ほんとうの大豆増産獎励というものは、生産そのものに恩恵がなければ、私はほんとうの大豆増産にはならない、こう考えておる一人であります。     〔委員長退席、大橋委員長代理着席〕 そこで私の申し上げたいのは、幸いにこの油糧公団の不正をきつかけといたしまして、大豆獎励資金のいわゆる不備な点もわかりました。どうかこうしたことは、今後ともにお互いに改正いたしまして——国民の納得の行かないようなこんな獎励金をとつて、しかもそれが徹底した増産の運動になつていない。あなたはどうお考えになるかしりませんが、私はなつていないと考えている。ことに私は北海道のものですから、大豆のことにつきましては非常な関心を持つているのですが、どうかあなたは大豆協会会長として、大豆増産のために努力していただきたい。しかるにこの大豆協会に今日のあなたのお話によると書類があるかないかわからないということで、委員の中から書類は燒いたのではないかと言われたのに対して、あなたは知らないとおつしやつた。あなたは会長としての責任はとるとおつしやいましたが、もしこの書類を燒いたということが事実だとすれば、会長としてどういう御処置をとられる御所見でございましようか。
  443. 和田博雄

    和田証人 私はその点は知らないですから知らないと申し上げたのですが、仮定のことはちよつとお答えすることができません。それから今お話のように、大豆獎励金については佐々木さんも非常に御熱心のようでけつこうだと思うのですが、獎励金はただ後援だとか、そういうことではなくて、やはり品種の改良とか——ことに北海道の試験場は非常に大豆品種の改良をやつているわけですから、ああいうところにもやはり出すとか、それから生産の指定県をつくりまして……。
  444. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 その方法はお互いに研究すれば幾らでもありますから、それを聞くのではありませんが、ただ仮定の上でなく、ここであなたにお聞きしているのは、書類を燒いたという事実の証言をされているのですから、それをただ仮定だとお考えになることそれ自体がいけないと思うのです。もう正式にこの会場で書類を燒いたと証言しているのですから……。
  445. 和田博雄

    和田証人 それは公団ではないのですか。
  446. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 大豆協会の人がそういう証言をしたのです。
  447. 和田博雄

    和田証人 その点公団証言ではないのですか。
  448. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 大豆協会の書類を全部燒いているのです。大豆協会油糧公団とは表裏一体となつて仕事をやつている。ところが大豆協会の書類そのものも一緒に燒いてしまつた、こういう事実をここで証言しているのですから、あなたはただ仮定の上に立つてのお答えはできないと言われますけれども、仮定ではないのです。ちやんと速記録にとつてある。ですから書類を燒いたというこの事実の上に立つてのあなたの処置をお聞きしたいのです。
  449. 和田博雄

    和田証人 それは公団が燒いたかどうか知らないが、とにかく大豆協会については、私はそういうことについて知りませんから、お答えできません。
  450. 横田甚太郎

    ○横田委員 大豆増産獎励金大豆協会との関係調査によりますと、油糧配給公団の前身たる帝国油糧当時は、価格平衡資金の性格で、主として大豆の集荷督励等に使用せられていたと思料するが、当協会は帝国油糧より大豆増産の使途に充当するものとして、昭和二十一年度に金二十五万円、昭和二十二年度に金五十万円の補助金を受けた、昭和二十三年二月二十一日油糧配給公団発足とともに——三十一日ですね。これは大豆増産獎励金の名目でもつて大豆販売価格のうちにこれを織り込み、当時六十キロにつき四円十銭であつたのであるが、同年十一月販売価格の改訂により六円十五銭になつた。これを油糧公団に積み立てて、日本大豆協会増産獎励金として交付する建前になつた。ここで金がもらえる段取りができた。そして二十三年度に増産獎励金として六百八十万円をもらつておられるのですが、これは御存じですね。
  451. 和田博雄

    和田証人 二十三年度としてですから、もらつております。
  452. 横田甚太郎

    ○横田委員 それから大豆協会増産施設に関する指導監督は農林省が当ることに物価庁との了解ができておるということで、何にも金のいることはしなくともよいという解釈ですね。従つて協会は、国産大豆の供出見込み並びに外国大豆輸入の推定を基礎として、昭和二十四年度の大豆増産対策予算を樹立し、これを実施した、こうなつておりますね。
  453. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  454. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは伺いますが、この二十四年度にお立てになりました大豆増産対策予算というのは一体どんなものですか。
  455. 和田博雄

    和田証人 はつきりした記憶はないのですが、増産計画を立てて、たしか片方で五箇年計画が進んでおりましたから、経済復興五箇年計画との関連で、五年間にたしか国内で五十万トンの計算を立てて、二十四年度はどれくらいになつておりましたか、ちよつと記憶にありませんが、それだけの増産をするのに、たとえば増反であるとか、作付転換であるとか、そのための施設の研究費であるとか、講習会であるとか、何かそういつたものに関するいろいろな事業を含んでおつたと思いますが……。
  456. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういうふうに努力しておるにもかかわらず、一向に生産が上つておらない。そこで問題が起つて来る。金は使われておるが、増産という名は使われておるが、一生懸命にやつておるにもかかわらず、増産の実が上つておらない。
  457. 和田博雄

    和田証人 その点は私はこういうふうにお考えになられると困ると思いますが、統制して配給面に入つて来る数量というものはやはり年々ふえておると思います。一万トンから二万トンずつふえておると思います。ことに二十二年、二十三年、二十四年とふえておると思います。それから生産面の統計は、これははなはだなんですが、大豆については大部分が農家の自家用なんです。従つて生産自体はわれわれの計算ではやみに出るものもみな含めて、去年は公式には二十三万トンくらいだと言われておりますが、やはり三十万トンは越しておるのじやないか、多く見る人は三十五万トンくらいになつておるのじやないかという推定を立てております。
  458. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなたのような大物にはこまかいことは聞かないようにいたします。そこで大豆はたくさんできておるが、数字に現われないのだと言われるなら、農家の自家用には大豆協会というようなややこしいものが手をつけなくともよいのじやないですか。何のために増産獎励費がいるのですか。
  459. 和田博雄

    和田証人 私はこう思います。農産物の獎励で、農家が自分で食べるものでも生産全体がふえて来れば、市場に出て来るものも自然にふえて来るのです。大豆は今まであなたも御承知かと思いますが、大部分が輸入でありまして、国内生産は非常に少いものです。しかもちよつと手を加えれば——価格をかえたりなんかする点もありますが、少し手を加えれば、今反当り七斗五升くらいの生産なんですが、それを倍くらいにするのはわけないのです。私のところで毎年々々やつておりまする品評会なんかについて見ますれば、反当り六石とつておるところがあるのです。そういうふうに生産高がふえて来れば、自家用の面もふえるし、自家用でなくともほかの流通過程に出るもの、あるいはやみに流れるものも自然にふえて来るわけですから、やはり私の方としては農家の自家用もある程度ふえて来るということが農家の生産全体を上げて行くのにも必要なことです。ことに開拓地につきましては、大豆増産指令が出ており、大豆増産をやつておるから、大豆の自給ができるようになつて、開拓地というものが食糧の面から落ちついたというようなことが言われておるのですから、その点もやはり無視できないと思います。
  460. 横田甚太郎

    ○横田委員 その点でもつと追究したいのですが、これは増産じやないのです。收奪なんです。集めることです。あなたの言つておられるのは收奪だ。それに成功するか成功しないかはとにかくやられたことが公団イデオロギーで——これは社会党の人も言つておられるように、周東さんとかいろんな人たちがやつておられた時代から、あなたが引継いでやられたのですが、イデオロギーの違つた人たちがやつておられた協会をそのまま引継いで、どういうふうに切りかえられてやつてつたかということを聞きたい。
  461. 和田博雄

    和田証人 大豆協会というのは、政党政派を超越しておる会合でありまして、民間の業者の集まりなんですから、周東君がやつてつたことを政党的にどうこうということは私としてもありません。やはり私がなりましても超党派的に運営するのでありまして、仕事自体が輸入促進であり、生産促進でありますから、党派的のことはどうこうということはありません。
  462. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは社会党がおやりになりましても、イデオロギーの点は農綱の方には及ばないのですね。同じことですね。
  463. 和田博雄

    和田証人 イデオロギーの点がどうこうと言われるとちよつと困るのですが、一つの政策をやるとか、政治をやるとかいう場合には、これははつきりとした、社会党は社会党として農業綱領を持ちあるいは政策を持つているからこれはやります。しかし民間の集まりであり、生産獎励輸入増進という二つの大きな項目を掲げた大豆協会ですから、そこを社会党的にどうこうということはありません。
  464. 横田甚太郎

    ○横田委員 その点は機関紙で大いにけんかしましよう。  次にお尋ねしたい。そういうふうにやつておられるにもかかわらず、野村証人の言を聞きますと、こういうことが出ておる。大豆粉、大豆、ミール、これの配給業務を脱脂糧穀販売協会に代行させた、指定販売業者の手数料を代行機関たるところのその協会がとつておる、これらは特別会費をとつて、百二十万円は自動車の購入と維持費に充てた、それからこの自動車は大豆協会が持つているが、主として和田会長使つている、和田会長とはあなたのことですね。
  465. 和田博雄

    和田証人 そうです。
  466. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、車庫は和田さんのところにある。それから運転手の給料、ガソリン代それらのものは一切協会が出している、こうなつているのです。ところで民自党の方も今日は非常に感情的に見えるのですが、実はそうじやない、私たちしんぼうして聞いておりましても、出て参るところの各証人たちが増産々々言うけれども、数字で見ると、ここにも出ているように、これは和田さんの言われたことなんですが、昭和二十一年には百五十六万石、二十二年には百五十一万石、二十三年には百六十五万石、わずかに違いが九万石くらいです。だから私たちは増産の点については一向にこれは満足しないのです。ところが自動車の点では大発展なんです。帳簿が問題になつて来て帳簿を調べてみますと、燒いてしまつてないのです。それを追求しますと、ただいまさばきの庭に立つているので、それから後のことは、ちよつと私の罪に関係しますのでお断りといつて拒否をして来るのです。これでは実際何を頼つていいかわからない。一体ここにありますところの自動車はあるのですか。
  467. 和田博雄

    和田証人 増産の点は、先ほど私お話しましたように増産していると思います。
  468. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは機関紙の……。
  469. 和田博雄

    和田証人 それから自動車は今あります。
  470. 横田甚太郎

    ○横田委員 これを参議院によく持つて来られるというのは事実でありますか。
  471. 和田博雄

    和田証人 さようであります。
  472. 横田甚太郎

    ○横田委員 私は失礼なことを申し上げますが、自動車々々々と言われるが、帳面もなし、和田さんのような人格者で、社会党の大物にこんなばかなことを言うてはいかんと思いまして、参議院の前に参りまして、和田さんの自動車はございましようかといつて見に行つた。なぜ見に行つたかというと、あんたが民自党の方であれば問題ないが、社会党におられる。あんたが自動車をお買いになつた当時は、町では電車に乘ろうとしても乘れないで困つてつた。そのときにあんたは自動車に乘つておられた。おそらくいい自動車は買えないだろうと思つて、どんな自動車かと思つて行きましたら——今日はなかつたのですが、今日は乘つて来られないのですか。
  473. 和田博雄

    和田証人 今日は朝私乘つて来まして、いつものように向うに返しております。また用事があれば呼びますけれども、ここにおりまして別に用事はありませんから……。
  474. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうするとあんたに用事はないのですが、私いろいろな疑いをはらすという意味におきまして、私の疑念をはらすという意味におきまして、今度自動車なるものの姿を見たいのですが、一応委員長にお諮りして、あなたの許可をいただいて、ここに呼んでいただけませんか。
  475. 和田博雄

    和田証人 国会がある間こつちに乘つて来ますから、何もここで何しなくとも、来週でもいつでも御連絡をとりまして、乘つて来た自動車をごらんください。
  476. 横田甚太郎

    ○横田委員 必ず見せていただきます。ここにございます大豆協会の経理の点をいろいろ調べて行きますと、私たちはこれだけしか手に入らない。この中に先ほどから問題になつておりますところの関西容器に投資をしておられる、中日貿易促進会にお金を出しておられる。それから自動車とか、和田会長の車馬賃とか、いろんなものが出ておるが、それから早坂祕書というのが出ておるが、早坂とはあなたの祕書のことでございますか。
  477. 和田博雄

    和田証人 その通りです。
  478. 横田甚太郎

    ○横田委員 車馬賃のことにつきましてけちなことを申しますが、非常に多いのですが、どういうわけで車馬賃をたくさんおとりになるのでしようか。もう一ぺん申します。昭和二十三年七月十七日に五万円、昭和二十三年十二月二十七日に五万円、昭和二十四年八月六日に五万円おもらいになつた昭和二十三年八月九日にまた五万円が出ておるように書いてある。これは北海道に出張された費用で、これは講演会と言えるんでしようが、これだけおもらいになつたんですね。
  479. 和田博雄

    和田証人 この前お答えした通りもらいました。
  480. 横田甚太郎

    ○横田委員 この大豆協会というものは実に巧妙にできておりますね。どこから見ても金は使つてもいいのだ、もらつていいのだ。しかし何にもしなくてもいいのだというように見えておるのですが、こういうような機関が一体必要なんでしようか。
  481. 和田博雄

    和田証人 私はやはり必要だと思います。
  482. 木村榮

    ○木村(榮)委員 ちよつと関連して……。和田さんは農林行政の権威者であつて、大政治家であるから詳細の点はわからない。ごもつともだと思いますので、私はそういう観点から二、三お尋ねしたいと思う。大豆協会の顧問に周東英雄さんがおいでになつたことは御存じですか。
  483. 和田博雄

    和田証人 存じております。
  484. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、政治的な方面では相当活躍しておる。こういつた証言でございましたが、周東さんとは大豆協会のことについて、増産のことについて御相談されたことがございますか。
  485. 和田博雄

    和田証人 周東君とは直接相談したことありません。
  486. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、周東さんはただ顧問という肩書だけで、実際は顧問的な仕事は何もやつておられぬのですか。
  487. 和田博雄

    和田証人 大豆協会におきましては、周東さんが前の帝糧の社長でもあるし、油の方と関係がありましたので、大豆協会というのは御承知のように任意団体ですから、やはり民間の人たちが、前に社長なり何なりした人については、やはり顧問にしようじやないかということで、顧問になつてもらつておるのです。
  488. 木村榮

    ○木村(榮)委員 和田さんが協会長になられますときには周東さんも御賛成のようで、推薦までされたかどうかしりませんが、その方に御賛成なさつて、いわば推薦された方のお一人と承つておりますが、そのような関係でございますか。
  489. 和田博雄

    和田証人 周東君、それから農林関係の人、こういう人たちがやはりいろいろ何しましたが、周東君が直接私のところへ来られたような記憶は私今ありません。しかし私がなるにつきましては、いろんな人が来まして、ぜひなつてくれということで何しましたけれども、別にたれが来たということは、私も今あまりはつきりした記憶もありませんから……。
  490. 木村榮

    ○木村(榮)委員 和田さんは農林省の方の先輩の方なんですが、遠藤三郎さんという方を御面識でございますか。
  491. 和田博雄

    和田証人 遠藤君はかつて私と一緒に仕事をやつたこともありますから、よく存じております。
  492. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、公団の中の大豆協会とやや性格を同じうしたもので、水産油脂協議会とかいうものがあつて、その会長に遠藤さんがなつておられるということも御存じでございますか。
  493. 和田博雄

    和田証人 存じております。
  494. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、関係大豆増産関係とは違うと思いますが、公団関係で御存じになつてつたのでございますから、水産油脂協議会の方へも、大豆増産協議会の方へ出したと同じような内容を持つた金が四百六十万円くらいですか、出ておるそうなんですが、こういうことは御存じございませんか。
  495. 和田博雄

    和田証人 あるいは出ておるかもしれませんけれども、私はどうもあんまり人のことをよく記憶しておりませんので……。
  496. 木村榮

    ○木村(榮)委員 金の点はいいとして、そこで水産油脂協議会の方も、大豆増産協議会と同じような狙いで、水産関係の油脂の増産をはかるものだと思いますが、内容的には性格が非常に似通つておりますから、大豆協会と同じような方向の活動をしておる。かような点は御承知になつておりますか。
  497. 和田博雄

    和田証人 おそらくそうだろうと思います。
  498. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そうすると、遠藤三郎さんは民主自由党の代議士になつておられるらしいのでございますが、民主自由党の方の代議士の中にも、やはりあなたと同じようなお仕事をなさつておる方がいらつしやると理解してさしつかえありませんか。
  499. 和田博雄

    和田証人 遠藤君がそういう仕事をやつておるわけですから、お話通りだと思います。
  500. 木村榮

    ○木村(榮)委員 もう一点最後に聞きたい点は、農林省関係では大先輩として、大豆増産に向つては相当政治的な手腕を発揮したということをさつき御証言なさつたわけですが、そこで伺いたい点は、山添君とは相談をしたといつた話がございますが、現農林次官の片柳さんは当時食糧長官ではなかつたかと思いますが、片柳さんと大豆増産その他万般の問題について御意見の交換、あるいは御相談なさつたような御記憶はございませんか。
  501. 和田博雄

    和田証人 それはこの前お答えしたように、二十四年度のことですが、二十四年度の大豆増産については、やはり政府ははつきりと予算を組んだらどうか、そういう農業政策が転換期に来ておるから、全般的に生産獎励政策というものをとるべきでないかというので、山添君が農政局長ですから、農政の全般のことをやつておるわけですから、山添君に私はそういう意見を、古い友達でもありますから、言いました。しかし片柳君とは別段そんな話をした記憶ございません。
  502. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、現在の森農林大臣のもとに働いておる局長その他の高級官僚は、和田さんの御関係になつておるような大豆協会仕事に対しては、あながち反対ではない。こういうふうに理解してさしつかえございませんか。
  503. 和田博雄

    和田証人 大豆協会のような仕事でなく、大豆生産増殖、大豆協会のやつております増産獎励、こういつた仕事は、農林行政の方としては今後ますます重要になつて来るわけでありますから、おそらく大豆増産獎励といつたようなことについては、別の意見を持つておる人があるかもしれませんけれども、大豆を今後日本の国内でふやして行くということについては、おそらく賛成じやないかと思います。
  504. 木村榮

    ○木村(榮)委員 最後にお尋ねしたいのは、従つて大豆協会そのものの目的だとか、あるいはまたそのいろんな計画というものに対しては、現在も和田さんは会長として大賛成だ。しかしながらこういつた問題が起つたのは、その目的と反して会計経理の面において相当疑うべき点が発生したというので、きわめて遺憾である。そこでそういつた責任は、会長としてはある程度の責任はお感じになつておるわけなんですね。
  505. 和田博雄

    和田証人 私初めから言いましたように、大豆協会仕事をお引受けいたしまして、会長になつたわけですから、その実際の仕事は私部下に全部おまかせしたわけですが、もちろん私の下に働いておる人たちのことについては、会長としては規約上の責任は、ちやんと規約にあるわけですから、私は別段それを回避する気持はありません。
  506. 木村榮

    ○木村(榮)委員 野村君なんかを証人として喚問いたしますと、どうも和田さんをかばうという態度が非常に濃厚に見えます。これは非常にけつこうだと思います。非常にいい部下をお持ちになつたと思いますが、私としてのお願いは——お願いというとおかしいが、その部下にだけ責任を転嫁して——転嫁でもないでしようが、全部知らぬ存ぜぬではどうも合点が行かぬ点もございますから、そういう点ははつきりさしていただきたいと思うのですが、その点を特に御考慮願いたいということを希望しておきます。
  507. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 戰時中新官僚という声をよく聞いております。これは八紘一宇を中心にしてやつておられた官僚の群と心得ております。戰い敗れましてまた新官僚が現われておつて和田さんのごときは、その新官僚中のそうそうたる新官僚であると聞いております。しかしこの戰後の新官僚は、民主主義を看板に掲げて立つたものだと私たちは聞いておりますが、ただいま和田さんの数時間にわたる御証言を聞いておりますと、わしは大きなことは多少知つておるが、小さなことは何も知らぬ、かように突つぱねておいでになりますが、一体民主主義というものはそんなものでございましようか。
  508. 和田博雄

    和田証人 私は証人として宣誓に申し述べましたように、実際知らないことを知らないと申し上げておるわけでありまして、民主主義については、自分考えを持つておりますが……。
  509. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 私の解釈では、民主主義というものは小さいところから、出発しなければならぬものだと考えておる。大きいところから来るものは決して民主主義ではない。そこであなたは小さいところは知らぬとおつしやるから、私は小さいことは聞きますまい。しかし大体大豆協会帳簿があるかないかということを知らないとあなたはおつしやるが、協会帳簿がないということ、もしくはあるということは小さな問題ではありません。帳簿の存在いかんという問題はすこぶる大きい問題であると思うが、あなたはこの大問題を御存じありますか。
  510. 和田博雄

    和田証人 それについてはたびたびお答えした通りであります。
  511. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると知らないのですね。それからもう一つ伺いますが、あなたはさいぜんからの証言で、大豆協会増産に非常な貢献をしたようにおつしやいますが、どういう貢献でありましようか。
  512. 和田博雄

    和田証人 その点に対して、私はたびたび詳しくお話しましたように、増産獎励仕事を、大豆協会増産獎励金使つて、それぞれの方面の権威者に委託するなり、あるいは協会自身でやるなりしてやつておるわけであります。今共産党のどなたかが御質問になりましたように、数字の上だけで来る面というものは、最近の大豆の状況その他の面から見て、はつきりと出て来ておると思います。しかし実際の面として、町にこれだけ去年から今年にかけてだんだん大豆の製品が多く出て来ておる。あるいは農村をまわつて見ても実際相当大豆生産されておると思います。
  513. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そこで先般の証人尋問のときに、油糧公団の前総裁でありました松田さんを尋問いたしましたところが、松田さんは、高木委員大豆協会はどれほどの功績があつたかと質問したときに、わずかかすり傷程度の功績しかないと証言して参られました。ところがあなたは非常に功績があると言うが、その根本をなしておる油糧公団の前総裁は、ここで堂々とかすり傷程度の功績しかないと証言しておるが、この点はどうですか。
  514. 和田博雄

    和田証人 それは松田君とぼくと見るところが違うのでありまして、見解の相違だし、松田君よりもぼくは農村の事情に詳しいと思つております。
  515. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたが農村の事情に詳しいかどうか、私は松田君とあなたの程度を知りませんが、あなたの言葉を信じておきましよう。そこで増産獎励金というものは、あなたの証言によつてもわかりましたが、消費者の犠牲において出しておる。そうして前総裁はかすり傷程度の功績しかないと言つた。国民生活に最も密接な関係を持つておる大豆の、そういう重大なる使命を持つておいでになる協会が、事実において金は十分に使つたが、かすり傷程度の功績である。しかもその裏においては国民大衆——社会党の得意とする勤労大衆も国民大衆であるが、この国民大衆の皆がこれに犠牲を拂つておる。かような見地から、権兵衛が種まきやからすがほじくるというが、これは少くとも農民の増産意欲で増産するものであつて、おそらく大豆協会の力によつて増産したものじやない。農民が実際において時局を考え、しかも大豆の必要性を考えて、みずからの犠牲において、みずからの力において増産しておる。それをいかにも大豆協会がやつたように言うのは、すなわち大豆協会は農民のまいた種を盗まんとするからすにひとしい、さように私は考えざるを得ない。こういう意味において、あなたは農政においては非常な権威だと聞いておる、ぼくは初めてお顔を見るので知りませんが、願わくは農民のこの裏の苦心を考えられて、協会が功名を奪うがごときことをやつてもらいたくない。
  516. 和田博雄

    和田証人 今の点にちよつとお答えしますが、大豆協会として毎年増産共進会というのをやつております。その結果によりますと、やはり各県において個々の個人じやなく、組合が反当收量を相当上げております。そういうような問題について、大豆をつくるのは農民です。そうして農民が全然働かなければ大豆はふえませんが、大豆をふやして行くについていろいろな指導なり、何なりをやるについて、大豆協会が力をいたしておることは、大豆協会として言えるだろうと思います。もちろんつくるのは農民ですから、それはあなたのおつしやる通りです。
  517. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 要するに私の言わんとすることは、前油糧公団の松田君の証言によれば、この責任のある前総裁が、かすり傷程度の功績しかないと言つたことを、会長としてよく御自覚願いたい、こういう意味なのです。
  518. 福田一

    ○福田(一)委員 私はこの考査委員会は罪人を調べるとか、あるいは刑法上の問題を取上げるところではないと思います。それからまたお伺いしておりますと、和田さんが大豆増産は非常に大事だと言われることを率直に肯定するものの一人でありますが、しかし同僚委員の佐々木君が指摘されましたように、考査委員会としては今後の日本の政治のあり方についても貢献せらるべきものだと考えておるものであります。ところが佐々木委員から和田さんにいろいろと御質問いたしましても、仮定のことに対しては御返事はできない、こういうことをおつしやるのでありますが、われわれは証人に本村経理部長を呼びましたときに、大豆協会の経費は油糧公団の裏帳簿でやつてつた。その書類は燒きましたということをはつきりと明言いたしておるのであります。ところがその明文化されたところのこういうことが、非常に大きな世間の疑惑を招いた。その疑惑を招いた部下を持つておいでになつたということについて、私は公団自体のあり方に非常な不満と疑惑を感ずる。これに対して答弁ができないということでありまするならば、ここに本村経理部長を別の日に呼びまして、その旨のはつきりした証言をいただいた上で、あなたに御返事をいただくようにしたい、こういう意味合いにおきまして、本日はこの程度で和田さんに対する尋問は打切りたい。本村経理部長の言葉を聞いて、その上で和田さんのこれに対する責任観をもう一ぺん聞かしていただきたいということは私は提議いたします。
  519. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは福田君の提案として承つておきまして、いずれ理事会において決定いたしたいと思います。
  520. 横田甚太郎

    ○横田委員 一点だけ——どうも大豆協会のやり方には私たち不満であります。今後もなおこういうようなやり方でやつて行かれるのかどうか。この点についての疑点として、第一帳簿がややこしい。そこで今あなたの信用しておられる部下が裁判所に呼ばれ、また本考査委員会に呼ばれて証言台に起たされている。実にややこしいことでありまして、そのややこしいためにとうとう会長にもお尋ねしなければならないようになつて来るのです。大豆協会の規約の第十一條には、会長は本会を代表し、会務を総理すると書いてある。だから来てもらつたのだが、あなたはわからないと言う。そういうようにややこしいことを大豆協会はやつておる。増産に名をかりてやつているけれども、大豆の石数もわかつていない。昨日も傍聽に来た農民は、ああいうことをしていたから油がまわつて来なかつたのだと言つているのです。国民の憎惡はもうそこまで来ている。そこでこのややこしいやり方である大豆協会増産様式を、今後もなおやつて行かれるつもりであるかどうか。このようなやり方をやるからわれわれとの野党協定もできないし、また民主戰線の統一もできないと思うのです。これ以上友党としてあまり言いたくないから、よく考えてもらいたい。大豆協会式のややこしいやり方に対して、今後どういうようにやつて行かれるのか。今までのことはやり方が惡かつたから改めてやつて行こうとするのか、あるいは全然やめてしまうのか、あるいは今後もこのままでやつて行く。文句があればまたもう一ぺん考査委員会に出てやろうというような考えでやられるのか、このことについて聞きたいと思います。
  521. 和田博雄

    和田証人 私はその点はこういうように考えます。今の増産獎励金の問題については、私が会長の職を受ける前にきまつてつたのです。だから私は、それではぐあいが惡いから、二十四年度から政府が予算にはつきり組めと言つたのですが、政府は均衡予算ということで増産獎励金は全部削つたのです。だからそういう行き方はいかないのだということを僕は考えているのです。だから政府としてはやはり予算に組み、今のような行き方はやめるべきであると考えているのです。
  522. 横田甚太郎

    ○横田委員 今までの浪費といいますか、濫費についてはどう考えられていますか。
  523. 和田博雄

    和田証人 大豆協会は任意の組合ですから、理事会もできるだけ経費を少くしてやつて行きたいと思います。
  524. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 帝国油糧産業会社がありまして、それが閉鎖機関に指定されて、それが一部編成がえになつて油糧公団ができ、油糧産業という会社ができた。そういう編成がえのいろいろのうずの中心になつていた人は一体たれでありますか、御存じありましたら……。
  525. 和田博雄

    和田証人 やはりそのときは周東君であつたと思います。
  526. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 周東英雄——そうすると公団職員が油糧産業の株を持つて公団職員になつているという点が一つ問題になつているのですが、さようなことも、どういう理由でそういうようになつていたかということは、周東さんはよく御存じでしようね。
  527. 和田博雄

    和田証人 そうだろうと思います。
  528. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと——猪俣君。油糧公団のできたときの食品局長だね。
  529. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 いや、中心的人物です。油糧公団ができたり、油糧産業ができたり、帝国油糧が閉鎖機関になつたりしたその編成がえの起つたときの中心人物ということです。
  530. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこの中心か。農林省とか、どことか……。
  531. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 農林省には限らないではないか。帝国油糧の社長……。
  532. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧の社長として……。
  533. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それから油糧公団でも油糧産業でも、みんな職員がわかれて行つたから、その当時の事情を周東氏が知つているかということを今私が証言を求めたわけです。そうすれば、公団職員が油糧産業の株券を持つているかどうかということの事情は、やはり周東氏が知つているのだ。三代目なんだからね。  それからいま一つお聞きすることは、大豆協会の創立に当つて、それも中心的に大豆獎励考えまして、大豆協会を創立することになつた、そのことで中心的に活動しておつた人はあなたはお聞きになりませんか。
  534. 和田博雄

    和田証人 その当時の協会の連中だと思います。だから周東君と杉山金太郎さんと……。
  535. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 周東氏や杉山氏が中心になつて大豆協会ができ、そして今のような機構をつくつてずつと存続して来ているわけですね。そうすると大豆協会のやり方がかようなことになつたということは、やはり周東氏あたりがよく知つているはずですね。
  536. 和田博雄

    和田証人 そうだろうと思います。
  537. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それから周東氏は農林大臣になつたことがあると思うのですが、その周東氏が農林大臣になつた当時も、この大豆協会は今あなたがここでいろいろ尋問を受けているようなことをやつてつたと思われるのですが、いかがですか。
  538. 和田博雄

    和田証人 その通りです。
  539. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それから私はよく知りませんが、農林省に坂田という役人がいたそうですが、これはあなたは農林省のことをよく知つているのですが、何をやつてつたのですか。
  540. 和田博雄

    和田証人 坂田君は食品局長を農林省でやつておりました。安本に来て生活物資局長をやつてつたと思います。
  541. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 大豆獎励金をこの価格の中に織り込むということは、物価庁農林省でよく考えた結果さような方針にしたのだろうという今日の御答弁があつたのでありますが、そのときの官僚としての中心的な人物はその坂田君ではなかつたのですか。
  542. 和田博雄

    和田証人 坂田君はそのときは食品局長であつたと思います。
  543. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それから今委員の質問の中に、いや横領だの贓物だのという犯罪の言葉を使われたところがあるが、これははなはだ不謹愼だと思います。これは取消してもらいたい。一体横領罪だとか、贓物故売罪だとかいうものはどういう構成要件を持つておるか。今調べられている範囲において、横領罪などの犯罪が成立する道理がない。さような大豆協会を被告扱いにしたような頭でもつて、その上に今度は農林委員会公団に関する二、三年前の速記録まで読み上げて、結局社会党を攻撃するような、論点に持つて行くのだから、私は考査委員会に反対したんだ。政党的にやはり動く。(発言する者あり)これは聞いたついでに意見ちよつぴり言つたんだ。
  544. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと聞きますが、周東君が大豆協会に何か三代目といつたよう——協会長をやつてつたのですか。
  545. 和田博雄

    和田証人 そういう意味ではなく、今帝糧が閉鎖機関になりまして、そのときに獎励金なり何なりのことについて関係があつた中心的な人はだれかと言うから、周東君は帝糧時代の社長ですから——大豆協会会長を周東君はやつておりません。
  546. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで大豆協会ができるときに、周東君はどういう関係をしておりましたか。
  547. 和田博雄

    和田証人 周東君は今でも現に顧問でありますし、大豆協会ができたときにやはり相当関係があつた
  548. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう関係ですか。
  549. 和田博雄

    和田証人 ただそれは帝糧の会長として……。
  550. 小玉治行

    ○小玉委員 あなたの自動車の車庫ですが、それは初めからあなたがお持ちになつてつた車庫ですか。今度自動車を買われてつくられたのですか。
  551. 和田博雄

    和田証人 そうではありません。私の家にたまたまあつた車庫です。
  552. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで大豆協会職員は、たいてい油糧公団職員のようですが、油糧公団には自動車は何台ありますか。
  553. 和田博雄

    和田証人 私は油糧公団に何台自動車があるかということは知りません。
  554. 小玉治行

    ○小玉委員 油糧公団にも自動車がたくさんある。油糧公団にあるなら必要はないのではないですか。あなたが大豆協会長になつておるから、あなた專属の自動車ではないですか。
  555. 和田博雄

    和田証人 そうではありません。大豆協会使つている。
  556. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆協会のどういう人が使つておりますか。
  557. 和田博雄

    和田証人 大豆協会職員理事使つております。
  558. 小玉治行

    ○小玉委員 どういう方法で……。
  559. 和田博雄

    和田証人 私のあいているときに使つております。それはどういう方法で、どうやつて使つているかはわかりません。
  560. 小玉治行

    ○小玉委員 それから自動車は相当の額のものですが、それは大豆協会のどういう金から出たというふうにあなたは御理解になつておりますか。
  561. 和田博雄

    和田証人 それは存じません。さつきお答えした通りであります。
  562. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 実はさつき周東英雄さんのことがお話に出ましたので、これは弁解する意味で言うのではありませんが、私たちは増産獎励資金のことについて疑義があると言つたのは、公団法という法律ができて、法律化された後の価格の中に織り込まれた。その増産獎励資金なるものを疑惑と称するのであつて、帝国油糧時代の法律化されていない増産獎励費とは、その建前が根底から違います。
  563. 浦口鉄男

    ○浦口委員 ちよつとお尋ねいたします。どうも社会党と民自党とのけんかだという話が出ましたので、私ども今までだまつて聞いておりましたが、公平に証言から拾いまして一つお伺いいたします。  大豆協会ができたのは昭和二十一年の三月だということは、油糧公団の元副総裁西川氏が証言をいたしております。その成立の過程について、西川氏はやはりこういうことを述べております。周東前帝国油糧統制株式会社の社長が主になつて輸入大豆の促進、それから国内生産増加のために大豆協会を設立すべしという強い意見によつて設立された、こういうことを述べていられて、その後大豆協会の顧問として現在に及んでおるということを述べておられますので、これを一点申し上げておきます。  それと関連いたしまして和田証人一つお尋ねいたしたいことは、和田証人大豆協会ができた経過については、自分会長を引受けたときに、すでに協会の性格と運営法が決定していたので、その協会成立のいきさつについてはよく知らない、こういうことをおつしやつております。ところがだんだんとお話を聞いておりますと、必ずしもそうではないという感じがしたのであります。たとえば大豆増産などは国家予算に組んでやるべきである。しかしそれはまた生産者自体が増産費用を出し合つて、そうして増産をやるということもあり得る、こういうことをお話になつております。そうであるならば、この大豆協会任意組合であるということを、決してわれわれは疑いを持たないのであります。生産者自身が増産費用を出し合つて任意組合大豆協会を運営するということになりますれば、われわれはそこに何の疑義を感じないのでありますが、事実この増産獎励費は、国家がこれを消費者に負担をさせまして、消費者は増産獎励費だということを全然知らないで出しておる。それが大豆協会という任意組合で運営されておるところに、非常に協会の性格の不明確な点があるわけであります。この点についてはやはり西川氏も、大豆の国内増産輸入大豆の促進などは政府でやるべき仕事と思うが、予算をとつてくれなかつたので、変則的な大豆協会の設立となつたということを証言しております。なお農林省の元の食品課長の三堀さんもそう証言しております。そういう事実から考えて参りまして、和田証人が、この性格については、自分会長に就任したときにはすでに性格がきまり、運営法がきまつていたので、自分は知らないとおつしやつておる。これはだんだんの証言が出ますと、知らないということにはならないと私は考える。そういう点から、何と申しましても大豆協会の性格は非常に不明確であつたということに対して、証人はあらためてそれを確認されるかどうかということをお尋ねいたします。
  564. 和田博雄

    和田証人 私は民間の人が、農民から金を集めて増産獎励をやる方法があると申し上げたのは、佐々木君の御質問で、やはりこの増産獎励といつたようなものについては、今公団でやつておるような方法ではなくして、もつと本格的なものがあるのではないかという御質問でありましたから、それに対して、ぼくの意見としてはなるほど民間が集めてもいいし、それから政府の予算で当然組んでやつてもいい、やるべきだということを申し上げたわけであつて、前後の関連をひとつ御理解願いたいと思います。  それから性格についてどういうものであつたかということは、これは大豆協会ができたときのいきさつは、そう詳しいことは知りません。今いろいろな方が述べられるから、あるいはそういう経過であつたのか知りませんが、真実どういう経過で、だれがどういう役割りであつたかということは知りません。ただそれが動くときにどういう人が中心であつたかということは、それは協会のいろいろなことからわかりますから、それを申し上げておるわけなのです。従つて今のような方式での増産獎励方式というものは、これが変則的であるということは、私も今までしばしばお答えしたわけであります。ただその変則的なものについて、一体獎励金の性質がどうであるかこうであるかといつたよう法律的な実際の御質問がありましたので、私はこれはやはり便宜的にやつたのもだ、いろいろな過去のいきさつがあるのだから、それを法制的に今割り切つてしまうということについては、その性格論については、私としてはそこに疑義を持つということを今まで申し上げておるわけでありまして、もとよりこれをすらつとした形で今後やつて行くべきだということについては、異論はございません。
  565. 浦口鉄男

    ○浦口委員 そういう疑義のある協会によつて増産が運営されたために、国民に疑惑を感じさせるような事態が起きた。そこに原因があつたということは、お考えでありますか。
  566. 和田博雄

    和田証人 大豆協会の性格について、疑惑を私は持つておるわけではないのです。獎励金の性質というものがはつきりと——今は法律論から言えば獎励金ということになるでしようけれども、経済的に見てみれば、歴史的にずつと来ている過渡的なものであるから、やはりそれを便宜の手段として当局としてやられたのだから、大豆協会としてそれを受取つて増産獎励に書きかえておるわけです。組合自体の性質は任意組合ですから、大豆協会の性質自体についてどうこうということはありません。
  567. 浦口鉄男

    ○浦口委員 今疑義をお持ちになつておるという点は、証言でわかつたのでありますが、当時は疑義をお持ちにならないで会長に就任されたわけですか。
  568. 和田博雄

    和田証人 私はそういうものは一つも持ちませんで、大豆協会会長になつたわけであります。
  569. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。  中原雄さんですね。
  570. 中原雄

    中原証人 はい。
  571. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは食糧庁の油脂課長をやつておいでのようですが、いつからおやりですか。
  572. 中原雄

    中原証人 昭和二十二年六月二十日と思いますが……。
  573. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから今日まで……。
  574. 中原雄

    中原証人 はあ。
  575. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油脂課長のおもな仕事はどういうことなんですか。
  576. 中原雄

    中原証人 ただいま油脂課でやつております仕事といたしましては、まず第一に油脂原料の集荷、それから水産油脂その他の油脂の集荷、それがまず第一に考えられるわけでございます。次に外国から輸入いたしました油脂原料及び油脂、そのようなものの輸入手続に関しまして諸般の事務をいたしております。それから先ほど申し上げました国内産原料の集荷、あるいは海外から輸入されました油脂原料を工場に割当てまして、それを油にいたしまして、それぞれ公団が收買いたしますが、その割当事務をいたしております。それからできました油の総量を毎四半期ごとに算定いたしまして、これを経済安定本部に通知いたしますが、食糧油に関しましては、これは食糧庁に割当の数字が参りまして、食糧油の配給をやります。それから米ぬか油の原油の精製の割当、魚油の精製の割当等もいたしております。なお製油工場に対しまする資金資材の割当事務がございますが、ただいまのところ資金については、復金融資の関係がなくなりまして、もつぱら資材の関係仕事が残つておるわけでございますが、油脂課長といたしましては、これらの諸般の事務を統率いたしまして、適切な運営をいたすことに責務を持つておるわけでございます。
  577. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油脂原料の割当の方法、大まかでいいのですが、大体どういうようなことをやつておりますか。
  578. 中原雄

    中原証人 油脂の原料の割当に対しましては、経済安定本部から訓令第三号というのが出ておりまして、割当の基本的な方針につきまする審議会があるわけでございますが、その審議会が諮問いたしましたところの割当要綱を農林省で決定いたしまして、この決定に基きまして、おのおの油脂原料を工場別に割当てるわけでございます。その割当要綱の中に割当の基準がございまして、主として効率中心主義の割当をいたしております。
  579. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆増産獎励事務と申しますか、獎励に関する仕事はどこでやらしておりますか。
  580. 中原雄

    中原証人 元来大豆生産に関する事務は、農林省の農政局の農産課の所管の事務でございますが、食糧庁といたしましては、その需要者の立場から大豆増産及び集荷にきわめて強い関心を持つておるのでございまして、大きい推進力になりまして、これを実施いたしておるわけでございます。
  581. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこで——あなたの方で……。
  582. 中原雄

    中原証人 はあ。実質的には食糧庁の食糧部で推進いたしておりますが、機構的には、先ほど申し上げました通りに、農政局の所管になつております。
  583. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが獎励の事業として大豆協会というものにやらしておつたそうですが、それはどういうわけでそういうことになつたか。
  584. 中原雄

    中原証人 その問題を申し上げる前に、沿革をちよつと申し上げなければなりませんが、大豆協会はたしか昭和二十一年にできまして、この会の目的といたしましては、外国からの大豆輸入促進と、それから国内産の大豆増産を中心とした組織でございまして、この組織が従来公団になる前は帝国油糧株式会社でございますが、それから増産獎励の経費を受けましてやつてつたわけでございます。それが公団に引継がれた形になつているわけでございます。
  585. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいいが、今あなたの言われるようだとすれば、農政局の農産課でやるべき事務だと言われるが、それがそういうふうに引継いで行かれたのはどういう……。
  586. 中原雄

    中原証人 それは実質的には、ほんとうに大豆の必要な部門といたしましては、消費者と申しますか、大豆を消費する部門が大豆についてきわめて強い関心を持つておるわけでございまして、機構はそうなつておりますが、実質的にはやはりその事務を担当し、みその欠配あるいはしようゆの欠配をいたしまして国民に迷惑をかける、それに対する責任を持つておるところがやはり実質的には中心となつて推進せぬと仕事が進まない。かような考えであります。
  587. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは大豆協会というものができたのは、農林省の慫慂によつてできたのですか。協会自身からそういうものをこしらえて、そういう仕事をやりたいといつて農林省に申し出たものですか。
  588. 中原雄

    中原証人 これは大豆協会構成考えますと、大豆協会の主たる構成員が大豆の消費者、あるいは大豆を加工する業者、なおそれに農業会系統の者も入つておるように記憶いたしておりますが、さような団体が大豆に対して特に強い関心を持つておりまして、そういう関係機関、あるいは業界の強い意思によつてこの組織ができて参つた考えております。
  589. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、そういう消費団体がつくつた、そこまではわかりましたが、その消費団体にそういう事務をやらせようということになつたのはこういうことかというのです。向うはやろうと思つてつたからといつても、農林省で、ではお前やれと言わなければやらぬはずですが、そこの関係です。
  590. 中原雄

    中原証人 これは私がまだ油脂事課長にならない前にできた団体でありまして、最初のいきさつは十分に承知はいたしておりませんが、特にそういう団体ができまして自主的にやろうということになりますれば、いろいろの指導という面からは農林省がタツチすることになると思います。
  591. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときは知らなかつたのですか。
  592. 中原雄

    中原証人 はい。
  593. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこであなたとしては、そういうものができておつたから、前からやらしておるから、そのままやらしておつた、こういうわけですか。
  594. 中原雄

    中原証人 私が二十二年の六月になりまして、従来からそういう団体が仕事をいたしておりますし、また効果といたしましても、相当の効果をあげまして、終戦後十四、五万トン程度の大豆が逐次増産をされて参つておるわけでございまして、この協会の果した役割はかなり評価さるべきものだと考えるわけでございます。従いまして、この形をそのまま踏襲いたしますことが、最も適切なことであろうという判断でおるわけであります。
  595. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその事業の経費といたしまして、油糧公団において大豆を販売した価格の中から、六十キロに対して六円十五銭の金を別勘定にとつておきまして、それからさらに大豆協会に出ておつたということですが、さようなことは御承知でしたか。
  596. 中原雄

    中原証人 存じております。
  597. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 知つてつた——これが非常に問題になつておるのですが、油糧公団大豆を販売いたしますれば、大豆代金としてとるのですね。大豆代金としてとると、公団国家仕事を代行しておるのですから、当然代金として国庫に入るべきものだとわれわれは思うが、あなた方はそれをどうお考えになりますか。
  598. 中原雄

    中原証人 農林省の判断といたしまして、従来大豆増産獎励金は、先ほど申しました通りに、昭和二十一年度から物価庁の了承のもとに、一応統制機関の手数料の中に計算上入つておりますが、実質的にはこれは大豆増産に使うというような、はつきりとした目的があるものでございまして、それが公団になりましても、その性格は全然かわつていない。かような考え方を持つものであります。従いましてこれは公団の一般の收入とは全然性格の異なつたものが入つておる。しかもそれが関係官庁で、特別な大豆増産用途に使うということが、最初からきまつておるものでありまして、これは特に消費者の負担におきまして大豆増産するという獎励事業のための金と考えておりまして、さような措置を講じて参つたわけでございます。
  599. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは帝国油糧というような民間会社であれば、とつた金をよけておいてもよいが、公団というものは公法人ですね。国家仕事をやつておる。しかも公団法というものには、売買代金は全部国庫に納めろと書いてある。帝国油糧の時分と公団になつたときとは、性格もすつかり違うし、国家の事業であるがゆえに、国家予算国家支出命令がなかつたら、とるわけに行かぬものと思いますが、それはあなた方はどう思われますか。
  600. 中原雄

    中原証人 私といたしましては、先ほど申し上げました通りに、最初から目的が明確になつておる金でございまして、形式的には公団のマージンに入つておりますが、その用途につきましては載然と区別されたものであると考えておりまして、実質的にはやはり従来通り増産の方に使つてさしつかえない。かように考えて参つておるわけであります。
  601. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 増産使つてさしつかえないでしよう、それは増産のために入れたのだから。それはいいが、それだつたら一ぺん国庫に入れて——ちやんと法律に書いてあるのですから国庫に入れて、これはこういう金だからといつて国庫承認を経て、法律手続を経て出して来るべきものではないのですか。なるほどそういう目的のものであるかもしらぬが、国家仕事をやる上は、予算できまらぬものの出入りというものはないものではないですか。
  602. 中原雄

    中原証人 その点につきましては、会計検査院からもかつて照会があつたわけでございますが、もちろん筋といたしましては、国の予算でこれは考えるべきものであろうと存じますが、国としてそこまでの十分なことがどうしてもできなかつたような状況もございまして、また先ほど申し上げたことを繰返すようでございますが、最初から関係官庁でそういう目的に使うという金であるわけでございますから、一応公団に入りました金を大豆協会に渡させまして、これを増産に使うということについては、別に違法的な考えは持たなかつたわけでございます。
  603. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今はどうですか。
  604. 中原雄

    中原証人 今におきましても、私どもといたしましては大豆増産を今後ともやる必要があると存ずるわけでございまして、これが非合法だ、あるいは不法であるということがはつきりきまりますれば別でありますが、今後とも国内産大豆増産が必要であるといたしますれば、事務的に考えましてさような方法をとりたい、かように考えておるわけであります。
  605. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、国家の金でも、予算で認められていなくても、あなた方行政官としてさしつかえないというのであれば、出してもいいものだ、こういう考えですか。
  606. 中原雄

    中原証人 その点は行政官として、一個の考えでやるわけではないのでありまして、それぞれ検討いたしますし、先ほど申し上げました通りに、用途がかつてな用途に使われるものなら別でございますが、初めから明確に規定された用途に使うものでございますし、その従来からの経緯から考えましても、実質的にはそういう使い方をして行きたい。かように考えておるわけでございます。
  607. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ではこの大豆増産を離れて申しましよう。およそ国家の金は、收入予算に基き、支出予算に基くものであるという原則は、あなたはどう思つておりますか。
  608. 中原雄

    中原証人 それはその通りだと思います。
  609. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しからば特別にそういうことのでき得る金が世の中にありますか。予算にない金をとり、そうして予算にないものを支出する。さようなことができ得るものは世の中に何かありますか。
  610. 中原雄

    中原証人 ただいま申しましたように、委員長のお言葉でございますけれども、理論的な問題を離れまして、私どもは実質的なことを考えて参つた点もございますから……。
  611. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことがあり得るかというのです。——それではまず第一番に理論から行こう。国家の金を予算なくしてかつてにとれる。予算なくしてかつてに出せる、こういうことがあり得るかどうか。
  612. 中原雄

    中原証人 それは金の性質じやないかと存じますが……。
  613. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 金には二つありはしない。予算以外の金の出し入れができるかということです。
  614. 中原雄

    中原証人 ただいま申しました通りに、大豆価格の中に、それがそういう目的で入つたという実質論から考えておつたわけであります。
  615. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだから今言うように、そういうことはないでしよう。予算以外の收入というものは、国家の財政ではないわけでしよう。そういう目的で入つたのだから、その目的通りに出してくれと言つて国家から出させたらいいわけで、それをやらないで、かつてにできるとあなた方が思つておられることが、われわれは合点が行かない。
  616. 中原雄

    中原証人 かつてにできるとは考えておりませんが、関係官庁の従来の経緯がら考えまして、さような経緯で決定いたしました金でございますから、さように実質的なもので使つてつたのであります。
  617. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは、かつてに出せない金だが、関係官庁と相談の上でやつたからいいと思つた。そういうことですね。しからば承りたいが、関係官庁とはどことどこできめましたか。
  618. 中原雄

    中原証人 物価庁農林省でございます。
  619. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省のだれがそういうきめることをやりましたか。
  620. 中原雄

    中原証人 農林省といたしましては、この金の支出につきましては特別な手続はございませんが、従来の経緯から考えまして、物価庁農林省の食品局と協議いたしまして、その使途あるいは内容を決定いたして参つたわけでございます。
  621. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 食品局の油脂課、あなたでしよう。
  622. 中原雄

    中原証人 食品局の油脂課でございます。
  623. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうじやないでしよう。その衝に当られたのはあなた自身でしよう。そうじやないですか。
  624. 中原雄

    中原証人 衝に当りましたものといたしましては、これはやり方を御説明申し上げる必要があると思いますが、大豆協会予算を決定いたします際におきましては、大豆増産計画というものが前提になるわけでございます。大豆増産計画をいかにとりはからうかということを一応考えるわけでございますが、この計画大豆協会の従来の経験と実績を考えまして、毎年内容を検討いたしました上、予算を作成いたしまして、農林省食品局と物価庁の第二部に出すわけでございます。この予算内容の検討でございますが、この内容につきましては、従来からの効果が上りましたものを十分に考えまして、特に効果のある部門についてこれを継続的にやつて行く、かように考えて参つておるわけでございますが、その予算を提出いたしますと、物価庁の方と農林省の方でその内容につきまして検討が始まるわけでございます。で物価庁の方でいろいろ問題があつて、特に必要な場合におきましては、私が出向きまして向うと折衝をいたしますが主として折衝をいたしますのは、私どもの方の係主任と向うの方の係主任でございます。昨年とことしと二回私はそれに関係いたしましたわけでございますが、大体係の方で実施計画予算の総わくにつきましての検討を加えたわけでございます。たとえば予算を減らすとかあるいはこの事業については検討を要するという問題がある場合におきましては、私が物価庁に出向きまして説明をするなり、その効果について述べるわけでございます。
  625. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかりました。物価庁第二部の何課でそういうものをやるのですか。
  626. 中原雄

    中原証人 主要食品課でございます。
  627. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 課長は何という人ですか。
  628. 中原雄

    中原証人 明石課長でございます。
  629. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今年、去年いずれも明石ですね。
  630. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  631. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで二十三年度及び二十四年度にどれだけこの金を公団に留保させ、さらにそれから大豆協会に入つてつておるか御承知ありますか。
  632. 中原雄

    中原証人 あれは大豆年度から考えるわけでございますが、二十三年度は約一千三百万円くらいのものであつたのではないかと記憶いたしております。
  633. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十四年度は。
  634. 中原雄

    中原証人 二十四年度は前年度の繰越しがございまして、それが大体八百万円程度だと記憶しております。それから二十四年度に入りますものが一千三百万円。さようになつておると考えております。
  635. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十四年度はそのうちから幾ら出ておりますか。
  636. 中原雄

    中原証人 出ましたのについては今具体的に記憶いたしておりませんが、二十三年度については決算報告が参つております。
  637. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会から予算が出ておる。それをあなた方が認可ですか、承認ですか、やるのでしよう。認可するのですか、承認するのですか。
  638. 中原雄

    中原証人 これは承認でございます。
  639. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで要するに油糧公団においてその金を留保しておいて、そこからそれだけを大豆協会に出してやる、大豆協会はその金でこの予算通り支出せよ。こういうことになるわけですね。それをあなた方の方は認めるわけですね。
  640. 中原雄

    中原証人 事業計画承認でございます。
  641. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから金が伴う承認でしよう。
  642. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  643. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからこの価格の中に入つておるこれだけのものをためておいて、それから大豆協会に出してやつて大豆協会予算通り仕事せい、こういうことの承認になるでしよう。
  644. 中原雄

    中原証人 そうでございます。
  645. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それであなたは油糧公団においてはたしてその金を確かに留保しておいて、それからその金が全部大豆協会に行つて大豆協会がこれをりつぱに使つておる、こういうことを見きわめられたことはありますか。
  646. 中原雄

    中原証人 経理上の監査はいたしたことはございません。
  647. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その監査の任務はだれがやるのですか。
  648. 中原雄

    中原証人 公団とそれから大豆協会と両方あると思いますが、公団仕事につきましては、もちろんこれは直接仕事を担当いたしております食品局で実施いたすべきものと考えております。
  649. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方でしよう。
  650. 中原雄

    中原証人 はい。
  651. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 食品局の油脂課でしよう。承認したのもあなたの方でしたのでしよう。その金がはたしてほんとうに使われておるかどうか、調べぬでもいいのですか。
  652. 中原雄

    中原証人 それは当然やるべきだと考えるわけでございますが、公団の経理一般を全部見るということから当然入つて行かなければならないと考えるわけでございます。それで私どもの方におきまして、公団全体の業務の面はある程度監督をいたしておりますが、今日までの公団の経理上の監督につきましては、私どもの方に專門家がおらない、あるいは油脂課だけの人数から考えましても、二十数人でございまして、そこまで手が伸びなかつた点はまことに遺憾だと考えております。
  653. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしあなたの方でやるべき責任はあつたのですね。ところがそういう仕事に対して帳簿もないということですが、ただあなたの方から予算をもらつて出しましたというだけだと、はたしていつ受取つてどこに渡つておるのか、そういう帳簿もない。そういうことは御承知なんですか。御承知ないのですか。
  654. 中原雄

    中原証人 知りません。
  655. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはやはりあなたの方の責任なんでしよう。そういう重大な金を出し入れした記帳も、あつたのだが燒いたんだろうと思うが、とにかくないと言つておる。これに対してあなた方どうお考えになりますか。
  656. 中原雄

    中原証人 この公団の方の増産獎励金收入は、大豆を売るたびにこれが入つて来るわけでございます。それが一定量たまり、あるいは大豆協会予算に従いまして仕事をいたします場合に、それを公団に要求いたしまして、公団がそれに応じて支出する、かようになつておるわけでございまして、公団といたしましては、そのたびに伝票を整理いたしておるものと存ずるわけでございますが、この伝票を写しまして、大豆協会帳簿に正確に記載するという点につきまして仕事が十分でなかつた、かようなことであろうと考えるわけでございますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましてその経理の実態を十分に今日まで監査いたさなかつた結果、さような帳簿の点にまで触れなかつた、こういう点につきましてはまことに遺憾に存ずるわけでございます。
  657. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 増産獎励という名前さえあれば、持つてつてしまつてどう使われてもいいのですか、そうじやないでしよう。
  658. 中原雄

    中原証人 これは決算報告が出て参りますし、それによつてわれわれといたしましては事業の金の面の実績を見ておるわけでございます。なお仕事につきましては逐次関係方面、たとえば大豆作改善共進会等ができますれば、その際にその成績が報告書としてきちんきちんと出て参るわけでございまして、仕事の面におきましては十分の仕事をしておる、かような確信を持つております。
  659. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし帳簿もなければ証憑もないということでは、いいかげんなものを書いたつてわからないでしよう。そこまで見届けましたか。今現にないのですが。
  660. 中原雄

    中原証人 先ほども申し上げました通り、経理の監査はいたさなかつたわけでございまして、そこまで見届けたということは申し上げられないわけでございます。
  661. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしよう。そういう乱脈になつておる。
  662. 中原雄

    中原証人 それからちよつと先ほどの金額をここで訂正させていただきたいと思います。昭和二十三年度の收入といたしまして千三百万円と申し上げましたが、千四百三十五万円でございます。
  663. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次は油脂資源の集荷督励の業務ですが、これはどこにどういう形でやらしたのですか。
  664. 中原雄

    中原証人 集荷督励は、元来その集荷督励の責任は農林省の油脂課にあると考えております。それから公団といたしましては、公団が指定收買機関から原料を收買いたすわけでございまして、この公団の性格上、他の食料品公団と異なりまして、原料の收買をいたすという点におきましては、全然普通の配給公団とは違うわけでございますが、そういう点から、当然公団におきましても集荷督励を行う必要があるわけでございます。農林省が行いますものは地方庁を通じてこれを実施して行く。公団が行いますものは、指定改質機関その他関係団体を通じましてこれを推進して行く。かようになると考えております。
  665. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧公団の附帶業務として、あなたの方でお認めになつたそうですね。
  666. 中原雄

    中原証人 認めております。
  667. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の附帶業務というものは、これも法律上きまつておると思いますが、法律のいかなるところで公団の附帶業務としてあなた方は認めたのですか。
  668. 中原雄

    中原証人 公団法の十五條に、国内産油糧の一手買取りということが業務になつておりますが、それの第四号の一に附帶する事業を事業としてやれる、かような條項があるわけでございまして、これに基きまして集荷督励事務を附帶業務、かようにいたしたわけでございます。
  669. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の業務が——附帶でも何でもいいが、業務がきまるときには、第十七條に基きまして「毎事業年度の前期及び後期の初において、六箇月ごとの事業計画及び資金計画を作成し、これを経済安定本部総務長官に提出し、その認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様である。」こうなつておるのですが、この手続を経て認可されましたか。
  670. 中原雄

    中原証人 手続は経ておりませんが、附帶業務の解釈でございますが、附帶業務の解釈につきましては主務大臣においてこれを行い得る、かような認定で参つたわけでございます。
  671. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 法律の何によつてそういうことができるのですか。
  672. 中原雄

    中原証人 いや、認定をいたしたわけでございます。十五條の解釈につきまして……。
  673. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから十五條で附帶事業としてやられたのはよろしいが、そういうものを公団にやらせようということは、附帶事業だからやらせてよい。それならこの仕事を具体的にやらせようというときには、十七條に従わなければならぬのでしよう。やらせようというときには、十五條に基いて附帶事業としてもさしつかえないということはいいとしましよう。そこでそれはいいから、附帶事業でやらせようということになれば、計画というものが立ちますから、その計画を立てて、この許可を得なければならぬというときには、十七條がある。これはどうなりますか。
  674. 中原雄

    中原証人 集荷業務につきましては、当然それに伴うところの計画もございますし、あるいはそれをいたします資金の問題もございましよう。先般来の集荷督励事務を附帶業務と認めた、そして資金の面におきましては、これは一般的な計画と違つたものが出て参りまして、それを御承知と思いますが、硬化油差金と申しておりますが、そういう硬化油差金を使います目的といたしまして、集荷の督励をいたすということになつたわけでございまして、そういう点からこれは一般の業務と違うのじやないか、かように考えておるわけでございます。
  675. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一般の業務とは違うが、とにかく公団にやらせるには、公団の附帶事業として認めたのでしよう。公団の事業じやないのですか。
  676. 中原雄

    中原証人 公団の附帶業務として認めたわけでございます。
  677. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しからば十七條に従わなければならない。あなたは特別の金があるからこれに従わなくてもいいとおつしやるが、それが問題なんです。これに従わないで特別の金を使うところにたいへんな間違いが起つて来るのじやありませんか。
  678. 中原雄

    中原証人 その当時は十七條の点は考えなかつたわけでございまして、第十五條の附帶業務を考えておつたわけでございます。
  679. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 十五條を知つてつて、十七條を知らなかつたのですか。
  680. 中原雄

    中原証人 いやそういう必要はないと考えたわけでございます。
  681. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それなら今私が問うことはどうですか。
  682. 中原雄

    中原証人 ……。
  683. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは進んで聞きましよう。ところがこの経費として分解硬化用油脂価格差金というものを與えられたそうですね。
  684. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  685. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたが言われた、この金を充て得るのだから、これは特別の金だから、安定本部長官などに従わぬで、十五條に従おうと今あなたは言われたが、そこに根本の間違いがあると思う、こういう金を使うということは……。これも国家收入です。
  686. 中原雄

    中原証人 これはやはり沿革があるわけでありまして……。
  687. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは沿革も何もみなわかつております。みな公団收入じやないですか。公団收入したものじやないですか。
  688. 中原雄

    中原証人 これは特に言葉を返すようでありますが、元来硬化油の差金が出ましたのは、物価庁の許可価格によつて……。
  689. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは何べんも聞いておりますからよくわかつております。それはどういうので入つて来ようが、公団收入したものであることは間違いありますまい。
  690. 中原雄

    中原証人 公団の預かり金的なものだと考えております。
  691. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれから預かつたか。預かつたというのなら預け主はだれですか。
  692. 中原雄

    中原証人 これはその当時のいきさつといたしまして、増産の面においてこれを使うという点を明確に希望した大口硬化油、分解油業者の希望をいれまして、大口分解油業者の希望の内容が油脂の増産、かようなことにあるのでありまして、特に公団收入という点についてはいささか異なつた性質の金であると考えたのであります。
  693. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはさつきの増産獎励費と同じことです、目的はそういう金でありましよう。けれども公団收入ということにはかわりはないのでしよう。公団收入ではない、あなたの言うように預けておるというなら別です、そんなことはないでしよう、公団收入したのでしよう。
  694. 中原雄

    中原証人 收入はそうでございますが、先ほど申し上げました通り……。
  695. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや目的はわかつた、そうすれば公団というのは国家仕事を代表しておるのでしよう、国家收入ですよ、国家收入予算によらないで出し得るという根拠がありますか。これはさつきと同じことだ、しかもそれをそういうことであるがゆえに、安本長官の許可なんか言うとめんどうだという、第十七條を排除してやつたというに至つてはますますふかしぎ千万な話です、あなた方はこれはさしつかえないと思つてつたのですか。
  696. 中原雄

    中原証人 この十五條でやつて行けると思つてつたわけです。
  697. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今日でも行けますか。
  698. 中原雄

    中原証人 いろいろ解釈もございますが、私どもとしては今日もさような解釈に誤りはないと思います。
  699. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今でもか。
  700. 中原雄

    中原証人 そうです。
  701. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではさつき言つた資金計画その他出さぬでもよいというのは、この法律を排除する論拠を承りましよう。この十七條を排除してやられる根拠を……。
  702. 中原雄

    中原証人 ……。
  703. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 お答えできませんか。
  704. 中原雄

    中原証人 先ほど申し上げました以上の答えはできません。
  705. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつと言うてみれば、こういう金を実際言えば出せないものを、便法上出そうと思うから、これをないことにして目をつぶつてやろうということがあなた方の下心だつたのでしよう。
  706. 中原雄

    中原証人 決してそういう目的ではございません。
  707. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしそう見るよりほかございません。
  708. 中原雄

    中原証人 目的といたしましては、日本の油の増産の手段を考えなければならぬことです。
  709. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなただつで法律を習つたのでしよう、目的がよいからと言つて手段を選ばないというものではないでしよう。
  710. 中原雄

    中原証人 もちろんそれは非合法的な手段であれば別でありますが、先ほど申し上げました通りに、私の認定としては十五條でやれるということを考えて参つたわけでございまして、それ以上の検討ができなかつた点については、これはまことに……。
  711. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 検討ができないということはない、十五條の次は十六條、その次は十七條、ここにちやんと明文があります。じやこの金についても、使途について相当監査されたことはありますか。
  712. 中原雄

    中原証人 これについては附帶業務としての申請をいたします際において、毎月その支出状況と事業の進捗状況を報告する、こういうことを申請してあるわけでございます。今日まで明確な報告はまだ書面では参つておりませんが、一応中間的な支出状況の報告は出ております。
  713. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方で承認されるときには、ちやんと予算書みたいなものが出ておりますね。
  714. 中原雄

    中原証人 出ております。
  715. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それに基いて金が出ているわけですね。
  716. 中原雄

    中原証人 はい。
  717. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はたしてほんとうにそこに書いてある通りに使われているかどうかについて、あなたは確信がありますか。
  718. 中原雄

    中原証人 末端まで問合せておりませんので、末端のことはわかりませんが、支出の状況については、中間的にこれの報告を得ております。
  719. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その報告は受けられたが、その報告を間違いないものとあなた方が認められる何か根拠がありましたか。
  720. 中原雄

    中原証人 その使途の末端までこれを見てはおりません。
  721. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 末端でなくてもいいが、公団帳簿とか証拠書類をごらんになりましたか。
  722. 中原雄

    中原証人 いや見ておりません。
  723. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 みな見ていない、燒いてしまつたのですか、これはあなたの方の責任でしよう。
  724. 中原雄

    中原証人 帳簿の整理の問題とか、あるいは燒いたとかいう問題は、これは私の方の責任ではないのであります。
  725. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし証拠書類がなければ、われわれにはわからぬじやありませんか。そういうものがなければあなたの方で監督指導しているとは言えないでしよう。これ以上言つてもしようがない。  次に承りたいのは、脱脂糧穀販売業会というものを御存じですか。
  726. 中原雄

    中原証人 存じております。
  727. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういう会ですか。
  728. 中原雄

    中原証人 昭和二十二年のたしか春と思いますが、閉鎖機関が一般的に指定されました際に、従来脱脂大豆の配給を担当いたしておりました脱脂大豆の配給統制組合が閉鎖になりまして、その後これらの構成員が新しく販売業会をつくつた
  729. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこの……。
  730. 中原雄

    中原証人 従来脱脂大豆の販売関係の業者が集まつてつくつた日本脱脂大豆配給統制組合というものがありましたが、これが閉鎖の指定を受けて、次にただいまお話になりましたように組織がかわつて生れて来たものでございます。
  731. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この会があつたために、油糧公団大豆粉及び大豆ミールの配給代行をさせたということですが、御存じありませんか。
  732. 中原雄

    中原証人 承知いたしております。
  733. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代行手数料はいくらでやらせましたか。
  734. 中原雄

    中原証人 代行手数料はたしか三十円であつた考えております。
  735. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその後において指定販売業者価格というものがきまつたそうですね。
  736. 中原雄

    中原証人 二十三年の八月ごろ、あるいは七月かとも思いますが、指定販売業者の販売価格の公定価格がきまりました。
  737. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その業者のマージンというものが九十円になつたそうですね。
  738. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  739. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後においても、さらにこの販売業会へ代行させたわけですね。
  740. 中原雄

    中原証人 代行の問題は、油糧配給公団の販売業者の指定の問題の時期とからむわけでございまして、油糧配給公団ができましたのが二十三年の二月一日でございますが、指定をする段取りになつて指定票の交付が遅れたわけでございまして、指定票の交付が遅れますと同時に、地方庁でミールあるいは大豆粉の配給をいたします際に、クーポンを使うわけでございますが、そのクーポンが印刷の関係で遅れまして、従いまして準備の時期的ずれから、指定販売業者が代行業務をやる、かような段取りになつた考えております。
  741. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはわかつたが、指定販売業者価格がきまつたら、一ぺんに先ほどの三十円が九十円になつたそうですが、あなたはこれは御存じでしような。
  742. 中原雄

    中原証人 額は存じておりますが、私どもといたしましては、指定販売業者の販売価格がきまりますれば、当然その価格でやつて行く、かような段取りになると考えております。
  743. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 業者でなくともマージンをとつていいのだというのですか。
  744. 中原雄

    中原証人 指定販売業者が代行業務をやるわけでございますが、指定販売業者の販売価格がきまりますれば、その額をとるものだと考えております。
  745. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 業者ではなくて、販売業会に代行さしておいて、今まで三十円でやつていたものを、それができたからと言つて一ぺんに九十円にした……。
  746. 中原雄

    中原証人 それは公定価格の告示の問題でございまして……。
  747. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 告示ではない、代行料を拂う額です。
  748. 中原雄

    中原証人 額の根拠といたしましては、公定価格の告示の問題だと考えております。
  749. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると九十円渡したことは間違いないですね。
  750. 中原雄

    中原証人 販売業者の販売価格がきまりましてからは、九十円渡していると思います。
  751. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはあなたの方で承認を與えましたか。
  752. 中原雄

    中原証人 これは物価庁で決定した額でございまして、私どもの方は、指定販売業者がきまりましたあとの、指定販売業者に対する代行手数料については、全然タツチしておりません。
  753. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村氏は農林省の許可を得てそれだけ渡すことにしたと言つておりますが、そうしたことはありませんか——許可というより相談をして……。
  754. 中原雄

    中原証人 私に関する限りは、その問題については存じておりません。
  755. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからさつきあなたが言われたことだが、公団の代行をさせるのと、指定販売業者として、自分の業として、自分で買つてまた売るのと、たいへんな違いがあると思いますが、あなたは違いがあるとは思いませんか。
  756. 中原雄

    中原証人 指定販売業者は、指定を受けて仕事をやる場合におきましては、自分の責任において資金を融通し、あるいは受渡しをやるという点があるわけでございますから、代行業務とは内容において異ると思います。
  757. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで聞きたいのだが、最初は代行業務で三十円でやつてつたが、この指定販売業者価格ができたからと言い、できないからと言い、代行という仕事内容には少しもかわりはないでしよう。かわりはないにもかかわらず、一ぺんに三倍のものをやるということがわれわれには合点が行かないのですが、それはさしつかえないものですか。
  758. 中原雄

    中原証人 これはさしつかえないと先ほど申し上げたわけではないのでございまして、この件につきましては、私といたしましては全然相談を受けておらないわけでございます。従いましてその内容が三十円から九十円にかわつたという点につきましては、私は全然存じておりません。
  759. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 少くとも油脂課と相談をしたり承認を得たりしたことはありませんね。
  760. 中原雄

    中原証人 これは係に一応聞いてみるべき必要がありますが、油脂課の方の係、主任の方で相談を受けた事実がないとは否定できぬと思いますが、少くとも私に関する限りにおきましては、この問題につきましてはないと申し上げます。
  761. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これをやらしたために四百何十万円か、この協会が利益を得たということは知つていますか。
  762. 中原雄

    中原証人 それは存じておりません。
  763. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでさらに、お前の方にただくれてやつた、三倍にしてくれてやつた金だから、その中の三分の一よこせといつて百二十万円をとりもどしたということを知りませんか。
  764. 中原雄

    中原証人 存じません。
  765. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 聞いてもおりませんか。
  766. 中原雄

    中原証人 最近いろいろ問題がありまして、うわさには聞きましたが、正式にそういうものについて、責任者から聞いたことはありません。
  767. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さらにそれが公団でとるならよいが、その金が大豆協会へまわつてつて、そして大豆協会和田さんが乘つて歩く自動車をその金で買つたということはどうですか。
  768. 中原雄

    中原証人 存じません。
  769. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧産業株式会社というものは御承知ですか。
  770. 中原雄

    中原証人 これは帝国油糧から公団に移ります際に、公団に移らない人がつくりました会社であることは承知いたしております。
  771. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧産業が油糧公団仕事の代行または下請をやつてつたことは御承知ですか。
  772. 中原雄

    中原証人 代行と下請の内容になりますが、油糧産業がドラム罐の修理とか、あるいは麻袋の修理をやる、こういう仕事をやつておることについては承知しております。
  773. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、そういうことについて油糧産業の業務の監督責任があなたの方にあるのではないですか。
  774. 中原雄

    中原証人 いや全然ありません。
  775. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧公団関係があつても……。
  776. 中原雄

    中原証人 油糧公団とどういう内容の契約をいたしておるか存じませんし、またさような全然農林省の油脂政策の面で関係がない新しい組織があるわけでございまして、別にそれに対して特に監督の責任は感じないわけでございます。
  777. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧公団との金のやりとりとか、いろいろなことがあつたら、これはやはりあなたの方に調べるべき責任があると思いますね。
  778. 中原雄

    中原証人 問題がありますればそれは調べるべきだと思いますが、問題が起つたというようなことにつきましては、最近御承知通り事件が生れまして初めてわかりました問題でございまして、それまでは全然承知はいたしておらないわけでございます。
  779. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで私の聞きたいのは、ああいうことに対しては、あなたの方に監督の責任があるかないかということです。油糧産業との取引であるが、油糧公団に関することですから……。
  780. 中原雄

    中原証人 それはあのようなことになりましたことにつきましては、まことに遺憾に思つておるわけでございまして、この点につきましては、特に農林省の監督の不行き届きの結果じやないかと思います。
  781. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから監督の責任があるでしよう。それを聞いておるのです。——ほかに何かありますか。
  782. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 もう内容はだんだん明瞭になりましたから、私は委員長の尋問になかつた面からあなたにちよつとお尋ねしておきたいと思います。あなたは大阪で肥料官をしたことがありますか。
  783. 中原雄

    中原証人 ございます。
  784. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 何年ごろから、いつまでやつたのですか。
  785. 中原雄

    中原証人 昭和十五年から十七年まででございます。
  786. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そのとき、あなたの上官である原田という人がおられたのを御存じですか。
  787. 中原雄

    中原証人 上官には原田というものはおりませんでした。
  788. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 現在それは大阪の油糧公団の支部におるのですが、その人を御存じありませんか。
  789. 中原雄

    中原証人 その原田君でありますれば、私が勤めておりましたのは大阪の農務課でございますが、農務課の人間には原田という者はおらないわけでございまして、原田君は私どもがおりましたときには、大阪の府の販売講買組合連合会の職員でございました。
  790. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そういう関係知つているのですね。
  791. 中原雄

    中原証人 はい。
  792. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そこで、この原田のあつせんで日本硫化株式会社に復金の融資についてあなたが便宜を與えた事実はございませんか。
  793. 中原雄

    中原証人 ございません。
  794. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それからまた原料配給上についても特別な便宜を與えたことはありませんか。
  795. 中原雄

    中原証人 ございません。
  796. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それから熊本の大同油脂という会社があるのを証人は御存じですか。
  797. 中原雄

    中原証人 存じております。
  798. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 この会社の社長はだれですか。
  799. 中原雄

    中原証人 本田氏でございます。
  800. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それはあなたの御親類ではありませんか。
  801. 中原雄

    中原証人 違います。
  802. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その本田さんに、同じく復金融資の便宜を與え、あるいは原料配給の便宜を與えたという話がありますが、そういうこともありませんか。
  803. 中原雄

    中原証人 ございません。
  804. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 会津若松に大平油脂会社というのがありますが、知つておられますか。
  805. 中原雄

    中原証人 存じております。
  806. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 この会社が操業を開始するときに、一万俵の特配を受けたという事実があるのですが、あなたは御存じですか。
  807. 中原雄

    中原証人 存じません。
  808. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それから同じくこの会社が復金から四百五十万円の融資を受けたときにも何か便宜を與えたことはありませんか。
  809. 中原雄

    中原証人 ありません。
  810. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それから長野県の原本油脂という会社がありますが、これは御存じですね。
  811. 中原雄

    中原証人 存じております。
  812. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 この会社が復金から融資を仰ぐとき、そこに非常に意見の食い違いがあつたが、あなたはたいへんな盡力をされたということを聞きますが、どうですか。
  813. 中原雄

    中原証人 私は何も盡力はいたしておりません。
  814. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたは根本清介という人を知つていますか。
  815. 中原雄

    中原証人 ちよつと記憶にないのでございますが……。
  816. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 ありませんか。現在は日銀の検査役をしている人ですが。
  817. 中原雄

    中原証人 存じません。
  818. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 この根本という人が、原本油脂のいわゆる復金融資は、これは不適格であるということを報告しておつたという事実は御存じないのですね。
  819. 中原雄

    中原証人 存じません。
  820. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そういう事実があるにかかわらず、三百五十万円が証人の口添えによつて容易に貸し出されたという事実があるように私は承つているのですがね。それから平田という人は……。
  821. 中原雄

    中原証人 これも記憶にございません。
  822. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 西川油糧公団の副総裁から紹介された覚えはありませんか。
  823. 中原雄

    中原証人 紹介を受けたことはございませんが……。平田と申しますのは、原本油脂の平田君でございますか。
  824. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうです。
  825. 中原雄

    中原証人 それなら知つております。これはかつて油糧公団の技術室におつた人でございます。
  826. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、さつき知らないと言つたのは……。
  827. 中原雄

    中原証人 これは取消します。
  828. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その人は西川総裁の息のかかつている人物なので、それにあなたは西川君から紹介を受けて、便宜を與えたということを聞いておるから、この事実を確めておきたいと思つてお伺いしたのです。そうするとあなたはほとんど知らない。あとで知つておるような事実が出た場合には困りますから、一応よくお伺いしておきます。
  829. 小玉治行

    ○小玉委員 この油糧配給公団法ですか——の十五條に、公団仕事として「物価庁の定める価格による国内産油糧及び輸入油糧の一手買取及び一手売渡」と書いてありますが、この油糧というものはどれだけの品物を指すのですか。
  830. 中原雄

    中原証人 油糧需給調整規則で統制いたしておりまする油脂関係の物資の総称でございまして、具体的に申しますならば、油脂原料といたしましては菜種、大豆、それから搾油いたしました油、かす、それから人造バター、そういうような今油糧需給調整規則で統制いたしております物品全部を総称いたしまして油糧、かように申しております。
  831. 小玉治行

    ○小玉委員 そこでこれに油糧の一手買取り、一手売渡し、こうなつておりますが、この油糧のうちの大豆を、油糧公団がこれを買取る際の価格と、これを売渡す際の価格のうちに、本件の問題になつておるところの六円五十銭とか、二円とか、大豆増産獎励金というものが含まつておる。かように拜承してよろしゆうございますか。買取り価格と販売価格、その差額のうちに本件のいわゆる大豆増産獎励金というものが含まつておるのですか。
  832. 中原雄

    中原証人 広義の意味で申しますればそういうことになりますが、買取り価格と販売価格内容には、公団の手数料以外にいろいろなチヤージが入つておるわけでございます。狭義に申し上げますれば、公団の……。
  833. 小玉治行

    ○小玉委員 いろいろの価格構成の要素はありましようが、しかしその一要素として大豆増産獎励金が、入つておる。これは間違いないでしよう。買取り価格と売渡し価格との差額の中に大豆増産獎励金というものが入つておる。具体的に言えばですよ。
  834. 中原雄

    中原証人 形としてはさようになつておるわけでございます。
  835. 小玉治行

    ○小玉委員 そこでこの買取つた大豆そのものは——これはもう聞くもやぼですけれども、結局公団の所有に帰属するのでございましようね。買取つた大豆は……。
  836. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  837. 小玉治行

    ○小玉委員 そこでその公団の所有に属する大豆を一手売渡しの形式によつて、いわゆる業者でありまするとかいうものに最終販売価格によつて販売するわけでしよう。
  838. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  839. 小玉治行

    ○小玉委員 そこから公団大豆代金として金を取得するわけですね。
  840. 中原雄

    中原証人 さようでございます。
  841. 小玉治行

    ○小玉委員 その金は、さような次第であればそつくりそのまま公団の所有に属する金であつて、その以外の何物でもないのじやないですか。
  842. 中原雄

    中原証人 公団の所有に属する金という意味が私はつきりいたしませんが……。
  843. 小玉治行

    ○小玉委員 どうしてはつきりしない。公団大豆を売るのだ。その代価として得た金は公団の所有じやないか。
  844. 中原雄

    中原証人 公団收入でございます。
  845. 小玉治行

    ○小玉委員 收入すなわち所得じやないですか。大豆を売つて、その代価として来る金が收入、すなわち公団の所有に属する金じやないですか。そつくりそのままですよ。
  846. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは問題はないでしよう。
  847. 小玉治行

    ○小玉委員 しからばこの大豆増産獎励金をその中から出されることを承諾され、承認されたという事業計画、そうなれば結局油糧公団の所有に属する金、收入、すなわち所有に属する金を大豆協会支出するということを承認されたということには一点の疑いがないのではないかと思いますが、いかがですか。
  848. 中原雄

    中原証人 それは先ほど委員長にも申し上げました通りに、その收入の一部であるマージンの中に大豆増産獎励金という性質の金が入つておる。かようなことを申し上げたわけでございます。それを大豆増産獎励のために、大豆協会公団がこれを使わせた。
  849. 小玉治行

    ○小玉委員 それだからといつてその金が油糧配給公団の金でないという結論は出て来ないでしよう。
  850. 中原雄

    中原証人 形はそうですが、先ほど申し上げましたように、事柄の性質からも考えますと、最初から使途を予定された金であるわけでございます、実質的に考えますれば……。
  851. 小玉治行

    ○小玉委員 使途が予定されておる——さようなことは言えますか。たとえば大豆価格をきめる場合に、運賃というものがこれに組み込んであるとする。価格構成要素の中には運賃もあり、いろいろあるでしよう。ところがあなたの論で行けば、その価格構成の中に運賃というものがあつた、だからこの油糧公団がこの金の中から運賃を支出した。そうなればそれも結局国家の金を使つたのではないというような議論になりますが、使途がきまつてつたからいわゆる国家の金、收入にあるものを出したのではないというような考え方であなたは言つておるようであるが、これがたまたま獎励金であるからそういうことを言うが、たとえば運賃だつたらどうですか。運賃も私の団体、トラツク業者とか、いろいろな人に支拂うわけですよ。私の人に拂う。価格構成の中の一要素です。それはどういうことになりますか。使途がわかつたゆえに、それはいわゆる公団の所有に属しないという議論は出て来ないと思います。これは見やすい考え方と私は思うのですが、それをあなた方はやはりはつきりされぬで、それがどこの所有に属する金であるということがはつきりしないのですが、はつきりしないならば、たれの金だということをはつきりひとつあなたの考えで申してもらいたい。根拠を明らかにしてもらいたい。
  852. 中原雄

    中原証人 先ほど申し上げましたように、最初からこれは使途が予定されておつた金でございますので……。
  853. 小玉治行

    ○小玉委員 それに使うのはよろしいが、使う前の金の帰属ですよ。
  854. 中原雄

    中原証人 借受金的の性質だと考えております。
  855. 小玉治行

    ○小玉委員 どこからの借受金、どこから借り受けておる……。
  856. 中原雄

    中原証人 しいて申し上げますれば、大豆増産のために消費者から借りておる……。
  857. 小玉治行

    ○小玉委員 消費者から借受けた——消費者はこの大豆価格構成の中にそういうものが入つておるということはわかつていないでしよう。消費者から借受けた、こういうのですか。驚き入つたる私は議論だと思います。  それからあなたは、十五條の附帶事業、それだけでこの金が支出ができるという見解を持たれておるようであるが、さような見解はあなた一個の見解であるか、ないしはあなたのおられる物価庁ですか、物価庁内におられるどの程度の人のそれは知識というか、いわゆる協議というか、相談の結果さようになつているか。その人的範囲、さようなことに決定するに至つた人的範囲、あるいは上司下僚においてさような協議をされたのか。あなた一個でさような考えをしてさようなとりはからいをしたか、その点をお聞きしたい。
  858. 中原雄

    中原証人 私一個の判断では、とりはからいはこれはできないのでありまして……。
  859. 小玉治行

    ○小玉委員 それではだれだれと相談されてやつたか、具体的に人名をあげてもらいたい。
  860. 中原雄

    中原証人 これは形といたしましては、承認の形式をとつております。
  861. 小玉治行

    ○小玉委員 その承認の形をとるのに、物価庁内でだれだれで協議されたのですか。
  862. 中原雄

    中原証人 物価庁ではございません。農林省でございます。
  863. 小玉治行

    ○小玉委員 あなたは農林省油脂課長ですね。人的にはだれだれの範囲でさような相談をされているか。
  864. 中原雄

    中原証人 食品局長。
  865. 小玉治行

    ○小玉委員 だれですか。
  866. 中原雄

    中原証人 三堀參郎でございます。それから私、それからその承認をいたしました場合には食品局の総務課。
  867. 小玉治行

    ○小玉委員 食品局の総務課長でございますね。何という人ですか。
  868. 中原雄

    中原証人 奥田という人です。それからもう一人総務課の事務官で夷、大体この四人であります。
  869. 小玉治行

    ○小玉委員 さようなことにとりはからうことについての協議を重ねたのであるか。一回きりでそういうふうにきまつたのであるか。これを検討したときの愼重さをお聞きしているのであるが、どういう程度で決定したのか。だれが発案してだれが了承ということになつたのですか。
  870. 中原雄

    中原証人 発案ということはないのでありまして、申請書に、付帶業務として認定をしてくれ、かようにしたためました書類が出たのです。
  871. 小玉治行

    ○小玉委員 油糧配給公団から……。
  872. 中原雄

    中原証人 はあ、それが妥当であるかどうかということの検討をいたしたわけでございます。
  873. 小玉治行

    ○小玉委員 何回くらい検討いたしましたか。
  874. 中原雄

    中原証人 回数はどうも……。
  875. 小玉治行

    ○小玉委員 それでは一回でさらつと通つたのですか。
  876. 中原雄

    中原証人 いや、いろいろ意見が出まして……。
  877. 小玉治行

    ○小玉委員 どういう意見が出ましたか。
  878. 中原雄

    中原証人 意見といたしましては、先ほどの油糧配給公団の附帶業務であるかどうかという点で意見が出たわけでございます。
  879. 小玉治行

    ○小玉委員 だれから出ましたか。
  880. 中原雄

    中原証人 はつきり記憶はございませんが、特に総務課側から出たと思います。
  881. 小玉治行

    ○小玉委員 その四人によつてよかろうということで承認した。こうおつしやるのですね。
  882. 中原雄

    中原証人 はい。
  883. 小玉治行

    ○小玉委員 それから先ほど大豆増産獎励金支出については決算報告が出ていると、かようにあなた申されたが、さようでございますか。
  884. 中原雄

    中原証人 出ております。
  885. 小玉治行

    ○小玉委員 それはいつごろ何回出ておりますか。何回くらい決算報告は……。
  886. 中原雄

    中原証人 決算報告は年に一回でございます。
  887. 小玉治行

    ○小玉委員 すると今まであなたの方では年度々々で何回出ておりますか。
  888. 中原雄

    中原証人 二十一年度からでございますから、私がはつきり今記憶いたしておりますのは、二十三年度につきましては明確に出ております。
  889. 小玉治行

    ○小玉委員 それはありますね。現在役所に……。
  890. 中原雄

    中原証人 ございます、役所に。
  891. 小玉治行

    ○小玉委員 それは委員長、取寄せてありますか。
  892. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 取寄せてありません。
  893. 小玉治行

    ○小玉委員 それは委員会の方でお取寄せを願いたいと思うのですが、ひとつ委員会の方から取寄せる手続を私御依頼いたしますから、あればひとつ出していただきたい。かように考えております。
  894. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた今報告は年に一回だと言われたが、これには附帶事業としての承認を與えるときには、本件事業計画の進行状況及び所要経費の支出状況に関しては毎月報告すること、こういう條件がありますね。
  895. 中原雄

    中原証人 それは増産獎励金の方でありまして……。
  896. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の集荷督励費……。
  897. 中原雄

    中原証人 例の差金の集荷督励費の方でありまして、今のお尋ねは増産獎励金で……。
  898. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 増産獎励費公団の附帶事業ではないでしよう。そうでございますね。
  899. 中原雄

    中原証人 附帶事業とは考えておらないのでございます。
  900. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは毎月出ておりますか。
  901. 中原雄

    中原証人 出ておりません。
  902. 小玉治行

    ○小玉委員 それは年に一回というのですか。
  903. 中原雄

    中原証人 大豆協会からの決算報告は年に一回です。
  904. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 このことについて毎月出せというのに出していないのですか。
  905. 中原雄

    中原証人 今日までのところ出ておりません。
  906. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは驚き入つたものですね。ちやんと條件にして出していながら、それをとらぬでいいのですか。
  907. 中原雄

    中原証人 それは終始督促いたしまして、中間報告的なものは一回出ておりますが、正式の書面の報告は出ていない、かように申し上げたわけです。
  908. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さようなものに金を使つていいのかということを言わなければならぬ。
  909. 小玉治行

    ○小玉委員 決算報告でありますが、年に一回出しているということですが、二十三年度は確かに出しましたか。
  910. 中原雄

    中原証人 大豆協会大豆増産に関する支出の決算報告書であります。
  911. 小玉治行

    ○小玉委員 それでもけつこうですから……。
  912. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは驚き入つたことです。何のためにこういう條件をつけたのですか。
  913. 中原雄

    中原証人 それはきちんと報告させようと思つてつけたわけです。
  914. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを黙つてつたのですか。
  915. 中原雄

    中原証人 黙つておりません。督促いたしております。
  916. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 監督官庁へ出さなかつたら、督促だけではいかぬでしよう。支出をしなければいい。
  917. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 証人証言を冷靜に聞いておりますと、結局ここにおちつくのであります。出発点は、証人と安本の物価庁の明石主要食品課長とが価格をきめるときに、そこに六円十五銭か何か織り込んだという、ここへ落ちついて来ると思うのであります。こういうことが実際できるのならば、価格等統制令というものは死文に帰する。こういうことはいろいろな由来もあり、いきさつもあつてきめたとおつしやるのだが、こういうちやんとした法律を死文に帰せしめるようなことをあなた方当事者だけでおやりになつたのか。両方の大臣まではつきりとこういう点を了承してやつたのかどうか、念のためにもう一度お尋ねいたしておきます。それから六十キロ六円十五銭とおきめになつたそうだが、七円にきめても五円にきめても、あなた方がかつてにきめられたその根拠はどこから出たのか、まずその点をはつきりしていただきたい。
  918. 中原雄

    中原証人 価格の決定権につきましては、これはもちろん農林省にはないのでございまして、物価庁の所定の手続があつて初めて告示になるわけであります。従いまして私どもの方で恣意に明石君と相談いたしまして、六円とか七円とかきめられるものではないのでございます。われわれ農林省といたしましては、物資の価格をきめます際に意見を述べて、物価庁の参考に供するのでありますから、従いましてただいまお話がございましたような、恣意な決定はとうてい機構上できないと考えております。なお手続的には、これは大臣のところに行くような性質のものじやないと考えておりますし、また実質的に告示につきましては、これは物価庁の内部はどういうことになつておるか知りませんが、決裁の権限はあるいは部長あたりにまかしてあるのではないか、かように考えております。
  919. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 驚き入つたことを聞くのでありますが、大臣にも全然知らしてない。知らす機構になつていない。結局価格等統制令はあなた方がこういうきめ方を——まあこれ一つだろうと思うが、もしほかにもこういう方法でやられれば、あんな統制令があつても自由にどういうことでもきめられる機構である、またそれでさしつかえないと、こう今もお考えになつていますか。
  920. 中原雄

    中原証人 私がただいま申し上げましたのは、私が物価庁と話をしましてかつてにきめられるものではない。物価庁物価庁の権限におきまして価格を決定するものでございまして、われわれとしては参考のために物価庁意見を述べる、かようなことを申し上げたわけであります。
  921. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 一課長としてはそこに惡意なしに、こうきめられたものを一つの事業として過失なくやればそれでいい。自分には全然責任がないとお考えになるのは当然であります。しかしもつと掘り下げて考えましたときに、あなたの責任はそれでいいでしよう。單に参考として六円十五銭というものをつけ足しただけだから、何もあなたに責任を帰せよというのではないが、日本の全体の価格政策として、そういう方面で参考資料を出される。そうするとその明石という人が立案をし、いろいろ考えて、長谷川第二部長のところに行くのかどうか知りませんが、ともかくも大臣まで行くか行かぬ程度できまつてしまう。そういう機構であなた方役人の方は、それで価格等統制令をも死文に帰せしむるようなことをしても何もさしつかえない。こうお考えになつておるのでありますか。
  922. 中原雄

    中原証人 決してさようには考えておらないわけでございまして、これは物価庁価格をおきめになるときに、どういう手続をおとりになるか、私はただいまのところ存じておりません。
  923. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただ意見を言うだけだというのだ。
  924. 小玉治行

    ○小玉委員 ちよつとその価格の点で一点だけ伺いたい。油糧公団であるとか、なお進んでは大豆協会あたりの意見も参酌して聞く。また大豆協会油糧公団の方から、今度大豆獎励金は何ぼに見てくれというような了解というか運動というか、そういうことはあなた方に対してもあるのではありませんか。
  925. 中原雄

    中原証人 それは運動と申しますか、一応計画が出て来れば、当然それの内容の説明があるわけでございます。
  926. 小玉治行

    ○小玉委員 いや説明だが、その価格構成するのに、油糧公団なり大豆協会なりから、今度の大豆増産獎励金はこれこれだけ見てくれということを下の方からあなたの方に言つて来る。そこでその意見も参酌して、またあなたが物価庁の何課長かの方に進言するというような取扱いにはなつていなかつたかということをお聞きしているんです。
  927. 中原雄

    中原証人 これは当然計画書が出ました際に、農林省物価庁と両方に予算の形で出て来るわけでございますから、結果としてはさようなことになると思います。
  928. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしゆうございます。
  929. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 当然のことです。では済みました。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時五十四分散会