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1949-12-01 第6回国会 衆議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月一日(木曜日)     午前十一時三十三分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君    理事 松井 豊吉君 理事 村瀬 宣親君    理事 池田 峯雄君 理事 天野  久君    理事 笹森 順造君       今村 忠助君    越智  茂君       瀬戸山三男君    宮原幸三郎君       前田榮之助君    畠山 重勇君       増田 連也君    寺崎  覺君  出席政府委員         (銀行局長)         大蔵事務官   愛知 揆一君         (住宅局長)         建設事務官   伊東 五郎君  委員外出席者         専  門  員 西畑 正倫君     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  教育委員会法の一部を改正する法律案に関する  申入れの件  住宅金融に関する件     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  第一に、別府国際観光文化都市建設法案に関する連合審査会開会につきましてお諮りいたします。ただいま観光事業振興方策樹立特別委員会において、議員永田節君外十一名提出の別府国際観光文化都市建設法案を審議中であります。本法案は第一條の目的を異にするのみで、他は先の国会におきまして、成立しました広島平和記念都市建設法とまつたく同一であります。従つてこの法案は結局都市計画法の一環として、その計画実施達成すべきものと見られるのであります。そういう関係でありますから、該法案建設委員会に最も密接な関係を有することと存じますので、この際衆議院規則第六十條によつて観光事業振興方策樹立特別委員会連合審査会を開きたいと思うのでありますが、該委員会に申し入れることについて御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  申入れ手続等委員長でとりはからいます。     —————————————
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 次に、教育委員会法の一部を改正する法律案に関して、その修正について当委員会から申入れをするかどうかという件についてご協議いたしたいと思います。これを懇談会において協議するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めまして、それでは懇談会に入ります。      ————◇—————     〔午前十一時三十五分懇談会に入る〕     〔午後零時九分懇談会を終る〕      ————◇—————
  6. 淺利三朗

    淺利委員長 これにて懇談会を終わります。  ただいまの懇談会において一応の案がまとまりましたので、この際委員長より朗読いたします。     教育委員会法の一部を改正する法律案の一部修正に関する要望案   教育委員会法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正せられんことを要望する。   1 「第四十四條第一項中「(会計及び土木建築に関する部課を除く。)」を削る。」を「第四十四条第一項中「会計及び」を削る。」に改める。   2 第四十九條関係中「同條第八号中「実施指導」を「実施」に、」を「同條第八号中「実施指導」を「実施工事の設計、契約及び監督を除く。)」に」に改める。      理 由    今時改正案により教育委員会土木建築部課を設け、自らその工事実施する場合は、次のような弊害が考えられる。   1 行政組織簡素化に逆行する。   2 建設行政の一元化に逆行する。   3 不必要な人員の増大を来し、地方財政負担を重くするばかりでなく、地方によつて学校建築が定常的に行われないために、更に冗員を生ずる結果となる。    なお本修正により教育委員会がその自主性を疎外される虞れは更にない。  いかがでしようか。
  7. 池田峯雄

    池田(峯)委員 共産党は賛成いたしません。
  8. 淺利三朗

    淺利委員長 それではお諮りいたします。この要望案をもつて文部委員会申入れることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なければさように決します。     —————————————
  10. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは次の住宅金融に関する件を議題といたします。  前回住宅局長より一応説明を聴取いたしたのでありますが、後ほど大蔵省銀行局長も出席いたす予定であります。ただいまは住宅局長がお見えになつておりますので、局長に対して質議があればこれを許します。
  11. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 金融公社についてはまだ確定した案があるわけではありませんが、確定する前に参考の意味もあつてお尋ねしておきます。     〔委員長退席内海委員長代理着席〕 今度の金融公社は大体五十億を資金とする。それからそのほかに借入金もできるような制度にいたしたい。こういうふうなことでありますが、五十億ないしそれ以上の資金をもつて、年間どのくらいの戸数の建設を予定されておるかどうかということと、それからそれによつて建設されるものと、住宅五箇年計画というものを一応案としてはあるわけでありますが、緊急に住宅不足を来しておる大体六十万戸、そいういうものとの関係、更にこの資金貸出方法はまだ詳細わかりませんけれどもちようど現在行われておりまする国家の補助による庶民住宅計画のように、各地方住宅不足を勘案して、その地方ごとわくをこしらえる趣旨であるかどうか。なぜそういうことをお尋ねするかと申しますと、得てして、そういうふうに地方の状況を勘案して都道府県相当わくを與えるということでないと、早くこれを知つた地方だけにそういう資金が融通される。私は宮崎県でありますが、あういう僻陬なところからでも、この金融公社については非常な関心をもつて喜んでおるわけでありまして、どういうふうにして貸出しを受けるか、またわれわれも貸出してもらえるかというような問合せが、すでに相当に参つております。ところがそいういうことは中央と申しますか、大都会付近が早く利用されてしまうということになりますと、本当に困つておる地方が非常に迷惑するということを憂えますので、地方住宅必要度に応じた大体のわくを設定して、地方々々に配分されるお考えがあるかどうか。そいうふうにしていただきたいという考えでありますが、その点をお尋ねしておきます。
  12. 伊東五郎

    伊東政府委員 第一点は五十億で幾らできるかということでありますが、これは計算の方法でいろいろ違いますが、一つ方法としましては、大体五十億で三万五千戸くらいつくれるという見込みでございます。  第二点は五箇年計画というもの、あるいは現在三百数十万戸足らぬ、そういうものとの関係でございますが、三百数十万戸のうち緊急に、いわゆる五箇年計画としまして政府財政的な措置によつて資金的な援助をしてやらなければならぬものを六十万戸ないし百万戸程度と見まして、最小限度六十万戸程度は五箇年間にどうしてもやらなければ、勤労階級住宅は安定しないと考えておりますので、最小限度六十万戸は実現したいというふうに事務当局としては熱望しておるのであります。明年度かりに五十億で三万五千戸、それから庶民住宅は大体今予算の内定しておりますものが二万五千戸程度しかできないと思います。合わせて六万戸であります。五箇年計画で六十万戸つくるとしますと、その十分の一にしか当たらないことになります。これは何とかほかの方法によつて政府資金なり、これに類似した資金によつてこれをふやして、六十万戸を五箇年で割りますと十二万戸になりますが、その十二万戸に近づけたいという、将来ともわれわれとして努力いたしたいと思つております。その方法としまして金融公社が五十億で出発しました場合に、借入金ということ、それから公社保証によつて住宅資金を吸収する、こういう二つ方法があるわけでありますが、借入金として考えられますのは、対日援助見送り資金活用預金部資金活用ということが主として考えに入つて来るわけでありますが、この二つについてある程度の見通しも持つておりますし、どのくらいの金額をこの五十億にプラスできるかという数字は、まだ申し上げるところまで行つておりませんけれども、われわれとしましてはある程度期待できるのじやないかと思つておりますので、この面でできるだけ住宅資金をふやすことにもう少し努力したいと思つております。  それから保証融資の点につきましても、たとえば相当の力のある産業会社でありましたならば、政府保証をすれば銀行からも借りられるというケース相当あるわけでありますから、そういう面からも全体の住宅資金をふやすということに、なお努力したいと思つております。  それから第三番目は庶民住宅のように、地方ごとわくを設けてやるつもりかどうか、こういうことでございますが、これは当然そういう方針で行かなければならぬと思つております。その地方々々の住宅困窮状態を調べまして、それに応じて庶民住宅と、それから資金貸付方法と、両方総合的に一緒にしまして、地方的の妥当な配分をきめまして、それに基いて具体的の貸付決定して行くということが必要になつて来ると思つております。例示の宮崎県など——宮崎県のみではございません。それに類したような地方についても同様でありますが、そういうところには、一体五十億で庶民住宅なりが建設できるかどうかという御懸念でありますが、これは住宅資金補助金というものの全体のわくとの関連もある問題でありまして、従来は政府資金というものは補助金だけであつた。ことしは全部で住宅資金補助金として三十億しか計上されておりません。そのうち一般庶民住宅としては二十五億しかない。これで二万五千戸しかできない。そういう全体として小さな数字でありますと、どうしてもこれは大都市重点ということにならざるを得ないのでありまして、宮崎県のようなところには、たしか配分ができないということになるわけであります。全体のわくがだんだんにふえるに従いまして、住宅難というものは大都市に限つた問題でもありませんし、今日では人口の配分がかなり昔と違つておりまして、全国的に住宅難があるわけですから、全体のわくがふえるに従つて、これをできるだけ大都市に偏重にならぬように、地方的のわくの決め方も全体のわく伴つて、また実際の数字の上ではだんだんに変化して行く余地があるのじやないか。こういうふうに考えております。
  13. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 ただいまの点は了承いたしました。次にこの前の御説明——これも未確定でありますから、その未確定を前提としてお尋ねします。大体貸付額の比率が七十%くらいなお話で、自己負担が大体三割ということでありますが、それを今度の法律で定められる場合に、一定して率を定められるものかどうかという点であります。今住宅が非常に不足して困つておるということは説明を要しないのでありますが、その中にいわゆる勤労者方々が、少しずつでも返済をする長期資金があれば、自分の家として建てたい。だれでも自分の家ということになりますと、非常に大切にいたしますし、住宅政策上きわめていいと思うのであります。しかし多くの負担を一時にするということは、現在の月給取りではなかなかできない。そこで一律に三割なら三割ときめられているということになると、必ずしも具体的には適切ではない場合があるのじやないかと考えますので、償還に対しては非常に熱意を持つておるけれども自分負担金が多ければそれだけ償還ができないので、せつかくのこういういい社会政策的な方法も、活用ができないという場合もあり得るのでございます。たとえばかりに十五坪の家を建てると、現在坪当たり一万五千円といたしましても、二十二万五千円になるわけでありますが、そのうち三十%負担するといたしましても、六万そこそこになる。それを現在の勤労者が六万円もただちに出せるかというと、そう簡単には出せない。出せない人でもきわめてまじめに償還したい。特に学校先生方というものは、そういうような気持の方がたくさんあると思うのであります。そこで私は、今度立案されておるかしれませんけれども、特に注文いたしたいのは、必ずしも三割負担というように一律でなくて、そこに多少の彈力性を持たして、実情に応じた貸出しをする。もちろんくれるわけではありませんから、償還を確実にすることは当然でありますけれども償還が確実であるならば必ずしも三割なら三割というふうに一定しない方が、この制度運用上きわめて適切ではないか。こういうふうに考えておりますので、現在立案中の考え方を一応聞かしていただきたいと思います。
  14. 伊東五郎

    伊東政府委員 お話の通り、せつかくこういう制度をつくりましても、ほんとうに住宅に困り、資金的にも困つておる方、普通の金融の面から見ましたならば、危險でなかなか貸付ができないといつたような方々にも、これを及ぼして行くように考えなければ、意味をなさぬという点については、まつたく同感でございます。今お話のように、償還の確保ということとにらみ合せて行かなければなりませんが、できるだけお話のように、負担者の点もよく考えましてきめたいと思つております。貸付の率を七%と一応その辺を目標にしておるということを、この前も申し上げたのでありますが、これを一律にするか、あるいは事情によつて平均七十%としても、ある者には八十%、ある者には六十%というふうに、実情に応じて差をつけるということも考えられるわけでございます。できればそういつたような構想を含めてやりたいと思つております。一つの案といたしましては、十坪くらいのごく小さなものでも建てたいという場合には、八十%程度まで貸す。十五坪程度になれば少しは負担力あるものと見て、その場合には六十%しか貸さぬということも考えられると思います。よくこの点につきましては、償還の問題などと合せて、もう少し研究してみたいと思います。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員 ただいまの御答弁に続いてちよつとお尋ねしたい点があるのです。公庫保証融資の問題のお話がありましたが、これは半額公庫から借りた、その半額についての融資という場合があり得るのでありますか。あるいはそうでなしに、公庫ではもう金を貸さないが、保証をしてやるから他へ行つて半額なり、全額なりを借りろという場合の保証に限られておりますか。この保証方法構想がありますれば承りたい。
  16. 伊東五郎

    伊東政府委員 この保証融資の場合は、現在の金融事情から申しますと、なかなか個人が保証を受けて銀行から借りるというようなケースは非常に少いと思います。大体産業会社労務者住宅をつくる場合などが、予想されるのではないかと思います。そういう場合に、二分の一は直接貸付する、あとの二分の一は保証する、こういつたようなこともたしかに一つ方法だと思います。現在そこまでは研究しておりませんので、実施の場合にそういう点も考慮してやるかどうか。これはむしろこの委員会あたりの御意見を十分伺いたいと思つておるような次第であります。
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員 大体わかりましたが、労務者住宅等で百万とか、二百万とか、相当資金がいる場合に、半額を国庫で貸す、残り半額について保証公庫がするというようなお答えでありますが、むろん保証でありますから、損失があつたときは政府負担するという一つのまた別途の国の債務をそこに規定するわけでありますが、そういうようなことをもこの金融公庫法案に加えるという御方針なのでありますか。
  18. 伊東五郎

    伊東政府委員 これはむろん公社負担になります。保証しまして、現実に金を出すということになると、公社負担になります。これは全額政府の出資によるものでありますから、結局は政府負担になるわけでありますが、これは法律できめていただかなければどうにもならぬことですから、公社法にその保証できるということを入れたいと思います。
  19. 内海安吉

    内海委員長代理 ほかに御質問はありませんか。
  20. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 時間があるようですから質問します。貸出しはどこでどうするかということが問題になつておるわけですが、各銀行を利用するかどうかというお話が先ほどありましたが、もちろん新たに公社をつくり、厖大な機構をつくつてやるということは、現在の国情上、私ども考え方からいたしましても絶対反対でありまして、ほかの何かの機関を利用するということは当然やらなければ、また実際の用に供することができない。そこで銀行を利用するという案も出て来ると思うのでありますが、銀行の方で実際運用がうまく行けばけつこうでありますけれども、これはひとつの杞憂にすぎないかもしれませんけれども銀行を利用すると、せつかくのいわゆる社会政策的なる面を出すところの、小規模でありますけれども有意義な事業が、あたかも銀行の恩典に浴するような感覚を利用者に與えるということは、あまり好ましいことではない。銀行から金を借り家を建てるというような気持を起こさすことは、政府せつかく気持にも沿わないというようにも考えるわけであります。あるいは県を利用する。利用するといつては怒られますが、県の協力を願うという方向も考えられるわけでありますが、さて金融でありますので、そこもきわめて困難だという部面もあると思います。現在考えておられる、あるいは内定しておる方針がありましたら、それを一応聞かしていただきたいと思います。
  21. 伊東五郎

    伊東政府委員 この住宅資金の貸出しは、住宅政策、社会政策的な意味が非常に強いのでありまして、実際の貸付のやり方が、銀行を利用するということになつた場合に、非常に金融政策的な色彩が強くなりはせぬか。この点はわれわれ建設省としても非常に注意を拂つておる点でございます。これは大蔵省の方にもお考えがございまして、いろいろ折衝はしております。いずれ銀行局長あたり見えて、大蔵省考えお話があると思いますが、今までの折衝経過ちよつと申し上げますと、今度大蔵省不動産証券会社法とでもいうような不動産金融機関根拠法をつくられるように聞いております。この不動産証券会社法をつくりましても、なかなか証券の発行、消化ということは非常に困難であります。それで不動産銀行をつくりまして、そうしてそこが証券を発行するそしてその証券は五十億の資金でそれを引き受ける、こういう構想もあつたわけであります。しかしこれはまつた不動産金融政策ということになりまして、住宅政策から言いますと、大体、的がはずれて来る。このことはただいままでの折衝では、そういう方法はとらないということに大体話がついております。それで金融公社が貸し付ける。そうして窓口はどうするか。これは大体銀行になると思います。これは不動産銀行に限らず、どういう銀行でもけつこうなので、独占的に一つ銀行にこの事務を何部扱わせるという方針はとらないつもりでおります。それから銀行にこの実際の事務を委託する場合に、ほんの信用の調査とか、それから償還取立て、そういつたような事務的なものだけをまかすか。あるいは銀行貸付決定、貸すか貸さぬかという決定権限まで全部まかすか。これは一つの問題でありまして、また根本的なこの資金性格にも関係する問題でありますので、これらにつきましてもいろいろお話合いしたわけでありますが、われわれの考えといたしましては、銀行調査をする、相当の手数料をもらつて銀行調査をする。同時に金の取立てもやる。そういう性格のものにして決定権限というものはやはり公社なり、あるいは国、あるいは国の委任を受けた都道府県、市、そういつたような線で進むのがいいのじやないか、そういうふうに考えております。今お話の点はなるべくその趣旨を入れて立案いたしたい。そういうふうに思つております。
  22. 内海安吉

    内海委員長代理 住宅局長に対する御質問は、この程度で打切りまして、ちようどただいま大蔵省銀行局長がお見えになりましたので、住宅金融の面について、各委員の方に御質問でもありましたら御質問を願いますが、その前に愛知銀行局長住宅金融問題に関して何か御意見がございますか。特に不動産金融会社に……。
  23. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいままで建設省の方からいろいろ御説明があつたことと思いますので、あるいは重複するかと思うのでありますが、大蔵省銀行局として考えておりましたこと、並びにその後の関係方面との折衝経過につきまして、最初に御説明いたしたいと思います。  まず住宅金融の当面の問題でございますが、住宅金融につきまして御承知財政支出五十億ということは、確定いたしておるのでございまして、その使用方法をどうするかということにつきましては、大蔵省といたしましても、従来いろいろと具体案練つてつたわけでございます。ところがこれとは別個の問題といたしまして、御承知のごとく長期中期の一般的の設備資金、この中には場合によれば財団抵当のものもございましようし、船舶関係のものもございましようし、その他いろいろの種類の長期の物的な設備を新設したり、補修したりいたしますための資金調達機関が、興業銀行だけではとうてい十分な活動ができないというので、農林中金の拡大強化、商工中金の改組ということを考えておりまして、具体的に着々計画は進んでおるわけでございます。しかしそれでもまだ不十分でありますので、現在の日本経済の実態に即しまして、不動産担保になる金融の道が、現在ではほとんど杜絶いたしておるわけでございます。これは主として勧業銀行が普通の銀行に変貌いたしたところから基因するものでございますが、さらにさかのぼれば、農工銀行というものが勧銀に合体され、しかもその勧銀がなくなつたという沿革にも基くものでございまして、大蔵省といたしましては、何とかして不動産担保にする長、中期設備資金供給機関をぜひとも考えたいということで、鋭意案を練つてつたわけでございます。ところがその案を考えるにつきましては、従来たとえば勧業銀行の場合でも、農工銀行の場合でも、何らかの意味でそういう機関には財政上の庇護があつて初めて考えられたわけでございまして、いわゆる特殊銀行として発達した経緯も、そういうところにあつたわけでございます。ところが財政金融の分離といういわゆるドつジ方式によりますと、さような機関をつくる場合に、財政上の援助ということがなかなか得にくいということで、この案が相当な行き詰まりをみておるようなわけでございます。ところがそこに五十億の住宅金融のための資金ができたというところで、この五十億の金と不動産金融機関とを結びつけた考え方考えようじやないかという案が、一部に有力に台頭して参りました。たとえば不動産銀行をつくりまして、日本銀行が、債券を発行するその債券を、住宅金融のための資金で引受けをする。そして不動産銀行から住宅建築のための金を供給すればいいではないか、一口に申しますればこういう意見が一時非常に有力に出て参つたわけでございます。そのことは当時新聞記事頭にも若干出ておつたような次第でございます。ところがこの案はある意味では利益があるようでございますし、また大局的にそういう考え方ができないわけではございませんが、せつかく住宅資金のために五十億を政府支出をするのに、それを不動産銀行という別個の問題のために、目的は多少通ずるところがあるにいたしましても、利用されて、世俗の言葉で申しますれば、とんびに油揚をさらわれるような感じをこの住宅資金の方に抱かせるということは、本意ではないことは当然でございますので、そういう観点からいろいろと今日まで折衝を続けて参つたわけでございます。ところがちようど一昨日二十九日に関係方面財政金融関係連合会議に、大蔵省側も招集されまして、そこで次のような結論が一応中間的に出て参つておるのでございます。私どもの途中の経過において心配しておりましたことが、大体拂拭されまして、建設省当局におかれましても、また私どもが当初に大蔵省考えた線から申しましても、大体こういう線ならばのみ込み得るのではなかろうかという結果に、中間的になつたわけでございます。  その要旨をかいつまんで申し上げますと、一つは五十億円の資金政府資金であるという性格を明瞭にすること、従つてその資金運用は、政府自体が責任を持つてコントロールすべきである、従つて住宅金融のために他の金融機関債券を発行するような場合に、それをこの資金で引受けるという方式はとれないということがはつきり確認されたわけでございます。  それから二番目は、そういうことになりましたので、従つて政府が今度は実際問題として直接に一件ずつの貸付までも直接貸しにするか、あるいは代理機関、経由機関として金融機関その他を使うかどうかという方法政府がきめるべきである。そしてまた、かりに金融機関その他を使う場合でありましても、それらの機関は單にその事務政府にかわつて代行するのであつて、決して最終的な帰属点になるのではない。また融資をするにあたつて銀行政府に対して事実を調査したり、資料を提供することは政府の要請によつてやるべきであるけれども、一件ずつの融資の可否について意見を述べたり、これを決定する権限もなければ、そうさせてはいけない。それは政府みずからがこれを決定すべきである。こういうことが第二点として確認されたわけでございます。従いまして先ほど経過で申し上げましたように銀行の手を経て銀行の恣意によつて融資が行われたり行われなかつたりすることをやる。あるいは銀行資金繰りの関係で、政府が意図するようなところに金が出ないという心配は、これによつて拂拭されたわけでございます。この点は私どもとしても、結果として非常によかつたと思つておる点でございます。  次に申し上げますことはやや事務的なことになるのでございますが、第三の問題として融資を受けようとするものは、融資申込みの窓口が、たとえば銀行が指定される場合には、そこに政府の定める調査手数料を支拂う。その手数料はしかしながらきわめて合理的なものでなければならない。それから一方政府に直接に融資の申込みが参つた場合には、適当の機関政府調査を委託することは考えていいのではなかろうか。こういう意見でございました。その調査等を委託する場所をどういうところにするかということについては、先ほども申し上げましたように、これは政府の責任でやるべきことであるから、ある種の機関だけを特定いたしまして、そこに調査を委託するということでなくして、同種のものがあつた場合には、一様に機会均等にそういう機関を使うべきである、こういうのでございます。それからこの調査手数料は何ほどにするかということは、これは話がまだきまつておりませんけれども、私どもの希望としては、これはできるだけ少額で、いくら多くとも融資額の一%を越えない程度のものにいたすべきであると考えております。もしそれ以上に実際の手数料が必要であるならば、それはこの政府資金の方が見るべきであつて融資を受けるものの方の負担にしない方が、融資上便宜であろうかと考えております。  それから第四には、貸付の利率は年五分五厘とするこれは政府において融資すべきものであると決定された場合には、一律に貸付の利率は年五分五厘にするのが適当であろうということでございます。これにはその他期限等の細目をいろいろと検討しなければならぬ点はまだ残つておりますが、一番の問題は利率であろうと考えます。貸付の利率は年五分五厘、これに先ほど若干の調査手数料というものを徴収されるかもしれませんが、これはいくら高くても一部ということにいたしますれば、六分五厘以内で借入れができることになるだろうと思うのであります。それから融資をいたした後の管理回収の事務は、政府が直接にやるべき性質のものであるが、なかなかそれだけの手足がなく、また役人がこれをやることはかえつて経費倒れになるというようなおそれもあるけれども、これまた融資に際して、経由機関を使いました場合には、その経由機関に別勘定をはつきり設けまして、固有の業務のほかに明瞭に区分いたしまして扱わさせる。それに対して費用がかかれば政府から管理手数料、回収手数料というものを支拂う、こういう次第でございます。  最後に、政府の機構、住宅公社といつたようなものも、どの程度の規模にするか。その人員をどのぐらいの人数が適当であるか。また支社をどの程度に設ける必要があるかというようなことにつきましては、別途建設省大蔵省の主計局との間の相談に移そう。これが大体一昨日の午後の連合会議に私どもが最後的に招集され、そうしてそれ以前にいろいろ折衝しておりました私ども意見相当取入れられまして、中間的にこういう結論ができたわけであります。これを元にいたしまして、住宅金融の方の具体的な問題をどんどん処理して参りたい、こういうふうに考えております。従つて本案がこういうことになりますれば、伝えられておりまするような不動産銀行というようなものとは別個に、独立の線で発足できることになると思うのでありまして、将来不動産銀行というようなものができました場合に、それをこの経由機関に使うかどうかということは、そのときに考えられることはあるかと思うのであります。くどいようでございますが、先ほど申し上げましたような不動産銀行住宅金融二つ一体のものとして考えるという考え方は、これによつて終束がつけられた、こういうふうに考えておるわけでございます。  大体従来の経緯、一昨日のところは以上申し上げたとおりでございます。
  24. 内海安吉

    内海委員長代理 ただいまお聞きの通り、愛知銀行局長より、一昨日の関係庁の連合会議において、住宅に対する基本方針決定した報告がありましたが、これに対しまして御質問等ありましたならば、ちようどいい機会でもありますから、どうぞ……。
  25. 村瀬宣親

    村瀬委員 住宅局長にはすでに伺つたところでありますが、なお銀行局長にお伺いすればはつきりすると思うので、もう一度お伺いいたします。この住宅金融公社と仮称いたしますが、これができまする場合には、保証事務もやらそうというような腹案があると伺いました。この点につきまして今どういうふうになつておりますか。
  26. 愛知揆一

    愛知政府委員 いずれこれは法案の形でご審議願うことになると思いますが、法律案の上では保証ができるようにということを考えたいと思つております。
  27. 村瀬宣親

    村瀬委員 その内容はもう少し詳しくわかりませんか。たとえばどの金額までとか、あるいは個人にはだめだとか、労務者住宅等百万円以上のものには半額保証するとか、そういう腹案がありましたらお聞かせ願いたい。
  28. 愛知揆一

    愛知政府委員 先ほど申し上げましたように、その根本論ですつたもんだやつておりましたために、今お話のように労務者住宅の場合にはどうするとか、その金額の制限はどうするというような具体的なところまでは、まだ考えておりません。ただ一つ申し加えておきたいと思いまするのは、今度の住宅金融公社の場合におきましては、若干でも金のある人が、しかしながら相当部分の金は自分ではできないというところに融資をしたいという考え方が基礎であるかと思いまするので、従つて保証よりはどちらかといえば、直接融資の方に重点を置く考え方ではないかと考えております。ただそれらの点になりますと、これはむしろ住宅局長の方の住宅政策としてのお考えによるのでありまして、私の方でそれに対して御協力申し上げる立場にあるかと思いまするので、保証につきましても、建前としては何ら異存はございませんし、また先ほど申し上げましたように、公社としてはさような業務ができるようには法律案の上でいたすつもりで、今原案ができております。なお御意見によりまして、具体的にそういうご希望が逹成できるように考えて参りたいと思つております。
  29. 村瀬宣親

    村瀬委員 それから償還期間は今御研究中のように承りましたが、これは建設省の方では百箇月前後というような案もあるようでありますが、大蔵省の方ではどの程度ですが、伺いたい。
  30. 愛知揆一

    愛知政府委員 わたしの方では建設省の今のような案でけつこうだと思いますが、これもまた一つつけ加えて申し上げておきたいと思いますのは——あまりはつきり申すことはいかがかと思いますが、私ども考え方としては、この住宅公社の五十億というのは、融資ではありますけれども、何と申しますか、普通の融資とは相当性質の違つた政府の特別の措置というふうに私ども考えるべきじやないかと思いますので、償還の期限、それからたとえば先ほど申しました利率などにつきましても、一般の金利の現状から見れば、非常に安いわけでありますから、期限、利率その他、かなりゆとりのある考え方で、大蔵省といたしましても、決して、いわゆる金貸的な気持でこの公社の仕事をやるということについては考えておりませんわけで、相当ゆとりのあるような気持で、ちようどこれこそ財政金融の間を行くような考え方で参りたいと思いますから、償還の期限等につきましても、借りられる人の便宜ということを中心にして考えたいと思つております。
  31. 村瀬宣親

    村瀬委員 大体御答弁を伺いまして、大蔵省の方も建設省意見を尊重して立案されるというような御方針のようでありますから、非常に安心をいたしたのでありまするが、先ほどからの御説明にもありました通り、これはいわゆる金融政策という面でなしに、まつた住宅行政、社会保障というような部面にまで一つの思想がまじつておると思うのでありまして、その点はぜひ住宅局の立案を主にしていただきたいと思うのであります。  そこで今一昨日きまつたというお話を伺いましても、大体はつきりいたしたのでありますけれども、貸出しの窓口の問題であります。これが一般国民には直接のつながりのある所でありますので、ここで勝手にはねられたり、いろいろ冷淡な扱いを受けますと、せつかく計画も何もならぬのであります。今お話によりますと、これはあくまでも調査その他の資料の提供にとどまるのであつて、最後の決定政府でやるか、あるいは政府の委託によつた復金のようなものがやるということになりまして、これもそうなければならぬと思うのでありますが、その場合にその窓口に銀行を利用されますか、何を利用されますかは別といたしまして、窓口で勝手にはねてしまうということがなくなつたことは安心なのでありますが、そうかと言つてそこで無制限に、何らの責任がないからと言つて、これもよしあれもよしということになつて来ますと、かえつてほうとうに借りねばならない人が借りられないというような結果も見るのでありまして、この窓口の手数料主義によるその関係と、それから実際の場合において百箇月になりまするならば、あるいは途中で貸倒ということも考えられるのでありますが、国が責任を負う窓口と、最後の保証責任との関係について、大蔵省はどの程度考えになつておりますか。
  32. 愛知揆一

    愛知政府委員 窓口は、私も実は先ほど申し上げましたように、政府の金である、政府の責任であるという以上は、むしろ政府機関が直接に受付けた方がいいのじやなかろうかというふうにも考えますが、一方関係方面では、そういうことになると公社の開設、それから支所の設置等に非常に莫大な経費を要するのではなかろうかというようなことも心配しておりますし、実は一昨日の話合いのときにも、御承知のように大蔵省には、財務部支部というのが、県庁所在地にはできておりますので、むしろそれを利用したらばどうかということも、ある関係の人は言つておるわけなのであります。ところが今度大蔵省の立場からいたしますと、財務部なり支部ではそれだけの能力もございませんので、そう言われるとかえつてこちらはありがた迷惑というようなこともございますので、まだその点は建設省の方とも十分お打合せが済んでおらないのでありますが、ただいまご指摘のありましたように、銀行だけにまかせるということになりますと、どうしても本来の仕事の方がかわいいですから、政府から委託を受けたこういうものについて、冷淡な扱いをしないとも限らないと思いますので、その点については府県庁の御協力を得るとか、政府的な機関を利用するということについて、何とかひとつ至急に具体案を立ててみたいと考えております。  それからもう一つの問題の住宅政策との関係でありますが、私どもといたしましても、本件はあくまでも住宅政策として考えるべきものであつて金融行政の立場というものは、全然考えるべきではない。ただ金融行政としては、現在ある施設その他において御協力ができることは、受けて立つという考え方でおるわけでありますので、その点はどうぞ御安心を願いたいと思います。  それからいま一つはおそらくは見返り資金等の関係で、この資金がさらにある程度増加すのではなかろうかということも看取される情勢であります。そうなればますますもつて扱い方等については、ほんとうに政府の責任でしつかり扱うということにならなければならぬと思います。
  33. 内海安吉

    内海委員長代理 先刻申入れました別府国際観光文化都市建設法案に対する連合審査会開催の件につきまして折衝中でありますが、日時、場所等につきましては、決定次第お知らせいたすことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時三分散会