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1949-11-18 第6回国会 衆議院 考査特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十八日(金曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 高木 松吉君    理事 内藤  隆君 理事 吉武 惠市君    理事 猪俣 浩三君 理事 大森 玉木君    理事 木村  榮君 理事 小松 勇次君       安部 俊吾君    岡延右エ門君       菅家 喜六君    佐々木秀世君       塚原 俊郎君    福井  勇君       福田  一君    加藤 鐐造君       前田 種男君    橋本 金一君       村瀬 宣親君    横田甚太郎君       小林  進君    浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (元農林省食品         局長)     三堀 參郎君         証     人         (食糧庁食品部         油脂課長)  中原  雄君 十一月十七日  委員赤松勇君辞任につき、その補欠として前田  種男君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  前会に引続盲き団をめぐる不正事件について調査を進めます。ただいまお見えになつている証人の方々は三堀参郎さん、中原雄さんであります。ただいまより証言を求めることになりますが、この前宣誓はしてありますが、時間がたちましたから、あらためていたします。  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師事薬剤師薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知なつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。それでは三堀さん、代表して宣誓書を朗読してください。     〔証人堀參郎君証人を代表して宣誓
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求める順序は三堀さん、中原さんといたしますから、中原さんはいましばらく控室の方でお待ち願います。  三堀參郎さんですね。
  5. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。 ○鍛冶委員長事 あなたは現在何をおやりになつておりますか。
  6. 三堀參郎

    ○三堀証人 私の本職はたただいま食料品配給公団の総裁でございます。
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからおやりになつていますか。
  8. 三堀參郎

    ○三堀証人 今年の六月三日付であつたと思います。
  9. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前は農林省食品局長であつたようですが、それはいつからいつまででしたか。
  10. 三堀參郎

    ○三堀証人 二十二年の五月の終りであつたと思いますが、それから今年食料品配給公団に参ります前に、五月の終り食品局長を辞職いたしております。
  11. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 食料品配給公団はどういうことを取扱つておりますか。
  12. 三堀參郎

    ○三堀証人 みそ、醤油、アミノ酸、砂糖、乳製品の一手買取り、一手販売をやつております。
  13. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省において、油脂資源増産奨励及び出荷奨励などの業務についての監督は、何局でやつておるのですか。
  14. 三堀參郎

    ○三堀証人 油脂資源と申しましても、非常に各方面にわたつておりまして、たとえば農産関係油脂資源でありますと、その増産関係農政局でありますし、水産関係でありますと、当時の水産局でやるのが一応の建前なつております。出荷関係につきましては、たとえば大豆につきましては、農政局関係がありますけれども、当時の食糧管理局関係するということになります。ただ御承知通り国内油脂資源が非常に貧弱であります。と同時に、その増産なり出荷関係は、特別な手配を要する関係もありますので、油脂配給食品局でやつております関係上、食品局がそういう増産関係なり、出荷督励関係にも相当にタツチいたしまして、農政局なり、それから水産局食糧管理局連絡をとりましてやつてつたのが、当時の現状でございます。
  15. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると農政局及び水産局が直接の監督局なのですか。
  16. 三堀參郎

    ○三堀証人 さようであります。
  17. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 食品局は間接の監督局になるのですか。
  18. 三堀參郎

    ○三堀証人 食品局油脂配給業務を担当するのが形の上での建前なつておりますけれども、たとえば菜種なんかに例をとつて申しますと、大豆もそうでありますが、菜種大豆等に関して、農政局に專門の職員が予算の関係上ほとんどいないというのが、現在の実情なのであります。従つて食品局といたしましては、大豆なり菜種なりが、国内油脂資源として非常に重要である関係上、その増産なり、あるいはまた集荷の面につきましても、むしろ積極的に農政局に応援するという建前をとつてつて参つておりましたし、それがまた省内においても当然のこととして認められておつたわけであります。
  19. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出荷慫慂はどうですか。
  20. 三堀參郎

    ○三堀証人 出荷関係は、原則といたしましては食糧管理局がやることになります。ところが食糧管理局は、御承知通りに主食といたしましての米麦、あるいはいも等関係がおもになりまして、蛋白源資源といたしましての大豆につきましては、特殊な事情もありますので、どうしてもそれほど力が入らないというように、配給業務を担当いたします食品局から見れば見えることになるわけであります。従いまして食品局といたしましては、そういう食糧管理局十分手の届かない点も、配給業務を担当するという建前から、やはりこれも積極的に応援もし、連絡もとつて食品局自体もいろいろと施策をするというのが、当時の実情であつたのであります。
  21. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団事業計画については、どういう手続をもつて計画がきまるものでありますか。
  22. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団事業計画につきましては、公団法にあります通りに、建前といたしましては、形の上では経済安定本部総務長官最終責任者でありまして、経済安定本部総務長官認可をするということになつております。ただその認可をする前に主務大臣連絡をする——たしかそういう文句であつたと思いますが、連絡をして経済安定本部総務長官認可をする。そういうことになつております。実際上の事務手続から申しますと、事業計画公団において策定せられますと、それを安定本部農林省両方に出しまして、両方が並行して審議をいたしまして、両者連絡をとつた上で、形の上では経済安定本部総務長官の名前において認可をする。こういうことになつております。
  23. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、この計画主務官庁は、経済安定本部総務長官なんですね。
  24. 三堀參郎

    ○三堀証人 形の上では経済安定本部総務長官でありますけれども、実質仕事は、何と申しましても安定本部は人も少ないし、また第一線の仕事でもありませんので、実質面におきましては、もちろん主務官庁としての農林省責任をとるというのが、実質上の意味でのことになろうかと存じます。
  25. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうかといつて安定本部長官を無視して、農林省だけでやれるわけではないでしようね。
  26. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろんその通りであります。
  27. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団法第十五條には、附帶事業というものがありますね。この附帯事業とはどういうものを指して言うのでしようか。
  28. 三堀參郎

    ○三堀証人 附帯業務と申しますのは、公団法建前では一手買取り、一手販売、それから保管輸送加工、たしかそういうものが主たる業務として法律上きめられておりまして、それに附帯する業務ということになりますので、一手買取り、一手販売なり、あるいは保管輸送加工なりに関連を持つ業務であれば、これは附帶業務として認められるわけなのでありまして、必ずしも範囲は明確ではありませんけれども、一般の通念で、この程度であれば附帯業務というようなことで、何と申しますか、言葉は当てはまらないかもしれませんけれども、常識的、社会通念的な考え方で、附帯業務は処理して参つております。
  29. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団法第十五條には「油糧配給公団は、経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続並びにこれらに関する指示に基き、主務大臣監督に従い、左の業務を行う。一、物価庁の定める価格による国内産油糧及び輸入油糧の一手買取及び一手売渡二、油糧保管輸送加工及び検査三、油糧取扱業者指定四、第一号及び第二号の事業に附帯する業務」こうなつております。従つて物価庁の定める価格により、国内産油糧及び輸入油糧の一手買取り及び一手売渡しに附帶する業務、これが一つ、その次は油糧保管輸送加工及び検査に附帯する業務、これ以外はないわけですね。
  30. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうであります。
  31. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これを附帯業務としてやるということは、指定するのですか。それとも法律に定めてあるから、別にやらないのですか。これはどういう手続でやりますか。
  32. 三堀參郎

    ○三堀証人 附帯業務につきましては、別段法律的には指定とか認可とかいう建前はありませんので、この程度のものは附帯業務というような、要するに法律解釈で定まるのでありまして、形式的な意味においての認可とか、あるいは指定とかいう手続はありません。
  33. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この中に入つておれば当然……。
  34. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうであります。
  35. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでこれを読んでみますと、先ほど聞いた油脂資源増産奨励及び出荷督励費というものは、これに入らぬようですが、いかがですか。
  36. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧公団関係は他の公団、たとえば私が現在関係しておりますところの食料品配給公団などと違いまして、原料の面が非常に重要になつておりますので、特に油糧公団につきましては、設立当時から国内産油脂資源増産関係でありますとか、あるいは集荷関係等については、これは当然油糧公団もある程度関係を持ち、これに積極的に力を入れるということは、当初から通念的にだれでも怪しまなかつた問題なのでありまして、これは油糧公団に特に限定せられたと申しますか、特別な現象であろうと思います。
  37. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 特別な現象附帯業務として認めてある、こういうのですか。
  38. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧公団が今申し上げましたように、国産油脂資源につきまして、特に力を入れなければならない立場にありますので、特に附帶業務として考えるのは当然であろう、かように思うのであります。
  39. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今のこの第十五條のどこからそれが来るのですか。今読み上げたものには、われわれの常識ではそれは入らぬように思うが……。
  40. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは油糧公団建前といたしまして、法律の字句的な解釈からいたしますれば、一手買取り、一手販売附帶業務という意味には解釈上なるだろうと思います。
  41. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 原料ということは全然入つていないのですよ。国内産油糧及び輸入油糧の一手買取り、一手販売ということになつておる。その次は油糧保管油糧の買取りということになつて、原料ということは入つておらぬ。入つていないのは当然だと思うが……。
  42. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点はこまかく申し上げますと、油糧公団仕事は、原料といたしましての大豆なり、菜種なりを買いまして、そうして買つた大豆菜種油糧関係製造業者に売渡して、そうしてその油糧関係業者がつくつた油をさらにまた買つて、今度は販売業者を通じて最終消費者に売つたりする、こういう二段階になるわけであります。従つて原料としましての菜種なり、大豆なりの集荷でありますとか、あるいはさらに当時の事情から、その増産関係等につきましても、いわゆる一手買取りという面から、やはり油糧公団も当然関係を持たなければならないであろう、こう考えておる次第なのであります。
  43. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 原料なるがゆえにもちろんという解釈ですか。
  44. 三堀參郎

    ○三堀証人 原料なるがゆえに、しかもまた当時から——現在もさようであろうと思いますが、わが国油脂資源の需給の現状から考えまして、当然これはそうしなければならない、そうあるのが妥当だ、こういうように考えておるわけであります。
  45. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧油脂も同然ですか。
  46. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧と申しますのは、特に特別な意味を持ちまして、いわゆる油だけであれば油脂ということになりますが、油糧というのは、油の原料としての大豆とか、菜種でありますとか、そういうものを含めて油糧と申すわけであります。またさらに油をしぼつた、たとえば大豆かすも広い意味では油糧になる。油脂油糧というものは、そういう使いわけをしているわけであります。
  47. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、この油糧というものの中には原料も含むのですか。
  48. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう建前なつております。
  49. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会というものがあつたことは御承知ですね。
  50. 三堀參郎

    ○三堀証人 承知いたしております。
  51. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういうものですか。
  52. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会は、大豆をいろいろと使いますいわゆる需用者、たとえばみそ業者しようゆ業者、その他もちろん油の製造業者もあるわけであります。そういうように広く大豆関係をいたしておりますメーカーの団体が、それぞれあるわけでありますが、そういう団体が、終戦後日本の大豆が非常に不足しておるという事情に応じまして、輸入の増大をはかるということが一つと、それから国産大豆増産なり、それからまたさらに増産されましたものの徹底的な集荷をはかるという意味で、そういう点を中心にしまして、さらにまた、その大豆のいろいろな消費方面の利用の向上をはかるというようなことも含めましてつくりましたのが、大豆協会であります。
  53. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前にもう一つ、先ほど言つた附帶業務の中に、一号、二号はともに油糧なつておるから原料を含むということはわかりましたが、増産奨励並びに出荷督励というものは、この中へ含むものですか、いかがですか。
  54. 三堀參郎

    ○三堀証人 増産関係も、先ほど申し上げておりますようなわが国油脂現状からいたしまして、どうしてもこれは手を触れなければならない問題だという意味で、含めておるわけでありまして、当時としてはおそらく妥当な考え方じやなかろうかと思つておるわけであります。
  55. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 附帶業務としてですか。
  56. 三堀參郎

    ○三堀証人 ただ督励という意味はいささか当てはまりませんのでありまして、出荷督励は、行政的な政府機関がやるわけでありまして、ただその出荷の促進をはかるという程度のことは、やはり考えられることじやなかろうかと思うのであります。
  57. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 関係があるから当然やらなければならぬ、これはわかりますが、前に言つたように、事業計画安定本部長官認可を得なければならぬ、そうしてその割当計画に基いてやる。それが認可を経ぬでいいというようにきまつておるものであるか、それを聞いておる。
  58. 三堀參郎

    ○三堀証人 安定本部総務長官認可を得ます事業計画と申しますのは、これは数学的に年間を通じまして、たとえば大豆幾らを集買する、そうしてそれを幾らで売るというようなことが事業計画になるのでありまして、今申しますように、実質上の仕事としての集荷でありますとか、増産奨励とかいうような点が、必ずしも事業計画にそのまま数字的に出て来るということにはならない場合もあろうかと思います。
  59. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事業計画なら、前もつてあなたの方で出して、そうして総務長官認可を得るわけですね。その認可を得た附帶事業であれば、あらためて認可を得なくてもいい。その附帶事業以外のものであれば、認可を得ればいい。認可を得ぬでもやれるという、その点はつきりしてもらいたい。もつと率直に言いますと、われわれの法律上の常識から言いまして、この一号、二号にははまつておりません。保管にも、輸送にも、加工にも、検査にもならない。ましてや買取り、売渡しにもならない。増産奨励出荷督励なのですから、これははまらぬ。そうすれば長官の定めた割当計画以外のものだ。しかしあなたの方でやればいいということと、当然やれる、またそういうものをやろうとすれば、認可を得てやればいいんだということは、たいへん区別がありますが、それはどうですか。
  60. 三堀參郎

    ○三堀証人 事業計画として出て来ますものは、たとえば年間を通じて何万トンの大豆を集買するとか、あるいは何千トンの菜種を買い入れるとか、水産油脂幾ら、何は幾ら、こういうようなものがいわゆる事業計画なのでありまして、附帶業務として出て来ますようなもの、たとえば増産奨励事務をどうだとか、あるいは出荷奨励事務をどうだとかいうことは、必ずしも事業計画には出て来ないのでありまして、ここのところが、この事業計画と一致しない点じやないかと思います。
  61. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすれば、事業計画以外のものでしよう。以外のものなら、そういうものをやるときには、以外のものなるがゆえに特に許可を得なければいかぬ。こう考えるのは当然じやありませんか。
  62. 三堀參郎

    ○三堀証人 事業計画として認可せられますもの以外のものが、仕事としてはあるということは考えられると思います。
  63. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もちろんあります。公団でやつた方がいいものもあります。それならば、附帶事業だからといつて特別認可を経ぬでもよいのか。それとも、これはおれの方でやつた方がいいと思うから認可してもらいたい、こう出事るのか……。
  64. 三堀參郎

    ○三堀証人 附帶業務は、全部必ず経済安定本部長官認可を受けなければならない性質のものだとは思えないのです。
  65. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、第十五條に入つておらぬ附帶業務は、認可を経ないという御議論ですか。
  66. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団事業は、必ず全部事業計画の中に入つて来るという性質のものではないのでありまして、何が幾ら、何が幾らと出て来る物資別のものが、事業計画になるわけでありますが、それ以外に、事務的な仕事としての附帶業務があり得るわけであります。一例を引いて申し上げますと、私の方の食料品配給公団では、たとえば砂糖輸入いたします。その輸入します砂糖数量は、もちろん事業計画の中に出て来るわけであります。そうすると、その事業とは別に、売つたあとの袋にいくらかついておる砂糖があります。それからまた倉庫の中に、二号糖と申しますこぼれた砂糖があるのであります。そういうときには、その二号糖を処理する、たとえばそれを業者渡し糖密をつくるというような仕事は、附帶業務として当然出て来ると思います。そういう附帶業務は、必ずしも事業計画の中には出て来ないわけであります。そういうような例があるわけなのであります。事業計画業務とは必ずしも数字的にマッチするということにはならない場合がある。私の申し上げたのはそういう意味なのであります。
  67. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 砂糖袋についておつた砂糖の処理ということは、くつついておつたものだからいいが、砂糖原料をおれの方で仕入れてやつた方がいいからということになつたら、これは大分違うじやありませんか。
  68. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、大豆を何万トン、あるいは十何万トン買い入れるというようなことは、当然これは事業計画に出て来るわけでありますけれども、それに附帶しまして、増産奨励仕事をするとか、あるいはまた出荷奨励仕事をするとかということは、必ずしも事業計画の中に、数字的には出て来ない場合があり得るということを申し上げたのであります。
  69. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで聞いておるのです。計画に出ておらぬことを公団でやるときには、計画にないのですから、あらためて計画の中に入れるべく安本長官認可が必要じやないかというのです。その点さえ言われればよいのです。
  70. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう附帶的なこまかな点は、事業計画の中に出て来ないので、認可を受けない。こういうものもあり得るだろうというのであります。
  71. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、増産奨励であるとか出荷奨励ということは、こまかいことだから目こぼしでよいという意味ですか。
  72. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう意味ではなしに、数字的な事業計画の表の中には、出て来ない性質のものだということです。
  73. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 計画に出て来ないということは、計画以外のことだから、その計画以外のことをやるときには、安本長官許可認可がいるじやないかというのです。公団でやるべき仕事計画をちやんと立てて、安本長官認可を得てそれがきまる。そのきまつた事業計画附帶事業なら、これをやつてよいということが十五條にきめてある。そうすると、あなたの言われるのは、計画の中に入らない、いわんや十五條の一項にも二項にもはまらぬものであれば、計画以外のものである。附帶事業であるかもしれないが、計画以外の附帶事業ではないですか。
  74. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、その点にどうも食い違いがあるのであります。繰返して申し上げておりますように、事業計画として提出されますものに、それぞれ物資別数字金額が出て来るわけでありますが、増産奨励事務であるとか、あるいは出荷奨励事務とかいうようなものは、そういう物資別数字金額によらない性質のものでありますから、従つて事業計画には載らないというのであります。
  75. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 載らなかつたら、そういうことを公団でやろうとするときには、あらためて認可を要するのか、それとも認可がいらぬのかということを聞いているのです。
  76. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、それは事業計画範囲外だと思つております。
  77. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 範囲外なら認可がいるでしよう。
  78. 三堀參郎

    ○三堀証人 認可がいる事業計画の中に入らないというのです。それはいわゆる事業計画ではないというのです。     〔大橋委員附帶業務としての認可はいらないのか」と呼ぶ〕
  79. 三堀參郎

    ○三堀証人 附帶計画認可はいらないのです。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、事業計画に入らぬ仕事でもやつてよい、こういうことですね。
  81. 三堀參郎

    ○三堀証人 ちよつと申し上げます。事業計画というのは、先ほどから申し上げておりますように、品目別に、たとえば大豆でありますとか、菜種でありますとか、そういうものは数字的に出て来て、それは数量幾ら金額幾らという表になりますので、出荷事務であるとか、あるいはまた増産事務というようなものは、事業計画に載らない性質のものだ、こういうことであります。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いやわかりました。それはそれでよろしい。載らない性質のものであれば、安本長官認可を得なくてやれる、こういうのですね。
  83. 三堀參郎

    ○三堀証人 認可とりようもないのです。事業計画に載らない性質のものでありますから。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まあ私もふに落ちませんし、委員諸君もふに落ちないようですが、それはそれでよいです。  さて、大豆協会大豆増産奨励業務取扱つたというのですが、そういう事実はありますか。
  85. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会大豆増産奨励事務をやつておりました。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは油糧公団附帶業務として、大豆協会で何か委託でもしてやらせたのですか、それとも大豆協会が直接やつたのですか。
  87. 三堀參郎

    ○三堀証人 別段公団から大豆協会委託をしたということではないと思います。これは、大豆協会協会自体性質から、そういう仕事をやりたいということを農林省の方に御連絡をいたしまして、やつた仕事であると思つております。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、農林省大豆協会の申請に基いて、大豆協会に直接これを取扱わせた、こういうことですね。
  89. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことです。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その認可の実際の仕事をお取扱いになつたのは。
  91. 三堀參郎

    ○三堀証人 当時におきます私であります。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その業務をやるについての経費は、どういうところより支弁することになつておりましたか。
  93. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会の経費は、事務費的なもの——ちよつと数字は記憶しておりませんけれども、先ほど申しましたように、協会に構成員がありますので、構成員から分担金という形で醵出いたしまして、ある程度のものを支弁し、それから増産奨励に関する事業費につきましては、これは油糧公団ができます前、帝国油糧と申しておりました時分から、大豆価格の中に、たしか増産奨励費という名目だつたと思つておりますが、増産奨励費という名前で織り込まれておりまして、それを大豆協会渡して、そうして大豆協会がそれで増産奨励事務に当つてつたのであります。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会に渡すというのは、どういう方法で渡すのですか。
  95. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆は、油糧公団が結局政府から一手に買取るわけでありますので、油糧公団のマージンの中に、その増産奨励費が織り込まれておるわけであります。従つて油糧公団が、その大豆増産奨励金に当る分だけのものを、大豆協会渡しておつたわけなんであります。
  96. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことも、あなたの方で認可されておつたのですか。
  97. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは認可とかいう、特別な形式的な手続はとつておらないのでありまして、経費の中に織り込まれておるわけであります。これは物価庁ともいろいろ相談いたしまして、当然建前から申しますと、そういう増産奨励仕事は、これは国の予算でやるべき性質仕事ではありますけれども、当時の財政状態から見まして、そういう増産奨励仕事を、国家の予算に織り込むということが非常に困難であるということを物価庁も認めまして、価格の中に一定の金額が織り込まれまして、そうしてその金は物価庁がきめた際に、すでに大豆協会に渡すという性質のものできめられておるわけでありますので、公団からその金額に当る分だけを、大豆協会に交付しておつたわけです。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、そういう事業は正式の認可とか、許可というものはなかつたのですね。
  99. 三堀參郎

    ○三堀証人 その仕事と申しますと、どの点……。
  100. 鍛冶良作

  101. 三堀參郎

    ○三堀証人 増産奨励につきましては、先ほど申しましたように、事業計画の中には別段入つておらないわけでございます。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会がやるという認可とか、許可もいらぬので事すか。
  103. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほど申しましたように、物価庁大豆価格の折衝をいたします際に、あるいは二円とか、あるいは五円何がしというものが織り込まれた際に、すでにこれは大豆協会増産奨励費として交付すべきものだということで、農林省物価庁とが意思の一致を見て決定いたしておるわけでありますので、価格がきまつた際に、すでにその点ははつきりしでおる。こういうことになるわけであります。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では、どういう方法でやることにきまつておりましたか。金を渡すときに……。
  105. 三堀參郎

    ○三堀証人 今までお話し申し上げましたように、公団がその代金は一応取立てるわけでありますので、公団の手を通じて大豆協会に渡す、こういうことに物価庁農林省とが意見の一致を見まして、これが大豆価格の決定ということによりまして決定せられる、こういうことになるわけでございます。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、その大豆協会の受取るべき金を、公団大豆協会にかわつて委託を受けて受取つてつたのですか。
  107. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会は、もちろん公団委託をするという形はとつておらないわけでありまして、ただ価格建前上、大豆を一手に買取るのは油糧公団でありますので、油糧公団がかりに価格の面におきましての機関になりますので、油糧公団大豆を買取つた際に、すでにその分は大豆協会に渡すべき性質の金だということで受取つており、従つて受取つたあとは、これを大豆協会渡しておるわけです。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、法律的に言いますと、大豆協会の受取るべきものを、かわつて公団が受取つたのでしよう。
  109. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことになります。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたも相当法律をおやりになつておりますが、今のことには間違いありませんか。
  111. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会に当然渡すべき金を油糧公団が受取つておる。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その意味においては、大豆協会の代理行為をやつておるのですね。代理行為というか、委託行為とでもいいますか。
  113. 三堀參郎

    ○三堀証人 委託ということでも、また代理ということでもありませんので、当然大豆協会に渡すべき金を油糧公団が受取つてつた、こういうことだと思います。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 当然渡すべきものなら、本人は大豆協会でしよう。それを大豆協会にかわつて受取つたのでしよう。そういうほかはないでしよう。
  115. 三堀參郎

    ○三堀証人 かわつて受取つたと申しますのは、少し法律的にはどうかと思うのでありまして、結局形式的な受取りと申しますか、その所有権はやはり油糧公団にあるわけでありますので、油糧公団が形式的にはやはりその所有権は持つておるわけです。従つて大豆協会に支拂うべき金を油糧公団がもらつておる。こういうわけです。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう意味ですか。それじやさらに聞きますが、大豆協会に支拂うべき金を公団が受取つてよいということは、何によつてきまつたのですか。
  117. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは価格の面で、増産奨励費という項目で、物価庁と相談をいたしまして、織り込まれでおるわけであるのであります。従つてその面ははつきりいたしておりますので、その点から決定いたしておる。われわれとして、行政的にはそういうふうに考えております。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、農林省物価庁とで、公団大豆協会に渡すべき金を特に受取つてよいという権限を與えたのですか。
  119. 三堀參郎

    ○三堀証人 結局そういうことになろうかと思います。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代理じやないが、とつたらそのかわりに大豆協会に渡すべき義務がある、こういうことですね。受取る権利があると同時に、大豆協会に渡すべき義務がある、こういうことになりますか。
  121. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律上の義務ということにせんじ詰めて行きますればどうかわかりませんけれども、そういう性質の金だ、こういうことであります。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう権利と義務か、責任か、そういう権限を物価庁農林省とで與えたのですね。
  123. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことになります。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いありませんな。それなら承りたいのですが、一体価格をきめたときにそれを織り込まれたと言いますが、油糧公団価格以外にそれを受取つておるのですか、価格として受取つたのですか。
  125. 三堀參郎

    ○三堀証人 価格としてであります。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格としてなら、二つにわけることはどうしてできるのですか。価格をつくるときには、そういう計算でつくつたのでしよう。米だつていろいろなものが入りますね。いわゆるパリティー計算のときにはいろいろ入ります。しかしそういうものを基礎にしてつくつたものであるけれども、現われて来たものは、米の価格という一つのもので現われて来る。大豆もそうじやありませんか。
  127. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは大豆価格の検討の際に、大豆価格がいろいろな面から検討されまして、さらにそれにプラスいたしまして増産奨励費ということで、ときどきによつてつておりましたけれども、あるいは二円何がしとか、五円何がしという数字がはつきり織り込まれておるわけでありますので、米のパリティー計算の際における、いろいろな要素を含めて、そうして基準米価にかけるという性質のものとは、相当違つた性質のものと考えてよかろうと思つております。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし生産者に対して価格と言うときには、価格はこれだけで、増産奨励費はいくら、こう言つてやるのですか。それとも、これだけの価格で今年收買してやると言うのですか。
  129. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはもちろん生産農家に支拂う場合には、生産者価格で支拂つているわけなのですが、それをさらに公団が政府から買い入れて、そうして公団が他に売る場合にかけられる奨励費なのです。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 買取り価格であることは間違いありませんね。前から幾らなつておつたか知らぬけれども、価格は二本ないのでしよう。一本でしよう。
  131. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、いわゆる大豆の生産者価格と、それから公団の販売価格というのがあるわけなのですから、公団の販売価格の中に織り込まれておるわけなのです。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なるほど。     〔「消費者が負担するんだね」と呼ぶ者あり〕
  133. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうわけです。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから販売価格の中に織り込まれることは間違いありませんね。
  135. 三堀參郎

    ○三堀証人 間違いありません。従つて消費者負担になるわけです。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その販売価格をとるときに、これはほんとうの価格、これは増産費としてとつたのではないでしよう。一本でしよう。
  137. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろんそうであります。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 形式は、販売価格というものがあれば、公団法に基いて当然国庫の收入になるのではないのですか。
  139. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点は、先ほどから申し上げておりますように、大豆増産奨励という仕事は、当然国家でやるべき性質仕事なのでありまして、従つてわれわれも絶えず、また私が在任する前から、大豆増産につきまして国家予算を要求して、今もおそらく繰返し要求しておると存じておるわけなのですけれども、それが容易に実現せられないという実情にありますので、これも物価庁と相談いたしまして、価格の中に織り込んで、価格の中に織り込めば消費者に対する負担は非常にわずかなものになりますので、さしつかえなかろうというわけで、物価庁と一致した意見のもとにやつておるわけなのです。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格の中に織り込んだことは間違いない。価格でしよう。
  141. 三堀參郎

    ○三堀証人 価格です。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格であつたら、公団法第十九條に基いて——あなたは十九條を覚えておりましよう。読みましようか。
  143. 三堀參郎

    ○三堀証人 大体覚えています。けつこうです。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その收入という中の一般経費勘定、その次が事業損益勘定、そのイの收入ですね。売上げ收入、手数料、利子收入、こうなつて事おります。これは売上げ收入の中に入るのでしようね。
  145. 三堀參郎

    ○三堀証人 形の上から言えば、もちろんそういうことであろうと思います。しかし実質上から申しますと、先ほどから申し上げておるような事情でありますので、これは違つた性質の金だ、かように考えております。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その性質はわかりましたが、それは売上金じやないのですか。売上げ收入でしよう。
  147. 三堀參郎

    ○三堀証人 形の上では同じことになりますけれども、実質上の問題で、われわれはやはり先ほどから申し上げておりますように……。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実質——きめるいきさつはどうであつたか知らぬが、売上げ收入であることは間違いないではないか。これから見れば、国庫收入としてまず入れて、そして今あなたの言うように、実はこの中にこれだけ入つているのだから、これをひとつ増産の中へ出してもらいたい。こう出すのがほんとうじやないですか。
  149. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、そういうことができればもちろん問題はないと思います。しかし実際上そういうことができないわけでありますので、その点を物価庁承知の上で織り込んだ価格であります。それで違うわけです。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると物価庁は第十九條を無視して、直接この中からとつていいということを言明しておるのですか。
  151. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん物価庁との間に、公文書のやりとりでどうこうといいことはございませんが、価格建前増産奨励費を織り込むことは——これは一旦今日そういう金が入れば、また増産奨励費として出て行くことは考えられないので、当然それは公団の会計の中から大豆協会に持つて行くということがきまつたわけであります。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、收入支出の予算を組まない国庫の收入があつて、そうして予算以外に出していいということを、あなた方と物価庁とできめたわけですね。
  153. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどから申し上げておりますような事情から起つて来た問題でありますので、これはわれわれといたしましては、当時やむを得ない措置であるとは考えております。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やむを得ないということですが、そういう法律上の権限があるかということを聞いておるのだ。法律上の権限はないが、やむを得ないでやつたというのですか。先ほどあなたの言つたように、公団にとらせて、公団からまた渡すという権限がちやんと與えてあると言うのだが、それはどつちなのですか。権限はないが、やむを得ずそういう便宜な手続をとつたというのと違いますか。
  155. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれといたしましては、そういうような価格の中に織り込み、そうしてこれを大豆協会に交付することはさしつかえないという解釈で行つたわけです。
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、それだけは予算外の国庫收入か。だつて売上げ代金は公団が国庫のかわりにとつているのですからね。それを別にしてもいいと言うのなら、それは予算外の收入ですか。
  157. 三堀參郎

    ○三堀証人 予算外の收入ということも言えないと思いますけれども……。
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは支出はどうですか。予算外の支出ですね。
  159. 三堀參郎

    ○三堀証人 要するにそこのところが、結局実質上の問題と形式的な問題との非常に苦しいところになるわけでありますけれども、その点はお話もよくわかるわけでありまして、われわれといたしましては、当時としてはやむを得ない措置だとしてやつたのであります。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次は国内油脂集荷督励費というものに充てるために、分解硬化用の油脂価格差金というものを公団にとらせて、これも今のと同じようなやり方でやつてつたようですが、そういう事実はありますか。
  161. 三堀參郎

    ○三堀証人 これにつきましても、少し事情は違いますけれども、大体お話した通りに、ほぼ同様な性質かと思つております。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この価格差金を公団にとらせるようになつたのは、この督励費を捻出するがために、それではそうしてとつてよかろうということになつたのですか、どうですか。
  163. 三堀參郎

    ○三堀証人 そのいきさつを、私が記憶している範囲で申し上げますと、大体分解硬化油の価格が、大口の需要者に対する場合と小口の需要者に対する場合と、途中の業者を通ずる通じないで違うわけなのでありまして、同じ分解硬化油でありながら、途中の販売業者の手を通じないために、大口の需要者だけが安い価格原料を仕入れるということになりますと、その間に小口のメーカーはとても対抗ができないという事態が起りますし、その点は大口のメーカーも十分に承知をいたしまして、やはり同じような條件のもとに出さなければいけない、但しその間に当然差額があるわけなので、それの差額は自分たちがほんとうはもらうべきであるけれども、今申しましたように、同じ條件のもとに競争するということになれば金が浮くから、この金は油脂増産のために使うということであれば、これは自分たちも同意をするということに大口メーカーからの申出もありましたので、その金を油脂増産関係に使うということに話をまとめて進めて来ておるわけなのであります。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはそうすると、やはり売上げ代金なのですか、それとも別なのですか。
  165. 三堀參郎

    ○三堀証人 お話の意味では、公団のいわゆる売上げ代金であります。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その売上げ代金をそういうふうに国庫へ納めぬで、別に積んでよろしいということは、だれがそういうことをきめたのですか。
  167. 三堀參郎

    ○三堀証人 今申しましたような事情から入つておる金でありますので、これは油脂増産計画に使うということはさしつかえないことと、当時認定いたしたわけであります。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが……。
  169. 三堀參郎

    ○三堀証人 さようでございます。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今言うように、売上げ代金をそういう別途に積立てさしておいたのでしよう。
  171. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうであります。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 積立てさせたのは、あなたが許可をしたからしたのですね。
  173. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことになります。
  174. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、あなたの許可によつてそういうことが行われた、こう認定してさしつかえありませんか。今言うように、先ほど言つたことと同じことですが、売上げ代金であるとすれば、一応国家の收入、国庫收入となつて、それから必要があればそこから出す、こういうことでなければならぬと思うのですが……。
  175. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点今申しましたように、もしそれを国庫に納付するということでありますと、大口メーカーは承知せずに、これはどうしても自分たちは安い価格でもらわなければならぬということを言い張ることになるわけであります。そうすると、今度は大口メーカーと小ロメーカーとの間の條件がひとしくなくなると、こういう好ましくない状態を起して参りますので、大口メーカーも、その金はしいて自分たちのふところに入れる必要はない。油脂増産のために使われるならば自分たちも同意をする、こういうことから起つて来ておる問題なのでありまして、当時としましては、これもまたやむを得ない措置だと考えておるわけであります。
  176. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やむを得ないということと、適法であるということとは違うのですが。やむを得ないから適法になつたと思つているのですか。不適法だが、やむを得ずやつたというのですか、どつちですか。
  177. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどの大豆の問題にしましてもそうでありますが、そういう措置は、われわれとしては、法律解釈上からもできると考えたわけであります。
  178. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうだとすれば、それじやどういう点が適法になるのですか。売上げ代金を別途に残しておいてもいいという法律上の根拠はどこにあります。
  179. 三堀參郎

    ○三堀証人 結局実質上そういうことは、法律的にもやむを得ない措置で、認められる、かように考えたわけであります。
  180. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実質上そういう特別の利益があつたら残しておくがいいと言つたつて法律上不法なものは不法なんです。
  181. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどの大豆のお答えについてもそうでありますけれども、結局その増産奨励費というものを組んだ際に、すでにそういうことは物価庁会議の上でできている事柄なのでありますし、こういう問題につきまして、日本の財政的な建前と、それから実質上の行政的な建前から考えますと、ある程度そういう法律上の解釈は、やはりやむを得ない措置だと、われわれといたしましては考えたわけなのであります。
  182. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やむを得ないのはわかりましたよ。しかしそれが適法になるとあなたが言われるのが、われわれはわからないのです。その適法になる理由が……。やむを得ないものなら適法になるのですか。
  183. 三堀參郎

    ○三堀証人 もしその点につきまして、どうしても適法であるとするかということになりますと、これは結局公団の経理の面からは仮受金というような、要するに公団としましては、これは預かり金であるというような考え方から、これを適法化しておるわけであります。
  184. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代金としてとつているのですよ。それがどうしてそんな仮受金になるのですか。
  185. 三堀參郎

    ○三堀証人 実質公団としてとれない性質の金でありますので……。
  186. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とれない……。
  187. 三堀參郎

    ○三堀証人 大口メーカーとしましては、当然仲間のメーカーの手を経ずに買えるものなので、大口メーカーとしては安く買えるわけなのであります。
  188. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし結局メーカーと言われるが、最後はその価格を負担するものは、ほんとうの消費者ですよ。一般国民ですよ。一般国民から代価だと言つてつてつて、それはとれない金だと言う。とれない金ならとらなければいいではないか。
  189. 三堀參郎

    ○三堀証人 申し上げますように、小口のメーカーは途中販売業者の手を通じて、一定のいわゆる販売業者価格で買うし、大口メーカーは販売業者の手を経ずに、直接買えるから、安く買えるわけですから、従つてこれを黙つておけば、消費者は同じ価格でありながら、大口メーカーとしては、安い原料で分解油、硬化油ができる勘定になります。消費者としては何らのあれもなしに、大口メーカーがもうかる、こういうことになるわけでございます。その間に不当な問題も起つて来る。これを大口メーカーは、何も自分でしいてそこでもうけたいと思わない。しかしその金がただ漠然と国家に入つて行くということでも、これは自分たちとして耐え忍ばれないので……。
  190. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何で耐え忍べないのですか。
  191. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは自分たちは安く買えるわけですから……。
  192. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 不公平になるからというので、価格をそこまで上げたのなら、国家の收入になるのはあたりまえじやないか。
  193. 三堀參郎

    ○三堀証人 大口メーカーとしては、途中の段階を通ぜずに買えるわけなんですから、黙つておれば安く買えるわけなんです。そこに問題があるわけです。
  194. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 不公平だから高くしたのでしよう。そうすると大口メーカーもそれに従つたのでしよう。それだけ国家の收入はふえたんだ。
  195. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、そうではないのです。大口メーカーは当然安く買えるのであるけれども、もしその金が油脂増産のために使えるならば、高くても承知をしようと、こういうことから来ておる問題なんであります。
  196. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さらにまた進めましよう。——ところがその金を使うに当つては、これは公団附帶事業として認められたそうですね。
  197. 三堀參郎

    ○三堀証人 国産油脂増産を中心にいたしまして、一連の増産関係仕事は、公団附帶業務として、解釈上われわれとしましては、そういう解釈をとるということは申しました。
  198. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 附帶事業として……。それは先ほど言つたように、十五條のそれ以外のものだからというのですか。
  199. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん事業計画には入りませんけれども、要するに附帶業務という解釈をわれわれとしてはとつたわけであります。
  200. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 附帶業務というのは、十六條に言う附帶業務でない附帶業務ですね。
  201. 三堀參郎

    ○三堀証人 十五條の……。
  202. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど言つた公団法第十五條で、ここに附帶業務というものはきまつておる。一手買取り一手販売に関する業務……。
  203. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうであります。
  204. 鍛冶良作

    鍛冶委員長  これ以外の……。
  205. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、一手買取り一手販売の……。
  206. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いやいや、そうじやない。私の言うのは集荷督励ですよ。集荷督励としていろいろなものに金を出しておるでしよう。これを附帶業務としてあなたの方で認可したのでしよう。許可したのでしよう。その附帶業務というのはどの附帶業務ですか。
  207. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから公団の一手買取りに附帶する業務であります。
  208. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一手買取りに附帶する業務……。ではまあ附帶業務として、そうおつしやるのなら、大分何だが、そう承つておくが、金を出していいということはどういうことですか。そういう金を支出していいということは……。先ほどから聞いたのは收入の面だが……。
  209. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれとしては——私としてでありますけれども、当時におきましては、附帶業務として認めたという措置を……。いや解釈につきましては、附帶業務という範囲に入るという解釈を下しましたけれども、金を出すということにつきましても、正式の認可という手続はたしか当時とつておらないと思つております。
  210. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 金を出すことについて……。それでは公団がかつてにやつたのですか。
  211. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団がかつてにやつたというわけではもちろんありません。先ほどから申しておりますように、これはたしか公団の仮受けという形になつて入つておりまして、そういう仕事に使われるということにつきまして、正式に文書の上では、たしかやつておらなかつたと思いますが……。
  212. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 文書で出ております。
  213. 三堀參郎

    ○三堀証人 出ましたか。では附帶業務としまして……。
  214. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 金を出すことの……。
  215. 三堀參郎

    ○三堀証人 そこのところはちよつとはつきり覚えておりませんが、附帯事業というときに、あるいはその事業が……。
  216. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昭和二十三年度国内油脂及び油脂原料集荷督励計画実施を附帶事業として認定申請の件、これを認可する……。
  217. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは認可という文字を使つておりますか。
  218. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ここには認可申請の件となつております。そしてこういうふうに金を出すということをきめて、みな食品局長から出していいと言うからわれわれは出しましたと、こう公団責任者は答えている。そしてただ事業だけではありません、金の支出をやつております。
  219. 三堀參郎

    ○三堀証人 その事業の中には、当然それにどれだけの金を使うということを実は書いてあつたかと、今思つておりますが、それは先ほどから申しておりますようないきさつから、こういう金を国産油脂増産に使うということから、それを付帶業務としてわれわれは解釈した、こういうことなんです。
  220. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから認可したことについては、金を出していいということを、あなたが向うに権限を與えることは、どういう根拠でやられたのですか。
  221. 三堀參郎

    ○三堀証人 金を出すことについてわれわれが権限を與えたということは、形の上では起つて来ないと思います。と申しますのは、仮受金というかつこうでこれは処理されているものでありまして、先ほどから申しておりますように、大口メーカーと公団との話合いで、この金は国産油脂増産に使うという話合いのもとに、預かり金あるいは仮受金というかつこうで出ているのでありまして、形式的には、われわれの方で金を使うことについての権限を與える必要と申しますか、そういう事態は起つて来なかつたし、またなかつたと思つております。
  222. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、公団は予算外の收入を得たり、予算外の支出をする権限はあるのですか。そういうものはどこから與えられたのですか。それとも本来あるのですか、どつちですか。
  223. 三堀參郎

    ○三堀証人 予算外の支出をするということは、もちろんないと思います。
  224. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 收入は……。
  225. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、先ほどから申しておりますように、仮受金というかつこうで処理されている、いわゆる一時の預かり金だという解釈のもとにやつておると思つております。
  226. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから予算外の……。
  227. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう必要においては、予算外かも知れません。
  228. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 預かり金だから予算外ですか。驚いたね。それは一体どこから預かるのですか。
  229. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、もしだれのものだということを実質上申せば、それは大口メーカーのものだということが妥当じやないかとわれわれは思います。
  230. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売上代金が……。
  231. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、先ほどから申しておりますような経過から来ている金でありますので、黙つておれば大口メーカーのふところに入る金であります。
  232. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 黙つておれば大口メーカーが利益を得る、それでは不公平になるから、公平なように代金をきめよう、これはよろしいのですが、入つたらそれは国庫のものじやないですか。公団とは一体何ですか。公団とは国家機関じやないですか。
  233. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団は、もちろん国家機関です。
  234. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しからば国庫の收入じやないですか。預かり金というようなものは、どこから出て来るのですか。あなたのその言われるところでは、ここに得意先前受金と書いてあるが、これはあなたは、それじやそういう勘定にしてとつておけと教えたのですか。
  235. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことはありません。
  236. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だつてあんたは、売上代金の一部が預かり金だと言われるが、そんなことは一体どこから出て来るのですか。ただここでいいかげんに言うておこうということじや困る、われわれはまじめに言つているのです。なるほどそのときはそうだつたが、今日考えれば不法だとか、不法でないとか言つてもらいたい。それで会計検査院は、あなたの言われることを、ああそうかと言つて聞きましたか、いかがですか。
  237. 三堀參郎

    ○三堀証人 会計検査院では、分解、硬化油の関係については問題が起つておりません。大豆奨励費の問題につきましては、会計検査院から、今正確には覚えておりませんが、照会がありまして、それに対してわれわれの方から、先ほどから申し上げておりますような事情を説明いたしまして、なおつけ加えて、われわれとしては、これは当然国家予算の中に組み入れるべき性質のものであると思うので、その点については十分努力をしたいけれども、なお今後とも、もし物価庁において増産奨励費というものが認められるならば、こういう制度は続けていただきたいということを、はつきり会計検査院に意思表示がしてあります。それに対して会計検査院からは、何らの回答もありませんので、われわれとしては、会計検査院も、先ほどから御指摘の通りに若干の問題はありますので、正式には言いにくいけれども、おそらく黙認をしていることであろう、かように考えて進んでおるわけであります。
  238. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 黙認ですか。大豆増産奨励金も、今の価格差益金も、公団は預かり金として預かつているのだから、それは大豆協会へ全部渡すべきものでしようね。
  239. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆増産奨励金は、大豆協会へ全部渡すべき性質のものであると思います。
  240. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがずつと預かつておりましたね。
  241. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん大豆増産奨励金は、大豆が收買されると入つて来るものでありますので、必ずしも入ると同時に右から左にすぐ渡すものではないのです。大豆協会事業の進行に伴つて渡しますので、ときにはある程度金額がずれまして、公団の手元に残ることはあろうかと思つております。
  242. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会事業が進もうが進むまいが大きなお世話で、さつきのあなたの言葉から見れば、大豆協会に渡すべき金を一時預かつているのだから、預かつているものは渡すのは当り前で、どうして留保しておりましたか。
  243. 三堀參郎

    ○三堀証人 別段留保はしておらないと思つております。ただ大豆の生産なり收買の年度と、それから大豆協会事業の年度との食い違いがありますので、その間にある程度金が公団に滞留するというようなことは、これは当然のことではなかろうかと思つて貼ります。しかし私もこまかに、いつどういうように公団に残つてつたかということは、実は詳しく記憶しておりません。
  244. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは、大豆協会の預かり金はいくらぐらいで、大豆協会へどれくらい出ているか、二十三年度だけでいいですが、御承知ですか。
  245. 三堀參郎

    ○三堀証人 二十三年度はちよつと私はつきり記憶しておりませんが……。
  246. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格差益金は……。
  247. 三堀參郎

    ○三堀証人 価格差益金は、私が関係しておりました時分は、たしか五円何がしじやなかつたかと思つておりますが……。
  248. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 四十二円または四十八円ですね。どれがどうなつたか、それは覚えておりませんか。
  249. 三堀參郎

    ○三堀証人 覚えておりません。
  250. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからさらにあなたに聞きたいのですが、大豆協会においても、こういうふうに出したいと言つて、あなたの方の認可を得、またこの集荷督励費というものも、今お見せしたように、こういうふうに出したいと言つて、あなたの認可を得て、その認可に基いて出したと言つておるのですが、出された先は、その通り間違いなく使われておるかどうか、監督せられたことがありますか。
  251. 三堀參郎

    ○三堀証人 今お話の点は、大豆協会の金の使い道についての問題でございますか。
  252. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。
  253. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会に相当程度の金が行きますからには、当然われわれとしても責任を感ずるわけでありまして、当時の食品局の下に油脂課がありまして、その油脂課で大豆協会のそういう事業、あるいは経理面の監督もする建前なつておりますけれども、私としまして、今的確に大豆協会の内部におつて金がどういうふうに使われたかということにつきましては、実は承知しておりません。
  254. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし大豆協会は、増産奨励費としてこういうものをこういうものに出したいと言つて、あなたの認可を得たのでしよう。それは御承知でしようね。
  255. 三堀參郎

    ○三堀証人 はい。
  256. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではたしてそのように出ておりますか。もつと言うならば、その預かつておる金を正確に全部使つておるか、それともまだ残してどこかにやつておるか、それはあなたの方で監督する任務があるように思うのですが、それはいかがでしよう。
  257. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはもちろんわれわれは監督する責任があるのであります。
  258. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや監督しましたか。
  259. 三堀參郎

    ○三堀証人 今申しますように、全部そういう協会、団体の内部につきましての経理監査について、実はこまかな数字は、私どもとしましてはやつておらないのでありまして、その点につきましては、私は的確にお答えできないと思います。
  260. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた個人はやらぬでしようが、あなたの責任内で——もつと言えば、あなたの局内でやるべき人がきまつておるのでしよう。それがやつてつたかというのだ。
  261. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれの與えられた人員の範囲内におきましては、できるだけのことはいたしたつもりでございます。
  262. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじやしつかりりつぱに使われておるということの責任は持てますか。
  263. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点につきましては、もちろんわれわれとしましては、大豆協会責任者を当然信頼をいたしておるわけでありまして、われわれとしましては、大体におきまして、その大豆協会の金は当時におきましては、われわれが考えておつた方針に沿つて使われておるものだと思つてつたわけであります。
  264. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだけですか。それとも実際に——とにかく予算外の金なんですからね。だれかあなた嚴重な監督をせなければ、変なところに行くのは当然なものです。考えて見れば——それをあなたの方で認可しておるのだから、それに沿うような監査をしておりましたか。
  265. 三堀參郎

    ○三堀証人 実際問題としまして、そういう協会のこまかな経理につきまして、始終監査をするだけの人員は、われわれの方は持つておりませんでした。
  266. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 始終であろうが、あとであろうが、確かに行つておるか、使われておるか、まだ残つておるか、それくらいのことは調べて置かなければならぬはずだが、調べたか調べないか。そのように毎日調べろとは言いません。
  267. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれとしましては、経理の面につきましては、そうこまかな経理監査は、当時におきましても、やる余裕は実は持つておりませんでした。
  268. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすれば、責任をもつてつてつたとは言えないわけですね。
  269. 三堀參郎

    ○三堀証人 その責任のもちろん持ち方ですけれども、われわれとしましては、大豆協会責任者をもちろんある程度信頼をして進んでおりましたし、われわれなり公団なりが、当然自分の陣容の範囲内におきましては、できるだけのことはしておつたつもりであります。
  270. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ここに出て来る経理の責任者は、監督はどうだと言つたら、食品局油脂課が監督官庁ではありまするが、最後にただ決算を出して、報告をしただけだと言つておりますが、それはいかがです。
  271. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですからわれわれとしては、経理監査をするだけの人員は持つでおらなかつたと先ほど申し上げた通りでありまして、経理監査を一々するのが監督のあれじやないと思いますけれども、われわれとしましては、十分なそういう面についての監査の人なり、予算についての余裕がなかつたということなのであります。
  272. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これを見ますと、これをあなたの方で承認をせられるときに本件事業計画の進行状況及び所要経費の支出状況に関しては毎月報告することとなつている。受取つたですか。
  273. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点につきましては、局長としましても、私の手元へいつも書類がそのときどきに来るとも限つておりませんので、私としましては実は的確に知つておらないのでありますが、係の方としましては、そういう通牒文を出しているとすれば、おそらく月々の報告は受取つていることだろうと思つております。
  274. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それ以上しようがないでしよう。次は油糧配給公団の下請会社として油糧産業株式会社というものがあつたそうですが、証人は御承知ですか。
  275. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧産業の所在は知つておりました。
  276. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう人々がつくつて、株主はどういう者であつたかは御承知でしたか。
  277. 三堀參郎

    ○三堀証人 大体油糧産業は、帝国油糧の職員で公団に入らなかつた者がその組織の中心と申しますか、大部分をなしておつた。従つてその株主もそういうメンバーであつた承知いたしております。
  278. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると油糧公団へ来ない者が会社をつくつて株も持つてつた。こういうのですね。
  279. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  280. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると油糧公団と別個の会社でありますか。
  281. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん別個の会社であります。
  282. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたははつきりそう言い切れますか。
  283. 三堀參郎

    ○三堀証人 別個の会社だと思います。
  284. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会社とか株主も……。
  285. 三堀參郎

    ○三堀証人 株主というのは……。
  286. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧公団へ入らない前の帝国油糧の社員がつくつたというのでしよう。油糧公団へは入つて来ないですね。
  287. 三堀參郎

    ○三堀証人 さようです。
  288. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全然人も別なんですね。また別でなければならぬはずだ。ところが実際は、あなたはそういうことを言い切れますか。
  289. 三堀參郎

    ○三堀証人 言い切れるかというのは、どういう意味なんですか。
  290. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧公団の職員が主たる株主であるのですが……。
  291. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧公団の職員が油糧産業の主たる株主であろうとは、私思わないのでありますが……。
  292. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして思わないのです。
  293. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は、油糧公団の職員が大部分油糧産業の株を持つているということは、知らなかつた
  294. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの言われる通りとすれば、油糧公団に入らぬものがつくつたというのだから、油糧公団の者が持つているわけはない。ところが大部分は油糧公団の者が持つている。
  295. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは私承知いたしておりません。もしそういう事実だとすれば、私承知いたしておりません。
  296. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれでは困るというので、たれが言うたか知りませんが、たいてい妻子家族の名前に切りかえております。これは御承知ですか。
  297. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団ができます際に、公団関係のメーカーあたりから入つて来たのもたくさんありますし、そういうものが公団職員になつて、関係産業の株が持てないというところから、妻子名義に切りかえるというような話は、うわさとして聞いておりましたし、そういうこともあるだろうと思うのであります。従つて油糧産業にも幾らかそういう例もあろうかと思いますが、そういうものが大部分だとは、私は実は承知しておらないのであります。
  298. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつとその名簿を……。これは全部公団実質上の職員が持つておる。現在の株主との間柄をみな書いてありますが、これは全部そうです。     〔書類を証人に示す〕
  299. 三堀參郎

    ○三堀証人 私はある程度のものはあるとは思いましたけれども、全部の者が持つておるとは承知しておりませんでした。
  300. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これくらいはどうですか。これは知らなかつたのですか。
  301. 三堀參郎

    ○三堀証人 知りませんでした。
  302. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今見て驚くわけですか。これはあなたの方でやはり公団監督しておられる以上は、そういうことも知つておられなければ、調べるべきものじやなかつたのですか。
  303. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれの方で、そういうあまりにも不当なことがあるとすれば、当然これは監督責任上、しかるべく是正すべき性質のものだと思つております。
  304. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそういうふうに、しかも役員は、今の公団の役員と一緒に仕事をしておつた帝国油糧の人が行つてつております。そうして株主は、そういうふうに実質上において公団の職員が持つておる。その公団油糧産業との間に、油糧公団仕事の下請をずいぶんやらせておつたようですが、その点はいかがですか。
  305. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧公団関係輸送保険なんかの代理店なんかの仕事をやつてつた。従つてそういう意味においては、公団仕事をやつていたということは、後になつ承知いたしました。
  306. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今言うように、どうもそういう関係にある会社へ下請をやらせるということは、これはよくないことでしような。
  307. 三堀參郎

    ○三堀証人 今お示しの通りに、油糧公団の職員の大部分がその会社に実質上の関係を持つておるとすれば、おそらくこれは不当なことだと言うべきであろうと思います。
  308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団法第十三條で、そういうことは禁止してあることは御承知でしようね。
  309. 三堀參郎

    ○三堀証人 承知しております。
  310. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もしそういうものがあつて、知らなかつたということなら、監督上の責任はどうですか。
  311. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん私の監督上の責任であります。
  312. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前の帝国油糧の常務が、帝国油糧が閉鎖機関になると同時に清算人として入つてつて、その清算人が帝国油糧の売掛代金その他をかつて公団へまわして、それで問題が起きたことは御承知ですか。
  313. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は新聞その他に出ておつた程度のことは知つておりますが、それ以外のことは知りません。
  314. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは何という人です。
  315. 三堀參郎

    ○三堀証人 ちよつと今……。
  316. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 安部義香。ところがその安部義香氏も、この油糧産業の顧問となつて、ほとんど仕事はしておらぬが、毎月三万円ずつの手当をもらつてつたのですが、それは御承知ですか。
  317. 三堀參郎

    ○三堀証人 存じません。
  318. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 監督官庁でそういう重要なことを御承知ないのですかね。あなた方の方で油糧公団監督責任がある以上は、これと密接な関係のある者は、ただ名前を知つておるだけでなく、仕事の下請をやつたりする者に対しては、責任を持つて監査をしたり、その他のことはやらないのですか。
  319. 三堀參郎

    ○三堀証人 関係の会社の監査までは手がまわらないのが実情でございます。
  320. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかればやるべきじやないですか。それともやらぬのがあたりまえですか。
  321. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん、わかればやるべきだと思います。
  322. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧産業のそういうことぐらいは、ほとんど天下周知の事実だと思うのですがね。そこでどうですか、これは公団の人を調べますと、ずいぶん今刑事問題にもなつておりますが、二重に保險をつけて、そうして半分取返して、また一月でよいものを三月もつけて、三月分取返して、みな金を持つておるのです。調べますと、何もこんなことは私のところだけじやない。みんな公団がやつているのです。私どものところだけをなぜ調べるのですか、こういうのです。失礼だが、あなたの公団でもそういうことをやつておりますか。
  323. 三堀參郎

    ○三堀証人 私の方の公団では、そういうことはやつておりません。もし何でしたら、お調べいただいてけつこうだと思います。
  324. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それと同時にお聞きしたいのは、こういうことであなた方もこれに関係しておられたのだが、一体公団というものに対して、今日どういうお考えをお持ちですか。
  325. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団問題につきましては、もちろんこれはいろいろの面からいろいろな議論ができると思いますが、私の意見を述べさせていただきますれば、いろいろ意見を持つておりますけれども、当面の関係の点からのみ議論いたしましても、公団を非常にきゆうくつにしておる。従つてそこから不必要な犯罪、今油糧公団の中で問題になつておるようなことを誘発して来るような弊害があるのじやないかと思うのであります。もう少し公団にむしろ自由な——最もいい例は予算面だろうと思いますが、予算面などについてももう少し自由な、フリー・ハンドを與えてやれば、かえつてその與えられた自由の範囲内において自由な経営をして、そのかわり赤字の責任も負うというふうにやつて行く方が、公団としてもやりよいし、結局不必要な摩擦も起さぬで済むのじやなかろうかと思うわけでありまして、そういう意味でわれわれが農林省におりました時分から、ほんとうの意味における独立採算制というようなことを公団側でも強く主張しておりましたし、われわれも官庁におりまして言つてつたわけですが、実際はそれが実現しなかつた。その点に大きな禍因があるのではなかろうかと思うわけでありまして、一言申しますと、もし公団というものを置くならば、そういう点についてもつと楽な気持でやつて、そのかわり責任も十分とらせるというようにやつていただく以外に、締めれば締めるほど、かえつて変な結果になるのじやなかろうかと思うのであります。
  326. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもはなはだわれわれのふに落ちないあなたとしての答弁だが、一体公団というものは公法人でしよう。
  327. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん国家の政府代行機関でありますので、公務員であります。
  328. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公吏でしよう。公吏は官吏と同じものですが、官吏もみなそういう考えを持つておりますか。
  329. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点が問題だと思うのであります。公団といつても、売つて買う、買つて売るというような、要するに商売をする機関でありますので、そうなりますと、結局そのときどきに応じた働きをさせなければならないわけでありまして、ときによつてはまた夜おそくまででも、徹夜してでも交渉もさせなければならぬでしようし、日曜日でも働かせなければならぬ。それを一々公吏、官吏という名前に縛つて、そうして予算とか何とかできゆうくつに縛るよりも、むしろ昔の統制会社式の考え方で行つて、そうして赤字の責任も場合によつては負わせる。そのかわり黒字を出せば、それによつて従業員の待遇についてもある程度の余裕をつけてやるというような、ゆとりをつけた考え方をやつていただく方がよいのではなかろうか。これがほんとの行政事務であれば別でありますが、繰返して申しますように、もともと商売でありますし、しかも中に入つておる人が、会社なり、商売をやつてつた人が大部分でありますので、その観念の切りかえにつきましても、われわれとしても非常に困難を感ずるわけであります。そういう点もひとつお考え願いたいというのが、われわれが監督の立場にあつた場合、また現在公団に身を置いた場合の希望でありまして、これは公団を通ずる考え方じやなかろうかと思つております。
  330. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや公団否認論じやないですか。商売をやらせる以上は、公団としてきゆうくつなことをしては、だめだという……。
  331. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん、だめとは思いませんけれども、言われているように、自由な立場に立たしてやらせていただきたい。
  332. 菅家喜六

    ○菅家委員 一、二点証人にお尋ねいたします。先ほど来委員長の尋問に対する証人証言は、ことごとくわれわれ委員にはのみ込みがたい答弁であります。他の委員からそれは尋問があろうと思いますが、まず第一に私がお聞きしたいのは、先ほど証人公団附帶事業というもの、それは一号及び二号の事業に附帶する業務であるから、特別にこれは認可を得る必要はないという考えのもとにやつて来られた。こういう証言であつたようでありますが、それに間違いないですか。
  333. 三堀參郎

    ○三堀証人 間違いございません。
  334. 菅家喜六

    ○菅家委員 そういたしますと、お尋ねをいたすのでありますが、この昭和二十三年の十二月七日に、油糧配給公団総裁より食品局長あてに、附帶業務として認可の申請のあつたものに対して、これを承認されたというのは、どういうわけですか。
  335. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点は結局文字の問題になりますが、われわれとしましては、それは附帶業務であるという解釈に同意をしたというふうに考えております。
  336. 菅家喜六

    ○菅家委員 何か言うと文字の上だとか、あるいは実質上だとか、形式的だという言葉を使うのですが、もつと率直に述べてもらいたい。あなたを今罪人として調べているのではなくて、不正公団が天下の世論として、各公団がひどい事実をやつているということによつて、初めて考査委員会が不正公団の真相の究明に今当つているのであるから、この真相を知りたいのだ。何かあなたを罪人として調べるならもつときつくやります。あなたを罪人として調べているのではないのであるから、もう少し事実の真相を率直に述べてもらう態度に出てもらいたい。何か先ほどからかみしもをつけられて、あるいは形式上がどうだとか、実質上がこうだとかというあいまいな答弁では、われわれは真相究明に当るのに非常に困る。今のような問題でも、たとえばそういう解釈であるならば、こういう認可申請書が出たときに、文字は承認という文字であるということは、これは詭弁である。これはやはり認可したという形にしか見えない。しかも十二月二十七日に出たというが、二月の二日までこういうものを與えないでおつて、これは認可でない、承認するというような言葉でそのものを認めたというのは、私は詭弁にしかとれない。しかもその終りにつけ加えて、本件実施細目については別途打合せること。何回打合せをなさいましたか。第二項には、本件事業計画の進行状況及び所要経費の支出状況に関しては、毎月報告すること。毎月報告はあつたかどうか知らないけれども、それは部下のものがやつたので、ぼくは見ないのだということで、盲判を押しておるようだが、しかしあなたは幾らか知つているでしよう。こういうことを文字の上で、認可をしたのではない、承認をしたのだ——たとい承認でもよい、こういう大切な問題を承認されたならば、毎月出て来る報告に対して、これだけの人員ではそういう監督はできなかつたと言つて逃げておられるが、それでは私は監督する人に資格がないと思う。毎月出たら見なくちやならない。あなたはそれをごらんにならないでしよう。ごらんになりましたか。あなたが承認を與えられた書類でしよう。打合せは何回されて、報告書は一ぺんもごらんにならないのですか。その点を率直に述べてください。
  337. 三堀參郎

    ○三堀証人 私申し上げていますのは、法律解釈の問題でありまして、法律解釈上から申しましたら、附帶業務はどの程度附帶業務になるか、また附帯業務として認めていいかどうかということについては、法律上は承認を受けなければならないとか、認可を受けなければならないという文字がないので、承認といういわゆる手続は、法律上はいらないのだということを申し上げているのです。
  338. 菅家喜六

    ○菅家委員 法律上いらないのを承認を與えたのは、どういうわけですか。法律上は承認も認可もいらないということを言つてつたらいいじやないか。法律上当然やつていい附帶事業であるからといつて、この申請書は返してもいいでしよう。承認を官庁で與えるのは、一応認可を含んだような意味になりはしないですか。われわれは常識上そう考える。あれを見ると、ああいう認可書類が出て来たが、認可でなくて、承認という言葉で逃げているようだけれども、当然これは第一号、第二号による附帶事業であるから、法律認可を必要としないのだということを、公団にあいさつすべきが当然じやないか。
  339. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほど申しておりますように……。
  340. 菅家喜六

    ○菅家委員 先ほどから申した申したと言うけれども、さつぱりわからないから、お尋ねしている。十五條の一号、二号の附帶事業というのは、あなたの解釈では、法律認可することを必要としないと言うのですよ。そうすると、公団から附帶事業として認可してくれという認可申請が出て来た場合には、そういうふうに答弁するのがあたりまえじやないか、それに承認という文字をもつて、細目なり予算まで組んだ事業計画を承認という條件つきのものを與えたのは、どういうわけですか、こういうことを聞いている。その意味がわかりませんか。
  341. 三堀參郎

    ○三堀証人 それで私が申し上げるのは、法律上には承認とか認可という手続はいらないものなのであります。ただ一体この仕事が附帶事務という解釈の中に入るか、どうだろうかという問題になりますと、これは公団としても心配がありますので、これは附帶業務だと思うがいかがでしようかというお伺いを立てているわけでしよう。それに対してわれわれは、それは附帶業務と見てもよろしい、こういうことを言つているのでありまして、その書類はそういう意味に……。
  342. 菅家喜六

    ○菅家委員 そういう意味にはとれない。しかしそれ以上は時間がないから、追究しませんが、こう書いてあるじやないか。二十三年十二月二十七日二三原料第三十九号をもつて申請されたる件に関しては、これを承認する、その次に、追つて左記事項を厳守されたいと言つて、二項目を加えているのだから、承認という言葉を用いたけれども、十二月二十七日の附帶事業としての認可申請書に対しては、やはりこれは認可と見るべき性質のものである。もしあなたの解釈通りとするならば、これは当然附帶業務として公団がやつてよろしいのであるから、こういう認可申請はいらないとするのが、ほんとうじやないかと思う。私どもの解釈からすると、あなたが先ほどから言つていることは、さらに十七條にはつきり書いている。附帶事業事業計画以外であるとあなたはおつしやるけれども、事業計画以外のものでも、資金を離れてはいない。そうすると、その資金計画には当然安定本部総務長官認可を受けるということは、少し法律をやつた人ならば、これは常識的に考えられなければならぬ事柄である。あなたはそれで逃げているが、十七條にはつきり書いてあるじやないか。資金計画を作成してやる事業は、当然安定本都総務長官認可を受くべき性質のものである。あなたは一体学校はどこでやりましたか。大学を出ているのかとうか——答弁を忌避されるのですか。まじめに言つてもらいたい。笑つたり何かしないで、ここの場所はどこだということを考えて、まじめに言つてもらいたい。われわれは真劍にこの問題を調べているのです。あなたがそんなに茶化した態度で何か一笑に付されるならば、私は時間をかけてもあなたにいろいろなことを聞かなければならぬ。
  343. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は東京帝国大学法学部を出ております。
  344. 菅家喜六

    ○菅家委員 それならば、十七條はよくごらんになつているでしよう。それでもあなたは資金関係の問題についても、附帶事業は当然これは認可を受けないで法律上さしつかえないという解釈を、今日も持たれますか。
  345. 三堀參郎

    ○三堀証人 また先ほども申したといつておしかりを受けるかもしれませんが、事業計画、資金計画、これはもちろん安定本部総務長官認可は受けますが、事業計画、資金計画の中に出て来る数字は、事業計画をごらんになればわかりますように、それぞれの物資別に何をいくらという、それがつまり事業計画がいくら、従つてそれに応ずる資金計画は出て来るわけであります。従つてその事業計画に載らない、そういう数量的な問題が出て来ない業務というものは、これはもちろんあり得るわけでありますので、そういう事業計画、資金計画の中に載らない計画がある、こういうことを私は先ほど申したわけであります。
  346. 菅家喜六

    ○菅家委員 それ以上は意見の相違になりますからよしましよう。さきほどお尋ねしておりました実施細目に関する別途打合せというものは、何べんやりましたか。
  347. 三堀參郎

    ○三堀証人 正確に記憶はいたしておりませんけれども、また私一々それに出ておりませんが、係の者といたしましては、当然しばしばやつてつたことと思つております。
  348. 菅家喜六

    ○菅家委員 係の者がしばしばやつたら、その報告を受けられましたか。
  349. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはそのときにおきましては、もちろん重大な事項につきましては報告を受けますけれども……。
  350. 菅家喜六

    ○菅家委員 どういう重要な事項の報告を受けられましたか。
  351. 三堀參郎

    ○三堀証人 私はその当時におきますことにつきましては、詳しく記憶いたしておりません。
  352. 菅家喜六

    ○菅家委員 それでは毎月出て来る細目欄のものはごらんにならぬとおつしやいましたが、一ぺんもごらんにならなかつたか。
  353. 三堀參郎

    ○三堀証人 それにつきましても、はつきりした記憶を持つておりません。
  354. 菅家喜六

    ○菅家委員 もう一点お尋ねしますが、そうすると先ほど出荷督励費増産奨励費の価格にマージンなり手数料なりを加えたものを物価として取立てる。これは物価庁との折衝の結果、農林省物価庁はその権限を委任するということを與えたことは、法律上さしつかえないという証言がありました。間違いありませんか。
  355. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどから申しておりますように、物価庁と折衝いたしまして、価格の中にそういう増産奨励費というものが盛り込まれた、それを大豆協会公団から渡すということについては、さしつかえない、こういうように解釈をいたしたのであります。
  356. 菅家喜六

    ○菅家委員 物価庁のたれとそういう折衝をしたのですか。
  357. 三堀參郎

    ○三堀証人 物価庁との折衝は、もちろん私直接やつておりません。油脂課が物価庁の担当課とやつているわけであります。
  358. 菅家喜六

    ○菅家委員 物価庁の担当課はどこです。
  359. 三堀參郎

    ○三堀証人 第二部の主要食品課であります。
  360. 菅家喜六

    ○菅家委員 大豆協会のことは先ほどから委員長も聞いておりますが、多少調べられたことがありますか。大豆協会というものは、あなた知つているだろうが、幽霊協会なんだ、頭だけあつてしりがない。一人も従業員というものはないのですよ。会長にも何も相談しない。会長は手当だけは十万円とつておるけれども、会長は何も判も押さないで、油糧公団の人たちが一切の経理をやつておる。しかもこの油糧公団なるものは、予算外支出を、表に現われただけでも二千二百万幾らというものを使つてしまつて、その出納証書はみな燒いておる。西川という副総裁が出納証書を焼けと命令して燒いてしまつた。この領収証書があつては困るからといつて、西川副総裁が命令して公団内においてこれを燒かしておる。それ以外にもどのぐらいあるかわからない。そういう公団の人たちが幽霊の協会をつくつて、名目だけの会長、しかも名目だけだと称して、その会長にたくみに金を贈つておるという仕掛になつておる。先ほどあなたは油糧産業の株主がだれだか知らなかつたとおつしやつた。株主なるものはみな家族がなつておる。しかも拂込みをしない株をもらつておる人が非常に多い。そういう不正なことをやつておる人に、法律上さしつかえないからといつてこういう金をやるところに、いろいろな間違いが起きて来て、国民が疑惑の目をもつて見ることになる。この検事局に調べられている越山というのはあなたの部下ですか。もとの食品課におつた者ですね。
  361. 三堀參郎

    ○三堀証人 私のところではありません。それは畜産局の間違いです。
  362. 菅家喜六

    ○菅家委員 あなたの部下からは行つていないのですか。
  363. 三堀參郎

    ○三堀証人 私の当時の部下から一人山本という男がそこに出ておると思います。越山君が出ておれば、山本君も出ておると思います。
  364. 菅家喜六

    ○菅家委員 どうもそういうことなので、これは国民全体が非常なる疑惑を持つておる。私どもは率直にいえば、あなた自身にも疑惑の目を持つておる。何でも食品局長食品局長ということを、彼ら大豆協会なり油糧公団の者が言う。こんなものでも認可を出した。何もないものならば、おれのところに出しても、この書類はしようがないのだといつて返してもよい。ところがあなたの方で承認するというような言葉でやるから、私どもは大いなる疑惑を持つ。しかしながら先ほどから聞くと、私どもからいえば、詭弁にすぎないような御答弁である。これ以上は私は他の委員会があるので、時間がありませんから、その二点だけでやめておくが、この証人に対してはまことに遺憾である。
  365. 高木松吉

    ○高木(松)委員 今大体菅家君から質問し、なお委員長から詳細に質問したのでありますが、ごく要点で私どもは納得のできない点をお聞きしたいと思うのです。  まず第一に、私どもの使命をよく自覚されて、協力してもらいたい。ただその場限りの答弁をせられることによつて、問題がなおさら疑惑を深めて行く。私どもはどうしてもこの問題は、はつきりありのままの姿にして国民の前に批判を請わなければならぬ問題であると考えている。そこで先ほどからあなたの供述になつておるその態度と内容、それから実際過去において油糧公団に対するあなたのおやりになつ仕事の内容を見て、あなた自身がはたして公務員としての責任を自覚せられてやられたのかどうかということに、大きな疑惑を持つのであります。がしかしあなたの心のうちは、あなたから聞く以外に方法がありませんから、ここであらためてあなたにあなたの心のうちを聞きたい。というのは、少くとも公務員たる者は、特殊の人間の便宜をはかるにあらずして、国民全般の利益を確保する。それはやはり結局法律の命ずるところによつてやるべきものだと思うが、あなたは今日まで公務員として、いかなる心構えであなたの仕事をおやりになつて来たか、その心構えを詳細に承りたい。
  366. 三堀參郎

    ○三堀証人 私官吏生活を二十年来続けておりまして、その間におきましては、官吏としましての與えられた職務には誠心誠意努めて来たつもりであります。もちろん国家と国民の仕事委託せられておる官吏なのでありますから、国家と国民のためによかれという気持で仕事はやつて来たつもりであります。
  367. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたのお話はよくわかりました。そこでいかなる方式によつて国民の利益をはかろうとしたか、具体的に言うと、法律を無視してかつて解釈をして、都合のいいようなとりはからいをすることは、少くともあなたのその心境のわく外の行動であるということは、あなたは認められますか。
  368. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん法律に違反するということは、これは当然に官吏であろうと国民であろうと、避けなければならぬことだと思います。ただ行政官といたしまして仕事をいたします際には、規則なり法律解釈という問題があるわけでありまして、ただ規則に非常に狭く縛られて仕事を運用して参りますと、その間にまたいろいろ弊害が起つて来るわけなのでありまして、その解釈をでき得る限り国家国民のために利益になるような方面解釈をして運用して行くのが、これが行政官の狭い與えられた範囲内における自由であろうと思うのでありまして、先ほどから申しております大豆増産奨励金などの問題につきましても、これはもちろん正規の手続をとることになれば、これは国家予算に組み込んでやるということがもつとも普通の方法であるし、どこからも問題の起らない方法であるわけでありますけれども、それは繰返して申しております通り、非常に困難であるわけなのでありまして、この点につきまして、同じ行政官としての立場から、おそらく物価庁も同じ気持でこういう増産奨励費という問題を認めたとわれわれは思うわけであります。
  369. 高木松吉

    ○高木(松)委員 よろしい。そこでお尋ねしたいのは、あなたの先ほどから使われておる言葉の中に、菅家委員も言われたように、形式上の解釈実質上の解釈とがある、こういうことをお話になりました。そこであなたは、今お話になつた根拠から実質上の解釈が出て来るものと思うのであります。そこでこの油糧公団の不始末の結果は、あなたがいわゆる実質的の法律解釈をした結果であるとお考えになつて、その責任を感じておられますか。
  370. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧公団の現在司法上問題になつております関係は、私も詳しくは知りませんけれども、私が知つております範囲内においては、これは大豆増産奨励金なり、あるいは分解油、硬化油の差金の使い方以外の問題で起つておると承知いたしておるわけなのでございまして、もちろんそういう関係におきましても、油糧公団監督食品局長がやるからには、当然経理上の監督責任は負わなければなりませんけれども、今私が申し上げましたような、大豆増産奨励金なり分解油、硬化油の問題で油糧公団不正事件が起つておると私は考えておらないのであります。
  371. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それでよくわかりました。  それでは本論に入つて個別的にお尋ねいたします。一体油糧公団監督権というものはどこにあるのですか。
  372. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団監督権は、先ほど委員長からもお尋ねがありましてお答えいたしましたように、経済安定本部総務長官実質上は主務大臣になる。形式的には、大体法律をごらんいただいておりますように、総務長官の権限になつておる場合が大部分であります。
  373. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこであなたから聞きたいことは、あなたの方にはいかなる監督権があるかということをお聞きしたい。
  374. 三堀參郎

    ○三堀証人 お話の意味に的確なお答えになるかどうかわかりませんが、油糧公団実質上の監督権は農林省の、従つてまた食品局長にあると思つております。
  375. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで私どもが本委員会で今日まで調べた結果として、責任の帰属はしわ寄せしてあなたにあるようにみなのがれて来ておるのです。そこで特にその点をはつきりさせなければならぬのでありますが、形式と実質とこう言う。形式でも実質でもいいが、あなた方の監督範囲内を明確にしていただきませんと、あなたにしわ寄せした責任を、あなた自身がどの程度まで負うべきものであるかということがはつきりしないから、あなたがどの程度監督権を持つておられるかをひとつはつきりしてください。
  376. 三堀參郎

    ○三堀証人 ちよつとお話の意味が具体的につかみかねるのでありますが、先ほどから申しておりますように、法律上は大体において総務長官にある場合が多いわけであります。ただ安定本部には、御存じの通りに人もありませんしいたしますから、従つて農林省食品局実質上の責任があつて農林省自体が実質上働かなければならない、こういうことでお答えになりますでしようかどうか、そういうことだと思います。
  377. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それでははつきりしないが、あなた自身もわかつていないようですから、それ以上追究いたしますまい。  そこであなたが述べられたところの、価格を構成された大豆奨励金というものは、何人の負担において集まるのですか。
  378. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆増産奨励金は、結局消費者負担ということになります。
  379. 高木松吉

    ○高木(松)委員 消費者というのは、少くとも国民全部の負担ですね。
  380. 三堀參郎

    ○三堀証人 正確に申しますと、たとえばみそならみそであれば、自分で自家用のみそをつくつておる人もありますので、そういうことを申し上げたのでありますけれども、お話の通りに、大部分の国民だと考えていただいてけつこうだと思います。
  381. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、その集められた金というものは、税金と同じ性質のものであるということを考えられましたか。
  382. 三堀參郎

    ○三堀証人 全国民の負担になりますので、性質上はお話の通りと思います。
  383. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでいま一つくどいようだが、はつきりしておきたいことは、税金でもある一定の期間は猶予して取立てるということになりますね。しかしこういう国民の必需品である生活物資は、待つたなしに取上げられていることはおわかりですか。
  384. 三堀參郎

    ○三堀証人 承知いたしております。
  385. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その点まであなたがおわかりになつたら、この金がいかなる性質で、どれくらい今日の国民生活、国家生活に貴重の金であるかということを御承知ですか。
  386. 三堀參郎

    ○三堀証人 承知いたしております。
  387. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういう貴重な金を、あなたは国民の公僕として、責任を持つてこの消費の使途を検討されたことはありますか。
  388. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれといたしましては、この大豆増産奨励金につきましては、十分検討を内部においても加えましたし、またそれぞれ関係物価庁とも相談をしましてきまつた金額なのでありまして、大豆協会の幹部にその使い方を……。
  389. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうことを聞いているのではありません。私の言うことを、あなたはよく当時の事実と照し合せて答えてもらいたい。そこでそういう考えをあなたがほんとうに当時お持ちになつていたならばこの金がいかようにして、また国民のために利益になるように使われるかを研究したことがありますか。調査したことがありますか。
  390. 三堀參郎

    ○三堀証人 その後におきまして、大豆国内増産も非常に進捗いたしましたし、また集荷の量も非常に増して参つたのでありまして、数字を申し上げてもいいのでありますけれども、相当量増しているわけであります。これはもちろん農民の努力にもよりますが、大豆協会の一臂の力がこれに加わつておるだろうと思います。
  391. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこです。そこを私は聞きたい。われわれ国民は、われわれ農民は大豆増産するために、大豆協会のやつかいになつ増産したのではなく、農民の真に民族愛からして、どうしても国民をこの場合救わなければならないという真剣な気持から増産しているにかかわらず、大豆協会もあなたも、これが一つの原因になつ増産という結果を現わしたのだと強弁するに至つては、あなた方はたして正気のさたかどうかを疑う。つつ込んであなたから答弁を求めたいことは、大豆協会というものはどういうものです。そしてどういう組織で、どういう運営をいたしておりましたか。
  392. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会は先ほど申しましたように……。
  393. 高木松吉

    ○高木(松)委員 先ほど聞いておりません。私の聞かんとすることは……。
  394. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆を需要する側が中心になりましてつくつているわけでありまして、みそ、しようゆ、あるいは油肥業者等が中心になつているのでありまして、そういうものが組織して大豆協会をつくつているのであります。
  395. 高木松吉

    ○高木(松)委員 大豆協会仕事はだれがやつておりますか。先ほどのことを前提として聞くのですよ。あなたはこの尊い国民の金を集めて、そして責任ある公務員としてその監督をして、これを使わせたというから聞くのだが、大豆協会の実態上動いていた人はだれで、どういうことをやつておられたか、あなたから聞きましよう。
  396. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会は、事務的には專任の者はごくわずかしかおらないわけでありまして、従つて事務的なもので必要な面につきましては、油糧公団の職員がやつているわけであります。そしてそういう面につきましては、経費はなるべく節約いたしまして、できるだけ大豆奨励方面、また大豆の知識普及方面に金を使うという考え方で、われわれといたしましても賛成をし、また指導して参つてつたわけであります。
  397. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで私は、二つ聞きたくなつた。一体油糧公団の役職員がその責任を果すためには、少くとも朝から晩まで、いわゆる労働法規で與えられた時間を本気で働いても容易に効果が上らないのに、それをしいて大豆協会というものの仕事をすることを、あなたはお認めになつたのですか。
  398. 三堀參郎

    ○三堀証人 いろいろな方面関係が深いわけなのでありますけれども、油糧公団は特に大豆の問題につきましては、最も中心になり得る立場にあるわけなのでありまして、従つて大豆協会をつくります際に、関係の各業界が集まりまして、そういう方向に持つてつたわけなのであります。もちろん御指摘の通りの点はありますけれども、片方におきましては、公団自体としても大豆仕事をしておりますので、その連関において協会の仕事もする。また……。
  399. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや、その点はわかつておる。この大豆協会はどういう性質の協会ですか。
  400. 三堀參郎

    ○三堀証人 どういう面での……。
  401. 高木松吉

    ○高木(松)委員 法人、株式会社、組合とか、また公共性のあるものとか、どこの出先機関とか、公団とかいうようなものですか。何と認定されておるのですか。
  402. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう意味でございますれば、大豆協会は要するに法的な根拠のない任意組合であります。
  403. 高木松吉

    ○高木(松)委員 任意組合であつて——世間ではこの任意組合の大豆協会のメンバーを見て、いわゆる大豆の大量消費者が、公団から買受ける人たちが、公団の人や農林省の人たちと談合をする場所であり、談合する利益代表であると言つておるが、それに対して反対の理由がありますか。
  404. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは非常な誤解でありまして、大豆協会は、先ほど申しましたような、いわゆる大豆を需要するメーカーの団体ももちろん入つておりますけれども、そのほかに農民関係団体も入つておるわけなのでありまして、そういう構成メンバーが一致してやつておるわけでありますので、その点は非常に大きな誤解であろうと思います。
  405. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや、あなたの形式的解釈に対しては誤解しておるかもしれぬが、実質的内容はどうです。あなたはいつも形式、実質と言うが、今あなたのお話になつたのは、形式を整えたというにすぎなくて、実質は世間で言うところの、今私が申し上げたような内容であるということをあなたはお知りになりませんか。
  406. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは実質上の問題といたしましても、私は非常に誤解であろうと思います。
  407. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それならひとつ聞きますが、そういうことをあなたは強弁されるならば、今度油糧公団から刑事事件が起きましたね。この刑事事件の起きた油糧公団で、よけいな金をとつて、それを費消して、そうして帳簿まで焼いて、大責任のある、国民の前に謝罪しなければならぬ、そうして法の前にも謝罪しなければならぬ立場にある人に対して、大豆協会のメンバーになつておる人が金を集めて、これを防禦しようとされておる事実を知りませんか。
  408. 三堀參郎

    ○三堀証人 今のおつしやる意味がどういう意味だか、私わかりませんが……。
  409. 高木松吉

    ○高木(松)委員 金を集めて——西川、本村というような人たちを救おうと言つて金を集めて、いわゆる刑事事件の起きている、大きな罪を犯しておる者を救おうとしておる事実を知りませんか。
  410. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは私よく存じません。
  411. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その事実がもしあつたとしたら、利益代表であると、あなたは納得をせられませんか。
  412. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう事実は、少くとも大豆協会につきましては、ないと思います。
  413. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや、ある。大豆協会も出しておるのですよ。いわゆる大豆協会の組織、メンバーもそういう金を出しておる。これはたまたま表面に現われた一つの事実だからわれわれは取上げてみたのだが、こういう事実を一つ見ただけでも、あなたの解釈する実質面が想像がつくから、国民はこれを聞きたい、こう言うのです。どうです。もしあなたがおわかりなかつたら、ひとつ委員長からその点明らかにしていただきます。私の方では調べてあるのですから……。
  414. 三堀參郎

    ○三堀証人 繰返して申し上げますけれども、私としましては、大豆協会はその仕事の面におきまして、在任中におきましては、まつとうな仕事をする団体であり、またそういう気持でもつてわれわれとしましても、これに臨んでおつたのでありまして、もし今のお話の大豆協会の……。
  415. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは高木委員にかわつて聞きますが、あなたはそういうふうに言われますが、西川、本村両家家族救援金、本年六月二十三日に五万円、その次に同じく二十七日に十万円、十五万円、こういう事実はありませんか。
  416. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことは存じません——もつともそれは私食品局長をやめた後の問題でありますので、特に知らないのかもしれませんけれども……。
  417. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたがさう言われるなら、もう一つ。西川と野村が大豆協会の主要役員であつたことは御承知ですね。
  418. 三堀參郎

    ○三堀証人 はい、もちろん知つております。
  419. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その西川君は公団の副総裁でしたね。
  420. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  421. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村は公団大豆部長でしたね。先ほどあなたの言われたように、大豆協会に渡すべき金を預かつて、さうして大豆協会に渡すべき兼務を持つておる。それは西川、野村なんですね。それでその責任ある者と義務ある者とが同一人である。これは法律上どう思いますか。世の中でさようなことは許されますか。
  422. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどから申しておりますように、大豆協会仕事は、油糧公団としましては非常に関連の深い大事な仕事なのであります。従つて大豆協会のある程度重要なる部分に公団の役職員が入つて行くこともやむを得ないし、また公団自身も望んでおつたのであります。従つてそういうことになつたの現状なのであります。ただ金を使う面におきまして西川君の問題が起つておりますけれども、私といたしましては、西川君の問題にいたしましても、本村君の問題にいたしましても、大豆協会に関連のある関係においては、司法上の問題は起つていないのではないかと思つております。
  423. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 起つておらぬといつてよいのですか。今言うように、一人のものが預かる人であつて、そうして渡すべき責任と、両方責任を一人の者が持つてつて、それでよいのですか。先ほど大豆協会にかわつて預かつておる、大豆協会に渡すべき責任があるというのでしよう。渡すべき責任と受取るべき権利がある者が同一人でしよう。
  424. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは形式的になつてと、おしかりを受けるかもしれませんが、油糧公団責任者は、これは総裁なのでありまして、西川君ではないのであります。
  425. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、責任ある仕事を現にやつておるのはたれなのですか。
  426. 三堀參郎

    ○三堀証人 仕事をやつておるのは西川君がやつておるのでありますが、会長というもちろん別に責任者があるのであります。
  427. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何もやつておりません。事実際の責任者は西川君です。
  428. 三堀參郎

    ○三堀証人 やつておらないということはどういうことをおつしやるのかわかりませんが、それは事務的なことにつきましては、むろん西川君がやつておりますが、責任者はもちろんあるわけなのであります。
  429. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、頭はありますよ。頭はあるが、仕事をしておる者は同一人、預かる者と渡すべき責任を負つた者は一人である。これは法律上認められますか。あなたは法律をやつていられますが……。
  430. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、公団といたしましては、西川君が一人で動かしておるのではありませんで、公団は総裁以下の一つの組織として動いておるわけでありまして、それはさしつかえないと思います。
  431. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの言う形式上の人格は違いましよう。形式上の人格は別にございましようが、仕事実質上は一人ですね。同一人がやつていますね。
  432. 三堀參郎

    ○三堀証人 実質上とおつしやるのは少しあれなんでありまして、公団仕事は、実質上は一人で動かしておるのではないのでありまして、総裁以下の組織の力で動いております。西川君一人とはもちろん言い得ないと思います。
  433. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団と協会との間に、そういう預かつたり渡すべき権利、義務のあることは、先ほどからあなたの言われた通りですね。
  434. 三堀參郎

    ○三堀証人 はい。
  435. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは人間は違つていても、その仕事をしておる者がそれをやつてつて法律上いいものですか。
  436. 三堀參郎

    ○三堀証人 油糧公団の副総裁が大豆協会の副会長を兼ねておつた……。
  437. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そして実際の仕事をしておる。
  438. 三堀參郎

    ○三堀証人 ということにつきましては、われわれとしましては、さしつかえないと当時判断をしたわけなのであります。
  439. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会の金を自分が預かつて、自分が渡すべき責任を持つてつて、それでいいのですか。
  440. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから自分が預かつたというお話は少し違うわけなのであります。  公団が預かつてこれを協会に渡したわけなので、西川君個人の問題ではないと思つております。
  441. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団が預かつたといつて、それならばさつき言つた油糧産業のごときものも、人格が違うのだから、同じ株主でもいいのか、どうして法律で持つことを禁止しておるのです。公団の者が、その関係した事業の株主になつてはならぬという法律があるのは、どういうわけですか。
  442. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは公団関係仕事を営利会社がしておる場合に、その営利会社の利益になるように公団内部において働くことが好ましくないということで禁止をいたしておるわけなのでありまして、一方大豆協会は、農林省としましても積極的に援助をしておる、任意組合ではありますけれども、公的な団体なのでありますので、その団体の役員を油糧公団の役員が兼ねるということにつきましては、別段支障を見出さなかつたわけなのであります。
  443. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 株主でさえ、そういうことがあつてはいかぬから禁じておるのですから……。
  444. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは営利会社であるからなのであります。
  445. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 営利会社だけではない。会計や何かで一体双方代理ということを知つておるのか。
  446. 三堀參郎

    ○三堀証人 知つております。
  447. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今どうなんだ。双方代理と関係あるんじやないか。
  448. 三堀參郎

    ○三堀証人 それが先ほどから申しておりますように、形式的にも公団の西川君が責任者ではございません。また実質上においては、大豆協会は公的な機関であるという意味において、両方を兼ねるということにつきましては、さしつかえないという判断をしたわけなのであります。
  449. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたがそういうことをつつぱるなら、それでよろしゆうございます。ほんとうの信念からそう言えますか、ほんとうの信念から言つておるなら、われわれはそのつもりで扱いますけれども、そういうこと言うなら、さようなことをここで聞いておる皆に聞いてみなさい。あなたの言うことを納得する者がおるか。
  450. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それではちよつと聞きますが、興奮しないでいいから、当時のことを思い出してはつきり言つてください。私はあなたが、監督上はたして万全を期したかどうかということを聞きたい。万全を期したということを納得させられれば、国民もまた納得する。ただあなたが口の先で言い負かしたからというようなことでは、国民はますます納得しなくなるのだから、その点をあらためて頭に置いてお話願いたいと思うのです。そこで先ほどはつきりしなかつたから聞くのですが、いわゆる大豆増産奨励という仕事は、公団附帶事業であるから公団にやらせるのだというあなたの考え方ですね。どつちです。
  451. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆増産仕事は、公団附帶業務として認めておるわけなのであります。
  452. 高木松吉

    ○高木(松)委員 附帶業務ということは、法律上の根拠があつてあなたはお許しになつたわけですね。
  453. 三堀參郎

    ○三堀証人 さようでございます。
  454. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そう了承してよろしいでしようね、あなたの考えとしてはどうですか。大豆協会にやらせるということは、どういう法的根拠によつてやらしたのですか。要するに公団がやり切れぬから、代行機関をして大豆協会を認めて、附帶事業をやらせるという法律解釈ですか、どちらですか。
  455. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団公団として大豆増産事務は当然現状からやらなければならないし、大豆協会はまた大豆協会として、公団とは別の見地から、また公団と並行した見地からもやるということです。
  456. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたはそういうことを言われるから、私も黙つて聞けなくなる。大豆協会に、公団に許した附帶事業の金を使わしているでしよう。一体金を出すということは、金を出す人の仕事のためでしよう。公団仕事でしよう。あなたの方では、公団でこれこれの仕事してよろしいといつて、この金を使わせることが附帶事業でしよう。しかるになぜ任意組合で、利益代表とまで人が言うところの大豆協会にその仕事を代行せしめたのか。それとも大豆協会に直接いわゆる附帶事業をやらせたのか、あなたは大層法律論をやられるから、法律的でもいいからそこを説明してください。
  457. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは分析してのお尋ねでありますが。
  458. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや分析じやありません。金が大豆協会に流れて行つて、その金で大豆協会仕事をしておるのでありますから、その法的根拠いかんということを聞いておるのです。でたらめを言わぬようにしてください。
  459. 三堀參郎

    ○三堀証人 でたらめは言いませんが、大豆協会に対して金を出すのは、先ほども申し上げましたように、この価格の中に大豆協会に金を出すということで……。
  460. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはわかつております。要するにあなたの方で大豆協会附帶事業として増産事業をやらせる。公団にやらせることはよろしかろうが、大豆協会にやらせるということはどういう法的根拠があるか、大豆協会は任意組合でしよう。だから公団にやらせることに対しては、あなたの解釈で納得できるが、大豆協会にやらせるのはどういうわけですかと、こう聞くのです。これは一体どういう意味でやらせるのか、附帶事業でも何でもない、公団法の規定にないことだから……。
  461. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団法建前というか、大豆協会に金を渡しているのは、これは価格から来ている問題なのです。
  462. 高木松吉

    ○高木(松)委員 価格から来ておるというのですが、大豆協会にやらせるということを、価格のときにきめてあるのですか。
  463. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  464. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうことをきめていることは、実際ですか。
  465. 三堀參郎

    ○三堀証人 はい。
  466. 高木松吉

    ○高木(松)委員 要するに大豆増産奨励金を価格の中に入れるということをおきめになつたか知らぬが、任意組合であるところの大豆協会にそれを必ずやるのだというようなことを、価格をきめるときにきめられますか。
  467. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはもちろん価格の附記だとか、形式的面には出て参つておりませんけれども、このマージンのうちに織り込んである増産奨励金というものは、公団自体が使うものではなくて、大豆協会渡して、大豆協会にやらせるのだということに、農林省物価庁と一致しているわけなのであります。
  468. 高木松吉

    ○高木(松)委員 どうして大豆協会はそういうような、その仕事を独占してやるというような権利があるのですか。大豆協会大豆増産に貢献がなかつた——国民全部から取上げた金である以上は、どうしても増産させなければならぬ責任があるのにかかわらず、えたいのわからない大豆協会に、価格をきめるとき、織り込む場合に、それにやらせるものとあなた方がきめてかかるということは、善良な公務員のやる仕事ですか。
  469. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会性質につきましては……。
  470. 高木松吉

    ○高木(松)委員 性質はわかつております。
  471. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会そのものにつきましては、農林省におきましても内部でいろいろ検討いたしまして、食品局農政局とが一緒になりまして、協会の設立その他につきましても、農林省としてこれに当つて、任意団体ではありますけれども、これに対して積極的援助をするということに、省の考え方としてその方針をきめておるわけであります。従つてこれに対して、その価格の中に織り込んで奨励金を出すということに、物価庁と折衝をしてきまつたわけであります。
  472. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それに間違いありませんか。
  473. 三堀參郎

    ○三堀証人 ありません。
  474. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その法的根拠はどこにあるか。
  475. 三堀參郎

    ○三堀証人 法的根拠はもちろん別に何もございません。
  476. 高木松吉

    ○高木(松)委員 何もないのにそういうことができるのですか。法的根拠がないのに、効果があがるかあがらないかわからぬようなもので、その効果のあがらない場合には廃止できるようになつているのならばまだしも、大豆協会というものを特定して、そういうものを取上げるということは、国民の目から見ると、大豆協会とあなた方とぐるになつて、国民の膏血をしぼるとしか考えられなくなるのです。どうです。そういうことであつたら、そう思われてもしかたがないのではありませんか。
  477. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは行政の実質上の問題になると思うのであります。農林省といたしましては、大豆協会を積極的に援助し、これに増産の実効をあがらせようという気持で、一生懸命にやつて来たのであります。
  478. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その大豆協会がいわゆる事務員一人で、しかも公団から、公団仕事を一生懸命やらなければならぬものを三人嘱託としてやつて、あとは大豆協会の人というのは理事だけで、実際の仕事公団の方の本部及び支部でもつて全部やつている。こんな組織運営をあなた方が容認して、その責任を痛感いたしておりませんか。
  479. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会にも、先ほど御指摘になりましたいろいろの問題はあつたようでありまして、その点につきましては、われわれとしても監督不行届きの点は重々感じておるわけでありますけれども、ただわれわれの気持といたしましては、大豆協会増産の効果を上げさせるべく、一生懸命農政局とも手をとつてつて来たつもりなのであります。
  480. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 物価庁のだれとあなたはそういう約束をしたのですか。
  481. 三堀參郎

    ○三堀証人 私直接そういう問題につきましては折衝はいたしておりません。大体課長以下で……。
  482. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さような重要なことは、抽象的では困ります。だれが担当したのですか。
  483. 三堀參郎

    ○三堀証人 当時の油脂課長責任を持ちまして……。
  484. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 きようここに来ております中原ですね。
  485. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。物価庁では、おそらく部長と話していると思います。
  486. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 物価庁の何課長ですか。
  487. 三堀參郎

    ○三堀証人 主要食品課長をやつております。
  488. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでよろしゆうございますか。あなたは監督責任にあつて責任がないと言うから、はつきりしたことを私の方から言つて聞かせますよ。第一、大豆協会から日本容器株式会社の株式の拂込金として二十四万五千円、同じく関西容器株式会社に二十四万円というようなものを昨年中に拂つているのですよ。こういうようなことをやることが大豆増産ですか。あなたが監督として……。
  489. 三堀參郎

    ○三堀証人 私どもとしましては、大豆増産とも思いません。
  490. 高木松吉

    ○高木(松)委員 こういうことをやつているのを、そのまま見のがしておいて、あなた方監督責任がないと言われますか。
  491. 三堀參郎

    ○三堀証人 監督責任はもちろんないとは申しませんで、そういう点につきましてわれわれがやらなかつたことにつきましては監督責任を感じております。
  492. 高木松吉

    ○高木(松)委員 こういうことそれ自体がここに現われて来ている。この問題というものが、大豆協会性質を明らかにしているのです。よろしいですか。そういうことを強弁して、あなた方は過去の自分のやつたことに対して責任を負わずに、ほおかむりして逃げようとしたつて、国民は納得できない。どうです。こういうものがあるんですよ。営利会社の株式を持つというようなことを大豆協会がやつている。これをやらせることは、大豆協会が組織しているメンバーの仕事です。そういうことをやるような実態が、あなたの言うような、いわゆる観念的形式的に言うような大豆協会ではなくして、私の言う実質的の大豆協会であるということを、あなた認められませんか。
  493. 三堀參郎

    ○三堀証人 今御指摘の点だけでおつしやるのは、むりだと思います。
  494. 高木松吉

    ○高木(松)委員 まだまだありますよ。むりだつて……。これを見てみたまえ。一つ一つ言うのはめんどうくさいですから、君見ただろうけれども……。一体こういうようなことをやつていることが営利会社でないのかね。これを見て——なかんずく和田君などは、自動車を一台買つて、和田君の家にガレージをつくつて、私用にほとんど使つているというようなことを見のがしておいて、あなた方いわゆる監督責任を果したと言いのがれて、その責任を感じないに至つては、公務員としてのあなたの立場をわれわれは疑わざるを得ないのです。どうです。これを見て、それが答えられぬければ、その程度でいいが、いま一つ最後に、先ほど奇怪しごくなことを聞いたのですが、なるほどあなたは法律をやつたから、法律的に説明すると言うが、国民の方は法律じやない、やはり政治責任というものを考えるのです。だから法律的に言いのがれるという形ではなくして、政治的に公務員の責任を遂行するという考え方からお答えを願いたいのだが、この価格差の金ですな、大口消費者に対する。一体あれはとつて来て、だれの金ですか。八千万ばかりあるが、あれはだれの金です。あなたから言えば拂つた人の金だと言うのですか。それとも寄付とか何とかいうような言葉がちよつと出たようだが、あれはだれの金です。
  495. 三堀參郎

    ○三堀証人 実質を申し上げますと……。
  496. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや実質、形式でなく、実質も形式もわれわれは一致すべきものである。そういう言いのがれを二枚舌で言つてもらつては困る。あなたは形式はどうの、実質上はどうのと言うが、実質と形式とを別々にして一つのことを説明するということは言いのがれの方法なんだ。
  497. 三堀參郎

    ○三堀証人 言いのがれするということではもちろんないのでありまして、なるべく事態をわかつていただくつもりで申し上げておるわけでありますが、ただ説明がいかにもまずいので、はなはだお聞き苦しい点があろうと思います。今のお尋ねを法律的に申し上げますと、これは油糧公団の金であると思います。
  498. 高木松吉

    ○高木(松)委員 最前は何か大口のものを預かつているようなことを言われたんだな。
  499. 三堀參郎

    ○三堀証人 それを、実質上の性質がどうかということを申し上げたのであります。
  500. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、だれがこの金を自由にし得るのです。金に対する所有権はだれにあるのです。
  501. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点を、私が先ほどから実質上というので申し上げているわけでありまして、これはやはり大口需要者の意見を十分に聞いて使うべき性質の金だ、かように考えるわけであります。
  502. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで公団は、そういうものを預かる法的根拠があるのですか。しかも預かつて適当に、いわゆる従来奨励金とか何とか言つていろいろ使つているようですが、そしてそれを指図をしているようですが、そういうことを公団ができるんですか。また公団のやることに対して、あなた方が承認したり何かできるのですか。そういう金のことで、あいまいなことで国民の疑惑を受けることは、いわゆる公団運営の上に重大な支障を来たすのではつきりした……。しかもこの使い先に対して相当の疑惑があるのですが、そこをはつきりさしておきたいのです。
  503. 三堀參郎

    ○三堀証人 その金は、もちろん先ほど申しましたように、公団の金になるわけなんでありまして、実質上はともかくといたしまして、形の上におきましては、やはりこれは公団の金ということになるわけであります。ただ、その金を使う際に、中央で大口需要者の意見を聞くべき性質の金であるからというので、需要者の意見を聞き、また公正に判断してみても、油脂増産のために使うということは、必ずしも不適当なことでないということで、使うことをわれわれとしましては認めたわけなんですけれども……。
  504. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでちよつと……。だからそういうことを認めたと言うけれども、それはそれ自体が附帶事業とか何とかいうことで認めたんですか。あなたの方は監督官庁、だから……。
  505. 三堀參郎

    ○三堀証人 油脂増産仕事国内油脂資源増産ということは、これは公団附帶事業として、われわれは解釈したわけであります。
  506. 高木松吉

    ○高木(松)委員 附帶事業として解釈したならば、その附帶事業を運営するにはその運営資金というものは当然公団のものであらねばならぬでしよう。そういう不明朗のところに、いろいろの行動をあなた方がやるから……。国家の公務員というものは、忠実に法律を守り、そして善良な気持でいわゆる行政運営をしなければならないのに、あなた方は官尊民卑の気風をもつて、何でも政府はできるというようなとんでもない封建的な気持をもつて、今日まで仕事をして来たのじやないかというような考え方がこの結論として生れて来るんだが、あなたはどうですか。それはどれもこれもがあなたのさじかげんによつて、その原因が結果をなして、道徳上の責任を負うような金の使い方、法律上の責任を負うような金の使い方、なおあなたのさじかげんによつて、これらの公務員なり公吏が、いわゆる心のゆるみができてやつた結果が今日のような問題が起きているんですから、私ども国民としては、全部がその原因をなしたものはあなたであると結論を結ばざるを得ないが、それを承認するわけには参りませんか。
  507. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれの気持としましては、先ほど申しました通りに、公務員としての気持でやつて、また国産油脂資源増産という点につきましては、十分な力を入れるべき性質仕事だと考えるわけであります。従つてそういう方面に金を使う、あるいはまた使つたということについては、私としましては妥当だと考えておりますけれども、ただその後の使い方につきまして遺憾の点については、これは当然監督責任を痛感いたす次第であります。
  508. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一つ聞くことがありました。脱脂糧穀販売協会というものを御承知ですか。
  509. 三堀參郎

    ○三堀証人 ええ。
  510. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これに公団大豆粉及び大豆ミールの配給業務を代行させたことがありますね。
  511. 三堀參郎

    ○三堀証人 はつきり記憶いたしませんけれども、あるかと思います。
  512. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが初めに代行させるときには、大豆粉トン三十円でやつたそうですが、その後指定販売業者価格というものが定まつたら、その指定販売業者価格のいわゆるマージンは九十円だつた。そういうことは御承知ですか。
  513. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはよく存じません。
  514. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その指定販売業者価格というものができたということは御存じですね。
  515. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうものができたということは記憶はありますけれども……。
  516. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこのマージンが九十円、それからミールについてはトン二百円だ、そこでそういうきめはできたけれども、ただ販売業者実質においてきまらなかつたそうですな。
  517. 三堀參郎

    ○三堀証人 その辺のいきさつは、記憶がはつきりいたしておりません。
  518. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこできまらないものだから、それをいいこと幸いに、さらに進んでこの脱脂糧穀販売協会にずつと代行させて、そうしてマージン全部をやつた、これはどうですか。
  519. 三堀參郎

    ○三堀証人 存じません。
  520. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これによつて四百六十万円もうけた。その中からお前これでもうけたんだから——これはほんとうは前から三十円でやつてつたのですが、これを三倍にしたので四百六十万円もうかつたから、その三分の一をよこせといつて、百二十万円を大豆協会がとりもどしているのですが、どうですか、そういうことは御承知ありませんか。
  521. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点は記憶ありません。
  522. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では和田会長が自動車を買つてもらつておることは、知つておりましたか。
  523. 三堀參郎

    ○三堀証人 その話は他の方面で聞いておりました。
  524. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この百二十万円で……。
  525. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは知りませんけれども、とにかく協会で会長に自動車をあてがつておる話は承知いたしておりました。
  526. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから毎月公用自動車並びに車馬賃として五千円ずつ出ておるのですが、これは自動車の運転手の給料その他らしいですが、そういうことは知りませんか。
  527. 三堀參郎

    ○三堀証人 存じません。
  528. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とにかく百二十万円で買つてもらつて、その費用を毎月五千円ずつ出してもらつて、自分のうちにおいてやつているのだ。
  529. 大橋武夫

    大橋委員 私は法律的にお伺いいたしたいのであります。あなたは公団法につきましては、おそらく法律的にもその方の專門で今までやつておられたのですが、はつきりしておきたいと思います。  その前にまず大豆協会の主要なる目的はどういうことでしようか。
  530. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会の目的は、輸入大豆の増加と、それから国産大豆増産と、それから大豆に関する知識を普及し、ぞして関心を高めるというようなことが主要なる業務でございます。
  531. 大橋武夫

    大橋委員 そのうち輸入大豆の増加については、どういうことをやつておりましたか。
  532. 三堀參郎

    ○三堀証人 輸入大豆の増加につきましては、これは官庁側ももちろん一連の仕事なのでありますけれども、関係方面に種々日本における大豆の需要の状態をこまかく歴年的に調べまして、その輸入要請をするというようなことをやつておりました。
  533. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると経費の主要なる部分は、大豆増産奨励金から出ていたのでしようか。
  534. 三堀參郎

    ○三堀証人 その御質問の通りでございます。
  535. 大橋武夫

    大橋委員 そこでその増産奨励金の法律的な性質についての、あなたの見解をただしたいと思いますが、増産奨励金の法律上の帰属者は、これは協会でなくて、公団であることは先ほどあなたがおつしやつた通りでございますね。
  536. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  537. 大橋武夫

    大橋委員 そうしてこれが協会に渡るところの法律上の原因はどういうものですか。
  538. 三堀參郎

    ○三堀証人 協会に渡る法律上の原因ということになりますと、これはおそらく油糧公団が協会に交付する寄付というわけでもありませんですが、贈與と申しますか、そういう性質だと思います。
  539. 大橋武夫

    大橋委員 そしてその贈與するについて、公団としては法律上正当なる根拠はありませんね。
  540. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律上の根拠は別段何もありません。
  541. 大橋武夫

    大橋委員 法律上の根拠がないために、そこで公団はこの大豆増産奨励金を收入する場合に、それに相当する金額を仮受金として受けておつたそうですね。つまり売上金として正当なる勘定料目に計上すべきものを、大豆協会に交付する目的をもつて、その法律上の根拠がないから、それがために一応仮受金として処理しておつた、こういうことになりますか。
  542. 三堀參郎

    ○三堀証人 大体そういう筋道だと思います。
  543. 大橋武夫

    大橋委員 大体とはどうですか。
  544. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、そういうことだと思いますね。
  545. 大橋武夫

    大橋委員 大体というのはお取消しですね。
  546. 三堀參郎

    ○三堀証人 ええ。
  547. 大橋武夫

    大橋委員 それからこれに対して農林省認可を與えておられたわけですか。
  548. 三堀參郎

    ○三堀証人 認可という手続はとつておらないと思います。
  549. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、実際上認可は與えていないが、しかしこの問題については、農林省の人たちも相談にあずかり、これに対して賛成をした、こういうことですね。
  550. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことです。
  551. 大橋武夫

    大橋委員 それではそのときに、農林省側において関係した方の氏名をおつしやつていただきたい。
  552. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは農林省食品局長以下油脂課長なり関係官、それから物価庁関係官がその責任者といいますか、関係者になると思います。
  553. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、その物価庁関係官は、油脂課長に伺えばはつきりいたすわけですね。
  554. 三堀參郎

    ○三堀証人 はつきりいたします。
  555. 大橋武夫

    大橋委員 あなたは当然入つておりますね。
  556. 三堀參郎

    ○三堀証人 直接折衝するしないは別として、私は当然入つております。
  557. 大橋武夫

    大橋委員 当時の実情承知しておりますね。
  558. 三堀參郎

    ○三堀証人 承知しております。
  559. 大橋武夫

    大橋委員 それから公団においてその実情承知して、この相談にあずかつた氏名をおつしやつてください。あなたの御承知範囲でよろしい。いずれ油脂課長からも伺います。
  560. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはおそらく総裁、副総裁、それから大豆部長等であろうと思います。
  561. 大橋武夫

    大橋委員 課長はありませんか。
  562. 三堀參郎

    ○三堀証人 その辺のところはちよつと……。
  563. 大橋武夫

    大橋委員 もう一つ価格差金の問題で、これもやはり仮勘定として処理しておられますが、これについても、法律上の帰属者は公団であるけれども、しかしこれも法律上正当な事由がないから、一応仮勘定として処理した、こういう意味に受取つていいでしようか。
  564. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律上正当の事由がないからと申しますが、要するに……。
  565. 大橋武夫

    大橋委員 つまり贈與すべき法律上の権限なり根拠が公団にないからと言うのか。
  566. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういう意味です。
  567. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、今あなたがおつしやつたことを総合すると、公団の役員は公団所有に属する金銭を正当な理由、または根拠なくして第三者であるところの大豆協会に交付した。こういうことになりますか。
  568. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことにはならないと思います。
  569. 大橋武夫

    大橋委員 どういう点が違うのですか。
  570. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆増産奨励金は、先ほどから繰返して申しておりますように、大豆価格をきめる際に、大豆協会に渡すべき性質だということできまつておるわけなのであります。その面にはつきりした根拠を持つておりますので、これは当然公団としましても、また行政係官としても、交付してさしつかえないものだと、このように考えます。
  571. 大橋武夫

    大橋委員 そういう価格のとりきめの根拠法規は何ですか。
  572. 三堀參郎

    ○三堀証人 根拠法規と申しましても、別段価格についての根拠法規というものはないと思います。
  573. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、公定価格というものは根拠法規なくしてきまつておるのですか。
  574. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん価格は当然法規に基いてきめられております。
  575. 大橋武夫

    大橋委員 その法規に基いておる価格というものは、公団から買受人に対する価格をきめておるものですね。
  576. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  577. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、それは価格として、当然価格の中に入つておる限り、公団に帰属すべきものですね。
  578. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律上はそういうことになります。
  579. 大橋武夫

    大橋委員 法律上そうですね。
  580. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  581. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると法律上何らの理由なくして、これを大豆協会に対して贈與したことになりますね。
  582. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは、だから先ほど申しましたように、価格の面から、一面から言えばこれは大豆協会に交付すべき金ということから、当然協会に渡すべき性質だ、こういうことになるわけです。
  583. 大橋武夫

    大橋委員 ところがあなたは、今価格価格統制令によつてきまつたとおつしやつたでしよう。価格統制令中には、大豆協会に交付しろということが書いてありますか。
  584. 三堀參郎

    ○三堀証人 書いてありません。
  585. 大橋武夫

    大橋委員 書いてないものをどうしてそうおつしやるのですか。
  586. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは価格の建て方が、増産奨励金という名目ではつきり出ておりますので、当然これは大豆協会に渡すべき金だと思つております。
  587. 大橋武夫

    大橋委員 増産奨励金というものは、一つの算定基準に入つておるわけですね。そうでしよう。
  588. 三堀參郎

    ○三堀証人 算定基準ということは当らぬかも知れませんが……。
  589. 大橋武夫

    大橋委員 構成部分に入つておるわけですね。
  590. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  591. 大橋武夫

    大橋委員 その構成部分に入つておるところの増産奨励金が、大豆協会に帰属すべきものなりということは、法律的には何らきめられていない。そうでしよう。
  592. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律的な問題はもちろんそれは別かと思います。
  593. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると法律的の問題としては、あなたが今申しました通りになりはしませんか。法律的には、正当なる理由なくして、公団所有に属する金銭が第三者たる大豆協会に渡つた。こういう事実を認めざるを得ないでしようね。
  594. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点は、必ずしも法律上根拠がないということには、私どもとしてはならないと思います。
  595. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると法律上の根拠は何ですか。
  596. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律上の根拠は、価格がきめられるというところにその違法性阻却の問題が起つて来るのではないかと思います。
  597. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これは違法性阻却の問題ですね。
  598. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は法律は忘れましたが、そういう趣旨になるのではないかと思います。
  599. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、それがもともと違法性阻却がなければ、それが犯罪的行為だということをお認めになつたわけですか。
  600. 三堀參郎

    ○三堀証人 犯罪にはならぬと思います。
  601. 大橋武夫

    大橋委員 違法性阻却ということは、犯罪行為または違法行為について言うべきものであつて、今あなたが違法性阻却ということをそこでおつしやつたことは、あなた方のやつた行為というものが、本来ならばこれは違法行為であるということをお認めになつておるから、そこで違法性阻却ということが出たのでしよう。そうでしよう。
  602. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですからこれは刑法上の解釈の問題でないのですから、違法性阻却という言葉があてはまるかどうか。やはり実質上の意味において、先ほどから申しておる通り建前から言えば、あくまで国の予算から出すべき性質のものだということは、前提として認めておる。ただそれが困難であるから、価格の面において織り込んでおるわけでありますが、その面においてこれは妥当なものであります。従つて……。
  603. 大橋武夫

    大橋委員 それでは刑法の問題でないというのですか。どうして刑法の問題でないか、私は刑法の問題があると思つておる。どうして刑法の問題でないのですか。
  604. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどから申しておるように、実質上行政的の問題としてこれは処置してさしつかえないと、われわれは考えております。
  605. 大橋武夫

    大橋委員 しかし実質上行政的に処理するということは、だれがきめたのです。違法性阻却の事由ということは、だれがきめたのです。何も違法性阻却の事由にはならぬじやないか。役人と公団の人が相談して、価格をきめるときにかつて価格をこうきめて、大豆協会がいくらときめたことは、何らこれは違法性阻却の理由にならぬと思うのだが、違法性阻却の理由になると思われるなら、その根拠をはつきりしていただきたい。
  606. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは先ほどから申しております実質上の点から来ておる。
  607. 大橋武夫

    大橋委員 どういう点が実質上なのです。
  608. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから大豆増産ということは、少くともその当時におきましては、現在においてもそうだろうと思いますが、非常に重要な問題である。しかも……。
  609. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、この行為は違法的な行為であるけれども、その違法行為をやつた目的というものは、大豆増産という国家的立場からやつたんだ。従つて法律上の原因なくして公団所有の金銭を大豆協会に引渡したという行為は、本来から言えば、刑法から言えば、これは横領罪を構成する行為である。けれどもその目的が大豆増産という国家的目的に合致するために、違法性阻却になると、こう言われるのですか。
  610. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれとしては、この価格をきめる際に、これをはつきり協会に渡すべき性質だということを、行政的に解釈をしておるわけでありますから、当然横領とか何とかいうことは、公団関係において起らない。かように考えて見ておるわけです。
  611. 大橋武夫

    大橋委員 あなた方は価格をきめる際に、協会に渡すべきものだということをきめる権限を、だれから與えられましたか。価格統制令の第何條によつて與えられておるか。あるいは公団法の何條によつて與えられておるか。役人がただきめさえすれば法律がかえられるということは、とんでもない間違いじやないか。どうですか。この点が私きよう伺いたい一番大事な点なのですが、はつきりしたお答えを願いたい。
  612. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん価格統制令に、そういう関係は出て来ないと思います。
  613. 大橋武夫

    大橋委員 価格統制令にないものを、かつてにあなた方が違法性阻却の口実をつくるために、そういうことをきめたのじやないですか。
  614. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどから申しております通り、これは公団以前からある問題なのでありまして……。
  615. 大橋武夫

    大橋委員 公団以前においてはそれはいい。公団以後においては、明らかに横領罪を構成する問題じやないですか。
  616. 三堀參郎

    ○三堀証人 横領罪の問題は起つて来ないと思います。
  617. 大橋武夫

    大橋委員 横領罪の問題はどうして構成しないのです。かつて大豆協会の利益のために交付した。大豆協会という第三者の利益をはかつて交付しておる。横領罪にあらずということは、どういう根拠ですか。公団役員は自己の占有する公団財産を、大豆協会に何ら正当なる理由がないにかかわらず、これを引渡しておる。これは横領罪です。ただあなたがそれに対する違法性阻却の理由として、大豆増産憂励金として、これは本来大豆協会に與えらるべき金であつたということを、今言つておられた。そうでしよう。
  618. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  619. 大橋武夫

    大橋委員 それは大豆協会の目的が公益的であるからですか。
  620. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会の目的は、もちろん公益的であると思います。
  621. 大橋武夫

    大橋委員 それだからですか。協会の目的が公益的であれば、そうするとそれに横領して金をやつたところで犯罪にならぬ。こういうことですか。鼠小僧次郎吉というのは、あなたも御承知通り強盗をして、その金を貧困者に惠んだ、いわゆるぬすみはすれど非道はせず。だから自分は義賊だと言つておる。あなた方もそうすると、ぬすみはすれど非道はせず、これは義賊だと、こう言われるのですか。鼠小僧次郎吉と同じ心境でやつたんだと言われるのですか。私はこれは明かに横領罪だと思います。  それでは次の価格差金の問題、それについても横領罪だと私は認めるのだが、あなたはこれは横領にあらずと言う。その理由を説明していただきたい。
  622. 三堀參郎

    ○三堀証人 大体価格差金、大豆奨励金も、ケースはやや違いますけれども、同じような建前から来ておると思います。従つてわれわれとしましては、事柄の性質上、これはその当時において妥当な措置であつた、かように考えておつたわけであります。ただその後におきまして、この制度は廃止されましたけれども、その当時においてはやむを得なかつた措置であると考えておつたのであります。
  623. 大橋武夫

    大橋委員 やむを得ないというのは、違法性阻却という意味ですか。
  624. 三堀參郎

    ○三堀証人 その違法性阻却という言葉が、法律上はどういう意味かは別問題としまして、そういう考え方を私は持つてつたのであります。
  625. 大橋武夫

    大橋委員 あなたはこの行為について、先ほど本来大口メーカーにとらすべきものを公団が預かつたのだから、横領にならぬのだというような説明でしたね。
  626. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  627. 大橋武夫

    大橋委員 だから本来大口メーカーから預つたものであるということを、法律的にどういう根拠で主張されるのか、説明していただきたい。
  628. 三堀參郎

    ○三堀証人 価格建前で、小口のメーカーは販売業者を通じていたします。
  629. 大橋武夫

    大橋委員 それは経済的な問題……。
  630. 三堀參郎

    ○三堀証人 大口メーカーは直接買えるわけなんです。従つてその建前を、大口メーカーとしては当然今まで主張しておつたのですけれども、ただそれでは、一面から言つて小口メーカーとの関係において、條件が不平等になるということから、その條件をひとしくするがためには、一面において、そのかわりその金を油脂増産のために使つてもらいたいというような事情からと承つて来たわけなので、そういう経緯があるから、われわれとしましては、これはやむを得ない措置だと考えたわけであります。
  631. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これは横領にはなるけれども、やむを得ない。こういうわけですか。
  632. 三堀參郎

    ○三堀証人 それにつきましても、私は横領になるとは考えない。
  633. 大橋武夫

    大橋委員 しかし公団の金をかつてにほかへ使うのは、横領にならぬですか。
  634. 三堀參郎

    ○三堀証人 先ほどから申しておりますが、経緯を持つた事柄なんで、横領というような問題は起つて来ないと私は思います。
  635. 大橋武夫

    大橋委員 横領にならぬ理由は、農林省と安本が相談したから横領にならぬ、こういうわけですか。結局あなたの言うことをさつきから聞いておると、農林省と安本と公団が一緒に相談しさえすれば、どんな悪いことをしても横領にならぬ。詐欺にならぬ、こういうことを言われるわけですか。
  636. 三堀參郎

    ○三堀証人 悪いこととおつしやいますが、あとの使い方についての問題は……。
  637. 大橋武夫

    大橋委員 いや使い方じやないのだ。その横領行為そのものだ。
  638. 三堀參郎

    ○三堀証人 これは悪いことであるとは私は言えないのじやないかと思います。
  639. 大橋武夫

    大橋委員 それでは横領行為でないと言われるのですか。
  640. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は横領ということは当らないと思います。
  641. 大橋武夫

    大橋委員 刑法に何とあります。自己の占有する他人の財産をあなたは横領したのじやないですか。公団の財産だとあなたは言つておる。法律的にはあなたはそれを横領して、これを大豆協会渡した。だから大豆協会というものは、横領によつて取得したところの諸君の臓物を受取ることが主たる目的なんだ。臓物收受を目的とした協会がすなわち大豆協会、その会長が和田君である。これがこの大豆協会に対する刑法上の解釈だ。これ以外の解釈は成り立たないじやないですか。もしありとすれば違法性阻却の問題だが、あなた方はその根拠として、これは仮受金であるということを言われるけれども、仮受金でないということは、先ほど私が一番初めに伺つた。仮受金というのは、勘定の便宜上仮受金として処理しておつたのであつて、本来から言えば、価格として公団の收入になるべきものであるということを、あなたは言つておる。そうすれば公団法関係から言つて、これはどうしたつて大豆協会などに渡すというりくつは成り立たない。それをやるということは、役人の横領行為であると言わざるを得ぬ。これに対する御弁解があつたら伺いたい。
  642. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですから、私どもは先ほどから申し上げておるように、これは実質上においてそういうようにして使うことについて、公団法上においてもさしつかえないと考えて処理したわけなのでありまして、もしそれが御指摘の通りであれば、われわれの解釈が違つてつたことになりますけれども、われわれとしては事柄の経緯から考えて……。
  643. 大橋武夫

    大橋委員 経緯ということはあなた方の都合であつて法律には経緯も何もない。あなた方がかつて価格をきめるときの経緯はよくわかりました。あなた方の動機もよくわかりました。わかりましたけれども、それはあなた方の内部の話なのであつて法律の効力、法律建前というものは、あなた方が役所でどんな御相談をされようと、それによつてかわるものじやないだろう。それはどうですか。かわることですか。あなた方が法律をかえる力を持つておるのですか。
  644. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれはもちろん法律をかえる力は持つておりません。
  645. 大橋武夫

    大橋委員 法律をかえる力を持つていないとすれば、あなた方は法律に従つて仕事をやつておるのだから、法律でやつてみればこういうことになるという私の言葉に対して、法律上の根拠をもつて、さにあらずということを言つていただくよりほかにはない。法律的にこれは横領罪を構成する行為である。商工省及び安本の諸君が、これを事前に相談を受けてやつたとすれば、皆さんは横領についての共同謀議の罪に当る共同正犯、法律的にはこれ以外の解釈はないでしよう。その点は非常に重要な問題ですよ。あなた方としても重要だし、われわれの委員会としても重要な問題だ。  なお伺いますが、食品公団に今関係でございますが、それにもやはりこういうふうな性質の金がありますか。
  646. 三堀參郎

    ○三堀証人 食品公団についてはそういう金はありません。
  647. 大橋武夫

    大橋委員 全然ありませんね。
  648. 三堀參郎

    ○三堀証人 ありません。
  649. 大橋武夫

    大橋委員 それから先ほど委員長が最後に聞かれた点ですが、脱脂大豆大豆ミールの代行手数料四百六十万円のうちから、百二十万円を大豆協会に要求して、大豆協会に收入した行為、これを刑法に照しますと、公団の公務員が自己の職務に関して、行為の相手方から賄賂を要求し、これを受領した行為になりはしませんか。これについてのお考えを伺いたい。
  650. 三堀參郎

    ○三堀証人 私先ほど申し上げましたように、その問の事情についてはよく知りませんが、価格を改訂した、従つてその改訂した価格公団がとるということは、当然のことであろうと思います。でありまするが、それ以外の今のこの問題につきましては、実は詳しいことをよく知りません。
  651. 大橋武夫

    大橋委員 それでは簡単に申し上げますと、大豆ミールの代行料が引上げられた結果、販売業者の利益が四百六十万円ふえた。だから百二十万円くらい大豆協会に出してもよかろう。こういうので要求して、それを受取つたわけですね。この場合に大豆協会の幹部というものは、公団の幹部なのです。ですからこれはまつたく公務員なのです。この公務員が、自己の職務に関して行政行為の相手方から財産上の利益を要求し、これを受領する行為というものは、あなた方は収賄とお思いになりませんか。
  652. 三堀參郎

    ○三堀証人 その問題につきましては、私自身にもよくわかりませんが、ただこういうように思われるのです。価格をきめますのは物価庁がきめることなのでありまして、公団としましては、その資料の提出その他はもちろんいたしますし、参画はいたしますけれども、物価庁がきめる権限を持つておりますので、公団の職員自体についてどうこうという問題は、法律的には起らないのじやないかと思います。ただ当、不当の問題はもちろんあり得ると思いますけれども、法律的にどうこうという問題は起らないのじやないかと思つております。
  653. 大橋武夫

    大橋委員 しかしながら公団は、指定業者に現物を渡すか渡さないかという権限を持つておるでしよう。渡したがゆえに四百六十万円の利益が生じたのでしよう。しかるがゆえに賄賂を要求する原因ができたわけです。あなた方は、公団の職員が現物を業者に渡すその反面において利益を要求し、これを受領する行為、世上かような行為がひんぴんとあるのじやないかといううわさをわれわれは聞いておる。そういう行為をあなた方監督官庁として、これは涜職にあらずと言い切れますか。それを国民の前にはつきり言い切れるものなら言い切つてみていただきたい。あなた方どういうりようけんで公団監督しておるか、それをあなたのお答えによつて、国民ははつきりと知ることができると思います。
  654. 三堀參郎

    ○三堀証人 販売業者に対する割当につきましては、これは一定の公正な別の基準で渡すわけなのでありまして、必ずしも公団の役職員の自由裁量によつて、その量が左右されるという性質のものではもちろんないわけなのであります。従つて今の問題、三十円から九十円に上つたということにつきましても、当、不当の問題もちろんありましようが……。
  655. 大橋武夫

    大橋委員 当、不当の問題を言つておるのではありません。
  656. 三堀參郎

    ○三堀証人 法律的に公団がきめる権限を持つておらないものについて、收賄の問題ということは、私ちよつと起りにくいのじやないかと思つております。
  657. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、あなた方公団は品物を配給する場合に、いかに販売業者あるいは買入れ業者から金をとろうが、ごちそうになろうが、一切收賄にならないのだ、こうはつきり言われるのですか。
  658. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや、私は決して公団の役職員が関係業者から、販売業者、メーカーを問わず、買入れ業者から金銭物品をもらうことを認めておるわけではありません。
  659. 大橋武夫

    大橋委員 それじや百二十万円も現なまでもらつたら、涜職じやありませんか。
  660. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、こういうのだよ。大豆部長が請負わせて、それで百二十万円をもうけさせて、それを受取つたの大豆協会なつておる。この点からいつても、大豆協会公団一つであることは明瞭なんだ。
  661. 大橋武夫

    大橋委員 公団の職員がそういう幽霊協会をつくつて、そうして收賄行為を公然とやることをあなた方容認しておるのですか。公団監督の上からいつて、これは実に驚くべきことだといわなければならない。農林省の方針ですか。これは官僚の名誉のために、はつきりしたことを言つていただきたい。もしそれが涜職でないということになつたならば、何によつて一体官紀の維持、官庁の事務の公正ということが保障されるのですか。これはひとりあなただけの問題、大豆会だけの問題ではない。全官僚、全経済統制機構の信用に関する重大な問題であると私は考えます。これは明らかに涜職だと思います。それをあなたが涜職でないと言うのだとすると、われわれは統制機構、またそういう人たちの官僚機構というものについて、国民的な立場からもう一度新しい認識をし直さなければならないと思うのです。よく考えてお答えを願いたい。
  662. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は今の具体的な問題について、そういう金を、そういう経緯のもとに、大豆協会に寄付なり何なりさせるということの当、不当の問題は、当然論議されてしかるべきだと思います。しかしこれがすぐ刑法上收賄になるかどうかということにつきましては、私必ずしも的確に判断をし得ないわけでありまして、当、不当の問題が論ぜらるべきではないかと思います。
  663. 大橋武夫

    大橋委員 当不当の問題はむろん論じられる。それ以外に收賄問題を論じておるので、それに対して答えていただきたい。当不当が、不当ということはわかつておる。
  664. 三堀參郎

    ○三堀証人 收賄の刑法的な知識を十分に持ち合せておりませんが、收賄はおそらく業務に関連して、その人が自分のために自分のふところに入れるという問題に関して起つて来るのじやなかろうかと思うのでありまして、今のように、協会に業界から寄付した問題についての收賄ということになると、だれが收賄したかということにつきまして、法律的には若干の問題があるのじやないかと思います。
  665. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると公務員は、收賄しようと思うときは、組合をつくればよろしい、たとえば食品局で收賄しようとするときには、自分一人で要求してはまずい、食品組合というものをつくれ、そうしたらだれが收賄したかわからない、だから收賄にはならないのだ、こう言われるのですか。
  666. 三堀參郎

    ○三堀証人 協会と公団との関係は、また別個に考えなければならない問題でして、そういう意味からも、これが法律的に收賄になるかどうかということについては、私としては的確な判断はいたしかねます。
  667. 大橋武夫

    大橋委員 あなたが判断できかねるのは、協会と公団が同一人であるかないかということがはつきりしないからだ、こう言われるのですか。
  668. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団大豆協会とは当然別の人格です。
  669. 大橋武夫

    大橋委員 大豆協会に人格はありますか。
  670. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん法律的な人格はありませんけれども……。
  671. 大橋武夫

    大橋委員 だつて大豆協会には、ちやんと公団の職員が会員として入つているではありませんか。
  672. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会公団とは別のものだと言うのです。
  673. 大橋武夫

    大橋委員 法律的にはなぜ別なものですか。それはそういう人たちがつくつた組合じやありませんか。それがどうして法律上別のものとなるのですか。
  674. 三堀參郎

    ○三堀証人 公団法というものによつて規定されておる範囲公団でありまして、大豆協会はもちろん油糧公団の中にはないのです。
  675. 大橋武夫

    大橋委員 私は公団ということを言つておるのではない。公務員だということを言つておるのですよ。大豆協会の役員であろうが何であろうが、その人は公務員なんだ。具体的に言えば、副総裁なり大豆部長は公務員だ。公務員が自己の公務に関連してやつた処分について賄賂を要求しておる。事態はそういうことなんで、公団がどうとか大豆協会の人格がどうとか言うのじやない。これは刑法の問題ですから、法人の問題じやなくて、自然人参けの問題です。自然人たる大豆協会の役員は西川君であり、あるいは大豆部長の何がし君であります。その人は公務員だ。そうして自己の公務員としてやつた行政処分に関連して金をとつておる。これが收賄でないのですか。
  676. 三堀參郎

    ○三堀証人 ですからもし西川君なりあるいは野村君なりが金をとつておれば、これは当然收賄になると思います。
  677. 大橋武夫

    大橋委員 大豆協会のために金をとれば、それは收賄ですね。
  678. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会のために金をとつたということについては、私としては的確な法律上の解釈はいたしかねます。
  679. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 法律論だからどうでもよいが、それは第三者にとらせても同じことなんですよ。それを忘れておられるのではないのですか。
  680. 大橋武夫

    大橋委員 賄賂を第三者に交付させた場合にも、涜職罪は成立するのですね。その涜職罪が成立しないかということを私は聞いておる。
  681. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 「其職務ニ関シ請託ヲ受ケテ第三者ニ賄賂ヲ供與セシメ又ハ其供與ヲ要求若クハ約束シタルトキハ」こうなつておりまして、同じことなんです。法律論だから大したことではないが……。
  682. 大橋武夫

    大橋委員 大した問題じやないことはない。委員長、今の大した問題じやないとおつしやつたのを取消してもらわぬといかぬ。ぼくはこれが一番大事な問題だと思つておる。心構えばかりじやない。私はただいままで伺つたところによりまして、これは大豆協会及び公団関係において明らかに横領罪、それから大豆協会といたしましては臓物收受罪、またこれに関連いたしまして涜職罪が成立しておると思つておる。先般の公団疑獄におきましては、いわゆる裏勘定に関する背任罪だけが問題にされておる。それだけが検察庁において取上げられているにとどまる。しかし私はそれ以外に、ただいま申しました横領罪、收賄罪、贈賄罪、また臓物收受罪、こういう犯罪が明らかに存在しておるのじやないかという疑いを持つてつたがゆえに、質問をしたのです。私は今までのお答えによりますと、明らかにそういう犯罪があつたとしか考えられない。従つて将来私は適当な機会におきまして、委員会に対しまして、これらの犯罪に対する告発を提起いたしたいと考えておるので、特に聞いたのです。委員長はこれを大事な問題じやないとおつしやいますけれども、私はさような意味において非常に大事だと思いますから、よろしくお願いいたします。  なおあなたが違法性阻却の原因としてさつき述べられたことは、これは業務上正当な理由があつてつた行為であるから、それで違法性を阻却するのだこういうわけですね。
  683. 三堀參郎

    ○三堀証人 そういうことを申し上げました。
  684. 大橋武夫

    大橋委員 それであなた方がこの横領行為によつて得たところの公団の金を、大豆協会に交付することについての正当なる業務上の根拠を伺いたい。安本の官僚、農林官僚及び公団役職員は、いかなる理由によつて大豆協会にこれらの金を公団から渡すことについて、不当なる業務上の地位にあるか。ただ動機が正当であつたというのですか。動機の正当性はだめですよ。それはさつきも言つたように、鼠小僧の話でわかつておる。動機の正当性は行為の違法性を阻却するものではない。これは情状酌量になるか、執行猶予になるかどうかという問題だ。
  685. 三堀參郎

    ○三堀証人 動機の問題になるかどうかしりませんが、先ほどから申し上げておることを繰返すにとどまるわけでありますけれども、われわれとしましては増産奨励金については、価格の面もはつきりしておるので、これを協会……。
  686. 大橋武夫

    大橋委員 それならばあなた方は、大豆協会にこの大豆増産奨励金を交付するために、価格をきめる際に大豆協会に與えるということをきめた、そうですね。
  687. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうです。
  688. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると大豆協会に與えるということをきめて、そこで価格をきめた。だからこれは横領にならぬ、こう言われるのですか。そうすると官僚というものは、政府の金をだれかにやろうと思うときには、価格に織り込んでおきさえすれば、何をだれにやろうがよろしいのですか。
  689. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはまた実際問題としまして、いろいろなあれがあると思うのでありまして、それぞれその裏の経緯、周囲の事情、いろいろあるわけでありまして、そういうことから事柄が判断されることはなかろうと思います。
  690. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、あなたは周囲の事情といろいろと言われるけれども、それはさつきから言うように、動機の問題になつて来るのじやないですか。そうじやないですか。だから結局価格をきめる場合に、正当な配給ルート以外の人に渡るべき金を、かりに価格に織り込んで価格を決定したところで、それはその価格から出たところの金銭が、その受取人として予定された人に渡るべき法律上の根拠にはならない。これは明らかにお認めでしよう。価格をきめただけで、取引に関係のない人が利益を受けるということは、あり得ないでしよう。
  691. 三堀參郎

    ○三堀証人 実質上は、これは政府代行機関なんでありますから、われわれとしましては、価格の面において、これは当然他に交付すべき金だというようにきめられておるとすれば、当然その機関の收入にしないものだ。
  692. 大橋武夫

    大橋委員 政府がきめたと言うが、政府はちつともそんなごときめてないじやないですか。あなたはきめたきめたと言われるが、だれがきめていますか。
  693. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は物価庁においてきめておるのは、そういうことにおいてきめられておるのだと聞いております。
  694. 大橋武夫

    大橋委員 物価庁のだれがきめたんですか。
  695. 三堀參郎

    ○三堀証人 物価庁長官の告示において出ておるわけです、大豆価格は……。
  696. 大橋武夫

    大橋委員 大豆価格はそうですが、大豆協会にやれということは告示に出ておりますか。
  697. 三堀參郎

    ○三堀証人 それはもちろん告示には出ておりません。
  698. 大橋武夫

    大橋委員 告示に出ておらなければ、政府がきめたとは言われぬじやないか。あなたは法律家だから知つておるでしよう。あなたは行政処分でなくて、一体どうしてそういう権利義務が発生するか。そのときにいかなる行政処分があつたか。行政処分というものは、権利義務に関する重大なものですから、それにはおのずから一定の形式というものがあつて、その形式をふまなければ行政処分というものは成立しない。行政処分が成立しなければ、そういう権利義務というものは発生しないのだ。大豆協会にやろうということは、それは一応やることにしたのだけれども、いまだ今日までそれを大豆協会にやるという行政処分は存在しておらぬのだ。この点が大事な点である。存在しておるというならば証拠をあげてください。ただあなた方役人が、茶飲み話がそういうことをきめただけではないか。役人の茶飲み話と行政処分とは違う。つまりあなた方は国民から大豆増産奨励金と称して、幾らか巻き上げようということを考えた。それで巻き上げることに成功したならば、これを公団から大豆協会にぐるぐるとまわそう。こういうことを考えたでしよう。それは確かにそうでしよう。そうしてそれを織り込んで価格を形成させることには成功した。しかしながら成功したのはそこまでなのであつて、それ以上金を大豆協会に渡すという行政措置をとるところまではやつていなかつた。そうではないのですか。行政措置はやつたのですか。
  699. 三堀參郎

    ○三堀証人 お話の行政措置はとられておりません。
  700. 大橋武夫

    大橋委員 行政的な措置がとられておらぬということは、さつき申し上げたように、いまだ大豆協会が取得すべき権利を持つておるということは、法律的に確定しておらぬということでしよう。
  701. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん形式的には……。
  702. 大橋武夫

    大橋委員 形式的というのは、法律的という意味ですね。法律的には確定しておらぬ。そうすれば明らかにこれは法律上当然公団に帰属すべきものが、役員及び関係官吏の共同謀議によりまして、大豆協会に引渡された。こういうことになつておるわけですね。これはお認めになりますね。
  703. 三堀參郎

    ○三堀証人 私としましては、先ほどお答えしたことを繰返すことになりますが、一番最初にあなたが念をお押しになつて、私がお答えした通りなのでありまして、それ以上別段……。
  704. 大橋武夫

    大橋委員 それはどの点ですか。いろいろ答えられておるから、どの部分を言つておるのですか。
  705. 三堀參郎

    ○三堀証人 この問題は従来の経緯によつて、いわゆる予算の問題もあるし、従つて価格の問題にはつきり協会に渡すということもきめておる。そういうことからさしつかえないものだという断定をしておるということです。
  706. 大橋武夫

    大橋委員 この問題については、おのずから結論を得たようですから、この程度にして、次にあなたはいろいろな経緯もあると言われた。つまり正当性を経緯によつて説明されようとしておる。私はそれだけでは不十分だと思う。そこで今度はその経緯の問題についてお聞きしましよう。大豆協会増産奨励金が交付されるということは、国家の予算がなかつたためにそういうことになつたわけですね。
  707. 三堀參郎

    ○三堀証人 それが一番大きな原因です。
  708. 大橋武夫

    大橋委員 国家の予算がなかつたということは、これは国会は、大豆奨励金を政府資金から出すことを適当と認めなかつたわけですね。
  709. 三堀參郎

    ○三堀証人 そうではないと思います。そういうふうに国会に出るまでに姿を現わさなかつた……。
  710. 大橋武夫

    大橋委員 それは国会においては、その年度の予算においては、政府資金は大豆増産奨励には一文も使わないという国家意思が決定したのでしよう。このことは予算に関する限り明らかでしよう。そうですね。
  711. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろんそういうことでしよう。
  712. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、あなた方は国会の決定したところの国家意思に反した行政措置をやろうとしたわけですか。
  713. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれはそうは思いません。
  714. 大橋武夫

    大橋委員 だつて政府としては、また国会としては、政府資金というものは、大豆増産奨励については、一文も支出しないということを、予算の議決という形によつて決定しておる。しかるにあなた方は、国家資金の一部をこの予算に反して、自己の恣意によつて支出しようという決意をしたわけですね。そうではありませんか。
  715. 三堀參郎

    ○三堀証人 それは少し気持が違うのではないかと思つております。われわれとしては、大豆増産という問題は非常に重要な問題であるけれども、遺憾ながら予算面に形を現わすということになると、これは財政全体の均衡の問題から、容易に実現がしにくい。従つてこれを他の方法によつてやることについては、これは行政的に見て妥当な考え方ということからやつたのです。
  716. 大橋武夫

    大橋委員 それはそうでしよう。他の方法によつてやられることはけつこうです。しかしそれがために国家資金を使われるということはいけませんね。
  717. 三堀參郎

    ○三堀証人 国の予算は使つておらないわけであります。
  718. 大橋武夫

    大橋委員 国の予算は使つておらぬ……。ちよつと伺いましよう。私の言つておることは予算の問題だけしかないけれども、国の予算を使つたのですか、使わなかつたのですか。
  719. 三堀參郎

    ○三堀証人 いわゆる国の資金を使つておりません。
  720. 大橋武夫

    大橋委員 公団の資金というものは国の資金でないとどうしておつしやるのですか。予算に載つておらないから、そうでないとおつしやるのですか。
  721. 三堀參郎

    ○三堀証人 要するに消費者負担において行つたということです。
  722. 大橋武夫

    大橋委員 消費者負担によつて公団に入つた金は、国の予算ではない、こういうことになるのですね。これは驚くべきことであります。売上金はすべて公団の收入にならなければならない。それをあなた方がかつてに、公団の人と関係のお役人が相談すると、あの公団の売上金というものは、何に使つてもいいということになるの事ですか。公団の收入にしなくてもいいということになるのですか。それがあなた方の正当なる業務だというのですか。実に驚くべき、法律無視もはなはだしいものではありませんか。私はなぜ口をすつぱくしてそう言つておるかというと、経済統制に関する、ことに公団なりまたは経済官庁の綱紀というものについて、必ずしも国民は十分な安心をしてはおらぬのではないかということを疑つておる。この機会にあなた方がほんとうに正しいと思われるならば、自分たちの正しいことをしつかりと説明していただきたい。こういう意味で伺つたのですけれども、私の質問に対する今までのお答えを伺えば伺うほど、ますます正しくない、こう言わざるを得ない。そしてそれを今なお正当であるとか、業務上これは当然であるというようなお言葉を伺うに至つては、まことに驚き入つたことであると言わざるを得ないと思うのであります。これで打切ります。
  723. 木村榮

    ○木村(榮)委員 証人に簡単にお尋ねしますが、証人昭和二十二年五月から二十四年五月まで食品局長をやつていらつしやいましたか。
  724. 三堀參郎

    ○三堀証人 さようでございます。
  725. 木村榮

    ○木村(榮)委員 間違いございませんね。証人食品局長としての在職中、和田博雄さんは農林大臣になられたことがございましようか。
  726. 三堀參郎

    ○三堀証人 農林大臣になつたことはないと思います。
  727. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、和田さんと証人とは、今まで一ぺんも面識はございませんか。
  728. 三堀參郎

    ○三堀証人 いや和田さんは、農林省ではわれわれの数年先輩ですから、私が農林省に入つた時分からもちろん知つております。
  729. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そうしますと、証人は和田さんからは特にお引立てをされたのでしようね。
  730. 三堀參郎

    ○三堀証人 私は和田さんから特に引立てられた記憶はないのであります。もちろん先輩ですから親しくはしておりましたが、別段引立てられたという記憶はありません。
  731. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと、和田さんを先輩でもあり、また農林行政の先覚者として十分信頼されておつたわけですね。
  732. 三堀參郎

    ○三堀証人 和田さんに対してはそう思つております。
  733. 木村榮

    ○木村(榮)委員 和田さんが協会長をやつてつた大豆協会を、和田さんを信用されると同様に、それのやつていることに対しても御信用になつたわけですね。
  734. 三堀參郎

    ○三堀証人 その通りであります。
  735. 木村榮

    ○木村(榮)委員 さつき大橋君なんかから出ましたむずかしい法律の話もありますが、そういうことは簡略いたしますが、そういう主観的な前提條件があるから、大豆協会のやつていることを合法的であるとお認めになる論拠があつたと思いますが、その点はどうですか。
  736. 三堀參郎

    ○三堀証人 われわれは大豆協会仕事そのものの公共性を認めております。また和田さん自身も自分から出たいといつて出たわけではなく、業界から推されて出た人でありますので、その業務運営につきましては、われわれとしては十分な信頼を持つているわけであります。
  737. 木村榮

    ○木村(榮)委員 和田さんが会長であつたから、相当多額の金が大豆協会の方に出ても、これが不正な方に消費されるのではないだろう、また公団の方からいろいろな許可書を新制いたす場合も、大豆協会がその背景にあるから、和田さんによつて大豆協会が代表されているから、今回問題になつたようないろいろな法律上の問題が起るようなことはないだろうと、簡単に行政官庁である農林省としては考えておやりになつたと解釈してさしつかえありませんか。
  738. 三堀參郎

    ○三堀証人 和田さんが会長であつたから、比較的簡単に行われたということはないと思います。和田さんは最初から大豆協会の会長であつたわけではないのでありまして、初代、二代の会長は業界から出ております。その時分から奨励金はあつたわけでありますから、特に和田さんがおつたからといつて諸般の手続なり、ことに奨励金なんかが簡単に出たということはないと思います。
  739. 木村榮

    ○木村(榮)委員 しかし和田さんが会長に就任された後において、それまでは予算も軽微で少かつたものが、大巾に大豆協会の方に出ておる。交付金というものも上つたわけです。先ほど問題になつた自動車の金とか、その他の問題につきましても、和田さんが会長に就任なさらない前とは違つて、内容的には飛躍的にかわつたと思う。そういう場合においては、監督官庁といたしましては、一体なぜこのような大きな経費を使わなければならぬということを御検討なさつたか。許可を與えるとか與えないとかを問題にするのが常識としては当然だと思うのでありますが、こういうことが比較的簡単に許可され、またその運営がまかされてあつたということは、和田さんが会長であつたから、あなた方が百パーセント御信用なさつている方が会長であつたから、比較的容易にこれがなされたということは、常識で考えても了解できるのですが、その点は御承認になりますか。
  740. 三堀參郎

    ○三堀証人 協会に対する交付金が非常にふえたということは、大豆の集売がふえたということが直接の原因なのでありまして、大豆が多く取扱われるから、石当り幾らときまつている金額が総計としてふえるということでありまして、和田さんの就任によつて交付金がふえたということは、少し意味が違うのではないかと思います。
  741. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういうことをおつしやいますが、生産高を昭和二十一年、二十二年、二十三年と調べますと大してふえておりません。実際上は鼻くそくらいはふえておりますが、何十倍に上つた交付金の内容を裏づけるだけの生産がふえていない。これは明らかに数字が示しています。そういう点を考えますと、和田さんが会長をやつたということが、大豆協会をめぐるきわめて放漫な財政を生んだ大きな原因だと認めてさしつかえないと思いますが、その点率直にお答え願いたいと思います。
  742. 三堀參郎

    ○三堀証人 率直に申し上げましても、そういうことはないと私は思うのでありまして、要するに物価庁におきましても大豆増産の必要を認め、また一般に当時インフレ上昇期でもありましたので、石当りの奨励金の単価がふえた。一方また数量もふえたということから自然にふえて来ておりまして、和田さんの就任そのものとは、別段の関連は持たせない方がいいのじやないかと思つております。
  743. 木村榮

    ○木村(榮)委員 就任と関係はないと害われるが、和田さんに対しては先輩として絶対的な信頼をしておつたということは、先ほど認められましたから、その点は間違いありませんね。つまり和田さんが個人として信頼されると同時に、協会長としての和田さんを信頼しておつた、こう解釈していいわけですね。
  744. 三堀參郎

    ○三堀証人 もちろん協会長としての和田さんも信頼しておりました。
  745. 横田甚太郎

    ○横田委員 きよう証人は非常にお気の毒に、大分頭から法律論をぶつかけられておるが、私は至つて常識的なことを伺います。大豆昭和二十三年ごろに大体いくらの値段をしておつたか。この値段は二つあつたでしよう。それを承りたい。もし御記憶がないなら、こつちから言うてもいいのですが。
  746. 三堀參郎

    ○三堀証人 はつきりした記憶を持ちませんので、どうぞおつしやつていただきたいと思います。
  747. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは買い上げられるときには三等級にわかれて買い上げられておりました。たしか一等が六十キロで千四百十八円、二等が六十キロで千三百九十八円、三等が六十キロで千三百五十八円でした。これが売られる場合においては、石で売られたのですか、石で売られなかつたのですか。——買い上げるときはキロの単価になつております。売るときには石ですか、それともまたキロですか。
  748. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点はつきり私は記憶しておりません。
  749. 横田甚太郎

    ○横田委員 それで食品局長ですか。それでは申しますが、そのときたしか六十キロが千七百十五円になつております。そういたしますと、一等が千四百十八円で買うたのが、これが千七百十五円で売られる。二等も千三百九十八円で買うたのがやはり同じ値段の千七百十五円で売られる。三等も千三百五十八円で買うたのが、やはり千七百十五円で売られる。そういたしますと、一等にいたしまして二百九十七円、二等にいたしまして三百七円、これだけが消費価格と生産者価格との相違です。私どもが今問題にしている増産奨励金というような至つてむずかしい、日本の六法全書でも解釈できぬ増産奨励費は、一体この値段のどこに含まれておるのですか。
  750. 三堀參郎

    ○三堀証人 どこに含まれておるかとおつしやいます点は、要するに公団の販売価格の中に石当りで織り込んであるわけです。
  751. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは公団国というものがあるのですか。日本では大豆一つなんでしよう。この価格で売つてよろしいと言われるのでしよう。
  752. 三堀參郎

    ○三堀証人 その通りです。
  753. 横田甚太郎

    ○横田委員 この価格で買うてよろしいとも言われるのでしよう。それでこれで十分に増産ができるという目途のもとにやられたものだと思うのです。今日と違う。今日は外国の人が来られまして、資本を育成するために税制を改革する時代である。当時は配給と統制の時代なんです。この中にすべての価格が含まれておるのです。私の今聞きたいのは、ここに含まれた価格よりか増産奨励費がプラスになつておるのか、同率であるのか、これを聞きたい。
  754. 三堀參郎

    ○三堀証人 その販売価格の中に入つております。
  755. 横田甚太郎

    ○横田委員 そういたしますと、増産奨励費というものは、そういう中に織り込んで大豆協会にだけ渡すものですか。
  756. 三堀參郎

    ○三堀証人 物価庁との相談で、大豆協会にその金を交付して、増産奨励をさせるということできまつたのです。
  757. 横田甚太郎

    ○横田委員 これを大豆協会増産奨励のためにどう使うのですか。いろいろ聞いておりますけれども一向わからぬ。大豆増産するというのは、どういう形で増産されるのですか。
  758. 三堀參郎

    ○三堀証人 一、二の例を申し上げま  と、たとえば全国的に大豆の反当收量を調べまして、反当收量の最も多い農村あるいは個人等を中央に集めて表彰をする、そうしてそれに適当な賞品を差上げるというようなことも一つでありますし、また大豆集荷に関しての協議会を各地で開くとか、また大豆の宣伝等につきましても適当な会合を開くとか、今ちよつと思いついただけでありますけれども、そういうような事柄をやつてつたのであります。
  759. 横田甚太郎

    ○横田委員 それで一体どれくらい集められましたか。
  760. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆集荷は、終戰後今日まで非常に順調になりまして、今年度におきましては十二万トン以上集まつておる。前年度が十万トン弱であつたと思います。年々そういうように増加しております。
  761. 横田甚太郎

    ○横田委員 この前から出て来られる証人——あなたも、やがて和田さんもそうなんやしようが、かたくなな公団イデオロギーを持つておられる方は、増産を間違つておられる。これは收奪に成功せられたんですよ。決して数量がふえたんじやない。御希望なら申しますが、木村君もただいま申しましたように、これは農林省の政府委員室の調査なんですが、その調査によりましたところが、二十一年には百五十六万石、二十二年には、百五十一万石、二十三年にはちよつと上りまして百六十五万石、どこが増産なつておるんです。これはたんぼでつくるものでありまして、自動車の中でつくるものでもなければ、宴会でできるものでもなく、杯の中から大豆ができるわけはない。どこの土地に、どういうふうな農耕で、どうしてやつておられるかということを、農民出身の私としては聞かしていただかなければならぬ。政府のお考えで大豆増産なんかやつておるものは一つもない。いわんや、ここに織り込まれた大豆増産奨励費、六十キロについて四円十銭とか、六円十五銭とか、二円とか、こんなはした金でどうして増産になるんですか。簡単に申しますが、これは石当りははした金ですが、これが何千万円になれば、宴会費に化けるりつぱな金になる。だから増産奨励費というものは何のわけで請求されて、なぜ出すかということがわからない。演説になつたらいけませんので、そこでちよつと聞きたいのですが、一体どういう農耕で、どういう地点で、何人こんなことをやつておるのですか。新しい大豆増産畑でもあなた方はお持ちなんですか。
  762. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆増産の問題につきましては、いろいろむずかしい條件がたくさんありますので、それらの点につきまして、われわれといたしましていろいろ農政局の方とも相談してやつてつたわけですけれども、ただもう一つの問題は、もちろん増産も必要でありますけれども、増産とともに、一面におきましてはいわゆる收買がふえなければ、増産なつただけでは、大豆の統制になつている限りにおいては、的確な統制、配給ができないということで、收買の面についてももちろん努力をしているわけでありまして、その両面に力を注いでいるわけであります。従つて收買が先ほど申しましたようにふえたということは、結局みそ、しよう油の原料を中心にして必要な面に配給ができるということなんでありますので、これはわれわれとしては相当な効果をあげている点ではなかろうかと思つているわけであります。
  763. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなた方は二言目には、大豆というものは増産せなければならぬ、畑の水である、国が金を出すべきである。国がやらなかつたからわれわれがやつたと言われるのでありますが、こんな形でやつておられるところに国が金を出したら、あなた方は使うのに困るでしよう。増産奨励の形にしておかないと、宴会費には使いにくい。だから二度と再び、国が大豆増産のために予算を組まなかつたから、おれたち公団イデオロギーでやつたのだ、そういう大それたことは言わないようにしてほしい。徹底的にあなた方は間違いだ。  それから五番目に、増産奨励金は大口メーカーのものだと二言目には言つておられる。それから二十二年のときには配給と統制の時代であることをさきに申し上げましたが、これもくれぐれも忘れないように。大口メーカーのものだということを言われるから、どうにでも使われるのです。この点が私たちには非常に不透明なんです。だから私がここでもう一つ聞きたいことは、こういうふうなやり方をして進んで行きますと、あなたたちはしらばつくれて答えない。このことはもうやられておる常識なんであつて、あなたが農林省食品局におられたときに、こういうようなやり方を施したところが他にあるかないか。おそらくこんなことはたくさんあるのであつて、わかつたのが不幸なんです。だからほかにあるんだつたらあるということを言つていただきたい。その点をはつきりしていただかない限りにおいては、過去の亡霊を追うようなものなんです。これはあなた方の常識なつておるだろうと思いますから、言つてもらいたい。その中心はかつて気ままに——大橋さんも言われましたように価格体系を乱しておる。どうにでも法律を気ままに解釈して行く。こういうような形においてやられておる。こういう形において許されたところが他にあるかないか。そこをはつきり言つてもらいたい。
  764. 三堀參郎

    ○三堀証人 ほかの局の関係については私存じませんが、食品局関係におきましては、すでに大豆増産奨励金というような形のものは他にありません。少くとも私の関係しておりますときにおきましてはありませんでした。それから現在におきまして、食料品配給公団関係におきましても、もちろんそういうものは全然ありません。
  765. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格差金はどうですか。
  766. 三堀參郎

    ○三堀証人 価格差金はこの二つのことで……。
  767. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど言つたマージン料をとらせることは、これもこの間聞いたら農林省と相談して、よろしいと言われたからやりましたと言つておられましたけれども……。
  768. 三堀參郎

    ○三堀証人 このマージン料ですが、これは代行さして——。(「百二十万円というやつ」と呼ぶ者あり)——三十円ですか……。
  769. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 三十円でいいのを九十円でやつたもの。これも農林省と相談したら、食品局長がよろしいと言つたからやりましたと言つて……。
  770. 三堀參郎

    ○三堀証人 その点につきましては、私は実は記憶がありません。そのマージンの問題は物価庁できめる問題でありまして、私実はその点ははつきりしておりません。
  771. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省と言つておりますがね。それなら課長に聞きましよう。
  772. 横田甚太郎

    ○横田委員 それじや二つほど簡単に聞きますが、大豆協会は営利団体ではないと二言目には言われるのですがね。しかしこういう席で委員の方と証人との質問応答を聞いておりますと、営利会社でないから認可された。それで法的にはかまわぬと言つて逃げております。実際の形においては、営利会社以上に利益を得ておると思います。営利会社以上に営利を得ておるために、こういう大豆協会という化けもの会社ができたのではなかろうか。私はこう思うのですが。(「その通り」と呼ぶ者あり)現にその証拠には大豆価格が上下するということは、あなたたちだけの考えで行くものむやない。だからここで特に大豆協会農林省からかわいがられて、保護された。これは一体どこにその根拠があるのか、根拠もくそもあるか、これは常識だとおれは聞いておる。そういうようなうわさがある。これは誤つておりはせぬか。そういう気がいたしますから、これを聞かしていただきたい。私はこれだけです。
  773. 三堀參郎

    ○三堀証人 大豆協会につきまして特別かわいがられたとか、先ほどのお話のように、大豆協会の交付金が宴会費に多額に使われておるということにつきましては、実はわれわれといたしましてはそういうことのないことを、確信しておりますし、またないようにして監督しておつたのでありますけれども、そういう面が事実出たとすれば、これは私どもとしましては、監督責任を感ずる次第でございますが、特に大豆協会について特別な関係をもつてつたということは全然ありません。
  774. 横田甚太郎

    ○横田委員 簡単に言うておきますが、これはくどいようですが、決して増産ということでなく、農民收奪の機関であつた消費者の金をしぼつてつたのだ、こういうものの考え方に立つてつてつたのだと言える。ぼくは農林省食品局長の上に元という字がついて、元農林省食品局長と書いてあるが、ところがその横に食料品配給公団総裁と書いてある、今われわれは米の代りにいもを食わされておる。いも粉を食わされておる。そこであなたは食料品配給公団総裁という字の上に、元という字をつけるようにやつていただきたい。(笑声)そうしてまじめにやつてもらいたい。
  775. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。長いのでお疲れでした。
  776. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 先般の理事会の申合せもあります通り、もうすでに定刻の五時も過ぎましたので、もう一人証人が残つてつて、問題はますます奇々怪怪になつて来るのでありまするが、ひとつ英気を養うために、本日はこれにて打切りまして明日午後一時から続行してはいかがでしようか。
  777. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記をとめて……。     〔速記中止〕
  778. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記を始めてください。  どうも中原さん、まことに済まぬですが、今日も一人でこんなにかかつて遅れたのですが、これからやつたらまた七時になるから、まことに申訳ないですが、明日の午後にしていただけませんか。
  779. 中原雄

    中原証人 承知しました、何時ごろですか。
  780. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 午後一時としておくよりしようがないでしような。それでよろしゆうございますね。別に呼出しを出しませんから……。  それでは内藤君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  781. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なきものと認めまして、明日午後一時より続行いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十九分散会