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1949-11-26 第6回国会 衆議院 決算委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十六日(土曜日)     午前十時四十八分会議  出席委員    委員長代理 理事 川端 佳夫君    理事 永田  節君 理事 藤枝 泉介君    理事 松田 鐵藏君 理事 金子與重郎君       高塩 三郎君    中馬 辰猪君       中川 俊思君    二階堂 進君       福田 喜東君  出席政府委員         (経理局長)         郵政事務官   中村 俊一君         (経理局長)         電氣通信事務官 肥爪 龜三君  委員外出席者         會計検査院事務         官       綿貫 謹一君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十二年度特別國会議歳出決算     —————————————
  2. 川端佳夫

    川端委員長代理 これより会議を開きます。  昭和二十二年歳入歳出決算を議題とし、本日は逓信省所管につき審議を進めます。まず同省所管決算全般説明を伺い、続いて批難事項の重要について説明を伺いたいと思います。郵政省から本日中村経理局長見えております。検査院からは綿貫検査第三局長中川郵政電気通信検査課長がお見えなつております。  まず郵政当局のお話を伺います。
  3. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 それではただいま逓信所所管一般会計逓信事業特別会計並びに簡易生命保険及び郵便年金特別会計昭和二十二年度決算概要について御説明を申し上げます。  まず一般会計について申し上げます。昭和二十二年度一般会計歳出予算額は五十七億三百二十六万余円でありますが、これに予備費使用額二百五十万円を加えまして、歳出予算現額は五十七億五百七十六万余円となつております。これに対しまして支出済歳出額は五十二億九百五十一万余円でありますから、差引四億九千六百二十五万余円の支出減少なつております。そのうち二億八千二百七十二万余円は翌年度に繰越したものでありまして、残余二億一千三百五十二万余円が不用となつ金額でありますが、これは主として年金恩給及び採保險金予定費額までを要しなかつた結果生じたものであります。  次に通信事業特別会計について申し上げます。本会計歳入予算額は二百七十億七千四百八十三万余円であります。これに対しまして收納済歳入額二百五十二億七千五百五十七万余円でありますから、差額十七億九千七百二十五万余円の減收なつております。これは主として電話公債の発行がとりやめとなつたこと、一般会計よりの受入れが少なかつたこと、予備收入がまつたくなかつたこと等によるのであります。また歳出予算額は二百七十億七千四百八十三万余であります。これに前年度からの繰越額九億六千九百十七万余円を加えますと、歳出予算現額は二百八十億四千四百万余円となるのであります。これに対しまして支出済出額は二百四十億九千八百十八万余円でありますから、差引三十九億四千五百八十二万余円の支出減少なつております。そのうち二十二億二千七百三十一万余円は翌年度に繰越したものでありまして、残余の十七億一千八百五十一万余円が不用となつ金額でありますが、これは主として電信電話施設費予備費電話経費等予定費額までを要しなかつたことによつて生じたものであります。  なお本会計損益計算の結果を申し上げますと、その利益に属する金額は百三十九億七千九百七十二万余円、また損失に属する金額は百六十七億二千二百七十六万余円でありまして、差引二十七億四千三百三万余円の欠損を生じましたので、これは損失の繰越しとして会計法に定めるところにより整理し、本年度決算をこれによつて終了いたしたのであります。  次に簡易生命保險及び郵便年金特別会計について御説明申し上げます。まずこの会計のうち保險勘定歳入予算額は三十一億二千六百七十七万余円でありまして、これに対して收納済歳入額は三十七億六千五十一万余円でありますから、差引六億三千三百七十三万余円の増收なつております。これは主として保險契約が多かつたためであります。また歳出予算額二十九億四千二百二十万余円でありますが、これは予算現額とも一致いたしております。これに対しまして支出済歳出額は二十七億九千百七十五万余円でありますから、差引一億五千四十四万余円の支出現象なつております。このうち六千百二万余円は翌年度に繰越したものでありまして、残余の八千九百四十二万円が不用となつ金額であります。これは主として保險金支拂いを要することが少なかつたためであります。また收納済歳入額二十七億六千五十一万余円から支出済歳出額二十七億九千百七十五万余円を差引いた過剰金九億六千八百七十五万余円は積立金に組み入れて本勘定決算を了したのであります。なおこの積立金昭和二十二年度末におきまして六十八億六千三百八十八万余円となつております。以上が保險勘定についてでございます。  次に年金勘定について申し上げます。本勘定歳入予算額は、六億七千二万余円でありまして、これに対して收納済歳入額は二億六千八十九万余円でありますから、差引四億九百十三万余円の減收なつております。これは主として郵便年金契約が少なかつたためであります。また歳出予算額は二億六千百十八万余円でありまして、これは歳出予算現額とも一致しております。これに対しまして支出済歳出額二億四千百四十二万余円でありますから、差引一千九百七十五万余円の支出減少なつております。このうち百七十五万余円は翌年度に繰越したものでありまして、残余の一千八百万余円が不用となつ金額であります。これは主として予定費額までを要しなかつた結果生じたものであります。また收納済歳入額二億六千八十九万余円から支出済歳出額二億四千四十二万余円を差引いた過剰金一千九百四十六万余円は積立金に組み入れて本勘定決算を了した次第であります。なお積立金昭和二十二年度末におきまして二十八億五百四十六万余円となつております。  以上は逓信省所管昭和二十二年度一般会計通信事業特別会計並びに簡易生命保險及び郵便年金特別会計決算概要でありますが、その詳細につきましては御手元に差上げてあります書類によりまして御了承を願いたいと存じます。
  4. 川端佳夫

    川端委員長代理 続いて批難事項説明を願います。
  5. 綿貫謹一

    綿貫説明員 決算金額については、ただいま当局から御説明のありました通りでありまして、一般会計決算額逓信省所管におきましては歳入が九億四千百二万一千円、歳出五十二億九百五十一万余円、この金額は全部検査の上確認いたしました。それから特別会計通信事業特別会計歳入が二百五十二億七千七百余万円、歳出支出済額が二百四十億九千八百余万円、それから簡易生命保險及び郵便年金特別会計保險勘定歳入が三十七億六千余万円、歳出が二十七億九千余万円、年金勘定歳入二十六億余方円歳出が二億四千百余万円でありまして、その決算額のうち通信事業特別会計歳出の部におきまして、百六十八万余円は未拂金の清算未了とか、あるいは質問に対する回答未済、あるいは犯罪に関しまして調査中のものがあつたために確認するに至らないものであります。  それから決算額日本銀行証明額との対照でありますが、一般会計の分は全部符合しております。しかし通信事業特別会計の分は会計制度がかわりました関係で、一部日本銀行を通さないものがありまして、その結果日本銀行証明額とは照合が不能なわけであります。從いまして符合しておらないのであります。  それから次に検査の結果経理が妥当でないといたしまして檢査報告に掲載いたしましたものは歳入が二件、それから歳出が十六、そのほか一件で合計十九。歳入は第一、特殊物件関係收納なつておらない金額相当にあるという問額、それからいな一件に診療料金が低廉に失したもの。特殊物件のものは検査報告の百七十ページにあります三六〇でございます。それから診療料金の低廉に失したもの、百七十一ページの三六一号でございます。それから歳出の十六件のうちにおきまして経費年度区分をみだつたものというのが百七十一ページから百七十二ページにわたりまして三六二号、三六三、三六四号がこれであります。それから予算使用当を得ないものというのが百七十三ページの三六五号、及び百七十四ベージ三六六号がこれに当るわけでございます。それから予算目的外経費使用したものというのが百七十四ページの三六七号、三六八号がこれに該当するものでございます。それから取扱の過誤により過拂いをしたもの、百七十五ページの五六九号、それから物品を高価に購入し、且つ経費年度区分をみだつたもの、これが百七十五ページの三七〇号、それから印刷製本の請負価格高価に失するなど措置当を得ないもの、これが百七十六ページ三七一号、それから布団購入代金支拂に当り過拂をしたもの、百七十七ページの三七二号、予算を超過して工事を施行したもの、百七十八ページの三七三号であります。それから旅費の過拂をなし返納に至らないもの、百七十八ページの三七四号、給與の支給に当り所得税源泉徴收をしなかつたもの、百七十九ページの三七五号、職員の犯罪に因り国の損害を與えたもの、百七十九ページ百八十一ページにわたつております。三七六号、三七七号、歳入歳出決算の作成に当り金額の計上を誤つたもの、百八十一ページの三七八号等であります。これは検査報告に掲載いたしてある事項であります。そのほかになお検査報告には出しておりませんが、会計経費取扱注意を要するものと認めまして当局あてに私の名前をもつて注意書を発したものが四十一件ほどございます。なお各項の事項について御質疑がございますれば、その歳お答えいたしたいと思います。概略以上でございます。
  6. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 それでは会計検査員から批難を受けました事項に対しまして当局といたしまして御説明を申し上げたいと思います。ちよつとお断り申し上げておきたいと存じますのは、御承知のように本年の六月から旧逓信省郵政省電氣通信省の二省に分割いたしましたために、ここに御批難を受けました事項所管が、それぞれ両省にまたがつてございますので、便宜上一般的な御説明を私から申し上げまして、なお細部にわたりまして御質疑等がございましたならば、郵政省関係は私から、電氣通信省関係肥瓜経理局長がお見えなつておりますから、それぞれ御説明申し上げたいと思います。御了承を願います。  昭和二十二年度決算にわたりまして、ただいま検査員の方から御説明がありましたように、批難を受けましたものは歳入の部は二件、歳出の部は十六件、決算につきまして一件、合計いたしまして十九件でございます。これらにつきましてこれから詳細に御説明を申し上げたいと存じます。  第一に三六〇号の特殊物件処分に関し措置当を得ないものでございますが、これは東京ほか七逓信局取扱いました特殊物件売拂代金收納未済について御指摘を受けたものでございます。逓信省取扱いました特殊物件は、元陸海軍軍用通信資材でございます。御承知通り官から物件拂下げます場合は、代金を全納させてしかる後に現品を渡するというのが順序でございますが、特殊物件につきましては、当初無償で配分をすることに昭和二十一年六月政府方針決定しておつたのでございまして、それに従つて拂下げをやつたのでございます。ところが途中で有償拂下げということに方針が変更されましたのと、関係筋からすみやかに配分して通信復興に寄與するようにというような指示がありましたのと、この特殊物件はその種類が幾千種にも及ぶ品種でありまして、その有償拂下げに対する価格決定もなかなか早急の間に合わなかつたのでございます。従つてこの価格決定は二十三年の四月に決定いたしたのでございますが、これらの関係からいたしまして、先に物を渡した後に、その代金徴收するということに結果的に相なつたために、御指摘のような多額の收納未済を出す結果となつたのでございます。しかしこれにつきましては、その後鋭意委徴收努力いたしました結果、本年の九月末現在におきましては、收納未済額は千八百二万四千四百四十一円九十八銭でありまして、そのうち拂下げをいたしました先が、閉鎖機関に指定されまして、整理委員会決議未済によつて焦げつきとなつておるものが六百二十七万九千二百二十円六十銭ございます。これを除きました残額の千百七十四万五千二百二十一円三十八銭に対しましては、引続き徴收努力しておる次第でございまして、これは訴訟等も提起いたしまして、これが徴收努力をいたしておるような次第でございますので、何とど御了承を願いたいと存じます。  次に三六一号の診療料金の低廉に失したものでございますが、この問題は逓信病院診療料金の低廉に失するものとして御指摘を受けたのであります。御承知のように、逓信省には逓信病院並びに逓信診療所というものがございますが、この料金昭和十三年に定められたものでありまして、当時におきましては、一般物価を参考にいたしまして決定を見たものでございます。ところが終戰後急激一般物価高騰に伴いまして、料金一般の時価よりも著しく低額となりましたので、昭和二十一年ごろから多少これを値上げをしなければならぬという議が内部でも持ち上つたのでありますが、その当時の情勢は、御承知のように一般従業員並びにその家族の生活状況は非常に逼迫いたしておりましたので、それらの事情並びにこの料金決定につきましては、各方面の意見を徴しまして、慎重を期しておつたのでございます。なおいま一つ料金改訂の遅れた原因といたしましては、東京及び大阪逓信病院料金收入が、通信会計歳入となるが、他の病院收入——診療所も含めてでございますが、これは薬局の経営が逓信省共済組合でございます関係上、このままの状態改訂をいたしますれば、共済組合收入を増すだけの結果となりまして、国の收入にならないという関係がございまして、どうしてもこれを国の直営に移しておかなければ、料金改訂をいたしましても、それだけ増收にならないというような事情もあつたのでございます。昭和二十二年の八月に検査院からこれらの点につきまして御注意の次第もありまして、料金改正に着手いたしたのでございますが、これは従業員に直接間接に多大の影響がありますので、料金決定にひまどりまして、二十三年の十一月一日にようやく実行を見るに至つた次第でございます。この改訂では社会保險診療報酬点数表というものを採用いたしまして、一点の單価三円として、二百点以上は二百点にどどめましたけれども、今年十月からはさらに一点五円にこれを改訂いたしまして、二百点という限度もこれををはずして実行しているような次第であります。何とぞ御了承を願いたいと思います。  それから三六二号から三六四号に至る経費年度区分をみだつたものに対することでございますが、本件仙台名古屋逓信局において、未完成工事に対してれを完成したものとしてその工事代金支拂つたことと、大阪逓信局における自動車購入につきまして、年度内納入に至らなかつたものとして御指摘を受けたものでございます。そのうち三六二号、すなわち仙台逓信局の分は、いずれも年度内完了を確信して準備を進めておつたのでございますが、その年はちようどたまたま積雪量が非常に多量でありまして、工事着手進捗に意外の齟齬を来したことと、当時の鉄道輸送事情が、進駐軍関係物資輸送を優先的にいたしまして、それ以外はほとんど停止の状態であつたために、どうしても函館経由の船便で材料を入手するというほかはなかつた等のために、たいへん遅延いたしたものでございます。またこの経費は二十二年度限りのものでありましたので、便宜年度内に完了したものとして処理をいたした次第でございますが、この点私どもといたしましてもまことに遺憾に存じておるのでございます。従いましてこれら責任者に対しましては、調書並びに注意のそれぞれの処分をいたした次第でございます。  次に三六三号の名古屋逓信局で施行いたしました浜松電気通信工事局倉庫の一部工事でございまして、この分は倉庫を解体して移築する工事でありますから、比校的短時日竣工見込みで請負わせたのでございまして、遅くとも年度末の三月末日までには竣工見込みでありましたが、これが遅延いたしましたところへ、たまたま四月になつて連日の雨天で工事が進捗しない。さらにたまたま農繁期に入りまして、これに従事しておる大部分の者が半農の者であつたという関係で、意外の遅延を見たのでありまして、便宜年度内竣工として処理したものでございます。これも前の件と同様たいへん遺憾に存じておりますので、今後注意をいたしますが、この責任者に対しましては前同様調告及び注意処分をいたした次第でございます。  それから大阪逓信局購入いたしました貨物自動車の件でございますが、本件は三月十五日に受注会社から発注会社に製作が完成したという旨の通知がありましたので、三月の十七日に逓信局検査係会社車庫に出向きまして、その車庫保管中の完成車両六両を仕様書に基いて検車をいたし、これに対して代金支拂つたのでございます。しかしながら検車をいたしました車両は置場の関係もございまして、また従来からの習慣もございまして、車両番号をとることを会社に委託することといたしまして、三月十八日付でその車の預り書を徴して、現物会社に預けておいたのでございます。会社車両番号の交付につきまして、府庁あるいは道路運送監理事務所等としばしば折衝していた模様でございますが、会社から車両検査を受けることを申請した当時は、監理事務所設置以前でありまして、大阪府警察部へ申請したのでございますが、警察部から監理事務所への書類の内容に不備がありました等のために、割合確認までに日数を要しましたこと、並びに購入車両のうち若干は大阪府外にある電気通信工事局に配備するのでありますが、他県で使用するものを大阪府で受検することができるかどうかといつたようなことにつきましても態度がきまらなかたことなどのために、意外の日数を要しまして、八月七日に至りましてようやく購入車両の全部を引取りまして、それぞれ予定電気通信工事局に配車したのでございます。従つて本件は未納のものに対しまして代金支拂をしたというわけではございませんが、前述のような事情によつて現物引取りが遅延いたしたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。従いましてこれが責任者に対しましては、調告並び注意処分をいたしたのでございます。  次に三六五の予算使用当を得ないものとして御指摘を受けたものでございますが、これは逓信省本省労務局及び札幌逓信局におきまして、従業員各種厚生施設に対しまして、共済組合補助金のほかに逓信事業特別会計業務費から予算を差繰りまして施設をいたしたものでございます。このような措置をいたしました割合成績の上らなかつたものについて、予算使用が当を得ないものとして御指摘を受けたのでございます。本省労務局各種厚生施設は、終戰以来相継ぐ物価、労銀の著しい高騰によりまして、逓信共済組合補助金だけではなかなか施設整備運営が不十分でありまして、厚生施設目的を達することが困難な状態でございましたので、二十二年度通信業務予算の一部を差繰りまして、施設維持に努めた次第でありまして、当時の社会的な状況としてはやむを得なかつたかと存じておりますが、しかしこのようなことをいたしたことにつきましては、私どもといたしましてはまことに遺憾に存じておる次第であります。この種の施設の全国的の成績は、マル公価格にいたしまして約一千三百万円、一般市場価格に見積りますれば、約三千九百万円余の成績を上げているのでありまして、必ずしも全般的に見て不成績であつたとは存じておりませんが、東京逓信局漁撈、それから札幌逓信局漁撈及び製塩業等の一部に成績の上らなかつたものがありましたことは事実でございます。これらにつきまして当時の事情を少しく申し上げますと、東京逓信局漁撈施設は、従業員勤労意欲の高揚と食生活の緩和のために、鮮度の高い魚類を実費で配給したい、こういう目的漁撈施設計画いたしまして、千葉県千倉町の日本興拓株式会社漁撈業務を委託したのでありますが、当時漁撈用の網であるとかいつたようないろいろな漁具は、一般的に資材入手が非常に困難でありました上に、値段も高騰高騰を続けておつたのでありまして、予算の範囲内でようやく入手しましたときは、すでに漁獲期を過ぎておつた。こういうことで成績を上げることができなかつたのでございまして、この点は遺憾に存じた次第でありますが、一方極力日本興拓株式会社を督励いたしまして、当初の計画通り実効を上げるように努力をいたしたのでございます。ところが何しろ漁撈のことでございますので、天候に左右されまするし、技術的にも若干の欠点がございましたので、このままにしておいたのではその施設目的を達することができぬということを考えまして、会社との契約を解除いたしまして、一切の資材当局に引上げ、二十三年の一月中句から逓信局直営業務として開始いたしたのでございます。しかしながらその後の成績はあまり芳しくありませんし、今日食糧事情は好転いたしましたので、もはやこのような施般が必要ではないのではないかというふうにも認められますので、ことしの六月十六日をもつてこれを廃止することに決定いたしまして、取運んでおる次第でございます。なお日本興拓株式会社無償をもつて貸しつけました船は、戰時中横須賀郵便局使用していたものでございまして、終戰とともに遊休船なつていたものでございますが、そのままにしておくことは船の保管管理上にも支障がありますので、これが活用を考慮しておりましたところ、たまたま日本興拓株式会社から漁獲物運搬用として貸しつけの申請がございましたので、保管及び維持に要する費用はすべて会社において負担するということを條件として、暫定的に貸しつけたのでございます。その後この施設は前にも申し上げた通り契約を解除いたしましたので、八月二十四日付でこの船の委託保管も解除したのでございます。  次に札幌逓信局漁場設置は、実は札幌特殊産物でありますにしん漁獲に主力を注ぐ、こういうことでこの漁撈施設運営等につきましても、北海道庁その他関係各期間の指導を受けて開始したものでありますが、その当時は例年にない水溢が非常に高かつたのと、にしんの回遊して参りますときに、漁獲に最も悪い風が吹いておりましたために、沿岸一帶はこの漁場のみならず、ほとんど漁獲皆無であるというような例年にない不漁終つたのであります。またこのにしんのほかに、ほつけという魚がございますが、これはにしんが群集して参ります際に、その産卵後の死んだ卵をたべる。そのためににしんにくつついて来るものだそうでございますが、これを漁獲いたすつもりでおつたのでありますが、前に申し上げました通りにしんが来なかつたということのために、従つて、それについて来るほつけも非常に不漁終つたのであります。右のような事情で所期の目的を達することができませんでしたので、この点は計画と齟齬いたしまして、まことに遺憾に存じておる次第であります。この施設東京逓信局における漁場施設と同様の理由で、今年の十月十一日廃止することに決定いたしたのであります。また札幌逓信局製塩施設は、二十二年度において石炭使用が禁止されましたので、まきを代用しなければならない。こういう実情になりましたが、当時使用しておりました製塩用のかまは俗にいう五右衛門がまというものでありまして、燃料の点から申しましても最も不経済なものでありましたために、これを平がまに改造することにいたしたのでございますが、現物入手相当の時日を要しましたのと、石炭にかわるまきも、当時の状況といたしましては入手が楽ではなかつたのでありまして、ようやく平がま設置して燃料の入手ができましたときには、すでに季節的にも降雪期に入つてしまう、いういう関係で操業能率の点及び燃料の経済性といつたような点から考えまして、どうしても雪解けの季節を待つて操業を開始した方が有利であるという結論に達しましたので、二十二年度のおきましては生産はなかつたのでございます。二十三年度におきましては、七・七トンの生産をあげまして、金額にいたしまして二十三万余円の收益をあげたのでございます。そうしてこれを管内の従業員に配給したのでありますが、札幌逓信局におきます製塩事業の成績は、これを継続して行くということは、経費の点その他むりがありましたので、今年の一月以降事業を中止させた次第でありますから、何とぞ御了承いただきたいと存ずるのであります。なおこの種の厚生施設の運営につきましては、設置当時の食糧事情並びに社会事情と今日の事情とは、著しく変化をいたしておりますので、国の施設としてこういうことを運営することにつきましては、全般的に再検討を要する状態なつておりますことは、御承知通りでございますので、当局といたしましても、それぞれの厚生施設の実態の調査をいたしまして、その資料に基きまして、官から経費をつぎ込まなくても自営で、いわゆる独立採算でやり得る施設は、なお厚生施設として置く必要のあるかないかということもにらみ合せまして、存置する必要のあるもの存置する、そうでないものはこれに廃止するということで、郵政省におきましては九月十六日、電通省は十月十一日にそういうことに決定いたしまして、それぞれ取運び中でございます。  それから三六六号の問題は、移動式の箱番の購入に名をかりまして家屋の新築をしたものがあるという御批難でございます。元来この箱番と申しますのは、電信電話の工事材料や工事用の器具等の保管場所、またはこの工事に従事いたします者の休憩等に充てるために設備する、ごく簡易な移動式の小屋でございます。従つて工事の終了とともに解体して、他へ移動して持つて行く、こういう性質のものでございます。ところが札幌逓信局及び札幌電気通信工事局において設備いたしました箱番は、会計検査院の御指摘通り、箱番の性質をやや逸脱した固定式の建物であつたということは、これは事実でございます。しかしながらこれらの局においてかような施設をしなければならなかつたという実情について申し上げたいと思いますが、この局におきましては、工事用の資材の格納する場所が人家から相当離れた位置にありまして、終戦当時の社会事情から盗難事故が頻発しておりましたので、どうしてもこれを監視する必要がありましたことと、また一面従業員の中には、これはどこも同じでございますが、極度の住宅難のために転退職する者が続出いたしまして、そのままほうつておきましては、事業運営上に非常な支障を来す、こういう状態に立ち至つておりましたので、やむを得ない応急的な措置といたしまして、こういつたことをいたしたのでございます。また他の逓信局におきましても、これとほぼ同様な事例がありましたことは、まことに遺憾に存じているのでございますが、今後は予算措置を講じた上でなければ、この種の固定的な建物を建築するといつたようなことはいたさないことに改めますとともに、これらの建物は暫定的なものでございませんので、その処理を固定施般に編入いたしまして、正式の手続によつて監理いたすことといたしましたから、この点何とぞ御了承願いたいと思います。なおこれらの間違つた処置をいたしました責任者につきましては、それぞれ訓告の処分をいたしたのであります。  次に三六七号から三六八号までは、予算目的外経費使用したものとして御批難を受けたのございますが、うち三六七号の問題は、逓信省総務局において、高等逓信講習所という部内の教育機関がございますが、この講習所の図書室の模様がえ等の代金を諸経費の項、教育施設費の目から支出するのが正当であるのを、業務費の項、電話経費の目から支出いたしたことについて御批難を受けたのでございます。逓信省におきましては、昭和二十二年度から実施せられました逓信事業特別会計制度の改正に伴いまして、同年度予算科目も全面的に改正をいたしました関係上、所要予算の科目別編成におきましても、適切を期し得なかつたのでございます。従つてこの予算使用につきましては、極力適性な科目から支出するよう努めたのでございますけれども、教育施設費の予算は当時すでに逼迫いたして、少しの余裕もない一方、この図書室の模様がえの工事は、図書室、それから寄宿舎等の間仕切り修繕工事でありまして、新年度で新規に入つて参ります生徒を收容する必要があつたことと、この校舎は戰時中少年逓信隊が使用していたものを昭和二十一年度に内務省から引継ぎを受けたものでありまして、校舎としては不適当であつたので、早急にこれを修繕しなければならない、こういう実情でありまして、かつまた工事の箇所及び工事の性質が、主として電話に関係が多いと認められましたので、やむを得ずその経費を談話の経費から支出したのでありますが、これらの点は御指摘通り間違つたやり方でありますので、十分将来注意をいたすことといたしたいと存じます。なおこれの責任者に対しましては、注意処分をいたして將来を戒めたのでございます。  三六八号の問題は、札幌逓信局で施工いたしました甲種物品倉庫新築工事代金は建設改良費で支弁すべきものを、業務費から支出したので御指摘を受けたものでございます。この甲種物品と申しますのは、電信電話に必要なる物品でございます。札幌電気通信工事局及び札幌無線工事局においては、工事材料費の物品を格納する倉庫がございませんので、露天積みにするとか、あるいは天幕等の中に格納するという以外に方法がありませんで、電信電話の関係物価保管方法としては、たいへん支障があつたのでございます。どうしてもこれらを格納する倉庫の新営をやらなければならぬというので、その新営について提案し、これが実現について努力いたしたのでありますが、遂に関係官庁からの承認を得るに至らなかつたものであります。しかしながらさればといつてそのまま放置しておくことはどうしてもできない、こういう実情に立ち至りましたので、やむを得ない措置といたしまして損益勘定工事費を流用して、さきに承認を受けました札幌逓信局の甲種物品格納のための倉庫新築工事の一部として使用、加工したのでありますが、かような事柄はまことに措置を得ないものでありまして、遺憾に存ずるところであります。今後は正当なる予算措置をいたしまして施工することにいたしますから、この点御了承願いたいと思います。
  7. 金子與重郎

    ○金子委員 説明中ですが、時間もお晝にわずか十五分しかないので、ここに書いてあることは説明を簡單にしていただいて、総括的な問題について一、二質問さしていただくことがいいじやないですか。
  8. 川端佳夫

    川端委員長代理 承知いたしました。それでは中村政府委員に申し上げますが、大体ここに書いてございますことはできるだけ割愛していただいて、変化のあつた点とか、特にあなたの方から申し述べておきたいという点だけにとどめていただきたいと思います。
  9. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 それでは三六九、三七〇、三七一からずつと三七七までは、御質問等がございますれば御説明申し上げることといたしまして、三七八につきまして御説明いたしたいと存じます。  三七八号は、歳入歳出決算の作成にあたりまして金額の計上を誤つたものとして御指摘を受けたものであります。この点は検査院の方から御指摘を受けましたことく差異を生じているものでありまして、この点はまことに遺憾に存じております。この差異につきましては、実は会計制度の内容ということを少し御説明を申し上げて、仰了解を得たいと思いますが、主任出納官吏の決算は、全国の郵便局の分任繰替拂等出納官吏のすべての受領額をとりまとめるものでありまして、その決算昭和二十二年度分においては、昭和二十二年五月中旬に結了を見たのでありますが、この受拂額中に通信会計所属の歳入金及び歳出金の受拂額と、全国郵便局の分任繰替拂出納官吏からの報告によつて、歳入徴收官及び支出官が、歳入徴收済額及び歳出支出済額として計上した額の集計額との間に、その二つの間に差違を生じたものでございます。どうしてそういう差違を生じたかと申しますと、そのおもなる原因は、受拂いをした郵便局から両者へそれぞれ報告をするのでありますから、りくつから申しますれば合致するのでありますが、実は一方の方への報告がまだ到着しない、あるいは科目金額等の経理を誤つた、または年度区分の誤謬等があつた、こういうために合わなくなつたものと推定されるのであります。もちろんこれらの事故の発見に努力しておりまして、それぞれの監査機関において発見した事故については、当該郵便局に照会いたしまして、相当訂正処理を行つておりますが、この取扱いの金額及び件数が非常に厖大なものでありまして、計算も非常に困難でございますので、これには相当の時日を要するのでございます。昭和二十二年度における実績において申し上げますと、全国の郵便局の局数一万四千、その分任繰替拂出納官吏の受拂額は五千七百四十七億余円に達しまして、これに主任繰替拂出納官吏の受拂額千二百九十億円を加えますと、総額は実に七千三十億余円に達するのでありまして、その取扱い件数はおよそ三億五百万件、これを整理する科目も三十有余に上つているのでございます。しかしながら一方決算時期の制約もありますので、これらの事故のものは一応臨時受拂額として決算を行いまして、事故の調査をし、その結了をまつて正当科目に組入れの処置をいたしているのでございます。歳入徴收官及び支出官も、一応郵便局からの報告して参つた額をもつて決算を行つております関係上、決算期に際しまして歳入歳出決算額と、郵便局の分任繰替拂出納官吏の受拂額との間に全面的一致を見るということに、先ほど申し上げましたような時期のずれ、誤計等によりまして、ほとんどこれは不可能ではないかというような状況でございます。昭和二十二年度において前記のような大きな金額の差を生じましたのは、右の事情に加えまして、実は会計制度の全面的な改正を行いましたために、この出納整理をするいわゆる整理機関というものを廃止いたしましたので、この制度改正の趣旨が十分に郵便局等に徹底いたしませんで、不なれのために事故を起した、こういつたこともあるのでございます。これらにつきましてはその不符合の原因を究明いたしているのでありまして、一方郵便局に対する取扱いの指導ということにも力を注ぎ、事務能率の向上と事故の防止ということをあわせて行つておりますが、これらの不符合につきましてはなお引続き調査をいたしている次第であります。一日も早くこの不符合を解消いたしたいと存じている次第であります。
  10. 川端佳夫

    川端委員長代理 電気通信省経理局長肥爪政府委員にちよつと申し上げますが、あなたの方の関係の分について、ただいま中村政府委員にお願いしたのですが、特にこの際申し述べていただかなければならない分だけを御説明願いたいと思います。
  11. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 ただいま中村政府委員から詳細な御説明がございましたので、あまりつけ加えることもないのでございますが、見渡しましたところ、電気通信省関係におきまして、一番問題と思われますのは、特殊物件の処理関係と思うのであります。これはその後組合が取上げるとか、あるいは新聞で書き立てられた場合もあるので、ありまして、この際ひとつ十分御理解をお願いしておきたいと思うのであります。この特殊物件に、先ほど中村政府委員から御説明がございました通り、昔の陸海軍の使つておつた通信器材でございますが、これの処理方を当時の逓信省にまかされたのであります。そういう物資の、政府としての全般的な取扱いの責任官庁は、内務省でございましたが、この通信器材に関しては、内務省からさらに逓信省に移されたというかつこうになつております。そこで逓信省におきましては、最初は無償ということになつておりましたから、もらつたつもりでおつたようであります。ところが途中で有償ということになり、またその値段をきめるのに、非常に点数がたくさんなものであつて、従来逓信省で使つておつたものと同じ型のもののみというわけに参りません。軍の使つておつたものでありますから、従つて値段をきめます上に非常に苦心があつたようでありまして、その値段がきまりましたのが、二十三年二月であります。従いまして、それから代金を取立てるということになつたのであります。そこでだんだん遅れて参つたのでありますが、この総体の金額は一億三千二百万円に上つたのであります。そのうちで取立て済みが一億一千四百万円でありまして、先ほど中村政府委員から御説明がありました通り、未徴集が約千八百万円ほどになつておるわけであります。そのうち閉鎖機関に属しますものが六百二十万円ほどありまして、これは閉鎖機関でありますから、その処理ができますまでは取立てができない。そのほかが一千二百万円でございますが、これが件数にいたしまして四十五件になつております。この四十五件のうちの十三件につきましては、法務庁とも相談をいたしまして、強制的な徴收方法を講じてやつておるわけであります。それならその十三件だけではなしに、全部強制徴收の方法を講じたらどうかという御議論もあるかと思いまするが、実は私も昨年の九月から今年の五月一ぱい資材局長で、その方面の仕事を担任いたしておつたのでございますが。強制的なことをやりますと、向うがすねまして、なかなか納めない。非常に資力のある者でありますれば、強制徴收、差押え等をやつてもいいのでありますが、財産のない者では、それを押えましただけでは、元も子もなくしてしまうということでありますので、おどしたりすかしたりして取立てに専念しておるわけであります。そういうような事態になつておりまして、未徴集がいまだにこれだけあるということは、まことに恐縮でございますが、事情を以上申しましたような事情でございますので、御了承をお願いいたしたいと思う次第であります。
  12. 川端佳夫

    川端委員長代理 それでは御質疑はございますか。
  13. 金子與重郎

    ○金子委員 簡単に二、三質問いたします。特殊物件拂下げの問題ですが、この特殊物件拂下げについてどの会計の場合でも種々問題を起している。鉄道の場合にもいろいろ新聞紙上その他をにぎわし、あるいは考査委員会の問題になつているということは、元来戰時中に、国民がなけなしの最後り火鉢まで供出して、そして国家は国民に大きく圧力をかけて、資材なり税金においてしぼつたものを、戰争が負けたあと、それをこういうような形において、——事実上そうするより仕方がなかつたというものの、これを無償あるいは有償で一括処理するということによつて起つておるのであります。それだけならよろしいのだが、さてそれではどういう形でその当時軍の放出物資を拂下げたかというと、官庁と特殊な筋道の続いておる人間、あるいはこの際漁夫の利を得ようという悪質ブローカー等に拂下げられ、いわゆる戰後成金になつたような連中は、大体この特殊物件によつて成金になつておる。そういうことが国全体の輿論になつた。ですからこの問題が非常にやかましく言われておるわけであります。それで参考のために聞きますが、四十五件というものの拂下げをしておる、今債務を背負つている、あるいは皆済いたしたにしても、その拂下げ先のおもなるものは、業種別に言つてどういう性質のものですか。官庁が多いか、あるいはこれを実際に使う立場におる人間が多いか、あるいはブローカー的な者が多いか、その内容をちよつと聞かせていただきたいと思います。
  14. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 この一億三千二百万円のうち逓信省、今の電気通信省がとりましたのが大部分でございます。電気通信省がもらいましたのは九千七百万円あるわけであります。その他のものが、方々へ行つたわけでございますが、いろいろありまして、学校も相当ございましたし、そのほか製造業者、販売業者等もあるのでありまして、現在残つておりまするのが、たとえば昭和電気工業株式会社、あるいは戸根無線株式会社、あるいは鐘淵通信工業株式会社、朝鮮情報社、野方研究所、旭電気工業株式会社、大和電気工業株式会社、朝鮮建国促進青年同盟、下山製作所、広瀬ナルページ株式会社、八雲通信株式会社、海外引揚者東京合同受産所、海洋無電株式会社、三池工業株式会社、大北電気工業有限会社東京工芸株式会社、東山商事合資会社、葵無線株式会社、暁無線株式会社、こういうようなものが現在残つておるわけであります。そのほかに……。
  15. 金子與重郎

    ○金子委員 時間がないからそれでけつこうです。  もう二、三点質問いたしますが、逓信関係の逓係信院の問題が、ここに三百六十一に上つておりますが、逓信病院と診療所というのはどのくらいの数を持つているのですか。概略でもけつこうです。
  16. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 逓信病院と申しますのは、大体逓信局の所在地にございます。従つて全国に十箇所でございますが、大体診療所と申しますのは、大きな郵便局に附置をしてございます。従つてこの数は相当多うございます。前には逓信病院は設備といたしましても、ベツトを持ち、入院施設を持つて、各科を備えておりますが、診療所と申しますのは、ほんの内科を主としたものでありまして、ごく小規模なものでございます。
  17. 金子與重郎

    ○金子委員 逓信病院特別会計というものは、これは私よく存じておらないのですが、逓信病院の経営というものは、特別会計損失にそつくり移行するものですか。これは会計検査院の方でもどちらでもけつこうです。
  18. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、逓信病院は一、二のものを除きまして、他はお医者さんとか、看護婦とか、こういつたものは政府で直接まかなつておりましたが、薬品の薬局関係、これは逓信共済組合でやつておつたのであります。しかしながらそれはいけないというので、現在では全部收入も支出も国の会計としてやつております。従つて現在申し上げますならば、電気通信省なら電気通信事業特別会計郵政省では郵政事業特別会計、これの歳入歳出なつております。
  19. 金子與重郎

    ○金子委員 こまかい話になりますが、そうしてこの逓信病院はほかの保險との——いわゆる社会保險の点数とどういう関係なつておりますか。
  20. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 これは先ほども説明申し上げましたように、社会保險の点数表を用いまして、それに対して一点五円、こういうことになつております。それでも一般の市価からすれば十分安いものでございます。
  21. 金子與重郎

    ○金子委員 そうしますと、この逓信病院並びに診療所というものの特別会計は、今私どもほかに病院を経営しておりますが、今の保險單価で行きましても、少し良心的な診療をして行きますと、相当赤字になつて参るのですが、これに対する十箇所の病院並びに附属診療所というものの国家の施設費、並びにそれから来る赤字というものは、逓信業務員に対する特典になつているという解釈でいいわけですね。
  22. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 実は共済施設と申しますか、厚生施設、これはいろいろ検査院の方からの御指摘もありますし、また関係方面からの指摘もありまして、逓信業務それ自体に直接関係はないわけでございまして、従つてそういうものは独立採算で、收入で支出をまかなえ、こういう強い要請がございますので、二十五年度予算では大体そういう建前で收入の限度で支出をする、こういうことにいたしております。
  23. 金子與重郎

    ○金子委員 しかしその施設費というものは、自己でまかなつているわけではないでしよう。
  24. 中村俊一

    中村(俊)政府委員 お話の通り、建物を建てますにも、施設をいたしますにも、相当の金がすでに従來出ておりますから、これの原価償却といつたようなことを考えますと、やはりそれは收入をもつて十分できておらぬわけでございますので、その点では実際の收入よりも支出をよけいかけている。しかしこれは御承知のように逓信従業員も、今は全部国家公務員法によりまして待遇も同様になりましたけれども、昔の逓信省と申しますのは、皆さんもよくおつしやつていただきますように、実は待遇が非常に悪かつたのでございます。せめてこういうような福利施設でもできるだけやりたい。こういう方針逓信病院設置のそもそもでございます。それからなお申し上げておきますが、東京逓信病院大阪逓信病院は、日本における最も大きなものでございますが、これはわれわれ部内人及びその御趣旨に御賛同いただきましたものからの寄附金によつて建てたものでございます。
  25. 金子與重郎

    ○金子委員 会計検査院の方に私の考えを一応申し上げて、あなたの考えをお聞きしたいのですが、この前に出ている鉄道の共済会、逓信関係における逓信病院、並びに共済組合の福利施設としてはなはだしいのは魚取りまでする、塩までつくる。これらは実にべらぼうな話なのでありまして、問題にならぬ。これをやめましたからよろしゆうございますなんといつて、一体やること自体が根本的に私は納得できない。それは塩がない時代に塩をつくるとか、あるいは食糧の困つている時代に食糧をどうして確得するかということは、そのこと自体がいけないというのではない。しかしながらほかの国民の立場を考えると、こういう場合にはほかの国民はみな自分のふところから出し合つてでなければこういう施設をやることができない。一つの例として現に私の方の群馬県は塩が非常にない県である。だから群馬県中の者が金を出し合つて川崎に工場をつくつた。ところがGHQから電気をとめられて、百何万円を完全な農民の損失として負担しなければならなくなつた。まつたくの指導者の失敗であるけれども、その仕事をすること自体は悪くないけれども、いやしくも国民の税金のかかつた金をまわしてやるとか、厚生施設として官の組織自体が心配することは根本的に違うと思う。こういうふうな厚生施設——あるいは鉄道における共済会におきましても、逓信病院のごときも、今まで予算として認めていたからではありますが、これが一般の農民だつたらどうです。組合病院を建てなくちやならぬ。組合病院を建てるとは個々の人たちが何百円なり何千円を支出をして、そうして病院が赤字になつたときには、それが組合員の負担になる。そういうふうにして今全国的に国民健康保險が健立されると同時に、もはや行き詰つて、国家のわずかな助成金ではやつて行かれなくなつて来る。その損失はだれがこうむつても、これはみな国民がしよつているのでありますから、鉄道とか逓信とか大きな予算を使う機関のもとにおいて、こういうふうな厚生施設をすることは——こういう厚生施設をすること自体はいいことでありますけれども予算の金を流用されるような気づかいを多分に持つ形において支出をすることは、今後やめることが国民として正しいことだと思う。これに対して会計検査院の立場としてどう考えられますか。
  26. 綿貫謹一

    綿貫説明員 お説の点は、私どもも大体御意見の通りに考えておるものでございます。御承知通り鉄道でも、製塩とかあるいはいろいろの厚生施設をやりました。これは昨年度検査報告に載せてあつたのであります。それで鉄道はもうすでに一切やめまして、その收入金も国庫に納めました。これは昨年の検査報告にも書いてございます。それから逓信の方でも、いろいろたくさんの従業員をかかえており、しかもこれが非常に公共性を持つておりまするので、事業の運営上ある程度は、その時期によつては厚生施設もやむを得ぬと思います。しかしやむを得ぬ程度において——これは冷酷な見方でありまするが、やる場合においてはやはり正当に予算を国会の議決をいただいて、そしてその予算の範囲内においてはつきりと、厚生施設をやる経費はこれだけだ、これだけはよろしいというお許しを得た範囲内でやりますものは、これは当然やつてよろしかろうと思いますが、この逓信省の場合で申しますと、三六五に書いてあります通り、こういう福利施設として使つていい金が六百万円というふうに予算ができておるわけです。しかるにそのほかに百万円を足してこういう事業をおやりになるのは適当じやないということで、本年度も続いて再三警告はいたしておるのでございます。先ほど当局からも御説明がありましたように、大体再検討してやめるべきものはやめるというお話でありまするが、けつこうなことで、やめられるものならばおやめになる方がよかろう、もしおやりになるならば、やはり正々堂々と国の金をこれだけ使うのだという予算をとりまして、その範囲内においておやりになるべきであるというふうに考えておる次第でございます。  それから病院の問題でありますが、これも前の運輸省の決算の場合にも、やはり鉄道にもこの問題が出ておるのでございます。これもわれわれ公務員から見ますると、実は自分自身に考えてみましても、ある程度のこういう病院施設をやつていただいておらぬと一朝事あるときにまことに困るのでありまして、これは好ましいことであると思います。検査報告にも書いてあります通り、好ましいことではあるがあまりにもひどいじやないか、つまりこういう大世帶で予算が多少やりくりがつくので、收入が支出の三%程度、つまり九七%は国費でまかなつているというような事態では、あまりにもひどいじやないかということで、当局に再三御警告申し上げた。それでここにありますように大分お上げになりましたわけであります。お話のようにたといたくさんの従業員をかかえて、公共事業をやつておいでになるとしても、やはり程度問題でありまして、極端に行つたらいかぬのじやないかというふうに考えております。  なおこの際つけ加えて、この問題と離れましてちよつと発言さしていただきたいと思いますことは、先ほど当局から、この三六四号の自動車購入について、当時未納の状況であるのに、入つたとして金を拂つたと書いてあるけれども、それは未納じやなかつたのだという御説明でございました。これはどちらでも考え方の問題でありまするが、私の方といたしましては、当時当局で三月中に自動車を検收してしまつたのだという御説明でありまするが、その検收したとおつしやる自動車は、実はほかの会社へまわしてしまつたのであります。私の方の調べで参りますとそうなります。でありますからいやしくも検收をいたしてあるというならば、検收にあたつて特定のものであるということにならなければいかぬ、つまり車体番号もエンジン番号もとめずに同じ車がたくさん倉庫に入つておつたうちの五台なり六台を買つたのだと言つてみても、その車はそういう検收の仕方では特定されぬ。現実にその車はほかへまわされて、その後別の車が入つたわけであります。これの検收ですけれども、検收上これはよろしくないのだ、つまり検收が完全にできておらないならば、それはほんとうに入つたとは言えないのではないかというのが問題でありまして、当局の御説明の印刷にも、検收上遺憾な点があつたというふうになつておりますので、私は検收が完全に済んでおらないならば、それは納入になつたものではないと考えてこの案をつくつておりますので、あるいは見解の相違かもしれませんが、一応そこだけ弁明させていただきたいと思います。
  27. 金子與重郎

    ○金子委員 今会計検査院のお話を承りまして、大体近いというようなお話でありますが、これに対して私の考えをもう一度参考までにお聞き取り願いたいと思います。将来の問題として、決算の問題にも参考に資していただきたいと思いますことは、鉄道なら鉄道毎、逓信なら逓信が、こういうような公共性を持つた団体として、たくさんの従業員を擁しているからこうだというようなお言葉がありましたが、この公共性という言葉は、非常に解釈上むずかしい問題があると思う。官的な存在なら公共だ、民的な存在なら公共でないというような言葉は使うべきではないと思う。たとえば現在農民は米を生産している。彼らは割当によつて生産をし、できた品物の販売の自由も認められていない。価格の自由も認められないで、国民が一日としてなくてはならぬ米を生産しているが、これが公共性がないかどうかという問題だ、鉄道、逓信等に比べてどちらが一体公共性が強いのか。それを一方は官的な存在だから公共事業だ、一方は一人々々が野や山で働いているのだから公共性がないのだということになつたら、公共ということに少し異論があると思う。そういう意味におきまして、国家の予算をたくさん獲得する大きな官的な存在であれば、福利施設をやつてもよいのだということになるのか。そういうところは福利施設をみな持つておつて病院も立つておりますが、それらは官の予算にすがつてやつているのである。逓信関係の人であろうが、鉄道関係の人であろうが、給料が足らなかつたときは国家に要求すべきであり、福利施設も必要なときには、国民ひとしく同じ立場において要求すべきではないかと思います。そういうことであるならば、この問題は金額の問題ではなしに、その考え方自体に非常な誤りがあるのではないかと私は考えております。会計検査院の方でも、この点については特に嚴重に今後お考え願いたいと思います。  次に総括的な問題について伺いますが、この批難事項会計検査院が出すまでに、国費をたくさん使われていると思う。容易な手間と費用でこれだけのまとまりがつくものではない。それがどうして国会で認めるか、認めないかという考えの姿になつているかと言うと、これの審議をしてもしないでも、結果においてたいしたことはないということになつているからであります。そこで内情を申し上げますが、決算委員になつてくれと言われても、今日だれもなり手はありません。しかたがないので、おれがなろうとかという程度です。従つて決算委員会がフルになつたためしがない。はなはだしいときは一人になつてしまう。これではいくら審議をしても、その結果は国民に反映しないわけです。そこでどうして国民に反映しないかという問題を私どもは掘り下げてみなければならぬ。予算をとるときには、これを認めるか認めぬかということで牛や豚を殺すような騒ぎを予算委員会でやつて、その使われた結果を見るときには、この一箇年の経過を見ても何億、何十億という金が不合理に使われている。ところがこれをだれもとがめない。とがめようとしてもまるで八百長のようにして批難事項が出て来る。この批難が出て来ると、警告を與えました、処分しましたということで終わつてしまう。そういうことでは私は決算委員会は無意味のような気がする。言つて私どもが一つ一つの数字を調べて地方の現場に行つて調べてどうこうということになると、時間的に許されぬ問題です。そこで会計予算経理を乱つた年度区分を乱つたという問題もありますし、監督不行届のために公務員に損を與えたという現実の問題もあります。その場合でもこの多くの例を見ますと、嚴重な注意を與えました、何をしましたということだけで済んでおりますが、一体官吏の服務規律というものから行くと、どういうことをしでかしても刑法上の問題にならない限りは、その上司は責任をとることができないのかということに、私ども民間人として疑問が起つて来ます。もし大きな失態を犯して、国家に損失を與えたときには、その当人なりあるいは決裁をした人たちが、たとえばわれわれ民間の会社あるいは民間の組合、協同団体というふうな形のように、重要な責任をとるということに一体今後はできないものか。これは大きな問題ですが、これに対してはどういうに考えておられますか。
  28. 綿貫謹一

    綿貫説明員 ただいまの御説まことにごもつともと拜聽いたしました。先ほどの私の説明で足らない点がございましたので、ちよつと補足させていただきます。  私は厚生施設はやつてよいということを申し上げたのではなく、事情はやむを得ぬかもしれないと、こういう気持ちで申し上げましたので、決して今の予算に認められない厚生施設をやつてよいという、つまり公共性と申しましたのも、やはり公共性を持つ面から考えて、事情はやむを得なかつたかもしれない、多少のことはやむを得ないのじやないかということです。こう言うとまた多少と言うのがいかぬとおしかりを受けるかもしれませんが、気持ちは、そういう事情はわかるが、それはいかぬと、こういうつもりでございますので、根本的には御意見の通り予算があるならやつてよろしいということで、正当にとつた予算のほかにやつてよろしいということは考えておりませんから、その点は御了承を願います。  それから不当支出のために国に損害を與えた場合、これに対してもつと嚴重な責任を負わせてはどうかという御意見のようでございますが、これは関係方面からの示唆もありましたので、政府部内でもこのごろ研究いたしました。つまり不当の支出によつて国に損害を與えた場合、その金を辧償しろ、そういう一つの法案を研究いたしたのです。ところがだんだん研究いたして参りますと、今の金で何百億、あるいは大きいものなら何千億ということになりますが、これがはたして個人として辧償し得るかどうかという問題にひつかかつたわけでございます。そこで個人で辧償できぬ場合は、保險を利用する方法はないかという面を考えましたところ、保險制度をうまく活用すれば、必ずしも実行不可能ではないということになつたのでありますが、さてそうなりますと、経理担当面の人だけに非常に荷が重くなるのであります。つまり間違つたことをした場合に、故意にやつた場合は別でございますが、過失によつてやつた場合にでも辧償させられるということになつたならば、給料で保険料をかけるというわけにはとうてい参りません。何億あるいは何千万円、少くとも何百万円ということになりますと、そういうことで多少実行的に不可能なことがあるのではないかということを考えられて、まだ成案になる運びに至つていないように聞くのであります。これは主として政府の方でお考えになつているわけでありますが、そういうことで御説まことに、ごもつともと思います。これはお話のように、租税を徴收されるときは、非常に税が重いとか何とか言つて騒がれるのでありますが、その使われた結果については案外御関心が薄いように思われるのであります。あるいはここに出ている案件以外に、これ以上の数をいろいろ検討して、そのうち最もも不合理なものというものがここに会計検査報告に載せられておるのであります。現に先ほども説明申し上げましたように、ここに載つているのは十六件でございますが、発見したのは十四件でございます。こういう状況でありまして、われわれとしては一年中このことで働いておりますので、相当苦労しております。ところが国民の各位があまりにも決算というものについては御関心がないように思いますので、私らとしては、その点もう少し何とか方法がないものかと寄り寄り考えているのでございます。しかし何しろこれは、ただいま二十二年度を御審議願つているような状態でございまして、事が古くなるものでございますから——しかも二十二年度もここで議了をお願いできるかどうか知りませんが、これがまた先に延びますと、ますます時代物になつてしまいますので、われわれとしてもまことにその点ありがたくないのでございます。実は私ども説明するにいたしましても、だんだん記憶も古くなりますし、せつかく力を入れてやつたものが古物になつてしまつて、まことに物足りない感じを持つているわけでございます。御説はまことにごもつともと考えております。
  29. 金子與重郎

    ○金子委員 会計検査院なりあるいは政府自体も、この問題に対して何らか考慮しなければならないというお考えを持つておるということに対しては、非常に喜ばしいことでありまするが、なおこれは方法がないということであきらめるべき性質のものでないと思います。たとえば保險によるものもよろしいだろう。それからもう一つは、いやしくも国家の公務員であるという以上は、われわれが地方における経済団体をやつておりましても、重要な職責にある人たちは、保証人がなかつたならば採用しないということもやつておりますので、そういうふうな考え方を持つことが一つと、これからこういうふうな決算の委員会の中から、こういうふうな事件に対して審議する機関を置きまして、そうしてその審議機関にかかつた場合、これは実際上国家に損失をこれだけ與えておるけれども、やむを得なかつた事情があつたとか、あるいはこれはまつたくどの程度までの責任を負わすべきだというふうな審議会のようなものを持つても、まだ今のただ訓告を與えた、何を與えたという程度のことから見れば、相当大きく自粛できるのではないかと考えるわけであります。ですから單に方法がないということであきらめるのではなく、ことに会計検査院の立場からも、この問題について十分研究なさつて、そうして非公式にでもわれわれとまた相談していただく機会をこの際與えられることをお願いしておきます。
  30. 肥爪龜三

    肥爪政府委員 金子委員から非常にご熱心なお話を承りまして、非常に感銘が深いのであります。今のお話に対しましてごもつともでありますので、正面からお話し申し上げるわけではございませんが、先ほどの医療施設につきましていろいろ公共性云々のお話があつたのであります。まことにごもつともなのでございますが、国民の生活を考えて行きまする場合には、医療施設だけを取上げたのではどうかと思われるのでございまして、その置かれておりまする社会上の待遇がいかようになつているかということを、全般としてひとつご同情いただきたい、われわれ事業経営の責任を負つておる者といたしましては、実は私自身もいなかの百姓の家に生まれたのでありまして、百姓の苦しみは小学校のときから身をもつて体験しておるのでございますが、さて通信事業を経営することになつてみますると、都会地におきましてはほかの会社等におきましては、相当の待遇をいたしておるのであります。相当の大きなところは、多少医療関係の便宜も與えておりましようし、その他にもいろいろ便宜があるのでありまして、都会地におきまして逓信従業員を得ようといたしましても、今御批難を受けました医療施設がありましても、また自分たちが寄付いたした病院がございましても、それでもなお人が十分得られない。また百姓の仕事をしておりまするいなかにおきましても、百姓をやつている方がいい。局へなんか行かぬというようなことで、局にはおおむね学校を出た優秀な者が来ませんで、非常な極端な例を申しますとどこか身体の不自由な者が来るという状態がございまして、実は非常に苦しいのでございます。従いまして、一般の事業をやるところでそういう相当厚生施設もしております。そういうようなこともございますので、われわれといたしましてもできるだけほかの方でもやつておる、何とかこういうことをお願いしたい。いろいろな厚生施設も、今や意味をなくしておりますので、先ほど中村政府委員から御説明申し上げました通り、今はやめましたが、その当時におきましては、愛知県の奥の高橋というところで農場を経営する篤志家から、未開発の山林を二十三町歩ばかりいただきまして、従業員が出向いて耕しまして、そうしていも、あわなどを多少とつたのであります。そういうことをやるということで、従業員は待遇は菲薄だが、しかし役所は考えておつてくれるのだというようなことで、また来てくれる者もおるというような、非常に困難な状態でございます。そういう事情も全般的にお考え願いまして、御同情いただきたいと思うのでございます。実は私名古屋逓信局長をやつておりましたときに、従業員の生活の状態を一例を申しますと、集配課のある主席主事を、課長の職務があきましたので集配課長にいたしました。非常に喜ぶかと思いましたら、かんべんしてくれ、課長にはしないでくれ、なぜそういうことを言うかということを調べましたら、実は家族五人で課長になつたのでは非常に責任は重いし、自分の内職ができない、課長のような管理者でないから、街角で役所の時間外にはあめを売つて暮しているのだ、課長になるとそれができなくなつて生活ができなくなるから、かんべんしてくれというようなことを言つたのでありますが、しかしすでに発令したものを翻すわけには行かぬから、一応課長をやつてみて、どうしてもできなかつたらもう一ぺんあらためてやめたらよい、もう辞令を書いてしまつたから課長になつてくれと言つたのでありますが、実はそういうような状態でございまして、一般の生活のレベル、一般の待遇全体から考えることが必要ではないか。また一般の待遇がどんなものであるかということも一応ひとつまたお考えをいただきまして、御同情をお願い申している次第であります。
  31. 金子與重郎

    ○金子委員 私の言うことを誤解されては困ります。私の申し上げたのは、通信関係の方々の給與がよいということは一言も申し上げていないのであります。ただ職場々々によつて厚生施設に対する国家の直接なり、間接なりの恩恵が違うというようなあり方はほんとうではないということです。でありますから、お話のようにいなかの末端の郵便配達が、いかに苦しいかというようなこともよくわかりますが、しかしこれらに対しては堂々と国家に対して給與を要求すべきである。そうして私どもが病気なり、あるいは災難にあつた場合における厚生施設というものは、ひとしく国家がどの職業にあろうと、サラリーマンであろうと、百姓であろうと、商人であろうと、同じく機会均等を得させて行くということが部門部門によつていろいろの施設をやつておつた。そうではなくて、国民全体が負担すべきものはどの職業にある人たちも同じく負担すべきである。そうしてそこに国民の收入に極端な不均衡のないようにすることが政治なんだ、そうして給與を要求する場合でも、いたずらにいわゆる政治的に要求することでなく、ほんとうに末端の人たちの生活の実態というものを把握して、そうして職業別にこれを比較検討して、公平なる給與によつて最低の生活を保障できるように、われわれは考えなければならぬのじやなかろうか、こういうのが私の意見です。そういう点は皆さんが給與のよろしい上に、こういう恩典に浴していると申し上げるのではなくして、給與というものは国民が公平に給與さるべきものである。厚生施設というものは職業のいかんを問わず、同じく、たとえば国民の保險制度なら保險制度の中に入り、あるいは医療協同組合の協同施設があるならば、その制度にのつとつて、同じ制度にのつとつて恩恵に浴すべきじやないか、こういうことを私は申し上げたわけであります。きようはそれだけでやめましよう。
  32. 綿貫謹一

    綿貫説明員 先ほど御注意がございましたので、御注意はよく考えましてございます。先ほどちよつと申し落しましたが、つまり重大な過失によつてはなはだしく国に損害を與えたという者については、現在の会計検査院法からいつても、当該所属長官に対して懲戒の処分を要求することができるということがございまして、実は昨年二十二年度の問題で、懲戒要求をいたしました者が一件ございまして、ちようどきよう何しておりまする郵政省、旧逓信省の公務時報の問題で懲減処分を要求いたしまして、当局は懲戒処分を公務員法によつておやりになつた実例がございます。これはいずれ二十三年度検査報告でその結末を御報告することになると思いますが、さような実例もございますので、今の不正と申しますか、不当の防止あるいは不当の是正については、われわれとしてもしよつちゆう考えて、今許されている法律の範囲内において努力はいたしておる次第でありますが、なお適当な方法については、いろいろとまた研究いたすつもりでございます。
  33. 川端佳夫

    川端委員長代理 ほかに御質疑もございませんから、本日はこの程度にいたしたいと思います。次回は二十八日午前十時から開きまして、裁判所、法務庁、内閣、この関係の審議を進めたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時四十三分散会