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1949-11-16 第6回国会 衆議院 厚生委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十六日(水曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君    理事 中川 俊思君 理事 松永 佛骨君    理事 岡  良一君 理事 苅田アサノ君       高橋  等君    幡谷仙次郎君       丸山 直友君    亘  四郎君       堤 ツルヨ君    川崎 秀二君       伊藤 憲一君  委員外出席者         厚生事務官   久下 勝次君         厚 生 技 官 三木 行治君         專  門  員 川井 章知君         專  門  員 引地亮太郎君     ――――――――――――― 十一月十日  無縁故引揚者用住宅建設費全額国庫負担請願  (宇野秀次郎紹介)(第五号) 同月十五日  和歌浦、紀三井寺地区国立公園追加指定の  請願今村長太郎紹介)(第二八四号)  桜島、指宿、開聞及び屋久島一帯国立公園に  指定請願床次徳二紹介)(第二九二号)  遺族援護対策確立に関する請願吉川久衛君  紹介)(第二九四号)  身体障害者福祉法制定促進請願青柳一郎君  紹介)(第三〇八号)  看護行政強化並びに看護業務者福祉法制定  の請願吉田省三紹介)(第三九〇号)  国民健康保険事業費全額国庫負担請願吉川  久衛紹介)(第三九七号) の審査を本委員会に付託された。 同月十四日  生活保護制度改善強化に関する陳情書  (第一〇七号)  遺族援護強化に関する陳情書外五十一件  (第二五号)  消費生活協同組合法一部改正の陳情書  (第二二六号)  志布志町に国立結核療養所設置陳情書  (第一  五三号)  国民健康保険事業に関する陳情書  (第一五四号)  国民健康保険運営強化に関する陳情書  (第一六九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  国際観光ホテル整備法案起草申入れに関する  件  医療制度に関する件     ―――――――――――――
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  本日はます前会において保留いたしておりました社会事業振興に関する小委員及び小委員長の指名をいたすことにいたします。まず小委員には    青柳 一郎君  大石 武一君    今泉 貞雄君  中川 俊思君    松永 佛骨君  亘  四郎君    堤 ツルヨ君  川崎 秀二君    苅田アサノ君  金子與重郎君の十名といたしまして、小委員長には松永佛骨君を指名いたすことにいたします。御了承を願いたいと存じます。
  3. 堀川恭平

    堀川委員長 次に国際観光ホテル整備法案に関する申入れの件を議題といたします。本件に関しまして前回の委員会理事に一任を願つてありましたので、昨日理事会を開いたのでありますが、その結果本案に関しましては、厚生委員会として観光事業振興方策樹立特別委員会申入れをなすことに決定いたした次第であります。その申入れにつきましてはお手元に配布いたしてありまする文案によつて申入れいたしたらどうかとかように考えるのでありますが、この申入れ事項に対しまして御審議願います。本文の朗読川井專門員にいたさせます。     〔川井專門員朗読〕   国際観光ホテル整備法案に関する申入れ事項  本月 日観光事業振興方策樹立特別委員長より厚生委員長に対し、同委員会において審議中の国際観光ホテル整備法案が送付されたが、厚生委員会においては、その重要性にかんがみ愼重審議の結果、貴委員会に対し次のごとき意見申し入れその再考を促す次第である。主として外客誘致見地から国際観光ホテルを整備し、これが助成をはかることは、将来平和国家文化国家として立ち行かんとするわが国策の上より、適切なものであることは多言を要せぬところであり、厚生委員会においても、この根本方針に対しては異議を唱えるものではない、しかしながら本法案内容をつぶさに検討するときは、厚生行政上の見地からしてにわかに賛意を表することができぬものがあり、厚生委員会としては本法案につき左の諸点において異見を申し述べざるを得ないのである。  第一は、本法案は、大規模かつ高級のホテル旅館のみに対して免税資金資材のあつせん等の厚い保護を加えようとしておるが、かくては日本旅館業全般に関する発展向上支障を及ぼすおそれがあるといわねはならない。従来は、特定の旅館たけが、連合軍要員利用に供されていたが、今般九月二十三日総司令部回状第二十三号、一般人事規則の公布によつて占領軍要員は、特に立入禁止の掲示のない限り、すべての日本ホテル旅館利用することを許可されたのである。従つて旅館業に対する指導取締りは、日本旅館業今般としてこれが発展向上をはかる点に主眼を置くべきであるにかかわらす、一部特殊のものの助長育成に終るがごときおそれある法案制定は大いに戒心を要するものと認める。  第二に、現在ホテル旅館については、公衆衛生見地から、旅館業法制定されており、これに基いて各都道府県ホテル旅館構造設備に関する基準を定め、これに基き衛生部に配置された環境衛生監視員(全国に約千六百人)が指導監督を行つている。ところが本法案によれば、運輸大臣は、運輸省関係地方出先機関を使用して、ホテル旅館経営者に対して、「施設又は経営改善に関し勧告することができる」こととなつており、その中には、「登録基準」となつている「衛生基準〕も当然含まれておるから、ここに衛生面指導取締りが二方面からなされる結果となり、公衆衛生向上発展をはかるべき厚生行政をいたずらに混乱させるのみならず、届出報告等手続も二方面に対して行わなければならないため、旅館業自体としても、これら手続に煩わされ、その真の発展上幾多の支障を招くのである。  第三は、国立公園内に設けられるホテル旅館は、旅館業法の適用を受けるとともに、さらに国立公園計画に基く国立公園事業の重要な一環として、国立公園法に基く指導監督が行われているのであるが、他面厚生省設置法に基き国立公園内の観光專業指導育成利用施設整備改善をはかることは厚生行政として行われることに確定されており、これは、経済安定本部資材配分決定についても対日援助見返資金配分についても認められているところである。しかるに本法案のように、観光はすべて運輸省所管し、国立公園内における、ホテル旅館についても指導監督するということになれば、運輸大臣の行為によつて国立公園行政が干渉惑乱させられる結果となる。  右と同じ理由により温泉地内に設けられたホテル旅館についても、厚生行政としての指導取締り一元性が乱される結果を免れぬものである。  以上に述べた諸点のみを考えてみても、この法案は、せつかく厚生行政として公衆衛生的見地から一元的指導監督が行われて来た部面に対して、不必要に、新たな紛議を招来するものであつて、官庁間の権限問題に関して世論のやかましき今日、厚生委員会としては、賛同し得ざるものであり、これらの諸点に関して貴委員会の愼重なる熟考を求める次第である。   昭和二十四年 月 日       厚生委員長 堀川 恭平    観光事業振興方策樹立特別委員長        栗山長次郎殿
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 今專門員から読み上げましたこの申入れ文に対しまして、何か御意見はありませんでしようか。
  5. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 大体この意見書に関して異議はないのでありましすけれども、二ページの「第一は、本法案は、大規模且つ高級のホテル旅館のみに対して免税資金資材のあつせん」云々というのがありますけれども、私どもとしてはこういう表現でなしに、実際上登録税家屋税等を免除し、あるいは半減して地方財政を圧迫して混乱せしめる、こういうように明確に改めること、それからもう一つは輸入税を免除する。これは法案の第七條、八條に規定されておりますけれども、結局するところ免税して国内の産業を圧迫する結果になるわけです。こういう見地から私どもとしては反対したいので、そういうことをこの意見書の中に明記されるか、もし皆さんの御賛同がなかつたならば、われわれの少数意見としてこういう意見があつたということを附記していただきたい。
  6. 堤ツルヨ

    堤委員 伊藤委員は、これの文句をかえろとおつしやるのですか。
  7. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 かえることに対して皆さんの御賛同がなければ、少数意見としてこういう見地からも反対があつた……。
  8. 堤ツルヨ

    堤委員 委員長、お諮りせられんことを望みます。
  9. 堀川恭平

    堀川委員長 ほかに御意見はありませんか。
  10. 亘四郎

    亘委員 本厚生委員会として意見書を提出しようとするのでありますが、その内容につきまして、私は厚生委員会本来の目的からはずれたことに対して意見を入れることはどうかと考えるのであります。従いましてむしろ厚生委員会としては、この法案考え方自体には賛意を表するけれども旅館業法、あるいはその中の衛生基準ホテル基準等につきましても、すでに厚生省所管行政上の事柄として取扱われて来ておるのでありますから、この際観光特別委員会の方において、これを運輸省所管にしなければならないということは、行政二元化になりまして、その結果非常に混乱を導き、また手続の煩瑣を来すという点を強調して、従来から旅館業法並びにホテル基準というようなものがすでに厚生省行政としてあるのでありますから、これは一種の、そうしたものの特例とし七取扱うという意味で、当然これは厚生省行政の中に含まるべき筋合いのものであるということを主張して意見書とした方が一番適当ではないか、こう考えるのであります。
  11. 堀川恭平

    堀川委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  12. 堀川恭平

    堀川委員長 速記を始めてください。  ただいま專門員から読み上げました国際観光ホテル整備法案に対する申し入れ事項というこの文案申し入れることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 堀川恭平

    堀川委員長 それではさよう申し入れることに決定いたします。
  14. 岡良一

    ○岡(良)委員 この申し入れを、もし向うが受取つて、これを不問に附されては、われわれとしても立場がないわけですが、どうか合同審議というふうな形をとつていただいて、われわれとしての反対理由をいろいろ申し述べる機会をつくつていただきたいと思います。
  15. 堀川恭平

    堀川委員長 かしこまりました。さようとりはからいたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 堀川恭平

    堀川委員長 それではさようとりはからうことに決定いたしました。     —————————————
  17. 堀川恭平

    堀川委員長 何かはかにお聞きになることがありましたら、御質疑願います。
  18. 苅田アサノ

    苅田委員 それでは最初に公衆衛生局長がおいでになりますから、実は先日江古田の生活協同組合家庭会代表いたしまして、大勢の婦人の方々が議会に陳情に見えたのでありますが、その中に非常に資糧配給計画が悪いということについても伺つたのであります。食糧配給計画は直接農林省の問題でありますけれども、しかし公衆衛生局立場からしても、こういう問題について無関心であつてはならないと思うので、公衆衛生局長の方からもこの問題についてぜひお願いしたいと思うので、その実情について一部分を私は申し上げて、そうして御返答を得たいと思います。  それは今年の九月になりましてから、九月の末の家庭配給状態を申しますと、輸入食糧の非常にぎざぎざの多い大麦が四日分配給になつて、その次にいもが六日分配給になり、その次に澱粉めんが三日分続いて配給なつた。ところがその輸入食糧大麦というのは、そのままで食べますと子供がすぐに下痢を起して食べられない。それからいもの方は、まだ食べられないものでもないのでがまんするとしても、そのあとに来た澱粉めんは、一日分がたつた一回分の食糧にも足りないくらいの分量であつて、その上に砂がまじつておる。しかもその値段はお米の一日分よりもずつと高いものをとつておる、こういう状態では、とても現在のような非常に苦しい生計の中で、家庭の食物をととのえておる主婦としてはだまつているわけには行かないので、こういうふうなことについてはどうそ善処してもらいたい、こういう訴えがあつたわけなのです。これは公衆衛生というような見地からも、ひと、衛生局長におかれましても何とかこれについての御処置をお願いしたい、かように考えましてこの委員会で問題を持ち出したわけでありますけれども、これについての御答弁をお願いいたします。
  19. 三木行治

    三木説明員 食糧配給計画が適当でないということと、それから病院における特殊性というものを考えろという御質疑でありますが、御意見通りでありまして、食糧配給につきましては、私どもも始終農林省当局連絡をとつておるのであります。しかし具体的な問題は、やはり都道府県現場の問題になりますので、現場衛生部栄養課関係と、それから食糧配給当局とかよく連絡をとりまして、ただいま御指摘になりましたような、代用食ばかりが続かないようにということにつきましては、始終申入れをして連絡をとつております。ただそれがうまく参りませんのは、要するにストックがなくてやりくりがつかない。到着順配給せざるを得ないというような実情であります。その点につきましては私どももまことに申訳ないと思つておりますけれども、また農林省当局だけ責めるというわけでもありませんので、両省で食糧栄養審議会というものをつくりまして、大づかみの議論はいたして始終連絡をつけております。なお今後もその方面に努力をいたしたいと思つております。  なお病院につきましては、特に病院給食というものをやつております。療養所においては、やはり予算の関係もありましてそういう制約も受けるのでありますが、しかし一般配給の面と、それから病院の加配のものと両方が行くようになつております。従つて一般家庭よりも当然に多く行つております。たたこの場合におきましては、病院についてはなるべく代用食等はやらないということの話合いができております。事実ストックがないというような場合には、ただいま御指摘になりましたように、そういう代用食病院にも参るという、私どもが意外だと思うような結果がときどぎあるのでありまして、その点につきましても今後十分連絡をしてやつて行きたい、かように考えている次第であります。
  20. 苅田アサノ

    苅田委員 配給所の方では、一月分の食糧を前もつてストックしていただければ、順調な、いい配給はできると言つているそうであります。そういう点につきましても、公衆衛生局長の方からできるだけの御助力をお願いしたい、かように考えております。
  21. 三木行治

    三木説明員 その点につきましてもまつたく同感でございます。一層強力に農林省の方に交渉することにいたします。  なお先ほど言い落したのでありますが、輸入食糧につきましては、輸入食糧指導講習会をやつております。従つて病院等につきましては、輸入食糧のうち特に日本人にふなれなものはなるべくやらさないようにしております。病院栄養士を全部受講せしめるということはやつておりませんけれども、しかし大きい療養所栄養士は大体講義を聞くということになつております。従いましてそういう点につきましても、私どもといたしまして、従来から気をつけておるということをこの際つけ加えておきます。
  22. 苅田アサノ

    苅田委員 もう一言です。今食糧指導というようなことをおつしやつたのですけれども、たとえば澱粉めん指導なんかをいたしますと、これはしいたけや牛肉と一緒に食べるといいという指導があるそうですけれども、そういうことは一般家庭にはとてもできないことなので、実際に即した指導をやつていただきますように、またそういうものが米の一日分よりも高いような、しかも内容から言えば一食分の食糧しかないものをそういう価格で配給するということも、これは所管が違うかもしれませんが、あなたの方からもひとつ問題として出していただきたい、こういうふうに思います。
  23. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 久下医務局次長にお伺いいたします。これは湊病院首切りに関連してでありますが、このことについては苅田委員から先般の委員会質問されたのですが、九月五日に十三名の職員に対して首切りをやつて、九月十一日に委員長及び組合患者代表が来て辞令を返上した。その後において大塚事務官ほか一名が湊病院に十七日間滞在して、いろいろなことをやつて来たわけであります。早い話が警察官を呼んで患者強制退院をせしめたり、組合をぶつつぶしたりして来た。しかし大塚事務官に聞くと何もやらないと言う。しからば十七日間滞在して何をやつて来たかという報告書があるだろう、報告書を見せてもらいたいと言つたら、そういう報告書久下次長のところにはないという話であつた。そういうばかなことはないから、その報告書をわれわれに見せてもらいたい。十七日間もいて何もしないというばかな話はないので、見せてもらいたい。われわれが二日の日に言つて、七日までに出せるか出せないか返事をしてもらいたいと言つたことに対して、七日の日までに返事をくれるという話であつた。ところが、これについては報告を差上げないことにきまりましたからという話です。われわれは国民代表として厚生委員になつて、こういうことに対して質問して——あるいは法律的な手続の上に欠陥があるかどうか知らないけれども、もしそういうことに対して返事ができないと言うのならば、私はあらためて委員会において、十七日間大塚事務官は何をして来たか。本人は何もしないと言つている。十七日間もおつて、十七日間にわたつて旅費はもちろん宿泊料もとつて、そうして病院内部人たちに聞くと、おれは大臣のかわりに来たんだからこんな飯を会長えるかと言つて病院で出した飯を食わないで、特別食を出しておつた、こういう話があるのですが、これに対して、十七日間何をして来たかということを私はお伺いしたい。
  24. 久下勝次

    久下説明員 湊病院大塚事務官ほか二名が出張いたしまして、行政整理に伴いますあとの始末につきまして、いろいろ処置をいたしましたことはお話通りでございます。この間何をしておつたかというお尋ねでございますが、私ども出張を命じました場合に、書面報告を出させます場合と、口頭報告を出させます場合と二つの場合があるのでございます。大塚事務官ほか二名、合計三名の者が参りました出張報告につきましては、口頭をもつて報告を受けました。私どもとしては、これをもつて本人報告は終つたものと理解をいたしておるのでございます。私どもの承知いたしておりまする限りにおきましては、十七日間の出張の間、何もしていないということはないのでありまして、特に大塚事務官のほかに技官を一名派遣をいたしましたのは、たまたまあの病院レントゲン技術者行政整理の対象になつておりましたので、療養所運営上、この種の技術者がおらないことによりまして、患者療養にさしつかえがあるといかぬというような意味合いをもちまして、技官も派遣いたしたりしたわけであります。それらの処置をいたしましたし、またたまたま当該病院におきましては、御指摘のように、結果において一名強制退院のようなことになつておりますけれども、事実は四人の医者が退去の病歴その他を判定いたしまして、療養所における療養の必要がない者という認定をいたしまして、退院をしてもらつたのであります。そういうような処置もいたしましたし、また今後それらの職員療養所を去りましたあとのいろいろな病院運営上のことにつきましても、打合せ、指示をいたして参つたのでございます。もともとこの湊病院という療養所は、前にも本委員会においていろいろ御指摘がございましたように、私どももまたその当時、これをある程度容認いたしておりますように、事務的な点その他におきまして、まだ十分に指導が徹底しておらないきらいがあつたのであります。それらの点につきましても、前会本委員会の御注意もございまして、ある程度の措置を講じ、私どもの方から事務担当者を出しまして、事務運営上のやり方なり、組織なりにつきまして、指示をして相当程度改善をされたとは思つておるのでありますけれども、その辺の不安もまだ十分去つておりませんので、さらに一層そうした事務能力点等改善をいたしますことを指示する等、いろいろな方面に各般の湊病院の問題につきまして、必要な措置をとりますために滞在をいたしたのであります。私どもの承知します限りにおきましては、さような意味合いにおきまして、本人出張の期間中何もしていないということはないと理解をしておるのであります。
  25. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 病院の中で何を行つたかどうかということについては、あと苅田委員から質問があると思うのでありますけれども、十七日間も出張したものに対して、口頭をもつて報告を受ける、そのようなお座なりなことが厚生省あるいは医務局でもつて一般的に行われておるとすると、これは重大な問題だと思う。この厚生省の役人に拂つておるものは、われわれの税金で拂つておるのである。それを十七日間も行つたの口頭でもつて報告を受けたのだから、実際上そんな必要があつたのかどうかわからないと思う。現に次長はそういうことをおつしやいますけれども、この間委員会終了——委員会の時間に制約を受けましたので、終了後私的のようなかつこうで質問したのに対して、何もありません、何もありませんという返事を、終始一貫二時間にわたつて苅田委員に対してやつてつたわけです。これに対して私は、どうしても文書報告してもらいたい。大塚事務官なる男は方々病院でこういうことをやつておるのであつて文書報告を出せるか、出せないかということを久下次長にお伺いしたい。
  26. 久下勝次

    久下説明員 文書報告につきましては、厚生省の方へ先般直接お越しになりまして、そういう御註文をいただいておつたのであります。私どもはこの点につきましては内部におきましても、いろいろと相談をいたしました結果、先ほどお話のように、本月七日に口頭で御返事を申し上げておるのであります。実は出張報告書につきまして、もちろん私どもは、場合によりましては書面報告を求めることもあるのでありますが、出張報告というのは、私どもの相談いたしました結果といたしましては、あくまでも内部的の出張者が上司に対する復命書でございまして、内部的のものと理解いたしておるのであります。これらの具体的の内容につきまして、御指摘なり、御質問なりがございますれば、私ども責任立場におりまする者がお答え申し上げる筋合いであるべきであろうと考えるのでありますので、先般のようなお答えを申し上げたのであります。もちろん国会法の定める成規手続によりまして、国会からの御要求がございますれば、これは別問題でございますけれども、先般一応直接お越しいただきましてお話のありました点につきましては、以上のような考え方から出張復命書をそのまま差上げるということはできないということを申し上げたのであります。なお重ねて本日のお尋ねでございますが、今申し上げましたように、成規手続を経ましての御要求でございますれば、もちろん私どもとして当然差出さなければならないのであります。かように考えておる次第であります。
  27. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 それでは大塚事務官がそういうことをやつた、十七日間も滞在したということについて非常に疑義があるので、次長がそういうことを言われるならば、成規手続をとつて報告書あとで出してもらいたいと思います。  しかしもう一ぺん重ねて次長にお伺いいたしますが、そういうことで十七日間も滞在したことに対して、口頭返答を受けたたけで、はたして正当の出張をしていたかどうかということの認定はどういう基準でなされておるか、それをお伺いしたい。
  28. 久下勝次

    久下説明員 私ども口頭報告文書報告と、実質上そう差別をして考えておらないのでございます。むしろ問題の重要なる場合には、直接目頭をもつて報告をさせる。さらに私ども立場からいろいろ質問したりして、そうして本人のやりました処置について適正であるかどうか判断するのがむしろよい場合もあるというくらいに考えておるのであります。文書報告口頭報告については、さような意味合いにおいては、別段実質上取扱いを異にして考えておらないのであります。大塚事務官ほか二名の者が出張いたしました報告については、いろいろとこの問題影響するところも大きい問題でありますし、また他の療養所の問題にも影響することでありますので、私どもとしてはむしろ私どもから求め呼び出して、口頭をもつて報告を受けまして、それで事柄を了承いたしたのであります。
  29. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 これはわれわれがたまたま知り得た一つの事件ですけれども厚生省の予算というものはそういう方法で使われておるというと、一昨日東京新聞にも結核に対する国家支出が非常に少いというようなことをGHQの当局者が言つておりますので、その少い支出をそういう方法でもつて支出されたのではたまつたものではない。重ねてお伺いしますけれども、そういう方法でこの予算を支出しておつて、会計検査院が検査に来た場合それでパスしておるのですか。
  30. 久下勝次

    久下説明員 会計検査の問題は、まだ本年度の問題にはふれておりませんので、どういうような判断が下されますか、わかりませんけれども、いずれ後に会計検査かあるかと思います。さような場合には、もちろん私どもとしては、私の今申し上げたような趣旨の説明をいたすつもりでございます。了承を得ませんでしたら、これは会計検査院が措置をとられるまでのことでございましようが、私どもとしては、従来のやり方は以上申し上げたようなことで取扱いをいたしておりますので、別段そのことが予算の執行上違法である、あるいは不当であるというふうには考えておらない次第であります。
  31. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 重ねてお伺いしますが、本年度の問題でなくて、久下次長お話によりますと、從来も厚生省では、少くとも医務局においては、出張したことに対する報告は、あなた方上司の主観でもつて口頭でもよろしいし文書でもよろしい、そういうようなルーズな支出をしておつたというような答弁があつたわけです。従来そういうことがなされておつたとしたならば、それに対して会計検査院で監査に来た場合にパスしたかどうかをお聞きしたい。  もう一つは、今度の大塚事務官の場合には、こういうことは特例である。従来にあつて文書によつてすべてやつたのだが、今度の場合は特例であるというならばはそれでよろしい。たたわれわれの社会通念や、われわれの経験から言つて、十七日間はおろか一日市内を出張したにしても、どこからどこまでバスに乗つて、どこからどこまで電車に乗つて、それで幾ら幾ら金がかかつて、ここで弁当を食べて幾ら幾らかかりました、お客さんにお茶を御馳走して幾ら幾らかかつた、そういう報告がなければ金は支出されない。これは民間会社にあつてしかり、いわんや国民の税金を支出している医務局において、そういうルーズなことをなされておつて、今までそれが通つて来たとしたならば、それは重大問題だと思う。だから、過去においてそういうことがあつた場合にもそれはパスしておつたのであるかどうか、また今までは文書でもつて報告しておつたのたが、今回に限り、特に大塚事務官が特命を受けてやつたのだから口頭でやつたのかどうか、それをお伺いしたい。
  32. 久下勝次

    久下説明員 先ほど申し上げましたように、過去におきましても出張の結果の報告口頭でやりました場合と、文書でやりました場合とございました。これにつきましては、私どもの知る限りにおいては、会計検査の場合に会計検査院から指摘を受けたことはございません。
  33. 苅田アサノ

    苅田委員 ただいまの久下次長の御返答を聞いておりますと、大塚事務官から次長に対する御報告は、確かに十七日間暇をとつて、そしてそれだけの費用を使つて、それだけの仕事があつたというような認定ができるような報告をなさつたように聞かれるのであります。ところが私は厚生委員会において聞こうとしたのでありますけれども、時間の制約があつて委員長もそれを希望されたものですから、時間外に、いわば厚生委員会の延長の形でもつてその報告をお伺いしましたところが、先ほど委員長からもお話になりましたように、たいしたことはなかつたのだという御返答一点ばりでもつて、詳しい御報告がなかつたわけなのです。しかも二時間にわたつてそういう状態であつたので、私が、それでは十七日間も行つて、国の費用を使つて一体何をして来たのですかと聞きましたところが、同席しておりました厚生省職員の方が、みな声をそろえて笑われたような、そういう事情であつたと思うのです。これはほんとうにそれだけの報告医務局長にしておられたとするならば、これは厚生委員会に対する厚生省の高級官僚の非常な軽視であると私は考えるのであります。これは一苅田がお聞きしたわけじやなくて、国民代表として厚生行政に対する監督なり、あるいは心理を聞かんとしたところの委員が検討したことに対してそういう状態であることを、次長は御存じでありながらそれに対して何らの警告もされない。これは私がこの前に個人的に申し上げたときにもわかつておるわけなのです。こういう状態がもしも従来の厚生省内、特に医務局の中で行われたとするならば、これこそ私は大きな問題だと思うのです。これは以前の翼賛議会の当時は、そういう状態でも議院に勤めておられたかもしれませんけれども、今日そういうふうなことはとうてい許されないと思うのです。これに対して私は医務局長の責任ある上司としてのこれについてのお考えをお聞きしたいと思うのです。
  34. 久下勝次

    久下説明員 大塚事務官が先般厚生委員会の散会のあとで、苅田委員に御説明した結果、何もないという答弁をしたということにつきましては、私もあとから聞きまして、本人に問いただしたのであります。十七日間何もしなかつたというような答弁をしたそうだが、という意味で問いただしてみておるのでありますが、それは私自身が申し上げているように、医務局長と二人で本人及び同行者の報告を聞きました際に谷ました印象なり、先ほど申しました認識とも違つておりますので問いただしたのでありますが、本人の申しますには、何もしなかつたという意味で申し上げたのではなくて、いろいろとお尋ねの中に、こういうことをしたそうだがこれは問題じやないか、あるいはそういうふうな意味合いお尋ねに対して、いや別にそういうことは問題になりませんでしたというようなことをたびたびお答えをしただけである、十七日滞何もしないでおつたというようなお答えは毛頭いたさなかつたのであるということを聞きましたので、その程度で私ともの認識と合つておりましたから了解をしたような次第でございます。私どもとしては十七日間何もせずに、ただ遊びに行つてつたというようなことでありますならば、許しがたいことであると思いますが、そうでない報告を受けておりますし、また事実も十七日間行きました個々の問題の処理につきまして、なるほどそれだけの期間を要したものというふうに理解をいたしているわけであります。
  35. 苅田アサノ

    苅田委員 私のお尋ねした意味とは多少違つていると思うのです。今、次長が言われたように、私は個々の事実についてこちらに情報のあるものをお聞きしたのであります。それにつきましては、あなたがおつしやつたように、そういうことは大したことでなくて済んだというようなお話が全部あつたわけです。それならば十七日間何をして来たのかと私がお尋ねしたらば、大したことはなかつた、こういうようなことがあつたそうだが、いやそういうことはなかつた、大したことはなかつたというような御答弁があつて、ほんとうに十七日間行つてとういう苦労があり、どういうような方法でもつて病院の中を整理したかというようなことについての具体的なお話が一つもなかつた、ということを私は申し上げているわけです。もし十七日間も行つてそういう病院の中のことをしなければならなかつた事実があるのであれば、私はあらためてこの委員会大塚事務官を呼んでいただきまして、事務官から直接御返答をいたたきたいと思う。そうしないと、ここであなたと私どもとの間の水掛け論ではしようがないと思うのです。ですから委員長にお願いいたしまして、できればきようお呼びしていただきたいのですが、もし時間の都合できようということができませんならば、至急委員会を開いていただきまして、そしてあらためて大塚事務官についての事情聽取をお許しいただきたい、かように考えます。
  36. 堀川恭平

    堀川委員長 承知しました。きよう開くことはどうもさしつかえると思います。私毎日新聞に十二時に行くことになつておりますから……。
  37. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 大塚事務官が十七日間一人事務官を連れて行つて滞在していたということは、実際医務局の仕事として必要でないことをやつているのである。これは二百十七名の第一回の首切りに次いで、その後に四十何名の首切りをやつたことと関連しているのであるが、こういうことはまつた理由がない。久下次長はこの前私が厚生省に行つてお伺いしたときに、神奈川の横浜市内にある浩風園という病院で四角の共産党員の首切りがあり、その中二名が脱党したらば、この二名の首切りを取消した、首切つたことはないという御返事つたんですが、ここで公的にお伺いしたいのですが、こういうふうにしてあそこで首切しがなかつたと言うのならば、現実に首切りが行われているとすれば、この首切りは無効であると解釈していいかどうか、これをお伺いしたい。
  38. 久下勝次

    久下説明員 前回御質問いただきましたお尋ねに対してお答えをいたしましたのは、実は私川も問題を狭く考えておりましたのであのようにお答えをいたしたのであります。九月の初めと終りに、二度にわたりまして、国立病院療養所行政整理が行われたのでありますが、その場合の私どもの方で処理し、あるいは私どもの方から処理を命しましたものの中には人づておらないという意味で申し上げたのであります。浩風園という療養所におきましては、お話のように二名の者を本人の願いによつて退職させております。させると申しますか、本人が願い出ましたので、依願免の形式で退職していることは事実であります。しかしながら御指摘のような事実があつたことは、全然私ども承知いたしておりません。
  39. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 それでは清瀬の問題についてお向いしたいのだが、大塚事務官湊病院で特高警察官ですらやりかねないようなことをやつて来たのだ。清瀬病院にも大塚事務官が、われわれの知る限りにおいて三回出張している。それは同様の目的をもつて、すなわち警察官を清瀬病院の中に入れて、その警察官の力をもつて患者強制退院せしめるとか、あるいは首切り指令を厚生省が出して、本人たち受取つていないのだが、俗に言う十一名の首を切られた人たちを出すようなことをやらないかと言つたことに対して、今のところそういうことはないと言つておる。ところが実際には九月の十五日に法務府の特審局第四課の鈴木隆行という課員が来まして、清風会、すなわち清瀬病院患者自治会であります清風会を解散する目的をもつて、これはもつと明確に言うと、つぶす目的をもつて調べに来た、こう言つておるのだ。この男と同行して大塚事務官が、中村事務官も入つていると思うが、他の厚生事務官を二名帯同して、四名で田無の警察に鈴木特審課員と行つて、そこから電話をかけて、清瀬の自動車を呼ばして清瀬に入つた事実があるわけです。こういうことを一方にしておいて、この患者首切りに対しては、たしか九月たつたと思つたのですが、島村喜久治という清瀬病院長が、この首切りは不当であるということを声明したのに対して、隠然または公然たる圧迫を加えて、最近に至つてこのことに対して取消しをして、むしろ院長の名前で、退職指令を出した十一名は院内から立ちのいてもらいたいというような告示を出しております。しかし同時に今月の末か今月の初めに、院長の名義で田無警察署に対して、この十一名が不法侵入であるという告発を行つておるのですが、この告発は実は一昨十四日に、清瀬の組合代表とそれから首を切られた人々の代表が参りまして、これは実は島村院長がやつたのでなしに、島村院長のいる前で、太田庶務課長に書かせて島村院長に印を押させてこの告発状を出した。従つて厚生委員皆さんに対しても、ここにおられる堤委員に対してもまた先だつてまで労農党の松谷天光光君が厚生委員でありましたから、松谷天光光君のところに参りまして、実情は、医務局の、殊に久下次長が参謀格、主謀格になつてこのことをやらしておるのだから、厚生委員会の方からこれを取消す措置をやつてもらえば、院長は取消す腹があるから、そういうことをやつてもらいたいということを言つて来ておる。この際、私は久下次長にお願いもし、かつ要請もしたいのでありますけれども、この十一名は現在働いている。この十一名がいなくては困ると言つて同僚から引きとめられて働いている人々であつて、何ら暴力的な行為は行つていないのは現場に行つて見ればわかるのである。しかしながら七十八條の三項か四項で首を切つたというだけでは理由が成り立たない。だから具体的な理由を提示してもらつたならば、あるいは立ちのくかもわかりません。しかしたた公務員として不適格であるというたけでは理由にならない。ちようどお前はどろ棒をしたから縛るのだと言つて縛られたのでは困ると同じように、どろ棒をしたと言うなら、どこそこの何という家で何を盗んだという具体的な事実の裏づけがなければならないと同じように、私たちが公務員として不適格であると言うならば、こういう事実があつたから公務員として不適格だということを言つてもらわなければ、これからの就職にもさしつかえるから、理由言つてもらいたいと言つたのに対して理由を言わない。それで久下次長は、人事院に提訴してもらいたいということを言つておるのですが、もちろん人事院に提訴しています。従つて人事院に提訴が取上げられて、本人たちが納得するような理由が明らかにならないうちに、こういうような告訴は取下げてもらいたいと思う。おそらく久下次長は、ここに私ども関係がありませんというようなことをおつしやるかもしれませんけれども、これは久下次長の管轄でもありますから、島村院長に対してこういういたずらなる事件をひき起すことのないように、こういう告訴は取下げてもらいたいと思うのですが、そういうことをやる意思があるかどうか、お伺いしたいと思います。
  40. 久下勝次

    久下説明員 まず大塚事務官の調査についてのお尋ねでありますが、お話しの通りに先月十八、九日のことと記憶いたしておりますが、私が命じまして清瀬の実情の調査に出しました。これは決してお話の中にありましたように、警察と連絡してどうこうするというような意味でなく、あくまでも清瀬病院実情を調べにやつた次第であります。それに触れて、特審局の者と一緒に来たというお話でございますが、これは私でもの報告を受けておりますところでは、特審局の事務官とたまたま一緒になつただけでありまして、特別審査局の調査は、私どもの方とは全然無関係の事柄でございます。  それから、院長の告訴の取消についてのお話でございますが、私どもは院長からその点については報告を受けておりますが、しかしたがらこれはお話のように、人事院に公開審理の要求をしておるので、その結論の出るまではよろしいではないかというふうには私どもは考えておらないのでありまして、いろいろと打合せました公式な解釈といたしまして、一応国家公務員法によつて免職を受けました場合には、所要の手続きを経ました限り、その効力は有効に生じておるものと考えておるのであります。そうなりますと、自然、その人々は公務員でないことになるわけであります。その人々が公務員の身分を失いまして、すでに二箇月以上をたちましても、依然としてその職場に出ており、しかも官給品を着用しておるというようなことにつきましては、私どもといたしましても、病院の秩序を保ちます上に適当でないと考えておりますので、ただいまのところ院長の出しました告訴につきまして、これを取消せということを申す気持はございません。
  41. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 たまたま一緒になつたというけれども、これは病院で一緒になつたのではなく、警察で一緒になつているのですよ。私が厚生省お尋ねしたときにもお伺いしたのであるが、その警察官の問題について、これは大塚事務官が行つて、明らかにいつでも必要のときに動員をいたしますからということを警察に電話をかけさしている。従つてもし生証人を示せというなら、これは警察官であるから、その警察官の身分をあなたがこの分けの席上で保障するならば、いつでも出して見せる。そういうでたらめを言つてもだめなんだ。それからもう一つは、公務員の解釈についてもそうです。これは厚生省の事務局長が勝手に解釈をしで、そういうことで一々首を切られたんではたまつたものではない。そうでしよう。お前はどろ棒をした疑いがあるといつてひつぱつて、一々監獄にぶち込まれたんではたまらない。現実にどこそこでどろ棒をしたという裏づけがなければならない。現にこの首を切られた人々は、——公務員法の七十八條には、公務員として不適格であるという、それだけのことしか書いてない。この不適格ということはいかなることであるかということを言わない限りは、この人々は退職したあとの就職にもさしつかえる。これらの人々には家族もある。また不法占拠というようなことを言つておるけれども病院というものはあなたも御承知のように、看護婦はすべて寄宿舎に寄宿をしておるが、官舎の不足しておるために、医務局員すなわちお医表さんといえども今日において——清瀬病院のごときは、本来病室であるべきところを職員が占拠しておる。これだつて厚生行政上、重大問題である。しかしそういうような、本来なら患者に與えて、もつと各患者を收容すべきところへ、あなた方の同僚、あるいは下僚の者を收容せしめて、現に病院に住んでいる人間をそういう薄弱な理由で首を切つて、今度はそこへ立ち入つてはいけないということは、りくつにも何もないことを言つているわけだ。そういうことをやつて、この告訴を取下げる意思がないのだなどと言われたのでは、われわれとしては承服しがたい。もう一ぺん私は次長——なぜ次長がと申し上げるかと言うと、かつてどつかの警察部長の経歴のある久下次長がやつているということが関係者のもつぱらの声です。そこで強く久下次長に再考を促して、こういうことのないようにしてもらいたい。あなたの方では実際には警察官を動員する計画を立てて、何かの摩擦をあなたの方から挑発して来ている。こういうことで足りない厚生事務費などを使われてはたまつたことではない。こういう告訴を取下げていただけば、将来こういう不自然なことは起らないと思う。ですからそういう処置をとつていただきたいということを希望します。これ以上は私は金仏様と問答するのと同じだと思いますから、やめておきますが、どうか再考していただきたいということを申し上げます。
  42. 堤ツルヨ

    堤委員 先ほどから伊藤委員よりしきりに発言があり、問答を聞いたのでありますが、わが党としては清瀬からいろいろと陳情においでになりましたときには、共産党と労農党とともに聞きおくということをおもなる線としようということで立ち合つたのであります。私は政府の助太刀をする意味ではありませんから、誤解のないように願いたいのでありますが、事務に支障があるということはわかつていたが、やむを得ず首を切つたものであるという医務局長の答弁がこの委員会においてあつた。この点においては私たち自体が見ておりましても、いかがと思うところの職員のあつたことも事実でございます。これはあなたの目から見ればそうではないかもしれないが、私たちの目から見れば、遺憾に思われる職員があつたことは確かです。たとえばこの委員会に毎日日患同盟の方々が来て、われわれに圧力をかけているということは、われわれに輿論をお送りくださる以上の不快なものを感ずるのであります。こうした態度に対しては、何らか反省さるべきものがなければならぬということをかねてから考えておりましたが、こういう点から考えてみても、われわれの常識からあの医務局長の答弁と合せて、こちらにも少し反省の余地があるのではないかと考えるのであります。伊藤委員の御発言のように、不当な首切りからこれらの人たちを擁護なさるお心持ちはよくわかるのでありますが、しかし一方的な、党的な立場からのみ御発言なされるということは、私たち自体が聞いていてもいかがかと思いますので、共産党としてももう一度考えていただきたいという意見を持つておりますので、申し上げておきます。これは別に政府を助太刀するわけではありませんから、誤解のないように願います。
  43. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 堤委員の発言に対して念のために申し上げておきますが、われわれ共産党は、そういう国民一般という抽象的な立場ではなく、あくまで党的な立場で発言しておるのです。いつでも人民大衆の生活を守るという立場から発言しているのであつて、そういうあやふやな、ときには政府側に立つたり、あるときには共産党側に立つたりするようなことはいたしません。  なお堤委員に申し上げておきますが、そういうことを申しますけれども、この間清瀬の看護婦を休職にしたのに対して、看護婦五十人が押しかけて、泣いて訴えて、この休職処分を取消さした事実がある。こういう実情の中でこれらの人々は働いているのです。そういう実情もくんでもらわなければならぬ。また首切りは事務上さしつかえるからたというようなことを久下次長言つているが、しかし公務員法によつて首切るとか、新定員法によつて首切るとかいうことは退職金の問題だ。退職金の規定上、公務員法と新定員法とで首切られた場合は違う。実際には、清瀬の場合においては、十一名の首を切つておきながら、二十三名の看護婦の雇用を許可している。そうするとこの首切りというものは明らかに政治的になつて来る。そこへ行くと何も言わない。言わないけれども、党派とか何とかいうことは別箇の問題として、事柄は、医務局の方から事件を挑発するようなことがかかつて来ている。現に病院の中に生んでいる人間に対して退去しろとか、出入りしてはいけないとか、そんなことを言つたつてむりな話じやないか。現に中にいる者を、不法侵入だと言つて告訴したのでは、当然法律の上でもんちやくが起きる。もんちやくが起きたときは巡査を動員するという手はすをしている。そういう手はすをしているのに、そういうことはないとぬけぬけと言つている。久下次長があくまでそう言うならば、私は警察官の中から訂人を出してもいい。警察官もこれは不当であるということを言つているのである。こういう点も公平に考えてくだざい。私は日患同盟の人間ではないから、日患同盟のことは、日患同盟の人のいる前で堤君はそういう発言をされたいと思う。
  44. 堤ツルヨ

    堤委員 これは委員会でございますから、私とあなたとの討論になることはいかがかと思いますからこれ以上は避けます。私は日患同盟の方がいる前で聞いてみたいと思うのですが、いらつしやいませんので残念に思つております。日患同盟の患者さんがここに来ると言つても、電車賃にしても、晝長の費用にしても大したものですから、患者のためにどうかと考えているのです。だから今度の日曜日にでも見舞いに行きましたらそれを言おうと思つております。あなたたけが国立病院療養所を全国的に視察してまわつているのではない。私だつて国会閉会中からたの許す限り視察して、まつ黒焦げになつた、食糧だかえさだかわからないような、患者が食べさせられているところの食糧も拜見しておりますし、国立病院系統に働いておる方々の日常の勤務ぶりも拝見し、本省のこれに対する監督に対してもいろいろ意見を持つております。時間が許されませんから言うことを避けますが、そういうことに対しては公平な意見を持つております。私らの常識としては、公務員として守らなければならぬ一つの線があるという意味において、反省さるへき何ものかがあるのではないかという意見も持つておりますから、誤解のないようにしていただきたいと思います。
  45. 苅田アサノ

    苅田委員 ただいまの堤委員の発言は、社会党としての重大な発言だと思いますが、これはいすれ速記録にもなり、その上で一般大衆の批判もあることと思いますから、私はここでは何も言いません。  ただ一つ委員長にお願いしておきたいことは、この委員会に厚生大臣をお呼び願いたいということです。この委員会では、厚生大臣がお見えにならないのがいつも常識になつており、近ごろではだれも怪しまなくなつておりますけれども、これはひとつどうしても厚生大臣を呼んでいただきたい。厚生行政のことは現存非常に大きな問題になつているのですから、ぜひ親しく厚生大臣を呼んで聞いてみたいと思いますが、委員長としても毎回厚生大臣の出席を求めていただきたいということをお願いいたします。
  46. 堀川恭平

    堀川委員長 承知いたしました。
  47. 苅田アサノ

    苅田委員 それからもう一つ委員長にお願いしたいことは、委員長として、委員に対する出席方を警告していただきたいということであります。この委員会はいつも少い委員でやつておるわけでありますが、民自党は十名以上の委員を持つておいでになるのですから、ほんとうは少くとも五名以上の方がおいでにならないと、委員会の定足数にも足りないわけであります。また民主党にしてもほとんどおいでになりません。もし與党で厚生委員会に出る方がなければ、野党側に委員をどんどん振り当てていただきたいと思います。
  48. 堀川恭平

    堀川委員長 それは運営委員会の問題です。
  49. 苅田アサノ

    苅田委員 委員長として、ぜひ委員が出席するようにおとりはからいを願いたいと思います。
  50. 堀川恭平

    堀川委員長 それはおとりはからいをいたします。
  51. 伊藤憲一

    伊藤(憲)委員 私も一言申し上げておくが、いつもこの委員会に四割くらいの人間しか出ないということはまことにけしからぬ。これからもし定足数に満たなければ、われわれは退場して、委員会を開かせないから、そのつもりで招集していただきたいと思う。
  52. 堀川恭平

    堀川委員長 本日はこの程度で散会します。     午前十一時五十一分散会