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1949-11-11 第6回国会 衆議院 考査特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十一日(金曜日)     午後一時三十一分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 大橋 武夫君 理事 小玉 治行君    理事 高木 松吉君 理事 内藤  隆君    理事 吉武 惠市君 理事 猪俣 浩三君    理事 木村  榮君 理事 小松 勇次君       安部 俊吾君    井手 光治君       岡延右エ門君    菅家 喜六君       佐々木秀世君    篠田 弘作君       塚原 俊郎君    西村 直己君       福井  勇君    福田  一君       赤松  勇君    加藤 鐐造君       橋本 金一君    横田甚太郎君       小林  進君    岡田 春夫君       浦口 鉄男君  委員外出席者         証     人         (元油糧配給公         団副総裁)   西川 英三君         証     人         (元油糧産業株         式会社常務取締         役)      小林多喜雄君         証     人         (元油糧運送株         式会社社長)  安部 義香君 十日三十一日  委員神山茂夫君及び聽濤克巳君辞任につき、そ  の補欠として木村榮君及び横田甚太郎君が議長  の指名で委員に選任された。 十一月十一日  理事神山茂夫君の補欠として木村榮君が理事に  当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  証人出頭要求に関する件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  理事神山君が先日委員を辞任いたしましたので、理事補欠をいたさねばなりませんが、これは前例に従いまして、委員長において指名いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それでは木村榮君を理事に指名いたします。     —————————————
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次にお諾りいたします。先般来種々問題になつております公団をめぐる不正事件について、調査部において鋭意基礎調査を進めて参つたのでありますが、そのうち油糧配給公団関係の分について、一応の調査を終了いたしましたので、この際公団をめぐる不正事件について、委員会において本調査に着手いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それでは調査することに決定いたします。  次に本件につきましては、本日の委員会調査に支障なきよう、理事諸君の御了承を得まして、油糧公団関係の分として、十一日に元油糧配給公団総裁西川英三君、第一油料株式会社社長小林多喜雄君、元油糧運送株式会社社長安部義香君。十二日に、油糧配給公団経理部長本村一良君、同じく元油脂部長北山俊二君、元同公団大豆部長野村千秋君。十五日に、日本大豆協会会長和田博雄君、食糧庁食品部油脂課長中原雄君、食料品配給公団総裁堀参郎君、元油糧配給公団総裁松田丑之助君以上の諸君に、それぞれ本委員会出頭を求める手続をいたしておいたのでありますが、以上十名の諸君を本委員会証人として決定いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なきものと認めます。それでは証人として決定いたします。
  7. 大橋武夫

    大橋委員 去る十一月九日の毎日新聞を拜見いたしますると、記者席からと題した欄の中に、次のような記事がございます。「ノーベル賞に輝く湯川博士表彰考査委員会でまた問題となつている、民自党でも反対ではないのだが、この表彰をいい出したのが共産党なので、共産党のいうことをきくのはシャクだというつまらぬ理由で八日の同委員会理事会でにぎりつぶした、」また当日の同紙の「余録」と題しまする欄の中に「去る九月十二日衆議院考査特別委員会共産党湯川博士理論物理学における世界的最高水準をゆく人であり、全世界知識人にも認められた日本民族の誇るべき学者であることを強調して相手にされず、八日にも同じ提議をしたが葬られた。その手は食わぬというのであろうが、この態度は賛成できない」この記事によりますと、八日の理事会において湯川博士表彰が問題になつておる。そしてそれは共産党の提案にかかることが問題になつておつて、結局それでこの理事会で握りつぶされておる、こういう内容であります。これにつきましてはたしてさような事実があるかどうか、委員長からお聞きいたしたいと存じます。
  8. 赤松勇

    赤松委員 これは大橋君にも似合わぬ御意見であります。委員長は先ほど議題に入ることを宣告しておる。従つてこの問題は理事会なり何なりで、大橋君のおつしやる点も十分了承してわれわれがやればいいのであつて、本日はもうすでに議事に入つておるのだから、このまま議事を進めてもらいたい。本日の議題とは何も関係がない。従つてこのまま議事を進行させてもらいたい。大橋君の質問もごもつともであるから、これは理事会なり何なりで十分やればいいと思う。
  9. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 速記を始めてください。  はなはだ事実と異なつた点がありますので、いずれ正式にこれを皆さんにお諮りいたしたいと思いますから、本日はこの程度で進めて行きます。  では証人を呼んでください。
  11. 篠田弘作

    篠田委員 これに関連したことですが、昨日の夕刊の東京新聞だと思いますが、それにいろいろ意見が出ておりました。委員長意見も出ておりましたが、衆議院法制局意見として、すでに天皇杯をもらつたあと町村長杯をもらつたつて、喜ぶ者はないというようなことが出ている。これは実に日本の国会を侮辱するもはなはだしいものであると私は考えます。ですからただいまの大橋君の動議と関連して、それをひとつ調査してもらいたい。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 承知いたしました。  それではこれより公団をめぐる不正事件のうち、油糧公団関係の分について証人より証言を求めることといたします。  ただいまお見えになつている証人は、西川英三さん、小林多喜雄さん、安部義香さんです。あらかじめ文書をもつて了承願つておきましたが、委員会において正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御承知を願います。  ではこれより公団をめぐる不正事件について証言を求めることといたします。  証言を求める前に、各証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百三十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべ事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知なつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  西川さん代表してそれを読んでください。     〔証人西川英三君各証人を代表して宣誓
  13. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  14. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求める順序は西川さん、小林さん、安部さんといたしますから、西川ざん以外の証人の方は、もう一度もとの控室でお持ちを願います。  西川英三さんですね。
  15. 西川英三

    西川証人 はい。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの現職は何でありますか。
  17. 西川英三

    西川証人 現在は中日貿易協会の副会長です。
  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは油糧配給公団の副総裁をしておいでになつたようですが、いつからいつまでですか。
  19. 西川英三

    西川証人 油糧公団発足昭和二十三年二月二十日から昭和二十四年六月二十四日までです。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団仕事の大要をまず承りたいと思います。
  21. 西川英三

    西川証人 油糧配給公団法によりまして、大豆及びそのほかの指定されました油の原料一手集買並び指定油脂という中に入ります統制されることを指定されました油の販売並びに当然それに伴つて起ります保管輸送等仕事油糧配給公団のおもな仕事であります。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方の公団の外郭というか、下請会社とでも申しますか、油糧産業株式会社というものがあつたようですね。
  23. 西川英三

    西川証人 ありました。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう性質のものでおりましたか。
  25. 西川英三

    西川証人 油糧産業株式会社と申しますのは、油糧配給公団昭和二十三年二月二十日に発足したのでありますが、それまで油の原料並びに油の一手買取りというものは、統制会社という形で行われておつたのであります。その会社の名前は帝国油糧統制会社と申しまして、その帝国油糧会社従業員は原則として公団発足と同時に引継がれたのでありますが、戰争中に大政翼賛会の末端の仕事に若干でも携わつてつた人並び在郷軍人会のいなかの分会長をやつたという人、それからどうしても役人になることはいやだというような人たちが出たわけでありますが、そういう人たち公団発足のとき以前におきまして、一つの商事会社をつくりましたのが、油糧産業株式会社であります。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつできたのですか。
  27. 西川英三

    西川証人 私の現存の記憶では昭和二十二年の末にできたと思います。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まだ配給公団のできない前ですね。
  29. 西川英三

    西川証人 できない前であります。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその会社はどういうことをやる目的でできたのですか。
  31. 西川英三

    西川証人 目的一般商事会社に準じて、いろいろな商事会社としての仕事をやるわけであります。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一般商事会社でも大体取扱うものはきまつておりましよう。目的は何ですか。
  33. 西川英三

    西川証人 大体油の関係経験者が多いのでありますが、特別の油、統制油脂販売、それから指定油かす等の商売をやりますことは、非常に誤解を受ける関係もありますので、そういう商品を除いて、それ以外の一般仕事に従事するのがその会社目的であつたと思います。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油以外の……。
  35. 西川英三

    西川証人 統制油脂販売、それから統制油指定集買、そういつたようなことを除いた一般商事行為目的であつたと思います。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何でもやるのですか。
  37. 西川英三

    西川証人 そうです。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ここに定款があるのですが、この定款を見ますと、ドラムカン修理、洗滌並びに販売麻袋その他油糧容器類集荷修理並びに販売油糧油脂製品の買入れ及び販売並びにその取次、油糧並びに油脂製品の輸入及び輸出、食料品及び日用品雑貨販売各種保險代理業、以上各号に関連する業務、こういうふうに七号になつておりますが、今あなたの言われたのとは少し違うようで、主として油糧に関するものが目的のようですが、それはどうですか。
  39. 西川英三

    西川証人 その点をちよつと説明さしていただきたいと思います。一般商事会社がやりますのと同じように、その定款にもありますように、何でもやれる建前になつておるわけです。しかしその従業員のおもな人たちが、やはり油に多年従事しておりましたために、油関係のことをやるということが定款の中に入つておると思いますが、しかしその中に指定油脂眼売人になること、それから指定油脂集買人になること、そういつたことは、おそらく通常の観念で申しますれば、油取引の中心になるわけでありますが、油糧産業会社においては、そういうことをやつてはいけないというような道義的な自制心から、そういうものをやつていないわけでありまして、言葉の上では油糧ではありますが、いわゆる油糧ということを表看板にする限り、当然やらなくてはいけない指定油脂販売及び指定油脂集買というものをやつていない点におきまして、私は先ほどの御説明を申し上げたのであります。器材、容器修理等は当然どの会社でもやると思います。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一応承つておきますが、指定というのはどこの指定ですか。
  41. 西川英三

    西川証人 油糧需給調整規則によりまして、油糧配給公団法によつて油糧配給公団が取扱う油脂指定油脂原料と称しておるわけであります。
  42. 鍛冶良作

  43. 西川英三

    西川証人 臨時物資需給調整法による油糧需給調整規則、それが油の統制規則の根幹をなしておるわけでありますが、その規則の中において、油及び油の原料というのはこれこれのものをいうんだと指定されておるわけであります。つまり油であれば何でもやるというのではありませんので、この油の中で統制を必要とするものが指定されておるわけであります。それを私は指定油脂及び指定油脂原料言つたのであります。
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 指定とはどういう意味ですか。
  45. 西川英三

    西川証人 指定油脂というのは、言葉をかえて言えば統制の中に入るということに御了解願つていいと思います。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 じやそう承つておきましよう。  そこでこれができましてから、公団との問に公団業務代行をするという契約が締結せられた事実がございますか。
  47. 西川英三

    西川証人 代行という意味はどういう意味でございましようか。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団でやるべき仕事の一部を代行するという意味です。
  49. 西川英三

    西川証人 公団がたとえば油の運送をします場合に、運送会社に頼むことがあると思いますが、そういう意味で頼むことでありますれば、油糧産業会社も他の運送会社と同じように、その運送を引受けた事実はあると思います。基本契約において、それを全部請負わすということはなかつたと思います。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体一括した契約でやつておられたのではないですか、その都度その都度で契約をしておりましたか。
  51. 西川英三

    西川証人 私の記憶では、一括して公団輸送なら輸送を全部やらすというようなものはなかつたと思います。個々に都度々々各支部々々で所要の物資をどこまで運ぶという、個々商取引についてそれぞれその特殊契約を締結して、他の運送会社等と同じ立場においてやらしたと思います。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 おもなる契約はどういうものであつたか御記憶がありますか。何か参考書類でもお持ちになつておりますか。
  53. 西川英三

    西川証人 そのことは今申し上げましたように包括的な、いわゆる元請契約あるいは特定代行契約というものがなかつたものでありますから、そういう参考書類は持つていないのであります。個々取引について、あるいは輸送を頼んだり、あるいはドラム修理を頼んだりすることはあつたと思いますが、その一々については記憶しておりません。
  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじやこちらから聞きましよう。いろいろあるようですが、昭和二十三年十一月一日に、公団関吏支部油糧産業の砂町工場との間に契約のあつたことは覚えておりますか。
  55. 西川英三

    西川証人 その一々についての記憶はないのでありますが、どういう契約でありますか。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 空カン集荷保管、選別、修理法滌、塗装及び積出しに関し契約を締結する、こうなつております。
  57. 西川英三

    西川証人 油糧産業だけに契約したことになつておりますか。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長  そうだろうな。
  59. 西川英三

    西川証人 砂町工場ドラムカンの修繕のために公団契約したように思います。そういうふうに個々取引についての契約はしたと思います。
  60. 鍛冶良作

  61. 西川英三

    西川証人 はあ。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほかこんなのは幾つもあるのだが、さらに二十三年九月一日に、同じく関東支部油糧産業との間にから麻袋保管並びに修理業務に関する契約、そういうようなのもありますがね。
  63. 西川英三

    西川証人 それは先ほども申しましたように、たとえば公団から全部油糧産業にやらしたのではなく、個々関東支部なら支部特定取引対象に対してそれを依頼した、それの契約だと了承しております。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほか油脂保管契約として昭和二十四年一月四日、同じく関東支部との間にある。それから油脂原料集荷褒奬用物資現物化保管付保—付保というのですから保險をつけることだと思いますが、それから輸送引渡し、代金取立て、その他石に附帶する業務の全部または一部の代行契約というのもある。このあとのは公団本部油糧産業なつておるのですが、そういうような覚えはありませんか——これは重要なことなんだが……。
  65. 西川英三

    西川証人 砂町の今のドラムカンのことはその通りですが、今のあとのことは何でしようか、本部でやつたというのは。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油脂原料集荷褒奬用物資現物化保管付保輸送引渡し、代金取立て、その他右に附帶する業務の全部または一部こうなつております。
  67. 西川英三

    西川証人 それは特定取引だけに限つたものについて、そういう仕事を頼んだというふうに記憶しておりますが、数量に限定があると思います。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 お目にかけましよう。あなたのところから借りて来ている書類なんですから。
  69. 西川英三

    西川証人 はい、わかりました。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今言つた通りでしよう。
  71. 西川英三

    西川証人 はい、あります。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは今あなたの言われるように個々のものでなくて、これらに関する業務の全部または一部を油糧産業代行せしめる、こういうことですが、これは包括的のものですか。
  73. 西川英三

    西川証人 褒奬用水産油脂並びに米ぬか還元用褒奬用物資について、そういうことをまかしてあるということですね。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに褒奬用物資現物化に関することを全部または一部を包括して引受けた、こういうことになるのですね。
  75. 西川英三

    西川証人 水産油脂米ぬか用とですね。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 へえ。—これらの引受けについての手数料とでも申しますか、これはどういう標準によつておやりになつておりますか。
  77. 西川英三

    西川証人 その個々取引についてどういう基準でやるか、私に記憶はつきりないのであります。おそらくたれが見ても納得のできる基準でやられたと思います。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何かこういうものにでもその当時はたいていきまつた標準があつたのではないですか。
  79. 西川英三

    西川証人 その仕事自体は、たとえば油を売つたり買つたりすると同じように、毎日規則的に起る仕事ではないと思いますから、一般的にたとえば油の公定価格の中に一カン七十八円なら七十八円というものはなかつたと思います。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これには何か標準が出ているのではないですか。これをひとつ見てください。
  81. 西川英三

    西川証人 たとえばせつけんの場合ですと、せつけんの製造業者版売価格卸売業者販売価格小出業者販売価格というように、それぞれの段階に公定価格があるわけですね。その公定価格範囲内でやつているわけです。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが事実はそのときどきで変つてつたようですが、その点はあましこまかいことは御承知ないですか。
  83. 西川英三

    西川証人 こまかいことはわかりませんが、しかし原則的に公定価格範囲を越えることはないと思います。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方に引取るものになりますと、公定価格を割つて、むしろ安いことがあるのではないですか。
  85. 西川英三

    西川証人 ちよつとそれは記憶ないですが……。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 物を受けたりする場合……。
  87. 西川英三

    西川証人 せつけんの場合ですか。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はあ。
  89. 西川英三

    西川証人 せつけんの場合は生産業者公定価格より安く渡すようなことはないと思います。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一応そう聞いておきます。  その次は油糧産業株式会社保險契約代理店なつて、公団取扱い物資保險を付する業務代行していた事実はございませんか。
  91. 西川英三

    西川証人 ございます。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これのおもなるものはどういう契約でありましたか。
  93. 西川英三

    西川証人 保險関係はもともとこれは公団保險会社契約するものであります。その保險会社が選定した代理店がいろいろあるわけですが、油糧産業株式会社油糧公団保險を引受ける八社の元請保險プール団代理店なつておつたと思います。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 プール団というと……。
  95. 西川英三

    西川証人 安田火災以下八社。
  96. 鍛冶良作

  97. 西川英三

    西川証人 そうです。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これに対して、公団保險を付する全体の代理店なつておつた、こうみてよろしいのですね。
  99. 西川英三

    西川証人 その場合の契約関係を申し上げますと、保險会社油糧公団契約をするわけでありますが、その保險会社プール団代理をするわけであります。その仲立ちに油糧産業株式会社が入るわけであります。
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どのくらい保險仕事を引受けたかおわかりになりませんか。
  101. 西川英三

    西川証人 数字になりますとはつきり覚えていないのですが……。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体でいいのです。
  103. 西川英三

    西川証人 あまりその方のことに頭がなかつたものですから、大体の見当もつきかねます。必要であれば後で書類を出して……。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれあなたの方の係の方にお聞きをいたしますが、もし何でしたら書類を出してもらつて、こちらでも大体わかつておりますが、相当の額であつたことだけは間違いありませんね。
  105. 西川英三

    西川証人 はい。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからこれは先ほど読み上げましたから、あなたの刑事訴追になるようなことがあればむりに聞きませんが、さしつかえなかつたら述べてもらいたい。困るとおつしやればむりに聞きませんから、そのつもりでお答えになつてください。この中でいろいろ問題が起きたようですが、人造バター保管しておる間に、この期間が非常に長いものだつたということで、長い期間保險料支拂つた。ところが後であの期間は間違いだつたというので、短い期間に直して、その直つた金と納めた金との差額を特に取戻されたという事実があるようですが、それはいかがです。
  107. 西川英三

    西川証人 その事実はございます。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは相当の額のようでしたね。
  109. 西川英三

    西川証人 五百七十万円です。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その金はどこに入りましたか。油糧産業に入つたのでしようか。
  111. 西川英三

    西川証人 油糧産業から公団に取上げたわけです。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保險会社はどうなりました。一ぺん保險料保險会社に納めたのでしよう。
  113. 西川英三

    西川証人 保險会社代理店に拂うわけです。油糧産業代理店ですから、代理店拂つて、それを仮拂いにしておいて、それを公団にとりもどしたわけです。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代理店があずかつてつた、それがわかつて公団にもどした、こういうわけですね。
  115. 西川英三

    西川証人 そうです。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 五百七十万ですか。
  117. 西川英三

    西川証人 はい、そうです。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次は鯨油ですが、海上の輸送保險料公団から油糧産業に二重に支拂つてつたが、後になつてそれが重複分だと言つてとりもどした、こういう事実はございますか。
  119. 西川英三

    西川証人 ございます。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは幾らぐらいのものですか。
  121. 西川英三

    西川証人 先ほどの金額は間違いましたが、鯨油等の分を含みまして、保險関係の操作によるものが五百七十万円です。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 両方でですか。
  123. 西川英三

    西川証人 そうです。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで今あなたは公団にとりもどしたとおつしやつたが、公団会計ではどういうところに入れておりますか。
  125. 西川英三

    西川証人 それは公団の正規の会計へ入れないで、経理部長名義特別口座に入れさしたわけであります。その件によつて訴追されておるわけです。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、それは部長個人の預金になつているのですか。
  127. 西川英三

    西川証人 個人名義の通帳に入れさしたわけであります。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういうわけでそういうことをしたのですか。さしつかえなかつたら述べてください。
  129. 西川英三

    西川証人 もうすでに訴追されておりますので申し上げておきます。油糧配給公団発足のときにおきまして設立委員会—これは普通の会社の創立総会に該当するものであつたと思いますが、それが開かれましたときに、当時一番大きな問題は職員の給與をどうするかという問題であつたわけであります。職員の給與につきましては、前年度に油糧配給公団よりも早く発足いたしました六つの公団につきましては、公団にして統制機関の職員を引継いだ場合には、統制機関の職員の現在の給與をそのまま引継ぐことにするという閣議決定があつたのであります。従いまして先発の肥料配給公団、配炭公団等におきましては、公団の公務員になつた場合でも、引続き統制機関の給與の基準と実際額が給與として支拂われたのであります。ところが昭和二十二年の十二月にその閣議決定が変更されまして、一方的に、今後公団の職員の給與は原則として公務員に準ずる、従つて前の閣議決定を取消すという決定があつたわけです。当時油糧配給公団法はすでに団会に提出されておつたわけでありますが、国会の御審議が非常に長引きまして、公団発足いたしましたのは二月二十日でありますが、設立委員会が開かれましたのはたしか昭和二十三年の一月であつたと思います。そういう事情を背景にいたしまして、帝国油糧統制会社の職員労働組合の方からは、もし前年度の閣議決定通り、現にわれわれが受けておる給與を保障されるにあらざれば、もう全員は公団に行かないことにする。従つてもし新しく公団にそういう要員として入つたということであれば、そういう点が保障されなくてはいけないという申入れがかねて関係当局にもなされておつた。そうして設立委員会の席上でも、そういう観点から全国油脂労働組合協議会の書記長からその発言がありましたし、出席委員が全部賛成いたしまして、少くとも油糧配給公団の設立委員会としては、引継がれる職員の給與というものは、引継ぐ会社の現在の給與がそのまま維持されるということを保障してくれなくてはいけないということを全員で要望したわけであります。当時の議長は農林大臣代理として、農林事務次官が列席されておつたのでありますが、それはしごくもつともであるから善処します、そうしてなお前年の閣議決定が突如としてかえられたについては、いろいろ複雑な事情もあるのだが、政府自体としても善処しておるから、その点はまかしておいてもらいたい、でき得る限り御希望に沿うし、またその立場はごもつともだというお話があつたわけであります。そういう事情と了解のもとに二月二十日に油糧配給公団発足したのでありますが、そのときにおきまして、新しい給與基準改訂のいろいろの情勢もありましたし、政府として一応設立委員会のときにそういうことを言つたけれども、なかなか実施はむずかしいのだ、まあしかしとにかく悪いことにはしないしするから、一応そのままみんな働くようにしてもらいたいということであつたものでありますから、首脳部としてはそういう情勢においてやむを得ないものですから、みなをなだめまして、政府にも各方面にもみな物のわかつた人ばかりがおられるのだから、おそらく現状維持の線はまた再び守られるだろう、同時にその当時すでに出発しておりました配給公団のたしか六総裁か七総裁かと思いますが、そういう方々も以前の閣議決定が生かされるように運動されておりましたので、必ずしも現在の給與を維持するということは絶望でなかつたと判断したのであります。そういう事情のもとに二月二十日から油糧配給公団発足したのであります。ところが発足いたしますと、官吏の給與の三割増で打切る、従つてたといどういう給與があつても、前の統制機関の給與は引継かないのだという決定が一方的にあつたわけであります。そこでやむを得ず首脳部といたしましては、そのときの帝国油糧統制会社から引継いだ職員を新しく御決定されました一般官吏の三割増しの基準に直しますと、收入においてむしろ四割の收入減になつたのであります。そういうことは、一方において油糧配給公団法律の期待するように円満に発足さすためには、どうしてもそれだけの事務になれた職員を公団に引継いで行かなくては運営がやりかねるものですから、とにかくなだめて就職をさせ、そうして同時にその差額の調整を何とかしなくてはいけないということになりましたので、私が自分の責任におきまして—今言つたよう保險の二重拂い等の形式も一つでありますが、そういうやり方で経理部長の特別勘定というものをつくらせまして、その口座を通じて給料の足らぬ分を補充したのであります。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは初めから計画的であつたのですね。
  131. 西川英三

    西川証人 計画的というのではなく、そのときの情勢から言つて、政府から一方保障をされておつた点に安心をし、さらに各有効な交渉がなされておりましたので、多分そういうことはうまく行くであろうということも考えてやつてつたのでありますから、そういうことを計画するとかしないとかいうのでなくて、絶対絶命に追い込まれたわけであります。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでそのときに次官も出て来たと今言われたが、次官ですか。
  133. 西川英三

    西川証人 農林大臣が設立委員長でありますが、そのときは出席されませんで、農林事務次官が議長として代理にその席につかれたわけであります。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれですか。
  135. 西川英三

    西川証人 たしか笹山さんであつたと思います。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうやり方をすることも次官は承知であつたのですか、それはいかがです。
  137. 西川英三

    西川証人 どういうやり方ですか。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今の二重拂いにさせる……。
  139. 西川英三

    西川証人 そういうことはもちろんいいと言われるはずはないのでありまして、極力善処する、各委員ともその政府の善処に信頼申し上げたわけであります。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこの公団油糧産業株式会社とでは、始終人事の交流があつたようでありますが、その点はいかがですか。
  141. 西川英三

    西川証人 交流という意味がどういうことを意味しますか、私の了解いたしますのでは、油糧配給公団をやめて油糧産業へ行つた人はあると思います。しかし油糧産業から公団へ入つた人はないと思います。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでおも立つた人はたくさんおるようですが、おも立つた人はどういう人がどういう地位につきましたか。おも立つた人だけでよろしゆうございます。
  143. 西川英三

    西川証人 ちよつととつさに思い出せないですが……。公団発足してから油糧産業へ行つた人ですね。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 はあ。
  145. 西川英三

    西川証人 和泉という公団の九州支部長が油糧産業へ参りました。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 和泉平五郎ですか。
  147. 西川英三

    西川証人 そうです。それから公団水産油脂室長西川熊吉君が油糧産業へ参りました。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは油糧産業の代表取締役になつたようですね。
  149. 西川英三

    西川証人 そうであります。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あと思い出せませんか……。関東支部長か支部次長の藤林という人も行つておりますね。
  151. 西川英三

    西川証人 関東支部次長の藤林君も行つております。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは油糧産業の何になりましたか。
  153. 西川英三

    西川証人 総務部長になりました。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 重役になつたのじやないですか。
  155. 西川英三

    西川証人 はあ、役員で総務部長です。
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 理事兼総務部長ですね。
  157. 西川英三

    西川証人 取締役兼総務部長です。
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 最も重要な地位についたわけですな。  その次はこの油糧産業の株式のおもなるものは公団の役職員が持つてつたというのですが、これはいかがですか。
  159. 西川英三

    西川証人 帝国油糧の職員が持つておりましたので、帝国油糧の職員で公団の職員になつた者は、それを持つてつたと思います。但しそれは理想的のことから言いますれば、公団法に一応制限規定がありますので、それをそれぞれ帝国油糧から油糧産業に行つて公団に行かなかつた人たちが買いとる予定であつたと思いますが、それができないためにそのまま持ち続けたと思います。そしてやむを得ずそれを妻子名義にしたと思います。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、やはり公団の役職員が株を持つてつてそこで困るものだから妻子の名義にしたものが多い、こう聞いてよろしいのですね。
  161. 西川英三

    西川証人 そう御了解願つていいと思います。それと同時に人事院規則が出まして、油糧配給公団の職員は一般職になつたものですから、人事院規則によりますと、そういう特別の関係等を詳細に具陳すれば、人事院の許可が得られるという規定がありますので、許可を得られるように申請を用意しておつたと思います。但しその場合人事院規則が優先するのか、公団法の規定が優先するのかについては、まだ検討していないのです。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれにしてもこの大部分は女の名前になつておるが、これはみな公団の役職員の妻もしくは子供さんのようですが、間違いありませんね。
  163. 西川英三

    西川証人 間違いございません。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこであなたにお聞きいたしますが、公団法の第十三條には「油糧配給公団の役員及び職員は、油糧の生産、精製、保管輸送、加工若しくは売買を業とする会社の株式を所有し、又はこれらの会社その他の企業の業務に従事し、若しくはその営業につき一切の利害関係を有してはならない。」こうなつているのですが、これは御承知でしたでしようね。
  165. 西川英三

    西川証人 その規則承知しております。同時に人事院規則承知しているわけです。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとこの規則から言うと、先ほど言つたように、油糧産業の人事は公団のおも立つた者がその重役になり、そして公団の事業の下請をやり、そして株を自分の名義、もしくは妻子の名義にしているということは、十三條に真向にこれは違反するものと思うのですが、いかがですか。
  167. 西川英三

    西川証人 そうなると思います。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それをどうしてあえてやつてつたのですか。
  169. 西川英三

    西川証人 それは今申し上げましたように、油糧産業仕事が円満に順調な発展を遂げておりますれば……。  今お話にありましたが、代表取締役の主として社長的な職分にあつた人は、公団から行つた人ではなく、帝国油糧からの従業員であつたので、そういう人たちに、この規則が出たから公団に行つた人の株を買つてくれと言つたのでありますが、実際問題として一度に買うことができませんので、やむを得ず公団に行つた人たちが持たざるを得なかつたわけです。今申しましたように、人事院規則やそういう規則もありますし、一般官吏にもない非常にきびしい規則でありますので、常に公団法の改正が論ぜられる場合には、この十三條を消すというような意見が一方的にあつたと思います。そういうことなども考えまして、やむを得ずそういうことにしたわけであります。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 かりにやつても、消えてからやるならいいが、消えない先にやれば法律違反になると思います。それともう一つは、公団は今度は油糧産業からいろいろ金銭的の寄付もしくはいろいろな名義で金を受取つたような事実があるようですが、その点はいかがですか。
  171. 西川英三

    西川証人 その事実はございません。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何か宿舎だとか、そういうようなものを油糧産業につくらしておいて、公団が事実上使つているというようなことがあるようですが、そういうようなことはありませんでしたか。
  173. 西川英三

    西川証人 油糧産業所有の家屋に公団の職員が入つてつたというのですか。
  174. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。利用しているというようなこと……。
  175. 西川英三

    西川証人 そういう事実はあつたと思いますが、その時は適正な家賃等を拂つてつたと思います。
  176. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 熱海寮というものがありたそうですね。
  177. 西川英三

    西川証人 油糧産業の寮ですね。
  178. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうです。あなたは御承知ですか。
  179. 西川英三

    西川証人 知つております。
  180. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当りつぱなものですか。
  181. 西川英三

    西川証人 いやきわめて貧弱なものです。
  182. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは使つてつたようですね。
  183. 西川英三

    西川証人 使つた時は必ず一般並みにみな拂うわけです。
  184. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 拂つておりますか。
  185. 西川英三

    西川証人 はい。
  186. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたのおつしやつたように、これらの件についてあなた方の方で検察庁から取調べを受けて、現に起訴になつたようですが、これは先ほど言われた保險の件だけですか、そのほかにもまだありましたか。
  187. 西川英三

    西川証人 私が起訴されましたのは、熱海寮とか、そういうものではありませんので、保險の問題を含めまして、別途経費の問題であります。
  188. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まだほかにどういうものがありましたか、保險以外には。
  189. 西川英三

    西川証人 保險以外には、経費の捻出といたしまして、諸掛りの二重拂いい、それから別段預金の利息、ビタミンの消費の代金等で延滯利息をとつたもの等を別の経費に入れたわけであります。  なお別途閉鎖機関終了会社の債権中、今の経理部長の経理に流用いたしまして借用いたしましたのが、八百五十二万円あります。その全内容について今訴追されております。
  190. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、あなたは今人件費についてやりくりの必要があつたからやつたとおつしやつたが、その金の一部というか、相当額が、いわゆる機密費として公団支拂われておるようですが、これはいかがです。
  191. 西川英三

    西川証人 機密費として支拂われたのはありません。
  192. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全然ありませんか。
  193. 西川英三

    西川証人 全然ありません。会議費、交涌費として……。
  194. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 なるほど会議費、交通費として出ておるのだね。機密費というのはよくないかしらぬが、会議費とかいうものは出ておりますね。あなたの方の副書の中では、人件費にも使つたが、機密費にも相当使いましたという言葉がある……。
  195. 西川英三

    西川証人 これらの点は今検察庁で十分調べられております。
  196. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会議費は相当のものですね。
  197. 西川英三

    西川証人 会議費はあります。
  198. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 幾らくらいありますか。
  199. 西川英三

    西川証人 四百二十万。
  200. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはあなたの検察庁のあれ自身にあります。予算外人件費及び機密費等に当て、同公団職員の利益をはかるとともに、油糧産業の利益をはかる目的で使つた、こういうふうに……。
  201. 西川英三

    西川証人 それは起訴状だと思いますが、油糧産業の利益をはかるという点が間違つております。
  202. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 四百何十万を会議費に使つたことはあるのですね。(「芸者を買うのに使つたのじやないか」と呼ぶ者あり)
  203. 西川英三

    西川証人 あります。十五箇月間今日まで来ておるわけですから。—それから今ささやきが聞えましたが、芸者その他を買つた会議に使つたのじやないかという声が聞えました。そういうことは絶対ありません。
  204. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 続いて油糧公団大豆協会との関係について伺いたいと思います。大豆協会というのは日本大豆協会ですね。
  205. 西川英三

    西川証人 はい。     〔発言する者あり〕
  206. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 静かに願います。日本大豆協会というのはどういう目的で、どういうことでできたのですか。
  207. 西川英三

    西川証人 前農林大臣の周東英雄さんが、私たちと同じ会社帝国油糧会社の社長から、今度帝国油糧をやめられて政界に打つて出られるというときに、昭和二十一年三月であつたと思いますが、日本大豆は従来満州から五十万トンないし百万トンほぼ略奪的に持つて来ていた。従つて大豆は輸入でまかなえばよいので、簡單に満州から持つて来られるということのために、国産の大豆をどうするかということについて何人も考えた人がなかつたわけであります。従いまして毎朝の味噌、しよう油等からとうふ、なつとうに至るまで、今後大豆の問題はどうするか。大豆の問題は実はこれは蛋白の問題でありまして、大豆は畑の水といわれるほどに、毎日八十グラムなら八十グラムどうしてもとらなくちやならぬ、蛋白の中で非常に大きな重さを占めるものであります。そういうものを従来の満州依存主義からこのまま放つておけば、日本大豆の需給関係はどういうことになるかわからないということに気がつかれまして、これは私どもも常々敬服している卓見でありますが、そういうことで従来日本にはなかつたが、この際日本大豆協会というものをつくつて、そうして輸入大豆の促進と国産大豆の積極的な増産をやろうという趣旨のもとに、昭和二十一年周東さんの提唱とあつせんによりまして、各大豆の消費者団体等を中心としてつくられました任意団体が日本大豆協会であります。そして、その事業のおもな目的は、今申し上げましたように、輸入大豆の促進、これは関係方面に連結して、その輸入を懇請申し上げると同時に、アメリカの大豆協会等とも連絡をとりまして、アメリカにおける大豆増産の実績等から学ぶべきものは学び、必要な文献も取り、その補導をも仰ぐ。さらに国産大豆につきましては、優良種苗圃をつくつたり、あるいは大豆の病虫害の防除の研究を進めたり、さらにまた大豆の反收が日本では一反当り八斗程度でありましたが、これを少くとも一石あるいは四石程度まですべきだと、そういつた優良な大豆の耕作事例を紹介したり、そういうことによりまして大豆の国産増産を積極的にやつてつて、でき得れば外国から輸入を仰がなくても済むような大豆事情にしようというのが大豆協会の目的であります。事業は昭和二十一年三月から始めているわけであります。
  208. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでどういう人によつてつくられたのですか。
  209. 西川英三

    西川証人 大豆の消費者を中心としてつくられているわけであります。製油業者、みそ業者、しようゆ業者、アミノ酸業者、とうふ業者、油脂加工業者、なつとう業者、ブルタミン・ソーダ関係の業者、そういう主として大豆を消費する業者もしくは団体であります。
  210. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 協会は協会長というものはあつたのですか。
  211. 西川英三

    西川証人 ありました。
  212. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 協会長はだれからだれがやつておりました。
  213. 西川英三

    西川証人 第一代目が豊年製油の社長の杉山金太郎氏、これが初代会長であります。
  214. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十一年ですね。それから……。
  215. 西川英三

    西川証人 二代目がしよう油協会の会長の正田文右エ門さんであります。三代目の会長が和田博雄さんであります。
  216. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは何年から何年まででしよう、杉山は……。
  217. 西川英三

    西川証人 そのレコードを持つて来ていないのですが、必要であればあとからお届けして……。
  218. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体覚えておりませんか。
  219. 西川英三

    西川証人 大体二十一年から……。一年ないし一年半で交代していると思います。
  220. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十一年が杉山で、二十二年が正田で、二十三年以後和田さん、こう思つていれば間違いありませんか。
  221. 西川英三

    西川証人 はい。和田さんは昭和二十三年六月からだと思います。顧問には周東さん以下関係の方がみな参加していただいているわけであります。
  222. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからこの経費はどういうことで支弁することになつておりますか。
  223. 西川英三

    西川証人 協会自体の人件費、それから協会自体の固有の費用というものは、全部会員の分賦金であります。
  224. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会費としてとるのですか。
  225. 西川英三

    西川証人 会費としてとつております。
  226. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事務員は何か公団から入つたとかいうようなことはありませんか。
  227. 西川英三

    西川証人 昭和二十一年発足当時におきましては、周東さんのもとで帝国油糧会社理事をしておられた野坂象之という人が常務理事になりまして、以下若干の役員が帝国油糧から出ましてつくつてつたわけであります。その後非常に困難な運動でありますので、非常にむずかしい場面になつて来まして、たしか正田会長のときだと思いますが、できるだけそういうふうな事務費を節約して、増産運動なり輸入促進の運動本来のことに会費を使うべきじやないかという意見が出まして、たしか昭和二十三年の一月ごろの役員会だと思いますが、そのときに事務局経費というものをなくして、実際活動費に充当して活発にやろうじやないかということで、事実役員が会部分担してやろう、事務局中心から役員会中心になつ仕事をして行こうということにかわりまして、但しそれには事務を推進するための準備その他に若干の人がいるわけでありますが、それは公団大豆関係の人間が、ひとつサービス的にやつてくれないかということがありましたので、それを了承して、現在におきましてはごく下級職員を除きまして、大豆協会としては事務員を、高級職員を持つていないわけであります。
  228. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団ができてから、さつきの油糧産業のように、公団の者が大豆協会に下つて行くというようなことはありませんでしたか。
  229. 西川英三

    西川証人 それはございませんが、農林大臣の許可をもらいまして、私と大豆室長と大豆増産本部長が大豆協会の理事の依嘱を受けて、正式に就任しておるわけであります。
  230. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは油糧公団のおもなる役員が、そこのまた理事になつた、こういうわけですね。
  231. 西川英三

    西川証人 役員二十名のうちの三人です。
  232. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで油糧配給公団から、大豆販売価格六十キロ、千七百三円の中から六円十五銭ずつを大豆協会に交付しておつたということでありますが、さような事実はありませんか。
  233. 西川英三

    西川証人 昭和二十一年から、すべて大豆販売価格の中に増産奬励金というものが計上されておるわけであります。そしてこれは価格決定の構成要素として、はつきり大豆増産の施設として使う。そういうことに、別途の指示を受けまして、当初は二円五十銭、それ以後四円十銭、それから六円十五銭、現在二円というふうに、金利に差はありますが、いずれもそれを大豆増産のための諸施設に使う。そし日本において大豆の増産を現在担当する機関としては、日本大豆協会以外にないのでありますので、関係方面の了解を得て、日本大豆協会にこういう事業費の一括交付を受けて、大豆協会が実施しておるわけであります。
  234. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するに、それだけの金を価格の中からはじき出しまして、そうして大豆協会へ渡して、大豆協会で増産奬励その他の仕事をしてもらう、こういうことですね。
  235. 西川英三

    西川証人 そうです。
  236. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その金額はざつと幾らくらいでありますか。
  237. 西川英三

    西川証人 昭和二十一年度におきましては、そのときは帝国油糧という会社がやはり増産の施設をやりますので、大豆協会に交付されたものは二十五万円であります。昭和二十二年度は五十万円であります。公団になりまして、公団はそういう増産の仕事はやれませんので、一括大豆協会に交付したのでありますが、昭和二十三年度におきましては、合計千四百万円の收入の中から、いる都度々々渡しておりますので、五百五十九万円使いまして、八百七十六万円を次年度に繰越したわけであります。
  238. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 要するにその金は奬励金とでもいいますか、それが千四百万円であつたのですね。
  239. 西川英三

    西川証人 そうです。
  240. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから二十四年度は……。
  241. 西川英三

    西川証人 昭和二十四年度は前年度の繰越し八百七十六万円と、二十四年度の收入見込みが一千三百万円あります。その二千百万円が昭和二十四年度の増産奬励金になるわけであります。
  242. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当大きな金ですな。だがこの金は実際においては大豆協会へ出ないで、公団自身において留保されておるそうですが、それはどういうことですか。
  243. 西川英三

    西川証人 それはどういう意味ですか。
  244. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団自身が金を預かつておるのではないですか。
  245. 西川英三

    西川証人 公団は預かるわけです。と申しますのは、大豆の奬励金というものは、大豆が全国二万三千箇所のみそ、しようゆ業者、アミノ酸会社に売られたときに発生するわけであります。しかもそれらは数量が二俵、三俵、個々に小さく発生するわけでありますから、どこかでそれを取立てなければいけないわけです。その取立ての仕事公団がやつておるわけであります。
  246. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから大豆協会にその交付金をその都度々々渡すべきではないのですか。
  247. 西川英三

    西川証人 渡すべきでありますが、大豆の増産発生の時期が全国的にばらばらでありますから、集まつたものから渡して行くという式をとつております。大豆協会に一々その都度発生する小金額ずつやるわけに行かないのです。
  248. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆が出て来ると……。
  249. 西川英三

    西川証人 大豆が出て来て売れないと、増産奬励金というものは出て来ないのです。
  250. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売れたら渡すのでしよう。
  251. 西川英三

    西川証人 売れたらできたものが支所から支部支部から本部へ来るわけです。
  252. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売れたらすぐ大豆協会に渡さずに、それはどういうときに渡すのですか。
  253. 西川英三

    西川証人 大豆協会から必要な要求をして、すでにきめてある予算で、現実にこういうふうに使うという要求があつたときに拂つて行くわけです。
  254. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが公団の帳簿では、得意先前受金として留保になつているそうですね。
  255. 西川英三

    西川証人 それは権威筋の公団の勘定科目の整理という項目の中に、借受金というものは一切今言われた得意先の統計金勘定、そういう項目で整理しろということになつたので、決算表から見ると、そういう科目で整理されている。しかし内訳には大豆奬励金幾ら、その他仮受幾らという明細ができている。勘定科目の整理については、多少われわれの今まで使つていた勘定科目でない名前の勘定科目を使うことがあるから御了承願いたい。
  256. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前受金といつたら、向うに渡した金ではないじやありませんか。
  257. 西川英三

    西川証人 公団の仮受金になるわけですね。従来は借受金勘定という名前の項目を使つているわけです。しかし最近になつて向うから指示されて、勘定科目という名前はいけない、すべて元受勘定、そういうものを使えということでありますので、そういう名前を使つている。
  258. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事実上渡さぬで、あんたの方でそういう名前で預かつてつた、こういうことですか。
  259. 西川英三

    西川証人 ある時期プール的機能を営まないと調整ができないわけです。
  260. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが実際、先ほどもあなたははつきり言われなかつたが、一体大豆協会に事務員はいるのですか。
  261. 西川英三

    西川証人 下級事務員はいるのです。
  262. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どのくらいおりますか。
  263. 西川英三

    西川証人 これは役員が仕事をすることになつておりますから、整理関係の若干の人間がいるだけであります。そしてあとはみんな公団の人間がただ働きをするわけであります。
  264. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのただ働きはいいが、公団の者が大豆協会の職員になつているのでしよう。
  265. 西川英三

    西川証人 今申し上げた許可を得てあるものです。職員については了解を得てあるわけです。
  266. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会だけの專任職員がおりますか。
  267. 西川英三

    西川証人 專任職員というのは現在は直いてないわけですが……。
  268. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 置いてなければおらぬのでしよう。
  269. 西川英三

    西川証人 下級職員以外にはいない。
  270. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 下級職員は……。
  271. 西川英三

    西川証人 女子職員その他であります。
  272. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際おりますか。
  273. 西川英三

    西川証人 女子職員はいると思います。
  274. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私の方で調べたところでは一人いるそうですが、あなたはそれを言うのですか。
  275. 西川英三

    西川証人 そうです。
  276. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一人でそういう大きな何千万円の仕事をするのか。要するに役員だけおつて、職員のおらぬ協会のようですね。一人は何をやつているのですか。
  277. 西川英三

    西川証人 委員長のお尋ねですが、協会のこの仕事自体が芽を吹きかけて来たときが、実は情勢が非常に悪かつたときです。そういうときに、万策やむを得ないで公団の人間がそういう仕事を引受けてやらされたわけです。そうしてようやくにして大豆の事情が好転をして来ましたので、二十四年度の予算におきましては、專任の職員、それから独立の事務所を持つ構想になつておるわけです。
  278. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 構想はどうか知らぬが、事実上おらぬのでしよう。
  279. 西川英三

    西川証人 現在はそうです。
  280. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから役員だけで職員のおらぬ協会なのです。公団と協会というものは、名前は二つだが同じ者がやつておる仕事なのです。そこで公団がそういう何千万の金を前受金という名前で留保しておるということは、一体別勘定と認められますか。
  281. 西川英三

    西川証人 その点は嚴正に別勘定で整理しているわけです。
  282. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれに対して、農林省その他会計検査院等から問題があつたようですが、それはどうですか。
  283. 西川英三

    西川証人 会計検査院から問題がありましたのは、嚴正に別勘定として処理しましたので、問題があつたわけです。つまり大豆増産奬励金というものが出て来たために、会計検査院でいろいろ公団仕事かどうかということについての御質問があつたわけです。だから一般のものとははつきりと区別して大豆増産奬励金というものが積立てられ、そうして経理されておつたわけです。
  284. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それがはつきりと経理されておれば問題はないじやないか。
  285. 西川英三

    西川証人 しかし公団法の規定によれば、そういうものは公団が持つていいかどうか等について、会計検査院が予算を別途管理することについて疑問を持たれたわけです。
  286. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほんとうに別に協会というものがあつて、協会に出すべき金がきちつと出ておれば問題にならないのです。ところが職員も何もおらぬで役員ばかりいる協会で、しかも役員自身は公団の者がやつて、そうして協会へやつたという名前で、金は別勘定にはなつておるけれども、公団そのものがこれを前受金として保留しておる。そこが問題になるのでしよう。
  287. 西川英三

    西川証人 前受金という勘定課目は、先ほど申しげたりくつで、もとは仮受金になつておつたのが、前受金という勘定科目にならざるを得なかつた。その中にはつきり大豆奬励金勘定というものは別途経理されておるわけです。しかし大豆協会としましては、その事業によりまして、展示会をやつたり、あるいは栽培技術講習会をやる都度請求してとることになつておつたわけです。
  288. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省に対してあなた方はどういう回答をしておりますか。農林省からも嚴重も何か言つて来ておるはずだが……。
  289. 西川英三

    西川証人 どういうことでしよう。
  290. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この経理について……。
  291. 西川英三

    西川証人 私の記憶では、農林省がどういうことを言つて来ておるのか……。
  292. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会計検査院だけですか。
  293. 西川英三

    西川証人 はあ。
  294. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは、公団の経理としては別にさしつかえないというお答えでよろしゆうございますか。
  295. 西川英三

    西川証人 はい。
  296. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 原則として公団に收納したものは、一度必ず国庫に納付しなければならぬという規則がありますね。
  297. 西川英三

    西川証人 規則がございます。
  298. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今のは、そういうふうに向うからそれだけの金をくれたものを、あなた方がそのまま出してさしつかえないのですか。
  299. 西川英三

    西川証人 大豆増産奬励金として、初めからこれは公団一般收入になるべきものでないという価格構成上の結論から、今の国庫に納めるべきものであるという法律の適用範囲に入れてないわけです。
  300. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはさしつかえないのですか。
  301. 西川英三

    西川証人 私はさしつかえないと解釈したのであります。
  302. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一ぺん国庫に入れて、それから奬励費だといつて出すならよいのでありますが、入れるべき金を入れないでおいて出すという、そこに会計検査院との間に問題があつたのでしよう。
  303. 西川英三

    西川証人 会計検査院も、そういう点は初めは大体了承しておつたようであります。合法性がないというのではなく、合規性がないという御意見があつたようであります。こういう点で会計検査院の御注意があつたのは事美であります。
  304. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 法律違反ではないが、規則違反ということだね。
  305. 西川英三

    西川証人 会計検査院のものにはそう書いてあります。
  306. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでわかりました。承つておきましよう。  その次は分解硬化用油脂価格の差金というものがあつたようでありますが、これはどういうものなんですか。
  307. 西川英三

    西川証人 それは二種類あります。昭和二十三年度の第一・四半期、つまり昭和二十三年度の上半期の食用油脂から発生したものと、その以後発生したものとは、はつきり性質が違うわけであります。前者について御説明申し上げますと、大口分解用の油脂と申しますのは、油がリスリンと死亡酸に分解されてせつけんになる油のことであります。従来そういうものは、すべて日本の硬化油工場というものが大きな企業体ばかりでありましたので、自由経済時代にも、硬化油工場販売業者を経由しないで油を買うというのが通常の形でありましたので、統制経済に入りましても取立業者を経由しないで、統制機関の販売価格取引をしておつたのであります。従つてせつけん等の原価計算も統制機関の販売価格を基礎にして製品価格というものがきめられておつたわけであります。ところが戰争後小規模の製油、せつけん工場が出て来ましたので、小規模のものに一々公団が直接販売をすることは非能率でありますので、そこに販売業者が初めてこの分解硬化油に介在することになつたわけであります。従いましてせつけんの価格にも、販売業者の販売価格ということでせつけんの原価計算が組まれるに至つたのであります。ところが実際問題といたしまして、大口の硬化工場がほとんど日本の硬化、分解を八割ないし九割やるのでありますが、そういうところに油が現実に受渡される條件を申し上げますと、公団が売る場所、あるいは旭電化ならば旭電化、日産ならば日産の河岸に面したところには、公団が自分のストツク・ポイントから油を横づけすれば、それが販売価格の條件になるわけであります。ところが一方から申しますと、旭電化ならば旭電化という工場から見て、販売業者がかりに介在したといたしましても、販売業者の販売條件は、硬化油脂業者の河岸に着けたときがやはり同じになるわけであります。そこでそういうぐあいに、販売業者の販売場所で公団が油を受渡しするときは、販売業者の販売価格公団は売つてよいという価格統制令の中の一般規則があるわけであります。そこで昭和二十三年の第一・四半期の工業用油脂と上半期の食用油脂については、公団がそういう解釈から、大口の硬化油脂業者に対しては、販売業者の価格、つまり公団価格の七十八円増しの価格で売る。そうすれば中小業者と大工場の間のせつけんの原料油脂について差がないわけでありますから、片方は七十八円安で買つて、中小業者を圧迫するということも避けられ、同じベースのもとに公正競争がなされるから、大口の硬化業者は公団から直接は買うけれども、今の価格統制令の中の一般規則によつて公団販売業者の販売條件で受渡しするのだから、七十八円増しの価格で買うべきではないかという問題が起つたわけであります。ところが大口の分解油脂業者から見ますと、価格の規定から見て、公団販売価格というものは、消費者のもより駅渡し、あるいは岸壁渡しではないか、それにはちやんと公団販売価格というものがあるではないか、たまたま受渡しする場所が同じだからと言つて公団販売価格で売るということはけしからぬじやないかという問題が起つたのであります。そうして今申し上げた第一・四半期の工業用油脂並びに上半期の食用油脂の金額が四千九百万円になるのでありますが、それについては問題が紛糾いたしまして、向うは拂わない、こつちはそれを要求するというようなことでもめておつたのであります。そこで大局的に見て、大工場が中小工場よりも原価を安く買い入れるということはどうしてもおかしいじやないか、もしこれをあなた方が安く買うとしても、その安く買うものは、日本油脂産業の興隆のために使うというふうに行つた方がよいじやないか。嚴密に言えば、その金自体については、公団公団価格で売らなければならぬというりくつももつともだし、また同時に販売価格で売らなければいかぬということももつともだ。だからこの四千九百万円については、趣旨から言えば大口の分解業者が日本油脂産業のために寄付したものだ。そういうような意味合いで、関係当局をも入れて、油脂産業興隆のためにこれを有効適切に使おうじやないかということに話がきまつて、そういうふうなことならば出そうということで、大口製造業者も七十八円分を出したわけであります。それで公団としては今言つたような趣旨にかんがみまして、これは一般経費に充当すべきではないか、交渉の成立ちから言つても、それは今言つたような趣旨に合致さして行こうじやないかということで、農林省、大口分解業者、さらに関係団体等の意見もくみ入れまして、その四千九百万円については、それぞれ油脂資源の増産関係、あるいは新しくさなぎ油をつくるとか、あるいは日本水産油脂協会というようなもので、水産油脂の増産をやるものに使おうということになつたわけであります。それが第一の部類の大口分解用の差金であります。  第二の部類の差金と申しますのは、それ以後の、つまり食用油脂であります。昭和二十三年度の下半期の食用油脂、工業用油脂については第二・四半期以後のもの、それについてはそういうようなことであるけれども、大口需要者から見ますと、金詰まりの状態が非常にきつくなつて来たので、受渡しについては必ずしも販売業者の仲介を必要としないが、金融はやはり販売業者を通した方がいいのだ。しかし油糧の調整規則で行きますと、販売業者を通したとしても、販売業者に直接売るということは、公団としてもどうしても主張しかねるわけであります。そこで、しからば販売業者を通して売りましよう、しかし実際の問題としては工場の岸壁に公団が着けてしまう。そうすると金融の面で販売業者が機能を失するわけでありますから、七十八円という販売業者の本来のマージン—これには輸送費等を含んでいるわけでありますから、それを全部とるのは少しひどいではないかということでそういう場合には公団は四十二円増し、あるいは條件によつては四十七円増しで販売業者に売ることができるという、価格の引上げでありますとか、いろいろな條件が出たわけであります。ですから七十八円マイナス四十二円、大体三十円くらいのものがそれ以後の数量について発生するわけでありますが、それについては価格の調整等、必要な方面に使うべきであるという物価庁の指示がありまして、その分については公団においてほとんど保管しております。
  308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは預かつているわけですか。
  309. 西川英三

    西川証人 預かつているわけです。その分については、全然手がつけてございません。
  310. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ずいぶんむずかしいが、要するに販売業者の手を経なくて直接つけたのだから、そこで販売業者にやる分だけを、消費者と公団とで折合つた、こういうふうにかえた方がいいのでしよう。
  311. 西川英三

    西川証人 そうではなく、私どもとしては、有用な方面に使うべく積んでおります。
  312. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わけるのではなく、積んでおこうというのですね。
  313. 西川英三

    西川証人 あとの分は積立てを命ぜられたが、まだそれが積み立てられていないわけであります。
  314. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どのくらいの金でしたか。
  315. 西川英三

    西川証人 今申し上げた第一の部類に属するものが四千九百万円、それ以後の分は、現在あるのが一千七百万円であります。また今後発生を予想されるものは、物価庁の特別指示によるものがなお二、三千万円あると思います。
  316. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると七千万円ほどになりますか。
  317. 西川英三

    西川証人 つまり消費者の寄付に該当するものが四千九百万円。それ以後のものが—おそらく今後発生するものを含めてですが、四千万円ないし五千万円あると思いますが、それはただいまは、今言つた価格調整資金に入れるべく指定して保管してあるものであります。
  318. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 両方で九千万円ほどになりますね。
  319. 西川英三

    西川証人 合計するとそうなります。
  320. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは先ほどの公団経由の原則から言いますと、その価格で公団で売つたのだから、一応は公団の收入として、国庫收入として、それから出すべきものがあつたら改めて出すとしなければ、公団規則にはまらぬと思いますが、それはどうですか。
  321. 西川英三

    西川証人 後の部類についてはお説の通りでありますので、そういう処置をしております。前の部類につきましては、これは公団の收入に帰すべきものでないといういきさつを今申し上げましたが、そういういきさつによりまして、公団販売手数料の中に入るべきものではないかという解釈をとつて、それについては国庫の收入として、それから出すべきものがあつたら改めて出すわけであります。
  322. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれがそういう解釈をしましたか。
  323. 西川英三

    西川証人 私であります。
  324. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会計検査院ではそういうことは認めておりますか。
  325. 西川英三

    西川証人 その点についてははつきりしておりません。
  326. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは一応その程度にして、その使途ですが、それはどういうところに使つておりますか。
  327. 西川英三

    西川証人 使途は、ビタミン油の集荷督励並びにその生産増強、油がれい、いか油、それからひまし油の学童集荷奬励費、きり実の集荷奬励費。また油脂大豆の文化展を開催して、その認識を深めるような事業、大豆の、文化映画、米ぬかの文化映画の作成費……。
  328. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは公団自身で使つたのですか。
  329. 西川英三

    西川証人 公団自身で附帶業務の申請許可をとつて使つたものと、それぞれの関係団体において使つたものと……。
  330. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 詳しく言わないでも、その点だけ区別してもらえばいい。公団だけで使つたものは幾らですか。
  331. 西川英三

    西川証人 公団が附帶業務の申請で、許可を集荷督励に使つたものは、私の記憶では六百万円あると思いまする
  332. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次に。大豆協会は。
  333. 西川英三

    西川証人 日本大豆協会、その他都道府県の大豆協議会で使つたものは三百万円あると思います。
  334. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから……。
  335. 西川英三

    西川証人 それからあと日本水産油脂協会並びに全国油脂資源増産協議会に委嘱した金等があると思います。
  336. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは相当大きなものですね。
  337. 西川英三

    西川証人 水産油脂関係で四百万円、それから油脂資源増産協議会関係で四百万円あると思いますが、こまかいことはあとで表にしてお出ししてもよいと思います。
  338. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなものでは九千万円かの金にはならぬだろう。
  339. 西川英三

    西川証人 いや四千九百万円です。
  340. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたの言うた前のやつか。
  341. 西川英三

    西川証人 そうです。
  342. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではあとのものは。
  343. 西川英三

    西川証人 あとのものはそのまま残つております。
  344. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 問題になつているから……。
  345. 西川英三

    西川証人 問題になつているからではなくて、その趣旨にかんがみて、初めからそういう平衡資金勘定に入れるということでありますから、そういう処理をしたわけであります。
  346. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それにしても四千九百万円というものにはとてもならぬじやないか。
  347. 西川英三

    西川証人 ここに明細がありますから、読み上げてもよいと思います。
  348. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしゆうございます。それでは急いでその表を出してください。
  349. 菅家喜六

    ○菅家委員 これは表だけではわからない部分があります。たとえば何百万という大金が協議会という大ざつぱな名前になつておつては、内容がわからない、だからその表は、内容をなるべく具体的に調べて、本委員会に提出されんことを要求します。
  350. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大体協議会費は主として食費及び会費のようです。
  351. 菅家喜六

    ○菅家委員 会費といつても、何か会をやりますれば、当然それらの詳細なる領收証というものがなくてはならぬ、そういうものがなくて協議会に三百五十万円使つた、何々会に五百万円使つたというのではわからない、内容を明らかにすると同時に、宴会費であるならば、その宴会費の使途明細なり場所、月日、地名、人名、それらのものを詳細にしなければ納得できないのであります。
  352. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではそういうものはできますか。
  353. 西川英三

    西川証人 できます。
  354. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは書いて出してください。
  355. 西川英三

    西川証人 かしこまりました。
  356. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでこの油糧配給公団に対する監督官庁はどこになつておるのですか。
  357. 西川英三

    西川証人 制度的には油糧配給公団の監督は経済安定本部官房の指導官が当るわけです。日常の統制事務についての監督は農林省であります。
  358. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで相当監督はしておるのですか、ただ名義だけですか。
  359. 西川英三

    西川証人 監督は名義だけではなくて、必要なときに全国抜打ち的検査、それから業務査察、報舌、月報、週報等の報告を徴されているわけです。
  360. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一体こういうやり方は、われわれから見ると、非常にルーズなやり方のように思うのですが、あなたはどう思いますか。
  361. 西川英三

    西川証人 委員長の今のお話で率直に申し上げますが、統制をやるということが必要である場合に、それではどういう方式でやるかということにつきまして、公団方式が最良のものであるとは思わないわけであります。これは議会で公団法を御審議願いました経過をわれわれが漏れ伺つてみましても、それがわかるのでありまして、公団というものは、実体においては一手買取り販売を内容とする商事会社的な機能を営むのが経済行為の実質であろうと思います。これを限られた予算、たとえば人件費については一人当り二千八百円、物件費についてはそれの三割の五百円といつたふうな頭割り的な機械的な官庁予算の組織と、その仕組の中に入れて、しかも一方においてその存在がきわめて短期的だ、公団というものはなくするぞ、なくするぞということを、しよつちゆう新聞にも書かれるし、公団法においても一年という期限が常に切られている。そういうような形で純粋な統制をやつて行くということについては、制度的に予算の面、定員の面等で非常に大きな制約があるわけであります。現実に商行為をやるのでありますから、たとえばアメリカから大豆が入つて来て、それが塩ぬれをしたといつた場合に、公団の職員が検査に行く場合、旅費がなくて行けない。出張費が一月何万円ということで、そういう動くビジネスについて行くということはとうてい不可能でありまして、これは国会で御審議になりましたように、おそらく独立採算制と、それから公社的な、資本においては、国家資本という純粋なものでやつてつて仕事をやる場合にはそういう商売行為をすみずみまで監督実施できるといつたよう統制方式をとられることが望ましいのではないかと思います。
  362. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつと言つてみれば、公団のもので個人の利益にならぬのだから、なるべく予算のある範囲は使つてやろう、さしつかえなかつたらやろうという気分がみなぎつておるのではないですか。
  363. 西川英三

    西川証人 そういうふうな気分はないと思います。
  364. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうも出すべきものを残しておいて、それで奬励費だ、協議会費だというところを見ると、そういうふうに思えますが、それからもつとわれわれとして心配になりますのは、今までのは現に入る金の経理について聞いたのですが、今後これを清算して行く上において非常な赤字が出やしませんか。
  365. 西川英三

    西川証人 私の現在の見通しでは、そういうことは油糧配給公団にはないと思います。
  366. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 売掛金など相当ありましよう。
  367. 西川英三

    西川証人 売掛金につきましても、そういう悪質の売掛金があるのではございません。たとえばクーポンを切りましたときに、相手方に対して売掛金勘定を起すわけであります。ところがそれは港から奥地の消費工場へ荷物が着いてから初めて金になるわけですから、その期間の売掛金でありますので、整理上の売掛金でありまして、御心配になるような売掛金ではないと思います。
  368. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつでも回收できますか。
  369. 西川英三

    西川証人 はあ、できます。
  370. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから数量において、帳簿上にあるものと現実にあるものとにも大きな差は出ませんか。
  371. 西川英三

    西川証人 大きな差は出ないと思います。
  372. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは各種の公団で現われておる大弊害なんです。あなたの公団だけではありません。
  373. 西川英三

    西川証人 私は六月二十四日までしかおりませんが、それ以後もないと思います。
  374. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだけ承つておけばよろしゆうございます。
  375. 高木松吉

    ○高木(松)委員 私は委員長の聞いたこととなるべく重複しないようにするつもりですが、筋道からいつて多少重複する点があるかもしれません。まず第一に、油糧公団の性格をはつきりさしてもらいたい。どういう性格ですか。
  376. 西川英三

    西川証人 性格と申しますのは、油糧配給公団は政府機関の一つであります。その実務内容においては一手買取り、集買販売を行う政府機関であります。
  377. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうことは当然われわれはわかつているんだが、あなた方のやつている仕事から、そういう性格を認識しているのかどうか疑がわれるので聞いたんです。  それから組織はどういうふうになつていますか
  378. 西川英三

    西川証人 組織は総裁、副総裁理事、それから各所要の部があるわけであります。
  379. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それでどれくらいの職員が数にしておられるのですか。
  380. 西川英三

    西川証人 油糧配給公団は六百人であります。
  381. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それからこれも特に確かめておきたいのですが、仕事の内容と経理の関係はどういうふうになつているのですか。
  382. 西川英三

    西川証人 仕事の内容と経理というと、どういうことですか。
  383. 高木松吉

    ○高木(松)委員 終局的にいえば、欠損はだれの責任になり、利益はだれの責任になるかということになるのですが、それを初めから説明して、そういう結論になるのかならないのか。その結論まで到達する道程を説明して、結論をはつきりさしてもらいたい。
  384. 西川英三

    西川証人 お話の点はこうだろうと思います。私どもの考え方から行きますと、昭和二十三年度におきましては、政府から人件費と物件費を国庫交付金の形において公団はもらつたわけであります。そのもらつたものはもらい放しのものではなくて、事業を円滑に運転して行くことによつて、ぜひ返さなくちやいけないという趣旨で、経営については少くとも頭をひねつてやりました結果、そういう国庫交付金を完納した数の少い公団の一つではないかと思います。そして現に予定された交付金は国庫に返納してあるのでございます。
  385. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで公団運営の結果、欠損の出た場合においては、最終の欠損の責任者はだれですか。
  386. 西川英三

    西川証人 昭和二十四年度から公団の経理、予算決算等に関する法律というのが出まして、いわゆる公団の取扱いマージンで公団の経理をまかなうべし、そういう法律なつておりますので、そういう趣旨で運営されておるわけであります。
  387. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはわかりました。その法律の出る前はどういうふうになつていましたか。
  388. 西川英三

    西川証人 それは今申し上げましたように、政府が人件費と物件費を国庫交付金の形で公団に交付し、公団はその範囲で事業をやつております。その場合に国庫交付金という性格から行きますと、これは一応もらい切りというふうに考えてもいいものじやないかと思いますが、しかし私の公団においては、もらつたものはぜひ返さなくちやいけないのだという考え方で、適正な運営をやつて、その国庫交付金を返したわけであります。
  389. 高木松吉

    ○高木(松)委員 利益のあつた場合はどうなるんですか。
  390. 西川英三

    西川証人 利益のあつた場合は、純粋の利益と目されるものは国庫に納付すべきものであります。
  391. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その点が重大なんです。それから大豆協会のできたのはいつですか。
  392. 西川英三

    西川証人 昭和二十一年の三月です。
  393. 高木松吉

    ○高木(松)委員 経理部長の名義で特別に預金をしておつたというのは何ぼになりますか。
  394. 西川英三

    西川証人 二千八百万円です。
  395. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その使い方は先ほど詳細に流べていないようだが、それはどうですか。
  396. 西川英三

    西川証人 これは今起訴されていて、近く公判が開かれると思いますが……。
  397. 高木松吉

    ○高木(松)委員 言えないですか。
  398. 西川英三

    西川証人 いや言えます。
  399. 高木松吉

    ○高木(松)委員 言えるならばひとつ話してください。
  400. 西川英三

    西川証人 この内訳は、千五百万円が人件費、給料、それから究破資金等でございます。それから四百二十万円が借入金、五十一万円が会議費、六十一万円が交通費、百万円が厚生費、百三十万円が渉外費、それから三十五万円が備品費であります。今お話があつたのですが、トータルはこれで二千三百万円、残りが五百二十万円です。
  401. 高木松吉

    ○高木(松)委員 大豆協会ができたのは、公団ができる前ですね。
  402. 西川英三

    西川証人 そうです。
  403. 高木松吉

    ○高木(松)委員 その大豆協会を運営するのに、どのくらいな人間をもつてその前は運営しておつたのですか。
  404. 西川英三

    西川証人 その前は大豆協会には五人程度の職員がおつたと思います。
  405. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それで大豆協会の理事も、あなたはおやりになつておつたのですね。
  406. 西川英三

    西川証人 はい、そうです。
  407. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、大豆協会の内容は全部おわかりになつておりますね。
  408. 西川英三

    西川証人 大きなことはわかつております。
  409. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで公団ができてから今日あなたがおやめになるまで、大豆協会で使つた金はどれだけですか。
  410. 西川英三

    西川証人 昭和二十三年度におきまして、一般経費において百八十二万円です。それからその同年度におきまして、大豆増産奬励事業として支出した金額が五百五十九万円です。一般経費と増産奬励費と峻別してあつたと思います。
  411. 高木松吉

    ○高木(松)委員 昭和三十四年度はどうなつていますか。
  412. 西川英三

    西川証人 昭和二十四年度は目下まだ期の半ばでありますが、予算といたしまして一般経費の方は六百二十八万円です。
  413. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから……。
  414. 西川英三

    西川証人 それから大豆増産設備の方が予算は二千百万円でありますが、現在では一千二百万円使つております。
  415. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、公団人たち大豆協会の仕事を手伝つてつておる、こう言うが、公団人たち大豆協会の仕事を手伝つてやることによつて公団仕事がお留守になつて、公団仕事の運営に支障を来すようなことはありませんか。
  416. 西川英三

    西川証人 それは嚴に注意をいたしまして、支障を来さないようにやつております。
  417. 高木松吉

    ○高木(松)委員 かりに支障を来すとすれば、大豆協会の職員は何人ぐらいになるのですか。ほかから取入れて使わなくてはならぬということになれば……。
  418. 西川英三

    西川証人 それは昭和二十四年度におきましては、でき得れば十人ぐらいの職員を使うようにしております。
  419. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、二十三年の百八十二万円というものは、これは大体どこへ支拂つてある金ですか。
  420. 西川英三

    西川証人 二十三年度の支出のうちおもなるものは、今言いました俸給、一人おりますがその俸給、それから……。
  421. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは一人幾らですか。
  422. 西川英三

    西川証人 これは一年間八万四千円です。
  423. 高木松吉

    ○高木(松)委員 百八十二万円というものの内訳を説明して聞かせてもらいたい。
  424. 西川英三

    西川証人 今から申し上げます。俸給費が八万四千円、出張旅費が五万六千五百円、交通費が六十五万九千円、会議費が六十八万円、図書印刷諸費が三万二千円、雑費が十二万円、翌年繰越しが十八万円で百八十二万円です。
  425. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それから奬励費の五百五十九万円の内訳はわかつておりますか。
  426. 西川英三

    西川証人 はい、わかつております。
  427. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それを説明してください。
  428. 西川英三

    西川証人 大豆作改善共進会開催費が百万円、これは審査費が五十一万三千円、報奬費が十五万一千円、表彰式の費用が二十一万四千円、雑費が千三百円、大豆作共進会のブロック別の会議費、これが七箇所でやつておりますが、十三万円。なお次の大豆の種子の展示交換会、これは大豆の優良種子の展示をやつてお互いに交換し合う会ですが、これが二十三万一千円、その次に大豆の栽培技術交換会、これは大豆栽培技術の特徴のある人を集めて来て、話し合つてお互いにやるわけです。これが十六万六千円。試験研究費、これは農事試験場等に委嘱して、病虫害に強い大豆をつくつたり、それから根瘤菌の研究をやる費用十九万二千円、調査研究費が十万円。それからその次に「大豆情報」というものを毎月発行しておりますが、その刊行費が二十一万円。大豆に関する文献を刊行しておりますが、それが三十四万円。大豆の文化展覧会というものをやりましたが、それが十五万円、大豆協会の支部が各地にありますが、その支部の指導活動費が二十二万円、打合せ協議会が三十二万円、出張旅費が十五万円、それから北海道の大豆増産については、特に北海道農事試験場に委嘱しまして、寒地で多收穫をあげる、増産に合う適品種の調査をやつておりますので、それが七十五万円、「大豆」という文化映画をつくつておりますが、それが五十万円、府県大豆協議会の活勧費百万円、集荷促進が十三万円、それで合計五百五十九万二千五百三十七円六十銭でありまして、翌年度に八百六十二万二千百三十四円九十四銭を繰越しておるわけであります。
  429. 高木松吉

    ○高木(松)委員 二十四年度の方は文書によつて出してもちいたい。わかりました。それから先ほど給料にやつたという金がありましたが、この給料にやつた金は税がかかつておりますか、かかつておりませんか。
  430. 西川英三

    西川証人 給料、突破資金、寒冷地手当、人件費等については、その点はこまかいことを私は承知していないのです。しかし当然拂うように処理されているのじやないかと思いますから、その点は確めておきます。
  431. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういう点ははつきりした方がよいと思う。それから監督関係ですね。公団の監督、大豆協会の監督—その前にひとつ聞いておきたいのは、何か大豆協会のいわゆる奬励金、その金のために六円十五銭というものをとりますね。これがその目的のために使われずに残つた場合はどこへ持つて行くわけですか。
  432. 西川英三

    西川証人 残つたものは、たとえば先ほどお話しましたように、八百万円残ればそれを次年度に繰越すわけです。これは大豆の年度と会計年度の食い違いがあるから、そういうことになるのです。
  433. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それはどこへ持つてつておくべき性質のものですか。あなたの方の公団で押えておくべきものですか。
  434. 西川英三

    西川証人 大豆協会にこれは渡つて行くものだと思うのです。
  435. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこで私の聞きたいのは、大豆協会にそれだけの金を渡して、使い切れんであまつたときには、これはどこへ持つて行くのですか。相当の金だからあまるようですね。
  436. 西川英三

    西川証人 それは余らないんです。(「会議費か」と呼ぶ者あり)いや、会議費でなくて、ことしのようにさらに試験研究をいたしましたり、農事試験場の栽培面積をふやしたり、栽培技術の講習をもつと頻々とやつたり、そのためにわずか十五万トンの大豆が今日においては四十万トンになつたという点、そういう大きな貢献をした面をあわせてお考え願いたいと思います。
  437. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでお聞きしたいのは、大豆協会のやつている仕事というものは、大体農林省でやつている仕事ではありませんか。
  438. 西川英三

    西川証人 そうです。それは私の方からあなた方にもお願いしなければいかんと思いますが、これは継続的にやつて来られながら、日本の予算政策なり食糧政策が米麦中心であつて大豆の予算は少しも出さない。いくら申請しても当局が取上げてくれない。そのためにこういう禁則的なことをやらざるを得なかつたわけでありますが、しかも毎年々々新しい強い要望をしまして、もしその予算が通ればこういうことはやめてしまう、しかもそれは即時この時期の途中で……。そういうことが予算で可能であれば、当然政府でやつてもらう……。
  439. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや、わかりました。そういうあなたの心境であつたなら、いま少しやり方がまじめであつてしかるべきだと思うが、どうですか、まじめにやつておりますか。
  440. 西川英三

    西川証人 お言葉を返して恐れ入ります。私は終始徹底してまじめであつたと思います。その例といたしまして……。
  441. 高木松吉

    ○高木(松)委員 いや、例の一つ二つを言つたところでわれわれは納得できない。全部総括的に見て、この運営には私どもは法規の上から見ても良心的に考えても、少くとも国家に利害関係を持つ国民の税金でまかなわれる最後の線を見守つたときに、これはまじめな仕事なりとは私どもは受取れない。そこで私はいま一歩進んであなたにお尋ねしたいことは、監督関係ですね。あなたの方はまじめにやつていると御主張になつているが、あなたの方の公団の監督、大豆協会の監督はどこがやつているか。
  442. 西川英三

    西川証人 農林省です。
  443. 高木松吉

    ○高木(松)委員 先ほど安本の関係を引出しておつたようですが、これは直接の……。
  444. 西川英三

    西川証人 公団の制度的な監督は、安本の監督指導下で、一括公団制度全般として監督するわけです。日常業務については農林省……。
  445. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そこでなお聞きたいことは、あなた方が、今ここでお話しになつたようなざつくばらんな報告をして、現実をお目にかけて、農林当局はその当時これでよろしいとおつしやいましたか。それとも農林当局の監督に対して、いわゆる平たく言えばごまかして通うたというのか、ざつくばらんに全部この事実を農林当局に明らかにして、農林当局はこれでよろしいと言つて監督権の行使をしておつたかどうか、これはどうです。
  446. 西川英三

    西川証人 たとえば全公団総裁から公団職員の給與の問題、寒冷地手当の問題については、強硬決議が……。
  447. 高木松吉

    ○高木(松)委員 それは一つの政治的な動きであつて、私どもはそれを聞こうとするのではありません。あなた方がただいまわれわれにお話になつたよう公団運営の仕方、たとえば経理部長の名義で特別の口座を設けるとか、いろいろな事実がありますね。宴会費に使つたり、それから方々にいろいろ使つている。こういう事実をあからさまに監督当局である農林省に明らかにして、農林省自身はそれでよろしいとおつしやつたかどうか。この点……。
  448. 西川英三

    西川証人 そういう事実をぶちまけて、農林省にこれでいいかどうかという意見を聞いたことはない。それは責任を転嫁するものですから、それは私の責任でやつた
  449. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そうすると、事実を隠して農林省の前は通つたことになるわけですね。
  450. 西川英三

    西川証人 それは、私はそうやつたわけです。
  451. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうことをいいとあなたはお思いになつておやりになつたのですか。
  452. 西川英三

    西川証人 いいとか悪いとかを考える前に、とにかく公団の運営という毎日の仕事をやつて行かなくちやならぬという立場から、やらざるを得なかつたわけでありますので、それについては法のさばきを受けるつもりで、今公判を待つておるのであります。
  453. 高木松吉

    ○高木(松)委員 そういうことを聞いておるのじやないのです。あなた方の持つておる心構え、それ自身が法のさばきを受けてもさしつかえないというような考え方で、公団人たちは全部事務をとつておるのですか。あなた一人ですか。
  454. 西川英三

    西川証人 私一人です。
  455. 小玉治行

    ○小玉委員 この油糧公団には労働組合はあつたのですか。
  456. 西川英三

    西川証人 あります。
  457. 小玉治行

    ○小玉委員 今はありますか。
  458. 西川英三

    西川証人 今もあります。
  459. 小玉治行

    ○小玉委員 この五百七十万円の金を経理部長の個人の名で預けてあるというのですが、その経理部長はどういう経歴の方ですか。
  460. 西川英三

    西川証人 経歴と申しますと……。
  461. 小玉治行

    ○小玉委員 経理部に来るまでの……。
  462. 西川英三

    西川証人 公団発足前におきましては、帝国油糧会社の職員労働組合の委員長を一時やつてつたわけであります。会社業務から言いますと、油脂部の大豆課長をやつておりました。
  463. 小玉治行

    ○小玉委員 経理の面では多年経験のある方ですか、いかがですか。
  464. 西川英三

    西川証人 その点から申しますと、最近の経理といいますのは、業務がわかつていないと経理はやれないわけであります。それぞれの担当課長に経理の機械的な処理にたんのうな人がおりますれば、むしろ経理部長のごときは業務がわかつた人の方がいいというわけです。そういうことで異動をやつたわけです。
  465. 小玉治行

    ○小玉委員 労働組合の委員長が経理部長になるということは異例ではないかと思いますが、いかがですか。
  466. 西川英三

    西川証人 その点は労働組合の委員長をやつてつたから、経理部長になつたわけではないのでありまして、ある時期をおいてなつておるわけでありまして、前歴を申し上げたのであります。
  467. 小玉治行

    ○小玉委員 これは労働組合の方からの推薦あるいは要求によつて任命したというような……。
  468. 西川英三

    西川証人 そういう事実はありません。特に業務関係にたんのうであつて、しかも大まかな経理関係がわかつておる。業務の受渡しの経験もある、適任者だというのでやつたのであります。
  469. 小玉治行

    ○小玉委員 名前は……。
  470. 西川英三

    西川証人 本村一良です。
  471. 小玉治行

    ○小玉委員 その程度でいいです。  それから五百七十万円のうちから四百二十万円を会議費として使われた、こうおつしやいましたね。
  472. 西川英三

    西川証人 はい。
  473. 小玉治行

    ○小玉委員 それはどれくらいの期間に四百二十万円をお使いになつたのですか。
  474. 西川英三

    西川証人 十五簡月間であります。
  475. 小玉治行

    ○小玉委員 何回ぐらいの会議費ですか。
  476. 西川英三

    西川証人 こまかい記憶はありませんが、今私の裁判のために反証をそれぞれそろえております。
  477. 小玉治行

    ○小玉委員 会議費というが、会議に集まつた人はいろいろの会議で来られるかもしれませんが、主として油糧公団の職員ですか、あるいは職員外の人、いわゆる油糧公団内部の人の会議ですか、あるいは外部の人の会議ですか。
  478. 西川英三

    西川証人 外部の人が多いと思います。
  479. 小玉治行

    ○小玉委員 それはどういう方面ですか。
  480. 西川英三

    西川証人 それは関係団体です。
  481. 小玉治行

    ○小玉委員 具体的に申しますと……。
  482. 西川英三

    西川証人 油脂工業協会、油脂製造協会、国産菜種協会、その他業界の関係者の会議が一番多かつたと思います。
  483. 小玉治行

    ○小玉委員 官庁関係は……。
  484. 西川英三

    西川証人 官庁関係は晝弁当を食べる会議がせいぜいであります。
  485. 小玉治行

    ○小玉委員 その関係団体とは、いかなる必要からそういう会議を開いたのですか。
  486. 西川英三

    西川証人 たとえば新しい統制方式が施行されまして、従来は全国の都道府県の商業組合だけを一本相手にしておればよかつたのでありますが、それが新しい販売業者規定というもので、三千軒の新しい登録業者に販売をする、そういうような事態になりましたときには、取引條件を説明し、さらに現物化についてその都度詳細な打合せをやらなくちやいけないことになりますので、そういう取引のための打合会というものを頻々と開催せざるを得なかつたのであります。
  487. 小玉治行

    ○小玉委員 会議の場所はおもにどういう所ですか。
  488. 西川英三

    西川証人 たとえば会館でありますとか、あるいは公団会議室とか、あるいは地方庁へ行きますれば地方庁を借りるというように、経費を使わない会合を常にやつたのであります。
  489. 小玉治行

    ○小玉委員 どつちみち食事をするのでしようが、その食事の最低、最高費は一人当りどうなつておりますか。
  490. 西川英三

    西川証人 その詳細は今記憶はありませんが、大体四百二十万円、十五箇月でありましたので毎月三十万円秘度になるわけであります。そうして今申しましたように十回ないし十五回やるといたしますれば、ほぼ想像がつくと思います。
  491. 小玉治行

    ○小玉委員 しかし一人当りどれくらいになりますか。
  492. 西川英三

    西川証人 一人当リ二千円も三千円も一万円もかかる会議はやつたことはないのであります。
  493. 小玉治行

    ○小玉委員 りくつはいいが、事実はどうですか。大体一人当りのごちそう代は。
  494. 西川英三

    西川証人 三百円から五百円、たまに千円くらいのものがあるだけです。
  495. 小玉治行

    ○小玉委員 そういう関係団体の方にあなたの営業方針その他を説明されるのに、ごちそうをしなければ趣旨が徹底しないのですか。
  496. 西川英三

    西川証人 ごちそうをするのが趣旨じやないのでありまして、当時の食糧事情等から、やはり集つてもらつて遅くまで会議が続けば、それに弁当を出すというようなことは当然ではないかと思つたのであります。
  497. 小玉治行

    ○小玉委員 よろしゆうございます。それから大豆協会ですが、大豆協会の職員は油糧公団の職員と大体兼ねておつたというのですが、その職員に対しては手当その他の名目で支出はなかつたのですね。
  498. 西川英三

    西川証人 一切出しておりません。
  499. 小玉治行

    ○小玉委員 俸給は聞きましたが、その金の中から出張旅費と交通費と、会議費はありますが、出張旅費、交通費というものは、だれに具体的に渡していたのです。
  500. 西川英三

    西川証人 役員です。たとえば醤油協会、あるいは販売組合の会長、これは大豆協会の役員でありまして、しかもその人たち大豆共進会で地方に出てもらうためには、当然出張旅費を負担しなくてはならぬわけであります。
  501. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆協会の役員ですか。
  502. 西川英三

    西川証人 そうです。
  503. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆協会の役員というと何人くらいおりますか。
  504. 西川英三

    西川証人 二十人。
  505. 小玉治行

    ○小玉委員 その人たちが出張される場合の出張旅費と交通費ですね。
  506. 西川英三

    西川証人 はい。
  507. 小玉治行

    ○小玉委員 それは大体どういう基準で與えておつたのですか。
  508. 西川英三

    西川証人 こまかい詳細の規定については知らないのであります。
  509. 小玉治行

    ○小玉委員 知らないと言うが、これはだれがそういう基準をきめたのですか。
  510. 西川英三

    西川証人 世間並の規定が大豆協会の事務局にあります。
  511. 小玉治行

    ○小玉委員 事務局にそういう規定がありますか。出張旅費は一日どれだけであるとか、宿泊料はどれだけであるとかあるのじやないですか。
  512. 西川英三

    西川証人 その点までこまかいことは知りません。
  513. 小玉治行

    ○小玉委員 これかたいへんな費用になつているわけです。その支出は、現実にはだれがやつているのですか。油糧公団の経理部長がやつているのですか。
  514. 西川英三

    西川証人 一般の方の金を出すのは、大豆協会の事務局長がおりますから……。
  515. 小玉治行

    ○小玉委員 だれですか。
  516. 西川英三

    西川証人 門田盛貫というものがやつております。
  517. 小玉治行

    ○小玉委員 その人が独断でやるのですか、あるいはだれかと相談してやるのですか。
  518. 西川英三

    西川証人 おおむねこの程度ですと、私にまで相談が来ないで、大豆部長で理事をやつている野村君というのがおります。その人のところでやつております。
  519. 小玉治行

    ○小玉委員 基準はありますか。
  520. 西川英三

    西川証人 あると思います。
  521. 小玉治行

    ○小玉委員 もしあつたらひとつ書面で出していただきしたいと思います。
  522. 西川英三

    西川証人 はいわかりました。
  523. 小玉治行

    ○小玉委員 大豆協会の会長は初代は杉山、二代目は正田、三代目は和田、こういう方には全然手当をやつていないのですか。
  524. 西川英三

    西川証人 会長に手当は出ております。
  525. 小玉治行

    ○小玉委員 どれくらい。
  526. 西川英三

    西川証人 半年五万円。
  527. 小玉治行

    ○小玉委員 私はそのくらいにしておきます。
  528. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたは油糧公団の副総裁をおやりになる前に、何をおやりになつておつたのですか。
  529. 西川英三

    西川証人 初めから申し上げますか。
  530. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 最近ちよつと前でよろしゆうございます。
  531. 西川英三

    西川証人 昭和七年から昭和十五年まで三菱商事株式会社に勤務、昭和十五年から日本油糧統制会社の総務部長、昭和十七年帝国油糧統制株式会社になりまして、企画部長、北海道支店長、企画室長、それから油糧配給公団に至つております。
  532. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 官界の経歴はないのですか。
  533. 西川英三

    西川証人 ございません。
  534. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それからあなたは平田象夫なる人を御存じですか。
  535. 西川英三

    西川証人 存じ上げておりません。
  536. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 もう一度申します。平田象夫、知りませんね。
  537. 西川英三

    西川証人 私は知りません。
  538. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 こういう事実を聞いておるが、この平田なる者は、あなたの一の子分で、この平田が長野県で原本油脂という会社をつくつて、そこの專務をやつておる。この会社へあなたが復金から三百万円の金を借り出してやつておる事実はありませんか。もちろん知らないからないでしようね。
  539. 西川英三

    西川証人 その平田象夫というので思い出しましたが、それは帝国油糧会社の技術室におつた職員です。私の一の子分ということについては全然間違いです。
  540. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 原本油脂に復金融資をあつせんしたという事実はありませんか。
  541. 西川英三

    西川証人 ございません。
  542. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 要するにだんだん考えていたら、平田君を今思い出したのですね。
  543. 西川英三

    西川証人 その程度の人です。
  544. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 それからそのときに農林省の中原油脂課長、この人を使つておりませんか、その復金から金を借り出すときに……。
  545. 西川英三

    西川証人 使つておりません。
  546. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 あなたとこの中原というのは、われわれの聞いておるところでは油脂界の二人のボスだとなつておる。ボスという意味がいいか悪いかは存じませんか、そういう意味で、この二人のコンビが強引に復金に迫つて、復金がこれを承知しないものを、あなたは強引な方法で復金に融資をさしたという事実はありませんか。
  547. 西川英三

    西川証人 断じてございません。
  548. 篠田弘作

    篠田委員 ちよつと証人にお伺いしますが、ただいま油糧産業株式会社保險契約の金をお使いになつた内訳を話されましたが、その中で会議費が四百五十万円、これは同僚議員から念を押されまして、おもに公団関係の業者との話合いに使つた、こういうお話がありましたが、そのほかに渉外費というものが百三十万円あるようでありますが、これは渉外費というと外部との関係だと思いますが、どういう関係ですか。
  549. 西川英三

    西川証人 これは外国です。
  550. 篠田弘作

    篠田委員 外国関係に百三十万円お使いになつたわけですか。
  551. 西川英三

    西川証人 そうです。
  552. 篠田弘作

    篠田委員 それからその次に大豆の増産奬励費として昭和二十三年度に五百五十九万円、昭和二十四年度は現在で千百万円お使いになつておりますが、職員が一人きりおらないような協会に、これだけたくさんの金を渡して、はたしてあなたが言つたような十五万トンから四十万トンになるというような厖大な増産が一体できるとお思いになるか、ならないか、その点をひとつ聞かしてもらいたい。
  553. 西川英三

    西川証人 その点は私の説明が不十分であつたかと思いますが、たとえば大豆の増産をやります場合にいずれあとで書面で出すのを読んでいただけばわかると思いますが、栽培技術講習会とか、あるいは大豆種子の展示会、大豆作の改善共進会、全国農業指導連合会等の緊密な連絡によつて、中堅青年講習会を開くとか、あるいは増産功労者を表彰するとか、試験研究、さらに優良大豆をつくる方法等の三箇年間の活動を通じて、十五万トンから四十万トンに増産されたわけです。
  554. 篠田弘作

    篠田委員 それならその金は、奬励費として大豆協会を通じて、それらの団体に渡されておるわけですね。
  555. 西川英三

    西川証人 渡されております。
  556. 篠田弘作

    篠田委員 もう一つ伺いますが、公団の制度並びに組織の問題というものは、年限的にも一年ぽつきりであつて、いつ廃止されるかもしれないというような関係から、非常に不安にかられて公団の内部が非常に乱脈に陥つたというふうなことで、問題を正当化されたように思うのであります。言いかえれば独立採算制といつたふうなかつこうで、赤字を埋めるためにずいぶんむりをした、こういうふうに言われておりますが、今までの経験によりますと、公団の赤字は国家予算でもつて埋められて、第五国会でも公団の赤字を埋めるために相当の予算の決議をやりましたが、正当な赤字であるならばそういうふうな処置があつたと思うのでありますが、あなたは副総裁としてそういう赤字までを心配して、いわゆるからくりと言つておるが、今問題になつておるようなことをおやりになつたのですか、どうですか。
  557. 西川英三

    西川証人 その点でわれわれもあらん限り、現在のそういうものは国家予算でまかない得るように努力したのでありますが、しかし一方いろいろな人事院規則なり、給與対策本部の要綱というものが非常に強力な意思でやつて参りますので、そういう公団の公務員が、一般官吏の制限とりきめ以外の別途の取扱いを受け得るということについては、非常に困難じやないか、そういう見通しを持つたので、そういう処置をとらざるを得なかつたのであります。
  558. 菅家喜六

    ○菅家委員 大体委員長の尋問で終つておるようでありますが、なお二、三証人にお尋ねしたいと思います。先ほど小玉委員から質問があつたのですが、大豆協会の会長は和田会長でありますが、和田会長は先ほど証人が述べられておるように、実際の経理関係は御承知でございましようか。
  559. 西川英三

    西川証人 御承知でございません。
  560. 菅家喜六

    ○菅家委員 それはどういうわけです。
  561. 西川英三

    西川証人 会長は大きな政策指導、たとえば共進会等がありますときには、日本大豆政策、そういうものをどう持つて行くかということをやつてもらうのです。こまかい点につきましては、事務局長並びに理事の野村君がやつておるのです。
  562. 菅家喜六

    ○菅家委員 こまかいとおつしやるけれども、大豆協会の経理というものは相当大きい。三百万円、五百万円、一千万円程度のものではなくて、一つの協議会をするのにも何百万円も使う。今証人が述べられた事柄によつて見ても、これは決して小さい問題ではないと思う。これはいずれ会長に尋ねることでありますが、会長が知らないというふうなことは、私どもはどうしてもふに落ちない。そこで大豆協会は帳簿がございますか。
  563. 西川英三

    西川証人 大豆協会にはございます。
  564. 菅家喜六

    ○菅家委員 先ほど証人は高木委員の尋問に答えられて、公団は人員、賃金その他において非常に苦しかつた。善悪を判断する余地なくして、こういうふうな事件を引起したということでありますが、それを私どもは率直に考えますと、悪いことかいいことか考えるいとまがなかつた。しかしながらあなたは副総裁として、これだけの背任その他の事態がここに生れておるのでありますから、これらの事柄を判断せずしてやつたというようなことも、私ども常識的にこれをのみ込むことはできないのであります。まだ今日でもそうお考えになりますか。もし公団において人員、賃金等において経理の面に夢中であつたために悪いことでもやるということになりますれば、労働者は法律においてとめられておるストライキをやつてもいいことになります。賃金が安くて食えないから暴行脅迫をやつてもいいということになります。公団公団として與えられたわく内において経理をやつて行くべき性質のものであります。人員、賃金の面できゆうくつであつたから、かくのごとき背任行為をやらなくてはならなかつたということは、結局その二つとも殺す意味になるのではないか。そういう点に対して、あなたは副総裁として今でもそういうふうにお考えになつておりますか。
  565. 西川英三

    西川証人 私はその点につきましては、無制限に賃金を上げたり、手当を増そうということを言つたのではないのでありまして、前年度の閣議決定の線まで持つて行くという範でやつたのであります。
  566. 菅家喜六

    ○菅家委員 私どもは先ほどからの委員長、その他委員諸君の尋問と証書言を聞いておりますと、これを聞きましたときに、国民が一体どう考えるでありましよう。わずかばかりの金だとおつしやるけれども、相当に大きい。第一昭和二十三年度に五百五十九万円という大豆増産奬励費が出されておる。それから五十一万円という審査費を使われておるが、これは一体どういう内訳か。それからもう一つ雑費が十二万円使われておる。この内訳がわかりましたら伺いたい。
  567. 西川英三

    西川証人 私が今お答えでき得るだけお答えしたいと思いますが、雑費の十二万円は、たしか大豆協会の第二封鎖になつたものの切り捨てだと思います。それから審査費の五十一万円につきましては、ただいまお話申し上げる資料を持つておりませんので、詳細なお答えは差控えたいと思います。
  568. 菅家喜六

    ○菅家委員 それでは先ほど私から要求しておきました集荷督励費の明細なる使途の詳細を出す際に、これらの詳細なものを御提出願いたいと思います。
  569. 西川英三

    西川証人 わかりました。
  570. 浦口鉄男

    ○浦口委員 お尋ねいたしますが、先ほど油糧産業から金銭その他の寄付は受けていないとおつしやつておりますが、饗応を呼けたというような事実はございませんか。
  571. 西川英三

    西川証人 饗応の事実はございません。ただし私につきましては、昭和二十三年の十二月にさけ一本、万年筆一本をもらつております。
  572. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それからいま一つは、油糧産業所有の家屋を借り入れている。しかしそれに対しては正当な借用料金を拂つているというのですが、それは間違いないでしようね。
  573. 西川英三

    西川証人 間違いありません。
  574. 浦口鉄男

    ○浦口委員 しかし一応拂つた経理面になつていて、あとで何らかの形でそれをもらつているという事実はありませんか。
  575. 西川英三

    西川証人 そういう事実はありません。
  576. 浦口鉄男

    ○浦口委員 その金額はいくらでございますか。
  577. 西川英三

    西川証人 それは私は記憶もありませんし、こまかいことは知りません。
  578. 浦口鉄男

    ○浦口委員 家賃はいくらですか。
  579. 西川英三

    西川証人 家賃はそのとき聞いた感じでありますが、案外高い家賃を拂つているという気がしたことを覚えております。具体的にいくらということは覚えておりません。
  580. 西村直己

    ○西村(直)委員 一つだけ簡單にお尋ねいたしますが、帝国油糧からかわつた場合に、株の処分はできるだけ公団職員が所有することは避けたいと言われましたが、あなたの場合はどうですか。
  581. 西川英三

    西川証人 私と総裁は持つておりません。
  582. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それからも一つ、これは事実であるかどうかお聞きしますが、会津の若松に太平油脂という会社があるのを御存知ですか。
  583. 西川英三

    西川証人 はい。知つております。
  584. 浦口鉄男

    ○浦口委員 あなたはここの株を持つておりますか。
  585. 西川英三

    西川証人 持つておりません。
  586. 浦口鉄男

    ○浦口委員 奥さんは。
  587. 西川英三

    西川証人 持つておりません。
  588. 浦口鉄男

    ○浦口委員 これに関係しておられるのはどういう点ですか。
  589. 西川英三

    西川証人 関係は全然ありません。あなたがお尋ねのような関係はございません。
  590. 浦口鉄男

    ○浦口委員 たとえば油脂の配給とか、おるいは輸入油脂というようなものについて関係はありませんか。
  591. 西川英三

    西川証人 関係ございません。
  592. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それから熱海の寮の大きさはどの程度ですか。
  593. 西川英三

    西川証人 三十坪の家であつたと思います。
  594. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 一つだけお伺いします。原料の割当についてちよつとお伺いしたいのですが、搾油会社について、現に仕事をやらせる工場には、たとえば大豆とかあるいは米ぬかとかいうようなものは、どういう方法で割当てておりますか。
  595. 西川英三

    西川証人 中央におきましては、技術審査委員会というものがありまして、そこで技術点をつけます。その技術点によつて合格したところに、設備能力、技術点の総合点数によつて地方で割当ております。それは外国産原料であります。
  596. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 もう一つお尋ねします。従来は大豆などというものは、おもに満州から入つたと思うのでありますが、日本の現状からいたしまして、その大半が北海道大豆だろうと思います。その北海道大豆の搾油パーセンテージというものは、大体どのくらいに見ておりますか、おわかりですか。
  597. 西川英三

    西川証人 私の記憶では、昨年度六十万俵の供出に対して、四十二万俵程度を北海道でしぼつたと思います。
  598. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 そのパーセンテージです。
  599. 西川英三

    西川証人 北海道の供出した全量の大体七割か八割程度しぼつたと思います。
  600. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 いや、一石なら一石で何パーセントぐらい油になるかということをきめるでしよう、農林省ないしあなた方と相談して……。
  601. 西川英三

    西川証人 農林省がきめるわけですが、圧搾法と抽出法による場合と違うのです。圧搾法による場合には多分八%ないし一〇%ではないかと思います。しかしこれは全量供出が建前になつておりますから、しぼればしぼつただけ出さなければならぬことになつております。
  602. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 それではお伺いいたします。ちようど昨年だと思いますが、北海道大豆はでき上つた豆の品質が非常に落ちているというので、八%ないし一〇%というお話でしたが、そのパーセンテージを三分の一以下程度に落して、再割当を要求したという事実をあなた御存じですか。
  603. 西川英三

    西川証人 昨年度の大豆は非常に水分が多くて、いわゆる水豆問題というのが起つたことは承知しておりますが、そのこまかいなり行きは知りません。
  604. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 どのくらいの数量の際割当を受けたということも聞いておりませんか。
  605. 西川英三

    西川証人 そのこまかい点も聞いておしません。
  606. 佐々木秀世

    ○佐々木(秀)委員 おわかりにならなかつたら、これは相当莫大なる数字になつておることを聞いておりますので、お帰りになつてからお調べになつて、お考えになつていただきたいと思います。
  607. 木村榮

    木村(榮)委員 一つだけお尋ねしたい。昭和二十三年の十二月二十七日付で、公団総裁松田さんの名前で農林省の食品課に申請書が出ておりますが、それをお出しになつた記憶はございませんか。
  608. 西川英三

    西川証人 昭和二十三年十二月の大口分解用の件ですか。
  609. 木村榮

    木村(榮)委員 そうです。
  610. 西川英三

    西川証人 覚えております。
  611. 木村榮

    木村(榮)委員 その回答を見ますと、本件の実施細目については別途打合せをする。それから本件の事業計画の進行状況及び所要経費の支拂い状況に関しては、毎月報告するとなつておりますが、月報は大体毎月できておるわけですか。
  612. 西川英三

    西川証人 最初の実施状況について農林省と協議しろという点については、その後十二月二十七日付で協議の具体的な内容を書いた書類が出ております。それからなお毎月月報程度の報告はしておると思いますが、その詳細については承知していないのであります。
  613. 木村榮

    木村(榮)委員 そういたしますと、細目については御協議なさつて、通知があつたわけですか。
  614. 西川英三

    西川証人 さようでございます。
  615. 木村榮

    木村(榮)委員 当然そのときには契約の点も、詳細なお話はなかつたかもわからないが、概略でもお話があつたのですか。
  616. 西川英三

    西川証人 それは全部詳細に報告、相談しているわけです。
  617. 木村榮

    木村(榮)委員 従つてあなたの方から毎月の月報が出ない場合においては、農林省の方からでも監督官庁として—監督官庁ではないかもわからないですが、職務柄報告を出すという義務があると思うのです。従つて月報が全然出ていないということは言えないと思うのですが、出ておると解釈してさしつすえありませんか。
  618. 西川英三

    西川証人 私は出ておると思うのでありますが、そのこまかいことを知らないのであります。
  619. 木村榮

    木村(榮)委員 ではもしあなたの方にその月報の控えが残つていなかつたならば、農林省の方にあるはずなんですね。
  620. 西川英三

    西川証人 そうだと思います。
  621. 大橋武夫

    大橋委員 大豆増産奬励金というものはだれがきめたものですか。
  622. 西川英三

    西川証人 昭和二十一年度においては物価庁、農林省が相談の上できめたものであります。それがずつと継続されているわけであります。
  623. 大橋武夫

    大橋委員 それはだれが負担すべきものとしてきめたのですか。
  624. 西川英三

    西川証人 一応消費者負担でそういうものをするということをきめたと思います。統制機関の販売価格の中に、増産奬励金というのが入つているわけであります。
  625. 大橋武夫

    大橋委員 そのときは物価庁とどこですか。もう一度はつきり話してください。
  626. 西川英三

    西川証人 農林省と物価庁です。
  627. 大橋武夫

    大橋委員 農林省のどこのだれですか。
  628. 西川英三

    西川証人 食品局だと思います。
  629. 大橋武夫

    大橋委員 食品局のだれですか。
  630. 西川英三

    西川証人 そのときの記憶がないのですが、あるいは坂田さんではなかつたかと思います。
  631. 大橋武夫

    大橋委員 それから物価庁はどこですか。
  632. 西川英三

    西川証人 物価庁は第二部ではないかと思いますが、はつきりした記憶がございません。
  633. 大橋武夫

    大橋委員 その以前においては、この種の統制物資についてはこういうものがなかつたのですか。二十一年以前には大豆奬励金はなかつたのですか。
  634. 西川英三

    西川証人 そうです。大豆は増産の奬励の必要がなくなつて、満州から幾らでも入つて来たのですから、それまではないのです。終戰後の問題です。
  635. 大橋武夫

    大橋委員 それがそういうものを出すように決定された理由について、お聞き及びでないですか。
  636. 西川英三

    西川証人 出す理由につきましては、国の予算で大豆の増産の予算を組んだ。ところが最初のときは省議も通らなかつた。やむを得ずそういう緊急の措置をとられたというふうに聞いております。それから毎年—第一回目にそういうことで増産の研究費なり、試験費なりというものが芽を出したわけでありますが、これはいずれも継続事業でありますので、毎年切られては困る。今年こそは国家予算でやつてもらおうということを、毎年繰返して今日に至つたわけであります。
  637. 大橋武夫

    大橋委員 そうしますと政府は予算としてこれは認められない。そういうものを官僚と業者との話合いでもつて、増産奬励費の名目で出すことにして、それを消費者におつかぶせた、こういうことになりますか。
  638. 西川英三

    西川証人 結果においてはそうなつておるわけであります。
  639. 大橋武夫

    大橋委員 結果的にはそうなつておりますね。
  640. 西川英三

    西川証人 はあ。
  641. 大橋武夫

    大橋委員 これを大豆協会に交付するということをきめたのはだれですか。
  642. 西川英三

    西川証人 それは農林省と大豆協会及びその当時であれば、帝国油糧ということになると思います。
  643. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると農林省と当時は帝国油糧、それが大豆協会にやるということをきめたのですね。
  644. 西川英三

    西川証人 だと思います。
  645. 大橋武夫

    大橋委員 大豆協会はいつできたんですか。
  646. 西川英三

    西川証人 昭和二十一年三月です。
  647. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると大豆協会というものは、増産奬励金というものができたために、それを経理するための架空団体としてこのときでき上つたものと了解していいですか。
  648. 西川英三

    西川証人 それは違います。先ほど御説明申し上げましたように、周東さんの進言で大豆増産運動を積極的に推進するということでできたのです。
  649. 大橋武夫

    大橋委員 それはそうでしようが、時期的に大豆奬励金が先にきまつて、そうしてこの大豆協会ができたのですか。それとも大豆協会ができてから、大豆の増産奬励金ができたのですか。
  650. 西川英三

    西川証人 それは違います。つまり帝国油糧という統制会社であれば、配給公団のように嚴格な制限がないわけでありますから、前期においては帝国油糧みずからが増産をやつた。それが逐次配給公団となり、統制機関に対するやかましい制限ができて来たので、特に大豆協会にやらせるようになつたのです。
  651. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると大豆協会というものがなくとも、これは先ほどの食品局と物価庁の決定によつて大豆奬励金というものが国民の知らないうちに出ることにきまつてしまつた。そのきまつた奬励金を、初めは帝国油糧統制会社が自分で経理してさしつかえないような法律関係であつた。ところがそれがだんだん公団法によつてぐあいが悪くなつたから、それを大豆協会に肩がわりするようになつた。こういうふうに了解していいわけですね。
  652. 西川英三

    西川証人 そうです。
  653. 大橋武夫

    大橋委員 これは、大豆協会が増産奬励金をもらうようになつたより先にできておつたのですね。
  654. 西川英三

    西川証人 時期的に言いますと、昭和二十一年十一月に初めてこの増産奬励金というものができ、二十一年三月に大豆協会はできたわけです。
  655. 大橋武夫

    大橋委員 それではあとから入つておるわけですね。それから公団におきましては、すでに統制会社時代に大豆協会に交付しておつたから、その慣例で、そのまま公団として引続き大豆協会に渡しておつたんですね。
  656. 西川英三

    西川証人 そうです。特にアメリカ大豆協会において確認された世界におけるただ一つの大豆協会であつて、適当な機関で、それと連絡を持つているということで、大豆協会にやつてもらおうということになつておつたのです。
  657. 大橋武夫

    大橋委員 どういう連絡を持つておりましたか。
  658. 西川英三

    西川証人 アメリカ大豆協会とは、適当な時期に技術者の交換、情報の交換は両方義務的にやる。
  659. 大橋武夫

    大橋委員 それは今でもやつておりますか。
  660. 西川英三

    西川証人 やつております。
  661. 大橋武夫

    大橋委員 それは公団が実際業務代行してやつておりましたか。
  662. 西川英三

    西川証人 情報交換ですか。それはそうです。やつております。
  663. 大橋武夫

    大橋委員 それから公団という公の機関が、この大豆奬励金を扱うのにみずから扱わなかつた。それを大豆協会に特に渡して扱わしたという理由はどういうことですか。
  664. 西川英三

    西川証人 それは大豆奬励金というものは、大豆増産のために全面的にそれぞれの用途に使うわけでありますから、油糧配給公団公団法上の立場から行くと、公団が直接やるということはやはりさしつかえがある。そういう解釈で大豆協会にやつてもらうことが一番適当と思つたからです。
  665. 大橋武夫

    大橋委員 そうするとそうは言われるけれども、役員の相当の部分は同じ公団の方ですね。職員はほとんど全部公団の方が事実上やつておられる。そうすると結局それは、今あなたの言われたことは一応の理論であつて、しかし実際やつてることは公団の人がやつておる。それと矛盾しはしないですか。結局それの取扱いをすることによつて得るところの実益は、会計検査院の検査を免れたという以外は、これはまつた公団みずからやつたことと同じことになつていやしませんか、結果的に……。
  666. 西川英三

    西川証人 私はそうは考えません。
  667. 大橋武夫

    大橋委員 結果的にもそう思つておりませんか。
  668. 西川英三

    西川証人 おりません。
  669. 大橋武夫

    大橋委員 そうすると実際に違つた人がやつておりますか、公団の人以外に……。
  670. 西川英三

    西川証人 大豆協会の運営の意思は、役員会がきめるわけですから……。
  671. 大橋武夫

    大橋委員 運営の意思はそうだが、実際やる人は公団の方ですな。
  672. 西川英三

    西川証人 公団の人間がやつておるわけです。
  673. 大橋武夫

    大橋委員 それはやつちやいけないということで、そこで大豆協会がやると、こう言つておきながら、役員会というものは單なる意思決定機関であるけれども、はたしてどの程度まで皆さんが意思の決定に参画されたかどうかわからない。おそらくそうすれば、この役員諸君がきめたもので、まあこの仕事はこの程度でよかろうという、あと会議費の費用のかかる方をおもにやつておられたんだろうが……。(笑声)そうすると結局これは單なる看板にすぎないのであつて、実はあなたが避けよろとしておられたことは何であるかというと、会計検査院の検査を受けるのははなはだ迷惑だという、それだけを避けたのではありませんか。
  674. 西川英三

    西川証人 私はそう考えません。
  675. 大橋武夫

    大橋委員 考えない……。
  676. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちよつと今のお話ですが、最初に奬励金を出したことは、物価庁と相談したと言われたが、公団なつてからは、公団でそういうふうに出していいというのは、公団は政府機関ですからね、公法人ですからね、それは大分違うと思うんだ。それはだれと相談してやつていいということになつたのですか。
  677. 西川英三

    西川証人 それは農林省と物価庁が相談して、大豆協会出そうということに……。
  678. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年に公団ができてからかね。
  679. 西川英三

    西川証人 できてから……。
  680. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 できてからあらためてやつたのですか。
  681. 西川英三

    西川証人 やりました。
  682. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 農林省のだれです。これは前とはよほど違うと思いますよ。公団なつてからは……。
  683. 西川英三

    西川証人 食品局長だと思います。
  684. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年二月当時の食品局長ですか。だれです。     〔「三堀じやないか」と呼ぶ者あり〕
  685. 西川英三

    西川証人 それは三堀さんです。
  686. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 間違いないですね。それはよほど重大なことですから……。
  687. 大橋武夫

    大橋委員 それで大豆協会がいろいろ事業をおやりになつて、会長に渡された費用というものがありますか。
  688. 西川英三

    西川証人 会長は手当のほかにはございません。
  689. 大橋武夫

    大橋委員 会長手当のほかにない。会長手当はどのくらい……。
  690. 西川英三

    西川証人 半年五万円……。     〔「年十万円だな」と呼ぶ者あり〕
  691. 大橋武夫

    大橋委員 それ以外には全然ありませんか。旅費その他にありませんか。
  692. 西川英三

    西川証人 旅費については知りません。
  693. 大橋武夫

    大橋委員 会議費は……。
  694. 西川英三

    西川証人 会議費はありません。(「交際費は」と呼ぶ者あり)交際費はありません。
  695. 大橋武夫

    大橋委員 これで私の質問は終ります。
  696. 西村直己

    ○西村(直)委員 ちよつと関連して—会長はそうすると手当以外に自動車はどうされておりますか。
  697. 西川英三

    西川証人 大豆協会は自動車を持つておりますので、必要があつて大豆協会の仕事をやりますときには、会長も私たちも、あるいは他の事務員も使うことがあります。
  698. 西村直己

    ○西村(直)委員 その自動車は大豆協会の費用で買つた自動車ですか。
  699. 西川英三

    西川証人 そうです。
  700. 西村直己

    ○西村(直)委員 それは会長がほとんど專用に使つておる自動車ですか。
  701. 西川英三

    西川証人 專用ではないと私は思います。     〔「意見の相違だが、專用さ」と呼ぶ者あり〕
  702. 西村直己

    ○西村(直)委員 現在はどこに置いてありますか。
  703. 西川英三

    西川証人 しよつちゆう公団に来ております。
  704. 西村直己

    ○西村(直)委員 夜間も……。
  705. 西川英三

    西川証人 夜間は丸の内ガレージじやないかと思います。その点は詳しく知りません。
  706. 西村直己

    ○西村(直)委員 会長はそれをほとんど專用に使つてつて、しかもなお公団の支出についてはほとんど知らない、こうおつしやるわけですね。
  707. 西川英三

    西川証人 自動車も、私の解釈では会長が專用するのではなくて、大豆協会の自動車であるから、この大豆協会はいなかから役員が来るのが多いので、東京でこれを使うと思います。專用という解釈は当らないと思います。
  708. 井手光治

    ○井手委員 今あなたの御見解を伺いますと、油糧公団大豆の奬励をするとい事う業及びその支出については、油糧公団の職務権限の範囲外だから、これを支出することは自分たちとしてはできなかつたから、大豆協会をしてなさしめたというあなたの御証言つたですね。
  709. 西川英三

    西川証人 はい。
  710. 井手光治

    ○井手委員 そこであなたの御見解は、油糧公団がみずから奬励金を出してはいけないということだろうと思う。そうするとさかのぼつて、その奬励金に該当する金を支出するということも、おそらくそれはできないことだと私どもは解釈する。大豆協会を通して奬励金を出させる。その元金を出すこと自体も、油糧公団としては不当支出じやないかと私どもは思うのですが、その点について御見解はどうですか。
  711. 西川英三

    西川証人 私は不当支出じやないものと思います。
  712. 井手光治

    ○井手委員 そうすると、あなたの見解には矛盾があると思う。
  713. 西川英三

    西川証人 ないように思います。
  714. 井手光治

    ○井手委員 油糧公団大豆の奬励の仕事をすることも、権限外だとあなたはおつしやる。そこでその事自体ができなければ、金を出すこともできないはずだ。
  715. 西川英三

    西川証人 私はそういうふうに考えないのでありまして、大豆奬励金というものを公団は取立てる機関だというふうに了承しております。金を取立てて、大豆協会から請求があればその費用に応じて出す。
  716. 井手光治

    ○井手委員 その元金はあなたのところから出たのでしよう。
  717. 西川英三

    西川証人 それは大豆販売価格から発生するわけであります。
  718. 井手光治

    ○井手委員 それはいいが、事実上あなたが大豆協会をして行わしめたというところに、根本的な誤謬があるのじやないか。これはあなたの見解と大分違う。その金を出して行うこと自体もいけなければ、金を出すこと自体もいけない。それをあなたは自分が出したのではないと言うが、その金は油糧公団から出ている。そこに錯覚的な不法支出があるというふうに解釈が下し得るのですが、この点はどうですか。
  719. 西川英三

    西川証人 どうも私にはちよつとわからないのですが……。
  720. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その点について会計検査院からずいぶん注意を受けているでしよう。
  721. 西川英三

    西川証人 どういう注意でしよう。
  722. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今言うように、公団からすでに出すこと自体が問題である。一応公団に入れば国庫の金だ。それを出すにはそれ相当の手続をふまなければならぬ。それをやらずに出した。しかもそれを公団自身が使つている。さつきあなたは農林省の了解を得たと言うが、会計検査院の了解を得たか。
  723. 西川英三

    西川証人 会計検査院にも話合いをして、大体の了解は得ておつたと思いますが、但し書面で正しいかどうかということを求めた場合には、やはり向うも愼重に考えて、いろいろ問題が出て来たと思います。
  724. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それが問題だと思います。その場合にだれに言つたのですか。
  725. 西川英三

    西川証人 その点は記憶がない。
  726. 井手光治

    ○井手委員 会計検査院、農林省、安本等に相談して、その支出の承認を受けておるか。受けておれば、あなたの出した行為は不法行為でも何でもない。
  727. 西川英三

    西川証人 その承認は受けておりません。
  728. 井手光治

    ○井手委員 その点が重大です。
  729. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あるのか、ないのか。
  730. 西川英三

    西川証人 その点はつきりしません。
  731. 井手光治

    ○井手委員 農林省の相談によつてきめたと言うが、その点を間違いないようにはつきししないと、根本的に大きな問題になると思います。  それからもう一つ、あなた方の方で裏勘定に出してあるものは、あなたが冒頭一詳細に御説明になつたように、公団本部の職員の従来の俸給の差額を、当然前年度の閣議決定に基いて負担してよろしいという考え方であつた、こういうふうにあなたはおつしやいましたね。
  732. 西川英三

    西川証人 当然であつたのではなく、やむを得なかつた
  733. 井手光治

    ○井手委員 いや、やむを得なかつたということは、閣議決定があつたので、やはり二十三年度及び二十四年度も同様の措置において負担しなければならない運命にあつたということですね。公団は当然支出しなければならないのじやないが、それをたまたま便宜上の支拂い方法としてこういう手続をとつたのだ、あなたはこうおつしやる。そうすると、私ども常識的に物を考えて行く場合、少くとも公団職員の給料の差額というものは、公団自体の人件費においてまかなうべき問題である。一箇年の給料を経理するのに、一箇年で一千万円の金がかかるとする。ところが予算上組まれているのは五百万円しかない。ところが給料は毎月拂つて行かなければならぬ。予算不足は承知しながら給料を拂つて行くのが、民間会社でも政府でも普通の常識だと思う。どこでもそうやつている。賃金ベースが上つて来れば、全体としては予算が不足して来るけれども、毎月の給料はその正規の科目から支拂いをするのが、普通の慣例である。そこであなたが初めにおつしやつたように、前年度の閣議決定によつて、自合たちが支拂わなければならない運命にあることを覚悟してやつた。そういう覚悟があつたならば、どうしてこういう裏勘定というようなからくりをしないで、正当科目から不足を承知して出しておいて、あとで補填方策を監督官庁なりその他と正当な相談をしてきめる意思がなかつたか。私が聞こうとするのは、あなたはこれはだめだということを承知していながら、その事実を隠蔽する行為としてそれをやつたのか、あるいは承知しておつたのだが、正当な科目から出すことは予算不足になるから、こういう手続によつたのか、金の支出をわざわざこういうからくりをしなくても、あなたの主張通り正当な人件費であつたら、正当科目から支出すべきじやないか。そしてその不足を年度末なら年度末に調整すべき具体的な方法があつたろうと思う。その考え方が、あなたは正当な人件費の不足なりと主張するならば、その支出を裏勘定から出さなければならなかつたということは、どうもわれわれ常識上ぴんと来ない。その点はどうですか。
  734. 西川英三

    西川証人 その点は何と言いましても、官吏に対する給與は嚴重に守るということが、強く各方面において言われて来たわけです。その関係から行けば、結局そのこと自体に、今あなたが御指摘になつたお心づもりが私自身にあつたといたしましても、それをあからさまに出すことはぐあいが悪いのじやないかと考えて、こういうふうな措置をとつたわけです。しかし社内経理におきましては、そういうものの出し方は、普通の一般正常経理を出すと同じ手続で出されておつたわけであります。
  735. 井手光治

    ○井手委員 そうするとあなたは、裏勘川であろうが何であろうが、一種のやみ賃金と称すべきものを、たとえこれが経理として正常な行為にもとるものであつても、わからなければこれをほおかむりしてしまうというふうにして、おやりになつたのですか。
  736. 西川英三

    西川証人 いや、そうじやない。
  737. 井手光治

    ○井手委員 そういうふうにしかとれない。
  738. 西川英三

    西川証人 いや、悪意があれば、もつとわからないような方法を講じたろうと思う。
  739. 井手光治

    ○井手委員 もらう人が大勢いるから、隠せない……。
  740. 西川英三

    西川証人 その場合ちよつと申し上げたいのですが、隠せないとおつしやいますが、おそらく昭和二十三年一月から十月ごろまでの給與ベースというものは、二千八百円ベースから三千六百円になり、四千二百円になり、当時袋を渡された者は、これがどの給料であつたか、どういう計算でどうなつておつたかということは、わからなかつたと思う。特に公団において職階制を実施する、そして個人別に、君は何級で何号だということは、ごくあとに至らないとわからない。
  741. 井手光治

    ○井手委員 それはどこでもそうだ。官公庁みなそうだが、そこであとで決定したら、その差額は過拂いとして清算されておる。どこの会社でも、どこの役所でもそうだ。あなたの方は、最後決定がなされれば、あなたの主張が達成されなくても、それは過拂いとして給料の上でどうしても調整されなければならない。そこで私が言うのは、あなたが初めからほおかむりをする意思があつたとしか解されないのだな。しかも賃金の支拂いについてですね。それでなければ正当科目から出しておいて、どうしても前年度閣議決定通り給料がうまく行かなかつたとしたら、しかも公の団体だから、当然清算さるべきときに給料の過拂いとして清算されなければならない。これはどこの役所でも、あなたがおつしやつたように賃金の過拂いは清算されている。不足分は追加支給されている。
  742. 西川英三

    西川証人 いや追加支給されていないです。名目のいかんを問わず、追加支拂いをしてはいけないということですから……。
  743. 井手光治

    ○井手委員 そんなことはない。
  744. 小松勇次

    ○小松委員 大豆協会の会長が和田さんということは承知いたしましたが、和田さんは、油脂団体の何か有力なメンバーの一員であるがために、あの方を会長に推薦したのでありますか、どういう事情でありますか。
  745. 西川英三

    西川証人 大豆問題というのは、米、麦偏重の日本の食糧政策を急転換しなければ、大豆問題とその政策は展開しないと思う。これは日本の農業政策にまで連なる大きな問題であります。たとえばいもを大豆にかえて行くというようなことと伴つて日本の農業政策の上で大きな転換を必要とする大問題でありますので、従来の協会の会長では、そういう大きな見通しなり、あるいは職見において不足する。そこでやはり日本の農業問題の権威である和田さんにお願いしたいというので、お願いをしたのです。
  746. 小松勇次

    ○小松委員 この大豆協会の規定には、大豆協会を構成するところの人々でなくても役員を推薦することになつているのですか。
  747. 西川英三

    西川証人 大豆協会の定款によりますと、学識経験者を推薦することができるという規定になつておりまして、当初の会長は断られたのでありますが、会員総会を開きまして、皆さんの熱烈なる就任懇請によりまして御就任願つたのであります。
  748. 小松勇次

    ○小松委員 さらにお尋ねいたしたいのでありますが、大豆協会の金銭支出に対しましては、その責任はどなたが負うべきでありますか。
  749. 西川英三

    西川証人 金銭支出の個々につきましては、大豆部長であり、理事である野村君と私の責任だと思います。
  750. 小松勇次

    ○小松委員 全責任はどなたが負うのでございますか。
  751. 西川英三

    西川証人 それは野村理事と私が負うのだと思います。
  752. 小松勇次

    ○小松委員 それでは協会長は、そういう方面には何ら関係はないのですか。
  753. 西川英三

    西川証人 協会長はもつと大きな大豆政策の責任を負つております。
  754. 小松勇次

    ○小松委員 大豆会長は、ぼくは金銭の方面に対しても全責任を負わなければならぬと思うのだが、あなたはそう思いませんか。
  755. 西川英三

    西川証人 これが毎日事務所へ来てもらつて、毎日やる会長ではないわけですから、大体現在の会長も、初代目、二代目の会長も、みないずれもそういうふうな仕組みになつておるわけであります。
  756. 小松勇次

    ○小松委員 そうすると、会則ではやはりそういうぐあいに規定されておるのでありますか。
  757. 西川英三

    西川証人 実際の運用ではそうだと思います。
  758. 小松勇次

    ○小松委員 いや運用ではなくて、あなたの方に規約があるでしよう。
  759. 西川英三

    西川証人 規約はあります。
  760. 小松勇次

    ○小松委員 その規約はどうなつておりますか。
  761. 西川英三

    西川証人 おそらく会長は会務を総理することになつておると思います。
  762. 小松勇次

    ○小松委員 総理する人は、その会の全責任を負うべき人ではないですか。
  763. 西川英三

    西川証人 初代目、二代目から引続きそういうことになつておりますし、先般設立されました日本水産油脂協会の会長に遠藤さんをお願いしたのでありますが、おれはそういうこまかい金のことは知らない。そういうこまかいことで迷惑はかけませんからということであつたと思いますから、大体会長というのは、そういう大きなものではないかと思います。
  764. 小松勇次

    ○小松委員 それはあなたの私的なお話であつて、対外的に、法的において責任を負うべきものはどなたであるかということであります。
  765. 西川英三

    西川証人 その点は、私の解釈が間違つておれば御批判を受けたいと思いますが、私はそういうふうに解釈しております。
  766. 小松勇次

    ○小松委員 そうすると責任はあなたと……。
  767. 西川英三

    西川証人 野村理事です。
  768. 小松勇次

    ○小松委員 会長は何らの責任がない。
  769. 西川英三

    西川証人 と私は考えております。
  770. 小松勇次

    ○小松委員 会則には、そういうことも何もうたつてないのですね。
  771. 西川英三

    西川証人 特に会長の免責條項をうたつたところはございません。
  772. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それ以上は議論だ。
  773. 菅家喜六

    ○菅家委員 ただいまのは奇怪なお答えだと思うのでありますが、大豆協会の会則なるものを見ますと、はつきり十一條に「会長は本会を代表し、会務を総理する」こう書いてある。会務一切を総理する人が、全責任を負わないということはないでしよう。しかも今だれだれ理事が責任を負われるとおつしやるけれども、理事というものの権限は、このあなたの大豆協会の会則にはそういうことは出ておらない。そうするとただ迷惑をかけないということと責任を負わないということとは、たいへんな違いです。迷惑をかけませんと言うことと、責任を負う負わないという問題とは、これは別個の問題に考えなければならない。この十一條にはつきりこういうことを書いておつて会長は名前たけに祭り上げて、会則以外のことで理事が自由かつてなことをやつたとしかわれわれには考えられない。あなたが今会則を無視して、全責任というものは会長にないのだ、われわれ二人の理事にあるのだと言うことは、どういう根拠に基いておつしやるのか。会則というのは空文ですか。
  774. 西川英三

    西川証人 その点は大豆協会の総会なり、組織者の考え方が大体そういうふうになつておるのではないかと私は思います。
  775. 菅家喜六

    ○菅家委員 公の会則に基いた答弁でなく、それはつくつた者の考えだ。しかしここにはつきり書いてあるではありませんか。はつきり書いてある会長に責任がない、責任が理事にあるということは、何ら根拠のないことである。そうすると、会則は空文か。大豆協会でこういうものをつくつておいただけで、実際の運営は別にやつてつたというなら、それでよろしい。わかつたらそれはいいが、そういう御答弁は十分御注意を願いたい。会則というものを天下に示しておいて、この会則によらないで、何か自分たち理事が自由かつてなことをやつたという御答弁は、少し過ぎたことではないかと思う。しかし事実はそういうことばかりであつたと私は思う。
  776. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでちよつとこまかいことですが、西川百合子とはだれの奥さんですか。
  777. 西川英三

    西川証人 知りません。西川というのは、油糧公団に五人おつたです。
  778. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もう一人、西川治子というのは……。
  779. 西川英三

    西川証人 住所はどこですか。
  780. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、わからぬ。名前だけだ。
  781. 西川英三

    西川証人 わかりません。
  782. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの関係しておる人ではないですね。熊吉さんとは……。
  783. 西川英三

    西川証人 熊吉さんの奥さんは何と言うか知りません。熊吉、正雄、良一、もう一人……。
  784. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その次、あなたは先ほど大豆協会に帳簿が備えつけてあると言つておられたが、それは事実ですか。
  785. 西川英三

    西川証人 大豆協会に帳簿は備えつけてあります。
  786. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あるということか、前からあつたということか。
  787. 西川英三

    西川証人 前からあります。一般経理を処理するものは、間違いなくあります。
  788. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 たとえば大豆増産費であるとか、分解硬化油価格差益金の收支については帳薄がないそうですが—帳簿はあるが大豆協会の帳簿はない。公団につけてあるらしいが……。
  789. 西川英三

    西川証人 私が大豆協会に帳簿があると言つたのは、一般経費については帳簿があると言つたのです。それについて帳簿がなかつたとは了承しないのですが、よく調べてみます。
  790. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の收支の方には載つておるらしいが、大豆協会はないので、こちらから調べたらあわてて何かつくつておるらしい。それがあるとおつしやるなら別ですが、どうですか。
  791. 西川英三

    西川証人 そんなことはないと思います。なおよく調べてみます。
  792. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから先ほど役員はすべて無給だ、こう言われましたね。会長だけが給料があるのですか
  793. 西川英三

    西川証人 そうです。
  794. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういうわけですか。
  795. 西川英三

    西川証人 協会の人にも給與は若干出したのではないかと思います。私が役員は給與をもらつていないと言つたのは、公団の人間で役員になつている者はもらつていないということです。
  796. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかの人はもらつていますか。
  797. 西川英三

    西川証人 ほかの人には、時として暮れには出したのではないか。記憶はつきりしませんが、あるいは出したのではないかと思います。
  798. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今あなたの言われることを聞くと、会長というものはほとんど責任がない。仕事はわれわれがみなやるのだということで、その責任のない会長にそういう大きな手当の行くことはふしぎだ。
  799. 西川英三

    西川証人 その点はお話申し上げたいと思いますが、たとえば大豆増産共進会などをやりましたときには、やはり会長に出ていただいて激励をしていただくなり、あるいはいい意見を出していただくわけでありますから、そういう面の仕事はどんどんやつていただいておるわけであります。
  800. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはあなたが覚えておられぬかもしれないが、私があなたの言われることと違つていることを指摘しますが、給料というものは出ておりませんが、全部交通費になつて出ておる。和田会長も半期五万円となつて、交通費のうちから出ております。それからほかの人も交通費になつて出ておりますよ。役員下半期車馬賃八万三千五百五十円……。
  801. 西川英三

    西川証人 それは一般の役員に出た年末の手当じやないかと思います。
  802. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それから早坂秘書というのは、これは和田の祕書官ですか。
  803. 西川英三

    西川証人 そうです。大豆協会の連絡を頼んでいるわけです。
  804. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 早坂祕書にも一万円と出ておる。これは手当でないと言われるかもしれぬが、交通費という名義で全部出ておる。
  805. 西川英三

    西川証人 そうすると、私が申し上げたのはそのことだと思います。
  806. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかにありますか。
  807. 横田甚太郎

    ○横田委員 ちよつとお聞きしたい。証人にひとつ気分をやわらげてもらつて何でもないことですが、油脂資源全国協議会というのがあつたですか。
  808. 西川英三

    西川証人 ございます。
  809. 横田甚太郎

    ○横田委員 同時にまた油脂資源増産協会というものがあつたですか。
  810. 西川英三

    西川証人 それは一つだと思います。
  811. 横田甚太郎

    ○横田委員 ここの会長を三宅正一さんがやつたことがありますか。
  812. 西川英三

    西川証人 現存会長です。
  813. 横田甚太郎

    ○横田委員 いつころですか。
  814. 西川英三

    西川証人 はつきりした記憶はありませんが、昭和二十四年二月ころだつたと思います。
  815. 横田甚太郎

    ○横田委員 以上でよろしゆうございます。
  816. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや済みました。御苦労さんでした。
  817. 篠田弘作

    篠田委員 議事進行について申上げますが、きようの委員会はこれで打切りまして、あと証人の喚問は、いずれ委員長において適当と思われるときにおいてやつていただきたいと思います。
  818. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 篠田君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  819. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではさようにいたしたいと思いますが、きよう残つた二人の証人を呼んで一応了解してもらいますから、そのままお待ちください。  お二人の証人には、せつかく来ていただいたのですが、初めの証人にずいぶん時間がかかりまして、これからあなた方お二人を調べておつては遅くなるから延期しようという説が出ましたので、せつかくですが、御了承願いたいと思います。それから明日は午前十時からやりますが、別にあらためて通知はいたしませんから、お願いいたします。  それでは明日は午前十時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十八分散会