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1949-11-22 第6回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十二日(火曜日)     午後一時五十分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君    理事 田中 角榮君 理事 内藤  隆君    理事 上林與市郎君 理事 村瀬 宣親君    理事 池田 峯雄君 理事 天野  久君    理事 笹森 順造君       瀬戸山三男君    高田 弥市君       西村 英一君    三池  信君       前田榮之助君    畠山 重勇君       高田 富之君    寺崎  覺君       松谷天光光君  出席国務大臣         建 設 大 臣 益谷 秀次君  委員外出席者         議     員 玉置 信一君         議     員 佐藤 重遠君         議     員 小川原政信君         建設事務官   落合 林吉君         建設事務官   伊藤 大三君         建設事務官   富樫 凱一君         建設事務官   八嶋 三郎君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 十一月十九日  愛知川綜合開発事業促進請願河原伊三郎君  紹介)(第九二二号)  田尻川等改修請願高橋清治郎紹介)(第  九二七号)  大久保部落地すべり防止工事継続請願(田  中彰治紹介)(第九三〇号)  吉田川等改修促進請願庄司一郎君外二名紹  介)(第九三一号)  小平、幌加内間に道路開設請願玉置信一君  紹介)(第九三二号)  城端、白鳥間道路開設並び細毛峠にトンネル  開設請願土倉宗明紹介)(第九三六号)  国道五号線改修促進請願池田正之輔君紹  介)(第九三七号)  胆沢川上流砂防工事施行請願山本猛夫君紹  介)(第九八一号)  葛飾区の台風被害復旧並びに防備施設費国庫補  助の請願中島守利紹介)(第一〇〇〇号)  宮崎県の災害復旧費全額国庫負担請願渕通  義君紹介)(第一〇一一号)  由良川河水統制「えん堤」工事再開並びに改修  工事促進請願前尾繁三郎紹介)(第一〇  一二号)  上下水道事業の一体化に関する請願花立敏男  君外一名紹介)(第一〇一五号)  廣瀬大津開拓地内廣瀬川に「橋りよう」架設  の請願庄司一郎紹介)(第一〇一八号)  一ツ瀬川改修工事施行請願渕通義君外四名  紹介)(第一〇二六号)  宮崎県下各河川砂防工事費国庫補助請願(  渕通義君外四名紹介)(第一〇二八号)  赤岡町から岸本町を経て吉川村に至る間の海岸  に防波堤築設の請願長野長廣紹介)(第一  〇二九号)  宇治、伊野八田三箇町村排水工事等に関す  る請願長野長廣紹介)(第一〇三〇号)  千曲川、犀川の堤防強化に関する請願小坂善  太郎君紹介)(第一〇三九号)  瓶岩村ダム築設の請願長野長廣紹介)(  第一〇四一号)  高知、越知間国道改修工事施行請願長野長  廣君紹介)(第一〇四三号)  日立製作所住宅建設費融資「あつ旋」の請願(  石野久男紹介)(第一〇四七号)  接収私有地の救済に関する請願山手滿男君紹  介)(第一〇五九号)  財田川防災ため池築設の請願福田繁芳君紹  介)(第一〇六五号)  伊野町、西條町間連絡道路開設請願長野長  廣君紹介)(第一〇七一号)  安藝町、馬路村間連絡道路開設請願長野長  廣君紹介)(第一〇七二号)  延岡、富島間国道改修工事促進請願佐藤重  遠君紹介)(第一〇七号)  青谷川河口改修に関する請願稻田直道君紹  介)(第一〇七八号)  由良川改修に関する請願稻田直道紹介)(  第一〇八八号)  名古屋、新潟間国道改修請願今村忠助君紹  介)(第一一三三号)  碧南地方災害復興費国庫負担に関する請願(  千賀康治紹介)(第一一四四号)  蜆川改修工事促進に関する請願千賀康治君外  一名紹介)(第一一四五号)  天龍川改修並ひに三峰川、小澁川砂防工事施行  の請願今村忠助紹介)(第一一五六号)  思川に築堤並びに護岸工事施工請願山口好  一君紹介)(第一一七七号)  利根川根本治水対策実施請願山口好一君紹  介)(第一一七九号)  伊野から池川を経て久万に至る間に道路開設の  請願長野長廣紹介)(第一二〇一号)  国道二十三号線改修促進請願成田知巳君紹  介)(第一二〇九号)  旭川改修及び旭川合同用水工事促進請願(逢  澤寛紹介)(第一二一三号) の審査を本委員会に付託された。 同日  公営住宅建設地所有者用地提供に関する陳情  書(第二三三号)  宮崎県における災害復旧事業費国庫補助増額等  の陳情書(第二四六号)  府県道妻人吉線国道編入陳情書(第二四  八号)  五ケ瀬川国直轄河川編入等陳情書(第二  四九号)  大渕、福島両橋を永久橋に架替の陳情書(第二  五〇号)  財川改修工事継続陳情書(第二五一号)  木屋川ダム建設費国庫補助等陳情書(第二五  七号)  府県道俵山古市停車場線改修工事施行陳情書  (第二六三号)  丸子川改修工事施工陳情書(第二六四号)  海老江村海岸護岸工事施行に関する陳情書(  (第二六五号)  鹿児島県における災害復旧事業に対し国庫補助  等の陳情書(第二六六号)  神奈川県における災害復旧事業に対し国庫補助  等の陳情書(第二六八号)  和歌山県下災害復旧事業に対し国庫補助陳情  書(第二七六号) を本委員会に送付された。     ————————————— 本日の会議に付した事事件  小委員会設置に関する件  都市計画に関する件   請願  一 岡山県下各河川砂防工事施行請願外十    九件(大村清一紹介)(第一号)  二 猿ケ石川上流堤防築設の請願山本猛夫    君紹介)(第一九号)  三 大沢田川砂防工事施行請願山本猛夫君    紹介(第二二号)  四 閉伊川水系河川砂防工    事施行請願山本猛夫紹介)(第二四    号)  五 国道六号線に陸橋架設促進請願山崎猛    君紹介)(第三一号)  六 大日川上流ダム築設の請願原健三郎君    紹介)(第三三号)  七 川水流、黒木間の五ケ瀬川に「橋りよう」    架設請願佐藤重遠紹介)(第三五    号)  八 災害復旧費増額請願外十六件(倉石忠雄    君紹介)(第四〇号)  九 鬼怒川に築堤並びに護岸工事施工請願(    鈴木明良紹介)(第四五号) 一〇 大日川護岸工事施行請願原健三郎君紹    介)(第五〇号) 一一 馬淵川改修区域延長並びに工事促進請願    (小笠原八十美紹介)(第五一号) 一二 五ケ瀬川改修促進請願佐藤重遠君紹    介)(第五六号) 一三 湊町の都市計画改正に関する請願山崎猛    君外一名紹介)(第七一号) 一四 宮崎県の災害復興助成請願佐藤重遠君    外五名紹介)(第一一五号) 一五 府県道石動羽咋線及び石動下河合線の一    部改修に関する請願内藤隆紹介)(第    一一七号) 一六 井野川改修工事施行請願小峯柳多君紹    介)(第一三〇号) 一七 天塩川河口改修事工事施行請願玉置信    一君紹介)(第一四二号) 一八 起、竹ケ畠間の木曽川に架橋請願(大野    伴睦紹介)(第一四三号) 一九 大川橋架替に関する請願大石ヨシエ君紹    介)(第一四五号) 二〇 天塩町の道路改修に関する請願玉置信一    君紹介)(第一四六号) 二一 天塩、幌延間の天塩川架橋請願玉置    信一紹介)(第一四七号) 二二 土木事業振興に関する請願星島二郎君外    一名紹介)(第一四九号) 二三 札幌市の市街地復興に関する請願小川原    政信紹介)(第一五三号) 二四 三国街道改修促進請願亘四郎紹介)    (第一八二号) 二五 神之川の災害復旧並びに開発事業促進に関    する請願上林山榮吉君紹介)(第二二八    号) 二六 住宅組合法の一部改正に関する請願(石原    圓吉紹介)(第二三九号) 二七 村道曽木大保下線改修請願佐藤重遠君    紹介)(第二六七号) 二八 治山治水事業促進に関する請願大橋武夫    君紹介)(第二六九号)     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  本日の日程の都市計画に関する件を議題といたします。さきに小委員会でも一応の話がありましたが、本委員会においてこの際当局より都市計画の現況の概要及び今後の見通し、また最近における改訂計画というようなことにわたりまして説明を願いたいと思います。八嶋都市局長
  3. 八嶋三郎

    八嶋説明員 私の方で所管をいたしておりまするうちで、特に戰災復興都市計画の問題につきまして前会の本委員会におきまして、今回再検討いたしました事情等につきまする方針等につきましては、あるいは御説明を申し上げたかと思つておりますので、本日はあるいは重複になるかもしれませんが、今回出しました結論とも関連をいたしまするので、簡単に戰災復興都市計画に関しまする方針を申し上げ、結論を申し上げたいと存ずる次第であります。  御承知通りに、終戰後戰災復興基本方針を定めまして、全国百十五都市に対しまして、戰災復興の向うところを、一応当時幣原内閣でありましたが指示をいたしたのであります。ところがその後におきまする復興の状況が、遅々として進まざるものがあつたのでありますが、その大きな原因は、現下の国家情勢、特に国家並びに地方財政の窮迫といつたような点が、最も大きな原因であつたのでございます。ことに昨年のごときは経済九原則が提示せられ、ドツジ・ラインというものが明示せられましたので、この機会におきましてもう一度ひとつさきに定められました戰災復興基本方針の再検討をして、真にやり得る限度においてこれを修正することが必要であろうと存じまして、本年の六月でございましたか、閣議決定をもちまして戰災復興都市計画検討方針決定していただいたわけであります。その後この方針に基きまして建設省の中に戰災復興対策協議会というものを設置いたしまして、そこで閣議において決定をいたされました基本方針実施に移しまするにつきましての、実施要領決定していただきまして、本年の八月の初めから全国都市に対しまして再検討を命じ、それを一々各地区別にこの協議会幹事会におきまして検討をいたしたのでございます。その基本方針実施要領、並びに結論をこの機会において皆様方にお知らせいたしておくことは、私どもの義務だろうと存ずるのであります。  まずこの基本方針といたしましては、今回取上げましたのは計画面といたしましては、街路の問題と、それから公園緑地の問題でございます。この両者はいずれも建築の制限ということに関連をいたしまするので、べら棒に大きな公園緑地をとるとか、あるいは非常に幅員の広い街路を設定すると設定するといつたようなことについて、いろいろそこを検討してみようじやないかというのが、この計画面の問題であつたのであります。街路幅員大体三十メートル以上というものを中心にとりまして多少それよりも狭い街路につきましても、この機会においてバイ・パス、あるいは副道といつたようなものと関連をいたしまして、ひとつ考えてみよう、また防火上必要であるかどうか、防火帶を必要としておるかどうかといつたような点も考えてみよう、それから美観といつたような点で、非常に広くされている点等もひとつ検討してみようというようなことで、この幅員の問題を中心に考えてみたのであります。  その次には公園緑地の問題につきましても、当初非常に広い範囲において公園緑地決定をいたしておる地域もございまするので、重点は児童公園とか、運動場といつたようなものに置いて指定計画というものを再検討をして参ろう、あるいはまた消防上の関係とか、あるいは公衆衛生関係といつたようなために必要といたしまする地域であるとか、あるいは密集地域で特に防火帶を必要といたしまするような地域に、この公園緑地というものを考えてみようじやないかということで、この問題と取組んだのでございます。  その次には事業面といたしましては、主として土地区画整理の問題でございまするが、当初戰災を受けました地域というものが、一億八千万坪あつたのでございますが、昨年でございましたか、安定本部打合せをいたしましたときには、これを一億坪に限定をしようじやないかということになつたのでございますが、今回の再検討によりましては、この土地区画整理一億坪、今日の時価に換算をいたしまして、その事業費が大体五百四十数億という数字に相なつておるのでございまするが、これをひとつ再検討をしてみようじやないかというので、施工面積一億坪の中から特に燒残りの地区であるとか、換地割込み関係上転入したような地区は、原則としてこれを除いて参ろう、また土地区画整理によつて宅地区画増進率が著しく低いといつたものにつきましても、ひとつこの機会において再検討をして参ろうじやないか。それから換地予定地の未指定地地域で、その緊要性なり施工能力に照らして、除外するを適当と認めるような地域も、これを除外して参ろうじやないか。そのほか家屋の移転であるとか、あるいは地下埋設物移転といつたようなものにつきましても、できるだけ現状を尊重いたしまして、経費の安く上るようにひとつやつて参ろう。その意味において設計の改変をするなり、あるいは工法のくふうをやるといつたようなことによりまして、できるだけその費用の節減をはかりたいということにいたしたのでございます。ただしかしながらすでに工事に着手しておるものとか、あるいはすでに換地発表をいたしておりますものにつきましてこれを再検討することによりまして、かえつていらざる費用をかけないようにという意味におきまして、すでに換地発表を了しましたもの、あるいは工事に着手いたしておりますものにつきましては、原則として既定計画というものを尊重して参ろうということにいたしました。そうしてこれによつてできましたものは、おおむね五箇年以内に一定のかつこうをつけて、大体のところの完了をはかつて参りたいということにいたしたのでこざます。  こういう方針にのつとりまして、今回の再検討をいたしたのでございますが、それが先ほど申し上げましたように、八月一ばいかかりまして建設省並び安定本部方々が、みなこの協議会幹事なつておるのでありますが、これらの方々と県並びに実施当局者の市の方たと一々打合せを遂げ、市の財政の状況なり、あるいは進捗の状況なり、市の希望なりといつたようなものを十分に参酌いたしました結果、まず事業面の点におきましては、面積一億坪を大体一五%削減いたしまして、八千五百万坪ということにいたしたのでございます。これに要しますところの事業費が五百四十億円から三百三十二億円という数字にこれを圧縮して参つたのでございます。なおまた道路街路公開緑地縮小につきましては、お手元に本日配付いたしました書面のごとくに、各都市につきまして相当大幅の縮小を見ておるような情勢でございます。これによりまして大体区画整理の大きなかつこうをつけ、街路の全部を完了するということはできませんが、ある程度の残事業的なものは六十五億ほどよけいに見ておるのでございますが、まず大体五箇年間で一定のかつこうだけはつけてしまおうということで、今申し上げましたような数字にまでこぎ着つけて参つたのでございます。これを協議会にかけて協議会決定を見ていただいたのでございますが、その際における対策協議会の御意見といたしましては、実はお手元に配付いたしました最後のところにつけてございますが、一つ附帶決議というものがつけられまして、これが可決を見たのであります。その要点は、今回の再検討は、今日の財政上から見て、真にやむを得ないものがある。しかしながらこれははつきりとやはり五箇年間において完成するように、政府は責任を持つてつていただきたいということが、まず一つの問題でございます、第二の問題といたしましては、この事業における県並びに市の負担というものにつきましては、この事業は将来の子孫の利益にもなる事業であるから、ひとつ起債を優先的に承認をしていただきたいということが第二の條件でございます。第三の條件は、これを五箇年間に完成して参りますがためには、五箇年間の当初の年度において相当多額国庫助成の道を講じていただかなければ五箇年間に終了がむづかしい。こういうように三つの條件が掲げられて対策協議会においては可決されたのでございますが、その後この協議会方針に基いて、これを強力に推進して参ろうということの閣議決定を見た次第でいございます。  以上が大体今回の戰災復興都市計画の再検討をいたしましたものであり、またその結果でございます。これに伴いまして今回私の方も予算措置をして参つたのでごいます。本年度の今回の補正予算において、都市復興として大体五億の事業費を載せていただいたのも、その一つの現われであろうと存じます。また来年度においても一—これはまだ提出はされておらないのですが、安本内部において決定をみましたものは、都市復興の額として十八億程度の予算が載せられるやに承つております。その他足らざるところは失業対策費用等を充当して、何とか復興事業の完遂をはかりたいと考えております。
  4. 淺利三朗

    淺利委員長 戰災復興以外の都市計画、あるいは災害に伴う都市計画、そういう方面のことは何か……
  5. 八嶋三郎

    八嶋説明員 その他の計市計画については、本年の国会において法案が確定いたしました広島長崎の両都市でございますが、御承知通り広島については平和記念都市長崎については国際文化都市という名称をもつて、この都市記念事業文化事業を推進して参ろうということに法律の決定をみたのでございます。これについては私の方で所管をいたしております。今回この両都市法案に基く問題については、その予算措置として特に戰災復興事業と、平和記念都市らしいような施設、また国際文化都市らしいような施設を一しよくたにして、平和記念都市建設事業並びに文化都市建設事業という名目をもつて安本要求をいたしました。なおこの両都市について、こうした特殊のものを取扱うについての調査費お話方面要求をいたしました。この両都市については前回のこの委員会において、特に中央においてこれを取扱う何か一つ委員会的なものをつくれという御要求がございましたので、閣議了解事項のもとに、平和文化都市建設協議会というようなものを建設省内部に置きまして、そうして関係各省にお集まりを願いまして、この両都市事業計画を付議いたしたのであります。その際における大体の空気といたしましては、この両都市における予算を別わくにしていただきたいということが、第一の要望であつたのでございます。都市局関係につきましては、戦災復興事業であるとか、幹線街路整備事業であるとか、あるいは特に記念的な施設といたしましては、原爆中心地はそこを公園にいたしまして、記念館的なものを設置するというようなものを特殊の議題といたしまして、なお今後この都市整備をはかつて参るについては、もつと具体的に掘り下げて調査をして行かなければならぬと思いますが、とりあえずはつきりしておりますようなものだけを来年度予算として要求いたした次第でございます。その他の各省関係につきましては、実はこの中に入つておらなかつたのでありますが、協議会の空気といたじましては、できるだけひもつきにしていただきたいという要望が強かつたのであります。来年度予算についての内訳につきましては、安本から示されておりませんので、今ここではつきりした数字を申し上げることはできないと思うのであります。これが大体この両都市における特別な措置でございます。  そのほかはいわゆる非戰災都市、並びに戰災都市でありましても、戰災区域外地域につきましては、実は従来から疎開の跡地であるとか、あるいは特に生産に寄與するというような街路を選定いたしまして、これに重要幹線整備事業ということで、実は私の方で各事業実施体に対しまして補助をいたしておるというような情勢でございます。そのほかあるいは大きな火災で燒けました能代であるとか、あるいは飯田とかいつたような都市における重要な幹線街路等につきましても、実は援助をいたしておるような情勢でございます。そのほか従来もやつておりましたが、またこの委員会におきましても御視察の結果強く要望いたされました大阪地盤沈下対策でございますが、特に港区、大正区といつたような方面に対しまして、これが戰争中から非常に地盤が沈下いたして参りましたので、実は運輸省の港湾局大阪港の浚渫をやります港湾整備事業と一体となりまして、これで上げましたところのどろを流し込んで、戰災によつて燒けました機会を失しないように、これに区画整理事業実施して参ろうということで、実は今年の予算要求いたしたのでありますが、来年度復興都市事業の一環といたしまして、戰災復興とは別に何とか処置をつけて参ろうと、実は考えておるような次第でございます。  以上御説明申し上げました。
  6. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの説明に対して御質疑はありませんか。
  7. 村瀬宣親

    村瀬委員 ちようど建設大臣がお見えになつておりますので、今の御説明に対しまして建設大臣の御意向を承つておきたいのでありますが、一億坪を八千五百万坪に減らして、その事業費を三百三十二億にした。そうして付帶決議をつけて初年度には特に多くもらわたければいけないということを協議会会長建設大臣に答申をされておるのであります。ところで三百三十二億を平均いたしましても、五年間使いますれば六十六億いるわけでありまして、半分といたしましても平均三十億ぐらいはいる。この決議の第三項を重要視いたしますれば、もつと金額はふえねばならないのであります。それを今伺いますと、来年度はきまつてはいないが、十八億見当だ、こういうようなお話でありました。これはどういうわけでそういうふうにやるのでありますか。いわゆるないそでは振れぬというだけで済ましておけるものではないのでありまして、この間のことをまずお伺いしたいのであります。  これに関連してお伺いいたしたいことは、仄聞するに、八十億よりももつと多くの金を要求をし、大体閣議においても認められそうになつたのでありますけれども、例のシヤウプ勧告に基く災害復旧全額国庫負担ということから、百億ほどふやす必要ができた。そこでこの都市関係経費や、土地改良費等において、農林省関係が大幅にこの百億をつくり出すために取り上げてしまつたのであるということも聞いておるのであります。そうすると建設大臣は、来年度災害復旧全額国庫負担でやるという御方針を、あくまでも堅持されるものであるかどうか。私たちは災害復旧は、当然理想としては全額国庫負担であるべきとは思いますけれども、しかしこれが全額国庫負担で全部まかなえるものでありますならば、これはそれに越したことはないのでありますが、千二百億あるところにもつて来て、二百二、三十億くらいの予算しか組まない、しかも全額国庫負担となりますと査定を受け、認められたところは非常に有利でありますが、紙一重で飛ばされたところは非常に困るということもあります。この全額国庫負担をもつて災害を復旧することは、非常な用意と準備と研究を要することと思いますが、この点に対しましても当然これがこの都市局予算にも響いて来ると思いますので、御方針を承つておきたい。これが第二点であります。  第三点といたしましては、たびたび申し上げたことでありますが、二十四年度におきまして、この区画整理の地方の補助を減らされました。これは最初は三分の二をやると言つておきながら、最後の年度なつて急に減らしたのでありますが、当面の市長、町長等におきましては、泣くにも泣けない立場に立至つている例が、全国至るところにあるのであります。この区画整理に対する補助率を旧に復するお考えはないかどうか。この三点を伺つておきたいと思います。
  8. 益谷秀次

    益谷國務大臣 ただいま局長から、戰災都市の再建等について御報告申し上げたのでありますが、その通りでございます。そうして事業計画はただいま申し上げたごとく、三百三十二億に圧縮いたしました。そういたしますと五箇年で半額補助でありますから、十分の一になります。従つて三十三億二千万円を毎年出さなければならぬ計算になるのでありますが、今日の国の財政あるいは地方の財政等を十分に勘案いたしまして、でき得る限りこの事業費を削減いたそうと考えております。なお他の関係各官庁においてはもう少し残事業をふやすというような意見もあるようであります。そういたしますとそれだけが五箇年計画から一時差引くことに相なつております。そこで率直に申し上げますと、私の方は建設省といたしまして、大体最小限度二十三億の戰災復興都市計画予算要求いたしておるのであります。それはただいま最終決定には至つておりませんが、これは聞くところによりますと、この金額も幾らか削減せられるような話を聞いておりますが、ただいま申しました通り最終決定にはなつておりません。かりにこの金額が財政の都合から削減されたといたしましても、御承知通り本年は失業対策費用もわずかながらあるのであります。そしてこれは労働省の所轄の予算にはなつておりますが、御承知通り失業対策費用を最も有効に使い得る、そしてまた都会地周辺の道路事業が失業者を吸収するに最もふさわしいという建前から、そのうち相当金額をいわゆる都市計画費用に充てましたが、これはもとより建設省のみで計画をいたすのではありません。安本などが中心となりまして、労働省とも十分に協議して一つの計画を立て、この計画の線に沿つて労務者の費用をまかなつて行く、そして都市計画の促進をいたして行く、かような考えを持つておるのであります。そして残事業は残事業といたしまして、必要なる費用は計上して、五箇年間に一応都市計画事業を完遂いたして参りたいという所存であります。  なおこれに関連いたしまして第二の御質問でありましたが、本年の予算災害復旧費の全額国庫負担という建前から、あるいは農地改良とか、都市計画とか、その他の公共事業費用が非常に削減せられるのではないかというお尋ねでありますが、そのためにと申しますか、とにかく災害復旧は緊急を要するものでありますから、これはやはり現内閣といたしましては、御承知通り予算編成の上において、災害復旧あるいは治山治水というものに、最も重点を置いて参つたのであります。そういう建前から、最初から額を決定いたしまして、災害復旧、治山治水の費用は公共事業費の割合から見ますと、相当の金額を決定いたしておるのであります。と同時に今回はお尋ねのごとく、災害復旧に関する全額国庫負担という問題が出ておるのであります。また政府といたしましてもそれを考慮いたしておるのであります。しかしながらまたシヤウプ・コンミツシヨンの災害復旧に対する意見も、御承知通り災害復旧は国庫において全額負担すべきであると勧告いたしております。同時に軽微な災害については除外をいたしておるようであります。しからば軽微な災害は、はたしてどういう程度が軽微であるか、また軽微でないかということをきめることも、まだ政府といたしては決定しておりません。またもう一つは来年度から、つまり明年の四月一日から見ますと、昭和二十二年度災害、昭和二十三年度災害、また本年の災害は、いずれも過年度災害に属しますが、これをどう取扱うか。全額国庫負担は明年から起る災害について全額負担をするのかどうか。いわゆる過年度災害も全額負担するのかどうか。また災害全部——たとえばただいま御指摘になりました農地の問題、これをも含めるものであるかどうか。いろいろまだ研究いたさなければならない問題があるのであります。従つて今日政府においては、全額負担の問題について決定いたしたる方針はまだございません。目下大蔵省その他と研究中であります。そしてただいまの戰災復興都市の問題につきましては、先ほど申し上げました通り我慢のできるところは我慢をする。しかしながら戰災復興の根源はもちろん、建物をつくること、そのためにはいろいろ区画整理等が決定をいたさない、また区画整理が実行いたされないということが非常に支障になつております。これは何とかして五箇年間にやり遂げたいという所存でおります。
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員 補助率はかわりませんか。
  10. 益谷秀次

    益谷國務大臣 なお従来の補助率を二分の一にいたしたのでありますが、これも国の財政の上からやむを得ない措置で、今日窮乏いたしておる地方公共団体の負担がそれだけ増すのでありまして実に遺憾とは存じておりますが、本年度から、または来年度から補助率を増額するということにはいまだ達しておりません。財政の許す限りすみやかに補助率を増すことに努めたいと思つております。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員 災害復旧全額国庫負担の問題は、いまだ考慮中とのお話でありますが、この百十五都市も大きな戰争の災害なんであります。一方は全額にして、これは戰争のためだから半額でよいという理論は成り立たないと思うのでありますが、全額国庫負担を御決定になるときに、戰災都市のこれら復興費についても、何らかのお考えを今の建設省としてお持ちでありますかどうか。なお一点お伺いいたしたいと思います。
  12. 益谷秀次

    益谷國務大臣 申すまでもなく災害は種々ございます。旱害もありますれば冷害もあります。また雪害もあり、大火災とか地震等もございます。よつて今回の災害費用の国庫全額負担という問題は、主として河川中心とする災害であろうと思つております。従つて年度災害を含むか含まないか、それはまだ決定いたしておりません。従つて私ども戰災復興都市については、補助率を増したいとは考えておりますが、その希望を実現することができるかどうか非常に疑問に思つております。できるだけ財源の許す限り増して行きたいという考えを持つております。
  13. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 この都市計画について、ことに戰災災害地の計画についてお伺い申し上げたいのです。申すまでもなく日本が平和国家として立つ上において、戰災都市が現在のままの姿で、なお数年放置されるということは、われわれ国民としても見るに忍びないい実情であることは、お互い同様であると思うのでございますが、今御説明によりますと、五箇年計画を立てられまして、この復興に努力をされ、それに伴う予算が計上されておるわけであります。その予算の中の足らない部面は、失業救済等の都市街路工事等で補つて行くとおつしやいましたが、そういうことで五箇年計画は五箇年のうちに完全に実施されるという御自信がおありになるかどうか。そういうことが明確な計画の中にできておるかどうか。この点を第一点にお伺いいたしたいと思います。  それから第二点は、戰災都市の中の、大部分といつていいと思いますが、相当な部分の中に海軍、陸軍のいろいろな施設のある部面がたいへん多いと思います。この軍備施設のための土地建物、こういうものが、現在まだ占領軍から開放されておらないものもありますし、すでに開放されておるところもありますが、こういう施設のある都市は、この施設を利用することによつて地方財政が非常に負担が軽減される。従つて都市復興に非常に役立つと思うのです。また戰災都市といたしましても、そういう希望を持つておる地方が多いわけでございますが、これに対して建設省といたしましては一—何かこれを従来大蔵省の関係から見ますると、大蔵省が国の資産としてやはり拂下げなどをそれぞれの法規によつて時価に見積り、あるいは他の方法によつてそれぞれの国の収入として見込んでおるようでございますが、現在ありまするそれらの土地建物というものは、機械その他の関係とは違いまして、他の土地へ持つて行くわけに行かないものでありますので、当然その都市に使用されるべき性質のものである。これをいたずらに国が時価に見積つたり何かすることによつて、地方が利用する点に非常に困難を感じておるわけでございますが、これを全面的に戰災地として特殊な取扱いをして、戰災復興に役立たしめるというようなことについて、何かお考えあるいは御計画を立てられたか。あるいは大蔵省等とそれを御相談なさつたことがあるかどうか。また将来そういうことについて何か計画を立て、あるいは相談をしてみようという御意図があるかどうか。この二点をお伺いしたいと思います。
  14. 益谷秀次

    益谷國務大臣 戰災都市に限られておりませんが、旧陸海軍の用地、建物はすでに占領軍において了解を願い、各地において現在使用いたしておるものもあります。また墓地とか、火葬場などというものは、これは無償で大体拂い下げることになつておるはずでございます。その他特に広島に多いのでありますが、陸海軍の施設、あるいは宅地などがたくさんあるようでありますが、これは平和都市の計画が進んで行くにつれて、十分に考慮いたしたいと考えております。いまだ大蔵省と私の方で具体的に相談をいたしておりませんが、都市計画あるいは文化都市の建設の進むにつれて、十分に考慮いたしたいと考えております。これはひとり広島のみではございません。さように考えております。  なお五箇年計画は先に申し上げました通りでありまして、これは申すまでもなく国の財政の都合を十分勘案いたしまして、とりあえず急いで五箇年の間に区画整理はやつて行きたい。どうしても残る事業はこれはいたし方がない。十分に家のできる措置だけはつくつて行きたい。そうして先ほども申された通り失業対策の問題でありますが、これは相当都市計画の上において効果があると信じております。今回の補正予算についても、失業対策費のうち五億円は建設省所管といたして、そうして主として都会周辺、都会の街路等にこれを使つて行きたい。それだけ都市計画が進捗いたすことに相なるのであります。
  15. 田中角榮

    田中(角)委員 建設省当局に対して、六点だけ簡単に御質問をいたします。第一番目は、五年間で大体戰災整備を行うということでありますが、これは時間的に延びるだろう、こう思つておるのですが、まず整備の中で最も大きな対象であるところの幹線街路整備についてであります。この幹線街路整備だけは五箇年間に行える方針と自信をお持ちであるか、ないかという問題を、まず一番にお伺いいたします。
  16. 八嶋三郎

    八嶋説明員 今回の五箇年計画におきまして、私どもといたしましては、できるだけひとつ区画整理というものに重点を置いて参りたいと思つておるのであります、と申しますのは、やはり住宅の建設という面から考えて参りますと、どうしても一定換地の上に住宅を建てたいということが大体中心なつておりますので、それに伴いまして建設の方もできるだけのことはやつて行きたいというように、実は予算にはなつております。しかし完全にすべてみな砂利にするとか、鋪装するといつた面にまでは、今度の予算としてはできぬだろうと私は思つております。しかし都市計画ということが、何も五箇年だけできまるべき問題でもありませんので、こういう街路の問題につきましては、中には相当難事業的なもので、将来戰災復興のわくでなしに、幹線街路という面の予算をさらに増額していただきまして、完備をはかつて行きたいというふうに考えております。
  17. 田中角榮

    田中(角)委員 この問題についてもう少しつつ込んでお聞きしたいのですが現在幹線街路整備が五箇年間で行えないということが言われておるのでありますが、大体そうだろうと思います。もしこれが五箇年間で行えるとすると、現在建築申請等をいたしているところの、いわゆる道路敷地内の建物が、五箇年間にこれを撤去しなければならないという大きな問題が出て来ているのです。だからそういう、意味で、幹線街路整備が五箇年間で行えなく、まず区画整理と相まつてみなければわからないということであれば、現在の許可方針通りで行つていいわけでありますし、しかもまた一般国民として、いわゆる道路敷地内に建築をなす方針も、現在のままでやつておればいいわけですから、そういう意味で、この幹線街路整備を五箇年間でできるかどうかという御質問をしたわけです。  第二番目は、この幹線街路のみではなく、区画整理の非常にがんになつておる、いわゆる既設の堅牢建築物に対してどういう考えを持つておられるか。なおかつ今度の道路幅員の減少その他再検討に対して特別の考慮を拂われたかどうかという問題に対して承りたいと思います。
  18. 八嶋三郎

    八嶋説明員 この幹線街路の問題につきまして、今お尋ねの中の幹線街路上に住宅があるというような問題等につきましては、大きなところはひとつ何とかこの五箇年のうちでやつてしまいたいという気持は、実は持つておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、全部を砂利敷きにするとか、あるいは鋪装するとかいつたようなことは、当然できない部分があるのではないか、こういう予想のもとにおるのでございます。従いまして、第二の堅牢建築物の問題でございますが、これも今申し上げましたように、幹線街路上にあるもので、交通上非常に支障のあるようなものにつきましては、何とかこの五箇年間にある一定の処置をつけて参りたいと思つておるのでございますが、ちよつと不体裁ではあるけれども、交通上それほど支障がないというようなものについては、実は残事業の中に入れておるのでございます。
  19. 田中角榮

    田中(角)委員 第三には戰災都市関係でありますが、そこで問題となるのは、いわゆる地域変更の問題であります。すなわち特に申し上げたいと思うのは、過去の状態において工場地域というようなものに指定せられていたものが、今度の変更に対しましては、当然地域の変更、すなわち地域の再編成問題が起きて来るわけですが、この問題に対して住宅とその他との打合せ、並びに地域変更に対し都市局でもつていかなる方針を持つておられるかということに対して承りたいと思います。
  20. 八嶋三郎

    八嶋説明員 お話の点ごもつともだと思つております。従来いわゆる軍需工場の地域であつて工業地にして行かなければならなかつたような地域が、今回それが焼け残りましてそしてこれを住宅の地域に変更するというような場所が、相当にあると思います。これは地域地区の中には入らないかもしれませんが、あるいは農地との関係の問題で、これをどうしても住宅化して行かなければならないというような地域もあるだろうと思います。これらにつきましては、お話のように住宅局と十分連絡をとつてつて参りたいと考えております。
  21. 田中角榮

    田中(角)委員 この地域の問題のみならず、私の質問している焦点というのは、区画整理事業並びに都市計画という問題は、現在の市街地建築物法、それから消防法、臨時建築制限令等が近く抜本的に改正をせられなければならないというところまで来ているのでありまして、この改正都市計画というものは、完全にマッチしなければならないというところに焦点があるのでありまして、これは私たちも当委員会において近く審議をするつもりでおりますのでもこの運営、立案、実施に対しては、そういう面からひとつ考えていただきたい、こういうふうに考えております。  第四の問題としましては、国民衛生の見地よりしまして、建物の設備の制限地区を今度設けているのでありますが、都市計画並びに区画整理の計画と実行において、地下埋設物、なかんずく幹線排水路、汚物処理場等に対して遺憾なきを期しておられるかどうかという問題です。これは現在すでに、いわゆる汲取便所を許さないということが、都市再編の問題には起きて来るのでありますが、こういう問題と都市計画の計画実施というものが完全にマツチしておらないと、水洗式放流をやれと言いながら、非常に小さなものでも浄化槽を設けなければならないというような問題が当然現在起きて来ているのであります。そういう特別地域を指定する問題に対して、計画上密接なる連絡を持つているかどうか。しかもこういう問題に対して完璧を期し得る自信をお持ちになつておるかどうかということを伺いたいと思います。
  22. 八嶋三郎

    八嶋説明員 この地域地区の問題は、実は私どもといたしましては、都市計画の最も重要なるものであるというぐあいに考えております。従いまして都市計画法におきましても、地域地区については都市計画一つとしてやる、ただこれに対しまするいろいろな建築上の制限の問題につきましては、実は住宅局の関係として取扱つてもらつているような情勢でございます。従つて地域地区の問題は住宅局と十分連絡をとるべき問題でございますが、実は地域地区の問題は、都市局の問題と考えているような情勢でございます。それからいろいろな施設の問題、ことに水洗式便所の問題でございますが、これにつきましてはお話の点ごもつともだと思つているのでございます。また各方面からもそういう要望が非常に強いのでございますので、今回の住宅建築法ですか、それの改正の際におきましても、十分この点私どもとしても考慮して参りたいというぐあいに考えております。特に下水道といつたようなものの整備をはかるということは、衛生上非常に必要でありますが、実は私の方で予算措置をいたしております問題は、御承知通り戰災復興区画整理に伴うものだけになつておるのでありますが、しかし道路改良の問題につきましても、設計、地域といつたようなものについては重要な発言権を持つております。ただ上下水道の補助金は厚生省にやつておりますので、この点は十分厚生省方面とも連絡をはかりまして、御趣旨に沿つていきたいと考えております。
  23. 田中角榮

    田中(角)委員 次に申し上げたいのは、この区画整理並びに都市計画の再編というもの、なかんずく東京都の問題でありますが、大阪等は現実的な立案と実施をやられておつて地下埋設物を最高度に利用しようというような都市計画でありまして、戰後の日本においては、もちろん財政的な関係もあり、最善の策ではなく、次善の策であつても、当然そういうふうに計画され実施されるのが至当であると思つてつたのでありますが、第一次東京都の都市計画は、御承知通り非常に理想案ではありましたが、なかなか実際にこれを行うためにはいろいろな支障があつたようであります。その意味において現在再編成が行われたのでありまするが、再編成を行う方針の第一として、地下埋設物を高度に利用するような方針のもとに再編成されたかいなかという問題を承りたいと思います。
  24. 八嶋三郎

    八嶋説明員 今回の再検討は、先ほども申し上げましたように、できるだけ費用の節約をはかつて参りたいということでありましたので、地下埋設物等につきましても、できるだけ現状を調査して参りたいという方針で、実はして参りました。従いまして住宅あたりも非常に基盤目のように規律正しいというような理想的なものには、実は参らぬかもしれぬと存じておる次第でございます。東京都の問題でございますが、特に東京都だけが地下埋設物か惡いというような意味には解釈をしておらないのでありますが、全体的に大体そういう方針で今回の再検討をはかつたような次第であります。
  25. 田中角榮

    田中(角)委員 最後に建設大臣にお願いと一つだけ御質問したいのでありますが、近く当委員会でも審議いたそうと思つておるところの、すなわち市街地建築物法の抜本的改正並びに消防法、臨時建築制限規則その他の建築物に関する全般の法律に対し、改廃整備が行われるときでありまして、この法律の整備改廃の過程においては、この都市計画並びに区画整理という問題と、不可分の問題がありまして、特にただいまの都市局長のお話では、十分連絡はとつておるはずではあるがと言いながら、実際の面においてはいろいろな不備があり、かつ支障があるようであります。その意味において同一省内の各部局課はもちろんのこと、これに関する厚生省その他の関係部局と密接なる御連絡をおとり願いたいということだけをお願いいたしておきます。  最後に風致美観の見地から見まして、公園緑地も大幅に削減されておるようでありますが、新たに計画された公園緑地は、削減されてもこれもやむを得ないと思うのでありますが、現在まで歴史もあり、伝統もあり、われわれに膾炙しておるところの風致美観というものの保持には、万遺憾なきを期していただきたいと考えております。現在地方にはいろいろな問題が起きております。なかんずく先般来の真田堀の問題、現在東京都で問題になつておりますところの不忍池埋立の問題、このような問題が現在の法律では、建設大臣に直接指揮監督の権能がない。すなわち地方長官独自にこれを行えるのである。地方議会の権限であるというのでありますが、これは真田堀の問題の当時も、本委員会において相当つつ込んだ意見も申し上げたような次第でありましていわゆる監督の責任庁であるところの建設省としては、こういう問題に対しても風致美観の維持という面から、将来とも大きくお考え願いたい。特に現在起きておるような問題に対しましては、いかなる見解を有せられるかという問題に対して御答弁を煩わしたいと思います。
  26. 益谷秀次

    益谷國務大臣 ただいまの御質問の要旨はまことにごもつともであります。歴史的の風致美観はどこまでも尊重して行きたいと存じております。今問題になつておるのはおそらく不忍池の問題であろうと思います。よく新聞にはいろいろのことが出ておりますが、まだ東京都会においての最終的の決定は存じておりませんが、私の所管の方に参りますればそれぞれ諸君の御意思、いな国民全体の意思を十分に尊重して参りたいと思つております。
  27. 田中角榮

    田中(角)委員 ごむりな御質問かもわかりませんが、建設大臣ではなく、益谷さん個人の御意見としてでも、不忍池は埋めた方がよろしいかよろしくないかというくらいの御答弁を願いたいと思います。
  28. 益谷秀次

    益谷國務大臣 個人も大臣もわけることはできないのであります。私の考えはございますが、いろいろ利害得失、また国会の意思のあるところ、また新聞その他によつて国民大多数の意のあるところは、どこまでも尊重いたして参りたいと思います。
  29. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 先ほど他の委員からも御質問がありましたが、都市計画に関しては相当重要なことでありますので、重ねてお伺いいたします。結局予算の質問でありますが、この戰災復興都市計画の再検討に基いて、かような基本方針をきめられたのは、現在の財政状態からやむを得ない、これは私ども了承いたします。そこで五箇年計画は、最も緊要な換地であるとかまたは街路の設定等によつて、早く住宅の安定をはかるということにあるわけでありますが、そうなりますとこれがきわめて緊急を要する問題であります。五箇年の中の三百三十二億の予算も、先ほどのお話ではまあ来年度大体十八億くらいだということであります。そういうことでは先ほど他の委員からもお話がありましたように、この五箇年計画は結局平素用いられておりますところの紙上の計画にすぎない。いわゆる机上の計画で、最後までこれを五箇年でやり通すという決意が欠けているように私は思うのであります。そこで大臣は、先ほど現在の財政がきわめて苦しい、そのかわり他の失業対策経費区画整理とマッチさせて、その方面になるべく有効に使いたいという考えである、今年度補正予算つている八億何千万のうちの五億を、大体それにまわしたいという計画であると言われる。もちろんそういう御努力はわかつていますけれどもそういうことにりますれば、これも最後まではきまつておりませんけれども、来年度失業対策費を四十億ぐらい見積られておるようでありますが、五箇年計画を平均して割出して三十三億二千万円、それに十八億を加えますと五十一億二千万円を、大体区画整理事業費の方にマッチされた計画をいたさなければならない、こういう机上の計画に相なるのであります。そこでそれほで失業対策費をこの方面に有効に使おうというくらいの熱意があるのでありますれば、この際失業対策もきわめて重要でありますけれども、その失業対策費の中から区画整理事業費に実質的にまわしたいというぐらいの計画が立つのでありましたならば、当初から区画整理事業費の方の予算に計上さるべきものであるというぐあいに考えるのであります。そういうことを申し上げるのはなぜかと申しますと、かりに失業対策費として労働省所管ということになりますれば、今日までのやり方といたしまして、各省各部局においてもなかなかセクシヨナリズムがありますし、その他事務の取扱いの関係から、ただちにこれを区画整理事業費にまわすということは、実際問題としていろいろ摩擦を生ずる、最初の予定の計画の通り行かないということがあり得るのではないかと思うのであります。これは余談になりますけれども、たとえばこれもまだ未確定でありますが、来年度災害復旧費三百三十億円というものを大体見積られております。ところが聞くところによると、この三百三十億のうち三十億は後に追加されたものである。河川改修建設省としては予定いたしたいという計画のものを削られて、災害復旧費の方に加えられた。そのときに、これは聞くところでありますから、正確を欠くかもしれませんが、閣議における話合いが、災害復旧費三十億は河川改修費として使つていいじやないかという簡単なことできまつたということであります。さてそれでは建設省当局の実際の仕事の上から、災害復旧費を河川改修の方にまわすことはきわめて困難である実情にあるということを私は聞いておりますが、そういうふうなことでは、後になつてきわめて仕事がやりにくいということが起り得ると私は考えます。最初からそういう計画でありまするならば、何も遠慮することはないのであつて、本年度補正予算にいたしましても、さらにまた来年度がかりに四十億にきまるといたしましても、そのうちのある部分をこの戰後復興区画整理に使うという見通しでありましたならば、最初からその方に計上して、その方の仕事に失業者を吸収するということができたのではないか。その方が予算の執行上、またこのせつかくの五箇年計画を急速に完成するゆえんではないか。今年の補正予算はもう大体案がきまつておりまするので、これを云々するのではありませんが、来年度予算においては、そういうふうな方法をとられる意向はないかどうかということについて、まず大臣の考え方をお伺いする。
  30. 益谷秀次

    益谷國務大臣 今度の再検討案では、先ほど申しました通り三百三十二億、その十分の一としまして三十三億二千万円と、計数の上ではさようになつておりますが、このうち残事業というものを相当に見込んでおるのであります。先ほど局長から申しましたのは一例でありまするが堅牢建物でありましても、たとえばそれが街路の予定地の上にありましても、はなはだしく交通を害しない、そこで後年度にまわしましても大して支障のないもの、そういうものはあとまわしにして行く。これがいわゆる残りの事業でありますが、これを相当見積つて参りますと、必ずしも三十三億二千万円を要しないのであります。そうして私どもといたしましては、これも十分に予算を計上いたして参りたいのでありますが、国の財政の都合も見なければならないので、がまんできる程度の残事業を認めて参らなければならない。そうしてでき得る限り区画整理を五箇年のうちに完了して参りたいという考えで進んでおるのであります。また来年の予算につきましては、先ほど来たびたび申し上げまする通り、最終決定にはなつておりませんが、はたして私どもの要求の金額を承認せられるかどうかは、非常に疑問でもりまするが、かりに十八億あるいは二十億となりましても、今回は失業対策費用もあるのであります。申すまでもなく失業対策費は労務費でありますから、それを労働省とも十分に協議いたしまして、街路方面にこれを使い、人夫の費用に充てて参ります。そうすればそれだけ固有の都市計画費用が削減せられることになります。また言いかえてみますると、それだけの費用都市計画に加え得ることになりますので、そうしてやりたいという考えでありまするが、これはまた閣議におきましても、労働大臣などとはよく話合いをいたしておるのであります。たださようならば、建設省都市計画費用にいたしたらどうか、権限争い等が起るのじやないかというお尋ねでありますが、それはごもつともであります。しかし都市計画のピロパーの予算になりますると、都市計画として使うのであります。労働省の金をまわしてもらうということになりますると、労務費になるのであります。そうしてこれは失業対策を主といたすのでありますから、十分に関係各省との連絡がとれますれば、私はさしたる心配はないと思います。労働省でも労務費として使わなければなりません。有効に使うのには計画的に使えばよろしいというので、今回はさような予算の編成方針をとつておるのでありますから、お尋ねのような御心配はないと思うのであります。
  31. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 来年度予算もまだ未決定であるというお話でありますが、せつかく大臣も御努力なさつておりますので、ひとつ努力していただくという希望を申し上げて、大臣に対する質問を終ります。  都市局長に簡單に二、三お尋ねいたしたいのは、先ほども申し上げましたように、今度最も緊要なる最小限度の根本方針をきめられたのでありますが、何と言つても五箇年はかかるが、最も緊要な早く家を建てられる人が建てるということを先にいたしたい、こういうお話でありますからけつこう、であります。そこで家を建てるのに最も必要なことは、まず換地がまつ先きにきまらなければならないことは、先ほどお話通りであります。それと同時に、従つてまた街路も早く設定しなければならぬ。街路の鋪装その他のことはもちろん今日できないと思いますけれども、早く街路敷を設定しなければならないことになりますが、換地の完了見込みは大体何年ぐらいの見込みですか。また街路敷がいつごろまでに完了するかという見通しを伺いたいと思います。  それからもう一つは、ここに三流都市戰災復興事業からオミットしたということになつておりますが、いかなる土地をオミットされたか、資料がありましたらお示しを願いたい。それに関連いたしまして、ここに資料をもらつておるのでありますが、この中の戰災復興事業検討街路公園緑地計画比較表なるものがありますが、これにつきまして都市名が入つておらないのが相当あります。入つておらないのは戰災復興事業からオミットされておるのか。あるいはどういう理由でここに載つておらないかという、その三点をまずお伺いいたします。
  32. 八嶋三郎

    八嶋説明員 今回私の方で八千五百万坪にいたしましたものの中には、もちろん先ほどお話のありましたように、換地がもうすでに発表されておるものは当然であります。また近く換地発表されるというものを、実は重点的に選んだのであります。従来大体各都市とも、いろいろ換地の設計はできておるのが非常に多いのでございます。ただここで換地発表してしまうためには、やはり予算の裏づけがないと急に発表はできないというようなことで、実は控えておる都市が非常に多いのであります。大体五箇年間にその地域をやるということを今度きめましたので、これから換地の設計をやるのだというようなところは、実は今回は入れておらないような情勢でありますので、換地発表の完了するのは、私はそう長いことではなかろうというぐあいに考えておるのであります。  それから今回省いた三流都市の問題でありますが、これは実は区画整理あたりが相当に効果を発揮した部分は、非常に戰災の区域が狭くて、そうして今までかけたところで大体大きな効果は終つたのではなかろうか。多少残つておるところもないではありませんが、燒け残りの家屋といつたようなもの等があるのでありますが、今回先ほども申し上げましたように、再検討につきましては燒け残り地区は一応除外して行こう。これは将来市なりにおける財政状況が相当ゆたかになつたときを見込んで、ひとつ徐々にやつて行こうという意味のものがあるのであります。ただ街路整備あたりが完備されておらないところが相当にありますので、これらにつきましては市の財政状況等も十分勘案いたしまして、将来とも重要幹線街路等におきましては、失業対策の金等につきまして、計画的にひとつ労働省とも話合いをつけ、また幹線街路等につきましては、私の方で持つております費用をつぎ込んで、完備をはかつて参りたいと考えておる次第でございます。  それから街路の表で抜けておるものがあるそうでありますが、これは今申し上げました三流都市の問題なり、あるいは非戰災都市だろうと思います。三流都市あたりのものを除いておるだろうと思いますが、あとは戰災都市として再検討いたしました都市は、全部そこに盛られておるように思います。
  33. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私がお尋ねしたいのはただいまの表によつてでありますが、これは私直接知つておりますのでお尋ねいたしますが、宮崎県の三都市二町——二町は問題なしとして、三都市区画整理事業は今後關與しないというおつもりであるか。
  34. 八嶋三郎

    八嶋説明員 これは再検討いたしましても、従来の決定が変更されておらないものは実は載せておらないのであります。
  35. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 この新旧の比較表を見ますと、新旧少しも違つておらないものが相当載つておりますが、これは全部違つておりますか。たとえば鹿児島県の川内市など、これはどこが変更されておりましようか。
  36. 八嶋三郎

    八嶋説明員 変更したものを載せたつもりであつたのでありますが、その点ひとつ再調査して参りたいと思つております。
  37. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 私のお尋ねしたいのは、宮崎、延岡、都ノ城の三市はこの五箇年計画から拔けておるかどうかということです。この表を問題にしておるのではありませんが、この表に載つていないのはオミットしたのだと言われる。次にお尋ねしたらそれは変更がないから書いてないと言われる。変更のないのが書いてあるのはどういうわけかというと、表が違つておるかもしれないと言う、そのような表が違つておるかいないかは、ただいま見たばかりですから申し上げないのでありますが、宮崎の三都市がこの計画の中に入つておるかおらないかということをお尋ねしておるので、入つておれば問題はないのであります。
  38. 八嶋三郎

    八嶋説明員 財部は一応落ちております。その他は落ちておりません。
  39. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 それではこれで打切ります。
  40. 松谷天光光

    ○松谷委員 簡單に基本的な問題を伺いたいと思います。一つ都市計画の中の街路の問題でありますが、街路幅員決定なさいます場合、その幅員決定の指示がその筋からあつて、それは動かせないものであるのかどうか。あるいはまた幅員決定建設省に指揮権限が実質的におありになるのか。まず第一にその点から伺いたい。
  41. 八嶋三郎

    八嶋説明員 都市計画でこの幅員等の決定をいたします際には、御承知通り都市計画委員会に大臣が付議いたしまして、その委員会の意見を聞いてやるということにいたしておるのであります。それによりまして建設大臣が形式的にはきめるということいたしております。しかし事業化するような場合におきましては、いろいろと市会とかそういう方面の議決を経ることになつておりますが、計画の面といたしましては、先ほど申し上げましたように都市計画委員会の議を経て大臣が認可するということにいたしております。
  42. 松谷天光光

    ○松谷委員 幅員の変更がある場合に、先ほどから各委員が問題にいたしておりましたその周囲の居住所の居住権、あるいはまた営業権というものが、相当被害をこうむることがあると考えますが、そういう被害に対して当局はどういう処置をおとりになる計画がおありになるか。基本的の問題でけつこうであります。具体的なその地方地方あるいは個々具体的に状態はかわつて参りましようが、基本的にその居住者の居住権、あるいは営業権を愼重に考慮されるか、あるいはそういうものを無視されて、少くとも一つの計画のもとに事を進めようとなさるかどうか。審議会がこれを決定すると申されても、少くとも建設省としての一つの態度をどこにお置きになるかということを参考までに伺つておきます。
  43. 八嶋三郎

    八嶋説明員 それにつきましては、実は事業実施者の方面におきまして、一定の補償をいたしてやつて参るということにいたしておるのでございます。
  44. 松谷天光光

    ○松谷委員 この幅員の問題で各地にいろいろの問題が起きておることと考えますが、一応そのような決定を見た場合においても、なおその居住者、あるいはその市街あるいは市民たちの被害があまりにも甚大であるという事実が露呈された場合に、そうした人々の意見を当局は慎重に検討されるだけの意思がおありになりますかどうですか。
  45. 八嶋三郎

    八嶋説明員 その点につきましては、実は私の方も慎重に考慮いたしておるのでございます。それにつきましては実施責任者でありまするところの市長なり、あるいは市会の意見がどうであるかといつたようなこと等は、十分に私どもの方で参酌いたしておるのでございます。
  46. 淺利三朗

    淺利委員長 ほかに御質問ありませんか。
  47. 池田峯雄

    池田(峯)委員 私は地盤沈下の問題で若干御質問したいのですが、東京都並びに大阪地盤沈下は、これはなかなか大きな問題だと思うのです。こういう問題について当局としては、地盤沈下の実情を詳細に調査し、把握しておるかどうか。特にその原因調査しているか。その調査費は幾ら組んでいるかご調査機関等を今設置しているかどうか。またその地盤沈下対策をどうとつているか。これは都市局だけの問題ではないかもしれませんが、あなたの知つている範囲において御説明願いたい。
  48. 淺利三朗

    淺利委員長 なるべく本日は都市行政に関することを中心として願います。
  49. 池田峯雄

    池田(峯)委員 地盤沈下の問題は、都市行政ではないのですか。地盤沈下の問題を放つておいて、都市行政はどこにできるのですか。
  50. 八嶋三郎

    八嶋説明員 地盤沈下の問題は都市にもございますし、都市以外にもございまするが、都市の問題といたしましては、先ほど一つの例といたしまして大阪の例が非常に顕著でありましたが、これをやつて行きたいというのでいたしておるのであります。そのほか各地にもやはりございます。たとえば鉱害のために地盤が沈下いたした地域も九川方面に相当ございます。これらの点につきましても、私どもといたしましては、十分市の御意見も承つてつておるのでございます。なおいろいろと南海震災とか、そういう方面地盤が沈下したものにつきまする対策といたしましては、実は都市局方面予算も組んでやつていることでございます。
  51. 池田峯雄

    池田(峯)委員 私の質問したいのは主として東京都なんです。東京都の本所、深川、城東、江戸川、こういう方面は今非常に地盤が沈下している。大正七年から昭和十九年までの本所区の茅場町では大体九十センチ、深川区の東平井町ではニメートル五十沈下している。このように沈下しているからこそ、キテイ台風などでああいうふうに浸水しているわけです。この問題は一日としてゆるがせにできない大きな問題ではないかと思うのです。特にここには水洗便所も何もありませんから、下水も上水も一緒になり、都民の衛生上非常に重要な問題だと思います。それから日比谷などではビルの地盤が沈下しておりまして、ビルが実際に抜け出ている。階段を二つ三つ新たにこしらえないと、元の階段では上れないというような実情もあるという話です。こういう問題について一体建設省としてどういう方策をとつておるか。調査をしているか。調査費をどれだけ組んでおるか。調査機関が設けてあるのかないのか。ただ東京都だけにまかしておるのか、これでいいつもりか、こういうことをお聞きしたい。
  52. 伊藤大三

    ○伊藤説明員 主として東京、大阪お話でございますから、東京、大阪に関して河川局といたしましてとりましたことだけを一応申し上げます。大阪、東京につきましては今池田委員から御説明のございました通り、相当の地盤沈下がございました関係上、海水なり川の水なりが相当陸上へ上る。またこの水がはけない関係上、大阪あたりにおきましては、とりあえず二年継続いたしまして、市内河川の提防のかさ上げとか、そういうような手段をとりまして、川の水が上らないような方法を講じております。東京につきましても、昨年度あたりから東京都と協力して、海岸堤防につきまして、特殊防災の方面から、金を出しまして工事をやつておるわけであります。  それから調査の問題に関しまして、建設省といたしましては今お話がございましたが、いまだ調査費も計上いたしておりません。いただきたいとは思つておりまするが、なかなかこの経費が計上になりません。ただ府並びに都におきましてとは、従来からこの問題についていろいろと研究せられておるわけであります。私らも詳しいことは知りませんが、大阪あたりにおきましての地盤沈下につきましては、河川の組合では相当強い意向があるというようなお話も承つております。東京都あたりの土地は、昔からの非常にぶよぶよ、べとべと地帶であるために、だんだん水がなくなり、土地が沈下しておるというようなお話も承つておりますが、遺憾ながらまだ調査費も計上できませんし、調査機関もできておりませんが、この点につきましては調査費を計上していただくように、いろいろと骨を折つておるわけであります。
  53. 池田峯雄

    池田(峯)委員 都市局としては何も対策がないわけですね。将来はどうなるのですか。
  54. 八嶋三郎

    八嶋説明員 お話の点はごもつともだと思いますが、調査といたしましては現在のところ調査費は組んでおりません。しかしながらだんだんと地盤が今後さらに下つて行くというような情勢なつて参りますれば、この問題は私の方といたしましても、将来調査をやつて行かなければならないと存じております。
  55. 池田峯雄

    池田(峯)委員 地盤が下つて行きまするならばというようなことですが、もう少しやはり都市局もこういう問題を研究して、将来の大首都の計画についても関心を持たれて、予算をうんととるように極力骨を折つていただきたいと思います。希望意見を付しまして私の質問はこれで終ります。
  56. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは本件に関しましての質問はこの程度にとどめます。     —————————————
  57. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程によりまして請願の審査に入ります。紹介議員の都合もありますので、日程を適宜委員長において変更いたしますことをあらかじめ御了承願います。  それでは日程第一七、天塩川河口改修工事施工の請願玉置信一紹介、文書表第一四二号を議題に供します。なお日程第二〇、天塩町の道路改修に関する請願玉置信一紹介、文書表第一四六号及び日程第二一、天塩、幌延間の天塩川架橋請願玉置信一紹介、文書表第一四七号は同一人の紹介でありますから一括して議題といたします。紹介議員の説明を求めます。紹介議員玉置信一君。
  58. 玉置信一

    玉置信一君 紹介議員として私から天塩川河口修築工事促進に関する請願の趣旨並びに理由を簡単に御説明申し上げます。  天塩川は、上流北見国境天塩岳山麓に始まり、延長三百六十キロの長大なる河川でありまして、途中屈曲はなはだしきために年歳氾濫による被害がきわめて多く、これがため彎曲箇所の切りかえ、護岩工事等着々進捗せるも、本川最下流の河口は地質砂土のため波浪により水深川幅常に一定することなく、吐水十分ならず、従つて下流一帶氾濫し、被害甚大であるのでございます。これを防止するには下流の治水工事を完全にし、固定せる河口の築造を急速に計画されまして、全流域の水流を緩和し、氾濫を未然に防いで、産業経営に役立たせていただきたいというのが趣旨でありまして、なお一方本河口の重要性を申しますれば、留萌、稚内間沿線百九十六キロ余における中間の港としまして必要なことはもちろんでありますが、背後には実に二万五千余町歩の未開地と、台湾、樺太の石油基地を喪失せる後の本邦重要油田として嘱目され、天然資源局援助のもとに資金の大半を政府出資に仰ぎまして、帝国石油が試掘中の石油並びに埋蔵量二十億トンとも称せられる天塩炭田、魚族の棲息地として有名な武蔵堆の開発、それから世界的に有名になりました礼文島、それから利尻という離島の連絡、それから流域各勢力範囲の生産重要物資の集散積出し港として欠くことのできない港であるのでございます。この工事の完成されるあかつきには、実に三千トン級の船舶の出入りできる日本再建にも非常に役立つ港になるわけでございます。詳しいことは請願書によつてごらん願います。いろいろのデータを添えてありますので、かくのごとき重要なる河口の修築、改修促進にあたりまして、格別なる御同情、御賢察を賜り、ぜひ本請願を採択されるようお願い申し上げる次第であります。  次は天塩町の道路改修に関する請願の趣旨及び理由をごく簡單に申し上げます。これも北海道天塩町の請願にかかるものであります。本町の面積の三分の一を占めるウブシ並びにオヌプナイ原野は交通に惠まれず、移住以来すでに四十余年間を過ぎておりますが、依然として開発されずに、今もつて車馬の通行困難なところさえたくさんあるのでございまして、秋の収穫物はもちろん、物資の供給にも馬の背中を利用しなければ搬出ができないというような状態でございまして、住民ひとしく非常な困難を来しておるところであります。従来、地方費道は、明治四十二年大山火の直後、名寄停車場、天塩港簡の最短距離を測定実施したのでございまして、全沿線いわゆるロクシナイ峠と称する山岳地帯の不毛地であるのに反して、該産業道路は別に詳細に経済調書も出してございますが、開発増産の目標が遅々として進んでおらないのでございまして、元北海道地方費財産所属地一千二百町歩及びオヌプナイ青山農物地九百町歩の大部分の開発によつて、数倍の増産能力があるのでございますが、これがこうした僻地であるために、この重要なる食糧増産もできないで今に至つておる次第でございますから、どうかその点も委員会として特別なる御配意をお願いして、ぜひ急速にこれが工事に着手せられるよう、格別の御援助あらんことをここにお願いいたす次第であります。  次に北海道天塩天塩町と幌延の両町村の共同でお願いに参つております地方費道札幌稚内線中、天塩川架橋場の請願について御説明を申し上げます。北海道地方費道札幌稚内線は、北海道の中央部より北海道の北に通ずる、すなわち道北に通ずる陸路唯一の交通路でありまして、その利用度は文化の交流発達に従い、逐次高率を示しておりまして、特に終戰後は進駐軍の視察、あるいは連絡上本路線を利用することが非常に多くなつて参りました。従つてその重要度は現在ますます加重せられておる状態であるのでございます。さらに北部天塩北見一帶にわたる農耕適地の開発に伴いまして、人口の増加と物資の交換、産物の中央進出等によりまして、今後いよいよ期体されるものが多いのでございます。鉄道輸送は戰後徐々に復旧いたしまして、現在ようやくその効率を上げつつあるのでありますが、戰時中の打撃がいまだ回復しないのでありまして、すなわち円滑なる輸送も望み得ない状態にあるのであります。ここにこの道路の輸送ご戰後ますます重要視せられまして、活発な活動によつてその鉄道輸送を助長しつつ、産業復興に貢献しつつあるのでありまして、その功績はまことに軽視できないものがあるのであります。本路線の使命もまたここにありますことは言を要しないところでありますが、現状幅員百二十メートルに及ぶ天塩川は、いまだ架橋の設備がなく、ために渡船をもつてその用を弁じておるような状態であります。さらに交通上幾多の危険を伴い、あるいは増水期におきましては交通を遮断する等、延長三百五十二キロ余に及ぶ本路線は、まつたくここにおいて使命を制せられておるのが現状なのでございます。その運航の繁さに至つては、まさに時代逆行とも言えるわけでありまして、これが架橋の要は、沿岸住民はもちろん、本道中央におきましてもひとしく待望し来つたところでありますので、どうかこの事情もとくと御審査くださいまして、ぜひこれを実現するように御採択あらんことをここに請願申し上げる次第であります。
  59. 淺利三朗

    淺利委員長 以上に対して当局の御意見を伺います。
  60. 伊藤大三

    ○伊藤説明員 天塩川改修工事につきましては、その重要性は政府でも十分認めておるところでありまして、これが促進につきましては、常に意を用いておるのであります。なお河口の改修工事につきましては、天塩川全体の改修工事とにらみ合せて、なるべく早くこれを促進したいと考えておるわけであります。しかし遺憾ながら経費が非常に少いものですから、地元の御要求に応じ得ないという点について、われわれも遺憾に存じておる次第であります。しかしながらなおこの点につきましては、北海道庁とも十分連絡いたしまして、今後経費が許します限り、なるべく早くその完成をはからいたいと考えておるような次第であります。
  61. 富樫凱一

    ○富樫説明員 天塩町の産業道路に関して申し上げます。二十五年度改修工事につきましては目下検討中であります。本件につきましては、北海道庁からも要望が出ておりますから、予算が確定いたしました際に箇所選定等十分検討いたしたいと存じます。  次に天塩、幌延間の天塩川架橋する問題でありますが、本件につきましても、北海道庁から要望がございます。架橋の問題につきましては資材がからみますので、予算確定の際に十分資材の点を検討いたしてできるだけ実施に移したいと存じております。
  62. 淺利三朗

    淺利委員長 お諮りいたします。以上の三件につきましては、専門員の調査におきましても、政府の意見も大体異議はないのであります。よつて以上の三請願につきましては、議院の会議に対するを要するものとして採択いたし、議院において採択の上はこれを内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なければさよう決します。     —————————————
  64. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第一二、五ケ瀬川改修促進請願佐藤重遠紹介、文書表第五六号、日程第二七、村道曽木大保下線改修請願佐藤重遠紹介、文書表第二六七号、右は同一議員の紹介でありますから一括議題に供します。紹介議員の説明を求めます。
  65. 佐藤重遠

    佐藤重遠君 簡單に結論だけを申し上げることにいたしますが、五ケ瀬川宮崎県の北部における大きな河川であります。熊本県と大分県の両地域から発源いたしております川であります。本問題は大正十三年以来国会に取上げられておつたのでありましたが、根本的な治水の政策が実現されておりませんために、だんだん損害がひどくなりまして、ことに最近打続く大なる台風によつて、はなはだ憂うべき実情にあるのであります。先般来たびたび建設当局にも陳情隊が参りまして、いろいろ実情をお話して嘆願いたしておつたのであります。当局におかれましても、宮崎県における大きな河川の問題の一つとして取上げておられるのであります。直接に国家河川として維持すべしというお願いないのでありますが、もう一つ小丸川という小さい川であります。それとこの五ケ瀬川と二つが取上げられておつた問題でありますが、住民といたしましては、どちらも大事な川でありますけれども、損害の実情等から考えまして、どうしても五ケ瀬川を早く解決してもらうことが必要であると考えておつたのであります。どうも私どもの聞きますところによると、あとまわしにされるといつたことになつておるようでおります。わざわざ貴重な時間を皆さんにお願いして、本員が発言するのもその点にあるのでありますが、どうぞ公平に御検討くださいまして、政府当局はすみやかに五ケ瀬川を直轄河川編入されて、急速なる改修工事をお願いしておきます。どうしてもそれが今年度の間に合わぬようでありますならば、少くとも二十五年度においては絶対的にお願いしたい。こういう結論でございます。どうかよろしく御採択を念願いたします。  もう一つの村道の問題でありますが、こういう小さな問題を国会まで持つて来てどうしたんかというおしかりもあろうかと思いますけれども、こういつたことは地方にはたくさんあるのであります。相当重要な路線でありますけれども、地方庁における十分な世話が届かぬと見えまして、私どもに頼つてかような陳情したり、請願したりして来ておるようなわけであります。ひとつ実情を御憫察になりまして御採択くださいますならばまことに仕合せだと思います。簡單でありますが、以上紹介議員といたしまして責任を果しますために発言をお願いいたしたわけであります。よろしくお願いいたします。
  66. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対して当局の御意見を伺います。
  67. 伊藤大三

    ○伊藤説明員 五ケ瀬川改修につきましては、すでにその重要性を認めまして、御承知通り中小河川といたしまして、すでに改修工事を継続して参つておるのであります。しかし本線の重要性も相当なものでおりますので、本年度から国におきまして直轄河川調査費を支出いたしまして、この調査を続けておるわけでありまするが、近くその調査の結果も得られまするから、その結果も見まして、今後中小河川としてこれを継続するか、あるいは直轄河川として採択するかというような問題について、十分検討もいたしたいと存ずる次第であります。なおこれを来年度に入れるかどうかということにつきましては、予算の都合もあり、いろいろな地方の事情もあり、調査の事情もありました関係上、来年度に入るかどうかという問題につきましては、ここではつきり申し上げるのは困難でございますので、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。
  68. 富樫凱一

    ○富樫説明員 ただいまお話の村道の問題について申し上げます、御承知通り改修の必要性は十分認められますが、よく宮崎県庁とも相談いたしまして、十分検討することにいたしたいと存じます。
  69. 淺利三朗

    淺利委員長 以上の両案を採択いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 淺利三朗

    淺利委員長 採択の上はこれを本会議にかけまして、内閣に送付することは前同様であります。それでは御異議ないと認めまして採択に決します。     —————————————
  71. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第一四、宮崎県の災害復興助成請願佐藤重遠君外五名紹介、文書表第一一五号を議題に供します。紹介議員の説明を求めます。
  72. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 本請願宮崎災害復興促進同盟会長の甲斐善平氏から出ておるのであります。甲斐氏は県会議長であります。問題は本年度災害について強力なる国の御援助を仰ぎたいという内容であります。  宮崎県は地理的環境から毎年南方洋上に発生する台風の進路に当りますので、全国でも最も著しい災害県であります。そのために連年の台風禍が起因して、いまだ改修を施し得ない多くの河川は、いずれも荒廃の極に達し、さらに台風の重なるたびに、その惨禍は累加の一途をたどりつつある実情であります。今年もまた御承知通り、デラ、フエイ、ジユデイスと、都合三回の大災害に見舞われまして、稀有の大損害をこうむつたのでありまして、県民は経済的にも、精神的にも、徹底的たる打撃を受けたのでありますが、その苦しみの中に県民は敢然立ち上りまして、これが復旧のために、法の許す最高率の税負担を負い、県民一丸となつて燃ゆるがごとき熱意を傾け、日夜復興に努力いたしておりますが、本年は特に連続して襲来した激甚なる大惨害のため、ようやく立ち上らんとする熱意と努力がしいたげられ、打ちくだかれて、実に筆舌に盡しがたい致命的な大打撃をこうむつたのでありまして、もはや県民自体の力のみでは、とうていこの台風の鉄槌から逃れることはできなくなりましたので、ここに政府の理解ある措置によつて、緊急適切なる救援をお願いして、応急並びに恒久災害対策を確立して、将来の災禍の防除に全幅の努力を注ぐために、全県民の総力を結集し、強力なる宮崎災害復興促進同盟を結成いたしまして、根本的なる災害復興と治山治水事業の完全実施を断固実施いたしたいのであります。何とぞ本県災害に関する特殊事情をごしんしやくの上、特別な御詮議のもとに高額なる国庫助成等の方途を講じていただきたく、この請願をいたす次第であります。  なお災害の内容については詳細なる統計表がついておりますが、簡單に結論だけを申し上げますと、物的の損害総額が百三十一億五千五万三千円、それから人的損害死傷百二十六名、家畜の死亡の損害が七万四千三百十三というきわめて痛烈なる損害を受けておるので、この点につきましてはさきに国会からも、また政府からも、たびたび実情を見ておられますので多くを申し上げません。過般の本委員会におきましても、視察団の内海団長から詳細なる御報告がありましたので、多くは申し上げませんが、何とぞ政府の強力なる御救援をお願いいたすわけであります。ぜひ御採択をお願いいたします。
  73. 淺利三朗

    淺利委員長 これに対して当局の御意見を伺います。
  74. 伊藤大三

    ○伊藤説明員 宮崎県の災害につきましては、ただいま瀬戸山議員の御説明のございましたように、近年数度にわたりまして災害をこうむりました上に、本年度におきましては数回の台風が来襲いたしまして、全県が未曽有の災害をこうむりまして、私の方の所管いたしまする関係においても、約三十億円になんなんとするような災害をこうむられたる実情でございます。当局といたしましてもこの復旧の促進につきましては、最も力をいたしておるところでありまして、すでに前後数回にわたりまして災害復旧の資金の融資とか、あるいは国庫補助の繰上げ交付というような措置を講じて参つたのでありまするが、なお現に提案されておりまする補正予算通りまずれば、なお若干補助の追加支給もできることと存じておるのあります。なお来年度におきましても、まだ予算は未確定でございますが、できるだけ多くの助成費を計上いたしまして、予算の許す限り御期待に沿いたいと存じておる次第であります。
  75. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 簡單に政府の将来に対する御所信を承ります。先ほどの御説明通りに、今回の災害に対しましては、政府としてきわめて有効なる処置をしていただきます点、私県民の一人として感謝いたすのでありますが、災害の復旧並びに恒久対策につきまして、政府は、宮崎県のみとは申し上げませんけれども、南九州地方の非常に遅れておる恒久対策に対して、将来今日までのでハンデイキヤツプを相当縮めるという御決意をもつて、政府の施策を強力に進められる御覚悟があるかどうかという点を承つておきます。
  76. 淺利三朗

    淺利委員長 皆さんに申し上げます。紹介議員はなるべくその紹介をいたすだけにして、一般の質問はあとに譲つていただきたいと思います。
  77. 伊藤大三

    ○伊藤説明員 ただいま瀬戸山議員から、この問題に関連しての御質問がございましたので、お答え申し上げます。災害復旧の問題並びに根本治水の問題について、九州地方を特に強く見る所存はないか、こういう御質問でございました。近年災害は、本年こそ特に九州方面に強くございましたけれども、今年におきましても数度の台風の襲来によりまして、東北地方の太平洋岸を除いては、ほとんど全部災害をこうむつたといつてもいいような状態にございます。なお治水面の根本の対策におきましても、戰争中並びに戰後の国家財政の都合上、非常に遅れておるというような関係からいたしまして、全国的に見まして、治水は完璧でない、非常に遅れておるというような実情でございす。従つてわれわれといたしましては、災害の復旧につきましても、治水の根本対策についても全国的に見まして、最も効果のある方面へ、最も有効に費用の使われるようにという考え方から、いろいろの経費を使つて参りたい、こう存じておる次第であります。従つて九州地方におきまする費用の投下が非常に経済的であるということになりますれば、もちろん九州に重点が置かれることとなりまするが、特に根本の趣旨はそういう点にございますので、よくその点御了承願いたい、こう存ずる次第でります
  78. 淺利三朗

    淺利委員長 本件はこれを採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なしと呼ぶ者あり〕
  79. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなければ採択に決します。     —————————————
  80. 淺利三朗

    淺利委員長 次に日程第二三、札幌市の市街地復興に関する請願小川原政信紹介、文書表第一五三号を議題に供します。紹介者の説明を求めます。小川原政信君。
  81. 小川原政信

    小川原政信君 札幌市南四條線復興計画の請願であります。この請願者は地主九十余名、その他二百六十世帶でございますが、高橋秀彰ほか三名が代表者として提出せられた次第であります。その概要を申し上げますと、市街地を高度に利用しようとして都市計画実施せられたのでございますが、札幌市南四條の防空法による強制疎開地で、これを復興したいというのであります。その復興の方法として幅員四十五メートルの予定のところ、これを三十メートルの車道をつくり、残余の十メ—ト五、長さ十三丁、これには不燃質の家屋を建てまして、そうして戰前の通りの復旧して、残余の四・五メートルを中通りとして歩道に利用したいというのであります。要は疎開前の通り地主九十余名、その他二百六十世帶を復帰せしめられて、二千名の家族に安心を與えられたいというのであります。ことに防空法は昭和二十一年七月に解除になりましたので、全面的に地上権者に復帰せしめられることが当然だと思うのでありますから、何とぞ本請願を御採択の上、一日も早く本件の御解決をくださるように特段のお願いをいたすのであります。  以上が本請願の要旨であります。つきましてはこの強制疎開からその後におきましていろいろの経過がございますので、ここにその現況を一々申し上げたいと思いますけれども、ただいま委員長から時間がないから簡單にと申されましたから、この書類が尨大でありますから、これを速記録にしたためられまして、ぜひ参考にして、われわれの請願の趣意を貫徹せしめられたいということをここに申し上げまして、本案の御採択をお願いする次第であります。
  82. 淺利三朗

    淺利委員長 紹介者に申し上げますが、本来原則といたしまして、請願は速記はとらぬことになつております。本日は特例をもつてこの陳情を速記をとつてここに紹介していただいたわけでありますから、場合によつてはこの書類は速記録には出ないかもしれません。しかしながらこれは交渉の結果でありますけれども、調査の方においては十分に参考にいたしまして調査いたします。
  83. 小川原政信

    小川原政信君 どうもありがとうございました。委員長が時間がないとおつしやられましたから、たいへん省いたのでありますので、御寛大の御処置の上、よろしくお願いいたします。
  84. 淺利三朗

    淺利委員長 当局説明を、求めます、
  85. 落合林吉

    ○落合説明員 ただいまの札幌市における街路の問題でございますが、これにつきましては、今お説の通りに、実は防空法によりまして強制疎開をいたしたものにつきまして、当時内務省におきまして終戰後返すものは返す。そうして将来街路として整備するものについてはとりあえずしんしやくをして都市計画委員会決定して行こう、こういう方針で、それの選択をやらせましたときに、四十五メートルの街路として整備したいというここで、実は持つて参つたような次第でございます。従いまして都市計画委員会の議を経まして、実はある一部の仕事を実施いたしておるのでございますが、いろいろと事情もございますので、近く市長並びに市会議長を招致いたしまして、事情を聽取いたしたいと思つておる次第であります。
  86. 淺利三朗

    淺利委員長 本請願は非常に重要な問題であり、また内容が複雑しております。よつてこれはさらに当局調査並びに本委員会においても慎重に調査を要すると存じますから、本日はその採否を留保いたしまして、さらに検討を加えることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  87. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議がなければさよう決します。     —————————————
  88. 淺利三朗

    淺利委員長 この際お諮りいたします。ただいままでに審査済みと相なりました請願に関する報告書の作成並びに提出手続等につきましては、委員長に一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めます。  本日ここに御出席になりました紹介者の紹介はこれで一応済みました。そのほかまだ日程が多々ありますが、これをいかがとりはからいましようか。
  90. 内海安吉

    ○内海委員 残余の請願並びに本委員会に付託されました請願については、請願委員会を設置いたしまして、小委員会において審議されんことを望みます。なお請願小委員はその数を十一名とし、小委員及び小委員長の選任は委員長において指名せられんことを望みます。
  91. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの内海委員の動議に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 淺利三朗

    淺利委員長 御異議なしと認めます。請願委員会を設置するに決しました。小委員長並びに小委員の選任は委員長一任でありますので、この際指名いたします。請願小委員に、   内海 安吉君  田中 角榮君   内藤  隆君  瀬戸山三男君   三池  信君  宮原幸三郎君   上林與市郎君  村瀬 宣親君   池田 峯男君  天野  久若   寺崎  覺君以上十一名を指定いたします。請願委員長には田中角榮君を指名いたします。  なお先刻申し上げました通り、小委員会には、場合によつては速記は附さぬことになると思います。それは御承知のごとく速記者の数が非常に少いのと、各委員会において法案がたくさん上程されておりますので、その重要法案のために自然そういうことになると思います。本日御出席になりました方だけは速記をとつて詳しく御陳情になりました。御欠席になりました方はまことにお気の毒でありますけれども、今後小委員会において愼重審議いたすことにいたします。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。次会は明後日の予定であります。     午後四時九分散会