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1949-11-29 第6回国会 衆議院 厚生委員会運輸委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十九日(火曜日)     午後四時四十一分開議  出席委員   厚生委員会    委員長代理 理事 松永 佛骨君    理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君    理事 田中 重彌君 理事 中川 俊思君    理事 岡  良一君 理事 苅田アサノ君    理事 金子與重郎君       今泉 貞雄君    高橋  等君       幡谷仙次郎君    丸山 直友君       亘  四郎君    堤 ツルヨ君       伊藤 憲一君   運輸委員会    委員長 稻田 直道君    理事 大澤嘉平治君 理事 關谷 勝利君    理事 前田  郁君 理事 松本 一郎君       岡田 五郎君    尾崎 末吉君       尾関 義一君    片岡伊三郎君       黒澤富次郎君    小西 寅松君       土倉 宗明君    坪内 八郎君       畠山 鶴吉君    滿尾 君亮君  出席政府委員         (社会局長)         厚生事務官   木村忠二朗君         (鉄道監督局         長)         運輸事務官   足羽 則之君         (国有鉄道部         長)         運輸事務官   石井 昭正君  委員外出席者         厚生委員会專門         員       川井 章知君         厚生委員会專門         員       引地亮太郎君         運輸委員会專門         員       岩村  勝君         運輸委員会專門         員       堤  正威君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  身体障害者福祉法案青柳一郎君外十名提出、  衆法第三号)     ―――――――――――――
  2. 松永佛骨

    松永委員長代理 これより厚生委員会運輸委員会連合審査会を開会いたします。  協議により私が委員長の職を勤めさぜていただきます。まず青柳一郎君外十名提出身体障害者福祉法案を議題といたします。これに対して御質疑はございませんか。
  3. 前田郁

    前田(郁)委員 ちよつとお尋ねいたしますが、「政令の定める身体障害者」というものの大体を御説明願いたい。
  4. 大石武一

    大石委員 提案者の一人として御答弁いたします。これは文章がちよつとややこしいのでありますが、結局は政令の定めることをすることの困難な者という意味でありまして、大体身体障害者身体障害者手帳というものを申請して、その手帳をもらつた者がこの政令で定めるものに該当いたします。さらに身体障害者福祉審議会という審議会がございまして、この審議会特別審議会において、いろいろと検討いたしまして定められたものが、この第五十條の「身体障害者」に該当するのでありまして、これはほとんど一人歩きはできない、だれか介護者がいなければ、一人ではとても汽車に乘つたりおりたりすることのできない者に限定いたしております。
  5. 前田郁

    前田(郁)委員 ただいま御説明を承りますと、介護者が同行しなければ一人歩きもできないというのが、政令の定める身体障害者であるというお話であります。しかしこの中に「乘車又は乘船することの困難な者」ということがありますが、船に乘つたり、あるいは乘車することが困難だという点をだれが見るか。もうすでに政令介護者は同行しなければならぬというように定めてありますれば、ここに「困難な者」ということを入れてありますと、あるいはこれをだれが認定するかというような問題が起つて来ると思います。つまり同行者がなければ乘船乘車もできないよう身体障害者ということが政令できまつておりますれば、ここに「困難な者」という文字はいらないのではないか。しかしこれは関係方面の了承が得てありますれば、私はこの際強く主張いたしませんけれども、むしろこういう「困難な者」という文句が入らないで行つた方がはつきりするのではないか、実はこう考えておるわけであります。これは相当折衝されたわけでありますか。また論議があつたわけでありますか。この点お聞きしたい。
  6. 大石武一

    大石委員 この最後の五十條にあります「乘船又は乘車することの困難な者」というのは、二段の規定なつております。一つ身体障害者というのがこの法律できまるわけであります。この身体障害者には、いろいろな職業能力のある者もありまするし、あるいは全然働けない者も全部ひつくるめての身体障害者でありまして、さらにそれが申請をして、検査によつて身体障害手帳をもらつた者が「身体障害者」ということになつております。さらにここに規定をしておりますのは、その手帳を持つた身体障害者で、さらに乘船乘車の非常に困難な者でありまして、それは審議会において認定することにいたしておりますが、そういう二段がまえの「困難な者」でありますから、ただ身体障害者だけではなくして、身体障害者手帳を持つてさらに一人歩きのできない者、それを二段に規定することになつております。
  7. 前田郁

    前田(郁)委員 そうしますと、二段の規定というのはどこでやりますか。
  8. 大石武一

    大石委員 お配りしました法案の第二節に、身体障害者福祉審議会というものがございます。この身体障害者審議会というものは、中央には中央身体障害者福祉審議会がございますし、各府県にはさらに地方身体障害福祉審議会がございまして、この審議会において十分その資格を認定したものをさすことにいたしております。
  9. 前田郁

    前田(郁)委員 そこで政府の方へお尋ねしますが、この法案が通過いたしますれば、運輸省としてはどういう点、につきまして特に従来よりも注意しなければならぬか。また手続上いろいろ煩瑣な点があるが、そういう点を一応この席で御説明願いたいと思います。
  10. 石井昭正

    石井政府委員 この法案が通過いたしますれば、運輸省といたしましては国有鉄道に命じまして、割引実施準備をいたさせなければならぬと思うのであります。この規定によりますと、各等旅客運賃並びに定期旅客運賃につきまして、その準備をしなければならないということであります。それから運賃法の中の政令でございますから、これは運輸省におきまして、関係各省と折衝することは当然でございますが、運輸省におきまして用意しなければならない。かよう準備はいるかと考える次第でございます。
  11. 前田郁

    前田(郁)委員 実は私ども運輸委員といたしましては、この運賃に関する問題は、なるべく運賃法によつて統一される方がいいと思います。各種委員会におきましてこういう案を出されますと、たとえば文部省において学生定期の問題であるとか、またインターン学生の問題であるとか、いろいろな問題を法律案をもつてやるということになりますれば、運賃法というものが各委員会において規定されて統一がとれないことになりますが、本国会においてはもはや時期もありませんし、しかもこの法案の内容は私ども賛成であります。そういう意味から厚生委員会といたしましては、なるべく早い機会において、最も立法精神に適合するよう方法によつて改正をする御意思が発案者におありになるか。その点を明確にしていただきたいと思います。
  12. 大石武一

    大石委員 ただいまの御意見つたくごもつともと思います。私どもといたしましても、これがいい前例になりますように念願いたしまして、愼重審議をするために連合会を開いていただきまして、いろいろな御意見を承つて意見の一致をもつてこの法案を通したいと念願いたしておるのであります。なお不備の点がございましたら、将来いつでもこの法案を直すことはやぶさかでないことをお答え申し上げておきます。
  13. 大澤嘉平治

    大澤委員 ただいま前田委員からも運賃法の問題に対して運輸当局伺つたようでありますが、もちろんこの身体障害者等に対しましての鉄道運賃割引ということは、決してむりなことではなく、むしろ厚生施設方面から言つても、当然のことであるとも考えられますが、鉄道運賃法審議に対しては、先ほど来運輸委員会におきましても種々各党からの意見も総合いたし、いろいろの人の御意見伺つたのでございますが、ただいまのこの国有鉄道運賃法の五條に対しての審議は、運輸委員会としては今度のこの連合審査会において初めてやつたわけであります。われわれといたしますれば、運賃法改正に対しては運輸委員会としても、十分愼重に取扱いたいと思つているのでありまして、臨時国会の会期も余すところあまりなくなつた今日、ここで連合審査会においてこの点を審議してこれを決議しようということは、まことに重大な問題ではないかというようにも考えられますので、運輸当局のこれに対しての忌憚のない御意見を承つておきたいと思うのであります。
  14. 石井昭正

    石井政府委員 ただいまの大澤委員の御質問でございますが、私どももお気の毒な方々に対しまして、十分その福祉のために御協力申し上げるという精神については、まつた皆さん方とかわるところはないことを確信しておるのでございます。ただ御承知のよう国鉄独立採算制という建前で、自己の收入でもつて支出を支弁するという建前をとられておるのでございますから、運賃減額等に対しての処置といたしましては、第一番に政府より補償していただくということが最も望ましい。国有鉄道運賃は企業的な観点において定められることが、運賃法の第一條に定まつております。もちろん社会政策経済政策的な割引等措置をとることもできないと申し上げるわけではございませんが、そういう点は、むしろ一般会計において御負担願うのが一応の建前ではないか、かよう考えておる次第でございます。そこで第一番に望ましいことは、こういう社会政策的な御処置に対しては、一般会計において御負担を願う。しかし予算関係その他もありましようし、また国鉄財政收支から見ますれば、あるいはそういう点は問題にならぬというような事柄もあると思うのであります。そういうときにおいては、喜んで心から自発的に協力させるという態勢が、第二点に望ましいと思うのでございます。かよう法律をもつて規定づけられますることは――この法案精神に対しては、私どもは何ら反対はないのでございますが、しかし社会政策経済政策上の御要望は、ほかにも非常にございますので、こういうことが先例となりまして、各種立法におきまして運賃の軽減の措置をとられるということになりますと、国鉄財政上の大きな問題になりはしないかと考える次第でございます。そこで運輸委員会におきましては、国鉄全般について予算その他運営全般についての御審議を願つておりまする関係上、運輸審議会と同時的に運輸委員会において御決定なつて、これがしかるべきものと御決定になりますれば、それは立法府のお定めになつたことで、私ども欣然喜んでその御趣旨に従うべきものと、かよう考える次第であります。運輸当局考え方を一言かいつまんで申し上げると、ただいま申し上げたような次第でございます。
  15. 大澤嘉平治

    大澤委員 ただいまの運輸当局の御意見を承りますれば、運賃法改正については、運輸審議会諮問を経なければならぬというような御意見ようでありまするが、最後の一点について、本国会において運輸審議会諮問を受けるというようなことになると、とうていこれが本国会では、実際問題としてはいかにこれを決議しようとしても、その諮問機関に諮つている以上にはでき得ないのではないか、かようにも考えられますので、なお本條の精神についてはよくわかるのでありまするが、身体障害者といたしましても、あるいは介護者を同行する身体障害者といたしましても、この中にはいろいろの関係もあり、いろいろの環境によつていろいろのものがあると考えられまするので、もちろん汽車賃割引などは考えてないというよう身体障害者もないとは限らないので、むしろ一等運賃を拂うから一等に乘せろと言わないとも限りませんので、この点はやはり政令という先ほどのお話もありましたが、その政令お話を伺いまするならば、一様にただ資産程度とか――あるいは国家がこれを保護しておる者も、先ほど申しましたように相当の資産を持つて汽車賃のことなど考えていないということも一つに含まれたものになつているのではないか、さようにも考えられまするので、この点等見解を、もう一度厚生当局から御意見を承りたい。
  16. 木村忠二朗

    木村(忠)政府委員 この点につきましては、私の方といたしましては、国会におきましておきめになりましたように運用されればよろしかろうと存じておりまして、これに対しまして、特にただいまどうするというよう見解は持つておりません。国会におきましてしかるべく御決定いただければけつこうだろうと思つております。
  17. 大澤嘉平治

    大澤委員 先ほど運輸当局お話によりますれば、運輸審議会の議を経なければという御意見もあつたようでありまするが、この点に対してもう一度運輸当局の御意見を承つておきたいと思います。
  18. 石井昭正

    石井政府委員 お答えいたしますが、私が先ほど申し上げましたのは、国会運輸委員会のことを申し上げたのでございまして、運輸省設置法によります運輸審議会は、運輸大臣としまして運賃の改訂を行う際に、この諮問を経なければならないことは、運輸省設置法に明示されておるのでございます。しかしながら国会の御提案にかかるものでございまするから、この場合は運輸審議会の議を経なくてもさしつかえないのではないかと考えるのでございます。ただ私の申し上げましたときには、各方面割引というようなことが個々ばらばら国会で各委員会でおきめ願うということになりますると、国鉄全体の運営上さしさわりが出て来る問題も将来起りはしないかということで、その点全般的に経営、財政等を御審議願つております運輸委員会におきまして御審議を経て、しかるのちに法律化されるものならば、これは妥当な御決定がいただけるものとかよう考える、こう申し上げたのであります。
  19. 大澤嘉平治

    大澤委員 そうしますと政府提案によつて運賃改正をする場合は、運輸審議会の議を経なければならぬ。今回の場合は議員提出法案であるからその手数はいらない。従いまして運輸当局趣旨とすれば、運輸委員会審議にはかりたいというようなお考えであるか、それともこの法案議員提出法案であるから、これをきめられることが望ましいという見解であるか、はつきり運輸当局の御意見を承つておきたい。
  20. 足羽則之

    足羽政府委員 條文を手元に持ち合せませんので、正確には御答弁申し上げかねますが、設置法におきましては、運輸審議会のいたします事項しては、運輸大臣が次にこれこれの事項をする場合には、運輸審議会諮問しなければならない、運輸審議会がそれに対して答申をした場合には運輸大臣はこれを尊重しなければいけない、こういうふうにたしか書いてあると記憶しておるのであります。従つてただいま石井鉄道部長が話しましたようなお考えであろうと考えております。
  21. 前田郁

    前田(郁)委員 ただいままでの運輸当局の御意見で大体わかりましたが、もう一言お伺いいたしたいことがあります。いよいよ法案実施されるということになりますれば、この衝に当る者は運輸省であります。今まで連絡もなかつたようでありますので、多少いろいろな点で面食つている点もあると思いますが、大体どういう点において事務的にお困りになる点があるか、そういう点を率直に聞かしていただきまして、それから私どもいろいろなことをきめたいと思います。
  22. 石井昭正

    石井政府委員 事務的に起ります問題は、まず第一は政令に定める身体障害者政令をどういろよう規定するかということであろうと思います。それからいま一つの問題は、本法律によりますると一、二、三等の各等並びに定期乘車券について、これを割引、半額にいたさなければならないことに相なります。その際におきまして、定期乘車券の販売の方法、主として一般定期乘車券と識別の方法等について、やはり利用はきわめてまれだというふうに承知いたしておりますので、財政的な問題はございませんが、各現場におきまして、いつでもそれの販売し得るような体制を整えるために、多少の事務的な問題はあろうかと思います。しかしこれも国会でおきめ願つて、相当実施期間を置いていただけるものならば、法案精神沿つて十分一生懸命やらなければならぬことと考える次第でございます。
  23. 大澤嘉平治

    大澤委員 先ほども御答弁の中にあつたようでありますが、政令の定むる身体障害者ということは、まだそうするとどういうものが法令の定むる身体障害者であるかということも、きまつておらないように承つたのでありまするが、その点の見解をひとつお述べ願いたいと思います。
  24. 大石武一

    大石委員 大体われわれが考えておりまする基準を申し上げます。この政令に定める身体障害者というものは、大体二つの級にわけております。一級と二級とがそれでありまして、大体一級に入りますものは、両眼ともほとんど見えないという者と、それから両方の上肢、あるいは両方の下肢が全然機能を失つている者、あるいは常に寝ておりまして、複雑な介護がなければ全然身体活動のできないという者、そのよう程度の者を大体一級に数えておりまして、これがいわゆる介護人を要する、乘車乘船の困難な者ということにいたしております。
  25. 前田郁

    前田(郁)委員 先ほど大澤君からお話がありました通り、運賃の問題は運輸省といたしましては、運輸大臣運輸審議会にかけて、そうしてこれを私ども運輸委員会にかけて決定をする。そうして本会議で御決定を願う、こういうことになるのが当然でございまするが、しかし今回はそういう余裕もなかつたわけであります。なお私ども委員会がこれを決定すれば、国家最高権威であるところの国会でもつて決定をするわけでありますから、これはさしつかえないかと考えている次第でありまして、私どもはこの改正精神趣旨というものには全然賛成でございます。それでこの法案実施するにあたりまして、十分に運輸省のただいままでの御意見を尊重していただいて、そうしてなお将来これを実際に実行しました場合に、いろいろな事務上の欠陥その他があつた場合は、あらためてこれをただちに改正をしていただくということをば條件といたしまして、本案に賛成いたしたいと思います。
  26. 松永佛骨

    松永委員長代理 他に御発言はございませんか――御発言なければこれにて厚生委員会運輸委員会連合審査会は終了いたします。     午後五時十五分散会