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1949-11-24 第6回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十四日(木曜日)     午後一時四十六分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君    理事 田中 角榮君 理事 内藤  隆君    理事 上林與市郎君 理事 池田 峯雄君    理事 天野  久君 理事 笹森 順造君       押谷 富三君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    飛嶋  繁君       西村 英一君    三池  信君       宮原幸三郎君    八百板 正君       畠山 重勇君    増田 連也君       高田 富之君    寺崎  覺君       松谷天光光君  出席国務大臣         建 設 大 臣 益谷 秀次君  出席政府委員         建設事務官         (住宅局長)  伊東 五郎君  委員外出席者         建設事務官   町田  稔君         建設事務官   中田 政美君         総合国土開発審         議会委員    飯沼 一省君         総合国土開発審         議会事務局長  西野大愛一君         専  門  員 西畑 正倫君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  建設行政に関する件  国土開発問題に関する件  陳情書審査に関する件     ―――――――――――――
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。
  3. 田中角榮

    田中(角)委員 動議を提出いたします。本日の日程を建設行政に関する件に交更せられんことを望みます。
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの田中君の動議に御異議ありませんか。     〔「異母なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なければさように決します。  それでは建設行政一般に関する件として議題に付します。
  6. 高田富之

    高田(富)委員 建設行政の全般にわたる問題でありますが、大臣にお尋ね申し上げたいと思います。これは建設省外郭団体に関する問題であります。いろいろの外郭団体建設省には相当たくさんあるように聞いておりますが、その一つ建設行政協会と称するものがあることは御承知通りであります。この建設行政協会なるものはどういう目的で設立されたものであり、どういうふうな仕事を今日までやつて来ておるか。そうしてこの方の責任者官庁としての監督者は主としてどなたが当つておられるか、この点について概要御説明をまず願つておきたいと思います。
  7. 益谷秀次

    益谷国務大臣 ただいまお尋ねの建設行政協会は、主として建設省関係機関地方庁土木部等に勤務する主として事務系統職員、これを会員といたしまして、さらに建設行政関心を有する識者等会員となつて建設行政研究並びに会員相互の親睦を目的とする団体であります。建設当局といたしましては、別段これを監督いたす権限も何もございません。まつたく私的の協会であります。そうして聞きますと、この協会会長は現在建設省管理局長である中田君が会長となつておるそうであります。法的には建設省とは別に何もつながりはございません。
  8. 高田富之

    高田(富)委員 ただいまの御答弁の中に、建設行政識者も入つておるということでございますが、ここでお伺いしたいことは、その識者というのは、現在おもな人はどういう人が入つておるか。官庁関係地方土木部その他で入つておりますのは、自由意思で入つておるものでありますか、それともほとんど全員が入つておるものでありますか。
  9. 益谷秀次

    益谷国務大臣 建設行政関心を有する識者、この会員は私は存じません。なお建設省関係機関地方庁土木部等に勤務する全員会員として加入いたしておりまするかどうか承知いたしておりません。
  10. 高田富之

    高田(富)委員 そういうこまかい点については、会長である管理局長にお伺いしたいのですが、全然私的なものであつて関係ないということではありまするが、現職管理部長会員をしておる。また事務局長守屋さんという方であります。いずれにいたしましても表裏一体関係にあるこの行政協会仕事に、今まで本省から何らかの経費を支出したことはありますか。
  11. 益谷秀次

    益谷国務大臣 建設省関係機関からも会員がでております。従つて全然無関心とは申し上げませんが、私的の協会でありまするので、法的のつながりはないということを申し上げたのであります。従つて建設大臣といたして直接指揮監督する権限も法的にはございません。なお建設省からこの協会に対して金を出したことがあるかないかということであります。これはございません。
  12. 高田富之

    高田(富)委員 経費を出したことはないというお話でありますが、この会の事業にあたりまして、経常費的には出していないかもしれませんが、事業にあたりましてはいろいろその都度出しておるというふうにわれわれは承知しておるのですが、その点も大臣御存じないのですか。
  13. 益谷秀次

    益谷国務大臣 私よく承知いたしておりません。
  14. 高田富之

    高田(富)委員 それではなおそういう点は会長にお伺いしたいと思いますが、大臣御存じであるかないかはわかりませんが、ここで重大なことがあるのです。こういうふうな外郭団体表裏一体関係でできまして、現職相当の高官の方が責任を持つて会長事務局長をやつておられる。この事業内容は、ただいま目的につきましては行政研究ということでありますけれども、行政研究といいましても非常に漠たるものでありまして、どういうことを実際やつているかということは、相当大臣としても関心を持つて注意していただきたいと思います。われわれが入手いたしました資料によりますと、この会は全国方々へ行きまして、講習会のようなものを相当たびたびやつておるそうであります。しかもその経費が、常識では考えられないほど非常に莫大な経費をかけておるのであります。特に地方へ行きまして、地方庁土木部あたりでは、かなり大きな負担になつておるようであります。なお本省からもそういう講習会については、相当程度の金を支出しておるようであります。こういうふうなことで、これに民間の識者なども入つておるということになりますと、やはり官庁行政相当疑惑の目をもつて見るということもあり得るわけであります。特に講習会でたびたび呼んでいる講師の中に、鍋山氏あるいは佐野氏が入つているということも聞いております。こういうふうなことは、現在人事院の規則などもありまして、特に非常に神経質に政治的な問題については考えている政府が、こういうふうな団体がやつている活動について、無関心であるということはどうも合点がいかない点がありますが、この点について大臣知つておりましたら御返答願いたいと思う。
  15. 益谷秀次

    益谷国務大臣 この協会講習会等を開催いたしておるということは仄聞いたしております。しかしながらどういう人が講師に参りまするか、いかなる土地でどれだけくらいの回数、いかなる程度の費用でやつておるかということは、私はつまびらかにいたしておりません。
  16. 高田富之

    高田(富)委員 この会ができますときの状況等については、会長でないとわからないかもしれませんが、われわれちよつと常識的に考えてみましても、行政協会というような名のつく会をつくるということが、そもそも非常におかしい。技術的の方からは、特に研究ということもごさいましようが、行政というようなことでつくりますと、各官庁同じような必要性があつてみなできるはずのものでありますが、特にここで技術的なことが非常に重んぜられる建設省において、行政を名としましたそういう団体ができる。できる経過の中にも、おそらく相当これは特殊な理由がひそんでいるに相違ないということを、われわれは推測するにかたくありません。聞くところによりますと、民主自由党大橋武夫君なども、相当この設立には骨を折られたそうでありますが、大橋君なども必要あればあとでおいでくださつて、いろいろ実情お話しくだされば一層明らかになるのではないかと思います。  なお現在事務局長をやつておる守屋秋太郎氏は、現在官房渉外課に栄転されておるそうでありますが、この守屋氏が建設省関係するようになりましたのは、原田東平という方が推薦したそうであります。原田東平という方は、相当前にある種の事件で拘束されておつたというようなことも聞いておるのであります。ちよつと脇道にそれるかもしれませんが、原田という人は長い間拘禁されておつて最近やめられたそうです。これは相当犯罪の事実もあるのでありますから、こういうことであれば当然免職処分くらいにはなつておるべきはずだと思うのでありますが、免職処分にもならずにずつと長い間休職になつてつて最近やめたということは、非常にこれも不明朗な感がいたします。この点どういう理由でそういうことになつていたのか、ちよつと御説明願いたいと思います。
  17. 益谷秀次

    益谷国務大臣 私は存じません。よく調べまして、知つておる係の者から説明をいたさせます。私は存じておりません。原田という人は全然知りません。
  18. 高田富之

    高田(富)委員 大臣でなくても、政府委員の方で原田という人を御存じの方は、そこには見えませんでしようか。
  19. 町田稔

    町田説明員 原田東平事務官は、今お話のございましたように、建設院ができました当時に、建設院土地局庶務課長として任命をされたのでございますが、今お話のございましたように、戰時中愛知県に勤務いたしておりましたその際、たしか特殊物件の処理に関することと関連しておつたと思うのでありますが、事件関連があるという嫌疑を受けまして、勾引され起訴をされたのであります。起訴と同時に休職となりまして現在休職中でございます。
  20. 高田富之

    高田(富)委員 全然関係がないから、監督したり何かする権限もないというふうに大臣は言うのでありますが、ただいままで申し上げましたように、この会長事務局長現職官吏であります。しかも経費は主として地方土木部行つてこれを食つておるというような団体でありますから、これはどうしても官庁明朗化綱紀粛正の建前から言いましても、この行政協会内容大臣十分責任を持つて調べられる必要があると思うのです。もし私が今申し上げましたように、これが不当にたくさんの経費をかけ、しかも地方庁相当負担を負わしておる。また中央からの講師謝礼等も、相当程度出させておる。しかもやることは、あちらこちらまわつて歩きまして、相当たくさん酒を飮んだり何かしておる。ことに特定の政治思想を持つてそれを宣伝し。あるいは実行する、そういうことを職業とした有名な佐野鍋山というような人物が、特に関係深く講師として行つておるというようなことが明瞭であるとすれば、私はこれに対して適当な手段を講じ、できればこういうことは不必要と考えますから、協会のようなものは解散させるべきであると考えますが、大臣のお考えはいかがでありましようか。
  21. 益谷秀次

    益谷国務大臣 解散の権限はございませんが、公務員である建設省職員団体に加わつておるのでありますから、公務員としての職務遂行に妨げがありますとか、あるいは穏やかならぬ行動がありまするならば、その一点から私は十分に監督いたし是正いたす。もしくはその役員等をやめてもらうというように、場合によつては処置をとることはできると存じております。ただ協会を解散するという権限は私にはございません。
  22. 高田富之

    高田(富)委員 御参考までにし申上げておきますが、ある一つの場合の例ですけれども、本年一月に京都におきまして講習会がありました。その講習会にも今言いましたような講師を四名呼んだそうでありますが、その講習会でわずか四日の間に京都府庁から出ました金が莫大で、ただ四人の講師の四日間の接待費だけで十七万円くらい出ておるわけでありまして、この団体経理内容相当疑惑の目をもつて見られております。でありますからこれを明瞭にするのはもちろん当面非常に必要なのであります。こういうことはおそらく他の場合にも相当見られるだろうと推定されております。この点についてはなお管理局長に対する質問を留保しておきますが、今まで申し上げた範囲におきましても、大臣としてひとつ十分ここでお調べを願いたいということを申し上げておきたいのであります。
  23. 池田峯雄

    池田(峯)委員 ただいまの高田委員の発言は非常に重要であると思います。大臣も言われるように私的な団体佐野鍋山というような特殊な人間講師として呼ぶような団体で、公務員が職場を離脱して、地方土木官吏にある一定の政治教育を施すというようなことは、これははなはだけしからぬ問題であると思います。一方において建設省では、共産党員あるいは労働組合役員等を大量馘首しております。この定員法実施にあたつて大臣質問いたしますが、相当多数の人員整理しておりますけれども、大部分はそれらを馘首いたしますとその後業務にさしつかえるというので、大部分馘首した人たちを今度は人夫意味——昔からはかま人夫というようなものがありましたが、人夫名義で現場に雇い入れておきまして、実際に工事費からそういう人たちの賃金を支拂わせております。これは定員法がまつた実情を無視したものであつて、もし定員法をそのまま実行いたしますと、ただちに事業にさしつかえるというような矛盾した、実情に反した無暴きわまる馘首政策であつたということを如実に表現しておるものと思います。そうして実際に定員法で首切られた者は、労働組合員であり共産党員であつた。こういう定員法実施方法である。われわれはこういうふうに地方調査して実情をつかんでいるのでありますが、これに対して大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  24. 益谷秀次

    益谷国務大臣 池田委員も御承知通り地方建設局においてはこれまでもいわゆるはかま人夫という人夫を採用して使つております。ただ日雇い人夫でありまして、相当数量の者がおります。これは従来から使つておるのでありまして、整理をせられた者を救済するという意味で、冗員を使つておる筋合いのものではございません。なお共産党員とか組合幹部というようなお話がありましたが、建設省としての今回の整理方針は、共産党員だから、組合幹部だからというゆえをもつて整理はいたしておりません。公務員としての適性を欠くという認定をいたした者が、たまたま共産党員であつた、あるいは組合幹部であつたという結果から、さようになつておるのでありまして、党員だから、もしくは組合幹部だから馘首いたした、あるいは整理をいたしたということは毛頭ございません。
  25. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そうしますと、大臣としては馘首した人たちを再び人夫名義で雇い入れてあるという事実はお認めになつているわけですね。その点をお伺いいたします。
  26. 益谷秀次

    益谷国務大臣 被整理者の中には重ねて日雇い人夫として雇入れた者もあります。
  27. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そうしますと、結局定員法による馘首は、実情にそぐわない。経費を節減するという意味馘首するならば、人夫意味で雇い入れるということも矛盾するはずである。経費もちつとも節減されぬ。一方において節減しても、また人夫として採用するのでは経費の節減という意味では何にも役に立たぬわけでありますから、結局そういう人夫名義で雇い入れて、採用せずに首切りつぱなしにしておくのは、労働組合幹部であり共産党員である、こういう結論になると思いますが、いかがでありますか。
  28. 益谷秀次

    益谷国務大臣 むりな整理をいたしたために日雇い人夫を使つておる筋合いじやございません。御承知通り地方建設局は、仕事量等を見ても第一線仕事をするのであります。その仕事の量によつて日雇い人夫を採用いたすのであります。また共産党員組合幹部のみが日雇い人夫にも採用せられないという結論になるとの仰せですが、このゆえをもつて一律に人夫として使わないという筋合いじやない。それは定員法整理の場合について申し上げたと同じことでございます。
  29. 池田峯雄

    池田(峯)委員 人夫と申しますと、土方をやつておると一応考えられますが、土方ではなくて、先ほどから言つておりますように、はかま人夫なんです。事務をやつておる。今まで事務をやつて人間首切つてはかま人夫として事務をやらしておるという事実こそ、定員法がいかに無暴きわまるものであるか、無計画きわまるものであるかということを第一に証明しておるのではないか。真にこれがいらぬものだつたら、そつくりそのまま整理して、はかま人夫だろうが何だろうが、名義のいかんを問わず、雇い入れない方がほんとうじやないか。それを雇い入れておるという事実そのものは、定員法そのものに大きな欠陥がある証拠ではないか、こういうように私は言つておるのであります。その点いかがでございましようか。
  30. 益谷秀次

    益谷国務大臣 先ほどお答え申し上げた通りであります。
  31. 池田峯雄

    池田(峯)委員 問答無用のようですから、それはまた後日お答えを得たいと思います。  それではもう一点御質問したいと思いますが、現在信濃川工事事務所人員が足りなくて、予算が使い切れない、こういう事実がある点であるそうであるが、これはいかがでございましようか。
  32. 益谷秀次

    益谷国務大臣 信濃川工事が、人手が足りないために、金が余つて困る、そういう報告は私、受けておりません。現地へ直接監察委員が参つておりますから、十分調べてお答えいたします。
  33. 高田富之

    高田(富)委員 関連質問——ただいまの質問の点でありますが、こういうことなんです。今度の定員法によりまして整理されました人は三千二百七十七名、ところがその中で二千人からの人が新たに日雇い人夫にされておる。今まででもこういう形式はあつたらしい。しかし日雇いでも何でもないものを日雇い人夫にしております。現在約四千人に人夫名義で、工事費の中から給料を拂つておる。こういうような非常によくないやり方になつてつておるわけです。ところが何千人という人を首切つて、また何千人という人を人夫名義で雇うということになると、雇つたからいいじやないかと言うが、身分も不安定になりますし、收入も二割方減つております。そういう第一線仕事に従事しておる職員諸君が、非常に能率を上げる点においてもゆゆしい問題だと思います。これは一種ごまかしみたいなことでありますから、それならいつそのこと、はつきりと定員を増加して、必要人員に、やはり正当な官吏として、職員としてその事務に精進してもらうことがどうしても必要だと思うのです。今も池田君が言いましたように、首切つてそれをほとんど全部何千人という人を人夫名礎に直したつて、結局最後に残つたものはすべて労働組合幹部級で、これが追放されたという結果になるわけです。これはひとつ大臣責任を持つて定員の増加をして、人夫でも何でもないものを人夫名義にして、工事費中から給料を拂うということは、すぐ打切つてもらいたいと思います。その点について責任ある御回答をお願いしたいと思います。
  34. 益谷秀次

    益谷国務大臣 仕事の分量によつて予算関係等を勘案いたしまして、どうしてもただいまの定員では仕事をなめらかに遂行することができないという場合には、むろん定員法を改正いたし、定員を増加して参らなければなりません。その際にはどうか御審議を願うことを、あらかじめお願い申し上げておきます。
  35. 池田峯雄

    池田(峯)委員 もう一点なんですが、どうも大臣は知らぬ存ぜぬというので、関係者のおらないところでは質問するのに張合いがないのですが、大臣に御参考までに質問して、注意を喚起しておきたいと思います。この問題は大蔵省建設省会計課とに関係があるのでありますが、大蔵省から建設省の方へ旅費などをもらつて来るのに、相当わいろを出しておる、そういう事実がある。第一に建設省住宅局庶務課予算関係をやつておる濱本という事務官がおるそうであります。この濱本と、官房会計課長補佐ですか中島というのが、二十四年度の住宅予算を獲得すべく、主計局建設関係係官へ八月の二日現金二十八万円、これは前後十回にわたつて合計金二十八万円だそうですが、そのほかに毛布、酒、ウイスキー多数を贈つたという事実、この点今までいろいろそういう問題をあげましたが、追つて詳細は調べた上で報告いたしますということで、その追つてがさつぱり来ていないのであります。今度はこういう事実につきまして、責任ある御回答をお願いしたいと思うのであります。  第二に濱本事務官庶務課予算班長当時大蔵省に金を出す仲介者となつた者大蔵省主計局の第八課の及川事務官である。及川事務官というのは、その間に立つてこういう金の受渡しをやつた、こういう事実がある。この濱本事務官は二十三年七月から十二月に至る間に、六回にわたり、庶務課総務班より現金二十八万三千円を直接受取つておる。その次に住宅指導課井上事務官濱本に命令されて、課としての旅費をよけいに取り濱本に渡した。次に内藤住宅局指導課長がこれを知つて井上調査をいたすように要求したが、井上は現在休んでおるので、この調査が実現できておらぬ、こういう事実があります。大蔵省にこういうふうにして酒を持つてつたり、金を持つてつたり、毛布を持つてつたりしてもらつて来る。あるいは出張旅費は、これはほとんどから出張である。実際には出張していない。から出張の切符を出して、その現金は全部飮み食いであるとか、接待費であるとか、そういう方面に使つておる。こういう事実がある。現在ドツジ・ラインで予算が少いから、公共事業費なんかもやれない、災害復旧費も少ししかやれない、学校も建たないというようなことを言つておりますけれども、建設省高級官僚大蔵省と結託して、莫大な金を費消しておるというような事実がここにあるのであります。この点につきまして大臣は、部下監督の責と事務遂行上十分な調査をやられまして、本委員会責任のある御回答をお願いしたいと思うのであります。
  36. 益谷秀次

    益谷国務大臣 池田君に申し上げます。私は知らぬ存ぜぬなどということで逃げを張つておるのでは断じてございません。知らぬものは知らぬとはつまり申し上げるのが私の義務と心得、存じないことは存じない、知らないことは知らないとはつきりお答えをいたしております。従つて池田君におかれましても、ただいま実例をお述べになつた建設省事務当局が、あるいは公務員が、大蔵省のお役人に賄賂をやつたということでありますが、これは私は監督者立場から十分に調査をいたします。いたしまするが、あなたも十分な根拠のあることとは存じまするが、いやしくも公務員の一身上に重大なる関係のある事項でありますから、責任を持つて十分に御調査を願いたいと思うのであります。おそらくは責任を持つて十分なる御調査の上お出しになつたこととは存じまするが、重ねて私からもその点を十分にお願いをいたし、私も監督者立場として十分に監査をいたすことを明言をいたしておきます。
  37. 池田峯雄

    池田(峯)委員 もちろんわれわれとしては、十分な根拠を持つて問いただしているのでありますが、この際大臣に言つておきたいことがあるのであります。たとえば労働組合幹部などを業務欠陥があるとか、上司の命令をきかないとか何とか、きわめて漠然たる名義でもつて首を切つているのであるが、そうしてそれで問題があるなら人事院の方へ提訴したらいいということでどんどん首を切つている。一方においては、さつき言つたような原因という不正官僚に対しては、休職というような実に微温的な態度をとつているのであります。さらにまたこの間警視庁の方へ検挙されました中榮営繕部長についても、一体懲戒免職にしているかどうか。依願退職にしておるのであります。こういう微温的な態度をとつておる。そうして一方においては一言も言わせないで首切りをやつておるのであります。でありますから、こういう大蔵省官僚建設省官僚とが予算を不正に獲得して、不当に消費しているという重大問題は、往々にしてうやむやに葬り去られるものであります。また官僚機構というものは非常によくできているものでありまして、われわれが外から行つても、たとい議員でありましても——これは会計検査院とか何とかいうものであれば特別、そうでない以上はあそこに行つて帳面をどんどんひつくり返すというような権限を与えられておりませんから、できません。でありますから、この点についてもしわれわれにそういう監督権をこの委員会において与えてくれるならば、徹底的に調べるつもりであります。調査いたします。しかし遺憾ながら委員会として、そういう権限を与えてくれない以上は、大臣の言うように、私の方で責任をもつて調査するというわけには行きません。責任をもつて調査していただくのはあなた方の方だけなのでありますから、この点私の方から言つておきたいと思います。
  38. 益谷秀次

    益谷国務大臣 私の申し上げますのは、いろいろいわゆるデマとかが横行いたしておる事実もありますから、單にさような一部風説等に惑わされては——というと語弊がありまするが、それを信用せられて、ややもすると、その結果公務員の(「お説教みたなことを言うな」と呼ぶ者あり)説教ではない。質問せられておるから答えておる——責任をもつて調査するから、十分に根拠のあることを言つていただきたいということを言つておるのであります。
  39. 池田峯雄

    池田(峯)委員 どうぞひとつ大臣におかれましては、さよう言明する建前から、今国会中にこの事実の有無、事実があるとすればそれに対する処分等について、十分本委員会に御説明をお願いしたいと思います。なおまた委員長に希望いたしたいのでありますが、こういう事実が、先ほどから高田委員、それから私が申し上げました通り建設省内部にあるということは、本建設委員会としても相当関心を持たなければならない重大なる問題ではないかと考える次第でありますから、この臨時国会中に、関係事務官僚を本委員会に呼びまして、そういう事実があるかないかということを詳細に聞きただす必要があるのではないかと思うのであります。でありますから委員長として全員にお諮りくださいまして、その必要があるかないかということをとりきめていただきたいと思うのであります。
  40. 淺利三朗

    淺利委員長 本委員会には、人事の審査権はおそらくないと思いますが、それは考査委員か何かの方で処置する問題ではありませんか。
  41. 池田峯雄

    池田(峯)委員 人事問題はもちろんこれは建設大臣がそういう事実があれば嚴重に処分をしてくださるわけでありますから、これは建設大臣にまかせておいてよいが、建設行政としてそういうことがあれば、これにはなはだおもしろくないことになり、われわれとしても十分建設行政としてそういう監督調査もやらなければならぬと思いますが、いかがですか。
  42. 淺利三朗

    淺利委員長 この点については、本日速急にきめなければならぬ問題とは思いませんから、所定の議事を進めて後に、時間があつた理事会を開いてお諮りいたしたいと思います。      ————————————
  43. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは建設省の国土開発の問題について管理局長説明を願いたいと思います。
  44. 中田政美

    中田説明員 ただいま委員長からお示しのありました仮称国土開発法の問題につきまして、国土計画及び地方計画の所管者として、建設省において現在いかような段階において研究しておるかということにつきまして、若干御説明申し上げます。  国土開発に関しましては、現内閣において総合国土開発審議会を内閣のもとに設けられまして、これにはひとり官庁側のみならず、国会あるいはその他の方面の方も御参加を願つて、内閣の一つのブレーン的な意味で御審議をされておつたのでございますが、このほどその審議会において、仮称国土開発法というものの作成が決定いたしまして、総理大臣に中間報告がなされてるやに承つております。それに関連しまして建設省の方におきましても、かねてより総合国土開発の重要性にかんがみまして、地方計画法というものを制定いたしたいという考えで構想を練りつつあつたわけでありますが、影響するところきわめて広範囲でございますし、ある意味におきましては、行政機構の基本的な問題にも触れる点がありますので、まだ建設省としての決定をいたした段階に達しておりません。従つてこれを国会へ御審議を願うというようなことに内定しておるわけではございませんが、われわれ事務当局として今日までの研究の結果を一応地方計画法試案としてつくつておりますので、これを中心として一応の考え方を申し上げてみたいと思います。地方計画法に盛り込まんといたしますものは、もとよりこれは全国を対象とした日本の国土計画というものを策定いたしまして、その全体計画のもとにそれぞれの地方の特色なり、あるいは條件を生かして、ほんとうに現地に妥当するような計画を立てるということも一つの行き方なのでございますが、全国的な国土計画をここに樹立するということも、なかなか容易でないことと考え、また現在日本の置かれておる状況も考えまして、全国的な国土計画をここに立てる前に、もつと地についたその地方々々の計画をただちに立ててこれを中央へ具申して、そうして諸般の行政の上にこれが反映するようにして行く方法がいいではないか。そういういわば第一次的な考えで地方計画法という法律をつくつたらどうかということになつたわけでございますが、それにいたしましても、日本の行政の根幹的な方針と申しますか、実際の慣例は電気は電気、河川は河川、道路は道路というようなぐあいに、行政がいわばその種類によつて縦にずつと中央から地方へ流れておる。しかしながらこれをある県、ある地方に運用いたしました場合に、その種類別の行政の縦割りが、必ずしもその地域にぴつたり来ない。また非常にでこぼこがあるというような点は、これは各種の行政を総合して初めてその地方に妥当し、ほんとうに効率的になるわけでありまして日本の行政の行き方の足らざるところと申しますか、そういうものを横の方の行政で総合してみる。そういう意味において総合的に計画を立てることの必要性が感ぜられるわけでございます。ことにそれぞれの行政が深くこまかく掘り下げられんとする場合において、他の行政との関係、他の事業との関係において、必ずしもそれがぴつたり来るかということについて、ややもすると欠くるところがあるやに見受けられるわけでありまして、これは一にかかつて行政権の主体である内閣が一切を総合し、日本の現在の段階においては、安定本部が計画を総合整理するということになるわけでありますが、しかしこれもなかなか容易でない。そこに何か一つの組織立つた計画を樹立する機関を設けて、そこで中央、地方の計画を立てたらどうかというところにねらいがあるわけでございます。そこで今かりにそういう根本的な考え方でつくりつつありまする地方計画法というものの骨組みを申し上げますと、大体二つになるわけでございます。一つは産業、人口、土地その他各般の地方開発に関係することを府県を單位として一応まとめてみるということでございます。それからその府県を單位としてまとめるについて特殊な地域——われわれは始終これを特定地域と申しておりますが、また県全体でなくても特殊な地域については、それを一地域として総合的な計画を立ててみる。それから第二に、地方的のたとえば四国四県というものを一つ仮定いたしますれば、四国四県として、各県のそれぞれの計画がさらに地方的に妥当するかどうか、いわゆるブロツク的にものを見た場合に、これが総合調整をされた案でなければ本気にならぬという意味で、第二次的にブロツク計画と申しますか、こういうものをつくつて、これを中央なり、各地方機関に勧告するというような案になつておるわけでございまして、地方計画法と申しますのも、地方開発総合計国法というのが名が体を現わすのではないかと思います。この計画を立てるには、さてしからば県庁のそれぞれの機関を動員してやるというのも手でございましようが、もう少し視野の高いところでものを見ていただくような方々のお集まりによつて策定するというのも一つの手でございますので、われわれが現在考えております案は、県には府県の計画樹立のための審議会をつくり、それからブロツクには数府県を連合したいわゆるブロツク計画審議会をつくる。これによりまして十分関係方面の者が集まつて、あらゆる角度からその地方に妥当する案を見出す。しかしながらこれもまたそれだけで日本の国政がうまく行くとも考えられませんので、この計画がかりにでき上りますならば、これを中央の政府へ勧告の形で出す。また地方的に処理し得るものについては、府県ならば府県知事というようなものに勧告するということにいたしまして、そうして国政が甲行政と乙行政の調和がとれるように、それが地方へ流したときに入つて来るように仕向けて行つたらどんなものかというような意味で、地方計画の協議会的なものを法律の規定により設置する。もちろんこのメンバーには地方の議会関係の議員とか、あるいは理事者側である知事とか、その他産業方面のエキスパートなり達識の士を集めて構成をする。こういうことにして、いわば計画の合理性といいますか、科学性と総合性をもう少し掘り下げて行きたいというのが、地方計画法試案のねらいでございます。ただ今日ある程度具体的に進めておりまする特定地域の総合開発につきましては、相当つつ込んだ計画と周到な研究が完成しつつございますので、これらにつきましてはもう一歩進んだ事業計画という問題にも入り得るようなことにいたしたらどうかというように考えまして、若干の規定をこれの中へ挿入するようにいたしておりますが、要するに地方計画法の試案で持つておりますものは、地方的なものをひとつ総合的にまとめてみて、それを中央に出す。中央には国土計画審議会というものを法律によつてつくりまして、そこでこれらの地方的な計画を十分審議して、そうして甲地方と乙地方とがバランスのとれないことのないように調整もする。そうして一応でき上りました計画は、それぞれ行政の執行権を持つておる内閣及び地方の知事等に勧告するというようなねらいの法律の試案でございます。なお今日も後ほど御説明があると思いますが、冒頭申し上げました総合国土開発審議会で御作成になりました総理大臣への中間報告の国土開発法(仮称)についても、われわれは若干の意見なり御協力を申し上げておるわけでありますが、われわれの今日まで研究しております地方計画法試案と、大部分の点においては、ある程度軌を一にしておるように拜見いたしております。しかしながら若干の点において、多少やはり異なつた案が盛り込まれておるようでございまして、これはまた国土開発法試案の御説明を承りました後におきまして、御要望がありますれば御説明を申し上げたいと思いますが、一応前座の意味で申し上げます。
  45. 淺利三朗

    淺利委員長 なお本日は、総合国土開発審議会の委員であらせられる飯沼一省君、村上龍太郎君及び事務局長の西野入愛一君が説明員として見えております。一応総合国土開発審議会の審議の大体の経過及びその立法的措置の内容、並びにこれを実施する行政機構の上において、何かの御構想がありましたら承ることにいたしたいと思います。
  46. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 総合国土開発審議会に対しまして、総理大臣から国土開発上とるべき方策についての諮問がありましたので、いろいろ答申の案を練つてつたところでざいすが、その中の一つといたしまして、国土計画法と申しますか、そういうようなものをこの際つくる必要があるのではなかろうかということになりまして、私どもが小委員に指名されまして、数回この夏から小委員会を開きまして研究いたしましたものが、先ごろ総会にかけて決定を見ましたので、先ほどお話のありました通り、総理大臣に対して答申案を提出いたした次第であります。それがお手元に差上げてあります国土開発法——かりの名称でございますが、これでございます。大体の骨子を申し上げますと、狭くなりました領土の中に、今までよりもさらに増加いたしました人口を收容して参りますためには、この土地資源というものをできるだけ開発し、利用し、またこれを保全することに努めなければならぬと思うのでございます。それにつきまして、現在の状況を見ますると、必ずしもこれが理想的に参つておるとは考えられないのでありまして、国の行政をそれぞれ分担しておられますところが違う結果と申しますが、国の各部面の行政が、お互いの間に必ずしも総合調整されておるというわけには参らぬ点があるようであります。     〔委員長退席、内海委員長代理着席〕  それから国の行政地方行政の間にも、また時々一致しない矛盾をしておるような例もあろうと思いますし、それからまた各府県各地方で計画されております事柄相互の間においても調和しないものがあつて、そうして地方の開発を阻害しておるという例をたくさん聞くのであります。できるならばこういう国の行政の各部門においてとられておりますところの計画、各地方においてとられておりますところの計画、これらの諸計画の間に適当な総合調和の道を見出しまして、そうして計画の実現執行というものを容易ならしむることが、今日の国策といたしましてきわめて必要ではなかろうか。そこで公の機関による公の国土開発言画を立てる道を開きまして、この計画に法律上ある程度の力を与えまして、これを目標として土地、資源の利用、開発保全というものをはかることがきわめて必要であろうと思うのでございます。  そこでこの案の大体の骨子を申し上げますと、各都道府県ごとに都道府県国土開発審議会をつくりまして、この審議会においては、その府県内の計画あるいは府県全般にわたる場合もありましようし、あるいは府県内の特殊な地域に対しての計画が立てられる場合もありましようし、そういうものを府県がみずから計画をする。その審議会の委員には、地方議会の議員あるいは関係官公庁の官公吏、学識経験ある人というような人を知事が委嘱しまして、そうしてその審議会において国土開発に関するその府県の計画を立てるというふうにいたしたのであります。それからさらにもう少し広い地域にわたりますところの計画、密接なる関係のある地域であつて、二府県以上にわたつております地域についての計画は、これは国土開発地方審議会というものをつくりまして、その審議会において計画を立てる。この審議会はこれは内閣総理大臣の所轄のもとに置くということにいたしまして、その審議会の委員は、地方公共団体の議会の議員、関係官公吏、及び学識経験ある者をもつて組織し、内閣総理大臣がこれを任免するということにいたしたのであります。それからさらに中央に国土開発全国審議会というものを置きます。この全国審議会は国会の議員、関係官公吏、及び学識経験ある者をもつて組織いたしまして、この全国審議会においては、全国の地域にわたるところの計画を立案いたしますと同時に、地方審議会において立案いたしたところの計画、あるいは各府県の審議会において立案しました計画の間の総合調整をはかるということを、同時にその職務とするものであります。仕事の性質上、各府県の審議会が、府県の計画を積極的に立案し、その実現に向つてそれぞれの処置を講ぜられることが一番望ましいと考えまして、この法律はそれを期待をいたしておるのでありますが、しかしながらもし何かの都合によつて、府県の審議会、あるいは地方審議会等において、当然立てなければならぬ計画が立たぬというような場合には——そういう万一の場合を予想いたしまして、全国審議会が適当な事項を指示することができるというような道を開いたわけでございます。  それからこの審議会としまして、三つの段階を考えたわけでありますが、これらの審議会において計画を立案いたしました場合には、それぞれ関係政府機関か、あるいは中央の公共団体に対しまして勧告をするという制度をとりまして、勧告をしなければならぬということを考えたわけであります。それでこの勧告に対しまして、どの程度の法律上の力を与えたならば適当であるかということにつきまして、いろいろ研究をいたしたのでありますが、今日の実情といたしましては、その勧告に、国なり、地方公共団体なり、その他の団体が従うことができないような事情があります場合には、その計画によらずして、独自の政府または地方公共団体の方針に基いて、その仕事をやろうということについて、計画を立てました審議会の意見を聞かなければならないという程度の法律上の力を与えることが、まず一番妥当な、実行し易い方法ではなかろうかと考えまして、勧告の効果としてはその程度のものを認めたわけでございます。その他計画の決定でありますとか、あるいはまた計画を決定するに際しての調査、その他政府地方公共団体が、これらの審議会が計画を立案するについての協力の義務のある関係等、いろいろ必要な規定を盛り込みまして、この法案の骨組みをつくつたわけでございます。  大体の骨子を申上げますと、以上申し上げましたような点になるのでございます。いずれまたお尋ねによりましてお答えを申し上げたいと思います。
  47. 内海安吉

    ○内海委員長代理 ただいま飯沼審議会委員より、総合国土開発審議会の経過についてるる御説明がありましたが、これに対して御質疑はございませんか。
  48. 池田峯雄

    池田(峯)委員 審議会は各方面の有識者がお集りになつておるのありますが、現在世界的にパニツクといいますか、いわゆる経済の不安定な状況が方方に進んでいる。それから国内を見ましても、非常に不景気です。輸出なども非常に不振です。石炭なども非常に余つている。実際は足りない足りないと言つていた石炭が、今余つている。それから農作物なども外国から相当つて来る。国際小麦協定などに入のますと相当入ります。現在いもなども相当つている。将来になると国内の小麦なども相当余るのじやないかと思う。そうすると資源の開発ということと、そういう国際的な過剰生産というものがどういう関係に立つて行くものか。せつかく国土を開発して、資源を開発して、生産物を増加して行つても、日本国内の生産コストが、外国の生産コストに太刀打ちできない場合はこれはもうだめなんです。そういつたような国際的なつながりというものの中で、日本の国土の開発、資源の開発というものはどうあらねばならないか。     〔内海委員長代理退席、委員長着席〕、  こういつたようなことを審議会としてお取上げになつて、問題にされたことがあるかどうか、これを第一点としてお聞きしたい。  それからこの間只見川の開発で、アメリカの人が来られたときに、どうしても日本の技術ではやつて行けない、特に雪が降る間休むというような工事のやり方ではだめだ、アメリカの機械ならば雪が降つていてもどんどん年中休みなしにやれる、こういうようなことを言つてつたのが新聞に出ているのを見ましたけれども、そうすると日本の科学技術というものは、こういつた厖大な国土開発をやることができるほど発達していないものかどうか。科学技術との関連性、これを討論されて結論を見出されましたかどうか。とすれば日本の科学技術というものは、どういうふうに発達振興しなければならないか。一体日本の科学技術が発達しない原因はどこにあるか。これはこの間の科学技術白書ですか、あれにも出ておりましたが、やはりまだ納得できない、明快を欠く点があると思うのです。従つて科学技術が立ち遅れている原因がどこにあるか、どうしたならば科学技術を振興させることができるのか、こういつたようなことについて審議会で問題とされておりましたならば、お答え願いたいと思います。
  49. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 ただいま現在の経済的な條件下において、今後国土開発計画がどういうふうに進行して行くべきかというお尋ねでございましたが、この法案の中に考えられておりますことは、この審議会では土地資源の利用、開発、保全についての計画をきめるのでありまして、それを実施する場合、いつそれを実施するか、またどういうふうな方法でそれをやるかというようなことについては、それは政府の他の省と申しますか、他の機関と申しますか、あるいはまた地方公共団体において、それぞれの執行する権限、職権を持つておりますところの機関においてこれを研究する、こういう建前をとつております。従つてこの審議会において立案いたします計画は、そこまでは触れないのでありまして、つまり根本的な目標となるべき計画を立てる、そこにこの法案のねらいを置いたつもりでございます。それをどういうふうに実際に施行するか、またどういうふうな時期にやるかというようなことは、この機関だけで全部やるというわけには参りませんので、それはそれぞれの省なりあるいは地方の公共団体において、適当な時期あるいは適当な方法をもつてやるということを予想をいたしておるわけであります。  それから科学技術との関係、これはただいまお話のありましたように、進んでおります諸外国とは、とうてい比較にならぬほど遅れておると思います。しかしながら国土の利用、開発、保全ということにつきまして、できるだけの知能を動員いたしまして、むだのない、合理的な開発方法をとる必要のありますことは、これは申すまでもないことであります。今日までそういうことが割合に閑却されておつたのではないかと思いますが、そういうことのないようにいたしたいというねらいはもちろん持つて立案をいたしたつもりでございます。
  50. 淺利三朗

    淺利委員長 質問の通告があります。上林委員
  51. 上林與市郎

    ○上林委員 国土計画に関しまして、二、三の質問をいたしたいと思います。その前に一言申し上げておきたいことがあります。本日、資料の一つとして、特定地域総合開発計画概要というものが配られており、山形県の最上地域はその特定区域に入つておるのであります。これについて本委員会並びに地方開発小委員会事務当局の努力に対しまして、地元からいろいろの書簡が参つておりますから、関係者を代表して厚くお礼を申し上げておきたいと思います。  まず第一に申し上げたい点は、総合国土開発審議会でございますが、国会議員の資格においていろいろ問題になることがございますが、その性格について参考までにお伺いしておきたいと思います。さらに会長ですか、委員長ですか、これがだれになつておるかということをこの際教えていただきたいと思います。  第二の点は、本日資料の一つとして手元に配付されました総合国土開発審議会の答申書の一つとして、国土開発法(仮称)が配付になつておりますが、これは現在政府としていつごろ法律化する予定であるか、これもあわせてお伺いしておきたいと思います。
  52. 中田政美

    中田説明員 国土開発審議会が総理に答申をいたされましたものは、これを内閣でどう処理するかについてはまだ決定されていないのでありますが、こういう内容が一応中間報告として出ましたので、皆さんに御批判を願い、御研究をお願いするという意味で、きよう御配付いたしたのだろうと考えます。これはもちろん総理大臣が、あるいは閣議その他において御決定になつて、それから後にこれをどうするかということになるだろうと思いますが、きようはそこまでなつておらぬままで御参考に供したのだろうと思います。
  53. 西野大愛一

    ○西野入説明員 ただいまの委員の顔ぶれを申し上げます。庄司一郎君、大橋武夫君、志田義信君、西村英一君、田中伊三次君、松野頼三君、北村一男君、水久保甚作君、鈴木清秀君、飯沼一省君、大木松次郎君、鈴木雅次君、弘世現君、青木均一君、清戸北郎君、山崎國輔君、三鬼隆君、大原總一郎君三輪常次郎君、内海清温君、大西英一君、荷見安君、富吉吉次郎君、瀬戸角馬君、村上龍太郎君、石原幹市郎君、倉田主税君、岡田正平君、以上でございます。  それから委員長と申すよりか座長として取扱つておりますが、庄司一郎君が座長を勤めております。
  54. 上林與市郎

    ○上林委員 総合国土開発審議会の小委員会というようなものはございませんか、それがありましたならば、その小委員長ですか座長ですか、この前国会で質問があつたので、あるいは座長の名前にかわつたかもしれませんが、その委員長、座長の中に国会議員が入てつているかどうか。
  55. 西野大愛一

    ○西野入説明員 ただいま小委員会が四つございまして、その小委員会委員長は国会議員が一人入つております。志田義信君です。
  56. 上林與市郎

    ○上林委員 私が国土開発をいつごろ提案になるかということをお伺いしたのは、これは名前や場所をはつきり言つた方がいいかどうかわかりませんがすでに国土計画の一つとして、ダム建設が諸処方々に試みられているのですが、ダム建設の場所によつていろいろ事情は違うと思いますが、私の知つているダム建設の候補地は、水沒地帶になる所に居住者がいるのです。そこに参りまして国会議員の方が、お前らいくら反対しても、今度はわが党が——もちろん与党の話になりますけれども国土開発法をつくりまして、有無を言わさずやるのだから反対してもいかぬというようなことを言つたということが新聞にも出ておりますし、地元の方方から私も訴えられているのです。そういう意味でお伺いしたのですが、今の臨時国会ではほとんど問題にならんと了解してよろしうございますか。
  57. 中田政美

    中田説明員 もちろん臨時国会までには間に合わぬことは当然であろうと思いますが、さてそれならば審議会で御答申になつたものを通常国会に出すか、また出す案をどうするか、あるいはまた立法府としての国会の方でお順いするかというようなむずかしい問題は、まだきまつておらぬのではないかと考えます。
  58. 上林與市郎

    ○上林委員 先ほどの御説明によりまして、国土開発法の大まかなねらいというものを私も了解いたしましたが、どうも国土開発とかいろいろなことをやります場合に、経済効果だけを非常に重視して、ともすると人道上の問題を軽視するきらいがあると私考えるのですが、ただいま例にとりましたダム建設等の場合におきまして、水沒地帶の対策とか、あるいは利害関係者の対策について、具体的な案がないように思うのでありますが、今後そういう場合の具体的対策を、国土開発法あるいはそれに関連する法律案等で立てる方針があるかないか、これをひとつつておきたいのであります。  それからここに都市計画の関係の人がおりませんければ、ここで答弁しなくともよろしいのですが、この都市計画に関連してちよつとお伺いしておきたいのは、都市計画は机上プランとしてはまことにけつこうですが、これを実施する場合に、耕作地をどうしてもつぶさなければならない場合が相当あるのでございます。住宅候補地として指定された場合を申し上げますと、そういう場合は、都市計画の対象になつているその都市地域の、現在ある大きい宅地等は一向おかまいなしに、そういう方面にぐんぐん手を伸ばして計画を立てている、こういうことを私どもはよく聞くのですが、これらに対してどういうお考えを持つているか。もう一つは、もし御答弁がここでできなければ他の機会に譲りますけれども、耕地を都市計画の対象にした場合に、いろいろ測量いたしまして、いわゆるなわ伸びとか、そういうものが出るのが普通であるようです。そういう場合にそれをほとんど強制的に寄付をさせて、その寄付してもらつた土地を非常な高い価格で売りつけて、都市計画の費用に向けるという例がございますが、これは一体合法的なのかどうか、こういう点を聞いておきたいと思います。もしこれが都市計画の関係できよう適当でなければ、他の機会に讓つてもよろしゆうございます。
  59. 淺利三朗

    淺利委員長 本日は国土総合開発ということが主題であつたために、都市計画の方は見えておりません。
  60. 上林與市郎

    ○上林委員 ではよろしゆうございます。
  61. 内海安吉

    ○内海委員 きわめて簡單に二、三点承りたいと思います。ただいま飯沼さんの御説明がありましたが、国土開発法の立法審議にあたりまして——国土開発というそれ自体は言うまでもなく公共事業であります。公共事業であつて、そしてわれわれはこの委員会においても常に論議されているのでありますけれども、現在においてこの建設委員会で非常に困つている問題は、たとえば河川の改修にあたりまして、その川上における電源開発の問題のごとき、また土地改良その他用排水の問題につきまして、それにまたからんで河川の問題が起つて参ります。また道路あるいは林道等の問題よりいたしまして、建設省の所管である道路問題と関連が出て参ります。この法律をおきめになるよりも、この御答申をなさる前に、こういつた問題に対してどういう御議論が行われたか、もつと堀り下げて御説明を願えればけつこうであります。
  62. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 お話通り各省各部局の間の横の連絡と申しますか、そういうことがうまく行われておらぬということは、ただいまお話通りでございまして、これに今日世間のまず常識だと言つてもいいのではないかと思うのでございまして、このたびの審議会におきまして、特別にその問題は表面の議論に現われておりませんけれども、委員全体の考えの中には、何とかしてこの各省、各部局間の横の連絡をはからなければならぬということが、当然の前提として頭の中にあつたわけでございまして、これを調整しなければならぬということが無言のうちに委員一同の考えを支配しておつたと私は考えております。特別に具体的な問題を取上げて審議されたことではございませんけれども、お話のような問題を解決しなければならぬということが、この国土開発法のねらいの重要な一つの点と申し上げてよかろうと思います。
  63. 内海安吉

    ○内海委員 飯沼さんの御意見というよりも、審議会における経過がそうならばそれでけつこうであります。そこで御説明の中に国土開発計画の機械化、総合化ということをお述べになつたようでありました。機械化、総合化、こういつたような見地から、さらにまた地方のブロツク、あるいは府県制、あるいは地方の諸情勢から見られて、いろいろな審議会もつくられるということで、この法律を提出するものでありますが、内閣から提出させるお考えであつたか、それとも建設省か、あるいは議員提出とするかというような問題について御議論がなかつたでしようか。この点をひとつお聞きします。
  64. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 審議会におきましては、どういう形でこの法律が実現されるかということにつきましては、何もその点には議論はありませんでした。
  65. 内海安吉

    ○内海委員 それもその程度であればけつこうであります。なお承りたいことは、これもわれわれはかねがね問題にしておつたのでありまするが、いわゆる今の建設行政、少くとも公共事業につきましては、建設省のほかに運輸省があり、通産省がある。その他農林省というようないろいろな官庁が錯綜しております。常に官庁のなわ張り争いといつたようなために、東京の都市計画を実行するにあたりましても、また大局的な見地から線合計画を実行するにあたりましても、現に只見川のごとき、あるいは北上川のごとき、琵琶湖のごとき、あるいは信濃川のごとき、いろいろな問題を総合的に検討して、これを開発するという場合、常に農林省であるとか、あるいは運輸省であるとか、そういつたものの間にいろいろな議論が行われるのであります。これをこういう国土開発法というような法律を一本つくつて、單に責任ある地方機関に勧告するというごときことで、われわれが日本再建の途上に立つて、日本のいわゆる再建のための産業開発の基本ともなるべき原則的法律がつくられんとする今日にあたつて、そこまで掘つて考えていただいて、どうしてもかくのごとくしなければならぬという基本の上に立つての法律であるならば、私は肯定できまするけれども、現在の行政機構をそのままになさつて置いて、官庁のセクシヨナリズムをこのままにして置いて、そうして單なる机上の作文的なこんな法案を出したところで、これは参考になるかもしれぬけれども——日本の再建の基礎となるべきところの法律にはもつと魂を打ち込んで、そうしてどうしてもなし遂げなければならぬという熱意と、実行のできるようないわゆる御答申であるならば、まことにわれわれ喜んで受入れまするけれども、ただいま承るところによると、ことごとく中途半端のような御研究のように私は感じられるのであります。この点において私は遺憾の意を表して私の質問を打切ります。
  66. 淺利三朗

  67. 田中角榮

    田中(角)委員 少し本質的な問題を二、三点御質問申したいと思います。研究過程にあるのでありまするから、はつきりした御答弁ができないかもわかりませんが、国土総合開発法というがごとき立法をなすについて、当然考えなければならないいろいろな問題に対して承りたいと思います。まず第一番目に管理部長に対して、この国土開発法もしくは地方計画法のごときものがつくられて——これはもちろんただいま内海委員が言われたのは勧告であるからというのでありますが、私の考えでは勧告であるから多少そこに緩和ができるのではないかと思うのですが、このような法律をつくつた場合、行政権と立法権というようなものとの関連性、この法律をつくるために純粹な理論的立場から拘束を受けるか受けないかという問題をまず一点承ります。
  68. 中田政美

    中田説明員 これは行政権の責任の点から言つて非常に重大な御議論だと思うのでありますが、もちろんこの法案といいますか、仮称の試案によりますと、勧告をして、政府または地方公共団体理事者がこの勧告案と異つた措置をせんとする場合には、審議会にあらかじめ意見を聞かなければならぬという程度になつておりますので、法律的に言いますと、実質的な拘束ということにはあるいはならぬかもしれません。しかしながら行政の他の方からいたしますと、行政権をある程度拘束することには間違いはないと言わなければならぬかと思います。ただいま内海委員お話になつた点は、拘束の程度が今の行政機構のばらばら主義の下において、この法律ではなまぬるい、実際の計画は実施できないではないかという御議論もありました。これも一つのりくつであります。しかしながらこれは行政機構の整頓ということが、確かに日本の行政権の運用上における大きな課題でありますから、行政機構の整頓ということをあわせ行えば、私はある程度意味があるかと思いますが、ただ田中委員の御質問になつた行政権を拘束しはせんかということになりますと、これは全然しないとは言えない。またしないというならば、ただ勧告するというだけのことになります。しかしこの問題については、内閣が行政権の主体となつて行政を執行する責任を持つのでありますから、どこまでも勧告は勧告である。責任の所在は行政権の主体の内閣が持つということでなければならぬ。ただ内閣がほんとうのもろもろの行政をやる場合には、いろいろな補助機関を使つてやらなければならぬことは当然でありますから、そのもろもろの補助機関のいわゆる各省の行政機構というものは、整頓した形にぜひとも持つて行かなければならぬということは絶対に必要だ、こういうりくつになると私は思います。
  69. 田中角榮

    田中(角)委員 この問題を研究するには、そこから出て来なければならないと思います。事実国土開発法ないし地方計画法というものを考えるには、いわゆる国土開発というものを現在のままで考えると、行政権を拘束する状態において出して、しかも補助的役割しかなさないというのが現在のこの法案に対する大体の感覚だろうと思います。  そこで第二の御質問は、内海君が先ほど申し上げましたように、これを行政機関の中の一部門として考えることができないか。しかもそういうふうな目標に持つてつた方がいいのではないかということを私は考えているわけであります。現在までの行政機構の中で非常に変形のものがあり、それは御承知通り経済安定本部の機構であります。これと同じように、いわゆる行政権を一つの法律を公布することによつて幾分拘束するという法律、すなわちこの国土開発法というものが同じ状態において生れるわけであります。これは現在の行政機構の單一化をはかろうということを強行し、ためにかえつつて複雑化していることは何人もいなめない。そこでこの国土開発法もしくは地方計画法というがごときものの必要であることは、十分私自身も考えております。特にわが国の建設行政は各省に分属せられておりますために、申すまでもなく各省間のセクシヨナリズムに災いされて、統一的なる国土計画ということはほとんど不可能な状況になつております。だからわれわれが長年考えているところの建設行政の一元化、すなわち総合建設省または公共事業者の設置というものを説いております焦点もそこにあるのでありますが、建設行政中なかんずくこの地方計画においては、今まで各県別に各個ばらばらな立案をやつておりましたのと、しかもその実施にあたりましては、各省各局ばらばらに予算を計上いたしましたために、地方開発状態に対してはまつたく支離滅裂、これが実効をあげ、これを高率に運営することは、ほとんど不可能の状態にあります。そのような行政部門の状態であればこそ、地方計画法または国土開発法も必要に迫られているわけです。だからこの法律というものの必要性は十分認めます。しかしその運用並びに焦点に対しては、これはまた非常に深く考えてみなければ、この法律を軽々にあげることはできない。先ほども申しましたように、現在でさえさなきだに複雑多岐にわたつております建設行政に対して、またこの法律をつくることによつて、その運営に支障を来すということであつてはならない。私はその意味において、国土開発法というものが、初めて、本委員会に提出されたことを契機として、これをいかに運用するか、いかなるものに焦点を置くかということに対しては、建設行政だけではなく、もつと大きな面からこれを検討しなければならぬ、また検討するというよりも、それを検討する絶好の機会だということは考えております。それはどういう問題であるかというと、現在の経済安定本部の機構再編成の問題であります。私は民自党におきましても、内閣に対して私個人の意見として、日本に必要なものは総合調整庁である。経済安定本部がつくられたときは、いわゆる総合調整庁の目的をもつてつくられたのでありますが、経済安定本部の実績を顧みますと、私が申し上げるまでもなく、企画統制庁、総合調整庁というがごとき任務を持つてつたものが、統制経済を行うための、ほとんど実施庁に移つております。ここに官庁機構が複雑多岐になつておる安定本部のがんというものがあるのでありまして、しかもこの国土開発法というものができた場合、そういうふうになりやすいのであります。だから総理大臣が考えておられるように、経済安定本部の中に、いわゆる国土総合開発という問題に対して、総合的な調整庁というようなものを設けようということは、非常にいいことであります。しかし單に内閣総理大臣がお考えになつておるように、安本の中に置いた場合、現在の建設省関係をどうするかという問題が当然起きて参ります。私はその意味において経済安定本部の再編成という問題と、国土開発法というものを密接に考えていただきたい。これは單に国土開発ということだけでこの法律ができるのではなく、各省にこのような問題が、いろいろと複雑多岐にわたつておるから、設けようというためには、別な法律必ず出て参ります。これは進駐軍の要請に基く技術的、事務的なものを処理するために、特別調整庁を設けなければならなかつたという事実、これはいなむことのできない根本的な過程として、この国土開発法というものができたという事実に徴しましても、現在の機構がそうであるから、必要に迫られてこういうものを出して来るということの、結果的なマイナスはここに除去をして、現実的な目標を立てなければならない、こう思うのであります。その意味で私は、現在の安定本部というものを、完全なる実施のデーターをつくるところの、こまかい技術的な、科学的な総合的なものをつくつて、行省間のセクシヨナリズムに災いされないで、日本のあらゆる面の総合調整を行える機関に改編をしまして、その一部門として本法案が適用されるような行政機構に持つてつたらどうか、こう考えておるのですが、非常に根本的な問題であつて、御答弁というよりも、御意見の御開陳になるかもしれませんが、これに対して飯沼さんの御意見がちようだいできましたらお願いしたい。と同時に、現在の複雑多岐にわたつて、実効を上げるに非常にむずかしい責任の衝にある管理局長が、そういうふうになるならば非常にいいという御意見があつたら、これもひとつ聞かしていただきたい。
  70. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 審議会におきましては、この答申を取上げました場合に、現在の行政機構との関係をどう考えるかというようなことは、かつて各省の関係人たちに集まつてもらつて検討いたしました際にも、実は出たのであります。しかしこの答申を政府が採用されますか、あるいは採用されませんか、採用することはきまつた場合に、さて現在の行政機構をどういうふうに改編して行くかということは、これは政府の方でお考えになることではなかろうか。この審議会としましては、こういう計画そのものを答申して御参考に供しよう、そういう点を主として吟味せられましたので、将来の行政機構の改編の問題については、別に触れなかつたのでございます。この点、御了承を願います。
  71. 田中角榮

    田中(角)委員 ちよつと質問の焦点が違うようであります。この答申になりましたいろいろな法案の審議の過程並び結果に対しては、いろいろ御説明をいただいてよくわかりましたが、これを政府が取上げようが、取上げまいが、議員としては独自な感覚でこれが必要であれば、議員提出としてわれわれが提案することもできるわけであります。だから政府に対しての考えでなく、いわゆるこういう国立総合開発という立場から法律をおつくりになつた、飯沼さんの個人の考えとしては、行政機構をどういうふうに持つてつた方がいいかという御意見がありましたら伺いたい。こういうわけであります。
  72. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 行政機構を簡素化しなければならぬという点については、これはただいまお話のありました通り、私もそのことがきわめて必要であると考えております。しかしながらまた現状のままで参りましては、私ども緊急の要務と考えております国政の総合調整ということがどうしてもできない。そこでこの仕事だけは專任担当するところの機関がどうしても必要であろうと考えます。私の個人の意見をというお話でありますが、もし必要でない整理し得べきような機関でありましたならば、むしろそういうものは政府がおやめになりまして、そうして目下目の前に必要を訴えられておりますところのこういう総合調整の計画を立てる機関をお置きになることが、私は適当ではないかと考えております。
  73. 淺利三朗

    淺利委員長 委員長としてちよつと申し上げておきますが、今いろいろ御質問の趣旨は、せつかくかくのごとき法案をつくつても、これを実行する上においてはどういう機構をもつて、どういう構想をもつて実行したらよいか、その点までこの審議会が意見を付して勧告される方が適当ではないかというようなところにあると思うのですが、案だけはできたがこれの実行の方法については、現在の機構ではできそうもない。であるからこういうふうにして機構までやつたらいいじやないかということを、あわせてこの審議会が勧告するというような方針に出られないものかどうかということが、質問の要点じやないかと思うのですが、そこまでおやりになる御意志がないのか。そこまで取上げられて審議をされることはないか。その点を一応御説明つたら明確になると思うんですが……
  74. 田中角榮

    田中(角)委員 委員長が今言われたのと、内海君が言われたのと、私が言つているのと焦点はそこなんです。仏つくつて魂を入れろということです。そうしますと、中田管理局長にひとつお聞きしましよう。いわゆる国土開発法の必要であることはわかりきつておるのですから当然何らかの形においてこういうものをつくらなければならぬが、第一段階としてかかる提案があつたということ並びに御説明があつたということは非常に貴重なことである、こう思つております。しかし仏はつつたがさて魂はどうして入れるかという問題です。しかし法案の全部を通じて見てもおわかりになるように、私が先ほど言つたように、行政権の拘束はないが、国土開発法ですなわち勧告をするということになると、行政権に対する幾分の拘束はある、そうであつたならばもつとその幾分を行政権の中に持ち込んでしまうというふうにこの法律の運用を持つて行かなければならぬ。そういう意味で先ほど安本の再編というような問題まで申し述べたのでありまして、いわゆる国土開発法が、勧告ということだけでなく、これが実施にも相当つながるものである。もつともこの審議会から答申されたものの実施が拘束される場合は、いわゆる議員が与えられた立法権によつてこれを変更した場合と、もう一つは国の財政面から見てやむを得なかつたという場合というような大きな拘束以外に対しては、この審議会で立案した案というものは重点的に実行される、また実行されなければならないという意味で、いわゆる計画、立案、実行という面まで関連性を持つ法案でなければならない、こういうふうに考えておるわけです。そうでないと、現在の国土計画審議会というものを、法律的に裏づけをしたというだけにしかすぎないのでありまして、これは総合建設省をつくる意味から言つても、もしこの地方総合開発法というがごどきものが出ることによつてうまく進めば公共事業省、すなわち国土省のごときものができる一段階であると私は思つておるのです。そういうことに対して局長はどう考えておるかということを聞きましよう。
  75. 飯沼一省

    ○飯沼説明員 先ほど私の御説明が足りませんでしたが、この法律に盛られておる立案、実施の面もむろん私は入つておるつもりであります。すなわち内閣総理大臣の所轄のもとに全国審議会というものをつくる。その全国審議会に相当有力な事務局を付置いたしまして、各省との連絡、各地方との連絡をはかり、そうして立案をいたすのでありますから、この法律がかりに成立するといたしますれば、むろんこの法律もある程度の立案、実施はできるつもりで私はおるのであります。ただ実際の具体的の行政機構をどうするかということはついては、これは政府においてそれぞれお考えになることであつて総合国土開発審議会において現在の行政機構をどうするかということまではその職務のほかであろうと考えまして、そこまでは考えなかつたのであります。しかしながらごらんいただけばわかりますけれども、この法律の中にも——私この法律の機構はよく存じませんが、とにかく総理大臣所轄のもとに事務局を持つた全国審議会というものをつくり、ここにおいて全国的な総合調整をはかる。立案をし、調査をし、計画を立てて、それによつて勧告をする。地方においてはまたそれぞれ事務局を持つた地方審議会、事務局を持つた府県審議会がありまして、そこで立案をして勧告をする、こういうわけでありますから、もちろん私は魂も入つておる法案のつもりでおるわけであります。
  76. 田中角榮

    田中(角)委員 もう少し補足質問をします。お考えになつておられることも、本法案を審議されたお心持も十分よくわかるのですが、現在のわが国における行政組織というものは、戰前のように單純に考える必要はありません。現在委員会制度やいろいろなものが法律によつて実施されておりまするから、そう單純に端的に考える必要はないのでありまするが、いわゆる経済安定本部というものをつくつただけで、行政に屋上屋を重ねておるような状態がある。これはいわゆる行政の簡素化という意味において、何とかしてこれを一つにしなければならぬということは当然のことであります。そういう意味において現在建設行政を所管するところの建設省がある上に経済安定本部があり、なおそのほかに国土開発法の設置によつて審議会をつくる。しかもそれが非常にはつきりしない性格を持つておると私は思います。それは飯沼さんが言われたように、これはもちろん実施にまで移すのですということは、この法律だけでもつてお考えになるといいのでして、そういうお考えがありますからこういう法律を立案されるのですが、そうであつては困るのです。これは行政権に対する拘束をこの法律でもつて全面的にすることであつて、これは私はいかぬと思う。経済安定本部というものが総合調整庁でありながら、実際実施行政まで行つたというところに、私は経済安定本部の非常な無用論を説いておるのであつて、だからその意味行政はなるべく簡素化をして行く。そうして確実なるデーターを持ち、一貫した立案、計画、実施を行わなければならぬということになると、この法律は国土開発法というよりも、むしろ建設省設置法の改正案として私は出したいのです。そういう問題に対してどうか御意見が承りたいのです。中田さんどうです。
  77. 中田政美

    中田説明員 この審議会でおつくりになつた案は、私も拜見いたしまして御説明も承つたのですが、この案を一言にして言えば、われわれがつくつたものも大同小異でありましようが、それは別としまして、こういう形になるのではないかと思うのです。計画立案專門の国家機関をつくる、実施機関の方のことは別にお考えください、こういうことだろうと思います。そこを各委員が御質問になつておるのでありまして、計画は計画でりつぱなものをつくる。つくつたあとの実施機関の改善あるいは改組の問題は、それは別の方でお考えくださいという意味で、あるいは審議会の委員として飯沼さんはそれ以上のことはおつしやれぬかもしれませんが、国土開発をうまくやるためには、計画がりつぱなものでなければならない。しかし計画がりつぱにできてもこれが実行に移らなければだめだ。要するに計画と実行をあわせ考えて国土開発という計画が出る。そういう点から見ればまだ議を盡さぬ点があるのではないかという質問かと思いますが、具体的に安本をどうするかということは、意見を差控えたいと思います。確かに国土開発をほんとうにやろうと思うならば、立案が是であり、また実施が最も効率的に運用されるという、そういうことをあわせ考えながら国土開発をやらなければならぬということは、これは田中委員のおつしやる通りと私は考えます。そこでプランニング機関というものができた場合において、これの受入れ態勢というか、実施する機関そのものの受入れ態勢というものが非常に重要であるということは、立案がりつぱにでき上るためにりつぱな機関がいると同様、あるいはそれ以上に必要なことである。むしろそういうりつぱな行政機構ができるならば、そこでりつぱな立案をし、実施することが一番簡便だと思います。しかし世の中になかなかそうは行かぬのでありまして、総合開発の対象となるべき事項を全部網羅するということになると、あるいは極端に言えば国政全般になるかもしれぬ。しかしこれを分業でやる行政組織の編成から言えば、これまたなかなかむずかしい、ただ総合開発の事業内容から見て、しかも共通的な分子のあるものについて、あとう限り現在の行政を整備改組して、立案しまた立ちどころに実行する協力態勢が十分できぬと、なかなか事務局だけではできぬと考えるのであります。
  78. 田中角榮

    田中(角)委員 例をあげて私の意見を申し述べます。現在立法というものは、内閣総理大臣政府を代表し、法律案を議会に提出することができるということだけでもつて、現在の法律は全部内閣総理大臣の名において国会に提案されておりますが、この立法というものは議会の本来の目的から言つても、議会自身が当然これを行わなければならぬ。この意味において議会の事務局は大きくしなければならぬということはだれも知つている。そうであつたならば、現在の法務府の法制意見局とか、それから元の法制局というがごとき、行政府で持つているものが全部議会の事務局と一緒になつて、初めてそこに本来の目的が達成されるわけです。それと同じようなこと、そういう理想を持ちながら、なかなかそれができないというのが現実でありまして、国土開発法というものができて、これに書いておられるような事務局を持つても、これは大体においてできません。だからこの法律を通そうとされる場合、しかもその目的実施というものを合致させようとするには、端的に申し上げれば現在の建設省管理局企画課、それから経済安定本部の建設交通局、なかんずく開発課、もう一つ経済安定本部の資源委員会事務局、これに加うるに現在この法律を審議された総合国土開発審議会のごときものが、全部一つになつてこの法律の裏づけをした場合、初めて魂が入る、こういうふうに私は考えております。大体これに近い管理局長の御意見でありまして、ただこれは建設省の局長としての御答弁であるので、他省のことまでいろいろ言えないという考えもあるようでありますが、私たちはそういうふうに考えているのであります。内閣総理大臣に答申をされた以上、いわゆる日本の行政組織はこうでなければいかぬ、この法律の裏づけはここまで行つていただきたいということを、ぜひひとつ勧告していただきたい。こういうふうな希望意見を申し述べておきます。
  79. 淺利三朗

    淺利委員長 要するにこれは、計画だけはこの審議会でやるが、これを実行するにはどういう方法でやるか。実行しやすいようにあわせて勧告されるのが完璧を期する道じやないか。いわばこの法律は画龍点睛を欠くということが皆さんの御論議の中心であるようであります。できるならばそういう実行案まで、この総合国土開発審議会が御検討願つたら、なおこれは錦上花を添えるものであると考える、そういう御意見と思います。これについてもし将来審議会において、さらに実行案まで勧告されることが望ましいということを、私どもは考えているわけであります。なお総合計画の問題について、ほかに何か御質問ありませんか。
  80. 田中角榮

    田中(角)委員 委員長に対して要望をしておきます。総合国土開発審議会におけるいろいろな審議の経過並びに結果に対しての御説明がありまして、これは建設行政の一元化並びに地方開発の促進化という問題に対して、一歩前進したと思うのであります。私たちはこの御説明並びに御意見を徴したことを契機として、本委員会てこの問題を取上げて、根本的に国土総合開発に資するような結論を見出されるように努力をいたしたいと思いますが、具体的な処置を委員長においておとりになつていただきたいと思います。
  81. 淺利三朗

    淺利委員長 この問題は本日の質問だけで終るのではありませんから、各委員におかれてもいろいろご検討を願い、また必要に応じましては再び小委員会をつくつて、根本的に検討するという機会を見出したいと思います。ただこの臨時国会はもはや日もありませんし、ことに委員室の割当も至難でありますから、この問題は第七国会に持ち越して、さらに慎重に研究したい、こう考えておりのます。  それでは本問題はこの程度に打切りたいと思います。     —————————————
  82. 池田峯雄

    池田(峯)委員 中田管理局長がせつかくお見えになつておるのでありますから、先ほど本委員会で問題になりました建設行政協会の点について二、三お尋ねしたいと思うのであります。  第一に、建設行政協会というものは、どういう性格を持つておるものであるか。それから建設行政協会講習会などを開いているようでありますが、その講習会目的内容、その経費、こういうものについて詳細にひとつ説明願いたいと思います。
  83. 中田政美

    中田説明員 私ちよつと遅れましたので、池田委員の御質問の要点を承つていなかつたわけでございますが、ただいま建設行政協会の性格とかいうことについてのお尋ねでございまして、宙で覚えている程度お答えしておきます。  建設行政協会というものは、確かに私が会長に推戴されております。これは建設行政に従事する職員——建設省ばかりではございません。地方庁の役人もその他の市町村の役人も入るようになつておりますが、建設行政に職を奉ずる者は、あとう限り建設行政の堪能な知識経験を持ち、教養を高めて建設行政の遂行を遺憾なく期するように、よりよき公務員になろうという意味の一種の文化教養団体でありまして、会費は幾らとつておりますか、月十円か、その程度ではないかと思いますが、そういうものでありまして、民法上の社団法人でも財団法人でもございません。まつたくの文化団体と言つてもいいかと思います。  それから講習会をやるというようなことにつきましても、これは戰後ややもすれば、混乱期において建設行政の実務に堪能でなければならぬ職員が、なかなか勉強をする機会もないというような意味で、法令講習会、そうして建設行政の法令をよく勉強して、一般的な教養も高めようというようなことの催しが適切でないかという意味で、名地で県庁の職員だとか、あるいは地建の職員だとか、そういうような将来建設行政の役人として中堅になるような人の希望をとつて、大体お寺で講習会を開いて、その講習は法令の講習会とかいうのでありますから、おもな科目、講習会の題目は建設行政関係法令の解説なり研究というのがおもでございます。またそのほかには教養問題等につきまして、時事問題とか、あるいは輿論の調査とか、あるいは地方自治の動向とか、あるいは社会問題とかいうような、一般教養を高めるような意味においても、適当な人があれば、都合のつく限り来ていただいて科外講演を願うということもいたしたように思つております。たとえば護国寺でやつた場合に、お寺にとまるという場合には、お寺の法則に従つて精進料理を食べるというようなことがありますが、大体においてとまり込みの三泊四日くらいの講習会をやつておりました。その経費は、宿賃とか食糧とかいうようなものは大体本人に負担をさせて講習会をいたしております。従つて協会として多額の金を出すといつても、財源がございませんから、出し得ません。そういうことでいい役人に教養しよう、研究しようというような意味講習会をいたしたわけでございます。
  84. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そういたしますと、そういつた講習会で三日くらい役人が本職の方を休むということになるのでありますが、その間はどういうふうになつておるのですか。欠席になりますか。あるいは出張旅費をもらつて講習会に出席することになりますか。その点を伺いたい。
  85. 中田政美

    中田説明員 その点は私も実は会長ですから、全部知つていなければなりませんが、私は講習会にとまりがけで出るわけではございませんので、証書授与式とか、あるいは開議式に機会を利用して出る場合がございますが、全部に出たわけではございません。それは担当の事務局の方でやつておるわけでございます。それらのこまかい点につきましては、宙で覚えておりません。
  86. 淺利三朗

    淺利委員長 池田さん、御相談しますが、先刻建設大臣が取調べて答弁すると言つておりますから、そのくらいでいかがですか。
  87. 池田峯雄

    池田(峯)委員 せつかく中田さんがいらつしやるのでありますから……二十四年一月、京都の相国寺で講習会があつたとき、中田さんも出席されておつたそうでありますが、このときはどうなつておりますか。これは休暇をとられて出席されたのですか。公務で出席されたのですか。
  88. 中田政美

    中田説明員 それは宙で覚えておりませんが、京都、大阪、奈良、和歌山等に職務の公用で出ましたから、その機会を利用して相国寺の方に参つたと考えております。
  89. 池田峯雄

    池田(峯)委員 その講習会佐野學等が始終出ておるそうでありますが、そういう文化教養団体の催しの講習会に、とにかく共産党を裏切つて、共産党反対を標榜しておる曰くつきの佐野學という人間をどういうわけでこの講習会に連れて来たか。中田さんと思想が一致するならば、中田さんもそういつた佐野學の一派であると見てよろしい。そうすればこれは公務員の政治活動とみなしてよろしい。だからどういうわけで佐野學をこの講習会へ連れて来られたか。会長として所信があると思いますから、御抱負があつて佐野學を連れて来られたのだろうと思いますが、そのお考えを伺いたい。
  90. 中田政美

    中田説明員 いろいろの人を講師に頼んだ。憲法学者とか、あるいは新聞報道機関の方とかいろいろやつておりますので、佐野學さんが相国寺には確かに見えておりましたが、人選等につきましては、私具体的にその衝に当つておりませんが、大局において非常に政治的、あるいは思想的にどうこうという意味でやつたのではございませんで、佐野學さんに社会思想と言いますか、そういう問題について御講演を願つたことは確かに聞いております。しかし私は別にどうこうという意味ではありませんが、それらの講師の人選は、なかなか時間の都合なりいろいろありまして、この方をお願いするというようなことは事務当局でははなはだ苦労するものだそうですが、私はこまかいことについては知りません。
  91. 池田峯雄

    池田(峯)委員 その相国寺の講習会京都府庁より接待費十一万一千七十円、その他で合計十七万四千円をもらつたという事実を聞いておるのですが、一体これはどういう名義でもらつたのですか、その会計をあなた会長なんですから、やはり相談にあずかつておると思いますから……
  92. 中田政美

    中田説明員 私はどうも会長として全部を知つておるとたいへん答弁がしやすいのでございますが、今申し上げた通り講習会等ついてはとまり込み、あるいは食事その他の経費は本人が幾らくらいということを地元と協議して持つて来させるという形にいたしておると聞いておりますので、ただいま御指摘の京都府庁から幾らもらつたというようなことについては、私全然関知しておりません。
  93. 池田峯雄

    池田(峯)委員 あなたはその晩どこへとまりましたか。
  94. 中田政美

    中田説明員 柊屋というところにとまつたと記憶しております。
  95. 池田峯雄

    池田(峯)委員 あと調査の上また質問いたします。
  96. 内海安吉

    ○内海委員 非常に簡單に中田技監にお尋ねいたします。私の質問は、建設工事の機械化は、現有機械の老朽化した今日、その機械の更新、拡充によつて建設工事の能率化、災害復旧の急速なる実施は、国費の節減上きわめて緊要なることであり、かかる見地よりして公共事業費中河川、道路、農業、港湾の各事業工事費中に含まれていた機械費を独立されたものと了解しております。ついてはこの機械予算の運用及び将来の問題、さらに建設機械の問題について若干当局の見解を承りたいと存じます。  第一に過去における機械化の状況及び今年度予算の運営について御説明願いたい。すなわち工事費中にあつた当時と、單独化した場合とどれだけ運営上差異を生じたか、これが所管等についていかなる処置がされたか等をつけ加え、詳細説明されたい。  第二にかかる厖大なる予算を使つて、近代的機械に更新して行くにあたつて、所管者の機械に関する知識は十分だと考えているか。発注にあたつて過去の機械知識をもつてしているような感がするが、この点いかに考えるか。  第三に近代的機械化をするにあたつては、発注者、製造者、使用者が一体とならなければならないのは当然であるが、かかる一体化のために何か処置されているかどうか、その協議会といつたような構成について詳細説明されたい。  第四にいくら近代的機械を施工者に渡しても、その運転者の能力が作業効果を左右すると考えるが、これら能力向上について、何らか処置をしているか、また機械の修理機関については何か処置されているかどうか、これが第四点であります。  第五点は近代的かつ日本的機械を作製するにあたつて、何等かの処置をしているかどうか、今年度試作を命じたもの及び完成したものは何か、その発注会社はどこか、その完成したもので成功したもの及び今後研究を要するものとなつたものは何か、試作にあたつて過去の経験、技術等を尊重せず、一部技官の意思が強行されたようなことはないか。  第六に購入機械はどのように配置されるか、また機械中遊休機械があつた場合地方庁あるいは民間に貸与することは考えているかどうか、この場合の手続きはどうするか、機械化の調査研究、技術員の養成等は、一括してこれを土木及び建設研究所に一任する意思はないかどうか。また技監制度を活用する見地から、これらの総括指揮を技監に一任する意思はないかどうか。  最後に以上のような問題を総括して抜監にお尋ねしたいのですが、機械化は真に重要な問題であり、用途は各局にまたがるので、この際機械化の調査研究、技術員の養成等は、一括してこれを土木及び建築研究所に一元化する意思はないか。また技監制度を活用する見地からして、これらを総括指導するのを抜監において行い、現在の資材課は資材の面のみにして、新たに機械課を設け、機械の需要の多い河川局あるいは道路局に一応配して、技監が強力に監督推進すべきではないかこの点の御意見を、機械化に関する意見とあわせ開陳を願えればけつこうであります。
  97. 中田政美

    中田説明員 建設機械化につきましては、内海委員のおつしやる通り今後の国土復興上きわめて重要でございます。世間ではともすれば、失業問題で労力費が少い機械を使うことはどうかという議論もありますが、これから先の日本としては、どうしても機械を適切な工事にはぜひとも活用して、工事の能率をあげ、でき方をよくすることが必要であることは内海委員とまつたく同感でございます。この機械化につきましては、建設省におきましても及ばずながらこの一、二年以来努力して参つておるわけでございますが、従来は各土木の予算の中で、たとえば利根川改修費というような中で機械を買つて、それによつて使う。その仕事がなくなれば次の仕事に使うというようになつておりましたのを、昨年来大わくの中ではございますが、河川費の中で機械整備費、あるいは道路費の中で機械整備費というような内訳の細目を設けまして、この機械の購入なり配置なりを一括して取扱うような仕組にいたして現在やつておるわけでございます。二十四年度におきましては、建設機械の整備費は、国会の協賛を経ました河川費、道路費の中で約十一億に上つております。その中に大体河川の機械整備費が六億、道路の方が四億八千万円、それから都市国関係の復興の方が約二千万円ということになつておりまして、これらは大体において河川なり道路の仕事内容がほぼきまりますので、それらと見合いながら機械を買い、あるいは修理するというように仕組んで、この予算に安本で承認をされておるわけであります。大体において新しい機械は二通りありまして、いわゆる進駐軍拂下げの機械、それから国産の機械を買うものと、この二つになつておるわけでございます。それから機械を操作する上において最も大事なことは、常時管理維持を完全にして、常に稼働時間の能率を上げるということが大事でございますので、モーター・プールをつくるという計画にいたして、今その仕事を進めておるわけでございますこれらにつきましては、もちろん機械のことでありますから、能率のいいものを買わなければならぬことは当然でございますが、概括的に申しますと、残念ながら戦争を経過した日本の機械のメーカーとしましては、土木機械のごときものは、比較的立ち遅れになつておるわけでございまして、どうしても性能から言いますと、拂下げの機械の方が性能がよくて、国産の機械がこれに見劣りするということは争われない事実でございます。しかしながら国産機械というものの将来性を考えれば、どうしても国産機械についても、これを育成して行かなければならぬという意味で、進駐軍の拂下げ機械と同時に、日本の国産メーカーにも研究をさせ、だんだんといいものをつくつて行くように努力しておるわけでございます。国産機械も最近におきましては、だんだんと自信がつくようになつておりますが、それでなおかつ実績等を考えますと、拂下げ機械に及ばない点も多々あるやに思いますので、これにつきましては機械化協議会というような官民の——官民のという言葉は悪いのですが、役所の方とか、あるいはメーカーの方とか、あるいは機械に関する専門家というような人の協議会をつくりまして、この協議会でたとえばブルトーザーはどういう形式をとり、グレーラーはどういうところを改良すべきかというような、非常に地味ではありますが、非常に大事な研究討議をやつていただいておるような次第であります。この会長には建設次官がなつておられると思いますが、そういうので朝野をあげて研究して国産品の向上をはかりつつあるわけでございます。  それから養成等につきましても、これは機械が出てもオペレーターが悪いために機械をこわしてしまう。これは土建界の常識なんで、ほんとうにいいオペレーターをあてがわないと、多額の金をかけたものをこわしてしまうというようなことも懸念されるのでありまして、沼津の養成所でオペレーターの養成もやつております。これらもだんだんと将来充実して参りますれば、機械の効率は一段と上つて行くだろうと考えております。  試作のお話がございましたが、これもまた大事なことでありまして、どうしても新しい一つのデザインによつていい機械をつくつて行く。アメリカの機械に依存しても、アメリカと日本との仕事の対象が違いますので、日本に妥当する機械をつくらなければならぬという意味で、試作も若干やらせるような段取りをしておるようでございますが、試作の発注先はどこかということについては、本日覚えておりませんので、後刻調べてお答えしたいと思いますので、その点は御了承願いたいと思います。  それから配置の問題ですが、これは大体年度、どの川はどのくらいな土砂調整をやるというようなことがきまりますので、それに応じてたとえば利根川に浚渫船を入れるとか、あるいは島根県の斐伊川に浚渫船を入れるとか、あるいは富山県の常願寺川にタワーエキスカーを設置するというように、その工事内容によつて配置いたしますが、従来の各府県が自分の予算で配置する場合に比べますれば、多少の機動性を持ちたいというのがねらいでございますそこで買つてしまえば仕事がなくなつてもそこでかかえて置くというようなことがないように、効率を上げるようにして行きたいと考えております。なおかつもし配置上若干のゆとりがある場合においては、貸与規則を設けておりまして、公共団体等に貸しつける方法も開いております。  それから機構上の問題について最後にお尋ねがございましたが、これも重大なる示唆に富んだ倒意見だと思います。これは御承知通り管理局の資材課でやつておりますが、今日になりますと、機械化の問題は非常に大きな仕事になつて参りましたので、どうしても役所の機構を少し改めても機械課をつくたいという念願で、ある程度の準備はいたしております。資材関係の片手間でもというのでは、あまりに事が重大であるという意味で、れつきとした責任を持ち、スタフを持つた機械裸にして行きたい。もちろんこれは増員するわけではございませんが、そうう意味で機械課を一課つくりたいという考えでおります。ただ研究所に委任したらどうかという点につきましては、技術の訓練、オペレーターの養成というようなことは、土木研究所に今日でもまかしてやつておりますが、今後もそのつもりでおります。  最後に機械化事務の所管をわが建設省における抜監の所管にしたらどうかという非常に示唆に富んだ御意見なのであります。抜監は御承知通り、抜術に関する事務を統理するということに官制上なつておりますので、それも一つの方法だとも思いますが、しかしながら機械の仕事は機械抜術の研究向上ということばかりでなしに、いろいろな行政事務的なものもございます。従つて確かに一つの有力な御意見だとは思いますが、これらにつきまして今後制度上改善する点については、十分御意見を取入れて研究したいと思います。
  98. 内海安吉

    ○内海委員 機構に関する問題と試作の点につきましては、この次の機会において総括的に御質問申し上げたいと思いますから、それまでに御用意願いたいと思います。
  99. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質問ありませんか。——それでは総合計画に関する質問はこれで打切ります。  なおかねて本委員会に付託されておる陳情もたくさんあるのでありますが、この審査もあわせてさきの請願小委員に付託して審査を願えたらどうかと思いますが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなければさように決しまして、請願小委員会にあわせて付託することに決します。  それでは本日の会議はこれをもつて散会いたします。     午後四時三十二分散会