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伊藤(憲)
委員 私は日本共産党を代表いたしまして本
法案に賛成の意を表するものであります。しかしながらわが党といたしましては、本
法案に対していろいろ修正
意見もありまして、不満足なのでありますが、
身体障害者諸君が、かりにこれが一銭の予算がないにしても、本国会をぜひ通過させていただきたいという切実な
要望がありますので、あえて賛成する次第であります。従いまして、第一番に、本
法案はこういういろいろな
福祉措置が言葉上、文字上においてとられましても、これが財政的な裏づけがなければ、転じて反対の結果をもたらすことは明らかであります。本
法案の施行については、予算の上で六千三百万円、これは公共
事業費を含めましても一億円何がしかにな
つておりますが、かりに六千三百万円を本法の適用を予想せられる人員である六十万余りで割
つてみますと、これは百円強にしかなりません。また一億円を割りましても百七十円弱にしかならないのでございます。こういう予算をも
つてしては、この
法案に盛られているような趣旨が、ほんとうに守られるということはあり得ないのであります。
従つて今後この予算
措置については、来年十度、再来年度を通じて、もつと真にこの
法案の趣旨か徹底せられるような予算の裏づけをなすように
希望するものであります。
次は本案は第一條、第二條に
規定してありますように、これは
身体障害者の
福祉を目的としながら、現状においては実際上、これらの身体障害の人々に自活をさせることを目的としているような結果にな
つているのでありますが、
身体障害者は本来、社会保障制度などを確立いたしまして生活は一応
国家が保障し、しかる後これらの人々が
国家社会のために貢献することに対して、さらに社会的な奉仕を與えるというふうにするのが当然なんでありまして、ことに第二條のごときは、一人当り百円ないし百七十円という予算しか出さないで、不幸な人々に対してお説教するようた結果にな
つておりますので、この趣旨をもつと徹底して、将来に向
つては社会制度を確立し、
身体障害者の真の
福祉を、はかられるように
希望したいのであります。
次に
結核のことでありますが、これは後ほど議題になります
結核予防法に関する
決議案の説明がこのことに関連しますので、大体
岡委員などの発言と同じ
意見を持
つているものであります。さらに
身体障害者審議会でありますが、先ほど
社会局長からの答弁な
どもありましたが、本来この法律案は
身体障害者の
福祉を目的とするのでありますから、少くともこの
審議会は、
身体障害者が半数程度占めるように、そういうふうに先々御考慮を願いたいと思う次第であります。さらにこの
身体障害者福祉審議会は法文を読みますと、実際の
運営に当りましては、大臣あるいは都府県知事の権限が非常に大でありましてこれは結局するところ、官僚統制に陥るような結果になりますので、少くともこの
審議会の監督権を拡大いたしまして、この
審議会がほんとうに本決
運営をして
身体障害者の
福祉になるようにや
つていただきたい。さらに、先ほどの予算
措置にも関連いたしますが、
生活保護法との
関係が非常に密接でありますので、
生活保護法の
改善をや
つていただきたいと思うのであります。
さらにこれも
岡委員の方から
お話がありましたが、税金の問題であります。これにつきましてはシヤウプ博士の勧告案によりますと、
盲人のみの基礎控除が増額されることにな
つているのでありますが、
盲人が基礎控除を増額されて、その他の
身体障害者が増額されないということはきわめて不合理でありまして、
身体障害者の言をかりますならば、
盲人の方々はむしろ
マツサージや
あんま等でも
つて一応
職業があるのに、手、足がないとかいう人たの
措置が講ぜられておらないとかいうことは不合理だと申しております。この点は勧告案のいかんにかかわらず、当然
身体障害者に対しては税金を軽減せられる
措置が講ぜられてしかるべきだと
考えております。さらに運賃の問題でありますが、これは
岡委員から、ただに国鉄を半額にするばかりでなしに、私鉄の問題を申されたのでありますが、私はこれはぜひとも全額を国庫が
負担するという方法をと
つていただきたいと思うのであります。先般の合同審査会においてもありましたように、現にいろいろと不在その他疑義のある薪炭特別会計においては、五十四億七千万円というようなものが
国民の税金の中から支拂われようとしているのでありまして、従いまして先般の当局側の報告によりましても、この金額がかりに全額
負担したとして、そうしてその統計が正しいものといたしましても、全額
負担しても一億四千万円程度のことであります。従いまして半額をやるくらいなら当然無賃にしていただきたい。
最後に本法はこれに付随します細則がいかに決定されるかによ
つて、本法の趣旨が生きるかいなかに決定的な
関係を持
つているのでありまして、こういう細則については、少くとも本
委員会の協議あるいは承認を得村て、ここで十分討議した上でこれらの細則を決定される、こういう方法をも
つて本法の最初の意図に合致されるよう
希望いたしまして、本
法案に賛成の意を表する次第であります。