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1949-11-28 第6回国会 衆議院 厚生委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長代理理事 松永 佛骨君    理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君    理事 田中 重彌君 理事 中川 俊思君    理事 岡  良一君 理事 苅田アサノ君       今泉 貞雄君    高橋  等君       田中  元君    丸山 直友君       亘  四郎君    川崎 秀二君       伊藤 憲一君  出席政府委員         厚生政務次官  矢野 酉雄君         (社会局長)         厚生事務官   木村忠二郎君         (引揚援護庁援         護局長)         厚生事務官   田邊 繁雄君  委員外出席者         議     員 小淵 光平君         議     員 山本 猛夫君         議     員 床次 徳二君         厚生事務官   飯島  稔君         厚生事務官   慶松 一郎君         厚生事務官   小島 徳雄君         厚生事務官   安田  巖君         厚 生 技 官 三木 行治君         厚 生 技 官 小川 朝吉君         厚 生 技 官 東 龍太郎君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引知亮太郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  身体障害者福祉法案青柳一郎君外十名提出、  衆法第三号)  結核対策に関する決議案志賀義雄君外三十五  名提出決議第七号)   請願  一 無縁故引揚者用住宅建設費全額国庫負担の    請願宇野秀次郎紹介)(第五号)  二 岩手八幡平一帶を国立公園指定請願    (山本猛夫君紹介)(第一四号)  三 三陸海岸国立公園指定請願山本猛    夫君紹介)(第二五号)  四 国民健康保險拡充に関する請願橋本登    美三郎君外六名紹介)(第三四号)  五 未亡人母子福祉法制定請願岡良一君紹    介)(第四六号)  六 らい患者慰安費増額請願武藤運十郎君    紹介)(第五九号)  七 未亡人母子保護に関する請願中川俊思君    紹介)(第六二号)  八 引揚者援護に関する請願岡良一紹介)    (第一〇〇号)  九 身体障害者福祉法制定促進請願辻寛一    君紹介)(第一〇二号) 一〇 国民健康保險制度改善に関する請願(佐藤    重遠君紹介)(第一〇三号) 一一 国民健康保險事業費全額国庫負担請願    (倉石忠雄紹介事)(第一〇四号) 一二 健康保險医療報酬の一部国庫負担請願    (岡良一紹介)(第一〇五号) 一三 鹿屋市に国立綜合病院設置に関する請願    (床次徳二紹介)(第一〇六号) 一四 国立高崎病院病澁川分院施設拡充並びに    独立の請願小淵光平紹介)(第一七四    号) 一五 国民健康保險法の一部改正に関する請願    (床次徳二紹介)(第一七五号) 一六 鹿兒島県揖宿地区を中心とする地域を国立    公園指定請願(上林山榮吉君紹介)    (第二二六号) 一七 国立療養所患者賄費予算増額に関する請願    (伊藤憲一君外一名紹介)(第二四九号) 一八 長期入院者に対する生活扶助基準引上げの    請願伊藤憲一君外一名紹介)(第二五〇    号) 一九 国民健康保險に対する国庫補助増額及びに    国民健康保險法改正請願庄司一郎君紹    介)(第二五九号) 二〇 消費生活協同組合法の一部改正に関する請    願(岡良一君外一名紹介)(第二六一号) 二一 宮崎市大字田吉国立療養所設置請願    (川野芳滿君外四名紹介)(第二六二号) 二二 国立八日市病院移転経費国庫補助請願    (堤ツルヨ紹介)(第二六三号) 二三 和歌浦、紀三井寺地区国立公園追加指    定の請願今村長太郎紹介)(第二八四    号) 二四 桜島、指宿、開聞及び屋久島一帶を国立公    園に指定請願床次徳二紹介)(第二    九二号) 二五 遺族援護対策確立に関する請願吉川久    衛君紹介)(第二九四号) 二六 身体障害者福祉法制定請願青柳一郎君    紹介)(第三〇八号) 二七 盛岡市所在引揚戦災者住宅設備改善に    関する請願鈴木善幸紹介)(第三八一    号) 二八 看護行政強化並びに看護業務者福祉法    制定請願吉田省三紹介)(第三九〇    号) 二九 国民健康保險事業費全額国庫負担請願    (吉川久衛紹介)(第三九七号) 三〇 身体障害者福祉法制定促進請願(受田新    吉君紹介)(第四一三号) 三一 同(河原伊三郎紹介)(第四一四号) 三二 同(小峯柳多君紹介)(第六六四号) 三三 同(小平久雄紹介)(第八六一号) 三四 国民健康保險制度改善に関する請願井出    一太郎君外二名紹介)(第四二五号) 三五 同(小金義照紹介)(第五五六号) 三六 同(石田博英君外四名紹介)(第五七四    号) 三七 同(今村長太郎君外一名紹介)(第五七五    号) 三八 同(井上信貴男君外二名紹介)(第五七六    号) 三九 同(山口六郎次君外一名紹介)(第五七七    号) 四〇 同(青柳一郎紹介)(第六七〇号) 四一 同(白井佐吉紹介)(第七五七号) 四二 同(米原昶君外二名紹介)(第七七四号) 四三 同外一件(井出一太郎紹介)(第八〇七    号) 四四 同(門司亮紹介)(第八〇八号) 四五 国民健康保險事業費全額国庫負担請願(    吉川久衛紹介)(第四二六号) 四六 遺族援護対策確立に関する請願青柳一    郎君外一名紹介)(第四四四号) 四七 同(村上勇紹介)(第六二八号) 四八 同外十件(小川平二紹介)(第六六三    号) 四九 同(足立篤郎紹介)(第六九五号) 五〇 同(坂口主税君外一名紹介)(第八〇三    号) 五一 同(近藤鶴代君外五名紹介)(第八〇四    号) 五二 未亡人母子福祉増進に関する請願(山    本猛夫君紹介)(第四六三号) 五三 恩賜財団済生会機構改革に関する請願    (福田昌子紹介)(第四六四号) 五四 国民健康保險法の一部改正に関する請願    (江崎真澄紹介)(第五〇二号) 五五 国立療養所特別会計制反対請願苅田ア    サノ君紹介)(第六四四号) 五六 兵庫県立第二養老院設置に関する全額国庫    負担請願米窪滿亮紹介)(第六八五    号) 五七 朝鮮引揚医師及び歯科医師受験資格に関    する請願田中元紹介)(第六九九号) 五八 外地引揚医師受験資格に関する請願(佐    竹晴記紹介)(第七二三号) 五九 医薬分業反対に関する請願神田博君外八    名紹介)(第七二四号) 六〇 妙高高原一帶を国立公園指定請願(塚    田十一郎紹介)(第七五八号) 六一 国立佐倉病院施設改善に関する請願(伊    藤憲一君外一名紹介)(第七六五号) 六二 双葉住宅り災者更生資金支給請願(田    中堯平君外一名紹介)(第七七〇号) 六三 らい患者待遇改善に関する請願外一件    (伊藤憲一君外一名紹介)(第八九七号) 六四 国立療養所菊池惠楓園患者被服等支給の    請願丸山直友紹介)(第九〇三号) 六五 沼部村授産場施設拡充に関する請願(庄    司一郎紹介)(第九一六号) 六六 社会事業振興に関する請願大石武一君外    一名紹介)(第九一七号) 六七 国民健康保險制度改善に関する請願(岡崎    勝男君紹介)(第九五六号) 六八 土浦市所在引揚者住宅改善に関する請願    (金塚孝紹介)(第九七五号) 六九 国立療養所菊池惠楓園施設拡充及び改善    に関する請願岡西明貞紹介)(第九八    三号) 七〇 医学実地修練費予算増額丸山直友君紹    介)(第九八五号) 七一 引揚医師国家試験施行回数増加請願外一    件(大野伴睦紹介)(第九八七号) 七二 国立看護教員養成所設置請願吉田省三    君紹介)(第九九四号) 七三 助産婦等の再教育費国庫負担請願吉田    省三紹介)(第九九六号) 七四 り病看護婦国立休養所設置に関する請願    (吉田省三紹介)(第九九七号) 七五 保健婦助産婦看護法の一部改正に関する請    願(吉田省三紹介)(第九九八号) 七六 添田町二又爆発り災者救済に関する請願    (江田斗米吉君外七名紹介)(第一〇〇六    号) 七七 湘南、三浦一帶を国立公園指定請願(    永井要造紹介)(第(一〇三六号) 七八 国立療養所清瀬病院かく首者に関する請    願外一件(岡田春夫君外二名紹介)(第一    〇四五号) 七九 授産事業法制定請願青柳一郎紹介)    (第一〇五六号) 八〇 社会保障制度場確立に関する請願伊藤憲    一君外一名紹介)(第一一六四号) 八一 引揚援護庁関係機構縮小に関する請願(伊    藤憲一君外一名紹介)(第一一六七号) 八二 厚生省職員不当免職に関する請願(中原    健次君外二名紹介)(第一一九一号) 八三 遺族援護対策確立に関する請願(逢澤寛    君紹介)(第一二一二号)   陳情書  一 生活困窮者救済陳情書    (第六号)  二 引揚者に対する援護強化陳情書    (第一二号)  三 国民健康保險に対する国庫補助増額に関す    る陳情書外五十三件    (第一六号)  四 遺族援護強化に関する陳情書外三百五十九    件    (第一八号)  五 結核並びに伝染病対策費国庫負担陳情書    (第二    五号)  六 国民の健康に関する陳情書    (第二六号)  七 兒童福祉施設に関する陳情書    (第三二号)  八 水道事業の一元化に関する陳情書    (第三三号)  九 民生委員費用弁償増額陳情書    (第五八号) 一〇 外地免許医師引揚者に対する国家試験に関    する陳情書    (第八四号) 一一 生活保護法並びに兒童福祉法による事務費    国庫負担陳情書    (第八八号) 一二 国立肥前療養所拡張に関する陳情書    (第九六号) 一三 国民健康保險事業に関する陳情書    (第九八    号) 一四 生活保護制度改善強化に関する陳情書    (第    一〇七号) 一五 遺族援護強化に関する陳情書外五十一件    (第一一五号) 一六 消費生活協同組合法一部改正陳情書    (第一三六    号) 一七 志布志町に国立結核療養所設置陳情書    (第一五三号) 一八 国民健康保險事業に関する陳情書    (第一五四    号) 一九 国民健康保險運営強化に関する陳情書    (第一六九号) 二〇 遺族援護強化に関する陳情書外四十一件    (第一八二号) 二一 傷い者保護法案制定促進陳情書    (第一    八六号) 二二 男鹿半島国立公園に準ずる区域に指定の    陳情書外一件    (第一八七号) 二三 三陸海岸国立公国指定陳情書    (第二〇    六号) 二四 国民健康保險事業に対する国庫補助増額の    陳情書    (第二〇八号) 二五 結核患者療養費全額国庫負担陳情書    (第二一七号) 二六 柔道整復術検定試験に関する陳情書    (第二二三号) 二七 台風による被害者に対し救済陳情書    (第二二九号) 二八 国民健康保險に対する国庫補助増額陳情    書(第二三二号) 二九 予防接種事故者に対する国家補償制度確立    の陳情書(第二三六号) 三〇 遺族援護強化に関する陳情書外八件    (第二四三号) 三一 国民健康保険運営強化に関する陳情書外    五件    (第二六二号)     ―――――――――――――
  2. 松永佛骨

    松永委員長代理 これより会議を開きます。  本日はまず青柳一郎君外十名提出身体障害者福祉法案を議題といたし、審議に入ることといたします。質疑の御通告順によりまして、岡良一君。
  3. 岡良一

    ○岡(良)委員 医務局長にお伺いいたしたいのでありますが、このたび身体障害者福祉法案対象に、結核アフター・ケヤーケースが除外されておるのでありまして、これは御存じのようにアフター・ケヤーの過程にある諸君が、福祉法案対象に含めてくれということを強く全国的に要望しておられましたが、除外されております。これは含むべきかいなかということについては私ども疑義は持つておりますが、しかし一応福祉法案がこれを除外して制定されるということになりますると、含めてこれという熾烈な要望を特つておるアフター・ケヤー諸君に対しては、まことにわれわれとしてお気の毒にたえないと思います。従いまして、アフターケヤー諸君に対しては、医務局として、また厚生省としても同時並行的に、積極的に、たとえばアフター・ケヤー・コロニーをつくつて総合的に授産職業補導その他のめんどうをみてやるというような措置を講ずべきであるとも考えておるのでありますが、この点医務局長の御意見を伺いたいと思います。
  4. 東龍太郎

    東説明員 アフター・ケヤーのことについてのお尋ねでありますが、お断り申し上げでおきますが、私の方では実は国立療養所に関するアフター・ケヤーの問題のみ扱うことに相なつておるのでございますが、少くとも国立療養所におきましては、その問題に対しては今までも十分なる努力はいたして参つたのであります。その必要性につきましては、ひとり患者の方からの要望のみならず、治療に当つております病院当局からもその希望があり、また適当な施設については相当の経験も積んで来ておりますので、国立療養所といたしましては、でき得る限りアフター・ケヤー・コロニーのようなものの設立ということについて努力はいたして参つております。従つてこのことはひとり国立施設のみならず、全般の結核療養の問題といたしまして、十分重大に考えるべきものと存じております。
  5. 岡良一

    ○岡(良)委員 しかし実例を申し上げますと、今お話国立療養所のアフター・ケースについてでありますが、たとえば石川県の石川療養所は、現在約四百八十名入院しております。その中で軽作業にたえ得る。たとえばアフター・ケヤーケースというものが約四十人ばかりおるのでありますが、現在それに対する職業補導も、授産も、何もありません。ただ先般も私が参りましたところが、二十羽ばかりのあひるを養つておるだけであります。こういうよなことで、従つて彼らの話を聞きますると、せつかく病気からは解放されたけれども、その日から生活苦というものがわれわれをおとずれておるが、これに対しては政府としても、何らわれわれの安心できるような措置を講じてくれておらない。ただその中に一人農学校を出ておる者がありますので、それがあひるでも養おうかという彼う自身の発意によつて、二十数羽のあひるを養つておる。そして一反歩ばかりの畑をやつておるにすぎないのであります。こういう事例は、石川県下だけでも相当ある。療養所においてもやはそういう声が起つております。こういうことではせつかくのお言葉ではありますが、実際問題としてはちつとも行われておらないというのが実情でありまするが、何とかこういう点を愼重考えていただきたい。特に来年度は病床の増加等考えておられるようでありますが、病気から解放されると同時に、その日から生活苦に襲われておるという結核患者が、おそらくその数にすれば百万人に近いのじやないかと思いますので、彼らのアフター・ケヤーについては、もつと積極的に、もつと責任ある具体的な考慮をお願いしたいと思います。  なおあんま、はり、きゆう、マツサージ盲人諸君が主として担当しておるのでありますが、これにつきまして、最近盲人の団体の中から、いわゆるあんまだけを取除いて別途な法律が出るのではなかろうか。そういたしますると、せつかく福祉法ができるとは言うものの、自分たちの従来の生業というもの、従つてまた身分というものに対して非常な不安を感ぜざるを得ないので、福祉法ととんとんとすれば、かえてありがた迷惑だ――というわけでもありませんが、非常な不安の声を聞いておるのであります。そういうことにつきましての医務局長としてのお考えを承りたいと思います。
  6. 東龍太郎

    東説明員 前半の実例についてのお話でありますが、まことにそういう状態にあることは遺憾でありますし、また不幸にして岡委員のごらんになりましたのは、両方ともさような点に欠くるところの多いもので、ございましたが、療養所の中には十分なる設備でもつてつておるものも多々あるのでございます。従つて療養所運営にあたつておりまする直接の当事者の熱意等にも関係いたしますので、私の方でも十分その実情は調査いたしまして、今のような御非難のないようにして指導をいたすことにいたします。それから第二の問題でありますが、この点は近く参議院の方から議員提出でさような改正案が出るということは承知いたしております。その根本は、あんまマツサージとをわける。そうしてあんまというものをいわゆる医療補助行為というのではなく、慰安というふうなものに限局をする。そういうふうな構想でできたものと存じますので、この点につきましては、いろいろと異論のあることを私ども承知いたしております。従つてそれに対しては、われわれといたしましては、十分愼重な態度でこれに臨みたいというつもりでありますが、ただいま私はそれの具体的なことは承知いたしておりませんので、十分御質問のような点を念頭に置きまして、慎重に事に対処いたしたいと存じます。
  7. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 今のアフターケヤーのことですが、国立療養所関係で多々あるということを言われたのですが、ちよつと具体的に一、二例を言つていただきたいのです。私の聞いた範囲では、たとえば東京の第二なんかも薫風園というのがありますが、これはアフター・ケヤーとしての施設でなしに、つまり官側からやつた施設でなしに、普通の結核療養者のベットをアフター・ケヤーやみで――やみでと言うと誤弊があるが、非公式に転用しておるという話で、日患同盟あたりでは、国家としてアフター・ケヤー施設は何もしていないのだということを言つておるので、ちよつと一、二例があつたら聞かしていただきたい。
  8. 東龍太郎

    東説明員 今薫風園のことが出ましたが、私ども薫風園東京療養所に対するアフター・ケヤー並びに職業補導の目的をもつて、相当授産場におきましても無理と苦心をしてつくつたつもりでおります。それからアフター・ケヤーとして専門にやつておりますのは、熱海の向うにございます網代などが、国立アフター・ケヤー施設としては専門の方であります。なおアフター・ケヤーのようなふうにしてやつておるので、私が自分で見ましたところで申し上げますと、愛知県の愛知療養所にあります。それからもう一つは、これも私まだ見ておりませんが、新潟県の小千谷職業補導をしておるアフター・ケヤー施設があります。また茨城県の友部にもアフター・ケヤー施設があります。今申し上げたうちで小千谷友部は私はまだ見ておりませんので、実情は存じませんが、愛知県と薫風園だけ承知しております。
  9. 岡良一

    ○岡(良)委員 この際重ねてお願いいたしておきたいのですが、どうもアフター・ケヤーケース・ワークが療養所附帶するものだという考え方で取扱われておるように思いますが、そうでなく、やはり別途アフター・ケヤーアフター・ケヤーとして抽出して、これに対して周到な処置をとるという考え方附帶でなく、独立したものとしてやつていただきたいと思います。
  10. 東龍太郎

    東説明員 ただいまの御意見まつたく御同感であります。アフター・ケヤー療養所の一部分の附帯事業ということではとうてい徹底いたしません。別個の系統を立つた一つのシステムとしてやるべきたと考えております。
  11. 苅田アサノ

    苅田委員 身体障害者審議会という機関が設置されることになつておるのでありますが、それを構成する委員割振りというようなことにつきましては、ここに規定されておらないのでありますけれども、そういうものは省令等で定められるのかもしれませんけれども、現在の厚生省の方のお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
  12. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 この法案を拝見いたしますと、第七條第三項に「関係行政機関の官吏又は吏員、身体障害者更生援護医療その他の福祉に関する事業に従事する者、学識経験ある者、労働者及び身体障害者のうちから、厚生大臣又は都道府県の知事が任命する」ということになつておりまして、それらに関してこまかいことについては、省令で定めるようになつております。この割振りにつきましては、いかにしたらよいかということについては、ただいまのところ雇用主労働者の中から選ぶ場合には、雇用主労働者は同数でなくてはならぬだろうと思います。その他のものについては、従来から委員会については、大体そのいずれかが最大多数になるということは適当でないと思いますので、全体の割振リが適当になるようにいたしたい。割振りについては国会の方に御意向かありましたら、できるだけその御意向に従うようにいたしたいと考えております。
  13. 苅田アサノ

    苅田委員 ただいま局長の御意見もございましたが、私の考えを述べさせていただきますれば、やはりこういう機関は、その後のいろいろの身体障害者に関するこまかな規定をきめますときに、この審議会がはつきりした大きな発言権をもつような組織にしていただきたい。それがためには審議会自体を、民主的に経営するような運営方法をとつていただきたいと思う。そのためにはやはり構成の人数というようなものは、相当問題になると思うのです。それでこれは何よりも身体障害者福祉に関して協議をする機関なのでありますから、少くともその半数は身体障害者からの委員によつて構成していただきたい。そういうふうに私は希望を持つておるわけなんです。その点につきましてはどういうようなお考えか、伺いたい。
  14. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 これらの点につきましては、いずれ政令できめなければならぬのじやないかと思うのですが、先般連合審査会のときに申し上げましたように、政令につきましてはどういうふうにいたしましたらいいかということにつきましては、厚生委員会に御相談申し上げるつもりでおりますので、そのときによろしくお願いしたいと思つております。
  15. 苅田アサノ

    苅田委員 次に十二條の点に対しまして、市町村長がその当該市町村内の身体障害者厚生援護については福祉司の行う事務協力するというふうに書いてございますが、それらは具体的にどういう程度までの責任のある協力をこの人たちがするか。そういう点をお聞きしたいと思うのであります。
  16. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 これにつきましては、現在児童福祉司市町村長との関係と同様に相なることだろうと思つております。従いまして、その協力につきましては、全面的に御協力願わなればならぬのじやないか。従いましてこの厚生援護に必要でありますならば、市町村長の権限としてしなければならぬような事項につきましてはもちろん、その他市町村長としてでき得ますることにつきましては、すべて御協力願わなければならぬのじやないかというふうに考えております。
  17. 苅田アサノ

    苅田委員 それに関することでついでに十九條のことですが、そこでこの法によつて身体障害者から申入れがあつた場合には、それぞれそれに該当する施設に收容しなければならないという規定があるわけです。さらに但書がついておりまして、その施設收容能力とかその他の理由によつてやむを得ない時はこの限りではないという一項が入つております。そういう場合に全然援護しないというようなことが起つた場合には、さきの條々と考え合せて、そういうことはできないのじやないかと思うのですけれども、その辺のことにつきましては、どういうふうにお考えでございますか。
  18. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 ここにありますのは施設の收容の場合でございまして、施設の收容につきましては收容能力がないとき、あるいはその施設に收容いたしましても適当なる厚生援護ができないといつたような場合、そこに入れましても何にもなりませんから、その場合には必ずしもその施設に收容しなくてもよろしいという規定であろうかと思うのであります。しかしながら先ほど申し上げましたように、身体障害者につきましては、市町村長厚生援護に関しましていろいろとやらなければならぬことになつておりますが、厚生援護につきまして現在の各種の手段でもつてできまする限度におきましてやらなければならぬということに相なるだろうと思います。
  19. 苅田アサノ

    苅田委員 この前の連合審査のときの政府側のお答えを聞きましても、現在身体障害者関係する施設というものが非常に貧弱だということがわかりましたわけなんですが、そういたしますと身体障害者から申し入れがございました場合に、收容できないという但書に該当する事件が非常にたくさん起つて来るのじやないかと思つておるのですが、そういうときには、そうした大勢の身体障害者に該当する人たちは六十一万人近くおるというわけで、そういう人たちに対しまして、とうてい現在の施設では十分にその要求を入れることはできないと思うので、そういう場合にはすべてやむを得ないということになりますと、いくらこの法律がきまつても、その人たちは少しも福祉法の恩典をこうむらないということになるのではないかと思います。そういう点で、私どもそういつた施設を拡張いたしますとか、あるいは従来のものを改善するとかいうことが急務となつておると思いますけれども、そういうものに対して来年度予算として大体どれくらいのものが見込まれておるかということをお聞きしたい。
  20. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 現在の施設がきわめて不十分でありますことは申すまでもないのであります。この施設は量においてもまた質におきましても十分でないのであります。現在のわれわれの方の力といたしましては、收容能力、收容量の方におきましては、まだ余裕があるのでございまして、実を申しますと質の方におきまして、不十分な点が多々あるように考えます。質の改善をいたしませんと、量をふやしましても、実際に適正な援護ができないということになりますので、私どもといたしましては、方針といたしましては、今度改正いたしましたリハビリテーション・センターにおきまして、今後かかる施設運営いたします適当なる人の指導というものもあわせていたしまして、今後のできます施設並びに現在あります施設の内容を充実いたすようにして参りたいと考えておる次第であります。従いまして今ただちに施設の数をふやすということにつきましては、満足の行くだけの施設の数がふえることになつておりませんが、明年におきましてはとりあえず六箇所だけ施設を増加する予算を組んでおるのであります。これが明年度にできまして、大体始まりますのは明後年度くらいになるのではないか。と申しますのは、やはりその施設運営します適当な人というものが、なかなか得られないということに原因があるのでございます。われわれといたしましては、できるだけそういうふうに質の向上ということをこの際極力はからなければならないというふうに考えております。
  21. 松永佛骨

    松永委員長代理 速記をとめて下さい。     〔速記中止〕
  22. 松永佛骨

    松永委員長代理 他に御質問等ございませんか。
  23. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 医務局長にお伺いしたい。先ほど岡委員から質問されましたが、結核に関して最後の別表の九に「胸かくに変形があるもので厚生大臣指定するもの」ということは、その内容は整形その他をやつて実際上胸かくに変形があつた人というふうになつておるのですが、身体障害者という場合に、結核患者というのは、実際人間の身体の中で最も重要な肺の中に、でかい穴があいている根本的な障害者なのです。むしろ整形をやつておる諸君は、その基本的な穴をぶつつぶしたのだから、そういう意味ではむしろ整形しない方の結核患者の方が身体障害者になるし、実際問題としていろいろ生活上あるいは療養上の対策から言つて身体障害者として扱わなくてはならぬと思いますが、この点について医務局長は、どういうお考えを持つておられるか、お伺いしたい。
  24. 東龍太郎

    東説明員 ただいまのお尋ねは、身体障害者というものを法律の対象にするという定義の問題にもなるのでありますが、この中にありますものは、大体において症状の固定した、従つてただいまお話の肺結核が身体障害の著しいものであるということは、むろんその通りであります。しかしながらそうなりますと、たいていの慢性の病気は、やはり身体障害の著しいものというカテゴリーに入つて来るのでありまして、どの点に線を引くかということになつて参ります。私はこの法案につきましては、原案の関係者でも何でもございませんが、私は当初から、ただいまお話のような、結核はこの中から除かれておるもの、ただ結核の結果として大きな手術を受けてそのために胸かくに著しい障害を残しておる者が含まれるというふうに了解しておつたのでございます。
  25. 丸山直友

    丸山委員 胸かくに変化云々ということは、結核に直接関連性を持つておるということは、だれでもわかることなのでありますが、今の御質問の趣旨と、御答弁の趣旨から考えて、ほかの方の病気は入らぬということになると考えます。しかし結核による胸かくの変形といいましても、なおその程度がいろいろある思いますが、特別な境を引くということに対して、何かお考えがあるのでありますか、提案者にひとつお尋ねいたしたいと思います。
  26. 大石武一

    大石(武)委員 提案者の一人といたしまして答弁いたします。結核、殊に今結核で一番問題になつておるのは、大体結核でなおつて、ただ職業能力のないという者だけが、一番この法案対象になるだろうと思うのであります。その他医者の治療を受けておらなければならない者、あるいは入院しておらなければならない者というのは、当然このカテゴリーから除外さるべきものであろうと思います。ところが御承知のように、結核のどこですつかりなおつたか、どの程度から働かしてよいかという判定は、非常にむずかしい問題だと思います。ことにわが国においては、治療とか、あるいは診断という方面に今まで重点が置かれましたために、アフター・ケヤーの問題に関しては、まだまだ十分検査あるいは実験というものは、そう行われておらないと思うのであります。従つて現在の状態においては、職業につかせ得るか、つかせられないかという一線をどこに置くかという問題は、非常にむずかしい問題だと思います。従つて今後しばらく、こういういろいろな検査、実験というものが長い間行われました後に、初めてそこに画すべき一線というものが見出され得べきものであろうと思います。またわが国の医療施設というものは、あまねく完全に正しく日本の国内に分布されておりませんので、これを断診する場所あるいは病院というものが、適切にわが国に配置されておりませんから、ここにもその一線を引くということが困難になつておるのだと思います。従つてどこに一線を引くかということは、しばらくあとの問題になると思うのであります。われわれは、むしろこういう問題は、身体障害者という範囲に入れるよりは、むしろ結核の予防法とか、あるいはアフター・ケヤーの問題というものを、もつともつとこれを、進めて、改良して、この方面で十分に、取扱い得るようなことに持つて行つたら一番よいのではなかろうかと考えております。
  27. 丸山直友

    丸山委員 私が今の御答弁から推測いたしましても、胸かく整形術をやつたようなものが、胸かくの変形というようなことで多く取上げられると思います。その場合に、なお結核の病が活動性である、あるいは菌の排出がなおあるというふうな状況にあるものは、この法律では、取扱わない。結核予防法であるとか、その他のアフター・ケヤーの方のいろいろな施設拡充してやる。この法で取扱うものは、その病気が固定してしまつて、菌の排出もなくなつて、熱もないという状況で、單純なる畸型として取扱うというふうに、はつきりとその間に区別をつけたらいかがかと私は考えますが、そうはお考えになりませんか。
  28. 大石武一

    大石(武)委員 まつたく同感であります。
  29. 松永佛骨

    松永委員長代理 この際お諮りいたします。本法案は、御承知のように、参議院においてもまつたく同一の法案が発議されておりまして、それについては、去る二十五日、二十六日と、合同審査会を、開いて審議をいたし、本法案の十分な検討はすでに終了いたしたことと存じます。これをもつて法案に対する質疑を打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 松永佛骨

    松永委員長代理 御異議なければ、本法案に対する質疑を打切ります。     ―――――――――――――
  31. 松永佛骨

    松永委員長代理 次に討論に入ります。亘四郎君。
  32. 亘四郎

    ○亘委員 私は、民主自由党を代表いたしまして、本法案に賛成の意を表するものであります。  本法案が、身体障害者の更生を援助し、その福利をはかることを目的といたしまして、前第五国会において、身体障害者援助の決議を本院においてなされましてから、爾来厚生委員の方々が、衆議院並びに参議院の両院におきまして本法案の作成まで幾多の努力をなさつた結果、今日この画期的な社会立法が制定されたことは、まことに時宜を得たことで、御努力をなさつた各理事の方に深く敬意を表するものであります。しかし、この法案を通観いたしまする場合に、なお幾多の不十分な点がないとも申されないのであります。従いまして本法案の実施にあたりましては、その運用よろしきを得て初めて成果が得られるものでありまして、この点特に当局にお願い申し上げたいのであります。  御承知のように、生活保護法が実施されておりますが、この生活保護法の運用につきましても、今日末端において往々にしてその法律の趣旨と趣きを異にするがごとき結果を見ることが多いのであります。それは、末端におけるその運用並びに目的を誤つておるからだと考えるのでありますが、そうしたことが、本法案の運用にあたつて特にないように、本法案の適用を受ける人が決して肩身の狭い思いをしなくて、当然受けるべき権利であるという観念に立たしめて、本法案の適用を喜んでもらうということでなければ、仏つくつて魂が欠けておるというような結果になると思うのであります。ですから、本法案の運用にあたつては、その点十分注意していただかなければならないと思うのであります。ことに本法案の適用を受ける方の多くは、生活保護法の適用を現在受けておらるる方が相当あると思うのでありますが、これらの保護を受けておりましても、これは何ら自分の社会活動を制約されるものではないのでありますから、そういう点につきまして末端において何らの問題の起らないように、円満に、そうしてこの適用を受ける人が、本法案によつて更生をはかり、そして福祉を増進されたという喜びを得られるようにしていただきたいことを、特にお願いいたすのであります。また申しましたように、本法案はなお不十分な点がたくさんあるのでありますから、将来本法案の充実、整備という点について特に留意され、あるいはまた予算の上におきましても、十分な成果が得られるように努力されんことをお願いいたすのであります。最後、ただいまもいろいろ御意見がございましたが、結核患者というものが、本法案におきましては、その適用規定がまことに不明確になつておりますが、どうかその趣旨におきまして本法案に明記されてある以上に吸收されて、そうしてこれら幾多の人がその適用を十分受けられるように注意されたい、このことを特にお願いいたすのであります。  本法案の実施によりまして、全国六十万以上という多数の方々が更生を、はかる道を講じられるのでありますから、私は本法案がまことに時宜を得た、議員方々がこうした発意のもとで法案を御制定なさつたことに対して敬意を表するとともに、本法案の一日も早く実施に移されんことをお願いいたしまして、本法案に賛成の意を表するものであります。
  33. 松永佛骨

    松永委員長代理 次に堤委員にかわりまして岡良一君。
  34. 岡良一

    ○岡(良)委員 堤委員の代理といたしまして、日本社会党を代表して本法案に賛成をいたします。  この法案が第一国会以来全国身体障害者の人々によつて一日も早く制定されるように要望されておつたのでありますが、本日これが本国会に上程されるのは、むしろ遅きに失するともいうことができるかと思います。ただ本法案福祉法と銘打つてありますけれども、私ども考えるところでは、福祉という以上は、いわゆる総合的な人権の保障というものが基本にならねばならないと思います。いわば生活権と同時に文化を享受する権利をも保障するという、そうしたおおらかな目標が打出されなければ、真の福祉法案たり得ないと思うのであります。まことに残念なことには、本法案職業能力を持つている者に対して、これを助長し、その生活の自立化をはかるというところに、強く力点が置かれておりますので、その点は私どもはあくまでも文化を享受する権利をも保障するというところにまで、今後この法案を発展せし払なければなるまいと考えておる次第であります。  なお本法案の実施につきまして特にわれわれが要求いたしたいことは、まず第一には所得額の決定に際しまして基礎控除一万二千円は、單に盲人のみではなく、身体障害者手帳を交付されておるところのすべての身体障害者に対して、来るべき税制改革を通じて適用さるることが第一点であります。第二点は文化を享受するというその観点からいたしまして、入場税の免除等の措世を通じまして、身体障害者に対して文化的な機会を開放してやりたいものと考えております。  第三点は売店あるいはタバコ小売の免許等を優先的に受けることができたといたしましても、まずさしあたりの問題は金融の問題でありますが、これにつきましては合同審査会等におきましても、金融当局あるいはその他の関係当局の御答弁では、われわれは満足ができないのであります。そういうことでせつかく法案がから手形になつては、われわれとしても身体障害者諸君に対して相済まぬわけでございますから、国民金融公庫の運営、あるいは更生資金の交付等の実際の運用に当りましては、やはり商売ができるだけの資金を交付する等の方途が、明確に運営の上において実施されることを要求いたしたいのであります。  次には運賃の軽減でありますが、これはこの法案によりますれば、国鉄の運賃のみが半額ということになつておりますが、身体障害者といたしましては、国鉄を利用するよりも、むしろ私鉄その他バス等を利用する機会が非常に多いのであります。もしそういうような私鉄企業におきまして、身体障害者の運賃の半減がその経理上に影響があるならば、国がそれを補償してやつてでも運賃の減免規定を、私鉄の範囲にまでも行き渡らしていただきたいというのであります。  なむ、先ほども申しました通り、結核患者アフター・ケヤーについては、せつかく福祉法案ができましても、このアフター・ケヤーに対する責任ある措置が講ぜられませんと、きわめて片手落ちのような考えがいたしますので、厚生省といたしましても今後アフター・ケヤーにつきましては、特に責任を持つて善処されることを強く要求いたしたいと思います。以上の諸点をわれわれの希望といたしまして本法案の門出に対しまして今後とも政府もわれわれに協力いたしまして、戰争の犠牲者も、結核患者も、資本主義の矛盾、不合理から起つて来ているのでありますから、かかる人たちに対する総合品的な人権の保障という方向に向つてこれを大きく進めて行つてわれわれも決して防貧的な、慈恵的な政策としてこれを空文に終らせないように努力することを誓いまして、われわれの賛成討論にかえる次第であります。
  35. 松永佛骨

  36. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 私は日本共産党を代表いたしまして本法案に賛成の意を表するものであります。しかしながらわが党といたしましては、本法案に対していろいろ修正意見もありまして、不満足なのでありますが、身体障害者諸君が、かりにこれが一銭の予算がないにしても、本国会をぜひ通過させていただきたいという切実な要望がありますので、あえて賛成する次第であります。従いまして、第一番に、本法案はこういういろいろな福祉措置が言葉上、文字上においてとられましても、これが財政的な裏づけがなければ、転じて反対の結果をもたらすことは明らかであります。本法案の施行については、予算の上で六千三百万円、これは公共事業費を含めましても一億円何がしかになつておりますが、かりに六千三百万円を本法の適用を予想せられる人員である六十万余りで割つてみますと、これは百円強にしかなりません。また一億円を割りましても百七十円弱にしかならないのでございます。こういう予算をもつてしては、この法案に盛られているような趣旨が、ほんとうに守られるということはあり得ないのであります。従つて今後この予算措置については、来年十度、再来年度を通じて、もつと真にこの法案の趣旨か徹底せられるような予算の裏づけをなすように希望するものであります。  次は本案は第一條、第二條に規定してありますように、これは身体障害者福祉を目的としながら、現状においては実際上、これらの身体障害の人々に自活をさせることを目的としているような結果になつているのでありますが、身体障害者は本来、社会保障制度などを確立いたしまして生活は一応国家が保障し、しかる後これらの人々が国家社会のために貢献することに対して、さらに社会的な奉仕を與えるというふうにするのが当然なんでありまして、ことに第二條のごときは、一人当り百円ないし百七十円という予算しか出さないで、不幸な人々に対してお説教するようた結果になつておりますので、この趣旨をもつと徹底して、将来に向つては社会制度を確立し、身体障害者の真の福祉を、はかられるように希望したいのであります。  次に結核のことでありますが、これは後ほど議題になります結核予防法に関する決議案の説明がこのことに関連しますので、大体岡委員などの発言と同じ意見を持つているものであります。さらに身体障害者審議会でありますが、先ほど社会局長からの答弁などもありましたが、本来この法律案は身体障害者福祉を目的とするのでありますから、少くともこの審議会は、身体障害者が半数程度占めるように、そういうふうに先々御考慮を願いたいと思う次第であります。さらにこの身体障害者福祉審議会は法文を読みますと、実際の運営に当りましては、大臣あるいは都府県知事の権限が非常に大でありましてこれは結局するところ、官僚統制に陥るような結果になりますので、少くともこの審議会の監督権を拡大いたしまして、この審議会がほんとうに本決運営をして身体障害者福祉になるようにやつていただきたい。さらに、先ほどの予算措置にも関連いたしますが、生活保護法との関係が非常に密接でありますので、生活保護法改善をやつていただきたいと思うのであります。  さらにこれも岡委員の方からお話がありましたが、税金の問題であります。これにつきましてはシヤウプ博士の勧告案によりますと、盲人のみの基礎控除が増額されることになつているのでありますが、盲人が基礎控除を増額されて、その他の身体障害者が増額されないということはきわめて不合理でありまして、身体障害者の言をかりますならば、盲人の方々はむしろマツサージあんま等でもつて一応職業があるのに、手、足がないとかいう人たの措置が講ぜられておらないとかいうことは不合理だと申しております。この点は勧告案のいかんにかかわらず、当然身体障害者に対しては税金を軽減せられる措置が講ぜられてしかるべきだと考えております。さらに運賃の問題でありますが、これは岡委員から、ただに国鉄を半額にするばかりでなしに、私鉄の問題を申されたのでありますが、私はこれはぜひとも全額を国庫が負担するという方法をとつていただきたいと思うのであります。先般の合同審査会においてもありましたように、現にいろいろと不在その他疑義のある薪炭特別会計においては、五十四億七千万円というようなものが国民の税金の中から支拂われようとしているのでありまして、従いまして先般の当局側の報告によりましても、この金額がかりに全額負担したとして、そうしてその統計が正しいものといたしましても、全額負担しても一億四千万円程度のことであります。従いまして半額をやるくらいなら当然無賃にしていただきたい。  最後に本法はこれに付随します細則がいかに決定されるかによつて、本法の趣旨が生きるかいなかに決定的な関係を持つているのでありまして、こういう細則については、少くとも本委員会の協議あるいは承認を得村て、ここで十分討議した上でこれらの細則を決定される、こういう方法をもつて本法の最初の意図に合致されるよう希望いたしまして、本法案に賛成の意を表する次第であります。
  37. 松永佛骨

    松永委員長代理 以上をもつて討論は終局いたしました。  それでは衆法第三号の身体障害者福祉法案の採決をいたします。本法案を原案逼り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  38. 松永佛骨

    松永委員長代理 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なお議長に提出いたします報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 松永佛骨

    松永委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。     ―――――――――――――
  40. 松永佛骨

    松永委員長代理 次に本委員会に付託になりました結核対策に関する決議案を議題とし、提案者より提案理由の説明を聽取することにいたします。提案者伊藤憲一
  41. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 議題となりました決議案につきまして、趣旨を説明いたします。  結核は、ことに当委員会の方々は御承知の通り、本年度の死亡者は厚生省の統計によりましても十四万五千人、この結核の死亡者は実は療養所に入つておられる方の死亡だけでありまして、普通家庭において結核によつてなくなられた方々は、いろいろ社会的な関係がありまして、結核という死亡診断は書かないのであります。従つて療養所においてなくなられた方々の診断書に対してかりに家庭でなくなられた方方が同数といたしましても、三十万程度の死亡者があり、このことから類推いたしますと、わが国における結核患者は三百万ないし四百万と称せられ、これは識者の間で一致している見解であります。こういうことから厚生省の資料によりましても、結核による経済的損害は年間千七百億と言われ、また今月の十二日結核週間に際しまして、GHQのディケンソソ博士及びトーマス中佐が記者団会見で言われましたように、この場合には九百億円の損害だと言つておりますが、これに対してのGHQの両氏も、結核予防についての国家施設が少いということを言われておるのであります。こういう時期でありますけれども、しかしながら結核予防は、予防接種その他による予防行為または結核の治療については、ある程度の施設がなされてようやくこのことに対して国家並びに社会の関心が持たれて盛んになつておるのでありますが、その後保護については、まことに寒心にたえないのであります。結核はこの予防と治療と後保護の三者が一体となりまして、初めてこれを予防することができるのであります。先ほど医務局長からのお話がありましたけれども医務局長の言われましたアフター・ケヤー施設があるというのは、実は作業場でありまして、これは一年間以上は実際上患者を置いておかないのであります。またコロニーでもありません。これは実際は結核患者の療養機関をこういうことに転用しているのでありまして、決して後保護施設というものが、万全を期しておるとは言えない。いわんや先ほど議題になりました身体障害者福祉法案について、これらの結核患者の保護施設が除外されておりまするときに、国家のこういう施設がないことから、現に清瀬地区の患者諸君は、これは日本療養所患者同盟に組織されている東京支部の諸君でありますが、こういう人々が街頭に立つて、基金募集をして、一千万円の予算でもつて百人収容のコロニーを設立する運動を始めておるのであります。もし私どもが国会として、また政府として、何らの処置なしに患者諸君をこういうことに立たしめるということになりますならば、われわれがいかにこのことに対して不熱心であるかということを暴露するのでありまして、この際私は結核全体についての予防的措置はもちろんのことでありますが、とりあえずこの後保護施設について政府が何らかの処置をとるように、少くとも現在増床運動がなされておりますけれども、後保護施設につきまして、かりに清瀬、江古田その他のいわゆる結核の療養地と称せられておるところにも一箇所ずつでもこういう施設をつくられるように、政府に対して要望することを決議したいと思うのであります。こういうものができますれば、現在軽快いたしまして、療養者のベッドをふさいでおります方々が、後保護施設に移ります結果、従つてベツドも明きまして、これは増床運動の一環ともなり得るのでありまして、ぜひ皆さんの御賛同を得まして、この決議案を可決せられるよう希望する次第であります。
  42. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいまの伊藤委員の御説明によりまして、その趣旨はよく御了解のことと思いますが、本件に関して提案者に対する御質疑その他御発言の方は、ございませんか。
  43. 亘四郎

    ○亘委員 ただいま議題となつておる決議案の案文が明確を欠いておつてよくわからないのでありますが、説明によりまして、大体私どもは本決議案に賛成の意を表するにやぶさかでないのでありまして、まことに適切な決議案だと思うのであります。聞くところによれば政府といたしましても、明年度療養施設に対して一段の予算をとつて、さらに増床を計画しておると聞いておるのであります。しかしそれをもつてしてもなお今伊藤委員の説明のごとく、アフタ一・ケヤーが十分でないということは当然なこととして認められるのでありましてこの点政府も十分留意して、以後そうした施設拡充をますますはかられるように特に希望いたすのであります。私はただいまの決議案の趣旨に賛成の意を表するものであります。
  44. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 今亘委員からお話がありましたが、決議案の案文については、私の趣旨弁明のように書いたのですが、非常に申訳ないのですが、私ども事務局の方で、簡單にするためにああいう文案にしてしまつたので、内容とずれたような点もありますけれども、その点を御了解願いたいと思います。
  45. 松永佛骨

    松永委員長代理 他に御発言はございませんか。
  46. 岡良一

    ○岡(良)委員 私は伊藤委員の御提出になりました決議案には全面的に賛成をいたしますが、なおその決議案の趣旨を実際に生かす上において、次の三点を特にこの際政府といたしましても責任を持つて実施されたいのであります。  第一点は予防対策でありますが、どうかBCGの生産をできるだけ増大せしめられまして、そうしてマントー氏反応の陽性転化前の全学童を対象とし、また学童のみならず青少年期に入つた君たちに対しましても、BCGの徹底的な接種による予防工作を力強く推進をしていただきたいのであります。第二点は、これは統計の数によつて明らかなのでありますが、結核の発生は大工場よりも中小の企業において特にはなはだしいのであります。従いまして現在日本の国におきましては、一切の中小企業の中で十人以下の工員を雇用しておりますところの工場が、全工場の約八九%というような大量の数字を占めておりますが、こうした中小企業体に対する結核を中心とする検診を厳正に実施されたいのであります。今一つアフター・ケヤーの問題でありますが、全国各府県とまでは行かないまでも、特に結核の濃厚なブロックにおいては、ぜひとも本年度内に総合的なアフター・ケヤー施設の確立をしていただきたいのであります。  以上三点の実現を特にお願いいたしまして、本決議案に賛成をいたします。
  47. 松永佛骨

    松永委員長代理 他に御意見もないようでありますし、本案はまことに適切なものと存じますので、討論を省略して採決いたしたいと思います。念のために一応決議案を朗読いたします。    結核対策に関する決議案    (志賀義雄君外三十五名提出)   わが国の結核患者のまん延数は実に二百万ないし三百万といわれ、その経済的損失は政府の数字によつても年間千七百億円に達しているが、政府の対策は予防、治療、後保護のいずれにおいても全く不充分である。   よつて政府は、速やかに対策を樹立し、予算的措置を、講ずべきである。   右決議する。  これが決議案の全文でございますが、大体御趣旨には御異議ないわけですね。
  48. 大石武一

    大石(武)委員 ただいまの委員長の朗読されました結核決議案に対しましては、趣旨においてまつたく賛成であります。ただその文章のうち「全く」という文句を取除いていただけばなおとつつきやすい決議案になるのではなかろうかと思いますので、右提案いたします。
  49. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま大石委員からの御発議がありましたこの決議案文中「政府の対策は予防、治療、後保護のいずれにおいても全く不充分である。」の「全く」を消しまして「いずれにおいても不充分である、」こういうことにかえたいという御意見が、ございましたが、御異議ございませんか。
  50. 青柳一郎

    青柳委員 私はここに正確な数字を持つておらないのでありますが、ここに年間千七百億円ということになつております。委員会として決議するについては、相当これを確実にしておかなければならぬと思つております。ちようど私ここに数字を持つておりませんので、政府当局の御意見を承らせていただけば非常にけつこうだと思います。
  51. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま青柳委員の御意見がございましたが、これに対して小川予防課長から御説明願います。
  52. 小川朝吉

    小川説明員 ちよつと御説明申し上げます。この決議案に御登載の数字につきましては、私どもの方といたしましては、正式の死亡統計によりますと、統計を基礎に絶えず考えておりますと、蔓延数二百万ないし三百万と申しますのは、通常口にいたしておらない次第であります。潜在性結核患者が普通は死亡統計の十倍ということに、国際連盟その他の専門家の方は申しております。日本におきまする調査におきましても、十倍、多いので十二倍ということになつておりますから、一応私どもは十倍として扱つております。そうしますと、百四十万ということを一応正式には言つております。なおまた経済的損失についてでありますが、私ども事務当局におきましてごくラフに推定いたしたもので、正式にお取上げいただくにはまだ確たる自信はございませんが、大体本年度の国民総所得を二・九兆という基礎数字に置きまして、なおまた医療費等は、社会保険というようなものを基準にいたしました数字で、千億をちよつと下まわつておるような結論が出ております。こういうお話と思いませんので、資料を手元に持つておりませんが、司令部の発表のものと、私どもの方とはほぼ一致したものでございます。その点だけ御説明申し上げておきます。
  53. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 念のために申しておきますが、千七百億という数字は、本委員会において私がいわゆる結核患者について質問したのに対して、東局長が答えられた数字であります。そういうのを基礎にしてやつたわけです。
  54. 青柳一郎

    青柳委員 私はなはだうかつでありまして、そういうことがあつたかどうかということを知らないのでありますが、一度あしたの午前中でもよろしゆうございますが、東局長なりに来ていただきまして、正確の数字をお示し願いたいと思います。国会として決議をする以上、相当正確なものでなければならぬと思うからであります。
  55. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま青柳委員から、国会の決議を権威あらしむるために、明日にでもさらに東医務局長を招致して正確を期したいというお話でありますが、この決議案の御趣旨に反対の委員の方はただいまのところはないように思いますので、国会の権威として正確を期する上において、明日にでも部屋の都合をいたしまして、さらに委員会を開催し、これを決議するというようにはかりたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  56. 松永佛骨

    松永委員長代理 それではさよう決します。
  57. 川崎秀二

    ○川崎委員 議事進行について――予算案もすでに本会議を通過いたしたわけでありますけれども、先般来承つておりますと、当厚生委員会におきまして、厚生行政一般について厚生大臣から詳細なる所信の説明というものがなかつたように聞いております。予算委員会等の関係もありまして、厚生大臣はこちらへおいでになる機会も少かつたとは思いますけれども、私の知つておる限りでは、今度の予算の審議を通じて、厚生大臣に対する質問というものはきわめて寥々たるものであつたのであります。私はこれは非常に遺憾なことだと思つておるのでありまして、生活保護法改正であるとか、あるいは社会保障制度の実施であるとか、山積する厚生行政一般に関して、厚生大臣の所信のほどをぜひとも厚生委員会は伺つておかなければならぬと思うのであります。厚生行政一般についての任務は、本年度よりは明年度、明年度よりは明後年度と、国民要望も深く高まつて参るものと私は確信をいたすのでありまして、でき得れば明日あたり厚生大臣の出席を求めまして、厚生行政一般についての所見を承りたいと思うのであります。その際でき得ますれば、私の希望でございまするが、社会保障制度審議会会長の大内博士の出席をも関連して求めたいと思うのてございます。
  58. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま川崎委員から御発言がございましたが、実は厚生大臣病気で寝ているのでございますが、ひとつ押して出席できるかどうか、交渉いたしてみます。それから大内さんの方は……
  59. 川崎秀二

    ○川崎委員 大臣が来られませんと、大臣の考え方と、委員会の会長の考え方と、両方参照したいと思うことがありますので、ちよつと意味がないと私は思います。
  60. 松永佛骨

    松永委員長代理 それでは川崎委員の御発言に対しては、その御発言に対しては、その御趣旨に沿うよう委員長において努力をいたします。
  61. 川崎秀二

    ○川崎委員 明日当委員会として御決議を願うところのさつきの結核予防の問題でございますけれども、できればこれを共同提案の形にするように委員長においておとりはからい願いたいと思います。
  62. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま川崎委員の御発議によりまして、第一に林厚生大臣が御病気中でありますが、一応交渉いたします。第二の厚生委員会の開会につきましては、さつそく部屋の準備をいたしまして、明日午前十時より委員会を開会することにいたします。  なおただいまの共同提案の問題は、理事会を開きまして、提案者の御意向をも承つてその後に決定したいと思います。どうぞさよう御承知を願います。  次に請願及び陳情書の審査に入るのでありますが、先般の常任委員会議におきまして、議案の審査以外は、速記が不足しております今日、筆記によつて会議録を作成することになつておりますので、この点御了承を願いたいと存じます。     〔以下筆記〕
  63. 松永佛骨

    松永委員長代理 それでは次に本日の請願日程の審査に入ることにいたします。  まず日程第九、第二十六、第三十、第三十一、第三十二及び第三十三、文書表第百二号、三百八号、第四百十三号、第四百十四号、第六百六十四号及び第八百六十一号、以上六件、身体障害者福祉法制定促進請願を一括議題といたします。  これらの各請願は、いずれも身体福祉法案を可決致しましたことによつて、既に目的は達せられました。よつてこれらの請願は、いずれも会議の議決を要しないものと議決するに御異議ありませんか。     〔「異議者なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 松永佛骨

    松永委員長代理 御異議がなければ、そのように決定いたします。  次に日程第一、文書表第五号、無縁故引揚者用住宅建設費全額国庫負担請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、代理として青柳委員に要旨の説明をお願いいたします。
  65. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、政府は今年度の無縁故引揚者用住宅建設を市町村直営工事とし、建設費の負担割合を国庫八、地方二とする旨内示したが、従来該事業は全額国費の負担で実施されており、その上昭和二十四年度は配付税が減額され地方財政は極度に窮迫しているので、この種の財源の余地はまつたくない。ついては該建設費を全額国庫負担とされたいというのであります。
  66. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見がありましたら、御発言願います。  発言もないようですから、質疑は省略いたしまして次に日程第二、文書表第十四号、岩手八幡平一帶を国立公園指定請願を議題と致します。紹介議員山本猛夫
  67. 山本猛夫

    山本猛夫君 本請願は、岩手県知事國分謙吉、岩手県会議長村上順平両氏の連名により、提出されたもので、その要旨は岩手八幡平を含む一連の山岳高原地帯をすみやかに国立公園指定せられたいというのであります。八幡平は本邦の代表的山岳風景地であるばかりでなく、優秀な自然科学探究の好適地として、一大温泉療養地として、はたまた登山スキー等の戸外リクリエーシヨンの聖地として、その真価はつとに広く認められて居る処であります。しかして本地域は、北日本観光幹線上にあり、しかも国立公園の分布の点からしても、まことに適当の位置にあります。加うるに、本地域の土地所有関係は、まことに理想的で、その九五%以上が国有地であります。何とぞ以上の諸條件を御参酌の上、御審議御採択あられんことを希望いたします。
  68. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見がありましたら、御発言願います。飯島国立公園部長
  69. 飯島稔

    ○飯島説明員 請願の八幡平一帶は、きわめて原始的な火山高原でありまして、なかんずく豊富な火山現象は、アメリカのイエローストーン国立公園に較べられる特種な景観を具備しております。本地域に対しましては、厚生省は若干の調査をしたに過ぎませんが、非常に特色のある風景地でありまして、国立公園候補地としてきわめて有力なものであると考えられ、なるべく近い将来において詳細な調査の上、審議会意見等も徴しまして、善処いたしたいと思います。
  70. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。なければ次に、日程第三、文書表第二十五号、三陸海岸国立公園指定請願を議題といたします。まず紹介議員より紹介説明を聽取することにいたします。紹介議員山本猛夫
  71. 山本猛夫

    山本猛夫君 本請願は岩手県知事國分謙吉、岩手県議会議長村上順平の連名により提出されたもので、その要旨は、岩手県の太平詳沿岸一帶をすみやかに国立公園指定せられたいと言うのであります。御承知の通り三陸海岸は、リアス式沈降海岸として、本邦最大の規模を有するばかりでなく、その北部に発達する海岸段丘と相まつて、きわめて変化に富み、その豪壯雄大な原始景観は、実に日本の海岸風景地として代表的なものであります。また沿岸には宮古、釜石、大槌、山田大船渡等の優れた港湾が発達し、沿岸産業文化の基地をなしており水産業、鉱業に基盤を置く沿岸諸都市は、当海岸開発の経済的基礎となつています。さらに内陸部との連絡も、山田線花釜線等も明年庫中には開通の見込みで、交通上の利便は確保されつつあります。何とぞ以上の御事情を御勘案の上、御審議御採択あられんことを希望いたします。
  72. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。飯島国立公園部長
  73. 飯島稔

    ○飯島説明員 請願のいう地域一帶は、リアス式沈降海岸で断層海岸の標式的なものであります。海岸線の長いわが国におきましては、特色ある海岸風景に富み、請願のこの地帶のほか、阻南海岸、丹後半島一帯、隠岐、伊豆七島等たくさんの優れた海岸風景地が数えられます。これらの海岸風景を代表する国立公園指定は必要と考えられますので、各風景地を種々比較検討の上、決定いたしたいと考えますが、その中で、請願の三陸沿岸一帶は、有力なる候補地と考えております。
  74. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第四、文書表第三十四号、国民健康保険拡充に関する請願、日程第十、第三十四、第三十五、第三十六。第三十七、第三十八、第三十九、第四十、第四十一、第四十二、第四十三、第四十四及び第六十七、文書表第百三号、第四百二十五号、第五百五十六号、第五百七十四号、第五百七十五号、第五百七十六号、第五百七十七号、第六百七十号、第七百五十七号、第七百七十四号、第八百七号、第八百八号及び第九百五十六号以上十三件、国民健康保険制度改善に関する請願、日程第十一、第二十九及び第四十五、文書表第百四号、第三百九十七号及び第四百二十六号以上三件、国民健康保険事業費全額国庫負担請願、日程第十五及び第五十四、文書表第百七十五号及び第五百二号、国民健康保険法の一部改正に関する請願及び日程第十九、文書表第二百五十九号、国民健康保険に対する国庫補助増額並びに国民健康保険改正請願、以上二十件を一括して議題といたします。  紹介議員が見えませんから、代理として青柳委員に要旨の説明をお願いいたします。
  75. 青柳一郎

    青柳委員 まず日程第四及び第四十一の国民健康保険拡充に関する請願及び国民健康保険制度改善に関する請願の要旨を説明致します。  本請願の要旨は、国民健康保険強化拡充のため、甲信、関東国保会議国民健保険法の改正並びに国庫負担の増額を次の通り決議した。(一)社会保障制度の制定、(二)国民健康保険法第二條を「市町村之を行うべし」と改める、(三)国民健康保険事務費全額国庫負担、(四)療養給付費の四割を国及び都道府県で補助すること、(五)国民健康保険事業再建費として、国庫補助等に改正されたいというのであります。  次に日程第十、三十四、三十五、三十六、三十七、三十八、三十九、四十、四十二、四十三、四十四及び六十七の国民健康保険制度改善に関する請願の要旨を説明します。  本請願の要旨は、国民健康保険制度の必要性がますます高まりつつある現在、その運営面において左記の事項をすみやかに実現されたいというのであります。(一)保険給付費に対して、その二割を国庫支出 (二)診療所創設費、に対し三分の一の補助 (三)第二條を強化すること (四)事務費は全額国庫負担 (五)指導機関拡充強化 (六)社会保障制度の制定。  次に日程第十一、二十九及び四十五の国民健康保険事業費全額国庫負担請願の要旨を説明致します。  本請願の要旨は、国民健康保険事業事務費並びに保健婦施設費は全額を国庫負担にされたいというのであります。  次に日程第十五の国民健康保険法の一部改正に関する請願の要旨を説明致します。  本請願の要旨は、社会保障制度実施を目前に控え、国民健康保険の運用に支障をきたさないよう国民健康保険法を左記の通り改正されたいというのであります。(一)本法第二條中の「市町村之を行う」を「市町村之を行はねばならぬ」と改め(二)第四十七條「国庫は命令の定むる所に依り予算の範囲内において国民健康保険に要する費用に対し補助金を交付することを得、都道府県及市町村は国民健康保険に要する費用に対し、補助金を交付することを得」とあるを「国及都道府県は命令の定むる所に依り国民健康保険に要する費用に対し、負担金を交付する」と改め、国庫負担金規則については(イ)事務費及保健施設費に対し国五、都道府県四の割合で負担すること(口)被保険者の保険料はその二分の一に相当する額を国が負担すること。  次に日程第十九の国民健康保険に関する国庫補助増額並びに国民健康保険改正請願の要旨を説明いたします。  本請願の要旨は、町村の財政事情は極度にひつぱくしているから、国民健康保険の療養給付費には、とくに十分の二を助成し、事務費は全額國庫補助とし、なお、本事業の未着手と任意設立のためには弊害を防ぐために、強制設立を法定され、従来の国庫補助制度はこれを負担金とし、またこの中央会を法認団体とし、さらにこの事業に対して金融的措置を立法化されたいというのであります。  次に日程第五十四、国民健康保険法の一部改正に関する請願の要旨を説明いたします。  本請願の要旨は、国民健康保険法を次の通り改正されたいというのであります。国民健康保険費に対し、(一)事務費全額国庫負担 (二)療養給付費に対し国庫負担二割、都道府県負担二割、保険者負担六割 (三)診療所及び保健施設費に対し国庫負担五割、保険者負担五割。  以上であります。
  76. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。安田保險局長
  77. 安田巖

    ○安田説明員 それでは私から只今議題となつて居ります各請願に対して、答弁させていただきます。  まず文書表、百三号、四百二十五号、五百五十六号、五百七十四号、五百七十五号、五百七十六号、五百七十七号、六百七十号、七百七十四号、八百七号、八百八号、九百五十六号の国民健康保険制度改善に関する請願について申上げますと、第一の保險給付費に対して、その二割の国庫支出に関しましては、昭和二十五年度の予算には、これに対するものは含まれて居りません。第二の診療所創設費に対し、三分の一の補助については、国民健康保険の直営診療施設の創設費に対しては、従来ともその三分の一を限度として国庫補助金を交付し、昭和二十五年度予算も昭和二十四年度と同様二億五千万円の予算を計上している。  第三の国民健康保険法第二條を強化することにつきましては現在研究中でございます。  第四の事務費の全額国庫負担につきましては、従来の二分の一の補助であつたのが、昭和二十五年度においては七割の国庫補助を計上しております。  第五の指導機関拡充強化の都道府県の指導職員の充実整備につきましては、シヤウプ勧告の線による地方財政の確立との関連におきまして、都道府県の実情に副うように決定されるべきだと考えます。  第六の社会保障制度の制定につきましては、目下社会保障制度審議会において審議中でございます。  次に文書表百四号、三百九十七号及び四百二十六号の国民健康保険事業費全額国庫負担請願に関して、昭和二十五年度予算においては、事業費に対して従来の五割を七割に、また保健施設費中の保健婦設置費に対しては、従来通り定額の三分の一を計上しております。  次に文書表第三十四号及び七百五十七号の国民健康保険拡充に関する請願につきましては、まず第一の社会保障制度の制定に関しましては、先程も申し上げましたが、目下社会保障制度審議会において審議中でございます。  第二の国民健康保険法第二條を「市町村之を行うべし」と改めることにつきましては、法第二條を改正して強化するように研究中でございます。  第三の事務費全額国庫負担する点に関し、事務費に対しては従来二分の一の補助でありましたのを、昭和二十五年度においては七割の国庫補助を計上しております。  第四の療養給付費の四割を国及び都道府県で補助することにつきましては、療養給付費に対する国庫補助は昭和二十五年度予算には含まれて居りません。また、現行法においては都道府県が予算の範囲においてこの事業に対し、補助することが出来ることになつておりますが、負担制度ではないので強制はできないことになつております。  第五の国保事業再建費として国庫補助等に改正されたいという点につきましては、再建費としての国庫補助は計上していないが、都道府県に対する補助として普及指導費を計上しております。  次に文書表百七十五号の国民健康保険法の一部改正に関する請願に関しまして、第一に本法第三條中の「市町村之を行う」を「市町村之を行わねばならぬ」と改めることにつきましては、先ほども申し上げました通り改正強化することについて研究中であります。  第二の第四十七條「国庫は命令の定むるところに依り予算の範囲内において国民健康保険に要する費用に対し、補助金を交付することを得」とあるを「国及都道府県は命令の定むるところに依り国民健康保險に要する費用に対し、負担金を交付する」と改め、国庫負担金規則については(イ)事務費及び保健施設費に対し国五、都道府県四の割合で負担すること、(ロ)被保険者の保険料はその二分の一に相当する額を国が負担することにつきましては、国民健康保険の補助金を負担金とする等の問題について研究中であります。  次に文書表第五百二号の国民健康保険法の一部改正に関する請願の第一の事務費全額国庫負担につきましては、先程申し上げた通りであります。第二の療養給付費に対し国庫負担二割、都道府県二割、被保険者六割、及び第三の診療所及び保健施設費に対し国庫負担五割、保険者負担五割にされたいという点については、現在補助金を負担金等とする問題について、研究中であります。  最後に文書表第二百五十九号の国民健康保険に対する国庫補助増額並びに国民健康保険改正請願につきましては、現在のところ国民健康保険の療養給付費に対しては国庫補助を計上して居りません。また事務費に対しては、昭和二十五年度において、その七割を補助することになりますが、療養給付費に対する補助並びに事務費全額補助については、これを負担金とするかいなか等の問題とあわせて研究を重ねておる次第でございます。
  78. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ、次に日程第五、文書表第四十六号、未亡人母子福祉法制定請願及び日程第五十二、文書表第四百六十三号、未亡人母子福祉増進に関する請願を一括議題といたします。紹介議員岡良一君。
  79. 岡良一

    岡良一君 時間がありませんから簡單に要旨を説明いたします。  本請願の要旨は、全国の未亡人と遺児は一家の支柱たる主人を、戦争で失つてしまい、働こうといたしましても、現下の就職難では就職もとうてい困難であり、また戦災で家を失つた人々は家もありませず、最低の生活をもおびやかされ、子供の教育にさえもことをかく有様で、その窮状は見るにしのびないものがあるのであります。ここにおいて、完全なる職業補導、住宅のあつせん及び子女の教育に対する保障等を根幹とする未亡人、母子に対する福祉法制定されたいというのであります。何とぞ慎重審議の上、採択せられんことをお願いいたします。
  80. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見がありましたら御発言願います。小島兒童局長
  81. 小島徳雄

    ○小島説明員 母子家庭の困窮につきましては、政府といたしましても、種々配慮いたしておるのでございますが、現在の対策としましては、兒童福祉法その他関係法令の運用、または必要ありますれば、これらの法の改正によりまして、十分この福祉の向上をはかり得るものと考えており、特に母子福祉法という法の制定は、必要がないと考えております。
  82. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に、日程第六、文書表第五十九号らい患者慰安費増額請願及び日程第六十三、文書表第八九七号、らい患者待遇改善に関する請願外一件、日程第六十四、文書表第九百三号、国立療養所菊池恵楓園患者に被服等支給請願及び日程第六十九、文書表第九百八十三号、国立療養所菊池恵楓園の施設拡充及び改善に関する請願以上四件を一括議題といたします。紹介議員伊藤憲一君。
  83. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 時間の余裕がありませんから、八百九十七号のらい患者待遇改善に関する請願外一件の要旨を簡單に説明します。  この請願の一要旨は、現在らい患者は現在非常に待遇が悪く、ひどいところは、人間としての最低生活すら保障されておらないのでありまして、このらい患者に作業謝金の五割増額、慰安金の五割増額、夫婦者の新築、らいと結核の食糧費の差別の撤廃等の実現を計られたいというのであります。何とぞ審議の上、採択されんことを望むものであります。
  84. 松永佛骨

    松永委員長代理 文書表第九百三号の方の紹介説明は丸山直友にお願いします。
  85. 丸山直友

    丸山委員 私も簡単に請願の要旨を、説明いたします。この請願国立療養所菊池恵楓園というらい療養所の千名以上になる患者さん達から出されたものであり、その要旨は、ここの入所患者は戰時中からあらゆる欠乏に堪え、患者さん同志が団結して、互いに助け合い、衣料品等も持つた者が持たないものに譲つたりしていたのであります。しかしながら、これらの患者さん達は、生活の根源を、家庭からの仕送りに頼つて居りましたのが、今日の社会事情が各家庭ともに経済的に困窮して参つたために、家庭からの仕送りも減少し、少しばかりの支給物品も消費し盡して、その窮状は酷なものがあるのであります。また昭和二十三年九月以降の新入患者には被服の支給は全くないのでありまして、これらの患者さん達に被服その他を早急に支給されたいというのであります。何とぞ御審議の上、採択せられんことを望みます。
  86. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。東医務局長
  87. 東龍太郎

    東説明員 まず文書表第五十九号らい患者慰安費増額の件についでお答えいたします。慰安金の増額につきましては、患者の希望に沿うように予算を提出して努力しておりますが、現在のところ財政の関係から増額は認められておりません。但し昭和二十五年度は他の患者の療養に関係のある経費の増額が内定しておりますので、全体的に患者の療養生活は幾分改善される見込であります。  次にらい患者待遇改善に関する請願外一件につきましてお答えします。請願の要旨の第一の作業謝金五割増額につきましては、作業謝金は患者の希望に沿うように努力していますが、昭和二十五年度は多少の増額が内定しておりますので幾分改善される見込であります。次の慰安金増額の件も等一と同様であります。第三の夫婦舎新築の件につきましては、昭和二十五年度の療養所増築整備の際、極力実現に努力する積りであります。第四のらい及び結核の食糧の差は、本年度においては、一〇%でありますが、その病気治療の必要上、多少の差はありますが、昭和二十五年度は増額が内定され、その差が現在よりもずつと縮少され見込であります。  文書表九百三号の方は、やはりらい療養所に入所中の患者に対しましては、らい予防法の上からも、又病気の特殊性から考えましても、入所中の生活には遺憾のないように努めておるのでございますが、これに必要な予算につきましては、何分戰争中はほとんど顧みられませんでした関係上、実績がきわめて僅少でありましたので、国の財政困難な折柄、にわかに増額も認められ得ませず、はなはだ遺憾に存じている次第です。入所患者が最も要望しております被服の点につきましては、少い予算ながらも、本年度は肌着、病衣、たび等を調達いたしまして、各施設に配給いたしましたが、最近越冬用といたしまして、さらにメリヤスシヤツを支給することになつております。なお、昭和二十五年度におきましては、本年度に劣らず、一層多くのものを配布いたしたい考えでございます。  また九百八十三号のらい療養所の修理拡張につきましては、らい予防上から見ましても、病気の特殊性からも、これは先ほど申し上げました通り、これか対策に考慮をして参つたのでごいますが、何分にも僅少な限られた予算にては目的も達成することもできませんで、今日に及びました次第であります。しかしながら来年度におきましては、これに関する経費として多少計上される予定でありますので、当施設の修理につきましては、係官を実地に派遣いたしました上、よく実情を調査させまして、御期待に沿いたいと考えております。また拡張につきましては同施設の隣接地に一千床の増築を予定しております。
  88. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第七、文書表第六十二号、未亡人母子保護に関する請願を議題といたします。紹介議員中川俊思君
  89. 中川俊思

    中川委員 未亡人、母子保護の問題に関しましては、本委員会においても、その問題の重要性についてしばしば論議されたところでありますが、戰争による最大の犠牲者である未亡人、母子保護に関し、広範囲にわたる職業補導、生活保護費の引き上げ、共同住宅の増設、社会諸施設の増設、子女の教育資金のあつせん、課税の減免、作物供出の緩和等の措置をすみやかに講ぜられたいというのであります。
  90. 松永佛骨

    松永委員長 政府の発言を求めます。小島兒童局長
  91. 小島徳雄

    ○小島説明員 未亡人母子の保護に関しましては、昭和二十四年十二月一日の厚生次官発各都道府県知事あて通牒によりまして、関係各省と緊密な連絡のもとに御希望の線に沿うような措置を講じております。
  92. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第八、文書表百号、引揚者援護に関する請願を、議題といたします。紹介議員岡良一君。
  93. 岡良一

    岡良一君 それでは引揚援護に関する請願の要旨を簡單に御説明申し上げます。現在何かと問題になつております引揚問題については、まず、引揚者の生活を安定せしめることを第一とするに異存のあるはずはないのであります。しかるに現在、引揚者は職も得られぬのみか、復職も困難であり、何かをやろうと思つても資金は全然なく、これに応ずる失業保険も適用されず、住宅はなく、頼みとする更生指導機関といつても不十分であり、加えて何かをすれば容赦なく、重い税金がかかるのであります。こういう現状では引揚者の更正ということも全く望みが薄くなるのでありまして、これに対し、復職條件の合理化、更生資金及び小口貸付金の増額、失業保険制度の適用、往宅のあつせん、更生指導機関強化、帰還者課税特別法のすみやかなる施行等諾事項をすみやかにされたいというのであります。何とぞ御審議の上、採択せらんことを望みます。
  94. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見はありませんか。――発言もないようですから、質疑は省略いたしまして、次に日程第十二、文書表第百五号健康保険医療報酬の一部国庫負担請願を議題といたします。紹介議員岡良一君に要旨の説明を簡単に願います。
  95. 岡良一

    岡委員 本請願の要旨は、健康保険の收支は本年度度は三十一億の赤字と推定されていますが、この赤字克服のため保険料の引上げ、診療の制限、あるいは扶養家族の制限等被保険者の犠牲において行うことなく、医療報酬の一部を国庫で負担されたいというのであります。
  96. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府側の御意見はありませんか。安田保險局長
  97. 安田巖

    ○安田説明員 健康保険の赤字克服の対策につきまして、当局としましては各方面の協力により、過般十月以来標準報酬適正化月間を実施して、標準報酬の引上げをはかるとともに、徴收成績の向上のため鋭意努力を重ねていましたところ、現在のところ相当の成果を收めて来ました。と申しますのは、標準報酬は当初予算五千円を十月末現在において、六千四百円に引上げまして、補正予算の標準報酬額六千六百円に近づき、更に一方徴收成績は九月末六七・一%、十月末六九・九%とさらに向上し、特に十月末におきましては、昨年十月末実績六八・四%をしのぐ成績を示しております。しかしながら当局としましては、今後なお標準報酬の低い県に対しまして、これを引上げるよう努力せしめるとともに、今後は重点を徴收成績の向上に置き、年度末までには九五%乃至九〇%の成績を収めたいと考えております。従つて保険料率の引上、診療の制限或は家族診療の制限等と被保険者の犠牲において、收支のバランスをとる最悪の方法は避けたいと考えています。なお、医療報酬の一部国庫負担はその趣旨を了としますが、国家財政との関連もありますので、後日研究してその目的の達成のため努力したいと考えています。
  98. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第十三、文書表第百六号、鹿屋市に国立綜合病院設置に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、青柳委員に、要旨の説明をお願いします。
  99. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、鹿兒島県大隈地方は交通及び治水その他地理的條件に災されて、保險衛生の施設が遅れているが、熊毛郡を含む地域を対象とする綜合開発計画の進行とともに同地方における医療施設設置の要望がたかまり、鹿屋市内旧海軍病院の建物を綜合病院として転用し、国立綜合病院または綜合病院の機能を有する国立療養所を開設されたいというのであります。
  100. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見がありましたら、御発言願います。東医務局長
  101. 東龍太郎

    東説明員 請願の趣旨は週切なものと思われますので、係官を現地に派遣し、状況を調査せしめたところ、当該建築物は現在連合軍に占有せられているものでありますので、これが解除につき目下総司令部と話合い中であります。なお、これが実現には相当の予算が必要でありますが、もし解除されれば、綜合病院として開設すべく努力する考えであります。
  102. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第十四、文書表第百七十四号、国立高崎病院澁川分院の施設拡充並びに独立の請願を議題といたします。紹介議員小淵光平君。
  103. 小淵光平

    小淵光平君 本日ここに請願に対する紹介議員として、群馬県の国立高崎病院、澁川分院の拡充並びに独立に関する請願に当りその状態と理由を申し上げ、各位の御審議をいただく資料といたしたいと存じます。まず沿革から申し上げますが、国立高崎病院、澁川分院は、もとは前橋陸軍病院でありましたが、昭和二十年十二月一日に厚生省国立前橋病院として発足いたしました。その間連合軍の進駐によりこれを接收せられ、やむなく昭和二十年十月初旬に現在地澁川に会社二箇所を借り上げて応急施設の上、使用いたしておりましたが、施設の不完備は、経営上大きな支障を来していましたので、その後数次にわたり返還の申請をいたしておりましたところ、正式に返還されたのでありますが、当時厚生省としては外観が整わず、借物であり、施設も不完全でさらに予算もない等の理由により、大蔵省に再返還のやむなきに至つたのであります。当時入院患者百名、外来者百名をかぞえていましたが、厚生省より翌年七月末までに国立前橋病院を廃止する旨の内示がありましたので、やむを得ず同院閉鎖準備のため、患者の入院、外来の中止の告示をいたしましたところ、この報伝わるや、存置してもらいたいと、群馬、利根、勢多、吾妻四郡あげて猛運動を起し、厚生省に対して、陳情、嘆願を重ねました結果、昭和三十三年十月国立高崎病院に統合され、澁川分院として存置を認められ今日に至つたのであります。また、附近二十箇村、十八万の地元民はこの恩恵と長い間恵まれざる医療に対する必要性から、ますます病院施設拡充強化を痛感し、熱烈なる運動を起しましたが、厚生省当局もその意を解せられ、昨年度には事務本館を新設するとともに、各科綜合治療施設をもなされ、構成の完成をいたしました。ところがたまたま入院施設の部屋閉鎖に伴い、地元民としてはこれが解決策として、内科病棟一棟倉庫一棟(百三十坪)寄贈をいたしまして、おおむね六十名収容力のある総合病院として偉容、面目を一新することを得ました。またさきに申し上げました本病院は、群馬、勢多、利根、吾妻の四郡の中央にありまして、本月一日よりこの澁川町を中心として新たに十一箇町村をもつて、北群馬郡が分郡し計五部となり、附近三里周辺約二十万の多きに上り、さらに交通機関を利用する患者はまた著しい数に上つております。ところが附近医療機関分布状況を見ますのに、同中心地澁川十キロ以内には個人経営の小医院散在のみであつて、入院施設を有するもの最大二十床に及ばずして、レントゲン施設、病理試験施設の施されいる所はない。また人口と医師の割合は全国平均千八百名に対し一名であるのに対し、当地においては、二千二百名に対し一名の割合と開きます。さらに当地方唯一の綜合病院としてその利用はきわめて多く、入院外来患者は定員を超過し、悪者はとみに激増し、入院患者は殺到しているのでありますが、收容不可能のため、自宅療養会を結成して指導している現況であります。現在一日平均患者数は入院六十名外来三百名であります。  次に診療各科整備の状況及び将来性について申し上げますと、現在本院に整備されている科は、内科、小児科、外科、皮膚泌尿器、耳鼻咽喉、産婦人、眼科、歯科、理学及び、公衆衛生科の十科でありまして、法律改正による制度実施に際しは、本院を対象とする以外にないということも考えなければなりません。県当局の要望もあり、最少限度三百床は欠しことのでき得ないものと認められております。  結論といたしまして、以上の理由により県民の福祉増進上必要欠くことのできない施設であります。医療法実施の上は、当地方は本院を対象とする以外なく、また地域五郡内に今後とも、発生する入院患者の収容治療はとうてい不可能であります。ここにおいて最少限度三百床をとりあえず三箇年計画をもつて二百五十床拡充するとともに附属設備を設立願いたいのであります。すでに今般大蔵省より無償移管された旧前橋陸軍予備士官学校の移築をもつて前述の自宅療養会の六十名程度をぜひとも急速に收容するため、所要経費の増額を御願い申し上げたいことが一点、さらに前申し上げた経緯によつて、分院としてあるが所在地澁川町は新北群馬郡の郡都でもあり、名実ともに医療機関としての綜合病院であり、県民の医療衛生を担当する上からも、独立の立場において運営できることが望ましいことであるとともに、当時條件なる偉容と、さきに地元民の熱意と犠牲により一新され、将来また診療実費においても独立した病院と何等遜色するところがないのでありまして、国立澁川病院として独立いたされんことの二点に対し、五郡三十万人を代表して請願するとともに請願紹介議員となつた次第でありますから、何とぞ御認め下さるよう御願い申し上げます。
  104. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。東医務局長
  105. 東龍太郎

    東説明員 請願の趣旨はもつともなものと思いますが、何分現在の国立病院中には、既設の建物が腐朽して大修繕を施さねばならないところが多いので、予算的にきわめて困難な実情にあるため、急速に実現はできませんが、逐次本請願の趣旨に沿うよう考究いたします。
  106. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第十六、文書表第二百二十六号、鹿兒島県揖宿地区を中心とする地域を国立公園指定請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員に御願いします。
  107. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、鹿児島県揖宿を中心とする櫻島、錦江湾、佐多、屋久の一帶は規模の雄大、宏壯な景勝を有し、しかも避寒、避暑地として全国屈指の保健地である。ついては、前記の地域を国立公園指定されたいというのであります。
  108. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。飯島国立公園部長。
  109. 飯島稔

    ○飯島説明員 ただいまの請願の内容は、第二百九十二号の、櫻島・指宿・開聞及び屋久島一帶を国立公園指定する請願と、ほぼ同じようですから、その際御答えすることにいたします。
  110. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第十七、文書表第二百四十九、国立療養所患者賄費予算増額に関する請願を議題といたします。紹介議員伊藤憲一君。
  111. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 本請願は、国立療養所内の結核患者の栄養状態は、結核という病気が、栄養を十分とらねばならんのに、患者の実際摂取するカロリーが不十分なために、病気の回復はおろか、病状が悪化しておる現状なので、これでは療養所の意味をなしません。ついてはすみやかに患者の食費を引上げてもらいたいというのであります。
  112. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば発言願います。東医務局長
  113. 東龍太郎

    東説明員 結核治療の一環であります栄養の確保につきましては、常に最大の関心をもつてこの改善に努めております。昭和二十四年八月末には全療養所平均して二千三百六カロリーを給與しておりますが、二十五年度には約二割の増額が内定しておりますので、さらにその内容は改善される見込であります。将来も一層その向上に努力したいと思います。
  114. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第十八、文書表第三百五十号、長期入院者に対する生活扶助基準引上げ請願を議題といたします。紹介議員伊藤憲一君。
  115. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 この請願の要旨を説明いたしますと、長期入院者療養所医療の保護をうけ、その中でも困窮のはなはだしい者には生活扶助を給與されているのですが、この基準が昨年の八月一日に定められたものであり、その援助物価は上昇したので、現在の三百五十円では入院中の最低生活を維持することすらとうてい困難であり、また患者賄費副食費では栄養保持にも不足を来し、補食せねばならないので、療養所における生活扶助費の基準を引上げてもらいたいというのであります。
  116. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。木村社会局長
  117. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 国立病院・国立療養所等賄付の病院に入院中の患者に対する生活保護法の適応は、賄費に関する限り本法による医療費中に当然含めて扶助されているのでありますから、従つて飲食物に要する経費につきましては、本法による生活扶助費の中には考慮されないことは勿論でありますが、医療費中に含まれない日常生活必需品購入に要する経費及びその中に含まれている費用によつて病院から支給されるのみでは不足する分で、家族よりこれを補給することの困難なものに対しては、最少限度必要な必需品購入に要する経費として、生活扶助費基準額中の飲食物費以外の費用から、本法による生活扶助としてこれを支給して差支えないことになつておりますが、その基準は設けられていません。この費用が生活扶助費基準額の範囲を超えるものに対しては、その都度厚生大臣はその者に対する最低生活費の認定を行うことによつて、その者に対して適切なる保護を行つているしだいでありまして、請願にいう三百五十円基準については全く関知しないことでありまして、政府としてこのような金額をもつて基準と定め、これを指示したことはありません。
  118. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第二十、文書表第二百六十一号、消費生活協同組合法の一部改正に関する請願を議題といたします。紹介議員岡良一君。
  119. 岡良一

    岡委員 この請願の要旨は、消費生活協同組合は現在資金面で非常に困窮しているわけでして、他の協同組合は、いずれも信用事業ができるのに、ひとり消費生活協同組合ばかりが、これをできないというのははなはだ矛盾があり、また遺憾でありますので、消費生活協同組合にも信用事業の認可を與えられるように現行該法律を改正されたいというのであります。
  120. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見かあれば発言下さい。木村社会局長
  121. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 本請願の要旨であります消費生活協同組合法改正に関しましては、参議院より議員提出をもつて第六臨時国会に提案される予定でありましたが、種々の都合で取止めとなりました。しかしながら、厚生省としましても、これとは別に関係方面と折衝を続け、本法を改正するよう研究中であります。また厚生省としては、中小企業等協同組合法による信用協同組合を生活協同組合自体で設立することによつて、これと同様な効果をあげることができますので、この方の準備を進めております。
  122. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第二十一、文書表第二百六十二号、宮崎市大字田吉国立療養所設置請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員に御願いいたします。
  123. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、宮崎県川南の国立療養所は、昭和十四年から宮崎市大字田吉に傷い軍人の結核療養所として発足し、昭和二十二年国立唐瀬原病院と統合して、今日に至つたのであるが、その施設はきわめて不完全であり、交通の便も惡く、利用価値も少いため療養所運営にも支障をきたしている。本県の結核患者は約二万増加の一途をたどりつつあるので、宮崎市大字田吉の元国立療養所跡に国立療養所を再建されたいというのであります。
  124. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。東医務局長
  125. 東龍太郎

    東説明員 お答えいたします、本請願の要旨は、当局といたしまして、十分理解のできるところでありまして、これが再建につきましては、再三予算の要求をいたしましたが、二十五年度におきましては、国立結核療養書の大修理による増床費のみでありますので、再建の目的を十分達成できませず、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。
  126. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質議はありませんか。――なければ次に日程第二十二、文書表第二百六十三号、国立八日市病院移転経費国庫補助請願といたします。  紹介議員が見えませんから要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  127. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、滋賀県八日市町は医療機関乏しく、全部個人開業医で病院は皆無である。若し、医療法が実施されることになれは入院患者は八日市町から五キロも離れた交通不便な、国立八日市病院を利用しなければならなくなる。しかるに、貧弱な町村財政では、病院設立は困難であるから、国立八日市病院を八日市町に移転することになつたので、その経費を国庫で補助されたいというのであります。
  128. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。東医務局長
  129. 東龍太郎

    東説明員 本請願の趣旨はもつともと思いますが、何分現在の当該国立病院には、緊急に大修繕を施さねばならないものが少なくので、これも同時に考慮して考究することにいたします。
  130. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第二十三、文書表第二百八十四号、和歌浦、紀三井寺地区国立公園追加指定の請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  131. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、今回瀬戸内海が国立公園指定をうけ、友ケ島等が追加されると聞くが、和歌浦、紀三井寺地区の景勝地を除外したことは、まことに遺憾である。ついては、該地区を追加指定されたいというのであります。
  132. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。飯島国立公園部長。
  133. 飯島稔

    ○飯島説明員 瀬戸内海の国立公園につきましては、従来の備讃瀬戸一帶を広く東西に拡張して、名実ともに瀬戸内海国立公園の設立を期し、全地域にわたつて主要な景観地を区域に編入すべく、目下関係各省と協議中であります。請願の和歌浦一帶は、瀬戸内海に含まれるか、いなかの点で、若干の疑義がありますが、厚生省といたしましては、一応瀬戸内海に包含するものと考えて区域に編入する予定であります。
  134. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ、次に日程第二十四、文書表第二百九十二号、櫻島、指宿、開聞及び屋久島一帶を国立公国指定請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  135. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、鹿兒島県櫻島から屋久島に至る一帶は、本邦の最南端に位し、唯一の亜熱帶として特異な気候に恵まれ、屋久島の森林美と渓谷美、または九州最高の宮之浦獄を中心とする山岳の景観、硫黄島の奇観、海底火山、砂蒸温泉等国立公園としての各種條件を備えているから、該地帶を国立公園指定されたいというのであります。
  136. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。飯島国立公園部長。
  137. 飯島稔

    ○飯島説明員 請願の地域は霧島火山帶として、霧島国立公園とともに、一連の景勝地と考えられるのでありまして、終戰直後一応決定いたしました国立公園施策では、櫻島、開聞一帶を霧島国立公園の拡張区域と考えたのであります。その後、屋久島・硫黄島地域の一帶はいまだ調査が十分でありませんが、非常に特色のある景勝地であることが予想せられ、また一方、国立公園法の改正によりまして、準国立公園の新しい問題が考えられるようになりましたので、請願の地域一帶をどのように取扱うかにつきましては、目下慎重に研究中であります。すなわち請願のように、櫻島・指宿・開聞理及び屋久島一帶を国立公園として指定するか、あるいは屋久島一帶を国立公園とし、櫻島・開聞一帯は霧島国立公園の拡張とするか、または、櫻島・開聞一帶を国立公園に準ずる地域として取扱うかなどの方法が考えられますので、審議会意見も徴しまして、決定いたしたいと思いますが、請願の地域一帶はきわめて有力なる候補地として考えております。
  138. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に、日程第二十五、四十六、四十七、四十八、四十九、五十、五十一及び八十三、文書表第二百九十四号、四百四十四、六百二十八、六百六十三、六百九十五、八百三、八百四及び千二百十二、以上八件、遺族援護対策確立に関する請願を一括議題といたします。紹介議員を代表して青柳一郎君に紹介議員をお願いいたします。
  139. 青柳一郎

    青柳委員 時間の余裕がないようですから、要旨を朗読いたします。本請願の要旨は、遺族援護のため、所得税徴收に当り世帯主である未亡人を扶養家族と認め、未亡人世帶に対する事業税を軽減されたいというのであります。
  140. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見がありますれば発言願います。小島兒童局長
  141. 小島徳雄

    ○小島説明員 それでは請願の要旨が同じようですから一括して答弁いたします。遺族つきましては、税制改正に関するシヤウプ勧告に従つて、扶養親族控除につき、生計費の半額以上を受けている者は、成年者であつても、扶養親族として控除を受けることができるよう改正が行われる見込みであるから、一般に就学中の者や、その家族の事業に従事する者も、控除を受け得ることになり、これらの世帯の租税負担も、相当程度軽減されるものと考えられます。世帯主である未亡人自体を扶養家族と認め控除することは困難であります。また課税につきましても、税法に規定するところにより、各人の所得を調査し、その実情に即する適正な課税をすることにつきましては申すまでもありません。
  142. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質議はありませんか。――なければ次に日程第二十七、文書表第三百八十一号、盛岡市所在の引揚戰災者仮住宅設備改善に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  143. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、昭和二十一年夏以来、盛岡市所在の仮收容所に居住している引揚戰災者は、押入、炊事場、物置の設備のない板の間に、ござまたは疊表を敷き一室一世帶の悲惨な生活を営んでいるので、この設備改善して永住するために改善費として国費二千百六十四万二千円の支弁を取り計らわれたいというのであります。
  144. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言下さい。発言もないようですから、質疑は省略致しまして、次に日程第二十八、文書表第三百九十号、看護行政強化並びに看護業務者福祉法制定請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから要旨の説明を青柳委員に御願いいたします。
  145. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、昭和二十三年七月に厚生省に看護課が設けられ全国各都道府県にも二、三設置されたので関係業務者はもちろん国民までも感謝していたのであるが、すでに一ケ年余を経過する看護行政の重要性が軽視されている。ついては、看護行政強化拡充を計られ看護業務者に対して福祉施設の樹立を計り恩給年金等適当なる途を設けられたいというのであります。
  146. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。東医務局長
  147. 東龍太郎

    東説明員 看護行品の強化につきましては、まず各都道府県衛生部に看護課または係を設置せられるよう指導して、現在までに五県を残し一応、係の形態を整え、それぞれ活動している次第であります。なお、看護業務者に対する福祉施設につきましては、十分検討の必要があると存じますので、考慮いたしたいと思います。
  148. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。なければ次に日程第五十三、文書表第四百六十四号、恩賜財団済生会機構改革に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委事員に御願いいたします。
  149. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、済生会は、国庫補助がなくなつた現在、運営上財政的に再検討を余儀なくされ、本部機構の縮小、直営病院の自主的運営等の措置を講ぜねばならないのであるが、現在の役員会では、なんら対策を講ぜず、また済生会規約も、改正されず、旧態依然たる運営を続けている。ついては、新時代に即応し、社会医療施設機関としての使命を達成するため、役員の改選と運営の民主化を図るよう、協力援助されたいというのであります。
  150. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。木村社会局長
  151. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 本件につきましては、将来の済生会規約を全面的に改正致しました寄附行為が、十一月十六日に関係当局におきまして許可になり、十二月二十一日に全国役員総会を開催致しまして、役員の改選と、運営の民主化をはかる予定でありまして、政府におきましても済生会設置の趣旨にかんがみまして、新時代に即応し、社会医療施設機関としましての使命を達成するよう協力援助いたしたいと存じております。
  152. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第五十五、文書表第六百四十四号国立療養所状別会計制反対の請願を議題といたします。紹介議員苅田アサノ君。
  153. 苅田アサノ

    苅田委員 この請願の要旨は、国立療養所は、すでに実質的に特別会計制に入つておる現状で、無料患者の有料切替えが着々として行われていると聞きます。また政府においても、今度の国会で国立療養所の特別会計制を法文化しようとしているとも聞くのでありますが、この上有料の方へ切替えになりますれば、貧困な患者の療養継続はとうてい不可能となりますでしようし、また設備の不備とか、職員の減員とか、給食とかの方が、悪化して行くことも明らかでありますから、もし特別制にするような意図があるなら、それに反対するというのであります。
  154. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。東医務局長
  155. 東龍太郎

    東説明員 国立療養所運営の性質上、現在のところ特別会計制にする意はありません。
  156. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第五十六、文書表第六百八十五号、兵庫県立第二養老院設置に関する全額国庫負担請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  157. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、兵庫県下においては、七ケ所の養老院かあるが、何れも規標が小さくまた私営が多く、概当者四千六百名の内僅かに四百四十名しか收容できない。兵庫県ではさきに国庫補助によつて、県立養老院設置の準備を進めているが、これも要保護者の一割も收容できないから、さらに表記第二養老院を設置の計画を進めている。ついては、一日も等閑に付することができないから全額国庫負担によつて施設の実施に協力されたいというのであります。
  158. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。木村社会局長
  159. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 本請願兵庫県立第二養老院の設備につきましては、現下の社会情勢にかんがみまして、最も時宜に適した計画と存じますが、国家財源が涸渇しております現状におきましては、設置費の全額を国庫で負担することは困難と思料せられます。しかしながら、生活保護法による保護施設としての條件を具備し、計画上内容が妥当でありますならば、明二十五年度において二分の一国庫負担をもつて考慮致したいと存じます。
  160. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第五十七、文書表第六百九十九号、朝鮮引揚医師及び歯科医師受験資格に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員にお願いします。
  161. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、朝鮮医師試験第二部合格者は、限地開業認可の資格があつたのにも拘らず、免許を所持していないという理由で、当局から特例試験の受験を拒否せられているが、免除を得なかつた理由は、応召、出征、徴用のため外地にいた者、または終戰もしくは終戰前の混乱のため申請の機会を失つた者であるから、国家的にも救済されて当然である。ついては、引揚朝鮮医師及び歯科医師試験第二部合格者にも、予備試験に受験資格を與えられたいというのであります。
  162. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の発言はありませんか。東医務局長
  163. 東龍太郎

    東説明員 本件請願によれば、朝鮮総督の行う医師(歯科医師)試験の第一部及び第二部試験に合格した者は、申請しさえすれば限地医の免許が與えられたものであるから、これらの者は限他医としての資格を有するものがあるとしているが、法令上これを証すべき明確なる規定が存しないので、これらの者に受験資格を拡張することは適当と認め難いのです。特に歯科医師については朝鮮において地域と、期間と、業務範囲を限られた入歯営業の制度はあつたが、歯科医業一般に通ずる限地開業の制度は相当以前より廃止せられて居たばかりでなく、その入歯営業の制度も、既得権者の外は終戦前既に廃止されていたので、限地歯科医としての資格ということはあり得ないものと考えます。
  164. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第五十八、文書表第七百二十三号、外地引揚医師受験資格に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  165. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、台湾及び朝鮮総督府の医師試験に合格し、総督府の医師免許状の所有者であつて、外地で長く開業していた引揚医師に対する試験には五ケ年の年限の制限と受験回数の制限があるが、これら医師には高齢者が多く、臨床経験はあつても学術試験には再準備が相当に必要なため受験回数の制限を廃止されたいというのであります。
  166. 松永佛骨

    松永委員長代理 この請願は前のものとほほ同一ですから質疑及び意見の開陳を省略いたします。  次に日程第五十九、文書表第七百二十四号、医薬分業反対に関する請願を議題といたします。紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員に御願いいたします。
  167. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、現今の医療制度において医師は医療の主宰者であり、薬剤師、医療技術者等は医療の一分担者にすぎない。従つて、医師は患者の治療に全責任を持つもので調剤投薬が何人により行われてもその結果については医師の責任となるから、調剤は主治医の信任する薬剤師か、医師自らによるべきである。調剤が薬剤師でなければ出来ないとすればその不利益は患者にかけられ、又薬局の整備されていない山村においては医薬分業は成立しない。従つて医療に関する調剤権は医師、薬剤師の両者に與えられたいというのであります。
  168. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば発言下さい。矢野厚生政務次官
  169. 矢野酉雄

    ○矢野政府委員 医薬に関しましては、診断・治療と調剤とに関する専門的な知識及び技術を有する医師、薬剤師が責任をもつてこれを分担することが合理的でありまして、医薬分業の理想は右の点において理論的に正しいものであります。但し、現在の薬局分布の状況におきましては、これを全面的に実施することは、かえつて国民医療の実際を遊離する点がありますので、具体的な面つきましては、目下慎重に検討中であります。
  170. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第六十、文書表第七百五十八号、妙高高原一帶を国立公園指定請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明青柳委員にお願いいたします。
  171. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、妙高高原一帶は、その風致、情ちよにおいて最豊かな優れた景勝保健の地で、天恵的大公園である。ついては、国民の保健と外容誘致のため該地区を国立公園指定されたいというのであります。
  172. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば御発言願います。飯島国立公園部長。
  173. 飯島稔

    ○飯島説明員 本請願の地域は、まとまりのある景観地でありますが、しかし規模の点で国立公園としては適当ではありません。しかし利用性の特色に富むこの地域は、国立公園に準ずる区域としては典型的であります。
  174. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に、日程第六十一、文書表第七百六十五、国立佐倉病院施設改善に関する請願を議題といたします。紹介議員伊藤憲一
  175. 伊藤憲一

    伊藤委員 この請願は、国立佐倉病院の入院患者さんの大多数は、医療保護を受けている困窮者でありますが、これに対して、病院の施設は不完全で、病状の相当危険な状態の患者も余儀なくされている現状でありますので、特別会計制の撤廃、予算並びに給食費の増額や、結核病床の増設等の各方面の改善をはかられたいというのであります。
  176. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば、発言願います。東医務局長
  177. 東龍太郎

    東説明員 お答えいたします。これにつきましては、昭和二十五年度より一般会計の経費によつて運営するため結核療養所に転換し、これに沿うよう施設の整備を行うよう計画しています。
  178. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第六十二、文書表第七百七十号、双葉住宅り災者更生資金支給請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、要旨の説明を青柳委員に願います。
  179. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、山口県光市にある双葉住宅は、国の保護施設として引揚者、戰災者を收容した住宅であつたが、昭和二十四年八月十二日のろう電による火災のため全焼し、戰争による被害からようやく立ち上つた居住者は、ふたたび無一物の悲運に陥ちいつた、ついては、これら悲運のり災者に更生資金を支給されたいというのであります。
  180. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府意見がありましたら発言願います。発言はありませんから、質疑は省略いたしまして、次に日程第六十五、文書表第九百十六号、沼部村授産場施設拡充に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから、青柳委員に要旨の説明をお願いします。
  181. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、当授産場は昭和二十三年に新設され、努力の結果收支決算においては好成績をあげたが、統制解除の今日に至つては製品のデフレに伴い販売価格の競争となり、どうしても農閑期利用の家内工業者には太刀打ちができぬし、年收にばく大な差額金を生じ運営困難であるから、事業を動力化して拡張し運営を円滑にしたいから助成されたいというのであります。
  182. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば発言願います。木村社会局長
  183. 木村忠二郎

    木村政府委員 本請願の沼部村授産場施設拡充に対する費用の国庫の負担については、生活保護法による保護施設の條件を具備し、かつ運営状況が妥当ならば事情の許す限り明二十五年度においても考慮してもよいのではないかと存じます。
  184. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第六十六、文書表第九百十七号、社会事業振興に関する請願を議題といたします。紹介議員大石武一君。
  185. 大石武一

    大石委員 時間的な余裕がないようですから、私が要旨を朗読いたします。本請願の趣旨は、社会事業は終戰後着々整備されてきたが、なお、緊要な問題が山積している。ついては、社会事業基本法の制定国立研究所の設置、さらに関係職員の身分保証等を計り諸福祉保健法の充実を図り、その振興を期せられたいというのであります。
  186. 松永佛骨

    松永委員長代理 政村の御意見があれば、発言願います、木村社会局長
  187. 木村忠二郎

    木村政府委員 ただいまの請願の要旨につきましては、次期通常国会に提出する予定のもとに諸般の準備を進めております。
  188. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に日程第六十八、文書表第九百七十五号、上浦市所在の引揚住宅改善に関する請願を議題といたします。  紹介議員が見えませんから要旨の説明を青柳委員にお願いいたします。
  189. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、「土浦住宅」は元霞ケ浦海軍第一航空倣工員宿舎で、現在は約七百帶、三千五百人の引揚者が居住している。しかし、もともと工員宿舎なので、一般家庭生活には適当でなく、とくに保健衛生あるいは火災防止方面の施設は極めて不備であるから、この建筑物を地方に無償で拂下げて、さらに改良補強工事を施行されたいというのであります。
  190. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府意見があれば御発言願います。発言はないようですから、質疑は省略いたしまして、次に日程第七十、文書表第九百八十五号、医学実地修練費予算増額請願を議題といたします。紹介議員丸山直友君の御説明をお願いします。
  191. 丸山直友

    丸山委員 本請願の要旨は、医師の質の向上を目的とする実地修練制度が実施されていますが、病院としては修練生の実質的に医療面を充実させていることは認めつつも、経済的な負担によつて実際には無策にすぎないから、実地修練目的達成のため、修練生に対する生活保護と補助金予算を増額されたいというのであります。
  192. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府側の御意見をお願いします。東医務局長
  193. 東龍太郎

    東説明員 医師実地修練生の生活保護に対する補助に関しては、本制度の本質上当然国家負担に属するものとも、考え難いが、医師実施修練制度のできた過源的事情等にもかんがみ、国家財政の許す範囲において、今後もできうる限りの努力をいたしたいと思います。
  194. 松永佛骨

    松永委員長代理 ほかに質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十一、文書表第九百八十七号、引揚医師国家試験施行回数増加請願外一件を議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんから、青柳一郎君に要旨の説明をお願いします。
  195. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、勅令第四十二号による医師国家試験は回数二回と制限されているが、引揚医師の大部分が失格者となり、学生の不合格者に比較し特令による不合格者は失望のどん底にある。よつて、この回数制限を三回に緩和されたいというのであります。
  196. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御承見をお願いします。東医務局長
  197. 東龍太郎

    東説明員 現行医師法においては、国民医療上遺憾なきを期するため、医師免許の取得に関し巌重な條件を設けています。しかるに昭和二十一年勅令第四十二号よつて、特にその特例を設けたのは、外地において実際医業をなしていた者の特殊事情を考慮し、医師法に規定する資格には該当しないが、これと同等の実力を有しているか、どうかを試験する機会を與えようとの趣旨に出でたものであつて、その趣旨及び国民保健に及ぼす影響を考慮するとき。個人的事情には同情に堪えないものがあるが、これ以上受験回数を多くするのは適当でないと考えます。
  198. 松永佛骨

    松永委員長代理 ほかに質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十二、文書表第九百九十四号国立看護教員養成所設置請願を、議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんから青柳委員に趣旨の説明をお願いいたします。
  199. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、保健助産婦看護婦法の徹底を期するため、甲乙看護婦等学校の指導者養成のため、設備の完備している大学等に医学部と併行して看護学部を設置されるか、または看護教員育成を主たる目的とした大学程度の機関を創設されたいというのであります。
  200. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見をお願いいたします。東医務局長
  201. 東龍太郎

    東説明員 請願の趣旨には賛成でありますから、今後関係当局と打合せいたしたいと存じます。
  202. 松永佛骨

    松永委員長代理 ほかに質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十三、文書表第九百九十六号、助産婦等の再教育費国庫負担請願を議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんから、青柳委員に趣旨の説明をお願いいたします。
  203. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の趣旨は、保健婦・助産婦・看護婦法に基いて、看護婦教育の刷新のため、国立教員養成施設を実施されたいが、その完成までの過程としての再教育を、国庫負担において施行されたいというのであります。
  204. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見をお願いいたします。東医務局長
  205. 東龍太郎

    東説明員 恒久的な看護教員養成施設を設置することは望ましいことと思いますが、現状といたしましては、保健婦、助産婦、看護婦法に基き、助産婦・看護婦についても、資質の向上をはかるため、昭和二十四年度におきましては、全国都道府県に対し再教育講習会の一部国庫補助をするとともに、一方国においても、直接看護教員のための特別講習会及び指導的看護婦のための講習会を実施いたしている次第であります。なお、昭和二十五年度にも引続きこれを実施いたしたいと考えています。
  206. 松永佛骨

    松永委員長代理 ほかに質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十四、文書表第九百九十七号、り病看護婦国立休養所設置に関する請願を議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんから、青柳委員に趣旨の説明をお願いいたします。
  207. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の趣旨は、看護婦は、国民の健康保持のために奉仕しているが、その長い勤務中には相当数の結核患者を出している。これは現在の病院の勤務制度、給與制度並びに設備の不完全に起因することが多い。長期の保養休養は、資力に乏しい看護婦にはとうていその負担に堪えないから、国家においてり病看護婦の休養所を設置されたいというのであります。
  208. 松永佛骨

    松永委員長代理 それでは政府意見をお願いいたします。東医務局長
  209. 東龍太郎

    東説明員 り病看護婦の休養施設は望ましいことでありますが、国の施設として設置することはなお研究を要する問題であると考えられます。
  210. 松永佛骨

    松永委員長代理 質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十五、文書表第九百九十八号、保健婦助産婦看護婦法の一部改正に関する請願を議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんから青柳委員に趣旨の説明をお願いします。
  211. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、保健婦・助産婦・看護婦法中に甲、乙二種の看護婦のあることは、乙種をして卑屈感を持たしめ相互の融和を欠きやすいから、現在の資格既得看護婦に国家試験を課するの條項を削除し、将来わが国の看護婦に甲、乙の別をなくされるよう同法を改正されたいというのであります。
  212. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見はありませんか。東医務局長
  213. 東龍太郎

    東説明員 保健婦・助産婦・看護婦法を改正することは、現在のところ困難であると考えられますので、今後の問題として考慮いたしたいと存じます。
  214. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十六、文書表千六号、添田町二又爆発り災者救済に関する請願を議題といたします。  紹介議員がお見えになりませんから、青柳委員に趣旨の説明をお願いします。
  215. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、福岡県田川郡添田町二又トンネル内に貯蔵中の元軍用火薬を、終戰によつて当局立会の上、焼却処分した際、大爆発を起し多数の死傷者を、出し、家屋の倒壊破損等大被害をこうむり、り災者は困窮の状態にあるが、いまだに放置されているから、国庫による何等かの更生、救済策を講ぜられたいというのであります。
  216. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見はありませんか。――木村社会局長
  217. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 本件につきましては、事故発生の原因と損害程度を具体的に説載いたしました調査書類を添付しまして、福岡県知事を通じて、厚生省に申請されるように取計らつていただきたいものでございます。厚生省におきましては、その内容を審査致しまして、規定の條件を具備しております場合には、規定の範囲内におきまして、損害の補償をいたすことに相成つております。
  218. 松永佛骨

    松永委員長代理 質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十七、文書表千三十六号、湘南、三浦一帶を国立公園請願を議題にいたします。  紹介議員がお見えになりませんから、青柳委員に趣旨の説明をお願いします。
  219. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の要旨は、湘南、三浦一帯の地域は、京浜大都市を背景に控え、交通機関発達し地理的條件に恵まれ、さらに鎌倉、江の島等の史蹟景勝に富み、休養観光地として勝れていると共に、日本の玄関たる横浜港を控えているから湘南、三浦半島をあげて国立公園指定され、日本再建の一端として観光諸施設を充実されたいというのであります。
  220. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見はありませんか、飯島国立公園部長。
  221. 飯島稔

    ○飯島説明員 国際都市東京・横浜に近く、交通すこぶる便であり、風景も相当優れ、気候もよい。従つて、観光的価値は十分なものでありますが、国立公園としては、規模が小さいもので、国立公園に準ずる区域として現在研究中であります。
  222. 松永佛骨

    松永委員長代理 質疑はありませんか。――なければ次に、日程第七十九、文書表第千五十六号、授産事業法制定請願を議題といたします。  紹介議員青柳一郎君より要旨の説明をお願いします。
  223. 青柳一郎

    青柳委員 本請願の趣旨は、民生安定のため授産事業の振興は緊急の要務であるから、次の要件を具備した授産事業法を制定されたいというのであります。要件の第一は授産事業運営方針の基準、第二は授産場設置並びに維持に対する経費助成、第三に法人税その他課税の対象より除外すること、第四に授産資材の優先的割当、第五に指導監督等の基準であります。何とぞ審議の上採択されんことをお願いします。
  224. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見あれば、発言を願います。木村社会局長
  225. 木村忠二郎

    木村(忠)政府委員 それでは私から本請願に関する処理の概要を申し上げますと、授産事業は現下の経済社会事情よりいたしまして、益々その重要度を加えつつあり、授産事業の法制化につきましては各方面より強く要望せられておるのでありますが、現在は授産事業について、全面的に再検討を必要といたします微妙な、時期に際会しておりますので、いま直ちに授産事業法制定要望には応じ得られない現状であります。しかしながら、将来授産事業法制定の気運が熟すに至つた場合には、本請願の趣意を可及的に活用するように努力したい考えでございます。
  226. 松永佛骨

    松永委員長代理 質疑はありませんか。――なければ次に、日程第八十、文書表第千百六十四号、社会保障制度確立に関する請願を議題といたします。紹介議員伊藤憲一君に趣旨の説明をお願いします。
  227. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 本請願の要旨は、国民生活を再建するため社会保障制度を左記事項により施行されたいというのであります。第一に社会保障機構を一元化して運営の連関と簡素化を図ること、第二に医療組織の社会公共化を図ること、第三に失業対策と失業保険の強化を図ること、第四に老齢者、孤兒、寡婦、不具者等の社会保障を確立すること、第五に生活保護法強化を計ることの以上であります。
  228. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見があれば、発言を願います。木村社会局長
  229. 木村忠二郎

    木村政府委員 御答えいたします。国民生活の不安を除き、その生活の安定をはかるために、社会保障制度の整備確立をはかることは、戰後の国民生活の現状から考えてもきわめて必要と思います。社会保障制度につきましては、目下内閣に設けられている社会保障制度審議会において、審議が行われていますが、その審議の結果をまつて請願の趣旨にも沿うように社会保障制度の確立をはかりたいと考えています。
  230. 松永佛骨

    松永委員長代理 御質疑はありませんか。――なけれが次に日程第八十一、文章表千百六十七号、引揚援護庁関係機構縮小に関する請願を議題といたします。紹介議員伊藤憲一君の御説明を御願いします。
  231. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 本請願の要旨は、函館の引揚援護局は明年一月を以て廃止されまして、舞鶴の引揚援護局は明年三月人員縮小の運命にあります。つきましては、これら援護局勤務の職員の退職に対し左の事項を考慮されたいというのであります。第一に厚生省内に合理的に配置転換すること、次に他官庁に優先就職の道を講ずること、最後に退職の際は退職手当を別途に二ケ月分支給することであります。御審議の上、何卒採択されんことを御願いします。
  232. 松永佛骨

    松永委員長代理 政府の御意見をお願いします。――別に発言もないようですから、質疑は省略いたします。  これよりただいま審議願いました各請願を採決をいたします。  本日の請願日程中、第一乃至第八、第十乃至第二十五、第二十七乃至第二十九、第三十四乃至第七十七、第七十九乃至第八十一及び第八十三の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと議決するに御異議ありませんか。     〔「異議者なし」と呼ぶ者あり〕
  233. 松永佛骨

    松永委員長代理 御異議がなければ、そのように決定いたします。  次に陳情書の審査に入るのでございますが、その内容に関しましては、皆さんに配付してあります陳情書の文書表によつて御承知の通りでありますので、本日の陳情書日程第一乃至第三十一の各陳情書につきましては、いずれも委員会において了承のことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議者なし」と呼ぶ者あり〕
  234. 松永佛骨

    松永委員長代理 御異議がないようですから左様決しました。本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十分散会