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1949-11-14 第6回国会 衆議院 考査特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十四日(月曜日)     午後一時二十四分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 小玉 治行君    理事 高木 松吉君 理事 内藤  隆君    理事 吉武 惠市君 理事 猪俣 浩三君    理事 大森 玉木君 理事 木村  榮君       安部 俊吾君    井手 光治君       岡延右エ門君    菅家 喜六君       佐々木秀世君    篠田 弘作君       塚原 俊郎君    西村 直己君       福井  勇君    福田  一君       赤松  勇君    加藤  鐐造君       村瀬 宣親君    横田甚太郎君       小林  進君    岡田 春夫君       浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (元油糧配給公         団大豆部長)  野村 千秋君         証     人         (油糧配給公団         副総裁)    北山 俊二君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     ―――――――――――――
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会議を開きます。
  3. 大橋武夫

    大橋委員 去る十一月十一日の本委員会におきまして、私は十一月九日の毎日新聞記事に、八日の本委員会理事会におきまして、共産党神山君から提案になりました湯川博士表彰の件を握りつぶした、こういう記事がありましたことに関連いたしまして、この湯川問題についての委員会における当時までの実情を、委員長にお伺いいたしておりましたが、これにつきまして委員長の御調査の結果をこの機会に伺いたいと存じます。
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 お答えいたしますが、新聞に書いてへあることは、事実と非常に相違いたしておるものであります。そのほかこれに至るには少々からくりがあるのじやないかと思われる節もありまするので、できるだけ詳細に細査して皆さんにお諮りしたい、こう思つてつたのでありまするが、今大橋委員からの発言がありましたから、なおこれについて何かお考えでもありますなら、承つておきましよう。
  5. 大橋武夫

    大橋委員 私どもの知つておる範囲におきましては、十一月九日の記事は、非常に事実の真相と違うのではないかという感じがいたしておるのでございます。ことに新聞記事に関しましては、かねて本委員会において、新聞発表については各党の一致した意見によりまして、委員会において申合せ事項がおるはずでありまして、理事会において正式に取上げた事項以外は各党とも発表しない、こういうことになつてつたのでございます。しかるに今回こういうふうな記事が出た次第でございまして、この記事内容から見ますと、私どもはこれはおそらく事実に反しておるのではないか、こういう気がいたしておりまするばかりでなく、その記事内容を見ますと、いかにも共産党提案にかかるものを、共産党提案なりという理由によつて民自党が握りつぶしたという感じを與えるわけでございまして、この記事はまことに共産党の一方的な宣伝と思われるのでございます。共産党の諸君は、先般報告せられましたところの本委員会調査の結果によりまして、この夏以来起りました各所の不祥事件におきまして、責任ありとせられまして、天下に悪党の名を高くいたしておるのでございます。この悪党が近時戰術転換と称しまして非合法戰術を一擲したるがごとく伝えられていたのに、このたび委員会申合せを蹂躙するような、申合せ無視態度に出たことは、はなはだ遺憾でありまして、悪党いまだ目ざめずという感を深くいたす次第であります。しかしながらかくのごときことを放置いたしますことは、委員会運営に重大なる支障を来すと思いますから、委員長において善処せられんことを希望いたす次第であります。ことに彼らは、従来この種の新聞発表に対しましては、神山君、徳田君らはしばしば本委員会に対して抗議せしめ、ときにはこの種の新聞記事をとらえまして、本委員会民自党の一方的な運営によるものの証拠であるがごとき宣伝をいたしておるのでございますが、今回のやり方は実に虚偽の事実を宣伝いたしまして、他党の名誉を故意に傷つくるがごとき、彼ら一流のきわめて低劣なる仕方でありまして、その卑劣にして無知なる態度は、共産党が骨の髄から悪党であるという感を深くいたす次第でございますが、この際本委員会といたしましては、委員長におかれまして一層事実の真相調査せられるように、私はこの機会動議を提出いたす次第でございます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 木村榮

    木村(榮)委員 大橋君の発言を聞きますと、当時理事会に私が出ておつたのでありますが、そうしますと、あたかも私が、新聞記者に対してかようなことを発表したと言われんばかりの意味なんでございますが、それはきわめて私は遺憾なことであつて、一方的に、新聞にそういう記事があつたから、これは共産党がそういつたことを発表して書いたといつたふうなことは、きわめておかしいと思う。御承知のように、私はあのときに初めて理事会に出ましたが、湯川問題が本委員会に出ていることさえもよく知らなかつた。ですから私はその前に、きようの理事会は何かと、事務局の方へ秘書を聞かせにやつた。そしてその当時は、表彰という問題で、永井博士の問題やその他の問題も出るだろうと思つていたのですが、そのときの理事会には出なかつた。たまたま会が終つてから大橋君に、きようは終つたからしかたがないが、うやむやにしたのでは、新聞にも相当書かれたし、永井博士に対しても気の毒だと思うというように、じようだんまじりに大橋君に言つたかもしれない。何にしてもそういうことを個人的に話しただけであつて、私がさようなことを発表したのだろうと言わぬばかりの発言は、私としてはきわめて遺憾である。とにかく共産党がやつたとかやらぬとかいう問題ではなしに、新聞記事がそういつたことを一方的に報道したというのに対して、私は遺憾だと言うのです。この真相調査して、こういうことがないように、考査委員会としても警告を出そう、あるいは新聞方面にも警告をしようというようなお取上げ方ならば、私もあえて異議はない。しかしながらあたかも私が言つたと言わんばかりのことを言うのは―言葉のことは、どうでもよいが、悪党だとか何とかいうことは、常識のある人間が考えたならば少しおかしいと思う。私は一昨年以来攻撃にはなれておりますから、たいして憤激はいたしませんが、もうちよつと公党らしくやつてもらつた方が私はいいと思うのです。何かお前が言つたのだろうということを言わんばかりに、変な方向に持つて行かれることはおかしいと思いますから、この点は徹底的に御究明願いたいと思います。
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大橋君の個人的意見は別といたしまして、趣旨は今木村君の言われたことと同一だろうと思いますから、そういう意味調査することにいたします。  この際大橋君の言われたことにちよつと違いがありますから申し上げますが、当委員会提案せられますれば、それを理事会にかけて、理事会の結果これを調査するや否やをきめるのです。そこで調査するということがきまりますれば、調査部調査して、これを本委員会にかけようということになり、そのときに初めて公表することになつているのです。ですから調査部調査しようというときには、まだ公表しないのです、いわんや出したということを公表するに至つては、これは申合せも何もない。まつたく今後の委員会運営にたいへんな支障を来すのです。今大橋君は理事会にかけてからと言われたが、そういう意味なんです。提案して理事会にかけ、調査させる、させたいというときにはまだ発表しない。調査部調査した結果、本委員会にかけようというときに初めて公表するのですから、その前提に至らぬうちに、こういう段階になつたことはきわめて遺憾だと思います。
  8. 木村榮

    木村(榮)委員 だからもし万一私が言つたとしても、新聞記者はそのようなことは書く必要はない。ほんとうに言つたか言わぬかということは、事務局に確かめて、あなたの御意見伺つてから書くのがあたりまえである。これは新聞記者が何か感違いをして、主観的なことを交えて書いたのである。それをあたかも私が言つたとか、共産党がそういうふうに言わしたなどと言うのは、やり方が非常に卑怯だと思う。しかも大橋君は相当常識もあり、私とは同郷でよく知つている仲です。それであるのに感覚などと言うことは愼しんでもらいたいと思う。
  9. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは大橋君の個人的な御意見でありますから……
  10. 木村榮

    木村(榮)委員 ここは私と私とが争いをする場所ではないのです。同じ委員会に同じ委員で立つているのですから、個人的な感情でお前は悪党だなどということは言わないで、もつと公党らしい言葉を使つてもらいたい。だから私は取消せと強便に談判するわけではないが、そういう点を御勘案の上、大橋君ともあろうものが、もう少し言動を愼んでもらいたいと言うのであつて、その他には他意はありません。もし大橋君が自分の個人的な人格を尊重される御意思があつたならば、でき得べくんばお取消しになつた方が適当であろうということを、私は意見として申し上げたいのである。
  11. 菅家喜六

    菅家委員 ただいまの大橋君からの御発言は、湯川博士の問題の新聞記事関係することでありますが、これはまつた真相違つているようである。これを明らかにしておくことは、今後本考査委員会がすべてを審議する上において大切な問題であると思いますから、いかなる理由によつてかくのごとき間違つた記事が―しかも雑報でなく、論説ともみなすべき場所に掲載されたかということは、非常に重大に考えなければならぬと思うのであります。その真相調査するために、委員長において適当なる処置をとられることが適当であると思いますので、大橋君が発言された間違つた事柄真相調査して、まつたくこれが事実相違であるというならば、これらに対して適当にいずれかの処置をとることが当然であると思いますので、委員長の方において適当に真相調査をお願いしたいと思います。  なおこの際議事進行について一言いたします。それは一昨日の委員長本村証人に対する尋問中に、本村個人名義になつておりまする別途積立て変更通帳と、予算外出支の二千一百八十万円の証憑書類は焼いてしまつたという証言があつた。それからその支出内容については、証人はこまかく述べておるのであります。それで書類を焼いてしまつたならばわからないのじやないかと言つたところが、わかると言つておりましたので、書類提出方を求めておきましたが、正式な個人名義の銀行の通帳予算外支出のそれぞれの詳細なる、これを立証すべき書類がなかつたならば、それらの帳簿等審議上必要といたしますから、明日一ぱいにこれらの資料を提出されるようにおとりはからい願いたいと思います。それからもう一つ集荷督励費、この支出を証明すべき詳細なる出納証書その他のもの、これも明日中に本委員会審議の必要上提出されることにおとりはからいを願いたいと思います。それから大豆協会会計簿收支予算決算書審議の必要上、委員会において明日中に本委員会に提出されるような手続をされたいと思うのであります。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただいまの菅家君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ではさようとりはからいます。  それから私に対して調査をせよということでありますが、調査方法については、委員長一任で御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ではさようとりはからいます。     ―――――――――――――
  15. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより公団をめぐる不正事件について調査を進めます。前会に引続き野村証人並びに北山証人から証言を求めることといたしますが、一昨日証言前に予告し、宣誓してあるので、そのまま引続きやるのですから、あらためて宣誓いたしませんが、前に御注意申し上げましたことは十分おくみとりいただきたいと思います。  それでは野村さんから承りますから、北山さんはしぼらく控室でお待ち願います。
  16. 野村千秋

    野村証人 一昨日の私の証言の中で、訂正させていただきたい点がありますので、適当な機会に訂正させていただきたいと思います。
  17. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこですか。
  18. 野村千秋

    野村証人 それは一昨日、大豆協会昭和二十三年度の一般経費の中に、百二十万円に関連する経費の一部が入つておるように申し上げました。しかし本日午前中に事務局について調査をいたしましたところ、入つておりませんので、この点訂正さしていただきたいと思います。
  19. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 特別会費ですか。
  20. 野村千秋

    野村証人 さようであります。
  21. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどうなつておりましたか。
  22. 野村千秋

    野村証人 これはまだ決算ができておりません。
  23. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 特別会費としては、受取つたことは受取つたのですね。それでどこへ入れておいたのですか。
  24. 野村千秋

    野村証人 それはただいまその帳簿が検察庁の方にまだあるわけであります。そのために決算ができなくて、昨日申し上げました一般経費の中には入つていないということが明らかになりましたので、訂正させていただきたいと思います。
  25. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは特別費用として預かつて、別勘定で出したということになるのですね。
  26. 野村千秋

    野村証人 さようであります。
  27. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一体大豆協会帳簿はあるのですか。
  28. 野村千秋

    野村証人 帳簿はございます。
  29. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前からありますか。
  30. 野村千秋

    野村証人 以前のことはわかりませんが、私が関與いたしまして以後はございます。
  31. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらで調査したところでは、一般会費受取つて、それを支出したものはあるが、それ以外の奬励費だとか、特別会費收入支出については帳簿がないという話ですが、みなありますか。
  32. 野村千秋

    野村証人 増産奬励金についても、帳簿はあると思います。
  33. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらで調査したときには、ないと言つて出さなかつたらしいが、あるならば行つてさつそく出してもらいましよう。それを聞こうと思つてつたのです。  それから一昨日聞いた、脱脂糧穀販売業会に対して、大豆粉及び大豆ミール配給代行させたことについて、もう一ぺん念のために、この間よくわからなかつた点について聞いておくのですが、最初公団ができたときには、こういうものの配給は、どういうきまりになつてつたのですか。
  34. 野村千秋

    野村証人 帝国油糧から公団になりました当時は、帝国油糧が従来代行させておりました形を、そのまま引継いだように承知しております。  それからしばらくそういう形でやつてつたわけでございますが、これは帝国油糧の当時、あるいは公団ができました当時におきましては、直配という言葉を使いまして直接醸造業者帝糧なり公団が販売する。その間に指定販売業者というものがなかつたわけでございます。そういう意味で直配という言葉を使つておりました。それから新しくクーポンの制度と申しますか、指定販売業者制度ができますについて、油糧配給公団は直接釀造業者原料を売らないで、指定販売業者に売る。指定販売業者公団から買いました原料釀造業者に売る。こういう建前にかわつたわけでございます。
  35. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それならばどうして脱脂糧穀販売業会にやらしたか、指定販売業者にやらしたらよかつたじやないか。
  36. 野村千秋

    野村証人 指定販売制度は、農林省油糧配給公団のその方の係との話合いと申しますか、文書と申しますかによりまして、四月一日から指定販売業者を使う販売組織にするということになりまして、その指定販売業者指定制度ついて、大分いろいろ研究が進められておつたわけでありますが、昨年の四月一日からその指定販売業者指定をするということになりました。これは農林省の通牒かと記憶いたしております。ところがその資格なり、いろいろと兼業を認めるか禁止するかというような問題がございまして、結局指定票というものを油糧公団総裁の名前で指定された業者に出しますけれども、その指定票を出した時期が、五月になつてから四月一日の指定票を出したように記憶いたしております。しかしそのようにいたしまして、一応五月に入りましてから四月一日付の指定票指定販売業者がもらいましたが、配給券の発行の問題、内容の問題、府県における―府県庁配給券を発行いたすわけでありますが、それの取扱いの問題等が最後的にきまらないために、指定販売業者実質上は実は名ばかりになつておりまして、実際これを活用する段階になかつたわけでございます。その後、本来は指定制度は安本の訓令がなければいけないというような問題が、またいろいろ司令部筋その他との打合せの結果、出て参りました、だんだんに遅れたわけでございます。そこでその当時におきまして、お墨つきをもらつた指定販売業者指定されておりながら、一向われわれを使わぬじやないかというようなことについて、いろいろ意見なり希望、要求等が出ておつたわけでありますが、それを使うという段階にまだ行つていない。農林省からはそれについて何の文書も参らない。そのうちになるべく早く準備を整えて、指定販売業者実質上の活用をするからということでありますが、なかなかそこまで進まないというような事情にあつたわけでございます。一方におきまして、ただいまとは当時は違いまして、みそしようゆ原料が非常に不足をいたしておりまして、みそしようゆ計画配給支障を来すというような事情がありましたことが一つ。それから昨年の五、六月ごろには、相当たくさんの釀造原料が輸入されたわけでございますが、それが港にたまりまして、早く処置しなければならない、早く送り届けなければならないという問題で、輸送なり港の倉庫の関係から、非常に大豆粉あるいは大豆ミール処理が急がれたわけでございます。釀造業者関係から申しましても、そういう事情があり、一方において港頭の滯貨の処理という問題が非常に切迫いたしておるわけでありまして、しかも新しい指定制度による指定販売業者を使うことができないというような事情から、私ども農林省とも打合せをいたしまして、この間の配給は、臨時的な措置として指定販売業者のかわりに、従来指定販売制度が云々される前から代行させておりました機関代行させる。これは一昨日もちよつとありましたが、代行というべきかどうか、嚴密には多少問題があると思いますけれども、そういう方向でやらせたわけでございます。そしてともかく必要な釀造原料釀造業者の手元に送り届けるということをやりまして、そうして結局農林省からいよいよ新しい制度による指定販売業者を使うのだという通知が、地方庁及び油糧配給公団総裁に来たのが七月の末ごろでございます。その当時の文書の要点をちよつと見ますと、こういうことが書いてございます。二十三年の二三食局第二四六八号で、―食品局という意味でございますが、七月三日にこういう文書が来ております。みそ釀造用第十七次輸入脱脂大豆粉配造に関する件、これは知事あて並びに油糧配給公団総裁あて参書でございますが、この文書の中のただいま問題になつている点を読み上げますと「油粕配給券及び指定販売業者整理等の事由により、従来のごとく油糧配給公団直配の方法によることとなつた。なお次回割当分から油糧自給調整規則に基いて、貴官において油粕配給券を先行し云々」というのがございます。それから七月の三十日付に、ただいま十七次の分を申しましたが、十八次の脱脂大豆粉割当通知食品局長名もちまして、地方府県知事並びに油糧配給公団総裁に参つております。これは七月の三十日でございます。それから次回割当分というのはこのことを指したのでありまして、これによりまして、ようやく四月一日に指定をいたしました指定販売業者活用が始まつたという事情でございます。
  37. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、それでは指定業者がおらぬから、前からやつてつたこの販売業会にやらせようとしたことは、これはあなたのところで独断できめたのと、それとも農林省と相談してやつたのか。
  38. 野村千秋

    野村証人 これは農林省打合せてやつたのです。
  39. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその代行手数料というのは、どれだけだつたのですか。
  40. 野村千秋

    野村証人 代行手数料は、一昨日もちよつと出ましたように、油糧配給公団の直配の形におきましては、文字通り代行という言葉があてはまりまするし、従つて代行料なるものは当然油糧公団の支拂うべき性質のものだつたと思いますが、この指定販売業者制度が一方において考えられると同時に、一方においてそれを前提とした価格の立て方が行われまする結果、油糧配給公団販売価格は、大豆粉について申し上げますと、百キロについて五百二十三円でございます。それから指定販売業者制度前提として価格が立てられました結果、従来とは違つて販売業者販売価格というものが定りましてそれが五百三十二円でございます。そこで百キロにつきまして九円の販売業者マージンなるものが認められたわけでございます。
  41. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 五百幾ら。
  42. 野村千秋

    野村証人 油糧配給公団が五百二十三円でございます。それから販売売業者が五百三十二円でございます。その差額が九円。これは販売業者マージン。それから大豆ミールにつきましては、油糧配給公団販売価格が千三百三十四円でございまして、販売業者販売価格が千三百五十四円でございます。その差引が販売業者マージンになるわけでございますが、これが二十円になつております。
  43. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やはり百キロについて……
  44. 野村千秋

    野村証人 百キロでございます。トンでございますとそれぞれ九十円、二百円ということになります。こういう価格がきまりましたわけでございます。従いましてこの価格に基きますると、油糧配給公団販売業者に売ればいいわけでありまして、この油糧配給公団販売価格以上の価格をとることはできないわけでございます。従いましてわれわれといたしましては、この中から代行料を拂うという考え方ではなくて、販売業者マージンなるものはきまつておるのであるから、実質上いわゆる代行機関がその役割を果すことになるから、その販売業者が活動しておれば收入となる分をとりなさいという話合いで、従いまして、公団からは代行料なるものは出ていないわけでございます。ただしその場合に、これは非常に疑義も一方においてありますし、指定販売業者が販売する場合において予定されたマージンを、指定販売業者でないいわゆる代行機関がそのままとるということについては、相当疑義は私どもも認めたわけでございますが、実質上はかわらない、指定販売業者仕事と、この代行機関仕事役割実質上はかわらないし、かわらないだけでなくて、むしろこの大豆粉は、御承知通り主食として配給されたものが、腹痛を起したりいろいろしましたために、みそ原料に途中からまわされたわけでございます。そのために当時の大豆粉は、食糧配給公団の各事務所の配給所でみなばらばらに二俵三儀というふうな形で分散していたものを、さらに全部集めまして、数量を合せて、全国の八千―八千ちよつと欠けるわけでございますが、そのようなたくさんの醸造業者に再配分しなければならないというふうな仕事指定販売業者に、現在においては全然ないような仕事を、やらせたわけでございますが、それにいたしましても、疑義は依然としてあるということから、私どもといたしましては、これは代行機関が当然指定販売業者販売価格みそ業者に売れるのだ、ということについては疑義があるから、醸造業者が納得を―要するに協議をして、これだけはぜひもらわないと困るということで、了解をつけてもらつてくれという話合いをしたわけでございます。この辺に私どもも現在でも疑義を感ずるわけでありますが、当時としてはほかに方法がございませんので、こういう措置をとつたわけでございます。
  45. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いやそこで、それはその指定販売価格がきまらぬ前には、もつと安くやらしておりましたね。
  46. 野村千秋

    野村証人 きまらない前は、大豆粉だけについてトン三十円です。先ほどの九円に対する三円ということになるのです。この実質上の代行料拂つてつた
  47. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その九十円拂つたときと三十円拂つたときと、どういうことが違つて来たのですか。何か仕事内容がかわつて来たのですか。
  48. 野村千秋

    野村証人 三十円はこれは拂つたわけでございます。それから九十円は拂つていないわけでございます。
  49. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 向うからとらせたのですね。
  50. 野村千秋

    野村証人 そうでございます。
  51. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 同じことです。前は三十円で代行をやらしておつたのですね。しかるにどういうわけで九十円でなければいかぬことになつたのですか。
  52. 野村千秋

    野村証人 九十円でなければいかぬというふうにも、私どもは考えなかつたのであります。要するに指定販売業者販売価格油糧配給公団販売価格との差でございます。この差は指定販売業者役割をなすものに與えていい。こういう考え方であつたわけでございます。
  53. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 販売業者でないものに価格の差金をとらしてたまるものか。代行なら代行料金をやればいいではないか。三十円で向うは代行をやつていたのでしよう。相かわらず代行をやつていたのではないか。しかるに同じ仕事をやらせておいて、一ぺんに九十円をとらせなければならぬというその理由は何ですか。あなた方は指定価格ができたからと言うけれども指定価格ができようが何ができようが、仕事は同じではないか。向うは販売業者でない以上、公団販売業者でしよう。その代行じやないですか。
  54. 野村千秋

    野村証人 実質上の役割代行です。
  55. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかるに今まで三十円でやつてつたものを、一ぺんに三倍の九十円をとらせるのはどういうのです。そこに問題があるのです。
  56. 野村千秋

    野村証人 これはみそなり、しようゆ関係釀造業者が、われわれは公団から百配を受けるのだから、言いかえますると指定販売業者の活動がまだ行われていないのだから、公団販売価格でわれわれはもらうべきだということを主張された場合においては、これは当然代行機関がとるという性質のものでないという、私どもは考え方を持つてつたわけであります。
  57. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあべこべではないか。あなた方の方は売るのだから、価格はこれだけにきまつたからお前の方は買いなさい。それはいいかもしれない。こういうふうにかわつているのだから、それは公団が売つたのだから公団がとればいい。そして代行させたら代行科を拂えばいい、それならばほんとうだ。しかるに代行機関に販売機関と同じマージンをとらせるのはどういうわけだ。
  58. 野村千秋

    野村証人 それは実質指定販売業者と同じ役割をさせたからという……
  59. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが販売業者というものは、あなたの言われるように自分で公団に金を拂つてつて来て、自分で売るのでしよう……
  60. 野村千秋

    野村証人 それは最近はそういうふうに金融措置をつけておりますが、実はみそしようゆ関係から金を先にもらつて、そうして公団へ拂い込んでやるというふうなことをしばらく販売業者はやつておりました。
  61. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどつちにしても、とにかく販売業者となれば、販売業者の計算においてやるのでしよう。
  62. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  63. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この場合は公団の計算においてやつているのでしよう。何も代行機関がそういう計算を持つているのではないでしよう。そうしてみれば代行機関販売価格というものはあろう道理がない。公団販売価格でなければならない。だから業者は、どこからとるも同じことだから、そういう金ならばよろしゆうございますと拂われるのもさしつかえないと思う。けれどもその間の差額をことごとくこの業界へ渡すということは、どういうわけなんです。一体あんたの商売ならそんなものを渡すかね。
  64. 野村千秋

    野村証人 その場合に、その当時の見通しとしては、みそしようゆ関係から大体もらえると思うけれども、もらえない分も出て来るかもしれぬという、そういう考えをいたしておつたわけであります。
  65. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれにしたつて、それは公団が売つているのだからね。価格をとつた公団に入れるべきものだ。それから仕事をさしたら仕事料を拂えばいい。価格の差金を人にやるということは、これはりくつだけでもあんたはそう思わぬかね、今日も……
  66. 野村千秋

    野村証人 私はそういうふうに思いません。
  67. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今日でもかい。
  68. 野村千秋

    野村証人 そうです。指定販売業者と同額のものを與えたことについては、私も考えなければならぬ点があると思いますが、油糧配給公団油糧配給公団販売価格以上のものをとるということは、私はできないと思います。
  69. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それならなぜとつたんだ。
  70. 野村千秋

    野村証人 油糧配給公団販売価格以上のものはとつておりません。
  71. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団はとらないで、第三者にとらせたわけだね。
  72. 菅家喜六

    菅家委員 それでは証人にお尋ねするが、昨日委員長の尋問に、大豆増産奬励金として公団より受取つた金額を述べられておりますが、もう一度それをはつきりと、二十三年度に公団より幾ら、二十四年度に幾ら。それから集荷督励費を二十三年度に公団より幾ら、二十四年度に幾らという数字をひとつ伺いたい。
  73. 野村千秋

    野村証人 二十三年度に公団から交付された増産奬励金を申し上げますと、一千四百三十五万円、二十四年度の増産奬励金は、今日まで交付を受けている分を申し上げますと、二十四年度分で十一月の七日までに交付を受けた金額は一千五十一万七千円、端数は切り捨てます。
  74. 菅家喜六

  75. 野村千秋

    野村証人 集荷督励費の二十三年度分は四百四十万円、二十四年度は七百万円であります。
  76. 菅家喜六

    菅家委員 そこでお尋ねするが、前の証人の、油糧公団の経理部長の本村証人証言によりますと、その額が違うのです。どうしてこれはそういう違いがあるのですか。この増産奬励金並びに集荷督励費というようなものを公団からもらう場合には、正当な証書を出してもらつておりますか。
  77. 野村千秋

    野村証人 もらつております。
  78. 菅家喜六

    菅家委員 そこには両者間に金額の相違があるはずがないのであります。本村経理部長の証言によると、集荷督励費は二十三年度は六千八百万円、二十四年度は十月までで千三百万円、合計して八千百万円。そのうち拂い出したものは二十三年度六百三十万円、二十四年度には三千二百万円、合計三千八百万円だという証言をしております。それから増産奬励費においては、二十三年度には積立金が一千四百三十五万円、そのうち五百五十九万円を大豆協会に拙い出している。二十四年度は七百八十万円、繰越しが八百七十万円で千五百万円、そのうち一千万円を大豆協会にやつた、そういう証言をしております。そこにおいて金額の開きがあることはどうしたことか。
  79. 野村千秋

    野村証人 増産奬励金については、まことに恐縮でございますが、もう一度お願いしまして、集荷督励費の分は、今のお話を承りますと、おそらく油糧配給公団として支出した総額を言つておるのではないかと思います。私が今申し上げましたのは、大豆協会といたしまして私自身の関與した分について申し上げております。
  80. 菅家喜六

    菅家委員 そうすると大豆協会ばかりでなく、そのほかにもやつている金を、公団の方では数字に出したのですか。
  81. 野村千秋

    野村証人 そういうふうに私は理解いたします。
  82. 菅家喜六

    菅家委員 どこへ行つておるのですか。
  83. 野村千秋

    野村証人 油脂増産全国協議会へも行つておると思いますし、その他私は全体をやつておりませんので、全貌がわかりませんが、ほかへ相当行つていることは間違いございません。
  84. 菅家喜六

    菅家委員 ところが多いのは、大豆協会その他に行つたとみなすことができるが、少いのはどうしたのか。
  85. 野村千秋

    野村証人 もう一回……
  86. 菅家喜六

    菅家委員 二十三年の積立金が一千四百三十五万円、そのうち大豆協会に五百五十九万円と証言をしている。
  87. 野村千秋

    野村証人 それは何かの間違いではないかと思います。ちよつと申し上げますと、二十三年度に大豆協会として公団から受けた金は、千四百三十五万円でございまして、そのうち二一三年度において実際に支出した額は、逆に申しますと、二十三年度において大豆協会公団から引継ぎました大豆増産励奬金は千四百三十五万円で、そのうち昭和二十四年度に繰越して使用したものが八百七十六万円あるわけです。従いましてその差引だけが大豆協会の二十三年度において実際使用した額であります。
  88. 菅家喜六

    菅家委員 合うではないか。人の言つているのと同じです。今あなたは四百四十万円と証言されたけれども、四百四十万円ではないじやないか。
  89. 野村千秋

    野村証人 集荷督励費は四百四十万円です。
  90. 菅家喜六

    菅家委員 しかし集荷督励費の方も違いますよ。
  91. 野村千秋

    野村証人 集荷督励費は間違いございません。
  92. 菅家喜六

    菅家委員 これはひとつ集荷督励費と増産奬励費公団から大豆協会に行つた正当証言をもろうかとが、一番はつきりしていると思う。正当証言がなければ、両者間おいて交付したる金額において多かつたり、少かつたりすることは、大きな金の上において行方がわからなくなつて来る。当然これは正当証書がなければならぬ。またこれも燒いてしまつたかもしれぬが、最初の予算外支出の正当証書は燒いたというのですが、これはまさか燒いたということはあるまいと思う。増産奬励費集荷督励費公団より大豆協会に交付された金額の正当証書を、ただちにこの委員会に御提出を願いたいと思います。
  93. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かありますか、あるでしようね。
  94. 野村千秋

    野村証人 あると思います。ただ私は正当証書をみずからやつておりませんから、そういうふうにしか申し上げられませんが、あると思います。
  95. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれがやつておりますか。
  96. 野村千秋

    野村証人 経理部においてやつております。
  97. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこの……
  98. 野村千秋

    野村証人 公団の……。これはあると思います。
  99. 菅家喜六

    菅家委員 それではその書類によつてこれをはつきりさせたいと思いますが、その書類は明日までに出していただきたい。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからもう一つ伺いたいのは。あなたが今言うように、二十三年度で千四百三十五万円大豆協会受取つたというのだね。
  101. 野村千秋

    野村証人 ただいま私が申し上げましたのは、油糧配給公団から大豆協会に当然昭和二十三年度分として交付さるべき分でありまして、四月以降において入つた分が、私が申し上げました千四百三十五万円の中にあるかと思います。二十三年度中に公団から大豆協会に今年の三月末までに実際出した分が幾らということになると、減つて参るかと思います。
  102. 菅家喜六

    菅家委員 それを聞いておる。実際もらつたものは幾らかということを聞いている。もらうべきもの、予想さるべきものを聞いてもしようがない。実際に幾ら交付されたかということを聞いている。それには証書があるだろう。実際にもらはないものには証書を出すわけがない。
  103. 野村千秋

    野村証人 三月三十一日までに実際にもらつた分は、私は材料を持つておりません。ただ当然三月三十一日までにもろう分として、その後においてもらつた分も、ただいま申し上げた中に含めて申し上げてしまつたわけでございます。三月三十一日で締め切つたときに幾らもらつてつたかということは、私ただいま資料を持つておりません。それはおそらく経理部長の言うことが正しいと思います。
  104. 菅家喜六

    菅家委員 要するに証書をもらいましよう。ここではわからないというのだから、やむを得ない。  それならば別のことをお尋ねするが、会長和田さんに対して半期五万円ずつ、一年に十万円大豆協会から行つていることは間違いありませんか。
  105. 野村千秋

    野村証人 間違いございません。
  106. 菅家喜六

    菅家委員 それはどういう名義ですか。
  107. 野村千秋

    野村証人 私は手当と理解しております。
  108. 菅家喜六

    菅家委員 一体あなたの方の協会には、日本大豆協会規約というものがあつて、一條から二十三條までのものを印刷して会員に配付しているが、これは單なる空文か、あるいはこの通りにやるという建前の規約か。
  109. 野村千秋

    野村証人 それは空文という意味ではつくておりません。
  110. 菅家喜六

    菅家委員 そうだろう。そうするとこの規約によつて、ここであなたは、常務理事の職務権限ははつきりとうたわれておるのだから、そうだろうとか、そういうあいまいのことがあつてはならないはずだ。会員全部にわたつている規約であるから、この規約に基いて大豆協会というものは運営さるべき性質のものだ。それであるから、これはおれにはわからないということがあつてはならない。あなたの職責上わからないというなら、そこにわれわれは何らかの疑問というものをさしはさまなければならないということになる。それだからそれが手当だつたろうというようなあいまいな証言では、真相というものははつきりしないのだ。手当なら手当ということをはつきりさせなければ……。一年十万円という金を出しておる以上、これが百円とか千円とかいう金なら、帳面がなければわからないということになるかもしれないが……。会長に対する手当だということは、はつきりしておりますね。それは手当だな。
  111. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  112. 菅家喜六

    菅家委員 半期五万円、それは経理の上において、どういう部面から出しておるか。
  113. 野村千秋

    野村証人 それはまたおしかりを受けるかもしれませんが、どこから出したかは、たとえば増産奬励金とか、あるいは集荷督励費というようなものからは出しておりません。大豆協会一般経費から出しておりますが、その一般経費のどういう費目から出したかは私……
  114. 菅家喜六

    菅家委員 そうすると一体あなたは、職責上この大豆協会の規定に示された通りやつておらないということは事実であつて、一々あなたの決裁を経ないで経理は自由に支出しておるのか、そういう金を支出するときだれが最後の決裁をやつておりますか。
  115. 野村千秋

    野村証人 私がやつております。
  116. 菅家喜六

    菅家委員 あなたがやつておれば、会長に対するものは予算のうちのどこにあつて、どの部分の決裁かということが御記憶になくてはならない。これだけの会社のあなたは常務理事として、すべての問題をわからないわからないと言つては、相済むべきものではない。そうなればこの規約というものは空文で、ただ会員にこういうような幽霊協会を明文上つくつてつたとしか見えない。頭があつて足がない幽霊協会……。これは何か交通費とか何とかいう名義で出しておるのではありませんか。
  117. 野村千秋

    野村証人 書類上の名義ですか。
  118. 菅家喜六

    菅家委員 書類上でも何でもかまわない、実際でも何でもかまわないが、要するにここで言うのは書類上のことなのだ。領収書もついていなくてはならない……
  119. 野村千秋

    野村証人 それは私記憶いたしておりません、名前は。
  120. 菅家喜六

    菅家委員 それではそれでけつこう。わからなければそれ以上追究してもしようがない。和田会長あてのものは半期五万円、一年に十万円、常務理事として、これは手当と心得ておると解してよろしいか。
  121. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  122. 菅家喜六

    菅家委員 わかりました。そうするとこの大豆協会の全責任者というものは、もちろんこれは会長でございましような。全体の、すべての総体の責任を負うべき者は会長であると承知してよろしいかどうでございますか。
  123. 野村千秋

    野村証人 会長は大豆協会を代表いたしますから、会長と御理解いただいてけつこうであります。但し私ども会長を迎えた当時の気持、また実際の仕事やり方は、私がすべて処理をしまして、事務的な、あるいは経理的なものは事務局長にやらせまして、垂要な問題は御報告申し上げるという程度で、大豆協会のこまかい内容については一々御報告を申し上げておりません。実質上の責任はすべて私が負うべきものと心得ております。
  124. 菅家喜六

    菅家委員 重要な問題に対する決裁は、会長が決裁の判を押しておりますか、その書類に。
  125. 野村千秋

    野村証人 押しておりません。
  126. 菅家喜六

    菅家委員 全然押さないのか。
  127. 野村千秋

    野村証人 会長に御了解を得て進めております。
  128. 菅家喜六

    菅家委員 あなたが代印をしておる……
  129. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  130. 菅家喜六

    菅家委員 監事はどなたですか、大豆協会の……
  131. 野村千秋

    野村証人 監事は最近かわつたわけでございますが……
  132. 菅家喜六

    菅家委員 先の監事と現在の監事……
  133. 野村千秋

    野村証人 前には監事が一人でございまして、これは豆腐協会の下谷勇造という人でありまして、現在ではその人ともう一人補充をいたしまして、千葉県の方で川口敏郎でございます。この二人にお願いいたしております。
  134. 菅家喜六

    菅家委員 この監事には、一切の收支決算そのほかのものは監査を受けておりますか。
  135. 野村千秋

    野村証人 決算報告前に書類を整理しまして、監事の監査を受けて、総会に報告いたしております。
  136. 菅家喜六

    菅家委員 監査を受けておる……
  137. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  138. 菅家喜六

    菅家委員 そうすると、帳面があると証人証言されておるが、実際上の帳面と裏口の帳面と、大豆協会には二冊の帳面がある。表に現わすべき帳面と、それから表に現わせないところの帳面、監査役の監事の監査を受けなくてもいい帳面と二冊あなたの会社にあるようだか、それはどういうわけで二冊の帳面をつくつておるのか。
  139. 野村千秋

    野村証人 先ほど申し上げましたように、一般のものはすでに決算書類がもどりまして、決算報告ができまして、それに基いて監事の監査を受けておりますが、特別経費の分は、まだ決算報告もしておらないような次第でございまして二十三年度の決算報告がまだできていないようなわけでございます。従いまして監事の監査は受けておりません。
  140. 菅家喜六

    菅家委員 どういう理由で、二十三年度の特別の裏口のものができておるのか。
  141. 野村千秋

    野村証人 それは一昨日もちよつと申し上げたように記憶しておりますが、大豆協会が当初一般会員の負担による経費をきめて、それによつて予算を組みました後において特定の必要に基いて、さらに負担をしてもらわなければならぬ、こういうものについては、当初の予算とは別に、特別の経理をいたしておつたわけであります。
  142. 菅家喜六

    菅家委員 特定の必要があつて、特別な特別会計を設けるということであるが、総会の決議をどうして経なかつたか。あなたの方の大豆協会の総会の決議はそういう決議を経ておらない。
  143. 野村千秋

    野村証人 経ておりません。
  144. 菅家喜六

    菅家委員 どうして経ないでそういうものをかつてにつくつたか。そうすると私が言うように、あなた方はただ規約というものを会員に形式的に配つたに過ぎなくて、規約を一つも遵法しておらない。規約は空文にすぎない。総会にちやんとかけなければ、特別の必要によつて、当初予算以外に、特別会計にすることはできないはずだ。総会にもかけないで、かつてに裏口の別の帳面を二つつくつておいて、片方は監事に見せたと言つておる。監事はそのものを見ておらないと言つておる。この規約に基いての運営をあなた方はしておらない。それはどういうわけでそういう違法な―いやしくも多くの会員に配つたものに、違法なことをやつて、それで運営されたか。そこに私は大きな疑問を持つ。だれが聞いても常識的に、そういうことは何か不正があるから、こういうことをやつておるのだとしか考えられない。正しいことをやつておれば裏口の帳簿をつくつたり、監事の監査を受けないでやるということがあるべきはずがない。しかも責任の地位にある常務理事のあなたが、そういうものを知らないということは、お話にならない。
  145. 野村千秋

    野村証人 今の特別の経費については、監事の監査を受けないでやろうという意思はございません。ただ今申されましたように、当初においてそういう予算が必要であるならば、総会なり理事会なりの承認を経るべきであつて、それはたしかに怠つております。しかし監査を受けないで済まそうとする意思は持つておりませんでした。
  146. 菅家喜六

    菅家委員 今日までなさなかつたのはどういうわけですか。今日までたびたび幹事会も開かれておるのに、監事に一ぺんの話もないというのは、かけないという意思があつたと見られるのが当然ではありませんか。幹事会が開かれたときにおいて、監事に、これこれのことによつて当初予算とわかれて、特定の必要があつてこれこれのことをやつた。だからまず中間的であろが、これこれのものはと言つて目を通させるのが、正当な方法ではありませんか。ほんとうにあなたの方にかけるという意思があつたならば、どうして今までの幹事会におかけにならなかつたか。そういうような経理によつて、会社なりこういう会というものはできるものですか。室名な監事をつくつておいて、かけない意思はないのだ、かけるんだと言いながら、何べんも幹事会を開いても、幹事会にもかけないで、これはかける意思があるというのは詭弁というものだ。
  147. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほどから何べんも言うが、あなたの方は帳簿があると言うが、こつちで調べたところは、一般会費として受取つたものについては帳簿があるようだが、ほかのものはみなないようだ。奬励費收入だの、そういうものはみな帳簿にはないらしいぜ。
  148. 菅家喜六

    菅家委員 証人にお尋ねするが、今おつしやる特別な分の帳面があるなら、帳面を本委員会に出してもらいたい。
  149. 野村千秋

    野村証人 それは先ほど申しましたように……
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団にはあるかもしれぬ。
  151. 菅家喜六

    菅家委員 裏口の特別というのは、帳面がないでしよう。
  152. 野村千秋

    野村証人 それは先ほど申しましたように検察庁が保管しております。
  153. 菅家喜六

    菅家委員 特別な帳面を……
  154. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  155. 菅家喜六

    菅家委員 それは何という名前ですか。
  156. 野村千秋

    野村証人 はつきりいたしませんが……
  157. 菅家喜六

    菅家委員 常務理事に帳面がはつきりわからないというのは、おかしいでしよう。あなた正直におつしやらないと、いつまでも尋問にひまがかかるし、この真相もわからないことになる。百冊も二百冊もある帳面なら、わからないとおつしやつてもいいが、裏口と表口と二冊しかない。
  158. 野村千秋

    野村証人 申し上げますが、私知つてつて言わないのではなくて、帳面の名前をほんとうに知りません。あることは間違いございません。
  159. 菅家喜六

    菅家委員 帳面の名前がわからないで、あなたあるということが言えるのですか、そうするとあたりまえの帳簿は、大豆協会の出納簿というのはちやんとあるのですか。年度々々による收支予算に基くところの帳簿というのは、備えつけがある。一般のやつは……
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはある。
  161. 菅家喜六

    菅家委員 特別なやつ、裏口というのはない。検察庁に行つていると言うなら、こちらで調べればすぐわかる。間違いございませんか。
  162. 野村千秋

    野村証人 間違いございません。特別の帳簿の名前は―私非常におはずかしい話ですがわかりません。特別の経理の分は間違いなくお預けいたしております。
  163. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 奬励費だとか、そういうものは……
  164. 野村千秋

    野村証人 それはお預けしてないで、大豆協会にあると思います。
  165. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あるかね。
  166. 野村千秋

    野村証人 はい。
  167. 菅家喜六

    菅家委員 それからもう一点だけお尋ねしますが、和田総裁の使われておる自動車―過日の証言をきようは訂正されておるのですが、この百二十万円どこから出ているのですか、この金は……
  168. 野村千秋

    野村証人 これは先ほども申し上げました油糧脱脂糧殻販売業会でございます。
  169. 菅家喜六

    菅家委員 代行料を出したうちから、百二十万円出したというのですか。
  170. 野村千秋

    野村証人 その関係は……
  171. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 おとといはつきり言つておる。
  172. 菅家喜六

    菅家委員 おととい言つたが、きようは一部分訂正されているから、それではつきり聞いているのです。
  173. 野村千秋

    野村証人 その経過はこういうわけでございます。一般経費の予算が成立した後におきまして、和田会長を迎えたわけでございます。そして当時は現在と違いまして、相当国産大豆の増産の必要がありましたので、農林省その他へのお願いなり、議会へのお願い等で、相当活発な仕事をしなければならぬということで、車の必要を感じたわけでございます。それは一般経費の徴收がきまつた後において、そのような必要が起つて参りましたので、有力な会員の中から理事を出しておりその中でも特に有力な方々に、車のために必要な特別の経費を負担してもらうようにお願いしたわけでございます。しかしなかなか金詰まりの関係もあつたりしまして、いい返事をもらえなかつた。そこでやむを得ず、油糧配給公団から立てかえをしてもらいまして、そうしてそのうちに何とか原料の輸入なり、供出なりの方でだんだんとよくなる見通しもありますので、そういうものに応じて会費の負担もしてもらおうということで進めて参つたわけでありますが、やはりなかなか有力な人たちも負担にたえないというようなことになりました結果、脱脂糧殻だけにおんぶした結果になつたわけであります。
  174. 菅家喜六

    菅家委員 公団より立てかえてもらつた百二十万円の年月はいつであるか。
  175. 野村千秋

    野村証人 公団から立てかえてもらつた金は七十万円か七十五万円と記憶しておりますが……
  176. 菅家喜六

    菅家委員 いつごろですか。
  177. 野村千秋

    野村証人 自動車を買いましたのが昨年の六月の末か七月の初めでありますから、その当時だと思います。
  178. 菅家喜六

    菅家委員 これはあとから脱脂糧殻販売業会大豆粉とミルクを引取つたときに、金を返しているわけですね。
  179. 野村千秋

    野村証人 二、三回にわけて返しております。
  180. 菅家喜六

    菅家委員 公団へ……
  181. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  182. 菅家喜六

    菅家委員 この前も証言がありましたが、ガソリン代と運転手の給料は、大豆協会拂つているのですか。
  183. 野村千秋

    野村証人 そうでございます。
  184. 菅家喜六

    菅家委員 これは裏口か表口か。
  185. 野村千秋

    野村証人 今日実は午前に聞いて参つたのでありますが、きのう一般経費の中に百二十万円と申し上げたのは、一般経費の中に車馬賃とかいうのが入つておりましたのでそう思つたのですが、ここに入つているようです。
  186. 菅家喜六

    菅家委員 運転手の給料、それからガソリン代、これはどちらの帳面にあるか。
  187. 野村千秋

    野村証人 一般経費から出ております。
  188. 菅家喜六

    菅家委員 そうすると一般の帳簿があるという帳簿にありますね。
  189. 野村千秋

    野村証人 あると思います。
  190. 菅家喜六

    菅家委員 これだけです。
  191. 高木松吉

    ○高木(松)委員 どうもわからないからはつきりしたことを言つてもらわなくちやいかぬ。こういう疑いを持つているということをあらかじめ言うから、それに基いて答えてもらいたい。油糧公団も、大豆協会も、それから油糧産業株式会社も、たれか一人大きなものがうしろにおつて、からくりをやつて、その大きなものの威力を借りて農林省を圧迫したり、安本を圧迫したりして、なし得ざることをしているような疑いが国民の中にわいて来ている。それを解明せずにはわれわれの責任を果せないんだから、その点をあらかじめ頭に置いてお答えを願いたい。そこでまず第一にお尋ねしたいことは、あなたは油糧産業株式会社の株をお持ちになつていますか。
  192. 野村千秋

    野村証人 持つておりません。
  193. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなた個人は持つていなくても、あなたの細君とか子供とかの名義では持つておりませんか。
  194. 野村千秋

    野村証人 持つておりません。
  195. 高木松吉

    ○高木(松)委員 全然関係ありませんか。
  196. 野村千秋

    野村証人 ええ。
  197. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それでは大豆協会というものはどういうものですか。そうしてどういう人たちによつて組織されているのですか。
  198. 野村千秋

    野村証人 大豆協会は一昨日もごく簡單に申し上げましたが、二十一年の三月―ちよつと月は違うかもしれません。そのころに設立されました。従来は満洲から八十万石とか九十万石とかいうように、非常にたくさんの大豆が入つてつておりましたために、大豆について関係の人たち、国民がほとんどその重要性を感じないで済むほどに豊富であつたわけでございます。ところが終戰後それが断たれた。近い将来においても、従来のように豊富な大豆を国民が消費する可能性というものは、非常になくなつて参りましたので、この機会関係業界が集まつて、国内産の大豆の増産と大豆輸入の促進をはかる大豆專門の機関をつくろうではないかというようなことから、みそ関係しようゆ関係、アミノ酸の関係、大豆を扱う業者関係、油の関係、その他が寄り集まりまして、任意組織の大豆協会をつくつて、それによつて従来は細々でありましたが、大豆の増産のために運動をして参つたのであります。
  199. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでよろしい。私の聞かんとするところはこれからであります。そこでそういう目的のためであることはあなたのおつしやる通りです。公団とこれらの大豆協会のメンバーとの間は、一方は配給を割当てたり監督をしたりする側であり、一方は配給の割当を受けて、監督を受ける側である。これが一緒になつた談合の協会ですか。
  200. 野村千秋

    野村証人 これは私が公団へ参ります以前までは、日は覚えておりませんが、帝国油糧大豆協会ははつきり別のものであつたようでございます。ところが当時のはつきり別になつておりました大豆協会の会員が、それぞれ閉鎖機関指定されたり、解散したりいたしまして、職員を働かせるだけの経費の出道がなくなつたというようなことから、とりあえず油糧公団でその事務をやつてもらいたいというようなことで、別々になつておりました当時の大豆協会の役員の方から話が出たようであります。私がおじやました当時は、すでに大豆協会というものがありましたし、若干の経費もありましたが、專任の職員はなかつたわけでございます。そこで私は、その関係をはつきりさせるために、農林省にお願いしまして、大豆協会から公団のだれだれを大豆協会の役員等にしてもらいたいという申出があるので、油糧配給公団としてはしばらくその方を見てやりたいという意味で、嘱託に応じていいかどうかという伺いを立てまして、当時の秘書課の方でいろいろ研究をしていただきまして、当時の西川副総裁と、私と、事務局長をやつております門田君の三名を、大豆協会の嘱託に応ずることを認めるという文書をいただきまして、それによつてとりあえず、非常に不明確と言えば不明確かもしれませんが、二者一体的な二足わらじで今日までやつて来たわけであります。
  201. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それではあなた方は、一体公団法及び公務員法その他の法律によつて、こういう二枚看板を持つことが許されておるということでやられたのか、公団の職員であると同時に、協会の理事になつたり何かするというようなことは……
  202. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  203. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それは要するにあなたの方の、そうあつてもいいのだという解釈によつて農林省にその許可を願い出た、こういう解釈ですか。
  204. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  205. 高木松吉

    ○高木(松)委員 農林省のだれに許可をちようだいしたのですか。
  206. 野村千秋

    野村証人 これは昨年の九月七日付で、当時の永江農林大臣から西川、野村、門田の日本大豆協会理事応諾の件は、これを許可するという文書を別々にいいだいております。
  207. 高木松吉

    ○高木(松)委員 九月前はどういう根拠でやつてつたのですか。
  208. 野村千秋

    野村証人 六月十日付で大豆協会から農林省にお願いをいたしまして、それが延び延びになりまして、九月になつて許可をいただいております。
  209. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはよろしいが、その九月前にあなた方は実際の仕事をおやりになつておりましたね。
  210. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  211. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはどういう根拠によつてやられたのですか。
  212. 野村千秋

    野村証人 一方においてお願いをしておきながら……
  213. 高木松吉

    ○高木(松)委員 願つておるということは、許可なしにはできないということを認識されておるのでしよう。それなのに事実上やつた。事実上やつておるということは、いわゆるある圧力を與えたのではないかと国民が疑うのはあたりまえでしよう。どういう根拠でやつたか、許可なしにはやれないから。許可を申請しておつて実際やつてつたのはどういうわけですか。
  214. 野村千秋

    野村証人 ……
  215. 高木松吉

    ○高木(松)委員 答えられませんか。答えられなければそれでよろしうございます。  それから許可を得ておるのは、今あなたのおつしやる三人だけですな。
  216. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  217. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あとの問題……。それではこう聞きましよう。そうすると油糧公団は全国に支部がある。ずうつとありますね。それに準じて大豆協会も支部があつて、これらに仕事をさすようになつておるが、これまた全部二枚鑑札ですな。一人で一方は公団の職員であり、一方は大豆協会代行者になつておるようですね。二枚鑑札でしよう。それは上から下までほとんど本部も支部も全部そうですね。
  218. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  219. 高木松吉

    ○高木(松)委員 間違いありませんね。どういう法的根拠であなた方はそういう仕事をされておりますか。
  220. 野村千秋

    野村証人 それはただいま三人と申し上げたのですが、ずらつとたくさん並べて、当時農林省にお願いをしたわけです。
  221. 高木松吉

    ○高木(松)委員 ところが下は許されぬで、あなた方三人だけ許されたのでしよう。
  222. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  223. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それは要するに、われわれの国家生活というものは、秩序を維持しなければならぬ。秩序を乱すところにこういうだらしない経理、国民が納得のできないような金の動かし方をしておるのです。そのために秩序を維持しようとするのに、その秩序をあなた方は根本的に破壊した。その必境はどこから出て来ておるのですか。だれかにたよつて違法違規のことをしても、その人にたよつておれば何とかその道を通つて行けるような心の置き方、その依存心によつてつた仕事ではありませんか。
  224. 野村千秋

    野村証人 そうではございません。
  225. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうでなければ、どうしてそういうことをおやりになりましたか……
  226. 野村千秋

    野村証人 大豆の増産のために……
  227. 高木松吉

    ○高木(松)委員 大豆の増産とは單に美名であつて、そのうしろに隠れてやつておる数々の仕事は、大豆の増産、大豆の集荷というような名目のもとに、われわれはあなた方がかつて気ままなことを、やつておるとしか思えない。経理の帳簿は燒いてしまつたり、行つた先々は明らかでなかつたり、やつておることはみな法律を無視していたりするようなことから結論づけて行くと、そうとしか思えない、美名でしよう。大豆の増産とか集荷とかいう美名に隠れて、今実際上やつたような仕事をやりたくてやつたのではありませんか。はつきりしてください。そういうところを国民の前に明らかにすることがわれわれの責任だから、そこを明らかにしてもらわぬ以上は、私どもはひつ込むわけにいきません。答えられませんか
  228. 野村千秋

    野村証人 ……
  229. 高木松吉

    ○高木(松)委員 答えられなければ、いまひとつ深くつつ込んで聞きましよう。一体大豆奬励金とか大豆の集荷にかかる金とかいうものは、国民の負担で、税金よりも巧妙な方法でとられておりますな。これは当局の許可か何かを得てやつたのだから、形式的には何ら非難するところはないとあなた方は弁疏するかもしれないが、実質上は今のような経理状態で、一方には大豆を売るのに、その価格の中に大体構成せしめて、いや応なしに―税金なら待つてもらうこともできるけれども、大豆の場合は待つてもらうことはできない。そういう仕組みをもつて国民からしぼり上げておる。そのしぼり上げた金で、今のような乱雑きわまつた不明朗な経理を行つて仕事運営して行くというようなことは、やるべきことではない。これに対してあなたはどんな気持でおりますか。
  230. 野村千秋

    野村証人 その点は、私どもは大豆の増産ができればいいという点だけを考慮して、ただいま申されたような点、について検討をしなかつたことについては、深く責任を感じます。
  231. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それからこの二枚鑑札によつて公団の職員が当然職務を行うのに、その職務に大きな妨害をし、職務の能力を減殺するということを考えたことはありませんか。公団員は、公団法に基き自分の職務を執行しなくてはならぬのにかかわらず、民営組合のいわゆる協会をつくつておいて、協会の方の仕事をやつて公団の方をうつちやつておくというような形の見えることは、国民に納得できますか。あなた方はどう考えてやつたのですか。―ざつくばらんにかぶとを脱いでいただきたい。それでこそ初めて自分のやつたことに対する罪を滅ぼすというものです。―ぜひ国民の納得するような御答弁を願いたい。
  232. 野村千秋

    野村証人 私ども公団の人間として、本来の仕事でない大豆協会仕事をやつたために、それだけ公団仕事は確かに立ち遅れと申しますか、マイナスを来しておると思いますが、私どももどちらかと申しますと、油糧関係の需給が非常にきゆうくつだというふうなことから、増産の仕事も大きく見れば、油糧公団配給するという仕事の面にプラスになるというような考え方を、実は持つてつたわけでございますが、今そのようなお話を承りますと、それはまたそれらしい別な機関があるべきであつて公団の人間としては、與えられた仕事を百パーセントやるべきであつたというような反省をいたしております。
  233. 高木松吉

    ○高木(松)委員 要するに農林省が当然やるべきことを、公団のあなた方が出しやばつてつたというような考え方になつたわけですね。―そうだとすると、また一つ言いたいことが生まれて来るのだから、はつきり言つてください。
  234. 野村千秋

    野村証人 大豆協会が増産の仕事をするということは、問題はないと思うのですが、公団の人間が大豆協会の名においてそういうことをやつたということについては、ただいま申しましたように、非常に遺憾に思うわけでございます。われわれもずいぶん農林省にお願いに参つたわけでございますが、なかなか農林省の全体の態勢が、大豆の問題まで十分手がまわりかねるというようなことでありましたために、しかも大豆の需給関係は切迫しているというふうなことから、いろいろな点を吟味検討する余地なく、私どもは今日までやつて来てしまつたわけでございます。
  235. 高木松吉

    ○高木(松)委員 最後に一つ聞きたい。この大豆協会の会員というものは、大豆の配給を受けるものの全部ですか。
  236. 野村千秋

    野村証人 そうではございません。
  237. 高木松吉

    ○高木(松)委員 大口配給を受ける人たちだけですか。
  238. 野村千秋

    野村証人 大口とは限りませんが、大体大口が今のところ会員としては多いわけでございます。
  239. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで世間はこれに対して、こういう疑いを持つておるが、これを認めてよろしうございますか。大口配給者と配給公団とがこの協会をつくつて自己の便利のために談合する協会であるということを世間で言つているが、この事実を認められますか。
  240. 野村千秋

    野村証人 それはそういうことはございません。
  241. 高木松吉

    ○高木(松)委員 最後にもう一つだけ……。そうするとあなた方のやつていることについては、ふしぎな点が数数あるし、不合理な点が数々ある。違法な点もあるようですが、こういうことをやらせた裏面に、原動力となつた人がおるようにも考えられるのですが、その点についてあなたはどう思いますか。
  242. 野村千秋

    野村証人 原動力になつた人はあるとは思いません。
  243. 高木松吉

    ○高木(松)委員 会長和田君のごときは、どういう態度でしたか。この点を明らかにしていただきたい。
  244. 野村千秋

    野村証人 和田さんは、昨年の六月に迎えられて会長に就任されたわけでございまして、別に大豆協会のいろいろの問題の原動力とは思つておりません。実は私どもといたしましては、非常に和田博雄氏には相済まないことになつた思つているのであります。
  245. 横田甚太郎

    ○横田委員 協会に不審な点がたくさんある。この協会の責任は一体たれが負うのかと尋ねると、会長はかりに問題があつても、責任は負わないと言われる。それから同時に、そういう約束で会長になつたと言つておられる。そういたしましたならば、不審の原因となつている半年に五万円、一年に十万円、こんなような金をやるとかやらないとかいう話をきめられたときに、どういうような話になつてつたのですか。
  246. 野村千秋

    野村証人 別に会長の手当として毎月出すわけにはいかないから、年に二回くらいは最小限度出そうというような話だけでございまして、深く検討が行われておりません。
  247. 横田甚太郎

    ○横田委員 金は出すということは話合いができたのですか。かりにややこしいことができても、責任は負わないということを。
  248. 野村千秋

    野村証人 そういう話合いは、和田さんとはいたしておりませんし、ほかの理事ともいたしておりません。
  249. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは和田氏が会長になられた理由は、どんな理由ですか。
  250. 野村千秋

    野村証人 和田さんを会長に迎えた理由は、国内増産の必要からでございます。特に私どもとしては、ずいぶん農林省にもお願いして、大豆の増産についての施策の強化をお願いしたわけでございますが、われわれのような力のない者では、とても農林省の政策がその方向に重点を指向して来るということが、なかなかむずかしいものでございますから、和田さんは農政については相当権威を持つておられますし、農林省におられた関係もありますので、そういう意味で、この際国内増産ということを中心に入選を進めようではないかというような結果、和田さんの会長就任となつたわけでございます。
  251. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうするとあなたたちは力はなかつたのだが、和田さんには農政上有力な力があつた、農政上有力な力があつたら大豆がたくさんできるのですか。そういうような甘い考えなのですか。それには何か和田さんの裏づけになるものがあるのでしよう。
  252. 野村千秋

    野村証人 裏づけと言われる意味は、どういうことか知りませんが、一昨日ちよつと申し上げましたように、農林省では、かつて大豆についての増産の予算が通つたことがなかつたわけでございます。それで和田さんにも、ずいぶん増産のために予算をとつてもらうようにお願いし、農林省の方にもお願いし、その当時の農林政務次官の方にもずいぶんとお骨折りをいただいたわけでございます。その結果が、かつて予算がなかつたのが、初めて農林省の省議として、大豆の予算がわずかながら認められたわけです。それがドツジ・ラインとの関連で、遂に大蔵省に認められるところまで行かなかつたわけでございます。そういう意味では、和田を迎えてどれだけの効果があつたかとおつしやられると、結局その程度でございますけれども……
  253. 横田甚太郎

    ○横田委員 重ねてたたみかけて聞く段階ではないので、簡單に事務的に伺います。当時和田氏は、どういうような職業を持つておられましたか。
  254. 野村千秋

    野村証人 当時の和田さんの職業は、参議院議員だけだつたと記憶いたします。
  255. 横田甚太郎

    ○横田委員 その就任された前後のいきさつはどうですか。たとえて申しますと、話合われた人、あるいは場所、そういうようなことを承りたいのであります。
  256. 野村千秋

    野村証人 和田さん以外の新役員が一応きまりまして、会長をどうするかという話を役員会でやりました際、さつき申し上げましたように、やはりこの際国内増産という点で、大物会長を迎えようではないかというような話が出まして、それではひとつ役員会の意見として、和田さんを推薦することにきめようということになりました。そこで和田さんの御都合を伺つて―日はいつかちよつと記憶ございませんが、六月の末ごろだと思います。都合のできる理事の人たちがそろつて―あるいは国民経済研究協会へおじやましたかと思いますが、そこべおじやまして、われわれの気持を伝えまして就任方をお願いして、その結果承諾していただいたと思つております。
  257. 横田甚太郎

    ○横田委員 その理事というのはどんな人ですか。
  258. 野村千秋

    野村証人 多少誤りがあるかもしれませんが、お含みいただきます。西川央三、それから味噌工業協会の会長か理事長か、ちよつとはつきりいたしませんが、会長でありましよう。横山という人、それから日本醤油協会式の正田、この方は前の大豆協会の会長でございます。それから化学醤油協会―これはアミノ酸でございますが、そこの会長大内、それからあとはちよつと記憶しておりません。私はもちろん参つております。
  259. 横田甚太郎

    ○横田委員 その会合一回で承知されたのですか。
  260. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  261. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 最前のあなたの証言の中に、公団の上級役員としてのあなたを大豆協会の常任理事にした。それはその農林省へ了解方を文書に書いてやつて、永江農林大臣の名においてなつた、こういう証言がありましたね。
  262. 野村千秋

    野村証人 先ほど申し上げましたのは、大豆協会理事として私が認めていただいたということです。
  263. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 この永江という人は、何党に属しておつた農林大臣ですか。
  264. 野村千秋

    野村証人 社会党に属されておつたと思います。
  265. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 大豆の増産あるいは集荷等の奬励金を、一括して一ぺんに出してくれという交渉を、たびたびあなたは公団とやられた記憶はございませんか。
  266. 野村千秋

    野村証人 二、三回は私そういう話を公団側に出しております。
  267. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そのときに本村部長は、どういう態度をとられたのですか。
  268. 野村千秋

    野村証人 これは公団側の経理からみますと、各支部が大豆を販売しまして、その金を集めまして、公団支部の経費大豆協会に寄付すべき金というふうにわけまして、本部にそれを連絡するまでに相当の期間も要するので、むしろわれわれの方が必要に応じて請求した方が便利じやないかと、いうふうな問い方に対して、私ども公団にお願いせずに、一々すべてを一括してとつてやりますと非常におしかりを受ける。ずるい考え方かもしれませんが、そのために一、二名の人間を大豆協会に置かなければならぬというような関係から、そう言つておるならばそれもよかろうというような考え方で、遂に最後まで主張せずに参つたわけであります。
  269. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたは大豆協会には奬励金に関する帳簿があるという記憶があると、再三証言せられえおりますが、私の調べたところでは、伝票のようなものはあるけれども帳簿としてはないと心得えておりますが、この点垂要ですから、もう一ぺん明確に答えていただきたい。
  270. 野村千秋

    野村証人 私の記憶では、伝票をつけて帳簿事務局長がそれを記入しておると思つております。
  271. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その伝票がまことに大まかな伝票ですよ。記入しておると思うと言うが、その帳簿をあなたは見て知つておるのですか。
  272. 野村千秋

    野村証人 実は私つい最近見たのでありますが、それは二十四年度分ではなかつたかどうか、ちよつと……
  273. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 すると今ある方面にとられているのは、二十四年度分の帳簿なんですね、
  274. 野村千秋

    野村証人 今検察庁に行つておりますのは、一般経費と特別経費の分でございます。それで大豆増産奬励金帳簿行つていないと思います。
  275. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、増産奬励金や、あるいは督励金に関するような帳簿行つてないのですね。三つくらいあるんじやないか。
  276. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証人、あなたはほんとうに知らずにそう言つておるのか。何べんも同じことを聞かれて、あいまいなことを言うから、だんだん聞かれるようになるんだが、なかつたのだ。こつちから調べに行つたら、二十四年度の分はあとでつくつたそうだ。伝票が何かあつたんだろう。その前のものはどうしてもないらしい。あつたのですか、間違いなく……
  277. 野村千秋

    野村証人 最近見たのは、あるいは二十四年度かもしれません。
  278. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この間こつちから調べに行つてからつくつたらしいが、その前にあつたかどうか。
  279. 野村千秋

    野村証人 私はごまかしておるわけではございませんで、非常にだらしないことをお見せすることになりますが、二十三年度の帳簿があつたかなかつたかということは、確信が持てないのです。
  280. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あつたのかなかつたのか、あなたの記憶を聞きたい。それは重大なことなんだから……。一体何百万という大きな金なんだから、帳簿なしに出し入れするわけはないと思う。常務理事であるあなたが知らぬというわけはない。そんなばかなことはどうしても考えられないのだよ。去年の暮れにあつたのを燒いたんじやないですか。
  281. 野村千秋

    野村証人 そういうことはないと思います。
  282. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何百万円の金の出し入れを、帳簿なしでやれるのかね。
  283. 野村千秋

    野村証人 ただ増産奬励金につきましては、公団に経理を頼むという前からのあれになつておりましたので、自分の帳簿は持つていなかつたかもしれません。
  284. 野村千秋

    野村証人 私はそういう話も聞いております。公団で燒いたということは聞いております。
  285. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 これに関しては燒いた覚えはないのですか。
  286. 野村千秋

    野村証人 はあ。
  287. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それからもう一点お尋ねしますが、大豆増産とあなた方がおつしやるこういう重大な使命を持つておる協会に、專任の事務員を置けなかつた事情が、どうしても合点が参らない。きのうの証言では、何かぼやぼやつとその点をごまかしておられたようだが、一体これほどの大金を使つて増産をしなければならないというこの協会に、なぜ專任の事務員を置かないのですか。その点を一つお聞きします。
  288. 野村千秋

    野村証人 これは従来專任の事務員がありまして、それが公団に吸收された経過の中でも、先ほどちよつと申し上げたと思いますが、大豆協会の会員がそれぞれ組織がえ、あるいはなくなつたりしまして、一時実質大豆協会は眠つてつたわけでございます。従つて会費も十分とれないというような事情がありましたために、看板を掲げて職員を置かなかつた。しかしその後さらに大豆協会の活動が強化されて参りましたので、本年度からは職員を置けるような会費の取立てをいたしまして―実はまだそれは実現いたしておりませんが、予算はそういうふうに組んで、ただいま会費の徴集などをいたしておるわけでございます。
  289. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  290. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐)委員 簡單に二点ばかり聞いておきたいのですが、第一点は、今御質問のあつた專任職員を置かなかつた理由ですが、これは先ほど来経費がなかつたから置かなかつたという御説明ですが、それだけで置かれなかつたのか、何かはかに理由があるのじやないかと思うわけですが、その点もあなたが知つておられたら、もう少し詳しくひとつお伺いしたいと思います。
  291. 野村千秋

    野村証人 かかつて経費の問題でございます。
  292. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐)委員 それだけですか。
  293. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  294. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐)委員 帝国油糧の当時は專任職員があつて、この公団ができると同時に、專任職員がやめられたわけですね。
  295. 野村千秋

    野村証人 あの当時いろいろな統制機関が閉鎖をずつと食つたわけでございます。それによつて会費の徴收ができない、あるいは閉鎖機関になりますと会員でもなくなるというようなこと、そういう状態が油糧公団の発足と時間的には同時であつたわけでございます。
  296. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐)委員 それ以外には何ら理由事情もなかつたというように、あなたは確信を持つておつしやるわけですね。なおその当時の事情をよく知つておる人が、あなた以外に他にありますか。
  297. 野村千秋

    野村証人 私はすべてが整つて―整つてと言いますのは、おぜん立てができたときに参つたような関係でございまして、その当時のそういういきさつに詳しい人々は、従来から引続き現在もやつておられる理事の方々がたくさんございます。もし何でしたら、そういう方々の意見等も御聽取いただけばけつこうだと思います。
  298. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐)委員 それはおもな人はだれですか。
  299. 野村千秋

    野村証人 その当時のおもな方々は、前の会長でありました醤油協会の正田文右エ門という方とか、アミノ酸の大内鋼太郎さん、人造バターの星野正夫、こういう人々が当時の事情に最も詳しいと思います。
  300. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐)委員 それから分解硬化用油脂価格差金の問題ですが、大口需要者からは七十八円のマージンは当然とれるものですか、とらなくてもいいという性質のものですか。
  301. 野村千秋

    野村証人 それにつきましては、私ちよつとわかりません。
  302. 浦口鉄男

    ○浦口委員 和田会長のことについては大分聞きましたが、それと関連して、人事問題を一つお尋ねいたします。十一日にここえ見えた元油糧配給公団総裁の西川氏は、大豆協会の役員は余部無報酬だつたと言つておられたのですが、和田会長の手当の名義で出ておる十万円の問題が出て参りましたので、念のためお伺いいたしますが、証人大豆協会の常務理事として、報酬はどういうふうになつておりましたか。
  303. 野村千秋

    野村証人 私初めは油糧配給公団に籍を置き、大豆協会の役職員は大豆協会から何らの報酬もいただいておりません。
  304. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それでは次に、そういたしますとも初代の会長の杉山さんと二代目の正田会長は、実際大豆協会仕事の上にどういうふうにお働きになつたか。それから報酬のことをちよつとお尋ねいたしたいと思います。
  305. 野村千秋

    野村証人 それも私不勉強で非常に申訳ございませんが、当時の事情は全然わかりません。
  306. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それではおわかりにならなければもう一つ大豆協会が二十一年三月に、いわゆる大豆の輸入を促進し、国内の生産増加のために、大豆協会をつくるべしという意見によつてできたということは、西川証人も申しておりましたし、あなたもそうおつしやつているのでありますが、その意見の中心になつたのは、前帝国油糧統制株式会社の社長だつた周東英雄氏、この人は元の農林大臣だと記憶しておりますが、この人の意見によつて大体できたということは、西川証人が言つております。それで周東氏が大豆協会の顧問としてお勤めになつているということもわかるのでありますが、これはいつからいつまで顧問としておいでになりましたか。
  307. 野村千秋

    野村証人 私が大豆協会仕事をやるようになりました当時、すでに顧問としておいでになつたわけでありまして、いつから顧問におなりになりましたかについては、ちよつと明確でございません。
  308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在も顧問ですか。
  309. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  310. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それでは先ほどのあなたのお話の中に、自分が大豆協会に入るまでは、元の帝国油糧統制会社の役員と大豆協会とは非常に密接な関係があつたようであるが、自分が入つてからは全部その関係は打切られた、こういうふうなお話がありましたのでお尋ねしたわけでありますが、周東顧問と大豆協会との間の、何と申しますか、経理面の関係についてお尋ねいたします。
  311. 野村千秋

    野村証人 さかのぼつてのことは、私何にも存じませんけれども、昨年の三月以降については、経理面等において、協会と周東さんとの間には、何らの関係もございません。
  312. 浦口鉄男

    ○浦口委員 全然どういう名目でも、報酬なりそういうものが出ていないと、こういうわけでございますか。
  313. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  314. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは聞きますが、ここに役員下半期車馬賃八万三千五百五十円というものが出ておるのだが、これはどういう人に出したのですか。
  315. 野村千秋

    野村証人 それは昨年の暮れだと思いますが、役員会をときどきやつておりますので、年末には自動車賃ぐらいは出さなくちやいけないのじやないかと相談をしまして、油糧配給公団から出ておる役員以外の方々に、全部車馬賃として出したと思います。
  316. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 すると公団以外の人ですか。
  317. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  318. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから早坂秘書一万円と出ておるのは、これはどういうのですか。
  319. 野村千秋

    野村証人 早坂さんは、われわれが和田さんとの連絡を早坂氏に頼み、早坂氏が和田さんの協会に対する連絡で私の方にいろいろやつてくれるというようなことから、嘱託名儀で、これは文書もつくつておりませんが、まあ嘱託のつもりでひとつ連絡をお願いしますというように申し上げて本人もその点承知しておるわけでありますが、そういう点での謝礼という意味でございます。
  320. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この早坂というのは、何をしている人ですか。
  321. 野村千秋

    野村証人 和田さんの秘書であります。
  322. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 参議院における秘書か。
  323. 野村千秋

    野村証人 そうであります。
  324. 浦口鉄男

    ○浦口委員 ちよつと落しましたのでもう一つ。油脂原料割当のために中央技術委員会というものがあるということは御存じですか。
  325. 野村千秋

    野村証人 聞いております。
  326. 浦口鉄男

    ○浦口委員 この構成と大豆協会との関係をお聞きしたい。
  327. 野村千秋

    野村証人 中央伐術委員会の構成につきましては、私全然存じておりません。大豆協会との関係もございません。
  328. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 一点だけお聞きしたいのです。十一日においでなられました西川さんからよくお聞きとりできなかつたのですが、ただいまもありましたように、油脂原料の大豆でありますが、その搾油会社に対しての配給割当には、大豆協会もちろん参画なさると思いますが、参画しておりましたですか。
  329. 野村千秋

    野村証人 大豆協会は全然参画いたしておりません。
  330. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 実は西川さんに、昨年度あたりも油脂原料として割当てられたその大豆の品質について、油にする豆のパーセンテージの落ちたことやなんかを聞きました。ところが相当の数量が水分が多かつたので、油の出るパーセンテージが非常に少かつたということで、再割当をしたことを記憶しておりますかと開いたら、それは知つておると言つておりましたが、あなたは御存じありませんか。
  331. 野村千秋

    野村証人 ちよつともう一回お尋ねしてよろしゆうございますか。豆の水分が多くて、油の歩どまりが悪いために、原料の追加割当を……
  332. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうです。
  333. 野村千秋

    野村証人 それは私存じておりません。
  334. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 全然知りませんですか。
  335. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  336. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 もう一つお尋ねしますが、そうすると、もちろ事んしぼつたあとの大豆のかすの処理等についても、あなた方は参画していないのでございましようね。
  337. 野村千秋

    野村証人 それは油かすの配給については、私どもの大豆部でやつておりましたので参画いたしております。
  338. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 参画しているのですね。
  339. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  340. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それではお伺いします。配給の割当には参画しないで、かすの割当に参画するというようなことで、われわれは合点が行かないのですが、その配給農林省独自でやるのでございますか。
  341. 野村千秋

    野村証人 当時もそうでございましたが、ただいまの輸入原料につきましては、農林省が輸入原料処理工場に配給の割当をいたします。それから北海道大豆につきましては、北海道から府県に持つて来る分と、北海道に残す分との配分も農林省が決定いたします。そして府県に持つて参りました分の割当、これは今申しました輸入大豆と同じように、農林省がいたします。それから北海道に残す分は、府県産の大豆と同じように、府県庁が割当の案をつくりまして、農林省が承認する形で、実質は道府県にございます。そ指示に基いて私ども配給の操作をいたすわけでございます。
  342. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そうすると配給の割当の数字には参画しないが、操作はやるとおつしやるのですか。
  343. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  344. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 私の伺いたいのは、輸入原料じやありません。おもに北海道大豆のことなのですが。そうした操作をやられておるあなた方が、昨年度の、水豆の申請があつたことは知つていないということですが、そういうことにわかつているのではありませんか。
  345. 野村千秋

    野村証人 水豆の問題は知つております。
  346. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 その数字はどのくらいだかおわかりじやないのですか。
  347. 野村千秋

    野村証人 ちよつと記憶はございませんが、その当時の資料は、相当詳しく私の方の書類箱にあるわけでございますが、正確なものは今ちよつとわかりません。
  348. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 お聞きいたしますと、これはうわさですが、数万俵だといわれておりますが、万俵がつきますか。
  349. 野村千秋

    野村証人 数万俵は間違いないと思います。
  350. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 これは大きな金額になるので、私昨年からこれをふしぎに思つておるのですが、これはぜひ事務局の方へその当時のくわしい書類を提出願いたいと思うのです。
  351. 大橋武夫

    大橋委員 この大豆部長というのに、大豆だけをお扱いになつておりますか。菜種とか、ほかのものをやつておりませんか。
  352. 野村千秋

    野村証人 菜種はやつておりません。大豆と大豆のかす、それからかすもやるからというので、大豆以外のかすも若干ございます。
  353. 大橋武夫

    大橋委員 それから大豆の増産奬励金というものでございますが、本来これがきめられたときには、だれがこれを受取ることになつておられたのですか、御存じありませんか。
  354. 野村千秋

    野村証人 最初のころから、大豆協会というものがこの増産の施策を実施するというような了解であつたように記憶いたしております。
  355. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、この大豆増産奬励金というものは、初めから大豆協会の財源にするということで予定して、そういう金の制度ができた。こういうわけでございますね。
  356. 野村千秋

    野村証人 大豆協会の財源にするという意味では、おそらくなかつたように思います。
  357. 大橋武夫

    大橋委員 それでは一体だれに受取らせるために、こういう増産金をきめたのですか。
  358. 野村千秋

    野村証人 ちよつともう一回お尋ねしていいですか……
  359. 大橋武夫

    大橋委員 この大豆増産奬励金というものは、それでは拂うのはだれですか。
  360. 野村千秋

    野村証人 源泉ですか。
  361. 大橋武夫

    大橋委員 そうです。
  362. 野村千秋

    野村証人 それはやはり大豆の消費者であります。
  363. 大橋武夫

    大橋委員 それを受取る人はたれですか。
  364. 野村千秋

    野村証人 それを受取る人は、非常にいろいろになるわけでございますが、農民の場合もございますし、中間の協同組合でございますとか、農事試験場等とか、いろいろにわかれます。
  365. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、消費者が農民へ特つて行くのですか。
  366. 野村千秋

    野村証人 最終……
  367. 大橋武夫

    大橋委員 最終でなく、順次に聞いて行きたいと思うのです。
  368. 野村千秋

    野村証人 それを価格の中に織り込まれる結果、先ほど御指摘のありましたように、知らず知らず増産奬励金を消費者が拂つて、それを公団受取りまして、これを大耳豆協会に渡すわけであります。
  369. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、公団から大豆協会に支拂呵うことになつたわけですね。
  370. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  371. 大橋武夫

    大橋委員 公団の一切の支拂いは、その支拂いについてやはり何かよるべき法規があるのではないですか。あるいは予算に準拠して支拂うとか、あるいは会計法によつてやるとか…
  372. 野村千秋

    野村証人 それはあるわけでございます。
  373. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、予算のどういうところに準拠して大豆協会に支拂われたわけですか。
  374. 野村千秋

    野村証人 私どものこの点に関する考え方と申しますか、公団はこれを大豆の代金とともに受取仕事、それを積み立てる仕事という役割でございまして、公団のほかのあれと同じように、公団の使うべき金というふうには実は考えていなかつたわけです。公団はそれを取り立てて、これは帝国油糧時代からの惰性といえば惰性かもしれませんが、公団がそれを取り立てて大豆協会に渡す仕事というふうに、私どもは理解しておつたのであります。
  375. 大橋武夫

    大橋委員 それで公団は、それはたれからその仕事を委任されてやつてつたわけですか。
  376. 野村千秋

    野村証人 そこまでははつきりと考えて……
  377. 大橋武夫

    大橋委員 しかしあなたは大豆部長で、公団におけるこの仕事の担当の公職員でありながら、自分がやつている仕事が一体どういう性質のものか、また法規よつて公務員が事務をやらなければならない場合に、法規上どういう性質を持つたものかということについては、全然お考えになつたことはないのですか。
  378. 野村千秋

    野村証人 法律のことはわからないものですから、つい……
  379. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると油糧公団理事者というようなものは、みんなあなたのように、法律のことはさつぱりわからないお方ばかりですか。―そういうお方を公団の役員にしてあるのですか。―一体わけのわからない金をどうしてあなたは受取るのです。公団に入つて来る金は契約によるか、法律によるかして入つて来るのでしよう。何ら法律上の原因がなくて入つて来るという金、不当利得というものはかるはずはないのである。それはいかなる法律上の原因で入つて来るのですか。
  380. 野村千秋

    野村証人 私どもは法的根拠についてけ、非常に変な申し方でございますが、検討いたしておりませんでしたが、農林省並びに物価庁が、そういうものとして従来から認めておつた、それを私が引継いで、大豆増産の予算が農林省ではつきりしない間は、これは大豆増産のためには非常にけつこうな経費だという考え方で、実はそれだけで処理して参つたわけでございます。
  381. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、大豆増産の経費農林省ででき上つたら、どういうことになるようにあなたは考えておられましたか。
  382. 野村千秋

    野村証人 それは打ち切られるものと、最初から予想をいたしておりました。
  383. 大橋武夫

    大橋委員 大豆増産奬励金が。
  384. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  385. 大橋武夫

    大橋委員 それからあなたは、この大豆協会の設立の当初から関係しておられますか。
  386. 野村千秋

    野村証人 私は昨年の四月からでございます。
  387. 大橋武夫

    大橋委員 その前は関係はございませんか。
  388. 野村千秋

    野村証人 はい。
  389. 大橋武夫

    大橋委員 それから大豆増産奬励金を交付し始めたのは、昨年の四月からですね。
  390. 野村千秋

    野村証人 大豆増産奬励金は、昭和二十一年のころからでございます。
  391. 大橋武夫

    大橋委員 そのころから、ずつと大豆協会に交付しておつたのですか。
  392. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  393. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、あなたはただそれを引継ぎ、そういうものだと思つてつて来ておられたのですか。
  394. 野村千秋

    野村証人 それをさらに積極化したわけです。
  395. 大橋武夫

    大橋委員 どういう意味で積極化されたわけですか。
  396. 野村千秋

    野村証人 たとえば、もつと金額をふやしていただきたいとか、またあまりこれは引続いてやりたくないのだ、しかし途中で増産運動が断ち切られることは、せつかく大豆の必要の熱が全国的に盛り上つているのに、農林省の予算が組まれる前に打ち切られることについは、われわれとしては非常に残念だというようなことで、お願いいたして来たわけであります。
  397. 大橋武夫

    大橋委員 それで、あなたはたれにその御意向をお話になりましたか。
  398. 野村千秋

    野村証人 これは物価庁の主要食品課の越部技官でございます。もつぱらその人にお願いして参つたわけでございます。
  399. 大橋武夫

    大橋委員 そのほかそのことを、たれにも話されたことはありませんか。
  400. 野村千秋

    野村証人 それは課長の明石さんにも、越部さんにもお願いしております。ひとつよろしく頼みますというふうなことで、お願いをいたしました。
  401. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると物価庁の方は、この問題を話されたのはこのお二人だけですな。そのほかにはありませんか。
  402. 野村千秋

    野村証人 それから農林省の油糧課長。
  403. 大橋武夫

    大橋委員 最後にお伺いしておきたいのですが、大豆協会というものは、どういう官庁から、どういう監督を受けておりましたか。
  404. 野村千秋

    野村証人 大豆協会の監督は農林省の前の食品局、ただいまは食糧庁でございますが、監督の方向と申しますか、これはたとえば大豆増産奬励金の予算をきめる場合に、監督と申しますか、御指導と申しますか、それから決算を提出して、事業報告を申し上げるということだけでございます。
  405. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると監督官庁は食品局ですね。
  406. 野村千秋

    野村証人 前の食品局です。
  407. 大橋武夫

    大橋委員 そうして監督の方法は、ただ予算を見せることと、それから決算を報告しておくこと、それだけですか。
  408. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  409. 大橋武夫

    大橋委員 それは毎期必ずやつておられますか。半期ごとに、あるいは毎月ですか。
  410. 野村千秋

    野村証人 いいえ、そんなに……
  411. 大橋武夫

    大橋委員 一年に一回ですか。
  412. 野村千秋

    野村証人 年度の初めと終り……。その間仕事の計画を進める場合の打合せは、随時いたしております。
  413. 大橋武夫

    大橋委員 それはあなたの方から連絡をつけるのであつて、向うから積極的に監督にこちらへ来ることはないのですね。
  414. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  415. 大橋武夫

    大橋委員 それからあなたの方の役員は幾多ですか。
  416. 野村千秋

    野村証人 二十四、五名でございます。
  417. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 理事、監事と合せて……
  418. 野村千秋

    野村証人 監事を合せると二十六名くらいであります。
  419. 大橋武夫

    大橋委員 それに対して、昨年度における全部の報酬の支拂いは幾らになつておりますか。
  420. 野村千秋

    野村証人 ちよつとそれは今持つておりませんけれども……
  421. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはここにあるだけですか。
  422. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  423. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年の六月十八日には七万円、それから十二月十七日に八万三千五百五十円、これだけですね。
  424. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、ほかの役員は全部合せて七万円で、会長だけが五万円ですか。
  425. 野村千秋

    野村証人 大体そんな見当です。一人五千円だつたかと思います。
  426. 大橋武夫

    大橋委員 よろしゆうございます。
  427. 小林進

    ○小林(進)委員 一つお聞きしたいのですが、一体大豆協会奬励費の経理を、どなたがおやりになつているのか、お聞かせ願いたいと思います。出し入れ、帳面の責任者です。
  428. 野村千秋

    野村証人 それは事務局長の門田と申すのがやつております。
  429. 小林進

    ○小林(進)委員 経理部長がおやりになつているのじやないのですな。
  430. 野村千秋

    野村証人 それは出し入れについて必要な経費の伝票を門田氏が書きまして、従来は経理の本部長の手元に出しまして、そして向うでそれをチエツクしまして、現金を門田氏に渡す、そういうやり方でやつてつたわけであります。
  431. 小林進

    ○小林(進)委員 そうすればこの奬励金の一切の出し入れは本村、いわゆる公団の経理部長がおやりになつたと解釈してよろしゆうございますか。
  432. 野村千秋

    野村証人 そうでございます。
  433. 小林進

    ○小林(進)委員 それは大豆協会でなく、公団の経理部長として、大豆協会の経理を担当されたわけですか。
  434. 野村千秋

    野村証人 それは大豆協会の嘱託としてですね。
  435. 小林進

    ○小林(進)委員 本村さんは大豆協会の嘱託なんてすね。
  436. 野村千秋

    野村証人 嘱託です。
  437. 小林進

    ○小林(進)委員 これは嘱託の辞令が出ておりますな。
  438. 野村千秋

    野村証人 前からそんな関係でやつておりましたが、私が参つてから辞令を出した記憶はございません。
  439. 小林進

    ○小林(進)委員 そうすると、経理は公団の経理部長がやられておいでになることだけははつきりしたのでございますが、その一千四百三十五万円の金に対して、本村氏は大豆協会の方へ昨年度は五百五十九万円を出してやつたと言われておるし、あなたは、一千四百三十五万円われわれ大豆協会の方でもらつた金があるとおつしやつているのですが、その点一体どちらがほんとうなんですか。いま一回言いますれば、本村氏は大豆協会の奬励金として千四百三十五万円を公団がとつたのだ、それで大豆協会の要求に応じて昨年度は五百五十九万円を出してやつたのだ、こういう証言のようでございますが、あなたの先ほどからの関係者の質問では、一千四百三十五万円大豆協会がとつたのだ、こういう御回答なのであります。少し食い違いがあるのでございますが、どちらがほんとうなのか、ひとつはつきり御答弁願いたいと思います。数字はあなたのさつきの数字と合つているのです。数字は合つておりますが、本村氏の答弁はいわゆる六円十五銭ですが、それを含んだその金は公団へ入つた金なんでしよう、一千四百三十五万円は。その公団へ入つた金の中から大豆協会のいわゆる申請に基いて、その都度金をやつてつた、こつちで昨年度やつた金は五百五十九万円だ、こういうわけなんです。金は公団の金だというのは本村氏の言い分だし、あなたの方の言い分ではその一千四百三十五万円は大豆協会の金だ。片方は公団の金だと言い、片方は大豆協会の金だと言うところに食い違いがある。どちらの金かということをはつきりおつしやつていただきたいと思います。
  440. 野村千秋

    野村証人 これは前から経理をどこでやるかということが内部で問題になつたころから、その点ははつきりいたしておると思うのでありますが、本村経理部長は、この増産奬励金油糧配給公団の金だということは言つていないと思います。もし言つたとすれば、これは何かの誤りじやないかと思います。これは公団の金でなくて大豆協会の金であるということは、同君はよく承知しておるはずだと、私は理解いたしております。
  441. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが大豆協会の金なら大豆協会の金と書いてあるはずだが、得意先前受金となつているが、それがおかしいんだ、それはどういうわけなんですか、得意先前受金というのは三……
  442. 野村千秋

    野村証人 協会の経理のことはわかりません。
  443. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでそういうへんな御答弁をせざるを得ぬことになつて来るんだ。大豆協会の金なら大豆協会の金と書いたらよさそうなものだ。
  444. 小林進

    ○小林(進)委員 いま一つお聞きしたいことは、一千百三十五万円の大豆協会の奬励金を、―あなたは必要な都度、これをいわゆる経理部長から門田氏の伝票によつてもらつておるとおつしやる。必要の都度とおつしやるその必要度の算定をどういうふうにしておきめになつたか、その必要金の出し方について、ひとつお尋ねしようと思います。
  445. 野村千秋

    野村証人 それはいろいろあるわけでございますが、増産の仕事になりますと、やはり時期的な制約がございまして、その時期をはずすと効果のないというふうなことになりますので、たとえば大豆の種の交換会をやるという場合においては、大豆がとれまして、まだ農家があちらこちらに散逸しない前に会議を開く必要がある。そういう場合には、やはりその会議の直前に伝票を請求しまして、引出して使うのであります。
  446. 小林進

    ○小林(進)委員 わかりました。その時期の問題は、農家によるとか協同組合による。そういうことをお聞きしているのではなくて、そういう計画、金を使う道についての計画なりを、あなたが個人できめて、これからいわゆる品評会をやる、展覧会をやるから、おい、その金を出して来いというふうに、どんどんおやりになるのか、あるいはいま少し何かくだけた手続方法でおやりになろのか、それをお聞きしているのです。
  447. 野村千秋

    野村証人 使い道の計画でございますか。
  448. 小林進

    ○小林(進)委員 計画というか、まあそうですね。使い方ですね。
  449. 野村千秋

    野村証人 これは大体年度の初めの四月から使う経費を、二月から三月ごろの時期に農林省の技術関係の農産課―ただいま改良局というのがありますが、そういう方面の技術の関係、それから農事試験場、農業協同組合等の技術者の方々、監督の農林省の油脂課、こういう方々のお集まりを願つて、従来の実績の検討と、新年度において、どういう計画で仕事を進めるかの予算なり事業計画の打合せをやります。そうしてそれによつて一応の予算案、使い道の案ができます。できますと一方においては、それを正式に農林省にも出し、物価庁にも写しを出すし、一方において大豆協会理事会、あるいは総会を開きまして、そこで承認を求めておいて、その線に沿つて必要に応じて金の出し入れをする。こういうふうな形になります。
  450. 小林進

    ○小林(進)委員 そうすると、その計画の通りの金をお使いになつているというのですか。
  451. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  452. 小林進

    ○小林(進)委員 間違いありませんか。
  453. 野村千秋

    野村証人 そうです。
  454. 小林進

    ○小林(進)委員 そうするとその経費は一千百三十五万円だとか、あるいは二十四年度は一千二百万円だとかいうふうに、入つて来るのは予想がついているのですね。
  455. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  456. 小林進

    ○小林(進)委員 大体入つて来る金が予想がついて、それに基いて計画書をお出しになる。そういうのは二十四年度の計画書がおありになりましたらお見せ願いたいと思います。
  457. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みましたが、和田さんは去年の六月のいつ会長になつたのですか。
  458. 野村千秋

    野村証人 六月の末だと思います。七月ではなかつたと思います。
  459. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが六月十七日に半期車馬賃として五万円出ているんだが、そうすると半月ほどで車馬賃を渡している。それは間違いないですか。
  460. 野村千秋

    野村証人 出したことは間違いありませんし、時期は六月の―まさか就任されない前に金は出ませんから……。たしか六月の末と思いましたが、そうすればもう少し早く……
  461. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 半月分で半期五万円出ていることになる。八月九日に和田会長北海道出張旅費として五万円出ておりますが、これはどういう金ですか。
  462. 野村千秋

    野村証人 これは当時そういうあれがありました。旅費という……
  463. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう仕事に行かれたのですか。
  464. 野村千秋

    野村証人 これはほかの開拓の方の仕事もあり、油脂関係の人たちの集まりもあり、二、三の用務を兼ねられて行つたはずであります。従つて協会も一部を負担いたしたいということで五万円……
  465. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 五万円が一部ですか、それからあなたの方の公団理事に和田元という人がなつておりますね。
  466. 野村千秋

    野村証人 さようでございます。
  467. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは和田博雄氏の何にあたる人ですか。
  468. 野村千秋

    野村証人 実弟のはずでございます。
  469. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつから理事になつて、何をやつておりますか。
  470. 野村千秋

    野村証人 理事になつた時期はちよつとはつきりいたしません。ただいまはちよつと時期は正確なことはわかりません。
  471. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団ができたときから……
  472. 野村千秋

    野村証人 いいえ、そうじやありません。今年になつてからのように記憶いたしております。
  473. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何をやつておりますか。
  474. 野村千秋

    野村証人 今大阪の支部長をいたしております。
  475. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 初めから大阪の支部長ですか。
  476. 野村千秋

    野村証人 公団ができたときは、名古屋の支部長でありまして、それからその後に本部に参りまして総務部長をやつたと思います。そのころはまだ理事ではなかつたように記憶しております。
  477. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧からおるのですか、公団になつたときから入つたのですか。
  478. 野村千秋

    野村証人 そこまでは私はつきりいたしません。
  479. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前からおつたかどうか知らぬ……
  480. 野村千秋

    野村証人 油糧公団になる前かと思います。
  481. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧のときから……
  482. 野村千秋

    野村証人 帝糧の時代からと思います。大阪の支部の次長をやつたということを、ちよつと聞きましたから……
  483. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではよろしゆうございます。済みました、御苦労さまでした。  北山俊二さんですね。
  484. 北山俊二

    北山証人 はあ。
  485. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは油糧配給公団の油脂部長をしておいでになるようですが、いつからおやりですか。
  486. 北山俊二

    北山証人 昭和二十三年の十月一日から二十四年の三月末日まで、半年間でございます。
  487. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから二十四年四月からは……
  488. 北山俊二

    北山証人 四月一日からは総裁室長という役目にかわりました。それから九月十四日だつたと思いますが、現在の副総裁の職につきました。
  489. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうして副総裁になつたのですか。何か事情があつたからですか。前の副総裁がやめたからとか……
  490. 北山俊二

    北山証人 お尋ねの趣旨がちよつとはつきりわからぬのでありますが、自分を中心にひとつ申し上げたらいいわけですか。
  491. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや簡單で……。前の副総裁がやめたからとか……
  492. 北山俊二

    北山証人 前の副総裁が、いわゆる油糧公団事件でやめましたので、その後任に選定されたわけです。
  493. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの公団から大豆増産奬励金、それから分解硬化用油脂価格差金、これを奬励に出しておるそうですが、第一に聞きたいのは、大豆増産奬励金とはどういうもので、どういうわけで出すのか、その点を伺いたいと思います。
  494. 北山俊二

    北山証人 大豆増産奬励金と申しますのは、戰争が終りまして、満州大豆の輸入が杜絶いたしましたために、国内の大豆の増産をはからなければならぬ、そういうようなことで、二十一年度か二十二年度からか、年度ははつきりいたしませんが、公団―当時は統制会社でございましたが、増産奬励費という項目でそういうものが認められた、それで今日まで来ておるというように承知いたしております。
  495. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧からその金を出しておつたのですか。
  496. 北山俊二

    北山証人 帝国油糧のときのいわゆる会社の配給構成の中に、やはりそういうものがあつたというように思つております。
  497. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 配給構成のうちとは……
  498. 北山俊二

    北山証人 会社がマージンとして、豆を売つた要するにそのマージンですね。マージンの中にそういう増産奬励費という名目であつたと思います。
  499. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしてそれを大豆協会へ出しておつたのですか。
  500. 北山俊二

    北山証人 その辺のことは、私大豆開係の仕事をやつておりませんが、大豆協会へ出しておつたのかどうか、その事実の経過については承知いたしておりません。
  501. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 マージンの中へ入れてあつたものだから、その名目で入つておるマージン料だけは、大豆協会へ出すんでしよう。帝国油糧から……。そそうでなければりくつに合わぬ。
  502. 北山俊二

    北山証人 大豆協会へ出しておつたのか、統制会社で使つてつたのか、その辺の関係のことは私承知していないのであります。
  503. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると大豆協会帝国油糧関係のことは知らぬ、こういうわけですね。
  504. 北山俊二

    北山証人 さようでございます。
  505. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会のあつたことは知つておるのだね。
  506. 北山俊二

    北山証人 大豆協会はありました。
  507. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは公団になつてもある。さらに公団からこれを出しておるようですが、それはどういうわけでそういうことになつたのですか。
  508. 北山俊二

    北山証人 その件につきましては、大豆協会に出しておるということを私は承知いたしておりますが、どういうふうにして出しておるのか、詳しいことについては、私は担当ではないからよく承知いたしておらぬのであります。
  509. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは首脳部にいるのだから……
  510. 北山俊二

    北山証人 大豆協会に出しているというようなことだけで、どういう方法で出しておるかというようなことは存じておりません。
  511. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうしてそういうものを公団が出すように至つたか、それは御承知ですか。
  512. 北山俊二

    北山証人 大豆協会というのは、大豆の増産をやろうということでできた、民間の協会であるように承知いたしておりますので、そういう協会にそういう仕事をやらしたらいいじやないかというようなことで、大豆協会に金が出ておつたんではないかと思つておりますが、それ以上のことはあまりよく承知いたしておりません。
  513. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在も出ておりますね、額に少くなつたようだが……
  514. 北山俊二

    北山証人 それは出ておると思います。
  515. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出ておると思うなんて、あなたは総裁室長だの副総裁だのと言つておりながら、と思いますと、そんたことは大事なことではないですか。
  516. 北山俊二

    北山証人 大豆協会に渡している方法は、大豆増産奬励費大豆協会に出しておるはずで、別にそれを停止したというようなことは知りませんので、大豆協会に出ておると思います。
  517. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは出ておるとすれば、その金はどういうところで入つたものを、どうして出しておるのですか。
  518. 北山俊二

    北山証人 大豆を公団が売つたときに、その手数料と申しますか、收入が入るわけでございますから、そのときに積み立てているのではないだろうか、こういうように思うのですが、本部の方では、売買は直接やつておりませんので、支部の方で売買をやつておるわけです。支部の方で売りましたときに、大豆の金が入つて来る。入つて来たときに、増産奨励費に相当する部分を別の経費にして、これは大豆増産奬励費ということで、内訳をこしらえて、それを本部の方に十月に一ぺんつけかえて来るのかわからぬが、つけかえて、本部にその増産奬励費というものが入る、こういうように思うのです。
  519. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 本部でどういう名儀で積み立ておりますか。大豆協会預かり金か……
  520. 北山俊二

    北山証人 大豆増産奬励費ではないかと思いますが、名目方は、何か会計の方は関係筋の方から費目について、制限といいますか、こういう費目でやれというような指示があつたので、そういう費目で経理の方は整理しておると思いますから、それがどういう費目でございますか、大豆増産奬励金であるとうことが要するにわかるように整理をするということだと思います。
  521. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが公団では得意先前受金として、別途勘定に積み立ててあつたようですが、それは御承知ないですか。
  522. 北山俊二

    北山証人 得意先前受金というのは、何か関係筋の方からそういう費目―ほかに該当する費目がないので、そういう勘定に入れておりますけれども、大豆奬励金だということがわかるように経理してあるはずでございます。得意先前受金とごつちやになるような経理にしてないはずだと思います。
  523. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが得意先と申しますのに、まだほかにもあるのですか。
  524. 北山俊二

    北山証人 費目は得意先前受金であつても、大豆の増産奬励金は別に積立ててあると、私にそのように確信いたしております。
  525. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これらのことに、ついて、官庁と折衝に当つたのはあなただということですが、どうですか。
  526. 北山俊二

    北山証人 大豆の増産奬励金のことについて、私は官庁の方へ折衝したことはありません。大豆の関係仕事は、私直接に所管事項としてやつたことはございません。
  527. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではこの次聞く分解硬化用の油脂価格差金については、あなたやりましたか。
  528. 北山俊二

    北山証人 やりました。
  529. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではそれを聞きましよう。これはどういう金です。
  530. 北山俊二

    北山証人 少し長くなりますが、分解硬化用の油は全部大口でございまして、自由経済時代にも、販売業者からそういう人たちが買つたという実績がございませんでしたので、統制になつてかれこれ八、九年になりますが、統制に入りましたときからも、やはり統制会社が販売業者を通せずに、直売の方法でやつております。いわば一つの商慣習とでも申しましようか、そういうような慣習でやつております。昨二十三年度になりまして、まあ終戰後例の企業許可令が解かれましてから、いろいろ分解硬化の仕事にも、新規の業者が非常にたくさん出て参りました、小口のものも従つて出て来たわけであります。そういう小口のものに対して、二十三年度にたしか試験割当か何かで、一トンとかニトンが割り当てられることになつた。そういう人たちに公団が直売するということは―従前にけそういう小口の人は相手にならなかつたわけでありますが、公団が直売するということは、非能率でもございますし、それでまあそれに販売業者を通じて販売するということにいたしたわけであります。そのとき大口の方をどうするかということが問題になりまして、大口につきましても、やはり私の当時の考えといたしましては、中小の業者販売業者販売価格配給を受ける、それから大口業者が従来の慣習に従つて公団価格で受けるということになりますと、やはりそれは公平の見地からいたしまして思わしくない、これはやはり同列であるべきだという考え方から、大口業者にも、やはり中小企業と同じ価格で売つてしかるべきものだというように考えました。しかしながら販売業者は、そういう大口の何百トン、何千トンの油の受流しということにつきましては、タツチする面が非常に少うございますので、わざわざ販売業者を通ずるということにいたしましては、これは結局言葉は穏当でないかと思いますが、いわば不労所得に似たようなものを與えることになつて、これも思わしくないので、それで公団が直売することにいたしまして、価格の付記條項に、公団販売業者の販売受渡し條件に準ずるところで需要者に直接売つたときは、販売業者価格で売るという條項があるものですから、それを適用することにいたしまして、そうして大口の業者にも公団は直売するが、価格販売業者価格と同じだ、小口の方と同じ値段で売るということをきめて、そういうふうに申したわけであります。大口の業者の方からは、それは困る、われわれはやはり公団から、統制会社から統制会社の販売価格受取つたのだから、従来通りやつてもらわなければ困るという、かなり強い反対の申入れがあつたわけであります。まあそういう商慣習かもしれないけれども、しかしそういうことをやつたのでは、公団が中小の方と大口の方と区別して、大口の方に有利なようなことをやるということは、公団の性格から私は承知できない。また公団のやることには、販売條項の付記條項によつてそれだけの根拠があるのだから、やはり私はこういう価格で出してもらいたいということで、その間いろいろありまして、大口の業者からは、それはまあひとつ従来通り公団から直売で、公団価格で売つてくれ、それの販売業者マージンに相当する分は、われわれの方で任意に積み立てるなり何なりして、油脂界のためにその金を使うということも考えるから、そういうようにわれわれの方で責任をもつてやるから、ひとつ従来通りやつてくれというような申出もあつたわけであります。そうやつてみたところが、これは法律で伝えられたわけではなし、約束は約束で、かつてに積立てもせずにやられてしまつた場合には、こちらの希望と相反するわけでございますので、そういうこともできない。どうしても私とすれば、大中小の業者がやはり同じ価格原料の油を取得していただくということが本旨であるから、あなたの方でそういう御希望があれば、そうやつてもいいけれども、それが確実にやれるという保障がわれわれにない。われわれは單に希望しただけであつて、積み立てなくても、それをどうすることもできないので、そんなこともできぬ。公団がそれだけの価格で売つて公団が積み立てるということだつたら、確実な保障があるけれども……。そういうようなことで、いろいろ紆余曲折がありましたあげく、結局われわれとしては、そういう人たちからの預り金だというような考え方で、一応別途に処理しましよう。あとあとにつきましては、いろいろ役所の方の見解もあるだろうと思うけれども、とにかく公団のいうように、公団から直接買つてくれ、その価格販売業者価格で買つくれ。しかし販売業者マージンに相当するものは、一応公団で別途にして、何が何だかわけのわからねようなことにならぬようにしましようということを言つたわけです。
  531. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに大口業者に対するマージン料を拂わないで、公団が直接消費者価格で売つた、こういうことになるのですね。
  532. 北山俊二

    北山証人 さようでございます。
  533. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで公団というものは、国家の業務を代行しているのですね。―そうでしような、公団の性質は。
  534. 北山俊二

    北山証人 私は法律の方はよく知らぬのですが、代行ということはどういうことになりますか、まあそういうことだろうと思います。
  535. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 国家の仕事をかわつてつているのでしよう。公法人ですね。
  536. 北山俊二

    北山証人 そうです。政府機関でございます。
  537. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとあなた方は、なるほど公正にして不公平にやつては行かぬからというので、大口業者だけに安くせぬで、金を受取られたのはけつこうでしよう。それだけ国家の收入が多くなるのですが、それは国家に入るべきものだと思うが、国家に入れないで、あなたの方で留保しておいたそうですね。
  538. 北山俊二

    北山証人 今申しましたような経緯があつたものでございますから、それが国家のいわゆる普通の收入になるのかどうかということにつきましては、はつきりとした当時見解を持つておりませんでしたので、販売大口業者の方からは、自分らがともかく寄付と申しますか、積立てと申しますか、そういうような経緯があつたわけでございますので、実情から照しまして、私ども当時におきましては、やはり何か預かつたような気持もいたしておつたわけでざいます。
  539. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 国家の仕事をあなた方かわつてつて、高く売つてつたのじやないですか。代金は国家がとるのじやないか。
  540. 北山俊二

    北山証人 金は確かに公団に入つたわけで、ございますが、その間の折衝の、納得させるまでの経過にかんがみまして、何かやはり預かつて、一般のいわゆる收入ではなくして、特別なものであるという考え方を当時は持つてつたわけでございます。
  541. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはマージンであるか特別かしらぬが、とにかく收入は国家の收入にならなければならぬでしよう。あなたはそれをどういうことにしておきましたか。
  542. 北山俊二

    北山証人 それは先ほどおつしやいました、要するに仮受勘定であります。仮受勘定のような形で、一応別勘定にいたしまして、わけがわからぬようなことにはならぬようにいたしました。それでそのあとそういう金を積み立てるまでの経緯に照しまして、これはやはり一般の收入とは難うし、国家公共の立場からひとつ油脂の増産というような―油が多くなれば、それだけこういう政府機関で統制するということも早くやまるわけであります。そういうようなことで使つてもいいんじやないかというような考え方を、当時は持つたわけでございます。
  543. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれが持つたのですか。
  544. 北山俊二

    北山証人 公団として持ちました。
  545. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで得意先前受金として上げたのですか。
  546. 北山俊二

    北山証人 いや先ほど申しましたように、別途にひとつやるからということで、帰趨がはつきりいたしませんものでしたから、処理上として仮受金ということで、一般の收入とは区別した経理の仕方をしておりました。
  547. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは先ほどの大豆増産奬励金と同じように、仮受金ということになつているのですか。
  548. 北山俊二

    北山証人 ですから得意先前受金の中で、分解油関係のものは分解油関係でさらに二つ、三つわけて経理して、大豆なり他のものと一緒になつたり、あるいはいわゆる得意先前受金と一緒になつたりすることがないように経理をしておつたと思うのであります。これは一つの経理上の技術じやないかと思います。
  549. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 技術には違いないが、まことに驚いた技術をめぐらしたものだ。そう言われるならば、もう一つ聞くが、大豆奬励金にしましても、増産奬励金にしても、今言つた価格差益金にしても、得意先からは代金として受取つておりますね。
  550. 北山俊二

    北山証人 得意先とは販売業者
  551. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、消費者からは代金として受取つていますね。
  552. 北山俊二

    北山証人 最初に申しましたのは、消費者からは代金として……
  553. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 消費者という言葉が悪ければ、相手、買受人から代金として受取つておりますね。
  554. 北山俊二

    北山証人 受取つております。
  555. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 同じ代金で、特別の預かり金となるということは、どういうわけだ。
  556. 北山俊二

    北山証人 分解油の方では、先ほど申しましたような事情があつたから、一応そういうことでやつたわけでございます。
  557. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 国家の仕事をかわつてやるならば、代金として受取つたものは国家のものだ。だからさらにいるもがあつたら、国家から出してもらうということでなければならぬと思うが、いやしく公の仕事をやつている以上は……
  558. 北山俊二

    北山証人 当時におきましては、そういう経緯があつたものでございますから、一応別の勘定にしたということで、何もそれは公団でかつてにその金をどうのこうのするという考え方は全然持つておりません。政府の見解に従うことで、一応金額だけは別にしたわけでございます。
  559. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だけれども公団法のあることを知つておるでしよう。
  560. 北山俊二

    北山証人 存じております。
  561. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それには経理について何と書いてありますか。
  562. 北山俊二

    北山証人 第十九條の終から第二項目でございますが「油糧配給公団は、経済安定本部総務長官の承認を受けて、政令の定めるところにり、剰余金を国庫に納付しなければならない。」
  563. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで政令の第三條には何と書いてあるのですか。剰余金というものはどういうところから出るかということが書いてあるでしよう。この政令においては、剰余金というものは毎期の損益金計算書において、別に揚げる区分別にされてある收入支出との差引勘定を生じた剰余金の合計ですよ。それで收入という中に売上げ收入、手数料、利子收入と書いてありますね。今かりにマージンだとしても、ここに書いてある通り手数料だから一応收入に入れる。いわんや売上代金としてとつたへのは当然国庫收入に入れて、それから必要なものは必要なもので出す手続をとつたらいい。そういうことをやらないで、いわゆる裏勘定にして前受金などという別途勘定にしておいてさしつかえないと、ほんとうに初めから思つておられましたか。
  564. 北山俊二

    北山証人 別に当時の経理がそういうことでありましても、これにつきましては、政府の御解釈に従つて処理さるべきことでございますので。政府の見解に従つて決算のときには経理すべきものだというように考えておりました。ただ経過的にそういう経理の処置をとつたというだけでございます。要するに金額だけをはつきりするという意味しか持つておらなかつたのであります。
  565. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 このことについて、物価庁に交渉されたことがありましよう。
  566. 北山俊二

    北山証人 物価庁と交渉したような記憶は持たないのでございますが……
  567. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこと交渉したりですか。
  568. 北山俊二

    北山証人 農林省の方に交渉いたしました。
  569. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省のどこですか。
  570. 北山俊二

    北山証人 農林省食品局油脂課でございます。
  571. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 人は主としてたれですか。
  572. 北山俊二

    北山証人 当時の油脂課長に話したと思つておりますが……
  573. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何という人ですか。
  574. 北山俊二

    北山証人 中原雄。
  575. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのことについては別に違法だないと言つておりましたか。
  576. 北山俊二

    北山証人 申しましたのは、実は大口の分解油につきまして、従来とは違つたこういう処置をやつた公団販売業者販売価格で売つておることになります。この差額につきましては、いろいろ業者の方と公団の方とやり合いがあつたわけですが、向うの方としてはやはり公団に預けたというような気持を持つておりますので、公団としては一応別経理でやつております。これはやはり何か油全体のために使えれば、非常にけつこうだと思うのですが、それにつきましては、公団がそういう業務がやれるかやれないかということについてもいろいろ問題があつたわけであります。農林省の御見解けどうですということで、相談に行つたということだと思います。
  577. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしたら……
  578. 北山俊二

    北山証人 それでいろいろ研究してみようということだつたと思います。
  579. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その結果、経理上さようなことはさしつかえないという話でしたか。
  580. 北山俊二

    北山証人 その結果につきましては、私十月一日から油脂部長專任になつておりますので、支出計画その他につきましては、私が中心になつたわけではございませんので、主としてそちらの方で折衝はやつておると思うのでございますが、公団法の十五條でございましたが、公団の附帶する業務ということで使つたらいいじやないかという解釈で、そういう文書の回答を農林省からもらつております。
  581. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 かようなことを認めてもらうには、相当紆余曲折があつたことでしようね。
  582. 北山俊二

    北山証人 私が油脂部長になるまで、要するに九月までにそういう大口分解業者とのやりとりがあつたわけであります。そういうことで別途にやつて、何かそれらの人々の言われるように、油脂全体のために使えるということならばけつこうだがということで、私九月末までにおそらく農林省へ話したのだろうと思います。十月一日以降につきましては、私自身が直接しよつちゆう折衝をやつておるわけではございませんので、その後の経過はよくは知つておりませんが、大体十二月ごろでございましたか、こういうように農林省の方から解釈をもらつております。
  583. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが交渉したのは何月でしたか。
  584. 北山俊二

    北山証人 私はそのあとの十月一日以降も、差金の性質その他につきましての説明のときには、一緒に説明に行つたように記憶がございますけれども、直接折衝には私当つておりませんので、はつきりは……
  585. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた、油脂部長は、今年の三月まででしよう。
  586. 北山俊二

    北山証人 はあ。十月一日から、原料部というのができまして、油脂増産と申しますか、そういう方面は原料部の担当ということになつておりますので、農林省のいわゆる附帶する業務ということの認定と申しますか、そういうにことにつきましては、原料部の方で折衝いたしたのであります。その他私が差金の性質について知つておりますものですから、差金説明等のときには、一緒に行つて説明いたしたのであります。大体以上であります。
  587. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当難点があつたようだが、結局承認を得たようですね。その承認を得るときには條件があつたでしよう。
  588. 北山俊二

    北山証人 條件と申しますのは―私はつきりわかりませんが。
  589. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなた承認を得たといつたが、附帶業務としてやつてもいいという附帶事業は、一体増産奬励、集荷督励でしよう。
  590. 北山俊二

    北山証人 そうでございます。
  591. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それについて相当嚴重なる條件がついておつたのではありませんか。
  592. 北山俊二

    北山証人 昭和二十三年十二月二十七日附で、附帶業務として認定して、こういうような増産、集荷に使いたい、こういう申請をいたしておりまして……
  593. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでその使い道に対して條件があるでしよう。
  594. 北山俊二

    北山証人 それに対して二月二日付で回答して来ております。それにつきましては、実施細目については別途打合せること、それから事業計画の進行状況あるいは支出状況については、毎月報告することというのがあります。
  595. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 明細報告と書いてある、そうじやないのか。
  596. 北山俊二

    北山証人 支出状況につして毎月報告することというのがついておるようであります。
  597. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでそれがあつたために、相当大きな金を出されたようですね。奬励費に幾ら出して、集荷費に幾ら出したか、御承知ありましようか。
  598. 北山俊二

    北山証人 計画書なるものは、私そういうこともお尋ねあろうかとも思いまして、持つて参りましたが、内容については全然私は当つておらないのでございます。持つてつておる計画書の説明でございましたらできますけれども、それ以外のことは、私よく承知いたせておりませんから……
  599. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 計画だけで、どれだけ出したかはわかりませんか。
  600. 北山俊二

    北山証人 金額は第一回が二千二百万円、第二回が二千七百万円、大体四千九百万円ということは承知しております。
  601. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 両方でですか。
  602. 北山俊二

    北山証人 はあ。
  603. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは二十三年度ですね。
  604. 北山俊二

    北山証人 先ほどの直売したマージンの積立てに相当する金であります。
  605. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 すると、積立てた金でしよう。
  606. 北山俊二

    北山証人 積立てた金に、その後第一回のものは、先ほど申しましたように、要するに直売したものでございまして、第二回の方は、先ほどお尋ねがございませんでしたので、御説明申し上げませんでございましたが、それは例外許可の価格を受けて販売しておりますのがあるわけであります。そういうことで、三月まで公団の取得いたしました金額は、大体六千七、八百万円じやなかつたかと思います。
  607. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは二十三年度中に二千幾ら出たんですか。
  608. 北山俊二

    北山証人 いや、私担当じやなかつたものでございますから報告を受取つたというようなことでしか、お答えできませんが、それでよろしゆうございますか。
  609. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしい。
  610. 北山俊二

    北山証人 三月末までに六、七百万円くらいのものが実際には使われております。
  611. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はちきりわからぬですか。そこに書いてあるのでしよう。
  612. 北山俊二

    北山証人 六百三十二万円でございます。
  613. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつまでに。
  614. 北山俊二

    北山証人 三月までに。
  615. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは何にどれだけ出したのですか。
  616. 北山俊二

    北山証人 菜種、米ぬかと大豆、魚油、そういつたものに出ております。
  617. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十四年三月までに六百幾らですか。
  618. 北山俊二

    北山証人 六百三十二万円です。
  619. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから。
  620. 北山俊二

    北山証人 以後の分につきましては、私こまかい報告をもらつて来ておりませんのですが、第一回の二千二百万円は全部出ておる、第二回の二千七百万円も大分出ておるというように聞いておるわけでございます。
  621. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 総計約五千万円出ておるわけですね。
  622. 北山俊二

    北山証人 そうでございます。
  623. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでいろいろいきさつがあつて、あなたの方で農林省から承認を得られたようですが、これに対して会計検査院から何とか意見を言われたでしような。
  624. 北山俊二

    北山証人 われわれの方じやなかつたかと思います。何か農林省の方へ、会計検査院から照会が行つておるように聞いておりますですが。
  625. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれにしても先ほど言うように、国庫收入に一ぺんなつたものを、国家の收入に入れないで、そうして国家の承認を経ないでかつてに出すに至つては、これは公の收支としては容赦のならぬことのように思う。結局どういうことになりましたか、農林省と会計検査院との話は。
  626. 北山俊二

    北山証人 いや、まだ聞いておりせんです。ただ最終的には、おそらくまだきまらないのじやないかと思います。
  627. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただ何か問題があるということだけを聞いておるわけですね。
  628. 北山俊二

    北山証人 はあ、ただ何か照会があつたということだけ聞いているわけです。
  629. 大橋武夫

    大橋委員 移牒を受けていないのですか。
  630. 北山俊二

    北山証人 受けておりません。
  631. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 安本からそういうことを認められましたか。
  632. 北山俊二

    北山証人 安本の方には折衝したことはありません。後継の、私のあとをやつた方でやりましたかどうか知りませんけれども、おそらく公団からはないのじやないかと思います。農林省公団の申請に対して許可を與えられるときに、あるいはそれまでの経過において、会計検査院なりあるいは安本に御折衝があつたかもしれませんが、公団からは折衝はなかつたようであります。
  633. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから当時の食品局長はだれでしたか。
  634. 北山俊二

    北山証人 三堀……
  635. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 三堀參郎ですか。
  636. 北山俊二

    北山証人 そうです。サンという字にむずかしい參の……
  637. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは規則の上からいうと、安本があなたの方の第一の監督官庁なんですね。
  638. 北山俊二

    北山証人 はあ、総括的な監督をやられておりまして、さらにこまかにした方の監督を、農林省の方から大体受けておるというような形でございます。
  639. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは安本の承認を得たかどうかもよくわからぬし、会計検査院からの交渉についてもよくわからぬ、こう承つておきますか。
  640. 北山俊二

    北山証人 公団に関する限りさようでございます。
  641. 菅家喜六

    菅家委員 先ほど証人集荷督励費の二十三年度、二十四年度の拂出しの総額は五千万円だという報告を受けたというふうに承つたのでありますが、さようでございますか。間違いありませんか。
  642. 北山俊二

    北山証人 拂出しの金額は、現在までに幾らかということは、まだはつきりいたしておりませんのでございますが、第一回の二千二百万円の分につきましては、昨年の十二月に農林省の許可を得ておるわけでありますが、これは使い切つておる。
  643. 菅家喜六

    菅家委員 いやいや、先ほどの五千万円というのは何ですか。先ほど委員長から尋ねられたときに、二十三年から二十四年の三月までに、集荷督励費として五千万円を拂つたという報告を受けたというふうに聞いたのであるが、その金額は、それでは何の金ですか。
  644. 北山俊二

    北山証人 先ほど申しました、公団が大口の硬化油業者に対して直配をした、しかも販売業者販売価格で直配した、それによつて公団の取得いたしました金額が約五千万円でございます。それを農林省の許可を得て公団支出することにいたしまして組んだ計画が、第一回が二千二百万円、第二回が二千七百万円、大体四千九百万円、約五千万円弱でございます。
  645. 菅家喜六

    菅家委員 それは集荷督励費でしよう。
  646. 北山俊二

    北山証人 はい。集荷督励費でございます。
  647. 菅家喜六

    菅家委員 そうすると、あなたの方の本村経理部長が委員会に来ての証言によると、二十三年度が六千八百万円、二十四年度十月までには一千三百万円、合計で八千百万円の積立てがある。公団にそれだけの金がある。その中から拂出しした金額が、二十三年度においては六百三十万円、二十四年度においては三千二百万円、合計で三千八百万円を拂い出しておる。こういう証言をしておるのであるか、あなたに聞けば、副総裁というものはあいまいな報告を受けたというようなことで、報告を受けたというような程度でもいいが、報告を受けつぱなしで、帳面も何も見ない副総裁か。
  648. 北山俊二

    北山証人 ちよつと、その金額の点について、もう一度御説明申し上げたいと思いますが、先ほど直配いたしまして大体公団の取得しました金額が四千九百万円。それからその次に、これは御説明申し上げておらないのでございますが、分解油業者の方から、やはりドツジ政策がかなり浸透して来て、なかなか金詰まりでわれわれは困つておるから、そういう意味において、やはり販売業者を通じて買うことによつて、われわれは利益を受けるわけだから、それで販売業者を通じて買わずことにしてくれということがございまして、そういうような結果、先ほどの次に、販売業者を通じて大口分解油業者にも販売しておるわけでございます。そのときにもやはり販売業者は、実際受渡しの面にタツチすることは少いということで、一般の油と同じ販売業者マージンを取得することは妥当でないという物価庁の見解で、その点につきまして、販売業者マージンを制減されたわけでございます。削減された部分だけ公団販売業者に高く売るということをやつたわけであります。その点で、差額がそこにまだあるわけでございます。結局そういうものを合せまして、三月末までに積み立てられたものが約六千八百万円という数字でございます。その六千八百万円のうち、先ほども申しました六百幾らでございますか、それだけを三月末までに支出いたしておる、そういうことでございます。
  649. 菅家喜六

    菅家委員 二十三年度と二十四年度の十月末までの集荷督励費として、公団で預かつている金は一体幾らですか。詳しいことは聞かなくていい。簡單に……。集荷督励費というのは、公団でこの金の拂い道ははつきりわかつているのであるから、二十三年度に幾ら、二十四年度十月末までに幾らということは、はつきり公団でわかつていなくてはならないはずだ。それは幾らですか。報告も受けておらなければ、副総裁はさつぱりお知りにならないのですか。
  650. 北山俊二

    北山証人 二十三年度中に二千二百万円の第一次支出計画に対して、公団の支拂つておりますものが……
  651. 菅家喜六

    菅家委員 支拂いでない。收入を聞いているのです。公団で預かつている金―預かつているというか、ふんだくつているというかわからないが、とにかく公団でとつておるでしよう、マージンの金は。
  652. 北山俊二

    北山証人 それは三月末までに六千八百万円……
  653. 菅家喜六

    菅家委員 三月までではない。二十三年度と二十四年度の十月までを聞いておる。あちこちの話をされるとわからなくなるから、はつきり二十三年度を……
  654. 北山俊二

    北山証人 二十四年度の十月末までにつきましては、まだ公団で正確な数字がわかつておらないと思います。今のところ計数整理ははつきりできていないのじやないかと思います。
  655. 菅家喜六

    菅家委員 ところが毎月々々やつてつて、あなたの方の本村経理部長はやつて来て、ここで証言をりつぱにしておる。二十三年度には六千八百万円、二十四年十月末までには一千三百万円、合計して八千百万円という金が公団にある。その中から拂い出したのがこれこれだという証言を明らかにここでしておる。そういうことをあなたは副総裁でお知りにならないのです
  656. 北山俊二

    北山証人 私はその数字につきましては、報告を受けておりません。
  657. 菅家喜六

    菅家委員 そうすると、あなたに伺うけれども、副総裁というのはどういう仕事をされるのですか。あなたは、大豆協会のことを先ほど聞きますと、大豆協会の方はわからぬという。それではまた一つお尋ねするが、あなたの方の公団では、予算外の支出というものを二千二百八十万円しておる。それも知るまい。知つておるか。
  658. 北山俊二

    北山証人 それは聞いております。
  659. 菅家喜六

    菅家委員 ふしぎだね。(笑声)その金はどういうふうに支拂われたか、あなたは知つていますか。
  660. 北山俊二

    北山証人 いや、給與費、会議費等に使つたということは、これは油糧公団事件が起きましてから後、その話は聞いておりますが……
  661. 菅家喜六

    菅家委員 そしてその正当証書はみな燒いてしまつた。正当なものを拂つたら、何も領収証書も燒く必要はないのであるが、西川という副総裁から言われて、ここで燒いてしまつたとりつばに証言しておるではないですか。そういうものが出ておることを、あなたは知らないかね。
  662. 北山俊二

    北山証人 そういうことが出ておることは聞いておりますでございますけれども……
  663. 菅家喜六

    菅家委員 報告を受けたか。そうしたならば、そういう事件があるということは国民疑惑の的なんだ。不当なるところの予算外の支出を三千万円近くもしておいて、そして正当なるものを何々に拂つたというならば、正当証書を何ら燒く必要はないのです。表に現われては困るから、公団ではこういう書類をしかも燒いておる。そういう報告を聞いたならば、集荷督励費のごときものも、副総裁として報告を受けただけではいけないはずなんだ。あなたは、公団のすべての事柄に―あなたは副総裁に二十年の九月就任されたのであるから、事こまかく、報告ばかりでなく、実際の部面に当られるのが私どもは当然だと思う。何を聞いてもわからないわからないと言う。あなたは九月の十四日から何をしておられたですか、どうも私どもはそういう態度はふに落ちない。先ほどから何も知らぬ、これも知らぬ。まことにどうも委員会を侮辱した態度だ。ほんとうに知らないであなたは言わないのか、打合せをして知らないと言うのか。第豆協会のことでも、これだけのことがあるならば、九月に就任されたならば、大豆協会の幹部はあなたの方の者ではないか、ただちに呼んで、どうなつておるかということを聞かれることが副総裁として当然ではありませんか。それでは政府事業だなんと言つておるこの公団というものに対して、国民は信頼を拂うことはできない。まるで伏魔殿だ。書類は燒く。金は入れたけれども、どうしたかわからない。副総裁に聞いてみると、副総裁はおれの就任後であるから知らない。一体九月十四日からのことをお尋ねするが、みなわかりますか。九月、あなたが副総裁に就任してからの数字を聞きたいのであるが、一つもそういうものにあなたはタツチしておられないのか。報告を受けるだけで、書類をごらんにならないのか。書類をごらんになつたら、詳細なるものをまつすぐにここで証言をしてもらわなければ困る。書類がなくてできないというならば、書類を持つて来てから答弁してもらいたい。それを先に聞いてからお尋ねします。あなたが以前のことはわからないというなら、九月十四日からのことを聞きたいのだ。誠意のあることを言つてもらわなければ困る。
  664. 大橋武夫

    大橋委員 わかるか、わからないか返事してください。
  665. 北山俊二

    北山証人 実は支部の方から本部の方へそういう計数の整理がはつきり来るのには、やはり若干の時日を要するものでございますし、まあ私自身としてもなつたばかりでございまして、今まで大豆につきましては、全然タツチしたこともございませんし、現にそういうことで勉強中なんでございますけれども、本件につきましては、十分に用意して来なかつたということについてはおわび申し上げます。
  666. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはあなたの事件だけでないのだ。ここで調べるすべての者は、そこまで行くと、いや私でありません、私のところでありませんとみな言うのだ。あなたは元から油脂部長であつて、それも今やめておるのならいいけれども、直接任にあたつておる人なるがゆえに証人に呼んでおるのです。あなたが知らなければ、知つている人はないはずなんだ。それを知りません、それは報告を受けませんと言われたのではかなわぬね。
  667. 菅家喜六

    菅家委員 それは書類なしでお答えできるのですか、できないのですか。
  668. 北山俊二

    北山証人 大体の金額につきましては……。正確にちよつと申し上げることができないわけでございます。
  669. 菅家喜六

    菅家委員 九月の十四日にあなたは副総裁になられておるのだから、しかもこういう事件が検事局の事件になつておる。そうして書類は燒いた、その金はどこへ行つたかわからない、こういうことが相次いで起つておる。公団の副総裁に就任と同時に、その職責において、あなたはこの公団の内部をよく調べられるのが―しかもここに証人として呼び出されるまでにも相当の期間があつたのだから、すべてのことを調査して来るのが当然で、ただ知らぬ、存ぜぬで通されるのは、あなたは誠意がないと思う。国民の名においてあなたを尋問し、証言を求めておるのであつて、この真相を明らかにしなければならないのだ。しかるに先ほどから聞いておると、あなたの証言は、今までの証人中で一番あやふやな不明朗な答弁である。委員長、私はこの証人に対してこれ以上質問する勇気はない。責任の地位にある人が、報告を受けただろうと言うようなことは、この証人は本委員会を軽んじておる態度だと思う。私はあらためて書類をもつて、もう一度この証人には出席を求めて、証言を求めたい。きようはこの程度で打切りたい。いくら聞いてもこれではわからない。ただ想像はこれだけであるというようなことを言つては、この委員会としては審議ができません。書類を一切持つて来て、よく調べた上において、この証人にはもう一度おいでを願うということに願いたいと思う。
  670. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こういうことを聞かれるから、参考の書類を持つて来てくれと言つてあるはずだ。それは持つて来たのか。
  671. 北山俊二

    北山証人 そこまでの数字は……。いろいろの人が呼ばれておりますので、それぞれに何かあるのではないかと思いまして、私の所管の、私が直接当つておりましたときの事項についてお尋ねになるのだと思いましたので、その書類はここに……
  672. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その通りだ。部長から今日までのことを聞いておるのだ。それならばもう一つ聞くが、今言つたこの金の收入及び支出を明確につけてあるものはありますか。公団に行けば今言つた価格差金……
  673. 北山俊二

    北山証人 それは得意先前受金勘定の中で区別して整理しておるわけでございますから、現在のものがなくても、比較的先のものが集まつております。
  674. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 支出についても……
  675. 北山俊二

    北山証人 はい、それはございます。証憑書類は支部にございます。直接本部には来ないで、伝票を整理しております。本部で支拂いましたものにつきましては、もちろん本部に証憑書類がございますことは当然であります。
  676. 高木松吉

    ○高木(松)委員 公団運営方法をお聞きいたします。
  677. 北山俊二

    北山証人 公団理事制です。
  678. 高木松吉

    ○高木(松)委員 理事制ですが、どういうことになつておりますか。総裁、副総裁まではわかつておりますが、その下は……
  679. 北山俊二

    北山証人 総裁、副総裁理事でございます。そのほかに監事というのがございます。
  680. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、あなたの言う油脂部長とか、経理部長とかいうのは、理事ですか。
  681. 北山俊二

    北山証人 私は昨年の八月に理事になりました。今年の九月十三日まで理事でございました。
  682. 高木松吉

    ○高木(松)委員 理事会はおやりになるのでしよう。
  683. 北山俊二

    北山証人 理人会というのはやつております。
  684. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それは月にどれくらい、週にどれくらいやつておりますか。
  685. 北山俊二

    北山証人 私が副総裁になりましてから週一回ないし二回やつております。
  686. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その理事会には、所管の部長が出て来て所管の事項を報告し、相談することになつておりますね。
  687. 北山俊二

    北山証人 部長が全部理事になつているわけでございません。
  688. 高木松吉

    ○高木(松)委員 だから部長が理事である場合は問題がないが、部長が理事でない場合には、その部長の所管事項について協議するときは、理事会にその理事でない部長を呼んでやることになるのでしよう。運営方法は……
  689. 北山俊二

    北山証人 現在のやり方は、週に一回部長会議をやり、週に一回理事会をやつております。
  690. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでお聞きいたします。あなたはさいぜんから私が聞いていると、まつたく了解のできない態度なのです。そういう運営方法をしておる。まず第一に大豆の価格の中の奨励金六円十五銭、また途中からこれを二円にしたという問題は重大な問題ですね。これはあなた自身が関係しなかつたのですか。
  691. 北山俊二

    北山証人 そういうことの折衝には私当つておりませんでした。
  692. 高木松吉

    ○高木(松)委員 折衝ではなくて、相談にあずからなかつたのですか。理事会で……
  693. 北山俊二

    北山証人 理事会ではそういうことはかかつて来なかつたのです。
  694. 高木松吉

    ○高木(松)委員 理事会でかけずに、かつてに部長がやるのですか。あなた逃げてはいけませんよ。ほんとうのことをざつくばらんに言つてください。六円十五銭、二円というものは、この奬励金としてとつておく金は、末端に行けば油それ自体の価格を構成しているものですよ。そういう重大なものをやめるのに、公団の最高幹部がこれにあずからないと言えない。あなたがまじめにやつておれば、必ずタツチしているわけなんで、しかもこの問題はあなた方がかつてにきめられる問題ではない。農林省や安本やらに交渉して、価格をそこに織り込むというような重大なことをやつて、税金以上に国民が待つたなしに取上げられるところのこういうものが、あなたが重大な立場におつて関係なしにできたというような―部長がやつたとか何とかいうようなことは、われわれ信じられない。その点どうなのです。
  695. 北山俊二

    北山証人 公団販売価格に織り込まれてあるからして、公団としてはそれの管理運用の責任はあるわけでございますが、そういうものの……
  696. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでいま一つ、これを前提として言つてください。それならその構成されている部分が末端の消費者に対して、いわゆる大豆奬励金などという意味合いにおいて取上げているのですか。価格の中に大豆奬励金が入つていることが、末端の消費者はわかつているのですか。
  697. 北山俊二

    北山証人 それはおそらくわかつておらないと思います。別に内訳もないのでありますから、みそ業者とか、しようゆ業者の方は説明してわかつておると思いますが、一般消費者はおそらくおわかりになつておらないと思います。
  698. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこを聞くのだ。そうすると、そのものだけは納めずに、その以外のものだけを納めて、私は大豆を買いましたというようなことはできないでしよう。物価庁が関係して、その中に織り込んでいるのだから……
  699. 北山俊二

    北山証人 それは公団販売価格としては、内訳は別にないわけでありますから、そういうものをとりはずすというようなことはできません。
  700. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはわかつておりますか。
  701. 北山俊二

    北山証人 わかつております。
  702. 高木松吉

    ○高木(松)委員 わかつていたら、あなたの答弁というものはてんでなつていない。そこまでわかつていたならば、この扱い方に対して、それはいわゆる得意先とか受入金とかいうようなものじやない。価格に盛つて行つて、その決算した後に大蔵省へ納めて、大蔵省からそれだけの内容のものをもらつて来てやるというのがほんとうなんだ。しかも任意団体である大豆協会にこれをやらせる。その大豆協会というものは何かというと、幽霊みたいなものである。何にもない。給仕一人だ。そしてそれは業者の集まりで、あなた方から配給の便宜でも受けるのじやないかと世間で疑われるようなその協会に対して、何千万という金を使わせるのに、あなた方は、いわゆる公団の幹部として重要な地位についておつて、それを知らない、私はわかりませんで、今通ると思いますか。私どもは国民の名前において、この点をあなたからはつきりしてもらいたい。
  703. 北山俊二

    北山証人 大豆につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、公団販売価格の中に、そういう大豆増産奬励費という費目が、口銭の内訳にあるわけでございます。それは終戰後二十一年か二十二年か、はつきり記憶いたしませんが、要するにここ三、四年そういうことをずつとやつて来ております。その当時の最初の経緯につきましては、私はよく承知しておりませんが、それが引続き来ておるわけでございます。昨年あらためてそういうものが織り込まれたのでも何でもない。ただ統制会社のときはそれを統制会社で処理しておつた、一応大豆協会へ渡しておつたと思いますが、それは私よく承知しておりません。
  704. 高木松吉

    ○高木(松)委員 大豆協会というものができたのはいつだか、あなた知つていますか。公団直前ですよ。公団ができるという将来の目通しをつけてやつたと人に疑われてもしかたがないじやありませんか。
  705. 北山俊二

    北山証人 大豆協会ができましたのは、直前ではございません。
  706. 高木松吉

    ○高木(松)委員 どのくらいですか、はつきりしてくださいよ、垂要なんだから。
  707. 北山俊二

    北山証人 私記憶がぼんやりしておりますが、おそらく二十一年か二十二年―二十一年じやないかと思います。
  708. 高木松吉

    ○高木(松)委員 これは前に証言があるのです。
  709. 北山俊二

    北山証人 会社の理事をしておりましたのをやめまして、たしかそこの專務理事仕事をやつてつたと思いますから、かなり古いと思つております。
  710. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは二十一年です。
  711. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうふうなことで、しかも公団法によつて、あなた方は公団を役人として運営して行かなければならぬのに、こういうことをやつて、私は関係ありません、知りませんでは私どもは承服できません。よく記憶を呼び起して、そうしてこの次に、はつきりしたことをお答え願いたい。それから油脂部長としての直接の問題で、あなたは分解の差金をいつからとり始めて、いつまでとつたのですか。
  712. 北山俊二

    北山証人 昨年の八月からでございます。
  713. 高木松吉

    ○高木(松)委員 八月からいつまでですか。
  714. 北山俊二

    北山証人 ずつととつているわけです。
  715. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで私はまた聞きたいのだ、あなたはいまいだから。昨年の八月からとつたものを、これはとる前にあらかじめ農林省なり担当官庁に了解してからとるべきものであつて、それを二十三年の十二月に正式書類農林省に出して、二月二日にその許可書をもらつたのですね。
  716. 北山俊二

    北山証人 はい、さようでございます。
  717. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その間農林省にどういうふうな関係を結んでおつたのですか。少くとも監督官庁の許可なしに、先にそれをやつてしまうというのは、どういうものでしようね。
  718. 北山俊二

    北山証人 これにつきましては、やはり先ほど申しました大企業と中小企業と公平に扱うということから……
  719. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その理由はわかつたのですが、私の聞かんとするところは、別途に積み立てるから問題なのだ。これを清算勘定の結果として、国庫に納めて行くようにやつてしまえば問題ない。少くとも別途にするということは、監督官庁の指示なくしてはできないはずだ。そこにあなた方が疑われ―支出の面からいえば疑うどころじやない、とんでもないことなんだが、まじめにやつても疑われるところができて来るのじやないか。その点どうですか。世間ではこういうことを言つている。こういう計画をあなた方幹部が集まつてこの今日問題になつている三つ四つの問題というものは全部協議して、初めからこういう計画を立ててやつているというように世間は疑いを持つて見ているのだから、その点をはつきり解明して、事実そうであつたならば、あなた方は国民の前にはつきりとかぶとを脱いで謝すべきである。そうでなかつたら、そうでないということをはつきり言つてもらいたい。
  720. 北山俊二

    北山証人 当時公団がそういう特配を販売業者価格で売るということについては、納得されない方もありまして、公団販売価格だけしか金を持つて来ないというような方もありました。
  721. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうならば、なおさらそれは留保しておいて、いわゆる監督官庁の了解を得て、きちんとした前提で取立てるというのがあたりまえでしよう。
  722. 北山俊二

    北山証人 しかし中小の、いわゆる小口に対しましては、やはり販売業者価格で売つております。
  723. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはわかつております。
  724. 北山俊二

    北山証人 あとから取立てるというようなことは、なかなかむずかしい問題でもありますので……
  725. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それでも、法律上そうでなかつたら、しかたがないですよ。
  726. 北山俊二

    北山証人 法律上は一応とれるのでありますから、どうしても販売業者価格でとつてもらいたいということを私の方はお願い申し上げました。
  727. 高木松吉

    ○高木(松)委員 法律上とれるものなら問題ないじやないですか。法律上とれるのならおとりになればいい。
  728. 北山俊二

    北山証人 この條項を適用させてもらつて……
  729. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたの証言は、まつたく計画的に、責任を回避するような形で、最後にはどこに行くかというと、これは農林省を呼んでみればわかるが、農林省に責任を追い込むような形です。  それから附帶事業としてやつてよいということは、公団がやつてよいという農林省のさしずでしようか。附帶事業としてだれがやれというのですか。集荷などに対して……
  730. 北山俊二

    北山証人 これはそれぞれものによつて違いますが、公団でやるもの、それから外の団体を通じてやらせるもの、それらが説明してございまして、それにつきまして農林省の許可を得ております。
  731. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうしてこれを大豆協会にやらせるということは、はつきりしているのですか。その條文を読み上げてください。
  732. 北山俊二

    北山証人 昭和二十三年十二月二十七日の公団からの申請ですが、これに対しまして「油脂需給の極度に逼迫せる現状に鑑みこれが緩和のため国内産油脂及び油脂原料の最大限供出を促進し油脂の供給源を増大して油糧の円滑なる配給を期するは本公団の業務遂行上必要適切なる措置と思考せられるを以て昭和二十三年度国内産大豆、菜種、魚鯨油、ヒマシ、亜麻仁、蚕蛹、桐実につき別添の事業計画に基きこれが実施致度而して右計画の実施に要する経費は本年七月三十一日物価庁告示第五六八号及び同第五六九号により本公団が直接大口分解業者に対し販売業者販売価格を以て販売する食用油脂に於ける差益金より支弁致度に付本計画実施を本公団の附帶業務として認定相成度申請する。」そういうことで申請いたしました。その割当につきましては、大豆、集荷督励費では三百万円、都道府県大豆協議会……
  733. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それは長くなるからよろしい。
  734. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは控えですか。―あとで出してください。
  735. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなた方はその文書通う行つておりますか。今農林省に申請した文書通りのことをやつておりますか。それともそのほかに……
  736. 北山俊二

    北山証人 本件実施細目については別途打合せることによりまして、さらに詳細な実施計画をつけて、それを農林省と担当者かそれぞれ相談いたしましてきめたものだと思います。
  737. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その通りに公団はやつておりますか。
  738. 北山俊二

    北山証人 その通り指示しております。
  739. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでおかしなことを聞くようだが、農林省の役人と公団の役員は、たびたびあまりおもしろくないところで会合しておるというような、言いかえれば会議員を相当使つて会合しておるといううわさが世間にあるのだが、事実どうですか。
  740. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。私はそういうようなことはないと思つております。
  741. 高木松吉

    ○高木(松)委員 私はというよりは、公団はないというのですか。
  742. 北山俊二

    北山証人 公団公団に……
  743. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたは副総裁でもあるし。―今日まで絶対ありませんか。あると偽証になりますからね。
  744. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはやつていないのですか。
  745. 北山俊二

    北山証人 やつていないと思つております。
  746. 小玉治行

    ○小玉委員 ちよつとお聞きしますが、この分解硬化用油脂価格格差益金及び大豆増産奬励金というものは、販売価格に織り込んで売られた。こういうのですね。
  747. 北山俊二

    北山証人 大豆増産奬励金公団販売価格の中に入つておるわけでございます。
  748. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆もだね。
  749. 北山俊二

    北山証人 大豆の販売価格のうちに入つておるわけでございます。
  750. 小玉治行

    ○小玉委員 分解硬化油川油脂価格差益金はどうですか。
  751. 北山俊二

    北山証人 それはございませんです。先ほど申し上げたような計画でございまして……
  752. 小玉治行

    ○小玉委員 そこで大豆増産奬励金は、大豆の販売価格のうちに織り込んであるというのですね。そうしますと、公団の方に入つて来る金は、大豆の代価として入つて来る金なんですね。
  753. 北山俊二

    北山証人 はい
  754. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしますと、その金は結局公団の所得というか、所有に帰するわけですね。
  755. 北山俊二

    北山証人 さようでございます。
  756. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆増産奬励金というものについては、そのうちからどういう取扱いをしておるのですか。一応公団の所得に帰したその金を、どういうふうな方法によつて大豆協会の方に交付しておつたのですか。
  757. 北山俊二

    北山証人 大豆を販売いたしましたときに、現在は一儀二円でございますか、それだけのものを積み立てるわけでございます。
  758. 小玉治行

    ○小玉委員 積み立てた金を……
  759. 北山俊二

    北山証人 要するに公団の一般の收入とは区別して、増産奬励に使う金だということで、物価庁の方で価格設定をやられるときに織り込んであるわけで、これを一俵について幾らどるということははつきりしておるわけですから、たとえば運賃とか何とかいうものを一緒にならないように、それだけのものを別計算するわけです。
  760. 小玉治行

    ○小玉委員 その金はやはり公団の金なんですね。
  761. 北山俊二

    北山証人 そうでございます。
  762. 小玉治行

    ○小玉委員 そこでその積立金を使つて大豆協会に金を支出する際には、現実にはどういう手数をとつておるのですか。大豆協会に交付する場合には、どういう手続でやつておるのですか。
  763. 北山俊二

    北山証人 大豆協会の方で年初に大体收支計画と申しますか、そういうものをつくりまして、農林省の方へもそれを届けておる。それによりまして公団といたしましては、大豆が売られました都度、代金が入つて来ました都度、実際にその金が入るわけですから、それを先ほど申しましたように、一般の收支とか、運賃その他に引当てられるべきものとごつちやになつてはいけませんから、都度一俵について幾らという積立てをいたしまして、売買は支部でやつておりますが、それを本部の方につけかえて来るわけです。そのうちからそれを大豆協会へ渡しておつたというやり方でやつておるのです。
  764. 小玉治行

    ○小玉委員 公団が渡す際には、別段農林省と相談はしなくて、公団独自でやつておるのですか。大豆協会からそれをもらいたいと請求して来るのですね。
  765. 北山俊二

    北山証人 請求する場合もありますし、公団から積立てができれば渡す場合もあります。要するにそれだけのものは大豆協会へきちつと渡しておる。渡す都度、農林省へ了解を云々というような手続はやつておりません。
  766. 小玉治行

    ○小玉委員 やつていない……
  767. 北山俊二

    北山証人 それで年度末にその收支―最初の予算計画に対して実施したことを報告するのです。
  768. 小玉治行

    ○小玉委員 そうしますと一俵二円というか、その中で積み立てた金は、全部大豆協会に支拂つてしまわなければならぬ金である。これは別途に公団で使用するわけに行かないのですね。
  769. 北山俊二

    北山証人 使用するわけに行かないということよりも、現在大豆協会によつて大豆の増産をやるという建前で、大豆協会に渡しております。
  770. 小玉治行

    ○小玉委員 使用目的は結局大豆協会に渡す金として積み立てておるのですか。
  771. 北山俊二

    北山証人 大体結果としてはそういうことになります。大豆増産のために、物価庁が認めてくれた大豆増産の金でありますから……
  772. 小玉治行

    ○小玉委員 そうすると大豆協会に……
  773. 北山俊二

    北山証人 委託しておるわけです。
  774. 小玉治行

    ○小玉委員 その一俵二円というような積立金は、大豆協会に全部引渡すという趣旨で積み立つたものではなくて、一般的に大豆増産の奬励金というので、大豆協会は別にして使つてよいという趣旨で積み立つた金かどうか。
  775. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。積立ての趣旨としては、大豆協会に渡すために積立てをするというのではなくて、やはり大豆増産奬励ということで、価格構成上はつきりいたしておりますので、それを別途積み立てるということで積み立つております。結局大豆協会に渡せことになつておりますので、大豆協会に渡すということになつております。
  776. 小玉治行

    ○小玉委員 そうすると、大豆協会以外に大豆増産奬励金として出したことはありませんね。
  777. 北山俊二

    北山証人 そういうことはないと思います。全部渡したと思います。
  778. 小玉治行

    ○小玉委員 決算期はいついつですか。
  779. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。会計年度と一緒にしておると思つておりす。
  780. 小玉治行

    ○小玉委員 農林省はその金を大豆協会に引渡すというような点については、経理の面においては、どの程度に監督を具体的にしておりますか。
  781. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはこの間から聞いておりますが、やつていないというのです。農林省に報告するだけだというのです。
  782. 北山俊二

    北山証人 最初の収支計画、年度末に実施の実績を報告するだけであります。途中において何か起れば、それについては報告しておるかもしれませんが……
  783. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことはなかつたそうだ。
  784. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆協会に会長その他役員がありますね。今和田さんがやつておられますが、その役員の中の幹部というか、何人ぐらいおりますか。
  785. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。精油協会、みそ、しよう油の業者の方から大分理事がたくさん出ております。
  786. 大橋武夫

    大橋委員 証人は油糧産業株式会社の株式を所有しておられますか。
  787. 北山俊二

    北山証人 帝国油糧の職員であつた時分に持つております、公団の職員になりましたときに、家族の名義にいたしました。
  788. 大橋武夫

    大橋委員 幾株持つておりますか。
  789. 北山俊二

    北山証人 はつきりしておりませんが、二、三百株ではないかと思つております。
  790. 大橋武夫

    大橋委員 二百株ですか。三百株ですか。
  791. 北山俊二

    北山証人 たしか端数があつたと思いますが、別にそう気にするほどの何ではなつたので……
  792. 大橋武夫

    大橋委員 それはあなたは、設立の当時から株式を所有しておられますか。
  793. 北山俊二

    北山証人 その当時みな持つたと思いますから、設立の当時からでございます。
  794. 大橋武夫

    大橋委員 そうして奥さんの名義に今なつておるのですね。その拂込みを幾らされましたか。
  795. 北山俊二

    北山証人 はつきり記憶いたしておりません。
  796. 大橋武夫

    大橋委員 ただではないでしよう。
  797. 北山俊二

    北山証人 申訳ありませんが、はつきり記憶いたしておりません。
  798. 大橋武夫

    大橋委員 拂込みをしたかどうか。
  799. 北山俊二

    北山証人 拂込みをしたと思います。
  800. 大橋武夫

    大橋委員 現実にしましたか。
  801. 北山俊二

    北山証人 したと思います。
  802. 大橋武夫

    大橋委員 この間あなたの同僚の方に、現実の拂込みはしていない、株だけただでもらつたという方があつたのですが、あなたはどうですか。
  803. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。油糧産業というのは、何か小さい会社かできて、それが合併してできたのじやなかつたのか。私当時その方に全然タツチいたしておりませんので、よく承知いたしておりませんですが、何か株数につきましては、はつきり覚えておりません。
  804. 大橋武夫

    大橋委員 いや、拂込みをしたか、しないかです。
  805. 北山俊二

    北山証人 油糧産業の設立のときには、特別の拂込みはしてなかつたと思います。
  806. 大橋武夫

    大橋委員 あなたは拂込みをしないで株だけ持つている……
  807. 北山俊二

    北山証人 何か増資とか、何とか、そういう形で株がふえたのではないかと思います。
  808. 大橋武夫

    大橋委員 それも拂込みをしないでふえたのですか。
  809. 北山俊二

    北山証人 そうだと思います。
  810. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それよりあなた拂い込んだ覚えがありますか。
  811. 北山俊二

    北山証人 最初は拂い込んだような記憶があります。
  812. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれだけ。
  813. 北山俊二

    北山証人 株数がはつきりいたしません。そう大した金額じやありません。
  814. 大橋武夫

    大橋委員 だれか、ほんとうに株主の中で拂込みをした人はありますか。ほんとうに自分の持つている株全部拂込みをして取得した人がありますか。たいていこの株主というものは、もとの帝国油糧関係のお方が株主なんで、そうしてこれは名義上拂込みをしたと称するけれども、事実は公団との取引における会社の利益金が増資の財源になつたり何かして、あとはほんとうには拂込みをしていない。これが実際ではないですか。
  815. 北山俊二

    北山証人 最初会社があつたときには、そのときにはたしか株式の申込みをさせられたように思つておりますが、これは昭和二十二年のまだ中ごろか何かだと思います。油糧産業はずつとあとだと思つております、会社のできましたのは。
  816. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、要するにあなたの持つておられる大部分の株式は、拂込みをしないでもらつたのが多い。こういうことになりますな。そして大部分の株主もおそらくそうだろう、こういうことになりますな。
  817. 北山俊二

    北山証人 私だけが特別の扱いじやないと思つております。
  818. 大橋武夫

    大橋委員 それからその株式は奥さんの名義、あるいは子供衆の名義と、いろいろ名義のいかんは別として、とにかく油糧公団の役職員の所有に属する株式であることは間違いないでしようね。
  819. 北山俊二

    北山証人 事実上はそういうことであります。
  820. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これは明らかに公団法に違反しているということは、議論の余地はありませんね。
  821. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。形式上はそういうことでございますが、ただ当時公団になりましたときに、その株を売ると申しましても売りようもないということで、では家族の名義ということで、皆がそういうように大体やつた思つております。
  822. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これは不可抗力でそういうことになつたというのですか。
  823. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。不可抗力というほどのこともございませんが、他に名義の書きかえの方法もございませんので……
  824. 大橋武夫

    大橋委員 しかしそれは今あなたがそう言われるけれども、一体公団法の精神は、公団と取引関係のある会社の株を持つてはいけない。というのは、そういう株を新しく持つてはいけないというばかりではなく、もしそういう会社があつたら、その会社と公団は取引させてはいけないということなんです。ですからあなたは理事として、そういう公団との取引を理事会において拒否される。少くとも現在副総裁として自分が持つている以上は、その油糧産業会社は公団とは一切取引しない。こういうことを公団として決定すべき立場にあられる。その点いかがですか。
  825. 北山俊二

    北山証人 油糧産業はたしか八月の三十日だつたかに解散いたしまして、現在清算中でございます。
  826. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、やはりその辺でやましいところがあるので、問題になるといけないので解散されたのですね。
  827. 北山俊二

    北山証人 私は会社の方じやございませんが、いわゆる油糧公団事件なるもので、油糧産業も出て来ましたので、商売もできないということでやめたんだろうと思います。
  828. 大橋武夫

    大橋委員 それからこの大豆協会には、現在においても引続き金を交付しておられますか。
  829. 北山俊二

    北山証人 特別に停止の措置をとつておりませんので、やつていると思います。
  830. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、これについてのあなたの副総裁としてのお考えを伺いたいのですが、一体そういう協会にそういう形で公団の金を交付するということは、これは適法ですか、不適法ですか。
  831. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。従来までのところ、そういうことにつきましては、公団がかつてにやるということではなしに、よく関係の方とも相談いたしましてやつておりますので、それが間違つているということであれば、われわれはその解釈に当然従うべきだと思いますが、当時におきましては、やはりそういうことで大豆協会へ渡すということにつきまして、当局の……
  832. 大橋武夫

    大橋委員 当時のことはわかつたのです。現在はどうですか。
  833. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。現在はこういうことで、考査特別委員会においても問題になるというようなことでございますので、これで御決定になれば、当然私の方はその御決定に従わなければならぬと思います。
  834. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、考査特別委員会で決定するまでは、あなたの方はこれは悪いことは悪いことだと思つても停止しない、こういうわけですか。
  835. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。別に従来は、われわれの反省が足りなかつたせいかどうか知りませんが、このことにつきしまして、特に大きな疑問を抱いたこともなし……
  836. 大橋武夫

    大橋委員 現在のあなたとしても、疑問を持つておられないのですか。
  837. 北山俊二

    北山証人 現在までのところそうでございましたが、特にそういうことで、皆さん方の御意見もいろいろございますし、これによりまして、單独ではできませんでございますから、相談を行政官庁の方と十分にいたしまして、ことに安定本部の方につきましては、このことが事前によく相談されてあるかどうかということにつきましては、疑問でもございますので、そういうところの御見解をもはつきりいたしまして、適当な措置をとりたいと思います。
  838. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると、あなたは公団の副総裁として、大豆協会に引続き金を交付することについて、法律上疑義がある、従つてすみやかに関係官庁と協議して、やめるべきものはやめるようにしたい、こういうただいまの御心境ですか。
  839. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。要するに問題になる余地があるということにつきまして、関係官庁の方の御見解をはつきりいたしまして、すでに大豆の増産奬励費の問題につきましては、会計検査院から農林省の方へ照会があるということも聞いておりますし、その結着も早くしていただきまして、いずれともそういう疑惑のないようにしなければならない。私は責任をもつて処理する考えであります。
  840. 大橋武夫

    大橋委員 しかし責任をもつて処理されるというと、あなたが就任されてから、あなたが責任をもつて処理されるその時までの間に、大豆協会へ交付する金というものは、これは国民の損失である。明瞭にあなたのために国民の損失に帰することになりますね。
  841. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。大豆の増産奬励賞につきましては、大豆協会に金のやる、やらぬということにつきまして、大豆協会の性格その他から問題があるといたしましても、やはり大豆増産奬励費というものが特に認められる以上、大豆増産のためには、やはり適当に金を使つてもいいじやないかというように思うのでございますが……
  842. 大橋武夫

    大橋委員 しかし、いやしくも公団経費が、わけもわからない、だれが会員だか何だか……。あなた方は大豆協会大豆協会と、いかにも大した、りつぱな協会のように言われるけれども、実際は責任者がだれだかわからない。法人でもなければ、組合と言うけれども、組合員が一体だれだかわからない。そういつたようなものに、一体こういう公団の金が交付されるということについて、全然あなたは今疑問を持つておられませんか。
  843. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。そういうことであれば、公団マージンの中に増産奬励費というものを物価庁が認めないでやられるならば、消費者の負担もそれだけ減らすことになります。そういうような措置が一応望ましいので、公団にそういう増産奬励費を認めて、そうしてそれを国庫に納入云云というような御見解がさいぜんございましたが、むしろそういうことよりも、増産奬励費を認めないということで、消費者価格をそれだけ安くするという、そういう物価統制のやり方の方が私はいいのではないかと思います。個人的にはそういうふうに思つております。
  844. 大橋武夫

    大橋委員 それでは硬化油の点については、これは公団の附帶事業としての手続をとられましたね。硬化油の価格差益金の処分については……
  845. 北山俊二

    北山証人 はい。
  846. 大橋武夫

    大橋委員 それと同じような効果的な処置をするということは、大豆増産については考えられませんか。
  847. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。大豆増産につきましては、大豆協会へ委託して、そういう増産のために使うというような、分解差金と同じ程度の官庁の了解は得ておるわけであります。
  848. 大橋武夫

    大橋委員 それはやはり公団法によつて認可をとつたわけですね。
  849. 北山俊二

    北山証人 結局公団法の解釈ということになると思います。
  850. 大橋武夫

    大橋委員 いや解釈でなく、手続がしてありますか。
  851. 北山俊二

    北山証人 ええ。大豆協会へ渡すということにつきましては……
  852. 大橋武夫

    大橋委員 認可をとつてあるのですか。
  853. 北山俊二

    北山証人 とつてございます。
  854. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると認可書を出してくれませんか。
  855. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 北山さん、あなたはそう言われるが、問題は、公団が自分で受取つて、自分で出しているところに問題があるのです。価格差益金をとつたらとつたでそれでいいのだ。それを国庫へ入れて、また国庫から出して、そうして協会なら協会へ別なものでやればいいのだ。公団自身が出して、公団がまたとつておる。それはふしぎに思わんか。人格はとるものと出すものと一人だぜ。そこに根本があるのです。
  856. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。先ほどの直売の分につきましては、先ほど御説明申し上げましたような措置をとつたわけでございますが、その後のものにつきましては、そういうことで出すという計画は持つておりません。
  857. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこに根本があるんだ。そんな価格差金を出さなければ出さぬでもよかつたというのは詭弁だよ。
  858. 井手光治

    ○井手委員 それに関連しておるからちよつと伺います。ずつときのうからの証言伺つておりますと、大豆増産奬励金公団へ末端のわれわれの方から納めた、いわゆる販売益金の中に当然含めたものであるから、しかもそれが公団に入つた金は、監督官庁の承認を求めて大豆協会に交付したから違法でないと主張されたようにわれわれは伺つておる。ところがその表面の形だけを見ると、なるほどおつしやる通りかもしれませんが、しかし大豆増産奬励金というものは、一体大豆をつくつて、増産の実績が上つた農民の手に当然これが入つて行かなければならぬと思う。従つて大豆増産奬励金を交付することについては、相手が何人たるを問わず、その計産の基礎というものがなくちやいかぬと思う。たとえば大豆が十万トンの生産になつてつて、今年二十万トンに上つたから、そこの大豆増産奬励金を交付するということでなくちや合理性がないと思う。そこで私が聞きたいのは、一体大豆増産奬励金というものは、無制限にわれわれ消費階級の全国民の財布の中からこれは出すのです。そこで昭和二十三年度におきましても、驚くなかれ一千四百三十六万円という大豆増産奬励金公団の金庫の中に入つておる。そこで大豆協会にあなたはこれを全部渡したと言うが、その全部渡したというのがおかしいと思う。どうして全部渡さなくちやならぬか。大豆増産がはたして予定通り上つて来ておれば、全部渡してもいいのです。われわれは拂つておるのです。ところがかりに増産になつていなくても、あるいは予定より増産がなくても、この金が全額出ておるという主張がどうしても私は納得できない。この点はどうですか。どういうふうにして一体渡すのか。何でもかんでもかまわないから―これは先ほど高木委員が質問されたように、われわれ全国民の消費階級の財布から支拂われておるのであつて、たといわずかな奬励金であろうとも、全国民から上つて来るものは何千万円という金なんだ。この金はたとい大豆協会に渡すべき建前になつてつても、それには渡すべき根拠がなくちや渡してはいかぬと思う。かりに予算の上には一千万円なら一千万円載つてつても、お前のところは道路をつくつたが、それには府県のあれがどうなつたから、大体五百万円渡せばそれで事足りることになるんだというので、実際は五百万円しか渡さぬというのが国庫の経理の基本だ。その経理の基本というものをわきまえないで、基礎的な根拠をどこに置いて大豆協会に渡したか、もつと掘り下げて聞きたいと思う。それはどうですか。しかもそれが農民の手に完全に渡つたということを、あなた方は会計検査院が調べた調べたと言うが、会計監査院の調べる前に、まずもつて大豆協会の收出が厳正に行われておるかどうかということを、公団自身の責任において調査した例があるかどうか、これをまず伺つておきます。
  859. 北山俊二

    北山証人 都度お言葉を返すようでございますが、増産と申しますのも年に一回のことでございますので、ことしは大体このくらいのことをやつてもらおう、種苗の改善についてはこういうふうにやつてもらおう、水田のところにはこういうようなこともやつて増産してもらおう、そういう企画を立てて、それによつて金を割振りしてやつておるわけであります。今おつしやいましたような増産の実が上れば、それによつてまたやつて行くこともございますが、年に一回の農産物のことですから、こういうふうにやつてもらおうという建前でもつて、そういう面に金を出すということで計画を立てたのであります。
  860. 井手光治

    ○井手委員 そういうことは聞かなくてもわかつておる。それはあなたの方だつて油を販売して、油を配給した金が一ぺんに入つて来るわけではない。年に何回かに切つて、第一・四半期、第二・四半期というので販売業者から入つて来る。渡そうと思つても、一ぺんに入つて来る方は何回かに切つて渡しておる。渡すには渡す根拠を精査して渡すのが経理の本体です。それが公団に金があろうがなかろうが、こういう計画だからお前のところに一千万円、二千万円渡そうというのでお出しになつておるのですか。その点はどうですか。
  861. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。そういうことでございます。
  862. 井手光治

    ○井手委員 それではむちやくちやに大豆協会に金を渡すという建前だけだから、大豆協会に金があり余つたらそれで仕方がない。私が言うのは、それは国民が負担したのだから、公団の欠損―つまりもつと言えば、かりに大豆協会増産奬励金が予算の上で一千万円收入になつた。しかし大豆の増産が五百万円で達成せられた場合は、その五百万円が嚴密に言つた公団の会計に残らなくちやいかぬ。もし使わぬでもいい金を大豆協会にお使いなさいといつて使わしたとするならば、あなた方は国民の金を無責任に黙つて使わして、それだけ公団が赤字を出したという恐ろしい結果になる。私はそれを聞いておるのだ。そういうふうなふまじめな経理をされたか、もつと真劍な経理をされたかということだ。大豆増産という目標はりつぱだが……
  863. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。大豆協会がそういう金を受けることで的確であるかどうかということにつきましては、今御意見があつた通りでありますが、公団ではその消費者からいただいた増産奬励費を、ただ大豆協会にさえ渡しておけばいい、そういうようなことはやつておりませんでございます。
  864. 井手光治

    ○井手委員 それはやつていないということは、どういうことですか。
  865. 北山俊二

    北山証人 金は大豆協会へ渡しますが、大豆協会の計画については、公団といたしましても、もちろん協同いたしまして立案に当つておるわけであります。
  866. 井手光治

    ○井手委員 それは第二の問題だ。かりにあなたがそういう気持で一千五百万円なら一千五百万円をぽんとやれば、大豆協会はありがたいことには黙つておるんだ。そうすると大豆協会から、増産した農民の上に振りかかつて来なくちやならぬ。奬励金に幾ら補助したからということで、農民のふところにこれが入らなくちやならぬ。その農民のふところに入つたという究極的な整理まであなた方はごらんになつたことがありますか、調べたことがありますか。
  867. 北山俊二

    北山証人 お答えいたします。今の御見解につきましては、関係筋において非常に御期待がございまして、農民に返るということは、結局実質的にはやはりマル公の違反になる。そういうことで農民には直接返らないような方法で、農民には返らないが、やはり増産とか何とか全体としてよくなつた、そういうことに金を使つた思つております。
  868. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 小林君、議事進行で。
  869. 小林進

    ○小林(進)委員 実は私はさつきの菅家氏の質問に関連して、議事進行で申し出たのですが、一番最後にまわされてしまつた。大体今までの質問の経過によりますと、この問題で不明の金が一億三千三百三十五万円になつておるのであります。それを細分しますと、結局裏勘定ですが、公団へ持つてつた裏勘定で二千八百二十万円、この方の收支の方の收入は、まだ燒かないというこの前の答弁でありましたが、支出の方は全部この前燒却してしまつて、ないということであります。これはしかたがありませんが、この二千八百二十万円の收入の面の証憑書類をただちに整えてもらう、これが一つ。それからそのほかに大豆の奬励金といたしまして、いわゆる六円十五銭の賦課金と言いますか、二円の賦課金を合計したもので二千四百十五万円をとつておる。この收入支出の面もひとつ細部にわたつて明らかにしてもらう。それからそのほかに分解硬化用の油脂のいわゆる価格差金として八千百万円、もつとふえておるかもしれませんが、この革の收入支出であります。その支出は先ほども言われるように、大豆奬励金を集荷督励費に使われているということでありますが、この大豆奬励金として、何月何日どこの農業協同組合へ行つたか、どこの農民団体に幾らやつたというふうな、日にちと場所と交付した時刻というようなものの細部にわたつた証憑書類、この金額は合計しまして一億三千三百余万円、これだけの証憑書類をそろえていただきまして、そうしてそれに基いて再びわれわれの考査委員会を開き、進めて行くというようにしてもらいたい。それからいま一つ証憑書類として私どもが欲しいのは、先ほど言いましたように、大豆協会では大豆とかみそ関係の方から相当の賦課金をとつて、それで運営して一般経理をやつている。それのどのみそ会社、どの大豆協会からどれだけの賦課金を取上げたか、その名簿と金額もあわせて書類ちようだいしたい。  以上の四つの書類を整えていただいて、それに基いてまた議事を進行していただきたい。これを特にお願いしたい。
  870. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では、小林君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  871. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ではさようはからいます。それではお聞きの通りですから、今日の公団の責任者としてそれを聞きます。これは五、六日余裕を與えますから、その間に全部そういうものの資料を集めて来てください。
  872. 北山俊二

    北山証人 この中で支出は、こまかい点になりますと、支部の方から報告をもらわなくてはならぬものもございますから、そういうものは、今五、六日とおつしやいましたが、多少遅れると思いますが、できるだけ早く……
  873. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうものは、どこの支部へどれだけやつているというようにしてもらいたい。
  874. 北山俊二

    北山証人 これはあとから第二次、第三次というように御報告申し上げます。
  875. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何をおいても、責任をもつてすべてを明らかにしてもらうということだけは、間違いなく願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時五十四分散会