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神代説明員 大蔵省の
閉鎖機関課長でございます。先だ
つての当
委員会に
出席ができませんで、
ちようど他の
委員会がございましたので、そちらの方にも出なくちやなりませんので、はなはだ失礼いたしました。この前の
委員会のときに大体の御
説明を申し上げたのでございますが、もう一応
皆様方に
閉鎖後一体どういう
ぐあいな経過をたど
つて、
住宅営団の
清算が進んでお
つたかというアウト・ラインを御
説明申し上げまして、細部のことに入る前に一応の概念をつかんでいただいた方が便宜ではないかと思いますので、一応の御
説明を申し上げます。
ただいま
建設省の方から御
説明もございまして、一部重複するところもございますが、概括的に申し上げますと、御
承知のように
住宅営団は
昭和二十一年の十二月二十三日に
閉鎖をされまして、その当時先ほど
ちよつと御
説明がありました
仕掛住宅というものがありまして、この
仕掛住宅の
完成というものを一応
指定業務ということにいたしまして進んだわけでございます。それでこの
完成を待
つて昭和二十二年の三月三十一日に
完全閉鎖ということに
なつたわけでございます。それで
昭和二十一年の十二月二十三日の
閉鎖日におきましては、
経営住宅が先ほどの表にもございますように六万三千六百二十七戸と、そのほかに分
讓住宅が三万八百三十一戸あ
つたわけでございます。それで
完全閉鎖になりましてから、
指定業務期間中においては、この
仕掛住宅を一刻も早く
完成をしませんと、どうしても実際の
清算段階に入
つて行くわけに行きませんので、まずこの
完成を急いだわけでございます。しかしこれが
資材その他の
関係で、なかなか
完成まで行かないというので、二十二年の三月三十一日に一応打切
つたわけでございます。これが大体
閉鎖に
なつた直後の
状況でございますが、その後二十二年四月一日から七月三十日までの
期間を第二期とでも申しますれば、このやや
完成に近かか
つた未
完成住宅の残部の
処分と、それから
経営住宅の
処分ということが問題に
なつたわけでございます。それでこの未
完成住宅の
処分についてはどういうぐあいにしたかと申しますと、これは一応二千六百七十八戸のうち、官庁に対しまして百九十八戸、
地方公共団体に二千三百一戸、
公益団体に六十五戸、
残りの百十四戸というものを
一般の
競売にいたしまして、
処分したのでございます。その後
昭和二十二年の七月以降になりましてこの
経営住宅をどうしようか、どういう
ぐあいに処分した方が一番いいかということが問題になりまして、
日本の当時の
住宅政策とい
つたようなこととも非常に
関連が深くなりますので、
建設省その他とも
協議をいたしました結果、これをあるいは
政府で買上げてや
つたらどうだとい
つたようなこともあ
つたのでございますが、当時の国家の
財政がとうていこれを許さないような
状況にありましたので、この点はついに実現できなか
つたわけであります。それではさらにこれを
地方公共団体に讓
つたらどうだという案も出まして、鋭意各
地方の
公共団体と
交渉をいたしましたが、これもその当時としては成功いたしませんでした。それでついにこれを
閉鎖機関整理委員会において、
自分の手で
整理をするよりほかに道がないということになりまして、いよいよ
委員会において
整理を始める。それで
閉鎖機関整理委員会がこの
処分をするにあたりまして、どういう
方針で進むべきだろうか、この場合に最もわれわれが考慮しなければならないことは、その当時入
つてお
つた居住者を無視して
住宅を
売却するということは、非常に大きな社会問題を惹起いたしますことでもありますし、またこの
資産の評価という問題にも、非常に大きな
影響がございますし、ひいては
住宅営団全部の
債権債務の
支拂い、さらには
政府の補償とい
つたような問題にも
関連しますので、十分各方面からの検討が必要であるということで、
住宅清算に関する
促進委員会というものを一応つくりまして、ここの
協議にかけたわけでございます。その結果はまず第一に、当時各
住宅に入
つておる者にどうしても第一番に優先的に機会を與えなくてはいけないだろうということで、まず第一に
居住者に対する
売却ということを始めたわけでございます。これについてはいろいろ
資金の
関係とか、あるいは何も
自分たちは買わなくてもいいのだ、入
つてさえおればいいのだとい
つた問題もありまして、
居住者必ずしも
自分の入
つている
建物を買いたいという人ばかりではないので、そこにまた一方いろいろな社会問題とも
関連いたしまして、
居住者に対する
住宅の
売却ということ自身が、非常に困難であ
つたわけであります。しかし一方これを解決しない限り、他の者への
売却ということはさらにむずかしいので、
債権者である
金融機関等においても、非常にこの問題を心配いたしまして、
居住者に対する融資ということすら考えまして、
居住者にまず優先的に渡そう。で相当な年月を要しましたが、ただいままでに大体契約が成立
つておるのは六万三千六百二十七戸ございます。そのうち四万五千九十九戸というものは
売却済みに
なつております。もちろんこれは個人的にこの
売却額を一時に
現金拂いをしろとい
つても、必ずしも可能でない場合がありますので、
分割拂いということを認めております。それでただいま
残つております問題は、この
最後に
残りました一万八千余戸をどういう
ぐあいに処分をするかという問題でございます。それでこれらの
住宅は、必ずしもいつでも入
つておる人が買いたいとか、他の人が買いたいとい
つたような
状況にあるものばかりではないので、どうしても
日本全体の
住宅問題と
関連さして
処分をしなければ、妥当なる
処分は予期せられませんので、一方においては早く
競売にしてしま
つたらどうだ、
処分、
清算を早く結了するためには、値段は無
関係に
競売をしてしま
つたらどうかという議論も多分にあるわけでございますが、
自分たちが入
つておる家を
競売にされたということ自体が非常に大きな社会問題を起しますので、この点はそういう意見もかなり強いのでございますが、極力なるべく社会的な動揺を来さないようにしたいという
方針で進んでおりますので、できればこれを
地方公共団体に
讓つて、
地方公共団体のおのおのの
公共施設としてこれを管理なり
処分なりする方が、まず次善の策ではなかろうかということで、
地方公共団体と
交渉をさらに進めたわけでございます。しかし御
承知のように、
地方財政というものが非常にむずかしいものでございますから、
地方公共団体も必ずしもこれを喜んで引受けない。むしろ非常にこれを重荷に感じておるような
状況で、もし
財政的な援助と申しますか、
財政的な余裕があればそれはや
つてもいいが、そうでない以上はこれは非常に
経費がかかるものでございます。單に
買つただけということでいいのではなくて、さらにそれを維持するというのに相当な
経費がかかる。そこでその点も一応考慮に入れてもらえるならばという希望も大分ございまして、最近におきましては、これはまず一番大きなところである
東京都から始めたわけでございます。それで
東京都と長い間の
交渉の結果、一応
東京都の
財政にそう大きな
影響を與えないで済むような各般の措置を講じてもらえるということを
條件として、やつとその
交渉が妥結いたしまして、近々にそのうちの
東京都にございます
住宅は、ほとんど全部
東京都に委讓することができる
段階に至
つたわけでございます。それで今後の処置といたしましては、やはり同様な
考え方で、できればこれは
居住者にさらに買
つてもらおう、しかしそうでない場合は、
競売などということは極力これを避けて、
公共団体にもう一ぺん
交渉を始めようという
状態でございます。
それでこれが大体
閉鎖機関になりましてから、
住宅営団の
処分について、どういう
考え方をして、どういう
段階を経て今日に至
つたかという概略でございますが、さらにこれを
数字的に御
説明申し上げた方がよくはないかとも存じますので、その点につきましては先だ
つての
委員会においても御要求がございましたので、至急実際の
清算事務をお願いいたしております
閉鎖機関整理委員会というところで、非常な努力をしてもらいまして、
資料ができ上りましたので、これを
皆様方の方にお配りいたします。さらにそれにつきましては、
担当の
閉鎖機関整理委員会の
委員長の
小林さんもお見えに
なつておりますし、
常任委員の
溝口さんもおいでになりますし、なお
住宅営団の
清算事務を現実に
担当しておられる方も来ておりますので、さらにその
数字につきましては、こまかく御
説明を申し上げたいと思います。なおその後で御
質問がございますればできるだけの御
説明はいたしたいと思います。