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1949-11-21 第6回国会 衆議院 厚生委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十一日(月曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 松永 佛骨君    理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君    理事 中川 俊思君 理事 岡  良一君    理事 苅田アサノ君 理事 金子與重郎君       高橋  等君    丸山 直友君       亘  四郎君    川崎 秀二君       伊藤 憲一君  出席政府委員         (社会局長)         厚生事務官   木村忠二郎君         (官房会計課         長)         厚生事務官   高田 正巳君  委員外出席者         厚生事務官   慶松 一郎君         厚生事務官   小島 徳雄君         厚生事務官   田邊 繁雄君         厚 生 技 官 東 龍太郎君         專  門  員 川井 章知君         專  門  員 引地亮太郎君     ――――――――――――― 十一月十九日  沼部村授産場施設拡充に関する請願庄司一  郎君紹介)(第九一六号)  社会事業振興に関する請願大石武一君外一名  紹介)(第九一七号)  国民健康保險制度改善に関する請願岡崎勝男  君紹介)(第九五六号)  土浦市所在の引揚者住宅改善に関する請願(金  塚孝紹介)(第九七五号)  国立療養所菊地恵楓園施設拡充及び改善に関  する請願岡西明貞紹介)(第九八三号)  医学実地修練費予算増額請願丸山直友君紹  介)(第九八五号)  引揚医師国家試験施行回数増加請願外一件(  大野伴睦紹介)(第九八七号)  国立看護教員養成所設置設置吉田省三君紹  介)(第九九四号)  助産婦等の再教育費国庫負担請願吉田省三  君紹介)(第九九六号)  り病看護婦国立休養所設置に関する請願(吉  田省三紹介)(第九九七号)  保険婦助産婦看護婦法の一部改正に関する請願  (吉田省三紹介)(第九九八号)  添田町二又爆発り災者の救済に関する請願(江  田斗米吉君外七名紹介)(第一〇〇六号)  湘南、三浦一帶を国立公園に指定の請願(永井  要造君紹介)(第一〇三六号)  国立療養所清瀬病院かく首者に関する請願外  一件(岡田春夫君外二名紹介)(第一〇四五  号)  授産事業法制定請願青柳一郎紹介)(第  一〇五六号)  社会保障制度確立に関する請願伊藤憲一君外  一名紹介)(第一一六四号)  引揚援護庁関係機構縮小に関する請願伊藤憲  一君外一名紹介)(第一一六七号)  厚生省職員不当免職に関する請願中原健次  君外二名紹介)(第一九一号)  遺族授護対策確立に関する請願(逢澤寛君紹  介)(第一二一二号) の審査を本委員会に付託された。 同日  国民健康保險に対する国庫補助増額陳情書  (第二三二号)  予防接種事故者に対する国家補償制度確立の陳  情書(第二三六号)  遺族援護強化に関する陳情書外八件  (第二四三号)  国民健康保險運営強化に関する陳情書外五件  (第二六二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  厚生行政一般に関する件     ―――――――――――――
  2. 松永佛骨

    松永委員長代理 これより会議を開きます。  本日はまず厚生行政に関する件を議題とし、主として厚生省予算面について審議いたしたいと存じます。まず厚生省高田政府委員より説明を聽取いたしたいと存じます。
  3. 高田正巳

    高田政府委員 それでは私から厚生省の二十四年度補正予算と、二十五年度の当初予算について概略説明をさしていただきます。ただいま御審議を願つている補正予算でございますが、厚生省所管におきましては、一般会計で七億余万円増額をお願いしてあります。反面十億余り不要額を立てておりますので、差引三億の減額ということに相なるわけでございます。  内容について簡単にそれぞれの項目を御説明申し上げたいと思います。第一番は、伝染病予防及び結核予防に必要な経費といたしまして、一億八千九十九万円ほど増額をお願いしてございます。これは法定伝染病結核、癩、寄生虫、トラホーム、それぞれの予防法に伴う経費不足を補うためでございます。第二番目は、予防接種法施行に必要な経費といたしまして、千三百四十五万三千円ほどお願いを申し上げております。これは二十三年度、すなわち前年度におきまして十五都府県が実施いたしました発疹チブス等の臨時摂種に使いました費用に対する国庫負担額清算と、それから本年度に入りましてPHWのメモランダムによりまして、全国民に種痘をやることに相なつておりますので、これに要する経費国庫負担額でございます。それから第三番目は、国立病院特別会計繰入れに必要な経費五千四百十六万三千円、これは国立病院特別会計人件費不足額を補いまするためと、それから二十五年度の一月から主食が一一%値上げになるということでございますので、これに伴う賄費増加、以上二つ費用に対しまする一般会計から二五%繰入れまする費用でございます。今申し上げました人件費不足額と、それから主食値上りによりまする賄費不足額が二億一千四百八十九万六千円ほどになります。それと例のきまつております繰入れ率が二五%でございますので、それの二五%、五千四百十六万三千円ということでございます。特別会計の方の補正予算で二億一千万円が出ております。  それからその次は、災害救助法に伴いまする応急救助に必要な経費三千百十一万円でございます。この経費をお願いいたしました内容といたしましては、第一は、過年度災害でありますが、二十三年度に発生いたしました災害応急救助費清算額と、それから本年八月十五日の御承知ジュデス台風による佐賀県の災害応急救助費に対する国庫負担額、この二つをお願いいたしておるわけでございます。  その次は、厚生資金貸付金に必要な経費二億円の増額をお願いいたしております。これは御承知引揚方々を主といたしまする厚生資金貸付金不足をいたしておりまするので、この不足を補うためでございます。  その次は、児童福祉事業に必要な経費といたしまして、一億一千三百八十七万八千円の増額をお願いいたしております。その理由は、児童福祉施設收容人員増加いたしましたためと、それから二十四年四月の一三・五%ばかりの米価値上げと、さらに来年一月に予定されておりまする一一%の米価値上げによりまする賄費増加によつて既定経費不足を生じたためでございます。  その次は、国立予防衛生研究所におきまする血清、その他検定に必要な経費といたしまして二千八十六万八千円の増額をお願いいたしております。これは御承知通り昨年の京都その他におきまするジフテリア事件に端を発しまして、検定規定を従来より厳重に改正いたしました。その検定予防衛生研究所でやつておりまするので、これに要する経費不足を生じたためでございます。  その次は国立病院及び療養所経営に必要な経費一億一千十八万五千円の増額をお願いいたしております。これは先ほど申し上げました二、三の項目と同様に、二十五年一月の主食値上り、それから本年度輸入されることが確実になりましたストレプトマイシンの購入に要するためと二つ理由でございます。  以上がそれぞれ増額をお願いいたしておる費目でございますが、これに反しまして、引揚計画変更に伴いまする引揚援護庁経費の減少を十億二千四百六十四万七千円ほどお願い申し上げております。これは御承知通り、当初本年度予算を御審議願いましたときには、約四十七万人の対象を考えておつたのでございまするが、それが引揚げの御承知通りの状況によりまして、それだけの人たちを扱う必要がないという見通しがはつきりとつきましたので、ここでこれだけの経費減額をお願いいたしたわけであります。  以上が厚生省所管一般関係補正予算概略でございます。  次に二十五年予算概略を御説明申し上げます。お手元資料を差上げてあると存じまするが、実はこの資料をつくりました後におきまして、関係方面におけるいろいろな審議によりまして、若干これより増額なつておりまするので、その数字はいずれあとで申し上げたいと存じまするが、厚生省所管合計という欄をごらんいただきますると、三百二十九億九千六百万円というのがございますが、これにさらに増額いたされましたのが三億九千万円ばかりでございますので、その数字が三百三十三億八千七百九万円ということに数字訂正がございます。それで次の欄の二百七十四億六千八百万円とございますのが本年度予算額でございますので、これと比較いたしますと約五十七、八億の増額ということに相なる次第でございます。  それからさらにお繰りをいただきまして、十三ページの国立病院特別会計の計のところの三十四億五千七十五万五百九十円という数字でございますが、これも若干の訂正がございまして三十四億五千九百七万三千円ということになるのであります。  それから最後の方に厚生省所管公共事業費概算要求に対する査定額調べというのがございますが、これの一番最後のページに公共事業費合計十八億六十九万三千円というのが出ております。これが訂正に相なりまして、二十億四千三百七十九万三千円ということになります。  以上数字訂正になりましたのは、閣議政府の案として御決定になりましたのを関係方面へ送り込みまして、御承知のようにその後向うでいろいろな折衝もございまして、まず米価の値上の関係が一一%ということにきまりましたので、その関係で各方面賄費その他で訂正がございましたのと、実質的に厚生省関係費増額なつておるわけであります。その中身といたしましては国立結核療養所増床関係におきまして、お手元に差上げました資料によりましては、新規四千五百床の増床でございましたが、それがさらにもう四千床増加されまして、五千五百床となりました。それが経常費にも影響いたしますし、公共事業費の方にも影響いたしております。それから癩療養所増床関係におきまして、経常費におきましては一千床プラスと相なつております。公共事業費に方におきましても当初の案より一千床だけプラスなつております。なお国立結核療養所増床につきましては、経常費の方におきましては当初から五千床の予算を計上いたしておりました。ところがそれがプラス一千床されまして一万床ということに相なつたわけであります。ただ公共事業費の方におきましては非常に詰めて收容いたしておりますので、経常費の九千床になりますために、設備の方としてはもう一千床くらいは増さなければ、ほんとうに十分な所遇ができないというわけで、一千床の増加をすでに前の案におきまして計上されておつたわけであります、それで経常費設備の方とがちようど合うということになつておつたわけであります。今度さらに新たに経常費の方にも一千床、公共事業費の方には前の一千床計上しておつたのをさらに一千床計上したということになるわけでございます。さような関係におきまして数字訂正なつております。  さらに重要な問題で保健所関係におきまして若干の数字訂正がございます。当初の案にございませんでした保健所を十五箇所新設するというのと、それからA級保険所をさらに三十一箇所プラスいたしまして、百五十個所になるというふうなことに訂正に相なりましたので、その関係経常費並びに公共事業費増額に相なつております。大体さようなことで、ただいま申し上げました数字訂正が行われたわけでございます。引上げが三十一個所で従つて二十四年度においてA級は四十六箇所でございましたが、それを当初の案にプラス七十三いたし、四十六プラス七十三というのが、資料を差上げましたときのA級の数でございます。それにさらに三十一を増加いたしまして、三者の計が百五十になる、そういう修正がございましたのと、さらに全然新しく十五箇所のC級保険所を新設いたしたいと存ずるわけでございます。  それから数字の方はただいま申し上げましたようなわけでございますが、ただここでぜひ触れて申し上げておかなければなりませんことは、先ほど御修正を願いました資料の十一ページのところで、厚生省所管合計三百三十三億という数字は、平衡交付金に参るものも全部一緒にした数字でございます。前年の二百七十四億と対照をしていただくために一緒にした数字を申し上げてあるのでございます。それでここで二十五年度予算の非常に大きな変革といたしまして、例の平衡交付金の問題がございまするので、この平衡交付金の方にこれらのうちでどのくらい行くかということに相なりますると、ただいままだ結論を得ておらないわけでございまするが、大体平衡交付金が千二百十七億ということに確定をいたしました場合には、そのうちで厚生省関係経費が、それに約二百億ほど含まれることに相なるわけであります。言葉をかえて申し上げますと、この三百三十三億の予算の中から約百八十八億六千五百万円、約百九十億でございますが、この約百九十億というものが平衡交付金の中に入つてしまうかもしれないということに相なるのでございます。この問題につきましては厚生行政といたしましては非常に重大なる問題でございますので、今日までどれとどの項目平衡交付金に入れるかということにつきましては。政府内におきましても、厚生省は今日まで決定を留保いたして参つておるのでございます。関係方面におきましても、この問題については非常なる熱意を示されまして、目下関係方面内部におきまして、向う内部セクシヨンセクシヨンとの均衡も行われておるわけであります。おそらくここ数日中に結論が出まして、十二月になりましたならば、国会の方の護審議をいただくという段取りに相なろうかと思います。
  4. 青柳一郎

    青柳委員 大体大まかでけつこうですから、項目言つておただきたいのですが……。
  5. 高田正巳

    高田政府委員 向うに行くことになりそうな項目を申し上げて見たいと思いますが、大きい問題だけを申し上げて見たいと思います。大体こういうふうにお考えいただいたらいいと思います。まず概略申しますと、厚生省関係補助金はほとんど全部平衡交付金に入つてしまう——特殊なものを除きましてはほとんど全部平衡交付金に入つてしまいそうであるということになつておる。大蔵省方面の意見というものはそういうことになつておるのでございます。それに対しまして厚生省といたしましては、それでは厚生行政の円滑なる運用を期しがたい、こういうことで今日まで主張いたしまして最後的な結論に到達しておらない、かような関係に相なつておるのでございます。費目の大きなものを金額について申し上げて見ますと、まず保健所関係、それから結核予防関係精神病院費補助関係伝染病関係性病予防関係予防接種法関係鼠族昆虫駆除関係保険婦授産婦看護婦等関係、それから民生委員並びに児童委員関係、それから生活保護法関係身体障害者保護更正関係児童福祉関係、これは一括して全部でございます。それから国民健康保險関係相当大きな部分約八億四千万円、まあさようなわけでほとんど厚生省関係補助金は全部そちらに行くのが趣旨である。こう主張されているわけであります。いずれ近く結論を出さなければばらぬということに相なつておりますが、この関係は私どもの大臣におかれましても、最後に二十五年度予算概略閣議決定をいたされるときに、閣議で特にこの点は留保いたされておられますので、金額についてはあれをいたすけれどもこの平衡交付金を持つて行くか、あるいは補助金として残しておくかということについて留保の発言をいたしておる。さような関係もありますので、当委員会におかれましても政府の案を提出いたされましたならば、十分御審議をお願いいたしたい、かように考えます。  大体さようなわけで二十五年度の各項目につきましては、資料もお手元に差上げてございますので、私から特に一項目ごとについての説明は省略さしていただきます。
  6. 松永佛骨

    松永委員長代理 何か御質疑はございませんか。
  7. 青柳一郎

    青柳委員 この際関係局長さんが来ておられますから、局長さんから概略予算に関する御説明を願つたらどうかと思います。よろしくおとりはからいを願います。
  8. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま青柳委員から、きようは関係各庁の局長がお見えになつておられるので、各所管事項予算について概略説明を願つたらどうかということでございますが、どうでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 松永佛骨

    松永委員長代理 それでは速記の関係上、正午までに打切らなければなりませんので、できるだけ簡單に、率直に所管事項の御説明を願うことにいたしたいと思います。
  10. 高田正巳

    高田政府委員 官房においてかわりましたおもな項目につきましては、五番の厚生行政施策普及徹底に要する経費、これは厚生行政一般趣旨を了解していただくための事項に関する経費でありますが、この数字が千二百三十八万九千円と相なつておりましたのが、もう三百万円ふえて千五百三十八万九千円ということになるのであります。これはこの中に特に人の増員の経費も、ほんの五名ばかりで少数ではありますが、人を増員して経費も若干増額をいたして大いにやりたいと思つております。  それから六番の社会保障制度企画調査に要する経費、これは社会保障制度を打立てますのに、基本的な調査を前年度から引続きやるわけでございますが、審議会の方でいろいろ基礎資料を、こういうふうな調査をしたらよかろう、ああいう調査をしたらよかろうというような御指摘もございますので、それらの調査をやつて行きますための経費を千七百万円ほど増額をいたしておるわけでございます。  その次は二ページの公衆衛生局に入つていただきまして、十番の保険所関係経費でございますが、そこの二番目の欄に一億九千百万円という数字がございますが、これは先ほど申し上げましたように、訂正に相なりなすので、二億千二百七十九万五千円ということに相なります。保険所拡充強化ということは、すべての衛生行政の根幹に相なりますので、厚生省といたしましても、前年度来最も力を入れております一つでございますが、これが先ほど申しましたように、二十四年末の保健所の姿は四十六のAクラス、それから三百三十のCクラス、三百十三のCクラス以下の、格外と称しておりますが、本年末はこういう姿であるわけであります。それを来年度におきましては、Aクラスを百五十にいたしまして、それから三百十三の格外保健所を全部Cクラスに追い込む、全部Cクラスまで引上げる、さらに新たに十五個所のCクラス保健所を設ける、かような姿に相なるわけであります。  それから十二番の結核予防対策強化に要する経費も千百万円ほどふえておりますが、この結核関係施策保険所と相並びまして最も力をいれているものの一つでございますが、この関係経費方々にばらまかれております。ここでは何と申しますか、結核予防のフイールド・リークに要するような費用が主として計上してあるわけであります。ここで約千万以上の新規事業を行いたい、かような経費が上つております。公衆衛生局におきましては、おもなる費目は大体そんなところでございます。  それから医務局に入りまして、十八番、国立病院指導監督に要する経費がここに三億数千万円の増額をいたしておりますが、この費目の中に国立病院特別会計に関する繰入れの費用を計上しております。特別会計経費自体がふくれ上りますので、繰入れの費用の方もふくれ上つておるのでございますが、その繰入れのパーセンテージは、その後数字が動きましたので、今正確なことを申し上げることはできませんが、おそらく二六%がらみになるじやないだろうか、かように考えております。  それから二十二番、特殊薬品購入に要する経費九千万円ほど計上いたしております。これは御承知癩療養所で使いますプロミン購入するに要する経費でございます。  それから五ページでございます。国立病院及び療養所というかつこのところに入りまして、三十六番に国立結核療養所経営に要する経費、二番目の欄が三十六億六千九百万円とございますが、これが先ほど申し上げましたような理由で若干訂正に相なりまして、三十八億六千九百五十三万円ということに相なります。それからその下の三十七番の癩療養所の五億五千七百万円と相なつておりますのが、五億八千七百九十九万九千円ということに相なります。それから三十八番の精神頭部療養所の七千七百十六万円が七千七百八十二万三千円ということに相なります。それから同じような理由によりまして、四十番の数字一千一百万円が一千三百八十八万三千円と訂正に相なります。それから三十六番の結核関係でございますが、先ほど申し上げましたように、二十五年度におきまして現在の療養所に手を加えまして、八千五百床ほどを増加いたします。それからさらに病院の方から五百床を結核療養所の方に転換いたしまして、計九千床が結核療養所病床増加と相なる次第であります。医務局関係といたしましては、さようなものがおもなものでございます。  それから薬務局の方に入りまして、十一番特殊医薬品供給確保に要する経費六億九千九百万円というのがございます。この中の約六億ほどはストマイ関係経費でございます。前年度におきましては国内生産はございませんで、輸入品だけにつきまして、その半分くらいを大体政府関係機関、すなわち国立療養所並びに病院が買い上げておつたわけでございます。それで、本年度その経費不足を来しましたので、補正予算増額をお願いいたしたのであります。来年度は全然健全を改めまして、それぞれの国立結核診療所経費あるいは国立病院の方の経費ストマイ関係を計上することをやめまして、薬務局の方の十一番に一本で計上いたしたわけでございます。そうして、さらにこの輸入品を前年度と同じように買い上げますと同時に、国内生産を奨励いたしまして、国内生産品もここで買い上げる。そうしてプール計算をいたしまして片一方で売つて行く、こういうことをやりたいというのでございます。約務局といたしましては、その辺が大きなところでございます。  それから次に八ページに入つていただきまして、社会党の九番生活保護法執行に要する経費、これの数字は先ほど申し上げました賄費等関係が、米一億五千万円というのが、百五十二億五千三百七十万三千円ということに相なります。これは前年と比べますると三十五、六億の増加ということに相なるわけでございます。但し先ほど申し上げましたように、これがもし平衡交付金に入ることになりますれば、厚生省の子算から落ちるわけでございます。  それから新たなものといたしましては、十二番身体障害者更生に要する経費、これが六千三百万円ほど計上いたしてございます。これは御承知身体障害者関係に新たなる措置を講じたい、その法案もいずれ御提出があると聞いておりまするが、さような関係経費でございます。もつとも身体障害者に関しまする経費は、公共事業費の方にも別途形状いたしております。  それから児童局に入りまして、先ほど申し上げました賄費関係で、若干の増額がございまするが、繁雑でございますので省略をいたします。全体の経費といたしまして前年と比べますると八億余り増額に相なつております。これは主として対象児童増加ということに帰着いたすかと存じます。  なお児童局関係で一言触れておきたいと思いますが、公共事業費の方で児童局関係、立として母子寮保育所の増設の関係、これは相当経費を計上いたしております。
  11. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 その公共事業費母子寮保育所相当などはどのくらいですか。
  12. 高田正巳

    高田政府委員 児童局公共事業費り総額が三億四千二百万円ほどでございまして、その中の保育所母子寮が二億五千七百万円ほどに相なつております。  それからもとの資料にかえつていただきまして、十ページの保險局の関係でございまするが、ここにおきましては、事項方々にわかれておりまするが、特に御説明を申し上げておきたい事柄は、御承知の社会保險の中の国民健康保險と健康保險でございまするが、その関係が事務費の繰入れ並びに補助がそれぞれ三割、五割が五割、七割と二割ずつ増加をいたしております。その関係経費相当加わつております。  それから十一ページに参りまして引揚援護庁関係でございまするが、これは予算の建前といたしましては、今日におきましては先ほど申し上げました二十四年度の当初の、四十数万という方々がまだ海外に残つておられるという計算から、本年度に帰つて見えまする方々の数を差引きまして、その残り三十数万だつたと思いますが、それを基礎にこの予算を組んでございます。
  13. 青柳一郎

    青柳委員 更生資金法施行に要する経費と言いますが、更生資金法を通常国会に出す予定ですか。
  14. 高田正巳

    高田政府委員 これは要求のときにさような言葉を使いましたので、そのままその言葉が残つておるのでありますが、それは提出いたすつもりはございません。従来の厚生資金をやつておりましたのと同じような方式でやるつもりです。  大体以上で大ざつぱな御説明でございますが、主なるものをかけ足で御説明申し上げたわけであります。
  15. 苅田アサノ

    ○苅田委員 二十五年度予算につきましては、また日をあらためて質問の時期をとつていただきたいと思います。二十四年度補正予算についてちよつと伺いしたいのですが、児童局予算修正追加になりました理由といたしまして、児童保護施設に対する食費り値上り分を二十四年の四月以来の値上りに対する見込みというようなことが入つているわけなのですが、そうしますと、施設に対しましては五月にさかのぼつて支給されるわけなのですか、ここをちよつとお伺いしたいのです。
  16. 小島徳雄

    ○小島説明員 今回の補正予算の分は合計課長が御説明申し上げたように、人数の問題、単価の問題、これらと二十四年度の当初予算に組んでありますものと合せまして、事務費の問題それから賄費の問題の改訂をやろうということで、今計画いたしております。近い機会にこれをいたしたいと思つております。ただいまお話のように、それを五月にさかのぼつてやるかというお話につきましては、五月にさかのぼらないということでやりたいと思います。
  17. 苅田アサノ

    ○苅田委員 これは青柳委員もよく御承知だと思うのですけれども、この夏の児童施設の参観がありましたときに、今の米価がすでに値上りなつておるのに食費が増額されて来ないので非常に困つておるというお話があつたので、これは厚生省の方からすれば、すでに食べているのだからこの分はこれでかんべんしてもらおうというお気持かもしれないのですが、食べ盛りの子供たちをそういうものであまり倹約さしたくないと思うのです。これはやはり五月にさかのぼつて正当なる支給をしてもらいたいと考えるのですが、それについてもう一ぺん考慮してもらいたいと思うのです。施設でもずいぶんむりをして出しておると思うのです。  さらに厚生資金の交付が二億円増額なつておるのですが、これは御説明のときは引揚者に対する貸付というような妙な言葉がありましたが、これは引揚者というわくがきまつているのですか。それとも一般の未亡人とか生活困窮者をも含めて、二億円の増額は融通していただけるものですかどうですが、これをお伺いいたしたいと思います。
  18. 高田正巳

    高田政府委員 所管局長の方からまた御説明があると思いますが、私が申し上げたのは、主として引揚者が借りておられる厚更生資金、かように申し上げたのでありまして、現在でも一般の生活困窮者の方にも、未亡人の方にもお貸ししておりますので、そのパーセンテージを申し上げますと、引揚者の方が多くを占める、かような意味であります。
  19. 苅田アサノ

    ○苅田委員 先般全国の遺家族の代表の方が国会に陳情に見えました際に、やはりこの更生資金の貸つけが問題になつたのですが、府県によりましては、引揚者に対するわくがあつて、そのために遺族に対する貸出しが非常に狭められてできないという返答をなされるところが非常に多く、この点から遺族の中でも未亡人とか、年とつた身寄りのない方が中心になつておられる家庭の方も、引揚者同様に非常に困つておられるわけです。何かそういうわくというものはないように聞いておつたのですが、現在どのいうふうになつておりますか。
  20. 田邊繁雄

    ○田邊説明員 生業資金は今年から更生資金というふうに名前をかえたのでありますが、現在引揚援護庁で所管いたしておりますこの資金制度がつくられた経過から見ましても、やはり引揚者を重点といたしております。ただ実際に貸出しをいたします際に、引揚者だけに限定するということは適当でありませんので、他の部面にも及ぼしております。しかしそういう精神でございますので、どうしても結果においては引揚者が主となつております。実績を申しますと、引揚者、復員者等が八五%を占めているという状況でございます。
  21. 青柳一郎

    青柳委員 ただいまのお話は、引揚援護庁に更生資金があるから、重点を引揚者に置かれるという御意思であるのかどうか。引揚者ばかりではなく、引揚者同様に、あるいはもつと困つている遺家族があります。ことにそういう遺家族の引揚者に比べて、声をあげる、権利を要求する点においては非常に弱いものがあるのでありますから、そういう行政をつかさどられる面におかれましては、そういう実情を十分御存じいただきまして、重点の引揚者に置くということでなく、あらゆる生活困難者にこれを均衡させるのだという御趣旨にかえていただきたいと存じます。
  22. 松永佛骨

    松永委員長代理 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止〕
  23. 松永佛骨

    松永委員長代理 速記を始めてください。
  24. 中川俊思

    ○中川委員 補正予算項目で、国立病院並びに療養所のところでございますが、さつきちよつと会計課長から御説明があつた一億一千万円の増額は、主食値上り並びにマイシンの駒入費ということでありますが、このうちマイシンはどのくらいの額に達しておりますか。
  25. 東龍太郎

    ○東説明員 ストレプトマイシンが三千八百人分ということになつております。金額にして五千三百二十万円でございます。一人当り四十グラムという計算で、三千八百人分が五千三百二十万円でございます。
  26. 中川俊思

    ○中川委員 二十五年度薬務局予算では、大蔵省の査定額が約六億二千九百万円になつているようでありますが、このうち約六億がマイシンに要する費用というようにただいま拜聽したのであります。しかしてその六億の内訳は、国内生産品を買い上げることと、いま一つはアメリカから買上げでことというふうに伺つたのでありますが、来年度におけるアメリカから買上げるマイシンの額、並びに国内生産品を買上げる額は大体どのくらいの金額なつておりますか。
  27. 慶松一郎

    ○慶松説明員 実は私、申し上げるべき正確な数字を今持つておりませんが、大体の記憶では、国産品が五百キロ、輸入品が四百キロ、合計九百キロでございます。
  28. 中川俊思

    ○中川委員 国産品を五百キロ買上げるということですが、だんだんと五百キロが千キロになり——国内生産できることはけつこうなのでありますが、その国内における生産に対してはどういうお見通しを持つておられますか。
  29. 慶松一郎

    ○慶松説明員 これは先般閣議決定を見ましたように、大体国内におきましてあまりたくさんでない会社数社に生産をしてもらいまして、それの生産に要します資金等については優先的にあつせんをいたし、それによつて生産の始まりますのは大体来年の九月以降になると存じます。従いまして五百キロが出ますのは九月から三月の間にそれくらいのものが出るだろうという見通しでございます。
  30. 中川俊思

    ○中川委員 厚生省がそういうふうにしてやられますことは非常にけつこうだと思うのでありますが、その会社の名前並びに資金はどこからどのくらいあつせんをなさるか、そのことについてお尋ねいたします。
  31. 慶松一郎

    ○慶松説明員 会社につきましては、大体従来ぺニシリンをやつておりました会社に全部集まつてもらいまして、私どもの方からストレプトマイシンを国産にする重要性につきましてるる申し上げれして、その中から目下やりたいという会社がいろいろ資料を整えて申し込んで来ておるのであります。これらにつきましてそのいずれをとるかについては、これは金融機関と会社との話合いによりまして、金融機関がその会社が確かであると認めた際に、そこで結びつきができるわけであります。従いまして今日のところではいまだどの会社にいたすかということはきまつておらないのでございます。なおこれはすでに御存じの通り、タンクで培養するわけでありますが、その培養についてはいわゆる試験的製造をすでにやつておるところが、理化学研究所あるいは明治製菓等二、三ございまして、その製品に来月あたりから、まあ一キロとか二キロの程度でございますが、出るようになると私は見ております。なおこの金融につきましては、日本銀行その他等と厚生省あるいは大蔵省等が折衝いたしまして、たとえば生命保険協会あたり等の国債を日銀に買い上げることによりまして、いわゆるマーケツトオペレーシヨンの対象にするということの了解はできておる次第でございます。
  32. 中川俊思

    ○中川委員 会社の名前はまたはつきりわかつていないようでありますが、大体これは閣議で二、三きまつておるのではないのでありますか。それからさらにその貸金の面でありますが、金融機関に対しまして大体の今日までの折衝の御経過を、もしおさしつかえなかつたならば一応お伺いいたしたい。
  33. 慶松一郎

    ○慶松説明員 会社につきましては、目下申込んで参つておりますのは、明治製菓あるいは協和醗酵、大日本麦酒等四、五社ございます。なお金融につきましては、私どもの方といたしましては生命保險団に対して金融方を依頼いたしておるのでありますが、目下なお折衝中のところでございまして、確定はいたしておりません。但しこれはすべて生産会社の信用の程度その他によつて、金融する側との折衝によつて最後の点はきまるわけでございます。
  34. 中川俊思

    ○中川委員 この金融は私はなかなかむずかしいのではないかと思いますけれども、薬務局長の方においては御確信があるのですか、どうですか。
  35. 慶松一郎

    ○慶松説明員 これにつきましては厚生大臣も非常に熱意を持つて、各関係方面とも折衝しておりますし、また日銀あるいはその他の金融機関等も、十分な了解をしてくれておる次第であります。
  36. 中川俊思

    ○中川委員 もう一点、近来製薬会社が——單に製薬会社だけではありませんが、非常な金融難に陷つておりまして、たまたま厚生省でこういうストレプトマイシンの国内生産ということに考えをいたされました結果、ちようど金融難というようなことから、これに乗じて——乗じてという言葉ははなはだ悪いかもしれませんが、これを利用して、自己の会社の常業方面に流用するというようなことに陷りはしないかという懸念も、必ずしもなきにしもあらずと私は思うのであります、そこでただいま大臣初め金融機関と御折衝中のように伺つておりますが、どのくらいの金額を御予定になつておるのか存じませんが、おそらく私は三億、五億という金であろうと思うので、あります。してみるとマイシンをつくります上において、設備に要します費用はなかなかそう簡單には行かないのではないか。ことに保険会社にいたしましても、その他一般日銀方面等と御交渉になつてお使いになる金にいたしましても、これはそれぞれ国民が苦しい中から納めた税金であるとか、あるいは貴重な金を預かつておるものを厚生省があつせんなさるのでありますから、製薬方面に携わらせる会社に対しましても、十分にひとつ監督になり、その他いろいろな点についても御注意をなさつておやりになることを一応私は希望いたしておきます。
  37. 松永佛骨

    松永委員長代理 伊藤委員、御発言がありますか。
  38. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 それに関連して東局長に伺います。さつき私は遅れて参りましたが、三千何人分かが三千何百万円の予算ということですが、これはストレプトマイシン一グラム当りの單価はどういうことになつておりますか。
  39. 東龍太郎

    ○東説明員 一グラム三百五十円と記憶いたしております。
  40. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 現在四百十円か四百五十円とつておるのですが、これはこれから下るのですか。現にそういうようにとつていて、そこのところはどうなるのですか。現実に患者は四百十円か四百五十円拂つておると思います。
  41. 東龍太郎

    ○東説明員 三百五十円は薬剤の原価でありまして、それにいわゆる薬剤としての処置料と申しますか、注射するのも含めてすベてで現在の値になるのでありました、それを下げるのではありません、今まで購入しておりますのも、原価は大体三百五十円あるいは三百七十円という程度のものであります。
  42. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 厚生省のおそらく医務局だろうと思いますが、一千円程度に上げてもうけるという話がもつぱらでありますが、そういうことはありませんか。
  43. 東龍太郎

    ○東説明員 私の方では別にもうけるというふうなことは考えておりません。御承知通り一般会計でありますから、幸いに幾らもうかりましても、私の方には少しも均霑しないのでありまして、私どもとしてはわれ関せず焉であります。
  44. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 もう一つ資料を要求したいのです。大塚事務官が静岡県湊病院に十七日間出張しているのですが、どうも何をやつているかわからないので、その出張報告を資料として出していただきたい。
  45. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま伊藤委員から御申出のありました資料要求の件につきましては、これを厚生委員会からの資料要求といたすことに御審議ありませんか。
  46. 苅田アサノ

    ○苅田委員 つまり湊病院に対しまして、七月中だつたと思うのですけれども、人員の整理等の機会に、厚生省から大塚事務局並びに佐藤技官だつたと思うのですが、二人の人を派遣いたしまして、十七日間滯在していろいろなことを御調査なつたと思うのです。これについては私どもの方からも、湊病院に対する厚生省の大塚事務官等の行動について、非常に困つた問題があるということの報告がありましたものですから、靜岡県選出の砂間という代議士が参りまして、そして大体調査いたしたのでありますけれども、やはり非常に不当な点が多かつたので、あらためて私が厚生委員会でもつて大塚事務官にその順末を聞きたいと思つて御出席を願つたのであります。ところが時間の都合がないので、個人的に聞いていただきたいという委員長の御注意がありましたので、私も厚生委員会で当然聞くわけであつたのでありますけれども、そういう点を考慮いたしまして、委員会のあと二時間にわたつてどういうことがあつたのかということをお聞きしたのです。ところが私二時間もお聞きしたのですけれども、大したことはなかつたというような答えだけで、十七日間も、しかも乏しい厚生省費用の中から相当なものを使つてつたに違いないと思うのですが、明瞭な御報告を得られなかつたわけであります。それで私どもがわざわざ今度は医務局の方に参りまして、それでほどうもわからないから報告書を出してもらいたいし申しますと、医務局の次長の言われるのには、十七日間行つて滯在するだけのことがあつたというように言われるのです。けれども内容がわからないから、どういうような必要のために十七日間も行つておられて、国費を使つて何かして来たというならば、相当なことがあつただろうから、それを報告してもらいたいと申しましたところが、それに対しまして、正式の委員会としての要求ならばやむを得ないけれども、そうでなければ報告はしないという御返答だつたのです。それで私どもは、ともかく厚生委員といたしまして、国の厚生行政に対する監督とかあるいは審査をいたします必要上、そういう一事務官の行動でありましても、相当経費を使つてつたことに対しましては、やはり国民に対する責任といたしまして、明瞭にいたしておく必要があると思うのであります。そこでそういうふうに委員会としての要求がだければ出されないというようなことは、私は少くとも厚生委員に対する、單に一苅田というようなものに対するのではなくて、委員会に対する非常な問題になる発言だと思いますけれども、しかしそういうような御要求があるのでありましたならば、あらためて委員会としてその行動についての明確な御報告を願いたい。こういうふうに私は委員会からの要求書を出していただきたいと思うのです。決して單に一委員に対する関係というようにお考えにならないで、やはり当然国民の代表として、厚生行政に対して責任を持つている委員会といたしまして、私はぜひ他の同僚諸君が御同調になつて、その報告書の提出に対して御承諾いただきたい。かようにお願いいたしたい。
  47. 松永佛骨

    松永委員長代理 ただいま苅田委員から御説明がございましたが、これについての御意見が他にございますか。
  48. 中川俊思

    ○中川委員 どうですか、一応委員長において、ただいま苅田委員からお述べの要旨を十分御檢討になつて、委員会としてこれを取上げて報告を求めるべきがどうかについて慎重にお考え願つて、そうして委員会として報告を求めるべき性質のものであるならば、してもらおうじやありませんか。一方的なことだけ聞いても私どもさつぱりわからないのですが……。
  49. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 審議とか何とかでないと思う。これは厚生省の役人が、三年もかけないとつくれないものでない。久下次長は口頭でその出張の報告を受けているのです。それを文書で出してほしい。たとえば患者の御飯だか看護婦の御飯だか知らないが、出したら、おれは厚生大臣のかわりに来たんだからこんなものは食えないなんて言つて、特別のものを出さしたとか、そういうことをやつてつて、一方聞くと、何もございませんということを言つているわけです。国費を使つてそういうように十七日間も二人で行つてとまるようなことをやつたことに対して、一体どういうことをやつたかということの資料を要求しているわけです。
  50. 中川俊思

    ○中川委員 これは出張でありますから、必ず帰つて来て報告を役所になられていると思いますから、一応その報告を私ども聽取して、その結果にしたらどうですか。
  51. 松永佛骨

    松永委員長代理 伊藤委員、苅田委員の御要求は、個人では出さないから、委員会として要求して、その資料を取寄せようというような御発言なんですね。
  52. 亘四郎

    ○亘委員 この問題については各委員個人々々の考えもあると思うのでありますが、私は厚生委員会としてこの報告を求めるのが、はたして適当かどうかという観点に立ちますときに、行政府の行うことについて、すべて国会が優位である、あるいは監督しなければならねという立場も考えられるのでありますけれども、一人々々の出張、そうしたこまかい問題にまで立ち入つて調査するという場合には、この委員会の権限の行過ぎである、こう考えても私はいいと思うのであります、官庁の方で必要があつて出張を命じた場合におきまして、その人が隣村へ行つて来た、たとえ一日の仕事であつても、これを委員会の意思として報告を求めることができるということであるならば、これは非常に煩雑なものであります。従つてそういう一人々々のことについて調査することは、各個人の資格において、何らか別個の形でやるのは自由でありますけれども、委員会としてこうした問題を取上げるということはどうであろうか。特に何か各人が重要だと考えて、総意が一致すれば別でありますけれども、問題の性質に触れてみるときに、私は開いておりまするに、苅田委員あるいは伊藤委員から前後の事情を聞きまするに、これは私ども厚生委員会全体として何ら取上げるべき大きな問題ではないと思うのであります。反対であります。
  53. 中川俊思

    ○中川委員 私は先ほど言つたように、一応委員長において調べてもらつて、そうして大きな問題であるならば、それは今苅田委員伊藤委員からの御発言のように取上げることはけつこうだと思うのですけれども、一応その辺委員長においてお調べになつれみたらどうですか。
  54. 松永佛骨

    松永委員長代理 今亘委員、中川委員等の御発議もあり、自重論と両方ありようですが、私としてはこの程度のことは厚生委員会がやつてもいいのだと思うのでありますが、たまたま堀川委員長も御帰省中でありまして、一両日中にお帰りになりますから堀川委員長にも報告いたしまして、そしてこの問題は次回の厚生委員会において取上げることにしていただきたいと思います。
  55. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 問題は、亘君は政務次官なんかやつたから官僚かぶれしているのだが、厚生委員医務局長に対して、事務官が報告したものを出せというのに、なぜ厚生委員に出せないのか。出せないということはおかしいじやないか。そういうことは国会を軽視する先例をつくることだ。これは共産党が言うから何でも反対していればいいということで反対したら、問題は君たちにも及んで来ると思う。ほんとうのことを言えば、ぼくは厚生委員としてそんなものをとつてもとらなくてもいいのだ。しかし出せというのに出さないなら正式にやつてやろう。ここで断れば質問趣意書をとればいいのだ。問題はぼくらに対してでなく、厚生委員全体に対してそういう態度をとるのが問題なんだから、質問書をとろう。
  56. 松永佛骨

    松永委員長代理 ではこの問題は次会までに、理事会等の御意見も承つて、そして諮ることにしたいと思います。
  57. 川崎秀二

    ○川崎委員 私は途中からでよくわかりませんけれども、しかしながら一病院調査のために、十七日間も厚生省の役人が行つているということは重大なことだと思う。共産党から提議されたものであるからといつて、われわれに何も反対をすることはないのであつて、実際の問題を私は糾明する必要があると思う。そこで今こちらから御発議があつたけれども、官紀粛清という’ことは吉田内閣も施政方針の演説の中でうたつておるのであるからして、従つてそのことを最も嚴にやらなければならぬ吉田内閣のもとにおいて、そういうことが行われておるとすれば、これは非常に重大かなことだと私は思うのであります。従つて厚生委員長代理だそうでありますが、あなたにおかれましても、ひとつ委員会の要求ということの前に、委員長みずからの手によつて十分に事態を糾明してもらいたいと思う。その間においてもしもこれを取上げるような大問題であるならば、そういうような事実があるならば、厚生委員会として今度は正式に取上げる、そういう順序によつてつていただきたいと思います。
  58. 松永佛骨

    松永委員長代理 私個人といたしましては、さように思つております。なおこれはちよつと聞くと簡單な問題のようでありますが、最近あなたのおつしやるように、官紀粛正のやかましいときに、こういうささいなような事項でもあるということは、これは一つの問題として取上げて、他にそういつたような累を及ぼさないようにする必要もあると思いますので、その点は善処いたすことにいたします。  なおこの際皆さんと一応御協議いたしたいことがあります。それは本日午後一時から観光、地方行政、大蔵、厚生、運輸、の五つの委員会で連合審査会をいたすのでありますが、それに本委員会の意見として、お手元に配付いたしました印刷物のような批判を一応まとめましたので、この方向で本委員会の意向を伝えたいと存ずるのであります。また五つの連合審査会は、委員数が合計して百四十名にもなりますので、本委員会からは五名の代表者すなわち青柳一郎君、大石武一君、高橋等君、堤ツルヨ君、苅田アサノ君が出席されることに相なつておりますから、以上御了承願いたいのであります。  何か御意見はございませんか——御意見がなければさよう決定いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時二十七分散会