運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-12 第6回国会 衆議院 考査特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十二日(土曜日)     午前十一時零分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 高木 松吉君    理事 内藤  隆君 理事 吉武 惠市君    理事 猪俣 浩三君 理事 木村  榮君    理事 小松 勇次君       安部 俊吾君    井手 光治君       岡延右エ門君    菅家 喜六君       篠田 弘作君    塚原 俊郎君       西村 直己君    福井  勇君       福田  一君    赤松  勇君       加藤 鐐造君    村瀬 宣親君       横田甚太郎君    小林  進君       浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (元油糧産業株         式会社常務取締         役)      小林多喜雄君         証     人         (元油糧運送株         式会社社長)  安部 義香君         証     人         (油糧配給公団         調査役)    木村 一良君         証     人         (元油糧配給公         団大豆部長)  野村 千秋君         証     人         (油糧配給公団         副総裁)    北山 俊二君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     ―――――――――――――
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会議を開きます。  きのうに引続き、油糧公団をめぐる不正事件につきまして調査を進めます。ただいまお見えになつておる証人は、小林多喜雄さん。
  3. 小林多喜雄

    小林証人 はい。
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 安部義香さんですね。
  5. 安部義香

    安部証人 はい。
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昨日宣誓してありますから、きようあらためて宣誓いたしませんが、宣誓についての御注意はよく覚えておつていただきたい。  それでは小林さんからお聞きしますから、安部さんはもう一度控室でお休みください。  小林証人は今何をしておいでになりますか。
  7. 小林多喜雄

    小林証人 ただいま第一油料株式会社社長をやつております。
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからいつまで油糧産業取締役であつたのですか。
  9. 小林多喜雄

    小林証人 二十二年十二月二十三日の設立されました日から、二十四年八月三十一日解散まで、油糧産業代表取締役をやつておりました。
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一油料というのはどういう会社ですか。
  11. 小林多喜雄

    小林証人 第一油料は、従来油糧産業東京本社におりました職員有志が相集まり、めいめい資本を持ち寄つてつくつた商事会社でございます。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは油糧産業解散になつてからつくつたのですか。
  13. 小林多喜雄

    小林証人 設立登記になりましたのは、八月三十日でございます。
  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに、油糧産業解散になることを見越してつくつたのでございますか。
  15. 小林多喜雄

    小林証人 そうです。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧産業株式会社はどういう目的でつくられたものですか。
  17. 小林多喜雄

    小林証人 これは、初め油の統制につきまして、帝国油糧株式会社があつたわけですが、二十三年二月に油糧公団が発足するについて、いつということはわかりませんでしたが、大体公団に切りかえになるような話が一般に現実化されて参りますについて、公吏になるよりは商事会社でもやつた方がいいというような気持を持つてつた連中が、帝国油糧を離れて商事会社をつくろうではないかというような話合いと、それからもう一つは、公団が設けられても、その壽命は一年か二年の比較的短期間のものである。そうすると、公団がそういうふうに短期間解散をされると、その職員人たちはさつそくそのときから職に困るようなことになるので、われわれはその第一陣を承つて、とにかく民間のそういう商事会社をつくつて、もしこれが幸いにしてうまく発展して行けば、将来はこの公団から離職するような人たちを自分の仲間として一緒に仕事をして行くこともできる、こういうような意味からいつてもいいことではないかというので会社をつくりました。
  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年の春から公団ができるというので、その前の二十二年十二月につくつた、こういうことですね。
  19. 小林多喜雄

    小林証人 そうです。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 資金はどういう方面から得ましたか。
  21. 小林多喜雄

    小林証人 当時帝国油糧の大部分職員から、そういう趣旨を説明した上で出資を受けるというかつこうになりました。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに公団に行かぬ者の資金でやつた、こういうのですか。
  23. 小林多喜雄

    小林証人 行かない者というわけではありません。その当時は、公団はまだ発足しておりませんでしたから、帝国油糧社員有志から出資を求めたわけです。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事の内容は。
  25. 小林多喜雄

    小林証人 仕事は、大体ドラムカン洗滌修理販売、それから麻袋集荷修理並びに販売、それから統制外油糧油脂製品の買入れ、販売、それから生命保險以外一般各種保險代理業、その他雑貨の取扱い、こういうようなことをやつておりました。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに油糧公団ができれば、油糧公団下請仕事ができるものと予想してこれをつくつたのではないですか。
  27. 小林多喜雄

    小林証人 そういう点もございます。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう点もじやなく、大体そうじやないですか。
  29. 小林多喜雄

    小林証人 仕事の面から行きまして、公団下請仕事としては、今のドラムカン修理洗滌、それから麻袋集荷修理、それからほかに、さつき申し忘れましたが運送業、こういうふうなものは、大体公団下請仕事が大部分であります。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險にしてもそうでしよう。
  31. 小林多喜雄

    小林証人 保險は、公団下請と申しますか、保險会社代理店としてやつたわけです。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 設立に当つた中心人物はどういう方々ですか。
  33. 小林多喜雄

    小林証人 大体その構想をまとめましたのは、当時の西川総裁と私の両君でございます。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 営業成績はどんなものでした。
  35. 小林多喜雄

    小林証人 設立から解散までちようど二十箇月余りになりますが、そのうち今の保險取扱いによります收入が大体千九百万円、輸送による收入二千五百万円、商品の売買によります利益が千八百四十万円、倉庫保管によります收入が三百七十万円、大きいものはそういうものであります。全体としましてこの二十箇月に千六百万円の利益をあげました。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 資本金はいくらですか。
  37. 小林多喜雄

    小林証人 二百五十万円です。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところでこの資金ですが、これは今あなたのおつしやつたように、帝国油糧社員ほんとうに持つていたんですか。そうではなくて初めだれかぽつつと出しておいて、あと公団の者に持たせたという話なのですか。
  39. 小林多喜雄

    小林証人 これは初めに二十二年の五月、六月ごろに――私はその二十二年の四月一ぱいで帝国油糧をやめたわけですが、五月から小さな十九万円の資金商事会社一つつくりまして、それから札幌名古屋大阪門司等にもそういうふうな商事会社ができました。この商事会社設立につきまして、現実に帝国油糧社員有志から株を集めたわけです。それらの会社利益をそれぞれ株主に配当、あるいは車馬賃その他の方法によつてこれを分配してお渡しするということであつたのですが、その利益をこの二百五十万円の株金の方に振りかえることを皆さんの御了承を得まして、そういうふうに集めたのであります。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その人らがそのまま大体株を持つておりましたか。
  41. 小林多喜雄

    小林証人 さようでございます。
  42. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 たいてい公団の者に振りかえたという話ですが、そうじやないですか。
  43. 小林多喜雄

    小林証人 大部分帝糧職員が持つておりまして、その帝糧職員がほとんど全部公団職員にかわつたわけですから、自然的に公団職員ということになつたわけです。そのときに公務員となつて、そういう会社の株を持つておるということはいかぬというようなことでありますから、これをだれか縁故者にでも売つてもらいたいということで、ある人は妻子にかえた方もあります。あるいは親戚の方にかえた方もあります。そういう方法で株は肩がわりをしてもらつたわけです。
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実質はやつぱり公団の者がほとんど持つておるわけですね。そうすると名前はかわつても、女の名前が多いようですが、たいてい奥さんとか何かであつたのでしような。
  45. 小林多喜雄

    小林証人 そういうのが多いようです。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実質公団の者が持つておるはずですな。
  47. 小林多喜雄

    小林証人 そうです。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから中心になつた人はあなたと西川総裁と言われるが、安部義香氏は……
  49. 小林多喜雄

    小林証人 安部さんはこの設立についてはほとんど関與いたしませんでした。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あとで入つて来たのですか。
  51. 小林多喜雄

    小林証人 安部さんは帝国油糧閉鎖になりまして、公団に切りかえになつたときに、閉鎖機関帝国油糧整理担当者になられました。大体六、七月ごろにその整理の方が一段落いたしまして、閉鎖機関の方を離れたものですから、それで職がなくなるのでわれわれの方へ来て、この会社仕事をやつたらいいじやないかということで、一応顧問というかつこうで来ていただきました。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 安部さんはもと何をやつておられたのです。
  53. 小林多喜雄

    小林証人 私どもの方に参ります前は、閉鎖機関帝国油糧整理担当者と申しますか、その清算最高責任者であつたわけです。
  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もともと帝国油糧におつた人じやないのですね。
  55. 小林多喜雄

    小林証人 その閉鎖になる前は、帝国油糧取締役をやつておりました。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうして閉鎖機関帝国油糧の係になつた、こういうわけですね。
  57. 小林多喜雄

    小林証人 さようでございます。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは顧問言つても、実際の中心人物じやないのですか、ほんとう顧問ですか。
  59. 小林多喜雄

    小林証人 私の方の顧問になりましてから、ごく基本的な仕事等については御相談をいたしましたが、別に最高指揮者ではなかつたのです。
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにしても月給三万円とかをやつてつたというのだが、いわゆる顧問にそういう大きな月給を拂うのですか。
  61. 小林多喜雄

    小林証人 やはりほかに收入がないものですから、その收入の道をわれわれの方で引受けたという形もあります。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なかなか豪勢なものですね。われわれ顧問というたら、それほどでないと思うのだが……
  63. 小林多喜雄

    小林証人 ほかに仕事がありませんので、そこだけでやつてつたものですから……
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうですか……  それから先ほど申したように公団下請仕事をやることがおものようでした、こういう輸送をやるとか、保險を世話をするということになると、公団とあなたの会社とで取引があるわけでありますが、そういうときにはどういう人が当つてつたのです。
  65. 小林多喜雄

    小林証人 この取引に関する折衝でございますか。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はあ。
  67. 小林多喜雄

    小林証人 それはそれぞれその業務担当者がおりますから、その担当者がいたしますが、その基本の話合い等についてわれわれが参りましたし、相手側公団の方としては、それぞれ各部の担当者とお話をつけたわけであります。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 名前はかわつても、先ほど言つたように、実質上においてあなたの方の株は公団の人が持つておるのですから、その公団の方とあなた方と話されるということになると、形式は違つておるかしらぬが、実質においてあるものとみなされるのですが、それらの点にあなた方別に不法はあると思わなかつたのですか。
  69. 小林多喜雄

    小林証人 そういう同一人格者というような考え方は、われわれとして毛頭持つておりません。われわれとしてはあくまでも民間商事会社となつたのだから、そういう意味合いですべて公平に整理をつけて行こうということを、根本的な考えとしては持つておりました。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 形式はそうでしようが、株の全部は妻子名前にしておるけれども公団の人が持つておるのでしよう。言うて見れば同一人格者、われわれから見れば同一人格者のものが違つた人格のものだと言つて契約をやつたからというても、そこにどうもはなはだ解しがたいところがあると思うのですが、そういうところは別に……
  71. 小林多喜雄

    小林証人 こういう契約等につきましては、たとえば運送なら運送下請をやります場合に、他にも同様の運送下請業者がありまして、そういう者も数社入つておりましたし、そういう会社と競争をして、われわれが負けないだけの勉強をする。そういうことをモットーに仕事をして参つたつもりでおります。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかの会社請負つたりしたことがありますか。
  73. 小林多喜雄

    小林証人 はあ。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかの運送業者がやつたことがありますか。
  75. 小林多喜雄

    小林証人 あります。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事請負つた……。あなた方と競争して……
  77. 小林多喜雄

    小林証人 はあ。そういうのもあります。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほんとうですか。
  79. 小林多喜雄

    小林証人 はあ。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どんなときです。仕事は……
  81. 小林多喜雄

    小林証人 主として下請をやつておりましたのは、海上輸送の面が多かつたようです。海上輸送の面についてそれぞれ海運業者が入つております。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方以外に……
  83. 小林多喜雄

    小林証人 はい。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險代理店のようなことをやつてつたようですが、その形式はどういう方法でやつておられたのです。
  85. 小林多喜雄

    小林証人 代理店公団として八つの大きな保險会社を指定をしたわけでありますが、私ども会社はそれらの会社代理店ということで、公団からの申込みによる保險契約の手続を一切いたしましたし、それから事故のありました場合の解決を一切代理店責任において処理いたして参りました。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団のものを引受ける火災保險団を八社でつくつたわけですね。その保險団公団保險をつけるときに、あなたの会社中心に入つてつけさせる。こういう形になるのですね。
  87. 小林多喜雄

    小林証人 そういうわけです。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これもおそらくあなたのところ以外に保險を取扱うものはなかつたでしような。
  89. 小林多喜雄

    小林証人 これは私ども一社であります。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一手ですね、相当大きな保險を扱われたでしようが、大体どれくらいのものでしたか。
  91. 小林多喜雄

    小林証人 保險扱い方でありますが、これは先ほど申し上げましたが、保險手数料收入として二十箇月間に千九百万円という收入がございました。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この保險については、昨日も申しましたが、あなたの方で刑事訴追になるという憂いがあるならむりには聞きませんが、さしつかえなかつたら述べていただきたいのです。  人造バター保管期間を実際より長いものにして、そうしてその間の保險料を一応公団から受取つて、それからさらにまた、それが多かつたからというので公団にもどしたという事実があつたようですが、幾らぐらいのものでしたか。
  93. 小林多喜雄

    小林証人 あれは二百二十九万何がしありました。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次は鯨油保險料、これを二重に支拂わせて、そうして一つだけをまたあと公団にもどされたそうですが、その金は……
  95. 小林多喜雄

    小林証人 これは三百四十四万円であります。
  96. 鍛冶良作

  97. 小林多喜雄

    小林証人 五百七十三万円ばかりになります。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうしてこれを公団ではもどつたとはいうものの、ほんとう收入には入れないで、経理部長か何かの名前の別勘定にしておいたそうですね。そういうことはあなた方御承知の上でやられたのですか。
  99. 小林多喜雄

    小林証人 うすうす承知はしておりました。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうわけでそういうことをやらなければならなかつたのですか。
  101. 小林多喜雄

    小林証人 大体私は直接公団関係がありませんので正確には申し上げかねると思いますが、現在の公団業務予算制度なり、あるいは定員制なりというもので制限されておりまして、公団配給物資である油脂の原料、あるいは油脂輸入を大いに増進して行くのでなければ、国内産油脂だけではとうてい国内の需要を満たすわけに行かないというようなことから、国内産のものの増産について力をいたすと同時に、輸入面についても相当公団として活躍されたように聞いておりますが、それらの仕事を完全に遂行しますために、どうしても人手も足りないし、予算も足りないというようなことで、公団としてそういう規定外の人を別に採用する、あるいはいろいろの方面増産運動をするとか、その他の仕事によつて費用を使う。そういう費用予算以上に必要なので、そういうものの捻出についてそういう方法をとらなければならなかつたのだというように承知いたしておりました。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは要するに先ほど私が言うように、あなた方と名前は違つておるけれども、ほとんど同一のものだからそういうことが行われるのではないですか。それでなかつたらそういうことはあり得ないことだが……
  103. 小林多喜雄

    小林証人 そういう点があつたと思います。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こちらの方でそういうことを調べると、あなた方の方では、そういうことは悪いかもしれぬが、おれの方だけでやつておるのではない。どこの公団でもみなつておるのだということを言われておるそうですが、他の公団でもそういうことをやはりやつておるのですか。
  105. 小林多喜雄

    小林証人 そいうことははつきりはわかりません。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことをよく言われておりますが……
  107. 小林多喜雄

    小林証人 ただうわさは耳にいたしますけれども、具体的には何も存じません。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団仲間みなそういうことをやろうじやないかというような、何か打合せをやつておるのじやないですか。
  109. 小林多喜雄

    小林証人 そういう公団同士打合せはありません。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よくおれのところだけ調べるが、ほかでもみなつておるじやないかということを始終言つておるそうですが……。そこでこういうやり方をしているものだから――現われているものはこれだけでしようが、そのほか公団からあなたの会社に御用金を仰せつけて、あなたの方から相当出ているというのですが、その点はいかがですか。
  111. 小林多喜雄

    小林証人 これは初めに公団として臨時にそういうふうな費用が必要だということで、ぼつぼつ出したものはありますけれども、それらのものは、全部先ほどの二つの保險料合計五百七十三万円というもので、差引清算がついておるわけであります。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団で金のいるようなときは始終立てかえておつたのですか。
  113. 小林多喜雄

    小林証人 一時的には立てかえはございました。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから物でも、何かあなたの方の名義で買つて、実際は公団で使うというようなことがあるわけですか。
  115. 小林多喜雄

    小林証人 そういう物は全然ございません。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 たとえば寮とか、そういうものを……
  117. 小林多喜雄

    小林証人 そんなことはありません。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 熱海寮とかいうのは、あなたの方で買つてつたそうですね。
  119. 小林多喜雄

    小林証人 あれは私ども会社で借りまして、それで一定の料金をとつてつて、利用するのに実費で提供しておつたのです。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団直接やつたらよさそうですが……
  121. 小林多喜雄

    小林証人 それを利用するのは公団の人に限りません。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 検察庁並びに経済調査庁から、それらの点で取調べを受けられたようですが、取調べられているのは、今言つたそれだけですか。ほかにまだありますか。
  123. 小林多喜雄

    小林証人 あと調査庁では経済違反の点について取調べを受けました。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油の横流し……
  125. 小林多喜雄

    小林証人 油は全然取扱いません。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何でしたか。
  127. 小林多喜雄

    小林証人 苛性ソーダガソリン自家消費苛性ソーダつまり精油工場油脂を精製いたしますとき使います。クーポンの現物化の委託を受けまして、それを現物化したわけですが、大体これは生産工場から出ますときにすでにある程度プレミアムがついておりますので、そういう点で超過類が売りも買いもともに出たわけです。それからガソリンは、自家用トラックが二台ありましたので、それの補給にドラムにして七本ばかりのものを買いました。それからあの鯨油を手に入れまして、これを硬化油にかえて手持ちしておつたものが一トン半ばかり、こういう点について調査庁で調べられました。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど海上運送について、ほかの会社へやらしたことがあると言われたが、これは何か入札でもやつたのですか。
  129. 小林多喜雄

    小林証人 これは別に入札はいたしませんですが、入札という形をとらないで、やはり公団として料率の安い方へ向けたのであります。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こつちで調べたところでは、あなたの方の取扱い場所というか、取扱い店ですか、そういうもののないところでは入札をやつておるが、あなたのところの取扱いのあるところでは入札をやつておらぬそうですね。
  131. 小林多喜雄

    小林証人 私の方の取扱い店のあるところと申しますと、どういう意味でしようか。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの取扱い店というのは、どことどこにあるのですか。
  133. 小林多喜雄

    小林証人 本店東京で、あと支店札幌名古屋大阪門司にあります。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうところではやらないで、そのほかのところでは入札をやつてつたそうだが、あなたはさつきほかのところでもやらしておると言われたが、どうですか。
  135. 小林多喜雄

    小林証人 ほかと言いましても、公団支部が所在するところに私ども支店もあわせて置いたわけですから、ほかの地区というのは別にないわけです。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかでもやるところはあるでしよう。横濱だとか、その他……
  137. 小林多喜雄

    小林証人 横濱東京本店の出張所というかつこうになつております。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 横濱になかつたのですか。
  139. 小林多喜雄

    小林証人 横濱にございました。駐在員がおります。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう地方でもちよいちよいあるようですが、あなたの支店のないところでは……
  141. 小林多喜雄

    小林証人 結局横濱仕事は、公団としては東京にある関東支店の管轄でやつております。それから私どもの方は東京本店でやる。本店関東支部の間で話がつくわけです。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するにあなたの方でやらぬところは入札をやつてつたが、あなたの方でやるところは入札ではない。
  143. 小林多喜雄

    小林証人 そういう地区的な区別は全然ないのですが、公団仕事をする必要な場所には私ども支店があるか、さもなければ駐在員が行つておる。こういうかつこうで、常に連絡をとつております。ですから同じ東京なら東京で他の業者がやはり入つておるわけです。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 安部さんをそういうふうに優遇せられておるが、どういうわけで優遇しなければならなかつたのですか。あなたは先ほど、安部さんはほかの仕事はないと言つておられるけれども油糧運送株式会社社長じやないですか。
  145. 小林多喜雄

    小林証人 それはこの二月からです。二月以降については、私どもの方はほとんど差上げてなかつたと思います。それ以前に私どもの方から出しておつたわけであります。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西川熊吉という人はどういう関係ですか。
  147. 小林多喜雄

    小林証人 これはこの四月から私ども油糧産業常務になりました。以前公団においては水産油脂室長をやつております。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 五十万円とか金を貸しておるそうですね。
  149. 小林多喜雄

    小林証人 これは西川氏がもともと関西の方におりまして、京都に家があつたわけであります。それが東京へ出て参りまして、京都の家を処分して、それで東京に家を買いたいということで、その処分ができるまでの期間、金を貸してもらいたいという話が公団本村君の方にありまして、本村君から私の方に一時立てかえてくれないかというので、昨年のたしか九月ごろ、本村君に五十万円を渡しました。それは私どもの方としては、先ほどの保險料の五百何十万円の中で清算がついております。木村君の手元へは西川君から五十万円そつくり返つたということを聞いております。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 個人勘定公団勘定で差引きするのですか。西川個人でしよう。
  151. 小林多喜雄

    小林証人 公団勘定ですが、本村勘定という別の何がありまして、その方で融通をいたしたわけであります。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団勘定にしておるのですか。
  153. 小林多喜雄

    小林証人 本村君が別にそういうふうな整理の形をとつてつたわけです。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、ほとんど個人だか公団だか、公団の人なら個人もないのだね。
  155. 小林多喜雄

    小林証人 そういうわけではなく、いまの予算外の経費とか、いろいろなものをやるために、さつきの保險料のようなものが本村君の手に入りまして、それを用途に積立てておつて、それで別会計の整理をしたおつた
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まだそんなようなことはほかにもあるんじやないですか。
  157. 小林多喜雄

    小林証人 公団の全体として、いまの五百数十万円のほかに、まだ相当のものがあるということは承知しております。
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 立てかえやその他……
  159. 小林多喜雄

    小林証人 私どもの方ですか。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。
  161. 小林多喜雄

    小林証人 それは今は全部きれいに片づいております。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団にとつてはなかなか便利な会社があつたものですね。そこで今この油糧産業解散になつたのですか。
  163. 小林多喜雄

    小林証人 解散いたしました。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつどういうわけで解散したのですか。
  165. 小林多喜雄

    小林証人 解散の時期は八月末でございます。理由は、今ここでお話がありますように、公団との非常な特殊関係があるというようなことから、そういう形は早く解消した方がいいということをつくづく痛感いたしましたし、実際会社だけの單独な面から見ても、油糧産業との取引はどうもぐあいが悪いというような相手方が、大分出ましたし、また銀行から融資を受けますにつきましても、非常にきゆうくつになつて、対外信用が落ちましたので、このままのかつこうで事業を続けて行つても、とうてい成立たないという見通しがついたために解散いたしました。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 解散したら株はどうなつたですか。
  167. 小林多喜雄

    小林証人 現在清算中でございます。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在まだそのままになつておるわけですね。そこで先ほど聞いた第一油料株式会社設立されたようですが、もう一度どうしてそれを設立するに至つたか、どういう目的のものでどういう人がやつておるかを……
  169. 小林多喜雄

    小林証人 第一油料は、油糧産業解散せざるを得ない情勢になりましたが、東京本店関係において、その当時工員を含めまして大体五十名くらいの人間が働いておりました。これの何とかして生きて行く道を考えなければならないということで、品川工場は他にこれを譲渡できましたけれども本店職員としては何とか自分たちの生きる道を探したいということで、そういう連中が寄つて、自分たちの出資によつてとりあえず百万円の会社をつくつてつたのですが、その当時幹部職員であつた山本正司、小林中、木村久、加古理一、こういう四人が役員になりまして、八月末から働いたのです。目的としては、結局自分たちがせつかく今まで一緒にやつて来たものだから、とにかくまた力を合せて行こうじやないかということから出発したわけです。私は先般の事件関係もありますので、それに手を出さずにおつたわけですが、やはり若い者だけではどうもぐあいが悪いということから、十月からそれにまた入るようになりました。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事業の内容は……
  171. 小林多喜雄

    小林証人 従来油糧産業がやつておりました砂町のドラム工場をただいまのところ賃借いたしまして実際の洗滌修理の運営をやつでおります。それから海上運送の仲立業をやつております。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに油糧産業のやつてつた仕事同一のものをやつてつたのでしよう。
  173. 小林多喜雄

    小林証人 同一ではございませんが、一部それを引継いでおります。
  174. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事を承継しておつたのですか。
  175. 小林多喜雄

    小林証人 はあ。
  176. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今度は第一油料の株主は、公団と全然わかれておりますが。
  177. 小林多喜雄

    小林証人 公団とは全然関係ございません。
  178. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の人の家族は全然なくなつたのですか。
  179. 小林多喜雄

    小林証人 はあ。
  180. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險は前のように八社とか、そういうものはどうしましたか。
  181. 小林多喜雄

    小林証人 保險は、今のところ公団としてどういう形でやるか決定しておりませんので、私たちは安田火災の代理店として、今一般の外部の保險は勧誘しておりますけれども公団関係の方はいたしておりません。
  182. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 八社の保險団解散したのですか。
  183. 小林多喜雄

    小林証人 保險団はそのまま公団のものをやつております。これは今直接やつておるわけです。
  184. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは何かお聞きになりますか。
  185. 木村榮

    木村(榮)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、本村一良という方とはいつごろからお知合いになりましたか。
  186. 小林多喜雄

    小林証人 これは帝国油糧が発足いたしましたとき、従来の四つの油関係統制会社が一緒になつたのですが、そのときに私は日本油糧から参りましたし、本村さんは大豆統制の方から参りまして、その帝国油糧出発のころ知り合つたのです。
  187. 木村榮

    木村(榮)委員 それで本村さんは経理次長ですか。
  188. 小林多喜雄

    小林証人 はあ。
  189. 木村榮

    木村(榮)委員 あなたは企画次長をおやりになつていたのですか。
  190. 小林多喜雄

    小林証人 帝国油糧当時やつておりました。
  191. 木村榮

    木村(榮)委員 それが最終の地位なんですか。それより上になられたことはないのですか。
  192. 小林多喜雄

    小林証人 最終は企画室次長です。
  193. 木村榮

    木村(榮)委員 本村さんはあなたが企画室次長だつた当時には何でしたか。
  194. 小林多喜雄

    小林証人 経理部の次長だつたと思います。
  195. 木村榮

    木村(榮)委員 その当時安部義香さんはどんな地位だつたのですか。
  196. 小林多喜雄

    小林証人 安部さんは総務部長をやつてつたと思います。
  197. 木村榮

    木村(榮)委員 あなたの御記憶では、経理部長をやられたことはございませんか。
  198. 小林多喜雄

    小林証人 その当時総務部の中で、最初帝国油糧安部さんが来られたときに、経理部次長として来られた。その後昇格して部長になられたと思います。
  199. 木村榮

    木村(榮)委員 その安部さんが経理部長の時代、木村さんが経理部次長だつたという御記憶はありませんか。
  200. 小林多喜雄

    小林証人 そうではなかつたように思います。たしか藤林というのがその当時の次長ではなかつたかと思います。
  201. 西村直己

    ○西村(直)委員 もう一度油糧産業から第一油料に転換されたときの状況を聞きたいと存じます。それは油糧産業が経済事件で検察庁からいろいろ事故を起したというので、調べられたのが主体になつておるようですが、解散の理由は……
  202. 小林多喜雄

    小林証人 そういう点もございます。それによつて実際取引面において非常に支障が参りましたものですから、実際に業務を続行することが困難になつたから……
  203. 西村直己

    ○西村(直)委員 実態は第一油料をやめて、人格をかえたというにすぎないのでしよう。
  204. 小林多喜雄

    小林証人 実態といいましても、今油糧産業はそのまま清算に入つております。第一油料としては新たに資金を集めまして、全然別のものとして発足しております。
  205. 西村直己

    ○西村(直)委員 人格はかわるわけですが、しかし公団の外郭会社として、下請会社として存続させる意味においてできておるわけでしよう。
  206. 小林多喜雄

    小林証人 外郭会社という意味では全然ございません。
  207. 西村直己

    ○西村(直)委員 あなたの建前では純然たる民間会社であるが、公団から見れば便利な会社が存続しておるわけでしよう。
  208. 小林多喜雄

    小林証人 今は便宜的な関係は全然ございません。
  209. 西村直己

    ○西村(直)委員 この会社に対する採算の目標はどうです。前のように相当な利益があるように思いますか。
  210. 小林多喜雄

    小林証人 そういう見込みは今は立ちません。
  211. 西村直己

    ○西村(直)委員 世間がやかましいから……
  212. 小林多喜雄

    小林証人 世間がやかましいということでなく、現在は保險はやつておりませんし、その他一般の経済状況から行きましても、またこういう成績を上げることは困難だと思います。
  213. 西村直己

    ○西村(直)委員 それから次に、あなたの農林省出身の官吏、あるいは現在の農林官吏との関係についてかなり具体的に述べていただきたい。
  214. 小林多喜雄

    小林証人 関係と申しますと……
  215. 西村直己

    ○西村(直)委員 交友関係、友人関係、あるいは先輩関係です。
  216. 小林多喜雄

    小林証人 そういう関係はほとんどございません。私は元々自分で油の営業をやつておりまして、統制が始まつたので、自営がむずかしいために統制会社に入りました。従つてどういうつながりがあつてつたわけでもありません。
  217. 西村直己

    ○西村(直)委員 全然お知りにならぬですか。全然お知りにならんで油の商売ができますか。
  218. 小林多喜雄

    小林証人 全然ありません。それ以前は油の商売を普通の販売業者としてやつておりましたから。
  219. 西村直己

    ○西村(直)委員 しかし帝国油糧になつて……
  220. 小林多喜雄

    小林証人 ありません。
  221. 西村直己

    ○西村(直)委員 油糧産業という公団にきわめて便益な会社ができるという状況では、必ずやそこに人間としてのつながりがなければできないわけであります。
  222. 小林多喜雄

    小林証人 それは仕事の上では連絡は常にあります。
  223. 西村直己

    ○西村(直)委員 どういう方面にありましたか。
  224. 小林多喜雄

    小林証人 農林省の油脂課です。
  225. 西村直己

    ○西村(直)委員 それ以外はないですか。
  226. 小林多喜雄

    小林証人 それ以外はほとんどございません。
  227. 西村直己

    ○西村(直)委員 いずれほかの方からもお伺いすればわかると思いますから、なるべく率直に話してください。別にあなたの人格を傷つける問題じやありませんから……
  228. 小林多喜雄

    小林証人 油脂課以外のところではほとんど……
  229. 西村直己

    ○西村(直)委員 たとえば大豆協会というようなものをあなたは御存じですか。
  230. 小林多喜雄

    小林証人 大豆協会というものがあることは知つております。
  231. 西村直己

    ○西村(直)委員 歴代の会長がどういうふうにやつてつたか、そういうようなことも……
  232. 小林多喜雄

    小林証人 協会の内容についてはほとんど知りません。
  233. 西村直己

    ○西村(直)委員 会長の選任については、あなたは関係ありませんか。
  234. 小林多喜雄

    小林証人 ございません。
  235. 西村直己

    ○西村(直)委員 あなたの目から見たいわゆる油脂業界におけるボスと言つては言葉は悪いが、発言権を有力に持つておる人たちはどういう顔ぶれになつておりますか。
  236. 小林多喜雄

    小林証人 業界といいますと、現在油脂関係において外郭団体を指導している方々というように一応考えられますが、日本油脂協会というのが一つあります。これは会長は豊年製油の杉山金太郎氏となつております。それから今のお話の大豆協会、これも一つの外郭団体ですが、これは現在和田博雄氏が会長になつております。  それから油脂工業会、これは加工面関係の団体でありまして、たしか久保田四郎氏が会長をしていると思います。私は現在実際の統制関係業務から離れておりますので、詳細は存じません。
  237. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 昨日西川英三証人熱海寮の利用について聞いたのですが、そのときに油糧産業から金銭的な寄付がなかつたかと聞いたら、熱海寮に支拂つた金が大体四百二十万円だつたということを証言されたのですが、あなたが最初に関係のあつた油糧産業は定款に何か料飲店をやるということがあつたのですか。
  238. 小林多喜雄

    小林証人 ございません。
  239. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると定款にない仕事をあなたはおやりになつていたということになりますね。
  240. 小林多喜雄

    小林証人 これは営業ではありませんし、それから西川証人から申し上げたという、四百何十万円かを熱海寮においてとつたという事実は全然ございません。何かのお間違いだろうと思います。
  241. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それから今あなたから、熱海寮を單に油糧公団のみでやつてつたのではない、他のものもこれを利用しておつたのだという証言がありましたが、他のものというのはどういうのですか。
  242. 小林多喜雄

    小林証人 他のものというのは、私ども会社の者並びに取引関係等で、落ちついて、どこかゆつくり休めるところがないかという話がよくあつたものですから、そういう関係者に実費であいているときにお貸したわけです。
  243. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 実費というのは、いろいろ程度があるでしようが、そのときの適当な価格で貸したというわけですね。
  244. 小林多喜雄

    小林証人 そうです。
  245. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 賃料をとつているということだが、どうも合点が行かない。賃料をとつて公団が使つているということになると、あなた方は使わないことになるが……
  246. 小林多喜雄

    小林証人 賃料はとつておりません。食費の実費です。
  247. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 きのう賃料を出して借りているということを言われたのだが……
  248. 小林多喜雄

    小林証人 賃料というのは――私どもが家主に対して家賃を拂つているわけです。
  249. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほかにそういうことをやつているのがありますか。飲み食いでなくて、とまるとか、社宅というようなものはないのですか。
  250. 小林多喜雄

    小林証人 ありません。
  251. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかに質問はありませんか。――それでは済みました。御苦労様でした。  安部義香さんですね。
  252. 安部義香

    安部証人 はい。
  253. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは今何をおやりになつておりますか。
  254. 安部義香

    安部証人 ただいま職はございません。
  255. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧運送株式会社社長ではないのですか。
  256. 安部義香

    安部証人 それは九月までやつておりましたが、九月末の決算で引退いたしました。手続は十月二十何日かになりましたけれども、それ以後はやめております。
  257. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは元帝国油糧においでだつたようですね。
  258. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  259. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧へはどこからどうしてお入りになつたのですか。
  260. 安部義香

    安部証人 帝国油糧の前には横浜正金銀行におりました。そうして終戰の一箇月前に元の帝国油糧統制株式会社に入りました。
  261. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうして常務におなりになつたのですか。
  262. 安部義香

    安部証人 常務になりましたのは、終戰の翌年の二十一年の、たしか十月だつたと思いますが、統制会社が廃止になり、帝国油糧株式会社となりました。そのときに役員に選任されまして、常務取締役になつて、総務部長をいたしておりました。
  263. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 経理の方を担当しておつたのですか。
  264. 安部義香

    安部証人 経理と人事と両方です。
  265. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帝国油糧閉鎖機関になつてから、その清算担当者になられましたか。
  266. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  267. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつからですか。
  268. 安部義香

    安部証人 二十三年の二月二十一日に帝国油糧閉鎖機関に指定されまして、それまで常務をしておりました。それと同時に当時の社長がなるはずでありましたけれども、たまたま私が清算担当者となりました。そして同年の六月までやつておりました。
  269. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから油糧産業株式会社顧問になつておられたようですが、それはいつからいつまでですか。
  270. 安部義香

    安部証人 それは閉鎖機関整理担当者を六月末にやめましたが、当時何も仕事がなくなりましたので、二十三年の七月から油糧産業顧問になりました。
  271. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 七月で清算は済んだのですか。
  272. 安部義香

    安部証人 清算は済みませんけれども、次席に譲りまして私はやめました。
  273. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やめて顧問になられたのですね。
  274. 安部義香

    安部証人 さようでございます。清算は今でも続いております。
  275. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはほんとう顧問ですか。それとも顧問だというのだが、実際は仕事をやつておられたのですか。
  276. 安部義香

  277. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では常務をせぬでもよいのですか。
  278. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  279. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに何か向うから相談があつたときに出られるだけで……
  280. 安部義香

    安部証人 日常の仕事には相談にあずかりませんでしたけれども、たとえば新しい仕事を始めようとか、あるいはどういうところに出張所を設けるとか、人をふやすとかいつたようなことの相談にもつぱらあずかつておりました。日常の仕事にはあまり相談にあずかつておりません。
  281. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 月に三万円の手当をおとりになつてつたそうですね。
  282. 安部義香

    安部証人 これはときによつて消長がありましたが、健康上の理由もありまして、出たり出なかつたりしたこともあつたものですから、適当に会社の方でかげんをして、二万円の時代もありましたし、三万円の時代もありましたし、それから末期はまた二万円というようなことで、やめる数箇月間は二万円だつたと思います。
  283. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは單なる常務ではない顧問としては、よほど手当がいいように思うが、普通顧問というのはそういうものですか。
  284. 安部義香

    安部証人 よそさんは存じませんが。
  285. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 われわれの常識から言うと、顧問としてはたいへん優遇せられておるように思うのですが、何かあなたを優遇せなければならぬ理由があつたのではありませんか。
  286. 安部義香

    安部証人 理由というものは特別にはないと思いますが、私が一番年かさであり、元帝国油糧時代仕事をしておつた連中の上役であつたというようなことで、まあ敬意を表されておつたと思います。
  287. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昨日読み聞かせました通り、刑事訴追を受けるおそれがあればむりに聞きませんが、しかしあなたの方でさしつかえないと思つたら述べていただきたいと思います。  あなたは閉鎖機関清算担当中に、帝国油糧の売掛金五百七十万円を新しくできた公団勘定へ振りかえられたことがあるそうですが、それはあつたのですか。
  288. 安部義香

    安部証人 私自分の手によつてはやりませんけれども、私が清算担当者としまして、まことに申訳ないことだと思いますが、そういう事実はございました。
  289. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはやはり公団の方で、そうしてくれなければいかぬということで、何かせがまれたからですか。
  290. 安部義香

    安部証人 さようでございます。公団の方で人事関係費用が非常に足りないということでありまして、何とかならぬか、こういう話が当時の西川総裁からありまして、私がそれを応諾したということであります。
  291. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さらに売掛金の延滯利息二百八十二万円も、同様の理由で公団に振りかえられたということですね。
  292. 安部義香

    安部証人 それは私の在任中のことではありませんけれども、間接にやはり私は責任を感じております。
  293. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかもそれが公団へ正式に入つたのならまだしもですが、公団ヘ入つたが別勘定――俗に言う裏勘定になつていたそうですな。
  294. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  295. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 裏勘定にしておけば、正当に使われればそれでいいが、かりに正当に使われぬでうやむやになつてつても、正式のものでないからやむを得ないですね。
  296. 安部義香

    安部証人 さようでございます。当時私は西川総裁の人格を信じ、その平生の行跡を信じておりますから、何らの疑いもなくそういう人事関係の費途に使われると確信いたしまして援助をいたしました。
  297. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際はそれで人事関係の方にばかり使われておりますか。
  298. 安部義香

    安部証人 使つた方は私は存じません。
  299. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後おわかりになりませんか。
  300. 安部義香

    安部証人 わかりません。しかしむろんそれは人事関係に使われたと今でも思つております。
  301. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから油糧運送というのはどうしてできたのですか。
  302. 安部義香

    安部証人 油糧海送といいますのは、油糧産業――当時私はまだその閉鎖機関の方に六月までおりましたが、その間に当時すでに油糧産業会社の中で、自分がトラック二台持つておりましたのを元にして、当時油糧関係を専門に扱う運送業者、トラック業者というものがありませんでしたので、これを元にして当時油糧公団の物資を運送しておつたほかの業者と、その一部の者と寄り寄り協議をしまして、專門にそういうものを扱う会社をつくろうではないか、こういう話合いをして、その創立運動にかかつたのであります。それで私が油糧産業に行きまして顧問になりました後、なおそういう運動が継続されまして、同二十三年の十二月に許可になりましてできたものです。これはこの間こちらの事務局のお調べで、会社の者が差出しました株主名簿がございますが、それに書いてありますものは名目上の株主でありまして、実際上は油糧産業、それから神奈川県の熊沢貞吉という人のやつている熊沢商店が、やはり公団の油糧関係のものを運ぶ仕事に従事しておりました。それともう一つ東正海運というものがありまして、これは石橋又義という人が社長ですが、この三者が寄り合つて話をしまして、ただいま申し上げたような会社をつくろうという話ができ上つたわけであります。それでトラックを油糧産業が二台、熊沢商店の方が二台、東正海運が一台、ですから資本を四、四、二という比率で実際はやりたい、こういう希望でやりましたわけで、ただ当時会社設立しますのに資本金がいりますから、資本金百万円を油糧産業が一時立てかえて出したわけで、それを株主名簿に書いてあります多くの者が、それぞれ油糧産業から五万円とか十万円とか借りまして、そしてそれぞれ自分の名儀で拂い込んだ、こういう手続をとつてつたのであります。実際上は今申し上げたように熊沢商店が四、油糧産業が四、東正海運が二、こういう比率でトラックをこの会社が百万円で買い上げてやる。こういうことになつております。ですから現在ではそういう形式上の株主は早く肩がわりをしまして、実際上今の熊沢とそれから油糧産業、東正海運、この四、四、二の比率で四十万円、四十万円、二十万円、こういう比率で実際の株主にしようじやないかということになつておりましてすでに名儀の書きかえを終つたものもあつたと思います。別に株券を発行しておりませんから、株式の肩がわりを済ましてそういうことにするということでやつて、一部完了したものもあると思います。
  303. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事はそうすると油糧産業がやつたうちの公団輸送方面だけを分離して出て行つた、こう見ていいわけでしような。
  304. 安部義香

    安部証人 油糧産業のトラック二台をもちまして、自分の荷物を運んでおりましたが、それをこの二台のトラックを出して、そうして今申し上げたような熊沢、それから東正海運というものと、それぞれ出し合つて、そうして油糧公団関係のものをもつぱら運ぶ特別の会社ですね。特定荷主の貸切自動車株式会社自動車運送許可証、俗に特免と申しますが、公聽会を二、三回開きましてやつと免許になりまして、そういうもので会社ができたわけです。それで十二月にその免許がおりまして、翌年――今年の二月の五日ですか、会社が発足いたしました。
  305. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事はほとんど油糧公団運送をやつてつたのですか。
  306. 安部義香

    安部証人 さようであります。
  307. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで油糧公団仕事、この油糧運送は直接請負つてつてつたのですか。それとも油糧産業請負つて、その下請をやつていたのですか。
  308. 安部義香

    安部証人 いや直接です。
  309. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると油糧産業から仕事をわけてもらつて出て行つた形ですか。
  310. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  311. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 契約は油糧公団と油糧運送といつも直接やつておりましたか。
  312. 安部義香

    安部証人 直接やつております。今も直接やつております。これは基本契約のようなものは何もございません。ほかの――先ほど申しましたけれども、個々に取引の都度申入れをしましてそうして査定をして行つておるわけであります。ほかにもこういう業者がございますから、一般運送屋が公団の方に、やはり自分の方に仕事をさせてくれと言つて、そうしてやつておりますその一部分をやつておるわけであります。
  313. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたは、その実際はそうだと言われるけれども、名儀はほとんど油糧産業の役員が持つておるようですね。株は……
  314. 安部義香

    安部証人 さようでございます。それは先ほど申しましたように、会社の創立の当時は、油糧産業は金を百万円立てかえて、皆のために金を貸しまして、これら名儀人の者がそれぞれ佛い込んでできたものですから、つまり手取り早く株主をつくるという意味でそういうことをいたしたわけであります。実際上は先ほど申し上げましたように、トラックを二台、二台、一台これだけ出したその比率において株を持とうという話合いは、最初から熊沢、石橋、油糧産業の間にできておるわけでございまして、これは石橋あるいは熊沢商店をお呼びになつてお聞きになればその通り間違いはございません。この株主の中に原田というのがおりますが、これはお手元に差上げてあると思いますが、第一回の役員を選任いたしましたときに、役員となりました者が私と柳川喜代次、原田宗夫、石橋又義、長谷川準太郎、この五名が取締役になつておりますが、私は名義の上――名儀上と申すと変でございますが、社長でございまして、実際上の仕事をやりました者は柳川、これは当時の油糧産業常務をしておりました。その次の原田というのが熊沢商店から入りました。これは熊沢貞吉の義弟です。その次の石橋又義、これは先ほど申しました東正海運、その次の長谷川というのがやはり熊沢商店から出ておる役員でございます。それで監査役を藤林清一、これは熊沢商店から原田と長谷川と二名、それから油糧産業からは取締役は二名、東正海運から一名、そういうふうにわけて役員をやりましたのがただいま申し上げたようなわけです。実際上の株主はそうなつておりますので、現在はこういう比率になつております。東正が二十万、熊沢が二十万、原田が十万、長谷川が十万、藤林が二十万、鈴木が十万、小林というのが五万、徳永というのが五万、それで油糧産業系統のものが四十万、熊沢系統のものが四十万、東正が二十万、こういうふうな比率に現在実際はなつておるわけです。
  315. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは油糧運送がいわゆる公団並びに油糧産業の別会社のようなものですが、これに対していわゆる御用金を仰せつけられたりしておつたんではないですか。
  316. 安部義香

    安部証人 油糧運送会社の方はそういう力もございませんし、ただいま申し上げましたように、トラック五台の微々たる会社でございますから、会社の性質としますと、許可証も、油糧公団仕事を全面的にいたしてよろしいわけですが、にもかかわらず、世間からとかく油糧産業と同じようにいろいろ見られたものですから、公団の方で遠慮といいますか、その割合に仕事をくれませんで、おそらく現業の方は公団の方は本部でなくて、関東支部が現業をやりますから、関東支部の全輸送のおそらく一割くらいのものではないかと思います。トラツク輸送だけでも年間を通じておそらく全体の二割くらいの仕事をもらつておるのではないかと思います。あとはほかの一般輸送業者仕事をやつております関係で、何も特別に公団から格段の寄付を仰せつけられておるというふうにも考えられないくらいで、従つて何も特別の御用を承るということもございません。
  317. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかに何かありますか。――内藤君。
  318. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 証人にお伺いいたしますが、あなたは油糧産業株式会社顧問になられたのは、元帝国油糧におられたときの部下があなたに敬意を表するためになられた、こういうふうにおつしやいましたね。
  319. 安部義香

    安部証人 いや、それは先ほど申し上げたと思いますが、当時の副総裁西川君も行つたらどうだというような話もあり、それから油糧産業取締役からも来てくれないかというお話で、それやこれやで参りました。
  320. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 要するに油糧公団にも、相当にあなたは金銭的な恩惠を與えておるというような立場から話が出たのではないですか。
  321. 安部義香

    安部証人 たまたまそういうようなことが起りましたけれども、そういう関係はございません。
  322. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そう見られてもしかたがないような……
  323. 安部義香

    安部証人 そういうふうにお考えの方もおありでしようけれども、実際はそうではありません。
  324. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それから帝国油糧整理にあたつて閉鎖機関の委員会に引継ぐべきものを公団に引継がれた五百七十万円ですか、あなたの御存じのは。それからこの売掛代金もやられたが、これは金額はおわかりになりませんか。
  325. 安部義香

    安部証人 売掛代金と申しますと……
  326. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 何というか、未拂いになつておるものを……
  327. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売掛代金が五百七十万円、その延滯利子が二百八十万円、両方合わせて八百五十何万円になつている。
  328. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 利息ですか。わかりました。今あなたの証言されたように、個人名義になつていることも間違いございませんな。
  329. 安部義香

    安部証人 それは当時どういうふうにしてこの金を処理せられたかは、私は存じません。その後知りました。
  330. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 さいぜんの証人の証言の中に、それはどういうふうに使うのかといつた場合に、西川君から頼まれて人事関係に使うということで、西川君の人格を信じて人事関係にやつたものだと思うという証言がありましたが、人事関係とはどういうことですか。
  331. 安部義香

    安部証人 給與でございます。
  332. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 どういう人々の給與ですか。
  333. 安部義香

    安部証人 公団職員であります。
  334. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 公団職員というと……
  335. 安部義香

    安部証人 多数、何百人という人がおります。
  336. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その給與のことをあなたは人事関係に使つたと、こうおつしやるわけですね。
  337. 安部義香

    安部証人 さようでございます。ちよつと御説明申し上げますと、閉鎖機関に指定されましたけれども帝国油糧の場合は指定業務というものを許されたわけであります。これは普通区別しますと、完全閉鎖ということが閉鎖機関の特徴なんであります。完全閉鎖になりますと、そこへ閉鎖機関職員以外の者は一歩も入れない、こういう状態にならないとできません。帝国油糧の場合は、閉鎖機関に二月二十一日に指定されましたけれども、六月末日までは指定業務、しかもその指定業務というものはその全体の業務のうち、たとえば函館工場なら函館工場だけを指定業務にしてくれないと、あと業者の方に非常に迷惑をかけてやれないというような場合に、函館工場関係だけは指定業務にしてよろしいということになりますと、閉鎖機関は普通金の拂いができない、金の支拂いができなくて取立て一方だというのが完全閉鎖であります。支拂いは一々大蔵大臣の許可を得ないとできないということになります。ところが指定業務というものはこれに反しまして、閉鎖機関には指定されるけれども、その指定業務に指定された業務だけは今まで通りにやつてもよろしいということになる。それですから、たとえば二月二十一日に公団が発足しますと、その日以後起つた新しい取引公団仕事になるわけであります。ところが過去からずつとその前日までに引続いて来ておる仕掛りの仕事があります。それは今申し述べましたような指定業務として、金を受けるのもよければ拂うのもよろしい、こういうことなんであります。帝国油糧の場合は全体の業務が指定業務になつておる。でありますから閉鎖機関にはなりましたけれども、六月末までは同様に仕事をしていたわけです。金の受拂いともにやつたのでございます。その仕事をだれがやるかというと、これは閉鎖機関に所属した職員がやるわけであります。それで私ども閉鎖機関委員会の外郭の職員になつておるわけであります。その者だけが閉鎖機関仕事をやつておるわけであります。これは公団がその仕事をやりますには、ほんとうに完全にそれをやろうと思いますと、今まで五百人の人がおりますというと、まず二箇月や三箇月は少くともその半数以上、まあ三百人近い人が二、三箇月おらないと全指定業務ができません。それをわずかに全国で十七、八名です。本部には私以下六名くらいしかおりません。それだけの者ではとうていそういう仕事ができるはずがございません。公団の全職員がその指定業務期間中は閉鎖機関の無給職、こういうかつこうで仕事を手伝つてもらつたわけであります。それでこそ初めて非常に複雑な整理仕事が早くできたわけであります。そういう関係上から言いますと、閉鎖委員会は、そういう意味では何百人という公団の人を数箇月間無給で働かしたということが言えるわけです。そういう関係がありますので、私の方では西川君を通じて今の公団職員の人事、給與に非常に困るということを聞きまして、何とかならぬかということでありましたときに、そういう関係もありますので、私はこれは陰でいたしたことはまことに申訳ないと思いますけれども、そういうこともありますので、公団の方で働いてもらつた人に金を何ぼかまわすということは、そういう関係から言つたらやむを得ないところだろう、こういう観点もございましたので……
  338. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そこで八百円近い金を個人名義にしておくというところに、非常に大きな疑惑が社会から起つて来るのだと思う。それを知りながらあなたがおやりになつたというところに、われわれは疑惑をもたざるを得ない。ことにその費途が人事関係のみだとはわれわれどうも考えられない。
  339. 小林進

    小林(進)委員 一言だけお伺いしますが、その閉鎖機関の売掛金を西川総裁公団を代表して申し込まれたのか、あるいはまた何かあなたと個人的な特別なおつきあいでもあつて個人的にひとつその金をまわしてくれるようにお話になつたのか、その点をお聞きしたいと思うのであります。
  340. 安部義香

    安部証人 それは話がありましたのは、自分は副総裁の資格で頼むというようなことを申されたわけではございません。ただむろん裏のことですから、個人として話されたわけですけれども、その費途は、私としますと先ほど申し上げましたように、西川君の人格を信用し、平生の仕事ぶりに信頼しまして、その通り使われる、私はそう信じまして承諾した次第でございます。
  341. 小林進

    小林(進)委員 そうすると、この申入れは油糧公団総裁も、その他の理事者も全部御承知の上で、その話を代表して副総裁が来られた、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  342. 安部義香

    安部証人 そういう特定の費途を総裁は知つてつたかどうか、さようなことは私はわかりませんが、おそらく公団の全員が全部そういう意味においては知つておると思います。
  343. 小林進

    小林(進)委員 そうすると、あなたのお話では、西川総裁がそういうような正しいことをおやりになる方だという個人の人格を信用して、その要求をいれたというわけですね。
  344. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  345. 小林進

    小林(進)委員 何か西川さんとはその前に職場で御一緒だつたとか、特別ごじつこんの間柄というような御関係があるのですか。
  346. 安部義香

    安部証人 あります。それは帝国油糧常務が今の松田総裁西川総裁、私、これは帝国油糧時代にいずれも常務をいたしておりました。その上に福田清三郎が社長をしておりまして、仕事を毎日一緒にやつておりました関係で、よく西川君の人となりも存じておつたわけであります。
  347. 小林進

    小林(進)委員 そのころあなたは重役で、上役をしていらつしやつたのですか。
  348. 安部義香

    安部証人 上役といいますか、三人とも常務でございますから、別に上役、下役という関係はないと思いますが、書きます順序は松田君が筆頭で、その次私を書いて、その次に西川君、こういうふうになりましたけれども、これは別に意味はございません。
  349. 小林進

    小林(進)委員 それではいま一つ、これは小さい問題ですが、あなたが運送株式会社社長をおやりになつておりましたときの俸給をお聞かせ願いたいと思うのでございます。
  350. 安部義香

    安部証人 一万五千円であります。
  351. 小林進

    小林(進)委員 そうしますと、一方慰問料として二万ないし三万と、社長の一万五千円と両方があなたの收入になつていたわけでございますか。
  352. 安部義香

    安部証人 さようでございます。
  353. 小林進

    小林(進)委員 みんな油からおもらいになつたわけですね。何か運送会社の株主配当などおやりになつたことはありませんか。
  354. 安部義香

    安部証人 まだ一ぺんもございません。会社期間が短いものですから……
  355. 小林進

    小林(進)委員 大体一年間の営業成績に関する総收入はどのくらいでございますか。
  356. 安部義香

    安部証人 最近のものは今決算中で、ここに持つて来ておりませんが、今年の三月のは、二月五日に創立いたしましたから二箇月足らずでございますので、これが百十一万一千ということになつております。純益が八万円で、まことに少いのですが……。この期はどのくらいになりますか存じませんが、当初営業期間も短いのでこのくらいでございました。
  357. 小林進

    小林(進)委員 それではその中の、普通営業費で計上されてございますが、営業関係の交際費や機密費やらを含みました一年間の支出がどのくらいになつておりますか、その項目だけお聞きしたいと思うのであります。
  358. 安部義香

    安部証人 交際費機密費についてははなはだ少いと思います。ここに仕訳はございませんけれども、私自身として使つた記憶から言いましても、ほとんど申し上げるようなものはなかつたと思います。私は働きませんけれども、ほかの人はトラックの上に乘つて働いているような――重役以下皆そうでございます。それでありますから、公団を招待したりすると普通お思いでしようけれども運送会社会社が小さいので、そういう余裕はありませんし、先ほど申しました熊沢という人は、そういうことが非常にきらいな人で、働く一方といつたような人でございました。
  359. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 済みました。御苦労様でした。  午後一時まで休憩いたします。     午後零時三十四分休憩     午後一時三十三分開議
  360. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  ただいまお見えになつている証人の方々は、本村一良さん野村千秋さん、北山俊二さん。これより公団をめぐる不正事件について証言を求めることとなりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのではあります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  それでは本村さん、代表して宣誓書を朗読してください。     〔証人本村一良君各証人を代表して宣誓〕
  361. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書に署名捺印〕
  362. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求めます順序は本村さん、野村さん、北山さんといたしますから、本村さん以外の方はいま一度もとの控室でお休み願います。  本村一良さんですね。
  363. 本村一良

    本村証人 はい。
  364. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは現在油糧配給公団経理部長をやつておいでですか。
  365. 本村一良

    本村証人 本年の十月二十一日付をもちまして、公団調査役にかわりました。
  366. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうですか、そうするといつからいつまで経理部長でしたか。
  367. 本村一良

    本村証人 本年二月から十月までです。
  368. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十四年二月から十月まで、それから十月からは。
  369. 本村一良

  370. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから経理部長の前は何をやつておいででしたか。
  371. 本村一良

    本村証人 経理部次長をやつておりました。
  372. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつから……
  373. 本村一良

    本村証人 公団発足以来です。
  374. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年二月から……
  375. 本村一良

    本村証人 はい。
  376. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団では人件費または機密費と称するものを、国庫交付金もしくは予算面以外のもので出しておつたということでありまするが、どれくらい、どういう方法で出しておりましたか。
  377. 本村一良

    本村証人 大体二千二百八十万円ほどのものを予算外に支出しておりました。
  378. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうものに出ておるのですか。
  379. 本村一良

    本村証人 人件費に約千五百万円、会議費に約四百二十万円、旅費に約五十万円、交通費――職員のパス代です。これが六十六万円、それから厚生費に約百万円、渉外費に約百三十万円、備品費関係が三十五万円、それでおよそ二千二百八十万円程度になつております。
  380. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは二十三年の二月からいつまでの間ですか。
  381. 本村一良

    本村証人 二十三年の二月から二十四年の五月までです。
  382. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この人件費というのはどういうわけでそんなに予算外に出なければならぬのですか。
  383. 本村一良

    本村証人 私の方の公団ができましたのが二十三年の二月でございましたが、その前に公団法が国会で審議されましたのが、その前年の八月ごろだつたかと存じます。それでその当時公団といたしましては、石油配給公団、配炭公団その他があつたわけでございますが、それらの職員の給與を決定いたしますのについて、たしか二十二年の五月ごろの閣議決定で、統制機関から公団に移行する職員につきましては、統制機関当時の原給を維持するという閣議決定があつたように記憶しております。それで八月に公団法が上程されました前後、当時の前身機関たる帝国油糧職員としては、もし公団になつて著しく給與に変化があるようでは非常に困るということで、関係方面、あるいは当時の帝国油糧の幹部に対しましてその間の事情を訴えたり、あるいは陳情したりしたわけでございます。そのときにやはり当時の帝国油糧の幹部、あるいはまた農林省関係官といたしましては、その閣議決定の線に沿つて決定されるから安心せよというようなお言葉があつたわけです。それで十二月の末になりまして、どういう事情かわかりませんが、突然前回の閣議決定がくつがえされまして今後公団職員については、一般官吏と同様の給與を原則とする、そして平均三割、各人につきましては一割ないし五割の公団特別手当を支給する、こういうように決定されたわけでございます。そこで二月に公団が発足いたしまして、その当時の二千九百二十円ベースでそのような計算をいたしますと、当時の帝国油糧の給與から見て大体六割にしか当らない。それでインフレーシヨンが相当に激しく進行しておりまして、日々物価が上つて行く際に、同じ場所で同じ仕事を続けている者が、身分が変つたというだけで実收が四割も減るということは、とうてい生活ができないというようなことから、相当に退職者が出たりして、もし公団仕事としての日本の油脂統制というものが円滑に推移できないということになれば、これは重大な問題だとして、当時の幹部としての総裁、副総裁の線で、一応原給を維持するべくいろいろと努力されたわけでございます。それにつきましては、あるいは公団設立委員会の席上でいろいろなお話合いもありましたしするので、特にそういう決定がなされたのではないかというふうに考えます。  それからもう一つは、この公団職員一般政府職員の給與を與えるということは決定いたしておりましたが、それは原則だけで、個人々々について、だれそれに何号俸を給するということを決定するのは、当時の新給與実施本部の方で決定するわけでございますが、これが当時職階制の適用によりまして、全官吏に対してその査定をやるということで、一朝一夕にはなかなか公団職員についてまで、何のたれ兵衞にはいくらということを決定するのに相当時間がかかつたわけであります。それで私の方といたしましては、新給與実施本部からそれの決定の通知があつたのが八月になつたわけです。そうしますと、二月から八月までの間というものは、政府職員の給與を支給するということはきまつておりますが、だれに何号俸をやるということがきまつておりませんために、給與を支拂う根拠がなかつたわけです。そこでやむを得ず、支拂う手段として当時の帝国油糧時代の手取りをそのまま仮拂いしたというような事情になつております。
  384. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その当時、職員の平均給與は大体いくらぐらいでした。
  385. 本村一良

    本村証人 二千九百二十円ベースで約六割に当るわけですから、手当その他を入れて公団の平均給與がどれくらいになりますか、ちよつと計算がややこしいので、今はつきり数字は覚えておりません。
  386. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの今言われるところでは、五千円よりちよつと少いね。五千円だと三千円にならなければならぬから……
  387. 本村一良

    本村証人 二千九百二十円というのは全官公吏の平均ベースですが、私の方はそれより若干上まわるのではないかと思いますから、大体五千円ぐらいではないかと思います。
  388. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方の定員はいくらだつたのですか。
  389. 本村一良

    本村証人 五百九十七名です。これは当初の定員です。
  390. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年当時は五百九十七ですか。
  391. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが実際は幾らおりましたか。
  392. 本村一良

    本村証人 当時は五百九十四名だと思います。
  393. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年……
  394. 本村一良

    本村証人 いや発足当時が……。これはちよつと私はつきり数字は覚えておりませんが、定員一ぱいであつたか、あるいは少し欠員があつたように思います。
  395. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが二十四年度の予算を見ると、五百五十六名になつておりますね。
  396. 本村一良

    本村証人 これは二十四年の例の行政整理によりましてそのうち六十名を整理するということがきまりました。たしかその当時五名の欠員がありまして、五百九十四名を基準にして六十名減らしまして、五百三十四名という数字を出したわけです。そうして今年度の予算のときには、それに百二十名の増を認めていただきたいと現在折衝しております。そこで六十名引いて百二十名を加えましたから、六百五十四名ですか……。それですから六十名の定員減を行うことをやつて、六月から九月までの間にこれを減らすというので、平均して五百五十四名になつたのかと思います。
  397. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが実際は七百四十名もおるそうですね。
  398. 本村一良

    本村証人 そうです。
  399. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういうわけです。
  400. 本村一良

    本村証人 これは私の方は最初定員をきめましたときに、予想しなかつたようないろいろの業務の煩雑さとか、あるいは業務量の増加というようなことがございまして、たびたび大蔵省当局その他に対しまして、定員の増加をお願いしていたわけです。それでたしかちよつと事実を記憶しておりませんが、そのときに二百十名だけの定員を増加することを一応内諾を得まして、ほとんどそれがきまりかけたわけでございますが、そのときに簡單な内示がありましたので、私の方としては早急にそれらを充足するように仕事にかかつておりました際に、今度は行政整理関係でそれを認めないということにかわりまして、さきにありました内示が取消されたわけでございます。それで仕事の方から言いますと、ちよつと記憶の資料を持つておりませんが、大体公団発足当時から見まして、取扱い量、それから取引の相手方の数その他からいつて取引の相手方だけから言いますと、公団発足当時の五十何倍までなつております。それから取引の量から言いまして、非常な増加になつておるということからいつて、相当に人をふやさなければ日々の仕事が運営されて行かないというようなこと等から、取消しを受けてもすぐにそれをもとの線へもどしてしまつたのでは、仕事がとまるといつたようなことから、はなはだ不本意ながらそのまま残つていたわけです。
  401. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 内示といつたつて、実際にきまらなければ予算が出て来ないのだが、予算が出て来ぬのにあなたはふやしたのですか。
  402. 本村一良

    本村証人 大体ふやすような予算をお願いしていたのです。
  403. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算は途中で一ぺんにぱつとふえるものじやないし、予算が通る時期というものはきまつておるのだから、これがきまらぬ先に人をふやすということは……。少くともきまるまでは命が足らぬことは当然ですな。
  404. 本村一良

    本村証人 そうです。
  405. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方の給與はほかの公団とはどうでした。
  406. 本村一良

    本村証人 正式の給與ですか。
  407. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ええ。
  408. 本村一良

    本村証人 これはどこの公団も同じように、当時の官庁べースによつて査定されておりますから……
  409. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際はやはり六割ぐらいにしかならなかつたのですか、ほかの公団も……
  410. 本村一良

    本村証人 二月に発足いたしました公団は五つございますが、ほかの公団についても、六割になつたところもあるかもしれませんし、五割になつたところもあるかもしれません。これは私わかりません。しかしいずれにいたしましても、その前の期間收入よりはかなり減つたことは事実だと思います。
  411. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその穴埋めを、どういうことで金を捻出しておられました。
  412. 本村一良

    本村証人 ほかに方法がありませんから、この場合考えられることは、結局事業費の流用ということにしかならないと思うのでございます。しかし一件一件の支出のたびごとにそれを事業費から出すというようなことは、結局会計検査その他の関係から言えば、虚偽の証拠書類でもつくらないことにはできないというようなことから、そういうことをやらずに、まあある特定の收入に対しまして、その收入が経理の体裁上かりに帳簿に記入されなくてもあまりおかしくないというようなものを別途に保管いたしまして、それから支出することを原則としております。
  413. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どんなものです、具体的に……
  414. 本村一良

    本村証人 具体的に申し上げますと、たとえば運送や火災の保險料が、期間の相違によりまして、たとえば二箇月間の保險をつけていたところが、実際その品物は一箇月でもつて拂い出されたというような場合に、その余つた期間の解約金は保險会社から返つて参ります。そういうものを保險のもどりとせずに別途に保管しておく、あるいは延滯日歩のようなものを正規の帳簿に入れずに、別途に保管しておるというようなことです。
  415. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保管の方法は……
  416. 本村一良

    本村証人 保管の方法は、私の個人名義の預金通帳で保管しております。
  417. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの個人名義のいわゆる裏勘定は、総計して幾らになりましたか。
  418. 本村一良

    本村証人 收入の方で二千八百二十方円、支出の方が大体二千二百八十万円ぐらいかと思います。
  419. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まだ五百何十万円の余剰がありますね。
  420. 本村一良

    本村証人 約五百二十万円ほど残金がございます。
  421. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險期間がというけれども、むしろ一箇月で済むものを、わざわざ二箇月や三箇月につけておつたのでしよう。
  422. 本村一良

    本村証人 これはたとえば昨年の暮に、私の方の関東支部でそういう問題を起したのですが、十二月の末日までに配給を完了するという品物につきまして十二月末まで保險をつけておけばよろしいというのが一応の考え方でありますが、従来の配給から行きますと、どうしても若干一部のものが一月にずれるというようなこともございましたので、これを二箇月間つけて、事実は一箇月で解約してしまつたということなのです。
  423. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險油糧産業株式会社へ一手に引受けさせておられたのですね。
  424. 本村一良

    本村証人 申込み代理店として……
  425. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧産業というのは、株はほどんど油糧公団の人々が持つてつたそうですね。
  426. 本村一良

    本村証人 そうです。油糧公団の人というよりも、帝国油糧の旧職の人、現在で言いますと、油糧公団帝国油糧から来た者は約半分か六割くらい、ほかへ転出した人……
  427. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんな人はみんな持つているのでしよう。
  428. 本村一良

    本村証人 はい。
  429. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことは、法律上いけないのでしよう。
  430. 本村一良

    本村証人 油糧産業ができましたのは帝国油糧当時でございますので、そのときは各人が持つておりました。公団になりましてから、公団法によりまして禁止をされております関係上、公団の在職者だけは妻子名義に書きかえた。
  431. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 妻子の名義に書きかえても、実質は持つているのでしよう。
  432. 本村一良

    本村証人 そうです。
  433. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その会社保險を一手に代理業をやらせているのですから、要するにそんなに苦労せずに、あなた方の言う通りになつたのでしよう。
  434. 本村一良

    本村証人 言う通りになつたということは……
  435. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほとんど内輪も同じことでしよう。
  436. 本村一良

    本村証人 話は非常に早く済みました。
  437. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからそんなにむりにせぬでも、一箇月で済むものは五箇月つけておけ、十箇月つけておけと言つても通つたのでしよう。
  438. 本村一良

    本村証人 ですけど、一箇月か二箇月のものをそう五箇月も六箇月もというような……
  439. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはちよつと例がひどいかしらぬが、とにかくそういうことはわけなくできたのでしよう。
  440. 本村一良

    本村証人 頼めばできたのです。
  441. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次に大豆増産奨励金というものを相当出しておられたようですね。
  442. 本村一良

    本村証人 はい。
  443. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会に大豆増産奨励金として、どういう方法で幾らぐらい出しておりましたか。
  444. 本村一良

    本村証人 大豆増産奨励金と申しますのは、たしか昭和二十一年ごろからあつたかと思いますが、当時の帝国油糧株式会社、また公団になりましてからは、油糧配給公団の大豆の販売価格の中の構成要素として、大豆の増産奨励金という項目があつたわけでございます。従いまして今日におきまして公団が大豆を消費者に販売いたしますと、その公団收入金の一部に、そういうひものついた金が入つて参ります関係上、私の方といたしましてはこれを別途に積み立てて、大豆協会の方へこれを交付したわけでございます。それの金額は大体昭和二十三年度――これは二十二年度が公団といたしましてはわずか四十日間でございますので、便宜上一緒にいたしまして、二十三年度分として計算してございますが、積み立てました金が大体一千四百三十五万円ほどでございます。この年度間に大豆協会の方へ交付いたしました金が五百五十九万円、それから昭和二十四年度におきましては、十月末日現在で積み立てました金が七百八十万円、昨年度からの繰越しが八百七十六万円かございますので、これと合計いたしまして約一千五百万円ほどの金に対しまして、協会の方へ拂い出しました金が約一千万円、十一月になりましてからはこのほかに二百万円か三百万円くらいあるかと思います。
  445. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 十月までにですね。
  446. 本村一良

    本村証人 そうです。
  447. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その積み立てる金は、大豆をあなた方が売つたときにそれをとつておくのですか。
  448. 本村一良

    本村証人 公団販売価格の中の構成要素として、たしか昭和二十四年度産――これは大豆は二十三年度でありますが、二十四年度産の大豆につきましては、六十キロについて二円だと思います。それから今まで配給いたしておりました大豆が二十三年度産でございますから、これについては一俵たしか六円十五銭だつたと思います。それが構成要素として含んでおります関係上、消費者に売つて販売代金を受取つたときに、その中にそれが含んであるわけでございます。
  449. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十四年度の七月二十七日から一ぺんにがた落ちになつて、二円になつたようですね。
  450. 本村一良

    本村証人 そうです。
  451. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういうわけですか。
  452. 本村一良

    本村証人 これは大体大豆増産奨励に使う金の総額から大豆の取扱い量を勘案いたしまして、本年度は非常に大豆がふえるということから、單価を切り下げたわけです。
  453. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この委員会の調査部で調査するようになつたら、一ぺんにがた落ちするようになつたのですね。
  454. 本村一良

    本村証人 そういうわけではありません。これは物価庁の方で査定なさつておるわけですから……
  455. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにしても三分の一以下になつてしまつたのだから。六円十五銭が二円になつてしまつた。ところがその金をあなたの方で保留しておられたようですね。積み立てるということを言われたが……
  456. 本村一良

    本村証人 そうです。
  457. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 得意先前受金という勘定でいわゆる別勘定にしておいたのですか。
  458. 本村一良

    本村証人 これは別勘定ではありません。得意先前受金というのは言葉が非常にややこしいのですが、財務諸表の指示書に基きまして勘定科目が統一されました関係上、安定本部からの指示を受けた勘定科目の言い方が得意先前受金ということになつておりますが、実質的にはこれは仮受金でございます。ですから別勘定ということでなしに、公団の正規の帳簿の中の一つ勘定科目として積み立てたものです。
  459. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するにあなた方の方では、代金として受取らないのだという弁明のために、こういう名前をつけたのでしよう。
  460. 本村一良

    本村証人 いや代金としては受取つております。
  461. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかし前受金と言つております。
  462. 本村一良

    本村証人 前受金という言葉は、昔からの普通の勘定科目の整理ですと、仮受金ということになるわけですが、今の財務諸表の勘定科目の中に仮受ということがなくて、そういうものを得意先前受金とか、そういつたよう名前に統一された関係上、少し誤解を招くような勘定科目の呼び方になつておるわけです。
  463. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではあなたは経理部長なんだからよく御承知でしようが、公団法第十九條事第四項にどういうことになつておりますか。
  464. 本村一良

    本村証人 油糧配給公団は、政令の定めるところにより、剰余金を国庫に納付しなければならないというようになつております。
  465. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そういうものが入れば、公団に入つて来たのだから、別勘定にしておかずに、この命令に基いて国庫に納めなければならない金でしよう。
  466. 本村一良

    本村証人 剰余金と申しますのは、総收入から総支出を引いたものというふうに考えられますが、確かにこれは公団としては、一応商品を販売した際に、代金として入つて来る金ではございますが、これについては価格の構成要素において、明らかにひものついた金であるわけですから、従つてこれは一応別の勘定科目に整理しておく。従つてこれは損益計算とは関係ない。いわゆる貸借関係の科目に入つておるわけです。
  467. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたの方でその科目へ入れて、それで前受金という名前が出て来た。ほんとうに代金として入つたならば、公団收入にせなければならないから……
  468. 本村一良

    本村証人 いやしかし、それは初めからこういう形になつている金ですから、区別しておかないと、かえつてまずいのではないかと思います。
  469. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたの言うひもということは、だれがきめた……
  470. 本村一良

    本村証人 これは価格の構成要素の中に、大豆増産奨励金という費目があるわけです。
  471. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 別途勘定にしておけとだれが言つたのですか。
  472. 本村一良

    本村証人 別途勘定にしておけということは言つておりません。
  473. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで別途勘定にするために前受金という名前にしたが、代金の一部ならば当然入らなければならない。その点について会計検査院から、やはり私が今言うようなことについてつつ込まれたのではないか。
  474. 本村一良

    本村証人 昨年の会計検査のときに会計検査院から、これはどういう性質の金かという説明を求められたので、ただいま申し上げましたように、大豆を販売した金を公団が受取つたときに、その中にこういう費目の金として、別途に処理した金だという説明をいたしましたところ、会計検査院としては、本来ならば、大豆の増産そのものは農林省の行政費でもつてまかなうべきものと考えられる。従つて農林省の方の予算に組むべき性質のものと思うがどうか、こういう御質問があつたわけであります。それに対して私の回答としては、もちろんそういうふうな御説は十分わかりますが、大体大豆の価格をきめるときに、農林省が従来こういうふうな増産奨励費というようなものを予算化するべく、たびたび努力をされていたのですが、結局これが新規の事業については認めないというような線から、なかなか予算化が困難である。そこでこういうふうな一種の消費者負担の形で大豆の増産をやるということで、大豆の販売価格の中に増産奨励金という項目を定められたものと思う。そこですつきりした形で考えます場合には、これは大豆の増産奨励金の引当金として国庫へ納付して、その金を引当てに農林省から助成されるということができれば、私どもとしても最も望ましい姿だということをお答えいたしますと同時に、大豆の増産の方は、農産物を相手にしての問題だから、時期的な制約が相当ある。そこで今急に途中で打切つて予算化するということをやつても、これが予算になることはずつと遅れますから、少くとも現在やつておるものはこのまま続けさしていただきたい。今後の分については、御説のように農林省ともよく協議したい。こういう御回答を申し上げたわけであります。
  475. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしいと言いましたか。
  476. 本村一良

    本村証人 それでは問題が物価庁の方で価格に織り込んでいることと、それから大豆の増産そのものは農林省の施策として考えられているということで、農林省の方とよく話合つてみるということになつております。
  477. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一体そういうことをやろうということは、あなた方だけできめられたのですか。農林省と相談の上でやられたのですか。
  478. 本村一良

    本村証人 増産奨励金を織り込むことですか。
  479. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 別途に出してやろう……
  480. 本村一良

    本村証人 これは農林省と、当時の帝国油糧と、物価庁の間でそういう話合いがつけられ、価格の中に繊り込むようなことを定めたわけです。
  481. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときはそれでまだよかつたが、公団になつてからどうする……
  482. 本村一良

    本村証人 最初の二十二年の二月ごろは、二十一年産の大豆もまた継続しているころですから、これはそのまま踏襲する。それから二十三年度以降の大豆につきましても、やはり同じような線で、農林省と物価庁の間で繊り込む価格を定めたものと考えます。
  483. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは公団になつても別途にしておいてよろしいということはあつたのですか。
  484. 本村一良

    本村証人 大豆協会は帝国油糧のずつと前にできましたので、初めのうちは帝国油糧自身も大豆の増産にかなり積極的に活動していた。ところが公団になりましてから、公団法からいつて、こういう事業を公団自身がやることはよろしくないということで、当時の大豆協会にその仕事をやらせる。そうして大豆協会にこの金を交付するということに農林省から指示があつたために、この交付引当金として別途に整理したわけです。
  485. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから農林省当局では交付せい、そして別途にしておけと言つたのですか。
  486. 本村一良

    本村証人 交付することについての指示はありました。
  487. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会計をそういうふうにしてやることは……
  488. 本村一良

    本村証人 会計をそういうふうにするということは経理技術の問題かと思いますが、一般收入にしてしまつて、つまり損益関係での支出にするということになりませずに、引当金としての收入から支出して行くという形をとつたものであります。
  489. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど言つたように、公団法第十九條から見ても、それから政令から言つても、売上げ手数料及び実收入等が收入となつて、それから支出を引いて、残つたものは全部国庫へ入れなければならぬということは、法律できまつていることでしよう、そうでしよう。
  490. 本村一良

    本村証人 そうです。
  491. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを別途に前受勘定として残しておくことはさしつかえないとあなたが言われるから、私はどういうところからさしつかえないと言われるのか、その根拠をお聞きしたい。
  492. 本村一良

    本村証人 法的な根拠につきましては、私もよくわかりませんが、私の考えといたしましては、これはつまり大豆の増産を行うための費用として消費者価格の中に職り込まれた別の金であつて公団收入みなすべきものでない。つまり大豆の増産事業を行うために消費者が支拂つた金を、公団販売価格を受入れるときに、同時にそこに発生するもので、公団としては一つの預かり金の形だというふうに考えたわけです。
  493. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それならそれで別途にとるならばよろしいけれども、代金の中に織り込んでいるのですからね。ここに書いてあるように、売上げ收入にならなければならぬ。ほんとうを言えばそれを入れて、そうして大豆協会に対する奨励金だということで、また別途に許可を得て予算なりをもらつて、それで出すのがほんとうなんでしよう。
  494. 本村一良

    本村証人 それが一番すつきりしておるのですが……
  495. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 すつきりどころではない。それをやらなければならぬのに、前受金としてやれたところにわれわれが疑念を持つのですが、それ以上あなたと議論してみてもしようがない。結局そういうことになるでしよう。  そこで今日あなたがおつしやつた千五百万ほど残つておるところへ、今年になつて一千万円出たと言われると、五百何十万の金は今どうなつておりますか。
  496. 本村一良

    本村証人 今積立てになつております。これは大豆協会からの交付申請があり次第、いつでも拂い出すという状態になつております。
  497. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで大豆協会はどういう人がつくつておるのです。
  498. 本村一良

    本村証人 現在の会長は和田博雄さんだと思います。
  499. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会長だけでない。
  500. 本村一良

    本村証人 それからあとは前の公団の副総裁西川氏、それから前の公団の大豆部長である野村さん、こういう方々のほかに、大豆協会そのものを構成しているメンバーといたしましては、大豆を原料として使う製油工場、あるいはみそ、しよう油の会社、農業協同組合、つまり大豆に関係のあるいろいろな団体が集まつていると思います。
  501. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その首脳部は和田博雄、それから西川英三、それから野村という人かね。
  502. 本村一良

    本村証人 そうです。
  503. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 和田さんは違うかしらんが、西川、野村は油糧公団関係者ですね。
  504. 本村一良

    本村証人 そうです。
  505. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村さんは何をしておる人ですか。
  506. 本村一良

    本村証人 今は公団をやめましたが、前公団の大豆部長でした。
  507. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 西川氏は副総裁ですか。
  508. 本村一良

    本村証人 はい。
  509. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが大豆協合の仕事をやつておるわけですね。そのほか大豆協会の仕事をしておる者はおりましたか。
  510. 本村一良

    本村証人 前には大豆協会が事務局を單独で持つておりましたが、最近は專属の事務局員はおらないと思います。
  511. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれが仕事をするのですか。
  512. 本村一良

    本村証人 現在私の方の原料部次長をしております門田というのが事務をやつております。
  513. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、大豆協会と言いますが、首脳部は油糧公団の首脳部が大豆協会の首脳部であつて、そうして大豆協会の事務員は公団の事務員なんだから、これは一体別個の会と認められますか。
  514. 本村一良

    本村証人 常務理事というような形の方はなるほどそうでありますが、理事としてはいろいろな方がたくさん入つておられまして、そういうところで運営されて行くものと思いますから、事務局は便宜公団が助けたという形だと思います。
  515. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 助けて仕事をするもとはおらないではないか。名前は載つておる人はおるかしらんが……。そうしてみれば、あなたの方でそういうものを留保しておるといえば、一体会計は実際別になつておるのかね。
  516. 本村一良

    本村証人 公団といたしましては、先ほど申しましたように、販売価格の中から大豆増産奨励金に引当てられるものだけを別の勘定科目で整理しておりますが、公団からは大豆協会へ交付して、大豆協会が独自の立場でこれを使つておるのです。
  517. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 独自と言つても、公団の人がそれに介在をし、公団そのものがやつておるのでしよう。今主としてやつておるのは何という人ですか。
  518. 本村一良

    本村証人 公団の中ですか。
  519. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の中でその事務をしておるのは……
  520. 本村一良

    本村証人 さつきここに見えました野村さん、その下に門田。
  521. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは公団の何ですか。
  522. 本村一良

    本村証人 原料部次長です。
  523. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帳簿などは別にありましたか。
  524. 本村一良

    本村証人 大豆協会としてのですか。――大豆協会の方は、私内部のことは詳しくわかりませんですが、当然あつたものと思つております。
  525. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 知らないのですか、知つておるのですか、あつたことと思うというのは、ただあなたの想像ですか。それともあるのですか。
  526. 本村一良

    本村証人 あるべきだと思います。
  527. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのべきがないから困るんだ。これはそれこそあなたの言葉の通りすつきり行つたらよいが、一体別の金と思つていますか。これは公団の自由になる金でしよう。
  528. 本村一良

    本村証人 いや私の方が拂い出すにつきましては、農林省と大豆協会と、それから公団との間で定めました事業計画と、その予算書によつて大豆協会が交付の申請をして、その申請書に基いて公団としては拂い出すわけですから……
  529. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それ以上議論してもしようがない。  次に承りたいのは、分解硬化用油脂価格差金というものがあつたそうですね。
  530. 本村一良

    本村証人 ありました。
  531. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう性質のものですか。
  532. 本村一良

    本村証人 分解硬化用の油と申しますのは、非常に荷口が大きくて、いわゆる大口需要者に当るわけです。それは昔からの商習慣で、大口需要者は帝国油糧なり、そういつたような卸業者から直接買うという一つの習慣がございますから、従いまして帝国油糧におきましても、また公団におきましても、こういう人たちに対しては公団が直売をしていたわけです。そうなりますと公団としては、公団販売するときは公団販売価格で販売いたしますが、のちに至りまして、分解硬化油業者の中にも新しく設立されて、非常に規模が小くて、五十トンとか百トンとかいうまとまつた割当を受けない分解硬化油業者も出て来たわけです。そこでそういう比較的小口の分解硬化油業者公団が直接渡すことは、事務的にも煩瑣でありますし、また従来の商習慣から行きましても、比較的小口のものは卸業者を通すことになるわけですが、そういう卸業者を通しますと、卸業者のマージンを加えたいわゆる販売業者販売価格で買い取らなければならぬ。そうすると同じく分解硬化油業者におきましても、安く買い取れる会社と、高く買わなければならぬ会社とか出て来る。ところがそれからできましたグリセリンとか、あるいは脂肪酸とか、それの次の製品としてのせつけんとかいつたものは、すべて販売業者販売価格で油を買い取るということを基準にして価格が定められております。そういつたわけでございますので、大工場だけが特に安く原料が手に入れられるということは、販売価格が公定価格であるがために、その間のさやをかせぐのは非常に不当じやないかというふうに考えられたわけでございます。そこでスタートのべースをそろえるという意味から、物価庁の方でもその点を勘案いたしまして、たしか昨年の春だつたと思いますが、油の公定価格の附記事項の中に、公団が直接販売する場合に、そういうものを販売業者の受渡す場所と同じ場所公団が直接販売する場合には、販売業者販売価格で公団が売つてもよろしいという附記事項があつたために、これを適用するということを大口の分解業者公団側から通告をいたしたわけです。そうなりますと、硬化油業者の方といたしますと、今までは自分の方は大メーカーであるがために、直接公団販売価格で買えていて、大きなフェーヴァーを得ていた。そのフェーヴァーをここで取られてしまうことは困る。当然自分の方としては公団販売価格で買うことができるんだから、そうしてくれということで、非常な反対があつたわけです。ところが農林省の、見解といたしましては、先ほど申しましたように、製品の価格が高い価格を基点として出発しているから、不当な利益を與えることになるから、それはそろえたい。それで公団といたしましては、それをむりに高い価格で押しつけるということには非常に問題がありまして、たしか昨年の春ごろだつたと思いますが、大口の硬化油業者公団に集まつていただきまして、公団側あるいは農林省側も御出席の上で、いろいろ協議いたしました結果、当時非常にまだ日本の油脂の需給関係が逼迫していまして、輸入の方についての見通しもあまりおもわしくないので、日本のたとえば魚油とか、植物油の増産のためにそれじやその金を使うという意味で、自分らは高い金を出そうということで決定されたわけであります。
  533. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはまことにけつこうなことで、それだけ公団が多く收入することになるわけですね。
  534. 本村一良

    本村証人 そうです。
  535. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが、これもまたあなたの方では、得意先前受金勘定として別途に積立てておつたそうですね。
  536. 本村一良

    本村証人 そうです。
  537. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうわけですか。
  538. 本村一良

    本村証人 ですからもしそういうような硬化油業者との間のいきさつがございませんでしたならば、これは当然公団收入増として、販売代金の一般的な收入として処理すべきだつたと思うのですが、そのときのお互いの話合いとして、日本の油の増産のために醵出するというようなお気持で、大口の硬化油業者が醵出した関係がありまして、私の方といたしましては、そういうような特殊な用途に使うことを、後日農林省や関係業者みんなが集まつて使途をきめようという話合いがありました関係上、これを一般公団收入としてしまうことは妥当でないと考えて、別途に処理したわけであります。
  539. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 妥当ではない。――別途に積立てておく方が妥当なんですか。
  540. 本村一良

    本村証人 いや、ですからそういうような用途に使わないで、これを公団一般收入みなすということが決定すればその方に入れましたし、それから結果的に見てそうなつたわけですが、増産奨励に使うためならば、その方へ拂い出す。右左いずれかに決定するまでは、一応仮受けの形で載せておいたというのが実情であります。
  541. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほど言つたように、代金以外だから、あなたの方に入る一種の手数料ですね。
  542. 本村一良

    本村証人 マージンなんです。
  543. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 マージンでしよう。それだつたら会計法に基いて当然收入にしなければならぬ。――どれくらいありました。この別途に積立てた金は……
  544. 本村一良

    本村証人 二十三年度におきまして、約六千八百万円です。  それからこれはさつき申し遅れましたが、その後先ほど申し上げました附記條項によりますもののほかに、あとから例外許可でやつた分でありますが、それをまぜまして、二十三年度に積立てましたものが六千八百万円、二十四年の十月末までの績立てが約一千三百万円……
  545. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 少いですね。
  546. 本村一良

    本村証人 合計八千百万円になるわけです、積立てが。  それからこれに対します拂い出しは、二十三年度におきましては六百三十万円、それから二十四年度になりまして約三千二百万円、合計三千八百万円ほど拂い出しております。
  547. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこへ拂い出した。
  548. 本村一良

    本村証人 これは二十三年度の菜種の分につきましては、菜種の作付調査供出費、集荷督励費、それから米ぬかの搾油の宣伝啓蒙費、それから大豆と脂肪の文化展覧会とか、魚油の増産督励とか、そういうようなものに出ております。
  549. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはだれがきめて出したのですか、そういうものを出そうということをだれがきめるのですか。
  550. 本村一良

    本村証人 これは先ほど申しましたように、国内産油脂及び油脂原料の増産をはかるということに、これらの金を使いたいということが公団の希望でもあり、農林省の希望でもあり、また同時に大口分解業者の希望でもあつたわけですから、そういう希望に沿いまして、公団の事務当局で一応それらの増産集荷の事業計画を作成いたしまして、それに対して予算をつくる。そういう策定したものにつきまして、供出をなすつた分解業者その他の了解も得て、農林省に正式に申請いたしまして、その認可を得たわけです。
  551. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 支出についてですか。
  552. 本村一良

    本村証人 そうです。
  553. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かありますか、そういう書類が……
  554. 本村一良

    本村証人 あります。
  555. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かそこにお持ちですか、あつたら……
  556. 本村一良

    本村証人 ここにあります。     〔本村証人書類を委員長に提出〕
  557. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主として使われたところは――公団本部でも相当使つていますね。
  558. 本村一良

    本村証人 一部使つております。
  559. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会も……
  560. 本村一良

    本村証人 大豆協会に対しましては、たしか四百万円……
  561. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会なんか、あんなに金を持つておるのに。どうして別途に四百万円やらなければならぬのか。
  562. 本村一良

    本村証人 これは物価庁と農林省が大豆奨励金を価格の中に織込むときの考え方として、これは培養施策に使うという了解があつたわけですが、その四百万円は昨年の大豆の集荷費用に使うので、増産奨励金から出すことは妥当でないから、集荷は別の面だということで、こういうことになつたように聞いております。
  563. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 水産協議会ですか、これはどういうものですか。
  564. 本村一良

    本村証人 これは漁油の大口消費者である先ほどの分解硬化油業者、それから魚油の生産者側に立ちます水産協会とかいつたようなものたち、つまり大豆協会と同じように、魚油につきましていろいろの利害関係の深い方々が集まつて、魚油の増産をはかるためにつくつた協議会であります。
  565. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから菜種協会……
  566. 本村一良

    本村証人 菜種協会も同じような趣旨で、菜種に関係のある方々のつくつた会であります。
  567. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油脂資源増産全国協議会というものもありますね。
  568. 本村一良

    本村証人 あります。
  569. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これにも出しましたね。
  570. 本村一良

    本村証人 ええ。
  571. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは、どういうものですか。
  572. 本村一良

    本村証人 これは大豆を除いたいろいろの日本の油脂資源の増産をはかるためにつくられた会であります。ですから菜種とか、亜麻仁とか、桐とか、あるいは米ぬかとか、そういうようなものの増産をはかるためにつくられたものです。
  573. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは何も仕事をしない、それつきりだとかいうお話ですが、どうですか。
  574. 本村一良

    本村証人 いや、仕事をしております。
  575. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは油脂資源増産全国協議会というものの内容をよく知つていますか。
  576. 本村一良

    本村証人 内容は詳しくは存じません。
  577. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何でも協会をやるといつて金を持つてつただけで、そのままになつておるという話しですが……
  578. 本村一良

    本村証人 そういうことは私承知しておりませんが……
  579. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こういうものが、大豆協会の仕事とまた別にあるのですか。
  580. 本村一良

    本村証人 大豆協会の方は、大豆を中心にして考えたわけです。
  581. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆以外と見ていいですか。
  582. 本村一良

    本村証人 そうです。大豆以外の油脂原料というわけです。
  583. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今の食品局長からの承認ですが、これはあなたのところで昭和二十三年十二月二十七日に出しておりますね。
  584. 本村一良

    本村証人 はあ。
  585. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで二十四年の二月に許可が来たのですね。
  586. 本村一良

    本村証人 そうです。
  587. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからこれだけ出したのですか。
  588. 本村一良

    本村証人 それから五百五十万円……
  589. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 五百五十万円だけですね。二十三年度は……
  590. 本村一良

    本村証人 二十三会計年度中におきまして拂い出しましたものは、六百三十万円です。
  591. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これも先ほど言つたように、大豆協会の場合と同じだが、これは会計検査院で問題になつたのでしよう。
  592. 本村一良

    本村証人 大豆の増産奨励費と同じような形で、やはり同じ意見があつたわけです。
  593. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしようね。一体このときの食品局長はだれですか。
  594. 本村一良

    本村証人 三堀さんだと思います。
  595. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 三堀参郎ですね。
  596. 本村一良

    本村証人 そうです。
  597. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会計検査院で問題になるものを、局長が承認を與えるということがどうも変だが、これはどういう関係なのですか。法律を知らないのですか。
  598. 本村一良

    本村証人 これは私にもちよつとわかりませんけれども……
  599. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次いで公団の運転資金の現状について承りたいのですが、この資金は大体どこからこれを得ておつたのですか。
  600. 本村一良

    本村証人 公団の運転資金ですか。
  601. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。
  602. 本村一良

    本村証人 ことしの十月までは例の認証手形によつて動いております。十月以降は預金部の借入れであります。
  603. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その前復金からは……
  604. 本村一良

    本村証人 最初の公団法によりますと、復金が公団の運転資金を出すということになつておりましたけれども、復金からは、事実上昨年の夏ごろから資金の貸出しは受けておりません。それで八億ほどの残額がずつと残つておりまして、たしかこの九月ごろだつたと思いますが、預金部へ肩がわりしております。
  605. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれだけ……
  606. 本村一良

    本村証人 八億そのまま、残金からの残額を預金部に切りかえたわけであります。
  607. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほか官庁への滞納金は大分あるのではないですか。
  608. 本村一良

    本村証人 いや、それは前にあつたのです。それは結局どういうことかと申しますと、公団は当時基本金が一千万円で、これは什器を買つてしまつたら、ほとんど何も残らない。それで復金は、八億以上はあとの貸出しがありません。それで、その復金の貸出しを停止するについてとられた措置として、いわゆる認証手形制度ができたわけでございますが、認証手形は御承知の通り期間が六十日しかない。そこで私の方の公団といたしましては、どうしても品物が六十日間で資金化しないわけでございます。そこで六十日と、それから実際に品物が回転する間のつなぎ資金がないということで、非常に苦慮して、各方面に対しまして、復金の貸出し等をお願いしたのですが、どうしても復金からの貸出しが得られなかつた。そこでやむを得ざる措置として、それだけが貿易庁に対する未払いの形でしばらく残つていたわけでございます。そこで今年の三月だつたと思いますが、いろいろと関係方面で御心配ただきまして、当時約十億の未拂金があつたと思いますが、基本金を十五億円増加さしていただいて、それを完済いたしました。
  609. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 資本増加によつて埋め合せた……
  610. 本村一良

    本村証人 そうです。
  611. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 認証手形による未決済ということは、これはないわけでしようね。
  612. 本村一良

    本村証人 九月三十日打切りで、認証を停止してございますから、それの最終期日が十一月の三十日に参ります。ですから現在残高はありますが、認証手形を不渡りにした例は一ぺんもございません。
  613. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今度拂いますか。
  614. 本村一良

    本村証人 拂います。
  615. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売掛金は相当残つておるそうですね。
  616. 本村一良

    本村証人 売掛金はあります。
  617. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今幾らくらいありますか。
  618. 本村一良

    本村証人 ただいま九月の決算をやつておりまして、はつきりした数字を覚えておりませんが、帳面上はやはり十七億くらい出るかと思います。ただこの際お断りしておきたいことは、帳簿技術上出て来る売掛金が相当あるということなのであります。ほんとうに品物を渡してしまつて、金がとれないために売掛けになつているものは比較的ごくわずかです。受渡しの操作上、たとえば横浜へ船が入つて、その品物をただちに工場へ運び込むという公団と貿易庁との受渡しは本船で受渡しになりますが、工場と公団との受渡しは岩壁着であります。そこで嚴密に品物に合せて経理の処置をしておきますと、船が港へ入つたときに売掛けを立てて、公団の在庫品として一応上げておいて、岸壁へ着いたときにそれを売掛けなり商品販賣に切りかえるわけですが、港から岩壁までの間というのが、荷役の都合で一週間か二週間で済むということと、毎日毎日少しずつ工場へ到着するものを克明に記録して、そういう記帳をすることは非常に煩瑣でありますので、本船が入りますと、各工場割当分について一応全部これを売掛けの形をとります。そしてその帳簿上売掛けの形になりますが、実際に品物がまだ向うの受渡し場所まで行つていないというようなケースが相当入つております。私といたしましては、この中でいわゆる焦げつきの不良債権的な売掛けは、ほとんどないのではないかと思います。
  619. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全部とれる。
  620. 本村一良

    本村証人 はい。
  621. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 するとこれはもともと資本金は幾らですか。
  622. 本村一良

    本村証人 ただいま十五億一千万円。
  623. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 増資したのはどれだけからどれだけに……
  624. 本村一良

    本村証人 一千万円から十五億一千万円に増資したのであります。
  625. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、十五億と八億で二十三億の借金があるわけですね。
  626. 本村一良

    本村証人 預金部からはもつと借受けがあります。
  627. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 幾らあるのですか。
  628. 本村一良

    本村証人 大体八十六億くらいあります。先ほどの八億を含めまして……
  629. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 八十幾ら……
  630. 本村一良

    本村証人 八十六億だつたと思います。これは多少数字が違うかもしれません。
  631. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると十五億円の資本金ですから、百億になるわけですね。
  632. 本村一良

    本村証人 それに対して大体百億くらいの商品の在庫があります。
  633. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在。
  634. 本村一良

    本村証人 はい。
  635. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ではあまリ損は行かないわけですか。
  636. 本村一良

    本村証人 公団は、最終決算において赤字になるということは考えておりません。
  637. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大丈夫ですか。
  638. 本村一良

    本村証人 大丈夫です。
  639. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一体公団をやつてみて、こういういろいろなことがあるが、先ほど社員は非常に待遇がよくないということを言われたが、公団職員というものはたいへんほかの者から見ればいいのだということは、世上一般の評判なんだが……
  640. 本村一良

    本村証人 職員の待遇につきましては、私の方の人事課あたりでも、各一流会社の給与の動きなどもかなりよく調べていると思いますが、それから見ますと、やはり低いように思います。
  641. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうは言わないですよ。公団になつてから、特にあなた方は特別配慮されたがために、特別よくなつたのじやないですか。
  642. 本村一良

    本村証人 そういうことはありません。
  643. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前と同じですか。
  644. 本村一良

    本村証人 ただよけいなことになりますが、比較が非常にむずかましいのでして、公団発足当時は二千円か三千円で、今度一万円もらつていても、ふえたのか減つたのかということは比較できないと思います。特によくなつたとは思つておりません。
  645. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方は商売上から見て、公団というものは非常な成績を上げたと思いますか、それとも国家のためにどうだつたと思いますか。
  646. 本村一良

    本村証人 統制を純粋な形で持つて行く制度としては、一応公団の功績もあつたかと思いますが、やはり公団業務内容があくまでもビズネスであるというふうに考えると、ビズネスをビズネスライクに運営して行くためには、いわゆる官庁機構としての制約は、やはりマイナスであつたのではないかと思います。
  647. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まあその程度にしておきます。
  648. 菅家喜六

    ○菅家委員 先ほど証人は、二十四年度の七百七十名の定員は、二百十名というものが増加している。これは大蔵省の内示案があつたので、それに従つてつた……。その大蔵省の内示案というものは文書ですか、文書があれば見せていただきたい。
  649. 本村一良

    本村証人 文書じやございません。
  650. 菅家喜六

    ○菅家委員 そういう内示を與えた者は大蔵省のだれですか。
  651. 本村一良

    本村証人 内示を與えたという形じやないのです。つまり当時五百九十七名に対して、私の方からできれば約千名、少くとも八百五十名に増加してほしいということを折衝いたしておりまして、それじや二百名ぐらいはよろしいじやないかということで、一応そういう作業をやつた程度のことであります。従つて正式に言葉で内示という言葉が出たといたしますれば、それは取消さしていただきたいと思うのです。
  652. 菅家喜六

    ○菅家委員 先ほど委員長の尋問の際には、大蔵省の了解内示があつたので、二百十名というものを加えたと、こう証言しておりますね。
  653. 本村一良

    本村証人 そうじやなくて、二百十名の増加を見込む予算を組むような段取りにまでなつたのです。
  654. 菅家喜六

    ○菅家委員 大蔵省の了解を得た……
  655. 本村一良

    本村証人 大蔵省との話合いの上で、二百十名くらいの増加は大体認められるであろうという程度のところで……
  656. 菅家喜六

    ○菅家委員 その話合いはだれが……
  657. 本村一良

    本村証人 これは当時の主計局であつたと思います。
  658. 菅家喜六

    ○菅家委員 主計局のだれです。
  659. 本村一良

    本村証人 当時の主管の事務官であつたと思いますけれども、はつきりいたしません。
  660. 菅家喜六

    ○菅家委員 予算外支出の二千九百八十万円の内訳があつたようでありますが、まつたく実にかつてきわまる話だと思う。人件費が一千五百万円、しかも予算外の人員を含めて使つている。一体こういうことは会計法の違反になりませんか。政府から示された人員を超過してかつてに使つて予算外の支出というものを一千五百万円もしているというようなことは、会計法の違反じやありませんか。
  661. 本村一良

    本村証人 公団は会計法の適用は受けておらないのであります。
  662. 菅家喜六

    ○菅家委員 会計検査院でそれでよろしいというのですか。
  663. 本村一良

    本村証人 よろしいというわけじやございませんが、会計法の適用は受けてないわけです。
  664. 菅家喜六

    ○菅家委員 それじやその次に伺いますが、公団法の第十九條によつて、毎期経過した後に二箇月以内に安定本部の総務長官にその書類を提出して、その承認を得なければならない、こういうことに指定されているが、その承認を受けておられますか。
  665. 本村一良

    本村証人 受けております。
  666. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算外支出の……
  667. 本村一良

    本村証人 予算外支出じやなくて、毎期の財産目録なり、十九條に上げておりますそれぞれの書類について……
  668. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 予算外は別勘定ですか。承認が受けられるはずはないじやないですか。
  669. 菅家喜六

    ○菅家委員 それから先ほど剰余金でないということを証人は述べておられますが、これが剰余金でないという理由は、いかなる根拠によつてこれを剰余金でないと言われるのですか。何か根拠がなければ、ただ剰余金でないとは言えないのであつて一般に剰余金とみるのが至当である。何かよりどころがなければ剰余金でないということにはならない。
  670. 本村一良

    本村証人 剰余金と申しますのは、私の考えといたしましては、いわゆる損益計算書における利益金が剰余金だというふうに考えるわけです。ところがこれは損益計算に関係がない。いわゆる貸借対照表上の勘定になりますので、剰余金にならないと申し上げたわけであります。
  671. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今でもあなたそう思つておりますか、先ほど私にそう言つたのだが。
  672. 本村一良

    本村証人 これは考え方の問題だと思いますけれども、私としては、現在やはりこれは一つのひものついた金だから、公団一般収入に入れるべきでないと考えております。
  673. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 たとえば先ほどの分解硬化用油価格差金も……
  674. 本村一良

    本村証人 分解硬化用油価格差金につきましては先ほど御説明申し上げました公定価格の告示による分は、大体それによる収入が四千九百万円ほどで、これが農林省の方の、先ほどお手元に差上げました使用許可によつて大体の使途がきめられておるわけであります。
  675. 菅家喜六

    ○菅家委員 それではそれはいいです。  次を聞きましよう。証人個人名義で積立てておられた金は、収入が二千八百二十万円、支出が二千二百八十万円、これは銀行ですか、どこへ預けたのですか。
  676. 本村一良

    本村証人 銀行です。
  677. 菅家喜六

    ○菅家委員 どこの銀行ですか。
  678. 本村一良

    本村証人 第一銀行の本店、それから千代田銀行の日本橋支店
  679. 菅家喜六

    ○菅家委員 その預金通帳はありますね。
  680. 本村一良

    本村証人 通帳は全部解約いたしておりますから、銀行に帰つております。
  681. 菅家喜六

    ○菅家委員 残つた金はどうなつておりますか。
  682. 本村一良

    本村証人 残つた金は、先般閉鎖機関整理委員会の方へ返済いたしております。
  683. 菅家喜六

    ○菅家委員 そうすると運送火災の解約金というものは大体どのくらいありますか、詳細なることを聞きたいと思います。
  684. 本村一良

    本村証人 これは二口ございまして、一口が三百四十四万円ほどです。それからもう一口が二百二十九万円だつたと思います。合計五百七十三万円。
  685. 菅家喜六

    ○菅家委員 それから延滞日歩の金は……
  686. 本村一良

    本村証人 延滞日歩は百十七万円です。
  687. 菅家喜六

    ○菅家委員 それではもつと何かなくてはならない、二千八百二十万円というには……
  688. 本村一良

    本村証人 二千八百二十万円の内訳を申し上げますと、閉鎖機関帝国油糧の債権の一部を流用いたしましたものが八百五十二万円、それから諸掛りで操作したものが六百十四万円です。
  689. 菅家喜六

    ○菅家委員 そうしますと支出の二千二百八十万円というものを証拠づける詳細なる書類はありますか。
  690. 本村一良

    本村証人 証拠づける……
  691. 菅家喜六

    ○菅家委員 この二千二百八十万円がどこへ支出したかわからないということはない。支出した場所がなければならない。
  692. 本村一良

    本村証人 これに対するつまり証憑ですか。
  693. 菅家喜六

    ○菅家委員 二千二百八十万円というものはどこへ拂われたかということです。
  694. 本村一良

    本村証人 先ほどちよつと申し上げましたように、大部分が人件賞とか旅費とか交通費というもので、職員に拂われておりまして、これの帳簿その他につきましては、昨年の十二月に全部焼却いたしておりますので……
  695. 菅家喜六

    ○菅家委員 焼いてしまつたというのですか。
  696. 本村一良

    本村証人 焼いてしまつたのです。
  697. 菅家喜六

    ○菅家委員 どういうわけですか。
  698. 本村一良

    本村証人 その件につきまして、実は先般来司直の御取調べを受けておるのであります。
  699. 菅家喜六

    ○菅家委員 そのことはいいが、焼却した理由です、どんな理由で焼いてしまつたのですか。
  700. 本村一良

    本村証人 これは私としては、こういうものは――実に單純な考え方で焼いてしまつたわけであります。
  701. 菅家喜六

    ○菅家委員 はつきり言つてください。あなたの個人名義で積立てておつた金があつて、二千二百八十万円という金を支出した。支出したならばこれを裏づけるところの証拠書類がなければならない。それを焼いてしまつたということは、だれが考えても妙なことになるでしよう。焼くには何か理由がなければ焼けないはずだ。正しいことの支払いをしたならば――人件費が千五百万円、会議費が四百二十万円、六十六万円が交通費、百万円が厚生費、渉外費が百三十万円、三十五万円が備品費だという、はつきりしたこれだけの支出をしたというならば、後まで証拠書類は残しておくべきなのに、それを焼くには何か次第がなければ焼けるはずがない。――答弁できないのですか。証言できないならできないでけつこうです。それは人に知られて困るようなものであるから、はつきりしないから焼いてしまつた方がいいというので焼いたのじやないですか。
  702. 本村一良

    本村証人 そういうわけです。
  703. 菅家喜六

    ○菅家委員 それじやはつきり記録にとどめておいていただきたい。個人名義で積立てておつた別途積立金、收入の二千八百二十万円のうち支出が二千二百八十万円。予算外支出をしておる。その内訳を証人は先ほど人件費、会議費、旅費、交通費、厚生費、渉外費、備品費に拂つたと証言しておる。その拂つた証拠書類があるかと言つたら、焼いてしまつたと言う。焼いた理由はと言つたら、この内容において人に知られては困るからこれを焼いた、こういう証言をしておる。はつきり速記録にとどめておいてもらいたい。
  704. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは刑事訴追を受けるからお答ええできないというのなら、そういつてもらわないと困ります。  それでもつと聞きたいのだが、二千八百幾らという数字はどこから出て来たのですか。
  705. 本村一良

    本村証人 私がそういう数字を申し上げるについての根拠があるかというのですか。
  706. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そう。
  707. 本村一良

    本村証人 これは預金の台帳は全部残つておりますから。ただ支拂つたときの受取書とか、そういう物を焼いてしまつた……
  708. 菅家喜六

    ○菅家委員 それは拂い出したのであるから、銀行では書いておかなければ拂えない。これは当然だ。それがどんなに使われて、使われた所がどのくらい正確になつてるかということを聞きたい。焼いてしまつたのは、疑問なものであるから、人に知られては困るから……
  709. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私が言つたのは違う。二千二百八十万円と言われるけれども、それがはたして正確な数字であるかどうかに疑念を持つて来たのです。あなたがそう言われるのは、銀行に預けたとか、あるいは検事局でわかつた金だけが二千二百八十万円じやないかね。
  710. 本村一良

    本村証人 そういうことはございません。
  711. 菅家喜六

    ○菅家委員 委員長、千代田銀行と第一銀行から預金通帳を参考資料として委員会へ取寄せてもらいたい。  二千二百八十万円にも疑問を抱かなければならない。めちやくちやな話であつて……
  712. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 菅家さん、それは検事局に出ておるのです。今私の言うのは、要するに検事局へ出たものだけが二千二百八十万円なので、まだほかにあるかもしれぬという疑いを持たざるを得ない。私はその点を言つている。
  713. 菅家喜六

    ○菅家委員 次に証人にお尋ねするが大豆協会の経理はどなたがやつておられますか。
  714. 本村一良

    本村証人 大豆協会の事務局で経理をやるわけでございます。
  715. 菅家喜六

    ○菅家委員 事務局のだれがやつておるか、事務局はないのであつて、ただ会長という名前だけで、使用人もない幽霊協会だ。幽霊協会であるが、実際は公団が事務をやつておる。公団でその経理の任務に当つておる人は何という人か、お尋ねするのです。
  716. 本村一良

    本村証人 大豆協会の理事の野村さんと、その下で実務を担当しておるのは、先ほど申し上げました門田さん。
  717. 菅家喜六

    ○菅家委員 門田という人が実際の経理をやつておるのですか。
  718. 本村一良

    本村証人 はい。
  719. 菅家喜六

    ○菅家委員 それから二十三年度、二十四年度の集荷督励計画に関する認可申請書をあなたの方で出しておるが、これを主務大臣に出さないで、食品局長あてに出したのはどういうわけでありますか。これは公団法の明記するところによつて、主務大臣に認可申請書を出すべきものである。食品局長が何らこれに対して認可するという法律の規定もないのであります。大臣はこれに対して認可することができるけれども、申請書が食品局長にあてられた理由はどういうわけですか。公団法のどの部分を見ましてもそういうことはない。
  720. 本村一良

    本村証人 それは私申請の当事者でありませんので、ちよつとどういう事情で局長にあてられたかわかりません。
  721. 菅家喜六

    ○菅家委員 それでけつこうであります。     〔「それはだれか」と呼ぶ者あり〕
  722. 本村一良

    本村証人 これは原料部長であります。
  723. 菅家喜六

    ○菅家委員 何という人ですか。
  724. 本村一良

    本村証人 三宅鹿之助。
  725. 菅家喜六

    ○菅家委員 これはその人に聞きましよう。農林省の食品局長にはこれに対する認可の権限はない。申請書を食品局長に出して、食品局長がこれを認可するということは違法だと思うが、これは証人関係がない。  この部分の全部出した明細書がありますか。
  726. 本村一良

    本村証人 あります。
  727. 菅家喜六

    ○菅家委員 これは領收書がありますか。これで見ると、どこどこ何々八十万円、どこに五十万円と詳細に計画書にはあるのですが、これらはみな証票はありますか。
  728. 本村一良

    本村証人 全部あります。
  729. 菅家喜六

    ○菅家委員 委員長、証票を参考にとつてもらいたい。これはだれが持つておりますか。
  730. 本村一良

    本村証人 これは経理部長が保管しております。つまり私の方といたしましては、たとえば増産協議会なら増産協議会へ渡したという受取りです。公団の支出に対する証票は全部とつてあります。
  731. 菅家喜六

    ○菅家委員 それはただここにある計画書で見ると、どこどこの都道府県の何々に幾ら幾らというのは、二十万とか八十万という金をやつて、その計画の内容も何も聞かなければ、その後の成績も公団では知つておらないわけです。ただ金をやりつぱなしで……
  732. 本村一良

    本村証人 それにつきましては、そこにもあると思いますが、実行計画というものも、もう一つ次に出ているのでございます。その大わくと申しますか、概略の予算のほかに、さらにそれをどういうふうに使つて行くかという克明な事業計画というものがあつて、それに従つて使つておるわけでございますが、ちよつとその書類を私……
  733. 菅家喜六

    ○菅家委員 つまり進行状況というものと、所要経費の支出状況を出さなければいけないのであつて、農林省にあなたの方で出しているわけです。出しましたか、出しませんか。この認可を與えるにあたつて、細目にわたつては別途打合せをすること、それから本件事業計画の進行状況及び所要経費の支出状況に関しては、毎月これを報告することという條件付で、食品局長は認可を與えている。毎月これは報告になつておらなければならないが、報告になつておりますか。
  734. 本村一良

    本村証人 これは原料部の方の所管で、私の方はよく存じません。
  735. 菅家喜六

    ○菅家委員 そうすると、先ほど述べられた原料部長というのは、あなたの方の原料部長に聞けばわかるのですね。
  736. 本村一良

    本村証人 そうです。
  737. 菅家喜六

    ○菅家委員 それでいいです。
  738. 高木松吉

    ○高木(松)委員 あなたは油糧産業株式会社の株を持つておりますか。
  739. 本村一良

    本村証人 持つております。
  740. 高木松吉

    ○高木(松)委員 幾株持つておられますか。
  741. 本村一良

    本村証人 三百株です。
  742. 高木松吉

    ○高木(松)委員 今日まで株の配当金はありましたか。
  743. 本村一良

    本村証人 配当金はなかつたように思います。はつきり覚えておりません。
  744. 高木松吉

    ○高木(松)委員 この油糧産業株式会社資本金は幾らになつておりますか。
  745. 本村一良

    本村証人 二百五十万円です。
  746. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、公団の方ではこれに相当仕事をまかせておりますね。仕事保險代理店や何かのことをやつているようですね。そこで結局あなたの個人名義に、保險期間がだぶつたり何かした時のもどし金を入れておりますが、そういう対立的関係にあるものに完全な監督ができますか、あなたの方で公団利益を主張するのに、じやまになるようなことはありませんでしたか。
  747. 本村一良

    本村証人 油糧産業との間にですか。
  748. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうです。私はあると思いますがね。あなたから聞きたいのは、要するに油糧産業公団との関係がそういうふうな事情になつているので……。たとえばあなたの方へもどし金がある場合でも、一月のもどし金があるのに、十五日のもどし金しかもらわないで、十五日は油糧産業にやるというような対立的監督というか、対立的利害の主張においてはつきりしてやつて来ましたか。
  749. 本村一良

    本村証人 それはきわめてはつきりやつて来ました。
  750. 高木松吉

    ○高木(松)委員 ほんとうですか。
  751. 本村一良

  752. 高木松吉

    ○高木(松)委員 きわめてとは……。あいまいのうちにやられるような状態ですがね。私どもはその前提……
  753. 本村一良

    本村証人 事務的にはそういうことはありません。
  754. 高木松吉

    ○高木(松)委員 なかつたかね。あるようなことを開いておりますが、それはほんとうですか。
  755. 本村一良

    本村証人 ありません。
  756. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それなら大豆協会というものに対して、公団は監督権を持つていたのですか。
  757. 本村一良

    本村証人 監督権は別にないと思います。
  758. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、大豆協会から交付金の請求が来た場合には、あなたの方で何ら調査せずに、ただちに農林省に伝達して、許可というか、容認されるのですか。
  759. 本村一良

    本村証人 これは大豆協会の事業計画と申しますか、そういうものをつかみますのは、大体その年度間の大豆増産奨励金の集まり得る大体の見込みを立てて、それを総額としていろいろと予算をあらかじめ策定して、それの費用を農林省から公団に、公団が大豆協会へ交付することを農林省に総括的に……
  760. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、大豆協会から直接農林省に交付金の許可を得て、あなたの方から頂戴するという筋書ですか。
  761. 本村一良

    本村証人 公団が大豆協会にこれだけの金を交付するということを、あらかじめ農林省から指示を受けているわけです。
  762. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その申請はどちらからするのですか。
  763. 本村一良

    本村証人 公団がいたします。大豆協会にこの金を渡してしかるべく……
  764. 高木松吉

    ○高木(松)委員 一応公団では大豆協会の仕事の内容を査定して、これはもつともなりとして農林省に申請するのですか。
  765. 本村一良

    本村証人 事業計画の策定のときに、公団も一緒に参画いたします。
  766. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから大豆協会以外に、先ほど何か団体があつて、そこへも出しているというようなことを言つておりました。それは何という団体ですか。
  767. 本村一良

    本村証人 油脂増産協議会です。
  768. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それは大豆協会のやつている仕事以外の仕事ですか。
  769. 本村一良

    本村証人 大豆協会は大豆だけを対象としているわけであります。それからこれはそのほかの油脂についてやつているわけであります。
  770. 高木松吉

    ○高木(松)委員 われわれの一番ふしぎに思うことは、これらの各団体と言いましようか、会社や協会や、今言つたようなものと公団との間に、法的根拠に基いて、運営の上において截然たる区別をしていないところに疑いの根本があるのですが、これはどうですか。
  771. 本村一良

    本村証人 実務を何と言いますか、人的に多少の関連があつたような面があつたかとは思いますが、仕事の上、あるいは考え方の上としては、われわれとしてははつきり区別をしております。
  772. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そう言い切れますか。たとえば大豆協会の方は一人しか事務員がいないで、ほとんどあと公団の人間が片手間にやつておられるようだから、いわゆる公団の立場と大豆協会の立場とを混同する危險が十分あると思う。事実混同しているのですが、あなた方はそれを混同せずとはつきり言い切れますか。
  773. 本村一良

    本村証人 大豆協会のいわゆる一般経常費というものは、大豆協会の会費によつてまかなつておりまして、これは公団としては全然関知しておりません。
  774. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それなら一歩進んで聞きますが、公団の役職員が、たとえば理事のごときはまだいいのですが、その下の者、事務局の者が、公団の法規によつて大豆協会の事務をとるべしということになつておりますか。
  775. 本村一良

    本村証人 法規によつてはなつておりません。
  776. 高木松吉

    ○高木(松)委員 なつていないことをどうしてやられたのですか。
  777. 本村一良

    本村証人 兼務につきましては、農林省の了解、承認があるはずです。
  778. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはいつですか。
  779. 本村一良

    本村証人 詳細はちよつと覚えておりません。
  780. 高木松吉

    ○高木(松)委員 一体この油糧産業株式会社とあなた方の取引、そしてその取引から出て来た金を個人名義にあなたが預金しておつた。しかもその使途の明細書は焼いてなくなつたという事実と、それから今言つた大豆協会の職員、事務局とあなたの方とが截然区別していない。そして大豆協会に相当の金が出て行つている。その他その全部がこの二つの例のように行われているものをわれわれ国民が見たときに、はたしてあなた方がりつぱな責任を果して、今言い切つたようなことをしているとはだれも思わないのだが、あなた方はそれを言い切れますか。
  781. 本村一良

    本村証人 われわれといたしましては、疑いを持たれるようなことをしていないつもりでおります。
  782. 高木松吉

    ○高木(松)委員 これ以上聞いてもしようがないね。
  783. 菅家喜六

    ○菅家委員 もう一点だけ伺つておきますが、先ほど書類を、別途積立の支拂の証憑書類は焼却した。それはいつでございますか。
  784. 本村一良

    本村証人 それは昨年の十二月ごろです。
  785. 菅家喜六

    ○菅家委員 十二月の何日ごろですか。はつきりわかりませんか。
  786. 本村一良

    本村証人 はつきり覚えておりません。ただ十二月です。
  787. 菅家喜六

    ○菅家委員 場所は。
  788. 本村一良

    本村証人 公団の内部です。事務所です。
  789. 菅家喜六

    ○菅家委員 それはだれが、あなたが焼かれましたか。
  790. 本村一良

    本村証人 私が焼きました。
  791. 菅家喜六

    ○菅家委員 だれかに御相談なすつた人はありませんか。
  792. 本村一良

  793. 菅家喜六

    ○菅家委員 わかりました。
  794. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 簡單なことでありますが、あなたが公団の重要な地位におつきになる前は、何をしておりましたか。
  795. 本村一良

    本村証人 帝国油糧から転職したわけです。
  796. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうして帝国油糧では何をしておられましたか。
  797. 本村一良

    本村証人 いろいろありますが、最後は原料課長です。
  798. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それから何か帝国油糧内に労働組合でもありましたか。
  799. 本村一良

    本村証人 ありました。
  800. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 その執行委員か何かをやつておりましたか。
  801. 本村一良

    本村証人 ええやつておりました。
  802. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 帝国油糧時代に、そこの労働組合の執行委員長をしておつたのですか。
  803. 本村一良

    本村証人 そうです。
  804. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたは何か経営上の学問というとおかしいが、経験でもおありになつたのですか。
  805. 本村一良

    本村証人 経理事務を帝国油糧においてとつた経験はありません。
  806. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると、帝国油糧時代には経理事務の経験がなかつたにかかわらず、公団にお入りになるときは、この重要な経理の職についた、こういうわけですか。
  807. 本村一良

    本村証人 そうです。
  808. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたを紹介して公団に入れた人はありませんか。
  809. 本村一良

    本村証人 帝国油糧からそのまま……
  810. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 別に紹介ではないわけですか。
  811. 本村一良

    本村証人 そうです。全員そのまま、仕事と人とを引継いだわけです。
  812. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そこであなたをそういう重要な地位に抜擢したのはだれですか。
  813. 本村一良

    本村証人 これはやはり当時の総裁、副総裁が人事をおきめになつたものと思います。
  814. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうすると西川君がやつたというように……
  815. 本村一良

    本村証人 西川、松田、その他油糧公団理事がきめたものであると思います。
  816. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そうするとあなたは、経理上の経験もなくしてそういう重要な地位を與えられたときに、これをどう考えましたか。
  817. 本村一良

    本村証人 その時の経理部の課長には、古くから経理の練達の士がおりまして、それで経理部長の職というのは、別に毎日伝票を右左やるということと多少違いますのと、私自身も経済学の出身でありまして一応経理事の書類についての常識的な概念は持つております。それでまあ公団の新しい人事をきめるときに、やはり公団ばかりじやありませんが、経理の責任者というのは、單なる経理事務屋ではだめなんで、自分のやつている、自分の企業体なり公団なりのやつている事業全体に対してある程度の業務上の知識がなければ、ほんとうの経理上の運営ができない、こういう線から来たんだと思つております。
  818. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 そこで、西川氏の推薦で、ことにこういう大金をあなたの個人名義にして、しかも今聞けば驚くべく、何と言いますか、証拠書類を焼いてしまうというような、まことに何と言いますか、忠実と言うか、また西川君に対しては非常に忠勤をぬきんでているようにも考えられるのだが、そういう線から考えてみると、あなたをこの地位につけたのは、何か魂胆があつてつたんではないかと思われるのですか、西川君とは相当に個人的につつ込んでおつたのではないのですか。
  819. 本村一良

    本村証人 そういう事実はありません。私と西川さんとは、昭和十六、七年ごろからの上司と下僚の関係ではありましたけれども、特別に私と西川君とが親密である、あるいは特に練達であるということはなくて、普通の副総裁と部長という関係であります。
  820. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 部長級で一番信頼するに足ると見られたわけだな、西川君に……
  821. 菅家喜六

    ○菅家委員 もう一つ集荷督励費の書類はありますか。これも焼かれましたか。
  822. 本村一良

    本村証人 いや、あります。
  823. 菅家喜六

    ○菅家委員 それから先ほど、昨年十二月ごろ公団内において焼かれたということですが、西川総裁に話されたというのは、焼くことをあなたから話をされましたか。あるいは西川総裁からこの書類は焼いた方がいいと思うと言われましたか。この辺をもう少し詳しく率直に述べてください。
  824. 本村一良

    本村証人 これは私ははつきりした記憶がありませんけれども……
  825. 菅家喜六

    ○菅家委員 あなたの方から言われましたか、西川総裁の方からこの書類を焼却せよと言われましたか、それだけは覚えておられるでしよう。
  826. 本村一良

    本村証人 焼けと言われたのに対して、私は反対しなかつたと思います。
  827. 高木松吉

    ○高木(松)委員 今の菅家委員の質問と関連するが、まつたくこれは国民の名におい厳粛な気持であなたに聞きたいのだが、二千二百八十万円という費途明細書を、焼くには、焼かなければならない事情があつたのでしようね。その事情があつて西川総裁はあなたに焼けと命じたのでしよう。その事情を正直に述べてもらつた方が国民が納得するのですから、その点はつきりしてください。この一点だけ……
  828. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 先ほどから何べんも言いますが、もし刑事上の訴追があるという憂いがあつて述べられぬならよろしいと思います。それならそうだと言わなければならない。そうでなくて述べられないと、ちよつと困りますが……
  829. 本村一良

    本村証人 ただいまお言葉のありました刑事訴追上の関係で、これから公判が開かれるような段階にありますので、そういう意味でお答えを留保さしていただきたいと思います。
  830. 大橋武夫

    ○大橋委員 先ほど証人は、公団という制度がビズネス・ライクな運営ができなくて、非常に不都合と思うというような御意向でありましたが、どういう点がビズネス・ライクでないというふうにお認めになつておられますか。
  831. 本村一良

    本村証人 まず基本的には、現在の予算制度の、問題だと思うのです。いろいろありますら、一つの端的な例として申し上げてみたいと思いますことは、たとえば予算によりまして、すべての收入、支出が縛られる。従いまして定員も縛られる。ところが油糧につきましては、取扱い品の八十パーセント以上のものが外国の輸入にかかつておる。それであらかじめ予算で策定しただけの数量を日本側として買いつけるわけでない。そうい関係から取扱い数量を事前にはつきり握つておくわけに行かない。そこで大体の計画に基いて予算立てているのでございますが、実際には最近の、例で行きますと、非常にたくさんのものが入つて来る。従いまして油脂供給量もふえておりますが、同時に公団の事務もそれだけか多忙になつておる。その多忙に対して人間をふやすこともできない。それから、ヒズネスであります以上、品物が動けばそれだけ輸送経費がかかるわけでありますが、それも、経費が予算に縛られておる、それの一つの端的な現われといたしましては、現在公団といたしましては、金利を年に七、八億から十億くらい拂つておるわけであります。それがわれわれの考え方から行きますと、そのうちの一割か二割が当然節減できるものと考えております。そこでかりに一割か二割といたしましても、約一億近い金だ。ところがその一億近い金をセーブするためには、どうしても二千万、三千万の経費をかけなければならない。たとえて言いますれば、代金の取立てとか、あるいは事務の迅速をはかることのために、二千万、三千万の人件費、事務費をかければ、一億や一億五千万円の金利は完全にセーブできるということは明らかにわかつています。それができないというのが実情であります。
  832. 大橋武夫

    ○大橋委員 この予算は、そうすると毎年度きまるのでございますね。
  833. 本村一良

    本村証人 そうです。
  834. 大橋武夫

    ○大橋委員 どういう手続できまるのですか。
  835. 本村一良

    本村証人 これは一般の特別会計の予算の中の、公団予算としてきまるわけです。ですから食糧管理特別会計、貿易特別会計とかと同じような形です。
  836. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると公団のすべての経費が、政府の予算できまつておるわけですか。
  837. 本村一良

    本村証人 そういうわけです。
  838. 大橋武夫

    ○大橋委員 その予算をきめる際に、公団自体がこういうふうに予算をやるについては、こうしてほしいとか、こうした方が事業上うまく行くであろうというようなことは、何ら申し出られないのですか。
  839. 本村一良

    本村証人 いや、これにつきましては、予算を担当いたしますのは大蔵省の主計局でございますが、その予算案をまずつくります前に、安定本部や農林省と十分協議をいたしまして、大体の事業計画を立てて、それに基く予算を提出するわけです。それに基きまして、大蔵省の方でこれの査定をいたすわけでありますが、その査定のときには、現状におきましては、われわれのそういうような意図は、ほとんど認めていただく余地がないというのが実情でございます。
  840. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは大蔵省の方でも、全体の経費の節約のために、一部の事務費が増額されるということならば、これは認めるだろうと思うのですが、その辺のあなたの説明が十分でないというようなことはないですか。
  841. 本村一良

    本村証人 われわれといたしましては、説明に十全を盡しておるのでございますが、なお先方にそれだけのものが十分通じていない、あるいは大蔵省がさらに各方面と折衝する際にそういうものは切られるのか、その辺は私にはよくわかりません。
  842. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、予算制度そのものの本質的な問題というよりも、たまたま従来でき上つて来た予算を実際にあてはめてみると、今おつしやつたようないろいろな実情に適せざる点があつて、ビジス・ライクな運営を妨げておつた、こういう意味に理解していいのですか。
  843. 本村一良

    本村証人 それよりも、むしろ予算制度で持つて行くこと自身に問題があるじやないかと思うのです。つまり私の考え方で行きますと、公団予算は一応政府の一般の行政費の予算と同じような組み方で組んでおるのですが、御承知の特別会計並びに歳入と歳出とは、バランスが必ずとれるように組むわけです。従つて公団の経費予算が全体として縮まるならば、特に事務費、人件費について締めなくてもいいように考えられるわけですが、それが非常な強い制約によつて締められる。
  844. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは結局公団にそういうぐあいの悪い点がある、これをできるだけすべりよくさせるために裏勘定の制度をとらざるを得なかつたというのが、あなた方のお気持ですね。
  845. 本村一良

    本村証人 そうです。
  846. 大橋武夫

    ○大橋委員 そこで裏勘定を最初につくつたのは何年のいつごろですか。
  847. 本村一良

    本村証人 昭和二十三年の五月ごろかと思います。
  848. 大橋武夫

    ○大橋委員 公団のできたのはいつですか。
  849. 本村一良

    本村証人 二十三年二月です。
  850. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、予算のきまつたのはいつですか。
  851. 本村一良

    本村証人 二十三年の、ちよつとはつきりと覚えておりません。
  852. 大橋武夫

    ○大橋委員 はつきり覚えていないということはないでしよう。あなたの言われたことは、予算があるから、不都合だから裏勘定をつくつたという。ところが裏勘定をつくつたのは五月、予算のできたのはいつなのか覚えていない、それではあなたの今の説明は通らぬと思う。
  853. 本村一良

    本村証人 予算がいつできたかというのは、つまり二十三年度の四月の一日に間に合うべく。二十三年三月ごろ大蔵省といろいろやつておりましたが、これが正式に成立したのがいつかということは……
  854. 大橋武夫

    ○大橋委員 それを聞いておるのです。正式に成立した予算について、これがあるためにビジネス・ライクにできないと言われたから、それならば正式に成立した予算はいつ成立したか。
  855. 本村一良

    本村証人 二十三年四月だと思います。
  856. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、わずか一箇月の経験で、早くも予算に掲げてある経費を全部使つて、足りないから裏勘定をやつたということになりますか。
  857. 本村一良

    本村証人 そういうことと違います。
  858. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、初めから予算にない勘定を使おうと思つて勘定をやつたのですか。
  859. 本村一良

    本村証人 人件費については明らかです。
  860. 大橋武夫

    ○大橋委員 人件費については予算はあるじやないでか。
  861. 本村一良

    本村証人 しかしそれは二千九百二十円ベースの予算です。
  862. 大橋武夫

    ○大橋委員 しかしながらその年度の予算というものはあるはずだ。別に何人分といつて、毎月々々やらなければならぬものじやない。ですから年度の終りに行つて、いよいよ人件費が足りなくなつたから、そこで初めて裏勘定によつてこれを補正するというならわかるけれども、まだ一文も使わないうちから、多分足りなくなるであろうというところから裏勘定をつくつておるところに、この裏勘定というものをつくるのは、あなたが今言われたことと違つて、これは初めから裏勘定をつくつて何か自分たちの都合よくしようということのためにやつたとしか思われない。つまりあなたが今公団がビズネス・ライクでないと言われたのは、あなた方の都合から見たビズネス・ライクでないのであつて公団業務の運営の問題にあなたはひつかけておられるけれども、その点はあとからつけたことではありませんか。
  863. 本村一良

    本村証人 そうじやありません。人件費については、一応定員にかける單価できまつているわけですから、それの十二分の一を毎月使つて行くというのが、その月の予算みなしておるわけであります。
  864. 大橋武夫

    ○大橋委員 その点は私も承知しておりまするが、しかし何も実際上定員がそれだけたくさんおるならば、その予算を使つてつたらよろしいじやないですか。何も人件費は十二分の一ずつ使わなければならぬというような予算になつているはずはないでしよう。十二分の一で足りなければ、十分の一でも八分の一でも使つて、足りなくなつたときに、そこで追加の予算というものが出て来る。これが年度の初めから、そういう裏勘定でなければ足りないといつて勘定をつくつているのは、これは結局あなたがその裏勘定をつくるためにつくつた、それを予算にくつつけてしまつて言われておる。こういう口実としか受取れないと思うのです。しかしこの点はこれ以上追究しても、あなたの答えは今までとかわりありますまいね。
  865. 本村一良

    本村証人 ただ二十三年度における公団は、一般経費については国庫が交付しておるわけです。それは一箇年分まとめて交付はしてもらえなくて、たしか四半期分か一月分か覚えておりませんが、ごく小刻みに……
  866. 大橋武夫

    ○大橋委員 それは各公団は四半期分で交付しておりますね。ですから四半期の終りにそういう問題が起るならばわかるけれども、四半期の始まらないうちに早くもこの裏勘定ができている。  次にその裏勘定をつくつたときに、最初入つた金はどこからどういうような形で入りましたか。二十三年五月に入つた勘定は、そのときは小切手で入つていた金ですか、現金ですか、あるいは公団の経済から落したのですか、よその会社から入つたのですか。最初に預金したのは幾らですか。
  867. 本村一良

    本村証人 通帳をつくつたときに、幾らで預金したというのですか。
  868. 大橋武夫

    ○大橋委員 一番初めに取引を銀行と開始したときにいくら、だれがその銀行と取引に行きましたか。
  869. 本村一良

    本村証人 最初の金額その他はつきり覚えておりません。
  870. 大橋武夫

    ○大橋委員 銀行で調べればわかりますか。
  871. 木村榮

    木村委員 いや、銀行で調べなくとも、公団に帰ればわかります。
  872. 大橋武夫

    ○大橋委員 だれとだれと相談して、この裏勘定をつくることになつたのですか。
  873. 本村一良

    本村証人 西川前副総裁と私です。
  874. 大橋武夫

    ○大橋委員 二人だけで相談してこれをつくられた。そのとき初めにどういう金をここへ入れようという御相談でしたか。公団の経費で落した金を入れることにしたのですか、それとも初めから油糧産業から入つて来る金を入れようというおつもりでしたか。
  875. 本村一良

    本村証人 いや油糧産業から金をもろうということは、特に考えておりません。
  876. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはいつからですか。実際はもらつたのでしよう。
  877. 本村一良

    本村証人 もらつておりません。
  878. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、全部公団の経費で落したものですか。
  879. 本村一良

    本村証人 大体そうです。
  880. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうなるといよいよおかしいのであつて公団の経費というものは、公団予算から支弁されたものであつて、それが足りないから、そこで裏勘定をつくると言つてつたのと、その裏勘定をつくる金は、公団の経費で落して来るというのは、どうも先ほどのお答えと比べてますますもつてふに落ちない点だと思うが……
  881. 本村一良

    本村証人 ちよつと訂正いたしますが、経費という形ではないのです。
  882. 大橋武夫

    ○大橋委員 どういう形ですか。
  883. 本村一良

    本村証人 委員長、はなはだ申しかねますが、これは私の現在訴追中の問題でございますから……
  884. 大橋武夫

    ○大橋委員 答えられませんか――拒否されますか。
  885. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それを答えることにおいて、すぐ刑事訴追になり得るようにも思われないが、予算の問題でしよう。
  886. 大橋武夫

    ○大橋委員 最初の金がどこから出た金かということを伺つたのです。あるいは訴追事犯に関係あるかもしれません。
  887. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうですか。現に訴追されておる範囲なら言うてもいいでしよう。起訴事実に入つておれば……
  888. 本村一良

    本村証人 最初のは何だつたかということは、ちよつと帰つて見ないとわかりません。
  889. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは帰つてから後に、書面でお答えが願えますか。
  890. 本村一良

    本村証人 承知いたしました。
  891. 大橋武夫

    ○大橋委員 次に大豆協会に交付されました金ですが、これは法律的にはどういう根拠によつて交付されたのですか。もし法律的には根拠がないということであるならば、行政的にどういう手続によつて交付されたのです。
  892. 本村一良

    本村証人 大豆協会への交付行為ですね。これは大豆の増産奨励の事業を大豆協会がやるということが、農林省と油糧公団と大豆協会との間で計画その他ができておりましたのと、それから私の方で大豆増産奨励金を積み立てておりましたのとで、これを結び合せるために、公団から公団の積み立てたこの金を、大豆協会へ交付したいという申請を出しまして、その認可を受けたわけです。
  893. 大橋武夫

    ○大橋委員 そのときに事前にどこかで、大豆協会と農林省と公団とで、こういうふうに大豆協会に交付しようじやないかということについての御相談が持たれましたか。
  894. 本村一良

    本村証人 それは私わかりません。
  895. 大橋武夫

    ○大橋委員 それはだれに伺えばわかりますか。
  896. 本村一良

    本村証人 それはやはり大豆部長かと思います。
  897. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするとあなたは、こういうことにきまつたから出してくれと言われて出しただけですね。
  898. 本村一良

    本村証人 そういうわけです。
  899. 大橋武夫

    ○大橋委員 たれから言われたのですか。
  900. 本村一良

    本村証人 大豆部長か副総裁か、はつきり覚えておりません。
  901. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうするとあなたは小切手を切つただけであつて、大豆協会がどういうふうな運びでこの金をもらうようになつたかのいきさつについては、御存じないのですね。
  902. 本村一良

    本村証人 ええ関係しておりません。
  903. 大橋武夫

    ○大橋委員 それからあなたは油糧産の株を持つておられますね。
  904. 本村一良

    本村証人 はい。
  905. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは三百株に対して全額拂込みをされておりますか。
  906. 本村一良

    本村証人 全額は……
  907. 大橋武夫

    ○大橋委員 その株券はあなたはだれから取得されたのですか。
  908. 本村一良

    本村証人 油糧産業からです。
  909. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたは現に家に持つておられますか。
  910. 本村一良

    本村証人 はい。
  911. 大橋武夫

    ○大橋委員 保管しておるのですね。
  912. 本村一良

    本村証人 持つております。
  913. 大橋武夫

    ○大橋委員 その株券はいつごろ受取られましたか。創立当時ですか。
  914. 本村一良

    本村証人 大分あとの話です。
  915. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたは拂込みはしないのですね。株だけもらつたのですね。
  916. 本村一良

    本村証人 そうです。
  917. 大橋武夫

    ○大橋委員 そうすると、それは贈與を受けたわけですね。
  918. 本村一良

    本村証人 贈與ということもないと思います。
  919. 大橋武夫

    ○大橋委員 預かつたのですか。
  920. 本村一良

    本村証人 いや、それは……
  921. 大橋武夫

    ○大橋委員 あなたは油糧産業以外に、この油糧公団関係会社取引先の株をもつと持つておられますか。それだけですか。
  922. 本村一良

    本村証人 取引先……
  923. 大橋武夫

    ○大橋委員 取引のある会社の株式を――たとえば油糧産業類似の……
  924. 本村一良

    本村証人 そういうものは……
  925. 大橋武夫

    ○大橋委員 これだけですか。
  926. 本村一良

    本村証人 そういうものはないと思います。
  927. 大橋武夫

    ○大橋委員 これだけですか。
  928. 本村一良

    本村証人 はい、そのように思います。
  929. 大橋武夫

    ○大橋委員 それでは油糧産業に対する支拂いは、毎月どのくらいになつておりますか、公団のすべての支拂いは……
  930. 本村一良

    本村証人 ちよつとこれは調べてみないとわかりません。
  931. 大橋武夫

    ○大橋委員 大体の見当を、何億台とか、何十億台とか、何千万台とか、そういうラウンド・ナンバーでの見当はつきませんか。一箇年間でどのくらいの取引がありますか。
  932. 本村一良

    本村証人 全国にわたつておりますので、ちよつと見当がつきません。
  933. 大橋武夫

    ○大橋委員 結局あなたのところで支拂いをしておられるわけですね。
  934. 本村一良

    本村証人 いや、そうじやありません。これは各支部が自分の取引先に持つております。本部へはそういう経費の支拂いは連絡が来ておりません。
  935. 大橋武夫

    ○大橋委員 委員長から、油糧産業公団取引高が全国で一箇年間にどのくらいという資料を取寄せていただきたいと思います。
  936. 篠田弘作

    ○篠田委員 証人にお尋ねしますが、あなたは油糧公団にお入りになる前にいらした会社の労働組合の執行委員長をおやりになつたことはありますか。
  937. 本村一良

    本村証人 あります。
  938. 篠田弘作

    ○篠田委員 それは何という組合ですか。
  939. 本村一良

    本村証人 帝国油糧従業員組合です。
  940. 篠田弘作

    ○篠田委員 それであなたは執行委員長として、何年から何年ぐらいまでの間おやりになりましたか。――大体でいいです。
  941. 本村一良

    本村証人 一年ぐらいだと思います。
  942. 篠田弘作

    ○篠田委員 何年から何年までですか。
  943. 本村一良

    本村証人 帝国油糧閉鎖になる前一箇年間ですから、二十一年の暮れから二十二年の初めごろだつたと思いますが、はつきり覚えておりません。
  944. 篠田弘作

    ○篠田委員 それで執行委員長つたから、もちろん共産党とか、社会党とかは別問題といたしまして、何かの党派に属しておられるものと思いますが、党派に属していらつしやいましたならば、その党派の名前は何というのですか。
  945. 本村一良

    本村証人 私はどこの政党にも関係しておりません。
  946. 篠田弘作

    ○篠田委員 そうすると、その労働組合には政党には関係のない労働組合だつたわけですか。
  947. 本村一良

    本村証人 全然関係がありません。
  948. 篠田弘作

    ○篠田委員 それではもう一つお伺いいたします。あなたは二千二百八十万円の支出について、いろいろ菅家委員その他にお答えになりましたが、最後にその書類をお焼きになつた。しかし私はただいまあなたの説明を聞いておりまして、二千二百八十万円の使途というものが、ピンからキリまで全部不正に使われたとは考え得られない。そのうちの何パーセントかは合法的に使われて、大部分は不正に使われたか知らぬが、しかしその書類をあなたがお焼きになることによつて、あなた方の犯罪といいますか、不正を裏書きすることは赤ん坊でもわかることと思う。にもかかわらずそれをあえて焼かなければならなかつたということについては、あなた方の犯罪を隠匿するという目的以外に、もつと大きな目的がなければならない。もつと他の大きなあなた方以上の何ものかに迷惑がかかるということがなければ、そういうような犯罪を裏書きするような行為はあり得ないと考えるのであります。たとえば政党の有力者であるとか、ある政党に対してその二千二百八十万円の中からいくらかが贈られているというような事実はございませんか。
  949. 本村一良

    本村証人 そういう事実はないと思います。
  950. 篠田弘作

    ○篠田委員 絶対にございませんか。
  951. 本村一良

    本村証人 ございません。私の知つておる範囲ではございません。
  952. 篠田弘作

    ○篠田委員 それではあなたの知らない範囲ではあるかもしれない、あなたはないと思うのですね。
  953. 本村一良

    本村証人 そうです。
  954. 篠田弘作

    ○篠田委員 あなたが小切手なり何なりを切つた、その小切手の行先については保証できないわけですね。全部金の使途というものについて責任をもつておるかどうか、それとも小切手だけをだれかに切つて渡したというようなことは……
  955. 本村一良

    本村証人 私は全部使途のはつきりした先に渡しております。
  956. 篠田弘作

    ○篠田委員 二千二百万円全部はつきりしておるわけですね。
  957. 本村一良

    本村証人 そうです。
  958. 篠田弘作

    ○篠田委員 それをどうして焼くのです。焼くということは、子供が考えるようなことじやないですか。あなた方がお焼きになつたのは、まだ刑事訴追の起らない前の問題だつたのですね。焼くということによつて自分たちの犯罪を裏書きすることになる。そうすると、焼くということは自分たちの犯罪を隠すために焼いたのではなくて、自分たちよりももつと大きなところに迷惑を及ぼすという考えがなければ焼くはずがない。そういう意味から言うと、どこかに迷惑を及ぼしていけないと思つてあなた方がお焼きになつた、自分たちの犯罪を隠すならば、もつと合法的に書類をよけいつくつて、そして検察当局に出すべきがほんとうだと思いますが、そういう事実はありませんか。
  959. 本村一良

    本村証人 ございません。
  960. 篠田弘作

    ○篠田委員 絶対にないですね。
  961. 本村一良

    本村証人 ありません。
  962. 小林進

    小林(進)委員 一つだけお尋ねいたしますが、今の支出の面の二千二百八十万円の証拠書類を焼いたというお話ですが、一方收入の面、裏勘定預金の二千八百二十万円の方の收入に関する証拠書類その他が現在おありになりますかどうかをお聞きしたいのであります。收入の方でございます。
  963. 本村一良

    本村証人 收入に対する收支の明細につきましては……
  964. 小林進

    小林(進)委員 收入の裏勘定の方の売掛金や、延滞利子でもうけたという裏勘定預金の二千八百二十万円にも、相当のインチキがあるのじやないかというような予感がするのですが、あるいはもつとあるのじやないかというような感じがしますので、こういう証憑書類がおありなのかどうかということをお聞きしておるわけです。
  965. 本村一良

    本村証人 それらにつきましては、銀行の小切手の裏書きその他によりまして、検察当局でも十分お調べいただいておりますので、私としてははつきりしているというふうに申し上げております。
  966. 小林進

    小林(進)委員 銀行預金ははつきりしておりますが、その裏づけになる、どこからの売上金が幾ら、どこどこの延滞利子が幾らというような証憑書類もそろつておりますね。
  967. 本村一良

    本村証人 それは検察庁の方で十分お調べをいただいておるわけです。
  968. 小林進

    小林(進)委員 その次にお尋ねしますが、大豆の奨励金だとか、裏勘定預金だとか、分解硬化用油価格差益金、そういうものはあなた方の手元でまず数千万円の金が別途会計で持たれていたわけでありますが、そういう金を他に今まで流用された――浮貸しというわけではありませんが、他に流用されたことはありませんか。
  969. 本村一良

    本村証人 それはありません。
  970. 小林進

    小林(進)委員 全然営利的にはやつたことはないのですね。
  971. 本村一良

    本村証人 そうです。
  972. 小林進

    小林(進)委員 それではその次にひとつお尋ねしたいのは、さつきの保險の契約について何かお話があつたので、私はひとつ疑点があるのですが、保險契約というものは、大体動産保險などというものは、毎月々々契約をして、一月契約で月のかわるごとに契約を更新するのではないのですか。私はそのように記憶しておるのですが、あなたのお話によると、二月だ三月だと、大体品物を保管している期間を予想してやられておるような話でありましたが、本来は一月で保險契約を更新して行くのじやないかと思うのですが……
  973. 本村一良

    本村証人 いや、そういうことはやつてないのです。
  974. 小林進

    小林(進)委員 あなたの方では保管期間というものを大体予想して、そうして二月なり三月なりの契約をなさつたのですか、
  975. 本村一良

    本村証人 そうです。
  976. 小林進

    小林(進)委員 そうですか、これは私の勉強が足りないかもしれませんが、いま一回調べます。  それではその次にいま一つお尋ねしたいのは、大豆の奨励金について昭和二十三年度一俵六円十五銭、翌年度は二円というような、販売価格の中から奨励金をとるというようなことを、だれが一体どこで、どうきめられたのか。そこをひとついま少し具体的にお聞かせ願いたいと思いますが、公団内部できめられたのか、あるいは農林省のその係の方も入られて、あるいは大豆協会が入つて、三者合議の上できめられたのか。そのきめられたところの様子をいま少し私は具体的にお聞きしたいと思います。
  977. 本村一良

    本村証人 これは私の方の実は所管事項ではございませんで、大豆の価格をきめるにつきましては、たとえば大豆協会、農林省、そういつたような担当部課で立案、策定するわけで、私どもの経理部といたしましては、今度きまつた価格がこうなつた、内訳はこうだという連絡を受けるだけでございまして、その辺のこまかいいきさつはよくわかりません。
  978. 小林進

    小林(進)委員 これは販売価格ですからして、消費者価格にぶつかつて来ているので、米の問題なんか見ましても、供出の奨励金などというものについては、相当厳格な方法できめられている。それを大豆に関する限り、供出奨励金みたいな増産奨励金が、何だかあいまい模糊ときめられている。同じ食糧でも米に対する奨励金と大豆に対する奨励金の取扱いが違つて、あまりどうもやみの中できめられているようで、私どもは非常にふに落ちない。もしあなたの方でいま少しくお知りになつていたら、丁寧にひとつ御回答願いたいと思うのですが……
  979. 本村一良

    本村証人 私の所管事項と違いますので、詳しく存じません。
  980. 小林進

    小林(進)委員 どなたにお聞きしたらよいのですか。
  981. 本村一良

    本村証人 大豆部長に聞いていただいたらけつこうです。
  982. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 物価庁の許可を得ているでしようか。
  983. 本村一良

    本村証人 もちろんそうです。物価庁が決定するのです。
  984. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだけよけいとつていることを……
  985. 本村一良

    本村証人 そうです。つまり生産者価格が幾ら、公団販売価格が幾ら、この幅の間に含むわけですから、その幅の間は非常にこまかい。つまり運賃が幾ら、保管料が幾ら、金利が幾らときめる。そのときに一緒にきめるわけです。
  986. 小林進

    小林(進)委員 それから次にいま一つだけで終りますが、さつきの委員長の質問に、油脂増産のためならば、大口業者が犠牲を拂つて四十八円の金を出してもよろしい、こういうことでその金をとつたのですが、その金を別途に積み立てることについては少しおかしいではないかという委員長の質問に、いやそれは一応別途に積立てをしておいて、あとで農林省とか、あるいは公団と大口の業者と三者で相談の上で、その使う方法は講ずるのであるから、一応は積立てにしておこうということにしているんだというあなたの御答弁でありました。ところがその答弁をまたついて行くと、結局その相談はなしに、今度は公団の方でその使途について農林省の指示をお願いして、農林省の方でそれを許可されたというふうにお話しになつているのであります。ちよつとその前後の答弁が、こういう大きな金の使用方法に対してどうもそこらが少しあいまいじやないかと思います。
  987. 本村一良

    本村証人 先ほど私の言葉にあるいは足らない点もあつたかと思いますが、その使途の申請につきましての申請書は、公団総裁の名義で出ておりますが、その案をつくりますにつきましては、当然関係者が集まつてきめているわけです。
  988. 小林進

    小林(進)委員 その点は間違いございませんか。
  989. 本村一良

    本村証人 ありません。
  990. 小林進

    小林(進)委員 わかりました。
  991. 菅家喜六

    ○菅家委員 もう一点、これは証人にお気の毒になるといけないので念を押しておきますが、先ほど委員長並びに私どもの質問に対して証言された予算外支出の経費の問題で、個人名義になつている二千八百二十万円のうちの支出が二千二百八十万円、その内訳はどうかといつて聞いたところが、人件費幾ら、何々がこれこれだという証言をされた。それでみな疑問に思つて、それならば焼く必要はないじやないか、何か不正なことがあるか、またはそれ以上の人に迷惑をこうむるものがあるから書類を焼いたんだろうという疑問は当然起る。そこで私はあなたの証言の人件費その他を全部調べるとわかつて来ますが、それを間違えると、あなたは偽証罪に問われることになるので、念を押しておきますが、先ほど詳細に証言され支出内容に間違いはありませんか。これは一々調べるとすぐにわかります。人件費も会議費も旅費も交通費も厚生費も調べるとわかることになつて、もしあなたがせつかくほんとうのことを言われるならば、ここで訂正しておかれないと、あなたが偽証罪に問われることになる。詳しい備品費までもこれを述べられている。もしわれわれが調べてこの金額に間違いがあるということになると、あなたは気の毒な偽証罪に問われることになる。そこは大切なところでありますから、その内容をさつき証言したけれども、これはこういうふうにつくつたのであるならばつくつたのであるというように、今のうちにおつしやつた方が証人のためによろしいと思います。われわれは調べなければなりませんから、調べるとわかつて来ます。書類がなくてもわかつてくるのであるから、なおもう一応念を押しておきたい。そういうことになつてはお気の毒であるからそこまであなたが真実を述べられたならば、さつき証言したところの内容はでたらめであるならでたらめであるということを、今訂正された方が証人のためでれると思うから、最後に一点だけ申し上げておきます。
  992. 本村一良

    本村証人 さつき申し上げたことに間違いございません。
  993. 菅家喜六

    ○菅家委員 詳細に述べた会議費、五十万円の旅費、六十六万円の交通費、百万円の厚生費、渉外費、備品費、間違いございませんか。
  994. 本村一良

    本村証人 ありません。
  995. 菅家喜六

    ○菅家委員 間違いないものを焼いた理由は、聞かなくてもいいが、間違いありませんね。
  996. 本村一良

    本村証人 ありません。
  997. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと聞きますが、先ほどから委員の方から注文があつたので、支部の方の支出も調べたいと思いますが、支部の方の帳簿も焼いておりはせぬか。
  998. 本村一良

    本村証人 支部の方の支出は、さつきお話のあつたの油糧産業に幾ら拂つたかという問題でありますので、そういうものは公団の正式の帳簿ですから、必ずわかります。
  999. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは済みました。野村千秋さんですね。
  1000. 野村千秋

    ○野村証人 そうです。
  1001. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは油糧配給公団の大豆部長をやつておいでになつたようですが、それはいつからいつまでですか。
  1002. 野村千秋

    ○野村証人 私が油糧配給公団の大豆部長をやつておりました期間は昨年の四月から本年の九月まででございます。
  1003. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆部長の前は何をおやりでしたか。
  1004. 野村千秋

    ○野村証人 大豆部長の前は、当時解散前の全国農業会におりました。
  1005. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全農ですね。
  1006. 野村千秋

    ○野村証人 そうです。
  1007. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年の四月まで全農をやつてつて、それからお入りになつたのですな。
  1008. 野村千秋

    ○野村証人 全農はもう前からおりまして、二十三年の四月全農をやめて、ただちに油糧配給公団に入つたわけであります。
  1009. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会の常任理事をおやりになつてつたそうですね。
  1010. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。油糧配給公団の大豆部長をやりますと同時に、協会の方の常任理事に推薦されまして、やつてつたわけでございます。
  1011. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると配給公団の大豆部長兼大豆協会の常任理事であつた、こういうことになるわけでございますね。
  1012. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1013. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆部長はどういう仕事をするものですか。
  1014. 野村千秋

    ○野村証人 大豆部長の仕事といたしましては、大豆部の仕事を統轄することになつておりまして、大豆部の仕事は、外国から入ります輸入大豆を除いた国産大豆の買入れ、食糧管理局から拂下げを受けておりますが、その買入れと売渡し、それから油かすの買入れ、売渡し、それから大豆及び油かすの輸送あるいは保管、受渡しといつたような点それに附帯するような業務、そのような業務は、すべて実務は油糧配給公団支部がいたしますが、本部の大豆部といたしましては、それらを統轄する建前になつております。
  1015. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたは何をおやりですか。
  1016. 野村千秋

    ○野村証人 ただいま日本容器株式会社社長をいたしております。
  1017. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういう会社ですか。
  1018. 野村千秋

    ○野村証人 これは油糧配給公団の持つております麻袋の回收、保管、修理というような仕事の代行をさせておる会社でございます。
  1019. 鍛冶良作

  1020. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1021. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会とはどういうものですか。
  1022. 野村千秋

    ○野村証人 大豆協会は、私が公団にごやつかいになります前からありました。昭和二十一年の創立かと記憶しておりますが、任意の組織でございまして、大体国内的には大豆の増産をはかり、一方輸入をなるべく多くするというような輸入の促進、その他大豆政策についての調査研究等をやる任意の組合と申しますか、組織であります。
  1023. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつ、どういう人によつて設立せられましたか。
  1024. 野村千秋

    ○野村証人 創立は明確でありませんが、二十一年三月に創立されたように聞いております。設立当初の人、あるいは会員というものについても明確でございませんが、大体大豆に関する加工業者中心に、みそ関係、しよう油関係、精油関係、あるいはアミノ酸の関係等の個人または団体を会員としてできておつたと思います。
  1025. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで目的は先ほどわかりましたが、増産とか輸入の奨励等で、具体的にどんなことをやつておりましたか。
  1026. 野村千秋

    ○野村証人 ずつと以前、私が大豆協会の仕事をやるようになる前はちよつとはつきりいたしませんが、私が関係いたしました以後のことを申し上げますと、国産大豆の増産につきまして、中心仕事は大豆作改善協議会というものを開きました。これは従来増産のために、いろいろとられておりました、たとえば米の多収穫協議会というような組織、それと模様は少し違いましたが、大体そういう考え方で、大豆の増産をはかるための共進会をやりました、これが中心的な仕事でもあつたわけであります。それといろいろ関連はあるわけでありますが、大豆の品種が非常に雑多であり、品種改良が行われておりません関係で、品種改良に対する関心を深めたいというようなことから、県の協同組合、その他県の大豆協会、または協議会というようなところと連絡いたしまして、農家によつてつくられた大豆の優良と認められるようなものを、一定の期日、場所を指定いたしまして、そこに集め、それの性質、栽培の方法、特徴というものを農事試験場ではつきりさせていただきまして、それの栽培方法はどうである、收量はどうであるというようなことについてお互いの実験、経験等をそこで発表し行いまして、そのうちから自分の土地なり地方に適しそうだと思われるものを、皆に若干ずつわけて持ち帰らせまして、そうしてその結果を翌年また応じ交換会をやつてそこで発表させる、こういうことを大豆種子の展示交換会でやつたわけであります。  それからその次に大豆の栽培について、どちらかと申しますと日本の技術が米麦中心に向つておました関係から、大豆の栽培技術については非常におろそかになつてつたように私どもには感じられましたので、主要な大豆作地帯におきまして、農業会の技術員とか、試験場の方とか、そういう方々を、集めまして、大豆つくりの民間の若干の専門家、あるいは試験場の方々講師といたしまして、そこで講習会をやるといつたようなことがあつたわけであります。それからその他、農事試験場でいろいろと大豆に関する各種の試験をやりたいとおもつておりましても、経費が非常にないわけでございます。そういうために、大豆協会から試験場に研究をお願いするというような形で、ある程度の試験、研究をいたしておりましたし、また直接農家にお願いしまして、農家での大豆増産の試験、研究と申しますか、経験を正確に調べてもらいまして、それを報告してもらうというような、大豆増産に関する試験、研究のこともやつたわけでございます。
  1027. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで協会の仕事を主としてやつてつたのはだれだれでありますか。
  1028. 野村千秋

    ○野村証人 この仕事を主としてやりましたのが、ただいまは名前がかわつておりますが、その当時におきましては大豆部に生産課というものが、ございまして、その課長が戸矢崎という男でございますが、これが技術については相当明るいわけでございます。
  1029. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の中の……
  1030. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。公団の中の大豆部の生産課でございます。それでその大豆協会は、経費の関係その他から、専任の事務員を置けない事情がございましたので、公団職員が、今の生産課の仕事公団仕事であると同時に、大豆協会の仕事であるというような、おかしなかつこうがとられておつたわけでございます。
  1031. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実務はそこでやつてつたわけですね。
  1032. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1033. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたが常任理事で、あなたの下の人は……
  1034. 野村千秋

    ○野村証人 事務局長。
  1035. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その事務局長はだれですか。
  1036. 野村千秋

    ○野村証人 それは公団から見ますと、大豆部の次長になつておりますが、門田盛貫というものでございます。
  1037. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これが事務局長になつてつたのですね。兼務ですね。
  1038. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1039. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 主として仕事をしておつたのはそれだけですか。あなたが常任理事としてそれから事務局長がおおつて、それで生産課の者がやつてつた、そういうことになりますね。
  1040. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1041. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会長は……
  1042. 野村千秋

    ○野村証人 和田博雄さんでございます。
  1043. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあまり出て来ないのですか。
  1044. 野村千秋

    ○野村証人 大体毎週一回出てもらうことになつて、相当期間出てもらいましたが、最近は事務局の方から必要に応じて連絡する……
  1045. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからこの経費はどこから出ておつたのですか。
  1046. 野村千秋

    ○野村証人 大豆協会の経費は、一般経費と私どもが申している会費の負担金によるものが一つでございます。その次には、油糧配給公団が大豆の増産奨励金として積み立てておるものを、大豆協会が交付してもらうという経費が一つであります。もう一つは、集荷督励費としてもらつておる経費があります。
  1047. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはみな公団からですか。
  1048. 野村千秋

    ○野村証人 集荷督励費と大豆増産奨励金の部分は、公団から交付を受けております。
  1049. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会費はどういうことになつておりますか。会費は二種類あるようですね。
  1050. 野村千秋

    ○野村証人 会費は、毎年当初に理事会、総会を開きまして、会費を集めておりますが、大豆協会の会員の状態が非常にまちまちでございますし、またその規模が大小さまざまでありますので、一律に会費を分担してもらうことが、非常に困難な事情にありまして、結局ある程度の了解だけを理事会や総会等においてとつて、実情に基いて事務局がそれぞれの負担をしてくれる相手に渡りをつけて、会費をもらうというような形にせざるを得ないので、これはいつも困つておるわけではございます。方法がないので基準がなかなか出ないので、そういうことを、やつておりますが、そういう形で年度初めに会費はきまるわけでございます。その後新たに金が必要になつて来るという場合においては、前にきまつた会費のほかに、特別にこうい使途のために、会費を新たにまた出してもらいたいということが起り得るわけでありまして、これは単なる事務的の関係でございますが、当初にきまつた予算とは別に、特別の、会費というような形で処理しておつたわけでございます。
  1051. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 特別会費と通常会費というのがあつたたそうですね。――收入のところに、一般会費と特別会費というのにわけておるようですが……
  1052. 野村千秋

    ○野村証人 特別経費に入るから、会費と言つたのかもしれませんが、その名前を私はつきり記憶しておりませんが、今申し上げたように、年度初めにおいてきまつた後において、さらに必要が出て来た場合に負担をしてもらうのが、特別経費として処理しておつたわけでございまして、その処理に該当した会費が、特別会費というふうになつておるかと記憶いたします。
  1053. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とにかくそういう二種類あつたのですね。二十三年度は一般会費はどのくらい入つておりますか。
  1054. 野村千秋

    ○野村証人 二十三年度の決算がございますが、一般経費の方と特別経費がわけてございませんので、全部合せて百八十二万三千円の收入になつております。
  1055. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは一般経費でございますか。
  1056. 野村千秋

    ○野村証人 この中に、先ほど申し上げました特別経費として受入れたものも入つておるようでございます。
  1057. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほか特別会費として百二十万円入つておりませんか。
  1058. 野村千秋

    ○野村証人 特別会費として、三回にわけて、百二十万円もらつております。
  1059. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしよう。
  1060. 野村千秋

    ○野村証人 そのうち二十三年度の收入になつておるのが九十万前後かと思います。それで百二十万の特別会費のうち、三十万か三十五万が昭和二十四年度に入つておると思いますけれども……
  1061. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはさつき言われた百八十万のほかですね、別にですね。
  1062. 野村千秋

    ○野村証人 別ではなくて、百二十万の特別会費の中に両年度にまたがるものがあつて、昭和二十四年度になつてから入つた分を除いては、今申し上げました百八十二万の中に入つておるように記憶しております。
  1063. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと違うようだがあとでもう一度よく調べておいてください。そのほかに百二十万入つておるようですよ。  そこで今あなたのおつしやつた大豆増産奬励金ですが、これはどういう意味の金なのですか。
  1064. 野村千秋

    ○野村証人 大豆増産奬励金は、昭和二十一年から油糧公団の前身の帝国油糧の当時から大豆価格の中に織り込まれて、それが増産のために使われておつたように聞いておりますが、その後引続いて公団になりましてからも、依然として大豆増産奨励金を織り込んでいただくべく、私が農林省や物価庁にお願いをして参つております。これは現在施行されております予算のうち、農林省の分が編成される当時に、これは臨時的な措置として、決してすつきりした経費でないということは、前から物価庁等でも言われておりましたので、昨年は何とか農林省で大豆増産予算をとつていただきたいということを、いろいろとお願いしまして、初めて千七、八百万円の大豆増産のための経費を農林省の省議を通してもらつたわけでございますが、しかし大蔵省の御都合で、それが認めていただくわけには参らなかつた。そういう経緯もございまして、もう一年この臨時措置としての大豆増産奬励金を価格の中に織り込んでいただきたいということをお願いしまして、昨年は四円十銭の場合と、その後におきまして、六十キロ一俵につきまして六円十五銭の増産奬金を織り込んでいただき、ごく最近に大豆の価格が改訂になりました際、大豆の取扱い数量も相当多くなつておるし、今まで通りの価格を織り込む必要もないとおもうからというような事情で、六円十五銭が、二円に減りまして計上されておるはずであります。
  1065. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二円になつたのはいつからですか。
  1066. 野村千秋

    ○野村証人 二円になりましたのは、二十四年の九月七日付をもつて物価庁から告示されました大豆の価格でございますが、そのときから従来の六円十五銭でなくなりまして、二円ということになつております。
  1067. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは生産者価格でない、消費者価格ですね。
  1068. 野村千秋

    ○野村証人 はい。
  1069. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 消費者価格が動くのですね。
  1070. 野村千秋

    ○野村証人 はい。
  1071. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やはり物価庁の方で、それをそうゆうふうに指示して来たのですか。
  1072. 野村千秋

    ○野村証人 物価庁の価格算出の表の中には、油糧配給公団の経費という項目と、それから大豆協会経費という項目、それから販売業者のマージンというような項目にわかれてそれぞれできておるから……
  1073. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかるのですね。  そこで二十三年度に合計してその金はいくら出ておりますか。
  1074. 野村千秋

    ○野村証人 二十三年度、これはいわゆる帝糧から公団になりなりました時期が昨年の二月ころだと記憶しておりますが、公団になつてから、そこに二十三年度といつても二十二年度が一、二箇月入つております。それで申し上げますと、ことしの三月末までの分が千四百三十五万四千六百七十二円五十四銭になつております。
  1075. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは公団から出たのですね。要するに公団の売買代金として受取られたのですね。一ぺん代金としてそれを公団受取つてから、あなたが大豆部長としてそれをまたもらつて来るのですか。
  1076. 野村千秋

    ○野村証人 もらう場合は、今度は協会の立場になるわけです。
  1077. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 奬励金を出すという仕事も、大豆部長としてやるのでしよう。金の出し入れは経理でやるけれども、これだけださにやいかぬということも、あなたの方でやるのでしよう。
  1078. 野村千秋

    ○野村証人 それは価格がきまつておりますから、その分は当然公団の経理からはずれておるわけでございます。従つて出せと言わないでも出さざるを得ない仕組みになつておるのでございます。その場合に大豆協会の方といたしましては、必要に応じて伝票を起しまして、それをもつて経理部の方に要求するという建前で、最初は一括して出さずに、必要に応じて支拂いを受取つたという形になつております。
  1079. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これを受取つて保管しておるのはたれですか。
  1080. 野村千秋

    ○野村証人 これは従来は、公団の経理部が保管をいたしておつたわけでございますが、今も申し上げますように、従来は大豆協会が、事務局長が伝票を起しまして、必要に応じて外に支拂う。必要の起つた場合に伝票を起して経理に請求をしまして、それをとつて支拂うということをやつてつたのでありますが、今は全部積立てのできた分だけを――大豆が販売されるたびに、それだけは積立が行われるわけでありますから、その分は公団から大豆協会が、ただちに必要があるなしにかかわらず、もらつて保管をいたしております。
  1081. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方は……
  1082. 野村千秋

    ○野村証人 これは事務局長の責任で保管しております。
  1083. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 金が公団に入りますね。その中から出すときはどういう名義で出すのですか。
  1084. 野村千秋

    ○野村証人 各地にある支部が、いわゆる販売代金として入つて来たものを、当然公団の経理においてやつて行くべき分と、大豆協会の増産奨励金とわけます。それを本部につけかえて来るわけです。
  1085. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのつけかえたものはだれが受取るのですか。
  1086. 野村千秋

    ○野村証人 その書類は、経理部長が受取りますか、経理課長が受取りますか、はつきりいたしませんが、受取りまして、それを大豆協会に渡す。
  1087. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それであなた受取るのですか。
  1088. 野村千秋

    ○野村証人 私はそこまで言えませんが、責任は私が……
  1089. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 課長でもだれでもいいがとるのですか。
  1090. 野村千秋

    ○野村証人 そうです。
  1091. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 名儀は何という名儀で預金しておつたのですか。
  1092. 野村千秋

    ○野村証人 預金先と預金の名儀はちよつと私……
  1093. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの言われるのは違つておるようですよ。二十三年度の話です。
  1094. 野村千秋

    ○野村証人 二十三年度におきましては、全部公団に経理を頼んできまして、必要に応じて必要な分だけをもらうという形をいたしておりました。
  1095. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでしよう。それで公団ではどうゆう名義でそれを留保しておるかということを聞いておる。あなたは知らないのですか。
  1096. 野村千秋

    ○野村証人 知らないです。
  1097. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団では得意先前受金という名前で別途に積立てておつたようですよ。
  1098. 野村千秋

    ○野村証人 経理のことは何にもわかりません。一応責任を持つてもらつておりますので……
  1099. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その中から、あなたは伝票なり請求書なり出してとつて来るというわけですね。二十四年度はどうしたのですか。
  1100. 野村千秋

    ○野村証人 二十四年度は、最初からでなく、途中からだと思いますが、従来のように大豆協会が必要に応じてもらうという形をやめまして、公団に積立金がたまりますと、その都度大豆協会がそれをもらうという建前をとつております。
  1101. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからですか。
  1102. 野村千秋

    ○野村証人 時期はちよつとはつきりいたしません。
  1103. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 価格改訂になつた八、九月、ころじやないですか。
  1104. 野村千秋

    ○野村証人 もう少し前じやないかと思う。ちつともわかりません。
  1105. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうしてそうゆうことにかわつたのですか。
  1106. 野村千秋

    ○野村証人 それは調査庁あたりからも御注意を受けておりますし、こちらの事務局の方々からも、明瞭を欠くというお話を受けておりますので、そういうふうにいたしたわけであります。
  1107. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 さつきおなたが言われた集荷督励費というのがありましたね。これはどういう金ですか。
  1108. 野村千秋

    ○野村証人 これは金の性質というようなものにつきましては、私大口分解、硬化用油の差金というような話は聞いておりますが、これは私どもにとつては、要するに性質はどうであろうとも、大豆増産なり集荷のために使えばよいというふうな点にもつぱら関心がありますので、金の性質については詳細にはわかりません。
  1109. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一体集荷督励という仕事公団仕事ですか。それとも大豆協会の仕事ですか。
  1110. 野村千秋

    ○野村証人 これは、公団の附帯業務としてやるのだという話は私聞いたことがありますが、そうゆう関係については、ちよつと確信のあるお答えはできません。
  1111. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたのところはそれを実際にやつておりましたか。先ほどあなたの説明では、大豆協会はそれをやつておらぬということですが……
  1112. 野村千秋

    ○野村証人 増産の方も途中でしり切れみたいになつておりますけれども集荷の方もやつております。
  1113. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうゆうことをやつておりますか。
  1114. 野村千秋

    ○野村証人 たとえば昨年は大豆の文化展覧会というものを東京でやりまして、地方にも少しまわしましたが、大豆の重要性が一般国民と申しますか、宣伝としてそういうことをやりまして、してやるという点もありますし、地方の大豆生産者、あるいは大豆地帯における協同組合でありますとか、村の人たちに、大豆が非常に供出か少くて、外国にもつぱら仰いでいるというふうな事情をよく説明して、供出に対する意欲を高めるための協議会等をやらせております。集荷督励のために要した経費の大部分はそうゆう経費でございます。
  1115. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはやはりあなたの方でやつておりますか。
  1116. 野村千秋

    ○野村証人 私の方を通じてやつているわけでありまして、私ども自身が若干地方に行くということかありましても、これは全国的でございますので、公団支部を使い、あるいは県の事務所のあるところは事務所を使い、それ各県ございますから、そこのしりをたたいてやつてもらうのであります。
  1117. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の何課でそうゆう事務を扱つておりますか。
  1118. 野村千秋

    ○野村証人 公団支部では原料課でやつております。
  1119. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはまつた公団の付帯業務といつてよいでしよう。調べたところによりますと、付帯業務をやるときには安本長官の認可を得てやり、金を出すときも認可を得て出さなければならぬが、それがいやなものだから、大豆協会がやつた形にしておるが、そこはどうですか。そうでははないのですか。
  1120. 野村千秋

    ○野村証人 それは大豆協会長から公団総裁に事業計画を出しまして、そうゆう手続きはいたしております。
  1121. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 幾らほどの奨励金を二十三年度はもらいましたか。
  1122. 野村千秋

    ○野村証人 二十三年度において、四百四十万円いただいております。
  1123. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは公団からですね。
  1124. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。集荷督励費としてとつておるのです。
  1125. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると先ほどの大豆増産奨励金と、この集荷督励費と合せて千四百三十五万円、そのうち二十四年度に繰越される分が八百七十六万円ございます。それから集荷督励費の四百四十四万円のうち、二万円だけが残りましたので、二十四年度に繰越しをいたしております。
  1126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは今だれが持つていますか。
  1127. 野村千秋

    ○野村証人 それは事務局長の名前で持つております。
  1128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在の銀行の帳じりはちよつとわかりません。
  1129. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 年度末には、まだ公団そのものとして保留しておつたのでしよう。私は年度末のことを聞いておるのだ。
  1130. 野村千秋

    ○野村証人 留保と申しますか、繰越した分については、その後年度末以降において、使つておりますし、年度内に使つた分は現在はないわけでございます。
  1131. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今言われたように、残つた金は相当な額になりますね。
  1132. 野村千秋

    ○野村証人 八百二十二万になります。これは三月末において残つた分であります。
  1133. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その金はだれがどういう形で持つておりましたか。
  1134. 野村千秋

    ○野村証人 この当時残つた金は、さつき申し上げましたように、公団で経費をしておつて所有しております。
  1135. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今みんなあなたのところで引継いでおりますか。
  1136. 野村千秋

    ○野村証人 現在は引継いでおります。
  1137. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつ引継ぎましたか。
  1138. 野村千秋

    ○野村証人 八月の四日以降十一月の七日までに、四十万円とか十五万円とかいうような形でばらばらに引継いでおります。
  1139. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうしてそんなおかしいことをするのですか。
  1140. 野村千秋

    ○野村証人 支部から、これだけは増産奨励金として積み立てたという報告がありますから。
  1141. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは新しいものだね。まだ去年の残りがあるでしよう。
  1142. 野村千秋

    ○野村証人 去年の残りは、先ほど申し上げましたように、この四月の当時しておつてくれたと思います。
  1143. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはまだ公団に残つておるのですか。
  1144. 野村千秋

    ○野村証人 今年度に入りまして使つた分が相当あるわけでございますがその資料はございません。
  1145. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 收支がわからんのですか。あなたはどれだけ使つて、どれだけ公団に預けてあるかわからぬのですか。
  1146. 野村千秋

    ○野村証人 現在公団に預けてある分はないと思います。
  1147. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もうなくなつてしまつたのですか。
  1148. 野村千秋

    ○野村証人 はい。
  1149. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今やかましく言われたから、そういうふうにしなければならぬと思つたので、実際は公団が残つた金を持つておるのでしよう。実際は今こう言われたから、初めてそう言つたんでしよう。それが事実でしよう。あなた自身は会計をやつてはいないでしよう。
  1150. 野村千秋

    ○野村証人 現在でございますか。
  1151. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在はやつておるかもしれないけれども。前は……、
  1152. 野村千秋

    ○野村証人 前は、さつきから申し上げますように、公団がやつてつたわけでございます。
  1153. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それがほんとうでしよう。それから地方へ相当配付しておりますね。事実地方へ金を配付したものは、これは全部地方へまわつておりますか。表向き出たことになつて、実際出ないものがありませんか。
  1154. 野村千秋

    ○野村証人 そういうものはございません。
  1155. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから一ぺん地方へやつたら、拂つたことにして、それを呼びもどして公団に入れたことがあるそうですが、それはどうですか。
  1156. 野村千秋

    ○野村証人 そういうことはございません。
  1157. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いありませんか。これは重大なことですよ。
  1158. 野村千秋

    ○野村証人 ただ、たとえば地方の人たちがこちらに来て、理事会に出られまして、地方の会費はいくら納めるのだという場合に、一体中央からいくら来て、われわれがいくら会費を納めるのだというそろばん勘定で、これだけ納めるなら、もう少しもらわなくては困るという言い方はしております。しかし私どもといたしましては、会費は、地方からはなるべくとらないようにするということでやつておりますから、出した者をまたやつてもらうというようなことはあり得ないはずでございます。
  1159. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 地方から出たり入つたりしているのだが……
  1160. 野村千秋

    ○野村証人 地方からは会費はとつております。
  1161. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会の経理についての監督はだれがやつているのですか。
  1162. 野村千秋

    ○野村証人 大豆協会の経理の監督は、農林省の食品局がやつてくれているわけです。
  1163. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際やつておりますか。
  1164. 野村千秋

    ○野村証人 具体的に予算を組むときと、決算報告で御説明申し上げるだけで、その間別にこれということはいたしておりません。
  1165. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 かようなやり方について、名前は別だが、同じものを出したり入れたりしておつてはいかんということは、監督官庁として言わなかつたですか。
  1166. 野村千秋

    ○野村証人 そういうことは言われておりません。
  1167. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは会計検査院はいかがですか。
  1168. 野村千秋

    ○野村証人 直接会計検査院とお話を申し上げる機会がなくて、もつぱら経理の方でやつてくれたわけでございますが、増産奬励金についてはいろいろ意見が述べられたようでございます。
  1169. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 増産奬励金、それから集荷督励金だつて同じでしよう。
  1170. 野村千秋

    ○野村証人 そうでございます。
  1171. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうことを聞いておりましよう。
  1172. 野村千秋

    ○野村証人 聞いております。
  1173. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつともあなた自身がやつておらない、公団自身でやつておるのだから、そうかもしれぬが、こういうことははなはだしくよくないということはおわかりになつたのですか。
  1174. 野村千秋

    ○野村証人 はあ。
  1175. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次に、あなたは大豆部長として、大豆糧穀販売業会というものに、大豆粉および大豆ミールの配給業務を代行せられたことがありますか。
  1176. 野村千秋

    ○野村証人 あります。
  1177. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはどういうことなんですか。
  1178. 野村千秋

    ○野村証人 これは油糧販売公団ができます前から、このような組合に大豆や脱脂大豆の取扱いを代行させておつたわけでございますが、油糧公団ができましてからも、引継き脱脂大豆の輸送その他の事務を代行させておりました。最初の経理はどういうことであつたかわかりませんが、私が参りましてからも、引続いてやらせておりました。
  1179. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年度で相当代行料金を拂われたようですが、幾らほどお拂いになりましたか。
  1180. 野村千秋

    ○野村証人 正確なところははつきりいたしませんが、この団体が油糧配給公団の代行機関として仕事をしまして、それに対して支拂つた公団の代行料が、ちよつと今計算しますが、これは公団としてでありましたか、あるいは帝国油糧あたりから引継いだ分もおそらく若干含まれておると思いますがが、百十万ほど拂つております。それの内容は大豆粉がトン数にしまして三万六千八百トンになつておりましてこれの單価がトン三十円でございました。今それの計算をいたしてみたわけでございます。それが約百十万円になつております。
  1181. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのくらいじやないようです。こつちの調べたところでは四百五十万からになつておるのです。
  1182. 野村千秋

    ○野村証人 ちよつと申し上げますが、それは今申し上げました三万六千トンの大豆粉、これは帝国油糧なり公団が行うべき仕事を、公団から代行料 を支出いたしましてやらせた分でございます。それが数量にして三万六千トンに今計算をいたしたわけでございますが、そのほかに、これは代行料と申しますか、その辺の言い方は非常にはつきりいたしませんけれども、四月一日から指定販売業者ができまして、それにクーポンを集めさして、公団は指定販売業者に売る、こういう建前になつたわけでございます。しかし制度は一応そういうふうな形で指定は行われましたけれども、各種のクーポン制実施に関する態度が整わなかつたために、指定はいたしましたけれども、指定した販売業者の活用はできなかつた。その間公団がみずから直接に配給するということになるわけでございますが、全国八千といわれる醸造関係の方たちに公団が直接に配給するということはできませんので、勢い従来から公団が代行料を自分から拂つて代行さしておりました脱脂穀糧の組合に、いわゆる代行といえば代行でございますが、指定販売業者が行うべき機能をさしたわけでございます。しかしその場合には、公団は代行料というようなものは支拂つてはおりません。そうしてその手数料は、公団が支拂わないでどうしたかと申しますと、指定販売業者に予定されたものの手数料がございますが、それを代行機関に渡すと申しますか、代行機関がそれをもらうことを認めたわけでございます。
  1183. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはつまり予算の振りかえになるのだが。
  1184. 野村千秋

    ○野村証人 予算の振りかえではございません。公団の引取るべき価格はきちんと物価庁告示の価格の中に明示されておりますから、それ以上は公団としてはとれないわけでございます。
  1185. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だからその指定販売業者のやるべきものをやらぬで、代行をやつたものにやつたのでしよう。
  1186. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1187. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはきまつておるのでしよう。指定販売業者にやれるということは予算に出ておるのでしよう。
  1188. 野村千秋

    ○野村証人 予算には出ておりません。
  1189. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何から出るのですか。
  1190. 野村千秋

    ○野村証人 公団は指定価格が二つに立てられておりまして、公団は指定販売業者に幾らで売れという価格が出ております。指定販売業者は醸造家に幾らで売れという価格が出ております。でありますから、指定販売業者のマージンなるものは公団の経理とは完全に無関係なものでございます。
  1191. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代行料九十円というのはどういうのですか。
  1192. 野村千秋

    ○野村証人 九十円と申しますのは、従来の言い方で代行々々と言つて来ておるわけでございますが、その内容は今申し上げますように、従来の三十円の場合は、公団の経理から支拂つた実際の代行でございます。それから九十円の場合は、公団の経理とは関係のないもので、代行と言うと語弊があるわけでございますが、そういう……
  1193. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それをやることになつて、えらいもうかることになつたんだな。六十円違つたらたいへんじやないですか。
  1194. 野村千秋

    ○野村証人 これは価格がその後何回もかわつて来ておりますが、この価格のマージンがふえたということは、別に代行の問題とは関係はございません。
  1195. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにしても、代行したものはずいぶんもうかつたわけですね。
  1196. 野村千秋

    ○野村証人 全体の公団のいわゆる販売価格と販売案者のマージンは大体二パーセント足らずでございまして、決してほかの公団その他のあれと比べて多いことはありません。御参考までに申しますと、今申し上げました九十円は大豆粉でございますが、ミールは二百円であつたのでございます。これは八月ごろにきまつた値段でございますが、その年の十二月に変更になつてきまつたミールの販売業者の手数料は八百円になつておるのであります。これは完全な指定販売業者にやつたわけでございまして、今の組合とは何ら関係はないわけでございますが、価格が上るに従つて大体何パーセントぐらいというような形で押えられる結果、指定販売業者のマージンも、それに応じてある程度ふえたわけでございます。
  1197. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでずいぶん販売業界がもうかつたので、あなたは代行料の一部を大豆協会に寄付されるといつて、何か寄付をとられたそうですね。要するに割もどしだな。これはどれだけもらいましたか。
  1198. 野村千秋

    ○野村証人 先ほど特別会費と申し上げましたのが、それに当たるわけでございます。
  1199. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは百二十万ですか。
  1200. 野村千秋

    ○野村証人 そうでございます。昨年末から今年度にかけましてもらつておるはずでございます。
  1201. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 百二十万、それを特別会費と言つたのですね。
  1202. 野村千秋

    ○野村証人 そうです。
  1203. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その百二十万円はなんにお使いになりましたか。
  1204. 野村千秋

    ○野村証人 主として自動車の購入並びに維持費に充てております。
  1205. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その自動車は今だれがつかつておりますか。
  1206. 野村千秋

    ○野村証人 大豆協会が使つておりますが、主としてお使いになるのは和田会長であります。
  1207. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなた方が使うことはあるのですか。
  1208. 野村千秋

    ○野村証人 あります。
  1209. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いありませんか。和田さんの自家用じやありませんか。
  1210. 野村千秋

    ○野村証人 そうじやありません。
  1211. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 車庫はどこにありますか。
  1212. 野村千秋

    ○野村証人 車庫は和田さんのところにあります。
  1213. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 きのう西川氏は、丸の内ガレージに預けてあると言つたが……
  1214. 野村千秋

    ○野村証人 油糧公団もああいう場所にありますし、ガレージがないものでありますから、公団の車もあつちこつち遠いところにあるわけでございます。たまたま和田さんがガレージをもつておられましたので、それにお願いをいたしておるわけでございます。
  1215. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでその運転手はあなたの方で雇つているのですか。
  1216. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1217. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 運転手の給料もあなたの方で拂つておるのですか。
  1218. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1219. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ガソリンも拂つておるのですか。
  1220. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1221. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで車は和田さんのところへ置いて、和田さんが乗つておるのですか。
  1222. 野村千秋

    ○野村証人 和田さんも乗りますし、われわれも乗ります。
  1223. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうときにあなた方乗りますか。
  1224. 野村千秋

    ○野村証人 和田さんが終始お使いになつておるわけではありませんので、一時間でも二時間でも余裕のあるたびに、この運転手は必ず公団に参つております。これはいつも参つております。
  1225. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一ぺん総括して申しますが、先ほどのところから言うと、脱脂糧穀販売協会へ特にこれを代行させて、そして指定販売業者がきまつて、その間だとおつしやるが、そのかわりの金を全部やつて、それから特別会費としてとつて、そしてその自動車を買つて、和田さんのところに置いてある、こういうことになりますね。
  1226. 野村千秋

    ○野村証人 脱脂糧穀にやらせたということにつきましては、従来からそれが代行機関としてやつてきたということと、それから指定販売制度が、一応指定票が渡つて、自分は指定販売業者だということがはつきりしておきながら、しかも七月の末になりまして、ようやく農林省は、今までは油糧公団に直売させたけれども、今度からは指定販売業者を使うのだというふうな通知が出たというような実情でございます。その間はいかなる機関かを使つて配給しなければならないという事情があつたのでございます。
  1227. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは関係官庁と了解を得ましたか。
  1228. 野村千秋

    ○野村証人 農林省と打合せをしました。
  1229. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこに代行させるということを……
  1230. 野村千秋

    ○野村証人 さようでございます。
  1231. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではほかに何かありますか。
  1232. 篠田弘作

    ○篠田委員 きようは大分長く証人も調べておりますし、いろいろの関係がありますから、委員の質問は延期いたしまして、明後十四日の午後一時から継続し、残りの証人を再び喚問して、委員の質問を継続されんことを望みます。     〔「異議無し」と呼ぶ者あり〕
  1233. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではこのまま十四日まで延期しまして、十四日に継続して調べることにいたします。十四日午後一時に開きます。野村さん及び北山さんは、継続としてやりますから、呼び出しをあらためて出しませんから、どうぞ十四日午後一時に御出頭願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十五分散会