運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-11 第6回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十七日 内海安吉君、江崎真澄君、田中角榮君、内藤隆君、 松井豊吉君、上林與市郎君、村瀬宣親君、池田峯 雄君、天野久君、笹森順造君が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十四年十一月十一日(金曜日)     午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 田中 角榮君    理事 内藤  隆君 理事 松井 豊吉君    理事 上林與市郎君 理事 池田 峯雄君    理事 笹森 順造君       越智  茂君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    西村 英一君       三池  信君    宮原幸三郎君       前田榮之助君    八百板 正君       畠山 重勇君    増田 連也君       高田 富之君    寺崎  覺君  出席政府委員         特別調達庁長官 阿部美樹志君         建設政務次官  鈴木 仙八君         (住宅局長)         建設事務官   伊東 五郎君  委員外出席者         総理府事務官  川田 三郎君         大蔵事務官   掘込 聰夫君         大蔵事務官   堀川 正彦君         建設事務官   美馬 郁夫君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ————————————— 十月二十六日  住宅営団法廃止する等の法律案内閣提出第  四号) 十一月十日  岡山県下各河川砂防工事施行請願外十九件  (大村清紹介)(第一号)  松草、平津戸間の鉄橋修築請願山本猛夫君  紹介)(第一三号)  猿ケ石川土流に堤防築設の請願山本猛夫君紹  介)(第一九号)  大沢田川砂防工事施行請願山本猪夫君紹  介)(第二二号)  閉伊川水系河川砂防工事施行請願山本  猛夫君紹介)(第二四号)  国道六号線に陸橋架設促進請願山崎猛君紹  介)(第三一号)  六日川上流にダム築設の請願原健三郎君紹  介)(第三三号)  川水流、黒木間の五ケ瀬川に橋りよう架設の請  願(佐藤重遠紹介)(第三五号)  災害復旧費増額請願外十六件(倉石忠雄君紹  介)(第四〇号)  鬼怒川に築堤並びに護岸工事施行請願鈴木  明良君紹介)(第四五号)  六日川護岸工事施行請願原健三郎紹介)  (第五〇号)  馬淵川改修区域延長並びに工事促進請願(小  笠原八十美紹介)(第五一号)  五ケ瀬川改修促進請願佐藤重遠紹介)(  第五六号)  湊町の都市計画改正に関する請願山崎猛君外  一名紹介)(第七一号)  山形市の都市計画に伴う物件移転費補償に関す  る請願松浦東介君外一名紹介)(第一一四  号)  宮崎県の災害復興助成請願佐藤重遠君外五  名紹介)(第一一五号)  府県道石動羽咋線及び石動下河合線の一部改  修に関する請願内藤隆紹介)(第一一七  号)  井野川改修工事施行請願小峯柳多君紹介)  (第一三〇号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  住宅営団法廃止する等の法律案内閣提出第  四号)  建設行政に関する件  特別調達庁所管業務に関する説明聴取     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  この際御報告申し上げます。去る十月二十七日、本委員会より議長に提出いたしました国政調査承認要求書につきましては、同日付の公報掲載通り承認になりました。本委員会より提出いたしました本書の調査事項中には、災害復旧に関する事項を入れておりましたが、議院運営委員会において、本項は災害地対策特別委員会と二重になる関係上、一応形式上本委員会調査項目を削除するが、実際には当然の権限としてこれを調査することを妨げないということに決定いたした次第であります。  以上ご報告申し上げます。  それでは日程によりまして、まず十月二十六日付付託になりました住宅営団法廃止する等の法律案内閣提出第四号を議題といたします。提案理由説明を求めます。その前に法案の朗読があるそうでありますが、その次に政務次官より御説明があります。
  3. 鈴木仙八

    鈴木(仙)政務次官 この際住宅営団法廃止する等の法律案について、提案理由を御説明させていただきたいと思います。  住宅営団昭和二十一年十二月二十三日閉鎖機関指定をせられまして、指定と同時に解散をして、閉鎖機関令規定による清算法人となり、本来の機能を停止することになりました。そうしてその清算は、大蔵大臣監督のもとに、閉鎖機関整理委員会がこれを担当し、現在に至つておるのであります。  右の事実に基ずき、住宅営団法はすみやかに廃止するのが妥当であるとの見解もりましたが、住宅営団解散と同時に母法廃止することは、閉鎖機関住宅営団清算に種々の支障を及すことになりますので、これが廃止の時期につきましては、清算結了見通しのつき次第手続を進めることといたしました。しかして清算業務進捗に伴い、昭和二十五年度末をもつて清算結了見通しもつき、たまたま連合国最高司令部経済科学局反トラスト・カルテル課よりの示唆もありましたので、今回住宅営団法廃止する等の法律提案することといたした次第であります。  以上本法案提案理由を簡単に申し述べましたが、何とぞよろしく御審議の上御協賛くださいますようお願いいたす次第であります。
  4. 伊東五郎

    伊東政府委員 この法案の概要を御説明申し上げます。  この法案は、本文三箇條と附則一項からなつておりますが、第一條は、住宅英断法有効期間について規定いたしておるものであります。住宅営団閉鎖機関整理委員会見通しであります清算結了予定時期が、昭和二十六年三月三十一日と見ておりますので、それを最終有効期限といたしまして、それ以前に清算結了した場合には、その手続完了次第廃止する、こういうことにいたしたわけであります。  第二は、ポツダム勅令たる閉鎖機関令第八條第一項後段の規定を、法律の明文をもつて再確認をいたしたのであります。  第三条は、住宅営団法に基く住宅営団は、現在閉鎖機関住宅営団以外には、住宅営団の存立を認めないという旨の宣言規定であります。すなわち閉鎖機関住宅営団が、閉鎖機関指定解除されて、住宅営団として復活すること、ならびに住宅営団法に基いて今後新たに住宅営団を設立することを一切禁止しようとするものであります。  最後に、この附則は、本法案施行期日規定いたしておるものでありますが、公布の日からただちに施行するということにいたしたものであります。
  5. 淺利三朗

    淺利委員長 ただいまの説明に対して御質疑がありませんか。
  6. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ただいまの御説明によります住宅営団法廃止するという問題は、こんごの日本住宅の諸問題をいかにするかということと関連がございますので、かなり重要な問題だとわれわれは考えておるわけであります。しかしながら閉鎖機関指定された住宅営団法廃止することは当然の帰結であるのでありますが、この審議にあたりましてお尋ね申しておきたいことは、この住宅営団清算が現在いかなる程度なつておるか、清算状況をお聞かせ願いたいと思うのであります。
  7. 掘込聰夫

    ○掘込説明員 簡單営団清算状況を御説明いたします。住宅栄だの閉鎖せられましたのは昭和二十一年十二月二十三日でありまして、閉鎖日業務の途中でありました関係上、指定業務というものをしばらくやつておりまして、これが解除なつたのは二十二年四月一日であります。そうして指定業務解除せられましたよ月一日現在の資産状況を見ますと、取立て債権が四億三千三百万円、業務用不動産が四千二百万円、営業用不動産が六億一千九百万円、資材什器機械等が二億二千三百万円、預金現金等が一億三千九百万円、合せて十四億四千六百万円の資産があつたわけであります。それが二十四年の八月二十五日現在におきましては、取立て債権回収状況は二二%、業務用不動産売却による処分推捗ぐあいは四七%、それから営業用不動産、これは住宅等でありますが、この処分進捗状況は八一%、資材什器機械等処分進捗状況は八五%になつております。一方債務の方を見ますと、指定業務解除日昭和二十二年四月一日現在におきまして十億五千七百万円ありました一般債務が、先ほど申しました資産処分によりまして、回収せられた代金を債務弁済に充てて清算が済みまして、現在は三六%の債務弁済しております。大体現在の清算状況はこういうことになつております。
  8. 淺利三朗

    淺利委員長 なおただいま説明資料は、何かまとまつたものをあとで御提出願いたいと思います。
  9. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ここに参考資料といたしまして閉鎖機関住宅営団経営住宅処分経過状況というものが載つておりますが、この住宅処分について公共団体へ売渡すもの、あるいは個人へ売渡すものというようにいろいろあると思うのですが、これには大ざつぱなことが出ておるだけで不明確なのですが、もつとこれの詳しい資料があつたら、御提出を願いたいと思います。そういう資料がございますか。この資料によりますと、ただざつぱに戸数が書いてあるのですが、これは公共団体市町村に移譲するもの、あるいはまた個人に買わせるように処分をされつつあるもの、その他これにあるかどうか私はよく存じませんけれども、組合等処分するもの等があつて、それの中には価格の問題で地方でいろいろ問題になつているように見受けているわけですが、そういう内訳が明確にないとわれわれはちよつと困るのですが、そういう処分内訳についてお伺いします。
  10. 掘込聰夫

    ○掘込説明員 今の資料の裏のページでございますが、処分の相手方として現在居住者売却したものが四万一千戸、居住者団体に対して売却したものが四百九十八戸、地方公共団体に対しまして処分しましたものが三千六十六戸という内訳なつております。
  11. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この住宅営団の所有しておつた住宅処分されて、その財産が大分あつた場合においては、当然国庫に編入されると思うわけですが、その通りでございましようか。
  12. 掘込聰夫

    ○掘込説明員 閉鎖日現在と、本年の八月二十五日現在の清算状況簡單に御説明しますと、これをバランス・シートの資産負債の両方比べてみますと、閉鎖日現在におきましては、五千万円の資産超過であつたわけでありますが、その後清算をやつて行きます過程におきまして、二十四年八月二十五日現在においては、一億八千万円の債務超過なつたわけであります。なお今後清算を結了するまでは清算費用もかかつて参りますので、相当債務超過になる見通しなんであります。従つて現在の見通しといたしましては、出資金に対する残余財産の分配は今のところ困難であろう、なおかつ出資金のみでなく、閉鎖機関令によりますと、債務弁済担保付債務等債権を第一に拂い、その次は一般債権を拂い、その次に社債を拂い、なおかつ余りがある場合は資本金に対して残余財産を分配するというふうになつておりますが、資本金は大体今のところ返せないし、その資本金一つ先の順位の社債に対しても現在のところほとんど弁済が不可能ではないかという見通しを持つております。
  13. 淺利三朗

    淺利委員長 そうすると、この処分価格で見ますと、鉄筋アパート坪当り三千円から六千五百円、木造は六百円ないし千六百円、こういう価格で拂い下げたということが適切であるかどうかということが問題になると思うのでありますが、そういう点はこの総合的に清算をする場合に考慮に入れて、これは値を定めたのですか、どういうことになりますか。
  14. 堀川正彦

    堀川説明員 価格決定にあたりましての簡單な御説明をいたします。この住宅は、当時戰災者、引揚者その他一般庶民階級の方がたくさん住んでおられまして、相当高い価格でもつて処分するということは、住宅政策上あるいは社会政策相当な問題を奮起するという懸念がありましたので、整理委員会において住宅処分促進補助会というものをつくりまして、この住宅処分促進補助会において大体この処分価格決定した次第であります。住宅処分促進補助会の構成は、大体戰災復興院、現在の建設省、それから大蔵省、日本勧業銀行、及び閉鎖機関整理委員会の各関係者が集まりまして構成した補助会であります。補助会がこの価格決定にあたりましては、まず住宅営団で持つております住宅を、日本勧業銀行並びに戰災復興院、それから当住宅営団評価しまして、その三者の評価を基準としまして、この促進補助会決定したような次第であります。大体その価格決定を申し上げますと、鉄筋アパートが大体建設評価坪当り百六十九円五十八銭でありますが、これを三千円から六千五百円に処分することに決定したわけであります。それから木造住宅の方では、昭和十五年度以前の建設のものは評価が大体三十一円六十六銭でありますが、これを坪当り八百円程度売却する、それから昭和十六年度の木造住宅坪当り簿価が二百六十六円九十七銭でありますが、これを千六百円で売却する。昭和十七年度型は簿価二百三十四円五十銭のものを千四百円で売却する。昭和十八年度型のものは簿価四百八十円三十五銭を千百円で売却する。昭和十九年度型は、簿価八百二円六十九銭のものを八百円で売却する。昭和二十年度型は簿価千百七十二円二十二銭のものを六百円で売却する。昭和二十一年度型のものは簿価二千四百六十六円七十八銭のものを千五百円で売却する。以上のようにしましてこの決定昭和二十三年の春ごろに大体決定しまして、この価格売却したわけであります。
  15. 田中角榮

    田中(角)委員 住宅営団法廃止ということは、ただ住宅営団法廃止問題にとどまるのではなく、今後のわが国における住宅政策に非常に大きな問題を残すものであり、かつまた基本的な一つのラインになるものである、こういう重点的な考えから、住宅営団実績功罪、そういうものは、この法律廃止する前に、相当深く研究究明せらるべきであると思うのであります。その意味において住宅営団のこの法律主管官庁であつた建設省としては、住宅営団はいかに住宅政策に対して功績があつたか、かつまた運営その他の結果において、どのような住宅政策に対するマイナスがあつたかという点を、数字的にひとつ御説明を願いたい。  もう一つは、住宅営団閉鎖指定時においては、先ほどの御説明によりますと、二億数千万円の残余資材を持つておられたというのでありますが、現在整理が非常に長引くと同時に、だんだん負債面が大きくなつて行く。この間の事情もわからないわけではありませんが、いわゆるつくられた営業用不動産処分その他に対しては、いろいろな社会的事情において、目的が安くこれを庶民に開放するという意味において、バランスをとる価格まで売却価格決定できなかつたという事実もわかるのでありますが、手持の貸材のマル公変動その他においては、この処分に対してどのような適切な処置がとられたのかという問題を、ひとつ明確に数字をあげて御説明を願いたいと思います。これは常にそうでありますが、政府資本をもつて行われる企業というものは、あらゆる意味で結果的にはみな赤字を出しております。すなわち各種公団においてしかり。一々例をあげて申し上げるまでもなく、薪炭特別会計においても、あらゆる企業において政府出資金はほとんど返さないでよいのだというような根本的な考えがあるからこそ、最後に常にこの政府出資金というものはゼロになる。こういう結果を生んでおるのでありまして、これから各種公団廃止その他に対しても、一つの線を設けるために、この住宅営団整理状況というものは、整理の日における合併資産負債表を当然提出いたじ、各年度別損益計算書提出もいたされまして、しかも二年間にわたる資産整理状況ということは、つまびらかにひとつ御報告を要求したいと思うのであります。
  16. 伊東五郎

    伊東政府委員 住宅営団昭和十六年にできまして、昭和二十一年十二月二十三日に閉鎖機関指定されたわけであります。お尋ねの点は、この住宅営団というものの住宅政策に対する功罪がどうか、将来これをどう考えて行くべきか、こういう点だつたろうと思いますが、閉鎖機関指定されましたのでこれをさらに復活して、戰後住宅対策にまた利用するということも一応考えられるわけでありますから、むろんその点につきましては検討してみたわけであります。住宅営団は、昭和十六年にちようど戰争によりまして非常に労務者が移動しまして、重要な産業地帯などに非常に住宅不足を来しておりましたので、主としてそれがために設けられておつたものであります。そうして戰時中には、住宅問題の解決相当貢献をいたしたものだと思つております。数字を申し上げますと、建売りとか、簡易セット売却とか、分譲とか、会社などから受託によりまして建てたもの、それから建物を借り上げて補修したもの、それらを全部合せますと、閉鎖されますまでに全体で約二十万戸ほどの住宅をつくつております。そうして貸家として閉鎖当時に経営しておりましたものが、そのうちで六万三千六百二十七戸ということになつております。かように住宅営団としては、戰時中住宅供給相当貢献をいたしたわけでございます。終戰後戰時中にできた機関を一応再検討しまして、大体多くの戰時中機関閉鎖機関指定されたわけでありますが、この営団もその一つとして指定されたわけであります。終戰後この住宅対策につきましては、初めの間は営団とそれから地方公共団体——都道府県市町村と二本建て庶民住宅建設をやつて来たわけでありますが、いろいろ検討いたしました結果、むしろこれは公共団体一本で行く方が、いろいろな方面においてかえつて強力に行くという判断によりまして、住宅営団の復活をとりやめまして、公共団体一本でやるという方針で行つております。現在そうやつておりますが、それによつて大した支障もない、かえつて強力に行けるというふうに考えておりますので、ただいまのところ、営団を復活してという考えは持つておらないわけであります。なお公共団体建設しております公営住宅のほかに、一般の民間の建設希望者に対して、資金供給して行く方法によつて公共団体住宅経営の弱いところを補うことができるという見方から、建設機関でなく、長期低利資金供給のための住宅金融公社といつたようなものを現在考えております。これによつて公営住宅資金供給機関、こういう二本建てで将来の住宅問題の解決は十分行けるものというふうに考えておる次第であります。
  17. 田中角榮

    田中(角)委員 私の質問の焦点に対しまして、非常に政治的な感覚で御答弁になられたようでありますが、私の御質問申し上げておる観点は、こういう戰前から戰後にまたがつたところの、日本住宅政策の一環として大きな地歩を占めておつた住宅営団法廃止という問題を取上げたときに、ただ住宅営団廃止——必要がなくなつたから廃止をするというのではなく、住宅営団というものは、一体どういうふうな実績をあげたのかということを十分糾明する必要がある。そうしてこれからの——その功罪というものの数字を公表し、われわれがまたそれをつかむことによつて、将来の住宅政策立安のために大きな貸料にしたい、こういうのでありまして、少くとも住宅営団法廃止する法律案提出される場合は、住宅営団功罪というものに対しては、数字的に御説明を願いたい。これは昭和十六年度においてこういう実績を持つておる、十七年度はこうだ、十八年度はこうだということの、少くとも相当こまかい資料を御提出なつていただきたいということを、私は要求しておるのであります。しかし所轄官庁であつたところの建設省でも、昭和十七年ぐらいのことは、あまりおわかりになつてもおらないようでありますし、しかもこの法律案提出されるのに、そういうこまかい資料まで御研究なつておらないようであります。少くともこういう法案をお出しになるときに、しかも政府側として答弁にお立ちになる以上は、そういうこまかい資料をお出しになることは当然である。しかもそういうことを御研究にならないでこの法案をお出しになり、かつ政府委員として説明においでになつたということは、不勉強きわまりないと思います。しかも大蔵当局も、先ほどの前田君の質問に対する御答弁では、処分状況は裏に書いてありますというような御答弁でありましたが、こういう数字を求めておるのではありません。先ほどの中で、言葉じりをとらえるのではありませんが、閉鎖機関指定された当時はこのぐらいのプラスがあつたのに、現在ではマイナスであります。しかも来年三月三十一日になれば、なおより多くのマイナスになるでありましようというお話でありましたが、その原因を探求し、その事情をわれわれは糾明したいのでありますから、そういう意味で、それをわれわれが研究できるように、納得ができるような資料を御提出願いたい、こう言うのであります。その意味において、私はここで議論をしようというのではありませんが、この法律廃止する以上は、まず第一番に、昭和十六年より二十二年閉鎖機関指定せられるまでにおける、各年度別資産負債表を、内訳表をつけて出していただきたい。第二には、各年度別損益計算書出してもらいたい。第三には、閉鎖機関として指定された日より現在に至るまでの、整理事情内訳表提出して、いただきたい。第四には、昭和二十四年十月すなわち現在から、清算終了予定日であるところの昭和二十五年三月三十一日までにおけるところの見通しに対して、相当こまかい数字提出していただきたい。なおこの説明者としては、委員長においてはただ政府責任者すなわち所管官庁の係官をもつて当てるだけではなく、かつて住宅営団責任者であり、かつまた現在の整理責任者であるというような人たちの御出席を求めて、その方々から詳しく説明を聽取する必要があると私は考えておりますから、しかるべくとりはからわれたいと思うのであります。
  18. 淺利三朗

    淺利委員長 この問題は非常に重要な問題であると思います。ことに最後において政府が、一般会計からあるいは繰入補充をしなければならないかという欠損補充の問題も起るかと思うのであります。それらについてはいろいろ資料提出がなければ、審議が進められないと思いますから、本日はこの程度で打切りまして、さらに資料提出をまつて詳細審議することにいたしたいと思います。  なお政府におかれましては、この処分方法につきましても、一部は公共団体に移譲し、あるものは現居住者に分譲するという方策をとつておるようであります。現居住者となりますれば、偶然その時期に住んだ人が利益を受けるというようなこともあると思うのであります。何ゆえにこれをすベて公共団体に移譲して、従来通り貸家方法で進まなかつたか、そういうことについての理由も詳細に知りたいと思うのでありますから、そういうことに関する資料を十分とりまとめて、次会において説明をされるようにお願いしたいと思います。それではこの問題は本日はこの程度にとどめまして、次会に詳細審議することにいたします。
  19. 淺利三朗

    淺利委員長 次に特別調達庁長官が見えておりますから、特別調達庁主管事務について一応の御説明を承りたいと思います。それでは特別調達庁長官阿部美樹志君
  20. 阿部美樹志

    阿部政府委員 特別調達庁所管業務につきまして大要御報告を申し上げます。  すでに差出して置きました特別調達庁要覧に詳細記載しておりますが、特別調達庁業務といたしましては、設置法の第三條は特別調達庁業務を次のように規定しているのであります。第一は連合国の需要する建造物及び設備の営繕並びに物及び役務の調達但し他の行政機関所掌に属するものを除く。第二は連合国の需要を解除された建造物設備及び物の保管、返還及び処分但し他の行政機関所掌に属するものを除く。第三は連合国占領軍の特に指示する事務であります。これらがおもなる業務の内容でありまして、例を申し上げますれば、古領軍将兵の兵舎の建設皮びその設備、占領軍将兵の住宅建設とその設備、次は連合軍総司令部始め各種軍政機関の庁舎の施設とその設備、次は占領軍の軍事上並びに行動上必要な諸施設の設営、次は占領軍将兵の休養慰安の施設の設営、次は前記諸設備諸施設の維持修理、次は占領軍の要求する諸物資の納入、占領軍将兵の活動に必要な各種役務の提供、次は占領軍が雇傭する労務者の提供、これらが事業の内要でございまして、これらを運営して行きますことが、特別調達庁のおもなる業務なつているのであります。
  21. 淺利三朗

    淺利委員長 今簡單な御説明がありましたが、なお業務の実態については御質疑によつて説明があることと思いますが、何か御質疑がありますか。
  22. 田中角榮

    田中(角)委員 特別調達庁所管の予算関係でありますが、二十四年度、すなわち本年度の予算額に対する実施状況、並びに二十五年度に対する見通し、それから二十四年度と二十五年度の対比等に対して、御説明が願えたらお説明ただきたいと思います。
  23. 川田三郎

    ○川田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。二十四年度の予算の執行状況、これは二十三年度に比較いたしまして、比較的明細にわかります。  それから二十五年度の予算につきましては対比をせよというお話でございましたが、ただいまのところ二十五年度予算の編成は概計額がきまりました程度でありまして、現在のところ特別調達庁から前年の実績、今後の物価の変動、また税法の改正等を含みまして、前年実績に対比いたしましたその支出の増加額をある面につきましては加味をいたしました。そのある面と申しますのは電気ガス料金の公定価額の値上り、租税に対応いたしまして土地、家屋の借料の値上り、この点は申し上げられますが、その他の点につきましても物価の変動を加味いたしました資料を大蔵省の理財局を通じ、理財局からさらに所管の主計局に対して要求いたしまして、GHQにおきまして、大蔵省と軍との関係の財政的な協議をいたします。この時期にただいま入つておりますので、全面的には現在の概計額を一応の基礎といたしまして、日本の国内経済との見合いを考え、G4と申しますが、第八軍の参謀部においてこれをきめます。その時期になりまして始めて全体の金額も決定いたします。従つて科目別の、すなわち事業別の予算額はまだ日本政府側には全然わかつておりません。対比できないのがまことに遺憾と思いますが、御了承願います。  では二十四年度の予算の執行状況について申し上げます。お手元に一枚刷りの謄写版に費用が出ております。この下の欄にありますのが二十四年度の九月三十日現在の支出済額をもつて現わしました執行状況であります。二十四年度予算額の欄がございますが、これは国会の御協賛を得ました予算書に基いた資料でありまして、これは公表差支えないことになつております。終戰処理事業費の総額が千二百二十七億二千二百五十万円になつておりますが、そのうち特別調達庁が所管いたします金額は約七百二十八億になります。大分開きがあるようにお考えになろうと思いますが、その内容を申し上げましようか。
  24. 田中角榮

    田中(角)委員 いや、大体わかつております。
  25. 川田三郎

    ○川田説明員 内容は省略いたします。そこでその七百二十八億に対しまして、現在支出済になつておりますものが、百八十八億、二五%に当ります。詳しくは二五・八であります。非常にこの予算の進行状況が少いようにお感じになると思います。けれども例年の行き方から申しまして、調達要求が出ますのが大体七月であります。現在におきましても、出そろつたという感じがございませんので、今後のこの資料におきます九月三十日位後の調達の命令が出て来る状況、及び請求の年末にかけての殺到、これがありまして、支拂額はさらに年内において三百五十億——十月以降三百五十億が、事業費中労秘費を除きました面において行われるのではないかと思つております。特調が直接支出いたします労務費は、政府負担の健康保険分担金でございますが、府県が特調の委任によりまして支出しております労賃、これが月額約三十億円ございます。それを加えますと、年末の特調関係政府資金の支拂いというものは十月以降十二月末までの間で約四百四十億ないし五十億と推定されております。それから当委員会に御関係のあります面を考えてみますと、この科目で申しますならば、上から四段目の工事費、その次は維持費でございます。これを本年のすでに支出いたしましたものは、二十三年度分の繰越しに当るものが五十五億あります。しかし新年度関係のものは、ごらんの通り三千八百万円の工事費、それから十七億六千八百万円の維持費でありまして、予算額に対しては非常に少ないパーセンテージを持つておりますが、現在までにおいて新年度になりましてから支拂われましたものは比較的少ないのであります。しかし今後工事がどの程度に出て来るかということにつきましては、私どもも実際は、これは軍の方針に基くものでありまして予測はできないのでありますが、おそらく本年度において九十一億という工事費を全部使いきるかという点にについては、従来の経験をもつてすると、必ず使いきるとは予測できないのであります。しかし昨年度の例から考えまして、工事費というものが五十七億程度、本年に既定調達費の形で繰越されております。その詳細を申し上げることをちよつとただいま留保いたします。それで本年の全体から見ました予算の執行状況が、支出額において約二十五パーセントであるということ、これは契約高に対しましてその支出額は七六%に当つておりますが、契約といたしましてもまだ履行の済まないものもございますので、その他二四%全部がいわゆる支拂いの遅延の状態にあるとは言いきれないのであります。とちらかと申しますと、本年の請求状況は至つ緩慢であるという感じがいたしました。私どもは請求の促進という方面に今努力をしなければならぬ。もつともこれは請求すべくして請求しないのではございませんので、法律百七十一号の書類の非常な困難、または軍の調達受領書の取付の困難、これは業界に対してわれわれがただ請求書をまつて拂えばいいという態度を捨てまして、いかにせば業界の請求が容易にできるかという面に向つて努力しなければならないと思いまして、促進監督部、経理部、そういう方面の事務機構を活用いたしまして、請求が容易にできるようにわれわれは努力したいと思つております。二十四年度の予算状態から申しますと、結局年内にどれだけ拂うかということを、もうすこし詳細に申し上げたい。昨年は年末の支拂いが、十二月において二百十一億、十一月が八十五億ございました。本年は従来からの請求状態から見て、これがもう少し重なつて来ると考えております。十月には百億、十一月には百五億他、十二月に百四十億。これは労務費の支拂いを含んでおりません。これは三百四十五億という数字が出て来るわけでございます。そのほか、昨年度は予算経理の上で許されましたので、年末の融資的の前金拂いをただいま全国で推定いたしました数字が、十億前金拂いしております。本年は経理調度、財政法上の制度がかわりましたために、年末における前金拂いを昨年のごとく特にやることができなくなりました。御承知の通り、支出負担行為制度ができまして、一月以後の負担行為を十二月にするということができない。従つて従来までの概算の支拂いを促進すること、また十二月中における概算拂いを促進する、こういう方面に努力をしたいと考えてあります。  なお二十三年度の点につきましても、蛇足を加えたいと思いますが、二十三年度の資料には、工事であるとか維持費であるとか、こういう面の細目が記載されてございません。これは私どももはなはだ不都合に感じるのでありますが、この点は予算書に現われていない数字は、委員会において発表できないという軍からの命令でありますので、一応こう出してございますが、もし細目についての御質問がありますれば、速記をとめて、いただいてお答えいたしたいと思います。
  26. 田中角榮

    田中(角)委員 特別調達の所管事項が、非常に特殊なものであるので、一般会計のように御質問できないということもよく承知しておるのでありますが、特殊な需要を満たす特別調達庁ではありますが、これがわが国の経済状況に占めるところの地位も非常に大きいという意味で、基本的な問題を二、三総裁に承りたいと思います。各年度別に対する特別調達庁要求の予算と実行額には、非常に大きな開きがあるのですが、この実行額と予算との差額に対しての処置は、どういうふうにやつておられるかということが一つ。  もう一つ法律百七十一号が一部改正されまして、非常に楽にはなりましたが、非常にむずかしい法律であるということは、これは私が申し上げるまでもないのでありますが、この法律百七十一号に対して、現在特別調達庁は予算的に、また実行予算を非常にスムースに整理するという意味において、積極的に改正になる意思があるかないか。しかも改正というよりも、場合によつて廃止する意思がないかどうかという問題が第二。  弟三の問題は、財政法上の問題もありますが、いわゆる年度別の区分というものがはつきりおつきになるのかならぬのか。ならなければその盤路はどこか。これをつけ得るためには、どういう処置をとらなければいかぬかという以上三点に対しまして、御答弁願いたい。  もう一つ、これは蛇足かもわかりませんが、いわゆるこの特別調達庁の持つ予算というものは、わが国における年度末予算の中で非常に大きな額を占めておるわけです。これが普通一般の財政法や会計法によつて解決がつくように、すなわち三月三十一日でもつて一応みな締め切られるというようなものであるならば、予算の編成方針並びに予算折衝に対しての、非常にいい道を開けると思うのですが、実際こういう特殊な原則が一つあるだけに、一般予算の編成にも、ある意味においては制肘があるのではないかというような考えから、この問題をどういうふうにすれば解決できるのか、こうすれば一般予算の編成に対しても非常にいい結果を得るのでないかという、予算的な面から見た根本的なお考えをひとつお聞きしたいと思います。この予算の処置がうまく行けば、これまた及ぼすところ非常に大きいという意味からの御質問でありますから、ひとつ積極的な御答弁を頂戴したいと思つております。
  27. 阿部美樹志

    阿部政府委員 田中委員の御質問に対して大要御答弁いたします。第二問の法律百七十一号廃止ということは、私どもが非常に希望しておるのであります。この廃止早くしてもらいたいという考えで進んでおります。このために業者の方もわれわれも、無用な金と無用の労カを費しておりますから、今日の段階においてには廃した方がいいという考えであります。年度区分の問題でありますが、これは元来軍の要求によりまして、われわれ日本政府側において、予算を立てたのであります。最初は予算なしでやられたのでありますが、漸次予算となつた。予算のもとは占領軍の方から来た数字によつて掲げて参つたのでありますが、昨年もキヤリ・オーバーが相当ございまして、その金額がたしか二十三年度から二十四年度に繰越されたものが百七十四億程度であります。これは非公式なことでありまして、私がここで確言することをはばかるのでありますが、先ほど田中委員から何とかそういう道がつかぬかというようなお話がありましたから、これはあるいは個人の意見になるかもしれませんが、その点は御了承願いたいと思います。先般この問題につきまして、GHQのフアイナンスに当つたのでありますが、御承知のように、マツカーサー元帥が積極的に日本国民の税負担を軽減したい。その第一歩として終戰処理費をなるべく少くしたい。そこであちらの方では、非常にこの予算関係を重視いたしまして、切り詰めた予算でやつております。また今年度は特に円予算に組みまして、円予算を各ローカル・コマーンダーそのほかの機関に渡してあるはずでありまして、それは非常に切り詰められた額でございます。このキヤリ・オーバーが非常にわざわいをなすものでありまして、先ほども申しましたように、本年度も百七十四億ほど繰越して参つたのでありますが、非公式に向かうが言うところによりますと、これは本年度予算で消化して参りたいというような意見であります。さらにつけ加えますと、今年、物価騰貴あるいは税法の改正によりまして、家賃に対する税金つまり家屋税及び地租というものが上つて来ましたから、当然この増額が要求され得るわけでありますが、軍としては、非公式ではありますが、これは増額を要求しないつもりであるというようなことを話されております。従つて来年度以降は、年度区外がはつきりつくような予算が組み込まれるのではなかろうかと私は考えておるのであります。  第一問の予算と実施額との差額でありますが、これは大体過年度においてはなかつたはずであります。以上簡單でございますが答弁といたします。
  28. 淺利三朗

    淺利委員長 いかがでしよう、この問題は御質問がたくさんあると思いますが、一方岩澤建設事務次官も見えておりますので、最近の予算の見通しについて承りたいと思います。その方は急ぎますから調達庁のことは、まだ皆さんがいろいろ御研究になることが多いと思いますから、本日はこの程度にとどめまして、他日再び詳しく承るということにしたらいかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは本日はこの程度にいたしまして、懇談の形式をもつて岩澤次官から予算の経過についてお話を承りたいと思います。  これをもつて散会いたします。     午前十一時五十三分散会